説明

湿気硬化性ペースト状物品包装体の製造方法及び湿気硬化性ペースト状物品包装体

【課題】構造が簡単で製造コストが安く済み、押出しガンに装填しての使用及び手絞りによる使用のいずれにも適用できる湿気硬化性ペースト状物品包装体の製造方法及び湿気硬化性ペースト状物品包装体を提供する。
【解決手段】アルミニウム箔の表裏面にヒートシール可能な熱可塑性樹脂フィルムを積層してなる長尺ラミネートフィルムを筒状体に形成するとともに前記筒状体に湿気硬化型ペースト状物品を充填し、その短手方向における両端部を重ね合わせてヒートシールせしめ、前記筒状体の長手方向両端部をクリップ部材で結紮せしめてソーセージ型包装体を形成し、前記ソーセージ型包装体の一端部のクリップ部材を囲繞するように成形用樹脂でノズル体取付け部を成形加工で形成せしめてなるようにした。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、内部に湿気硬化性ペースト状物品を充填し、先端にノズル体を取り付けて内部の湿気硬化性ペースト状物品を押出し可能とした湿気硬化性ペースト状物品包装体の製造方法及び湿気硬化性ペースト状物品包装体に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、内部に湿気硬化性ペースト状物品を充填した包装体として、例えば特許文献1に記載の包装体が知られている。特許文献1に記載の包装体は、湿気硬化性コーキング剤を可撓性を有する包装材によって包装してなる湿気硬化性コーキング剤の包装体において、前記包装材が、厚さ7μm〜15μmのアルミニウム箔の表裏面に、厚さ15μm〜50μmのヒートシール可能な熱可塑性樹脂フィルムを積層し、かつ、全体の厚さが37μm〜115μmの包装材であり、この包装材を筒状に成形するとともに、その幅方向における両端部をその表裏面が対向するように重ね合わせ、これらの重ね合わせ部分を連続溶着し、この包装材の内部に前記湿気硬化性コーキング剤を充填するとともに、包装材の長さ方向の両端部を線条材によって結紮してなる湿気硬化性コーキング剤の包装体である。
【0003】
上記特許文献1に記載されたような包装体は、押出しガンやコーキングガンと呼ばれる治具に装填されて、コーキング剤などの湿気硬化性ペースト状物品が内部から押し出される。このような湿気硬化性ペースト状物品を充填したソーセージ型のフィルムパックを押出しガンなどに装填して内容物を押し出す手法は、建築現場などで現在広く行われている。
【0004】
このソーセージ型のフィルムパックは、フィルムパックをシリンダ体(又は円筒アダプター)に収納し、シリンダ体内に収納されたソーセージ型フィルムパックを押出しロッドを前進させ押圧板で押圧することにより、フィルムパック内のシーリング材等をノズルから吐出させる。ソーセージ型フィルムパックタイプの押出しガンとして、例えば、本願出願人は、特許文献2に示す発明を既に提案している。
【0005】
また、カートリッジタイプの押出しガンを用いてソーセージ型フィルムパックからのシーリング材等を押出し吐出させることができるようにし、カートリッジタイプの押出しガンがあればソーセージ型フィルムパックタイプの押出しガンを別途購入使用する必要はないようにしたフィルムパック用押出し機構として、本願出願人は、特許文献3に示す発明を既に提案している。
【0006】
一方、カートリッジ容器を軟質材料で作製し、カートリッジ容器をコンパクトに圧縮可能とした軟質のカートリッジ容器等も提案されている(特許文献4及び特許文献5)。
【0007】
また、硬質のカートリッジ容器を用いなくとも押出しガンに装填可能なシーラント収容パウチとして、特許文献6に記載されたものも知られている。この特許文献6に記載のシーラント収容パウチは、前述したようなソーセージ型フィルムパックの片方にノズルを着脱自在に設けたノズル付フィルムパックタイプのものである。
【0008】
しかしながら、上記した軟質のカートリッジ容器を作製する場合、例えば特許文献4では、特許文献4の図2に示されているように、金型に設けたゲート口からランナーを通して下側成形部の成型空間と上側成形部の成型空間にインサートインジェクション成形手段によりポリエチレン樹脂のような合成樹脂材料を溶融状態で注入することで、中間胴部に上部成形部および下部成形部を一体的に結合し、これにより、下端開口のカートリッジを作製している(特許文献4の段落0015及び特許文献4の図2参照)。
【0009】
しかしながら、上記したような方法で中間胴部に上部成形部および下部成形部を一体的に結合するのでは、製造にあたってコストと手間がかかる。
【0010】
また、特許文献6に記載されるシーラント収容パウチを作製する場合、まず、アルミニウム箔の両面に熱可塑性合成樹脂膜を層着したガスバリア性シートを丸めるとともに幅方向両端部を熱接着した筒体と、アルミニウム箔の両面に熱可塑性合成樹脂膜を層着したガスバリア性円板の周囲に周側壁を有し、その周側壁を前記筒体の上部に嵌合して熱可塑性合成樹脂膜同士を熱接着して筒体と一体化した天蓋と、吐出用筒部を有し前記天蓋の表面に熱接着された合成樹脂製台座とを作製し、それから、前記筒体にシーラントを充填し、最後に前記筒体の後部開口部クリップで結紮又は加熱圧着している(特許文献6の発明の実施の形態並びに特許文献6の図3及び図4など参照)。
【0011】
しかしながら、上記したような方法でシーラント収容パウチを作製するのでは、製造にあたってコストと手間がかかるし、また、前記筒体等を作製してからシーラントを充填するので、充填作業が難しいという問題もある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0012】
【特許文献1】特開平7−125768号公報
【特許文献2】特開平4−279458号公報
【特許文献3】特開平9−314012号公報
【特許文献4】特開平7−171461号公報
【特許文献5】特開2002−104448号公報
【特許文献6】特開2001−225853号公報
【特許文献7】特開平5−246446号公報
【特許文献8】特開昭59−111829号公報
【特許文献9】特開平1−110920号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
本発明は、上記問題点に鑑みてなされたもので、構造が簡単で製造コストが安く済み、押出しガンに装填しての使用及び手絞りによる使用のいずれにも適用できる湿気硬化性ペースト状物品包装体の製造方法及び湿気硬化性ペースト状物品包装体を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0014】
上記課題を解決するために、本発明に係る湿気硬化性ペースト状物品包装体の製造方法は、アルミニウム箔の表裏面にヒートシール可能な熱可塑性樹脂フィルムを積層してなる長尺ラミネートフィルムを筒状体に形成するとともに前記筒状体に湿気硬化性ペースト状物品を充填し、その短手方向における両端部を重ね合わせてヒートシールせしめ、前記筒状体の長手方向両端部をクリップ部材で結紮せしめてソーセージ型包装体を形成し、前記ソーセージ型包装体の一端部のクリップ部材を囲繞するように成形用樹脂でノズル体取付け部を成形加工で形成せしめてなることを特徴とする。前記成形加工としては、圧縮成形又は射出成形のいずれも適用可能である。
【0015】
このように構成すれば、従来のソーセージ型のフィルムパックの製造ラインに、前記ノズル体取付け部を成形加工するための成形加工装置を追加するだけで済むので、製造コストが安く済むという利点がある。
【0016】
従来のソーセージ型のフィルムパックの製造ラインとしては、例えば、特許文献1に開示された製造ラインが知られている。特許文献1には、ソーセージ型のフィルムパックの製造ラインとして、アルミニウム箔の表裏面にヒートシール可能な熱可塑性樹脂フィルムを積層してなる長尺ラミネートフィルムが卷回された原反ロールと、該原反ロールから引き出された前記長尺ラミネートフィルムを筒状体に形成するとともに前記筒状体に湿気硬化性ペースト状物品を充填し、該長尺ラミネートフィルムの短手方向の両端部を重ね合わせる成形手段と、前記重ね合わせた箇所を連続的にヒートシールするためのヒートシール手段と、前記筒状体の内部に湿気硬化性ペースト状物品を充填する充填手段と、この湿気硬化性ペースト状物品が充填された筒状体を外方から搾り込むことにより、該筒状体の内部の湿気硬化性ペースト状物品を該長尺ラミネートフィルムの長手方向に区分けするしごき手段と、該しごき手段よって湿気硬化性ペースト状物品が区分けされた該長尺ラミネートフィルムの搾り部をクリップ部材で密閉するための結紮手段と、によって構成された製造ラインが開示されている。
【0017】
本発明では、上記した従来のソーセージ型のフィルムパックの製造ラインに、前記ノズル体取付け部を成形加工するための成形加工装置を設ける。例えば、前記ノズル体取付け部を射出成形するための射出成形装置を設ける。すなわち、本発明に用いられる湿気硬化性ペースト状物品包装体の製造方法に用いられる製造装置は、アルミニウム箔の表裏面にヒートシール可能な熱可塑性樹脂フィルムを積層してなる長尺ラミネートフィルムが卷回された原反ロールと、該原反ロールから引き出された前記長尺ラミネートフィルムを筒状体に形成するとともに前記筒状体に湿気硬化性ペースト状物品を充填し、該長尺ラミネートフィルムの短手方向の両端部を重ね合わせる成形手段と、前記重ね合わせた箇所を連続的にヒートシールするためのヒートシール手段と、前記筒状体の内部に湿気硬化性ペースト状物品を充填する充填手段と、この湿気硬化性ペースト状物品が充填された筒状体を外方から搾り込むことにより、該筒状体の内部の湿気硬化性ペースト状物品を該長尺ラミネートフィルムの長手方向に区分けするしごき手段と、該しごき手段よって湿気硬化性ペースト状物品が区分けされた該長尺ラミネートフィルムの搾り部をクリップ部材で結紮して密閉するための結紮手段と、該結紮手段によって結紮せしめたソーセージ型包装体の一端部のクリップ部材を囲繞するように成形用樹脂でノズル体取付け部を成形加工するための成形加工装置と、を設けてなる。
【0018】
前記成形用樹脂としては、熱硬化性樹脂又は熱可塑性樹脂のいずれも適用可能であるが、製造時間の短縮の観点から、熱可塑性樹脂が好ましい。前記成形加工装置としては、圧縮成形装置又は射出成形装置のいずれも適用可能である。すなわち、前記成形加工装置として、例えば、熱可塑性樹脂でノズル体取付け部を射出成形加工するための射出成形機を設けるようにすればよい。従来のソーセージ型のフィルムパックの製造ラインの各々の装置の詳細については、例えば特許文献1に開示されているため、再度の詳細な説明は省略する。射出成形機としては、例えばインラインスクリュー式の射出成形機を使用できる。
【0019】
圧縮成形(プレス成形とも呼ばれる)としては、例えば、特許文献7に記載されたプレス成形技術が使用でき、圧縮成形装置としては、例えば、特許文献8又は特許文献9に記載された装置が使用できる。
【0020】
前記長尺ラミネートフィルムとしては、厚さ7μm〜15μmのアルミニウム箔の表裏面に、厚さ15μm〜50μmのヒートシール可能な熱可塑性樹脂フィルムを積層し、かつ、全体の厚さが37μm〜115μmとしたものが好適に使用できる。
【0021】
また、前記筒状体に湿気硬化性ペースト状物品を充填し、その短手方向における両端部を重ね合わせてヒートシールせしめるにあたって、重ね合わせる幅としては、前記長尺ラミネートフィルムの短手方向の両端部5mm〜20mm程度が重なり合うようにヒートシールするのが好適である。前記長尺ラミネートフィルムの短手方向の両端部の重ね合わせ方としては、前記長尺ラミネートフィルムの両端部の表裏面が相対向するようにしてもよいし、該両端部の表面同士或いは両端部の裏面同士が重ね合わさるようにしてもよい。
【0022】
クリップ部材としては、アルミニウムワイヤーが好適であり、線径2.9mm〜4.0mmのものが好適に使用できる。
【0023】
前記ノズル体取付け部に使われる前記成形用樹脂としては、熱硬化性樹脂又は熱可塑性樹脂のいずれも適用可能であるが、製造時間の短縮の観点から、熱可塑性樹脂が好ましい。熱可塑性樹脂としては、熱可塑性樹脂であれば特に限定はないが、ポリエチレンやポリプロピレンなどの熱可塑性の合成樹脂が好適に使用できる。熱硬化性樹脂としては、熱硬化性樹脂であれば特に限定はないが、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、メラミン樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、ジアリルフタレート樹脂、熱硬化性アクリル樹脂等が適用できる。
【0024】
また、本発明に係る湿気硬化性ペースト状物品包装体は、アルミニウム箔の表裏面にヒートシール可能な熱可塑性樹脂フィルムを積層してなる長尺ラミネートフィルムを筒状体に形成するとともに前記筒状体に湿気硬化性ペースト状物品を充填し、その短手方向における両端部を重ね合わせてヒートシールせしめ、前記筒状体の長手方向両端部をクリップ部材で結紮せしめてソーセージ型包装体を形成し、前記ソーセージ型包装体の一端部のクリップ部材を囲繞するように成形用樹脂でノズル体取付け部を成形加工で形成せしめてなることを特徴とする。
【0025】
上記のように構成すれば、構造が簡単で製造コストが安く済むという利点がある。
【0026】
さらに、本発明に係る湿気硬化性ペースト状物品包装体は、前記ノズル体取付け部にノズル体を着脱自在に取り付けることで、ノズル体を着脱自在に設けたノズル付フィルムパックとなる。前記ノズル体取付け部と前記ノズル体とは、螺着せしめられるのが好適である。したがって、前記ノズル体取付け部の外周面に螺合溝を設け、ノズル体の内周面に螺合溝を設けて螺着せしめるのが好適である。このようにして、ノズル体を着脱自在に設けたノズル付フィルムパックは、押出しガンに装填して使用してもよいし、手絞りで使用してもよい。
【発明の効果】
【0027】
本発明に係る湿気硬化性ペースト状物品包装体の製造方法及び湿気硬化性ペースト状物品包装体によれば、構造が簡単で製造コストが安く済み、押出しガンに装填しての使用及び手絞りによる使用のいずれにも適用できるという著大な効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【図1】本発明に係る湿気硬化性ペースト状物品包装体の側面図である。
【図2】本発明に係る湿気硬化性ペースト状物品包装体の斜視図である。
【図3】本発明に係る湿気硬化性ペースト状物品包装体の製造方法を示す要部概略説明図である。
【図4】本発明に係る湿気硬化性ペースト状物品包装体の製造方法を示す要部概略説明図である。
【図5】本発明に係る湿気硬化性ペースト状物品包装体にノズル体を螺着せしめた状態を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0029】
以下に本発明の実施の形態を添付図面に基づいて説明するが、図示例は例示的に示されたもので、本発明の技術的思想から逸脱しない限り種々の変形が可能なことは言うまでもない。なお、添付図面において、同一又は類似部材は同一符号で示してある。
【0030】
図1及び図2において、符号10は本発明に係る湿気硬化性ペースト状物品包装体を示す。湿気硬化性ペースト状物品包装体10は、図1〜図4によく示されるように、アルミニウム箔の表裏面にヒートシール可能な熱可塑性樹脂フィルムを積層してなる長尺ラミネートフィルム12を筒状体に形成するとともに前記筒状体に湿気硬化性ペースト状物品14を充填し、その短手方向における両端部16,18を重ね合わせてヒートシールせしめ、前記筒状体の長手方向両端部20をクリップ部材22で結紮せしめてソーセージ型包装体24を形成し、前記ソーセージ型包装体24の一端部のクリップ部材22を囲繞するように成形用樹脂でノズル体取付け部26を成形加工で形成せしめてなる。前記ノズル体取付け部26は螺子溝28が螺刻されており、前記ノズル体取付け部26に、図5に示すようにノズル体30が螺着せしめられるようになっている。
【0031】
前記長尺ラミネートフィルムとしては、厚さ7μm〜15μmのアルミニウム箔の表裏面に、厚さ15μm〜50μmのヒートシール可能な熱可塑性樹脂フィルムを積層し、かつ、全体の厚さが37μm〜115μmとしたものが好適に使用できる。
【0032】
すなわち、本発明の湿気硬化性ペースト状物品包装体10は、従来技術と同様のソーセージ型包装体24を作製してから、前記ソーセージ型包装体24の一端部のクリップ部材22を囲繞するように熱可塑性樹脂でノズル体取付け部26を射出成形加工で形成せしめてなるというきわめて簡単な構造とされている。このため、製造コストが安く済むという利点がある。しかも、図5に示す状態で押出しガンに装填して使用してもよいし、図5に示す状態のまま手絞りで使用することもできる。湿気硬化性ペースト状物品14としては、シーリング材や接着剤などである。
【0033】
従来のソーセージ型のフィルムパックの製造ラインの各々の装置の詳細については、例えば特許文献1に開示されているため、再度の詳細な説明は省略し、図3に基づいて端的に説明する。
【0034】
図3に示されるように、原反ロール状のアルミニウム箔の表裏面にヒートシール可能な熱可塑性樹脂フィルムを積層してなる長尺ラミネートフィルム12を引き出して、成型機で筒状体に形成するとともに前記筒状体に湿気硬化性ペースト状物品14を充填する。そして、その短手方向における両端部16,18の5mm程度を重ね合わせてヒートシールせしめ、前記筒状体の長手方向両端部20をクリップ部材22(図示例ではアルミニウムワイヤー)で結紮せしめてソーセージ型包装体24を形成する。このソーセージ型包装体24は、製造ラインで連続的に作製され、図3に示すように、一つずつになるように切断される。
【0035】
このようにして作製されたソーセージ型包装体24の一端部のクリップ部材22を囲繞するように熱可塑性樹脂でノズル体取付け部26を射出成形加工で形成せしめる。ノズル体取付け部26に使われる熱可塑性樹脂としては、熱可塑性樹脂であれば特に限定はないが、ポリエチレンやポリプロピレンなどの熱可塑性の合成樹脂が好適に使用できる。射出成形機としては、例えばインラインスクリュー式の射出成形機を使用できる。
【0036】
射出成形加工にあたっては、図4に示すように、金型32a,32b内にソーセージ型包装体24をおさめ、ノズル34が設けられた上部金型36から熱可塑性樹脂Rをノズル34から流し込む。符号38は、ソーセージ型包装体24がずれないように抑えるための押圧手段である。
【0037】
このようにして製造された湿気硬化性ペースト状物品包装体10は、使用する際には、従来のソーセージ型のフィルムパックで行われていたように、ノズル体取付け部26が形成された方のクリップ部材22が付いている端部を鋏やカッター等でカットして湿気硬化性ペースト状物品包装体10に穴を開ける。それから図5に示すようにノズル体30を取り付けて、押出しガンに装填して湿気硬化性ペースト状物品を押し出すように使用するか、図5に示す状態のまま手絞りで押し出して使用する。
【0038】
上記した説明では、前記成形用樹脂として熱可塑性樹脂を用いた例を示したが、前記ノズル体取付け部26に使われる前記成形用樹脂としては、熱硬化性樹脂も適用可能である。熱硬化性樹脂としては、熱硬化性樹脂であれば特に限定はないが、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、メラミン樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、ジアリルフタレート樹脂、熱硬化性アクリル樹脂等が適用できる。
【0039】
また、上記した説明では、前記ノズル体取付け部26を射出成形する例を示したが、前記ノズル体取付け部26を形成する成形加工としては、圧縮成形も適用可能である。圧縮成形(プレス成形とも呼ばれる)としては、例えば、特許文献7に記載されたプレス成形技術が使用でき、圧縮成形装置としては、例えば、特許文献8又は特許文献9に記載された装置が使用できる。
【産業上の利用可能性】
【0040】
本発明に係る湿気硬化性ペースト状物品包装体の製造方法及び湿気硬化性ペースト状物品包装体によれば、構造が簡単で製造コストが安く済み、押出しガンに装填しての使用及び手絞りによる使用のいずれにも適用できる。シーリング材のほか接着剤などの湿気硬化性ペースト状物品に適用できる。
【符号の説明】
【0041】
10:湿気硬化性ペースト状物品包装体、12:長尺ラミネートフィルム、14:湿気硬化性ペースト状物品、16,18:端部、20:長手方向両端部、22:クリップ部材、24:ソーセージ型包装体、26:ノズル体取付け部、28:螺子溝、30:ノズル体、32a,32b:金型、34:ノズル、36:上部金型、38:押圧手段、R:熱可塑性樹脂。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
アルミニウム箔の表裏面にヒートシール可能な熱可塑性樹脂フィルムを積層してなる長尺ラミネートフィルムを筒状体に形成するとともに前記筒状体に湿気硬化性ペースト状物品を充填し、その短手方向における両端部を重ね合わせてヒートシールせしめ、前記筒状体の長手方向両端部をクリップ部材で結紮せしめてソーセージ型包装体を形成し、前記ソーセージ型包装体の一端部のクリップ部材を囲繞するように成形用樹脂でノズル体取付け部を成形加工で形成せしめてなることを特徴とする湿気硬化性ペースト状物品包装体の製造方法。
【請求項2】
アルミニウム箔の表裏面にヒートシール可能な熱可塑性樹脂フィルムを積層してなる長尺ラミネートフィルムを筒状体に形成するとともに前記筒状体に湿気硬化性ペースト状物品を充填し、その短手方向における両端部を重ね合わせてヒートシールせしめ、前記筒状体の長手方向両端部をクリップ部材で結紮せしめてソーセージ型包装体を形成し、前記ソーセージ型包装体の一端部のクリップ部材を囲繞するように成形用樹脂でノズル体取付け部を成形加工で形成せしめてなることを特徴とする湿気硬化性ペースト状物品包装体。
【請求項3】
前記ノズル体取付け部にノズル体を着脱自在に取り付けてなることを特徴とする請求項2記載の湿気硬化性ペースト状物品包装体。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2011−57233(P2011−57233A)
【公開日】平成23年3月24日(2011.3.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−205884(P2009−205884)
【出願日】平成21年9月7日(2009.9.7)
【出願人】(000108111)セメダイン株式会社 (92)
【Fターム(参考)】