説明

濃縮エスモロール

現在の濃縮(例えば250mg/ml)エスモロール組成物より安全な濃縮エスモロール製剤が提供される。この濃縮エスモロール製剤は、約40〜60mg/mlのエスモロール塩酸塩を含むものでよい。この濃縮エスモロール組成物では、患者にそのまま注射するボーラス体積か、または場合により、カスタマイズされたエスモロール希釈組成物の作製にこの組成物を使用することを選択する柔軟性が実施者に与えられる。本発明の方法は、従来技術のエスモロール濃縮組成物が不適切に投薬された結果として生じる潜在的な健康への悪影響を軽減する。また、容器に収容された濃縮エスモロールと、容器および説明書を収容する包装とを含む医療用製品が提供される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、誤投薬のリスクの軽減に備えた、注射部位の疼痛または過敏が本質的に生じない、改良された濃縮エスモロール製剤を対象とする。より詳細には、本発明は、使用準備済の組成物として投与することも、または患者への投与前に所望の濃度に希釈することもできる、静脈内投与用に認可されていることが好ましい、40〜60mg/mlの濃縮エスモロール製剤を対象とする。
【背景技術】
【0002】
薬物は、その適切な投与量範囲内で投与されるとき、一般に安全かつ効果的である。不適当な投与量の薬物の投与は、有害な結果を招くことがあり、場合によっては、このような誤投与が命を脅かす結果を招きかねない。
【0003】
一般に使用される安全かつ有効な液体薬物が、濃縮された形態では潜在的に危険となる場合があり、また濃縮液がその液体の希釈された形態と識別不可能なものは多い。濃縮された液体形態と使用準備済の希釈された液体形態のどちらで提供されることもある、広く使用されている1つの薬物が、メチル−3−[4−(2−ヒドロキシ−3−イソプロピルアミノ)プロポキシ]フェニルプロピオナート塩酸塩(エスモロール塩酸塩)である。
【0004】
エスモロール(およびその薬学的に許容される塩、例えば塩酸塩)および類似の化合物は、β−アドレナリン作動薬阻害活性を有する。β遮断薬は、適切な投与量で投与されるとき、心臓の障害の治療および予防に治療上有効な薬剤である。しかし、高用量は、危険なことに低心拍出量を引き起こす場合がある。短時間作用性のβ遮断薬であるエスモロールは、患者の心拍数を制御するのに救急治療の現場でよく使用される。エスモロール塩酸塩および類似化合物の使用準備済等張性製剤および濃縮製剤は、参照により本明細書に援用される特許文献1、特許文献2、および特許文献3で開示されている。エスモロールおよび類似化合物の生成方法、ならびにそのような化合物を使用して心臓障害を治療または予防する方法は、参照により本明細書に援用される特許文献4および特許文献5で開示されている。
【0005】
現在の市販のエスモロール濃縮製剤は、約250mg/mlのエスモロール塩酸塩、25体積%のエタノール、25体積%のプロピレングリコール、17mg/mlの酢酸ナトリウム三水和物、および0.715体積%の氷酢酸を含む10mlの溶液として入手可能である。この組成物は、患者にそのまま注射するものではなく、保存原液としてより大きな体積の希釈剤に加えるものである。10mg/mlおよび20mg/mlの予め混合された注入用使用準備済溶液ならびにボーラス注射用の10mg/mlバイアルを含めて、他のエスモロール組成物も市販されている。実施者が、使用準備済組成物と共に用意されたものと異なる濃度または異なる希釈剤の使用を望むなら、実施者は、濃縮された組成物を使用し、所望の希釈剤で、またカスタマイズされた濃度に、希釈することができる。
【0006】
市販の従来技術の濃縮組成物製品と使用準備済組成物製品は、適切な内容表示および取扱い説明書を添えて、異なる包装がなされるが、無色透明の溶液であるどちらかの製品がシリンジに装入されると、これらは識別不可能である。したがって、濃縮された製品が希釈されずに誤って患者にそのまま注射されれば、死亡を含めて、健康への重大な影響を招きかねないことになる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】米国特許第5,017,609号明細書
【特許文献2】米国特許第6,310,094号明細書
【特許文献3】米国特許第6,528,540号明細書
【特許文献4】米国特許第4,387,103号明細書
【特許文献5】米国特許第4,593,119号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
実施者は、エスモロールの濃縮組成物または使用準備済組成物をどちらも使用する柔軟性を好むので、病院の現場では両方の製品が利用可能である。しかし、エスモロール製剤はほとんど無色透明であるので、濃縮製剤は視覚では希釈製剤と識別不可能である。さらに、10mg/mlの使用準備済組成物と250mg/mlの希釈用濃縮組成物は両方とも、それぞれ10mlの同様の体積で入手可能である。したがって、実施者による2種の組成物の誤った取扱いによって誤投薬が起こりかねない。したがって、上述の誤投薬投与の潜在的可能性を軽減できるエスモロールの濃縮液体製剤を提供し、それでもなお、エスモロールのカスタム組成物の作製に使用できる組成物を提供するという柔軟性を可能にすることが、望ましいはずである。
【0009】
市販の250mg/mlのエスモロール濃縮物は、注射部位の疼痛または過敏を引き起こすことがわかっている薬品である、プロピレングリコールおよびエタノールを含有する。したがって、プロピレングリコールおよびエタノールを含有しない濃縮物を提供することが望ましいはずである。
【0010】
エスモロール注射は、実施者によって、迅速に作用を発現させるべく使用され、一般に患者の体重に基づいて用量の漸増が必要となる。過体重の患者や水分制限のある患者のために、希釈なしまたは最小体積の希釈で投与することのできる濃縮エスモロール体裁を提供することが、大いに望ましいはずである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
(発明の要旨)
本発明の一態様では、濃縮エスモロール製剤が提供される。濃縮エスモロール製剤は、約40〜60mg/mlのエスモロール(または薬学的に許容されるその塩)、さらに場合により約0.005〜約2モル濃度(M)の緩衝剤を含有し、約3.5〜約7.0の間にpH調整されている。
【0012】
本発明の別の態様では、液体形態のエスモロールを投薬および投与する方法が提供される。この方法は、約40〜60mg/mlのエスモロール(または薬学的に許容できるその塩)の濃縮エスモロール製剤を準備するステップと、患者に直接注射するように、または場合により適切な希釈剤でさらに希釈するようにその液体からの体積を選択した後、患者に注射するステップとを含む。
【0013】
本発明の別の態様では、濃縮エスモロール製剤をそのまま投薬した結果として生じる実質的な健康への悪影響を軽減する方法が提供される。この方法は、同様の体積の現在使用されている濃縮エスモロール組成物を同様に投薬した場合より、健康への悪影響が軽減されているかまたはわずかである状態で患者にそのまま投与することのできる濃度を有する、濃縮エスモロール製剤を準備するステップを含む。また、体裁の体積が約50ml以上である本発明の実施形態では、全量のボーラス注射は起こりそうもないことになる。このことは、従来技術の市販の濃縮物の誤った10mlボーラス注射との有益な相違点となる。薬の通常のボーラス注射は、一般に20mlを上回らないので、本発明のより大きい体積の濃縮物実施形態は、実施者がこのような濃縮物を誤って全量でボーラス注射するのを妨げるという利点をもたらす。
【0014】
本発明の利点は、患者にそのまま注入することのできる、エスモロールの使用準備済の無菌濃縮形態が供給されることである。そうしたより高い濃度の無菌エスモロール組成物は、患者へのより少ない体積の注入を可能にし、それによって、水分制限のある患者を含めた、大量の注入に敏感な心臓またはその他の状態を伴う患者への体積による影響が軽減される。
【0015】
本発明の別の利点は、本発明の組成物が、プロピレングリコールおよびエタノールを含有する従来技術のエスモロール濃縮組成物とは異なり、刺激性または有害な医薬添加剤を含有しないことである。
【0016】
本発明の別の利点は、本発明が、無菌であり、かつ実施者が従来技術の濃縮物を使用して好みの濃度のエスモロール組成物をカスタム調製する際に起こり得る誤調製を起こさない、より高濃度の使用準備済のエスモロールを提供することである。
【発明を実施するための形態】
【0017】
(発明の詳細な説明)
本発明の組成物は、エスモロールまたは薬学的に許容されるその塩、例えば塩酸塩、緩衝剤、さらに場合により浸透圧調整剤を含む。本明細書では、「エスモロール」は、エスモロール遊離塩基および薬学的に許容されるその塩を指す。この溶液は、無菌であり、好ましくは、適切な容器に詰められ、高圧蒸気滅菌によって最終滅菌される。あるいは、無菌エスモロール濃縮物は、無菌充填手順によって調製することもできる。濃縮物中のエスモロールの濃度は、約40〜60mg/mlの範囲に及び、好ましくは約45〜55mg/ml、最も好ましくは50mg/mlである。
【0018】
エスモロールの低めの濃度(例えば10mg/ml)の使用準備済組成物では、pHを維持するために追加の緩衝剤が必要となるが、本発明の組成物の高めの濃度のエスモロールは、組成物に自己緩衝能をもたらす。したがって、本発明の組成物では、より少ない緩衝剤しか必要とならない。濃縮物は、pHを約3.5〜約7.0の範囲に保つために、薬学的に許容される緩衝剤を含有してよい。pHは、約4.5〜約5.5の間、より好ましくは4.9〜5.1の間に保つことが好ましい。エスモロールの分解は、pHが4.0〜6.0の範囲外にあるとき最も急速に起こり、pH約5.0で最も安定である。
【0019】
適切な緩衝剤は、所望のpH範囲で十分な緩衝能をもたらし、患者への注射が薬学的に許容される緩衝剤である。本発明において有用な緩衝剤の例としては、酢酸塩、グルタミン酸塩、クエン酸塩、酒石酸塩、安息香酸塩、乳酸塩、グルコン酸塩、リン酸塩、およびグリシン、ならびにこれらの共役酸が挙げられるがこれに限らない。緩衝剤の濃度は、約0.005〜約2Mでよい。好ましい実施形態では、緩衝剤は、酢酸ナトリウムと氷酢酸の組合せを含む。緩衝剤の好ましい組合せとして、約0.005〜約0.3Mの酢酸ナトリウムと約0.05〜約0.3Mの氷酢酸を挙げることができる。
【0020】
エスモロール組成物を、希釈剤、特に浸透圧調整された希釈剤を使用せずに患者にそのまま投薬するときの浸透圧ショック(例えば注射部位での疼痛)の発生を回避し、またはこれを和らげるためには、そのような直接投薬組成物中に含まれる重量オスモル濃度が適切なレベルであることが望まれる。従来技術の使用準備済エスモロール製剤(10mg/mlおよび20mg/mlのエスモロールHCl)とは異なり、本発明の組成物は、追加の浸透圧調整剤なしで固有の重量オスモル濃度レベル(約245〜400ミリオスモル/ml)を提供する。これは、より高濃度のエスモロールそれ自体が、ある程度の重量オスモル濃度を組成物に付与するためである。したがって、本発明の組成物にはそれ以上の浸透圧調整剤は一般に必要とならない。あるいは、所望ならば、他の適切な浸透圧調整剤を本発明の組成物中に場合により含めることもできる。そのような調整剤は、患者への注射が薬学的に許容されるものである。適切な調整剤として、塩化ナトリウム、デキストロース、炭酸水素ナトリウム、塩化カルシウム、塩化カリウム、乳酸ナトリウム、およびリンガー液が挙げられるがこれに限らない。含められる浸透圧調整剤の量は、その組成物で所望される重量オスモル濃度の強度、および浸透圧調整剤が所与の状態の所与の患者に及ぼし得る影響、例えばナトリウムがうっ血性心不全患者に及ぼす影響を含めた他の考慮事項に応じて様々となる。浸透圧調整剤は通常、本発明の組成物中に約0.1〜5mg/mlの量で含まれる。好ましい浸透圧調整剤としては、塩化ナトリウムおよびデキストロースが挙げられる。
【0021】
エスモロール濃縮物を収容するのに適する容器は、当業界で知られている。そうした容器としては、バイアル、シリンジ、バッグ、ボトル、およびアンプルの体裁が挙げられる。容器は、高分子材料製またはガラス製でよい。好ましい高分子容器は、ポリ塩化ビニル(PVC)を含まない。容器は、優れたバリア特性を有することが好ましい。好ましい容器は、バリア層または第2の包装を含むガラス容器または高分子容器などの、水分を保持して、エスモロール濃縮物の安定性を確保するものである。アルミニウム外装パウチは、それ自体は水分バリアのない高分子容器の第2の包装として使用するのに好ましい水分バリアである。好ましい容器は、高圧蒸気滅菌などの最終滅菌に耐え得るものにすべきである。
【0022】
本発明の組成物は無菌である。組成物は、調製し、次いでその最終的な容器に入った状態で高圧蒸気滅菌によって滅菌することが好ましい。あるいは、濃縮物を、無菌的に調製するか、または高圧蒸気滅菌によって単独で最終滅菌し、次いで無菌的手順を使用して無菌容器に入れることもできる。最終製品の最終滅菌を実現するのに医薬品業界で使用される典型的な高圧蒸気滅菌サイクルは、121℃で15分間である。本発明のエスモロール濃縮物は、115〜130℃の範囲の温度で約5〜40分の範囲の一定時間にわたり許容される安定性のもとで高圧蒸気滅菌することができる。高圧蒸気滅菌は、約119〜122℃の温度範囲で約10〜36分の範囲の一定時間にわたり実施することが好ましい。
【0023】
一実施形態では、濃縮物は、透明なガラスシリンジまたはプラスチックシリンジに収容し、最終滅菌する。こうした充填済シリンジは、様々な体積で提供して、充填済シリンジの内容物を標準の充填済静脈内投与液袋に分注することによる、体積の小さいまたは大きい非経口投与量の迅速かつ容易な調製を可能にすることもでき、または場合により患者にそのまま投薬することもできる。
【0024】
本発明の別の実施形態では、医療用製品が、単一の包装中に一緒に保持された、エスモロール濃縮物を収容する容器と説明書とを含む。この説明書によって、実施者に、所望の投与量ならびに患者の情報および状態に応じて、組成物を無希釈の使用準備済注射として使用するのか、または所望の希釈剤でさらに希釈するのかを知らせることができる。
【0025】
本発明の組成物は、使用準備済組成物として有用な組成物、またはそれ以上の希釈に有用な組成物を提供するという柔軟性を提供する。この高濃度組成物は、使用準備済の体裁として、迅速な作用発現を必要とする患者に、また過体重の患者に投与することができる。さらに、この組成物はより高濃度のエスモロールを含有するので、水分制限を受けている患者に、より小さい体積の注入を施すこともできる。表1に、使用したエスモロール注射の濃度に基づく注入速度の低下を示す。
【0026】
【表1−1】

実施者は、エスモロール投薬に関連して、より低濃度のエスモロールおよび/または好ましい希釈剤を患者に注入することを望むなら、本発明の組成物の希釈を望むことができる。適切な希釈剤としては、当業界の実施者が使用する希釈剤が挙げられる。典型的な例として、塩化ナトリウム、リンガー液、およびデキストロース溶液が挙げられる。所望の希釈されたエスモロール濃度は様々となるが、典型的な濃度は、約1〜約25mg/mlの範囲に及び、10mg/mlが好ましい。
【0027】
非経口投与に適する経路として、静脈内、皮下、皮内、筋肉内、関節内、および髄腔内が挙げられる。希釈された濃縮物は、静脈内注入によって投与することが好ましい。
【実施例】
【0028】
以下の実施例の組成物および製造方法は、本発明をさらに例示するものであるが、その範囲を限定するものと解釈すべきでない。
【0029】
(実施例1)
以下で、本発明のエスモロール組成物の調製について述べる。組成物の各成分の濃度を以下のとおり表1および2に示す。
【0030】
【表1−2】

【0031】
【表2】

前記の製剤1〜6では、pHは、4.5〜5.5の範囲、好ましくは5.0に調整することができる。配合、濾過、および充填用の機器およびガラス器具は、適切に洗浄し、発熱物質を除去する。フィルター組立品、充填チューブ組立品、他の部品および機器は滅菌する。
【0032】
最終体積80パーセント(80%)の冷注射用水を配合槽に集める。次いで氷酢酸および場合により酢酸ナトリウムを槽に加える。エスモロール塩酸塩を秤量し、槽に加える。場合により、次いで塩化ナトリウムまたはデキストロースを秤量し、槽に加える。すべての医薬添加剤が溶解するまで溶液を攪拌する。次いで、1.0N水酸化ナトリウムまたは塩酸で溶液をpH5.0に調整する。溶液を注射用水で最終体積とし、混合する。エスモロール濃縮物を容器に移し、高圧蒸気滅菌して、濃度が約50mg/mlであるエスモロール塩酸塩溶液を得る。
【0033】
本発明について、特定の好ましい実施形態に即して述べてきたが、好ましい実施形態は、本発明の理念の実例にすぎないことを理解されたい。したがって、添付の特許請求の範囲によって規定される本発明の真意および範囲から逸脱することなく、当業者によって改変および/または変更がなされても差し支えない。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
a)約40〜60mg/mlのエスモロール塩酸塩と、
b)約0.01〜約2Mの緩衝剤と
を含み、pHが約4.0〜6.0である、濃縮されたエスモロール組成物。
【請求項2】
前記緩衝剤が、酢酸塩、グルタミン酸塩、クエン酸塩、酒石酸塩、安息香酸塩、乳酸塩、グルコン酸塩、リン酸塩、およびグリシン、ならびにこれらの共役酸のうち少なくとも1種を含む、請求項1に記載の組成物。
【請求項3】
前記緩衝剤が酢酸ナトリウムおよび酢酸を含む、請求項2に記載の組成物。
【請求項4】
浸透圧調整剤をさらに含む、請求項1に記載の組成物。
【請求項5】
前記浸透圧調整剤が、デキストロース、塩化ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、塩化カルシウム、塩化カリウム、乳酸ナトリウム、およびリンガー液からなる群から選択される、請求項4に記載の組成物。
【請求項6】
前記浸透圧調整剤が約0.1〜約5mg/mlの量で存在する、請求項4に記載の組成物。
【請求項7】
a)約45〜55mg/mlのエスモロールHCl、
b)約0.01Mの氷酢酸、および
c)約1mg/mlの塩化ナトリウム
を含む、請求項4に記載の組成物。
【請求項8】
a)約45〜55mg/mlのエスモロールHCl、
b)約0.01Mの酢酸ナトリウム、
c)約0.01Mの氷酢酸、および
d)約1mg/mlの塩化ナトリウム
を含む、請求項4に記載の組成物。
【請求項9】
a)約45〜55mg/mlのエスモロールHCl、
b)約0.005Mの酢酸ナトリウム、
c)約0.01Mの氷酢酸、および
d)約1mg/mlの塩化ナトリウム
を含む、請求項4に記載の組成物。
【請求項10】
a)約45〜55mg/mlのエスモロールHCl、
b)約0.01Mの酢酸ナトリウム、
c)約0.01Mの氷酢酸、および
d)約1mg/mlのデキストロース
を含む、請求項4に記載の組成物。
【請求項11】
a)約45〜55mg/mlのエスモロールHCl、
b)約0.02Mの酢酸ナトリウム、
c)約0.01Mの氷酢酸、および
d)約1mg/mlの塩化ナトリウム
を含む、請求項4に記載の組成物。
【請求項12】
a)約45〜55mg/mlのエスモロールHCl、
b)約0.02Mの酢酸ナトリウム、および
c)約0.01Mの氷酢酸
を含む、請求項1に記載の組成物。
【請求項13】
a)容器に収容された約40〜約60mg/mlのエスモロール塩酸塩と約0.01〜約2Mの緩衝剤とを含む組成物と、
b)実施者に、該組成物を直接注射に使用するように、または希釈してから注射に使用するように指示する説明書と、
c)該容器および説明書を収容する包装と
を含む医療用製品。
【請求項14】
前記緩衝剤が、酢酸塩、グルタミン酸塩、クエン酸塩、酒石酸塩、安息香酸塩、乳酸塩、グルコン酸塩、リン酸塩、およびグリシン、ならびにこれらの共役酸のうち少なくとも1種を含む、請求項13に記載の医療用製品。
【請求項15】
前記緩衝剤が酢酸ナトリウムおよび酢酸を含む、請求項13に記載の医療用製品。
【請求項16】
濃縮エスモロール製剤が浸透圧調整剤をさらに含む、請求項13に記載の医療用製品。
【請求項17】
前記組成物が、
a)約45〜55mg/mlのエスモロールHCl、
b)約0.01Mの氷酢酸、および
c)約1mg/mlの塩化ナトリウム
を含む、請求項16に記載の方法。
【請求項18】
前記組成物が、
a)約45〜55mg/mlのエスモロールHCl、
b)約0.01Mの酢酸ナトリウム、
c)約0.01Mの氷酢酸、および
d)約1mg/mlの塩化ナトリウム
を含む、請求項16に記載の方法。
【請求項19】
前記組成物が、
a)約45〜55mg/mlのエスモロールHCl、
b)約0.005Mの酢酸ナトリウム、
c)約0.01Mの氷酢酸、および
d)約1mg/mlの塩化ナトリウム
を含む、請求項16に記載の方法。
【請求項20】
前記組成物が、
a)約45〜55mg/mlのエスモロールHCl、
b)約0.01Mの酢酸ナトリウム、
c)約0.01Mの氷酢酸、および
d)約1mg/mlのデキストロース
を含む、請求項16に記載の方法。
【請求項21】
前記組成物が、
a)約45〜55mg/mlのエスモロールHCl、
b)約0.02Mの酢酸ナトリウム、
c)約0.01Mの氷酢酸、および
d)約1mg/mlの塩化ナトリウム
を含む、請求項16に記載の方法。
【請求項22】
前記組成物が、
a)約45〜55mg/mlのエスモロールHCl、
b)約0.02Mの酢酸ナトリウム、および
c)約0.01Mの氷酢酸
を含む、請求項13に記載の方法。
【請求項23】
エスモロール濃縮液体組成物が不適切に投薬された結果として生じる実質的な健康への悪影響の潜在的可能性を軽減する方法であって、該方法は、
a)約40〜60mg/mlのエスモロール塩酸塩と、
b)約0.01〜約2Mの緩衝剤とを含む無菌液体組成物を準備するステップ
を含み、該組成物のpHが約4.0〜6.0である、方法。
【請求項24】
前記緩衝剤が、酢酸塩、グルタミン酸塩、クエン酸塩、酒石酸塩、安息香酸塩、乳酸塩、グルコン酸塩、リン酸塩、およびグリシン、ならびにこれらの共役酸のうち少なくとも1種を含む、請求項23に記載の方法。
【請求項25】
前記緩衝剤が酢酸ナトリウムおよび酢酸を含む、請求項23に記載の方法。
【請求項26】
浸透圧調整剤をさらに含む、請求項23に記載の方法。
【請求項27】
前記浸透圧調整剤が、デキストロース、塩化ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、塩化カルシウム、塩化カリウム、乳酸ナトリウム、およびリンガー液からなる群から選択される、請求項23に記載の方法。
【請求項28】
前記浸透圧調整剤が約0.1〜約5mg/mlの量で存在する、請求項23に記載の方法。
【請求項29】
無菌液体組成物が、
a)約45〜55mg/mlのエスモロールHCl、
b)約0.01Mの氷酢酸、および
c)約1mg/mlの塩化ナトリウム
を含む、請求項27に記載の方法。
【請求項30】
無菌液体組成物が、
a)約45〜55mg/mlのエスモロールHCl、
b)約0.01Mの酢酸ナトリウム、
c)約0.01Mの氷酢酸、および
d)約1mg/mlの塩化ナトリウム
を含む、請求項27に記載の方法。
【請求項31】
無菌液体組成物が、
a)約45〜55mg/mlのエスモロールHCl、
b)約0.005Mの酢酸ナトリウム、
c)約0.01Mの氷酢酸、および
d)約1mg/mlの塩化ナトリウム
を含む、請求項27に記載の方法。
【請求項32】
無菌液体組成物が、
a)約45〜55mg/mlのエスモロールHCl、
b)約0.01Mの酢酸ナトリウム、
c)約0.01Mの氷酢酸、および
d)約1mg/mlのデキストロース
を含む、請求項27に記載の方法。
【請求項33】
無菌液体組成物が、
a)約45〜55mg/mlのエスモロールHCl、
b)約0.02Mの酢酸ナトリウム、
c)約0.01Mの氷酢酸、および
d)約1mg/mlの塩化ナトリウム
を含む、請求項27に記載の方法。
【請求項34】
無菌液体組成物が、
a)約45〜55mg/mlのエスモロールHCl、
b)約0.02Mの酢酸ナトリウム、および
c)約0.01Mの氷酢酸
を含む、請求項23に記載の方法。

【公表番号】特表2010−528000(P2010−528000A)
【公表日】平成22年8月19日(2010.8.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−509320(P2010−509320)
【出願日】平成19年7月25日(2007.7.25)
【国際出願番号】PCT/US2007/074325
【国際公開番号】WO2008/153582
【国際公開日】平成20年12月18日(2008.12.18)
【出願人】(591013229)バクスター・インターナショナル・インコーポレイテッド (448)
【氏名又は名称原語表記】BAXTER INTERNATIONAL INCORP0RATED
【出願人】(501453189)バクスター・ヘルスケヤー・ソシエテ・アノニム (289)
【氏名又は名称原語表記】BAXTER HEALTHCARE S.A.
【Fターム(参考)】