説明

測位システム、仲介装置、仲介装置の制御方法、仲介装置の制御プログラム、仲介装置の制御プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体

【課題】ネットワーク側の状態に応じて、ネットワーク側が端末装置の測位結果取得形態を指定することができる測位システム等を提供すること。
【解決手段】端末装置20、端末装置20に対して支援情報を提供する情報提供装置及び前記端末装置の現在位置の測位を行う測位装置50の間の通信を仲介する仲介装置80であって、 仲介装置80は、仲介装置80の取扱情報量を示す取扱情報量情報を生成する取扱情報量情報生成手段と、取扱情報量が取扱情報量許容範囲内か否かを判断する取扱情報量許容範囲内外判断手段と、端末装置20に対して、端末装置20が現在位置を測位する内部測位手段、又は、前記情報提供装置に対して測位を要求する外部測位要求手段とのいずれを選択するかを指定するための測位手段指定情報を生成する測位手段指定情報生成手段と、端末装置20に対して、前記測位手段指定情報を送信する測位手段指定情報送信手段とを有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、位置情報衛星からの衛星信号に基づく測位に関する測位システム、仲介装置、仲介装置の制御方法、仲介装置の制御プログラム、仲介装置の制御プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、衛星航法システムである例えば、GPS(Global Positioning System)を利用してGPS受信機の現在位置を測位する測位システムが実用化されている。
そして、GPS受信機が、外部のネットワークから位置測位のための支援情報を取得する方式(以後、アシスト方式と呼ぶ)が広く利用されている(例えば、特許文献1)。
上述のアシスト方式には複数の種類があり、これに対応してGPS受信機の測位結果取得形態も例えば、GPS受信機自身が現在位置の測位を実施する形態(以後、端末測位型と呼ぶ)と、GPS受信機は外部装置が実施した測位結果を取得する形態(以後、サーバ測位型と呼ぶ)がある。
上述のサーバ測位型には、GPS受信機の消費電力が少なくてよい等のメリットがある。
【特許文献1】特開2002−228738号公報(図1等)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかし、GPS受信機から上述の外部装置への通信回線が混んでいる場合や、外部装置自身の負荷が高い状態において、上述のサーバ測位型の支援形態を要求すると、通信渋滞や高負荷状態がますます深刻化し、外部装置がGPS受信機に対して支援情報を提供することが困難になる場合があるという問題がある。
【0004】
そこで、本発明は、ネットワーク側の状態に応じて、ネットワーク側が端末装置の測位結果取得形態を指定することができる測位システム、仲介装置、仲介装置の制御方法、仲介装置の制御プログラム、仲介装置の制御プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
前記目的は、第1の発明によれば、位置情報衛星からの位置関連信号に基づく測位結果を取得する端末装置と、前記端末装置に対して支援情報を提供する情報提供装置と、前記端末装置の現在位置の測位を行う測位装置と、前記端末装置と前記情報提供装置及び前記測位装置の通信を仲介する仲介装置と、を有する測位システムであって、前記端末装置は、前記端末装置が現在位置を測位する内部測位手段と、前記測位装置に対して測位を要求する外部測位要求手段と、前記内部測位手段又は前記外部測位要求手段のいずれかを選択する測位手段選択手段と、を有し、前記仲介装置は、前記仲介装置の取扱情報量を示す取扱情報量情報を生成する取扱情報量情報生成手段と、前記取扱情報量が取扱情報量許容範囲内か否かを判断する取扱情報量許容範囲内外判断手段と、前記端末装置に対して前記内部測位手段又は前記外部測位要求手段のいずれを選択するかを指定するための測位手段指定情報を生成する測位手段指定情報生成手段と、前記端末装置に対して、前記測位手段指定情報を送信する測位手段指定情報送信手段とを有することを特徴とする測位システムにより達成される。
【0006】
第1の発明の構成によれば、前記仲介装置は前記取扱情報量情報生成手段によって前記仲介装置の取扱情報量を示す取扱情報量情報を生成することができる。
そして、前記仲介装置は取扱情報量許容範囲内外判断手段によって前記取扱情報量が取扱情報量許容範囲内か否かを判断することができる。
さらに、前記仲介装置は前記測位手段指定情報生成手段によって、前記端末装置が前記内部測位手段又は前記外部測位要求手段のいずれを選択するかを指定するための測位手段指定情報を生成することができ、前記測位手段指定情報送信手段によって前記端末装置に対して、前記測位手段指定情報を送信することができる。
例えば、前記仲介装置は、前記取扱情報量が前記取扱情報量許容範囲外であって通信回線が混んでいる場合には、それ以上通信回線の混雑を増加しないように、前記端末装置に対して、前記内部測位手段の選択を指定するための前記測位手段指定情報を送信する。このため、前記端末装置に前記内部測位手段を選択させることができる。ここで、前記測位システムにおいて、前記端末装置以外を総称してネットワーク側と呼ぶ。
これにより、ネットワーク側の状態に応じて、仲介装置が端末装置の測位結果取得形態を指定することができる測位システムを提供することができる。
【0007】
前記目的は、第2の発明によれば、位置情報衛星からの位置関連信号に基づく測位結果を取得する端末装置、前記端末装置に対して支援情報を提供する情報提供装置及び前記端末装置の現在位置の測位を行う測位装置の間の通信を仲介する仲介装置であって、前記仲介装置は、前記仲介装置の取扱情報量を示す取扱情報量情報を生成する取扱情報量情報生成手段と、前記取扱情報量が取扱情報量許容範囲内か否かを判断する取扱情報量許容範囲内外判断手段と、前記端末装置に対して、前記端末装置が現在位置を測位する内部測位手段、又は、前記測位装置に対して測位を要求する外部測位要求手段とのいずれを選択するかを指定するための測位手段指定情報を生成する測位手段指定情報生成手段と、前記端末装置に対して、前記測位手段指定情報を送信する測位手段指定情報送信手段とを有することを特徴とする仲介装置によって達成される。
【0008】
第2の発明の構成によれば、第1の発明の構成と同様に、ネットワーク側の状態に応じて、仲介装置が端末装置の測位結果取得形態を指定することができる。
【0009】
前記目的は、第3の発明によれば、位置情報衛星からの位置関連信号に基づく測位結果を取得する端末装置、前記端末装置に対して支援情報を提供する情報提供装置及び前記端末装置の現在位置の測位を行う測位装置の間の通信を仲介する仲介装置であって、前記仲介装置は、前記測位装置の負荷を示す負荷情報を取得する負荷情報取得手段と、前記負荷が負荷許容範囲内か否かを判断する負荷許容範囲内外判断手段と、前記端末装置に対して、前記端末装置が現在位置を測位する内部測位手段、又は、前記測位装置に対して測位を要求する外部測位要求手段とのいずれを選択するかを指定するための測位手段指定情報を生成する測位手段指定情報生成手段と、前記端末装置に対して、前記測位手段指定情報を送信する測位手段指定情報送信手段と、を有することを特徴とする仲介装置によって達成される。
【0010】
第3の発明の構成によれば、前記仲介装置は負荷情報取得手段によって前記測位装置の負荷を示す負荷情報を取得することができる。
そして、負荷許容範囲内外判断手段によって前記負荷が負荷許容範囲内か否かを判断すし、前記測位手段指定情報生成手段によって前記内部測位手段又は、前記外部測位要求手段とのいずれを選択するかを指定するための測位手段指定情報を生成することができる。
さらに、測位手段指定情報送信手段によって前記端末装置に対して、前記測位手段指定情報を送信することができる。
このため、前記仲介装置は例えば、前記負荷が前記負荷許容範囲外であって前記測位装置の負荷が大きい場合には、前記測位装置の負荷を増加させないように、前記端末装置に対して、前記内部測位手段の選択を指定するための前記測位手段指定情報を送信する。
これにより、ネットワーク側の状態に応じて、仲介装置が端末装置の測位結果取得形態を指定することができる測位システムを提供することができる。
【0011】
前記目的は、第4の発明によれば、位置情報衛星からの位置関連信号に基づく測位結果を取得する端末装置、前記端末装置に対して支援情報を提供する情報提供装置及び前記端末装置の現在位置の測位を行う測位装置の間の通信を仲介する仲介装置であって、前記仲介装置は、前記仲介装置の取扱情報量を示す取扱情報量情報を生成する取扱情報量情報生成手段と、前記取扱情報量が取扱情報量許容範囲内か否かを判断する取扱情報量許容範囲内外判断手段と、前記測位装置の負荷を示す負荷情報を取得する負荷情報取得手段と、前記負荷が負荷許容範囲内か否かを判断する負荷許容範囲内外判断手段と、前記端末装置に対して、前記端末装置が現在位置を測位する内部測位手段、又は、前記測位装置に対して測位を要求する外部測位要求手段とのいずれを選択するかを指定するための測位手段指定情報を生成する測位手段指定情報生成手段と、前記端末装置に対して、前記測位手段指定情報を送信する測位手段指定情報送信手段と、を有することを特徴とする仲介装置によって達成される。
【0012】
第4の発明の構成によれば、前記仲介装置は、前記取扱情報量許容範囲内外判断手段と前記負荷許容範囲内外判断手段の双方を有し、前記取扱情報量許容範囲内外判断手段及び前記負荷情報許容範囲内外判断手段の判断結果に基づいて、測位手段指定情報を生成することができる。
すなわち、前記仲介装置の前記取扱情報量及び前記測位装置の負荷の双方に応じて、前記測位手段指定情報を生成することができる。
これにより、ネットワーク側の状態に応じて、仲介装置が端末装置の測位結果取得形態を指定することができる。
【0013】
第5の発明は、第4の発明の構成において、前記測位手段指定情報生成手段は、前記取扱情報量が前記取扱情報量許容範囲外であるとき及び/又は前記負荷が前記負荷許容範囲外であるときに、前記端末装置に前記内部測位手段を選択するための前記測位手段指定情報を生成する構成となっていることを特徴とする。
【0014】
第5の発明の構成によれば、前記取扱情報量が前記取扱情報量許容範囲外であるとき又は前記負荷が前記負荷許容範囲外であるときの少なくともいずれかの場合において、前記端末装置に前記内部測位手段の選択を指定するための前記測位手段指定情報を生成する構成となっている。
これにより、前記仲介装置の取扱情報量が許容範囲より多い場合、あるいは、前記測位装置の負荷が許容範囲より大きい場合には、ネットワーク側の負担の増加を抑制するために、前記端末装置に対して前記内部測位手段を選択させることができる。
【0015】
第6の発明は、第2の発明乃至第5の発明のいずれかの構成において、前記測位装置の測位障害を示す障害情報を取得する障害情報取得手段を有し、前記仲介装置が、前記障害情報を取得したときには、前記測位手段指定情報生成手段は前記端末装置に前記内部測位手段を選択させる前記測位手段指定情報を生成する構成となっていることを特徴とする。
【0016】
前記測位装置が測位障害を有する場合には、前記測位装置による前記測位はできない。それにもかかわらず、前記端末装置が前記測位装置に対して測位の要求をすると、通信時間及び電力を無駄に消費することになる。
この点、第6の発明の構成によれば、前記仲介装置が、前記障害情報を取得したときには、前記端末装置に前記内部測位手段の選択を指定する前記測位手段指定情報を生成し、その前記測位手段指定情報を送信することによって、前記測位装置が障害を有するにもかかわらず前記端末装置が前記測位装置に測位を要求することを未然に防止することができる。
【0017】
前記目的は、第7の発明によれば、位置情報衛星から位置関連信号に基づく測位結果を取得する端末装置、前記端末装置に対して支援情報を提供する情報提供装置及び前記端末装置の現在位置の測位を行う測位装置の間の通信を仲介する仲介装置が、前記仲介装置の取扱情報量を示す取扱情報量情報を生成する取扱情報量情報生成ステップと、前記仲介装置が、前記取扱情報量が取扱情報量許容範囲内か否かを判断する取扱情報量許容範囲内外判断ステップと、前記仲介装置が、前記取扱情報量許容範囲内外判断ステップにおける判断結果に基づいて、前記端末装置に対して、前記端末装置が現在位置を測位する内部測位手段、又は、前記測位装置に対して測位を要求する外部測位要求手段とのいずれを選択するかを指定するための測位手段指定情報を生成する測位手段指定情報生成ステップと、前記端末装置に対して、前記測位手段指定情報を送信する測位手段指定情報送信ステップと、を有することを特徴とする仲介装置の制御方法によって達成される。
【0018】
第7の発明の構成によれば、第1の発明の構成と同様に、前記仲介装置の前記取扱情報量に応じて、前記測位手段指定情報を生成することができる。
これにより、ネットワーク側の状態に応じて、仲介装置が端末装置の測位結果取得形態を指定することができる。
【0019】
前記目的は、第8の発明によれば、コンピュータに、位置情報衛星から位置関連信号に基づく測位結果を取得する端末装置、前記端末装置に対して支援情報を提供する情報提供装置及び前記端末装置の現在位置の測位を行う測位装置の間の通信を仲介する仲介装置が、前記仲介装置の取扱情報量を示す取扱情報量情報を生成する取扱情報量情報生成ステップと、前記仲介装置が、前記取扱情報量が取扱情報量許容範囲内か否かを判断する取扱情報量許容範囲内外判断ステップと、前記仲介装置が、前記取扱情報量許容範囲内外判断ステップにおける判断結果に基づいて、前記端末装置に対して、前記端末装置が現在位置を測位する内部測位手段、又は、前記測位装置に対して測位を要求する外部測位要求手段とのいずれを選択するかを指定するための測位手段指定情報を生成する測位手段指定情報生成ステップと、前記端末装置に対して、前記測位手段指定情報を送信する測位手段指定情報送信ステップと、を実行させることを特徴とする仲介装置の制御プログラムによって達成される。
【0020】
前記目的は、第9の発明によれば、コンピュータに、位置情報衛星から位置関連信号に基づく測位結果を取得する端末装置、前記端末装置に対して支援情報を提供する情報提供装置及び及び前記端末装置の現在位置の測位を行う測位装置の間の通信を仲介する仲介装置が、前記仲介装置の取扱情報量を示す取扱情報量情報を生成する取扱情報量情報生成ステップと、前記仲介装置が、前記取扱情報量が取扱情報量許容範囲内か否かを判断する取扱情報量許容範囲内外判断ステップと、前記仲介装置が、前記取扱情報量許容範囲内外判断ステップにおける判断結果に基づいて、前記端末装置に対して、前記端末装置が現在位置を測位する内部測位手段、又は、前記測位装置に対して測位を要求する外部測位要求手段とのいずれを選択するかを指定するための測位手段指定情報を生成する測位手段指定情報生成ステップと、前記端末装置に対して、前記測位手段指定情報を送信する測位手段指定情報送信ステップと、を実行させることを特徴とする仲介装置の制御プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体によって達成される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
以下、この発明の好適な実施の形態を添付図面等を参照しながら、詳細に説明する。
尚、以下に述べる実施の形態は、本発明の好適な具体例であるから、技術的に好ましい種々の限定が付されているが、本発明の範囲は、以下の説明において特に本発明を限定する旨の記載がない限り、これらの態様に限られるものではない。
【0022】
図1は、本発明の実施の形態の測位システム10を示す概略図である。
図1に示すように、測位システム10は、位置情報衛星である例えば、GPS衛星12
a,12b,12c,12d及び12eからの位置関連信号である例えば、信号S1乃至S5に基づく測位結果を取得する端末装置である例えば、端末20を有する。
測位システム10はまた、信号S1等を受信して、GPS衛星12a等の軌道情報を含む衛星情報を生成するGPS基地局15を有する。
測位システム10はまた、端末20に対して支援情報である例えば、アシストデータを提供し、また、端末20から取得した後述のメジャメント情報156(図5参照)に基づいて端末50の現在位置の測位を行うGPSアシストサーバ50(以後、サーバ50と呼ぶ)を有する。サーバ50は、通信網であるインターネット網45を介してGPS基地局15と通信可能である。このサーバ50は、情報提供装置の一例であり、また、測位装置の一例でもある。
測位システム10はまた、端末20とサーバ50の通信を仲介する仲介装置である例えば、ネットワークコントローラ80(以後、NWコントローラ80と呼ぶ)を有する。NWコントローラ80は、インターネット網45及び基地局70を介して端末20と通信可能である。NWコントローラ80はまた、インターネット網45を介してサーバ50と通信可能である。
端末20は例えば、携帯電話機、PHS(Personal Handy−phone System)、PDA(Personal Digital Assistance等であるが、これらに限らない。
【0023】
なお、本実施の形態とは異なり、GPS衛星12a等は、5個に限らず、3個あるいは4個でもよいし、6個以上でもよい。
また、本実施の形態とは異なり、サーバ50は端末20に対して上述の支援情報を提供するだけの構成とし、端末20の現在位置の測位を行うための測位サーバを別に設けてもよい。
【0024】
(端末20の主なハードウエア構成について)
図2は端末20の主なハードウエア構成等を示す概略図である。
図2に示すように、端末20は、コンピュータを有しており、コンピュータは、バス22を有する。
このバス22には、CPU(Central Processing Unit)24、記憶装置26等が接続されている。記憶装置26は例えば、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)等である。
【0025】
また、このバス22には、各種情報等を入力するための入力装置28が接続されている。
また、このバス22には、GPS衛星12a等から位置関連信号を受信するための端末GPS装置30が接続されている。
また、このバス22には、NWコントローラ80(図1参照)等と、通信するための端末通信装置32が接続されている。
また、このバス22には、端末20の各種情報を表示するための端末表示装置34が接続されている。
【0026】
(サーバ50のハードウエア構成について)
図3はサーバ50の主なハードウエア構成等を示す概略図である
図3に示すように、サーバ50の主なハードウエア構成は、上述の端末20の主なハードウエア構成(図2参照)とほぼ同様である。
但し、バス52には、外部記憶装置58として例えば、HD(Hard Disk)が接続されている。
【0027】
(NWコントローラ80のハードウエア構成について)
図4はNWコントローラ80の主なハードウエア構成等を示す概略図である。
図4に示すように、NWコントローラ80の主なハードウエア構成は、上述のサーバ50の主なハードウエア構成(図3参照)とほぼ同様である。
但し、NWコントローラ80は、GPS装置を有しない。
【0028】
(端末20の主なソフトウエア構成について)
図5は、端末20の主なソフトウエア構成等を示す概略図である。
図5に示すように、端末20は、各部を制御する端末制御部100、図2の端末通信装置32に対応する端末通信部102、図2の端末GPS装置30に対応する端末GPS部104を有する。
【0029】
図5に示すように、端末20は、各種プログラムを格納する端末第1記憶部110、各種情報を格納する端末第2記憶部150を有する。
図5に示すように、端末20は、端末第1記憶部110に、アシスト要求プログラム111を格納している。アシスト要求プログラム111は、端末制御部100が、NWコントローラ80を介してサーバ50に対して、測位のための支援の開始を要求するアシスト要求情報152を送信するための情報である。
【0030】
図5に示すように、端末20は、端末第1記憶部110に、端末測位プログラム112を格納している。端末測位プログラム112は、端末制御部100が、現在位置を測位するための情報である。すなわち、端末測位プログラム112と端末制御部100は、内部測位手段の一例である。以後、端末測位プログラム112と端末制御部100を、ベースト型測位手段と呼ぶ。
端末制御部100は、端末測位プログラム112に基づく測位によって現在位置を示す端末測位位置情報158を生成し、端末第2記憶部150に格納する。
【0031】
詳細には、端末制御部100は端末測位プログラム112に基づいて、サーバ50から端末20自身が測位を実施するための端末測位用アシストデータ154を取得し、その端末測位用アシストデータ154を使用してGPS衛星12a等の信号S1等を捕捉し、その信号S1等に基づいて、メジャメント情報156を生成する。
このメジャメント情報156は例えば、端末20と各GPS衛星12a等との擬似距離、信号S1等のドップラー効果、信号S1等を受信した時刻等を示す情報であり、端末20の測位の基礎となる情報である。
そして、端末制御部100は、衛星情報154a及びメジャメント情報156に基づいて、現在位置を測位する。衛星情報154aは、GPS衛星12a等の軌道情報等を示す情報であり例えば、端末測位用アシストデータ154に含まれている。
【0032】
図5に示すように、端末20は、端末第1記憶部110に、サーバ測位要求プログラム114を格納している。サーバ測位要求プログラム114は、端末制御部100が、サーバ50に対して測位を要求するための情報である。すなわち、サーバ測位要求プログラム114と端末制御部100は、外部測位要求手段の一例である。以後、サーバ測位要求プログラム114と端末制御部100をアシステッド型測位手段と呼ぶ。
具体的には、端末制御部100はサーバ測位要求プログラム114に基づいて、サーバ50から端末20がGPS衛星12a等(図1参照)から信号S1を受信するためのサーバ測位用アシストデータ155を取得し、そのサーバ測位用アシストデータ155を使用してGPS衛星12a等の信号S1等を捕捉し、その信号S1等に基づいて、メジャメント情報156を生成する。
そして、端末制御部100は、メジャメント情報156をサーバ50に送信することによって、サーバ50に測位を要求する。
端末制御部100は、サーバ測位要求プログラム114に基づいてサーバ50から取得した端末20の現在位置を示すサーバ測位位置情報160を端末第2記憶部150に格納する。
【0033】
図5に示すように、端末20は、端末第1記憶部110に、測位手段選択プログラム116を格納している。測位手段選択プログラム116は、端末制御部100が、上述の端末測位プログラム112に基づく端末20の制御、または、サーバ測位要求プログラム114に基づく端末20の制御のいずれかの測位手段を選択するための情報である。すなわち、測位手段選択プログラム116と端末制御部100は、測位手段選択手段の一例である。
端末制御部100は、後述するように、NWコントローラ80から取得する測位手段指定情報358(図7参照)に基づいて、測位手段を選択する。
【0034】
(サーバ50のソフトウエア構成について)
図6は、サーバ50の主なソフトウエア構成等を示す概略図である。
図6に示すように、サーバ50は、各部を制御するサーバ制御部200、図3のサーバ通信装置64に対応するサーバ通信部202、図3のサーバGPS装置62に対応するサーバGPS部204を有する。
【0035】
図6に示すように、サーバ50は、各種プログラムを格納するサーバ第1記憶部210、各種情報を格納するサーバ第2記憶部250を有する。
【0036】
図6に示すように、サーバ50は、サーバ第1記憶部210に、アシストデータ生成プログラム212を格納している。アシストデータ生成プログラム212は、サーバ制御部200が、端末20に提供するための端末測位用アシストデータ256及びサーバ測位用アシストデータ257を生成するための情報である。
具体的には、サーバ制御部200はアシストデータ生成プログラム212によって、衛星情報252、端末20から取得した端末概位置情報254に基づいて、端末測位用アシストデータ256及びサーバ測位用アシストデータ257を生成する。
端末測位用アシストデータ256は端末20が測位をするための情報であり例えば、GPS衛星12a等の仰角、方位角、信号S1等のドップラー効果を示す情報に加えて、衛星情報を含む。
サーバ測位用アシストデータ257は端末20がGPS衛星12a等からの信号S1を受信し、測位はサーバ50が行う場合の情報であり例えば、GPS衛星12a等の仰角、方位角、信号S1等のドップラー効果を示す情報である。
【0037】
図6に示すように、サーバ50は、サーバ第1記憶部210に、アシストデータ送信プログラム214を格納している。アシストデータ送信プログラム214は、サーバ制御部200が、端末20に対して端末測位用アシストデータ256及びサーバ測位用アシストデータ257を送信するための情報である。
【0038】
図6に示すように、サーバ50は、サーバ第1記憶部210に、サーバ測位プログラム216を格納している。サーバ測位プログラム216は、サーバ制御部200が、端末20から取得したメジャメント情報156(図5参照)と衛星情報252に基づいて、測位を行うための情報である。
サーバ制御部200は、上述の測位によって端末20の現在位置を示すサーバ測位位置情報258を生成し、サーバ第2記憶部250に格納する。
【0039】
図6に示すように、サーバ50は、サーバ第1記憶部210に、サーバ測位位置情報送信プログラム218を格納している。サーバ測位位置情報送信プログラム218は、サーバ制御部200が、端末20に対して、サーバ測位位置情報258を送信するための情報である。
【0040】
図6に示すように、サーバ50は、サーバ第1記憶部210に、負荷情報生成プログラム220を格納している。負荷情報生成プログラム220は、サーバ制御部200が、サーバ50の処理の負荷を示す負荷情報260を生成するための情報である。負荷情報260は例えば、サーバ50の処理可能リクエスト数に対するサーバ50の処理中のリクエスト数の割合を示す情報である。
サーバ制御部200は、生成した負荷情報260をサーバ第2記憶部250に格納する。
この負荷情報260は、後述するように、NWコントローラ80が使用する。
【0041】
図6に示すように、サーバ50は、サーバ第1記憶部210に、測位障害情報生成プログラム222を格納している。測位障害情報生成プログラム222は、サーバ制御部200が、サーバ50の測位障害を示す測位障害情報262を生成するための情報である。
サーバ制御部200は、生成した測位障害情報262をサーバ第2記憶部250に格納する。
この測位障害情報262もまた、後述するように、NWコントローラ80が使用する。
【0042】
(NWコントローラ80のソフトウエア構成について)
図7は、NWコントローラ80の主なソフトウエア構成等を示す概略図である。
図7に示すように、NWコントローラ80は、各部を制御するNW制御部300、図4のNW通信装置92に対応するNW通信部302を有する。
【0043】
図7に示すように、NWコントローラ80は、各種プログラムを格納するNW第1記憶部310、各種情報を予め格納しているNW第2記憶部330、NWコントローラ80が取得又は生成した情報を格納するNW第3記憶部350を有する。
【0044】
図7に示すように、NWコントローラ80は、NW第1記憶部310に、ネットワークトラフィック測定プログラム312を格納している。ネットワークトラフィック測定プログラム312は、NW制御部300が、NWコントローラ80の取扱情報量を示すネットワークトラフィック量情報352を生成するための情報である。すなわち、ネットワークトラフィック測定プログラム312とNW制御部300は、取扱情報量情報生成手段の一例である。
NW制御部300は、生成したネットワークトラフィック量情報352をNW第3記憶部350に格納する。
【0045】
図7に示すように、NWコントローラ80は、NW第1記憶部310に、ネットワークトラフィック閾値判断プログラム314を格納している。ネットワークトラフィック閾値判断プログラム314は、NW制御部300が、ネットワークトラフィック量情報352に示されるNWコントローラ80の取扱情報量が取扱情報量許容範囲内か否かを判断するための情報である。すなわち、ネットワークトラフィック閾値判断プログラム314とNW制御部300は、取扱情報量許容範囲内外判断手段の一例である。
【0046】
具体的には、NW制御部300はネットワークトラフィック閾値判断プログラム314に基づいて、ネットワークトラフィック量情報352に示される情報取扱量がネットワークトラフィック閾値情報332に示されるネットワークトラフィック閾値以内か否かを判断する。
【0047】
図8は、ネットワーク閾値情報332の一例を示す図である。
図8に示すように、ネットワーク閾値情報332には、ネットワークトラフィック閾値が示されており例えば、許容転送量の80%である。許容転送量の80%という値は、NWコントローラ80による情報転送の速度が落ちず、かつ、パケット落ちが生じない範囲として規定されている。ここで、パケットとは、ネットワークを流れる一かたまりのデータであって例えば、2キロバイト(KB)のデータである。
【0048】
図7に示すように、NWコントローラ80は、NW第1記憶部310に、サーバ負荷情報取得プログラム316を格納している。サーバ負荷情報取得プログラム316は、サーバ制御部300が、サーバ50の負荷を示すサーバ負荷情報を取得するための情報である。サーバ負荷情報は負荷情報の一例である。そして、サーバ負荷情報取得プログラム316とサーバ制御部300は、負荷情報取得手段の一例である。
具体的には、NW制御部300はサーバ負荷情報取得プログラム316に基づいて、サーバ50から負荷情報260(図6参照)を取得し、取得した負荷情報260をサーバ負荷情報354としてNW第3記憶部350に格納する。
【0049】
図7に示すように、NWコントローラ80は、NW第1記憶部310に、サーバ負荷閾値判断プログラム318を格納している。サーバ負荷閾値判断プログラム318は、NW制御部300が、サーバ負荷情報354に示されるサーバ50の負荷が負荷許容範囲内か否かを判断するための情報である。すなわち、サーバ負荷閾値判断プログラム318とNW制御部300は、負荷許容範囲内外判断手段の一例である。
【0050】
具体的には、NW制御部300はサーバ負荷閾値判断プログラム318に基づいて、サーバ負荷情報354に示されるサーバ50の処理の負荷がサーバ負荷閾値情報334に示されるサーバ負荷閾値以内か否かを判断する。
【0051】
図9は、サーバ負荷閾値情報334の一例を示す図である。
図9に示すように、サーバ負荷閾値情報334には、サーバ負荷閾値が示されており例えば、処理可能リクエスト数の80%である。処理可能リクエスト数の80%という値は、応答時間が落ちない範囲として規定されている。
【0052】
図7に示すように、NWコントローラ80は、NW第1記憶部310に、サーバ測位障害情報取得プログラム320を格納している。サーバ測位障害情報取得プログラム320は、NW制御部300が、サーバ50から測位障害情報を取得するための情報である。すなわち、サーバ測位障害情報取得プログラム320とNW制御部300は、障害情報取得手段の一例である。
NW制御部300は、取得した測位障害情報262(図6参照)をサーバ測位障害情報356としてNW第3記憶部350に格納する。
【0053】
図7に示すように、NWコントローラ80は、NW第1記憶部310に、測位手段指定情報生成プログラム322を格納している。測位手段指定情報生成プログラム322は、NW制御部300が、端末20に対して上述の2つの測位手段のうち、いずれを選択するかを指定するための測位手段指定情報358生成するための情報である。この測位手段指定情報358は、測位手段指定情報の一例である。そして、測位手段指定情報生成プログラム322とNW制御部300は、測位手段指定情報生成手段の一例である。
【0054】
図10は、測位手段指定情報生成プログラム322の一例を示す図である。
図10に示すように、測位手段指定情報生成プログラム322は、ネットワーク(NW)トラフィック量、サーバ負荷、指定制限に基づいて、指定測位手段を決定するように構成されている。
トラフィック量は、ネットワークトラフィック量情報352(図7参照)に示されるネットワークトラフィック量である。
サーバ負荷は、サーバ負荷情報354に示される、サーバ50の負荷である。
指定制限は例えば、ベースト型あるいはアシステッド型測位手段しか採用できない地域的な制限あるいは、端末20の使用者による指定による制限である。
NWトラフィック量の閾値は、ネットワークトラフィック閾値情報332に示されるネットワーク閾値(図8参照)である。
サーバ負荷の閾値は、サーバ負荷閾値情報334に示されるサーバ負荷閾値(図9参照)である。
【0055】
図10の10aに示すように、トラフィック量とサーバ負荷が閾値以上であるか閾値未満であるかにかかわらず、指定制限がベースト優先であれば、指定測位手段をベーストに決定する。ここで、ベースト優先とは、アシステッド型測位手段の採用も可能であるが、ベースト型測位手段の採用を優先するという意味である。
これにより、指定制限がベースト優先であれば、ベーストを指定するから、確実にNWコントローラ80のトラフィック量及びサーバ50の負荷を増すことを防止することができる。
【0056】
図10の10bに示すように、トラフィック量とサーバ負荷がともに閾値未満であって、指定制限がアシスト優先であれば、指定測位手段をアシステッド型に決定する。ここで、アシステッド優先とは、ベースト型測位手段の採用も可能であるが、アシステッド型測位手段の採用を優先するという意味である。トラフィック量とサーバ負荷がともに閾値未満である場合に、アシステッド型測位手段を採用しても、NWコントローラ80のトラフィック量が増加するための速度が落ちたりパケット落ちが発生することがなく、また、サーバ50の負荷が増加しても応答速度が遅くなることはないからである。
【0057】
これに対して、図10の10c、10d及び10eに示すように、トラフィック量とサーバ負荷の少なくともいずれか一方が閾値以上であれば、指定制限がアシステッド優先であっても、測位手段をベースト型に決定する。
これにより、NWコントローラ80のトラフィック量の増加の程度、サーバ50の負荷の増加の程度をアシステッド型の場合よりも抑制することができる。
【0058】
図10の10fに示すように、サーバ測位障害情報がある場合には、NWトラフィック量等にかかわらず、測位手段をベーストに決定する。この場合、アシステッド型測位手段による測位はできないからである。
これにより、通信時間及び電力を無駄に消費することを未然に防止することができる。
【0059】
図7に示すように、NWコントローラ80は、NW第1記憶部310に、測位手段指定情報送信プログラム324を格納している。測位手段指定情報送信プログラム324は、NW制御部300が、端末20に対して測位手段指定情報358を送信するための情報である。すなわち、測位手段指定情報送信プログラム324とNW制御部300は、測位手段指定情報送信手段の一例である。
【0060】
上述の構成によって、NWコントローラ80は、ネットワーク側の状態に応じて、端末20の測位手段を指定することができる。
【0061】
(測位システム10の第1の動作例)
以上が本実施の形態に係る測位システム10の構成であるが、以下、その動作例を主に図11を使用して説明する。
【0062】
図11は本実施の形態に係る測位システム10の動作例を示す概略フローチャートである。
図11は、ネットワークトラフィック量がネットワークトラフィック量閾値以上である場合の動作例を示している。なお、ネットワークトラフィック量閾値未満である場合の動作例については説明を省略する。
【0063】
まず、端末20がNWコントローラ80に対して、アシスト要求情報152(図5参照)を送信し(図11のステップST1)、NWコントローラ80はこのアシスト要求情報152を受信する(ステップST2)。
続いて、NWコントローラ80は、ネットワークトラフィック量情報352(図7参照)を生成する(ステップST3)。このステップST3は、取扱情報量情報生成ステップの一例である。
【0064】
続いて、NWコントローラ80は、ネットワークトラフィック量がネットワークトラフィック量閾値以上か否かを判断する(ステップST4)。このステップST4は、取扱情報量許容範囲内外判断ステップの一例である。上述のように、ネットワークトラフィック量がネットワークトラフィック量閾値以上であるから、NWコントローラ80は、ネットワークトラフィック量がネットワークトラフィック量閾値以上であると判断する。
【0065】
続いて、NWコントローラ80は、測位手段をベースト型に決定し、ベースト型を指定する測位手段指定情報358(図7参照)を生成する(ステップST5)。このステップST5は、測位手段指定情報生成ステップの一例である。
【0066】
続いて、NWコントローラ80は、端末20に対して、測位手段指定情報358を送信する(ステップST6)このステップST6は、測位手段指定情報送信ステップの一例である。
【0067】
続いて、端末20は、NWコントローラ80から、ベースト型を指示する測位手段指定情報358を受信し、ベースト型の測位手段を選択する(ステップST7)。
続いて、端末20は、NWコントローラ80を介してGPSアシストサーバ50に対して、端末測位型アシストデータを要求する(ステップST8)。
【0068】
続いて、NWコントローラ80は、端末20から端末測位型アシストデータの要求を受信する(ステップST9)。
続いて、GPSアシストサーバ50から端末測位型アシストデータを取得し、その端末測位型アシストデータを端末20に対して送信する(ステップST10)。
【0069】
続いて、端末20は、NWコントローラ80から端末測位型アシストデータを受信する(ステップST11)。
続いて、端末20は、受信した端末測位型アシストデータを使用して測位を実施し、端末20自身が生成した端末測位結果情報158(図5参照)を端末表示装置34に表示する(ステップST12)。
【0070】
(測位システム10の第2の動作例)
次に、第2の動作例について、主に図12を使用して説明する。
図12は本実施の形態に係る測位システム10の動作例を示す概略フローチャートである。
【0071】
図12は、サーバ負荷がサーバ負荷閾値以上である場合の動作例を示している。
サーバ負荷がサーバ負荷閾値未満である場合の動作例については説明を省略する。
なお、第1の動作例と同様のステップについては同一の符号を付し、適宜、説明を省略する。
図12に示すように、NWコントローラ80は、端末20からアシスト要求情報152を受信すると、サーバ負荷状況を確認する(ステップST103)。
続いて、NWコントローラ80は、サーバ負荷がサーバ負荷閾値以上か否かを判断する(ステップST104)。上述のように、サーバ負荷がサーバ負荷閾値以上であるから、NWコントローラ80は、サーバ負荷がサーバ負荷閾値以上であると判断する。
続いて、NWコントローラ80は、測位手段をベースト型に決定し、ベースト型を指定する測位手段指定情報358(図7参照)を生成する(ステップST5)。
ステップST6乃至ステップST12については、説明を省略する。
【0072】
上述のように、NWコントローラ80は、ネットワーク側の状況に応じて、端末20に対して、測位手段を指定することができる。
【0073】
(プログラム及びコンピュータ読み取り可能な記録媒体等について)
コンピュータに上述の動作例の取扱情報量情報生成ステップと、取扱情報量許容範囲内外判断ステップと、測位手段指定情報生成ステップと、測位手段指定情報送信ステップ等を実行させるための仲介装置の制御プログラムとすることができる。
また、このような仲介装置の制御プログラム等を記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体等とすることもできる。
【0074】
これら仲介装置の制御プログラム等をコンピュータにインストールし、コンピュータによって実行可能な状態とするために用いられるプログラム格納媒体は、例えばフロッピー(登録商標)のようなフレキシブルディスク、CD−ROM(Compact Disc Read Only Memory)、CD−R(Compact Disc−Recordable)、CD−RW(Compact Disc−Rewriterble)、DVD(Digital Versatile Disc)などのパッケージメディアのみならず、プログラムが一時的若しくは永続的に格納される半導体メモリ、磁気ディスクあるいは光磁気ディスクなどで実現することができる。
【0075】
本発明は、上述の各実施の形態に限定されない。さらに、上述の各実施の形態は、相互に組み合わせて構成するようにしてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0076】
【図1】本発明の実施の形態の測位システムを示す概略図である。
【図2】端末の主なハードウエア構成等を示す概略図である。
【図3】サーバの主なハードウエア構成等を示す概略図である。
【図4】NWコントローラの主なハードウエア構成等を示す概略図である。
【図5】端末の主なソフトウエア構成等を示す概略図である。
【図6】サーバの主なソフトウエア構成等を示す概略図である。
【図7】NWコントローラの主なソフトウエア構成等を示す概略図である。
【図8】ネットワーク閾値情報の一例を示す図である。
【図9】サーバ負荷閾値情報の一例を示す図である。
【図10】測位手段指定情報生成プログラムの一例を示す図である。
【図11】測位システムの動作例を示す概略フローチャートである。
【図12】測位システムの動作例を示す概略フローチャートである。
【符号の説明】
【0077】
10・・・測位システム、12a,12b,12c,12d,12e・・・GPS衛星、15・・・GPS基地局、20・・・端末、50・・・GPSアシストサーバ、80・・・・NWコントローラ、312・・・ネットワークトラフィック量測定プログラム、314・・・ネットワークトラフィック閾値判断プログラム、316・・・サーバ負荷情報取得プログラム、318・・・サーバ負荷閾値判断プログラム、320・・・サーバ測位障害情報取得プログラム、322・・・測位手段指定情報生成プログラム、324・・・測位手段指定情報送信プログラム

【特許請求の範囲】
【請求項1】
位置情報衛星からの位置関連信号に基づく測位結果を取得する端末装置と、
前記端末装置に対して支援情報を提供する情報提供装置と、
前記端末装置の現在位置の測位を行う測位装置と、
前記端末装置と前記情報提供装置及び前記測位装置の通信を仲介する仲介装置と、
を有する測位システムであって、
前記端末装置は、
前記端末装置が現在位置を測位する内部測位手段と、
前記測位装置に対して測位を要求する外部測位要求手段と、
前記内部測位手段又は前記外部測位要求手段のいずれかを選択する測位手段選択手段と、
を有し、
前記仲介装置は、
前記仲介装置の取扱情報量を示す取扱情報量情報を生成する取扱情報量情報生成手段と、
前記取扱情報量が取扱情報量許容範囲内か否かを判断する取扱情報量許容範囲内外判断手段と、
前記端末装置に対して前記内部測位手段又は前記外部測位要求手段のいずれを選択するかを指定するための測位手段指定情報を生成する測位手段指定情報生成手段と、
前記端末装置に対して、前記測位手段指定情報を送信する測位手段指定情報送信手段とを有することを特徴とする測位システム。
【請求項2】
位置情報衛星からの位置関連信号に基づく測位結果を取得する端末装置、前記端末装置に対して支援情報を提供する情報提供装置及び前記端末装置の現在位置の測位を行う測位装置の間の通信を仲介する仲介装置であって、
前記仲介装置は、
前記仲介装置の取扱情報量を示す取扱情報量情報を生成する取扱情報量情報生成手段と、
前記取扱情報量が取扱情報量許容範囲内か否かを判断する取扱情報量許容範囲内外判断手段と、
前記端末装置に対して、前記端末装置が現在位置を測位する内部測位手段、又は、前記測位装置に対して測位を要求する外部測位要求手段とのいずれを選択するかを指定するための測位手段指定情報を生成する測位手段指定情報生成手段と、
前記端末装置に対して、前記測位手段指定情報を送信する測位手段指定情報送信手段とを有することを特徴とする仲介装置。
【請求項3】
位置情報衛星からの位置関連信号に基づく測位結果を取得する端末装置、前記端末装置に対して支援情報を提供する情報提供装置及び前記端末装置の現在位置の測位を行う測位装置の間の通信を仲介する仲介装置であって、
前記仲介装置は、
前記測位装置の負荷を示す負荷情報を取得する負荷情報取得手段と、
前記負荷が負荷許容範囲内か否かを判断する負荷許容範囲内外判断手段と、
前記端末装置に対して、前記端末装置が現在位置を測位する内部測位手段、又は、前記測位装置に対して測位を要求する外部測位要求手段とのいずれを選択するかを指定するための測位手段指定情報を生成する測位手段指定情報生成手段と、
前記端末装置に対して、前記測位手段指定情報を送信する測位手段指定情報送信手段と、
を有することを特徴とする仲介装置。
【請求項4】
位置情報衛星からの位置関連信号に基づく測位結果を取得する端末装置、前記端末装置に対して支援情報を提供する情報提供装置及び前記端末装置の現在位置の測位を行う測位装置の間の通信を仲介する仲介装置であって、
前記仲介装置は、
前記仲介装置の取扱情報量を示す取扱情報量情報を生成する取扱情報量情報生成手段と、
前記取扱情報量が取扱情報量許容範囲内か否かを判断する取扱情報量許容範囲内外判断手段と、
前記測位装置の負荷を示す負荷情報を取得する負荷情報取得手段と、
前記負荷が負荷許容範囲内か否かを判断する負荷許容範囲内外判断手段と、
前記端末装置に対して、前記端末装置が現在位置を測位する内部測位手段、又は、前記測位装置に対して測位を要求する外部測位要求手段とのいずれを選択するかを指定するための測位手段指定情報を生成する測位手段指定情報生成手段と、
前記端末装置に対して、前記測位手段指定情報を送信する測位手段指定情報送信手段と、
を有することを特徴とする仲介装置。
【請求項5】
前記測位手段指定情報生成手段は、前記取扱情報量が前記取扱情報量許容範囲外であるとき及び/又は前記負荷が前記負荷許容範囲外であるときに、前記端末装置に前記内部測位手段を選択するための前記測位手段指定情報を生成する構成となっていることを特徴とする請求項4に記載の仲介装置。
【請求項6】
前記測位装置の測位障害を示す障害情報を取得する障害情報取得手段を有し、
前記仲介装置が、前記障害情報を取得したときには、前記測位手段指定情報生成手段は前記端末装置に前記内部測位手段を選択させる前記測位手段指定情報を生成する構成と
なっていることを特徴とする請求項2乃至請求項5のいずれかに記載の仲介装置。
【請求項7】
位置情報衛星から位置関連信号に基づく測位結果を取得する端末装置、前記端末装置に対して支援情報を提供する情報提供装置及び前記端末装置の現在位置の測位を行う測位装置の間の通信を仲介する仲介装置が、前記仲介装置の取扱情報量を示す取扱情報量情報を生成する取扱情報量情報生成ステップと、
前記仲介装置が、前記取扱情報量が取扱情報量許容範囲内か否かを判断する取扱情報量許容範囲内外判断ステップと、
前記仲介装置が、前記取扱情報量許容範囲内外判断ステップにおける判断結果に基づいて、前記端末装置に対して、前記端末装置が現在位置を測位する内部測位手段、又は、前記測位装置に対して測位を要求する外部測位要求手段とのいずれを選択するかを指定するための測位手段指定情報を生成する測位手段指定情報生成ステップと、
前記端末装置に対して、前記測位手段指定情報を送信する測位手段指定情報送信ステップと、
を有することを特徴とする仲介装置の制御方法。
【請求項8】
コンピュータに、
位置情報衛星から位置関連信号に基づく測位結果を取得する端末装置、前記端末装置に対して支援情報を提供する情報提供装置及び前記端末装置の現在位置の測位を行う測位装置の間の通信を仲介する仲介装置が、前記仲介装置の取扱情報量を示す取扱情報量情報を生成する取扱情報量情報生成ステップと、
前記仲介装置が、前記取扱情報量が取扱情報量許容範囲内か否かを判断する取扱情報量許容範囲内外判断ステップと、
前記仲介装置が、前記取扱情報量許容範囲内外判断ステップにおける判断結果に基づいて、前記端末装置に対して、前記端末装置が現在位置を測位する内部測位手段、又は、前記測位装置に対して測位を要求する外部測位要求手段とのいずれを選択するかを指定するための測位手段指定情報を生成する測位手段指定情報生成ステップと、
前記端末装置に対して、前記測位手段指定情報を送信する測位手段指定情報送信ステップと、
を実行させることを特徴とする仲介装置の制御プログラム。
【請求項9】
コンピュータに、
位置情報衛星から位置関連信号に基づく測位結果を取得する端末装置、前記端末装置に対して支援情報を提供する情報提供装置及び前記端末装置の現在位置の測位を行う測位装置の間の通信を仲介する仲介装置が、前記仲介装置の取扱情報量を示す取扱情報量情報を生成する取扱情報量情報生成ステップと、
前記仲介装置が、前記取扱情報量が取扱情報量許容範囲内か否かを判断する取扱情報量許容範囲内外判断ステップと、
前記仲介装置が、前記取扱情報量許容範囲内外判断ステップにおける判断結果に基づいて、前記端末装置に対して、前記端末装置が現在位置を測位する内部測位手段、又は、前記測位装置に対して測位を要求する外部測位要求手段とのいずれを選択するかを指定するための測位手段指定情報を生成する測位手段指定情報生成ステップと、
前記端末装置に対して、前記測位手段指定情報を送信する測位手段指定情報送信ステップと、
を実行させることを特徴とする仲介装置の制御プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2006−47233(P2006−47233A)
【公開日】平成18年2月16日(2006.2.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−231913(P2004−231913)
【出願日】平成16年8月9日(2004.8.9)
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【Fターム(参考)】