説明

添加剤回収方法及び装置

【課題】ビフェニルジフェニルホスフェート(BDP)及びトリフェニルホスフェート(TPP)を含む洗浄排水からBDP及びTPPを分離する。
【解決手段】BDP及びTPPを含む洗浄排水77は、攪拌圧送部82によって攪拌されながら相分離器83へ圧送される。これにより、相分離器102に案内された洗浄排水77は、BDP及びTPPが微細液滴となって分散された状態となる。この洗浄排水77を相分離器83におくり、不織布フィルタによりBDP及びTPPの微小液滴を捕捉、凝縮させて粗大化させ、洗浄排水77を水93とBDP及びTPPの混合液92とに相分離させる。水93と分離した混合液92を蒸留ユニット87で減圧蒸留することにより精製し回収する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、添加剤の回収方法及び回収装置に関する。特に、溶液製膜方法で用いられる溶媒回収ラインの洗浄排液に含まれる添加剤の回収方法及び回収装置に関する。
【背景技術】
【0002】
ポリマーフイルム(以下、フイルムと称する)は、優れた光透過性や柔軟性および軽量薄膜化が可能であるなどの特長から光学機能性フイルムとして多岐に利用されている。中でも、セルロースアシレートを用いたセルロースアシレートフイルムは、強靭さをもち複屈折率が小さいことから、写真感光用フイルムをはじめとして、近年市場が拡大している液晶表示装置(LCD)の構成部材である光学補償フイルムや偏光板の保護フイルムなどに用いられている。
【0003】
フイルムの製造方法としては、溶液製膜方法が知られている。溶液製膜方法は、ポリマーと溶媒とを含んだポリマー溶液(以下、ドープと称する)を支持体上に流延して形成した流延膜が自己支持性を有するものとなった後、溶媒を含んだ状態で支持体から剥がし、さらに、このフイルムを乾燥させる方法である。より具体的には、セルローストリアセテートなどのポリマーを溶媒に溶解したドープを調製する。このドープには、ポリマーの他にも添加剤を含ませておくことが通常である。ドープを流延ダイより流出し、流延ビードを形成させて、ドラムや無端バンドなどの支持体上に流延膜を形成する(以下、流延工程と称する)。流延膜が支持体上で冷却されたり乾燥される等により自己支持性をもつと、溶媒を含んだ状態のフイルムとして支持体から剥ぎ取られ、このフイルムを乾燥させた(以下、乾燥工程と称する)ものを巻き取るあるいは塗布等の次工程へ送る。
【0004】
乾燥工程では、フイルムに含まれる溶媒を乾燥室において蒸発させる。乾燥室内の雰囲気の溶媒濃度を略一定に保つために、そして、蒸発した溶媒をドープ調整用として再利用するために、気体となった溶媒(以下、溶媒ガスと称する)を乾燥室の雰囲気から回収する必要がある。そこで、この溶媒ガスを回収するために、乾燥室内の雰囲気に対して冷却処理を施し、雰囲気に含まれる溶媒ガスを液化することにより回収する溶媒回収ラインが用いられる。
【0005】
ところで、セルローストリアセテート製のフイルムの代表的な添加剤であるトリフェニルホスフェート(以下、TPPと称する)やビフェニルジフェニルホスフェート(以下、BDPと称する)は、フイルムに難燃性、透明性、耐水性、柔軟性及び非粘着性を付与する可塑剤としてはたらく。このTPPは高い沸点(399°C)をもつにも関わらず、一部が乾燥工程において溶媒と共に蒸発してしまうために溶媒回収ラインにおける溶媒の冷却処理の際に、溶媒の液化と共に析出してしまう。溶媒回収ラインで析出したTPPは冷却処理を行う冷却設備や配管などに固着し、溶媒回収ラインの処理能力の低下を招く恐れがある。そこで、特許文献1では、溶媒回収ラインと共に、温水等を用いて前記冷却設備や配管を溶剤回収ラインと共に定期的に洗浄する洗浄ラインを用いることにより、析出した添加剤を除去している。
【0006】
さらに、近年では、環境問題を考慮して廃棄物を削減することが重要視されており、溶媒回収ラインの洗浄処理によって生じる洗浄排水から添加剤を分離して、これを新たな洗浄水として洗浄ラインで再利用するとともに、洗浄廃水から分離された添加剤を十分に精製して溶液製膜工程で再度利用することが望まれている。従来このような洗浄排水からの添加剤の分離方法としては、比重分離処理方式が用いられることが多い。比重分離処理は、タンク等の容器に洗浄排水を貯留し、含まれている複数のものの比重の差を利用して、自然に沈降した添加剤を他のものと分離する方法である。
【特許文献1】特開2003−165866号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、比重分離処理は、洗浄排水中に溶解している添加剤や不純物の量や溶解度によって分離するまでの時間がばらつき、また、分離した添加剤の中にも不純物が多く含まれるため、効率的、かつ、十分な精製状態すなわち純度で、添加剤を洗浄排水から分離することが困難である。さらに、分離したとしても、添加剤のみを選択的に取り出すという、いわゆる単離が難しいので、回収方法としては問題がある。
【0008】
本発明は、上記問題を鑑みて、溶液製膜の空気を清浄化する際に溶媒を回収するラインの洗浄排水から、容易にかつ再使用に十分な精製状態で添加剤を回収することができる添加剤の回収方法及び回収装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、フイルムとされるべきドープ中に含まれ、溶液製膜部での前記フイルムの乾燥により気体となった添加剤を回収する添加剤回収方法において、前記溶液製膜部のガスを冷却することにより固化した前記添加剤を水に接触させて、添加剤が液滴状態で前記水に分散した分散液をつくる分散工程と、前記分散液を、添加剤と水とに相分離させる相分離工程と、水と相分離した添加剤を蒸留して、添加剤に含まれる不純物と分離する蒸留工程と、を有することを特徴として構成されている。
【0010】
前記相分離工程では、分散液を通過させるときに添加剤の液滴を捕捉して凝集させることにより大きくするフィルタと、このフィルタを収容する収容部とを備える分離器に、前記分散液を案内して前記フィルタを通過させて、前記収容部の中で添加剤と水とを相分離させることが好ましい。
【0011】
添加剤はトリフェニルホスフェートを含み、前記蒸留工程の蒸留は、添加剤を収容して加熱により蒸発させる蒸発部が備えられた蒸発手段により、蒸発部の内部を減圧しながら蒸留する減圧蒸留であることが好ましく、水と相分離した添加剤に、ドープの溶媒成分となる液体を加えてから蒸留をすることが好ましい。
【0012】
また、本発明は、フイルムとされるべきドープ中に含まれ、溶液製膜部での前記フイルムの乾燥により気体となった添加剤を回収する添加剤回収装置において、前記溶液製膜部のガスを冷却することにより固化した前記添加剤を、水に液滴状態で分散させる分散部と、前記分散液を、添加剤と水とに相分離させる相分離部と、水と相分離した添加剤を、蒸留することにより、添加剤に含まれる不純物と分離する蒸留手段と、を備えることを特徴として構成されている。
【0013】
前記蒸留手段は、前記添加剤を収容して加熱により蒸発させる蒸発部を有し、この蒸発部は、添加剤と接する接触面がグラスライニング加工されてあることが好ましい。
【発明の効果】
【0014】
本発明の添加剤の回収方法及び回収装置によれば、溶液製膜の空気を清浄化する際に溶媒を回収するラインの洗浄排水から、容易にかつ再使用に十分な精製状態で添加剤を回収することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
本発明に係る添加剤回収装置を用いたフイルム製造設備10を図1に示し、セルロースアシレートフイルムの製造方法について説明する。なお、以下の実施態様では、セルロースアシレートフイルム中に含ませる添加剤としてTPP及びBDPを用いる場合を例に説明するが、いずれか一方でもよい。特に、TPPを用いる場合には本発明は効果が大きい。
【0016】
フイルム製造設備10は、ポリマー11aと溶媒11bと添加剤であるTPP及びBDP11cとからドープ11をつくるドープ調製ライン12と、ドープ11からフイルム13をつくる溶液製膜ライン14と、この溶液製膜ライン14における上流部の空気を清浄化する第1空気清浄ライン15と、溶液製膜ライン14における下流部の空気を清浄化する第2空気清浄ライン16とを備える。
【0017】
フイルム製造ライン10は、ドープ11を支持体としての流延バンド22へ流延して、溶媒11bが含まれた状態のフイルム13として剥がすための流延室17と、流延室17から案内されてきたフイルム13を、適宜幅方向に張力を付与しながら、乾燥するためのテンタ室18と、案内されてきたフイルムを、巻き取ることができる程度にまで乾燥する乾燥室19とを有する。
【0018】
流延室17では、ドープ調製ライン12に接続する流延ダイ23が、送られてきたドープ11を走行する流延バンド22の上に流出することにより、流延バンド22の上にドープ11が流延されて流延膜が形成される。流延バンド22は、ローラ20、21に掛け渡され、ローラ20,21の少なくともいずれか一方が駆動回転することにより連続的に走行する。流延膜は流延バンド22で搬送されながら徐々に乾燥する。そして、搬送するに十分な自己支持性をもつようになると、剥ぎ取りローラ24に支持されてフイルム13の搬送の向きに張力を付与されることによって流延バンド22から剥ぎ取られる。さらに、フイルム13は、テンタ室18へ送られてテンタ26により所定の幅に引き伸ばされ、搬送されながら乾燥される。このテンタ室18におけるフイルムは、50℃以上150℃以下の範囲の温度となるように、テンタ室18に送り込まれる空気により温度制御され、フイルム13は搬送される間に溶媒含有率が1重量%以上20重量%以下の範囲となるように乾燥される。したがって、流延に供されたドープ11の溶媒成分は、テンタ室18を出るまでの間に、その大部分が蒸発する。
【0019】
流延室17及びテンタ室18は、第1空気清浄ライン15の乾燥風循環装置40に接続する。この乾燥風循環装置40は、空気を冷却してこの空気に含まれる溶媒ガスを凝縮する凝縮部(図示せず)と、空気の温度を制御する温度制御部(図示せず)とを備え、流延室17及びテンタ室18の空気を取り込むと、溶媒ガスを凝縮部で除去した後に温度制御部で温度調整し、再び流延室17及びテンタ室18に送り込む。このようにして、流延室17及びテンタ室18の空気は、乾燥風循環装置40との間で循環し、流延室17とテンタ18との内部は、溶媒ガスの濃度と温度とが一定範囲となるように保持される。
【0020】
さらに、第1空気清浄ライン15は、乾燥風循環装置40の凝縮部で液体となった溶媒を精製する溶媒回収装置41を備える。そして、溶媒回収装置41で精製された溶媒11bはドープ調製ライン12に送られ、再利用される。
【0021】
テンタ室18の下流の乾燥室19には、フイルム13の搬送路を決定し、フイルム13を支持する複数のローラ27が備えられる。複数のローラ27の中には、回転駆動することでフイルム13を搬送するものがある。そして、フイルム13は、乾燥室19に案内されてくると、複数のローラ27に巻き掛けられて搬送されながら乾燥し、その後、巻き取り機28に巻き取られる。
【0022】
乾燥室19では、フイルム13は90〜150℃の雰囲気下で乾燥をすすめられる。このために、巻き取り機28に巻き取られるフイルム13に含まれるべきTPP及びBDPは、残留していた溶媒の蒸発に伴って気化する。したがって、高温とされている乾燥室19の空気は、溶媒ガスと気体となったTPP及びBDP11cとを含む。なお、流延室17及びテンタ室18では、乾燥室19で蒸発する溶媒よりも大量の溶媒が蒸発するが、乾燥室19におけるよりもフイルム13の温度を低く保つので、流延室17及びテンタ室18の空気はTPPとBDPとをほとんど含まない。
【0023】
乾燥室19におけるフイルム13の乾燥の効果及び効率が下がらないように、乾燥室19の空気における溶剤ガスの濃度を所定値以下に保持する。この保持は、乾燥室19の空気を乾燥室19の外に取り出し、この空気から溶媒ガスを除去して、乾燥室19へ再び送り込むことにより行う。このように乾燥室19の空気を清浄化する処理は、第2空気清浄ライン16で実施する。
【0024】
第2空気清浄ライン16は、乾燥室19の空気(以下、処理前ガスと称する)50から溶媒ガスを除去して乾燥室19へ戻すことができる状態にまで清浄化し、除去した溶媒ガスを液体にして回収する吸着回収装置54を備える。吸着回収装置54を経た空気を以下の説明においては処理済ガス61と称する。
【0025】
処理前ガス50は、熱交換器51に送り込まれた後に、送風器52により冷却器53、吸着回収装置54へと順次送られる。吸着回収装置54には、溶媒ガスを吸着する吸着剤が収容される吸着部(図示せず)が備えられ、処理前ガス50が案内されるとこの中に含まれる溶媒ガスが吸着剤に吸着される。溶媒ガスが吸着されると、吸着部には蒸気が送り込まれ、吸着剤に吸着した溶媒ガスはこの蒸気により脱着される。そして、脱着に使われた蒸気は、吸着部に接続する凝縮部(図示せず)に送られて冷却され、これにより溶媒ガスは凝縮し液体として回収される。
【0026】
吸着部の吸着剤の劣化をできるだけ抑制するために、吸着剤に接触する処理前ガス50は、熱交換器51と冷却器53とにより温度を下げられる。具体的には、処理済ガス50は、90℃以上100℃以下の範囲の温度で熱交換器51の内部に案内され、この熱交換器51により75℃以上85℃以下の範囲となるように降温され、次に冷却器53により60℃以上70℃以下の範囲となるように降温される。このように段階的に冷却することにより、熱交換器51、送風器52、冷却器53の各内部及びこれらを互いに接続する配管をTPPやBDPで閉塞することがなくなる。冷却器53による冷却の目標温度は、添加剤の融点を基準にして概ね(融点+10℃)以上(融点+20℃)以下の範囲にすることが好ましく、添加剤を本実施形態のように複数用いる場合にはそれらのうち融点が最も低い化合物の融点を基準にして設定するとよい。つまり、添加剤としてTPPとBDPとを用いる場合には、概ね(TPPの融点+10℃)以上(TPPの融点+20℃)以下の範囲とすることで上記のように60℃以上70℃以下という冷却器53における目標温度を設定することができる。
【0027】
吸着回収装置54で溶媒ガスを除去されたガス、すなわち処理済ガス61は、温度調節器60に送られた後に送風器62により熱交換器51に送られる。そして、熱交換器51で処理前ガス50と熱交換することにより温度を高められた後に、加熱器63によりさらに温度を上げられてから乾燥室19に案内される。処理済ガス61は、乾燥室19におけるフイルム13を乾燥するための乾燥空気として利用するので、加熱器63では、乾燥空気として好適な温度にまで昇温される。以上のように、処理済ガス61は、温度調整器60と熱交換器51と加熱器63とにより、段階的に昇温される。具体的には、処理済ガス61は、60℃以上70℃以下の範囲で吸着回収装置54を出て温度調節器60に案内され、温度調節器60で75℃以上85℃以下の範囲となるように加熱された後、熱交換器51で90℃以上100℃以下の範囲となるようにさらに加熱される。そして、熱交換器51により、処理前ガス50と処理済ガス61との間で熱交換させることにより、省エネ化を図ることができる。
【0028】
冷却器53は、処理前ガス50が通過するガス経路71と、このガス経路71に配され、冷水72が通る冷水配管73とを備える。なお、図1では、冷水配管73を1本のみとして図示するが、冷却効率の観点から複数本としてもよい。冷水72は、クーリングタワー(図示せず)で75℃以上85℃以下の範囲となるように冷却されて冷水配管73に案内される。この冷水配管73を流れる冷水72と、処理前ガス50との間で熱交換することにより処理前ガス50の温度を下げる。処理前ガス50には、前述の通り、溶媒ガスの他に、気体のBDP及びTPPが含まれており、冷水による冷却でBDPとTPPとを液化させる。なお、液化した一部は固化することがある。液化もしくは固化したBDP及びTPPはガス経路71の内壁面や冷水配管73の外表面に付着している。なお、冷水72は、冷水配管73を通った後に、冷水戻り75となってクーリングタワーに送られ、再び冷水72として用いられる。
【0029】
送風器52は、冷却器53に向けての処理前ガス50の送風量を制御する他、送風をオン・オフする。そして、冷却器53のガス経路71の洗浄を実施する間は、送風器52により、処理前ガス50の送風をオフにする。冷却器53には、処理前ガス50が入る入口とは別の開口から、ガス経路71内に洗浄水76を送りこみ、ガス経路71の内壁及び冷水配管73の外表面からTPP及びBDPをおとす。
【0030】
TPP、BDPともに水に対する溶解度は非常に低い(例えば、TPPの水に対する溶解度は約1.9mg/L(25℃))であるので、TPPもBDPも洗浄水76に極微量は溶けるもののほとんどは溶けない。そして、TPPの融点は約50.5℃、BDPの融点は約−13℃である。そこで、洗浄水76の温度を、両者のうち融点が高い一方、つまり、TPPの融点以上とする。例えば、洗浄水76の温度を、予めTPPの融点以上に加熱しておき、これをガス経路71に送り込むとよい。これにより、TPPとBDPとの両方を、液体の状態で、洗浄水76の中に存在させることができるようになる。洗浄水76の温度は、60℃以上70℃以下の範囲とすることが好ましい。なお、ガス経路71に送り込むべき洗浄液88を予め温度調節することに代えて、TPPとBDPとを含む洗浄後の洗浄排水77についてTPPの融点以上となるように温度調節してもよい。本実施形態では、冷却器53に接続し、TPP及びBDPを回収する添加剤回収装置81により、洗浄水76の温度を調節するが、この態様に限られず、例えば、添加剤回収装置81から冷却器53に至る洗浄水76の配管、もしくは冷却器53から添加剤回収装置81に至る洗浄排水77の配管に温度調節部を設けて、洗浄水76や洗浄排水77の温度を調節してもよい。
【0031】
添加剤としてTPPとBDPとのいずれか一方のみを用いる場合には、用いた一方の融点以上の温度に、洗浄水76または洗浄排水77を温度調節するとよい。
【0032】
洗浄水76としては、水を用いることが好ましいが、これに限らず、添加剤の種類によっては、各種の有機溶媒、酸、アルカリでも良く、添加剤を溶解或いは分散できるものであればよい。更に、BDPやTPPの析出作用を考慮すると、温度変化に伴う溶媒量の変化が大きいものや、アルコール類、ケトン類を洗浄水76として用いることが好ましく、具体的には、メタノール、エタノール、アセトン、メチルエチルケトン(MEK)などがある。また、添加剤としてTPPを用いる場合には、ケトン類を用いることが好ましい。
【0033】
洗浄排水77は、処理前ガス50が出る出口とは別の開口から出て添加剤回収装置81に送られる。このようにしてガス経路71の洗浄を終えて、洗浄排水77がガス経路71から排出されると、送風器52による処理前ガス50の送風をオンにし、再び処理前ガス50がガス経路71に案内される。添加剤回収装置81に送られてきた洗浄排水77は、TPPとBDPとを除去され、再び洗浄水76としてガス経路71の洗浄に再利用される。一方、回収されたTPPとBDPとは、ドープ調製ライン12に送られ、ドープ11の原料として再利用される。
【0034】
洗浄排水77の温度がTPPの融点以上であっても、ガス経路71で洗浄水76の中に取り込んだTPPとBDPとのすべてが液体にはならない場合がある。特に融点が高い一方のTPPに関しては、ガス経路71で析出して大きな塊となっていることがあり、このときには洗浄排水77ですべてが液体とはなりきれずに固体のまま残ることがある。そして、TPPとBDPとのすべてが液体となって洗浄排水77の中に存在しても、液体の粒、つまり液滴の大きさが不均一で大きい場合がある。このように大きさが不均一で大きい液滴は、不純物を多く含む。そこで、BDP及びTPPを微細な液滴として洗浄排水77の中で分散させるために、洗浄排水77は添加剤回収装置81の攪拌圧送部82(図2参照)へ送られる。
【0035】
図2は、添加剤回収装置81の概略図である。添加剤回収装置81は、洗浄排水77に圧力を加えて攪拌しながら下流へ洗浄排水77を送る攪拌圧送部82と、洗浄排水77を水の相とBDP及びTPPとからなる添加剤の相とに相分離する相分離器83と、水と相分離したBDP及びTPPを滞留させるタンク84と、タンク84に滞留されたBDP及びTPPを蒸留して回収する蒸留ユニット87とを備える。なお、図2中の溶媒回収装置41は、添加剤回収装置81を構成するものではなく、第1空気清浄ライン15に含まれるものであるが、説明の便宜上、図2に図示している。
【0036】
攪拌圧送部82は、直列に接続された複数のインラインミキサ82aから構成され、冷却器53からの洗浄排水77を攪拌する。そして、洗浄排水77に圧力をかけながら相分離器83へ送り込む。このように圧力をかけながら下流へ送ることを以下の説明においては圧送と称する。この攪拌圧送部82による攪拌と圧送とを経ることにより、液体のBDP及びTPPを、洗浄排水77の中で細かな微細液滴として分散させる。攪拌圧送部82に送られてきたときにBDP及びTPPが洗浄排水の中で既に液滴となっている場合には、この攪拌圧送部82により、液滴径がさらに小さな微細液滴とされる。このように、BDP及びTPPを微細液滴にして洗浄排水77の中で分散した状態にすることにより、BDP及びTPPに取り囲まれていた不純物がBDP及びTPPと分けられることになる。不純物の中でも、特に水に可溶な物質を、水に溶け込ませることができる。このような水に可溶な物質としては、例えば、BDPやTPPの分解生成物であるフェノールがある。
【0037】
これにより、後述の相分離器83で水と相分離されたBDP及びTPPにおける不純物の量が非常に低くなり、相分離の段階で既に高い精製度となる。
【0038】
インラインミキサ82aは、管とこの管内に設けられた回転部材としてのエレメントとを有する。そして、エレメントが、管の断面中心を回転中心として回転することにより洗浄排水77が攪拌される。管の径やエレメント数は、洗浄排水77の流量や回収すべきBDP及びTPPの量に応じて適宜決定するとよい。なお、本実施形態では、管内にエレメントを複数挿入したインラインミキサ82aを用いているが、これに限定されず、BDPとTPPとを洗浄排水77の中で微細液滴として分散させることができるものであればよい。
【0039】
相分離器83は、周知のコアレッサー方式の油水分離器であり、タンク88と、コアレッサーカートリッジ89とを備える。コアレッサーカートリッジ89は、タンク88の略中央に収容される。また、タンク88は、上部及び下部に液の抜き出し口88a,88bを備えている。
【0040】
コアレッサーカートリッジ89は、不織布フィルタを含む複数のフィルタを積層して円筒形状に形成したものであり、タンク88の中に起立した姿勢で設けられている。微細液滴に分散したTPPを粗大化させる不織布フィルタとしては、繊維間に形成される孔径が0.5〜50μmとなっているものが好ましい。そして、攪拌圧送部82からタンク88の底部を通過して内部へ伸びる配管91が、このコアレッサーカートリッジ89の下端に接続する。
【0041】
なお、本実施形態では、コアレッサーカートリッジを有するコアレッサー方式の油水分離器を相分離器83として用いているが、これに代えて、コアレッサーカートリッジとセパレータカートリッジとをタンク内に配置し、コアレッサーカートリッジを通過して油水分離によりTPPが除去された洗浄廃液をセパレータカートリッジのフィルタ表面でさらに撥水分離して水のみを通過させるフィルタセパレータ方式の油水分離器を用いてもよい。
【0042】
BDP及びTPPが微小液滴として水と分離している、いわゆる遊離液状態の洗浄排水77は、コアレッサーカートリッジ89の中空部に下方から案内される。洗浄排水77は、コアレッサーカードリッジ89の中空部から外周面へと通過して外部へ出る。そして、不織布フィルタは、洗浄排水77に含まれているBDP及びTPPの微小液滴を捕捉して凝集させることにより、液滴径を大きくする。液滴径が大きくされたBDP及びTPPは、コアレッサーカートリッジ89の外周面に出されてこの外周面をつたうように落下する。落下する間にも液滴はさらに大きくなる。このようにして、洗浄排水77は、BDPとTPPとの混合液92と水93とに相分離する。BDPとTPPとは水よりも比重が大きいので混合液92はタンク88の下部に溜まり、混合液92の量が増加するに従い、水93は混合液92の上となるように徐々に浮上することになる。
【0043】
水93は、上部抜き出し口88bから排出される。そして、ろ過器97により異物を取り除かれて、洗浄水76として再び冷却器53(図1参照)で使用される。なお、抜き出し口88a,88bに開閉弁を設け、相分離工程の初期状態では抜き出し口106aの開閉弁を閉じ状態とし、相分離している添加剤の量、すなわち添加剤の液面高さを契機として開閉弁を開閉するようにしてもよい。
【0044】
タンク88の下部に溜まった混合液92は、下部の抜き出し口88aから排出され、配管96を介して接続されたタンク84に貯留される。
【0045】
さらに、相分離器83の内部温度を調節する第1温度調節部98により、添加剤92と水93とをより相分離しやすくすることができる。この場合には、案内された洗浄廃水77の温度が60℃〜95℃となるように、より好ましくは75℃〜95℃となるように、第1温度調整部98によってタンク88を加熱することでBDP及びTPPの粘性が低くなる。これにより、不織布フィルタで捕捉されるBDP及びTPPが水から離れやすくなる。なお、第1温度調整部98に代えて、もしくは加えて、配管91の内部温度を制御する温度調節部を設けてもよい。
【0046】
BDPとTPPとは微小液滴とされていた段階で不純物が既に多く分離した状態とされてあるので、この混合液92もBDP及びTPP以外の不純物が少ないものとなっているが、本発明では、さらにこの混合液を蒸留ユニット87で減圧蒸留することにより精製する。蒸留ユニット87は、混合液92を収容して加熱することによりBDPとTPPとを蒸発させる蒸発器101と、蒸発器101で生じた気体を凝縮するコンデンサ102と、BDP及びTPPを回収する第1回収タンク103と、BDPとTPPとを除く留分を回収する第2回収タンク104とを備える。
【0047】
蒸発器101は、混合液92を収容する蒸発器本体107と、この蒸発器本体107を加熱するヒータ108と、ヒータ108を介して蒸発器本体107の温度を制御することにより混合液92の温度を制御する第2温度調節器111と、蒸発器本体107の内部の圧力を制御する第1圧力制御部112と、蒸発器本体107に収容された混合液92を攪拌する攪拌機113とを備える。第2温度調節器111は、温度調節したスチーム(水蒸気)をヒータ108に送ることにより蒸発器本体107の温度を制御することができるものである。BDP及びTPPを減圧蒸留する場合に用いるスチームは、一般的に高圧スチームとよばれる10×9.8N/cmの圧力のスチームよりも圧力が低い略5×9.8N/cmの圧力のスチームとすることが好ましい。前者の高圧スチームでは蒸留器本体107の底部が160℃〜166℃に設定されてしまうが、圧力がより低い後者のスチームとすることにより略155℃に設定することができるからである。
【0048】
回収タンク92の混合液92は、蒸発器本体107の上部に設けられた開口(図示せず)から内部に導かれ、収容されるとこの開口が閉じられる。収容された混合液92は攪拌機113で攪拌される。混合液92の粘度が、蒸留するには高すぎる場合には、ドープの溶媒成分を混合液92の中に加えて粘度調節することが好ましい。本実施形態では溶媒回収装置41を蒸発器本体107に接続し、溶媒回収装置41で精製された溶媒を、混合液92の粘度調整成分として用いているが、この態様に限られるものではない。例えば、この態様に代えてあるいは加えて、吸着回収装置54(図1参照)を蒸発器本体107に接続し、吸着回収装置で回収された溶媒を混合液92の粘度調整成分として用いることができる。
【0049】
蒸発器本体107では、減圧蒸留を実施する。第1圧力制御112により、蒸発器本体107の内部を大気圧よりも低い圧力にする。蒸発器本体107の内部圧力は、蒸留すべき添加剤の種類に応じて決定するとよい。蒸留すべき添加剤がBDPとTPPとである場合には、具体的には、13.3Pa以下の圧力とすることが好ましい。13.3Paよりも大きいと精製時間が長くなってしまうことがある。蒸発器本体107の内部圧力は、0.5Pa以上13.3Pa以下の範囲がより好ましく、0.5Pa以上10.0Pa以下の範囲がさらに好ましい。
【0050】
そして、減圧された状態の混合液92を、第2温度調節部111により加熱し、BDP及びTPPからなる添加剤液を蒸留する。周知の通り、低沸点物質から順に蒸発する。
【0051】
蒸発して気体となったものは、蒸発器本体107の上部に配管をもって接続するコンデンサ102に案内され、凝縮され、液体となり、第1回収タンク103または第2回収タンク104でそれぞれ回収される。
【0052】
コンデンサ102には、温水116が流され、この温水116は、第3温度調節部117により所定の温度となるように調節される。温水116の温度は、コンデンサ102で凝縮すべき物質の凝縮温度以下に設定される。コンデンサ102の内部は蒸発器本体107の内部圧力と同じ圧力に設定してある。コンデンサ102と蒸発器本体107とは互いに接続しているので、コンデンサ102の内部圧力は、第1圧力制御部112により蒸発器本体107とともに制御される。
【0053】
本実施形態では、BDPよりも沸点が低くて先に蒸発する物質を第2回収タンク104に案内し、BDPとTPPとを第1回収タンク103に案内する。第2回収タンク104に案内されるものには、BDPやTPPと沸点の差が非常に大きい水やフェノールが含まれる。フェノールは、前述の通り、BDPやTPPの分解により生じ、大部分は相分離器83で分離除去されているが、わずかに混合液92に残っていることがあるので、この減圧蒸留工程でBDP及びTPPと分離することができる。水とフェノールとは、さらに分留して、それぞれ回収してもよい。水やフェノール以外の物質も、蒸留工程より上流の各工程等で生成することがあるが、これらも減圧蒸留工程でBDP及びTPPと分離することができる。なお、第1回収タンク103と第2回収タンク104とは、コンデンサ102に対して並列に接続されており、凝縮される物質に応じて、いずれか一方に適宜切り替えて使用される。
【0054】
第1回収タンク103と第2回収タンク104とには、コンデンサ102を経た温水116が案内され、この温水116により温度調節される。第1回収タンク103と第2回収タンク104との温度調節に使用された温水116は、第3温度調節器117で温度調節されてコンデンサ102で使用される。
【0055】
第1回収タンク103と第2回収タンク104とには、内部の圧力を制御するための第2圧力制御部118が備えられ、所定の圧力に制御される。第1回収タンク103,第2回収タンク104の内部圧力は、13.3Pa以下であることが好ましい。
【0056】
なお、TPPの蒸発が終わったら、蒸留を終了させて、蒸発器本体107に残ったものは残渣121として廃棄する。残渣121中には、BDPやTPPの分解に起因するリンやリン酸が含まれる。このため、蒸発器本体107の内壁、すなわち混合液92に接触する面は、グラスライニング加工されてあることが好ましく、セラミックスは不適といえる。本実施形態では、SUS製の蒸発器本体107の内壁にグラスライニング加工を施してある。
【0057】
第1回収タンク103内のBDPとTPPとの混合物には不純物がほとんどなく、ドープ調製ライン12で再び用いることができる。このようにBDP及びTPPを回収対象とする場合には、BDP及びTPPと、このふたつの化合物以外の留分とに分ければよい。また、BDPとTPPとを分けて回収したい場合には、上記の減圧蒸留工程で、分留して、互いに異なる回収タンクに回収するとよい。
【0058】
攪拌圧送部82による微細液滴化により、混合液92に含まれるTPP及びBDP以外の物質は、すべてBDPやTPPと沸点の差が非常に大きいものとなっている。そこで、後工程の減圧蒸留では、BDP及びTPPと、これら添加剤以外の物質とを単蒸留で分けることができ、しかも、再使用に十分な精製度で添加剤を回収することができる。以上の方法にように本発明によると、洗浄排水から容易にかつ再使用に十分な精製状態で添加剤を回収することができる。
【実施例1】
【0059】
以下、本発明について実施例を挙げて説明するが、本発明はそれに限定されるものではない。説明は実施例1で詳細に行い、実施例2及び実施例3については、実施例1と異なる点についてのみ記載する。
【0060】
本発明に係る実施例では先ず、熱交換器51を経た処理前ガス50を、送風器52により冷却器53に送風した。冷却器53では、7°Cの冷水72により処理前ガス50を冷却した。この冷却により、冷水配管73でBDP及びTPPを固化させ、冷水配管73の表面にBDP及びTPPが付着した。これにより、処理前ガス50からBDPとTPPを除去した。BDP及びTPPが除去された処理前ガス50は、処理済ガス61となって加熱器63を介して、乾燥室19へ送られた。また、冷却器53において、冷水配管73に、略95°Cの洗浄水76を送り、冷水配管73に付着したBDP及びTPPを除去した。そして、洗浄排水77を添加剤回収装置81の攪拌圧送部82へ送った。
【0061】
攪拌圧送部82により洗浄排水77を相分離器83へ圧送した。なお、攪拌圧送部82による洗浄排水77の送液流量は1〜2L(リットル)/分とした。そして、相分離器83により水とBDP及びTPPとを相分離し、タンク84にBDP及びTPPを含む混合液92を入れた。
【0062】
混合液92を蒸留ユニット87で減圧蒸留した。減圧蒸留でのスチームの圧力は4.8×9.8N/cmである。蒸発器本体107及びコンデンサ102の内部圧力を、約4.0Paとし、BDP及びTPPを凝縮させるときにコンデンサ102に送る温水116の温度は90℃に設定した。
【0063】
本実施例1の結果、第1回収タンク103に回収されたBDPとTPPとの混合液は、純度が95%以上であり、ドープ調製ラインで問題なく使用することができるレベルの純度であった。
【実施例2】
【0064】
蒸発器本体107及びコンデンサ102の内部圧力を、13.3Paとした他は、実施例1と同じ条件で実施した。
【実施例3】
【0065】
蒸発器本体107及びコンデンサ102の内部圧力を、約39.9Paとした他は、実施例1と同じ条件で実施した。
【0066】
実施例2は実施例1に比べて、また実施例3は実施例2に比べて、BDPとTPPとが第1回収タンク103に回収されるまでの時間は長く要したものの、実施例2及び実施例3で第1回収タンク103に回収されたBDPとTPPとの混合液は、いずれも実施例1と同様に、純度が95%以上であり、ドープ調製ラインで問題なく使用することができるレベルの純度であった。
【図面の簡単な説明】
【0067】
【図1】本発明を実施した溶液製膜設備の概略図である。
【図2】本発明を実施した添加剤回収装置の概略図である。
【符号の説明】
【0068】
10 フイルム製造設備
11 ドープ
13 フイルム
14 溶液製膜ライン
50 処理前ガス
51 熱交換器
53 冷却器
77 洗浄廃水
82 攪拌圧送部
83 相分離器
87 蒸留ユニット
92 混合液
101 蒸留器
107 蒸留器本体

【特許請求の範囲】
【請求項1】
フイルムとされるべきドープ中に含まれ、溶液製膜部での前記フイルムの乾燥により気体となった添加剤を回収する添加剤回収方法において、
前記溶液製膜部のガスを冷却することにより固化した前記添加剤を水に接触させて、前記添加剤が液滴状態で前記水に分散した分散液をつくる分散工程と、
前記分散液を、前記添加剤と前記水とに相分離させる相分離工程と、
前記水と相分離した前記添加剤を蒸留して、前記添加剤に含まれる不純物と分離する蒸留工程とを有することを特徴とする添加剤回収方法。
【請求項2】
前記相分離工程では、
前記分散液を通過させるときに前記添加剤の液滴を捕捉して凝集させることにより大きくするフィルタと、このフィルタを収容する収容部とを備える分離器に、前記分散液を案内して前記フィルタを通過させて、前記収容部の中で前記添加剤と前記水とを相分離させることを特徴とする請求項1記載の添加剤回収方法。
【請求項3】
前記添加剤はトリフェニルホスフェートを含み、
前記蒸留工程の前記蒸留は、前記添加剤を収容して加熱により蒸発させる蒸発部が備えられた蒸発手段により、前記蒸発部の内部を減圧しながら蒸留する減圧蒸留であることを特徴とする請求項1または2記載の添加剤回収方法。
【請求項4】
前記水と相分離した前記添加剤に、前記ドープの溶媒成分となる液体を加えてから前記蒸留をすることを特徴とする請求項1ないし3いずれか1項記載の添加剤回収方法。
【請求項5】
フイルムとされるべきドープ中に含まれ、溶液製膜部での前記フイルムの乾燥により気体となった添加剤を回収する添加剤回収装置において、
前記溶液製膜部のガスを冷却することにより固化した前記添加剤を、水に液滴状態で分散させる分散部と、
前記分散液を、前記添加剤と前記水とに相分離させる相分離部と、
前記水と相分離した前記添加剤を、蒸留することにより、前記添加剤に含まれる不純物と分離する蒸留手段とを備えることを特徴とする添加剤回収装置。
【請求項6】
前記蒸留手段は、前記添加剤を収容して加熱により蒸発させる蒸発部を有し、
前記蒸発部は、前記添加剤と接する接触面がグラスライニング加工されてあることを特徴とする請求項5記載の添加剤回収装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate


【公開番号】特開2010−105257(P2010−105257A)
【公開日】平成22年5月13日(2010.5.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−279094(P2008−279094)
【出願日】平成20年10月30日(2008.10.30)
【出願人】(306037311)富士フイルム株式会社 (25,513)
【Fターム(参考)】