説明

測定プロセスにおいて消耗試薬を使用する測定装置に較正情報および試薬情報を提供するホスト装置および方法

測定プロセスにおいて消耗試薬(18)を使用する測定装置(4)に、ネットワーク(6)を介して、例えば、較正情報および試薬情報(30)のようなデータを提供する装置および方法を開示する。本発明は、測定装置(4)が、電子通信プロトコルを使用して、ホスト(33)から、消耗試薬(18)の必要なコード割り当て(24)および較正データ(32)をダウンロードすることを可能にする。ホスト(33)は、ホストコンピュータ(34)上で実行されているソフトウェアアプリケーション、前述した情報(30)を提供するメモリデバイスを読み取るのに使用されるコード-キースロットを有する、または有さない別の測定装置(50、58)、ドッキングステーションなどの専用の接続デバイス、ポータブルメモリリーダ(48)、リモートコンピュータ(54)、および以上の組合せであることが可能である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、測定システム、および測定システムの方法に関し、より詳細には、測定プロセスにおいて消耗試薬を使用する測定装置に較正情報および試薬情報を提供するホスト装置および方法に関する。
【背景技術】
【0002】
病院用血糖値メータは、消耗試薬の使用により、患者の血液のサンプル中のグルコースレベルを測定するように設計されている。消耗試薬は、一般に、化学的性質、生化学的性質、または生物学的性質のものである。少量の適切な消耗試薬が、使い捨ての試験ストリップ上で提供される。使用の際、試験ストリップが、血糖値メータの中に挿入され、試験ストリップに与えられた患者の血液のサンプルが、消耗試薬と反応する。較正された測定システムを含むメータは、試薬と血液サンプルの間の反応の特性を測定して、血液サンプル中に存在するグルコースの量を算出する。
【0003】
治療法が、血糖測定値に基づいて決定される病院用血糖値メータのケースでは、メータの精度は、極めて重要であることが理解されよう。このことは、メータの非常に正確な較正を要求する。使い捨ての血糖値試験ストリップ、またはそのような試験ストリップのパッケージに、較正データが格納されたマシン可読メモリを備えることが知られている。
【0004】
較正データが、病院用血糖値メータにどのように与えられるかについての現在の方法は、看護師が、マシン可読メモリを試験ストリップパッケージから取り出して、病院用血糖値メータのマシン可読メモリスロットに挿入することを要求する。次に、看護師が、各測定において、メータによって読み取られ、表示されるマシン可読メモリからのロット識別コードが、実際に使用されている試験ストリップのパッケージロット番号と合致することを検証する。この作業を実行するのに、看護師は、試験ストリップパッケージ上に提供されるバーコードを、メータを使用して、スキャンして取り込むか、または表示されたバーコードが、パッケージ上に印刷されたロット番号と合致することを検証する。この方法は、いくつかの問題を生じさせる。例えば、病院用血糖値メータは、マシン可読メモリスロットを有さなければならず、これは、メータのサイズを大きくし、メータの製造費用を増大させ、液体(洗浄剤)が、メータの筐体に入ることを許す。さらに、マシン可読メモリが、誤った場所に置かれた場合におけるように、使用中の試験ストリップパッケージのロット番号とマシン可読メモリが合致しない場合、回復する簡単なやり方は、存在しない。そのことにより、その不適合を無視して、測定にとりかかるように操作者が誘惑され、医療過誤につながる可能性がある。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明が、ネットワークを介する接続を使用して、測定装置に、例えば、較正データや試薬情報などのデータを提供するホスト装置および方法を提供するのは、以上の背景に照らしてである。本発明は、測定装置が、適切な電子通信プロトコルを使用して、ホスト装置から、必要な較正データおよび試薬情報をダウンロードすることを可能にする。そのような較正データおよび試薬情報は、ロット固有であることも、汎用であることも可能である。本発明の実施形態に依存して、ホスト装置は、DMS(データマネージャシステム)などのPOCC(ポイントオブケア(point-of-care)センタ)のコンピュータ/サーバ、同一の較正データおよび試薬情報を使用する別の測定装置、専用の接続デバイス、ポータブルメモリリーダ、および以上の組合せであることが可能である。
【課題を解決するための手段】
【0006】
一実施形態では、ネットワークと、第1のロット識別コードセットを備えており、測定プロセスにおいて、関連するロット識別コードを有する消耗試薬を使用するように構成され、前記消耗試薬の前記関連するロット識別コードが、前記第1のロット識別コードセットのいずれのコードとも合致しなかった場合、前記ネットワークを介して、前記関連するロット識別コードを伝送するように構成された測定装置と、少なくとも較正データが各ロット識別コードに関連付けられている第2のロット識別コードセットを備えており、前記ネットワークを介して前記測定装置から伝送された前記消耗試薬の前記関連するロット識別コードを受信して、その後、受信された前記関連するロット識別コードが、前記第2のロット識別コードセットのいずれかのコードと合致するかどうかを識別し、前記関連するロット識別コードと合致する前記第2のロット識別コードセットの中の或るロット識別コードに関連する前記少なくとも較正データを、前記ネットワークを介して前記測定装置に少なくとも提供するように構成されたホスト装置とを含む測定システムが、提供される。
【0007】
別の実施形態では、測定装置および消耗試薬を使用して試験結果を導き出す方法が提供され、方法は、ネットワークを提供すること、少なくとも較正データが各ロット識別コードに関連付けられている第1のロット識別コードセットを有するホスト装置を提供すること、消耗試薬を、関連するロット識別コードと一緒に提供すること、第2のロット識別コードセットを有する前記測定装置を提供すること、前記関連するロット識別コードを、前記測定装置を使用して読み取ること、前記消耗試薬の前記関連するロット識別コードが、前記第2のロット識別コードセットのいずれのコードとも合致しなかった場合、前記ネットワークを介して、前記関連するロット識別コードを伝送すること、前記ホスト装置を使用して、受信された前記関連するロット識別コードが、前記第1のロット識別コードセットのいずれかのコードと合致するかどうかを識別すること、前記関連するロット識別コードと合致する前記第1のロット識別コードセットの中の或るロット識別コードに関連する前記少なくとも較正データを、前記ネットワークを介して前記測定装置に提供すること、および前記測定装置、前記消耗試薬、およびホスト装置から受信された前記関連するロット識別コードに関連する較正データを使用して、試験結果を導き出すことを含む。
【0008】
さらに別の実施形態では、消耗試薬に関連するロット識別コードを含むリムーバブルマシン可読メモリと、前記リムーバブルマシン可読メモリから前記消耗試薬の前記ロット識別コードを読み取るように構成されたロット識別コードリムーバブルマシン可読メモリリーダと、測定プロセスにおいて前記消耗試薬を使用するように構成された測定装置とを含む測定システムが、提供され、前記測定装置は、前記ロット識別コードリーダと通信して、前記消耗試薬に関連する前記ロット識別コードを受信するように構成される。
【0009】
本発明の以上、およびその他の特徴および利点は、添付の図面と一緒に解釈される、本発明の様々な実施形態の以下の説明から、より完全に理解されよう。
【0010】
本発明の以下の詳細な説明は、添付の図面と併せて読むと、最もよく理解することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
図1は、以下に詳細に説明するとおり、符号6として全体的に示される病院および医療機関のネットワークを介して、測定プロセスにおいて消耗試薬を使用する、符号4で全体的に示される測定装置に、較正データ、およびその他のデータを提供することができる、符号2で全体的に示されるPOCC(ポイントオブケアセンタ)測定システムを示す。また、測定装置4は、やはり、以下に説明するとおり、ネットワーク6を介してデータを送信することもできる。本明細書で開示される基本的な概念を逸脱することなく、システム2は、構成、および諸部分の詳細について異なっていてもよく、方法は、特定のステップおよびシーケンスについて異なっていてもよいことが理解されよう。
【0012】
一実施形態では、測定装置4は、例えば、病院用血糖値メータのような、ハンドヘルド診断デバイス10である。他の諸実施形態では、ハンドヘルド診断デバイス10は、消耗試薬を使用し、定期的な較正データ更新を要求する他の任意の医療診断デバイスである。さらに別の実施形態では、測定装置4は、消耗試薬を使用し、定期的な較正データ更新を要求する臨床化学分析装置11である。以下の説明では、以下のシステムおよび方法の諸実施形態は、ハンドヘルド診断デバイス10と分析装置11に等しくかかわり、そのため、ハンドヘルド診断デバイス10だけを、以降、より詳細に説明することを理解されたい。
【0013】
1つの特定の例示される実施形態では、測定システム2は、マイクロプロセッサ5と、メモリ8と、キーパッド12と、ディスプレイ14と、デバイスを駆動するためのバッテリユニット(図示せず)とを有するハンドヘルド診断デバイス10を含む。キーパッド12とディスプレイ14は、例えば、タッチスクリーンなどのように、同一であることも可能であることを理解されたい。また、デバイス10は、消耗試薬18を使用して、例えば、試験を受けている患者からの液体(すなわち、血液)サンプル中の、例えば、グルコースなどの検体を測定するように構成された、内部に配置された測定システム16も含む。消耗試薬18は、細長いことが可能な、例えば、試験ストリップ20のような、試験担体(test carrier)に与えられる。また、試験担体は、カセット、カートリッジ、または他の任意の適切な試験担体も含むことが可能である。試験ストリップ20は、使用中、デバイス10に設けられ、測定システム16へのアクセスを可能にするスロット22に挿入される。
【0014】
一実施形態では、測定システム16、消耗試薬18、および試験ストリップ20は、試験ストリップ20が、デバイス10に適切に挿入されていること、および試験ストリップ20の励起電極および感知電極(図示せず)が、適切な電極導通を示すことをマイクロプロセッサ5が判定するタイプである。血液が、試薬18に与えられる前に、マイクロプロセッサ5は、励起電圧源が、或る励起電圧レベルを励起電極に印加するようにさせる。次に、患者の血液が、試薬18に与えられる。一実施形態では、試験ストリップ20は、毛管現象を使用して、血液全体を試験ストリップ20および試薬18に引き込み、別の実施形態では、試験ストリップ20は、一滴の血液が、試薬18に与えられる窪みを有することが可能である。
【0015】
1つの例示的な実施形態では、試薬18は、フェリシアン化カリウムである。試薬18に与えられた血液サンプル中のグルコースは、フェリシアン化カリウムからフェロシアン化カリウムへの正反応を生じさせる。正反応は、インキュベーション期間中、完了まで進む。試験ストリップ20における励起電極に励起電圧をその後に適用することにより、フェロシアン化カリウムからフェリシアン化カリウムへの逆反応からもたらされる小さい電流が、感知電極において生じるようにされる。逆反応中の電子の流れが、いくつかの箇所においてデバイス10によって感知され、測定されて、反応が、コットレル曲線に沿っていることの判定が可能にされ、血液サンプル上のグルコース濃度を示すコットレル曲線のレベルが、さらに算出される。その後、周囲温度を考慮に入れるように補正される、もたらされたグルコース値が、次に、血液サンプル中に存在するグルコースの量として与えられる。そのような血糖値測定方法、消耗試薬18、および試験ストリップ20は、例えば、参照により開示が本明細書に完全に組み込まれている、本発明の譲受人に譲渡された米国特許第5,352,351号および米国特許第5,366,609号によって、より詳細に説明されている。しかし、本発明のシステムおよび方法は、電解ベースの測定システムに加えて、反射光測定ベースの測定システム、または製造業者較正データを要求する、消耗試薬を使用する他の任意の適切な試験システムにも、同様に適用可能であることを理解されたい。
【0016】
消耗試薬18に加え、試験ストリップ20、および試験ストリップ20が取り出される容器21、またはその両方が、オプションとして、識別コード24を与えられることが可能である。識別コード24は、試験ストリップ20の製造ロット番号である。ロット識別コード24は、1つまたは複数の試験ストリップロットにわたることが可能であることを理解されたい。識別コード24は、視覚的に読み取られることが可能であるように、または、少なくとも、光学ベースの識別コードリーダ26、磁気ベースの識別コードリーダ26、RFベースの識別コードリーダ26、または電気ベースの識別コードリーダ26のいずれかによって読み取られることが可能であるように、表されることが可能である。そのような実施形態では、ハンドヘルド診断デバイス10は、試験ストリップ20が、スロット22に挿入された際に、識別コード24を読み取る、スロット22と揃えられた適切な識別コードリーダ26を含む。識別コード24の使用は、以降に続く様々な実施形態の説明において、より完全に説明される。
【0017】
試験ストリップ20の製造業者または販売業者は、それぞれの較正データセット321,... 32nにそれぞれが関連する識別コードセット241,... 24nを含むロットデータファイル30を含む中央データベース28を保持する。反射光測定ベースの測定システムの場合、較正データ321,... 32nは、通常、測定された色の変化を血糖値レベルと関係付けるのに使用されることが可能なオフセット値および換算係数を含む(非線形の較正データが、提供されることも可能である)。電解ベースの測定システムの場合、較正データ321,... 32nは、通常、試験シーケンスの定義(開始時刻と終了時刻)、測定遅延時刻、インキュベーション時間、測定期間中に行われる測定の回数、電圧レベルが比較される様々な閾値、試験手続き中にサンプルストリップに印加される励起電圧レベルの値、グルコース値変換率、および様々なフェールセーフ試験閾値を含む。各試験ストリップロットに関する較正データ321,... 32nは、最初、例えば、通常の測定ユニットを使用して実行された試験の諸結果を比較すること、および実験室分析により、ロットの製造に続いて決定される。しかし、較正データ321,... 32nは、各ロットに関する保持された試験ストリップストックからとられたサンプルを再試験することにより、規則的な時間間隔で更新される。
【0018】
ハンドヘルド診断デバイス10は、符号33によって全体的に示されるホストから、何らかの適切な電子通信プロトコルを使用して、システム2からロットデータファイル30をダウンロードして、1つまたは複数のロットに固有であることが可能な、必要な較正データ321,... 32nにアクセスする。デバイス10によってロットデータファイル30へのアクセスが行われ、ダウンロードされることが可能なホスト33は、ネットワーキング環境に依存する。例えば、一実施形態では、ホスト33は、例えば、インターネット36を介して中央データベース28からロットデータファイル30を受信するDMS(データマネージャシステム)34のような、POCCのコンピュータシステムである。その場合、DMS34は、無線ネットワーク38または有線ネットワーク40を介して、デバイス10にロットデータファイル30を配信する。一実施形態におけるデバイス10のネットワーク接続は、有線ベースであっても、無線ベースであってもよい、含められるネットワークインタフェースデバイス42を介して提供される。無線ネットワーク38は、従来どおりであり、POCC全体にわたってアクセスポイント39を提供して、DMS34への無線ネットワーク接続を円滑にすることができる。
【0019】
別の実施形態では、デバイス10は、ネットワークインタフェースデバイス42を有するネットワーク化されたドッキングステーション44に接続される。そのような実施形態では、デバイス10は、提供されるデータ-電源コネクタ45を使用して、ネットワーク化されたドッキングステーション44に接続されて、ネットワークインタフェースデバイス42を介して、有線ネットワーク40または無線ネットワーク38とインタフェースをとる。
【0020】
別の実施形態では、ロットデータファイル30は、使い捨ての試験ストリップのパッケージと一緒に、リムーバブルマシン可読メモリ46の中で提供され、発送されて、ロット識別コードリーダ48を介してDMS34に読み込まれ、その後、無線ネットワーク38または有線ネットワーク40を介して、デバイス10に配信される。さらに別の実施形態では、ロット識別コードリーダ48は、ポータブルであり、リムーバブルマシン可読メモリ46の中に含まれるロットデータファイル30をデバイス10と無線通信するように構成される。そのような実施形態では、ロット識別コードリーダ48は、リムーバブルマシン可読メモリ46の中に含まれるロットデータファイル30を、無線ネットワーク38および/または有線ネットワーク40を介して、DMS34、リモートワークステーション54、およびその他のデバイス50、58にも通信することができる。
【0021】
さらに別の実施形態では、ホスト33は、マシン可読メモリスロット52を有する病院用血糖値メータなどの、従来のデバイス50であることが可能である。その実施形態では、ロットデータファイル30を含むマシン可読メモリ46が、マシン可読メモリスロット52の中に入れられて、接続されたドッキングステーション56を介してリモートステーション54に転送される。ロットデータファイル30は、デバイス10をドッキングステーション56に接続することにより、またはリモートステーション54が、ロットデータファイル30をDMS34に提供し、DMS34が、無線ネットワーク38または有線ネットワーク40を介して、ロットデータファイル30をデバイス10に配信することにより、デバイス10に提供される。別の実施形態では、前述したのと同一の目的で、ドッキングステーション44に、マシン可読メモリスロット52が設けられてもよいことを理解されたい。
【0022】
さらに別の実施形態では、ホスト33は、ネットワークインタフェースデバイス42を備え、デバイス10に対してホストの役割をし、無線ネットワーク38を介して、またはピアツーピア接続60(有線通信、または無線の、例えば、赤外線ベースの通信)を介して通信する、別の病院用ハンドヘルド診断デバイス58であることが可能である。一実施形態では、ハンドヘルド診断デバイス58は、ともに、血糖値メータのペアであるなど、デバイス10と同一のタイプのデバイスであり、他の諸実施形態では、デバイス58は、デバイス10とは異なるタイプのデバイスであってもよいが、それでも、消耗試薬を使用し、較正データを要求する。したがって、以上すべてのホスト実施形態において、システム2を介するロットデータファイル30の通信は、デバイス10が、現在、配置されているシステム環境および/またはネットワーク環境の構成によって決まり、その構成の様々な実施形態は、図3〜図6に関連して以降のセクションでより詳細に説明されることが理解されよう。
【0023】
図1では、測定データは、測定が実行された時点で、DMS34および/またはリモートステーション54に通信されることが可能であり、あるいは測定データは、デバイス10内部に保持されて、或るスケジュール、または他の選択基準に従って、リモートステーション54に送信されることが可能であることも理解されよう。測定データは、デバイス10から、屋内(in-building)無線ネットワーク38を介して、またはドッキングステーション44または56のいずれかを介して、DMS34にルーティングされることが可能である。図示されるとおり、ドッキングステーション56は、I/Oポート62を介して、リモートステーション54に直接に接続され、ステーション54は、ネットワーク接続64を介して、DMS34に更新を提供するようにプログラミングされることが可能である。
【0024】
DMS34は、緊急状態に関してデータを検査し、後の使用のためにデータをログ記録することができる。さらに、DMS34は、適切な動作および較正のために機器ステータスを監視することができる。複数のサーバ、またはリモートステーション54のような集中ステーションが、ハンドヘルド診断デバイスと通信するために提供されることが可能であることを理解されたい。さらに、DMS34は、接続64を介してリモートステーション54に、またはインターネット36を介して開業医のオフィス内の外部コンピュータ66に、データを転送する、または同時にルーティングすることができる。以上のデータルーティングは、本発明に従って説明されるサービスを提供するのに利用されるデータルーティングの例として、限定としてではなく、与えられていることが理解されよう。
【0025】
図2は、図1に示され、前段で説明した通信を実施するための回路68の実施形態の機能ブロックを示す。ネットワーク接続70は、ネットワーク処理回路に接続される。一実施形態では、マイクロコントローラ76上で実行されるファームウェアの一部としてネットワークインタフェーススタックを含むような、ネットワーク接続を提供するための多数の回路が、利用可能である。さらに別の実施形態では、例えば、Scenix SemiconductorからのSX-Stack(商標)チップや、One ElectronicsからのiChip(商標)のような、別個のネットワークプロセッサ72が、以上の機能のために含まれることが可能である。以上の集積回路、およびその他の利用可能なチップは、TCP/IP(伝送制御プロトコル/インターネットプロトコル)をサポートするためのインターネットレイヤを提供する。TCP/IPについては、例として述べているに過ぎないが、他の任意のネットワークトランスポートプロトコルも、本発明に同様に適用可能であることを理解されたい。後の実施形態では、ネットワークプロトコルプロセッサ72は、従来のメモリ78へのアクセスを有するマイクロコントローラ76に対するインタフェース74を有する。デバイス10のセキュリティおよびフォールトトレランスをもたらすため、マイクロコントローラ76またはインターネットプロトコルプロセッサ72が、ネットワークを介して送信されるデータ内に検証ストリングまたはトークンを暗号化して、提供し、それに相応して、受信される情報を解読し、受信されたストリングまたはトークンを検証することが好ましい。マイクロコントローラ76は、デバイス回路82に対するインタフェース80を有し、回路82は、図1に示される測定システム16へのインタフェース84を有して構成される。
【0026】
測定システム2は、グルコース測定などの測定を実行して、記録することを円滑にする機構を提供する一方で、定期的な計器較正、および測定と較正の両方の適合を確実にする能力をさらに提供する。1つまたは複数のロット(すなわち、識別コード24'1,... 24'nによって識別されるロット)に固有の較正データ321,... 32nとともに、ロットデータファイル30が、計器製造業者から、現場における計器に、またはサービス組織に通信されることが可能であり、したがって、計器、および計器の較正が、ログ記録されることが可能である。開示されるシステム2は、較正の適合を確実にするための様々な機構を提供するように利用されることが可能である。次に、患者の血糖値レベルなどの物理的パラメータを試験する際に、適切な較正データが使用されることを確実にする様々な方法を、図1、図3、および図4を参照して、以下に説明する。
【0027】
図3は、DMS34をホストとして利用して、最新の較正データを病院用測定装置4にダウンロードすることにより、デバイス10内部の較正の適合を確実にするためのプロセス200の一実施形態を示す。ステップ202で、ロット識別コード24が、生成され、各試験ストリップロット製造ラン(production run)に割り当てられる。次いで、製造されたそれぞれの試験ストリップロットに関する較正データ32が、ステップ204で生成される。各ロット識別コード24を、ステップ204で生成された較正データ32と互いに関係付けるロットデータファイル30が、ステップ206で生成される。図1に示される一実施形態では、ロットデータファイル30は、現在の試験ストリップロット、および過去のいくつかの試験ストリップロットに関するロット識別コードセット241,... 24n、および関連する較正データ321,... 32nを含む。一実施形態では、ロットデータファイル30は、少なくとも、最後の3回の試験ストリップロット製造ランに関するロット識別コードセット241,... 24n、および関連する較正データ321,... 32nを提供する。他の諸実施形態では、セットは、1つから任意の好都合な数までのロット識別コード、および関連する較正データであることが可能である。
【0028】
ステップ208において、一実施形態では、ロットデータファイル30は、インターネット36を介して中央データベース28からPOCC DMS34に電子的に配信される。ロットデータファイル30は、例えば、CDを郵送すること、電子メールを送信すること、またはURLを提供して、顧客に、中央データベース28からデータをダウンロードされることなどの、様々な手段によって顧客にリリースされることが可能であることを理解されたい。以上の配布手段の1つまたは複数が、選択されることが可能であり、それらの手段のすべてが、リリースされるロットデータファイル30の中のコンテンツの機密性、完全性、および真正性を確実にするために、セキュリティで保護されることが可能である。
【0029】
一実施形態では、ロットデータファイル32は、POCC DMS34に送信される前に、標準の暗号化アプリケーションを使用して暗号化される。POCC DMS34の運用者が、必要な場合、その暗号化アプリケーションと適合する標準の解読アプリケーションを使用してロットデータファイル30を解読し、ステップ210で、ロットデータファイル30を検査して、ファイル30のロット識別コード24が、POCCで使用されている試験ストリップのロット識別コード24と合致することを検証する。検証されると、ステップ212で、運用者は、ロットデータファイル30を、システム2内の測定装置4による一般的なダウンロード/更新のために、DMS32の中にリリースする。ステップ214で、デバイス10、分析装置11、および、さらにはその他のホスト33などの測定装置4が、DMS34との次回の接続時または通信時に、ロットデータファイル30を、メモリ8の中にダウンロードする。
【0030】
前述したロットデータファイル製造ステップ202、204、および206と並行して、試験ストリップロット製造、ならびに試験ストリップロットの梱包およびラベル付けが、それぞれ、ステップ216およびステップ218で行われる。試験ストリップ注文品が、ステップ220で、製造業者によって発送され、その注文品が、ステップ222で、POCCによって受領され、検証される。一実施形態では、ロットデータファイル30は、図1に示されるマシン可読メモリ46のようなマシン可読メモリ上で、他の注文品とともに送られてもよいことを理解されたい。ステップ222(またはステップ210)におけるロット識別コード検証の後、ステップ226で、POCCが、或る量の試験ストリップを保持する容器224の中に通常、梱包された使い捨ての試験ストリップを、必要な病棟にわたって配る。各容器224は、有効期限日を少なくとも明らかにするラベル228と、割り当てられたロット識別コード24とを有することを理解されたい。その後、プロセス200は、血糖値試験中などに、デバイス10の使用に進む。
【0031】
デバイス10が、病院用血糖値メータである例示される実施形態では、血糖値試験を開始するのに、看護師が、ハンドヘルド診断デバイスのディスプレイ14上に表示されたメニューを使用して、測定シーケンスを活性化する。図3によって示される実施形態では、表示されたメニューから、看護師は、ステップ230で、デバイス10のメモリ8から読み取られた選択可能なロット識別コード24'1,... 24'nの1つを、「現在の」ロット識別コードとして選択する。現在のロット識別コードの選択の後、デバイス10は、ステップ232で、スロット22に使い捨ての試験ストリップを挿入することによって開始される毎回の血糖値試験に先立って、現在のロット識別コードの一部分(例えば、終わりの3つの数字)を表示する。挿入に先立って、看護師は、試験ストリップ20上で提供される試薬18の上に、患者からの少量の血液を置く。少し経った後、試験ストリップ20は、スロット22に完全に挿入される。挿入されると、ステップ234で、看護師は、デバイス10によって、各測定時に、現在のロット識別コードの表示された部分が、使い捨ての試験ストリップ20が引き出された容器226のラベル228上で与えられるロット識別コードの同一の部分と合致することを検証するよう、促される。この検証に依拠し、ステップ236で、看護師が、デバイス10上で与えられる表示されたプロンプトから試験を続けることを選択したことによって承認されて、ステップ238で、測定システム16は、試薬18の変化を判定する。
【0032】
次に、ハンドヘルド診断デバイス10は、試薬18の測定された変化、メモリ8の中に格納されたロットデータファイル30から読み取られ、選択された現在のロット識別コード24に対応する較正データ32、およびあらかじめ格納され、やはりメモリ8から読み取られる計算アルゴリズムを使用して、血糖値試験結果を計算することにとりかかる。その計算は、ハンドヘルド診断デバイス10のマイクロプロセッサ5によって実行される。次に、ステップ240で、その結果が、ディスプレイ14上に表示され、デバイスのメモリ8上に格納もされる。
【0033】
別の実施形態が、図4によって示され、図4では、図3に関連して説明したのと同様のステップが、同様の符号で示され、そのため、簡略にする都合上、それらの実施形態の間の違いについてだけ、以下に説明する。ストリップのロット識別コード24が、試験ストリップ20上で与えられる状況において、デバイス10は、ステップ242で、スロット22を介して、ストリップ20がデバイス10に挿入されると、含まれる識別コードリーダ26を使用して、識別コード24を読み取る。代替の実施形態では、ステップ242で、看護師が、デバイス10の識別コードリーダ26でラベル228をスキャンして、ストリップのロット識別コード24を読み取る。
【0034】
次に、ステップ244で、デバイス10は、読み取られたロット識別コード24が、メモリ8の中の格納されたロットデータファイル30の中で与えられるロット識別コード24'1,... 24'nと合致するかどうかを確認する。読み取られたロット識別コード24が、デバイス10の格納されたロットデータファイル30の中で与えられるロット識別コード24'1,... 24'nと合致した場合、ステップ246で、デバイスは、読み取られたロット識別コード24を現在のロット識別コードとして自動的に選択する。ステップ244で、読み取られたロット識別コード24が、デバイス10のメモリ8の中に格納されたロットデータファイル30の中に含まれるロット識別コード24'1,... 24'nのいずれとも合致しない場合、ステップ248で、デバイス10は、更新を求めて、システム2上で利用可能なホスト33へのデータ呼び出しを自動的に開始する。
【0035】
前述したとおり、ホスト33は、システム環境に依存して、ドッキングステーション44、別の病院用ハンドヘルド診断デバイス50または58、リモートステーション54、および/またはDMS34であることが可能である。したがって、一実施形態では、ホスト33は、別の病院用ハンドヘルド診断デバイスであり、その診断デバイスから、デバイス10は、1つまたは複数のロットに固有の必要な較正データを、少なくとも受信する。一実施形態では、デバイス10、50、および58の間の接続は、直接接続であり、別の実施形態では、デバイス10、50、および58の間の接続は、それらのデバイスの間でデータを送る少なくとも1つの中間デバイスを有する間接接続である。別の実施形態では、ホスト33は、マシン可読メモリ46がロードされるマシン可読メモリスロット52を有する専用接続デバイス44、48、または50であり、メモリ46から、デバイス10は、直接に、または間接的に、例えば、リモートステーション54、有線ネットワーク40、または無線ネットワーク38を介して、少なくとも、必要な較正データを受信する。さらに別の実施形態では、ホスト33は、例えば、DMS34のようなPOCCのコンピュータシステムであり、デバイスは、DSM34への接続38、40、または56を介して、少なくとも較正データを受信する。
【0036】
ステップ250で、デバイス10は、ホスト33が見つかったかどうかを確認する。デバイス10が、ホスト33に接続できなかった場合、ステップ252で、デバイス10は、ハンドヘルド診断デバイスのディスプレイ14上に表示されるメッセージにより、システム2のホスト33へのデータ呼び出しを開始するよう、看護師に促す。ステップ252で、看護師によってそのプロンプトが受け入れられたこと、ステップ250で、ホスト33を見出し、ホスト33に接続したことに続き、ステップ254で、ハンドヘルド診断デバイス10が、読み取られたロット識別コード24を、利用可能なホストに伝送する。ステップ256で、利用可能なホストは、受信されたロット識別コード24が、ホストの、格納されたロットデータファイル30の中に含まれるロット識別コード241,... 24nのいずれかと合致するかどうかを確認することにより、応答する。ステップ256で、合致が存在する場合、ステップ258で、ホストは、更新されたロットデータファイル30、または少なくとも、必要とされる較正データ32を、システム2を介してハンドヘルド診断デバイス10に送り返す。次に、プロセスは、図3に関連して前述したとおり、ステップ246に進む。
【0037】
ステップ256で、合致が存在しない場合、ステップ260で、ホスト33は、ホスト33が、DMS34であるかどうかを確認する。検証され、許可されたロットだけが、病棟にリリースされているので、転送されたロット識別コードが、DMS34上で提供されるロットデータファイル30の中のロット識別コード241,... 24nのいずれとも合致しない場合、ステップ262で、その試験ストリップロットが、使用されることを許可されていないことを示すメッセージが、デバイス10に送信されて、DMS34から、更新されたロットデータファイルを要求する。誤って配られている可能性がある、有効期限切れのロット、またはリリースされていない/検証されていないロットのケースにおけるように、なぜ試験ストリップが、使用されることを許可されていないのかを特定する是正措置がとられることが可能であるように、同様のメッセージが、指定された職員に送信されてもよい。
【0038】
ステップ260で、ホスト33が、DMS34ではない場合、ステップ264で、ホストは、ホスト33が、DMS34に接続されているかどうかを確認する。ホスト33が、DMS34に接続されていない場合、ステップ266で、更新のためにDMS34に直接に接続するよう、メッセージが、デバイス上、および/またはホスト33上に表示される。DMS34に接続した後、ステップ268で、中央データベース28から受信された新たな、つまり、更新されたロットデータファイル30が、DMS34からダウンロードできる可能性があるので、デバイスまたはホストが、受信されたロット識別コードを、確認するためにDMS34に転送する。次に、プロセスは、ホストが、DMS34であることを除き、前段で説明したとおりに、ステップ256に進み、その後、図3に関連して前段で説明したプロセスステップに進む。
【0039】
有効期限切れのロットのケースにおいて、一実施形態では、デバイス10およびホスト33は、ネットワーク上の利用可能なロットデータファイル30から、ロットデータファイルの中で与えられた有効期限日を過ぎた、いくつかのロット識別コードを削除するようにプログラミングされることを理解されたい。このようにして、有効期限日の後、ステップ262における、前述した「使用されることを許可されていない」メッセージが、デバイス10上で表示される。別の実施形態では、デバイス10は、ロットデータファイル30の中で与えられる、読み取られたロット識別コード24に対応する有効期限日を確認することができ、デバイスの内部クロックによって与えられる現在の日付が、その有効期限日を過ぎている場合、デバイスは、血糖値試験を実行せず、試験ストリップロットが有効期限切れであるというメッセージを看護師に提供する。
【0040】
ステップ240でもたらされる結果は、ハンドヘルド診断デバイス10からホスト34、44、48、50、54、58の1つに、測定された変化を、ロット識別コード24と一緒に伝送することによって獲得されることが可能であることを理解されたい。次に、利用可能なホスト33は、ロットデータファイル30からの較正データを使用して、測定された値を処理して、試験結果を生成することができる。すると、較正データをハンドヘルド診断デバイス10に伝送する必要はなく、試験結果が伝送されるだけでよい。次に、ハンドヘルド診断デバイス10によって受信された結果が、ハンドヘルド診断デバイスのディスプレイ上に直接に表示されることが可能である。
【0041】
顧客の利益を最大化するため、前述した諸実施形態は、いくつかの組合せのいずれの組合せで組み合わせられてもよいことをさらに理解されたい。また、マシン可読メモリ46を提供する代わりに、電子データ通信を使用して、病院用ハンドヘルド診断デバイス10に較正データを送信することは、デバイス10を使用して血液試験を実行する前に、最新の較正データが、測定システム2において使用されることを確実にすることにより、より高い信頼性をもたらすことも理解されたい。
【0042】
血液試験時に、測定システム2に最新の較正データを提供することに加えて、システムは、他のいくつかの重要な利点も提供する。例えば、本発明は、マシン可読メモリスロットなしの病院用ハンドヘルド診断デバイスを構築することを可能にし、このことは、デバイスの費用を低減し、クリーニングおよび静電放電に対してデバイスをより堅牢にすることにより、デバイスの破損の主な原因を解消し、現場における最も頻度の高い使用の誤りの1つ、すなわち、誤った較正データを解消することを理解されたい。この使用の誤りは、不必要に繰り返される測定、または医療診断の誤りを生じさせる可能性がある。最後に、本発明は、較正およびコード割り当ての現在、および将来の方法を完全に適合し、血糖値ストリップ(blood glucose strip)の化学開発および製造を制約しない。したがって、本発明は、製造業者が、デバイス設計を変更することなしに、原料および環境条件を変えること、またはいくつかの国における特別なニーズに較正を合わせることさえ許す。
【0043】
以上の開示に鑑みて、有線ネットワークまたは無線ネットワークを介して製造業者較正データを提供することを対象とする本発明は、ハンドヘルドおよびデスクトップのポイントオブケア試験システムまたは患者近くの(near patient)試験システムにおいてだけでなく、複数の消耗試薬18を使用する、中央実験室のための完全に自動化され、コンピュータ化された臨床化学分析装置11(図1)においても有用な用途を有することを理解されたい。そのような化学分析装置11は、例えば、Roche/Hitachi MODULAR ANALYTICS、Roche COBAS Integraおよび/またはRoche COBAS 6000システムであり、これらは、分析のために多種多様な試験を使用する定量的試験管内判定と定性的試験管内判定の両方に合わせて設計された臨床化学-免疫学的検定分析のための、完全に自動化された、ソフトウェアによって制御されるシステムである。較正データ、およびその他の情報の提供は、ハンドヘルド診断デバイス10に関して前述したのと同一の形で実施されることが可能であるので、便宜上、さらなる説明は、提供しない。
【0044】
以上の説明および図面は、本発明の特徴および利点を実現する、例示的な諸実施形態を示すに過ぎないものと考えられたい。特定のプロセスステップ、システム、およびセットアップの変形および置換が、本発明の趣旨および範囲を逸脱することなく、行われることが可能である。したがって、本発明は、以上の説明および図面によって限定されるものと考えられるべきではなく、添付の特許請求の範囲によってだけ限定される。
【図面の簡単な説明】
【0045】
【図1】本発明を実施する測定システムを示す図である。
【図2】図1に示される通信を実施するための回路の実施形態の機能ブロックを示す図である。
【図3】少なくとも較正データを病院用測定装置に提供する一実施形態のプロセスフローを示す図である。
【図4A】病院用測定装置に少なくとも較正データを提供する別の実施形態のプロセスフローを示す図である。
【図4B】病院用測定装置に少なくとも較正データを提供する別の実施形態のプロセスフローを示す図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ネットワーク(6)と、
第1のロット識別コードセット(24'1,... 24'n)を備えており、測定プロセスにおいて、関連するロット識別コード(24)を有する消耗試薬(18)を使用するように構成され、前記消耗試薬(18)の前記関連するロット識別コード(24)が、前記第1のロット識別コードセット(24'1,... 24'n)のいずれのコードとも合致しなかった場合、前記ネットワーク(6)を介して、前記関連するロット識別コード(24)を伝送するように構成された測定装置(4)と、
少なくとも較正データ(321,... 32n)が各ロット識別コードに関連付けられている第2のロット識別コードセット(241,... 24n)を備えており、前記ネットワーク(6)を介して前記測定装置(4)から伝送された前記消耗試薬(18)の前記関連するロット識別コード(24)を受信して、その後、受信された前記関連するロット識別コード(24)が、前記第2のロット識別コードセット(241,... 24n)のいずれかのコードと合致するかどうかを識別し、前記関連するロット識別コード(24)と合致する前記第2のロット識別コードセット(241,... 24n)の中の或るロット識別コードに関連する前記少なくとも較正データ(321,... 32n)を、前記ネットワーク(6)を介して前記測定装置(4)に少なくとも提供するように構成されたホスト装置(33)とを含む測定システム(2)。
【請求項2】
前記ネットワークは、屋内無線ネットワーク(38)である請求項1に記載の測定システム。
【請求項3】
前記ネットワークは、有線ネットワーク(40)である請求項1に記載の測定システム。
【請求項4】
前記ネットワークは、ピアツーピア接続(60)である請求項1に記載の測定システム。
【請求項5】
前記ネットワークは、屋内無線ネットワーク(38)、有線ネットワーク(40)、ピアツーピア接続(60)、および以上の組合せを含むグループから選択される請求項1に記載の測定システム。
【請求項6】
前記測定装置は、ハンドヘルド診断デバイス(10)である請求項1に記載の測定システム。
【請求項7】
前記測定装置は、臨床化学分析装置(11)である請求項1に記載の測定システム。
【請求項8】
前記測定装置は、前記消耗試薬(18)の前記関連するロット識別コード(24)を読み取るように構成されたロット識別コードリーダ(26)を含む請求項1に記載の測定システム。
【請求項9】
前記関連するロット識別コード(24)は、リムーバブルマシン可読メモリ(46)の中で提供され、前記測定装置は、前記関連するロット識別コード(24)を前記測定装置に提供するために、前記メモリ(46)を読み取るリムーバブルマシン可読メモリリーダ(48)と通信する請求項1に記載の測定システム。
【請求項10】
前記測定装置は、前記消耗試薬(18)の前記関連するロット識別コード(24)を読み取るように構成されたロット識別コードリーダ(26)を含み、前記関連するロット識別コード(24)は、無線周波数IDタグであり、前記ロット識別コードリーダ(26)は、無線周波数IDタグリーダである請求項1に記載の測定システム。
【請求項11】
前記測定装置は、前記消耗試薬(18)の前記関連するロット識別コード(24)を読み取るように構成されたロット識別コードリーダ(26)を含み、前記関連するロット識別コード(24)は、磁気IDタグであり、前記ロット識別コードリーダ(26)は、磁気IDタグリーダである請求項1に記載の測定システム。
【請求項12】
前記測定装置は、前記消耗試薬(18)の前記関連するロット識別コード(24)を読み取るように構成されたロット識別コードリーダ(26)を含み、前記消耗試薬は、使い捨てのストリップ(20)上で提供され、前記関連するロット識別コード(24)は、前記使い捨てのストリップ(20)を提供する容器(21)上で提供される請求項1に記載の測定システム。
【請求項13】
前記測定装置は、前記消耗試薬(18)の前記関連するロット識別コード(24)を読み取るように構成されたロット識別コードリーダ(26)を含み、前記消耗試薬は、使い捨てのストリップ(20)上で提供され、前記関連するロット識別コード(24)は、前記使い捨てのストリップ(20)上で提供される請求項1に記載の測定システム。
【請求項14】
前記ホスト装置は、データ管理システム(34)である請求項1に記載の測定システム。
【請求項15】
前記ホスト装置は、別の測定装置(50、58)である請求項1に記載の測定システム。
【請求項16】
前記ホスト装置は、コンピュータステーション(54)である請求項1に記載の測定システム。
【請求項17】
前記ホスト装置は、ドッキングステーション(44)である請求項1に記載の測定システム。
【請求項18】
前記ホスト装置は、リムーバブルマシン可読メモリリーダ(48)である請求項1に記載の測定システム。
【請求項19】
前記第2のロット識別コードセット(241,... 24n)および前記較正データ(321,... 32n)は、前記ホスト装置のメモリの中で提供され、前記メモリは、リムーバブルマシン可読メモリ(46)である請求項1に記載の測定システム。
【請求項20】
前記第2のロット識別コードセット(241,... 24n)および前記較正データ(321,... 32n)は、前記ホスト装置のメモリの中で提供され、前記メモリは、リムーバブルマシン可読メモリ(46)であり、前記ホスト装置は、ドッキングステーション(44)である請求項1に記載の測定システム。
【請求項21】
前記ホスト装置は、前記第2のロット識別コードセット(241,... 24n)および前記較正データ(321,... 32n)を含むメモリ(8、46)へのアクセスを有する請求項1に記載の測定システム。
【請求項22】
前記ホスト装置と通信する、前記第2のロット識別コードセット(241,... 24n)および前記較正データ(321,... 32n)を含むデータベース(28)をさらに含む請求項1に記載の測定システム。
【請求項23】
公共ネットワーク(36)を介して前記ホスト装置と通信する、前記第2のロット識別コードセット(241,... 24n)および前記較正データ(321,... 32n)を含むデータベース(28)をさらに含む請求項1に記載の測定システム。
【請求項24】
前記測定装置は、ディスプレイ(14)を有し、前記関連するロット識別コード(24)に関連する前記較正データ(321,... 32n)を使用して、試験結果を算出し、前記試験結果を前記ディスプレイ上に表示するように構成される請求項1に記載の測定システム。
【請求項25】
前記較正データ(321,... 32n)は、消耗試薬(18)の1つまたは複数のロットに固有である請求項1に記載の測定システム。
【請求項26】
前記ホスト装置は、前記第2のロット識別コードセット(241,... 24n)の中の前記ロット識別コード(24)に関連する前記較正データ(321,... 32n)を使用して、試験結果を計算し、前記試験結果を前記測定装置に提供するようにも構成される請求項1に記載の測定システム。
【請求項27】
測定装置(4)および消耗試薬(18)を使用して試験結果を導き出す方法であって、
ネットワーク(6)を提供すること、
少なくとも較正データ(321,... 32n)が各ロット識別コードに関連付けられている第1のロット識別コードセット(241,... 24n)を有するホスト装置(33)を提供すること、
消耗試薬(18)を、関連するロット識別コード(24)と一緒に提供すること、
第2のロット識別コードセット(24'1,... 24'n)を有する前記測定装置(4)を提供すること、
前記関連するロット識別コード(24)を、前記測定装置(4)を使用して読み取ること、
前記消耗試薬(18)の前記関連するロット識別コード(24)が、前記第2のロット識別コードセット(24'1,... 24'n)のいずれのコードとも合致しなかった場合、前記ネットワーク(6)を介して、前記関連するロット識別コード(24)を伝送すること、
前記ホスト装置(33)を使用して、受信された前記関連するロット識別コード(24)が、前記第1のロット識別コードセット(241,... 24n)のいずれかのコードと合致するかどうかを識別すること、
前記関連するロット識別コード(24)と合致する前記第1のロット識別コードセット((241,... 24n))の中の或るロット識別コードに関連する前記少なくとも較正データ(32)を、前記ネットワーク(6)を介して前記測定装置(4)に提供すること、および
前記測定装置(4)、前記消耗試薬(18)、および前記ホスト装置(33)から受信された前記関連するロット識別コード(24)に関連する前記較正データ(32)を使用して、前記試験結果を導き出すことを含む方法。
【請求項28】
前記ネットワークは、屋内無線ネットワーク(38)である請求項27に記載の方法。
【請求項29】
前記ネットワークは、有線ネットワーク(40)である請求項27に記載の方法。
【請求項30】
前記ネットワークは、ピアツーピア接続(60)である請求項27に記載の方法。
【請求項31】
前記ネットワークは、屋内無線ネットワーク(38)、有線ネットワーク(40)、ピアツーピア接続(60)、および以上の組合せを含むグループから選択される請求項27に記載の方法。
【請求項32】
前記測定装置は、血糖値メータ(10)である請求項27に記載の方法。
【請求項33】
前記測定装置は、前記消耗試薬(18)の前記関連するロット識別コード(24)を読み取るように構成されたロット識別コードリーダ(26)を含む請求項27に記載の方法。
【請求項34】
前記測定装置は、前記消耗試薬(18)の前記関連するロット識別コード(24)を読み取るように構成されたロット識別コードリーダ(26)を含み、前記関連するロット識別コード(24)は、バーコードであり、前記ロット識別コードリーダ(26)は、バーコードリーダである請求項27に記載の方法。
【請求項35】
前記測定装置は、前記消耗試薬(18)の前記関連するロット識別コード(24)を読み取るように構成されたロット識別コードリーダ(26)を含み、前記関連するロット識別コード(24)は、無線周波数IDタグであり、前記ロット識別コードリーダ(26)は、無線周波数IDタグリーダである請求項27に記載の方法。
【請求項36】
前記測定装置は、前記消耗試薬(18)の前記関連するロット識別コード(24)を読み取るように構成されたロット識別コードリーダ(26)を含み、前記関連するロット識別コード(24)は、磁気IDタグであり、前記ロット識別コードリーダ(26)は、磁気IDタグリーダである請求項27に記載の方法。
【請求項37】
前記測定装置は、前記消耗試薬(18)の前記関連するロット識別コード(24)を読み取るように構成されたロット識別コードリーダ(26)を含み、前記消耗試薬は、使い捨てのストリップ(20)上で提供され、前記関連するロット識別コード(24)は、前記使い捨てのストリップ(20)を提供する容器(21)上で提供される請求項27に記載の方法。
【請求項38】
前記測定装置は、前記消耗試薬(18)の前記関連するロット識別コード(24)を読み取るように構成されたロット識別コードリーダ(26)を含み、前記消耗試薬は、使い捨てのストリップ(20)上で提供され、前記関連するロット識別コード(24)は、前記使い捨てのストリップ(20)上で提供される請求項27に記載の方法。
【請求項39】
前記ホスト装置は、データ管理システム(34)である請求項27に記載の方法。
【請求項40】
前記ホスト装置は、別の測定装置(50、58)である請求項27に記載の方法。
【請求項41】
前記ホスト装置は、コンピュータステーション(54)である請求項27に記載の方法。
【請求項42】
前記ホスト装置は、ドッキングステーション(44)である請求項27に記載の方法。
【請求項43】
前記ホスト装置は、リムーバブルマシン可読メモリリーダ(48)である請求項27に記載の方法。
【請求項44】
前記第2のロット識別コードセット(24'1,... 24'n)および前記較正データ(321,... 32n)は、前記ホスト装置のメモリの中で提供され、前記メモリは、リムーバブルマシン可読メモリ(46)である請求項27に記載の方法。
【請求項45】
前記第2のロット識別コードセット(24'1,... 24'n)および前記較正データ(321,... 32n)は、前記ホスト装置のメモリの中で提供され、前記メモリは、リムーバブルマシン可読メモリ(46)であり、前記ホスト装置は、ドッキングステーション(44)である請求項27に記載の方法。
【請求項46】
前記ホスト装置は、前記第2のロット識別コードセット(24'1,... 24'n)および前記較正データ(321,... 32n)を含むメモリ(8、46)へのアクセスを有する請求項27に記載の方法。
【請求項47】
前記ホスト装置と通信する、前記第2のロット識別コードセット(24'1,... 24'n)および前記較正データ(321,... 32n)を含むデータベース(28)をさらに含む請求項27に記載の方法。
【請求項48】
公共ネットワーク(36)を介して前記ホスト装置と通信する、前記第2のロット識別コードセット(24'1,... 24'n)および前記較正データ(321,... 32n)を含むデータベース(28)をさらに含む請求項27に記載の方法。
【請求項49】
前記測定装置は、ディスプレイ(14)を有し、前記関連するロット識別コード(24)に関連する前記較正データ(32)を使用して、試験結果を算出し、前記試験結果を前記ディスプレイ上に表示するように構成される請求項27に記載の方法。
【請求項50】
合致が存在しない場合、前記試薬(18)が、使用されることを許可されていないことを示すメッセージを、前記測定装置上で表示することをさらに含む請求項27に記載の方法。
【請求項51】
合致が存在しない場合、前記試薬(18)が、使用されることを許可されていないことを示すメッセージを、前記測定装置上で表示し、同様のメッセージを指定された職員に送信して、是正措置がとられることが可能であるようにすることをさらに含む請求項27に記載の方法。
【請求項52】
前記関連するロット識別コード(24)は、関連する有効期限日を有する請求項27に記載の方法であって、
前記有効期限日が過ぎた後、前記試薬が、使用されることを許可されていないことを示すメッセージを、前記測定装置上で表示することをさらに含む方法。
【請求項53】
前記測定装置は、臨床化学分析装置(11)である請求項27に記載の方法。
【請求項54】
前記較正データ(321,... 32n)は、前記消耗試薬(18)の1つまたは複数のロットに固有である請求項27に記載の方法。
【請求項55】
消耗試薬(18)に関連するロット識別コード(24)を含むリムーバブルマシン可読メモリ(46)と、
前記リムーバブルマシン可読メモリ(46)から前記消耗試薬(18)の前記ロット識別コード(24)を読み取るように構成されたリムーバブルマシン可読メモリリーダ(48)と、
測定プロセスにおいて前記消耗試薬(18)を使用するように構成された測定装置(4)とを含む測定システム(2)であって、
前記測定装置(4)は、前記リーダ(48)と通信して、前記消耗試薬(18)に関連する前記ロット識別コード(24)を受信するように構成されるシステム(2)。
【請求項56】
前記リーダは、ポータブルである請求項55に記載の測定システム。
【請求項57】
前記測定装置と前記ロットリーダは、無線通信(38)するように構成される請求項55に記載の測定システム。
【請求項58】
前記リーダは、ポータブルであり、前記測定装置と前記リーダは、無線通信(38)するように構成される請求項55に記載の測定システム。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4A】
image rotate

【図4B】
image rotate


【公表番号】特表2008−537128(P2008−537128A)
【公表日】平成20年9月11日(2008.9.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−507026(P2008−507026)
【出願日】平成18年5月16日(2006.5.16)
【国際出願番号】PCT/EP2006/004579
【国際公開番号】WO2006/122741
【国際公開日】平成18年11月23日(2006.11.23)
【出願人】(591003013)エフ.ホフマン−ラ ロシュ アーゲー (1,754)
【氏名又は名称原語表記】F. HOFFMANN−LA ROCHE AKTIENGESELLSCHAFT
【Fターム(参考)】