説明

濃縮液体甲状腺ホルモン組成物

本発明は、一般に、少なくとも1種の甲状腺ホルモン(特に、少なくとも1種のシクロデキストリン化合物をさらに含む組成物)を含む液体医薬組成物、こうした組成物を製作する方法、および甲状腺ホルモン機能障害に伴う状態を治療するため、こうした組成物を使用する方法を対象としている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本特許は、米国仮特許出願第60/756777号(2006年1月6日出願)および欧州特許出願第06100133.5−1219号(2006年1月6日出願)の優先権を主張する。上記参照特許出願の全文を、参照により本特許に組み込む。
【0002】
本発明は、少なくとも1種の甲状腺ホルモンを含む液体医薬組成物(特に、少なくとも1種のシクロデキストリン化合物をさらに含む組成物)、こうした組成物を製造するプロセス、および甲状腺ホルモン機能障害に伴う状態を治療するためにこうした組成物を使用する方法を一般に対象としている。
【背景技術】
【0003】
甲状腺ホルモンは、甲状腺ホルモン機能障害に伴う状態を治療する際に有用であることが知られている。甲状腺活性障害は、例えば、自然に生じまたは甲状腺の外科的切除、甲状腺炎もしくは下垂体の変性に伴う機能低下の結果であると思われ、甲状腺機能低下をもたらす。甲状腺機能低下に伴う状態として、粘液水腫、クレチン症および肥満症が挙げられる。
【0004】
甲状腺ホルモンは、一般に、従来の多くの液体組成物における使用には不安定であり水中で十分溶解できない。したがって、様々な固体剤形(例えば、錠剤)が、こうした薬剤を投与するために使用されてきた。しかし、液体剤形(特に、水溶液)は、錠剤および他の固体剤形と比較して、(特に、例えば、コンパニオンアニマルに)投与するのに便利である場合が多い。
【0005】
甲状腺ホルモンとして、例えば、レボチロキシンが挙げられる。レボチロキシンは、代謝に対する刺激効果を及ぼす甲状腺のヨウ素化アミノ酸である。Kendall、J.Am.Med.Assoc.、64、p.2042(1915)。レボチロキシンは、L−チロキシン;L−T4;0−(4−ヒドロキシ−3,5−ジヨードフェニル)−3,5−ジヨードチロシン;およびL−3,5,3’,5’−テトラヨードチロニンとしても知られている。これは、Synthroid、Levothroid、Levoxyl、Unithroid、およびSoloxineを含め、様々な商品名のもとに市販されている。
【0006】
甲状腺障害を治療するのに使用する場合、レボチロキシンは、ナトリウム塩の形態
【0007】
【化1】

において投与することが多い。
【0008】
こうした塩として、例えば、レボチロキシンナトリウム五水和物(CAS番号:6106−07−06)およびレボチロキシン水酸化ナトリウム(CAS番号:25416−65−3)が挙げられる。レボチロキシンナトリウムは、錠剤当たり約0.1mgの単位用量を有する錠剤形態において従来使用されてきた。
【0009】
国際特許出願公開WO95/20955号では、レボチロキシンナトリウムを含め、甲状腺ホルモンを含む液体組成物が考察されている。これらの組成物は、報告によると、40(容量)%から96(容量)%のエタノールおよび4(容量)%から50(容量)%の水を含み、9から12のpHを有する。
【0010】
種々のシクロデキストリンが、難水溶性化合物の溶解性を向上させると報告されてきた。例えば、米国特許第6407079号では、難水溶性または水に不安定性の薬剤と、β−シクロデキストリンエーテルまたはβ−シクロデキストリンエステルとの包接化合物を含む医薬組成物が考察されている。また、米国特許第4983586号では、非経口投与後に注入部位および/または注入器官付近で親油性または水に不安定な薬剤が析出するのを減少する方法において、20%から50%のヒドロキシプロピル−β−シクロデキストリンを含む組成物の使用が考察されている。
【0011】
米国特許第5955105号では、β−シクロデキストリンを含むレボチロキシン組成物が考察されている。しかし、これらの組成物は、固形組成物、即ち、水が4.5(重量)%未満であると特徴づけられている。
【0012】
国際特許出願公開WO97/19703号では、レボチロキシンナトリウム、およびα−シクロデキストリン、β−シクロデキストリンまたはγ−シクロデキストリンを含む、経口、非経口および経皮の医薬組成物が考察されている。WO97/19703には、γ−シクロデキストリンが、試験したシクロデキストリンのL−チロキシンナトリウムに対する水溶解性において最大の向上をもたらしたことが報告されている。WO97/19703では、2−ヒドロキシプロピル化β−シクロデキストリンおよびマルトシル−β−シクロデキストリンは、「適用濃度を高くしてもチロキシンの水溶解性が有意に向上しなかったので、チロキシンにとって実現可能な可溶化剤」ではなかったことが、さらに報告されている。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
例えば、一貫した投薬を可能にし、投与が簡便でありおよび/または安定なままである経口投与用の液体甲状腺ホルモン製剤が依然として必要である。下記の開示により、こうした製剤、ならびにこうした製剤の製造方法および使用方法を記載する。
【課題を解決するための手段】
【0014】
発明の要旨
本発明は、医薬として許容できる溶媒中において可溶化される甲状腺ホルモンを含む液体医薬組成物を提供する。これらの組成物は、通常の保存温度で安定である傾向があり、特に、経口投与に有用である。
【0015】
したがって、簡潔には、本発明は、一つには、少なくとも1種の甲状腺ホルモン、ヒドロキシプロピル−β−シクロデキストリン(「HPBCD」)および少なくとも5(重量)%の水を含む液体医薬組成物を対象としている。通常好ましい実施形態において、該組成物は緩衝液をさらに含む。
【0016】
一部の実施形態において、pHは、少なくとも約8である。
【0017】
一部の実施形態において、HPBCDの濃度は、少なくとも1(重量)%である。
【0018】
本発明は、一つには、動物における甲状腺ホルモン機能障害(即ち、欠損)に伴う状態を治療するために、こうした組成物を使用する方法も対象にしている。
【0019】
本発明は、一つには、動物における甲状腺ホルモン機能障害に伴う障害の治療用薬物を製造するための、こうした組成物の使用も対象としている。
【0020】
本発明は、一つには、医薬組成物を製造するプロセスも対象にしている。一部のこうした実施形態において、例えば、該プロセスは、レボチロキシンナトリウムと、緩衝液およびHPBCDを含む水溶液とを組み合わせることを含む。該組成物は、少なくとも5(重量)%の水を含む。
【0021】
本出願人らの発明のさらなる利益は、この明細書を読むことにより、当分野における技術者には明らかである。
【0022】
発明の詳細な説明
好ましい実施形態のこの詳細な記載は、本出願人らの発明、この原理、およびこの実際の適用を当分野における他の技術者に紹介し、当分野における他の技術者が、特定の使用の必要条件に最適であると思われるような多数の形態において本発明を応用および適用させ得ることを意図しているにすぎない。この詳細な記載および具体的な実施例は、本発明の好ましい実施形態を示す一方、例示の目的を意図しているにすぎない。したがって、本発明は、この明細書において記載する好ましい実施形態に限定されることなく、様々に変更してよい。
【0023】
本発明によると、本出願人らは驚くべきことに、錯化剤としてHPBCDを含む水性液体組成物が、特に緩衝液の存在下で、安定な液体甲状腺ホルモン組成物を作製するのに適切な溶媒として作用することができることを発見した。本出願人らは、こうした溶媒/緩衝液系が少なくとも8のpHで特に適当であることを発見した。一部の実施形態において、例えば、pHは8から約12または約10から約11である。別の実施形態において、pHは、少なくとも約9である。一部のこうした実施形態において、例えば、pHは、約9から約12、約9から約10.5、約10から約10.5または約10.1から約10.3である。
【0024】
本発明の組成物において通常有用な甲状腺ホルモンは、例えば、下記の1つまたは複数を含む。レボチロキシン;(「リオチロニン」もしくは「LT3」としても知られている)L−3,5,3’−トリヨードチロニン;(「LrT3」としても知られている)L−3,3’,5’−トリヨードチロニン;(「LT2」としても知られている)L−3,5−ジヨードチロニン;またはこれらの混合物。
【0025】
本特許において使用する場合、用語「甲状腺ホルモン」は、ホルモン自体と該ホルモンの任意の医薬として許容できる塩(例えば、ナトリウム塩)との両方を包含する。甲状腺ホルモンは、1つまたは複数の多形性形態(例えば、1つまたは複数の結晶形態、非晶質形態、相、固溶体および/またはこれらの混合物)として存在してよく、本発明の医薬組成物は、甲状腺ホルモンの医薬として許容できる多形性形態および/またはこの混合物から調製することが可能である。甲状腺ホルモンは、溶媒和物(例えば、水和物)の形態において存在してもよく、本発明の医薬組成物は、甲状腺ホルモンの溶媒和物および/またはこの混合物から調製することができる。
【0026】
甲状腺ホルモンは、生理活性の1−エナンチオマーとして合成により調製してもよく、または動物の甲状腺から直接単離してもよい。
【0027】
本発明の組成物における甲状腺ホルモンの濃度は、例えば、所望の単位用量または容量、および使用する特定の甲状腺ホルモン(複数可)によって様々である。通常、甲状腺ホルモン濃度は、特にホルモンがレボチロキシンを含む場合、約0.1mg/mlから約2.0mg/mlである。一部の実施形態において、濃度は約1.0mg/mlである。
【0028】
シクロデキストリン(「CD」)は、CD−グルコシルトランスフェラーゼ酵素を使用してデンプンから調製してよい。異なる3種のCD、α−CD、β−CDおよびγ−CDがある。これらは、−1.4グルコシド結合でそれぞれ結合している6、7または8個のグルコピラノース単位からなる。3種のシクロデキストリンは、分子量、水溶性および空洞径において異なっている。これらの化合物は、他の化合物との封入複合体を形成することができる。これらの封入複合体は、CDに応じて異なる特性を有する。CD分子におけるさらなる修飾も適当な置換により行なうことができることを注目すべきである。例えば、ヘプタキス−2,6−ジ−0−メチル−β−CD(「DIMEB」)の場合、全グルコース単位の2個のヒドロキシ基はメチル化され、一方ランダムにメチル化されたβ−CD(「RAMEB」)の場合、ヒドロキシ基はメトキシ基によりランダムに置換され、平均メチル化度はおよそ1.8である。シクロデキストリンのヒドロキシアルキル化によって、ヒドロキシプロピル化およびヒドロキシエチル化したシクロデキストリン誘導体で知られているように、向上した水溶性も得られる。Szejtli、J.Cyclodextrin Technology、p.51(Kluwer Academic Publ.、1988)。
【0029】
好ましいヒドロキシアルキル化シクロデキストリンは、ヒドロキシプロピル−β−シクロデキストリン(即ち、「HPBCD」)であり、一般に、2−ヒドロキシプロピル−β−シクロデキストリンである。2−ヒドロキシプロピル−β−シクロデキストリンは、「ヒドロキシプロピルベータデクス」(ヨーロッパ薬局方の名称)としても同定されている。これは、x=7である分子式C427035(CO)を有する。ヨーロッパ薬局方のこの条は1804であり、このCAS番号は128446−35−5である。
【0030】
好ましくは、該組成物におけるHPBCDの濃度は1%を超える。一部のこうした実施形態において、HPBCDの濃度は、少なくとも約5(重量)%または少なくとも約10重量%である。例えば、一部の実施形態において、HPBCDの濃度は、約10(重量)%から約50(重量)%または約15(重量)%から約30(重量)%である。一部の実施形態において、該濃度は約20(重量)%である。したがって、一実施形態において、組成物は、レボチロキシンナトリウム、および約10(重量)%から約50(重量)%のHPBCDを含む。こうした組成物は、pHが少なくとも8である水溶液の形態であるのが好ましい。一部の実施形態において、pHは、8から約12または約10から約11である。別の実施形態において、pHは、少なくとも約9である。一部のこうした実施形態において、例えば、pHは、約9から約12、約9から約10.5、約10から約10.5または約10.1から約10.3である。
【0031】
該組成物における水の量は、例えば、所望の全容量、および該用量における甲状腺ホルモンの量に応じて様々である。一般に、水の量は、少なくとも5(容量)%、少なくとも約10(容量)%、少なくとも約25(容量)%、少なくとも約50(容量)%または少なくとも約60(容量)%である。一部の実施形態において、水の量は、約80(容量)%以下、約70(容量)%以下または約65(容量)%以下である。
【0032】
該組成物は、通常、少なくとも1種の緩衝液をさらに含む。この緩衝液は、多数の目的を果たすことが可能である。
【0033】
例えば、本出願人らにより、レボチロキシンナトリウムをHPBCD水溶液と組み合わせた場合、溶液のpHが低下することが認められた。このpH低下により、pHを監視し、所望のpHを維持するために塩基を添加しなければならない。本出願人らは、緩衝液の使用により、こうした監視および塩基の添加の必要を減少することができる、または、より一般的には、全く排除できることを発見した。例えば、下記実施例7を参照されたい。
【0034】
本出願人らにより、緩衝液の非存在下、該組成物のpHは、部分的に閉じた大量貯蔵容器中に組成物がある間、時間をかけて低下する傾向があり、最終製品包装材中に組成物がある間も長期貯蔵中に低下する可能性があることも認められた。これらのpH低下は、同様に、組成物の安定性を減少させる傾向がある。本出願人らは、緩衝液の存在がこれらのpH低下の速度を遅らせることで、時間をかけて組成物の安定性を増加させることができることを発見した。例えば、下記実施例5、8、および9を参照されたい。
【0035】
緩衝液(複数可)は、好ましいpH範囲で有効であり(即ち、pH安定性をもたらし)、好ましいpH範囲内になるpKaを通常有するのが好ましい。一般に、本発明の組成物の好ましいpHは、少なくとも約8である。一部の実施形態において、好ましいpHは、約8から約12または約10から約11である。別の実施形態において、好ましいpHは少なくとも約9である。一部のこうした実施形態において、例えば、pHは約9から約12、約9から約10.5、約10から約10.5または約10.1から約10.3である。別の実施形態において、好ましいpHは9である。また別の実施形態において、好ましいpHは10.2である。本出願人らは、レボチロキシンナトリウムを20(w/v)%HPBCDの水溶液に溶解させるために、および時間の経過によるレボチロキシンナトリウムの析出を防止することにより最終製品の有効期間を延長するために、これらの範囲内のpH(および特に10.2のpH)が有利である傾向があることを見出した。
【0036】
一般に、緩衝液は、少なくとも約9.5のpKaを有するのが好ましい。一部の実施形態において、例えば、緩衝液は、約9.5から約10.7、約10から約10.7または約10から約10.5のpKaを有する。
【0037】
一部の実施形態において、緩衝液は、(「炭酸水素ナトリウム」としても知られている)炭酸水素ナトリウムを含む。炭酸水素ナトリウムは、経口投与に一般に使用される緩衝液である。賦形剤として使用する場合、炭酸水素ナトリウムは、基本的に無毒性および非刺激性の物質であると見なされている。これは、ヨーロッパにおいては食品添加物として使用許可されており、FDA’s Inactive Ingredients Guide and the FDA’s Food Additive Databaseに列挙されている。さらに、炭酸水素ナトリウムは、9.5から11.1のpH範囲を超える緩衝液として有効であることが知られている。これは10.3のpKaを有することも知られており、該組成物に好ましいpHの10.2に近い。例えば、(2006年に、Sigma−Aldrich Co.により公表された)www.sigmaaldrich.com/Brands/Fluka_Riedel_Home/Bioscience/BioChemika_Ultra/Biological_Buffers.htmlを参照されたい。
【0038】
企図される他の緩衝液の例として、表1の緩衝液が挙げられる。
【0039】
【表1】

【0040】
該組成物における緩衝液の量は、所望のpH安定性を付与するのに十分であるのが好ましい。緩衝液(例えば、炭酸水素ナトリウム)の濃度は、少なくとも約0.001mol/L、通常少なくとも約0.005mol/Lであるのが好ましい。一部の実施形態において、濃度は約0.005から約0.1mol/Lまたは約0.01から約0.05mol/Lである。例えば、一部の実施形態において、濃度は約0.01mol/L、約0.02mol/L、約0.03mol/Lまたは約0.04mol/Lである。
【0041】
該組成物は、所望のpHを得るためにpH調整剤をさらに含有してよい。一部の実施形態において、例えば、pH調整剤はNaOHを含む。別の実施形態において、pH調整剤は、例えば、代替としてまたは追加としてリン酸塩および/または炭酸塩を含んでよい。
【0042】
甲状腺ホルモンの溶解性および安定性が、一部の例において、例えば、様々な他の溶媒、表面修飾剤、(例えば、超微粉砕化による)ホルモンの微粉砕、錯化剤などを使用することにより、さらに向上することができることを企図している。
【0043】
例えば、該組成物は、医薬として許容できる(および通常経口的に許容できる)防腐剤を約5重量%から約30重量%(または約5重量%から約20重量%)含有してよい。防腐剤は、活性成分(複数可)と相容性があり、経口剤に関するヨーロッパ薬局方5.1.3に概説されているように、抗菌保存の十分な有効性を有していることが好ましい。一部の実施形態において、防腐剤はエタノールを含む。一部のこうした実施形態において、例えば、エタノールは、約5(v/v)%から約20(v/v)%または約10(v/v)%から約15(v/v)%の濃度で存在する。
【0044】
該組成物は、医薬として許容できる抗酸化剤を極微量から約5(重量)%または約1(重量)%から約5(重量)%追加として含んでよい。抗酸化剤の存在は、組成物に安定性をもたらす助けとなり得る。本発明の組成物に多くの場合適当である抗酸化剤として、例えば、エチレンジアミン四酢酸塩(「EDTA」)、チオ硫酸ナトリウム、アスコルビン酸ナトリウムおよび/またはプロピルガレートが挙げられる。EDTAが存在する場合、好ましい濃度は約0.1%である。チオ硫酸ナトリウムが存在する場合、好ましい濃度は極微量から約0.5(w/v)%であり、約0.025%が通常好ましい。アスコルビン酸ナトリウムが存在する場合、好ましい濃度は極微量から約1(w/v)%であり、約0.1(w/v)%が通常好ましい。プロピルガレートが存在する場合、好ましい濃度は極微量から約1(w/v)%であり、約0.1(w/v)%が通常好ましい。
【0045】
該組成物は、安定性において助けとなる1つまたは複数の他の化合物を追加として含んでよい。こうした化合物として、例えば、塩化アンモニウムおよび/または1つまたは複数のヨウ素供与体(例えば、ヨウ化ナトリウム)を挙げることが可能であると想定される。ヨウ化ナトリウムが存在する場合、好ましい濃度は極微量から約0.5(w/v)%である。
【0046】
甲状腺ホルモンの可溶化は、コポリマー(複数可)を付加することによりHPBCDの低濃度を達成することが可能である。適当なコポリマーとして、例えば、ナトリウムカルボキシメチルセルロース(「CMC」)、ヒドロキシプロピルメチルセルロース4000(「HPMC」)および/またはポビドン12PFを挙げることができる。HPMCが存在する場合、好ましい濃度は極微量から約1(w/v)%であり、約1(w/v)%が通常好ましい。CMCが存在する場合、好ましい濃度は極微量から約1(w/v)%であり、約1(w/v)%が通常好ましい。ポビドン12PFが存在する場合、好ましい濃度は極微量から約5(w/v)%であり、約2(w/v)%が通常好ましい。
【0047】
本発明の組成物は、(本特許に参照により組み込む)「Gennaro、Remington:The Science and Practice of Pharmacy」(20th Edition、2000)に記載されている賦形剤など、1つまたは複数の生理学的に許容できる製剤用賦形剤をさらに含んでよい。該組成物は、着色剤、香味剤、増粘剤、例えばポビドン、カルボキシメチルセルロース、および/またはヒドロキシプロピルメチルセルロースなど、1つまたは複数の医薬として許容できる他の成分をさらに含んでよい。こうした賦形剤および他の成分はいずれも、(1)使用量において実質的に医薬としておよび/または獣医用として純性および無毒性であり、(2)活性成分(複数可)と相容性であることが好ましい。これらの賦形剤および他の成分は、極微量から約40(重量)%の量において存在してよい。一部の実施形態において、賦形剤および他の成分は、極微量から約10(重量)%の量において存在している。
【0048】
本発明の組成物は、一般に、甲状腺ホルモン機能障害に伴う状態を治療するのに有用である。甲状腺活性障害は、例えば、自然に生じ、または甲状腺の外科的切除、甲状腺炎もしくは下垂体の変性に伴う機能低下の結果であると思われ、甲状腺機能低下をもたらす。甲状腺機能低下の原因が何であっても、甲状腺機能低下はホルモン補充療法により治療することが可能である。甲状腺機能低下に伴う状態は、同様に、ホルモン補充療法で治療することが可能である。これらの状態として、例えば、粘液水腫、クレチン症および/または肥満症が挙げられる。
【0049】
本発明の組成物は、甲状腺ホルモン機能障害に伴う状態の治療を必要とする任意の種の動物に使用することができる。こうした種として、例えば、鳥類、魚類、爬虫類、両生類、および特に、哺乳動物を挙げることができる。哺乳動物として、例えば、(純粋種および/または雑種のコンパニオン犬、興行犬、作業犬、牧畜犬、猟犬、番犬、警察犬、競走犬、および/または実験用犬を含む)イヌなどのイヌ類が挙げられる。他の哺乳動物として、例えば、猫などのネコ類が挙げられる。さらに他の哺乳動物は、例えば、他のコンパニオンアニマル(例えば、猫、ウサギ、クロアシイタチなど)、農場または家畜用哺乳動物(例えば、ブタ、ウシ、ウマ、ヤギ、ヒツジなど)、実験用哺乳動物(例えば、マウス、ラット、モルモットなど)、ならびに野生および動物園の哺乳動物(例えば、バッファロー、シカなど)が挙げられる。
【0050】
本発明の組成物は、特に経口投与に適当である。用語「経口製剤」は、活性成分(複数可)を、口を介して動物に投与するのに適当な製品に配合することを意味する。これらの製剤として、例えば、該活性成分を含有する液体もしくは半液体、ゲル、ペースト剤、経口スプレー、口腔製剤、または動物飼料を挙げることができる。しかし、該組成物は、液体または半液体の溶液、通常水溶液の形態であるのが好ましい。
【0051】
経口製剤は、必ずしも食物または水と独立して動物に投与しなければならいということはない。経口投与として、例えば、動物の食物または飲料水における組成物の投薬が挙げられる。この例において、例えば、食物または飲料水上に組成物を滴下してよい。例えば、動物が後で自己洗浄中に組成物を摂取するように、動物の毛に組成物を付着させてもよい。
【0052】
本発明の組成物は、皮下注射、静脈内注射、筋肉内注射、胸骨内注射、粘膜下注射および注入を介するような、非経口的に投与することもできることを企図している。本発明の組成物は、プアオンまたはスポットオンを介するような、局所的に投与することもできることを企図している。
【0053】
一般に、該組成物は、レシピエントの動物に治療有効量の甲状腺ホルモンを供給する用量において投与する。これは、該ホルモンが動物に投与される唯一の活性成分である場合は特に当てはまる。該ホルモンが別の活性成分(複数可)とともに投与される限りにおいて、該用量は、別の活性成分(複数可)の量と一緒に治療有効量を構成するホルモンの量を含むのが好ましい。
【0054】
用語「治療有効量」は、治療する状態を予防し、このリスクを減少し、この発症を遅延させ、寛解させ、抑制し、または根絶するのに十分な量を意味する。
【0055】
甲状腺ホルモンの好ましい総1日用量は、通常、約15μg/体重Kgから約25μg/体重Kgである。一部の実施形態において、該ホルモンの好ましい総1日用量は、約20μg/体重Kgである。1日1回の服用が通常好ましいが、投与単位組成物は総1日用量未満を含有してよいこと、およびこのような減少した投与量は望ましい総1日用量を達成するために1日当たり2回またはそれ以上投与することを企図している。1日当たりの複数回用量は、一部の例において、必要であれば総1日用量を増加するために使用してよいことが認識されるであろう。
【0056】
好ましい投与計画に影響する要因として、動物患者の種類(例えば、種および品種)、年齢、体重、性別、食事療法、活動,状態、および既往歴;病態の重症度;(装置を使用する限りにおいて)組成物を投与するのに使用する装置;投与される特定の組成物の活性、有効性、薬物動態および毒性的特性などの薬理学的考察;組成物における追加の活性成分(複数可)の存在;ならびに組成物が、薬および/またはワクチンの組合せ剤の一部として投与されているかどうかが挙げられる。したがって、実際に用いられる投与量は特定の動物患者により異なってよく、したがって、上記の通常の投与量から逸脱することもある。こうした投与量調節の決定は、一般に、常法を用いる当分野の技術者の技術の範囲内である。該組成物は、動物患者に単回で投与できることを企図している。しかし、一般に、該組成物は長期にわたり投与され、動物の生涯にわたる場合が多い。
【0057】
本発明の組成物は、甲状腺ホルモン機能障害に伴う状態の治療において、活性を有する1つまたは複数の他の薬剤との補助療法において使用することができる。他の薬剤として、例えば、チレオグロブリンを挙げることができる。
【0058】
本発明のさらなる態様は、動物(特に、イヌ)における甲状腺ホルモン機能障害に伴う障害の治療用医薬組成物を調製するための甲状腺ホルモンの使用を対象としている。
【0059】
一部の実施形態において、例えば、レボチロキシンナトリウムを、HPBCDおよび緩衝液を含有する水溶液に添加する。通常、レボチロキシンナトリウムを添加する前に、塩基(例えば、NaOH)で水溶液のpHを調節して所望のpH(例えば、約10.2)を得る。レボチロキシンナトリウムを添加する前に、他の成分(例えば、エタノール)を添加してもよい。しかし、こうした他の成分を、レボチロキシンナトリウムと同時に、および/またはレボチロキシンナトリウムの後で、その代わりに(または追加として)添加することも可能である。通常望ましくはないが、緩衝液も、レボチロキシンナトリウムの前に添加するのではなく、(または、それに加えて)レボチロキシンナトリウムと同時に、および/もしくはレボチロキシンナトリウムの後で添加することが可能である。一部の好ましい実施形態において、緩衝液を水中に溶解し、続いてHPBCDの添加およびpHを調節した後、レボチロキシンナトリウムを添加する。
【0060】
別の実施形態において、混練方法を使用する。例えば、少量の水をHPBCDおよびレボチロキシンナトリウムに添加してペーストを形成し、次いでこれを水、エタノール、NaOHおよび緩衝液でさらに希釈する。
【0061】
下記実施例は例示にすぎず、決して本開示の残部を限定するものではない。
実施例
【実施例1】
【0062】
レボチロキシンナトリウム組成物の例示
下記組成物を調製した。
【0063】
【表2】

【0064】
【表3】

【0065】
【表4】

【0066】
【表5】

【0067】
【表6】

【0068】
【表7】

【0069】
【表8】

【0070】
【表9】

【0071】
【表10】

【0072】
炭酸水素ナトリウムを含有しない上記組成物を調製するため、少量の水をHPBCDに添加してペーストを形成した。次いで、追加の水およびエタノール、続いてNaOHを撹拌しながら添加して、pHを10.2±0.2にした。最後に、混合物を撹拌しながら、レボチロキシンナトリウム(および、適用できれば、他の構成成分)を添加した。
【0073】
炭酸水素ナトリウムを含む組成物に関し、最初に多量の水を容器に導入して炭酸水素ナトリウムを溶解することにより組成物を調製した。次いでHPBCDを、続いてエタノールを容器に導入した。その後、NaOHを導入してpHを10.2±0.2にした。最後に、混合物を撹拌しながらレボチロキシンナトリウムを添加した。
【実施例2】
【0074】
pHの効果
レボチロキシンナトリウムは、3つのpKa、2.2、6.7および10.1を持つ三塩基酸である。この溶解性はpHの変化により影響され、中間pHのほうが低い(例えば、pH7.3で28μg/ml)。レボチロキシンナトリウムの溶解性は、9.4のpHで7倍、10.45のpHで11倍、pH7.3より高い。許容できる生理学的pHを有し、レボチロキシンの溶解性を向上させるため、pHは少なくとも約8、または少なくとも約9が好ましい。
【実施例3】
【0075】
レボチロキシンナトリウム粒径の効果
超微粉砕化したレボチロキシンナトリウム(D99<13μm)、および超微粉砕化していないレボチロキシンナトリウム(D99<125μm)のバッチの溶解性を調べた。一定容量の水中における各種の量の活性成分を有する調製物を、24時間後に観察した。両者において、水1ml当たり100μg未満のレボチロキシンナトリウムが溶解した。したがって、超微粉砕化だけでは、溶解性、または水における溶解時間は改善しなかった。
【実施例4】
【0076】
錯化剤の効果
30(w/w)%HPBCD(Kleptose HPB、Roquette、France)の水溶液中において、レボチロキシンナトリウム1000μg/mlが溶解した。本出願人らにより、同様のレボチロキシンナトリウム溶解性が、例えば、カルボキシメチルセルロースナトリウム(「CMC」)、ヒドロキシプロピルメチルセルロース4000(「HPMC」)、および/またはポビドン12PFなどのコポリマー(複数可)を付加することによって、低濃のHPBCDで達成できることが認められた。より具体的には、本出願人らにより、1000μg/mlのレボチロキシンナトリウムが、コポリマー/HPBCDの下記濃度のいずれかを有する水溶液中において達成することが認められた。
0.5w/w%のCCMおよび15(w/w)%のHPBCD、
0.5w/w%のHPMCおよび20(w/w)%のHPBCD、または
2w/w%のポビドン12PFおよび20(w/w)%のHPBCD。
【実施例5】
【0077】
上記実施例1の第一製剤の安定性
実施例1の第一製剤におけるレボチロキシンの安定性を、30ml密閉I型ガラス瓶中で試験した。2−8℃で6カ月後、有意な変化は外観上、レボチロキシン含有量(+3.1%)、リオチロニンナトリウム、エタノール含有量、またはpHにおいて全く認められなかった。これは、レボチロキシン含有量が、密閉した30mlI型ガラス瓶中、2−8℃で、9カ月を超えて安定(−4.2%)なままであると認められた異なる実験の結果と一致する。23−27℃および55−65%RHで6カ月後、レボチロキシン含有量(−6.7%)およびpHの軽度の低下が認められた。調製物は、いずれの例においても清澄なままであった。
【0078】
実施例1の第一製剤600Lを、部分的に閉じた容器に7日間2−8℃で貯蔵した場合、pHは10.3から8.7まで、1.6単位低下した。
【0079】
pHにおける低下は、実施例1の第一製剤を、閉じた容器中に18カ月から24カ月貯蔵した場合でも認められた。しかし、これらの低下にはむらがあり、低下がほとんど無しまたは全く無しから、最高1.8単位の低下までの範囲であった。
【実施例6】
【0080】
レボチロキシンナトリウム組成物に対する安定剤の安定性効果
安定化した、または安定化しないHPBCDの水溶液におけるレボチロキシンナトリウムの安定性を調べた。結果を表2−4に示す。
【0081】
【表11】

【0082】
【表12】

【0083】
【表13】

【0084】
これらの実験において、レボチロキシンナトリウムは、水溶液中におけるHPBCDとの不相容性を示さなかった。
【実施例7】
【0085】
レボチロキシンナトリウム添加中にHPBCD溶液のpHを安定化するための緩衝液の使用
本出願人らによって、10.2のpHで20%HPBCDの水溶液にレボチロキシンナトリウムを添加した直後、溶液のpHが、約0.07から1.11単位低下することが認められた。本出願人らの知見を、表5において下記に要約する。
【0086】
【表14】

【0087】
このpH低下により、pHの調節は、レボチロキシンナトリウムの添加後pHを所望の値まで戻すために通常必要であった。本発明によると、本出願人らは、レボチロキシンナトリウムの添加中におけるpHの低下を低減することで、レボチロキシンナトリウムを添加後にpHを測定し、調節する必要を低減するか、または排除する目的で、炭酸水素ナトリウムをHPBCD水溶液に含有させた。本出願人らの知見を、表6(実験室規模)および表7(パイロット規模)において下記に要約する。
【0088】
【表15】

【0089】
【表16】

【0090】
炭酸水素ナトリウムは、これらの実験室規模およびパイロット規模での実験のいずれにおいても、レボチロキシンナトリウムの溶解時間に影響しなかった。
【実施例8】
【0091】
炭酸水素ナトリウムの緩衝能評価
本出願人らは、20(w/v)%HPBCD水溶液中に溶解している0.1(w/v)%レボチロキシンナトリウムを含有する最終生成物における炭酸水素ナトリウムの緩衝能を、pHを0.1および1.0低下させるのに必要な0.5(v/v)%HCl溶液の量を測定することにより評価した。本出願人らの知見を、表8において下記に要約する。
【0092】
【表17】

【実施例9】
【0093】
緩衝液を有するレボチロキシンナトリウム組成物の安定性
本出願人らは、密閉容器中において、リン酸緩衝液およびカーボネート緩衝液を有するHPBCD水溶液中におけるレボチロキシンナトリウムの安定性を調べた。結果を表9において下記に要約する。
【0094】
【表18】

【0095】
これらの実験において、レボチロキシンナトリウムは、水溶液中におけるHPBCDとの不相容性を示さなかった。
【0096】
本出願人らは、開口容器中に2−8℃または30℃で貯蔵後の、炭酸水素ナトリウムを有するHPBCD水溶液中におけるレボチロキシンナトリウムの安定性も調べた。同条件で貯蔵した密閉瓶を参照として使用した。結果を表10において下記に要約する:
【0097】
【表19】

【0098】
(請求項を含め)本特許における「含む」、「含んで」、および「含んでいる」という語は、排他的というより包括的に解釈されるべきである。この解釈は、これらの語が合衆国特許法の下で与えられた解釈と同じであることを意図している。
【0099】
濃度百分率が、「容量」で記述される場合、百分率は、組成物の総容量当たりの、記載された成分の容量である。濃度百分率が「重量」で記述される場合、百分率は、組成物の総重量当たりの、記載された成分の重量である。
【0100】
別段の指定がない限り、「極微量」は、検知可能であるが、あまりに少量で定量化できない量である。
【0101】
好ましい実施形態の上記の詳細な記載は、本発明、この原理、およびこの原理の実際の適用を当分野における他の技術者に紹介し、当分野における他の技術者が、特定の使用の必要条件に最適であると思われるような多数の形態において本発明を応用および適用させ得ることを意図しているにすぎない。したがって、本発明は上記の実施形態に限定されず、様々に変更してよい。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも1種の甲状腺ホルモン、
ヒドロキシプロピル−β−シクロデキストリン、
少なくとも1種の緩衝液、および
少なくとも5(重量)%の水
を含み、pHが約8から約12である液体医薬組成物。
【請求項2】
pHが約9から約10.5である、請求項1に記載の組成物。
【請求項3】
pHが約10.1から約10.3である、請求項2に記載の組成物。
【請求項4】
甲状腺ホルモンが、レボチロキシンまたは医薬として許容できるこの塩を含む、請求項1から3のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項5】
ヒドロキシプロピル−β−シクロデキストリン濃度が約10(重量)%から約50(重量)%である、請求項1から4のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項6】
NaOHをさらに含む、請求項1から5のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項7】
緩衝液が少なくとも約9.5のpKaを有する、請求項1から6のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項8】
緩衝液が、約10.0から約10.5のpHでpH安定性をもたらす、請求項1から7のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項9】
緩衝液が炭酸水素ナトリウムを含む、請求項1から8のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項10】
防腐剤を約30(重量)%以下の濃度でさらに含む、請求項1から9のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項11】
約5(重量)%から約30(重量)%のエタノールをさらに含む、請求項1から10のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項12】
約5(重量)%から約20(重量)%のエタノールをさらに含む、請求項1から11のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項13】
医薬として許容できる抗酸化剤を約5(重量)%以下の濃度でさらに含む、請求項1から12のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項14】
少なくとも1種の甲状腺ホルモン、
1(重量)%超のヒドロキシプロピル−β−シクロデキストリン、
少なくとも1種の緩衝液、および
少なくとも5(重量)%の水
を含む液体医薬組成物。
【請求項15】
ヒドロキシプロピル−β−シクロデキストリン濃度が、約10(重量)%から約50(重量)%である、請求項14に記載の組成物。
【請求項16】
動物における甲状腺ホルモン機能障害に伴う障害を治療する方法であり、請求項1から15のいずれか一項に記載の組成物の治療有効量を前記動物に投与することを含む方法。
【請求項17】
前記動物がイヌである、請求項16に記載の方法。
【請求項18】
前記状態が甲状腺機能低下症を含む、請求項16または17に記載の方法。
【請求項19】
動物における甲状腺ホルモン機能障害に伴う障害の治療用薬物を製造するための、請求項1から15のいずれか一項に記載の組成物の使用。

【公表番号】特表2009−522335(P2009−522335A)
【公表日】平成21年6月11日(2009.6.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−549014(P2008−549014)
【出願日】平成19年1月5日(2007.1.5)
【国際出願番号】PCT/EP2007/050107
【国際公開番号】WO2007/077252
【国際公開日】平成19年7月12日(2007.7.12)
【出願人】(506196247)インターベツト・インターナシヨナル・ベー・ベー (85)
【Fターム(参考)】