説明

溶融樹脂の供給方法及びその装置、並びに供給された溶融樹脂による成形品の製造方法

【課題】 溶融樹脂が金型に着座前に経路部材に付着することを防止して、成形金型内での溶融樹脂の位置決め精度を向上させ、供給タイミングの遅れ等もなく正確に供給する。
【解決手段】 溶融樹脂25が着座前に通過する経路中に位置する溶融樹脂ガイドピン10やスロート部材、雌型等の経路部材に、振動付与装置27により振動の付与又はその表面に気層膜を形成することにより、溶融樹脂の前記経路部材への付着を防止しながら供給する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えばダイヘッドから押出された溶融樹脂を金型に供給して圧縮成形する場合等における、溶融樹脂を成形する成形装置に供給する溶融樹脂の供給方法及びその装置、並びに供給された溶融樹脂による成形品の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、押出機のダイヘッドから押出された溶融樹脂塊(以下、単に溶融樹脂という)を金型に供給して雌型と雄型により所定形状に圧縮成形することが広く行なわれている。例えば、容器の分野では、合成樹脂製容器をブロー成形するための前成形体であるプリフォームの成形、容器の注出口であるスパウトの成形、あるいはキャップの成形において、上記のようにダイヘッドから押出された溶融樹脂を金型で圧縮成形することが行なわれている。その際、圧縮成形前の溶融樹脂が金型内の所望の位置に正確に供給されて着座していることが、良好な成形品を得るためには必要な条件であり、位置ずれや傾き着座あるいは落下遅れ等が生じると成形不良が発生してしまう問題点がある。特に、成形物に高機能性を付与する多層溶融樹脂の場合は、金型内に溶融樹脂が偏心又は傾いた状態で供給され、その状態で圧縮成形が行なわれると内部の層が一部に偏ったり、あるいは層切れが発生したりして成形不良を起し、たとえば多層樹脂が内部にガスバリヤー性樹脂層を含む成形品を得る場合、ガスバリヤー層が外部に露出したり、あるいは極端に薄くなったり切れたりする部分が発生し、ガスバリヤー機能を損なうなどの問題が発生する。
【0003】
従来、押出機で溶融樹脂を押出し、該溶融樹脂を金型内に供給して圧縮成形により圧縮成形物を得る成形装置において、押出機のダイから圧縮成形機の金型に溶融樹脂が着座するまでの供給経路として、圧縮成形装置の金型が押出機のダイヘッド直下にあり、又は直下を通過してダイヘッドから押出された環状溶融樹脂を、圧縮成形装置の金型から延びて突出し軸心部にスライド可能なロッドが延びている中間支持部材の表面に受け、それを成形プランジャー(雄型)で押し下げることによって雌型に着座させる経路を有するものが提案されている(特許文献1参照)。また、他の形式として、溶融樹脂の押出機のダイヘッドと圧縮成形装置の金型は軸心がずれた位置に配置され、押出機のダイヘッドと成形機の金型の間に溶融樹脂を搬送する切断・保持機構を外周部に所定ピッチで配置された回転円盤を有し、該回転円盤の回転で前記切断・保持機構が金型の真上まで溶融樹脂を搬送して落下させ、金型側には、雌型と雄型の間に出入自在に溶融樹脂案内手段を設けた供給経路を有するものが提案されている(特許文献2参照)。
【特許文献1】特公平07−61656号公報
【特許文献2】特開平2000−280248号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記のように、押出機のダイヘッドから押出されて所定長さに切断された溶融樹脂が金型の雌型に着座するまでの経路には搬送のため、あるいは位置決め案内のため等で複数の部材(以下、雌型を含めてこれらの部材を経路部材と総称する)が位置している。溶融樹脂は粘着性を有しているため、これらの部材に接触することによって粘着あるいは付着(以下、単に付着という)しやすく、雌型底部に着座するまでにこれらの経路部材に付着して、自然落下を妨げられて傾いた状態で着座したり、落下タイミングがずれて高速で成形している金型とのタイミングがずれたり、あるいは途中で付着して着座に至らない等が発生してしまい、成形不良を起すなどの問題点がある。特に近年の高速成形機及び多層樹脂成形品の製造において溶融樹脂の金型内へのより正確な着座が求められている。
【0005】
そこで、本発明は金型内に溶融樹脂を供給するときに、溶融樹脂がその経路中に位置する経路部材に付着することを確実に防止でき、成形金型内での溶融樹脂の位置決め精度を向上させ、供給タイミングの遅れ等もなく正確に供給することができ、良好な成形品を得ることができる溶融樹脂の供給方法及びその装置、並びに供給された溶融樹脂による成形品の製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記問題点を解決する本発明の溶融樹脂の供給方法は、溶融樹脂を成形装置に供給する溶融樹脂の供給方法であって、溶融樹脂が成形前に通過する経路中に位置する経路部材の溶融樹脂付着防止手段により溶融樹脂付着防止作用を付与することにより、溶融樹脂を前記経路部材への付着を防止しながら成形装置に供給することを特徴とするものである。
【0007】
前記溶融樹脂付着防止手段として、前記経路部材に振動を付与すること、又は前記経路部材の表面に気層膜を形成することが好適に採用できる。そして、前記気層膜の形成は、経路部材の溶融樹脂と対向する表面に直接エアーを供給して空気層を形成する方法、あるいは経路部材を多孔質に形成して、経路部材の内部にエアーを供給して表面から噴出するエアーにより形成する方法が採用できる。
【0008】
前記溶融樹脂付着防止手段により溶融樹脂付着防止作用を付与する経路部材としては、
押出機から押出された管状の溶融樹脂を貫通して案内する棒状案内部材、押出機から押出されて一定寸法に切断された溶融樹脂を雌型に案内するスロート部材、前記押出機から押出される溶融樹脂を受取り所定長さに切断して雌型上方位置に搬送する樹脂搬送部材、あるいは圧縮成形雌型の何れかあるいは全てが望ましい。
【0009】
前記課題を解決する本発明の溶融樹脂の供給装置は、溶融樹脂を成形装置に供給する溶融樹脂の供給装置であって、前記溶融樹脂が成形前に通過する経路中に位置する経路部材に付着するのを防止する溶融樹脂付着防止手段を備えてなることを特徴とする構成を有している。
【0010】
前記溶融樹脂付着防止手段は、前記経路部材に振動を付与する振動付与手段で構成することができる。また、前記溶融樹脂付着防止手段は、経路部材の内部にエアーを供給する手段、内部に供給されたエアーを溶融樹脂と面する側の表面に噴出する手段からなり、前記経路部材が溶融樹脂と面する側の表面に内部からエアーを噴出して気層膜を形成するように構成することもできる。さらに、前記溶融樹脂付着防止手段は、前記経路部材が溶融樹脂と面する表面に沿って流れるエアー流を形成する手段からなり、該エアー流により経路部材表面に気層膜を形成するように構成することもできる。そして、前記溶融樹脂付着防止手段を適用する前記経路部材は、押出機から押出された管状の溶融樹脂を貫通して案内する棒状案内部材、又は押出機から押出されて一定寸法に切断された溶融樹脂を雌型に案内するスロート部材、圧縮成形雌型、あるいは押出機から押出される溶融樹脂を受取り所定長さに切断して雌型上方位置に搬送する樹脂搬送部材の何れかである。
【0011】
そして、本発明の成形品の製造方法は、前記請求項1〜8の何れかに記載された方法によって前記金型に溶融樹脂を供給して、該溶融樹脂を圧縮成形して成形品を製造することを特徴とするものである。前記製造方法は、容器の注出部材、容器のプリフォーム、又は容器用蓋の製造に好適に適用できる。
【発明の効果】
【0012】
本発明の溶融樹脂の供給方法及び供給装置によれば、金型内に供給される溶融樹脂は、ダイヘッドから金型に着座するまでの経路中に存在する経路部材に、溶融樹脂付着防止手段により、振動、気層膜形成等の溶融樹脂付着防止作用が付与されるため、滑り性が向上し溶融樹脂がその供給経路中に位置する経路部材に付着することが確実に防止できる。その結果、通過時間が安定して供給タイミングの遅れ等もなく正確に供給することができ、しかも成形金型内での溶融樹脂の位置決め精度が向上すると共にキャビティ内での姿勢が安定し、且つ溶融樹脂の変形も少なく形状が安定し、歩留まり良く良好な成形品を得ることができる。これにより、成形金型への溶融樹脂供給に要する時間を短縮でき、生産性を向上させることができる。また、上記供給方法及び供給装置を経て圧縮成形して得られた成形品は、樹脂の肉厚の偏り等もなく、多層樹脂の場合は中間層が一定の層厚を安定して確保することができ、良好な圧縮成形品を得ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。
図1は、本発明に係る溶融樹脂の供給方法及び装置が適用される成形装置の一実施形態を示す平面概略図であり、本実施形態では押出機のダイから押出される多層溶融樹脂と単層溶融樹脂を組み合わせてなる溶融樹脂から多層構造のスパウトを成形する場合の実施形態を示している。
図1において、1は圧縮成形装置であり、本実施形態では、ターレット2の外周部に所定ピッチで金型3が複数個配置されたロータリー式圧縮成形装置であり、ターレット2の回転に伴って各金型3は、多層溶融樹脂供給ステーションA、第1振動付与ステーションB、単層溶融樹脂供給ステーションC、第2振動付与ステーションD、圧縮成形ステーションE、2次加工受け渡しステーションFを順次通過することにより、それぞれのステーションにおける多層溶融樹脂供給工程、第1振動付与工程、単層溶融樹脂供給工程、第2振動付与工程、圧縮成形工程、2次加工受け渡し工程を経て多層構造のスパウトが形成される。しかしながら、以下の各実施形態における成形物は、上記スパウトに限るものでなく、種々の成形物の成形が可能であり、その工程もそれに限定されるものではない。また、同形状の物品の成形であっても、単に単層溶融樹脂のみで形成する場合、多層溶融樹脂のみで形成する場合、あるいは上記実施形態のように多層溶融樹脂と単層溶融樹脂の組み合わせで形成する場合において、溶融樹脂の供給工程は相違し、例えば単層溶融樹脂のみ、あるいは多層溶融樹脂のみによる成形の場合は、樹脂供給工程は1回のみであり、また第2振動付与工程も不要である。
【0014】
本実施形態の圧縮成形用の金型3は、図2にその概略断面構造が示されているように、ターレット本体5に支持された中空支持ロッド6の上端部に支持された雌型(キャビティ型)7と、該雌型に対して対向して上下動可能に配置された雄型(コア型)8の組合せからなる。そして、前記中空支持ロッド6の内部には、その上端壁9を貫通して雌型のキャビティ内部を中心軸心に沿って延びる溶融樹脂ガイドピン10が軸方向に移動自在に設けられている。該溶融樹脂ガイドピン10は、経路部材を構成する棒状案内部材であり、その基部11と支持ロッド6の下方部との間にスプリング12が設けられ、溶融樹脂ガイドピン10をキャビティ内部に突出するように所定のバネ力で付勢している。溶融樹脂ガイドピン10は、ダイヘッドから押出された環状の溶融樹脂が正確に雌型に着座するように案内するものであり、溶融樹脂は該溶融樹脂ガイドピンに沿って下降することにより、位置決めされ正確にキャビティ内に同心的に着座することができる。13は金型ロック機構であり、割型で構成されている雌型の外周部を拘束して圧縮成形中雌型が開かないようにロックする機構であり、本実施形態では該金型ロック機構は図示しない適宜の上下動手段で、金型(雌型)を拘束する位置と解除する位置に変位可能に設けられている。金型3は成形物の形状や種類に応じて変更するものであり、必ずしもこの構造に限定されるものでなく、公知の金型が適宜採用できるが、本実施形態では雌型を貫通する溶融樹脂ガイドピンを有する場合に適用できる。
【0015】
多層溶融樹脂供給ステーションAには、図1に示すように多層樹脂押出し装置15が配置されている。該多層樹脂押出し装置15は、図示の実施形態では3つの樹脂供給器16−1、16−2、16−3を有し、3層の樹脂が半径方法に積層してダイヘッド17から溶融状態で環状に押出されるようになっている。また、単層溶融樹脂供給ステーションCに配置された単層溶融樹脂押出し装置20は、単一の樹脂供給器21から供給される樹脂をダイヘッド22から押出して、単層溶融樹脂を前記多層溶融樹脂の上に供給するようになっており、1個の樹脂供給器21と単層ダイヘッド22とから構成されている。なお、本実施形態では、多層溶融樹脂供給ステーションAと単層用樹脂供給ステーションCを別々に設けているが、例えば本出願人が先に提案したように多層溶融樹脂と単層溶融樹脂を単一の押出し装置(特開2004−314336号公報)で連続して押出しするようにすれば溶融樹脂の供給ステーション、及び後述する振動付与ステーションは一箇所のみに設ければよい。
【0016】
以上のように形成された成形装置において、押出装置のダイヘッドから押出された溶融樹脂が、雌型に着座するまでに通過する経路中に位置する経路部材は、溶融樹脂ガイドピン10及び雌型の入口から底部に着座するまでのその雌型内周面である。したがって、溶融樹脂はこれらの経路部材に付着または影響されることがなければ、雌型内に正確に着座することができる。そのため、本実施形態では、溶融樹脂ガイドピン10に溶融樹脂の付着を防止するために、特に第1振動付与ステーションB及び第2振動付与ステーションDを設けて溶融樹脂ガイドピンに次のような手段を講じた。
【0017】
第1振動付与ステーションB、第2振動付与ステーションDには、溶融樹脂が途中の経路部材、特に溶融樹脂ガイドピン10に付着してスムーズな落下が阻害されて落下途中で傾いたり、落下するのに時間がかかったり、さらには落下せずに停止してしまうのを防止するために、溶融樹脂ガイドピン10を振動させる振動付与手段が配置されており、本実施形態の最も特徴部分である。第1振動付与ステーションBと第2振動付与ステーションDに配置される振動付与手段は、同じ機構が採用できるので、第1振動付与ステーションBに配置された振動付与装置についてのみ説明する。
【0018】
溶融樹脂ガイドピン10への振動付与装置27は、図3(c)(d)に示すように、上下動自在に下方に突出する振動子28を有し、該振動子を超音波振動等適宜の振動発生装置で溶融樹脂ガイドピン10の頭部を所定の周波数で叩くことによって、溶融樹脂ガイドピン10はスプリング12の段発作用により微細振動するように構成されている。それにより、該溶融樹脂ガイドピン10に溶融樹脂が付着するのが防止され、溶融樹脂25は傾くことなく雌型中心部に正確にスムーズに着座することができる。
【0019】
図3は、以上のように形成された溶融樹脂防止手段を採用して、雌型内に溶融樹脂を供給する工程図であり、(a)〜(b)は多層溶融樹脂供給ステーションAにおけるダイヘッド17から溶融樹脂25を溶融樹脂ガイドピン10に嵌合しながら供給している状態を示し、(b)は溶融樹脂が切断されてダイヘッドからの供給が終了した状態である。(c)〜(d)は第1振動付与ステーションBにおける振動付与工程を示している。多層溶融樹脂供給ステーションAで雌型中心部に突出する溶融樹脂ガイドピン10に、ダイヘッド17から押出された環状の溶融樹脂25が所定長さに切断されて供給され[図3(a)〜(b)]、第1振動付与ステーションBに到達すると、振動付与装置が下降して所定の周波数で振動している振動子28が溶融樹脂ガイドピンの頂部に当って該ガイドピンを微振動させる。それにより、溶融樹脂25が溶融樹脂ガイドピンに付着することが防止され、溶融樹脂25はスムーズに溶融樹脂ガイドピンに沿って落下し、正確に雌型の所定位置に着座する[同図(d)]。その後、金型3は、単層溶融樹脂供給ステーションCに移動してさらに単層溶融樹脂が供給され、第2振動付与ステーションDで前記と同様にして溶融樹脂ガイドピンに振動が付与されることにより、単層溶融樹脂がスムーズに落下して多層溶融樹脂25の上に重なった状態となる。このようにして、雌型内に溶融樹脂を供給することにより、正確に溶融樹脂が雌型内に位置決めされて着座でき、圧縮ステーションで正確に圧縮成形することができる。
【0020】
図4は、溶融樹脂ガイドピン10に振動を付与するための振動付与手段の他の実施形態を示している。以下の各実施形態では、前記第1実施形態と相違している部分のみを説明し、同様な部分については同一符号を付し、詳細な説明は省略する。
本実施形態では溶融樹脂ガイドピン10をエアーにより微細振動させる構造になっている。図4(b)に要部を拡大して示すように、各金型の中空支持ロッド6の中空部に嵌合している溶融樹脂ガイドピン10の基部11にエアー供給管29の先端部に設けられたエアー供給ノズル30が嵌合する差し込み口31を設け、該差し込み口31と基部11上面に中空支持ロッドの上端壁9に面して形成されたエアーチャンバー32と連通させ、該エアーチャンバー32にエアー供給ノズル30から連続的、或いは間欠的にエアーを供給することにより、スプリング12のバネ圧とエアー圧により基部11がピストン作用により振動し、溶融樹脂ガイドピン10がエアー圧とバネ力との力関係に応じて上下に微振動する。それにより、該溶融樹脂ガイドピン10に嵌合するようにダイヘッドから供給された溶融樹脂が溶融樹脂ガイドピン10に付着することが防止され、スムーズに雌型の所定位置に落下して位置ずれすることなく、正確に着座させることができる。この実施形態においては、溶融樹脂ガイドピン10の振動付与手段は、各金型に設けられて金型と一体に移動するので、金型の移動中に振動を付与することができ、前記実施形態のような、特別な振動付与ステーションBを必要としないので、溶融樹脂供給から圧縮成形工程開始までの間隔を短縮することができる。
【0021】
図5は、本発明のさらに他の実施形態を示している。
本実施形態では、溶融樹脂付着防止手段として、前記振動付与手段に代えて前記溶融樹脂ガイドピンの表面に気層膜を形成することによって、溶融樹脂が溶融樹脂ガイドピンの表面に付着するのを防止するようにしたものであり、図5に拡大して示すように、溶融樹脂ガイドピン40に軸心に沿ってエアー通路41を形成し、該エアー通路から溶融樹脂ガイドピン外周面に延びる多数の空気吹出し孔42を外周面にほほ均一に分布するように形成し、且つ溶融樹脂ガイドピンの基部43にはエアー通路41に通じるノズル差し込み口44を形成し、該差し込み口44にエアー供給管45のエアー供給ノズル46が差し込まれている。溶融樹脂ガイドピンを以上のように構成することによって、溶融樹脂ガイドピン外周面にエアーが吹出して空気層が形成されるため、溶融樹脂が溶融樹脂ガイドピンに付着することがなくなり、エアーベアリング作用によりスムーズに落下して正確に着座させることができる。
【0022】
なお、図5に示す実施形態では、溶融樹脂ガイドピン40は通常の金属材で形成してその外周部に中心部のエアー通路に連通する多数のエアー吹出し孔を形成したが、溶融樹脂ガイドピンを多孔質材料で形成することによって、前記のようなエアー吹出し孔を形成することなく溶融樹脂ガイドピンの外周部からより均一なエアー層を形成することができ、且つ製造も容易となる。
【0023】
図6は、溶融樹脂付着防止手段として、前記溶融樹脂ガイドピンの表面に気層膜を形成するさらに他の実施形態を示し、図5の場合と同様に、図4に示す実施形態における(a)、(b)に相当する工程部分を拡大して示している。
本実施形態では、溶融樹脂ガイドピン50の表面に気層膜を形成する手段として、溶融樹脂ガイドピンの基部から上部に向かって外周面に沿ってエアーを吹き出すように構成されている。即ち、本実施形態では図6(a)(b)に拡大して示すように、中空支持ロッド6の中空部51に加圧エアーを供給して、該エアーが、中空部に嵌合している溶融樹脂ガイドピン50の基部52の外周部を通り、且つ上端壁9と雌型底壁を通ってキャビティ内の底部か溶融樹脂ガイドピンの外周部を包被するように上方に向かって加圧エアーが噴出するように構成した。上記構成により、少なくともダイヘッドからの樹脂供給開始直前から雌型内に着座するまで、上記のようにエアーを噴出することによって、溶融樹脂ガイドピンの外周部に空気層が形成され、溶融樹脂は溶融樹脂ガイドピンに付着することが防止され、スムーズに雌型内に正確に着座することができる。
【0024】
以上の実施形態は、雌型内に上下動する溶融樹脂ガイドピンを設けて円筒形状の成形品を製造する場合であるが、次に例えばキャップ等上下に貫通する中空体となっていない成形物を成形する場合は、溶融樹脂も環状となってないので溶融樹脂ガイドピンを有するものは適用できない。その場合、溶融樹脂ガイドピンに代えて溶融樹脂の案内手段として、雌型と雄型との間に出入自在にスロート部材を設ける場合が多い。従って、その場合は、ダイヘッドから着座までの経路部材は、スロート部材、雌型である。また、その場合、ダイヘッドと金型の着座中心位置がずれて配置されている場合が多く、ダイヘッドから供給された溶融樹脂を樹脂搬送部材61に受取り、所定長さに切断して、該溶融樹脂を前記雌型の搬送経路上方位置に搬送する溶融樹脂搬送部材を有する場合が多い。したがってその場合は、経路部材はさらに溶融樹脂搬送部材が付加される。以下の実施形態は、これらの経路部材に溶融樹脂が付着するのを防止するために、溶融樹脂付着防止手段により溶融樹脂付着防止作用を付与する場合について説明する。
【0025】
図7はダイヘッドと金型の軸心がずれて配置されている場合の実施形態を示す模式図であり、図中60はダイヘッド、61はダイヘッドから溶融樹脂を受取り所定長さに切断して金型の移動経路上に搬送する樹脂搬送部材、62は雌型の移動経路の上方に出入自在に設けられたスロート部材、63は雌型である。樹脂搬送部材61は、例えば図示しない回転ターレットに所定間隔で複数個配置され、ダイヘッド60の下方位置とスロート部材62の上方とを通過するように間欠的に回転駆動されて移動する。樹脂搬送部材61は、図8に示すように、ダイヘッドから垂下してくる溶融樹脂を挟み込んで保持するために、略半円筒面の把持面を有する本体65と、該半円筒把持面と対向する略1/4円筒把持面になっている一対の開閉可能なクランプ片66を有している。クランプ片66は、本体65の設けられたシリンダ装置等適宜アクチュエータ67を介して、同図(b)(c)(d)に示すように、開閉可能となっており、クランプ片66が開いている状態で溶融樹脂を受取り、クランプ片を閉じることによって溶融樹脂を保持するようになっている。なお、図示してないが、ダイヘッド60が押出した溶融樹脂を所定長さに切断する溶融樹脂切断手段を有していない場合は、樹脂搬送部材61の上面に溶融樹脂を切断するカッターを一体に設けるようにする。
【0026】
以上のように構成された樹脂搬送部材61において、本実施形態では、該樹脂搬送部材61が溶融樹脂を受取って移動しスロート部材62の真上に到達して、保持している溶融樹脂をスロート部材に落下させるときに、溶融樹脂がクランプに付着して落下姿勢が崩れることを防止するために、クランプ片66に溶融樹脂付着防止手段を適用してある。
【0027】
前記溶融樹脂付着防止手段として、本実施形態では少なくとも一対のクランプ片66、66を図示しない圧電素子等適宜の振動発生手段で振動可能に構成し、スロート部材62の上方に到達してクランプ片を開く時に該クランプ片を振動させることにより,溶融樹脂がクランプ片にくっついて姿勢が崩れることを防止でき、溶融樹脂が正しい姿勢でスロート部材のスロート71に落下する。なお、クランプ片のみでなく、半円筒面の把持面を有する本体65にも振動発生手段を設けて、溶融樹脂落し込み時に本体も同時に振動するようにするとより効果的である。
【0028】
上記実施形態では、少なくとも一対のクランプ片66、66を振動可能に構成したが、振動発生手段に代えて、樹脂搬送部材から溶融樹脂を落下させる際に、クランプ片の溶融樹脂把持面に気層膜を形成して、溶融樹脂がクランプ片に付着するのを防止するようにすることも可能である。そのために、クランプ片自体を多孔材(ポーラス材)で形成し、クランプ片の内部に圧縮空気を供給することにより、内面から把持面全体に空気が吹き出して気膜層を形成するようにする。クランプ片内部への空気の供給は、適宜制御可能に構成して、溶融樹脂を保持している時には気膜層を形成せずに、溶融樹脂を離す時にのみエアーを供給するようにする。なお、本実施形態の場合もクランプ片のみならず、本体65も多孔質材で形成して把持面に気膜層を形成できるようにしてもよい。
【0029】
また、必要に応じてスロート部材62、雌型63にも溶融樹脂付着防止手段を講じるのが望ましい。図7に示す実施形態では、スロート部材62、雌型63にも溶融樹脂付着防止手段として、スロート部材62、雌型63をそれぞれ振動させる振動付与手段を設けてある。図7ではスロート部材の振動付与手段として、圧電素子等の超音波振動素子を使用して超音波振動させた場合の実施形態を示している。本実施形態のスロート部材62は、スロート部材本体81に圧電素子からなる超音波振動素子82を適宜取付けたものであり、圧電素子の電歪作用によりスロート部材を超音波振動させ、溶融樹脂55が付着するのを防止したものである。
【0030】
また、本実施形態では、図7に示すように、圧縮成形用の雌型63の適所に圧電素子等の超音波振動素子92を取り付け、該超音波振動素子が振動することによって雌型を超音波振動させるように構成されている。供給された溶融樹脂55がキャビティ64に着座するまで雌型を振動させることによって、溶融樹脂が雌型に着座するまでの供給過程で雌型に付着するのを防止することができ、溶融樹脂を正確に着座させることができる。なお、図中64はキャビティ、68は冷却水路である。
【0031】
図9及び図10は、スロート部材に溶融樹脂付着防止手段として他の振動付与手段を講じた実施形態を示す。本実施形態のスロート部材70は、中央部に溶融樹脂55が通過するスロート71が貫通しているスロート部材本体72とリング状の振動子73の組合せからなり、振動子73はスロート部材本体72の外周面から形成された環状溝74に上下振動可能に遊嵌されている。振動子73は、環状溝74の幅(軸方向高さ)よりも薄く形成されて、その上面に上端が開口している空気溜め75が形成され、且つ該空気溜め75に外部より圧縮空気が供給可能に圧縮空気供給口76が形成され、該圧縮空気供給口76に図示しない圧縮空気供給管が取付けられている。そして、振動子73の下面には、スロート部材本体72との間にスプリング77が設けられ、振動子73の上面が環状溝74の上面と密着して空気溜め75の開口部を閉鎖するように付勢されている。なお、スロート71の断面形状は必ずしも円柱状に限らず、ロート状あるいは溶融樹脂の最大部の断面形状に対応する形状など、任意に設計変更が可能である。
【0032】
本実施形態のスロート部材70は、以上のように構成され、図9に示す状態から圧縮空気供給口76に圧縮空気を供給することにより、空気溜め75の内圧が上昇し、振動子73はスプリング77に抗して押し下げられ図10に示す状態となる。この状態になると、図示のように空気溜め75と環状溝74の上壁面78との隙間が大きくなり、空気溜め内の圧縮空気が外部に排気される。その結果、空気溜め75の圧力が低下することによって振動子はスプリングの弾発により上昇し再び図9に示す状態となる。以後その繰り返し、即ち空気溜めの空気圧上昇と空気圧下降を繰り返すことにより振動子が振動する。その結果、振動子の上面が環状溝の上壁面に衝突を繰り返し、スロート部材70全体が振動し、スロート部71を通過する溶融樹脂55がスロート部内周面に付着することが防止され、溶融樹脂はスムーズに落下する。
【0033】
図11は、スロート部材に溶融樹脂付着防止手段としてスロートの表面に気層膜を形成する実施形態を示す。本実施形態のスロート部材85は、前記実施形態と同様に中央部にスロート86が貫通しているが、該スロートの内周壁面を多孔質材からなるスリーブ88で形成している。即ち、本実施形態ではスロート部材85は、通常の金属材で形成されたスロート部材本体87と、該スロート部材本体に密嵌合し多孔質材で形成されたスリーブ88から構成され、スリーブ88が溶融樹脂を案内するスロートとなっている。そして、スロート部材本体87とスリーブ88との密嵌合部分にエアーチャンバ89を形成し、該エアーチャンバ89に外部から圧縮空気を供給する圧縮空気供給口90が連通している。
【0034】
本実施形態のスロート部材85は、以上のように構成され、スロートを構成するスリーブ88の内周面にエアーチャンバ89から空気が吹き出すことによって気層膜が形成され、スロート86を通過する溶融樹脂はスロートに付着することなく、良好に雌型に落しこむことができる。以上のように、スロート部材に溶融樹脂付着防止手段を設けることによって、スロート径を小さくしても溶融樹脂の安定した落とし込みが可能となった。溶融樹脂を姿勢良く落とし込むためには、溶融樹脂径に対してスロート径をできるだけ小さくすることが望ましいが、スロート径を小さくすると付着が生じて円滑な落とし込みができなくなるので、従来スロート径を大きくせざる得なかったが、その場合姿勢良く落とし込むことができなかった。
【0035】
以上,本発明に係る溶融樹脂供給方法・装置における溶融樹脂付着防止手段の種々の実施形態を示したが、これらの溶融樹脂付着防止手段は、必ずしも、棒状案内部材(溶融樹脂ガイドピン)、樹脂搬送部材、スロート部材あるいは雌型等の経路部材全てに講じなくても良く、成形品等に応じて適宜組み合わせて採用すればよい。また、溶融樹脂付着防止手段も上記実施形態に限るものではない。
以上のようにしてなる本発明の溶融樹脂供給方法・装置は、種々の成形品の製造に適用可能であるが、容器の注出部材、または容器のプリフォームあるいは容器蓋を圧縮成形するのに好適であり、特に多層構造のこれらの成形品を製造する際に、溶融樹脂を雌型内に正確に着座させた状態で圧縮成形できるので、各層がずれたり層厚が変化することを防止でき、良好に成形することができる。
【実施例】
【0036】
実施例1
図2に示す実施形態の溶融樹脂供給装置において、溶融樹脂ガイドピンを振動させた場合(実施例)と振動させない場合(比較例)について、溶融樹脂の落とし込みへの影響を調べた。実施例は、溶融樹脂ガイドピンを258Hz、振幅1mmの振動を0.2秒間付加して雌型内に溶融樹脂を落しこんだ場合、比較例は溶融樹脂ガイドピンに全く振動与えずに雌型内へ落しこんだ場合のそれぞれの溶融樹脂の着座状況を個々に調べることによって行なった。実験はそれぞれについて50個行った。その結果、実施例の場合は、すべての溶融樹脂が正確に雌型内に着座しており、落し込み不良はなかった。これに対し、比較例の場合は、50個のうち25個が着座状態が悪く落して込み不良が50%あるのが観察された。従って、この実験により溶融樹脂ガイドピンを振動させることが、溶融樹脂が正確に着座させるのに極めて効果的であることが確認された。
【0037】
実施例2
図7に示すようなスロート部材を介して雌型に溶融樹脂を落しこむ場合において、溶融樹脂を連続340回スロートを通して落しこみ、その場合スロート部材を振動させた場合(実施例)と振動させない場合(比較例)について、図12(a)に示すように、それぞれスロート部材100の下端から約16mm下方の位置でレーザ外形測定器101によって、溶融樹脂が通過する時間を測定した。測定はレーザ発振器102から発振されるレーザ光を溶融樹脂の先端が横切り、後端の通過が終了するまでの時間を測定した。その結果、図13のグラフに示すような結果が得られた。該グラフから明らかなように、スロートを振動させた場合は、その50%以上が0.07〜0.08秒以内であり、最大で0.12秒で0.11〜0.12秒の範囲のものは2%に過ぎず、バラツキが少なく、ほぼ均一な時間間隔で落し込まれ、通過時間は安定しており、スロート内での溶融樹脂の付着が殆ど発生してないことが確認された。これに対して、スロート部材を振動させない場合は、落下時間が0.06〜0.64秒まで広い範囲に分布しており、スロートでの溶融樹脂の停滞(付着)が発生していることが確認された。
【0038】
実施例3
実施例2と同様なレーザ外形測定器を使用して溶融樹脂の落下時の傾き状況を、スロートを振動させた場合(実施例)と振動させない場合(比較例)について、それぞれ測定した。溶融樹脂は、スロートに部分的に付着することによって抵抗を受け、傾いた状態で落下することが考えられる。図12(c)において、溶融樹脂が傾いている場合は、最大間隔sは大きくなり、最大間隔sが小さければ姿勢良く落し込まれると判断される。したがって、溶融樹脂がレーザ光を横切る最大間隔sを測定することによって、傾き状況の測定を行った。その結果を図14のグラフに示した。このグラフから明らかなように,実施例の場合は、溶融樹脂の最大径は25.5〜26mmの範囲にほぼ60%が分布し、比較的揃って安定して落下していることが確認できる。これに対して、比較例の場合は溶融樹脂の最大径はまちまちで不安定であった。
【産業上の利用可能性】
【0039】
本発明は、ダイヘッドから押出された溶融樹脂が雌型に着座するまでの経路中に存在する部材に付着することを防止でき、溶融樹脂の通過時間、溶融樹脂径、キャビティ内での姿勢が安定し、正確に溶融樹脂をキャビティに着座させることができるので、多層構造成形品でも中間樹脂層のバラツキなく良好に成形でき、プリフォーム、注出部材、容器蓋等種々の成形品を成形する溶融樹脂を成形装置に供給する溶融樹脂の供給方法及びその装置、並びに供給された溶融樹脂による成形品の製造方法として適用できる。
【図面の簡単な説明】
【0040】
【図1】本発明に係る溶融樹脂の供給方法及び装置が適用される成形装置の一実施形態の配置を示す平面概略図である。
【図2】本発明が適用される圧縮成形用の金型の実施形態を示す概略断面である。
【図3】(a)〜(d)は本発明の実施形態である溶融樹脂供給方法による図2に示す金型への溶融樹脂供給工程を示す工程毎の圧縮成形装置の要部断面図である。
【図4】(a)は本発明の他の実施形態に係る圧縮成形装置の要部断面図であり、(b)はそのA部拡大図である。
【図5】(a)は本発明のさらに他の実施形態に係る圧縮成形装置の溶融樹脂供給開始時の状態での要部断面図であり、(b)は溶融樹脂が雌型に着座した状態での要部断面図である。
【図6】(a)は本発明のさらに他の実施形態に係る圧縮成形装置の溶融樹脂供給開始時の状態での要部断面図であり、(b)は溶融樹脂が雌型に着座した状態での要部断面図である。
【図7】本発明の他の実施形態である成形装置の溶融樹脂供給方法を示す経路部材の概略断面図である。
【図8】その樹脂搬送部材の作動状態を示す説明図であり、(a)はダイヘッドから溶融樹脂の供給状態を示す断面図、(b)〜(d)は溶融樹脂を保持する状態を示す平面図、(e)は溶融樹脂を保持した状態での断面図である。
【図9】本発明の他の実施形態である成形装置のスロート部の断面図である。
【図10】その排気状態での断面図である。
【図11】本発明のさらに他の実施形態である成形装置のスロート部の断面図である。
【図12】スロート部からの溶融樹脂落下時の通過時間及び溶融樹脂径の測定方法を示す説明図である。
【図13】スロート部から落下する溶融樹脂の通過時間のバラツキを示すグラフである。
【図14】スロート部から落下する溶融樹脂の径のバラツキを示すグラフである。
【符号の説明】
【0041】
1 圧縮成形装置 2 ターレット
3 金型 6 中空支持ロッド
7、63 雌型
10、40、50 溶融樹脂ガイドピン
11 基部 12 スプリング
15 多層溶融樹脂押出し装置 17、60 ダイヘッド
20 単層溶融樹脂押出し装置 25 溶融樹脂
27 振動付与装置 28、73 振動子
30 エアー供給ノズル 31、44 ノズル差し込み口
32、89 エアーチャンバ 41 エアー通路
42 空気吹き出し口 45 エアー供給管
46 エアー供給ノズル 61 樹脂搬送部材
62、80、85 スロート部材 64 キャビティ
65 本体 66 クランプ片
67 アクチュエータ 71 スロート部
74 環状溝 75 空気溜め
76、90 圧縮空気供給口 81、87 スロート部材本体
82、92 超音波振動素子 86 スロート部
88 スリーブ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
溶融樹脂を成形装置に供給する溶融樹脂の供給方法であって、溶融樹脂が成形前に通過する経路中に位置する経路部材に溶融樹脂付着防止手段により溶融樹脂付着防止作用を付与することにより、溶融樹脂を前記経路部材への付着を防止しながら成形装置に供給することを特徴とする溶融樹脂の供給方法。
【請求項2】
前記溶融樹脂付着防止手段が、前記経路部材に振動を付与することである請求項1に記載の溶融樹脂の供給方法。
【請求項3】
前記溶融樹脂付着防止手段が、前記経路部材の表面に気層膜を形成することである請求項1に記載の溶融樹脂の供給方法。
【請求項4】
前記気層膜が、多孔質に形成された経路部材の表面から噴出するエアーにより形成される請求項3に記載の溶融樹脂の供給方法。
【請求項5】
前記経路部材が、押出機から押出された管状の溶融樹脂を貫通して案内する棒状案内部材である請求項1〜4の何れかに記載の溶融樹脂の供給方法。
【請求項6】
前記経路部材が、押出機から押出されて一定寸法に切断された溶融樹脂を雌型に案内するスロート部材である請求項1〜4の何れかに記載の溶融樹脂の供給方法。
【請求項7】
前記経路部材が、圧縮成形用雌型である請求項1〜4の何れかに記載の溶融樹脂の供給方法。
【請求項8】
前記経路部材が、前記押出機から押出される溶融樹脂を受取り所定長さに切断して、雌型上方位置に搬送する樹脂搬送部材である請求項1〜4の何れかに記載の溶融樹脂の供給方法。
【請求項9】
溶融樹脂を成形装置に供給する溶融樹脂の供給装置であって、前記溶融樹脂が成形前に通過する経路中に位置する経路部材に付着するのを防止する溶融樹脂付着防止手段を備えてなることを特徴とする溶融樹脂の供給装置。
【請求項10】
前記溶融樹脂付着防止手段が、前記経路部材に振動を付与する振動付与手段である請求項9に記載の溶融樹脂の供給装置。
【請求項11】
前記溶融樹脂付着防止手段が、前記経路部材の内部にエアーを供給する手段、内部に供給されたエアーを溶融樹脂と面する側の表面に噴出する手段からなり、前記経路部材が溶融樹脂と面する側の表面に内部からエアーを噴出して気層膜を形成することである請求項9に記載の溶融樹脂の供給装置。
【請求項12】
前記溶融樹脂付着防止手段が、前記経路部材が溶融樹脂と面する表面に沿って流れるエアー流を形成する手段からなり、該エアー流により経路部材表面に気層膜を形成することである請求項9に記載の溶融樹脂の供給装置。
【請求項13】
前記経路部材が、押出機から押出された管状の溶融樹脂を貫通して案内する棒状案内部材である請求項9〜12の何れかに記載の溶融樹脂の供給装置。
【請求項14】
前記経路部材が、押出機から押出されて一定寸法に切断された溶融樹脂を雌型に案内するスロート部材である請求項9〜12の何れかに記載の溶融樹脂の供給装置。
【請求項15】
前記経路部材が、圧縮成形雌型である請求項9〜12の何れかに記載の溶融樹脂の供給装置。
【請求項16】
前記経路部材が、押出機から押出される溶融樹脂を受取り所定長さに切断して、雌型上方位置に搬送する樹脂搬送部材である請求項9〜12の何れかに記載の溶融樹脂の供給装置。
【請求項17】
前記請求項1〜8に記載の何れかの方法によって金型に溶融樹脂を供給して、該溶融樹脂を圧縮成形して成形品を製造することを特徴とする成形品の製造方法。
【請求項18】
前記成形品が容器の注出部材である請求項17の成形品の製造方法。
【請求項19】
前記成形品が容器のプリフォームである請求項17の成形品の製造方法。
【請求項20】
前記成形品が容器用蓋である請求項17の成形品の製造方法。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate

【図13】
image rotate

【図14】
image rotate


【公開番号】特開2006−198965(P2006−198965A)
【公開日】平成18年8月3日(2006.8.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−14779(P2005−14779)
【出願日】平成17年1月21日(2005.1.21)
【出願人】(000003768)東洋製罐株式会社 (1,150)
【Fターム(参考)】