湿度検出装置および当該装置を備えた画像形成装置
【課題】湿度センサの種類を容易に判別でき、湿度センサの種類に応じた適正な処理を行うことが可能な湿度検出装置を提供すること。
【解決手段】湿度検出装置は切替手段、算出手段、判別手段および制御手段を含む。切替手段は、湿度センサに印加する交流電圧の周波数を、第1周波数(100kHz)と、該第1周波数と異なる第2周波数(100Hz)とに切替える(ステップS70)。算出手段は、第1周波数での湿度センサのインピーダンスの第1検出値と、第2周波数でのインピーダンスの第2検出値とを用いて、インピーダンスの差を算出する(ステップS90)。判別手段は、算出されたインピーダンスの差に基づいて湿度センサを判別する(ステップS100)。制御手段は、湿度を検出する際、判別された湿度センサに対応した処理を行う(ステップS120、S125)。
【解決手段】湿度検出装置は切替手段、算出手段、判別手段および制御手段を含む。切替手段は、湿度センサに印加する交流電圧の周波数を、第1周波数(100kHz)と、該第1周波数と異なる第2周波数(100Hz)とに切替える(ステップS70)。算出手段は、第1周波数での湿度センサのインピーダンスの第1検出値と、第2周波数でのインピーダンスの第2検出値とを用いて、インピーダンスの差を算出する(ステップS90)。判別手段は、算出されたインピーダンスの差に基づいて湿度センサを判別する(ステップS100)。制御手段は、湿度を検出する際、判別された湿度センサに対応した処理を行う(ステップS120、S125)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は湿度検出装置および当該装置を備えた画像形成装置に関し、詳しくは、湿度検出装置に用いられる湿度センサの適正化に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、特許文献1には、物理量変化装置によって温度の設定値を変化させて作成したデータテーブルに基づき、温度の変化によってばらつく湿度センサからの検出値から適正な計測値を読み取る技術が開示されている。
【0003】
また、一般的に、湿度によるインピーダンス(抵抗)の変化を利用して湿度を検出する抵抗可変型の湿度センサは、周囲温度に応じてもそのインピーダンスが変化する。さらに、湿度センサの種類によって湿度によるインピーダンスの変化特性は大きく異なるので、適正な湿度センサの制御を行うためには、使用環境に応じて湿度センサを使い分けるのが望ましい。その際、使用される湿度センサの種類を判別するために、センサの種類によって異なるインピーダンス特性を利用することが考えられる。
【特許文献1】特開2006−275761公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、使用現場において、使用湿度センサの温度および湿度に対するインピーダンス特性を測定することはほとんど不可能に近く、また、実験室において使用湿度センサのインピーダンス特性を測定して湿度センサの種類を判別することは時間と労力を要し煩雑である。
【0005】
本発明は上記のような事情に基づいて完成されたものであって、湿度センサの種類を容易に判別でき、湿度センサの種類に応じた適正な処理を行うことが可能な湿度検出装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記の目的を達成するための手段として、第1の発明の湿度検出装置は、湿度によるインピーダンスの変化を利用して前記湿度を検出する湿度センサであって、交流電圧の印加に応じて湿度検出信号を生成する湿度センサと、前記湿度センサに前記交流電圧を印加する印加手段と、前記湿度検出信号に基づいて前記インピーダンスを検出する検出手段と、前記交流電圧の周波数を、少なくとも、第1周波数と、該第1周波数と異なる第2周波数とに切替える切替手段と、前記湿度センサの周囲温度を検出する温度センサと、前記第1周波数での前記インピーダンスの第1検出値と、前記第2周波数での前記インピーダンスの第2検出値とを用いて、前記インピーダンスの差および/または変化率を算出する算出手段と、算出されたインピーダンスの差および/または変化率に基づいて前記湿度センサを判別する判別手段と、前記湿度を検出する際、判別された湿度センサに対応した処理を行う制御手段とを備える。
【0007】
本構成によれば、単に、湿度センサのインピーダンスの差および/または変化率に基づいて湿度センサの種類を判別でき、湿度センサの種類に応じた処理、例えば、湿度センサに適した交流電圧印加部の選択を行うことができる。すなわち、湿度センサの種類を容易に判別でき、湿度センサの種類に応じた適正な処理を行うことができる。また、異なる特性を有する湿度センサが、共通の回路基板において使用可能となり、部品使用の融通性が向上するとともに、部品の入手性が向上する。なお、本明細書において「インピーダンス」は、「抵抗」の意味で使用し、リアクタンス成分は含まれないものとする。
【0008】
第2の発明は、第1の発明の湿度検出装置において、前記切替手段は、前記第1周波数の値として切替可能な上限値を、前記第2周波数の値として切替可能な下限値を用い、あるいは、前記第1周波数の値として切替可能な下限値を、前記第2周波数の値として切替可能な上限値を用いる。
【0009】
本構成によれば、所定温度および所定湿度において、湿度センサのインピーダンス差は駆動周波数のレンジが広いほど大きくなる特性がある。そのため、切替可能な周波数の上限値および下限値におけるインピーダンス測定に基づくインピーダンス差あるいは変化率によって、効率良く湿度センサの種類を判別できる。
【0010】
第3の発明は、第1または第2の発明の湿度検出装置において、判別手段は、前記インピーダンスの差および/または変化率を所定の判別基準と比較することによって前記湿度センサを判別し、前記湿度検出装置は、前記温度センサによって検出される周囲温度および/または前記湿度センサよって検出される周囲湿度に応じて前記判別基準を変更する変更手段をさらに備える。
【0011】
本構成によれば、湿度センサを、所定の判別基準に基づいて判別することによって、その判別がより適正化される。また、湿度センサのインピーダンスの差および/または変化率が周囲温度および/または湿度に依存する場合、例えば、周囲温度および/または湿度に対応する判別基準テーブルを設け、判別基準テーブルを参照して、判別基準を周囲温度および/または湿度に応じて変更することによって、精度良く湿度センサの種類を判別できる。
【0012】
第4の発明は、第1〜第3の発明のいずれか一つの湿度検出装置において、前記印加手段は、前記湿度センサの一方端に前記交流電圧を印加する第1印加部と、前記湿度センサの他方端に接続される第1抵抗を有し、前記第1印加部が印加する電圧とは逆相の電圧を前記湿度センサの他方端に印加する第2印加部と、第1抵抗の抵抗値と異なる抵抗値を有する第2抵抗であって、前記湿度センサの他方端に接続される第2抵抗を有し、前記第1印加部が印加する電圧とは逆相の電圧を前記湿度センサの他方端に印加する第3印加部と、を含み、前記制御手段は、算出されたインピーダンスの差および/または変化率に応じて前記第2印加部および前記第3印加部のうちのいずれか一方を選択する。
【0013】
本構成によれば、湿度センサのインピーダンスの差および/または変化率に応じて、湿度センサに適応した印加部を選択することができるので、精度良く湿度を検出することができる。
【0014】
第5の発明は、第1〜第4の発明のいずれか一つの湿度検出装置において、前記湿度検出信号のデータと、検出された前記周囲温度に応じた検出湿度データとを対応させる、判別される湿度センサに対応した複数の温度補正テーブルを記憶する記憶手段をさらに備え、前記制御手段は、前記複数の温度補正テーブルのうち、前記判別された湿度センサに対応した温度補正テーブルから、前記湿度検出信号データに対応した前記検出湿度データを読み出す。
本構成によれば、判別された湿度センサに応じた温度補正処理をすることができるので、精度良く湿度を検出することができる。
【0015】
第6の発明は、第1〜第4の発明のいずれか一つの湿度検出装置において、前記湿度検出信号のデータと、検出された前記周囲温度に応じた検出湿度データとを対応させる基準温度補正テーブルを記憶する記憶手段をさらに備え、前記制御手段は、前記基準温度補正テーブルから読み出した前記検出湿度データを、前記判別された湿度センサに応じて修正する。
本構成によれば、各湿度センサに対応した温度補正テーブルを記憶する必要がないので、記憶手段を有効に使用できる。
【0016】
第7の発明は、第1〜第6の発明のいずれか一つの湿度検出装置において、前記判別手段は、前記インピーダンスの差および/または変化率が所定値以下であるとき、前記湿度検出装置において何らかの異常が発生したと判断し、異常を報知するための報知信号を生成する。
【0017】
本構成によれば、インピーダンスの差および/または変化率によって、湿度センサあるいは周辺回路等の湿度検出装置における異常を検出し、その異常を、例えば内部あるいは外部の報知装置に報知信号を供給することによってユーザに知らせることができる。
【0018】
第8の発明の画像形成装置は、第1〜第7の発明のいずれか一つの湿度検出装置と、画像データに基づき対象物上に画像を形成する画像形成ユニットと、前記湿度検出装置によって検出された湿度に基づいて前記画像形成ユニットの画像形成処理を制御する装置制御手段とを備える。
【0019】
本構成によれば、画像形成装置における湿度検出装置において、湿度センサの種類を容易に判別でき、湿度センサの種類に応じた適正な処理を行うことができる。そのため、異なる特性を有する湿度センサを使用する場合であっても、所定の形成画像の品質を確保できる。また、画像形成装置において、異なる特性を有する湿度センサが、共通の回路基板において使用可能となり、部品使用の融通性が向上するとともに、部品の入手性が向上する。
【発明の効果】
【0020】
本発明の湿度検出装置によれば、湿度センサの種類を容易に判別でき、湿度センサの種類に応じた適正な処理を行うことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
<実施形態1>
1.湿度検出装置の全体構成
本発明の実施形態1に係る湿度検出装置を、図1〜図9を参照しつつ説明する。図1は、実施形態1の湿度検出装置20の概略的な回路構成を示す。図1に示されるように、湿度検出装置20は大きくは、湿度を検出するための検出部21と、検出部21を制御する制御部22とを備える。
【0022】
検出部21は、例えば、同一のセンサ基板21a上に形成され、湿度を検出し、湿度検出信号Shを生成する湿度センサ23と、湿度センサ23の周囲温度を検出し、温度検出信号Stを生成する温度センサ24(ここでは、例えばサーミスタ)とを含む。
【0023】
ここで、抵抗可変型の湿度センサ23として、好ましくは、高分子系(水溶性)湿度センサが使用される。それは、高分子系(水溶性)湿度センサは、低コストであり、また、湿度検出範囲が広いため、高湿度環境においても湿度を好適に検出できるからである。さらに、後述するように、印加される交流電圧の周波数(駆動周波数)の相違によるインピーダンスの差が生じ易いからである。
【0024】
制御部22は、湿度センサ23に交流電圧を印加するCPU(印加手段、検出手段、算出手段、判別手段、制御手段、切替手段および変更手段の一例)25を含む。CPU25は、湿度検出時には、湿度センサ23にはその特性から交流駆動が要求されるため、その電源電圧として交流電圧を湿度センサ23に印加する。CPU25は、その交流電圧を印加するために、第1PWMポート(第1印加部)P1を介して、第1PWM信号PWM1を、湿度センサの第1端子23aに印加する。ここで、CPU25は、例えば、ASIC(特定用途向け集積回路)によって構成される。
【0025】
また、CPU25は、その交流電圧を湿度センサ23に印加するために、第2PWMポート(第2印加部)P2あるいは第3PWMポート(第3印加部)P3を介して、第1PWM信号PWM1とは逆相の第2PWM信号PWM2あるいは第3PWM信号PWM3を湿度センサの第2端子(他方端の一例)23bに印加する(図2参照)。すなわち、湿度センサ23は、第1PWM信号PWM1と第2PWM信号PWM2あるいは第3PWM信号PWM3との合成信号によって交流駆動される。なお、第1PWM信号PWM1、第2PWM信号PWM2および第3PWM信号PWM3は、それぞれ出力バッファ28を介して出力される。なお、図2のタイムチャートに、第1PWM信号PWM1、第2および第3PWM信号(PWM2、PWM3)、ならびに湿度検出信号Shの波形例を示す。ここでは、第1PWM信号PWM1、第2および第3PWM信号(PWM2、PWM3)の周波数は1kHzであり、パルスデューティ比は50%である。
【0026】
制御部22は、また、湿度センサの第2端子23bと第2PWMポートP2との間に接続され、湿度センサ23の抵抗(インピーダンス)との分圧によって湿度検出信号(電圧信号)Shを生成する第1検出抵抗R1と、温度センサ24とグランドとの間に接続され、温度センサ24による抵抗との、電源Vccの分圧によって温度検出信号(電圧信号)Stを生成する温度検出抵抗Rtとを含む。さらに、制御部22は、湿度センサの第2端子23bと第3PWMポートP3との間に接続され、湿度検出信号Shを生成する、第1検出抵抗R1の抵抗値と異なる抵抗値を有する第2検出抵抗R2を備える。なお、第1検出抵抗R1および第2検出抵抗R2の抵抗値は、判別する湿度センサ23のインピーダンスに応じて適宜決定される。ここでは、第1検出抵抗R1の抵抗値は第2検出抵抗R2の抵抗値より小さい。
【0027】
また、CPU25は、A/D変換回路26を含む。A/D変換回路26は、第1ADポートAD1を介して湿度検出信号Shを受け取り、湿度検出信号Shに応じた、デジタル値である湿度読取値DShを生成する。A/D変換回路26は、また、第2ADポートAD2を介して温度検出信号Stを受け取り、温度検出信号Stに応じた、デジタル値である温度読取値DStを生成する。CPU25は、湿度読取値DShおよび温度読取値DStに基づいて湿度検出に係る処理を行う。
【0028】
CPU25は、また、湿度検出に係る温度補正テーブルTbAおよびTbBや湿度検出に係る制御プログラム等が格納されたROM27を含む。そして、CPU25は、その温度補正テーブルTbAおよびTbBを用いて、温度読取値DStおよび湿度読取値DShに基づいて周囲温度に応じた検知湿度データを得る。
【0029】
CPU25は、また、PWM制御回路(印加手段および切替手段の一例)29を含む。PWM制御回路29は、第1〜第3PWM信号(PWM1、PWM2、PWM3)を生成するとともに、その周波数を切替える。また、PWM制御回路29は、判別されたセンサに応じて第2および第3PWMポート(P2、P3)のいずれか一つを選択する。
【0030】
2.湿度検出装置による湿度センサの判別動作
次に、図3〜図9を参照して、湿度検出装置20による湿度センサ23の判別動作について説明する。
図3は、印加交流電圧(PWM信号)の周波数(100Hz、1kHz、100kHz)の違いによる、高分子系(水溶性)湿度センサAのインピーダンスRzと湿度との関係を示すグラフである。また、図4は、同じく、印加交流電圧の周波数の違いによる、高分子系(水溶性)湿度センサBのインピーダンスRzと湿度との関係を示すグラフである。図3および図4に示されるように、高分子系(水溶性)湿度センサの種類によって印加交流電圧の各周波数に応じたインピーダンス−湿度曲線が異なる。そのため、実施形態1においては、湿度センサにおける、各インピーダンス−湿度曲線の相違を利用して、種類の異なる、例えばメーカーが異なる湿度センサを判別する。
【0031】
より具体的には、高周波(本発明における「第1周波数」あるいは「第2周波数」に相当する)でのインピーダンスRzの第1検出値と、低周波(本発明における「第2周波数」あるいは「第1周波数」に相当する)でのインピーダンスRzの第2検出値との差を算出し、そのインピーダンスRzの差に基づいて前記湿度センサを判別する。
【0032】
なお、異なる駆動周波数における湿度センサ23のインピーダンスRzを利用した湿度センサ23の判別は、インピーダンスRzの差のみならず、インピーダンスRzの変化率、あるいはインピーダンスRzの差およびインピーダンスRzの変化率に基づいて行うこともできる。
【0033】
なお、湿度センサ23のインピーダンス(抵抗)Rzは、湿度検出信号Shの電圧値をVd1、PWM信号の電圧値をVp、第1検出抵抗の抵抗値をR1とし、第2PWMポートP2が選択されているとすると、下の式1で表される。
Rz=((Vp−Vd1)/Vd1)R1 …… 式1
ここで、VpおよびR1は既知のため、湿度検出信号Shの電圧値Vd1からインピーダンスRzが算出される。すなわち、湿度センサ23のインピーダンスRzと湿度検出信号Shの電圧値Vd1(検出湿度)とは対応関係にあり、CPU(検出手段の一例)25は、湿度検出信号Shに基づいてインピーダンスRzを検出する。詳しくは、CPU25は、式1にしたがってインピーダンスRzを算出することによって、インピーダンスRzを検出する。
【0034】
また、ここで湿度センサ23は、必ずしも高分子系(水溶性)湿度センサに限られず、要は、印加交流電圧の周波数に応じて、インピーダンスRzに差の出る湿度センサであればよい。
【0035】
以下において、実施形態1におけるセンサ判別の処理を、図5のフローチャートを参照して詳述する。図5は、本実施形態によるの湿度センサの判別に係る処理の流れを示すフローチャートである。本処理は、所定の処理プログラムにしたがってCPU25によって実行され、湿度検出装置20への電源の供給に伴って開始される。
【0036】
図5のステップS10において、CPU25、詳しくはPWM制御回路29は、通常の湿度検出時の周波数である1kHzの周波数の第1PWM信号PWM1および第2PWM信号PWM2を湿度センサ23に印加する。このとき第3PWMポートP3はハイインピーダンス状態とされる。次いで、ステップS20において、CPU25は、温度センサ24から温度検出信号Stを読み込み、湿度センサ23の周囲温度を検出する。
【0037】
次いで、ステップS30において、湿度センサ23から湿度検出信号Shを読み込み、湿度センサ23の周囲湿度を検出する。そして、ステップS40において、CPU25は、検出した温度および湿度から、判別基準値DZを決定する。その際、CPU25は、例えば、温度および湿度と、判別基準値との対応を示す判別基準テーブルデータを参照して、判別基準値DZを決定する。ここで、判別基準値DZは、後述する、湿度センサ23のインピーダンスRzの高周波時と低周波時との差によって湿度センサ23を判別するための基準値である。なお、判別基準テーブルデータは例えば、ROM27に格納されている。
【0038】
次いで、ステップS50において、CPU25は、第1PWM信号PWM1および第2PWM信号PWM2の周波数を通常の1kHzから高周波の、例えば100kHzに切替える。ここで、100kHzの周波数は、CPU25、詳しくはPWM制御回路29が切替可能な上限値である。そして、ステップS60において、高周波時の湿度検出信号Shを読み込み、高周波時の湿度(電圧値)を保持する。
【0039】
また、ステップS70において、CPU25は、第1PWM信号PWM1および第2PWM信号PWM2の周波数を100kHzから低周波の、例えば100Hzに切替える。ここで、100Hzの周波数は、CPU25が切替可能な下限値である。そして、ステップS80において、低周波時の湿度検出信号Shを読み込み、低周波時の湿度(電圧値)を保持する。
【0040】
次いで、ステップS90において、「高周波時のデータ」と「低周波時のデータ」との差、ここで「データ」は、湿度検出信号Shから式1によって算出される湿度センサ23のインピーダンスRzとする。すなわち、ステップS90において、CPU25は、湿度センサ23のインピーダンスRzの高周波時と低周波時との差を算出する。そして、ステップS100において、インピーダンスRzの差が判別基準値DZ以上かどうかを判定する。
【0041】
なお、判別基準値DZは上記したように、周囲温度および周囲湿度によって異なる。その具体例を、図6〜図8を参照して説明する。図6は、例えば、周囲温度25℃における、2種類の湿度センサAおよびセンサBのインピーダンスRzの差と相対湿度との関係を概略的に例示するグラフである。ここでは、例えば、低湿度領域では判別基準値をDZLとし、中湿度領域では判別基準値をDZMとし、高湿度領域では判別基準値をDZHとする例が示される。なお、周囲湿度による判別基準値の設定態様は、これに限られず、判別する湿度センサのインピーダンスの周波数特性に応じて適宜設定されればよい。
【0042】
また、図7は、周囲温度50℃における、湿度センサAおよびBのインピーダンスRzの差と相対湿度との関係を概略的に例示するグラフである。ここでは、中湿度領域の判別基準値DZM1のみが示される。また、図8は、周囲温度0℃における、湿度センサAおよびBのインピーダンスRzの差と相対湿度との関係を概略的に例示するグラフである。ここでも、中湿度領域の判別基準値DZM2のみが示される。
【0043】
さて、ステップS100において、インピーダンスRzの差が判別基準値DZ以下であると判定された場合には、例えば、温度が25℃で、湿度が50%であるとすると、インピーダンスRzの差が判別基準値DZM以下であると判定された場合には、ステップS110において、CPU25は、湿度センサ23が図6に示されるセンサAであることを検出する(図6参照)。そして、ステップS120において、CPU25は、温度補正テーブルTbAおよび第2PWMポートP2を選択し、第3PWMポートP3をハイインピーダンス状態とする。
【0044】
次いで、ステップS130において、CPU25は、第1PWM信号PWM1および第2PWM信号PWM2の周波数を通常の1kHzに戻し、通常の湿度検出を開始する。なお、上記したように、第1検出抵抗R1は第2検出抵抗R2より小さい抵抗値を有する。それは、センサAのインピーダンスRzがセンサBのインピーダンスRzより小さいためである(図3および図4参照)。すなわち、センサAとセンサBとのインピーダンスRzの違いによる、湿度検出信号(電圧信号)Shの値の変動を抑制し、センサに依存せずに所定の検出感度を得るためである。
【0045】
一方、ステップS100において、インピーダンスRzの差が判別基準値DZ以下でないと判定された場合には、例えば、温度が25℃で、湿度が50%であるとすると、インピーダンスRzの差が判別基準値DZM以下でないと判定された場合には、ステップS115において、CPU25は、湿度センサ23が図6に示されるセンサBであることを検出する(図6参照)。そして、ステップS125において、CPU25は、温度補正テーブルTbBおよび第3PWMポートP3を選択し、第2PWMポートP2をハイインピーダンス状態とする。そして、ステップS130において通常制御に戻る。
【0046】
なお、ここで、温度補正テーブルTbAおよびTbBは、判別されるセンサAおよびセンサBに対応して事前に作成され、例えば、ROM27に格納される。また、第2PWMポートP2および第3PWMポートP3の選択、すなわち、分圧抵抗R1およびR2の値は、センサAおよびセンサBの特性に対応して、所定の検出感度を得られるように事前に決定される。
【0047】
図9に温度補正テーブルTbの例の一部を示す。CPU25は、湿度読取値(検出電圧)DShと温度読取値DStとに対応する検出湿度データを温度補正テーブルTbから読み出して、その読み出した検出湿度データを検出湿度とする。すなわち、湿度読取値(検出電圧)DShがそのまま検出湿度とされるのではなく、温度補正テーブルTbを用いて、周囲温度に応じたデータによって検出湿度とされる。
【0048】
なお、判別される湿度センサ23は2種類に限定されず、例えば、3種類あるいは4種類であってもよい。その場合、湿度センサの特性に応じて、温度補正テーブルを3種類あるいは4種類設け、第4PWMポート、さらに第5PWMポート、第3分圧抵抗、さらに第4分圧抵抗を設けるようにすればよい。また、判別基準値DZも2種類あるいは3種類、設けるようにすればよい。さらに、2種類以上の湿度センサを判別する際に、第1検出抵抗R1をデジタルポテンショメータとし、判別された湿度センサに対応する分圧抵抗を、デジタルポテンショメータの調整によって構成することによって、分圧抵抗の構成を簡易化することができる。
【0049】
また、判別されるセンサに対応して複数の温度補正テーブルTbを記憶することに代えて、ROM27に一つの基準温度補正テーブルTbのみを記憶するようにしてもよい。この場合、CPU25は、基準温度補正テーブルTbから読み出した温度補正データを、判別された湿度センサに応じて修正し、修正された温度補正データを検出湿度とする。この場合の、温度補正データの修正例として、例えば、読み出された温度補正データ(湿度データ)に、判別された湿度センサに応じた所定湿度(例えば、1%あるいは2%)を加算あるいは減算するようにする。その際、検出湿度領域に応じて、加算あるいは減算する所定湿度を変更するようにしてもよい。
【0050】
3.実施形態1の効果
単に、異なる駆動周波数での湿度センサ23のインピーダンスの差に基づいて湿度センサ23の種類を容易に判別できる。そして、判別された湿度センサ23の種類に応じた処理、すなわち、判別された湿度センサ23に適合した検出抵抗の選択および温度補正テーブルの選択を行うことができる。そのため、湿度センサ23の種類に応じた適正な処理を行うことができ、精度良く湿度を検出することができる。また、インピーダンス周波数特性が異なる複数の湿度センサ23が、共通の回路基板21aにおいて使用可能となり、使用する湿度センサ23の融通性が向上するとともに、湿度センサ23の入手性が向上する。
【0051】
所定温度および所定湿度においては、湿度センサ23のインピーダンス差は、駆動周波数のレンジが広いほど、すなわち、駆動周波数の差が大きいほど、大きくなる特性がある。そのため、切替可能な周波数の上限値(100kHz)および下限値(100Hz)におけるインピーダンスに基づくインピーダンス差を使用することによって、効率良く湿度センサの種類を判別できる。
【0052】
湿度センサ23が、所定の判別基準(DZL、DZM、DZH)に基づいて判別されるため、その判別がより適正化される。また、判別基準(DZL、DZM、DZH)が周囲温度に応じて変更されるため、精度良く湿度センサの種類を判別できる。
【0053】
<実施形態2>
次に、本発明の実施形態2に係る画像形成装置を、図10を参照しつつ説明する。図10は、実施形態2の画像形成装置としてのカラーレーザプリンタ(以下、単に「プリンタ1」という)1の内部構成を表す概略断面図である。なお、画像形成装置はカラーレーザプリンタに限られず、例えば、LEDプリンタ、モノクロプリンタであってもよく、あるいはコピー機能等を備えた、いわゆる複合機であってもよい。
【0054】
図10に例示するプリンタ1は、トナー像形成部(画像形成ユニットの一例)4、用紙搬送ベルト6、定着部8、給紙部9、プリンタ制御部(装置制御手段の一例)10、および湿度検出装置20等を備え、印刷媒体として用紙Pに、外部から入力される画像データに応じた4色の画像を形成する。ここで、湿度検出装置20は、上記実施形態1に記載した湿度検出装置である。
【0055】
そして、トナー像形成部4は、イエロー,マゼンタ,シアン,及びブラックのトナーをそれぞれ貯留した4個の現像ユニット51Y,51M,51C,51Bと、4個の感光体ドラム3と、その感光体ドラム3を一様に帯電させる4個の帯電器31と、該帯電後の感光体ドラム3の表面を例えばレーザ光で露光して画像データに応じた静電潜像を形成する4個のスキャナユニット41とを備えている。なお、スキャナユニット41は、大部分の図示が省略されており、最終的にレーザ光が出射される部分のみが図示されている。
【0056】
また、現像ユニット51Y,51M,51C,51Bはそれぞれ、トナーを感光体ドラム3へ供給する現像ローラ52を有し、感光体ドラム3上に形成された静電潜像に対して、トナー像を現像する。
【0057】
一方、給紙部9は、用紙Pを収容する収容トレイ91と、用紙(対象物)Pを送り出すピックアップローラ92とから構成されている。そして、収容トレイ91に収容された用紙Pは、ピックアップローラ92により、給紙部9から1枚ずつ取り出され、搬送ローラ98,レジストローラ99を介して用紙搬送ベルト6に送られる。
【0058】
また、各感光体ドラム3と対向する位置の近傍には、用紙搬送ベルト6を挟んで転写ローラ61がそれぞれ設けられている。そして、用紙搬送ベルト6は、感光体ドラム3と対向する側の表面が、図9に示すように、図中右方向から図中左方向へ移動して、レジストローラ99から送られて来る用紙Pを、感光体ドラム3との間へ順番に搬送して定着部8へ送る。
【0059】
転写ローラ61は、高圧制御装置(図示せず)により転写ローラ61と感光体ドラム3との間にトナーの帯電極性と逆極性の転写バイアス(例えば−10〜−11μA、電圧としては最大6kV)が印加されて、感光体ドラム3上に形成されたトナー像を用紙搬送ベルト6により搬送される用紙Pに転写する。
【0060】
また、定着部8は、加熱ローラ81と、加圧ローラ82とから構成され、トナー像が転写された用紙Pを、加熱ローラ81及び加圧ローラ82によって狭持搬送しながら加熱及び加圧することにより、トナー像を用紙Pに定着させる。
【0061】
プリンタ制御部10は、図示しないCPUを用いた制御装置などにより構成され、プリンタ1の動作全般の制御を行う。また、プリンタ制御部10は、湿度検出装置20によって検出された湿度に基づいてトナー像形成部4の画像形成処理を制御する。具体的には、例えば、トナー像形成部4におけるトナーを帯電させるバイアスを、検出湿度に応じて制御し、現像ユニット51から感光体ドラム3へのトナーの供給量を湿度に応じて制御する。あるいは、転写ローラ61に印加する転写バイアスを検出湿度に応じて制御し、湿度によらずにトナー像を良好に用紙Pに転写させる。すなわち、プリンタ制御部10は、湿度検出装置20によって検出された湿度に基づいて、湿度によらずに形成画像の所定品質を維持する。
【0062】
したがって、実施形態2の構成によれば、プリンタ1における湿度検出装置20において、実施形態1と同様の効果が得られる。そのため、プリンタ1において、異なる特性を有する湿度センサ23を使用する場合であっても、形成画像の所定の品質を確保できる。
【0063】
<他の実施形態>
本発明は上記記述及び図面によって説明した実施形態に限定されるものではなく、例えば次のような実施形態も本発明の技術的範囲に含まれる。
【0064】
(1)上記各実施形態においては、CPU25は算出されたインピーダンスの差に基づいて湿度センサ23を判別する例を示したが、これに限られない。例えば、高周波および低周波において検出されたインピーダンスの変化率に基づいて、あるいはインピーダンスの差および変化率に基づいて湿度センサ23を判別するようにしてもよい。
【0065】
例えば、図11は、図6におけるインピーダンスの差をインピーダンスの変化率(百分率;%)に変更して示した図であり、図11に示されるように、インピーダンスの変化率(%)で示した場合においても、センサAおよびセンサBにおいて差が存在する。そのため、変化率に係る所定の判別基準値DHRを設定し、その判別基準値DHRによってセンサAおよびセンサBを判別することができる。また、判別する湿度センサの特性によっては、湿度領域によって、インピーダンスの差を用いた方が判別し易い湿度領域と、インピーダンスの変化率を用いた方が判別し易い湿度領域とがある場合には、インピーダンスの差および変化率の両方を用いて判別するようにしてもよい。例えば、低湿度領域においては、インピーダンスの差を用いて判別し、中湿度領域および高湿度領域においては、インピーダンスの変化率を用いて判別するようにしてよい(図6および図11参照)。
【0066】
(2)上記各実施形態においては、PWM信号の高周波(本発明の「第1周波数」または「第2周波数」に相当)を、100kHzであってCPU25が切替可能な上限値とし、低周波(本発明の「第2周波数」または「第1周波数」に相当)を、100HzであってCPU25が切替可能な下限値としたが、これに限定されない。本発明の「第1周波数」および「第2周波数」は、要は、異なる周波数によって、湿度センサを判別するためのインピーダンスの差あるいは変化率が得られるように、事前に実験等によって決定されたものであればよい。
【0067】
(3)上記各実施形態において、CPU(判別手段)25は、インピーダンスの差および/または変化率が所定値以下であるとき、湿度検出装置20において何らかの異常が発生したと判断し、異常を報知するための報知信号を生成するようにしてもよい。例えば、図6に示されるように、インピーダンスの差が所定値DZth(例えば、2kΩ)以下である場合に、CPU25は、報知信号Siを生成し、報知信号Siを外部の報知装置(図示せず)に供給するようにする。なお、報知装置を湿度検出装置20に設けるようにしてもよい。
【0068】
この場合、抵抗可変型の湿度センサは、その特性から通常、印加電圧の周波数(駆動周波数)に応じてインピーダンスが変化する。そのため、異なる駆動周波数に対して所定のインピーダンスの差および/または変化率が検出されなかった場合には、湿度センサ23あるいは周辺回路(例えば、駆動周波数を切替える回路)に異常が発生したと考えられる。そのため、インピーダンスの差および/または変化率と、所定値とに基づいて湿度検出装置における異常を検出し、例えば、報知信号を外部の報知装置に供給し、報知装置によって、その異常をユーザに知らせることができる。
【0069】
(4)上記各実施形態においては、湿度センサ23を、所定の判別基準に基づいて判別する例を示したが、単にインピーダンスの差および/または変化率によって湿度センサ23を判別できる場合には、判別基準との比較によらずに湿度センサ23を判別するようにしてもよい。
【0070】
(5)上記各実施形態においては、判別基準を周囲温度および周囲湿度に応じて変更する例を示したが、判別基準を周囲温度または周囲湿度に応じて変更するようにしてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0071】
【図1】本発明の実施形態1に係る湿度検出装置の概略的な回路図
【図2】実施形態1における湿度検出に係るタイムチャート
【図3】駆動周波数の違いによる、湿度センサのインピーダンスと湿度との関係を示すグラフ
【図4】複数の駆動周波数における、別の湿度センサのインピーダンスと湿度との関係を示すグラフ
【図5】湿度センサの判別処理の流れを示すフローチャート
【図6】2種類の湿度センサにおける、湿度センサのインピーダンス差と湿度との関係を示すグラフ
【図7】図6において、周囲温度が高い場合における、湿度センサのインピーダンス差と湿度との関係を概略的に示すグラフ
【図8】図6において、周囲温度が低い場合における、湿度センサのインピーダンス差と湿度との関係を示すグラフ
【図9】温度補正テーブルの一例を示す表
【図10】本発明の実施形態3に係る画像形成装置の概略的な構成図
【図11】2種類の湿度センサにおける、湿度センサのインピーダンス変化率と湿度との関係を示すグラフ
【符号の説明】
【0072】
1…プリンタ(画像形成装置)
4…トナー像形成部(画像形成ユニット)
10…プリンタ制御部(装置制御手段)
20…湿度検出装置
23…湿度センサ
24…温度センサ
25…CPU(印加手段、検出手段、制御手段、算出手段、判別手段、切替手段、変更手段)
29…PWM制御回路(印加手段、切替手段)
P1…第1PWMポート(第1印加部)
P2…第2PWMポート(第2印加部)
P3…第3PWMポート(第3印加部)
R1…第1検出抵抗(第1抵抗)
R2…第2検出抵抗(第2抵抗)
TbA、TbB…温度補正テーブル
【技術分野】
【0001】
本発明は湿度検出装置および当該装置を備えた画像形成装置に関し、詳しくは、湿度検出装置に用いられる湿度センサの適正化に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、特許文献1には、物理量変化装置によって温度の設定値を変化させて作成したデータテーブルに基づき、温度の変化によってばらつく湿度センサからの検出値から適正な計測値を読み取る技術が開示されている。
【0003】
また、一般的に、湿度によるインピーダンス(抵抗)の変化を利用して湿度を検出する抵抗可変型の湿度センサは、周囲温度に応じてもそのインピーダンスが変化する。さらに、湿度センサの種類によって湿度によるインピーダンスの変化特性は大きく異なるので、適正な湿度センサの制御を行うためには、使用環境に応じて湿度センサを使い分けるのが望ましい。その際、使用される湿度センサの種類を判別するために、センサの種類によって異なるインピーダンス特性を利用することが考えられる。
【特許文献1】特開2006−275761公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、使用現場において、使用湿度センサの温度および湿度に対するインピーダンス特性を測定することはほとんど不可能に近く、また、実験室において使用湿度センサのインピーダンス特性を測定して湿度センサの種類を判別することは時間と労力を要し煩雑である。
【0005】
本発明は上記のような事情に基づいて完成されたものであって、湿度センサの種類を容易に判別でき、湿度センサの種類に応じた適正な処理を行うことが可能な湿度検出装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記の目的を達成するための手段として、第1の発明の湿度検出装置は、湿度によるインピーダンスの変化を利用して前記湿度を検出する湿度センサであって、交流電圧の印加に応じて湿度検出信号を生成する湿度センサと、前記湿度センサに前記交流電圧を印加する印加手段と、前記湿度検出信号に基づいて前記インピーダンスを検出する検出手段と、前記交流電圧の周波数を、少なくとも、第1周波数と、該第1周波数と異なる第2周波数とに切替える切替手段と、前記湿度センサの周囲温度を検出する温度センサと、前記第1周波数での前記インピーダンスの第1検出値と、前記第2周波数での前記インピーダンスの第2検出値とを用いて、前記インピーダンスの差および/または変化率を算出する算出手段と、算出されたインピーダンスの差および/または変化率に基づいて前記湿度センサを判別する判別手段と、前記湿度を検出する際、判別された湿度センサに対応した処理を行う制御手段とを備える。
【0007】
本構成によれば、単に、湿度センサのインピーダンスの差および/または変化率に基づいて湿度センサの種類を判別でき、湿度センサの種類に応じた処理、例えば、湿度センサに適した交流電圧印加部の選択を行うことができる。すなわち、湿度センサの種類を容易に判別でき、湿度センサの種類に応じた適正な処理を行うことができる。また、異なる特性を有する湿度センサが、共通の回路基板において使用可能となり、部品使用の融通性が向上するとともに、部品の入手性が向上する。なお、本明細書において「インピーダンス」は、「抵抗」の意味で使用し、リアクタンス成分は含まれないものとする。
【0008】
第2の発明は、第1の発明の湿度検出装置において、前記切替手段は、前記第1周波数の値として切替可能な上限値を、前記第2周波数の値として切替可能な下限値を用い、あるいは、前記第1周波数の値として切替可能な下限値を、前記第2周波数の値として切替可能な上限値を用いる。
【0009】
本構成によれば、所定温度および所定湿度において、湿度センサのインピーダンス差は駆動周波数のレンジが広いほど大きくなる特性がある。そのため、切替可能な周波数の上限値および下限値におけるインピーダンス測定に基づくインピーダンス差あるいは変化率によって、効率良く湿度センサの種類を判別できる。
【0010】
第3の発明は、第1または第2の発明の湿度検出装置において、判別手段は、前記インピーダンスの差および/または変化率を所定の判別基準と比較することによって前記湿度センサを判別し、前記湿度検出装置は、前記温度センサによって検出される周囲温度および/または前記湿度センサよって検出される周囲湿度に応じて前記判別基準を変更する変更手段をさらに備える。
【0011】
本構成によれば、湿度センサを、所定の判別基準に基づいて判別することによって、その判別がより適正化される。また、湿度センサのインピーダンスの差および/または変化率が周囲温度および/または湿度に依存する場合、例えば、周囲温度および/または湿度に対応する判別基準テーブルを設け、判別基準テーブルを参照して、判別基準を周囲温度および/または湿度に応じて変更することによって、精度良く湿度センサの種類を判別できる。
【0012】
第4の発明は、第1〜第3の発明のいずれか一つの湿度検出装置において、前記印加手段は、前記湿度センサの一方端に前記交流電圧を印加する第1印加部と、前記湿度センサの他方端に接続される第1抵抗を有し、前記第1印加部が印加する電圧とは逆相の電圧を前記湿度センサの他方端に印加する第2印加部と、第1抵抗の抵抗値と異なる抵抗値を有する第2抵抗であって、前記湿度センサの他方端に接続される第2抵抗を有し、前記第1印加部が印加する電圧とは逆相の電圧を前記湿度センサの他方端に印加する第3印加部と、を含み、前記制御手段は、算出されたインピーダンスの差および/または変化率に応じて前記第2印加部および前記第3印加部のうちのいずれか一方を選択する。
【0013】
本構成によれば、湿度センサのインピーダンスの差および/または変化率に応じて、湿度センサに適応した印加部を選択することができるので、精度良く湿度を検出することができる。
【0014】
第5の発明は、第1〜第4の発明のいずれか一つの湿度検出装置において、前記湿度検出信号のデータと、検出された前記周囲温度に応じた検出湿度データとを対応させる、判別される湿度センサに対応した複数の温度補正テーブルを記憶する記憶手段をさらに備え、前記制御手段は、前記複数の温度補正テーブルのうち、前記判別された湿度センサに対応した温度補正テーブルから、前記湿度検出信号データに対応した前記検出湿度データを読み出す。
本構成によれば、判別された湿度センサに応じた温度補正処理をすることができるので、精度良く湿度を検出することができる。
【0015】
第6の発明は、第1〜第4の発明のいずれか一つの湿度検出装置において、前記湿度検出信号のデータと、検出された前記周囲温度に応じた検出湿度データとを対応させる基準温度補正テーブルを記憶する記憶手段をさらに備え、前記制御手段は、前記基準温度補正テーブルから読み出した前記検出湿度データを、前記判別された湿度センサに応じて修正する。
本構成によれば、各湿度センサに対応した温度補正テーブルを記憶する必要がないので、記憶手段を有効に使用できる。
【0016】
第7の発明は、第1〜第6の発明のいずれか一つの湿度検出装置において、前記判別手段は、前記インピーダンスの差および/または変化率が所定値以下であるとき、前記湿度検出装置において何らかの異常が発生したと判断し、異常を報知するための報知信号を生成する。
【0017】
本構成によれば、インピーダンスの差および/または変化率によって、湿度センサあるいは周辺回路等の湿度検出装置における異常を検出し、その異常を、例えば内部あるいは外部の報知装置に報知信号を供給することによってユーザに知らせることができる。
【0018】
第8の発明の画像形成装置は、第1〜第7の発明のいずれか一つの湿度検出装置と、画像データに基づき対象物上に画像を形成する画像形成ユニットと、前記湿度検出装置によって検出された湿度に基づいて前記画像形成ユニットの画像形成処理を制御する装置制御手段とを備える。
【0019】
本構成によれば、画像形成装置における湿度検出装置において、湿度センサの種類を容易に判別でき、湿度センサの種類に応じた適正な処理を行うことができる。そのため、異なる特性を有する湿度センサを使用する場合であっても、所定の形成画像の品質を確保できる。また、画像形成装置において、異なる特性を有する湿度センサが、共通の回路基板において使用可能となり、部品使用の融通性が向上するとともに、部品の入手性が向上する。
【発明の効果】
【0020】
本発明の湿度検出装置によれば、湿度センサの種類を容易に判別でき、湿度センサの種類に応じた適正な処理を行うことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
<実施形態1>
1.湿度検出装置の全体構成
本発明の実施形態1に係る湿度検出装置を、図1〜図9を参照しつつ説明する。図1は、実施形態1の湿度検出装置20の概略的な回路構成を示す。図1に示されるように、湿度検出装置20は大きくは、湿度を検出するための検出部21と、検出部21を制御する制御部22とを備える。
【0022】
検出部21は、例えば、同一のセンサ基板21a上に形成され、湿度を検出し、湿度検出信号Shを生成する湿度センサ23と、湿度センサ23の周囲温度を検出し、温度検出信号Stを生成する温度センサ24(ここでは、例えばサーミスタ)とを含む。
【0023】
ここで、抵抗可変型の湿度センサ23として、好ましくは、高分子系(水溶性)湿度センサが使用される。それは、高分子系(水溶性)湿度センサは、低コストであり、また、湿度検出範囲が広いため、高湿度環境においても湿度を好適に検出できるからである。さらに、後述するように、印加される交流電圧の周波数(駆動周波数)の相違によるインピーダンスの差が生じ易いからである。
【0024】
制御部22は、湿度センサ23に交流電圧を印加するCPU(印加手段、検出手段、算出手段、判別手段、制御手段、切替手段および変更手段の一例)25を含む。CPU25は、湿度検出時には、湿度センサ23にはその特性から交流駆動が要求されるため、その電源電圧として交流電圧を湿度センサ23に印加する。CPU25は、その交流電圧を印加するために、第1PWMポート(第1印加部)P1を介して、第1PWM信号PWM1を、湿度センサの第1端子23aに印加する。ここで、CPU25は、例えば、ASIC(特定用途向け集積回路)によって構成される。
【0025】
また、CPU25は、その交流電圧を湿度センサ23に印加するために、第2PWMポート(第2印加部)P2あるいは第3PWMポート(第3印加部)P3を介して、第1PWM信号PWM1とは逆相の第2PWM信号PWM2あるいは第3PWM信号PWM3を湿度センサの第2端子(他方端の一例)23bに印加する(図2参照)。すなわち、湿度センサ23は、第1PWM信号PWM1と第2PWM信号PWM2あるいは第3PWM信号PWM3との合成信号によって交流駆動される。なお、第1PWM信号PWM1、第2PWM信号PWM2および第3PWM信号PWM3は、それぞれ出力バッファ28を介して出力される。なお、図2のタイムチャートに、第1PWM信号PWM1、第2および第3PWM信号(PWM2、PWM3)、ならびに湿度検出信号Shの波形例を示す。ここでは、第1PWM信号PWM1、第2および第3PWM信号(PWM2、PWM3)の周波数は1kHzであり、パルスデューティ比は50%である。
【0026】
制御部22は、また、湿度センサの第2端子23bと第2PWMポートP2との間に接続され、湿度センサ23の抵抗(インピーダンス)との分圧によって湿度検出信号(電圧信号)Shを生成する第1検出抵抗R1と、温度センサ24とグランドとの間に接続され、温度センサ24による抵抗との、電源Vccの分圧によって温度検出信号(電圧信号)Stを生成する温度検出抵抗Rtとを含む。さらに、制御部22は、湿度センサの第2端子23bと第3PWMポートP3との間に接続され、湿度検出信号Shを生成する、第1検出抵抗R1の抵抗値と異なる抵抗値を有する第2検出抵抗R2を備える。なお、第1検出抵抗R1および第2検出抵抗R2の抵抗値は、判別する湿度センサ23のインピーダンスに応じて適宜決定される。ここでは、第1検出抵抗R1の抵抗値は第2検出抵抗R2の抵抗値より小さい。
【0027】
また、CPU25は、A/D変換回路26を含む。A/D変換回路26は、第1ADポートAD1を介して湿度検出信号Shを受け取り、湿度検出信号Shに応じた、デジタル値である湿度読取値DShを生成する。A/D変換回路26は、また、第2ADポートAD2を介して温度検出信号Stを受け取り、温度検出信号Stに応じた、デジタル値である温度読取値DStを生成する。CPU25は、湿度読取値DShおよび温度読取値DStに基づいて湿度検出に係る処理を行う。
【0028】
CPU25は、また、湿度検出に係る温度補正テーブルTbAおよびTbBや湿度検出に係る制御プログラム等が格納されたROM27を含む。そして、CPU25は、その温度補正テーブルTbAおよびTbBを用いて、温度読取値DStおよび湿度読取値DShに基づいて周囲温度に応じた検知湿度データを得る。
【0029】
CPU25は、また、PWM制御回路(印加手段および切替手段の一例)29を含む。PWM制御回路29は、第1〜第3PWM信号(PWM1、PWM2、PWM3)を生成するとともに、その周波数を切替える。また、PWM制御回路29は、判別されたセンサに応じて第2および第3PWMポート(P2、P3)のいずれか一つを選択する。
【0030】
2.湿度検出装置による湿度センサの判別動作
次に、図3〜図9を参照して、湿度検出装置20による湿度センサ23の判別動作について説明する。
図3は、印加交流電圧(PWM信号)の周波数(100Hz、1kHz、100kHz)の違いによる、高分子系(水溶性)湿度センサAのインピーダンスRzと湿度との関係を示すグラフである。また、図4は、同じく、印加交流電圧の周波数の違いによる、高分子系(水溶性)湿度センサBのインピーダンスRzと湿度との関係を示すグラフである。図3および図4に示されるように、高分子系(水溶性)湿度センサの種類によって印加交流電圧の各周波数に応じたインピーダンス−湿度曲線が異なる。そのため、実施形態1においては、湿度センサにおける、各インピーダンス−湿度曲線の相違を利用して、種類の異なる、例えばメーカーが異なる湿度センサを判別する。
【0031】
より具体的には、高周波(本発明における「第1周波数」あるいは「第2周波数」に相当する)でのインピーダンスRzの第1検出値と、低周波(本発明における「第2周波数」あるいは「第1周波数」に相当する)でのインピーダンスRzの第2検出値との差を算出し、そのインピーダンスRzの差に基づいて前記湿度センサを判別する。
【0032】
なお、異なる駆動周波数における湿度センサ23のインピーダンスRzを利用した湿度センサ23の判別は、インピーダンスRzの差のみならず、インピーダンスRzの変化率、あるいはインピーダンスRzの差およびインピーダンスRzの変化率に基づいて行うこともできる。
【0033】
なお、湿度センサ23のインピーダンス(抵抗)Rzは、湿度検出信号Shの電圧値をVd1、PWM信号の電圧値をVp、第1検出抵抗の抵抗値をR1とし、第2PWMポートP2が選択されているとすると、下の式1で表される。
Rz=((Vp−Vd1)/Vd1)R1 …… 式1
ここで、VpおよびR1は既知のため、湿度検出信号Shの電圧値Vd1からインピーダンスRzが算出される。すなわち、湿度センサ23のインピーダンスRzと湿度検出信号Shの電圧値Vd1(検出湿度)とは対応関係にあり、CPU(検出手段の一例)25は、湿度検出信号Shに基づいてインピーダンスRzを検出する。詳しくは、CPU25は、式1にしたがってインピーダンスRzを算出することによって、インピーダンスRzを検出する。
【0034】
また、ここで湿度センサ23は、必ずしも高分子系(水溶性)湿度センサに限られず、要は、印加交流電圧の周波数に応じて、インピーダンスRzに差の出る湿度センサであればよい。
【0035】
以下において、実施形態1におけるセンサ判別の処理を、図5のフローチャートを参照して詳述する。図5は、本実施形態によるの湿度センサの判別に係る処理の流れを示すフローチャートである。本処理は、所定の処理プログラムにしたがってCPU25によって実行され、湿度検出装置20への電源の供給に伴って開始される。
【0036】
図5のステップS10において、CPU25、詳しくはPWM制御回路29は、通常の湿度検出時の周波数である1kHzの周波数の第1PWM信号PWM1および第2PWM信号PWM2を湿度センサ23に印加する。このとき第3PWMポートP3はハイインピーダンス状態とされる。次いで、ステップS20において、CPU25は、温度センサ24から温度検出信号Stを読み込み、湿度センサ23の周囲温度を検出する。
【0037】
次いで、ステップS30において、湿度センサ23から湿度検出信号Shを読み込み、湿度センサ23の周囲湿度を検出する。そして、ステップS40において、CPU25は、検出した温度および湿度から、判別基準値DZを決定する。その際、CPU25は、例えば、温度および湿度と、判別基準値との対応を示す判別基準テーブルデータを参照して、判別基準値DZを決定する。ここで、判別基準値DZは、後述する、湿度センサ23のインピーダンスRzの高周波時と低周波時との差によって湿度センサ23を判別するための基準値である。なお、判別基準テーブルデータは例えば、ROM27に格納されている。
【0038】
次いで、ステップS50において、CPU25は、第1PWM信号PWM1および第2PWM信号PWM2の周波数を通常の1kHzから高周波の、例えば100kHzに切替える。ここで、100kHzの周波数は、CPU25、詳しくはPWM制御回路29が切替可能な上限値である。そして、ステップS60において、高周波時の湿度検出信号Shを読み込み、高周波時の湿度(電圧値)を保持する。
【0039】
また、ステップS70において、CPU25は、第1PWM信号PWM1および第2PWM信号PWM2の周波数を100kHzから低周波の、例えば100Hzに切替える。ここで、100Hzの周波数は、CPU25が切替可能な下限値である。そして、ステップS80において、低周波時の湿度検出信号Shを読み込み、低周波時の湿度(電圧値)を保持する。
【0040】
次いで、ステップS90において、「高周波時のデータ」と「低周波時のデータ」との差、ここで「データ」は、湿度検出信号Shから式1によって算出される湿度センサ23のインピーダンスRzとする。すなわち、ステップS90において、CPU25は、湿度センサ23のインピーダンスRzの高周波時と低周波時との差を算出する。そして、ステップS100において、インピーダンスRzの差が判別基準値DZ以上かどうかを判定する。
【0041】
なお、判別基準値DZは上記したように、周囲温度および周囲湿度によって異なる。その具体例を、図6〜図8を参照して説明する。図6は、例えば、周囲温度25℃における、2種類の湿度センサAおよびセンサBのインピーダンスRzの差と相対湿度との関係を概略的に例示するグラフである。ここでは、例えば、低湿度領域では判別基準値をDZLとし、中湿度領域では判別基準値をDZMとし、高湿度領域では判別基準値をDZHとする例が示される。なお、周囲湿度による判別基準値の設定態様は、これに限られず、判別する湿度センサのインピーダンスの周波数特性に応じて適宜設定されればよい。
【0042】
また、図7は、周囲温度50℃における、湿度センサAおよびBのインピーダンスRzの差と相対湿度との関係を概略的に例示するグラフである。ここでは、中湿度領域の判別基準値DZM1のみが示される。また、図8は、周囲温度0℃における、湿度センサAおよびBのインピーダンスRzの差と相対湿度との関係を概略的に例示するグラフである。ここでも、中湿度領域の判別基準値DZM2のみが示される。
【0043】
さて、ステップS100において、インピーダンスRzの差が判別基準値DZ以下であると判定された場合には、例えば、温度が25℃で、湿度が50%であるとすると、インピーダンスRzの差が判別基準値DZM以下であると判定された場合には、ステップS110において、CPU25は、湿度センサ23が図6に示されるセンサAであることを検出する(図6参照)。そして、ステップS120において、CPU25は、温度補正テーブルTbAおよび第2PWMポートP2を選択し、第3PWMポートP3をハイインピーダンス状態とする。
【0044】
次いで、ステップS130において、CPU25は、第1PWM信号PWM1および第2PWM信号PWM2の周波数を通常の1kHzに戻し、通常の湿度検出を開始する。なお、上記したように、第1検出抵抗R1は第2検出抵抗R2より小さい抵抗値を有する。それは、センサAのインピーダンスRzがセンサBのインピーダンスRzより小さいためである(図3および図4参照)。すなわち、センサAとセンサBとのインピーダンスRzの違いによる、湿度検出信号(電圧信号)Shの値の変動を抑制し、センサに依存せずに所定の検出感度を得るためである。
【0045】
一方、ステップS100において、インピーダンスRzの差が判別基準値DZ以下でないと判定された場合には、例えば、温度が25℃で、湿度が50%であるとすると、インピーダンスRzの差が判別基準値DZM以下でないと判定された場合には、ステップS115において、CPU25は、湿度センサ23が図6に示されるセンサBであることを検出する(図6参照)。そして、ステップS125において、CPU25は、温度補正テーブルTbBおよび第3PWMポートP3を選択し、第2PWMポートP2をハイインピーダンス状態とする。そして、ステップS130において通常制御に戻る。
【0046】
なお、ここで、温度補正テーブルTbAおよびTbBは、判別されるセンサAおよびセンサBに対応して事前に作成され、例えば、ROM27に格納される。また、第2PWMポートP2および第3PWMポートP3の選択、すなわち、分圧抵抗R1およびR2の値は、センサAおよびセンサBの特性に対応して、所定の検出感度を得られるように事前に決定される。
【0047】
図9に温度補正テーブルTbの例の一部を示す。CPU25は、湿度読取値(検出電圧)DShと温度読取値DStとに対応する検出湿度データを温度補正テーブルTbから読み出して、その読み出した検出湿度データを検出湿度とする。すなわち、湿度読取値(検出電圧)DShがそのまま検出湿度とされるのではなく、温度補正テーブルTbを用いて、周囲温度に応じたデータによって検出湿度とされる。
【0048】
なお、判別される湿度センサ23は2種類に限定されず、例えば、3種類あるいは4種類であってもよい。その場合、湿度センサの特性に応じて、温度補正テーブルを3種類あるいは4種類設け、第4PWMポート、さらに第5PWMポート、第3分圧抵抗、さらに第4分圧抵抗を設けるようにすればよい。また、判別基準値DZも2種類あるいは3種類、設けるようにすればよい。さらに、2種類以上の湿度センサを判別する際に、第1検出抵抗R1をデジタルポテンショメータとし、判別された湿度センサに対応する分圧抵抗を、デジタルポテンショメータの調整によって構成することによって、分圧抵抗の構成を簡易化することができる。
【0049】
また、判別されるセンサに対応して複数の温度補正テーブルTbを記憶することに代えて、ROM27に一つの基準温度補正テーブルTbのみを記憶するようにしてもよい。この場合、CPU25は、基準温度補正テーブルTbから読み出した温度補正データを、判別された湿度センサに応じて修正し、修正された温度補正データを検出湿度とする。この場合の、温度補正データの修正例として、例えば、読み出された温度補正データ(湿度データ)に、判別された湿度センサに応じた所定湿度(例えば、1%あるいは2%)を加算あるいは減算するようにする。その際、検出湿度領域に応じて、加算あるいは減算する所定湿度を変更するようにしてもよい。
【0050】
3.実施形態1の効果
単に、異なる駆動周波数での湿度センサ23のインピーダンスの差に基づいて湿度センサ23の種類を容易に判別できる。そして、判別された湿度センサ23の種類に応じた処理、すなわち、判別された湿度センサ23に適合した検出抵抗の選択および温度補正テーブルの選択を行うことができる。そのため、湿度センサ23の種類に応じた適正な処理を行うことができ、精度良く湿度を検出することができる。また、インピーダンス周波数特性が異なる複数の湿度センサ23が、共通の回路基板21aにおいて使用可能となり、使用する湿度センサ23の融通性が向上するとともに、湿度センサ23の入手性が向上する。
【0051】
所定温度および所定湿度においては、湿度センサ23のインピーダンス差は、駆動周波数のレンジが広いほど、すなわち、駆動周波数の差が大きいほど、大きくなる特性がある。そのため、切替可能な周波数の上限値(100kHz)および下限値(100Hz)におけるインピーダンスに基づくインピーダンス差を使用することによって、効率良く湿度センサの種類を判別できる。
【0052】
湿度センサ23が、所定の判別基準(DZL、DZM、DZH)に基づいて判別されるため、その判別がより適正化される。また、判別基準(DZL、DZM、DZH)が周囲温度に応じて変更されるため、精度良く湿度センサの種類を判別できる。
【0053】
<実施形態2>
次に、本発明の実施形態2に係る画像形成装置を、図10を参照しつつ説明する。図10は、実施形態2の画像形成装置としてのカラーレーザプリンタ(以下、単に「プリンタ1」という)1の内部構成を表す概略断面図である。なお、画像形成装置はカラーレーザプリンタに限られず、例えば、LEDプリンタ、モノクロプリンタであってもよく、あるいはコピー機能等を備えた、いわゆる複合機であってもよい。
【0054】
図10に例示するプリンタ1は、トナー像形成部(画像形成ユニットの一例)4、用紙搬送ベルト6、定着部8、給紙部9、プリンタ制御部(装置制御手段の一例)10、および湿度検出装置20等を備え、印刷媒体として用紙Pに、外部から入力される画像データに応じた4色の画像を形成する。ここで、湿度検出装置20は、上記実施形態1に記載した湿度検出装置である。
【0055】
そして、トナー像形成部4は、イエロー,マゼンタ,シアン,及びブラックのトナーをそれぞれ貯留した4個の現像ユニット51Y,51M,51C,51Bと、4個の感光体ドラム3と、その感光体ドラム3を一様に帯電させる4個の帯電器31と、該帯電後の感光体ドラム3の表面を例えばレーザ光で露光して画像データに応じた静電潜像を形成する4個のスキャナユニット41とを備えている。なお、スキャナユニット41は、大部分の図示が省略されており、最終的にレーザ光が出射される部分のみが図示されている。
【0056】
また、現像ユニット51Y,51M,51C,51Bはそれぞれ、トナーを感光体ドラム3へ供給する現像ローラ52を有し、感光体ドラム3上に形成された静電潜像に対して、トナー像を現像する。
【0057】
一方、給紙部9は、用紙Pを収容する収容トレイ91と、用紙(対象物)Pを送り出すピックアップローラ92とから構成されている。そして、収容トレイ91に収容された用紙Pは、ピックアップローラ92により、給紙部9から1枚ずつ取り出され、搬送ローラ98,レジストローラ99を介して用紙搬送ベルト6に送られる。
【0058】
また、各感光体ドラム3と対向する位置の近傍には、用紙搬送ベルト6を挟んで転写ローラ61がそれぞれ設けられている。そして、用紙搬送ベルト6は、感光体ドラム3と対向する側の表面が、図9に示すように、図中右方向から図中左方向へ移動して、レジストローラ99から送られて来る用紙Pを、感光体ドラム3との間へ順番に搬送して定着部8へ送る。
【0059】
転写ローラ61は、高圧制御装置(図示せず)により転写ローラ61と感光体ドラム3との間にトナーの帯電極性と逆極性の転写バイアス(例えば−10〜−11μA、電圧としては最大6kV)が印加されて、感光体ドラム3上に形成されたトナー像を用紙搬送ベルト6により搬送される用紙Pに転写する。
【0060】
また、定着部8は、加熱ローラ81と、加圧ローラ82とから構成され、トナー像が転写された用紙Pを、加熱ローラ81及び加圧ローラ82によって狭持搬送しながら加熱及び加圧することにより、トナー像を用紙Pに定着させる。
【0061】
プリンタ制御部10は、図示しないCPUを用いた制御装置などにより構成され、プリンタ1の動作全般の制御を行う。また、プリンタ制御部10は、湿度検出装置20によって検出された湿度に基づいてトナー像形成部4の画像形成処理を制御する。具体的には、例えば、トナー像形成部4におけるトナーを帯電させるバイアスを、検出湿度に応じて制御し、現像ユニット51から感光体ドラム3へのトナーの供給量を湿度に応じて制御する。あるいは、転写ローラ61に印加する転写バイアスを検出湿度に応じて制御し、湿度によらずにトナー像を良好に用紙Pに転写させる。すなわち、プリンタ制御部10は、湿度検出装置20によって検出された湿度に基づいて、湿度によらずに形成画像の所定品質を維持する。
【0062】
したがって、実施形態2の構成によれば、プリンタ1における湿度検出装置20において、実施形態1と同様の効果が得られる。そのため、プリンタ1において、異なる特性を有する湿度センサ23を使用する場合であっても、形成画像の所定の品質を確保できる。
【0063】
<他の実施形態>
本発明は上記記述及び図面によって説明した実施形態に限定されるものではなく、例えば次のような実施形態も本発明の技術的範囲に含まれる。
【0064】
(1)上記各実施形態においては、CPU25は算出されたインピーダンスの差に基づいて湿度センサ23を判別する例を示したが、これに限られない。例えば、高周波および低周波において検出されたインピーダンスの変化率に基づいて、あるいはインピーダンスの差および変化率に基づいて湿度センサ23を判別するようにしてもよい。
【0065】
例えば、図11は、図6におけるインピーダンスの差をインピーダンスの変化率(百分率;%)に変更して示した図であり、図11に示されるように、インピーダンスの変化率(%)で示した場合においても、センサAおよびセンサBにおいて差が存在する。そのため、変化率に係る所定の判別基準値DHRを設定し、その判別基準値DHRによってセンサAおよびセンサBを判別することができる。また、判別する湿度センサの特性によっては、湿度領域によって、インピーダンスの差を用いた方が判別し易い湿度領域と、インピーダンスの変化率を用いた方が判別し易い湿度領域とがある場合には、インピーダンスの差および変化率の両方を用いて判別するようにしてもよい。例えば、低湿度領域においては、インピーダンスの差を用いて判別し、中湿度領域および高湿度領域においては、インピーダンスの変化率を用いて判別するようにしてよい(図6および図11参照)。
【0066】
(2)上記各実施形態においては、PWM信号の高周波(本発明の「第1周波数」または「第2周波数」に相当)を、100kHzであってCPU25が切替可能な上限値とし、低周波(本発明の「第2周波数」または「第1周波数」に相当)を、100HzであってCPU25が切替可能な下限値としたが、これに限定されない。本発明の「第1周波数」および「第2周波数」は、要は、異なる周波数によって、湿度センサを判別するためのインピーダンスの差あるいは変化率が得られるように、事前に実験等によって決定されたものであればよい。
【0067】
(3)上記各実施形態において、CPU(判別手段)25は、インピーダンスの差および/または変化率が所定値以下であるとき、湿度検出装置20において何らかの異常が発生したと判断し、異常を報知するための報知信号を生成するようにしてもよい。例えば、図6に示されるように、インピーダンスの差が所定値DZth(例えば、2kΩ)以下である場合に、CPU25は、報知信号Siを生成し、報知信号Siを外部の報知装置(図示せず)に供給するようにする。なお、報知装置を湿度検出装置20に設けるようにしてもよい。
【0068】
この場合、抵抗可変型の湿度センサは、その特性から通常、印加電圧の周波数(駆動周波数)に応じてインピーダンスが変化する。そのため、異なる駆動周波数に対して所定のインピーダンスの差および/または変化率が検出されなかった場合には、湿度センサ23あるいは周辺回路(例えば、駆動周波数を切替える回路)に異常が発生したと考えられる。そのため、インピーダンスの差および/または変化率と、所定値とに基づいて湿度検出装置における異常を検出し、例えば、報知信号を外部の報知装置に供給し、報知装置によって、その異常をユーザに知らせることができる。
【0069】
(4)上記各実施形態においては、湿度センサ23を、所定の判別基準に基づいて判別する例を示したが、単にインピーダンスの差および/または変化率によって湿度センサ23を判別できる場合には、判別基準との比較によらずに湿度センサ23を判別するようにしてもよい。
【0070】
(5)上記各実施形態においては、判別基準を周囲温度および周囲湿度に応じて変更する例を示したが、判別基準を周囲温度または周囲湿度に応じて変更するようにしてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0071】
【図1】本発明の実施形態1に係る湿度検出装置の概略的な回路図
【図2】実施形態1における湿度検出に係るタイムチャート
【図3】駆動周波数の違いによる、湿度センサのインピーダンスと湿度との関係を示すグラフ
【図4】複数の駆動周波数における、別の湿度センサのインピーダンスと湿度との関係を示すグラフ
【図5】湿度センサの判別処理の流れを示すフローチャート
【図6】2種類の湿度センサにおける、湿度センサのインピーダンス差と湿度との関係を示すグラフ
【図7】図6において、周囲温度が高い場合における、湿度センサのインピーダンス差と湿度との関係を概略的に示すグラフ
【図8】図6において、周囲温度が低い場合における、湿度センサのインピーダンス差と湿度との関係を示すグラフ
【図9】温度補正テーブルの一例を示す表
【図10】本発明の実施形態3に係る画像形成装置の概略的な構成図
【図11】2種類の湿度センサにおける、湿度センサのインピーダンス変化率と湿度との関係を示すグラフ
【符号の説明】
【0072】
1…プリンタ(画像形成装置)
4…トナー像形成部(画像形成ユニット)
10…プリンタ制御部(装置制御手段)
20…湿度検出装置
23…湿度センサ
24…温度センサ
25…CPU(印加手段、検出手段、制御手段、算出手段、判別手段、切替手段、変更手段)
29…PWM制御回路(印加手段、切替手段)
P1…第1PWMポート(第1印加部)
P2…第2PWMポート(第2印加部)
P3…第3PWMポート(第3印加部)
R1…第1検出抵抗(第1抵抗)
R2…第2検出抵抗(第2抵抗)
TbA、TbB…温度補正テーブル
【特許請求の範囲】
【請求項1】
湿度によるインピーダンスの変化を利用して前記湿度を検出する湿度センサであって、交流電圧の印加に応じて湿度検出信号を生成する湿度センサと、
前記湿度センサに前記交流電圧を印加する印加手段と、
前記湿度検出信号に基づいて前記インピーダンスを検出する検出手段と、
前記交流電圧の周波数を、少なくとも、第1周波数と、該第1周波数と異なる第2周波数とに切替える切替手段と、
前記湿度センサの周囲温度を検出する温度センサと、
前記第1周波数での前記インピーダンスの第1検出値と、前記第2周波数での前記インピーダンスの第2検出値とを用いて、前記インピーダンスの差および/または変化率を算出する算出手段と、
算出されたインピーダンスの差および/または変化率に基づいて前記湿度センサを判別する判別手段と、
前記湿度を検出する際、判別された湿度センサに対応した処理を行う制御手段と、
を備えた湿度検出装置。
【請求項2】
請求項1に記載の湿度検出装置において、
前記切替手段は、
前記第1周波数の値として切替可能な上限値を、前記第2周波数の値として切替可能な下限値を用い、あるいは、
前記第1周波数の値として切替可能な下限値を、前記第2周波数の値として切替可能な上限値を用いる。
【請求項3】
請求項1または請求項2に記載の湿度検出装置において、
判別手段は、前記インピーダンスの差および/または変化率を所定の判別基準と比較することによって前記湿度センサを判別し、
前記湿度検出装置は、
前記温度センサによって検出される周囲温度および/または前記湿度センサよって検出される湿度に応じて前記判別基準を変更する変更手段をさらに備える。
【請求項4】
請求項1〜請求項3のいずれか一項に記載の湿度検出装置において、
前記印加手段は、前記湿度センサの一方端に前記交流電圧を印加する第1印加部と、前記湿度センサの他方端に接続される第1抵抗を有し、前記第1印加部が印加する電圧とは逆相の電圧を前記湿度センサの他方端に印加する第2印加部と、第1抵抗の抵抗値と異なる抵抗値を有する第2抵抗であって、前記湿度センサの他方端に接続される第2抵抗を有し、前記第1印加部が印加する電圧とは逆相の電圧を前記湿度センサの他方端に印加する第3印加部と、を含み、
前記制御手段は、前記判別された湿度センサに応じて前記第2印加部および前記第3印加部のうちのいずれか一方を選択する。
【請求項5】
請求項1〜請求項4のいずれか一項に記載の湿度検出装置において、
前記湿度検出信号のデータと、検出された前記周囲温度に応じた検出湿度データとを対応させる、判別される湿度センサに対応した複数の温度補正テーブルを記憶する記憶手段をさらに備え、
前記制御手段は、前記複数の温度補正テーブルのうち、前記判別された湿度センサに対応した温度補正テーブルから、前記湿度検出信号データに対応した前記検出湿度データを読み出す。
【請求項6】
請求項1〜請求項4のいずれか一項に記載の湿度検出装置において、
前記湿度検出信号のデータと、検出された前記周囲温度に応じた検出湿度データとを対応させる基準温度補正テーブルを記憶する記憶手段をさらに備え、
前記制御手段は、前記基準温度補正テーブルから読み出した前記検出湿度データを、前記判別された湿度センサに応じて修正する。
【請求項7】
請求項1〜請求項6のいずれか一項に記載の湿度検出装置において、
前記判別手段は、前記インピーダンスの差および/または変化率が所定値以下であるとき、前記湿度検出装置において何らかの異常が発生したと判断し、異常を報知するための報知信号を生成する。
【請求項8】
請求項1〜請求項7のいずれか一項に記載の湿度検出装置と、
画像データに基づき対象物上に画像を形成する画像形成ユニットと、
前記湿度検出装置によって検出された湿度に基づいて前記画像形成ユニットの画像形成処理を制御する装置制御手段と、
を備えた画像形成装置。
【請求項1】
湿度によるインピーダンスの変化を利用して前記湿度を検出する湿度センサであって、交流電圧の印加に応じて湿度検出信号を生成する湿度センサと、
前記湿度センサに前記交流電圧を印加する印加手段と、
前記湿度検出信号に基づいて前記インピーダンスを検出する検出手段と、
前記交流電圧の周波数を、少なくとも、第1周波数と、該第1周波数と異なる第2周波数とに切替える切替手段と、
前記湿度センサの周囲温度を検出する温度センサと、
前記第1周波数での前記インピーダンスの第1検出値と、前記第2周波数での前記インピーダンスの第2検出値とを用いて、前記インピーダンスの差および/または変化率を算出する算出手段と、
算出されたインピーダンスの差および/または変化率に基づいて前記湿度センサを判別する判別手段と、
前記湿度を検出する際、判別された湿度センサに対応した処理を行う制御手段と、
を備えた湿度検出装置。
【請求項2】
請求項1に記載の湿度検出装置において、
前記切替手段は、
前記第1周波数の値として切替可能な上限値を、前記第2周波数の値として切替可能な下限値を用い、あるいは、
前記第1周波数の値として切替可能な下限値を、前記第2周波数の値として切替可能な上限値を用いる。
【請求項3】
請求項1または請求項2に記載の湿度検出装置において、
判別手段は、前記インピーダンスの差および/または変化率を所定の判別基準と比較することによって前記湿度センサを判別し、
前記湿度検出装置は、
前記温度センサによって検出される周囲温度および/または前記湿度センサよって検出される湿度に応じて前記判別基準を変更する変更手段をさらに備える。
【請求項4】
請求項1〜請求項3のいずれか一項に記載の湿度検出装置において、
前記印加手段は、前記湿度センサの一方端に前記交流電圧を印加する第1印加部と、前記湿度センサの他方端に接続される第1抵抗を有し、前記第1印加部が印加する電圧とは逆相の電圧を前記湿度センサの他方端に印加する第2印加部と、第1抵抗の抵抗値と異なる抵抗値を有する第2抵抗であって、前記湿度センサの他方端に接続される第2抵抗を有し、前記第1印加部が印加する電圧とは逆相の電圧を前記湿度センサの他方端に印加する第3印加部と、を含み、
前記制御手段は、前記判別された湿度センサに応じて前記第2印加部および前記第3印加部のうちのいずれか一方を選択する。
【請求項5】
請求項1〜請求項4のいずれか一項に記載の湿度検出装置において、
前記湿度検出信号のデータと、検出された前記周囲温度に応じた検出湿度データとを対応させる、判別される湿度センサに対応した複数の温度補正テーブルを記憶する記憶手段をさらに備え、
前記制御手段は、前記複数の温度補正テーブルのうち、前記判別された湿度センサに対応した温度補正テーブルから、前記湿度検出信号データに対応した前記検出湿度データを読み出す。
【請求項6】
請求項1〜請求項4のいずれか一項に記載の湿度検出装置において、
前記湿度検出信号のデータと、検出された前記周囲温度に応じた検出湿度データとを対応させる基準温度補正テーブルを記憶する記憶手段をさらに備え、
前記制御手段は、前記基準温度補正テーブルから読み出した前記検出湿度データを、前記判別された湿度センサに応じて修正する。
【請求項7】
請求項1〜請求項6のいずれか一項に記載の湿度検出装置において、
前記判別手段は、前記インピーダンスの差および/または変化率が所定値以下であるとき、前記湿度検出装置において何らかの異常が発生したと判断し、異常を報知するための報知信号を生成する。
【請求項8】
請求項1〜請求項7のいずれか一項に記載の湿度検出装置と、
画像データに基づき対象物上に画像を形成する画像形成ユニットと、
前記湿度検出装置によって検出された湿度に基づいて前記画像形成ユニットの画像形成処理を制御する装置制御手段と、
を備えた画像形成装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2009−293942(P2009−293942A)
【公開日】平成21年12月17日(2009.12.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−144769(P2008−144769)
【出願日】平成20年6月2日(2008.6.2)
【出願人】(000005267)ブラザー工業株式会社 (13,856)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成21年12月17日(2009.12.17)
【国際特許分類】
【出願日】平成20年6月2日(2008.6.2)
【出願人】(000005267)ブラザー工業株式会社 (13,856)
【Fターム(参考)】
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