説明

液状組成物の製造方法

【課題】高粘度の液状原料と低粘度の液状原料とが均一に混合され、基材上に塗布したときに、その塗膜に微細な筋状の塗布ムラの発生が抑えられる液状組成物の製造方法を提供する。
【解決手段】25℃における粘度が1,000センチポイズ以下の液状原料と、25℃における粘度が5,000センチポイズ以上の液状原料とを少なくとも含む3種以上の液状原料を混合して液状組成物を製造するにおいて、少なくとも1種を除く他の複数種の液状原料を、下記で表される混合指数〔P〕が下記式を満足する混合条件で混合する第1混合工程と、除かれた少なくとも1種の液状原料を加えて同様の混合条件で混合する第2混合工程とを含む液状組成物の製造方法。
P=πr2 nt/M2/3 ≧10
〔但し、r:攪拌軸面から攪拌翼端までの最大長さ(cm)、n:攪拌回転数(回/分)、t:攪拌時間(分)、M:液体原料の合計重量(g)〕

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、高粘度の液状原料と低粘度の液状原料とが均一に混合された液状組成物の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
高粘度の液状原料と低粘度の液状原料とが混合された液状組成物、具体的には、例えば、高粘度液状原料としてのポリエステル(メタ)アクリレート、ポリエーテル(メタ)アクリレート、エポキシ(メタ)アクリレート、ウレタン(メタ)アクリレート等の重合性オリゴマーと、低粘度液状原料としてのエチレン性不飽和化合物等とからなる放射線硬化性の液状組成物は、基材上に塗布し、放射線硬化させることにより光学用途等における被覆材料や接着材料等として有用であり、例えば、ウレタン(メタ)アクリレート、一分子中に(メタ)アクリロイル基を少なくとも一個有する(メタ)アクリレート化合物、及び光重合開始剤を含有する光硬化型樹脂組成物(例えば、特許文献1参照。)、ポリエステル(メタ)アクリレート、ポリエーテル(メタ)アクリレート、エポキシ(メタ)アクリレート、ウレタン(メタ)アクリレート等の重合性オリゴマー、炭素数が4以上でかつ分岐構造を採る炭化水素基によりアルコキシ基を構成している単官能(メタ)アクリレート、及び光重合開始剤を含有する紫外線硬化型組成物(例えば、特許文献2参照。)、ウレタン(メタ)アクリレート及び/又はエポキシ(メタ)アクリレート、(メタ)アクリレートモノマー、及び特定の光重合開始剤からなる紫外線硬化型樹脂組成物(例えば、特許文献3参照。)等、数多くの組成物が提案されている。
【0003】
そして、本発明者は、これら提案の光硬化型組成物の複数種の液状原料を、一括して混合して液状組成物を調製し、基材上に塗布し、光硬化させると、その塗膜に微細な筋状の塗布ムラを生じ、塗膜の膜厚が不均一となったり、表面平滑性が損なわれたり、表面外観が劣る等の問題に発生し、例えば、光学記録媒体のような精密な膜厚均一性や表面平滑性等が要求される用途においては、その記録の書き込み及び読み出しに障害を来すという問題を引き起こす場合があることが判明した。
【特許文献1】特開2000−63446号公報
【特許文献2】特開2003−196884号公報
【特許文献2】特開2005−68348号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
以上のように、高粘度の液状原料と低粘度の液状原料とが混合された従来の液状組成物においては、例えば、塗布することにより基材上に塗膜を形成する場合、基材上に塗布すると、その塗膜に微細な筋状の塗布ムラを生じるという問題があった。従って、本発明は、高粘度の液状原料と低粘度の液状原料とが均一に混合され、基材上に塗布したときに、その塗膜に微細な筋状の塗布ムラの発生が抑えられる液状組成物の製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明者は、上記課題を解決するために鋭意検討した結果、特定の混合条件での混合を複数回行うことにより、前記目的を達成できることを見出し本発明を完成するに到ったもので、即ち、本発明の要旨は、25℃における粘度が1,000センチポイズ以下の液状原料と、25℃における粘度が5,000センチポイズ以上の液状原料とを少なくとも含む3種以上の液状原料を混合して液状組成物を製造するにおいて、少なくとも1種を除く他の複数種の液状原料を、下記で表される混合指数〔P〕が下記式を満足する混合条件で混合する第1混合工程と、除かれた少なくとも1種の液状原料を加えて同様の混合条件で混合する第2混合工程とを含む液状組成物の製造方法、を要旨とする。
【0006】
P=πr2 nt/M2/3 ≧10
〔但し、r:攪拌軸面から攪拌翼端までの最大長さ(cm)
n:攪拌回転数(回/分)
t:攪拌時間(分)
M:液体原料の合計重量(g)〕
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、高粘度の液状原料と低粘度の液状原料とが均一に混合され、基材上に塗布したときに、その塗膜に微細な筋状の塗布ムラの発生が抑えられる液状組成物の製造方法を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
本発明の液状組成物の製造方法は、高粘度の液状原料と低粘度の液状原料とを少なくとも含む3種以上の液状原料を混合して液状組成物を製造するにおいて、少なくとも1種を除く他の複数種の液状原料を、下記で表される混合指数〔P〕が下記式を満足する混合条件で混合する第1混合工程と、除かれた少なくとも1種の液状原料を加えて同様の混合条件で混合する第2混合工程とを含むことを特徴とする。
【0009】
P=πr2 nt/M2/3 ≧10
〔但し、r:攪拌軸面から攪拌翼端までの最大長さ(cm)
n:攪拌回転数(回/分)
t:攪拌時間(分)
M:液体原料の合計重量(g)〕
【0010】
ここで、前記式で定義される混合指数〔P〕は、混合すべき全液体原料を比重1の立方体と見做したときの該立方体底面積〔M2/3 〕に対する、攪拌翼端の攪拌域断面積〔πr2 〕の比に、攪拌回転数〔n〕及び攪拌時間〔t〕を乗じたもので、攪拌度合いを端的に示す指標であり、本発明においては、この混合指数〔P〕が、10以上であることを必須とし、20以上であるのが好ましく、30以上であるのが更に好ましく、50以上であるのが特に好ましい。
【0011】
このような混合指数〔P〕が10以上である混合の方法としては、例えば、500ccの混合容器とモーターで回転する攪拌翼を用いて常温で攪拌する場合、100rpm以上の回転数で、好ましくは10分以上、より好ましくは30分以上、更に好ましくは60分以上、特に好ましくは300分以上の攪拌時間で攪拌混合することによって達成されるが、通常は30〜300分の範囲の攪拌時間が選択される。又、より大きな混合容器を用いる場合には、前記の例と同等の周速が得られる回転数とし、又、攪拌を常温より高い温度で行う場合には、例えば50℃では前記の例の攪拌時間を50〜90%削減することができる。
【0012】
又、その際の攪拌翼の形状としては、一般に用いられているファン型、プロペラ型、角度付きファン型、タービン型、ディスクタービン型、ファンタービン型、アンカー型、平型、パドル型等が用いられるが、中で、角度付きファン型、ディスクタービン型、アンカー型の攪拌翼が、前記混合指数〔P〕が10以上である混合を効率的に行うことができる点で好ましい。
【0013】
そして、本発明においては、該混合指数〔P〕が前記式を満足する混合を、少なくとも1種を除く他の複数種の液状原料を混合する第1混合工程と、除かれた少なくとも1種の液状原料を加えて混合する第2混合工程とを含むように行うことを特徴とする。
【0014】
ここで、少なくとも1種を除く他の複数種の液状原料を混合する第1混合工程と、除かれた少なくとも1種の液状原料を加えて混合する第2混合工程とを含む混合としては、代表的には、(1)第1混合工程において、3種以上の液状原料の25℃における粘度の大きさの順位が第1位と第2位の原料とを少なくとも含む原料を混合し、次いで、第2混合工程において、第1混合工程で得られた混合液に、(1−a)残余の原料を一括添加し混合する方法、或いは、(1−b)残余の原料の中で粘度が高い原料順に加えて、順次、混合を繰り返す方法、及び、(2)液状原料が4種以上であり、第1混合工程において、25℃における粘度の大きさの順位が第1位と第2位の原料とを少なくとも含む複数種の液状原料を混合して高粘度側混合液を作製し、一方、25℃における粘度の大きさの順位が最下位と最下位より1つ上位の原料とを少なくとも含む複数種の液状原料を混合して低粘度側混合液を作製した後、第2混合工程において、前者高粘度側混合液と後者低粘度側混合液とを混合する方法、等が挙げられる。
【0015】
前記混合方法において、少なくとも1種を除く他の複数種の液状原料を前記混合指数〔P〕が前記式を満足する混合条件で混合する第1混合工程と、除かれた少なくとも1種の液状原料を加えて同様の混合条件で混合する第2混合工程とのいずれかの混合工程を含まない場合、例えば、少なくとも1種を除く他の複数種の液状原料を混合する第1混合工程における混合が、前記混合指数〔P〕が前記式を満足する混合であっても、除かれた少なくとも1種の液状原料を加えて混合する第2混合工程における混合が、前記混合指数〔P〕が前記式を満足しない混合である場合、或いは、除かれた少なくとも1種の液状原料を加えて混合する第2混合工程における混合が、前記混合指数〔P〕が前記式を満足する混合であっても、少なくとも1種を除く他の複数種の液状原料を混合する第1混合工程における混合が、前記混合指数〔P〕が前記式を満足しない混合である場合、或いは、前記混合指数〔P〕が前記式を満足する混合であっても、複数種の液状原料を一括して混合する第1混合工程と、同様の操作を繰り返すだけの第2混合工程によって混合する場合等、では本発明の目的を達成することが困難となる。
【0016】
尚、本発明において、前記混合指数〔P〕は、少なくとも第1混合工程及び第2混合工程において、それぞれ10以上であることを要するが、全混合工程における前記混合指数〔P〕の合計値〔ΣP〕としては、100以上であるのが好ましく、200以上であるのが更に好ましく、300以上であるのが特に好ましく、400以上であるのが最も好ましい。
【0017】
本発明の液状組成物の製造方法において、前記混合方法は、25℃における粘度が1,000センチポイズ以下の液状原料と、25℃における粘度が5,000センチポイズ以上の液状原料とを少なくとも含む3種以上の液状原料を混合して液状組成物を製造するときに十分な効果を発揮する上で好ましく、25℃における粘度が100センチポイズ以下の液状原料と、25℃における粘度が10,000センチポイズ以上の液状原料との混合である場合が特に好ましい。
【0018】
尚、低粘度側の液状原料の粘度は、25℃において1〜1,000センチポイズ程度であり、高粘度側の液状原料の粘度は、25℃において5,000〜200,000センチポイズ程度であるのが好ましい。
【0019】
又、その高粘度側の液状原料としては、数平均分子量が1,000以上の化合物である場合、具体的には、例えば、(A)イソシアネート基含有化合物、(B)ポリオール、及び(C)水酸基含有エチレン性不飽和化合物、を少なくとも反応させて得られたウレタンオリゴマーである場合が挙げられる。
【0020】
ここで、(A)イソシアネート基含有化合物としては、具体的には、例えば、ヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、トリレンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート、水添ジフェニルメタンジイソシアネート、ノルボルナンジイソシアネート等のポリイソシアネート類が挙げられる。
【0021】
又、(B)ポリオールとしてとしては、具体的には、例えば、ヒドロキシエトキシ化ビスフェノールA、ポリブタジエンジオール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコール、ポリエステルジオール、カプロラクトン変性ジオール、ポリカーボネートジオール、スピログリコール、ジメチロール酢酸、ジメチロールプロピオン酸、ジメチロールブタン酸、ジメチロールヘプタン酸、ジメチロールノナン酸、ジヒドロキシ安息香酸、ポリオキシプロピレントリオールと無水マレイン酸或いは無水フタル酸とのハーフエステル化合物等が挙げられる。
【0022】
又、(C)水酸基含有エチレン性不飽和化合物としては、具体的には、例えば、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、カプロラクトン変性2−ヒドロキシエチルアクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート等が挙げられる。
【0023】
これらの前記(A)イソシアネート基含有化合物、前記(B)ポリオール、及び前記(C)水酸基含有エチレン性不飽和化合物との付加反応は、公知の方法、例えば、(A)の存在下に、(B)、(C)、及び付加反応触媒、例えばジブチルスズラウレートとの混合物を50〜90℃の条件下で滴下することにより行うことができる。
【0024】
又、本発明における液状原料としては、エチレン性不飽和化合物を含むものであるのが好ましい。そのエチレン性不飽和化合物としては、例えば、ビニル基又は(メタ)アクリロイル基含有化合物等が挙げられる。そのような化合物の具体例としては、芳香族ビニル化合物類、ビニルエステル化合物類、ビニルエーテル化合物類、(メタ)アクリルアミド類、(メタ)アクリル酸エステル類、ジ(メタ)アクリレート類等が挙げられるが、色相や光線透過性の点で好ましいのは芳香環を有しない構造を持つ化合物である。中でも、(メタ)アクリロイルモルフォリン、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、トリシクロデカン骨格を有する(メタ)アクリレート等の脂環骨格を有する(メタ)アクリレート、N,N−ジメチルアクリルアミド等の(メタ)アクリルアミド類、ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート等の脂肪族(メタ)アクリレート類が特に好ましく用いられる。又、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート等のヒドロキシル基と(メタ)アクリロイル基を併せ持つ化合物も使用することができる。尚、このエチレン性不飽和化合物は、前記ウレタンオリゴマー等の高粘度側の液状原料に対応した低粘度側の液状原料として好ましい。
【0025】
更に、本発明における液状原料としては、無機質粒子分散液を含むものであるのが好ましい。その無機質粒子分散液としては、有機溶剤等の分散媒に、例えば、酸化珪素、酸化アルミニウム、酸化ジルコニウム、酸化チタン、酸化亜鉛等の金属酸化物や、金、銀等の金属単体等の無機質粒子が分散された分散液、或いはコロイド溶液等も挙げられる。尚、その際の無機質粒子の形態としては、前記無機質の単体粒子の場合の外、無機質のコア粒子に別の無機質が被覆されている粒子でもよいし、それらの粒子が界面活性剤やカップリング剤等の表面処理剤で被覆されている粒子でもよい。尚、この無機質粒子分散液は、前記ウレタンオリゴマー等の高粘度側の液状原料に対応した低粘度側の液状原料として好ましい。
【0026】
又、その際の分散媒としては、例えば、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、n−ブチルアルコール、イソブチルアルコール、オクタノール、n−プロピルアルコール、アセチルアセトンアルコール等のアルコール類、テトラヒドロフラン、メトキシプロパノール、メトキシブタノール等のエーテル類、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等のケトン類、エステル類、グリコール誘導体、炭化水素類等の1種或いは2種以上を組み合わせて使用することができる。
【0027】
尚、本発明において、前記無機物分散液における無機物粒子の粒子径は、数平均粒径として、50nm以下であるのが好ましく、又、0.5nm以上であるのが好ましい。
【0028】
更に、本発明における液状原料としては、メルカプト基含有化合物を含むものであるのが好ましい。そのメルカプト基含有化合物としては、例えば、3−メルカプトプロピオン酸、メルカプトプロピオン酸メトキシブチル、メルカプトプロピオン酸オクチル、メルカプトプロピオン酸トリデシル、トリメチロールプロパントリスチオプロピオネート、ペンタエリスリトールテトラキスチオプロピオネート等のメルカプトプロピオン酸誘導体、チオグリコール酸メチル、チオグリコール酸メトキシブチル、ブタンジオールビスチオグリコレート、トリメチロールプロパントリスチオグリコレート、ペンタエリスリトールテトラキスチオグリコレート等のチオグリコール酸誘導体等が挙げられる。尚、このメルカプト基含有化合物は、前記ウレタンオリゴマー等の高粘度側の液状原料に対応した低粘度側の液状原料として、前記エチレン性不飽和化合物と併用して用いるのが好ましい。
【0029】
本発明において、前記の如き高粘度の液状原料と低粘度の液状原料とを少なくとも含む3種以上の液状原料を混合して液状組成物を製造するにおいて、液状組成物は、前記混合工程を経てから最終的な使用形態に到るまでの間に加熱等により除去され、最終的な使用形態での構成成分とはならない、溶剤を実質的に含有しないのが好ましい。
【0030】
本発明において、液状原料が溶剤等の揮発成分を含有し、本発明の液状組成物を製造するにおいて、該溶剤を除去する必要がある場合、その有機溶剤除去は、全ての原料の均一混合が完了した後に行うのが好ましい。又、本発明における液状組成物が、固体原料をも含む場合、固体原料は、全ての液状原料を均一混合した後に添加し、混合するのが好ましく、その際は、液状原料の均一混合に準じた方法で十分に混合させるのが好ましい。
【0031】
以上の本発明の液状組成物の製造方法により得られる液状組成物は、25℃における粘度が1,000センチポイズ以上であるのが好ましく、又、5,000センチポイズ以下であるのが好ましい。
【0032】
又、本発明の液状組成物の製造方法により得られる液状組成物は、基材に対して塗布し塗膜を形成するための塗布用として好適に用いられ、その際の塗布法としては、例えば、ディップコート法、スプレーコート法、スピンコート法、バーコート法、ロールコート法、グラビアコート法、ダイコート法等が挙げられ、中で、ディップコート法、スプレーコート法、スピンコート法が好ましく、スピンコート法が特に好ましい。
【0033】
又、本発明の液状組成物の製造方法により得られる液状組成物は、サブミクロンスケール以上の分散状態等の不均一状態を含まず、例えば、基材上に塗布することにより膜厚20μm以上の塗膜を形成した場合であっても、微細な筋状のムラの発生が抑えられた塗膜を形成することができる。
【0034】
更に、本発明の液状組成物の製造方法により得られる液状組成物は、例えば、前記ウレタンオリゴマー、前記エチレン性不飽和化合物等、更に必要に応じて用いられる前記無機質粒子分散液等の液状組成物に、好ましくは、光重合開始剤等を添加し、放射線(活性エネルギー線や電子線)を照射して、例えばラジカル重合反応を開始させる、所謂、放射線硬化性、であるのが好ましい。
【0035】
又、その塗膜が、光学記録媒体等の各種波長のレーザー、例えば400nm程度の青色のレーザー等を用いた光学的な情報読み出し又は書き込みを行う際の光学層に相当する場合、本発明の製造方法により得られる液状組成物は、その高度な膜厚均一性及び表面平滑性を最も発揮できるため、最も好ましく用いられる。
【実施例】
【0036】
<ウレタンアクリレートオリゴマー組成液Aの調製例>
4つ口フラスコにイソホロンジイソシアネート66.7gを入れ、オイルバスにて70〜80℃に加熱し、温度が一定になるまで静かに撹拌する。温度が一定になったら、3−メチル−1,5−ペンタンジオール4.1gとポリテトラメチレングリコール(三菱化学社製「PTMG650」)74.8gとの混合物を滴下漏斗にて滴下し、温度を80℃に保ちながら2時間撹拌し、次いで、温度を70℃まで下げてから、ヒドロキシエチルアクリレート36.6gとメトキノン0.06gとジブチルスズジオクトエート0.04gの混合物を滴下漏斗にて滴下し、滴下が終わったら温度を80℃に上げて同温度で20時間撹拌することにより、ウレタンアクリレートオリゴマーを合成した。GPCを用いた分析により、該ウレタンアクリレートオリゴマーに相当する数平均分子量1,000以上のピークが観測され、分子量1,000以上の成分が含有されていることを確認した。これにイソボルニルアクリレート(共栄社化学社製「ライトアクリレートIB−XA」)24.8g及びジシクロペンタジエニルジメタノールジアクリレート(新中村化学社製「DCPA」)36.4gを加えて粘度を下げ、ウレタンアクリレートオリゴマー組成液Aを調製した。組成液Aの25℃における粘度は25,000センチポイズであった。
【0037】
<ウレタンアクリレートオリゴマー組成液Bの調製例>
4つ口フラスコにイソホロンジイソシアネート66.7gを入れ、オイルバスにて70〜80℃に加熱し、温度が一定になるまで静かに撹拌する。温度が一定になったら、3−メチル−1,5−ペンタンジオール4.1gとポリテトラメチレングリコール(三菱化学社製「PTMG650」)74.8gとの混合物を滴下漏斗にて滴下し、温度を80℃に保ちながら2時間撹拌し、次いで、温度を70℃まで下げてから、イソボルニルアクリレート(共栄社化学社製「ライトアクリレートIB−XA」)24.8g及びジシクロペンタジエニルジメタノールジアクリレート(新中村化学社製「DCPA」)36.4gを加え、15分間撹拌して目視で均一であることを確認後、ヒドロキシエチルアクリレート36.6gとメトキノン0.06gとジブチルスズジオクトエート0.04gの混合物を滴下漏斗にて滴下し、滴下が終わったら温度を80℃に上げて同温度で20時間撹拌することにより、ウレタンアクリレートオリゴマー組成液Bを調製した。GPCを用いた分析により、該ウレタンアクリレートオリゴマーに相当する数平均分子量1,000以上のピークが観測され、分子量1,000以上の成分が含有されていることを確認した。又、組成液Bの25℃における粘度は27,000センチポイズであった。
【0038】
ウレタンアクリレートオリゴマー組成液Cの調製例>
10Lの4つ口フラスコにイソホロンジイソシアネート1111.5gとジブチルスズラウレート0.3gを入れ、オイルバスにて70〜80℃に加熱し、温度が一定になるまで静かに撹拌する。温度が一定になったら、1,4ブタンジオール148.0gとポリテトラメチレングリコール(三菱化学社製「PTMG850」)1275.0gの混合物を滴下漏斗にて滴下し、温度を80℃に保ちながら2時間撹拌し、温度を70℃まで下げてから、ヒドロキシエチルアクリレート725.0gとメトキノン1.5gの混合物を滴下漏斗にて滴下し、滴下が終わったら温度を80℃に上げて同温度で10時間撹拌することにより、ウレタンアクリレートオリゴマーを合成した。GPCを用いた分析により、該ウレタンアクリレートオリゴマーに相当する数平均分子量1,000以上のピークが観測され、分子量1,000以上の成分が含有されていることを確認した。2Lのフラスコに、前記で得られたウレタンアクリレートオリゴマー608.3gを入れ、70℃に加熱してからイソボルニルアクリレート232.1gを加えて攪拌し、更に、酸性基を有する(メタ)アクリレートとして2−アクリロイルオキシエチルコハク酸(共栄社油脂化学社製「HOA−MS」)44.0gを加え、ウレタンアクリレートオリゴマー組成液Cを調製した。組成液Cの25℃における粘度は9,000センチポイズであった。
【0039】
<ウレタンアクリレートオリゴマー組成液Dの調製例>
2Lの4つ口フラスコにイソホロンジイソシアネート207.3gとジブチルスズラウレート0.1gを入れ、オイルバスにて70〜80℃に加熱し、温度が一定になるまで静かに撹拌する。温度が一定になったら、1,4ブタンジオール27.6gとポリテトラメチレングリコール(三菱化学社製「PTMG850」)237.8gの混合物を滴下漏斗にて滴下し、温度を80℃に保ちながら2時間撹拌し、温度を70℃まで下げてから、イソボルニルアクリレート232.1gを加えて攪拌し、更に、酸性基を有する(メタ)アクリレートとして2−アクリロイルオキシエチルコハク酸(共栄社油脂化学社製「HOA−MS」)44.0gを加え、15分間撹拌して目視で均一であることを確認後、ヒドロキシエチルアクリレート135.2gとメトキノン0.3gの混合物を滴下漏斗にて滴下し、滴下が終わったら温度を80℃に上げて10時間撹拌させ、ウレタンアクリレートオリゴマー組成液Dを調製した。GPCを用いた分析により、該ウレタンアクリレートオリゴマーに相当する数平均分子量1,000以上のピークが観測され、分子量1,000以上の成分が含有されていることを確認した。又、組成液Dの25℃における粘度は9,200センチポイズであった。
【0040】
<シリカ粒子分散液の調製例>
テトラメトキシシラン1170gとメタノール370gを混合した後、0.05%塩酸111gを加え、65℃で2時間加水分解反応を行った。次いで系内温度を130℃に昇温し、生成したメタノールを除去した後、窒素ガスを吹き込みながら温度を徐々に150℃まで上昇させ、そのまま3時間保ってテトラメトキシシランモノマーを除去し、テトラメトキシシランのオリゴマーを製造した。引き続いて、得られたテトラメトキシシランオリゴマー122.8gにメタノール225.3gを加えて均一に撹拌した後、触媒としてのアセチルアセトンアルミニウムの5%メタノール溶液24.6gを加え、30分攪拌した。この溶液に脱塩水26.0gを撹拌しながら徐々に滴下させ、そのまま60℃で2時間撹拌し、シリカ粒子を成長させた。次いで、シランカップリング剤としてアクリロイルオキシプロピルトリメトキシシラン119.6g、ジブチルスズジラウレート0.4gを加え、60℃にて2時間撹拌し熟成した後、脱塩水53.5gとアクリロイルオキシプロピルトリメトキシシラン119.6gを徐々に追加していき、60℃にて4時間攪拌して、シリカ粒子表面にシランカップリング剤を反応させ、シリカ粒子分散液を調製した。シリカ粒子分散液の25℃における粘度は10センチポイズであった。
【0041】
実施例1
2Lのポリカップに、前記調製例で得られたウレタンアクリレートオリゴマー組成液A(25℃における粘度25,000cps)300g、及び前記調製例で得られたウレタンアクリレートオリゴマー組成液C(同9,000cps)300g量り取り、室温にて以下の撹拌条件で均一混合した。このとき、P=72である。
・撹拌翼:スリーワンモーターに接続した角度付きファン型撹拌翼(撹拌翼端の撹拌軸面からの最大長さ:3cm)
・回転数:300rpm
・撹拌時間:60分間
【0042】
次いで、ジトリメチロールプロパンテトラアクリレート(新中村化学社製「NKエステルAD−TMP」)(同1000cps)100g、トリメチロールプロパントリアクリレート(新中村化学社製「NKエステルA−TMPT」)(同100cps)100g、及びイソボルニルアクリレート(新中村化学社製「NKエステルA−IB」)(同15cps)150gを、それぞれの液体原料毎に前記撹拌条件にて均一混合して順次加え(このとき、それぞれP=65、59、53である)、その後に前記調製例で得られたシリカ粒子分散液(同10cps)50gを上記撹拌条件で均一混合した(このとき、P=51である)。最後に光重合開始剤として固体状の1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン35gを加え、上記撹拌条件にて均一混合した。この混合物を、エバポレータを用いて50℃、1.5kPaの条件で減圧し、メタノールを除去して、紫外線硬化性液状組成物を調製した。
【0043】
この組成物を、直径130mm、厚さ1.2mmの円盤状のポリカーボネート基板に、スピンコーターにて100±5μmの厚さになるように塗布し、この組成物塗布膜より距離15cmの位置に設置された出力80W/cmの高圧水銀ランプにて、組成物に30秒間紫外線を照射して(照射強度は1J/cm2 )硬化させ、硬化物層を有する積層体を製造した。この積層体を室温にて24時間放置後、積層体円盤の中心を通る2本の直交する線を横切る塗布表面の数十〜百μm程度の太さの筋状ムラの本数を目視で観察し、観測された筋状ムラが4本以下の場合を○、5〜49本の場合を△、50本以上の場合を×として、塗布性を評価した。結果を表1に示す。
【0044】
実施例2
実施例1において、ウレタンアクリレートオリゴマー組成液Aに代えて前記調製例で得られたウレタンアクリレートオリゴマー組成液B(同27,000cps)を、ウレタンアクリレートオリゴマー組成液Cに代えて前記調製例で得られたウレタンアクリレートオリゴマー組成液D(同9,200cps)を、それぞれ用いた以外は、実施例1と同様にして積層体を得、塗布性を評価した。結果を表1に示す。
【0045】
実施例3
2Lのポリカップに、前記調製例で得られたウレタンアクリレートオリゴマー組成液A(同25,000cps)300g、前記調製例で得られたウレタンアクリレートオリゴマー組成液C(同9,000cps)300g、及びジトリメチロールプロパンテトラアクリレート(同1000cps)100gを量り取り、前記撹拌条件で均一混合し(このとき、P=65である)、高粘度側混合液を調製した。一方、別の1Lのポリカップに、トリメチロールプロパントリアクリレート(同100cps)100g、イソボルニルアクリレート(同15cps)150g、前記調製例で得られたシリカ粒子分散液(同10cps)50g、及び1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン35gを量り取り、前記撹拌条件で均一混合し(このとき、P=106である)、低粘度側混合液を調製した。次いで、高粘度側混合液に低粘度側混合液を加え、前記撹拌条件にて均一混合した(このとき、P=50である)。この混合物を、エバポレータを用いて50℃、1.5kPaの条件で減圧し、メタノールを除去して、紫外線硬化性液状組成物を調製した。以下、実施例1と同様にして積層体を得、塗布性を評価した。結果を表1に示す。
【0046】
実施例4
実施例3において、ウレタンアクリレートオリゴマー組成液Aに代えて前記調製例で得られたウレタンアクリレートオリゴマー組成液B(同27,000cps)を、ウレタンアクリレートオリゴマー組成液Cに代えて前記調製例で得られたウレタンアクリレートオリゴマー組成液D(同9,200cps)を、それぞれ用いた以外は、実施例3と同様にして積層体を得、塗布性を評価した。結果を表1に示す。
【0047】
実施例5
2Lのポリカップに、前記調製例で得られたウレタンアクリレートオリゴマー組成液A(同25,000cps)300g、及び前記調製例で得られたウレタンアクリレートオリゴマー組成液C(同9,000cps)300gを量り取り、前記撹拌条件で均一混合し(このとき、P=72である)、高粘度側混合液を調製した。一方、別の1Lのポリカップに、ジトリメチロールプロパンテトラアクリレート(同1000cps)100g、トリメチロールプロパントリアクリレート(同100cps)100g、イソボルニルアクリレート(同15cps)150g、及び1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン35gを量り取り、前記撹拌条件で均一混合し(このとき、P=96である)、低粘度側混合液を調製した。次いで、高粘度側混合液に低粘度側混合液を加え、前記撹拌条件にて均一混合した(このとき、P=51である)。この混合物を、エバポレータを用いて50℃、1.5kPaの条件で減圧し、メタノールを除去して、紫外線硬化性液状組成物を調製した。以下、実施例1と同様にして積層体を得、塗布性を評価した。結果を表1に示す。
【0048】
実施例6
実施例5において、ウレタンアクリレートオリゴマー組成液Aに代えて前記調製例で得られたウレタンアクリレートオリゴマー組成液B(同27,000cps)を、ウレタンアクリレートオリゴマー組成液Cに代えて前記調製例で得られたウレタンアクリレートオリゴマー組成液D(同9,200cps)を、それぞれ用いた以外は、実施例5と同様にして積層体を得、塗布性を評価した。結果を表1に示す。
【0049】
実施例7
2Lのポリカップに、前記調製例で得られたウレタンアクリレートオリゴマー組成液A(同25,000cps)300g、イソボルニルアクリレート(同15cps)150g、及び前記調製例で得られたシリカ粒子分散液(同10cps)50gを量り取り、前記撹拌条件で均一混合し(このとき、P=81である)、混合液を調製した。一方、別の1Lのポリカップに、前記調製例で得られたウレタンアクリレートオリゴマー組成液C(同9,000cps)300g、ジトリメチロールプロパンテトラアクリレート(同1000cps)100g、トリメチロールプロパントリアクリレート(同100cps)100g、及び1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン35gを量り取り、前記撹拌条件で均一混合し(このとき、P=77である)、混合液を調製した。次いで、前者混合液に後者混合液を加え、前記撹拌条件にて均一混合した(このとき、P=50である)。この混合物を、エバポレータを用いて50℃、1.5kPaの条件で減圧し、メタノールを除去して、紫外線硬化性液状組成物を調製した。以下、実施例1と同様にして積層体を得、塗布性を評価した。結果を表1に示す。
【0050】
実施例8
2Lのポリカップに、前記調製例で得られたウレタンアクリレートオリゴマー組成液A(同25,000cps)300g、イソボルニルアクリレート(同15cps)150g、及び前記調製例で得られたシリカ粒子分散液(同10cps)50gを量り取り、前記撹拌条件で均一混合し(このとき、P=81である)、混合液を調製した。この混合液に、前記調製例で得られたウレタンアクリレートオリゴマー組成液C(同9,000cps)300g、ジトリメチロールプロパンテトラアクリレート(同1000cps)100g、トリメチロールプロパントリアクリレート(同100cps)100g、及び1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン35gを一括添加し、前記撹拌条件で均一混合し(このとき、P=77である)、混合液を調製した。この混合物を、エバポレータを用いて50℃、1.5kPaの条件で減圧し、メタノールを除去して、紫外線硬化性液状組成物を調製した。以下、実施例1と同様にして積層体を得、塗布性を評価した。結果を表1に示す。
【0051】
実施例9
2Lのポリカップに、前記調製例で得られたウレタンアクリレートオリゴマー組成液A(同25,000cps)300g、及びイソボルニルアクリレート(同15cps)150g、を量り取り、前記撹拌条件で均一混合し(このとき、P=87である)、混合液を調製した。一方、別の1Lのポリカップに、前記調製例で得られたウレタンアクリレートオリゴマー組成液C(同9,000cps)300g、ジトリメチロールプロパンテトラアクリレート(同1000cps)100g、トリメチロールプロパントリアクリレート(同100cps)100g、及び1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン35gを量り取り、前記撹拌条件で均一混合し(このとき、P=77である)、混合液を調製した。次いで、前者混合液に後者混合液を加え、前記撹拌条件にて均一混合した(このとき、P=51である)。この混合物を、エバポレータを用いて50℃、1.5kPaの条件で減圧し、メタノールを除去して、紫外線硬化性液状組成物を調製した。以下、実施例1と同様にして積層体を得、塗布性を評価した。結果を表1に示す。
【0052】
比較例1
2Lのポリカップに、前記調製例で得られたウレタンアクリレートオリゴマー組成液A(同25,000cps)300g、前記調製例で得られたウレタンアクリレートオリゴマー組成液C(同9,000cps)300g、ジトリメチロールプロパンテトラアクリレート(同1000cps)100g、トリメチロールプロパントリアクリレート(同100cps)100g、イソボルニルアクリレート(同15cps)150g、前記調製例で得られたシリカ粒子分散液(同10cps)50g、及び1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン35gを量り取り、攪拌時間を360分間とした外は前記撹拌条件と同じ条件で混合した(このとき、P=298である)。この混合物を、エバポレータを用いて50℃、1.5kPaの条件で減圧し、メタノールを除去して、紫外線硬化性液状組成物を調製した。以下、実施例1と同様にして積層体を得、塗布性を評価した。結果を表1に示す。
【0053】
【表1】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
25℃における粘度が1,000センチポイズ以下の液状原料と、25℃における粘度が5,000センチポイズ以上の液状原料とを少なくとも含む3種以上の液状原料を混合して液状組成物を製造するにおいて、少なくとも1種を除く他の複数種の液状原料を、下記で表される混合指数〔P〕が下記式を満足する混合条件で混合する第1混合工程と、除かれた少なくとも1種の液状原料を加えて同様の混合条件で混合する第2混合工程とを含むことを特徴とする液状組成物の製造方法。
P=πr2 nt/M2/3 ≧10
〔但し、r:攪拌軸面から攪拌翼端までの最大長さ(cm)
n:攪拌回転数(回/分)
t:攪拌時間(分)
M:液体原料の合計重量(g)〕
【請求項2】
第1混合工程において、複数種の液状原料の25℃における粘度の大きさの順位が第1位と第2位の原料とを少なくとも含む原料を混合する請求項1に記載の液状組成物の製造方法。
【請求項3】
第2混合工程において、第1位と第2位の原料とを少なくとも含む混合液に、次位の原料を加えて混合する請求項2に記載の液状組成物の製造方法。
【請求項4】
液状原料が4種以上であり、第1混合工程において、25℃における粘度の大きさの順位が第1位と第2位の原料とを少なくとも含む複数種の液状原料を混合して高粘度側混合液を作製し、一方、25℃における粘度の大きさの順位が最下位と最下位より1つ上位の原料とを少なくとも含む複数種の液状原料を混合して低粘度側混合液を作製した後、第2混合工程において、前者高粘度側混合液と後者低粘度側混合液とを混合する請求項1に記載の液状組成物の製造方法。
【請求項5】
液状組成物が、ディップコート法、スプレーコート法、及びスピンコート法からなる群より選ばれるいずれかの塗布方法による塗膜の形成に用いられるためのものである請求項1乃至4のいずれかに記載の液状組成物の製造方法。
【請求項6】
液状組成物が、膜厚20μm以上の塗膜の形成に用いられるためのものである請求項1乃至5のいすれかに記載の液状組成物の製造方法。
【請求項7】
3種以上の液状原料の少なくとも1種が、数平均分子量1,000以上の化合物である請求項1乃至6のいずれかに記載の液状組成物の製造方法。
【請求項8】
数平均分子量1,000以上の化合物が、(A)イソシアネート基含有化合物、(B)ポリオール、及び(C)水酸基含有エチレン性不飽和化合物、を少なくとも反応させて得られたウレタンオリゴマーである請求項7に記載の液状組成物の製造方法。
【請求項9】
3種以上の液状原料の少なくとも1種が、エチレン性不飽和化合物である請求項1乃至8のいずれかに記載の液状組成物の製造方法。
【請求項10】
3種以上の液状原料の少なくとも1種が、無機質粒子分散液である請求項1乃至9のいずれかに記載の液状組成物の製造方法。
【請求項11】
液状組成物が、溶剤を実質的に含有しないものである請求項1乃至10のいずれかに記載の液状組成物の製造方法。
【請求項12】
液状組成物が、放射線硬化性組成物である請求項1乃至11のいずれかに記載の液状組成物の製造方法。
【請求項13】
液状組成物が、光学記録媒体用である請求項1乃至12のいずれかに記載の液状組成物の製造方法。

【公開番号】特開2007−289867(P2007−289867A)
【公開日】平成19年11月8日(2007.11.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−121107(P2006−121107)
【出願日】平成18年4月25日(2006.4.25)
【出願人】(000005968)三菱化学株式会社 (4,356)
【Fターム(参考)】