説明

測定スケールを光学的に走査する位置決定デバイス及び互いに相対的に移動可能なボディを備え且つ位置決定デバイスを備えるガイドシステム

【課題】測定ヘッドが小型で、構造の簡単な位置決定デバイスを提供すること。
【解決手段】マーカー11、12を備える測定スケール10と、測定スケール10に対して移動可能な測定ヘッド21を備え、測定ヘッド21は、測定スケール10の画像を生成するテレセントリック光学系30と、この画像を捕獲し、測定ヘッド21の位置決定を可能とする信号を提供するセンサ40を備え、テレセントリック光学系30は、光軸34を含む第1のレンズ要素33と、レンズ要素33の測定スケール10とは逆側に面する焦点F1に配置されるアパーチャ35を含む。テレセントリック光学系30は、レンズ要素33と一体のブロック31を備え、ブロック31の表面32の第1の領域32.1がレンズ要素33の表面を形成し、アパーチャは、表面32の第2の領域32.2に設けられ、光軸34に対して鋭角で傾斜した第1のミラー表面35として実現される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、測定スケールと、この測定スケールを光学的に走査するために測定スケールに対して移動可能な測定ヘッドとによる、位置決定デバイス、及び、第1のボディと該第1のボディに対して移動可能で且つ第1のボディ上をガイドする第2のボディとを備え、且つ位置決定デバイスを備えるガイドシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、測定スケールと各測定スケールを光学的に走査する測定スケールに対して移動可能な測定ヘッドとを備える位置決定デバイスであって、その測定スケールが、一つ以上の位置をマークするためのマーカーを含み、測定ヘッドが、測定スケールの画像を生成するための光学系と測定スケールの画像を捕獲し且つ信号を提供するためのセンサを備え、前記信号が、測定スケールに対する測定ヘッドの位置決定を可能とする、位置決定デバイスは、公知である。
【0003】
各測定スケールを如何に具体化するかによって、例えば、初期位置に対する測定ヘッドの位置の相対変化を測定するために、又は、測定ヘッドの絶対位置を記録するためにそのようなデバイスが使用可能である。
【0004】
そのようなデバイスが、測定スケールに対する測定ヘッドの位置の相対変化を測定できるようにするために、各測定スケールを、例えば、増分スケールとして具体化することができ、従って、周期的に且つ所定のライン(「トラック」)に沿って同じ距離で配置される一連の複数の同一マーカーを備えることができる。簡単な他の例では、光学系は、例えば、レンズを備えることができ、このレンズは、そのような増分測定スケールの光学走査を行うようにレンズに対して固定されて配置されている、光電検出器の形態のセンサにそれぞれのマーカーの光画像を投射する。測定スケールに対する測定ヘッドの位置の相対変化を測定するために、測定ヘッドは、マーカーのトラックに沿って移動する。それによって、測定ヘッドの移動は、信号の周期変化となり、例えば、センサが通過したマーカーの数に関する情報を提供する。更に、マーカーのトラックに沿った測定ヘッドの異なる位置に対して記録された信号を補間するため、隣接するマーカー同士間の距離よりも小さい誤差でマーカーに対する測定ヘッドを位置決定することができる。
【0005】
上述の位置決定デバイスは、測定スケールに対する測定ヘッドの絶対位置を決定するように設計可能である。このために、測定スケールは、各々が所定のライン(「トラック」)に沿って特定の絶対位置を指定する、一つ以上の基準マーカーを備えることができる。その位置を決定するために、前述のタイプの測定ヘッドは、測定ヘッドによってそれぞれの基準マーカーを光学的に走査するように、所定のラインに沿って移動可能である。それによって、測定ヘッドの移動は、測定ヘッドが基準マーカーの一つで検出されるか否かを指す信号の変化となって表れる。任意の位置における測定ヘッドの各絶対位置を決定するため、特定の基準マーカーに対する測定ヘッドの相対位置の変化が、測定され、例えば、そこでは、測定ヘッドの相対位置の各変化が、増分測定スケールのマーカーを走査することによって決定される。
【0006】
前述のタイプの位置決定デバイスは、例えば、第1のボディとこの第1のボディに対して移動可能で且つ第1のボディ上をガイドする第2のボディとを備え、それによって、第1のボディに対して第2のボディの位置決定を可能とするタスクを有するガイドシステム(例えば、直線ガイドと回転ガイド)との組み合わせで、使用可能である。このため、各位置決定デバイスの測定スケールは、例えば、第1のボディに対して固定されて配置され、各測定ヘッドは、第2のボディに対して固定されて配置される。
【0007】
前述のタイプのガイドシステムに関して、現在、段階的に小型化へ向かう傾向がある。従って、特に、「小さな」寸法からなるガイドへ統合可能な前述のタイプの位置決定デバイスの要求がある。前述のタイプの位置決定デバイスは、更に、高精度で位置決定を可能にし、この精度は、第2のボディが比較的高速で第1のボディに対して移動する事象においてでさえ保障される。位置決定デバイスは、更に、可能な限り高いコスト効率で製造され、且つ可能な限り少ない組み付け努力でガイドシステムへ統合されることが可能である。
【0008】
しかしながら、上述の要求に関して、第1のアプローチが現在追及されているが、これらの要求の個別の部分的態様を考察するに過ぎない。
【0009】
ガイドレールの形態の第1のボディとそのガイドレールに沿って移動可能な第2のボディを備え、且つガイドレールに対して第2のボディの位置を決定するための前述のタイプのデバイスを備える線状のガイドシステムであって、各測定スケールが、前記ガイドシステムの場合、各ガイドレールの表面の処理によって実現される線状のガイドシステムが特許文献1及び特許文献2として知られている。各測定スケールは、光学的走査のための走査ヘッドによって走査可能であるが、特許文献1及び特許文献2は、そのような測定ヘッドがどのように構成されるかについての情報を含んではいない。従って、この場合、測定スケールは、ガイドレールに組み付けられなければならない別個の部品ではなく、ガイドレールの表面に統合されている。その結果、測定スケールの個々のマーカー自体が少量の空間を必要とするに過ぎないので、測定スケールのガイドレールへの統合が、空間を節約することになる。測定スケールが、ガイドレールへ組み付けられなければならない別部品として実現されていないという事実に起因して、更に、広範囲に及ぶ操作ステップ(例えば、ガイドレールに対する別部品の調節及びその別部品のガイドレールへの永久固定)は、最早必要ない。
【0010】
測定スケールを備えると共にその測定スケールを光学的に走査するために測定スケールに対して移動可能な測定ヘッドを備える位置決定デバイスは、特許文献3から公知であり、そこでは、その測定ヘッドは、測定スケールの画像を生成するための所謂「テレセントリック」光学系と、測定スケールの画像を捕獲ため且つ信号を提供するためのセンサと、を備え、前記信号は、測定スケールに対する測定ヘッドの位置決定を可能とする。この場合、テレセントリック光学系は、測定スケールに対して距離をおいて配置され且つ光軸を含む第1のレンズ要素と、不透光性の材料で作られた絞りに具体化される、光透過性開口の形態のアパーチャを備え、このアパーチャは、測定スケールから離れる側に面するレンズ要素側に第1のレンズ要素の焦点に配置される。アパーチャの上述の配置に起因して、このテレセントリック光学系の場合におけるアパーチャは、(測定スケールから始まって)レンズ要素の光軸に平行なレンズ要素に衝突する、または、せいぜい、サイズが各開口のサイズの関数であり(且つアパーチャの表面が小さくなればなる程小さくなる)「小さな」角度範囲内で光軸に対して傾斜される光ビームのみが、光学系によって生成される測定スケールの画像に寄与できるように、アパーチャが光学系(光路)を通る光ビームのコースを制限するという効果を有する。このアパーチャは、測定スケールとレンズ要素との間の距離が変化される場合に、光学系がセンサ上に生成する測定スケールの各画像のサイズが、それぞれ変化しないか又は僅かしか変化しないという効果を有する。従って、前述の光学系は、測定スケールの各画像が、比較的大きな焦点深度で生成され、従って、測定スケールに対する測定ヘッドの所定距離が、比較的大きな許容範囲で維持される必要があるに過ぎないという利点を有する。その結果、測定ヘッドは、比較的単純な手段によって、各要求精度で測定スケールに対して位置決めされ、それによって、測定スケールに対する測定ヘッドの組み付けが、比較的簡単な方法で実行される。特に、各アパーチャの表面が小さくなればなる程、前述の許容範囲が大きくなる。他方、前述の光学系は、特に、測定スケールに対して垂直な方向に比較的大きな空間を必要とする不利益を有する。このように、測定ヘッドの小型化は、制限されており、その結果、そのような測定ヘッドは、比較的大きな空間を必要とすることに起因して、小さなガイドシステムに対しては適さないことになる。
【0011】
更に、異なる特性を有する異なる物質から作られ且つ高精度で所定の距離に組み立てられなければならない比較的多数の異なる個別の部品がこの光学系を実現するために必要とされる。例えば、レンズ要素は、光透過性材料から造られる個別のボディである。アパーチャが具体化される絞りは、(前述のように)光不透過性である材料から造られる更に別個のボディであり、このボディは、アパーチャを作るように処理されなければならず、且つレンズ要素の焦点に位置されなければならない。このように、測定ヘッドの製造は、広範囲に及び、従って高価である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0012】
【特許文献1】国際公開WO2005/033621A1号公報
【特許文献2】国際公開WO2007/003065A1号公報
【特許文献3】米国特許第7,186,969B2号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
本発明が解決しようとする課題は、上述の不利益を回避する目的に基づき、位置決定デバイスを製造することであり、このデバイスは、測定スケールを光学的に走査するためのテレセントリック光学系を備える測定ヘッドを含み、その測定ヘッドは、比較的に少量の空間を必要とし、単純な方法で設計される。また、該デバイスは、第1のボディとこの第1のボディに対して移動可能な第2のボディを備えるガイドシステムと組み合わされて使用可能である。
【課題を解決するための手段】
【0014】
この目的は、特許請求の範囲の請求項1の特徴を備える位置決定デバイスによって達成される。
【0015】
このデバイスは、位置をマークするための少なくとも一つのマーカーを備える測定スケールと、前記測定スケールを光学的に走査するために、前記測定スケールに対して移動可能な測定ヘッドとを備え、前記測定ヘッドは、前記測定スケールの画像を生成するためのテレセントリック光学系と、前記測定スケールの画像を捕獲するため且つ信号を提供するためのセンサとを備え、前記信号は、測定スケールに対する測定ヘッドの位置決定を可能とする。テレセントリック光学系は、測定スケールに対して所定の距離に配置されると共に光軸を含む第1のレンズ要素と、測定スケールから離れる側に面するレンズ要素側に第1のレンズ要素の焦点に配置される開口とを備える。
【0016】
本明細書において、「アパーチャ」は、「デバイス」と呼ばれ、このデバイスは、光学系内の光ビームの伝播を各デバイスに衝突するこれらの光ビームへ制限する。上述のように、そのようなデバイスは、例えば、光不透過性である材料の絞り中の光透過性開口として実現でき、各アパーチャは、開口のエッジによって制限される。或いは、「アパーチャ」は、反射ミラーとして実現されてもよく、その場合、このアパーチャは、各ミラーのエッジによって制限される。
【0017】
レンズ要素の焦点に配置されるアパーチャは、以降、「テレセントリックアパーチャ」と呼ばれる。
【0018】
本発明のデバイスの場合、テレセントリック光学系は、表面を含むブロックを備え、第1のレンズ要素は、そのブロックの一体コンポーネントであり、そのブロックの表面の第1の領域は、第1のレンズ要素の表面を形成する。(テレセントリックアパーチャとしての)アパーチャは、更に、ブロックの表面の第2の領域に具体化されると共に第1のレンズ要素の光軸に対して傾斜される第1のミラー表面の形態で実現される。
【0019】
それに従うと、測定スケールに向く第1のレンズ要素の表面と測定スケールの画像を捕獲するセンサとの間で光学系(光路)を通る光ビームのコースに影響を及ぼす光学系の全てのコンポーネントは、単一の(1個の)ブロックのコンポーネントであり、例えば、屈折境界表面として(例えば、レンズ要素として)、又は反射表面(ミラー)としてこのブロックの表面に具体化される。
【0020】
そのようなブロックは、従来の手段、例えば、そのような手段を実行するのに適する対応するモールドによるプラスチックの射出成形や射出圧縮成形による成形部品として比較的に簡単な方法(例えば、2〜3の操作で)で製造可能である。その結果、そのようなブロックは、コスト効率の高い方法で大量に製造可能である。
【0021】
これに従えば、本発明のデバイスの測定ヘッドは、2〜3のコンポーネントのみからできており、その結果、ほとんど労力を要せず組み付けられる。
【0022】
テレセントリックアパーチャが、ミラー表面として具体化されるという事実は、レンズ要素とテレセントリックアパーチャとが、一つの材料から作られ且つ同一の操作で造られる単一の(1個の)ボディへ一体化できる要件を提供する。本発明のデバイスの場合において、入射光を境界表面で反射するのに適する適切に配置されたその境界表面は、テレセントリックアパーチャを実現するように、レンズ要素からなるそのボディの表面の特定の領域にのみ作られなければならない。この境界表面の反射率を増加するために、必要ならば、適切なコーティングを有する境界表面を提供することが有利である。
【0023】
それに反して、特許文献3から公知の光学系の場合において、レンズ要素とテレセントリックアパーチャは、異なる材料の異なるワークピースを処理することによって互いに別個に製造されなければならず、且つ続いて所定に方法で互いに相対的に配置されなければならない。
【0024】
従って、特許文献3から公知の光学系と比較して、本発明のテレセントリック光学系の場合、より少数の個別のコンポーネントが、組み付けられる必要があるに過ぎず、本発明の光学系のアセンブリが、より少ない努力で接続されることは明らかである。
【0025】
更に、本発明のテレセントリック光学系がミラー表面として具体化されるという事実は、本発明のテレセントリック光学系が比較的少量の空間を必要とするという要件を提供する。これは、測定スケールに対して垂直な方向へのブロックの延長が、ミラー表面としてのテレセントリックアパーチャの実施形態に起因して、レンズ要素の各焦点距離に対応する距離へ実質的に制限されるためである。これはまた、レンズ要素の光軸の方向にレンズ要素に衝突するこれらの光ビームが、(テレセントリックアパーチャを形成する)第1のミラー表面で反射され、それによって光ビームが、レンズ要素の光軸に沿ってテレセントリックアパーチャを越えて伝播できないためである。
【0026】
しかしながら、特許文献3から公知の光学系の場合において、測定スケールに対して垂直な方向への光学系の延長が、各レンズ要素の焦点距離よりもかなり大きく、従って、各レンズ要素が同じ焦点距離の場合における本発明のテレセントリック光学系の対応する延長よりもかなり大きい。
【0027】
本発明のテレセントリックアパーチャが、第1のレンズ要素の光軸に対して傾斜しているミラー表面として具体化されるという事実に起因して、測定スケールの各画像の生成に寄与する光ビームが、少なくとも一度屈折される光路を含むということが実現される。このように、テレセントリック光学系によって生成される測定スケールの画像が、レンズ要素から及びテレセントリックアパーチャから分離される空間領域内に生成可能であることが確実となる。このことを通して、測定スケールの画像を捕獲するセンサが、レンズ要素から及びテレセントリックアパーチャから空間的に分離されるブロックの表面の領域に位置決めされ、それによって、センサが、光路と干渉せず、且つ測定スケールの生成画像の品質に悪影響を及ぼさないことが確実となる。
【0028】
第1のミラー表面が光軸に対して傾斜される角度を適切に選択することによって、更に、光学系が、測定スケールに平行な方向である場合でさえ、可能な限り小さな少量の空間を必要とし、及び、それによって、ブロックの容量を最小化できることが達成可能である。このことによって、本発明のテレセントリック光学系のコンパクトな設計が確実となる。
【0029】
従って、本発明のデバイスの実施形態の場合において、センサを、ブロックの表面の第3の領域に配置可能である。更に、第1のミラー表面を、光が、第1のレンズ要素を介して光軸に沿ってブロックに入射され、それによって入射された光が第1のミラー表面で反射されてブロックの表面の第3の領域でブロックを出るように配置可能である。ブロックは、第1のレンズ要素が、センサの表面で(所定の許容範囲内で)測定スケールの実画像を生成するように、測定スケールに対して配置可能である。第1のミラー表面が、テレセントリックアパーチャとして具体化されるという事実に起因して、光軸に対して実質的に平行な第1のレンズ要素に衝突する光ビームは、実質的に測定スケールの画像に対して寄与する。この場合、これらの光は、第1のミラー表面に衝突し、第1のミラー表面で反射された後に、続いてセンサに衝突する。
【0030】
本発明のデバイスの上述の実施形態の更なる発展は、一つ以上の第2のミラー表面がブロックの表面の第4の領域に具体化されること、及び光が、第1のレンズ要素を介して光軸に沿ってブロックに入射され、それによって各入射された光が第1のミラー表面、続いて第2のミラー表面の少なくとも一つで反射され、最終的に表面の第3の領域でブロックを出るように、それぞれの第2のミラー表面が、第1のミラー表面に対して配置されることに特徴がある。この実施形態の場合において、光ビームは、レンズ要素と(ブロックの表面の第3の領域に配置される)センサとの間の途中で少なくとも二つ以上のミラー表面で反射され、そこでは、各光ビームの方向が、各ミラー表面での各反射に応答して変化する。例えば、それぞれのミラー表面は、測定スケールの各画像の生成に寄与する光ビームが、センサへの途中でブロックの両側で一度又は数回前後に反射されるように配置可能である。このことを通して、測定スケールの各画像の生成に寄与する光ビームは、数回屈折される光学系を通る光路を含むということが達成される。このように、光学系が特にコンパクトな方法で構成可能であるという事実のために要件が作られる。即ち、光路が屈折される頻度が多くなる程、ブロックの容量がより小さいように選択でき且つブロックによって占有される空間がより小さくなる。しかしながら、それぞれのミラー表面が、それらの光学品質に関して満足しなければならない要件は、光路の屈折回数に従って増加することに留意すべきである。
【0031】
本発明のデバイスの実施形態は、測定スケールの少なくとも一つの領域が照明される少なくとも一つの光源を備える照明デバイスを備え、測定スケールのこの領域の画像がテレセントリック光学系によって生成可能であり且つこの画像がセンサによって捕獲可能であるように、測定スケールのこの領域が配置される。例えば、そのような光源は、各光源によって生成される光が途中でブロックを通過するように進み、測定スケール又は照明される測定スケールの領域に到達し、それによって、この光がブロックの表面に衝突することなく測定スケールに到達するように、ブロックの隣に配置可能である。光源のこの配置によって、光源の光の大部分が、ブロックの表面で散乱されることを防止し、測定スケールに衝突することなくセンサに到達する。このことを通して、光源によって照明される測定スケールの領域の、光学系が生成する画像が、高いコントラストを含むことが実現される。例えば、発光ダイオード(LED)が、光源として適する。
【0032】
本発明のデバイスの更に他の例において、照明デバイスの各光源は、光源によって生成される光がブロックの表面の領域でブロックに入射され、且つブロックの他の表面の領域で出されるように配置される。この場合、各光源によって生成される光は、途中でブロックを通過するように進み、測定スケール又は照明される測定スケールの領域に到達する。各光源のこのような配置には、各光源が、その光源によって照明される測定スケールの領域から比較的に離れて配置可能であるという利点がある。各光源が、例えば、測定スケールから離れる側に面するブロック側に配置されるブロックの表面の領域に位置決め可能である。この場合、各光源には、例えば、その光源の組み付けを容易にする、又はその光源の他の光源との交換を簡単にする特に簡単な方法でアクセスできる。更に、各光源のこの構成によって、全体としてブロックへ組み付け可能なモジュールユニットとして、光源とセンサを、必要ならば、更に電気コンポーネントを統合する可能性を提供する。このことは、それぞれ電流源又は電圧源へ接続される必要がある測定ヘッドのこれらのコンポーネントの組み付けを単純化する。
【0033】
本発明のデバイスの前述の他の例の更なる発展において、照明デバイスの各光源によって生成される光が出されるブロックの表面のその領域は、曲率を含み、それによって、その表面のこの領域がレンズ要素を形成する。このレンズ要素は、ブロックから出される光の強度の空間分布に影響を及ぼす可能性を提供する。このことは、照明される測定スケールの領域において、光源によって生成される光の強度の空間分布を最適にするように働く。このレンズ要素は、例えば、それが、光源によって生成された光をコリメートする、或いはそれを測定スケール上に集めるように形成及び配置可能である。
【0034】
本発明のデバイスの上述の他の例の更なる発展では、反射表面が、ブロックの表面の一領域に具体化され、照明デバイスの各光源の、ブロックに入射される各光が、この反射表面で反射されるように前記反射表面が配置される。この場合、ブロックの表面の領域によって光源によって生成される光の伝播の方向に影響を及ぼす可能性が使用される。即ち、光源の光が、表面の各領域で反射によって各望ましい方向へ向けられるように光源とブロックの表面の各領域の空間配置が互いに調整可能である。
【0035】
本発明のデバイスの更に他の例は、一つ以上の光導体を備え、それぞれの光導体は、照明デバイスの各光源によって生成される光がそれぞれの光導体の一つを介してブロックへ入射されるように配置される。光導体は、例えば、個別のコンポーネントであってもよく、且つ各ブロックにおいて具体化される凹所に配置可能である。他の例では、各光導体は、ブロックに統合可能である。各光導体は、特に、光がブロックから出されるブロックの表面の領域において光源によって生成される光の強度の空間分布に影響を及ぼす更なる可能性を提供する。特に、光導体は、ブロックに入射される光の強度の空間分離が、光導体の長さに実質的に依存しないように具体化される。従って、この場合、各光源によって生成される光は、光の伝播方向に沿って(光の分布方向に対して垂直な平面内で測定される)光の強度の空間分布を実質的に変更することなく、光導体によって、比較的大きな距離を横切って、例えば、測定スケールの近傍内にガイドされる。
【0036】
本発明のデバイスの一実施形態は、各々が、増分的に配置される複数のマーカーを備える一つ以上の増分トラック及び/又は一つ以上の基準マーカーを備える一つ以上の基準トラックを含む測定スケールを備える。
【0037】
この実施形態の更なる発展は、測定スケールが、互いに隣接して配置される複数のトラックに配置される複数のマーカーを含み、且つ照明デバイスが、複数の光源を備え、前記光源は、トラックの一つが、それぞれの光源の一つによって照明され且つトラックの他の一つがそれぞれの光源の他の一つによって照明されるように配置されることを特徴とする。そうする場合、互いに比較的に大きな距離を有するマーカーの異なるトラックは、マーカー自体が所定の(最適な)光強度で照明されると共にそれぞれのトラック間の空間が、照明されない又は比較的低い光強度で照明されるに過ぎないように、互いに関して独立して照明される。そうする場合、異なるトラックを照明するために必要なエネルギーは、最小化できる。そうする場合、照明デバイスが、過剰な量の熱を発生することを防止し、且つ必要ならば、照明デバイスの直ぐ近くの熱感知コンポーネント(例えば、センサ、他の電子コンポーネントや熱感知材料)に衝撃を与える、又はそれを損傷することを防止する。
【0038】
本発明のデバイスの一実施形態は、照明デバイスの各光源によって生成される光が、反射表面領域で反射され、それによって、各反射光が第1のレンズ要素に衝突しないように配置される反射表面領域に各マーカーのエッジが隣接するように測定スケールが具体化されることを特徴とする。マーカーが照明デバイスによって照明される場合に、第1のレンズ要素を通過してブロック内に透過できる散乱光がマーカーで生成されるように、各マーカーは更に具体化される。測定スケールが、上述の条件下で照明デバイスの各光源によって照明される場合、各マーカーによって生成される散乱光の入力は、第1のレンズ要素を集合的に透過する光の強度に対して(特に、必要ならば、第1のレンズ要素に向かう方向へ反射表面領域で散乱される可能性のある光の対応する入力と比較して)比較的に大きい。このことを通して、光学系が、各々、照明デバイスによって照明される測定スケールの領域の画像を生成し、そこでは、各反射表面領域の画像が、各マーカーに比較して相対的に暗く表れるか、各マーカーが、各マーカーに隣接する反射表面領域に比較して相対的に明るく表れることが実現される。従って、「ダークフィールド」照明が、この場合、実現され、各マーカーの特に高いコントラスト画像を生成することを可能とする。
【0039】
本発明のデバイスの一実施形態は、各光源の光を透過しない仕切りが、照明デバイスの各光源とブロックとの間に配置されることを特徴とする。各照明されたマーカーで生成される散乱光が第1のレンズ要素に衝突すると共に測定スケールで反射される光の一部が第1のレンズ要素に衝突できないように各光源によって生成される光が、測定スケールの所定の領域を照明しない限り、その各光源によって生成される光がセンサに到達できないように、仕切りボディを配置又は成形可能である。この仕切りボディは、ブロックと照明デバイスの支持体として具体化できる。このため、仕切りボディは、例えば、一個のものに具体化でき、且つ二つの別個のチャンバを含むことができ、その場合、チャンバの一方は、ブロックを収容するように働き、チャンバの他方は、照明デバイスを収容するように働く。チャンバの両方は、各々、測定スケールに面する側に、開口を含み、それによって、一方では、所定の領域測定スケールが、照明デバイスによってこれらの開口の一方を介して照明され、他方では、マーカーで散乱される光が、測定スケールの照明された領域から他方の開口を通って第1のレンズ要素へ出ることができる。
【0040】
また、本発明の位置決定デバイスは、第1のボディと第1のボディに対して移動可能で、且つ第1のボディ上をガイドする第2のボディとを含むガイドシステムと組み合わせて使用可能である。本発明のデバイスの測定スケールは、第1のボディに対して固定するように配置され、且つ本発明のデバイスの測定ヘッドは、例えば、第2のボディに対して固定するように配置される。ガイドシステムは、例えば、線形ガイド又は回転ガイドであり得る。
【図面の簡単な説明】
【0041】
【図1】ガイドレールの形態の第1のボディを備え、ガイドレール上を移動するガイドキャリッジの形態の第2のボディを備え、且つ本発明の位置決定デバイスを備え、このデバイスが、測定スケールとこの測定スケールを光学的に走査するための測定ヘッドとを備える、線形ガイドの形態のガイドシステムの斜視図を示す。
【図2】図1のガイドレールの一部と測定スケールの一部の斜視図を示す。
【図3】測定ヘッドが取り外され、測定ヘッドを収容する凹所が見える、図1のガイドキャリッジを示す。
【図4】図1の測定ヘッドを異なる方向から見た斜視図を示す。
【図5】図1の本発明の位置決定デバイスの第1の実施形態を示し、本発明のテレセントリック光学系と測定スケールの領域を照明するための照明デバイスの第1の実施形態を備える、ガイドレールの長手方向における断面図を示す。
【図6】(A)は図5のテレセントリック光学系の一部を示し、(B)は従来のテレセントリック光学系の一部を示す。
【図7】図1のガイドレールと測定スケールの断面と測定スケールの照明とその照明の効果の概略図である。
【図8】図1の測定ヘッドのセンサの概略図(ブロック図)を示す。
【図9】図5のテレセントリック光学系によって生成される測定スケールの画像を捕獲することに応じて図8のセンサの一部の概略図である。
【図10】図5のテレセントリック光学系を備えるが、測定スケールの領域を照明するための照明デバイスの異なる(第2の)実施形態を備える、図1の本発明の位置決定デバイスの第2の実施形態を示す。
【図11】図5のテレセントリック光学系を備えるが、測定スケールの領域を照明するための照明デバイスの異なる(第3の)実施形態を備える、図1の本発明の位置決定デバイスの第3の実施形態を示す。
【発明を実施するための形態】
【0042】
更に、本発明の詳細及び特に本発明のデバイスの例示の実施形態は、添付の図面によって以下に定義される。
【0043】
図1は、直線状のガイドレール(第1のボディ)2、そのガイドレール2上に配置され且つそのガイドレール2に沿って移動可能なガイドキャリッジ(第2のボディ)3、及びガイドレール2に対してガイドキャリッジ3の位置決定をするための本発明のデバイス5の第1の実施形態を備える線状のガイドシステム1を示す。
【0044】
ガイドキャリッジ3は、回転体(図示せず)を介してガイドレール2上に支持されており、これらの回転体は、ガイドキャリッジ3内に設けられた複数のチャネル4内に配置されており、ガイドキャリッジ3がガイドレール2に沿って移動されると、回転体は、それぞれガイドレール2に対して又はガイドキャリッジ3に対して各チャネル4内を移動する。
【0045】
デバイス5は、測定スケール10と、この測定スケール10を光学的に走査するための測定ヘッド21を備える走査デバイス20とを備える。
【0046】
図1及び図2に示されているように、測定スケール10は、ガイドレール2のガイドキャリッジ3に面する(上)表面2.1に、特に、ガイドレール2のエッジ2’に設けられる。ガイドレール2をアセンブリ要素(ここでは図示せず)へ取り付けるための孔15が、ガイドレール2の中央領域に存在する。測定スケール10は、エッジ2’と孔15との間のストリップ形状の表面領域に十分な空間を必要とし、ガイドレール2の全長(途切れることなく)にわたって延出する線形測定スケールとして具体化できる。この例示の実施形態において、測定スケール10は、光センサがそれを走査できるように具体化される(この点は、図5と図7〜9に関連して以下でより詳細に記述される)。
【0047】
図3は、(回転体とそれらの回転体のためのガイドを示さない)ガイドキャリッジ3を詳細に示す。ガイドキャリッジ3は、典型的な方法で具体化される。測定ヘッド21を収容するように働く凹所25は、ガイドキャリッジ3の上側にある。測定ヘッド21で測定スケール10の光学走査するために、凹所25は、孔25.1を備え、この孔25.1は、ガイドキャリッジ3を貫通して延び、且つ測定スケール10の一部を光学手段によって孔25.1を介して走査できるように測定スケール10の上方に具体化される。孔25.1は、ガイドキャリッジ3の高い機械的安定性を確保するようにできる限り小さく保たれる。
【0048】
図4は、走査デバイス20の詳細を示す。走査デバイス20は、測定ヘッド21と供給デバイス26を備え、この供給デバイス26は、ケーブル27を介して(又は印刷回路ボードを有する代替物によって)測定ヘッド21へ接続され、更に、一方では測定ヘッド21へのエネルギーの供給を確実にし、他方では、測定ヘッド21と制御ユニットとの間での制御と測定信号の交換を行うように(図示されない)制御ユニットへ接続される。
【0049】
図2に示されているように、測定スケール10は、表面2.1のエッジ2’に平行に延び、複数の(等距離の)マーカー11を備える増分トラック11’と、基準マーカー12を備える基準トラック12’と、を備える。本ケースでは、基準マーカー12は、増分トラック11’の隣に配置される。本例では、マーカー11と基準マーカー12は、それぞれ直線構造であり、それらの長手軸は、ガイドレール2の長手方向に対して垂直に、従って、トラック11’と12’の長手方向に対して垂直に配置される。それによって、測定ヘッド21は、ガイドキャリッジ3がガイドレール2に沿って移動する時に、基準トラック12’のマーカー12並びに増分トラック11’のマーカー11を、測定ヘッド21によって走査できるようにガイドキャリッジ3に配置される。
【0050】
マーカー11と12は、例えば、(特許文献1から公知のように)レーザビームによって表面2.1を処理することによって表面2.1上に生成可能である。このように生成される増分トラック11’のマーカー11は、例えば、マーカー11が、例えば、増分トラック11’の長手方向において5μmの幅で延び、且つそれぞれのマーカー11が、略10μmの距離で増分トラック11’に沿って配置されるように寸法が決められる。
【0051】
本ケースでは、基準マーカー12は、二つの孔15の間のガイドレール2の中央領域(略中心)に配置される。この配置は、孔15の直径よりもそれほど広くなく、従って、測定スケール10を配置するために少量の空間を提供するに過ぎない狭いガイドレール2の場合に特に有利である。
【0052】
図5は、ガイドレール2の長手方向における断面図で図1のデバイス5を示し、ここでは、測定ヘッド21と、測定スケール10を含むガイドレール2のみが図示されている。その図から理解されるように、測定ヘッド21は、測定スケール10に対して距離Dに配置されている。
【0053】
測定ヘッド21は、とりわけ:
‐測定スケール10の画像を生成するためのテレセントリック光学系30、
‐テレセントリック光学系30によって各々生成される各画像を捕獲し、測定スケール10のマーカー11及び/又は12の登録及び測定スケール10に対する測定ヘッド21の位置の決定を行うために信号を提供するセンサ40、及び
‐測定スケール10を照明するための照明デバイス38を備える。
【0054】
測定ヘッド21の出力信号を、ガイドレール2に対してガイドキャリッジ3によってカバーされた距離及び/又はガイドレール2に対するガイドキャリッジ3の現在位置を指定するデータへ制御ユニットによって最終的に変換できる。
【0055】
テレセントリック光学系30は、第1のレンズ要素33を備え、このレンズ要素33は、測定スケール10に対してある距離で配置され、且つそのレンズ要素33が測定スケール10に向くセンサ40の表面40.1上に測定スケール10の実画像を生成するようにセンサ40に対して固定するように配置される。図5に示されるように、測定スケール10に向くレンズ要素33の表面は、本例では、凸状に湾曲され、且つガイドレール2に対して実質的に垂直に配置される光軸34を含む。
【0056】
図5に更に示されているように、第1のレンズ要素33は、表面32を有する(一体物である)ブロック31の一体のコンポーネントであり、そこでは、ブロック31の表面32の(図5において矢印32.1によって識別される)第1の領域32.1が第1のレンズ要素33の表面を形成する。
【0057】
レンズ要素33は、測定スケール10とは逆側に面する側に、ブロック31の表面32の第2の領域32.2(図5において矢印32.2によって識別される)にある焦点F1を含む。これに従って、測定スケール10に向くレンズ要素33側から光軸34に平行なレンズ要素33に衝突する光は、レンズ要素33を介して焦点F1上に集光される。本ケースでは、表面領域32.2は、レンズ要素33の光軸34に対して角度φ(<90°)だけ傾斜される第1のミラー表面35として具体化される。
【0058】
図5に示されるように、本例のセンサ40は、ブロック31の表面32の第3の領域32.3(矢印32.3によって識別される)に位置決めされる。表面32の領域32.3は、各々、ブロック31の測定スケール10とは逆側に面する側に、第2の領域32.2に隣接して又は第1のミラー表面35に隣接して位置される。
【0059】
図5に更に示されているように、ブロック31は、測定スケール10に面する側に、第2のミラー表面36を形成する表面32の第4の領域32.4(矢印32.4によって識別される)を含む。この第4の領域32.4は、各々、第1の領域32.1に隣接して又は第1のレンズ要素33に隣接して配置される。
【0060】
本例において、第1のミラー表面35と第2のミラー表面36は、第1のレンズ要素33を通り光軸34に沿ってブロック31に入射され、その結果、第1のミラー表面35に達する光が、最初に第1のミラー表面35で、続いて第2のミラー表面36で反射され、最終的に表面32の第3の領域32.3でブロック31を出て、続いてセンサ40の表面40.1に衝突するように配置される。この事実を可視化するために、図5は、例えば、光軸34のレンズ要素33に衝突する光ビームのコースを示す。即ち、この光ビームは、最初に、焦点F1で第1のミラー表面35に衝突し、第1のミラー表面35で反射された後、一点鎖線34.1に沿って第2のミラー表面36へ進み、第2のミラー表面36で更に反射された後一点鎖線34.2に沿って第3の表面領域32.3へ向かい、続いてブロック31から出た後センサ40に衝突する。従って、光ビームの光路は、第1のミラー表面35並びに第2のミラー表面36で(即ち、合計に2回)屈折される。
【0061】
ミラー表面35は、測定スケール10に面するレンズ要素33側からレンズ要素33に衝突する光ビームのうちブロック31を通過する時にミラー表面35に衝突するそれらの光ビームのみがセンサ40の表面40.1に達することができるように光学系(光路)を通る光ビームのコースを制限する。ミラー表面35がレンズ要素33の焦点F1に配置されているという事実に起因して、ミラー表面35は、テレセントリックアパーチャの効果を有する。それによって、(図5において二つの矢印32.2によってマークされる)ミラー表面35の外側エッジは、このアパーチャのサイズを決定する。
【0062】
本例において、測定ヘッド21の照明デバイス38は、光源38.1を備え、この光源によって、測定スケール10の領域10.1が照明される。例えば、発光ダイオード(LED)が光源として適切である。図5に示されるように、レンズ要素33の光軸34は領域10.1の中心を通過し、それによって、測定スケール10の領域10.1の画像を、テレセントリック光学系30によって生成でき、この画像をセンサ40によって捕獲できることが確実となる。
【0063】
光源38.1は、光源38.1によって生成される光が、θ<90°の角度(図5の一点鎖線39が、光源38.1によって生成される光ビームの方向を指定する)で測定スケール10の領域10.1に入るように、ブロック31に隣接して配置される。本ケースにおいて、角度θは、測定スケール10の領域10.1に衝突し、且つその位置で方向性を持って反射される光の一部がレンズ要素33に衝突せず、従って、センサ40に達しないように選択される。そうすることで、せいぜい、測定スケール10の領域10.1に衝突し、そこから拡散されるように(光軸34に実質的に平行に)散乱される光の一部がレンズ要素33に衝突することで、センサ40に到達可能となることが保障される。
【0064】
図5に示されるように、測定ヘッド21は、光源38.1によって生成される光に対して透過性ではなく、且つ望ましくない散乱光がセンサ40に達することを防止するように光源38.1とブロック31との間に配置される仕切りボディ50を備える。
【0065】
本例において、仕切りボディ50は、ブロック31、照明デバイス38及びセンサ40の支持体として働く。このために、仕切りボディ50は、それぞれブロック31が位置決めされる又は位置決めできる第1のチャンバ50.1と、照明デバイス38の各光源38.1がそれぞれ位置決めされる又は位置決めできる第2のチャンバ50.2を含む。
【0066】
第2のチャンバ50.2は、測定スケール10に面する側において、開口部50.4を含み、この開口部50.4は、測定スケール10の領域10.1を照明デバイス38の光源38.1によって第2のチャンバのこの開口部50.4を介して照明できるように配置される。また、第1のチャンバ50.1は、測定スケールに面する側において、開口部50.3を備え、この開口部50.3は、テレセントリック光学系30が第1の開口部50.1の開口部50.3を介して測定スケール10の領域10.1の各画像を生成できるように配置される。
【0067】
更に、図5に示されているように、センサ40は、一方ではセンサ40の支持体として働き且つ異なる電気又は電子コンポーネント(図5には示されていない)をそれぞれ更に備える電子印刷回路ボード45へ取り付けられ、これらのコンポーネントは、例えば、(i)センサの電圧供給、(ii)センサの信号を処理するための電子回路、(iii)照明デバイス38の光源38.1に対する電流供給、(iv)光源38.1の照明強度のためのコントローラ及び(v)印刷回路ボード45上のそれぞれの上述の電気又は電子コンポーネントと制御ユニットとの間でのライン46を介する接続を確実としてライン46を介する信号及び/又はデータの交換を行うインターフェースを備える。
【0068】
図5に示されるように、印刷回路ボード45は、本例では、ブロック31の測定スケール10とは逆側に面する側に配置され、且つブロック31の表面32の第3の領域32.3に実質的に平行に配向される。センサ40は、印刷回路ボード45のブロック31とは逆側に面する側に配置される。ブロック31を通過し且つ表面32の領域32.3においてブロック31から出る光がセンサ40の表面40.1に到達できることを可能とするために、印刷回路ボード45は、一部に、ブロック31の表面32の第3の領域32.3と対向して位置される連通孔45.1を備える、それによって、センサ40の表面40.1が、各光によって孔45.1を介してアクセスされる。
【0069】
図6Aと6Bは、本発明のテレセントリック光学系と従来の対応するテレセントリック光学系との比較を示す。
【0070】
図6の(A)は、図5のテレセントリック光学系30を、ブロック31の第1のミラー表面35とは逆側に面する側におけるレンズ要素33に対して所定距離の光軸34上に配置されるオブジェクトO(本例では、両矢印)との組み合わせで示し、そこでは、前述の距離は、テレセントリック光学系30が、ブロック31の表面の第3の領域32.3でオブジェクトOの(拡大)実像BOを生成するように選択される。更に、図6の(A)は、オブジェクトOでスタートし、テレセントリック光学系30を通って画像BOに至る二つの光ビームL1とL2のコース(光路)を示す。本例では、オブジェクトOからスタートする光ビームL1とL2は、最初に、光軸34に平行してレンズ要素33へ衝突する。図6の(A)から理解されるように、光ビームL1とL2は、それらが、レンズ要素33の焦点F1で第1のミラー表面35に衝突し、第1のミラー表面35での反射及び第2のミラー表面36での反射の後に画像BOに達するように、レンズ要素33でのブロック31への入射に応答してそれらの方向を変化する。ブロック31中でのビームL1とL2のコースが、第1のミラー表面35と画像BOとの間での二回屈折されるという事実に起因して、画像BOは、オブジェクトOに面するレンズ要素33の表面に対して比較的短い距離で生成される。
【0071】
図6の(B)は、図6の(A)のオブジェクトOを、特許文献3から公知である従来のテレセントリック光学系30Aとの組み合わせで示す。例えば、同一の物は、それぞれ図6の(A)と(B)において同じ参照番号で識別される。テレセントリック光学系30Aは、光軸34と焦点F1とを有するレンズ要素33’と、光不透過性絞り35’’に具体化され且つオブジェクトOから離れる側に面するレンズ要素33’側で光軸34上の焦点F1に配置される開口35’の形態のテレセントリックアパーチャを備える。図6の(A)の状態と比較するために、オブジェクトOは、図6の(B)の場合、光軸34上に配置され、図6の(A)のオブジェクトOとレンズ要素33との間の距離と等しいレンズ要素33’までの距離を含むことが考えられる。更に、レンズ要素33’は、図6の(A)のレンズ要素33と同じ焦点距離を有することが考えられる。これによると、図6の(B)の場合における焦点F1は、図6の(A)のオブジェクトOから焦点F1と同じオブジェクトOからの距離を有する。図6の(B)から理解されるように、テレセントリック光学系30Aは、前述の条件下における図6の(A)の画像BOと同じサイズを含むオブジェクトOの実像BOを生成する。テレセントリック光学系30Aの場合において、画像BOは、レンズ要素33’から離れる側に面する絞り35’’側に生成され、そこでは、画像BOは、オブジェクトOに比較して、画像BOが大きければ大きいほど大きな絞り35’’までの距離を含む。
【0072】
各画像BOを最も大きい可能性のある空間解像度を有するセンサで走査できるために、テレセントリック光学系30及び30Aの場合において、各センサは、各光学系30又は30Aがそれぞれ各画像BOを生成する位置に、位置されなければならない。図6の(A)と(B)から理解されるように、テレセントリック光学系30の場合、画像BOを走査するための各センサは、図6の(B)におけるレンズ要素33’と画像BOを走査する対応するセンサがテレセントリック光学系30Aの場合に配置されなければならない位置との間の距離よりもかなり小さいレンズ要素33までの距離に配置できる。従って、テレセントリック光学系30とこの光学系30によって生成される画像を走査するためのセンサ40とからなる測定ヘッド21は、テレセントリック光学系30Aとこの光学系30Aによって生成される画像を走査するためのセンサとからなる対応する測定ヘッドよりもかなり小さくなるように設計できる。このことは、特に、光軸方向への測定ヘッド21の延長に鑑みて当てはまる。
【0073】
図7は、ガイドレール2の長手方向の表面2.1に対して垂直な断面の測定スケール10の領域におけるガイドレール2の表面2.1の高さプロファイルを示し、且つ図5の照明デバイス38による測定スケール10の領域におけるガイドレール2の表面2.1の照明の効果を図示している。図7における矢印Bは、測定スケール10に入射し且つ照明デバイス38によって生成される光の伝播を特徴付ける光ビームの方向を示す。ガイドレール2が従来の線状のガイドシステムの典型的なガイドレール(例えば、スチール製)であることが以下では考えられる。従って、表面2.1は、例えば、研削及び/又はフライス加工により処理され且つ必要に応じて研磨によって機械仕上げされる実質的に平らな平面である。本例では、測定スケール10のマーカー11や基準マーカー12のそれぞれは、各ガイドレール2の表面に直接に取り付けられ、且つ例えば、各表面を局所的に処理することによってレーザビームにより生成される。特許文献1から公知のように、レーザビームによる上述のタイプの表面の部分領域の処理は、一方では、陥凹が処理された部分領域(表面の非処理領域に比較して)に生じるという効果を有する。レーザビームによる各表面の処理は、更に、光の反射に関して特性の変化を生じる。即ち、レーザビームによって処理されていない表面の領域は、平らなミラーとして働き、このミラーは、入射する光ビームを表面に対する特定の(入射)角θで方向性をもって各反射光が一方向へ表面に対して(入射)角θと等しい(反射)角(反射の法則)で伝播するように反射する。レーザビームによって処理される表面の領域は、入射光の方向性反射を引き起こさないか又は僅かだけ引き起こすが、主に入射光の乱反射を引き起こし、即ち、各部分領域は、方向性を持って入射する光を全ての方向へ乱反射する。従って、測定スケール10のマーカー11は、図7において、表面2.1に具体化される陥凹として識別される(基準マーカー12は、図示されていないが、マーカー11と同じ高さプロファイルを有する)。図7において、(破線)矢印BRは、各々、マーカー11又は12に隣接する表面2.1の領域において反射角θで方向性をもって反射される各反射光を表す。図7において矢印BSは、マーカー11の領域において(及び、従って、図示されていない基準マーカー12の領域において)入射光Bを生成する広汎に乱反射された光の伝播方向を表す。理解されるように、マーカー11で広汎に乱反射される光BSの一部は、表面2.1に対して垂直に伝播し、従って、レンズ要素33の光軸34の方向に伝播する。それによって、各マーカー11で広汎に乱反射される光BSの一部が、レンズ要素33を透過し得る。
【0074】
照明デバイス38によって生成される光Bの入射角θを、方向性をもって反射される光BRがレンズ要素33に衝突しないように選択することが有利である。この条件は、例えば、略45°の入射角θに対して実現される。上述の条件下で、テレセントリック光学系30によって生成される測定スケール10の画像において、各々、マーカー11又は12に隣接する表面2.1の領域は暗く、マーカー11又は12のみが、各々、明るい領域として現れる。このように、テレセントリック光学系30は、マーカー11と12の特に高いコントラスト画像を生成する。
【0075】
図8は、測定ヘッド21のセンサ40の概略図(ブロック図の形態で)を示す。センサ40は、以下を備える。
‐テレセントリック光学系30によって生成される画像を空間解像度様式で捕獲するための感光面41;本例では、感光面41は、互いに平行に配置される4個のセンサラインP1、P2、P3とP4、及びセンサフィールドP5を含む光検出器(画素)の配置を備え、そこでは、センサラインP1〜P4は、テレセントリック光学系30によって生成される増分トラック11’のマーカー11の画像を捕獲するように働き、センサフィールドP5は、テレセントリック光学系30によって生成される基準トラック12’のマーカー12の画像を捕獲するよう働くと共に以下の特徴を有する:センサラインP1〜P4の各々は、センサラインの長手方向における光強度の空間分布を捕獲し、そこでは、各センサラインP1、P2、P3又はP4は、各々、一つの(典型的には、アナログ)信号S1、S2、S3又はS4を各々(この順序で)提供し、前記信号S1、S2、S3又はS4は、各々、各センサラインP1、P2、P3又はP4によって、各々、捕獲される光強度分布を表す;センサフィールドP5は、センサフィールドP5上で光強度の空間分布を捕獲する光検出器(画素)の2次元配置よりなり、そこでは、センサフィールドP5は、捕獲された光強度分布を表す信号S5を提供する;
−信号S1〜S4及びS5を処理するための電子回路42は、各々、センサラインP1、P2、P3又はP4の信号S1、S2、S3又はS4を受信するための4本のライン及びセンサフィールドP5の信号S5を受信するための1本のラインを介して感光面41へ接続され、この電子回路は、それぞれの信号S1〜S5の電子処理(例えば、それぞれの信号S1〜S4の増幅及び/又は線形化及び/又は望ましい電気DC電圧レベルの比較)を実行し、各々、信号S1、S2、S3、S4又はS5の各々に対して対応する処理信号S1’、S2’、S3’、S4’又はS5’を提供する、及び
−信号S1’、S2’、S3’、S4’及びS5’の評価によって測定スケール10に対するセンサ40の位置を決定するための電子回路43であって、電子回路43は、各々、信号S1’、S2’、S3’又はS4’を受信するための4本のライン及び信号S5’を受信するための更に一本のラインを介して電子回路42へ接続される。
【0076】
図8において更に示されるように、電子回路43は、第1のデジタル出力チャネル44.1と第2のデジタル出力チャネル44.2を有するインターフェース44を備える。第1のデジタル出力チャネル44.1を介して、電子回路43は、信号S1’、S2’、S3’S4’の評価によって決定される増分トラック11’に対するセンサ40の位置を符号化するデジタル出力信号A1を提供する。第2のデジタル出力チャネル44.2を介して、電子回路43は、信号S5’の評価によって決定される基準トラック12’に対するセンサ40の位置を符号化するデジタル出力信号A2を提供する。出力信号A1とA2は、各々、デジタル出力信号44.1又は44.2を介して制御ユニットによってアクセスされ、制御ユニットによって使用できる。
【0077】
センサ40の機能、特に、電子回路43の機能は、図9によってより詳述され、以下に定義される。図9は、テレセントリック光学系30によって生成される測定スケール10の画像のセンサ40の感光面41上への投影を示す。ここでは、(図7に関連して説明されるように)各々が、マーカー11又は12によって拡散的に反射される光のみがレンズ要素33に到達し、それによってマーカー11又は12のみが生成された画像に見られるように、測定スケール10が、照明デバイス38によって照明されることが考えられる。図9において、B11で確認される各表面は、増分トラック11’のマーカー11の各生成された画像を表し、且つB12で確認される各表面は、基準トラック12’の基準マーカー12の各生成された画像を表す。
【0078】
本例において、テレセントリック光学系30は、測定スケール10の拡大画像をセンサ40の感光面41上に投影することが考えられる。測定スケール10の各画像は、測定スケール10に比較して、例えば、2.5倍だけ(又は他の倍率だけ)拡大される。拡大画像の場合、非拡大画像を捕獲するように設計される対応するセンサよりも大きな表面を含むセンサラインP1〜P4又はセンサフィールドP5が、各々、画像を捕獲するために使用される。このことは、例えば、信号S1〜S4とS5の信号雑音比を改良することになり、(所定の時間内に)電子回路43によってより正確に又は(所定の精度に応答して)より迅速に評価される信号S1’〜S4’又はS5’のための条件を提供する。
【0079】
図9に示されるように、表面B11は、(図9において両矢印によって確認される)周期LSでトラック11’の長手方向へ配置される、(図9において水平方向へ配向される)直線の周期的分割を定義し、そこでは、表面B11は、実質的に矩形状に具体化され、且つトラック11’の長手方向に対して垂直に向けられる長手軸を含む。図9において更に示されるように、それぞれのセンサラインP1、P2、P3又はP4は、各々、実質的に矩形形状を有し、且つトラック11’の長手方向に対して垂直に向けられる長手軸を含む。センサラインP1、P2、P3又はP4は、各々、更に同じ表面を含み、トラック11’の長手方向に関して互いに隣り合って配置され、センサラインP1、P2、P3又はP4は、各々、互いに同じ距離に配置される。
【0080】
図9に示されるように、それぞれのセンサラインP1、P2、P3又はP4のサイズは、各々、全体においてトラック11’の長手方向における全てのセンサラインP1、P2、P3及びP4の範囲が表面B11の配置の周期LSに対応するように選択される。従って、センサラインP1、P2、P3及びP4は、表面B11の配置の周期を4つの等しい部分に分割する。図9から知られるように、それぞれのセンサラインP1、P2、P3又はP4のサイズは、更に、それが、基準トラック12’の基準マーカー12のそれぞれの画像、即ち、表面B12を捕獲できるように選択される。
【0081】
テレセントリック光学系30によって生成される測定スケール10の画像を捕獲するために、測定ヘッド21は、測定スケール10の長手方向に移動され、その結果、センサ40の感光面41のセンサラインP1、P2、P3又はP4は、各々、増分トラック11’の画像の表面B11に対して、且つセンサ40の感光面41のセンサフィールドP5が基準トラック12’の画像の表面B12に対してそのトラックの長手方向へ、例えば、図9の矢印60の方向へ移動される。
【0082】
センサラインP1、P2、P3又はP4が、それぞれ増分トラック11’の表面B11に対して矢印60の方向へ移動される場合に、センサラインP1、P2、P3又はP4は、それぞれ測定ヘッド21の位置の関数として正弦曲線の形状に各々変化する信号S1、S2、S3及びS4を生成し、そこでは、信号S1、S2、S3又はS4の各々のコースが、長さLSの距離を通過する毎に位置の関数として周期的に同じようにそれ自体を繰り返す。更に、信号S1、S2、S3又はS4は、各々、異なる信号S1、S2、S3又はS4間の位相差を除き、同一である:即ち、信号S4に比較して信号S3は、90°の位相差を有し、信号S4に比較して信号S2は、180°の位相差を有し、且つ信号S4に比較して信号S1は、270°の位相差を有する。信号S1、S2、S3又はS4の間のそれぞれの位相差が、このように既知であるという事実に起因して、電子回路43は、異なる信号S1’〜S4’を捕獲でき、それらを互いに比較でき、例えば、互いに90°だけ位相シフトされた二つの異なる信号から補間によって、増分トラック11’の隣接するマーカー11同士間の距離よりも小さな不正確さをもって測定ヘッドの各位置を決定できる。
【0083】
電子回路43は、増分トラック11’の走査に応答してセンサが連続して通過するそれぞれの決定された位置を矩形波信号のシーケンスを形成する信号A1の形態に符号化でき、それぞれの矩形波信号側は、各々、それぞれのマーカー11に対する所定の位置を特徴付ける。
【0084】
センサフィールドP5が基準トラック12’の表面B12に対して矢印60の方向へ移動される場合、センサフィールドP5の光検出器は、表面B12を横切る移動に応答して各表面B12に対するセンサフィールドP5の位置の関数として変化する信号S5を生成する。電子回路43は、表面B12に割り当てられる信号S5を評価し、それから基準マーカー12の一つに対するセンサ40の又はセンサフィールドP5の変位を決定するように設計される。電子回路43は、信号S5’の評価によって基準トラック12’に対してセンサフィールドP5が取る位置を決定し、インターフェース44によって第2のデジタル出力チャネル44.2を介して出力されるデジタル信号A2の形態で各決定された位置を符号化する。
【0085】
図10は、本発明の位置決定デバイス5の第2の実施形態を示す。本実施形態は、個々の特徴に関しては図5の実施形態と同一であり、そこでは、各々、同一の物は、図5と図10において同じ参照符号で述べられる。図10の実施形態は、図5の実施形態と同じ(ガイドレール2の表面を具体化される)測定スケール10と測定スケール10を光学的に走査するための測定ヘッド21Aを備える。図10の測定ヘッド21Aは、図5のブロック31が、ブロック31Aによって置き換えられていることに関して図5の測定ヘッド21とは実質的に異なっており、このブロック31Aは、一方では、ブロック31と同じ機能を果たすが、測定スケールの領域10.1を照明するように働く照明デバイス38の光をブロック31Aを介してガイドできる可能性を提供する。図5の実施形態から逸脱しているので、照明デバイス38を配置すること、及び照明デバイスによって生成される光の伝播に測定スケール10の領域10.1への途中で影響を及ぼすことを介して他の可能性が生成される。
【0086】
図10に示されるように、ブロック31Aは、ブロック31に構造的に対応し、且つ図5のテレセントリック光学系30を形成するブロック31の構造要素の全てを実質的に含む(図10において、ブロック31Aの左手側の)領域を備える:即ち、ブロック31Aの表面32の第1の領域に配置されるレンズ要素33は、光軸34と焦点F1、第2の領域32.2に配置され、テレセントリックアパーチャとして働き且つ光軸34に対して傾斜される第1のミラー表面35、第4の領域32.4に配置される第2のミラー表面36、及び第1のミラー表面35に隣接して配置され、テレセントリック光学系30によって生成される測定スケール10の画像を捕獲するためにセンサ40が配置される表面32の第3の領域32.3を備える。
【0087】
本例において、センサ40は、ブロック31Aの測定スケール10と逆側に面する側に配置され、且つ図5の印刷回路ボード45に構造的且つ機能的に対応する電子印刷回路ボード45に取り付けられる。
【0088】
図10に示されるように、ブロック31Aは、テレセントリック光学系30を形成する領域(図10においてブロック31Aの右手側)に直ぐ隣接する更なる領域を備え、この更なる領域は、照明デバイス38によって生成される光を測定スケール10の領域10.1へガイドするように働き、従って、ブロック31Aは、少なくとも:照明デバイス38によって生成される光がブロック31Aへ入射されるブロック31Aの表面32の領域32.5と、光がブロック31Aから出されるブロック31Aの表面32の領域32.6とを備える。
【0089】
本ケースでは、領域32.3と同様に、表面32の領域32.5は、ブロック31Aの測定スケール10と逆側に面する側に配置される。図10において示めされているように、照明デバイス38は、印刷回路ボード45に取り付けられ、それによって印刷回路ボード45、センサ40及び照明デバイスが全体として測定スケール10に組み付けられ且つ全体として交換される単一の電子コンポーネントを形成するという利点が得られる。このことは、測定ヘッド21Aの単純な組み付けをもたらす。特に、照明デバイス38と電流供給と照明デバイス38を制御するためのデバイスの電気接続の全ては、例えば、印刷回路ボード45上に配置可能であり、且つ(印刷回路ボード45の組み付け及びセンサ40の組み付けから独立した)照明デバイスの別個の組み付けが回避可能である。
【0090】
本例において、照明デバイス38は、各光源38.1によって生成される光が印刷回路ボードに対して垂直に測定スケール10に向かう方向へ発するように配置される一つ以上の光源38.1(例えば、発光ダイオード)を備える。図10に示されるように、印刷回路ボード45は、ブロック31Aの表面32の領域32.5とは反対側に位置される連通孔45.2を含み、前記孔は、各光源38.1によって生成される光がこの孔45.2を通って発することができ且つ領域32.5においてブロック31Aに入射されるように位置決めされる。図10において、一点鎖線39は、光源38.1から出る光ビームのコースを表す。
【0091】
印刷回路ボード45の材料が、照明デバイス38によって生成される光に対して透過性がある場合、生成された光が、印刷回路ボード45に入射され且つ必要ならば印刷回路ボードを介してセンサ40へガイドされることを防止するように、吸収又は反射材料の層45.3によって孔45.2で印刷回路ボード45の少なくとも一領域を被覆することが有利である。この対策は、望ましくない散乱光が印刷回路ボード45を介してセンサ40に到達する可能性且つセンサ40の機能に悪影響を及ぼす可能性を防止できる。
【0092】
図10において光ビーム39のコースによって示されるように、各光源38.1によって生成される光は、本例では、レンズ要素33の光軸34に実質的に平行にブロック31Aへ入射され、反射表面として具体化され且つブロック31Aに入射される光が、領域32.6でブロック31Aを出て入射角θ<90°で測定スケール10の領域10.1に達するようその光が領域32.7で反射されるように、光軸34に対して傾斜されるブロック31Aの表面32の領域32.7に衝突する。表面32の領域32.7は、光ビーム39の反射が全反射によって表面32の領域32.7で起きるように配置される。本例では、入射角θは、方向性をもって領域10.1で反射される光が(図5の実施形態の場合と同様に)レンズ要素38に衝突しないように選択されるのが好ましい。
【0093】
図10に更に示されているように、ブロック31Aの表面32の領域32.6は、領域32.6がレンズ要素65を形成するような曲率を有する。本例では、領域32.6は、凸状に湾曲される。領域32.6は、例えば、レンズ要素65がブロック31Aから出される光の照準を合わせるか或いはその光を領域10.1に集めるように具体化できる。
【0094】
照明デバイス38は、例えば、測定スケール10の増分トラック11’並びに基準トラック12’を領域10.1において照明できるように設計される単一の光源38.1を備えても良い。或いは、照明デバイス38は、複数の光源38.1を備えることもでき、これらの光源は、各々、異なる光源38.1が測定スケール10の異なる領域を照明できるように配置される。例えば、増分トラック11’と基準トラック12’は、各々、異なる光源38.1で照明される。従って、複数の異なるレンズ要素65が、ブロック31Aの表面32の領域32.6において具体化され、それによって、異なる光源38.1の光が、各々、異なるレンズ要素65を介してブロック31Aから出される。
【0095】
図10に示すように、ブロック31Aは、(任意ではあるが)光軸34と同方向に延び、且つ、図10の図面に対して垂直に延び、更にテレセントリック光学系30とブロック31Aの表面32の領域32.5との間に配置される溝31.1を備える。溝31.1は、ブロック31Aに入射される各光源38.1の光に対してテレセントリック光学系30を遮断し、従って、望ましくない散乱光がブロック31Aを介してセンサ40へ達することを防止する。光を反射又は吸収する材料が、溝31.1に追加で配置可能である。このことは、望ましくない散乱光に対するテレセントリック光学系30の前述の遮断を更に向上する。
【0096】
図11は、本発明の位置決定デバイス5の第3の実施形態を示す。複数の特徴に関して、本実施形態は、図10の実施形態と同一であり、そこでは、同一の物は、各々、図10と図11において同じ参照番号で識別される。
【0097】
図11の実施形態は、図10の実施形態と同じ(ガイドレール2の表面に具体化される)測定スケール10と測定スケール10を光学的に走査するための測定ヘッド21Bを備える。図11の測定ヘッド21Bは、図10の測定ヘッド21Aと実質的に異なっており、一方、図10のブロック31Aがブロック31Bで置き換えられており、ブロック31Bは、ブロック31Aと実質的に同じ機能を果たす、つまり、測定ヘッド21Bは、測定スケールの領域10.1を照明するように働く照明デバイス38の光がブロック31Bを介してガイドされ、その目的のためにブロック31Bの一つの領域でブロック31Bに入射され、ブロック31Bの他の領域でブロック31Bから出される可能性を提供する。
【0098】
図11の測定ヘッド21Bは、照明デバイス38の光がブロック31Bへ入射される方法が、実質的に測定ヘッド21Aとは異なっている。照明デバイス38によって生成される光のブロック31Bへの入射に関連しない測定ヘッド21Bの構成要素は、測定ヘッド21Aの対応する構成要素と同一である。特に、測定ヘッド21Aと21Bは、同じテレセントリック光学系30、同じセンサ40、同じ印刷回路ボード45及び同じ照明デバイス38に関連する。
【0099】
図11に示されるように、測定ヘッド21Bは、光導体70を備え、この光導体70は、光源38.1によって生成される光が光導体70を介してブロック31Bへ入射されるように配置される。本例において、光導体70は、直線状であり、且つ一端部を有し、この一端部は、各光源38.1によって生成される光が光導体70のこの端部に入射されて光導体70の他端部へガイドされるように孔45.3に配置される。光導体70の他端部において、光は、光導体70から出ることができ且つ測定スケール10の領域10.1の方向へブロック31Bの表面32の領域32.6で出されるまでブロック31B内を伝播することができる。
【0100】
図11において、一点鎖線39は、光源38.1から出てブロック31Bを通って測定スケール10の領域10.1に至る光ビームのコースを表す。図11からわかるように、光導体70から出る光は、ブロック31Bの表面32の領域32.7に衝突し、この領域32.7は、反射表面として具体化され、且つ光導体70から出た光が領域32.6においてブロック31Bから出て入射角θ<90°で測定スケール10の領域10.1に到達するよう領域32.7で反射されるように光軸34に対して傾斜される。
【0101】
図11に更に示されるように、ブロック31Bの表面32の領域32.6は、曲率を有し、それによって、領域32.6は、レンズ要素65を形成する。本例では、領域32.6は、凸状に湾曲される。領域32.6は、例えば、レンズ要素65が、ブロック31Bから出される各光の照準を合わせるか或いはその光を領域10.1に集光するように具体化される。
【0102】
光導体70は、異なる方法で実現されても良い。光導体70は、例えば、ブロック31Bに形成される凹所31.2に位置される別個のコンポーネントであり得る。他の例では、光導体70は、ブロック31Bに一体化されても良く、それによって、ブロック31Bは、光導体70を備える一個のコンポーネントを形成する。
【0103】
図11の図面から逸脱する場合、光導体70は、直線状に形成する必要は無い:即ち、光導体70は、湾曲された曲率に沿って各光源38.1の光をガイドすることができ、そこでは、光導体の一端が、例えば、各光源38.1に配置され、光導体の他端が、各レンズ要素65に配置される。この場合、光源38.1の光は、光導体によってレンズ要素65までガイドされる。
【0104】
ブロック31、31A及び31Bは、例えば、射出成形や射出圧縮成形によって、各々、プラスチックから一個のコンポーネントとして、コスト効率の高い方法で製造可能である。従来の成形ツールは、射出成形や射出圧縮成形による製造のために実質的に使用できる。テレセントリック光学系30によって生成される画像の品質に影響を及ぼしうる各ブロックの表面のこれらの領域(即ち、例えば、領域32.1,32.2,32.4,32.6)は、特に高い精度で且つ特に低い粗さで成形することを達成するために、それぞれの成形ツールは、個別のインサートを備えることができ、これらのインサートの表面は、特に高い精度で処理され且つそれらのインサートは、各ブロックの上述の表面領域を成形するように特に設計される。このようなインサートは、例えば、金属製のワークピースをダイヤモンドツールによって(例えば、ダイヤモンド加工によって)処理することによって製造できる。
【0105】
各々、ミラー表面として又は反射表面として(即ち、例えば、領域32.2、32.4、32.7)ブロック31、31A及び31Bの表面のこれらの領域は、ブロック31、31A及び31Bの表面のそれぞれの領域の反射率を増加するコーティングを備えても良い。
【0106】
本発明のデバイス5は、以下の基準を考察して最適化される:
a)テレセントリック光学系30は、テレセントリックアパーチャのサイズの、即ち、第1のミラー表面35のサイズの関数であり、そのアパーチャの表面が小さくなればなる程大きくなる焦点の深さを有する(すでに述べられた)測定スケール10の画像を発生する。従って、各測定ヘッド21、21A、又は21Bの測定スケール10に対する所定距離が、各々、測定スケールの走査に応答して維持されなければならない許容範囲は、第1のミラー表面35の表面が小さくなれば成る程大きくなる。他方、第1のミラー表面35の表面が大きくなれば成る程、(照明デバイス38によって生成される光の所定強度の場合)センサ40の信号S1〜S4、従って、信号S1〜S4の各信号雑音比は大きくなる。一方、信号S1〜S4の各信号雑音比は、精度を決定し、その精度で、決定される各位置が、所定の時間間隔で識別される。このように、ミラー表面35の最適サイズは、テレセントリック光学系30の焦点の深さを最大にする要求とセンサ40の信号S1〜S4の信号雑音比を最大にする要求との妥協として識別される。
b)上述のタイプの測定スケール10(即ち、レーザビームによってガイドレールの表面を処理することによってマーカーが生成された測定スケール)の場合、測定スケール10は、その全長にわたってそれぞれのマーカーの特徴に関して(特に、それぞれのマーカーの反射率に関して)不均一性を表示することが可能である。その結果、信号S1、S2、S3、S4及びS5は、測定スケール10に対する各測定ヘッドの各位置と相関する変動を含むことができる。これらの変動は、例えば、照明デバイス38によって生成される光の強度の調整によって又はそれぞれの信号S1、S2、S3、S4及びS5を増幅するための(例えば、電子回路42に含まれる)電子増幅器の各増幅の調整によって補償される。
c)測定スケール10上にランダムに分布され得る汚染物(例えば、オイルの膜、研磨粒子又はその他の粒子)が、必要に応じて、照明デバイス38によって生成される光をレンズ要素33上に散乱する。それぞれの信号S1、S2、S3、S4及びS5の信号雑音比は、これによって減少される。汚染物の悪影響は、とりわけ、それぞれの埃粒子のサイズに依存する。一般的に、汚染物によって引き起こされる散乱光の強度は、照明デバイス38によって生成される光の波長が大きくなれば成る程、小さくなる。他方、信号S1〜S4のサイズは、センサ40の感光面41の各スペクトル感度に依存する。このように、照明デバイス38によって生成される光の波長λの最適サイズは、汚染物によって引き起こされる散乱光を最小まで減少するという要求と、センサ40の感光面41のスペクトル感度を最大にするという要求との間の妥協として識別される。700nm<λ<900nmの最適波長範囲は、本ケースの場合、従来のシリコン技術に基づいてセンサ40の感光面41が作られる場合に得られる。
【0107】
上述の最適化の基準を考察して、本発明のデバイス5は、5m/sの測定スケールの長手方向への測定ヘッド21又は21A、或いは21Bの速度に応答して100nmの精度での測定スケール10に対する各測定ヘッド21又は21A、或いは21Bの位置の決定を可能とする。それによって、マーカー11は、各々、測定スケール10の長手方向において5〜10μmの幅を有し、且つ、例えば、10〜20μmの距離で互いに配置されていることが考えられる。更に、第1のミラー表面35のサイズは、測定スケール10に対する各光学系30の所定距離が、測定スケール10の光学走査に応答して略±110μmの許容範囲で維持されるように選択される。
【符号の説明】
【0108】
1 ガイドシステム
2 ガイドレール(第1のボディ)
3 ガイドキャリッジ(第2のボディ)
4 チャネル
5 デバイス
10 測定スケール
20 走査デバイス
21 測定ヘッド
30 テレセントリック光学系
31 ブロック
33 第1のレンズ要素
34 光軸
35 第1のミラー表面(アパーチャ)
38 照明デバイス
40 センサ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
位置決定デバイス(5)であって、
位置をマークするための一つ以上のマーカー(11、12)を備える測定スケール(10)とその測定スケール(10)を光学的に走査するために、測定スケール(10)に対して移動可能な測定ヘッド(21、21A、21B)とを備え、
前記測定ヘッド(21、21A、21B)は、測定スケール(10)の画像を生成するためのテレセントリック光学系(30)と測定スケール(10)の画像を捕獲するため且つ信号(S1、S2、S3、S4、S5)を提供するためのセンサ(40)とを備え、前記信号は、測定スケール(10)に対する測定ヘッド(21、21A、21B)の位置決定を可能とし、そこにおいて、テレセントリック光学系(30)は、測定スケール(10)に対して所定の距離に配置されると共に光軸(34)を含む第1のレンズ要素(33)と、レンズ要素(33)の測定スケール(10)とは逆側に面する側にある第1のレンズ要素(33)の焦点(F1)に配置される、アパーチャ(35)と、を含み、
テレセントリック光学系(30)は、表面(32)を含むブロック(31、31A、31B)を備え、第1のレンズ要素(33)は、ブロック(31、31A、31B)の一体コンポーネントであり、ブロック(31、31A、31B)の表面(32)の第1の領域(32.1)は、第1のレンズ要素(33)の表面を形成し、
アパーチャは、ブロック(31、31A、31B)の表面(32)の第2の領域(32.2)に設けられ且つ第1のレンズ要素(33)の光軸(34)に対して傾斜される(φ<90°)第1のミラー表面(35)の形態で実現される、位置決定デバイス(5)。
【請求項2】
センサ(40)は、ブロック(31、31A、31B)の表面(32)の第3の領域(32.3)に配置される、請求項1に記載のデバイス(5)。
【請求項3】
第1のミラー表面(35)は、光が第1のレンズ要素(33)を介して光軸(34)に沿ってブロック(31、31A、31B)に入射され、この入射される各光が、第1のミラー表面(35)で反射されてブロック(31、31A、31B)の表面(32)の第3の領域(32.3)でブロック(31、31A、31B)を出て行くよう配置された、請求項2に記載のデバイス(5)。
【請求項4】
一つ以上の第2のミラー表面(36)が、ブロック(31、31A、31B)の表面(32)の第4の領域(32.4)に設けられ、それぞれの第2のミラー表面(36)は、光が第1のレンズ要素(33)を介して光軸(34)に沿ってブロック(31、31A、31B)に入射され、この入射される各光は、第1のミラー表面(35)及び続いて第2のミラー表面(36)の少なくとも一つで反射され、続いて表面の第3の領域(32.3)でブロック(31、31A、31B)を出て行くように第1のミラー表面に対して配置された、請求項2に記載のデバイス(5)。
【請求項5】
更に、少なくとも一個の光源(38.1)を備える照明デバイス(38)を備え、前記少なくとも一個の光源(38.1)によって、測定スケール(10)の少なくとも一つの領域(10.1)を照明することができ、測定スケール(10)の各領域(10.1)は、測定スケール(10)の各領域(10.1)の画像がテレセントリック光学系(30)によって生成可能で、且つ、この画像がセンサ(40)によって捕獲されるように配置される、請求項1〜4のいずれか一項に記載のデバイス(5)。
【請求項6】
各光源(38.1)は、その光源(38.1)によって生成される光がブロック(31A、31B)の表面(32)の領域(32.5)でブロックへ入射され、且つブロック(31A)の表面(32)の他の領域(32.6)で出されるように配置される、請求項5に記載のデバイス(5)。
【請求項7】
各光源(38.1)によって生成される光が出されるブロック(31A、31B)の表面のその領域(32.6)は、曲率を有し、それによって、表面のこの領域は、レンズ要素(65)を形成する、請求項6に記載のデバイス(5)。
【請求項8】
反射表面は、ブロック(31A、31B)の表面(32)の領域(32.7)に設けられ、この領域(32.7)は、ブロック(31A、31B)に入射される各光源(38.1)の各光がこの反射表面で反射されるように配置される、請求項6又は7のいずれか一項に記載のデバイス(5)。
【請求項9】
更に、一つ以上の光導体(70)を備え、それぞれの光導体(70)は、各光源(38.1)によって生成される光がそれぞれの光導体(70)の一つを介してブロック(31B)へ入射されるように配置される、請求項6〜8のいずれか一項に記載のデバイス(5)。
【請求項10】
ブロック(31B)は、各光導体(70)が配置されるか、又は、光導体(70)がブロック(31B)へ一体化される少なくとも一つの凹所(31.2)を含む、請求項9に記載のデバイス(5)。
【請求項11】
測定スケール(10)は、各々が複数の増分的に配置されたマーカー(11)を備える一つ以上の増分トラック(11’)及び/又は一つ以上の基準マーカー(12)を備える一つ以上の基準トラック(12’)を含む、請求項5〜10のいずれか一項に記載のデバイス(5)。
【請求項12】
測定スケール(10)は、互いに隣接して配置される複数のトラック(11’、12’)に配置される複数のマーカー(11、12)を備え、
照明デバイス(38)は、複数の光源(38.1)を備え、前記光源は、トラック(11’)の一つが光源(38.1)の一つによって照明され且つトラック(12’)の一つが光源(38.1)の他の一つによって照明されるように配置される、請求項5〜11のいずれか一項に記載のデバイス(5)。
【請求項13】
測定スケール(10)は、各マーカー(11、12)のエッジが表面領域に隣接するように設けられ、この表面領域は、方向性を持って入射光(39、B)を反射し且つ各光源(38.1)によって生成される光(39)がその表面領域で反射されて各反射光(BR)が第1のレンズ要素(33)に衝突しないように配置される、請求項5〜12のいずれか一項に記載のデバイス(5)。
【請求項14】
各マーカー(11、12)は、マーカー(11、12)が照明デバイス(38)によって照明される場合において、第1のレンズ要素(33)を介してブロック(31、31A、31B)内に透過できる散乱光が生成されるように設けられる、請求項5〜13のいずれか一項に記載のデバイス(5)。
【請求項15】
各光源(38.1)の光に対して不透明な仕切りボディ(50)が各光源(38.1)とブロック(31)との間に配置される、請求項5〜14のいずれか一項に記載のデバイス(5)。
【請求項16】
仕切りボディ(50)は、ブロック(31)が位置される第1のチャンバ(50.1)と照明デバイス(38)の各光源(38.1)が位置される第2のチャンバ(50.2)を含む、請求項15に記載のデバイス(5)。
【請求項17】
測定スケール(10)に面する側の第2のチャンバ(50.2)は、開口(50.4)を含み、この開口(50.4)は、第2のチャンバ(50.2)のこの開口(50.4)を介して測定スケールの各領域(10.1)が照明デバイス(38)の光源(38.1)によって照明されるように配置され、
測定スケール(10)に面する側の第1のチャンバ(50.1)は、開口(50.3)を含み、この開口(50.3)は、測定スケール(10)の各領域(10.1)の画像が第1のチャンバ(50.1)のこの開口(50.3)を介してテレセントリック光学系(30)によって生成されるように配置される、請求項16に記載のデバイス(5)。
【請求項18】
ブロック(31、31A、31B)は、プラスチック製の成形部品である、請求項1〜17のいずれか一項に記載のデバイス(5)。
【請求項19】
ガイドシステム(1)であって、
第1のボディ(2)と、第1のボディに対して移動され且つ第1のボディの上でガイドされる第2のボディ(3)と、
請求項1〜18のいずれか一項に記載の位置決定デバイス(5)と、を備え、
測定スケール(10)は、第1のボディ(2)に対して固定して配置され、測定ヘッド(21、21A、21B)は、第2のボディ(3)に対して固定して配置される、ガイドシステム(1)。
【請求項20】
各マーカー(11、12)は、第1のボディ(2)へ一体化されるか、又は、第1のボディ(2)の表面(2.1)に設けられる、請求項19に記載のガイドシステム。
【請求項21】
測定ヘッド(21、21A、21B)は、第2のボディ(3)へ取り付けられる、請求項19又は20に記載のガイドシステム。
【請求項22】
線状のガイドシステム(1)として具体化され、第1のボディ(2)が、ガイドレールであり、このガイドレールに沿って、第2のボディ(3)が直線状に移動可能である、請求項19〜21のいずれか一項に記載のガイドシステム。

【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2011−227084(P2011−227084A)
【公開日】平成23年11月10日(2011.11.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−95239(P2011−95239)
【出願日】平成23年4月21日(2011.4.21)
【出願人】(508006562)シネーベルゲール ホルディング アーゲー (3)
【氏名又は名称原語表記】Schneeberger Holding AG
【住所又は居所原語表記】St.Urbanstrasse 12 CH−4914 Roggwil Switzerland
【Fターム(参考)】