説明

液漏れ検出センサの校正方法及び液漏れ検出センサ

【課題】例えば復水器の海水リーク等の液漏れを高感度で安定して検出することを常に監視することが可能となる液漏れセンサの校正方法、液漏れ検出センサを提供する。
【解決手段】本発明の液漏れ検出センサ14の校正方法は、検出対象の溶液(復水)中の液質の変化を検出する一対の導体からなる液漏れ検出センサ14の校正方法であって、検出対象の溶液(水槽11a中の復水)に校正液16を注入し、その注入した電気電導度の変化から液漏れ検出センサの校正を行う。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、広範囲の水質を監視する設備において、監視領域へのアクセスが困難な状況下で簡便に検出センサの校正を行える校正方法、例えば、火力発電設備の復水器等、海水が流れる機器からの液漏れ等の液質の変化を検出する液漏れ検出センサの校正方法及びその校正用の液漏れ検出センサに関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、火力発電設備等においては、ボイラで発生した蒸気を復水器で冷却凝縮させ、ボイラ水(純水)として循環使用している。ここで、復水器内では、ボイラ蒸気を冷却する冷却管が設けられ、該冷却管には冷却用の海水が流れているが、該冷却管に亀裂等が生じると、そこから海水が液漏れし、凝縮したボイラ凝縮水に混入し、該凝縮水に塩分が混じって各種配管等を腐食させることになる。そこで、復水器からの海水の液漏れをチェックすべく、各種の海水漏洩検出装置が開発されている(例えば、特許文献1及び2参照)。
【0003】
図21及び22に液漏れ検出装置の一例を示す。
図21及び22に示すように、液質検査装置の一例である液漏れ検出装置100は、液漏れ検出センサ104と、一対の導体の間にパルス電圧を印加してから各導体の間に反射電圧が戻るまでの時間に基づいて、対象機器の液漏れ位置を特定する液漏れ位置特定装置106とを具備するものである。復水器101は複数の冷却チューブ101aを有しており、該冷却チューブを101aに冷却水である海水102が流入されている。図示しないボイラからのスチーム103は、冷却チューブ101aで冷却され、凝縮水103aとなり、復水器101の下部側の水槽101bで回収される。なお、図21中符号107は液漏れ位置特定装置106からの結果を表示する表示装置である。
なお、前記水槽内には液漏れ検出センサ104が液面から所定の距離をもって浸漬されている。
【0004】
前記液漏れ検出センサ104は、図23に示すように、一対の導体111−1、111−2と、一対の導体111−1、111−2を覆う絶縁部112と、該絶縁部112の一部に形成され、一対の導体111−1、111−2の一部を各々露出する溝部113−1、113−2とからなるものである。なお、符号114−1は導体111−1、111−2の露出部である。
溝部の幅は、導体よりも小さくして、該導体の飛び出しを防止している。具体的には、導体の1/3〜1/10程度とすればよい。
【0005】
【特許文献1】特開2004−144708号公報
【特許文献2】特開2006−267095号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、特許文献2、3にかかる漏れ検出装置を例えば復水の冷却水用の海水の漏れを検出する場合には、その検出精度が常に適切であるかの確認のために、定期的に点検する必要がある。
【0007】
そこで、従来においては、ボイラプラントを停止した際に、復水器の検出センサが配設された水槽101bからセンサを取り出し、図24に示すように、校正用に別途調合された標準液(例えば塩化ナトリウム)122中の薬液槽120に浸して、その電気特性の変化量から校正係数を求めるようにしている。
このため、復水器101の下部側の水槽101bから約100m程度もある検出センサ104を順次取り出す必要があるので、校正作業が大掛かりとなり、薬液槽120の設備も大きくなる、という問題がある。
【0008】
そこで、図25−1〜25−3に示すように、復水器101の開放後に、検出センサ104の両端側の折り返し部分の余裕を利用して校正位置付近にケーブルの一部を手繰り寄せ、別途用意した校正用水槽130を復水器101の空になった水槽101b内に設置して、その校正用の水槽130の標準液122の内部に漬けて校正することが提案されている。
【0009】
また、図26に示すように、検出センサ104の上下から校正用容器131−1、131−2で挟み、容器131−1、131−2内に校正用の標準液122を導入する。両端から出る標準液122は、両端に備えた受け皿132−1、132−2で受け、校正用容器131−1、131−2内の減少分は、別に追加する(例えば図示しないポンプで受け皿の上から吸い上げて、校正用容器に戻すようにしても良い)。
【0010】
このような提案では、検出センサ104のケーブル全体の取り外しや、水槽101bの外へ取り出す必要が無いが、装置を停止して大掛かりな校正用水槽130や校正用容器131−1、131−2を設置する必要があり、校正作業が煩雑となるという問題がある。
【0011】
また、装置を停止する必要があるので、定期点検などのインターバルが長い校正となり、その間の装置の信頼性維持に問題がある。そこで、簡易でしかも任意の時期・箇所を校正することができる校正方法の出現が切望されている。
【0012】
本発明は、前記問題に鑑み、例えば復水器の海水リーク等の液漏れを高感度で安定して検出することができ、該液漏れを常に監視することが可能となる液漏れセンサの校正方法、液漏れ検出センサを提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0013】
上述した課題を解決するための本発明の第1の発明は、検出対象の溶液中の液質の変化を検出する一対の導体からなる液漏れ検出センサの校正方法であって、検出対象の溶液に校正液を注入し、その注入した電気電導度の変化から液漏れ検出センサの校正を行うことを特徴とする液漏れ検出センサの校正方法にある。
【0014】
本発明によれば、校正液を注入して溶液中に混入させることにより、検出対象の液体の電気伝導度が上昇し、液漏れ検出センサの出力が変化する。液漏れ検出センサ濃度と拡散による検出対象液体の電気伝導度は既知なので、液漏れ検出センサ出力の変化量が、液漏れ検出センサの想定される変化量に対して小さければ、感度のゲイン(出力変化に対する検出レベルの割合)を大きくし、またその逆の設定も実施することができる。これにより、検出対象液に直接校正液を導入するため、検出対象領域を侵すことなく校正することができる。
【0015】
第2の発明は、第1の発明において、校正液の注入を液漏れ検出センサの一箇所に対して行うことを特徴とする液漏れ検出センサの校正方法にある。
【0016】
本発明によれば、液漏れ検出センサの一部に校正液が作用することにより、液漏れ検出センサの一部だけが出力変化する。なお、校正方法は、第1の発明と同様である。
これにより、代表的な点を評価することで、均一な構造の液漏れ検出センサ全体の健全性、校正量を設定可能。構造が簡便となり、使用する校正液の量も少なくてすむ。
【0017】
第3の発明は、第2の発明において、校正液の計測を、注入箇所から近い端部と遠い端部との両方から計測することを特徴とする液漏れ検出センサの校正方法にある。
【0018】
本発明によれば、均一な液漏れ検出センサでは、両端からの評価が可能であり、一箇所に校正液を導入して、両側から計測することが可能である。液漏れ検出センサは、その長さに応じて信号変化量が減衰するため、距離に応じて校正液を導入した位置での信号変化量が異なって測定される。これにより、校正液導入位置を挟んで両側の液漏れ検出センサが健全であること、また各端部からの測定結果から減衰量を比較することにより距離に対する減衰のバランスが評価できる。
【0019】
第4の発明は、第2又は3の発明において、校正液の注入を移動させつつ計測を行うことを特徴とする液漏れ検出センサの校正方法にある。
【0020】
本発明によれば、校正液の注入位置が変化することにより、前記第3の発明よりも広い範囲で液漏れ検出センサ信号の変化を得ることができる。これにより、第3の発明よりもより正確に検出センサの健全性、校正量が評価できる。また、第3の発明では、液漏れ検出センサを伝達する信号の減衰は変化しなくても液質の変化に応答しないような状態があると検出できないため、本発明によれば、信頼性が更に向上する。
【0021】
第5の発明は、第1乃至4のいずれか一つの発明において、校正液の注入を複数個所で同時に行うことを特徴とする液漏れ検出センサの校正方法にある。
【0022】
本発明によれば、校正液が、評価対象となる液漏れ検出センサの領域全体に比較的均等に作用する。これにより、評価領域の液漏れ検出センサ全体を同時に評価・校正することができる。
【0023】
第6の発明は、第1の発明において、校正液の注入を液漏れ検出センサに沿って行うことを特徴とする液漏れ検出センサの校正方法にある。
【0024】
本発明によれば、液漏れ検出センサの配線の経路が確保されているため、校正液の注入経路も同じ条件で確保することができる。液漏れ検出センサの近くで校正液が出るので周囲の液体による希釈の程度が少ない。これにより、容易に校正液を注入することができる。校正液の必要量を少なくすることが可能であり、応答も速くなるので、効率のよい評価・校正が可能となる。
【0025】
第7の発明は、第6の発明において、校正液の注入を複数の細孔を有する校正液注入管より行うことを特徴とする液漏れ検出センサの校正方法にある。
【0026】
本発明によれば、液漏れ検出センサに対して注入管を沿わせることにより、校正液の注入位置が液漏れ検出センサに沿って配置される。そのため、液漏れ検出センサに沿って校正液の注入を行うことが容易になる。
【0027】
第8の発明は、第1乃至7のいずれか一つの発明において、液漏れ検出センサで検出した校正液の信号の分布から校正液の希釈程度を推定し、校正係数を補正することを特徴とする液漏れ検出センサの校正方法にある。
【0028】
本発明によれば、予め設定した校正液を検出対象液に注入したときの拡散による位置と濃度の変化の関係と、液漏れ検出センサによる出力から得られる濃度と位置の変化を対応させることで、出力の増減が分かるので、評価・校正することができる。
【0029】
第9の発明は第1乃至8のいずれか一つの発明において、溶液が復水器を循環する復水であると共に、校正液がアルカリ性であることを特徴とする液漏れ検出センサの校正方法にある。
【0030】
本発明によれば、液漏れ検出センサの校正に水質の電気伝導度変化を利用する場合、電解質を校正液として使用する方が容易であるが、対象設備の損傷を抑えるには、復水を比較的低濃度のアルカリ性(例えばアンモニア、ヒドラジンなど)にしておくことが望ましい。したがって、対象設備への影響を抑えながら液漏れ検出センサの校正をすることができる。
【0031】
第10の発明は、第9の発明において、復水の循環を停止し、校正液を用いて液漏れ検出センサの校正を行うことを特徴とする液漏れ検出センサの校正方法にある。
【0032】
本発明によれば、復水の循環が停止することにより、復水の外部を循環中の水が新たに流入したり、復水器内部の水の流れの影響を小さくすることができる。また、校正液の希釈量を押さえ、拡散の影響を主に考慮する程度でよくなるため、校正液の使用量が減少すると共に評価・校正時の計算処理が容易になる。
【0033】
第11の発明は、第10の発明において、復水器の復水循環経路を複数系統とし、一部の系統毎に校正を行うことを特徴とする液漏れ検出センサの校正方法にある。
【0034】
本発明によれば、停止した系統以外が稼動しているため、設備全体を停止することなく系統毎に検出センサの校正を行うことができる。
【0035】
第12の発明は、第9の発明において、プラント停止時の復水器の大気開放による二酸化炭素の浸入により液漏れ検出センサの校正を行うことを特徴とする液漏れ検出センサの校正方法にある。
【0036】
本発明によれば、復水器では、脱機や減圧により二酸化炭素などが抜けているため、復水の電気伝導度が低くなっているが、プラント停止時に復水器内が大気に晒されると、大気中の二酸化炭素が復水に溶け込み、電気伝導度が上昇する。したがって、復水に大気が入ることを利用して液漏れ検出センサの評価・校正をすることができる。これにより、校正液を使用せずに評価・校正が可能となる。
【0037】
第13の発明は、第9の発明において、復水の水温変化により液漏れ検出センサの校正を行うことを特徴とする液漏れ検出センサの校正方法にある。
【0038】
本発明によれば、プラント運転中の復水の温度は、プラントの負荷、冷却水温度、あるいは周囲温度などにより変化し、水温と電気伝導度は、対応して変化する。水温を測定して、液漏れ検出センサの出力と対比することで液漏れ検出センサの評価・校正をすることができる。また、装置を停止させることなく、校正液を使用せずに評価・校正が可能となる。
【0039】
第14の発明は、第13の発明において、温水を注入して水温変化を行うことを特徴とする液漏れ検出センサの校正方法にある。
【0040】
本発明によれば、水温で電気伝導度が変化するため、センサの出力を変化させることができる。これにより、水質に影響を与えることなく、液漏れ検出センサの評価・校正することができる。
【0041】
第15の発明は、第1の発明において、校正液を供給する校正液供給移動体を用い、該校正液供給移動体から校正液を吐出することを特徴とする液漏れ検出センサの校正方法にある。
【0042】
本発明によれば、校正液供給移動体を電線、または、液漏れ検出センサの信号線などから制御し、外部から液漏れ検出センサ周辺に校正液を注入させる。これにより、液漏れ検出センサの設置領域への非侵入性を高めることができる。
【0043】
第16の発明は、第1乃至14のいずれか一つの液漏れ検出センサの校正方法に用いる液漏れ検出センサであって、芯状の導体と、該芯状の導体の周囲に絶縁材を介して配設される外被状の導体と、該外被状の導体と絶縁材の一部を切欠く溝部を形成し、前記芯状の導体の一部を露出すると共に、前記絶縁材の軸方向に沿って校正液用の配管を形成し、該配管に所定間隔を持って形成された細孔又はスリットから校正液を噴出させることを特徴とする液漏れ検出センサにある。
【0044】
本発明によれば、校正時に液漏れ検出センサの校正液用の配管に校正液を注入すると、校正液が液漏れ検出センサに沿って噴出する。したがって、校正のための新たな配管が不要となり、簡易な装置構成で液漏れ検出センサの校正を行うことができる。
【0045】
第17の発明は、第1乃至14のいずれか一つの液漏れ検出センサの校正方法に用いる液漏れ検出センサであって、芯状の導体と、該芯状の導体の周囲に絶縁材を介して配設される外被状の導体と、該外被状の導体と絶縁材の一部を切欠く溝部を形成し、前記芯状の導体の一部を露出すると共に、前記絶縁材の軸方向に沿って校正用のヒータを配設し、該ヒータに高周波を印加して局所的に加熱することを特徴とする液漏れ検出センサにある。
【0046】
本発明によれば、校正時に液漏れ検出センサの校正用のヒータに高周波を印加することで、ヒータにより周囲温度が液漏れ検出センサに沿って上昇する。したがって、校正のための新たなヒータ線が不要となる。
【発明の効果】
【0047】
本発明によれば、校正作業が容易となり、しかも任意な時期に所望する任意な箇所での検査が可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0048】
以下、この発明につき図面を参照しつつ詳細に説明する。なお、この実施例によりこの発明が限定されるものではない。また、下記実施例における構成要素には、当業者が容易に想定できるもの、あるいは実質的に同一のものが含まれる。
【実施例1】
【0049】
本発明による実施例に係る検出対象の溶液中の液質の変化を検出する一対の導体からなる液漏れ検出センサの校正方法について、図面を参照して説明する。
図1は、本実施例に係る液漏れ検出センサの校正方法の概略図である。
図1に示すように、本実施例にかかる液漏れ検出センサ(以下、「検出センサ」ともいう。)14の校正方法は、検出対象の溶液(復水)中の液質の変化を検出する一対の導体からなる液漏れ検出センサ14の校正方法であって、検出対象の溶液(水槽11a中の復水)に校正液16を注入し、その注入した電気電導度の変化から液漏れ検出センサの校正を行うものである。なお、図中、符号12はボイラ、13はスチーム、15は計測器、17はpH計、L1は復水循環ライン、L2はスチーム供給ラインを図示する。
【0050】
以下、本実施例では、検出対象の溶液を復水器の復水として説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
また、校正液16としては、アンモニアを用いて説明するが、本発明はこれに限定されるものではなく、ヒドラジンなどのアルカリ性溶液を用いてもよい。ここで、校正液としてアンモニアを用いるのは以下の理由による。
【0051】
一般に復水器では、図1に示すように、水質をアルカリに保つために、アンモニアを導入している。ここで、アンモニアは復水器の出口側の復水の循環ラインL1側に注入するため、ボイラ12を循環して循環ラインL2で復水器11に戻るまでに、十分に攪拌されている。
【0052】
復水器11では、pH9.3程度を目標にアンモニア薬注しているので、この場合は電気伝導度が0.5mS/m(抵抗0.2MΩ)程度であり、この状態でpH9.6程度まで過注入されると、電気伝導度が変化して電気伝導度が1.0mS/m(抵抗0.1MΩ)程度になる。
この電気伝導度の変化により、例えば「特開2006−267095号公報」のような液漏れ検出センサでは、距離に対する反射電圧率が徐々に低下する。この傾向は、電気伝導度に依存することから、復水器中のpHから想定される距離と電圧反射率の傾向に対して、液漏れ検出センサで測定される距離と反射電圧の傾向が低下していれば、液漏れ検出センサの感度が低下していると判定できる。
【0053】
このように、液漏れ検出センサが適正に検出できるか否かを判断し、感度が低下していれば、誤作動などの影響を受けない範囲で液漏れ検出センサとの出力と警報レベルの関係を補正(校正)するようにしている。
【0054】
復水器11で使用する海水の漏れの判断において、校正液としてアンモニアを用いた場合では、復水器へのダメージが無く、かつ、検出センサの校正をすることが可能となる。
また、復水器全体に広がってアンモニアが供給されるので、復水器内の電気伝導度の分布から海水のリーク(局所的)を検出する方法でも、海水の有無の判断に影響を与えることがなく、適切な校正を行うことができる。
さらに、検出センサ14を復水器11の外部に取り出すことなく、作業が簡易となる。また、アンモニアを供給する際に常に監視できるので、検出センサの健全性を観察することができる。
【0055】
また、図2に示すように、校正液16の注入を循環溶液の入口側で行うようにしてもよい。この際、撹拌板22を用いて積極的にアンモニアと復水とを混合して校正液16が均一となるようにすればよい。また、シャワーを用いて校正液16を供給混合するようにしてもよい。
復水器11では、入口の温度が高く、スチーム13の状態であるため、校正液が気化し易く拡散も早い。また、校正液16の注入を一箇所でなく、複数のノズルやシャワーを用いて霧状に噴出すると気化するので、拡散効率が向上する。
【0056】
また、図3−1に示すように、校正液16を溶液の復水器11の水槽11aの側面から直接注入するようにしてもよい。なお、符号11bは排水口である。
【0057】
また、この注入の際には、復水の排出方向の流れに対して上流側から注入するのが好ましい。
【0058】
また、その際、図3−2に示すように、あらかじめ復水に対して供給する校正液16を、希釈液23で希釈する希釈室24を設けるようにしている。そして、その希釈した希釈校正液16aを水槽11aに注入するようにしてもよい。予め希釈した希釈校正液16aとすることで、大量に希釈校正液16aを水槽11a内に流し込み、液の置換を促進し、広い範囲に校正液を至らせることが可能となる。
【0059】
また、図3−3に示すように、校正液16を斜め方向から水槽11a内に噴射注入し、排水口11bからの排水の際に、渦を巻くようにしてもよい。これにより校正液16が旋回する際に復水と容易に混合して拡散することとなる。
【0060】
また、運転中以外において、プラントの定期点検の際における復水の循環の停止の際に、校正液16を用いて液漏れ検出センサの校正を行うようにしてもよい。
その際、側面からの校正液を導入する時間帯は、復水の循環を停止するようにすると良い。
また、復水の排出を停止し、校正液16の拡散・校正が完了したところで、校正液と共に復水を排出するようにしてもよい。
【0061】
通常は、復水が循環しているので希釈液が上側から大量に供給されていることになるため、校正液の濃度を濃くする必要がある。
復水が循環している状態では、側壁からの導入液量が相対的に少なくなるため、流れを作りにくい(攪拌しにくい)。入口と出口を止めることにより(止まった期間に実施することにより)効率よく容器内に校正液を作り出すことができる。
【0062】
また、図4−1に示すように、復水器11の復水循環経路を2系統(A系統、B系統)とし、片方の系統毎に校正を行うようにしてもよい。図4では、A系統で校正を行っている様子を示す。
一般的なボイラプラントの場合、復水器なども2系統(A系統、B系統)になっており、プラントを完全に停止させることなく校正をすることができる。
図4−2はその測定状況を示す。校正液16の添加により、信号レベルのA系統内での上昇分が確認されることとなる。
【0063】
図5に水槽11a内への校正液16の導入する導入部の詳細を示す。
図5に示すように、校正液16を充満して校正液タンク60から校正液導入管61を介して、校正液16を所定の箇所に導入するようにしている。
なお、図5中、符号62はフランジ、63はOリング、64はねじ止め、65は溶接、66はバルブを図示する。
【0064】
復水器では、内部の腐食防止のために、アンモニアの濃度(pH)を測定しながら所定の範囲に入るように、アンモニアを注入している。
この注入の際に、液漏れ検出センサ14の校正を同時に行うこともできる。
【0065】
この際、pHの測定値を液漏れ検出センサ14の出力と比較し、これを繰り返し、傾向が異常に変化したときに、検出センサ14の異常判定を開始する。この際、CO2や温度などの影響を考慮しつつ対応するようにしてもよい。
【実施例2】
【0066】
図6−1は本実施例に係る液漏れ検出センサの校正方法の概略図である。
図6−1に示すように、本実施例にかかる液漏れ検出センサ14の校正方法は、実施例1の方法において、校正液16の注入を検出対象の復水器11の水槽11a内の所望の箇所に例えば注入ノズルなどの注入手段を用いて行うものである。
図6−2はその測定結果を示す。
本実施例によれば、検出センサ14を外部に取り出すことなく、代表的な点で校正することができる。
また、校正液を循環ラインL1の系統に挿入することなく、独立していつでも評価することができる。
【0067】
本実施例では、検出センサ14の任意の位置に校正液16を噴出すことができる配管を設置する。
また、校正係数は、予め模擬実験を実施し、局所的に注入したことによる液の希釈程度を補正できるようにすればよい。
このように、本実施例では、従来のように、液漏れ検出センサのケーブルを外部に取り出すことなく、しかも代表的な点で校正することが可能となる。
【0068】
また、図7−1に示すように、校正液の計測を、注入箇所から近い端部側(近端)と遠い端部側(遠端)との両方から計測するようにしてもよい。
図7−2はその計測結果である。遠端側(破線:以下同じ)は距離が長いので信号が減衰されている。
【0069】
また、図8−1に示すように、二箇所の点(α、β)の間を移動させつつ校正液を供給するようにしてもよい。検出センサ14の任意の間を校正することができる。
図8−2はその測定結果を示す。
また、本実施例では、校正液6の導入位置を変化させることができるため、より広い範囲で校正が可能となる。
【0070】
また、校正液16の注入を複数個所で同時に行うようにすれば、複数箇所の特性を評価することができる。
【0071】
更に、図9−1に示すように、複数点(α、β)で校正液16の注入点を動かすようにしてもよい。また、両端から計測するようにしてもよい。
図9−2はその測定結果を示す。
これにより、校正点数が増え、更に、1本のセンサで、複数の変化が発生した場合にどのような影響があるかも評価できる。
【0072】
また、校正液16の供給をノズルの代わりに、図10−1に示すような、検出センサ14に沿って、校正液16を供給する細孔21を有する配管20−1を配設するようにしてもよい。この細孔21の形成する間隔は、検出センサの距離分解能、拡散の程度、信号変化での要求分解能から決定するとよい。これは、間隔を広げていくと、濃度分布による変動が大きくなるため、その変化量が検出として必要となる分解能(信号変化に対する分解能)以下となるからである。よって、細孔21同士の間隔としては、30cm以上3m以内、好適には2.5m以内とするのが好ましい。
これにより、検出センサの設置時における校正、また使用時における継続した保守が容易となり、しかも検出センサ14の全体を評価することができる。
【0073】
また、図10−2に示すように、細孔21を形成する代わりに、スリット25を有する配管20−2を配設し、全体に亙って均一に校正液が出るようにしてもよい。
【実施例3】
【0074】
本実施例では、液漏れ検出センサで検出した校正液の信号の分布から校正液の希釈程度を推定し、校正係数を補正するものである。
【0075】
図11に示すように、検出センサで測定した信号変化の分布(実測)に、あらかじめ設定した濃度と信号変化の関係(検出線)を使用して距離と濃度の関係(濃度分布)を求めてから、液の拡散(希釈)程度を推定し、実測値と標準値を比較し、実測値が標準値と同程度になるよう校正係数を補正(校正)するものである。ここで、距離に対する信号の鈍化も考慮することにより、実際の濃度分布に対する信号の鈍化による実測の濃度分布が補正できるので事前の実験が不要になる。
さらに、実際のプラントにおける拡散程度と、あらかじめ行った実験における拡散程度の変化を比較して、補正することでさらにセンサの検知精度を高めるようにしてもよい。
【実施例4】
【0076】
本実施例では、液漏れ検出センサの校正方法で用いる検出センサ14について説明する。図12は検出センサの斜視図である。
図12に示すように、本実施例に係る検出センサ30Aは、芯状の中心導体31と、該芯状の中心導体31の周囲に絶縁材33を介して配設される外被状の外部導体32と、該外被状の導体と絶縁材の一部を切欠く溝部を形成し、前記芯状の中心導体31の一部を露出すると共に、前記絶縁材33の軸方向に沿って校正液用の配管である校正液管34を形成し、該液管34に所定間隔を持って形成された細孔35から校正液を噴出させるようにしている。
細孔はセンサの外部又は内部のいずれか一方又は両方に向かって設けるようにしている。
本実施例では、校正液の導入管の配管、固定が不要となり、またずれる心配が無い。
また、図示しないがスリットを形成するようにしてもよい。
【実施例5】
【0077】
本実施例では、液漏れ検出センサの校正方法で用いる検出センサ30Bについて説明する。図13は検出センサの斜視図である。
図13に示すように、本実施例では、芯状の中心導体31と、該中心導体31の周囲に絶縁材33を介して配設される外被状の外部導体32と、該外部導体32と絶縁材33の一部を切欠く溝部を形成し、前記芯状の中心導体31の一部を露出すると共に、前記絶縁材33の軸方向に沿って校正用のヒータ管36を配設している。
【0078】
さらに、図14に示すように、前記ヒータ管36に図示しない高周波電源から高周波を印加して局所的に加熱するようにしている。高周波37を印加することにより、加熱部分を局在化させるようにして、その変化を測定することができる。
【0079】
このように、ヒータを配設することで、周辺の水(測定液)の温度上昇により検出センサ14のケーブルのインピーダンスにかかわる並列、直列抵抗、および誘電率などが変化し、ケーブルの特性として通過する電気信号の減衰率、遅延率を規定値に対して比較することで評価できる。例えば、液体の温度上昇に応じて電気伝導度が高くなると、ケーブルの抵抗は減少するため、特に電気信号の減衰が顕著に現れる。これは、例えば「特開2006−267095号公報」のような液漏れ検出センサでは、距離に対する反射電圧率が徐々に低下することになる。また、電気伝導度と誘電率は、温度、周波数に対して独立して評価できるので、誘電率の変化から、導電率だけでは判定できないケーブルの変質を検出することもできる。
【0080】
さらに、図15に示す検出センサ30Cにおいては、ヒータ管36を中心導体31の周辺、すなわち絶縁材33のスリットの周辺に配するようにしてもよい。これは、インピーダンスにもっとも大きく影響する部分は、スリットが空いていて液体が直接接する部分であり、この近傍に発熱体を配することで特性の変化がより早く出るようになる。
【0081】
さらに、図16に示す検出センサ30Dにおいては、中心導体にヒータを配した中心導体38とするようにしてもよい。
【実施例6】
【0082】
本実施例では、復水の水温変化により液漏れ検出センサの校正を行うものである。
本実施例では、水温の変化から校正するものであり、一般に水の電気特性は、温度によって比較的変化する。
よって、水温を測定し、温度による水の電気特性変化に起因する信号変化量と実際の変化量を比較し、信号レベルの変化の校正を行うようにしている。
【0083】
また、水温を積極的に変化させるために、復水中に温水を注入して水温変化を行うようにしてもよい。
【0084】
通常の運転中では、復水器11の上方からスチームが入ってくるので、循環停止中が有効である。
また、復水の循環中では、意図的に復水量や、ボイラ負荷を変化させて水温の上昇を図るようにしてもよい。
本実施例では、校正液の導入が不要となり、校正液の費用及び校正液供給設備が不要となり、経済的に有利である。
また、復水への影響が無い。
負荷変化や復水量変更は、運転中でも校正が可能である。
【実施例7】
【0085】
本実施例では、液漏れ検出センサの校正方法で用いる検出センサ14で使用する移動体の自走式ロボットについて説明する。図17−1、17−2は自走式ロボットの概略図である。
図17−1に示すように、本実施例では、自走式のロボット40をガイドケーブル44に沿って移動させ、所定の箇所でロボットから校正液を吐出させ、検出センサの校正を行うものである。
図17−1に示すように、本実施例の自走式のロボット40は、ロボット本体40a内に校正液を保持する校正液タンク41を設け、校正液供給管42から校正液を吐出するようにしている。
なお、符号43は、ガイドケーブル44を移動するための移動用のローラである。
【0086】
図17−2は検出センサのセンサケーブル45を用いてガイドケーブルを兼用するものである。
【0087】
また、本実施例の自走式ロボット40への充電には、図18に示すように、(1)電線を繋ぐ、(2)ガイドケーブルに高周波を入れ、非接触充電する、(3)センサケーブル44をガイド兼充電用の電源線45とするようにしてもよい。符号46はRF電源である。
【0088】
また、自走式ロボット40の位置は、センサーケーブルの信号変化から推定できる。
また、図示しないアンテナをロボット本体40a内に挿入、またはセンサーケーブルをアンテナ代わりにすると、移動式ロボット40を無線操縦することができる。
【0089】
また、図19に示すように、ロボットへの校正液の導入は、(1)水槽11aの壁面に備えた補充校正液供給管48からバルブ49を開いて注入するようにしている。そして、高濃度の校正液をロボット内に備え、周囲の液(水)を体内に取り込んで希釈するようにしている。なお、図19中、符号47はロボット固定具である。
【0090】
校正液は、所定の点検ごとに入れなおすことで補充する。
【0091】
本実施例では、復水器11の内部にアクセスすることなく校正液を導入することができる。
また、広い範囲を、人手をかけずに調査できる。
【0092】
図17−2に示すように、移動のためのセンサケーブル45を兼ねると、配線量が減る。よって、電源線を省略できる、検出に際しての不安定要素が減少することとなる。
【0093】
また、図19に示すように、校正液を外部から注入したり、希釈して使用すると、長期間、多数の校正が可能となる。
【実施例8】
【0094】
図20は本実施例に係る液漏れ検出センサの校正方法の概略図である。
図20に示すように、本実施例では、プラント停止時の復水器11の大気開放による二酸化炭素(CO2)の浸入により、液漏れ検出センサの校正を行うものである。
【0095】
すなわち、プラントの停止時において大気開放の結果、空気中の二酸化炭素(CO2)の溶け込みが復水に起こる。なお、通常の運転中では復水器11は真空状態である。
プラントを停止したタイミングを本体側の制御指令室から取り込み、信号変化量を利用して校正係数を決定する。
【0096】
本実施例では、校正液の導入が不要となり、校正液の費用及び校正液供給設備が不要となり、経済的に有利である。
また、復水への二酸化炭素の溶け込みは復水全体にほぼ均一になるため、攪拌する必要がなくなる。
ここで、校正係数の決定の手順について説明する。
タービン稼働中、復水器は真空状態にあり、電気伝導度は低い状態(例えば2μS/cm)になっている。
タービンが停止して、真空状態から大気状態に戻ったとき、CO2が水に溶けることによって、電気伝導度が上昇する(例えば5μS/cm)。
したがって、センサケーブルの信号変化とCO2による電気伝導度変化の関係を調べることにより、校正係数を決定できる。
【0097】
例えば、次の通りである。
(1) 仮にセンサがAμS/cmで作動、通常運転中の復水の電気伝導度がBμS/cm、CO2の溶け込み時の電気伝導度がCμS/cmとする。また、正常状態でのセンサの出力がそれぞれa、b、cとする。この時、校正係数は、C/cで表される。
(2) センサの感度が低下した場合、CO2溶け込み時の電気伝導度がc’(<c)となるため、校正係数は、C/c’(>C/c)となる。
【0098】
ここで、Cの決定方法は、次の三つが考えられる。
(1)一般的な空気の溶け込み量から決定する。例えば5μS/cmとする。
(2)起動時の循環水の分析を行う。なお、起動直後はCO2を含んだ水が電気伝導度計を通過するため、高い電気伝導度を確認することができる。
(3)復水器の容器内から吸引(サンプル)する。
いずれも、温度変動による溶け込み量以外に大きな差が発生しないと思われるので、初回調整時にCを決定することが可能。必要に応じて、温度補正を(1℃上昇すると、2%低下)、あるいは、実測による補正を実施する。
【産業上の利用可能性】
【0099】
以上のように、本発明に係る検出センサの校正は簡易な方法で校正することができ、ボイラプラントの大型の復水器での海水漏洩の検出センサの健全性を維持することに用いて適している。
【図面の簡単な説明】
【0100】
【図1】実施例1に係る液漏れ検出センサの校正方法の概略図である。
【図2】実施例1に係る他の液漏れ検出センサの校正方法の概略図である。
【図3−1】実施例1に係る他の液漏れ検出センサの校正方法の概略図である。
【図3−2】実施例1に係る他の液漏れ検出センサの校正方法の概略図である。
【図3−3】実施例1に係る他の液漏れ検出センサの校正方法の概略図である。
【図4−1】実施例1に係る他の液漏れ検出センサの校正方法の概略図である。
【図4−2】図4−1の液漏れ検出センサの校正方法の計測結果図である。
【図5】実施例1に係る液漏れセンサの導入の概略図である。
【図6−1】実施例2に係る液漏れ検出センサの校正方法の概略図である。
【図6−2】図6−1の液漏れ検出センサの校正方法の計測結果図である。
【図7−1】実施例2に係る他の液漏れ検出センサの校正方法の概略図である。
【図7−2】図7−1の液漏れ検出センサの校正方法の計測結果図である。
【図8−1】実施例2に係る他の液漏れ検出センサの校正方法の概略図である。
【図8−2】図8−1の液漏れ検出センサの校正方法の計測結果図である。
【図9−1】実施例2に係る他の液漏れ検出センサの校正方法の概略図である。
【図9−2】図9−1の液漏れ検出センサの校正方法の計測結果図である。
【図10−1】実施例2に係る液漏れ検出センサの校正方法に用いる配管の概略図である。
【図10−2】実施例2に係る液漏れ検出センサの校正方法に用いる配管の概略図である。
【図11】液漏れ検出センサの校正方法の校正手法のグラフである。
【図12】実施例4に係る液漏れ検出センサの概略図である。
【図13】実施例5に係る他の液漏れ検出センサの概略図である。
【図14】実施例5に係る液漏れ検出センサの位相の調整の様子を示す図である。
【図15】実施例5に係る他の液漏れ検出センサの概略図である。
【図16】実施例5に係る他の液漏れ検出センサの概略図である。
【図17−1】実施例7に係る自走式ロボットの概略図である。
【図17−2】実施例7に係る自走式ロボットの概略図である。
【図18】実施例7に係る自走式ロボットの概略図である。
【図19】実施例7に係る自走式ロボットの校正液供給の様子を示す概略図である。
【図20】実施例8に係る他の液漏れ検出センサの校正方法の概略図である。
【図21】従来の液漏れ検出装置の概略図である。
【図22】従来の液漏れ検出装置の概略図である。
【図23】従来の液漏れ検出センサの概略図である。
【図24】従来の校正方法の概略図である。
【図25−1】従来の他の校正方法の概略図である。
【図25−2】従来の他の校正方法の概略図である。
【図25−3】従来の他の校正方法の概略図である。
【図26】従来の他の校正方法の概略図である。
【符号の説明】
【0101】
14 液漏れ検出センサ(検出センサ)
11 復水器
16 校正液
17 pH計
1 復水循環ライン
2 スチーム供給ライン

【特許請求の範囲】
【請求項1】
検出対象の溶液中の液質の変化を検出する一対の導体からなる液漏れ検出センサの校正方法であって、
検出対象の溶液に校正液を注入し、その注入した電気電導度の変化から液漏れ検出センサの校正を行うことを特徴とする液漏れ検出センサの校正方法。
【請求項2】
請求項1において、
校正液の注入を液漏れ検出センサの一箇所に対して行うことを特徴とする液漏れ検出センサの校正方法。
【請求項3】
請求項2において
校正液によって変化する検出センサ信号の計測を、注入箇所から近い端部と遠い端部との両方から計測することを特徴とする液漏れ検出センサの校正方法。
【請求項4】
請求項2又は3において、
校正液の注入を移動させつつ計測を行うことを特徴とする液漏れ検出センサの校正方法。
【請求項5】
請求項1乃至4のいずれか一つにおいて、
校正液の注入を複数個所で同時に行うことを特徴とする液漏れ検出センサの校正方法。
【請求項6】
請求項1において、
校正液の注入を液漏れ検出センサに沿って行うことを特徴とする液漏れ検出センサの校正方法。
【請求項7】
請求項6において、
校正液の注入を複数の細孔を有する校正液注入管より行うことを特徴とする液漏れ検出センサの校正方法。
【請求項8】
請求項1乃至7のいずれか一つにおいて、
液漏れ検出センサで検出した校正液の信号の分布から校正液の希釈程度を推定し、校正係数を補正することを特徴とする液漏れ検出センサの校正方法。
【請求項9】
請求項1乃至8のいずれか一つにおいて、
溶液が復水器を循環する復水であると共に、校正液がアルカリ性溶液であることを特徴とする液漏れ検出センサの校正方法。
【請求項10】
請求項9において、
復水の循環を停止し、校正液を用いて液漏れ検出センサの校正を行うことを特徴とする液漏れ検出センサの校正方法。
【請求項11】
請求項10において、
復水器の復水循環経路を2系統とし、片方の系統毎に校正を行うことを特徴とする液漏れ検出センサの校正方法。
【請求項12】
請求項9において、
プラント停止時の復水器の大気開放による二酸化炭素の浸入により液漏れ検出センサの校正を行うことを特徴とする液漏れ検出センサの校正方法。
【請求項13】
請求項9において、
復水の水温変化により液漏れ検出センサの校正を行うことを特徴とする液漏れ検出センサの校正方法。
【請求項14】
請求項13において、
温水を注入して水温変化により液漏れ検出センサの校正を行うことを特徴とする液漏れ検出センサの校正方法。
【請求項15】
請求項1において、
校正液を供給する校正液供給移動体を用い、該校正液供給移動体から校正液を吐出することを特徴とする液漏れ検出センサの校正方法。
【請求項16】
請求項1乃至14のいずれか一つの液漏れ検出センサの校正方法に用いる液漏れ検出センサであって、
芯状の導体と、該芯状の導体の周囲に絶縁材を介して配設される外被状の導体と、
該外被状の導体と絶縁材の一部を切欠く溝部を形成し、前記芯状の導体の一部を露出すると共に、
前記絶縁材の軸方向に沿って校正液用の配管を形成し、該配管に所定間隔を持って形成された細孔又はスリットから校正液を噴出させることを特徴とする液漏れ検出センサ。
【請求項17】
請求項1乃至14のいずれか一つの液漏れ検出センサの校正方法に用いる液漏れ検出センサであって、
芯状の導体と、該芯状の導体の周囲に絶縁材を介して配設される外被状の導体と、
該外被状の導体と絶縁材の一部を切欠く溝部を形成し、前記芯状の導体の一部を露出すると共に、
前記絶縁材の軸方向に沿って校正用のヒータを配設し、該ヒータに高周波を印加して局所的に加熱することを特徴とする液漏れ検出センサ。

【図1】
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【図2】
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【図3−1】
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【図3−2】
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【図3−3】
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【図4−1】
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【図4−2】
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【図5】
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【図6−1】
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【図6−2】
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【図7−1】
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【図7−2】
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【図8−1】
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【図8−2】
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【図9−1】
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【図9−2】
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【図10−1】
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【図10−2】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17−1】
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【図17−2】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25−1】
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【図25−2】
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【図25−3】
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【図26】
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【公開番号】特開2009−204583(P2009−204583A)
【公開日】平成21年9月10日(2009.9.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−49969(P2008−49969)
【出願日】平成20年2月29日(2008.2.29)
【出願人】(000006208)三菱重工業株式会社 (10,378)
【Fターム(参考)】