説明

潜像担持体ユニット及び画像形成装置

【課題】従来よりもプロセスユニット1Yの扁平化を図ることができる画像形成装置を提供する。
【解決手段】プロセスユニット1Yとして、ユニットケーシングの相対向する2つの側面にそれぞれ、第1位置決め突部14Yと、第1位置決め突部とは異なる位置でプロセスユニット1Yを位置決めする第2位置決め突部15Yとを互いにスリット96Yの長手方向にずらして配設したものを用い、プロセスユニット1Yを画像形成装置本体に装着する過程で、プロセスユニット1Yの2つの上記側面にてそれぞれ、第2位置決め突部15Yを、第1位置決め突部14Yが係合するスリット96Yに対して第1位置決め突部14Yとはスリット長手方向に位置をずらして係合させるようにした。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、少なくとも潜像担持体を具備し且つ画像形成装置本体に対して着脱可能な潜像担持体ユニット、及びこれを用いる画像形成装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、この種の画像形成装置として、特許文献1に記載のものが知られている。画像形成装置本体に対して着脱可能な潜像担持体ユニットとしての感光体ユニットを備える画像形成装置である。この感光体ユニットは、潜像担持体たる感光体と、これの周囲に配設される部材である帯電ローラ及びクリーニング部材とを1つのユニットとして共通のケーシングに保持している。感光体ユニットのケーシングの両側面には、それぞれ第1位置決め突部と第2位置決め突部とが突設せしめられている。一方、画像形成装置本体内で所定の距離をおいて相対向するように立設せしめられた2つの側板には、それぞれ、第1位置決め突部に係合する第1スリットと、第2位置決め突部に係合する第2スリットとが形成されている。感光体ユニットにおける一方の側面に着目すると、感光体ユニットは、装置本体側板の第1スリットに自らの第1位置決め突部を係合させた状態で、第1スリットの長手方向であるユニットの着脱方向に押し込まれて画像形成装置本体に装着される。このとき、第1スリット内でスライド移動する自らの第1位置決め突部を第1スリットの端部に突き当てることで、画像形成装置本体内において着脱方向の位置決めがなされる。また、この位置決めの直前に、自らの第2位置決め突部が装置本体側板の第2スリットに係合せしめられる。これにより、感光体ユニットが第1位置決め突部とは異なる箇所でも位置決めされる。また、感光体ユニットにおけるもう一方の側面においても、同様にして、感光体ユニットの第1位置決め突部が画像形成装置本体におけるもう一方の第1スリットの端部に突き当たる。そして、感光体ユニットの第2位置決め突部が画像形成装置本体におけるもう一方の第2スリットに係合する。
【0003】
かかる構成においては、画像形成装置本体内で感光体ユニットを両側面においてそれぞれ互いに位置の異なる第1位置決め突部及び第2位置決め突部の2箇所で位置決めすることで、ユニット全体を位置決めするとともに、その姿勢を矯正することができる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、かかる構成では、次に説明する理由により、画像形成装置本体の小型化を困難にしてしまうという問題がある。即ち、感光体ユニットは、近年の画像形成装置の小型化に伴って扁平化が望まれている。特に、互いに異なる色のトナー像を形成する複数の感光体ユニットを用いるいわゆるタンデム方式のカラー画像形成装置では、各ユニットの扁平化が装置本体の小型化にとって重要な要素となる。扁平な感光体ユニットをその厚み方向に並べるレイアウトにすることで、ユニット設置スペースをコンパクトにすることができるからである。このようなレイアウトにおいて、各感光体ユニットを画像形成装置本体内でそれぞれユニット厚み方向にスライド移動させて画像形成装置本体に着脱する構成にしたとする。すると、例えば、手前から3番目のユニットだけを交換したいにもかかわらず、まず、手前から1番目及び2番目のユニットを装置本体内から引き出す作業が必要になってしまう。このため、ユニット厚み方向とほぼ直交する方向にスライド移動させるようにして、各感光体ユニットをそれぞれ単独で着脱可能にする構成を採用することになる。この一方で、感光体ユニットの両側面にそれぞれ形成される第1位置決め突部や第2位置決め突部については、所望の位置決め精度を維持したり、ユニット装着の際の衝撃に耐え得る強度を発揮したりする必要があることから、どうしてもある程度の大きさが必要になる。そして、ユニット厚み方向とほぼ直交する方向にスライド移動する感光体ユニットの両側面において、それぞれ、比較的大きな第1位置決め突部及び第2位置決め突部を個別のスリットに係合させるようにするためには、それら突部をユニット側面上で厚み方向に並べて配設せざるを得ない。すると、感光体ユニットの厚みを小さくすること、即ち、ユニットの扁平化が困難になってしまうのである。
【0005】
本発明は、以上の背景に鑑みなされたものであり、その目的とするところは、従来よりも潜像担持体ユニットの扁平化を図ることができる画像形成装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために、請求項1の発明は、表面に潜像を担持する潜像担持体と、該表面に潜像を書き込む潜像書込手段と、該潜像をトナーによって現像する現像手段とを備える画像形成装置であって、少なくとも該潜像担持体を有し且つ画像形成装置本体に対して着脱可能な潜像担持体ユニットを有し、該潜像担持体ユニットは、画像形成装置本体の相対向する2つの面にそれぞれ設けられた溝又はスリットに係合する第1位置決め突部を有し、該溝又は該スリットには、該第1位置決め突部と突き当たる被突き当て部が設けられ、該潜像担持体ユニットを該画像形成装置本体に装着する際には、該被突き当て部と該第1位置決め突部とが突き当たることで、該潜像担持体ユニットの該画像形成装置本体内における該画像形成装置本体に対する着脱方向の位置決めがなされる画像形成装置において、上記潜像担持体ユニットには、上記第1位置決め突部とは異なる位置で該潜像担持体ユニットを位置決めする第2位置決め突部を上記着脱方向にずらして配設し、該潜像担持体ユニットを画像形成装置本体に装着する際には、該第2位置決め突部を、該第1位置決め突部が係合する上記溝又は上記スリットに対して該第1位置決め突部とは該着脱方向に位置をずらして係合させることを特徴とするものである。
この請求項1の発明については、表面に潜像を担持する潜像担持体と、該表面に潜像を書き込む潜像書込手段と、該潜像をトナーによって現像する現像手段とを備えるとともに、少なくとも該潜像担持体を有し且つ画像形成装置本体に対して着脱可能な潜像担持体ユニットを備え、該潜像担持体ユニットが、自らの相対向する2つの側面にそれぞれ設けられた第1位置決め突部を、画像形成装置本体の相対向する2つの部材にそれぞれ設けられた溝又はスリットに係合させた状態で、該溝又は該スリット内に押し込まれて画像形成装置本体に装着される過程で、該溝又は該スリット内でスライド移動する該第1位置決め突部を該溝又は該スリットの被突き当て部に突き当てるものであり、該被突き当て部に対する該第1位置決め突部の突き当たりによって該潜像担持体ユニットの画像形成装置本体内における該画像形成装置本体に対する着脱方向の位置決めがなされる画像形成装置において、上記潜像担持体ユニットとして、ユニット筺体の相対向する2つの上記側面にそれぞれ、上記第1位置決め突部と、該第1位置決め突部とは異なる位置で該潜像担持体ユニットを位置決めする第2位置決め突部とを互いに上記着脱方向にずらして配設したものを用い、該潜像担持体ユニットの2つの上記側面にてそれぞれ、該第2位置決め突部を、該第1位置決め突部が係合する上記溝又は上記スリットに対して該第1位置決め突部とは該着脱方向に位置をずらして係合させるようにすることがより望ましい。
また、請求項2の発明は、請求項1の画像形成装置において、上記潜像担持体ユニットとして、上記2つの面に対応する、ユニット筺体の2つの側面にてそれぞれ、上記着脱方向に延在する延在突部を、上記第1位置決め突部と上記第2位置決め突部との間に設けたもの、を用い、該延在突部も該第1位置決め突部及び第2位置決め突部とともに同じ上記溝又は上記スリットに係合させるようにしたことを特徴とするものである。
また、請求項3の発明は、請求項1又は2の画像形成装置において、上記潜像担持体ユニットとして、上記第1位置決め突部を金属材料で形成し且つ上記第2位置決め突部を樹脂材料で形成したもの、を用いたことを特徴とするものである。
また、請求項4の発明は、請求項1乃至3の何れかの画像形成装置において、上記2つの面に対応する、上記潜像担持体ユニットの2つの側面、における少なくとも一方の側面について、上記第1位置決め突部及び上記第2位置決め突部と、上記溝又は上記スリットとの組合せとは別に、上記潜像担持体ユニットの上記着脱方向への移動を許容するように互いに係合する移動許容係合部を、該潜像担持体ユニット及び該画像形成装置本体にそれぞれ設け、該潜像担持体ユニットを該画像形成装置本体に装着する過程で、該第1位置決め突部を上記被突き当て部に突き当てる前に、該潜像担持体ユニットの移動許容係合部と該画像形成装置本体の移動許容係合部とを係合させるようにしたことを特徴とするものである。
また、請求項5の発明は、請求項4の画像形成装置において、上記潜像担持体ユニットにおける2つの上記側面のそれぞれについて、該潜像担持体ユニット及び上記画像形成装置本体に上記移動許容係合部の組合せを複数設けたことを特徴とするものである。
また、請求項6の発明は、請求項1乃至3の何れかの画像形成装置において、所定の情報を記憶している情報記憶回路と、該情報記憶回路に導通しつつ外部に露出している露出電極とを上記潜像担持体ユニットに設けるとともに、該潜像担持体ユニットが上記画像形成装置本体内で自らの上記第1位置決め突部を該画像形成装置本体の上記被突き当て部に突き当てる位置にあるときに該露出電極に接触する接触電極を該画像形成装置本体に設け、互いに接触している該露出電極及び該接触電極を介して、画像形成装置本体内に配設された制御手段と、該情報記憶回路との情報通信を行わせるようにしたことを特徴とするものである。
また、請求項7の発明は、請求項4又は5の画像形成装置において、所定の情報を記憶している情報記憶回路と、該情報記憶回路に導通しつつ外部に露出している露出電極とを上記潜像担持体ユニットに設けるとともに、該潜像担持体ユニットが上記画像形成装置本体内で自らの上記第1位置決め突部を該画像形成装置本体の上記被突き当て部に突き当てる位置にあるときに該露出電極に接触する接触電極を該画像形成装置本体に設け、互いに接触している該露出電極及び該接触電極を介して、画像形成装置本体内に配設された制御手段と、該情報記憶回路との情報通信を行わせるようにしたことを特徴とするものである。
また、請求項8の発明は、請求項7の画像形成装置において、上記潜像担持体ユニットとして、上記2つの面に対応する2つの側面における少なくとも一方に対して、上記第1位置決め突部と上記第2位置決め突部とを結ぶ仮想直線を境にした片方の領域に上記移動許容係合部を設け、且つ他方の領域に上記露出電極を設けたもの、を用いたことを特徴とするものである。
また、請求項9の発明は、請求項6乃至8の何れかの画像形成装置において、上記潜像担持体ユニットとして、ユニット筺体表面の全領域のうち、上記画像形成装置本体に装着される過程で該画像形成装置本体の上記接触電極と摺擦する領域に、低摩擦処理を施したもの、を用いたことを特徴とするものである。
また、請求項10の発明は、請求項6乃至9の何れかの画像形成装置において、上記露出電極と上記接触電極との組合せを上記潜像担持体ユニット及び上記画像形成装置本体に複数設けたことを特徴とするものである。
また、請求項11の発明は、請求項10の画像形成装置において、複数の上記露出電極と、それぞれの該露出電極に個別に対応する複数の上記接触電極との組合せのレイアウトとして、上記潜像担持体ユニットを上記画像形成装置本体に装着する過程で、複数の露出電極をそれぞれ自らに対応しない接触電極と接触させることなく、自らに対応する接触電極との接触位置まで移動させるレイアウトを採用したことを特徴とするものである。
また、請求項12の発明は、請求項6乃至11の何れかの画像形成装置において、上記露出電極及び上記接触電極における少なくとも何れか一方として、上記着脱方向に延在するものを用いたことを特徴とするものである。
また、請求項13の発明は、請求項1乃至12の何れかの画像形成装置において、上記着脱方向を鉛直方向からずらしたことを特徴とするものである。
また、請求項14の発明は、請求項13の画像形成装置において、上記潜像担持体ユニット内の駆動伝達ギヤの回転モーメント、及び該潜像担持体ユニットと上記画像形成装置本体との間の駆動伝達ギヤの回転モーメントにより、上記第1位置決め突部と上記被突き当て部との当接点を支点にして該潜像担持体ユニットに対して付与される回転力の回転方向の側に、上記着脱方向を鉛直方向に対して傾けたことを特徴とするものである。
また、請求項15の発明は、少なくとも潜像担持体を有し且つ画像形成装置本体に対して着脱可能な潜像担持体ユニットであって、該潜像担持体ユニットは、画像形成装置本体の相対向する2つの面にそれぞれ設けられた溝又はスリットに係合可能な第1位置決め突部を有し、該潜像担持体ユニットを該画像形成装置本体に装着する際には、該溝又は該スリットに設けられた被突き当て部と該第1位置決め突部とが突き当たることで、該潜像担持体ユニットの該画像形成装置本体内における該画像形成装置本体に対する着脱方向の位置決めがなされる潜像担持体ユニットおいて、上記潜像担持体ユニットには、上記第1位置決め突部とは異なる位置で該潜像担持体ユニットを位置決めする第2位置決め突部を上記着脱方向にずらして配設し、該潜像担持体ユニットを該画像形成装置本体に装着する際には、該第2位置決め突部を、該第1位置決め突部が係合する上記溝又は上記スリットに対して該第1位置決め突部とは該着脱方向に位置をずらして係合させることを特徴とするものである。
この請求項15の発明については、表面に潜像を担持する潜像担持体と、該表面に潜像を書き込む潜像書込手段と、該潜像をトナーによって現像する現像手段とを備えるとともに、少なくとも該潜像担持体を有し且つ画像形成装置本体に対して着脱可能な潜像担持体ユニットを備え、該潜像担持体ユニットが、自らの相対向する2つの側面にそれぞれ設けられた第1位置決め突部を、画像形成装置本体の相対向する2つの部材にそれぞれ設けられた溝又はスリットに係合させた状態で、該溝又は該スリット内に押し込まれて画像形成装置本体に装着される過程で、該溝又は該スリット内でスライド移動する該第1位置決め突部を該溝又は該スリットの被突き当て部に突き当てるものであり、該被突き当て部に対する該第1位置決め突部の突き当たりによって該潜像担持体ユニットの画像形成装置本体内における該画像形成装置本体に対する着脱方向の位置決めがなされる画像形成装置、に用いられる潜像担持体ユニットにおいて、ユニット筺体の相対向する2つの上記側面にそれぞれ、上記第1位置決め突部と、該第1位置決め突部とは異なる位置で該潜像担持体ユニットを位置決めする第2位置決め突部とを互いに上記着脱方向にずらして配設したものを用い、該潜像担持体ユニットの2つの上記側面にてそれぞれ、該第2位置決め突部を、該第1位置決め突部が係合する上記溝又は上記スリットに対して該第1位置決め突部とは該着脱方向に位置をずらして係合させるようにすることが望ましい。
【発明の効果】
【0007】
これらの発明では、潜像担持体ユニットの相対向する2つの側面のそれぞれにおいて、第1位置決め突部と第2位置決め突部とを同じ溝又はスリットに係合させるようにしたことで、両突部をユニット厚み方向のほぼ同じ位置に配設しても、ユニットの移動に伴って両突部を溝又はスリットに係合させることが可能になる。かかる構成では、第1位置決め突部と第2位置決め突部とをユニット厚み方向に大きくずらして配設する必要が無くなるので、両突部をユニット厚み方向に大きくずらして配設してそれぞれ個別の溝又はスリットに係合させるようにしていた従来に比べて、潜像担持体ユニットの扁平化を図ることができる。なお、第1位置決め突部と第2位置決め突部とが同一の溝又はスリットに係合していても、第2位置決め突部は溝又はスリットの内壁との接触によって第1位置決め突部とは異なる位置で位置決めされる。このため、両突部が互いに異なる溝やスリットに係合している場合と同様に、ユニット全体の位置決めや姿勢の矯正を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】実施形態に係るプリンタを示す概略構成図。
【図2】同プリンタのK用の感光体ユニットを示す拡大構成図。
【図3】前カバー開閉方式で内部のメンテナンスを行う画像形成装置の一例を示す斜視図。
【図4】左カバー開閉方式で内部のメンテナンスを行う画像形成装置の一例を示す斜視図。
【図5】上カバー開閉方式で内部のメンテナンスを行う画像形成装置の一例を示す斜視図。
【図6】実施形態に係るプリンタの上カバーの開閉動作を示す模式図。
【図7】同プリンタのY用の感光体ユニットを示す部分斜視図。
【図8】同プリンタの筐体内にある4つの感光体ユニットを示す斜視図。
【図9】同プリンタのY用の感光体ユニットを示す左側面図。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明を適用した画像形成装置として、電子写真方式のプリンタ(以下、単にプリンタという)の一実施形態について説明する。
まず、本プリンタの基本的な構成について説明する。図1は、本プリンタを示す概略構成図である。同図において、このプリンタは、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラック(以下、Y、M、C、Kと記す)のトナー像を形成するための4つの感光体ユニット1Y,M,C,Kを備えている。これらは、画像形成物質として、互いに異なる色のY,M,C,Kトナーを用いるが、それ以外は同様の構成になっており、寿命到達時に交換される。Kトナー像を形成するための感光体ユニット1Kを例にすると、図2に示すように、潜像担持体たるドラム状の感光体2K、ドラムクリーニング装置3K、除電装置(不図示)、帯電装置4K、現像装置5K等を備えている。画像形成ユニットたる感光体ユニット1Kは、プリンタ本体に脱着可能であり、一度に消耗部品を交換できるようになっている。
【0010】
上記帯電装置4Kは、図示しない駆動手段によって図中時計回りに回転せしめられる感光体2Kの表面を一様帯電せしめる。一様帯電せしめられた感光体2Kの表面は、レーザ光Lによって露光走査されてK用の静電潜像を担持する。このK用の静電潜像は、Kトナーを用いる現像装置5KによってKトナー像に現像される。そして、後述する中間転写ベルト36上に中間転写される。ドラムクリーニング装置3Kは、中間転写工程を経た後の感光体2K表面に付着している転写残トナーを除去する。また、上記除電装置は、クリーニング後の感光体2Kの残留電荷を除電する。この除電により、感光体2Kの表面が初期化されて次の画像形成に備えられる。他色の感光体ユニット(1Y,M,C)においても、同様にして感光体(2Y,M,C)上に(Y,M,C)トナー像が形成されて、後述する中間転写ベルト36上に中間転写される。
【0011】
上記現像装置5Kは、図示しないKトナーを収容する縦長のホッパ部6Kと、現像部7Kとを有している。ホッパ部6K内には、図示しない駆動手段によって回転駆動されるアジテータ8K、これの鉛直方向下方で図示しない駆動手段によって回転駆動される撹拌パドル9K、これの鉛直方向下方で図示しない駆動手段によって回転駆動されるトナー供給ローラ10Kなどが配設されている。ホッパ部6K内のKトナーは、アジテータ8Kや撹拌パドル9Kの回転駆動によって撹拌されながら、自重によってトナー供給ローラ10Kに向けて移動する。トナー供給ローラ10Kは、金属製の芯金と、これの表面に被覆された発泡樹脂等からなるローラ部とを有しており、ホッパ部6K内のKトナーをローラ部の表面に付着させながら回転する。
【0012】
現像装置5Kの現像部7K内には、感光体2K及びトナー供給ローラ10Kに当接しながら回転する現像ローラ11Kや、これの表面に先端を当接させる薄層化ブレード12Kなどが配設されている。ホッパ部6K内のトナー供給ローラ10Kに付着したKトナーは、現像ローラ11Kとトナー供給ローラ10Kとの当接部で現像ローラ11Kの表面に供給される。供給されたKトナーは、現像ローラ11Kの回転に伴ってローラと薄層化ブレード12Kとの当接位置を通過する際に、ローラ表面上での層厚が規制される。そして、層厚規制後のKトナーは、現像ローラ11Kと感光体2Kとの当接部である現像領域において、感光体2K表面のK用の静電潜像に付着する。この付着により、K用の静電潜像がKトナー像に現像される。
【0013】
図2を用いてK用の感光体ユニットについて説明したが、Y,M,C用の感光体ユニット1Y,M,Cにおいても、同様のプロセスにより、感光体2Y,M,C表面にY,M,Cトナー像が形成される。
【0014】
先に示した図1において、感光体ユニット1Y,M,C,Kの鉛直方向上方には、光書込ユニット90が配設されている。潜像書込手段たる光書込ユニット90は、画像情報に基づいてレーザーダイオードから発したレーザ光Lにより、感光体ユニット1Y,M,C,Kにおける一様帯電後の感光体2Y,M,C,Kを光走査する。この光走査により、感光体2Y,M,C,K上にY,M,C,K用の静電潜像が形成される。なお、光書込ユニット90は、光源から発したレーザ光(L)を、図示しないポリゴンモータによって回転駆動したポリゴンミラーで主走査方向に偏向せしめながら、複数の光学レンズやミラーを介して感光体に照射するものである。LEDアレイの複数のLEDから発したLED光によって光書込を行うものを採用してもよい。
【0015】
感光体ユニット1Y,M,C,Kの鉛直方向下方には、無端状の中間転写ベルト16を張架しながら図中反時計回り方向に無端移動せしめる転写ユニット35が配設されている。転写手段たる転写ユニット35は、中間転写ベルト36の他に、駆動ローラ37、従動ローラ38、4つの1次転写ローラ39Y,M,C,K、2次転写ローラ40、ベルトクリーニング装置41、クリーニングバックアップローラ42などを備えている。
【0016】
中間転写ベルト36は、そのループ内側に配設された駆動ローラ37、従動ローラ38、クリーニングバックアップローラ42及び4つの1次転写ローラ39Y,M,C,Kによって張架されている。そして、図示しない駆動手段によって図中反時計回り方向に回転駆動される駆動ローラ37の回転力により、同方向に無端移動せしめられる。
【0017】
4つの1次転写ローラ39Y,M,C,Kは、このように無端移動せしめられる中間転写ベルト36を感光体2Y,M,C,Kとの間に挟み込んでいる。この挟み込みにより、中間転写ベルト36のおもて面と、感光体2Y,M,C,Kとが当接するY,M,C,K用の1次転写ニップが形成されている。
【0018】
1次転写ローラ39Y,M,C,Kには、図示しない転写バイアス電源によってそれぞれ1次転写バイアスが印加されており、これにより、感光体2Y,M,C,Kの静電潜像と、1次転写ローラ39Y,M,C,Kとの間に転写電界が形成される。なお、1次転写ローラ39Y,M,C,Kに代えて、転写チャージャーや転写ブラシなどを採用してもよい。
【0019】
Y用の感光体ユニット1Yの感光体2Y表面に形成されたYトナーは、感光体2Yの回転に伴って上述のY用の1次転写ニップに進入すると、転写電界やニップ圧の作用により、感光体2Y上から中間転写ベルト36上に1次転写される。このようにしてYトナー像が1次転写せしめられた中間転写ベルト36は、その無端移動に伴ってM,C,K用の1次転写ニップを通過する際に、感光体2M,C,K上のM,C,Kトナー像が、Yトナー像上に順次重ね合わせて1次転写される。この重ね合わせの1次転写により、中間転写ベルト36上には4色トナー像が形成される。
【0020】
転写ユニット35の2次転写ローラ40は、中間転写ベルト36のループ外側に配設されて、ループ内側の従動ローラ38との間に中間転写ベルト36を挟み込んでいる。この挟み込みにより、中間転写ベルト36のおもて面と、2次転写ローラ40とが当接する2次転写ニップが形成されている。2次転写ローラ40には、図示しない転写バイアス電源によって2次転写バイアスが印加される。この印加により、2次転写ローラ40と、アース接続されている従動ローラとの間には、2次転写電界が形成される。
【0021】
転写ユニット35の鉛直方向下方には、記録紙Pを複数枚重ねた紙束の状態で収容している給紙カセット50がプリンタの筐体に対してスライド着脱可能に配設されている。この給紙カセット50は、紙束の一番上の記録紙Pに給紙ローラ50aを当接させており、これを所定のタイミングで図中反時計回り方向に回転させることで、その記録紙Pを給紙路51に向けて送り出す。
【0022】
給紙路51の末端付近には、レジストローラ対52が配設されている。このレジストローラ対52は、給紙カセット50から送り出された記録紙Pをローラ間に挟み込むとすぐに両ローラの回転を停止させる。そして、挟み込んだ記録紙Pを上述の2次転写ニップ内で中間転写ベルト36上の4色トナー像に同期させ得るタイミングで回転駆動を再開して、記録紙Pを2次転写ニップに向けて送り出す。
【0023】
2次転写ニップで記録紙Pに密着せしめられた中間転写ベルト36上の4色トナー像は、2次転写電界やニップ圧の影響を受けて記録紙P上に一括2次転写され、記録紙Pの白色と相まって、フルカラートナー像となる。このようにして表面にフルカラートナー像が形成された記録紙Pは、2次転写ニップを通過すると、2次転写ローラ40や中間転写ベルト36から曲率分離する。そして、転写後搬送路53を経由して、後述する定着装置54に送り込まれる。
【0024】
2次転写ニップを通過した後の中間転写ベルト36には、記録紙Pに転写されなかった転写残トナーが付着している。これは、中間転写ベルト36のおもて面に当接しているベルトクリーニング装置41によってベルト表面からクリーニングされる。中間転写ベルト36のループ内側に配設されたクリーニングバックアップローラ42は、ベルトクリーニング装置41によるベルトのクリーニングをループ内側からバックアップする。
【0025】
定着装置54は、図示しないハロゲンランプ等の発熱源を内包する定着ローラ54aと、これに所定の圧力で当接しながら回転する加圧ローラ54bとによって定着ニップを形成している。定着装置54内に送り込まれた記録紙Pは、その未定着トナー像担持面を定着ローラ54aに密着させるようにして、定着ニップに挟まれる。そして、加熱や加圧の影響によってトナー像中のトナーが軟化さしめられて、フルカラー画像が定着せしめられる。
【0026】
定着装置54内から排出された記録紙Pは、定着後搬送路55を経由した後、排紙路56と反転前搬送路61との分岐点にさしかかる。定着後搬送路55の側方には、回動軸62aを中心にして回動駆動される切替爪62が配設されており、その回動によって定着後搬送路55の末端付近を閉鎖したり開放したりする。定着装置54から記録紙Pが送り出されるタイミングでは、切替爪62が図中実線で示す回動位置で停止して、定着後搬送路55の末端付近を開放している。よって、記録紙Pが定着後搬送路55から排紙路56内に進入して、排紙ローラ対57のローラ間に挟み込まれる。
【0027】
図示しないテンキー等からなる操作部に対する入力操作や、図示しないパーソナルコンピュータ等から送られてくる制御信号などにより、片面プリントモードが設定されている場合には、排紙ローラ対57に挟み込まれた記録紙Pがそのまま機外へと排出される。そして、筐体の上カバー70の上面であるスタック部にスタックされる。
【0028】
一方、両面プリントモードに設定されている場合には、先端側を排紙ローラ対57に挟み込まれながら排紙路36内を搬送される記録紙Pの後端側が定着後搬送路55を通り抜けると、切替爪62が図中一点鎖線の位置まで回動して、定着後搬送路55の末端付近が閉鎖される。これとほぼ同時に、排紙ローラ対57が逆回転を開始する。すると、記録紙Pは、今度は後端側を先頭に向けながら搬送されて、反転前搬送路61内に進入する。
【0029】
図1は、本プリンタを左側方から示している。図紙面に直交する方向の手前側がプリンタの左側面であり、奥側が右側面である。また、本プリンタの図中右側が正面、左側が背面である。本プリンタの筺体の右端部は、回動軸60aを中心に回動することで筐体本体に対して開閉可能な反転ユニット60になっている。
【0030】
排紙ローラ対57が逆回転すると記録紙Pがこの反転ユニット60の反転前搬送路61内に進入して、鉛直方向上側から下側に向けて搬送される。そして、反転搬送ローラ対63のローラ間を経由した後、半円状に湾曲している反転搬送路64内に進入する。更に、その湾曲形状に沿って搬送されるのに伴って上下面が反転せしめられながら、鉛直方向上側から下側に向けての進行方向も反転して、鉛直方向下側から上側に向けて搬送される。その後、上述した給紙路51内を経て、2次転写ニップに再進入する。そして、もう一方の面にもフルカラー画像が一括2次転写された後、転写後搬送路53、定着装置54、定着後搬送路55、排紙路56、排紙ローラ対57を順次経由して、機外へと排出される。
【0031】
上述の反転ユニット60は、外部カバー65と揺動体66とを有している。具体的には、反転ユニット60の外部カバー65は、プリンタ本体の筺体に設けられた回動軸60aを中心にして回動するように支持されている。この回動により、外部カバー65は、その内部に保持している揺動体66とともに筺体に対して開閉する。図中点線で示すように、外部カバー65がその内部の揺動体66とともに開かれると、反転ユニット60とプリンタ本体側との間に形成されていた給紙路51、2次転写ニップ、転写後搬送路53、定着ニップ、定着後搬送路55、排紙路56が縦割りに2分されて、外部に露出する。これにより、給紙路51、2次転写ニップ、転写後搬送路53、定着ニップ、定着後搬送路55、排紙路56内のジャム紙を容易に取り除くことができる。
【0032】
また、揺動体66は、外部カバー65が開かれた状態で、外部カバー65に設けられた図示しない揺動軸を中心にして回動するように外部カバー65に支持されている。この回動により、揺動体66が外部カバー65に対して開かれると、反転前搬送路61や反転搬送路64が縦に2分されて外部に露出する。これにより、反転前搬送路61内や反転搬送路64内のジャム紙を容易に取り除くことができる。
【0033】
プリンタの筺体の上カバー70は、図中矢印で示すように、軸部材71を中心にして回動自在に支持されており、図中反時計回り方向に回転することで、筺体に対して開いた状態になる。そして、筺体の上部開口を大きく露出させる。
【0034】
ところで、近年の画像形成装置においては、その内部の部品や装置の脱着を、画像形成装置の小型化、軽量化、操作性などを損なうことなく達成することが望まれている。部品や装置の脱着方式としては、図3に示すように、画像形成装置の筺体の前側端部(図中矢印Fの方向の端部)に設けた前カバーを開放して行う方法、図4に示すように、筺体の左側端部に設けた左カバーを開放して行う方法などが考えられる。また、図5に示すように、筺体の上側端部に設けた上カバーを開放して行う方法も考えられる。着脱頻度の比較的高い部品や装置については、図5のように、上カバーを開放して行う方法を採用することが望ましい。しゃがんだり、腰を曲げたり、かがんだりなどといった無理な姿勢をとることなく、筺体内を上側から眺めながら着脱操作を確認することで、作業負担を軽減したり、操作ミスの発生を抑えたりすることができるからである。また、画像形成装置の上部は、排紙トレイとして利用されたり、スキャナが搭載されたりすることが多く、視認性に優れた位置になり易いこともその理由の1つである。
【0035】
本実施形態に係るプリンタでは、着脱頻度の比較的高い装置の代表例として、先に図1に示した4つの感光体ユニット1Y,M,C,Kが挙げられる。これらは、現像装置内のトナーが無くなった時点で交換されるものだからである。これらの感光体ユニット1Y,M,C,Kを図5に示したような上カバー開放方式で着脱する構成について検討すると、各感光体ユニット1Y,M,C,Kの最も重要なレイアウト条件は、扁平な各ユニットを厚み方向に横並びに配設することである。横並びではなく、縦並びにしてしまうと、例えば上から3番目のユニットを交換するためには、そのユニットだけでなく、交換が不要な上から1番目及び2番目のユニットまで着脱する必要が生じ、操作性を著しく悪化させてしまうからである。
【0036】
このような理由から、4つの感光体ユニット1Y,M,C,Kに横並びのレイアウトを採用した場合、中間転写ベルト36については横並びの感光体2Y,M,C,Kにそれぞれ当接させるように、図1の如く横長の姿勢で張架する必要がある。そして、横並びの4つの感光体ユニット1Y,M,C,Kを、図1に示したように横長姿勢の中間転写ベルト16の鉛直方向上方に配設するか、あるいは、図1のレイアウトとは逆に、中間転写ベルト36の下方に配設することになる。
【0037】
ここで、中間転写ベルト36の下方に配設する場合には、光書込ユニット90を4つの感光体2Y,M,C,Kに対する光走査がそれぞれ可能になるように横長姿勢で且つ各感光体ユニットの下方に配設する必要がでてくる。図1に示したレイアウトとは逆に、鉛直方向下側から上側に向けて、光書込ユニット90、各感光体ユニット(1Y〜K)、中間転写ベルト16を順に重ねたレイアウトである。ところが、記録紙Pを鉛直方向下側から上側に向けて搬送する構成では、2次転写ニップを形成する中間転写ベルト36よりも上方に定着装置54を設ける必要があることから、前述のレイアウトを採用すると、定着装置54の図中左側方が空白スペースになってしまう。このため、装置の小型化や省スペース化が困難になる。
【0038】
そこで、本実施形態に係るプリンタでは、図1に示したように、4つの感光体ユニット1Y,M,C,Kを横並びにして、横長姿勢の中間転写ベルト36の上方に配設したレイアウトを採用している。かかるレイアウトでは、図示のように、横長姿勢の光書込ユニットを4つの感光体ユニット1Y,M,C,Kの上方に配設することになる。そして、4つの感光体ユニット1Y,M,C,Kや光書込ユニット90を、図示のように定着装置90の側方に配設して、空白スペースの発生を回避することができる。
【0039】
一方、横並びの各感光体ユニットを横長姿勢の中間転写ベルト36の上方、下方の何れに配設するにしても、各感光体ユニットに対する着脱操作を行うのに先立って、光書込ユニット90あるいは中間転写ベルト36を各感光体ユニットとの対向位置から待避させる必要が出てくる。例えば、本プリンタのように、各感光体ユニットを中間転写ベルト36の上方に配設した場合には、図1に示したように光書込ユニット90を各感光体ユニット(1Y〜K)の上方に配設することになる。このようなレイアウトでは、上カバー70を筺体本体に対して開放したとしても、光書込ユニット90が邪魔になって、その直下の各感光体ユニットを露出させることができない。このため、各感光体ユニットに対して着脱操作を行う前に、光書込ユニット90を各感光体ユニットの真上から待避させる必要がある。また、図1に示した構成とは異なり、各感光体ユニットを中間転写ベルト36の下方に配設した場合には、各感光体ユニットの真上に転写ベルト36を位置させることになる。このため、各感光体ユニットの着脱に先立って、中間転写ベルト36を各感光体ユニットの真上から待避させる必要がある。
【0040】
本プリンタでは、上述したように、小型化や省スペース化の観点から、各感光体ユニットを中間転写ベルト36の上方に配設し、更にその上に光書込ユニット90を配設しているので、光書込ユニット90を各感光体ユニットの真上から待避させる必要がある。そこで、本プリンタにおいては、図6に示すように、光書込ユニット90を上カバー70の下面に保持させて、上カバー70の開閉に伴って各感光体ユニットの真上から待避させたり、真上にセットしたりするようにしている。
【0041】
次に、本プリンタの特徴的な構成について説明する。
図7は、本プリンタのY用の感光体ユニット1Yを示す部分斜視図である。同図において、感光体ユニット1Yは、その長手方向である図示しない感光体軸線方向を水平方向に延在する姿勢で図示しないプリンタ本体にセットされる。そして、ユニット幅方向(以下、ユニット厚み方向という)の長さがユニット長手方向や高さ方向に比べてかなり小さい扁平形状になっている。
【0042】
感光体ユニット1Yのケーシングにおける左側部ケース13Yの表面には、第1位置決め突部14Y、第2位置決め突部15Y、スライドガイド用突部16Y、機種判別用突部17Yがそれぞれケース表面から突出するように設けられている。また、情報記憶回路たるICチップ18Y、複数の露出電極19Y、保護シート20Yなども設けられている。
【0043】
第1位置決め突部14Yは、左側部ケース13Yの下端近傍であって且つケース厚み方向の中央の箇所に突設せしめられており、中空の円筒キャップ状の形状になっている。左側部ケース13Yには、ユニット内の図示しない感光体軸を受ける図示しない感光体軸受けが形成されている。同図には示されていないが、感光体軸は、ケースに設けられた感光体軸受けを貫通してケース表面から外部に向けて突出している。そして、円筒キャップ状の第1位置決め突部14Yは、感光体の軸部材におけるケース表面からの突出箇所を覆っている。つまり、第1位置決め突部14Yは、感光体軸の箇所に形成されている。そして、感光体ユニット1Yは、プリンタ本体にセットされる際に、第1位置決め突部14Yによって感光体軸の箇所で位置決めされる。
【0044】
第2位置決め突部15Yは、左側部ケース13Yの上部側であって且つケース厚み方向の中央の箇所に突設せしめられている。また、スライドガイド用突部16Yは、ユニット高さ方向において、第1位置決め突部14の近傍と、第2位置決め突部15の近傍との間で延在するレール状の形状になっている。また、機種判別用突部17Yは、ユニット高さ方向において、第2位置決め突部15Yの横付近に突設せしめられている。
【0045】
同図では、感光体ユニット1Yの長手方向における両端部(ユニット左端部及び右端部)のうち、左端部しか示していないが、右端部に設けられる図示しない右側部ケースにも、左側部ケース13Yと同様の第1位置決め突部、第2位置決め突部、及びスライドガイド用突部が設けられている。また、右側部ケースには、機種識別用突部17Yが設けられていない代わりに、後述する色識別用突部が設けられている。
【0046】
左側部ケース13Yに固定されたICチップ18Yは、ユニットID番号、ユニット稼働時間、製造年月日などといった感光体ユニット1Yの製品毎に固有の情報を記憶している。また、左側部ケース13Yに設けられた複数の露出電極19Yは、ICチップ18Yの図示しない複数の入出力端子にそれぞれ個別に導通している。
【0047】
図8は、プリンタの筐体内にある4つの感光体ユニット1Y,M,C,Kを示す斜視図である。同図において、プリンタ本体の筺体内には、プリンタの左右方向(同図における感光体ユニット延在方向)に所定の距離をおいて相対向するように、2つの部材としての、左側板95と右側板98とが立設せしめられている。感光体ユニット1Y,M,C,Kは、図示のように、自らの長手方向を左側板95と右側板98との対向方向に沿わせる姿勢で、両側板の間を架け渡しされるようにセットされる。
【0048】
プリンタ本体の左側板95には、鉛直方向から少し傾いた方向に延在するスリット96Yが左側板95の上端を切り欠くようにして設けられている。このスリット96Yは、Y用の感光体ユニット1Yをセット位置に導くためのものである。左側板95には、Y用のものだけでなく、M,C,K用にそれぞれ個別に対応する同様のスリット(符号の記載を省略している)も設けられている。また、同図では、各感光体ユニットに隠されることから示すことができなかったが、右側板98にも、同様のY,M,C,K用のスリットが設けられている。
【0049】
Y用の感光体ユニット1Yをプリンタ本体に装着する際には、ユニット長手方向をプリンタ本体の側板対向方向に沿わせる姿勢で持った感光体ユニット1Yを、プリンタの上方から下方に向けて落とし込んでいく。そして、感光体ユニット1Yの左側部ケース13Yの下端付近に形成された第1位置決め突部14Yを、プリンタ本体の左側板95に設けられたスリット96Yの入口に入れ込む。同時に、感光体ユニット1Yの図示しない右側部ケースの下端付近に形成された第1位置決め突部を、プリンタ本体の右側板98に設けられた図示しないY用のスリットの入口に入れ込む。
【0050】
次に、感光体ユニット1Yをそのままの姿勢で更に落とし込みながら、第1位置決め突部14Yをスリット96Y内で上方から下方に向けてユニット装着方向にスライド移動させていく。同時に、感光体ユニット1Yの図示しない右側部ケースに設けられたもう一方の第1位置決め突部も、もう一方のスリット内でスライド移動させていく。すると、すぐに、感光体ユニット1Yの左側部ケース13Yに設けられたレール状のスライドガイド用突部16Yがスリット96Yの入口に進入して、スリット96Y内でスライド移動を始める。また、ほぼ同時に、図示しない右側部ケースに設けられたもう一方のスライドガイド用突部も、プリンタ本体の右側板98に設けられたもう一方のスリット内に進入してスライド移動を始める。
【0051】
感光体ユニット1Yを更に下方に向けて落とし込んでいくと、スライドガイド用突部16Yの後端がスリット96Yの入口を通過する。また、ほぼ同時に、感光体ユニット1Yの図示しない右側部ケースに設けられたスライドガイド用突部の後端が、プリンタ本体の右側板98に設けられたもう一方のスリットの入口を通過する。そして、感光体ユニット1Yの左側部ケース13Yに設けられた第2位置決め突部15Yがスリット96Yの入口に進入して、スリット96Y内でスライド移動を始める。また、ほぼ同時に、感光体ユニット1Yの図示しない右側部ケースに設けられたもう一方の第2位置決め突部が、プリンタ本体の右側板98に設けられたもう一方のスリットの入口に進入して、スリット内でスライド移動を始める。
【0052】
感光体ユニット1Yを更に下方に向けて落とし込んでいくと、やがて、左側部ケース13Yの下端付近に設けられた第1位置決め突部14Yが、被突き当て部たるスリット96Yの下端内壁に突き当たる。また、ほぼ同時に、感光体ユニット1Yの図示しない右側部ケースの下端付近に設けられたもう一方の第1位置決め突部が、プリンタ本体の右側板98に設けられたもう一方のスリットの下端内壁(被突き当て部)に突き当たる。これらの突き当たりにより、感光体ユニット1Yは、プリンタ筐体内において、スリット96Y(及びもう一方のスリット)の長手方向(ユニット着脱方向)の位置決めがなされる。また、このとき、スリット96Y内の第2位置決め突部15Yは、スリット96Yの内壁との接触によって第1位置決め突部14Yとは異なる位置で位置決めされる。これにより、感光体ユニット1Yは、ユニット全体の位置決めや姿勢の矯正がなされる。
【0053】
なお、スライドガイド用突部16Yが設けられていない場合、第1位置決め突部14Yをスリット96Yに入れ込んだ後、感光体ユニット1Yを更に下方に向けて落とし込んでいく過程で、感光体ユニット1Yの姿勢(角度)によっては、第2位置決め突部15Yを左側板95の上端に突き当ててしまうことがある。これに対し、スライドガイド用突部16Yを設けていれば、スライドガイド用突部16Yとスリット96Yとの係合によって感光体ユニット1Yの落とし込み姿勢を規制することで、第2位置決め突部15Yをスリット96Yに向けてスムーズに案内することができる。そして、これにより、感光体ユニット1Yのセット性を向上させることができる。
【0054】
かかる構成の本プリンタにおいては、感光体ユニット1Yの第1位置決め突部14Yと第2位置決め突部15Yとをプリンタ本体の左側板95に設けられた同一のスリット96Yに係合させるようにしたことで、第1位置決め突部14Yと第2位置決め突部15Yとをユニット厚み方向に大きくずらして配設する必要が無くなる。これにより、第1位置決め突部14Yと第2位置決め突部15Yとをユニット厚み方向に大きくずらして配設してそれぞれ個別のスリットに係合させるようにしていた従来に比べて、感光体ユニット1Yの扁平化を図ることができている。M,C,K用の感光体ユニット1M,C,Kについても、同様の理由により、従来に比べて扁平化を図ることができている。
【0055】
なお、第1位置決め突部14Y及び第2位置決め突部15Yをスリット96Yに係合させるようにした例について説明したが、ユニット装着方向に延在する溝に係合させるようにしてもよい。
【0056】
また、本プリンタでは、上述した理由により、感光体ユニット1Y,M,C,Kの扁平化を実現しているが、それでもなお、各ユニットにはある程度の厚みが必要である。本プリンタにおいては、このある程度の厚みを利用して、ユニットの誤装着を回避したり、ユニット個別情報を取得したりする構成を付加している。以下、それらの構成について説明する。
【0057】
プリンタ本体の左側板95において、スリット96Yの入口の横には、異機種ユニット阻止用係合部97Yが設けられている。この異機種ユニット阻止用係合部97Yは、感光体ユニット1Yの左側部ケース13Yに設けられた機種判別用突部17Yに係合することで、感光体ユニットの誤装着を回避するようになっている。
【0058】
具体的には、市場には、感光体ユニットを用いる様々な種類の画像形成装置が出回っており、他機種用の感光体ユニットが本プリンタに間違えて装着されてしまうおそれがある。特に、同じメーカから発売される先行機種と後継機種とでは、感光体ユニットの大きさや形状が似通うために、この種の誤装着が発生し易い。また、たとえ機種が適合していても、本プリンタのように、各色の感光体ユニットを用いるものにおいては、例えばK用の感光体ユニット1KをY用の感光体ユニット1Yの装着位置に間違えて装着されてしまうおそれもある。
【0059】
そこで、本プリンタにおいては、それらの誤装着を回避する目的で、感光体ユニット1Yに機種判別用突部17Yや図示しない色判別用突部を設けるとともに、異機種ユニット阻止用係合部97Yや図示しない異色ユニット阻止用係合部をプリンタ本体の側板に設けている。
【0060】
感光体ユニット1Yをプリンタ本体に装着する過程において、プリンタ筐体内の左端部では、感光体ユニット1Yの左側部ケース13Yに設けられた第1位置決め突部14Yがスリット96Yの下端内壁に突き当たるのに先立って、次のような現象が起こる。即ち、感光体ユニット1Yの左側部ケース13Yに設けられた機種判別用突部17Yが、プリンタ本体の左側板95に設けられた異機種ユニット阻止用係合部97Yと係合する。本プリンタとは異なる機種のプリンタ用の感光体ユニット、即ち、異機種用の感光体ユニットが装着されようとすると、そのユニットの何らかの突起が異機種ユニット阻止用係合部97Yに突き当たって、そのユニットの装着が阻止される。これにより、異機種用の感光体ユニットの装着が回避される。M,C,K用の感光体ユニット1M,C,Kも、同様にして、異機種用のユニットの装着が回避される。
【0061】
プリンタ本体の左側板95の異機種ユニット阻止用係合部97Yは、感光体ユニット1Yの機種判別用突部17Yをスリット96Yの長手方向の移動を許容するように機種判別用突部17Yと係合する。このため、適正機種の感光体ユニット1Yでは、移動許容係合部たる異機種ユニット阻止用係合部97Yと、移動許容係合部たる機種判別用突部17Yとが係合を開始した後も、感光体ユニット1Yを更に下方に向けて落とし込んで、正規のセット位置にセットすることができる。
【0062】
プリンタ本体の右側板98において、図示しない4つのスリットの入口横には、それぞれ図示しない異色ユニット阻止用係合部が設けられている。この異色ユニット阻止用係合部は、4つの感光体ユニット1Y,M,C,Kに設けられる図示しないY,M,C,K用の色判別用突部のうち、Y用の色判別用突部だけに係合するようになっている。具体的には、右側板98に設けられたY,M,C,K用の4つの異色ユニット阻止用係合部は、それぞれ互いに異なる形状になっている。また、感光体ユニットに設けられたY,M,C,K用の色識別用突部も、それぞれ互いに異なる形状になっている。そして、Y,M,C,K用の異色ユニット阻止用係合部は、それぞれ、自らの対応色と同じ対応色の色識別用突部とだけ係合する。
【0063】
感光体ユニット1Yをプリンタ本体に装着する過程において、プリンタ筐体内の右端部では、感光体ユニット1Yの図示しない右側部ケースに設けられた第1位置決め突部がスリットの下端内壁に突き当たるのに先立って、次のような現象が起こる。即ち、感光体ユニット1Yの右側部ケースに設けられた色判別用突部が、プリンタ本体の右側板98に設けられた異色ユニット阻止用係合部と係合する。M,C,K用の感光体ユニット1M,C,K、即ち、異色用の感光体ユニットが装着されようとすると、そのユニットの色判別用突部が異色ユニット阻止用係合部に突き当たって、そのユニットの装着が阻止される。これにより、感光体ユニットの色違い装着が回避される。M,C,K用の感光体ユニット1M,C,Kも同様にして、色違い装着が回避される。
【0064】
プリンタ本体の右側板98の異色ユニット阻止用係合部は、感光体ユニット1の色判別用突部を右側板98のスリット長手方向の移動を許容するように色判別用突部と係合する。このため、適正色の感光体ユニットが装着されるときには、移動許容係合部たる異色ユニット阻止用係合部と、移動許容係合部たる色判別用突部とが係合を開始した後も、感光体ユニットを更に下方に向けて落とし込んで、正規のセット位置にセットすることができる。
【0065】
先に図7に示したように、感光体ユニット1Yの左側部ケース13Yには、情報記憶回路たるICチップ18Yが固定されている。また、このICチップ18Yの図示しない複数の入出力端子にそれぞれ個別に導通しつつ、外部に剥き出しになっている複数の露出電極19Yが設けられている。一方、プリンタ本体の左側板(図8の95)における右側板(図8の98)との対向面には、図示しない複数の接触電極が設けられている。これら接触電極は、感光体ユニット1Yが第1位置決め突部14Yをスリット(図8の96Y)の下端内壁に突き当てる位置(正規のセット位置)にあるときに、感光体ユニット1Yの複数の露出電極19Yにそれぞれ個別に接触する。本プリンタでは、このように互いに接触している複数の露出電極19Yと複数の図示しない接触電極とを介して、プリンタの筺体内に配設された図示しない制御部と、ICチップとの情報通信を行わせるようにしている。そして、各色感光体ユニットや転写ユニットなどの駆動を制御する制御部(CPU、RAM、ROM等からなる)に対して、ICチップ18Y内に格納されたユニットID番号、ユニット稼働時間、製造年月日などの情報を取得させる。取得された情報は、各色感光体ユニットについて、寿命到達タイミングの判定や、交換されたのかあるいは単なる着脱がなされたのかの判定に用いられる。
【0066】
なお、上述した異機種ユニット阻止用係合部97Y、機種判別用突部17Y、異色ユニット阻止用係合部、及び色判別用突部を設けなくても、ICチップ18Y内に格納されている情報に基づいて、異機種ユニット装着や色違いユニットの装着の有無を判定することが可能である。但し、この場合、感光体ユニットを正規のセット位置まで押し込んで露出電極と接触電極とを接触させるまで、それらの判定を行わせることができない。これに対し、異機種ユニット阻止用係合部97Yなどといった移動許容係合部を設けている本プリンタでは、感光体ユニットを正規のセット位置まで押し込む前に、異機種ユニット装着や色違いユニットの装着を操作者に気付かせることができる。よって、操作者の無駄な作業を省いてメンテナンス性を向上させることができる。
【0067】
図7において、レール状のスライドガイド用突部16Yは、第1位置決め突部14Yと第2位置決め突部15Yとを結ぶ太い仮想直線とみなすことができる。感光体ユニット1Yの左側部ケース13Yにおいては、かかるスライドガイド用突部16Yを境にした一方の領域に移動許容係合部たる機種判別用突部17Yを設けている。また、他方の領域に複数の露出電極19Yを設けている。これは次に説明する理由による。即ち、スライドガイド用突部16Yを境にした一方の領域だけに機種判別用突部17Yと複数の露出電極19Yとを設けようとすると、ユニット厚み方向の設置スペースの都合上、スライドガイド用突部16Yの配設位置を図示の状態よりもユニット厚み方向の一端側あるいは他端側にずらして、セットスペースを広げる必要がある。そうすると、必然的に、第1位置決め突部14Yや第2位置決め突部15Yも同様にずらす必要がある。つまり、両位置決め突部をユニット厚み方向の端側に偏らせて配設する必要がある。かかる構成では、偏った位置に配設された第1位置決め突部14Yや第2位置決め突部15Yで感光体ユニット1Yを支えることで、バランスが悪くなって運転中のガタツキが発生し易くなる。これに対し、本プリンタでは、スライドガイド用突部16Yを境にした両側に機種判別用突部17Yと複数の露出電極19Yとを分けて配設していることで、第1位置決め突部14Yや第2位置決め突部15Yをユニット厚み方向のほぼ中央部に配設することが可能になっている。よって、感光体ユニット1Yをバランス良く支えて、運転中ユニットのガタツキの発生を抑えることができる。
【0068】
本プリンタの感光体ユニット1Yにおいては、図示のように、複数の露出電極19Yを、スライドガイド突部16Yの延在方向(スリット96Yの長手方向と同意)とほぼ直行するユニット厚み方向に並べて配設している。また、プリンタ本体の左側板(図8の95)においても、図示しない複数の接触電極をユニット厚み方向に並べて配設している。これは次に説明する理由からである。即ち、複数の露出電極19Yをスライドガイド突部16Yの延在方向に並べて配設した上記感光体ユニットを上記画像形成装置本体に装着する過程で、複数の露出電極をそれぞれ自らに対応しない接触電極と接触させることなく、自らに対応する接場合、プリンタ本体の左側板における図示しない複数の接触電極も、それらに対応させて同延在方向に並べて配設する必要がある。このようなレイアウトでは、感光体ユニット1Yをプリンタ本体の筐体内に装着する過程で、たとえば、感光体ユニット1Yに設けられた複数の露出電極19Yのうち、最も下側の露出電極19Yを、左側板で最も下側に位置する接触電極との接触位置まで移動させるまでに、他の全ての接触電極と摺擦せしめることになる。また、左側板においては、その最も上側に位置する接触電極に対して、本来であれば接触の必要のない全ての露出電極19Yを摺擦せしめることになる。この結果、感光体ユニット1Yの着脱操作が繰り返し行われることによる接触電極の摩耗量を増加させて、露出電極19Yと接触電極との接触不良を起こしやすくなる。これに対し、本プリンタでは、複数の露出電極19Yや複数の接触電極をそれぞれユニット厚み方向に並べて配設したことにより、複数の露出電極19Yをそれぞれ自らに対応しない接触電極と接触させることなく、自らに対応する接触電極との接触位置まで移動させる。よって、接触電極の摩耗による接触不良の発生を抑えることができる。
【0069】
感光体ユニット1Yの左側部ケース13Yにおいて、その平面の全領域のうち、感光体ユニット1Yがプリンタ本体に装着される過程でプリンタ本体の図示しない接触電極と摺擦する領域(本例では露出電極19Yよりも下側の領域)には、保護シート20が固定されている。この保護シート20は、左側部ケース13Yの無垢の表面よりも摩擦係数の小さいPET(ポリエチレンテレフタレート)からなっている。つまり、感光体ユニット1Yは、プリンタ本体に装着される過程でプリンタ本体(左側板95)の接触電極と摺擦する領域に対して、低摩擦処理が施されている。これにより、プリンタ本体の接触電極と、左側部ケース13Yの無垢の表面とを直接摺擦させることによる左側部ケース13Yの傷付きの発生を回避することができる。
【0070】
なお、本プリンタにおいては、プリンタ本体の左側板(95)に設けられる複数の接触電極として、それぞれ、左側板のスリット(96Y)の長手方向に延在するものを採用している。これは次に説明する理由による。即ち、感光体ユニット1Yには、図示しない駆動受入ギヤ(本例では感光体軸に固定された感光体ギヤ)を設けており、それにプリンタ本体側の原動側ギヤを噛み合わせることで、プリンタ本体側からユニット内に駆動を伝達している。かかる構成において、感光体ユニット1Yをプリンタ本体内に押し込んだ際に、ユニットの駆動受入ギヤと本体側の原動側ギヤとの回転姿勢の関係が不適切であると、両ギヤの歯車先端同士が突き当たってユニットが正規位置に正確にセットされないことがある(第1位置決め突部14Yがスリット96Yの下端内壁にしっかりと突き当たっていない状態。以下、「歯車突き当たりによる微妙なセット位置ズレ」という)。このような微妙なセット位置ズレが発生しても、原動側ギヤが回転を開始して両ギヤの噛み合いが適切になされるようになれば、感光体ユニット1Yが自重によって下方に移動して正規位置に自然にセットされる。但し、正規位置にセットされるまでの間、ユニットの露出電極19Yと左側板(95)の接触電極とがスリット長手方向の位置ズレによって接触不良を起こすおそれがある。そこで、本プリンタでは、接触電極をスリット長手方向に延在させることで、歯車突き当たりによる微妙なセット位置ズレが生じても、露出電極19Yと接触電極とを確実に接触させるようにしている。なお、接触電極をスリット長手方向に延在させる代わりに、露出電極19Yをスリット長手方向に延在させてもよい。
【0071】
図9は、Y用の感光体ユニット1Yを示す左側面図である。なお、同図では左側部ケース13Yの内部を部分的に示す目的から、ICチップ18Yの直下のケース領域の図示を省略している。同図において、仮想線分L1は鉛直方向に延在している。また、仮想線分L2は、第1位置決め突部14Yの円筒中心と第2位置決め突部15Yの円筒中心とを結んでおり、その延在方向は、図示しないプリンタ本体の左側板のスリット(図8の96Y)の長手方向に沿っている。
【0072】
本プリンタでは、同図の仮想線分L2で示したように、図示しないスリットの長手方向を鉛直方向(仮想線分L1の延在方向)からずらしている。これは次に説明する理由による。即ち、スリットの長手方向を鉛直方向に沿わせると、感光体ユニット1Yのほぼ全重量を第1位置決め突部14Yで支えさせる一点支えとなり、バランスを不安定にする。一方、第1位置決め突部14Yや第2位置決め突部15Yをスリット内でスムーズにスライド移動させるためには、それら位置決め突部とスリット内壁との間にある程度のクリアランスを設ける必要がある。そうすると、一点支えでバランスが悪くなっている感光体ユニット1Yをそのクリアランスの範囲内でスリット幅方向にがたつかせ易くなってしまう。これに対し、本プリンタのように、スリット長手方向(L2延在方向)を鉛直方向(L1延在方向)からずらすと、感光体ユニット1Yを第1位置決め突部14Yと第2位置決め突部15Yとの両方で支える2点支えを行うことになるので、ユニットを安定したバランスで支えることが可能である。そして、これにより、感光体ユニット1Yのスリット幅方向へのガタツキを抑えることができる。
【0073】
同図において、第1位置決め突部14Yの下端は、図示しないスリットの下端内壁との当接点となる。感光体ユニット1Yに対しては、その内部の感光体ギヤ21Yと現像ローラギヤ22Yとの噛み合いや、感光体ギヤ21Yとプリンタ本体側の図示しない原動ギヤとの噛み合いなどの反動により、前述の当接点を支点にして感光体ユニット1Yを時計回り方向あるいは反時計回り方向に回転させようとする力が作用する。本プリンタでは、前述の当接点を支点にして感光体ユニットを図中時計回り方向に回転させようとする力が作用する。そして、本プリンタにおいては、図示のように、仮想線分L2を仮想線分L1に対して図中時計回り方向に傾けるレイアウトにしている。これは次に説明する理由による。即ち、ギヤの噛み合いによる回転方向と同じ方向に仮想線分L2を傾けると、感光体ユニット1Yの第2位置決め突部14Yは、図示しないスリット(図8の96Y)内で幅方向に相対向する2つのスリット内壁のうち、その回転方向の側に位置する方のスリット内壁に接触しながら支えられることになる。すると、感光体ユニット1Yに対して前述の回転方向への力が作用しても、第2位置決め突部14Yをスリット内で反対側のスリット内壁の側に向けてがたつかせることなく、その力をそのままの状態で回転方向の側に位置するスリット内壁で受け止めさせる。これにより、ギヤの噛み合いの反動による感光体ユニット1Yのガタツキを回避することができる。
【0074】
これまで、感光体2Yの周囲に配設する部材として、ドラムクリーニング装置3K、除電装置(不図示)、帯電装置4K及び現像装置5Kを、感光体2Yとともにユニットケーシングに保持させた感光体ユニット1Yの例について説明したが、それら部材の何れか1つ〜3つだけをユニットケーシングに保持させてもよい。また、それら部材とは異なる部材を感光体2Yとともにユニットケーシングに保持させた感光体ユニット1Yを採用してもよい。
【0075】
以上、本プリンタにおいては、感光体ユニット1Yとして、スリット96Yの長手方向に延在する延在突部たるスライドガイド用突部16Yを、第1位置決め突部14Yと第2位置決め突部15Yとの間に設け、スライドガイド用突部16Yも第1位置決め突部14Y及び第2位置決め突部15Yとともに同じスリット96Yに係合させるようにしている。かかる構成では、既に述べたように、スリット96Y内でのスライドガイド用突部16Yのスライド移動によって第2位置決め突部15Yをスリット96Y入口に向けてスムーズに案内することで、感光体ユニット1Yのセット性を向上させることができる。
【0076】
また、本プリンタにおいては、感光体ユニット1Yとして、第1位置決め突部14Yを金属材料で形成し且つ第2位置決め突部15Yを樹脂材料で形成したもの、を用いている。これは次に説明する理由による。即ち、第1位置決め突部14Yに対しては、感光体ユニット1Yがプリンタ本体内に押し込まれている最中にスリット下端内壁に突き当ててそれ以上の押し込み操作を阻止させる役割を担わせていることから、かなりの衝撃を与えることになる。この衝撃に耐え得る剛性を発揮させないと、衝撃の際における突部の変形や破損によって所望の位置決め精度を得ることができなくなってしまう。このため、第1位置決め突部14Yについては、高剛性である金属材料で形成している。一方、第2位置決め突部15Yについては、それほどの衝撃を付与することがないことから、ユニットケーシングと同じ樹脂材料で形成することで、ユニットケーシングとの一体形成による製造工程簡素化を図っている。
【0077】
また、本プリンタにおいては、第1位置決め突部14Y及び第2位置決め突部15Yと、スリット96Yとの組合せとは別に、感光体ユニット1Yのスリット長手方向への移動を許容するように互いに係合する移動許容係合部を感光体ユニット1Y及びプリンタ本体に設けている。より詳しくは、移動許容係合部たる機種判別用突部17Y、色判別用突部を感光体ユニット1Yに設けるとともに、それらにそれぞれ係合する移動許容係合部たる異機種ユニット阻止用係合部97Y、異色ユニット阻止用係合部をプリンタ本体の側板に設けている。そして、感光体ユニット1Yをプリンタ本体に装着する過程で、第1位置決め突部14Yを被突き当て部たるスリット下端内壁に突き当てる前に、感光体ユニット1Yの機種判別用突部17Y、色判別用突部と、プリンタ本体の側板の異機種ユニット阻止用係合部97Y、異色ユニット阻止用係合部とを係合させるようにしている。かかる構成では、既に述べたように、異機種用の感光体ユニットの誤装着や異色用の感光体ユニットの誤装着を回避することができる。
【0078】
また、本プリンタにおいては、感光体ユニット1Y及びプリンタ本体の側板に、移動許容係合部の組合せを複数設けているので、異機種用の感光体ユニットの誤装着と、異色用の感光体ユニットの誤装着との両方を回避することができる。
【0079】
また、本プリンタでは、所定の情報たるユニットID番号、ユニット稼働時間、製造年月日などを記憶している情報記憶回路としてのICチップ18Yと、これに導通しつつ外部に露出している露出電極19Yとを感光体ユニット1Yに設けるとともに、感光体ユニット1Yがプリンタ本体内で自らの第1位置決め突部14Yをプリンタ本体の被突き当て部たるスリット下端内壁に突き当てる位置にあるときに露出電極19に接触する接触電極をプリンタ本体に設けている。そして、互いに接触している露出電極19Y及び接触電極を介して、プリンタ本体内に配設された制御手段たる制御部と、ICチップ18Yとの情報通信を行わせるようにしている。かかる構成では、既に述べたように、ユニットID番号、ユニット稼働時間、製造年月日などといったユニット製品毎に固有の情報をチップから読み込んだりチップに書き込んだりすることで、制御部に対して、各色感光体ユニットについて、寿命到達タイミングを判定させたり、交換されたのかあるいは単なる着脱がなされたのかの判定させたりすることができる。
【0080】
また、本プリンタにおいては、感光体ユニット1Yとして、第1位置決め突部14Yと第2位置決め突部15Yとを結ぶ仮想直線を境にした一方の領域に移動許容係合部たる機種識別用突部17Yを設け、且つ他方の領域に露出電極19Yを設けたもの、を用いている。かかる構成では、既に述べたように、第1位置決め突部14Yや第2位置決め突部15Yをユニット厚み方向のほぼ中央部に配設して感光体ユニット1Yをバランス良く支えるようにすることで、運転中ユニットのガタツキの発生を抑えることができる。
【0081】
また、本プリンタにおいては、感光体ユニット1Yとして、筺体表面である左側部ケース13Yの表面の全領域のうち、プリンタ本体に装着される過程でプリンタ本体の接触電極と摺擦する領域に、低摩擦処理を施したもの、を用いている。かかる構成では、既に述べたように、プリンタ本体の接触電極と、左側部ケース13Yの無垢の表面とを直接摺擦させることによる左側部ケース13Yの傷付きの発生を回避することができる。
【0082】
また、本プリンタにおいては、複数の露出電極19Yと、それぞれの露出電極19Yに個別に対応する複数の接触電極との組合せのレイアウトとして、感光体ユニット1Yをプリンタ本体に装着する過程で、複数の露出電極19Yをそれぞれ自らに対応しない接触電極と接触させることなく、自らに対応する接触電極との接触位置まで移動させるレイアウトを採用している。かかる構成では、既に述べたように、接触電極を不必要に露出電極19Yと摺擦させて摩耗させることによる両電極の接触不良の発生を回避することができる。
【0083】
また、本プリンタにおいては、露出電極19Y及び上記接触電極における少なくとも何れか一方として、スリット長手方向に延在するものを用いている。かかる構成では、既に述べたように、歯車突き当たりによる微妙なセット位置ズレが生じても、露出電極19Yと接触電極とをその状態で確実に接触させることで、ICチップ18Y内の情報読込を行わせることができる。
【0084】
また、本プリンタにおいては、スリット長手方向を鉛直方向からずらした構成にしている。かかる構成では、既に述べたように、感光体ユニット1Yを第1位置決め突部14Yと第2位置決め突部15Yとの両方で支える2点支え方式により、ユニットを安定したバランスで支えることで、感光体ユニット1Yのスリット幅方向へのガタツキを抑えることができる。
【0085】
また、本プリンタにおいては、感光体ユニット1Y内の駆動伝達ギヤ(感光体ギヤ21Y、現像ローラギヤ22Y)の回転モーメント、及び感光体ユニット1Yとプリンタ本体との間の駆動伝達ギヤの回転モーメントにより、第1位置決め突部14Yとスリット下端内壁との当接点を支点にして感光体ユニット1Yに対して付与される回転力の回転方向の側に、スリット長手方向を鉛直方向に対して傾けている。かかる構成では、既に述べたように、第2位置決め突部14Yをスリット96Y内でがたつかせることなく、その回転モーメントをそのままの状態で回転方向の側に位置するスリット内壁で受け止めさせることで、ギヤの噛み合いの反動による感光体ユニット1Yのガタツキを回避することができる。
【符号の説明】
【0086】
1Y,M,C,K:感光体ユニット(潜像担持体ユニット)
2Y,M,C,K:感光体(潜像担持体)
5K:現像装置(現像手段)
14Y:第1位置決め突部
15Y:第2位置決め突部
16Y:スライドガイド用突部(延在突部)
17Y:機種判別用突部(移動許容係合部)
18Y:ICチップ(情報記憶回路)
19Y:露出電極
20Y:保護シート(これにより低摩擦処理)
90:光書込ユニット(潜像書込手段)
95:左側板(相対向する2つの部材の一方)
96Y:スリット
97Y:異機種ユニット阻止用係合部(移動許容係合部)
98:右側板(相対向する2つの部材のもう一方)
【先行技術文献】
【特許文献】
【0087】
【特許文献1】特開2002−108173号公報

【特許請求の範囲】
【請求項1】
表面に潜像を担持する潜像担持体と、該表面に潜像を書き込む潜像書込手段と、該潜像をトナーによって現像する現像手段とを備える画像形成装置であって、
少なくとも該潜像担持体を有し且つ画像形成装置本体に対して着脱可能な潜像担持体ユニットを有し、
該潜像担持体ユニットは、画像形成装置本体の相対向する2つの面にそれぞれ設けられた溝又はスリットに係合する第1位置決め突部を有し、
該溝又は該スリットには、該第1位置決め突部と突き当たる被突き当て部が設けられ、
該潜像担持体ユニットを該画像形成装置本体に装着する際には、
該被突き当て部と該第1位置決め突部とが突き当たることで、該潜像担持体ユニットの該画像形成装置本体内における該画像形成装置本体に対する着脱方向の位置決めがなされる画像形成装置において、
上記潜像担持体ユニットには、上記第1位置決め突部とは異なる位置で該潜像担持体ユニットを位置決めする第2位置決め突部を上記着脱方向にずらして配設し、
該潜像担持体ユニットを画像形成装置本体に装着する際には、
該第2位置決め突部を、該第1位置決め突部が係合する上記溝又は上記スリットに対して該第1位置決め突部とは該着脱方向に位置をずらして係合させることを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
請求項1の画像形成装置において、
上記潜像担持体ユニットとして、上記2つの面に対応する、ユニット筺体の2つの側面にてそれぞれ、上記着脱方向に延在する延在突部を、上記第1位置決め突部と上記第2位置決め突部との間に設けたもの、を用い、該延在突部も該第1位置決め突部及び第2位置決め突部とともに同じ上記溝又は上記スリットに係合させるようにしたことを特徴とする画像形成装置。
【請求項3】
請求項1又は2の画像形成装置において、
上記潜像担持体ユニットとして、上記第1位置決め突部を金属材料で形成し且つ上記第2位置決め突部を樹脂材料で形成したもの、を用いたことを特徴とする画像形成装置。
【請求項4】
請求項1乃至3の何れかの画像形成装置において、
上記2つの面に対応する、上記潜像担持体ユニットの2つの側面、における少なくとも一方の側面について、上記第1位置決め突部及び上記第2位置決め突部と、上記溝又は上記スリットとの組合せとは別に、上記潜像担持体ユニットの上記着脱方向への移動を許容するように互いに係合する移動許容係合部を、該潜像担持体ユニット及び該画像形成装置本体にそれぞれ設け、該潜像担持体ユニットを該画像形成装置本体に装着する過程で、該第1位置決め突部を上記被突き当て部に突き当てる前に、該潜像担持体ユニットの移動許容係合部と該画像形成装置本体の移動許容係合部とを係合させるようにしたことを特徴とする画像形成装置。
【請求項5】
請求項4の画像形成装置において、
上記潜像担持体ユニットにおける2つの上記側面のそれぞれについて、該潜像担持体ユニット及び上記画像形成装置本体に上記移動許容係合部の組合せを複数設けたことを特徴とする画像形成装置。
【請求項6】
請求項1乃至3の何れかの画像形成装置において、
所定の情報を記憶している情報記憶回路と、該情報記憶回路に導通しつつ外部に露出している露出電極とを上記潜像担持体ユニットに設けるとともに、該潜像担持体ユニットが上記画像形成装置本体内で自らの上記第1位置決め突部を該画像形成装置本体の上記被突き当て部に突き当てる位置にあるときに該露出電極に接触する接触電極を該画像形成装置本体に設け、互いに接触している該露出電極及び該接触電極を介して、画像形成装置本体内に配設された制御手段と、該情報記憶回路との情報通信を行わせるようにしたことを特徴とする画像形成装置。
【請求項7】
請求項4又は5の画像形成装置において、
所定の情報を記憶している情報記憶回路と、該情報記憶回路に導通しつつ外部に露出している露出電極とを上記潜像担持体ユニットに設けるとともに、該潜像担持体ユニットが上記画像形成装置本体内で自らの上記第1位置決め突部を該画像形成装置本体の上記被突き当て部に突き当てる位置にあるときに該露出電極に接触する接触電極を該画像形成装置本体に設け、互いに接触している該露出電極及び該接触電極を介して、画像形成装置本体内に配設された制御手段と、該情報記憶回路との情報通信を行わせるようにしたことを特徴とする画像形成装置。
【請求項8】
請求項7の画像形成装置において、
上記潜像担持体ユニットとして、上記2つの面に対応する2つの側面における少なくとも一方に対して、上記第1位置決め突部と上記第2位置決め突部とを結ぶ仮想直線を境にした片方の領域に上記移動許容係合部を設け、且つ他方の領域に上記露出電極を設けたもの、を用いたことを特徴とする画像形成装置。
【請求項9】
請求項6乃至8の何れかの画像形成装置において、
上記潜像担持体ユニットとして、ユニット筺体表面の全領域のうち、上記画像形成装置本体に装着される過程で該画像形成装置本体の上記接触電極と摺擦する領域に、低摩擦処理を施したもの、を用いたことを特徴とする画像形成装置。
【請求項10】
請求項6乃至9の何れかの画像形成装置において、
上記露出電極と上記接触電極との組合せを上記潜像担持体ユニット及び上記画像形成装置本体に複数設けたことを特徴とする画像形成装置。
【請求項11】
請求項10の画像形成装置において、
複数の上記露出電極と、それぞれの該露出電極に個別に対応する複数の上記接触電極との組合せのレイアウトとして、上記潜像担持体ユニットを上記画像形成装置本体に装着する過程で、複数の露出電極をそれぞれ自らに対応しない接触電極と接触させることなく、自らに対応する接触電極との接触位置まで移動させるレイアウトを採用したことを特徴とする画像形成装置。
【請求項12】
請求項6乃至11の何れかの画像形成装置において、
上記露出電極及び上記接触電極における少なくとも何れか一方として、上記着脱方向に延在するものを用いたことを特徴とする画像形成装置。
【請求項13】
請求項1乃至12の何れかの画像形成装置において、
上記着脱方向を鉛直方向からずらしたことを特徴とする画像形成装置。
【請求項14】
請求項13の画像形成装置において、
上記潜像担持体ユニット内の駆動伝達ギヤの回転モーメント、及び該潜像担持体ユニットと上記画像形成装置本体との間の駆動伝達ギヤの回転モーメントにより、上記第1位置決め突部と上記被突き当て部との当接点を支点にして該潜像担持体ユニットに対して付与される回転力の回転方向の側に、上記着脱方向を鉛直方向に対して傾けたことを特徴とする画像形成装置。
【請求項15】
少なくとも潜像担持体を有し且つ画像形成装置本体に対して着脱可能な潜像担持体ユニットであって、
該潜像担持体ユニットは、画像形成装置本体の相対向する2つの面にそれぞれ設けられた溝又はスリットに係合可能な第1位置決め突部を有し、
該潜像担持体ユニットを該画像形成装置本体に装着する際には、
該溝又は該スリットに設けられた被突き当て部と該第1位置決め突部とが突き当たることで、該潜像担持体ユニットの該画像形成装置本体内における該画像形成装置本体に対する着脱方向の位置決めがなされる潜像担持体ユニットおいて、
上記潜像担持体ユニットには、上記第1位置決め突部とは異なる位置で該潜像担持体ユニットを位置決めする第2位置決め突部を上記着脱方向にずらして配設し、
該潜像担持体ユニットを該画像形成装置本体に装着する際には、
該第2位置決め突部を、該第1位置決め突部が係合する上記溝又は上記スリットに対して該第1位置決め突部とは該着脱方向に位置をずらして係合させることを特徴とする潜像担持体ユニット。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2011−191793(P2011−191793A)
【公開日】平成23年9月29日(2011.9.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−148071(P2011−148071)
【出願日】平成23年7月4日(2011.7.4)
【分割の表示】特願2007−55128(P2007−55128)の分割
【原出願日】平成19年3月6日(2007.3.6)
【出願人】(000006747)株式会社リコー (37,907)
【Fターム(参考)】