説明

液晶装置、液晶装置の製造方法、及び電子機器

【課題】表示品質を向上させることが可能な液晶装置、液晶装置の製造方法、及び電子機器を提供する。
【解決手段】一対の基板10,20間に、負の誘電異方性を有する液晶を含む液晶層50と、マトリックス状に配置された複数の画素電極15を含む画素領域と、素子基板10上において平面的に画素電極15間に長軸が素子基板10の基板面10aに対して垂直となるように配列された液晶性モノマーが重合されて配置された配向制御部500と、を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、液晶装置、液晶装置の製造方法、及び電子機器に関する。
【背景技術】
【0002】
液晶装置は、一般的に配向処理が施された一対の基板間に液晶が注入封止された構造となっている。このような液晶装置の製造過程において、イオン性不純物が、例えば、液晶注入時に混入したり、液晶層を取り囲むシール材から溶出すると、画素領域に拡散・凝集して表示特性の劣化を招くことが知られている。
【0003】
このようなイオン性不純物に起因する表示特性の劣化を抑制することを目的として、例えば、特許文献1には、一対の基板のうち、一方の基板は画素領域に形成された画素電極と、画素領域の周辺領域に形成された周辺電極とを含み、他方の基板は、該画素領域に形成された画素電極部と、該周辺領域に形成された周辺電極とを含み、少なくとも一方の周辺電極は隣接する複数の電極により構成され、該周辺電極の隣り合う電極間で印加する駆動電圧の電圧値が異なる液晶表示装置が開示されている。
【0004】
上記特許文献1の液晶表示装置によれば、上記周辺電極の隣接する電極間の電位を変化させることにより、該電極間に横方向の電界が生じ、液晶の微小な揺らぎによる流れに加えて、画素領域内のイオン性不純物を画素領域の外側に移動させることができ、イオン性不純物に起因する焼き付きなどの表示不良を防止できるとしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2008−58497号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上記特許文献1の液晶表示装置は、複数の電極を有する周辺電極を設けたり、駆動用ICなどの電子部品が必要になったりするなど、製造コストの上昇や生産性の低下を招くおそれがあるという課題があった。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、上記課題の少なくとも一部を解決するためになされたものであり、以下の形態又は適用例として実現することが可能である。
【0008】
[適用例1]本適用例に係る液晶装置は、一対の基板間に、負の誘電異方性を有する液晶を含む液晶層と、マトリックス状に配置された複数の画素電極を含む画素領域と、少なくとも一方の前記基板上において、長軸が一方の前記基板の基板面に対して垂直となるように配列された液晶性モノマーが重合されて配置された配向制御部と、を備えることを特徴とする。
【0009】
この構成によれば、基板面に対して長軸が垂直となった液晶性モノマーからなる配向制御部を設けたので、この周辺の液晶分子にも配向規制力が生じ、基板面に対して垂直配向させることが可能となり、不純物イオン(イオン性不純物)が画素領域の角部に集まることを抑えることができる(フローを抑制することができる)。よって、シール材などから溶出する不純物イオンが画素領域の角部に溜まることを抑えることが可能となり、その結果、画素領域の角部に表示ムラが発生することを抑えることができる。加えて、電極などを増やすことがないため、かかるコストが抑えられたり、生産性の低下を抑えたりすることができる。
【0010】
[適用例2]上記適用例に係る液晶装置において、前記配向制御部は、一の画素電極と、該一の画素電極の対角方向に配置された他の画素電極との間に配置されていることが好ましい。
【0011】
この構成によれば、配向制御部が一の画素電極と他の画素電極との間に配置されているので、この周辺の液晶分子にも配向規制力が生じ、基板面に対して垂直配向させることが可能となり、不純物イオン(イオン性不純物)が画素領域の角部に集まることを抑えることができる(フローを抑制することができる)。よって、シール材などから溶出する不純物イオンが画素領域の角部に溜まることを抑えることが可能となり、その結果、画素領域の角部に表示ムラが発生することを抑えることができる。
【0012】
[適用例3]上記適用例に係る液晶装置において、前記配向制御部は、平面的に前記画素電極と重ならないように配置されていることが好ましい。
【0013】
この構成によれば、平面的に画素電極と重ならない位置に配向制御部が配置されているので、画素領域の配向に悪影響を及ぼすことを抑えることができる。
【0014】
[適用例4]上記適用例に係る液晶装置において、前記配向制御部は、平面的に前記画素電極の一部と重なるように配置されていることが好ましい。
【0015】
この構成によれば、平面的に画素電極の一部と重なるように配向制御部が設けられているものの、画素領域の配向に悪影響を及ぼすことを極力抑えることができる。
【0016】
[適用例5]上記適用例に係る液晶装置において、前記画素電極を囲むように、金属配線が交差して配置されており、前記配向制御部は、平面的に前記金属配線が交差する部分と重なるように配置されていることが好ましい。
【0017】
この構成によれば、平面的に金属配線が交差する部分と重なるように配向制御部が設けられているので、ブラックマトリックスなどの遮光領域に配向制御部を重ねることが可能となり、画素領域の配向に悪影響を及ぼすことを抑えることができる。
【0018】
[適用例6]本適用例に係る液晶装置の製造方法は、一対の基板間に負の誘電異方性を有する液晶を含む液晶層が挟持された液晶装置の製造方法であって、前記一対の基板のそれぞれに配向膜を形成する配向膜形成工程と、前記一対の基板のうち少なくとも一方の基板上に形成された前記配向膜上に液晶性モノマーを塗布する塗布工程と、前記液晶性モノマーの長軸が前記基板の基板面に対して垂直となる状態で重合させる重合工程と、前記重合した液晶性モノマーにエッチング処理を施し、配向制御部を形成する配向制御部形成工程と、前記一対の基板を貼り合わせて液晶を挟持する貼り合わせ工程と、を有することを特徴とする。
【0019】
この方法によれば、基板面に対して長軸が垂直となる液晶性モノマーからなる配向制御部を形成するので、この周辺の液晶分子にも配向規制力が生じ、基板面に対して垂直配向させることが可能となり、不純物イオンが画素電極の角部に集まることを抑えることができる(不純物イオンのフローを抑制することができる)。よって、シール材などから溶出する不純物イオンが画素領域の角部に溜まることを抑えることが可能となり、その結果、画素領域の角部に表示ムラが発生することを抑えることができる。加えて、電極などを増やすことがないため、かかるコストが抑えられたり、生産性の低下を抑えたりすることができる。
【0020】
[適用例7]本適用例に係る電子機器は、上記に記載の液晶装置を備えたことを特徴とする。
【0021】
この構成によれば、上記した液晶装置を備えているので、画素領域の角部に表示ムラが発生することを抑えることが可能となり、表示品質を向上させることができる電子機器を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】(a)は液晶装置の構造を示す模式平面図であり、(b)は(a)に示す液晶装置のH−H’線に沿う模式断面図。
【図2】液晶装置の電気的な構成を示す等価回路図。
【図3】配向制御部を有する画素の構造を示す模式平面図。
【図4】(a)は図3に示す画素のA−A’断面に沿う模式断面図であり、(b)は(a)に示す画素のB部を拡大して示す拡大断面図。
【図5】(a)は液晶装置に電圧を印加しない場合の液晶分子の配向状態を示す模式断面図であり、(b)は液晶装置に電圧を印加した場合の液晶装置の配向状態を示す模式断面図。
【図6】液晶装置の製造方法を工程順に示すフローチャート。
【図7】液晶装置の製造方法のうち配向制御部の製造方法を工程順に示す模式断面図。
【図8】液晶装置の製造方法のうち配向制御部の製造方法を工程順に示す模式断面図。
【図9】液晶装置を備える電子機器(投射型表示装置)の構成を示す模式図。
【図10】画素の構造の変形例を示す模式平面図。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、本発明を具体化した実施形態について図面に従って説明する。なお、使用する図面は、説明する部分が認識可能な状態となるように、適宜拡大又は縮小して表示している。
【0024】
なお、以下の形態において、例えば「基板上に」と記載された場合、基板の上に接するように配置される場合、又は基板の上に他の構成物を介して配置される場合、又は基板の上に一部が接するように配置され、一部が他の構成物を介して配置される場合を表すものとする。
【0025】
本実施形態では、薄膜トランジスター(Thin Film Transistor:TFT)を画素のスイッチング素子として備えたアクティブマトリックス型の液晶装置を例に挙げて説明する。この液晶装置は、例えば、後述する投射型表示装置(液晶プロジェクター)の光変調素子(液晶ライトバルブ)として好適に用いることができるものである。
【0026】
<液晶装置の構成>
図1(a)は、液晶装置の構造を示す模式平面図である。図1(b)は、図1に示す液晶装置のH−H’線に沿う模式断面図である。図2は、液晶装置の電気的な構成を示す等価回路図である。以下、液晶装置の構造を、図1及び図2を参照しながら説明する。
【0027】
図1(a)及び(b)に示すように、液晶装置100は、対向配置された素子基板10及び対向基板20と、これら一対の基板によって挟持された液晶層50とを有する。素子基板10及び対向基板20は、例えば、透明な石英基板、ガラス基板などが用いられている。なお、反射型の液晶装置とする場合には、素子基板10としてシリコン基板を用いてもよい。
【0028】
素子基板10は、対向基板20よりも一回り大きく形成されている。両基板10,20は、額縁状に配置されたシール材40を介して接合されている。そして、その隙間に、負の誘電異方性を有する液晶が封入されて液晶層50が構成されている。シール材40は、例えば、熱硬化性又は紫外線硬化性のエポキシ樹脂などの接着剤が採用されている。シール材40には、一対の基板の間隔を一定に保持するためのスペーサー(図示省略)が混入されている。
【0029】
額縁状に配置されたシール材40の内側には、同じく額縁状に遮光膜21が設けられている。遮光膜21は、例えば、遮光性の金属あるいは金属酸化物などからなり、対向基板20側に設けられている。そして、遮光膜21の内側が画素領域E(表示領域)となっている。画素領域Eには、マトリックス状に画素Pが複数配置されている。なお、図1では図示省略したが、画素領域Eにおいても複数の画素Pを平面的に区分する遮光部が設けられている。
【0030】
素子基板10の1辺部には、1辺部に沿ったシール材40との間にデータ線駆動回路101が設けられている。また、該1辺部に対向する他の1辺部に沿ったシール材40の内側に検査回路103が設けられている。更に、該1辺部と直交し互いに対向する他の2辺部に沿ったシール材40の内側には、走査線駆動回路102が設けられている。
【0031】
該1辺部と対向する他の1辺部のシール材40の内側には、2つの走査線駆動回路102を繋ぐ複数の配線105が設けられている。これらデータ線駆動回路101、走査線駆動回路102に繋がる配線105は、該1辺部に沿って配列した複数の外部接続端子104に接続されている。以降、該1辺部に沿った方向をX方向とし、該1辺部と直交し互いに対向する他の2辺部に沿った方向をY方向として説明する。
【0032】
図1(b)に示すように、素子基板10の液晶層50側の表面には、画素Pごとに設けられた光透過性を有する画素電極15及びスイッチング素子としてのTFT30と、信号配線と、これらを覆う第1配向膜18とが形成されている。また、素子基板10の表面には、TFT30における半導体層に光が入射して光リーク電流が流れ、不適切なスイッチング動作となることを防ぐ遮光構造が採用されている。なお、反射型の液晶装置とする場合には、画素電極15として光反射性のアルミニウム等を用いることができる。
【0033】
対向基板20の液晶層50側の表面には、遮光膜21と、これを覆うように成膜された層間絶縁膜22と、層間絶縁膜22を覆うように設けられた光透過性を有する共通電極23と、共通電極23を覆う第2配向膜24とが設けられている。
【0034】
遮光膜21は、図1(a)に示すように、平面的にデータ線駆動回路101や走査線駆動回路102、検査回路103と重なる位置において額縁状に設けられている。これにより、対向基板20側から入射する光を遮蔽して、これらの駆動回路を含む周辺回路の光による誤動作を防止する役目を果たしている。また、不必要な迷光が画素領域Eに入射しないように遮蔽して、画素領域Eの表示における高いコントラストを確保している。
【0035】
層間絶縁膜22は、例えば、酸化シリコンなどの無機材料からなり、光透過性を有して遮光膜21を覆うように設けられている。このような層間絶縁膜22の形成方法としては、例えば、プラズマCVD法などを用いて成膜する方法が挙げられる。
【0036】
共通電極23は、例えば、ITOなどの透明導電膜からなり、層間絶縁膜22を覆うと共に、図1(a)に示すように、対向基板20の四隅に設けられた上下導通部106により素子基板10側の配線105に電気的に接続されている。
【0037】
画素電極15を覆う第1配向膜18及び共通電極23を覆う第2配向膜24は、例えば、ポリイミド(PI)等の透明な有機膜によって構成されている。本実施形態では、負の誘電異方性を有する液晶分子が配向膜面に対してプレチルトを与えられて垂直配向するように、所定の方向に配向処理(例えば、ラビング処理)が施されたものである。なお、有機膜によって配向膜18,24を形成することに限定されず、例えば、無機膜を用いて無機配向膜を形成するようにしてもよい。
【0038】
また、本実施形態では、画素領域Eは実効的な表示がなされる表示領域と表示領域を囲む周辺領域とを含むものである。周辺領域に配置された画素Pはダミー画素として扱われている。
【0039】
更に、本実施形態では、液晶層50中に含まれる水分やイオンが画素領域Eの角部に集まることを抑えるために、配向膜18,24と液晶層50との界面の一部分に配向制御部500(図4参照)が設けられている。配向制御部500は、液晶性モノマーに光(例えば、紫外線)を照射することにより重合させたものである。配向制御部500の詳細については後述する。
【0040】
図2に示すように、液晶装置100は、少なくとも画素領域Eにおいて互いに絶縁されて直交する複数の走査線3a及び複数のデータ線6aと、データ線6aに対して一定の間隔をおいて平行するように配置された容量線3bとを有する。なお、走査線3aが延在する方向がX方向であり、データ線6aが延在する方向がY方向である。
【0041】
走査線3aとデータ線6aならびに容量線3bと、これらの信号線類により区分された領域に、画素電極15と、TFT30と、保持容量16とが設けられ、これらが画素Pの画素回路を構成している。
【0042】
TFT30のゲートは走査線3aに電気的に接続され、TFT30のソースはデータ線6aに電気的に接続されている。画素電極15は、TFT30のドレインに電気的に接続されている。
【0043】
データ線6aは、データ線駆動回路101(図1参照)に接続されており、データ線駆動回路101から供給される画像信号D1,D2,…,Dnを画素Pに供給する。走査線3aは、走査線駆動回路102(図1参照)に接続されており、走査線駆動回路102から供給される走査信号SC1,SC2,…,SCmを各画素Pに供給する。
【0044】
データ線駆動回路101からデータ線6aに供給される画像信号D1〜Dnは、この順に線順次で供給してもよく、互いに隣接する複数のデータ線6a同士に対してグループごとに供給してもよい。走査線駆動回路102は、走査線3aに対して、走査信号SC1〜SCmを所定のタイミングで、互いに重複しないパルス信号として順次供給する。
【0045】
液晶装置100は、スイッチング素子であるTFT30が走査信号SC1〜SCmの入力により一定期間だけオン状態とされることで、データ線6aから供給される画像信号D1〜Dnが所定のタイミングで画素電極15に書き込まれる構成となっている。そして、画素電極15を介して液晶層50に書き込まれた所定レベルの画像信号D1〜Dnは、画素電極15と液晶層50を介して対向配置された共通電極23との間で一定期間保持される。
【0046】
保持された画像信号D1〜Dnがリークするのを防止するため、画素電極15と共通電極23との間に形成される液晶容量と並列に保持容量16が接続されている。保持容量16は、TFT30のドレインと容量線3bとの間に設けられている。
【0047】
なお、図1(a)に示した検査回路103には、データ線6aが接続されており、液晶装置100の製造過程において、上記画像信号を検出することで液晶装置100の動作欠陥などを確認できる構成となっているが、図2の等価回路では省略している。また、検査回路103は、上記画像信号をサンプリングしてデータ線6aに供給するサンプリング回路、データ線6aに所定電圧レベルのプリチャージ信号を画像信号に先行して供給するプリチャージ回路を含むものとしてもよい。
【0048】
このような液晶装置100は、透過型であって、画素Pが非駆動時に明表示となるノーマリーホワイトモードや、非駆動時に暗表示となるノーマリーブラックモードの光学設計が採用される。光の入射側と射出側とにそれぞれ偏光素子が上記光学設計に応じて配置されて用いられる。
【0049】
図3は、配向制御部を有する画素の構造を示す模式平面図である。図4(a)は、図3に示す画素のA−A’断面に沿う模式断面図である。図4(b)は、図4(a)に示す画素のB部を拡大して示す拡大断面図である。図5(a)は、液晶装置に電圧を印加しない場合の液晶分子の配向状態を示す模式断面図である。図5(b)は、液晶装置に電圧を印加した場合の液晶装置の配向状態を示す模式断面図である。以下、配向制御部を有する画素の構造、及び液晶分子の配向状態について、図3〜図5を参照しながら説明する。なお、図4(a)に示す液晶装置は、素子基板から画素電極までの層の図示を省略している。
【0050】
図3に示すように、液晶装置100の画素Pは、データ線6aと、走査線3aと、これらの各線6a,3aによって囲まれる略方形の領域に形成された画素電極15と、画素P毎に形成されたTFT30(図2参照)などからなる。
【0051】
そして、平面的にデータ線6aと走査線3aとが交差する(直交する)領域には、配向制御部500が形成されている。具体的には、図4(a)に示すように、画素電極15上にポリイミドを含有する材料からなる第1配向膜18が設けられており、第1配向膜18上におけるデータ線6aと走査線3aとが交差する領域に、液晶性モノマーの重合体である配向制御部500が設けられている。配向制御部500は、例えば、平面的に略方形状に形成されている。
【0052】
配向制御部500は、液晶性モノマーの重合体であり、図4(b)に示すように、液晶分子500aの長軸が基板面10aに対して垂直となるように配列された状態で液晶性モノマーが重合されている。液晶性モノマーを重合させる方法としては、例えば、液晶性モノマーに紫外線などの光を照射して光重合させる方法が挙げられる。配向制御部500の高さは、例えば、150nmである。
【0053】
液晶装置100に電圧を印加しない場合、図5(a)に示すように、負の誘電異方性を有する液晶分子50aが、第1配向膜18及び配向制御部500の液晶性モノマーの配列に倣うように配向する。つまり、液晶層50の液晶分子50a全体が、基板面10aに対して長軸が垂直となるように配向する。
【0054】
一方、液晶装置100に電圧(例えば、5V)を印加した場合、図5(b)に示すように、液晶層50の液晶分子50aは、長軸が基板面10aに対して平行となるように配向する。しかしながら、第1配向膜18上における画素電極15間に設けられた配向制御部500によって、配向制御部500の周囲にある液晶分子50bは、配向制御部500の液晶性モノマーの配列に倣うように、基板面10aに対して長軸が垂直となるように配向する。
【0055】
このように、配向制御部500によって液晶分子50bが垂直配向することによって、液晶装置100への電圧のON/OFFによって生じる、不純物イオンが画素領域E(図1(a)参照)の角部に溜まることを抑えることが可能となる。
【0056】
つまり、液晶装置100に電圧を印加した場合、液晶分子50aの長軸が基板面10aに対して平行状態になり、不純物イオンが画素領域Eの角部に流れやすくなる状態となる。しかしながら、配向制御部500によりその周囲の液晶分子50bにも配向規制力が生じ、基板面10aに対して垂直配向する液晶分子50bによって、この不純物イオンが画素領域Eの角部に集まらないようにすることができる(フローを抑制することができる)。
【0057】
これにより、画素領域Eの角部に不純物イオンが溜まることによる、表示ムラが発生することを抑えることが可能となり、その結果、表示品質を向上させることができる。以下、配向制御部500の形成方法を含む、液晶装置100の製造方法について説明する。
【0058】
<液晶装置の製造方法>
図6は、液晶装置の製造方法を工程順に示すフローチャートである。図7及び図8は、液晶装置の製造方法のうち配向制御部の製造方法を工程順に示す模式断面図である。以下、配向制御部を含む液晶装置の製造方法を、図6〜図8を参照しながら説明する。なお、素子基板上に設けられた各層を含めて素子基板と称する場合もある。また、対向基板上に設けられた各層を含めて対向基板と称する場合もある。
【0059】
最初に、素子基板10側の製造方法を説明する。ステップS11では、ガラス基板などからなる素子基板10上にTFT30等を形成する。具体的には、周知の成膜技術、フォトリソグラフィ技術及びエッチング技術を用いて、素子基板10上にTFT30などを形成する。
【0060】
ステップS12では、画素電極15を形成する。具体的には、TFT30等の形成と同様に、周知の成膜技術、フォトリソグラフィ技術及びエッチング技術を用いて、素子基板10上のTFT30の上方に画素電極15を形成する。
【0061】
ステップS13(配向膜形成工程)では、画素電極15の上方に第1配向膜18を形成する。第1配向膜18の製造方法としては、例えば、画素電極15上にポリイミドなどの有機膜を形成し、その後、ラビングなどによって所定の方向に配向処理を施す。
【0062】
ステップS14では、第1配向膜18上に配向制御部500を形成する。具体的には、図7〜図8を参照しながら説明する。
【0063】
まず、図7(a)に示すように、素子基板10上の第1配向膜18上に液晶性モノマー501を塗布する(塗布工程)。なお、液晶性モノマー501は、例えば、有機系の溶媒中に分散されたものを用いることが好ましい。次に、スピンコート法を用いて、第1配向膜18上の全面に液晶性モノマー501を広げる。
【0064】
液晶性モノマー501としては、紫外線211(図7(c)参照)などの光の照射により生じたラジカル種によって重合が開始されるラジカル重合性モノマーが用いられる。
【0065】
ラジカル重合性モノマーとしては、アクリル酸、メタクリル酸、アクリル酸エステルなど、反応性メソゲンを有する液晶性骨格を備えたものが好ましい。
【0066】
次に、図7(b)、(c)に示すように、フォトマスク201を用いて、所定の領域の液晶性モノマー501を重合させる(重合工程)。具体的には、図7(b)に示すようなフォトマスク201を用いる。フォトマスク201は、平面的にデータ線6aと走査線3aとが交差する領域と対応する領域に透過部202が設けられ、それ以外の領域に遮光部203が設けられている。
【0067】
次に、図7(c)に示すように、このフォトマスク201を素子基板10上に配置する。その後、フォトマスク201を介して液晶性モノマー501に紫外線211を照射する。光は、およそ400nm以下の波長の紫外線211を含む光である。このような光を発する光源としては、キセノンランプ、水銀ランプ、ハロゲンランプなどが挙げられる。
【0068】
これにより、平面的にデータ線6aと走査線3aとが交差する領域、いわゆるフォトマスク201の透過部202に対応する領域にある液晶性モノマー501が重合し、高分子化される。なお、液晶性モノマー501は、液晶分子500aに電圧を印加していないので、液晶分子500aを基板面10aに対して垂直状態で重合し硬化する。
【0069】
次に、図8(a)に示すように、素子基板10を剥離液301(エタノール又は類似の薬剤)に浸漬して、素子基板10から重合していない液晶性モノマー501、いわゆる遮光部203に対応する高分子化されていない液晶性モノマー501を除去する(エッチング処理、配向制御部形成工程)。以上により、パターニングされた液晶性モノマー501を有する配向制御部500を備えた素子基板10が完成する。
【0070】
次に、対向基板20側の製造方法を説明する。まず、ステップS21では、ガラス基板等の透光性材料からなる対向基板20上に、周知の成膜技術、フォトリソグラフィ技術及びエッチング技術を用いて、共通電極23を形成する。
【0071】
ステップS22(配向膜形成工程)では、共通電極23上に第2配向膜24を形成する。第2配向膜24の製造方法は、例えば、共通電極23上にポリイミドなどの有機膜を形成し、その後、ラビングなどによって所定の方向に配向処理を施す。以上により、対向基板20側が完成する。次に、素子基板10と対向基板20とを貼り合わせる方法を説明する。
【0072】
ステップS31では、素子基板10上にシール材40を塗布する。詳しくは、素子基板10とディスペンサー(吐出装置でも可能)との相対的な位置関係を変化させて、素子基板10における画素領域Eの周縁部に(画素領域Eを囲むように)シール材40を塗布する。
【0073】
ステップS32(貼り合わせ工程)では、図8(b)に示すように、素子基板10と対向基板20とを貼り合わせる。具体的には、素子基板10に塗布されたシール材40を介して素子基板10と対向基板20とを貼り合わせる。より具体的には、互いの基板10,20の平面的な縦方向や横方向の位置精度を確保しながら行う。
【0074】
ステップS33では、液晶注入口から構造体の内部に液晶を注入し、その後、液晶注入口を封止する。封止には、例えば、樹脂等の封止材が用いられる。以上により、液晶装置100が完成する。
【0075】
このように、基板面10aに対して垂直となる液晶性モノマーからなる配向制御部500を設けたので、この周辺の液晶分子50bを基板面10aに対して垂直配向させることが可能となり、不純物イオンのフローを抑制することができる。よって、シール材40などから溶出する不純物イオンが画素領域Eの角部に集まることを抑えることが可能となり、その結果、画素領域Eの角部に表示ムラが発生することを抑えることができる。加えて、電極などを増やすことがないため、かかるコストが抑えられたり、生産性の低下を抑えたりすることができる。
【0076】
<電子機器>
図9は、上記した液晶装置を備えた電子機器(投射型表示装置)の構成を示す模式図である。以下、電子機器の構成について、図9を参照しながら説明する。
【0077】
図9に示すように、本実施形態の電子機器としての投射型表示装置1000は、システム光軸Lに沿って配置された偏光照明装置1100と、光分離素子としての2つのダイクロイックミラー1104,1105と、3つの反射ミラー1106,1107,1108と、5つのリレーレンズ1201,1202,1203,1204,1205と、3つの光変調手段としての透過型の液晶ライトバルブ1210,1220,1230と、光合成素子としてのクロスダイクロイックプリズム1206と、投射レンズ1207とを備えている。
【0078】
偏光照明装置1100は、超高圧水銀灯やハロゲンランプなどの白色光源からなる光源としてのランプユニット1101と、インテグレーターレンズ1102と、偏光変換素子1103とから概略構成されている。
【0079】
ダイクロイックミラー1104は、偏光照明装置1100から射出された偏光光束のうち、赤色光(R)を反射させ、緑色光(G)と青色光(B)とを透過させる。もう1つのダイクロイックミラー1105は、ダイクロイックミラー1104を透過した緑色光(G)を反射させ、青色光(B)を透過させる。
【0080】
ダイクロイックミラー1104で反射した赤色光(R)は、反射ミラー1106で反射した後にリレーレンズ1205を経由して液晶ライトバルブ1210に入射する。ダイクロイックミラー1105で反射した緑色光(G)は、リレーレンズ1204を経由して液晶ライトバルブ1220に入射する。ダイクロイックミラー1105を透過した青色光(B)は、3つのリレーレンズ1201,1202,1203と2つの反射ミラー1107,1108とからなる導光系を経由して液晶ライトバルブ1230に入射する。
【0081】
液晶ライトバルブ1210,1220,1230は、クロスダイクロイックプリズム1206の色光ごとの入射面に対してそれぞれ対向配置されている。液晶ライトバルブ1210,1220,1230に入射した色光は、映像情報(映像信号)に基づいて変調されクロスダイクロイックプリズム1206に向けて射出される。このプリズムは、4つの直角プリズムが貼り合わされ、その内面に赤色光を反射する誘電体多層膜と青色光を反射する誘電体多層膜とが十字状に形成されている。これらの誘電体多層膜によって3つの色光が合成されて、カラー画像を表す光が合成される。合成された光は、投射光学系である投射レンズ1207によってスクリーン1300上に投射され、画像が拡大されて表示される。
【0082】
液晶ライトバルブ1210は、上述した液晶装置100が適用されたものである。液晶装置100は、色光の入射側と射出側とにおいてクロスニコルに配置された一対の偏光素子の間に隙間を置いて配置されている。他の液晶ライトバルブ1220,1230も同様である。
【0083】
このような投射型表示装置1000によれば、液晶中の不純物イオンの偏在が抑制された液晶装置100を備え、高い表示品位が実現されている。
【0084】
以上詳述したように、本実施形態の液晶装置100、液晶装置100の製造方法、及び電子機器によれば、以下に示す効果が得られる。
【0085】
(1)本実施形態の液晶装置100によれば、走査線3aとデータ線6aとが平面的に交差する領域において、基板面10aに対して長軸が垂直となる液晶性モノマー501からなる配向制御部500を設けたので、この周辺の液晶分子50bにも配向規制力が生じ、基板面10aに対して垂直配向させることが可能となり、不純物イオンが画素領域Eの角部に集まることを抑えることができる(フローを抑制することができる)。よって、シール材40などから溶出する不純物イオンが画素領域Eの角部に溜まることを抑えることが可能となり、その結果、画素領域Eの角部に表示ムラが発生することを抑えることができる。加えて、表示ムラを抑えるために電極などを増やすことがないため、かかるコストが抑えられたり、生産性の低下を抑えたりすることができる。
【0086】
(2)本実施形態の液晶装置100の製造方法によれば、画素電極15間に、基板面10aに対して長軸が垂直となる液晶性モノマー501からなる配向制御部500を形成するので、この周辺の液晶分子50bにも配向規制力が生じ、基板面10aに対して垂直配向させることが可能となり、不純物イオンが画素領域Eの角部に集まることを抑えることができる(不純物イオンのフローを抑制することができる)。よって、シール材40などから溶出する不純物イオンが画素領域Eの角に溜まることを抑えることが可能となり、その結果、画素領域Eの角部に表示ムラが発生することを抑えることができる。加えて、電極などを増やすことがないため、かかるコストが抑えられたり、生産性の低下を抑えたりすることができる。
【0087】
(3)本実施形態の電子機器によれば、上記した液晶装置100を備えているので、画素領域Eの角部に表示ムラが発生することを抑えることが可能となり、表示品質を向上させることができる電子機器を提供することができる。
【0088】
なお、本発明は、上記した実施形態に限られるものではなく、請求の範囲及び明細書全体から読み取れる発明の要旨あるいは思想に反しない範囲で適宜変更可能であり、本発明の技術範囲に含まれるものである。また、以下のような形態で実施することもできる。
【0089】
(変形例1)
上記したように、配向制御部500は、図3に示すように、平面的にデータ線6aと走査線3aとの交差部と重なる領域に設けることに限定されず、例えば、図10に示すように配置してもよい。図10は、画素の構造の変形例を示す模式平面図である。
【0090】
図10(a)に示す配向制御部551は、画素Pにおける一辺(平面的にデータ線6aや走査線3aと重なる領域)の中間付近に設けられている。つまり、データ線6aと走査線3aとの交差部分ではない領域に設けられている。また、図10(b)に示す配向制御部552a,552bは、配向制御部551同士を繋ぐように細長く延びた状態に設けられている。
【0091】
また、図10(c)に示す配向制御部553は、平面的にデータ線6aと走査線3aとの交差部から各線6a,3aに沿って延びた領域に設けられている。言い換えれば、交差部に十字状に設けられている。
【0092】
また、図10(d)に示す配向制御部554は、画素P(画素電極15)を囲むように設けられている。また、図10(e)に示す配向制御部555は、データ線6aと走査線3aとの交差部分において、平面形状が方形状ではなく丸形状に設けられている。
【0093】
これらのような配向制御部551〜555を設けた場合でも、上記したように、画素領域Eの角部に不純物イオンが集まることを抑えることができる。なお、上記した配向制御部500,551,552a,552b,553,554,555は、平面的に画素Pと一部が重なるように設けられていてもよい。これによれば、画素領域Eの配向に悪影響を及ぼすことを極力抑えることができる。
【0094】
(変形例2)
上記したように、配向制御部500は、高さが150nm程度であることに限定されず、例えば、それ以上の高さでもよいし、第1配向膜18から第2配向膜24まで繋がるような構造物を配置してもよい。なお、液晶分子50aの配向状態が大きく乱れない程度の高さにすることが好ましい。
【0095】
(変形例3)
上記したように、配向制御部500は、全ての画素Pと画素Pとの間に配置されていてもよく、また、複数の画素Pと間隔をおいて配置するようにしてもよい。液晶層50のドメインの状態を確認しながら配置することが好ましい。
【0096】
(変形例4)
上記したように、配向制御部500は、素子基板10側のみに設けられていることに限定されず、例えば、対向基板20側のみに設けられていてもよいし、素子基板10と対向基板20の両方に設けられていてもよい。なお、対向基板20側に設ける場合、BM(ブラックマトリックス)と平面的に重なる領域に設けることが好ましい。
【0097】
(変形例5)
上記したように、配向制御部500は、その上面(対向基板20と対向する面)の形状が平面であることに限定されず、盛り上がった円弧形状であってもよい。
【0098】
(変形例6)
上記したように、配向制御部500は、データ線6aと走査線3aとの交差部分に設けることに限定されず、例えば、アルミニウム配線などの金属配線と平面的に重なる領域に設けるようにしてもよい。
【符号の説明】
【0099】
3a…走査線、3b…容量線、6a…データ線、10…素子基板、10a…基板面、15…画素電極、16…保持容量、18…第1配向膜、20…対向基板、21…遮光膜、22…層間絶縁膜、23…共通電極、24…第2配向膜、30…TFT、40…シール材、50…液晶層、50a,50b…液晶分子、100…液晶装置、101…データ線駆動回路、102…走査線駆動回路、103…検査回路、104…外部接続端子、105…配線、106…上下導通部、201…フォトマスク、202…透過部、203…遮光部、211…紫外線、301…剥離液、500…配向制御部、500a…液晶分子、501…液晶性モノマー、551,552a,552b,553,554,555…配向制御部、1000…投射型表示装置、1100…偏光照明装置、1101…ランプユニット、1102…インテグレーターレンズ、1103…偏光変換素子、1104,1105…ダイクロイックミラー、1106,1107,1108…反射ミラー、1201,1202,1203,1204,1205…リレーレンズ、1206…クロスダイクロイックプリズム、1207…投射レンズ、1210,1220,1230…液晶ライトバルブ、1300…スクリーン。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
一対の基板間に、負の誘電異方性を有する液晶を含む液晶層と、
マトリックス状に配置された複数の画素電極を含む画素領域と、
少なくとも一方の前記基板上において、長軸が一方の前記基板の基板面に対して垂直となるように配列された液晶性モノマーが重合されて配置された配向制御部と、
を備えることを特徴とする液晶装置。
【請求項2】
請求項1に記載の液晶装置であって、
前記配向制御部は、一の画素電極と、該一の画素電極の対角方向に配置された他の画素電極との間に配置されていることを特徴とする液晶装置。
【請求項3】
請求項1に記載の液晶装置であって、
前記配向制御部は、平面的に前記画素電極と重ならないように配置されていることを特徴とする液晶装置。
【請求項4】
請求項1に記載の液晶装置であって、
前記配向制御部は、平面的に前記画素電極の一部と重なるように配置されていることを特徴とする液晶装置。
【請求項5】
請求項1に記載の液晶装置であって、
前記画素電極を囲むように、金属配線が交差して配置されており、
前記配向制御部は、平面的に前記金属配線が交差する部分と重なるように配置されていることを特徴とする液晶装置。
【請求項6】
一対の基板間に負の誘電異方性を有する液晶を含む液晶層が挟持された液晶装置の製造方法であって、
前記一対の基板のそれぞれに配向膜を形成する配向膜形成工程と、
前記一対の基板のうち少なくとも一方の基板上に形成された前記配向膜上に液晶性モノマーを塗布する塗布工程と、
前記液晶性モノマーの長軸が前記基板の基板面に対して垂直となる状態で重合させる重合工程と、
前記重合した液晶性モノマーにエッチング処理を施し、配向制御部を形成する配向制御部形成工程と、
前記一対の基板を貼り合わせて液晶を挟持する貼り合わせ工程と、
を有することを特徴とする液晶装置の製造方法。
【請求項7】
請求項1乃至請求項5のいずれか一項に記載の液晶装置を備えたことを特徴とする電子機器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2013−25072(P2013−25072A)
【公開日】平成25年2月4日(2013.2.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−159622(P2011−159622)
【出願日】平成23年7月21日(2011.7.21)
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【Fターム(参考)】