災害情報通知システム、災害情報通知方法及び災害情報通知プログラム
【課題】
被災者へ災害情報を通知する災害情報通知システムに関して、必要最低限の個人情報を公開し、人命救助を支援する災害情報通知システムを提供する。
【解決手段】
災害情報通知システムは、利用者100の位置情報を受付ける位置情報受付手段1と、災害情報を受付ける災害情報受付手段2と、災害情報を記憶する災害情報記憶部31と、災害の危険地域を特定する危険地域特定手段3と、位置情報を記憶する位置情報記憶部41と、危険地域及び位置情報から被災者を特定する被災者特定手段4と、被災者に災害情報を伝達する災害情報伝達手段5と、被災者から応答を受付ける応答情報受付手段6と、個人情報の情報公開レベルを含む利用者情報により個人情報公開を制御する情報公開制御手段7と、利用者情報を記憶する利用者情報記憶部71と、情報公開レベルを災害に応じて変更する情報公開レベル変更手段8と、被災者の関係者・救助隊へ連携する応答情報対応手段9とを備える。
被災者へ災害情報を通知する災害情報通知システムに関して、必要最低限の個人情報を公開し、人命救助を支援する災害情報通知システムを提供する。
【解決手段】
災害情報通知システムは、利用者100の位置情報を受付ける位置情報受付手段1と、災害情報を受付ける災害情報受付手段2と、災害情報を記憶する災害情報記憶部31と、災害の危険地域を特定する危険地域特定手段3と、位置情報を記憶する位置情報記憶部41と、危険地域及び位置情報から被災者を特定する被災者特定手段4と、被災者に災害情報を伝達する災害情報伝達手段5と、被災者から応答を受付ける応答情報受付手段6と、個人情報の情報公開レベルを含む利用者情報により個人情報公開を制御する情報公開制御手段7と、利用者情報を記憶する利用者情報記憶部71と、情報公開レベルを災害に応じて変更する情報公開レベル変更手段8と、被災者の関係者・救助隊へ連携する応答情報対応手段9とを備える。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、災害発生時に災害地域の被災者へ災害情報を通知する災害情報通知システムに関して、特に必要最低限の個人情報に関する情報連携を周囲に行い、円滑な人命救助を支援する災害情報通知システムの提供を目的とする。
【背景技術】
【0002】
地震などの災害発生時や事件・事故発生時には、自分自身や家族の安否を通知することが必要である。特に自分が危険に巻き込まれた状態では、人命の危機に関わるため、周囲や警察・救助隊へ自分のSOS情報を早急に知らせることが必要である。また、被災者は、避難所や災害発生現場では、飛び交う情報が少ないために知り合いが近辺に存在していることを知らないことから孤独を感じてパニック状態に陥りがちである。
【0003】
従来の災害情報通知システムは、災害発生の非常時にネットワークに接続されたサーバコンピュータにより被災者の本人認証を行い、本人認証が正しく行われた場合に被災者の安否情報をデータベースに登録するものがある(例えば、特許文献1参照)。また、従来の災害情報通知システムは、安否確認対象者の携帯端末から現在位置情報をリアルタイムに受信し、災害/事件情報より安否確認対象者を抽出し、安否確認対象者へ安否情報の連絡を要求するメッセージとHPアドレスアクセス要求を含む電子メールを送信し、安否情報を収集するものがある(例えば、特許文献2参照)。
【0004】
また、従来の災害情報通知システムは、緊急事態を収集し、通信端末の位置を管理し、緊急事態発生時に危険エリア内に位置する通信端末及びこの通信端末が属するグループの通信端末に緊急情報を通知するものがある(例えば、特許文献3参照)。また、従来の災害情報通知システムは、異常に係るコンテキストから異常レベルを特定し、この異常レベルを認証強度レベルに変換し、この認証強度レベルに応じた認証処理を認証サーバに実行させ、異常状態に応じた動的な認証を実現するものがある(例えば、特許文献4参照)。
【特許文献1】特開2004−234415号公報
【特許文献2】特開2004−253951号公報
【特許文献3】特開2005−284825号公報
【特許文献4】特開2007−65824号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、従来の災害情報通知システムは、被災者を特定し、被災者の救済のために危険地域や被災者の居場所を含む被災内容に応じて個人情報の公開範囲を動的に変更し、被災者に関する必要最低限の個人情報を公開して被災者の救済を円滑に行うものは無い。
【0006】
本発明は前記課題を解消するためになされたもので、災害状況に応じて個人情報の公開範囲を動的に変更することにより災害発生時に必要最低限の個人情報の情報展開を実施し、さらに行方不明中の被災者の居場所特定を支援し、円滑な救助及び被災者支援を支援する災害情報通知システムの提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本願に開示する災害情報通知システムは、人災及び天災を含む災害の発生時に、移動端末を所有する利用者に当該災害に関する災害情報を通知する災害情報通知システムにおいて、前記移動端末の所在地に関する位置情報を受付ける位置情報受付手段と、前記災害の発生時に前記災害情報を受付ける災害情報受付手段と、前記受付けられた災害情報に基づいて、前記災害における危険地域を特定する危険地域特定手段と、前記特定された危険地域及び前記受付けられた位置情報に基づいて、前記危険地域に所在する前記利用者を被災者として特定する被災者特定手段と、前記特定された被災者の前記移動端末に前記災害情報を伝達する災害情報伝達手段と、前記伝達された災害情報の応答として前記被災者からの応答情報を受付ける応答情報受付手段と、前記利用者に関する個人情報を情報公開する際のレベルとしての情報公開レベルを少なくとも含む利用者情報が入力され、当該入力された情報公開レベルに基づいて、前記災害発生時の前記個人情報に関する問い合わせに対する情報公開範囲を制御する情報公開制御手段と、前記情報公開レベルを前記応答情報及び前記災害情報の内容に応じて変更する情報公開レベル変更手段とを備え、前記情報公開レベルに基づいて前記被災者の個人情報を前記被災者のために情報公開するものである。
このように、本願に開示する災害情報通知システムは、利用者情報記憶手段が前記利用者に関する前記情報公開レベルを少なくとも含む利用者情報を記憶し、情報公開制御手段が前記情報公開レベルに基づいて災害発生時の個人情報の情報公開範囲を制御し、情報公開レベル変更手段が前記災害情報の内容に応じて前記情報公開レベルを変更し、前記情報公開レベルに基づいて前記被災者の個人情報を前記被災者のために情報公開することから、災害発生時に前記情報公開レベルに応じて個人情報の情報展開を実施することとなり、救助に必要とされるが平時には制限される個人情報の公開範囲を動的に変更して情報公開することにより、救助及び被災者支援を円滑に行うことができる。
【0008】
また、本願に開示する災害情報通知システムは必要に応じて、前記利用者の関係者に関する情報を前記利用者情報に含んで記憶する利用者情報記憶手段と、前記応答情報受付手段により受付けられた前記応答情報及び前記利用者情報に基づいて、前記被災者の関係者への報告及び/又は救助隊への指示を行う応答情報対応手段とを備えるものである。このように、本願に開示する災害情報通知システムは、応答情報対応手段が前記応答情報受付手段により受付けられた前記応答情報及び前記利用者情報に基づいて、前記被災者の関係者への報告及び/又は救助隊への指示を行うことから、前記被災者からの応答に応じて前記被災者の安否を求める関係者へ知らせ、状況に応じて前記被災者の救助を依頼することとなり、前記被災者の安否確認及び救助を円滑化することができる。
【0009】
また、本願に開示する災害情報通知システムは必要に応じて、前記危険地域特定手段が、前記災害情報に基づいて災害危険度に応じて前記危険地域をランク付けし、前記情報公開レベル変更手段が、ランク付けされた前記危険地域に応じて前記情報公開レベルを変更するものである。このように、本願に開示する災害情報通知システムは、前記情報公開レベル変更手段が、ランク付けされた前記危険地域に応じて前記情報公開レベルを変更することから、前記危険地域の場所に対して優先順位を付けることとなり、被災の状況に応じた災害対応を柔軟に支援することができる。
【0010】
また、本願に開示する災害情報通知システムは必要に応じて、前記利用者の生活環境及び/又は本人特性を前記利用者情報に含んで記憶する利用者情報記憶手段を備え、前記情報公開制御手段が、前記利用者情報に含まれる前記利用者の生活環境及び/又は本人特性に基づいて、前記災害による影響の受け易さに応じて前記利用者を重み付けし、前記情報公開レベル変更手段が、前記重み付けに応じて前記情報公開レベルを変更するものである。このように、本願に開示する災害情報通知システムは、前記情報公開制御手段が、前記災害による影響の受け易さに応じて前記利用者を重み付けし、前記情報公開レベル変更手段が、前記重み付けに応じて前記情報公開レベルを変更することから、個々人の置かれた状況を鑑みて優先順位を付けて災害情報を通知することとなり、個々人の状況に応じた災害対応を柔軟に支援することができる。
【0011】
また、本願に開示する災害情報通知システムは必要に応じて、前記災害情報伝達手段が、前記応答情報受付手段により受付けられた前記応答情報に基づいて、前記被災者の前記移動端末に、五感にて検知される物理的な遭難信号を発信させるものである。このように、本願に開示する災害情報通知システムは、前記災害情報伝達手段が、前記被災者からの応答状況に応じて、前記移動端末に、五感にて検知される物理的な遭難信号を発信させることから、救出活動により安否が不明な被災者の所在地をより早く検知できることとなり、安否が不明な被災者の円滑な救出活動を支援することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
(本発明の第1の実施形態)
以下、本発明の第1の実施形態に係る災害情報通知システムを、図1から図8に基づいて説明する。この図1は本発明の第1の実施形態に係る災害情報通知システムの構成を示すブロック図、図2は図1に記載された災害情報通知システムの各記憶部に記憶される情報を示す説明図、図3は図1に記載された災害情報通知システムの位置情報記憶部及び災害情報記憶部に記憶される情報のデータレイアウト例、図4は図1に記載された災害情報通知システムの利用者情報記憶部に記憶される情報のデータレイアウト例、図5は図1に記載された災害情報通知システムを中心とする全体概略図、図6は図1に記載された災害情報通知システムの災害情報通知のフローチャート、図7は図1に記載された災害情報通知システムのSOSサイン発動のフローチャート、図8は図1に記載された災害情報通知システムの情報公開のフローチャートを示す。
【0013】
図1において、本実施形態に係る災害情報通知システムは、利用者100の所有する移動端末101の所在地に関する位置情報を受付ける位置情報受付手段1と、災害の発生時に外部機関200から災害情報を受付ける災害情報受付手段2と、この災害情報を記憶する災害情報記憶部31と、この災害情報に基づいて災害の危険地域を特定する危険地域特定手段3と、前記受付けた利用者100の位置情報を記憶する位置情報記憶部41と、前記危険地域及びこの位置情報に基づいて危険地域に所在する利用者100を被災者として特定する被災者特定手段4と、前記特定された被災者の移動端末101に災害情報を伝達する災害情報伝達手段5と、この被災者からこの災害情報の応答情報を受付ける応答情報受付手段6と、前記利用者100に関する個人情報を情報公開する際のレベルとしての情報公開レベルを少なくとも含む利用者情報が入力され、この利用者情報を記憶する利用者情報記憶部71と、この入力された情報公開レベルに基づいて、災害発生時に個人情報の公開範囲を制御する情報公開制御手段7と、前記情報公開レベルを前記応答情報及び前記災害情報の内容に応じて変更する情報公開レベル変更手段8と、前記被災者の家族・友人100aの移動端末101aや関係者100bの移動端末101bへの報告及び/又は第三者機関300への指示を行う応答情報対応手段9とを備えるものである。
【0014】
また、前記災害情報記憶部31は、図2(a)に示すように、災害/事故/事件テーブル31aを備える。また、前記位置情報記憶部41は、同図(b)に示すように、ユーザー状態テーブル41aを備える。また、前記利用者情報記憶部71は、同図(c)に示すように、個人情報テーブル71aと、情報公開テーブル71bと、通知者情報テーブル71cと、検索条件テーブル71dとを備える。
【0015】
前記災害/事故/事件テーブル31aは、図3(a)に示すように、事象ID項目と種別項目と、事象情報項目と、事象発生地項目と、事象発生時刻項目と、事象レベル項目とを項目として備えることができる。この事象ID項目は、発生した災害事象を識別する固有の番号を示す。また、この種別項目は、発生した災害事象を災害、事故及び事件のいずれの分類に属するかを示す。また、この事象情報項目は、発生した災害事象の詳細な情報を示す。また、この事象発生地項目は、災害事象の発生地を示す。また、この事象発生時刻は、災害事象の発生時刻を示す。また、この事象レベル項目は、発生した災害事象の災害程度が事象レベル1、2及び3のうちいずれに該当するかを示し、災害の程度が大きい程、この事象レベルが高く設定される。この事象レベルは、軽微な災害、例えば台風を事象レベル1と定義され、中程度な災害、例えば震度4程度の地震を事象レベル2と定義され、甚大な災害、例えば大地震を事象レベル3と定義されることができる。
【0016】
また、前記ユーザー状態テーブル41aは、同図(b)に示すように、ユーザーID項目と、ユーザー位置項目と、ユーザー安否状態項目と、ユーザー回答状態項目と、ユーザー情報公開状態項目と、SOS受け取り設定項目とを項目として備えることができる。このユーザーID項目は、前記利用者100を固有に識別するID番号を示す。また、このユーザー位置項目は、前記利用者100の位置を示す。また、このユーザー安否状態項目は、前記利用者100の安否状態を示す。また、このユーザー回答状態は、前記利用者100からの被災情報の応答状態を示す。また、このユーザー情報公開状態は、前記利用者100の個人情報の公開状態を示す。また、この情報自動公開設定は、災害時に個人情報に関する情報公開を自動で行なうか否かの設定を示す。また、このSOS受け取り設定項目は、近隣に所在する被災者の存在を知らせるSOS信号を受け取るか否かの設定を示す。
【0017】
また、前記個人情報テーブル71aは、図4(a)に示すように、ユーザーID項目と、ユーザー名項目と、郵便番号項目と、住所項目と、端末ID項目と、電話番号項目と、職業項目と、出身地項目と、出身校項目と、生年月日項目とを項目として備えることができる。このユーザーID項目は、前記利用者100を固有に識別するID番号を示す。また、このユーザー名項目は、前記利用者100の氏名を示す。また、この郵便番号項目は、前記利用者100の住居場所の郵便番号を示す。また、この住所項目は、前記利用者100の住居場所の住所を示す。また、この端末ID項目は、前記利用者100の所有する移動端末101を固有に識別するID番号を示す。また、この電話番号項目は、前記移動端末101の電話番号を示す。また、この職業項目は、前記利用者100の職業を示す。また、この出身地項目は、前記利用者100の出身地を示す。また、この出身校項目は、前記利用者100の出身校を示す。また、この生年月日項目は、前記利用者100の生年月日を示す。
【0018】
また、前記情報公開テーブル71bは、同図(b)に示すように、ユーザーID項目と、公開情報(事象レベル1)項目と、公開情報(事象レベル2)項目と、公開情報(事象レベル3)項目とを項目として備えることができる。このユーザーID項目は、前記利用者100を固有に識別するID番号を示す。また、この公開情報(事象レベル1)項目、公開情報(事象レベル2)項目及び公開情報(事象レベル3)項目は、前記災害/事故/事件テーブル31aの事象レベル項目毎に前記利用者100の公開可能な個人情報の範囲を示す。この個人情報の範囲は、例えば、前記利用者100の氏名、現在地、住所及び出身地に関して定義することができる。また、前記利用者100は、平時において災害時に備えてこの個人情報の範囲を前記事象レベルに応じて予め設定しておくことができる。
【0019】
また、前記通知者情報テーブル71cは、同図(c)に示すように、ユーザーID項目と、通知メンバーグループ1項目と、通知メンバーグループ2項目と、通知メンバーグループ3項目とを項目として備えることができる。このユーザーID項目は、前記利用者100を固有に識別するID番号を示す。また、この通知メンバーグループ1項目、通知メンバーグループ2項目及び通知メンバーグループ3項目は、災害時に前記利用者100の安否を通知する関係者をメンバーグループとして示す。
【0020】
また、前記検索条件テーブル71dは、同図(d)に示すように、ユーザーID項目と、検索条件レベル1項目と、検索条件レベル2項目と、検索条件レベル3項目とを項目として備えることができる。このユーザーID項目は、前記利用者100を固有に識別するID番号を示す。また、この検索条件レベル1項目、検索条件レベル2項目及び検索条件レベル3項目は、災害時に前記利用者100に関連する他の利用者100を検索するための検索条件を前記災害/事故/事件テーブル31aの事象レベル項目毎に示す。
【0021】
以下、前記構成に基づく本実施形態の災害情報通知システムの動作について説明する。
【0022】
まず、災害情報通知システムとしての災害情報通知サーバー10は、図5に示すように、外部機関200から災害発生の情報を受信する(S1)。この災害情報通知サーバー10は、図1における前記位置情報受付手段1、前記災害情報受付手段2、前記危険地域特定手段3、前記災害情報記憶部31、前記被災者特定手段4、前記位置情報記憶部41、前記災害情報伝達手段5、前記応答情報受付手段6、前記情報公開制御手段7、前記利用者情報記憶部71、前記情報公開レベル変更手段8、前記応答情報対応手段9として具体的に構成される。
【0023】
災害情報通知サーバー10は、図6に示すように、災害・事件の発生を受け(S101)、この災害・事件を災害情報として前記外部機関200から前記災害情報受付手段2により受信する(S102)。また、この災害情報受付手段2は、サーバーコンピュータの災害情報受付サーバーとして外部に備えることも可能である。
【0024】
また、前記災害情報受付手段2は、この受信に基づいて前記災害/事故/事件テーブル31aに登録する。前記危険地域特定手段3は、この登録に基づいて、危険地域を特定し、前記災害情報記憶部31に格納された前記災害/事故/事件テーブル31aを更新登録する。
【0025】
次に、前記位置情報受付手段1は、前記利用者100の所在地を前記移動端末101のGPS情報に基づいて前記ユーザー状態テーブル41aに登録する。また、前記位置情報受付手段1は、前記移動端末101のGPS情報を定期的、例えば30分間隔で常時受信することも可能である。また、前記被災者特定手段4は、前記ユーザー状態テーブル41a及び前記災害/事故/事件テーブル31aに基づいて、前記利用者100の所在地が災害の発生付近の危険地域に含まれるかマッチングを行い、前記利用者100が被災者か否かを特定する(S103)。
【0026】
次に、前記災害情報通知サーバー10は、図5に示すように、被災者である利用者100に災害に関する災害情報を送信する(S2)。前記災害情報通知サーバー10は、この利用者100からこの災害情報の応答を受信する(S3)。この応答に応じて、前記災害情報通知サーバー10は、この利用者100の家族・友人100aの移動端末101aへこの利用者100の安否状態の送信(S4)や、救助隊301へこの利用者100の救助依頼を行い、場合により病院302へ搬送を行う(S5)。また、搬送された病院302から病状や入院状況の連絡を受付ける(S6)。
【0027】
前記災害情報通知サーバー10は、図6に示すように、前記S3の結果により前記利用者100の所在地が前記危険地域に含まれる場合には、前記災害情報伝達手段5によりこの利用者100の移動端末101に前記災害情報を送信する(S104)。前記災害情報伝達手段5は、前記利用者100の無事を示す応答を前記応答情報受付手段6により受信した場合(S105)には、前記通知者情報テーブル71cに基づいて前記利用者100の安否情報を前記利用者100の家族及び友人宛に送信する(S106)。なお、前記利用者100は、前記通知者情報テーブル71cに被災時の通知対象者、例えば家族・友人100aを予め登録することができる。
【0028】
このように、安否情報を前記利用者100の家族・友人100a宛に送信することから、災害の発生地域に前記利用者100が存在していることや前記利用者100の安否情報を前記家族及び友人が速やかに知ることとなり、前記利用者100の家族・友人100aに迅速かつ正確な情報を提供することができ、最善の対応を促すことができる。また、身の危険に晒される前記利用者100が伝えたい情報を伝えたい人へ自動的に通知することとなり、前記利用者100及び前記利用者100の家族・友人100aに心理的な安心感を提供することができる。
【0029】
また、前記災害情報伝達手段5は、前記利用者100から危険状態を示すSOS応答を前記応答情報受付手段6により受信した場合(S105)には、前記利用者100の移動端末101にSOSサインを発信するように指示する(S107)。このSOSサインは、物理的なSOSサイン、例えば音、光又は匂い、を発信するように指示することもできる。前記災害情報伝達手段5は、前記匂いの発信を指示する場合には、前記移動端末101から周囲に匂いが発せられることから、前記救助隊301の救助犬が前記利用者100の居場所を早期に発見できることとなり、前記利用者100の危険状態からの救助確率を高めることができる。
【0030】
また、前記災害情報伝達手段5は、前記音の発信を指示する場合には、低周波の音波を発信させることもできる。前記災害情報伝達手段5は、この低周波の音波により、音波による障害物の透過性を高めることとなり、障害物が多い災害地においても前記救助犬により前記利用者100を早期に救助することができる。また、前記災害情報伝達手段5は、前記SOS応答が前記利用者100の救助を求める内容の場合には、前記ユーザー状態テーブル41aの位置情報に基づいて、被災者である前記利用者100の近くにいる他の利用者100へSOS情報を発信することもできる。このSOS情報の発信により、救助を求める被災者である前記利用者100の存在を周囲の人に早期に知らせることとなり、前記利用者100を早期に救助することができ、救助を円滑に行うことができる。
【0031】
また、前記応答情報対応手段9は、前記利用者100からの応答が一定期間、例えば30分以上ない場合には、前記ユーザー状態テーブル41aのユーザー安否状態項目をSOS(危険)状態と設定する(S108)。この設定後、前記S107と同様に、前記移動端末101に物理的なSOSサインの発信を指示する(S109)。
【0032】
また、前記応答情報対応手段9は、図7に示すように、前記S107のSOSサイン発信時において、前記利用者100が前記利用者100の身近に所在する他の利用者100や、救助隊301への救助を依頼することもできる。まず、前記S107及び前記S109と同様にSOSサインが発信される(S201)。このSOSサインの応答として、前記利用者100から危険状態を示すSOS応答を前記応答情報受付手段6により受信する(S202)。前記応答情報対応手段9は、このSOS応答に基づいて救助隊に前記利用者100を救助する旨の依頼を発信する(S203)。
【0033】
また、前記応答情報対応手段9は、前記被災者である利用者100の付近に前記ユーザー状態テーブル41aのSOS受け取り設定項目が「受取る」かつユーザー安否状態項目が「安全」の条件をみたす他の利用者100を前記ユーザー状態テーブル41aの位置情報のマッチングにより検出する(S204)。この検出された他の利用者100宛に前記被災者である利用者100の位置情報を送信する(S205)。この位置情報の送信により、災害避難場所や災害発生現場において前記被災者である利用者100の付近に救助可能な利用者100を割り出すこととなり、前記被災者である利用者100の迅速な救助を支援することができる。
【0034】
また、前記情報公開制御手段7は、図8に示すように、前記S105における安否確認とともに、前記ユーザー状態テーブル41aの情報自動公開設定項目に基づいて、前記利用者100の個人情報の公開を判断する(S301)。前記情報公開制御手段7は、この判断により情報公開する場合には、前記災害/事故/事件テーブル31aの事象レベル項目に基づいて、前記情報公開テーブル71bの情報公開レベル項目に定義された情報を公開する(S302)。
【0035】
前記情報公開制御手段7は、例えば、大地震発生時には、前記事象レベル項目を事象レベル3と判断して前記情報公開レベルを情報公開レベル3と判断し、前記情報公開テーブル71bの情報公開レベル項目に定義された情報、例えば前記個人情報テーブル71aと前記ユーザー状態テーブル41aの全情報、を必要とする機関に公開することができる。また、前記情報公開レベル変更手段8は、前記S105における安否確認の結果に応じて、動的に前記情報公開レベルを変更することもできる。例えば、前記情報公開レベル変更手段8は、前記S105において前記利用者100から危険状態を示すSOS応答を前記応答情報受付手段6により受信し、前記事象レベル項目を事象レベル2と判断する場合に、前記情報公開レベルを前記情報公開レベル2から前記情報公開レベル3に変更することができる。
【0036】
また、前記情報公開レベル変更手段8は、この場合において、前記利用者100により前記情報公開テーブル71bの公開情報(事象レベル2)項目まで定義され、公開情報(事象レベル3)項目を未定義の場合には、前記情報公開レベル2の情報公開を実施する。このように、前記利用者100は、災害時の情報公開レベルの変更範囲を自ら定義することができ、本人の意思を尊重して個人情報の公開範囲を決定することができる。
【0037】
また、前記情報公開制御手段7は、前記災害/事故/事件テーブル31aの事象レベル項目に基づいて、前記検索条件テーブル71dに定義された検索条件に該当する他の利用者100が前記被災者である利用者100の近くに存在するかを検索する(S303)。前記情報公開制御手段7は、例えば、前記検索条件テーブル71dの検索条件レベル2項目に「同じ出身高校」と指定された場合には、前記事象レベル2の災害時に同じ出身高校の他の利用者100が検索される。
【0038】
前記情報公開制御手段7は、この検索された他の利用者100の位置を、前記ユーザー状態テーブル41aのユーザー位置項目とマッチングを行い特定する。また、前記情報公開制御手段7は、例えば、前記情報自動公開設定項目が前記公開レベル3の場合には、前記事象レベル3の災害時に、前記個人情報テーブル71aと前記ユーザー状態テーブル41aの全情報を前記他の利用者100に公開するという仕様も可能である。
【0039】
前記情報公開制御手段7は、前記検索の結果に基づいて、前記被災者である利用者100の公開情報及び位置情報を検索された利用者100に送信する(S304)。このように、前記情報公開制御手段7は、検索された利用者100への情報公開により、災害避難場所や災害発生現場において前記被災者である利用者100の知り合いが近くにいる場合には、お互いを知り合う機会を提供することとなり、互いに助け合う環境を築くことができ、近くに存在する知り合いを知る手段がない従来の場合では得られない精神的な支援を提供することができる。
【0040】
また、前記情報公開制御手段7は、前記S301にて情報公開しない場合には、前記被災者である利用者100の移動端末101に、情報公開の可否の確認を行う(S305)。前記情報公開制御手段7は、この情報公開の可否の確認により、前記利用者100から前記情報公開レベルの変更の旨を受付けた場合(S306)には、前記S302以降の処理を同様に実施する。また、前記情報公開制御手段7は、この情報公開の可否の確認により、前記利用者100から前記情報公開レベルの変更無しとの旨を受付けた場合(S306)には、図8における情報公開の処理を終了する。
【0041】
また、本実施形態に係る災害情報通知システムを構成する各機器のハードウエア構成は、CPU、メモリ、大容量記憶装置、ディスプレイ、通信装置、キーボード、マウス、入力手段及び上記各部を接続するバスからなる。なお、本災害情報通知システムにおける各機器はいずれも同一のハードウエア構成を有するものとする。
(本発明の第2の実施形態)
以下、本発明の第2の実施形態に係る災害情報通知システムを、図9ないし図12に基づいて説明する。
この図9は本発明の第2の実施形態に係る災害情報通知システムの利用者情報記憶部に記憶される情報を示す説明図、図10は図9に記載された災害情報通知システムの利用者情報記憶部に追加された情報のデータレイアウト例、図11は図9に記載された災害情報通知システムの医療情報取得のフローチャート、図12は図9に記載された災害情報通知システムの医療情報通知のフローチャートを示す。
【0042】
本実施形態に係る災害情報通知システムは、前記第1の実施形態を記載した図1と同様に、前記位置情報受付手段1と、前記災害情報受付手段2と、前記危険地域特定手段3と、前記災害情報記憶部31と、前記被災者特定手段4と、前記位置情報記憶部41と、前記災害情報伝達手段5と、前記応答情報受付手段6と、前記情報公開制御手段7と、前記利用者情報記憶部71と、前記情報公開レベル変更手段8と、前記応答情報対応手段9とを備え、さらに、前記利用者情報記憶部71が、病院テーブル71eと、医療情報テーブル71fと、戸籍情報テーブル71gとを追加で備える。本実施形態に係る災害情報通知システムは、前記図5に示すように、災害時に前記S5において前記病院302に搬送された前記利用者100に関して、前記病院302から問い合わせを受け(S6)、この問い合わせに対して前記利用者100の個人情報の公開を含めて応答し、治療及び周囲への情報連携を円滑化するものである。
【0043】
前記病院テーブル71eは、図10(a)に示すように、病院ID項目と、病院名項目と、病院地図項目と、病院連絡先項目と、病院情報登録責任者項目とを項目として備えることができる。この病院ID項目は、前記病院302を固有に識別するID番号を示す。また、この病院名項目は、前記病院302の名称を示す。また、この病院地図項目は、前記病院302の地図上の所在地を示す。また、この病院連絡先項目は、前記病院302の連絡先を示す。また、この病院情報登録責任者項目は、病院情報の登録責任者を示す。
【0044】
また、前記医療情報テーブル71fは、同図(b)に示すように、ユーザーID項目と、病院ID項目と、担当医項目と、診療情報項目とを項目として備えることができる。
このユーザーID項目は、前記利用者100を固有に識別するID番号を示す。また、この病院ID項目は、前記病院302を固有に識別するID番号を示す。また、この担当医項目は、前記利用者100の担当医の氏名を示す。また、この診療情報項目は、前記利用者100の過去の診療結果を示す。
【0045】
また、前記戸籍情報テーブル71gは、同図(c)に示すように、ユーザーID項目と、戸籍関係者名項目と、戸籍関係者連絡先項目とを項目として備えることができる。このユーザーID項目は、前記利用者100を固有に識別するID番号を示す。また、この戸籍関係者名項目は、前記利用者100の戸籍関係者の氏名を示す。また、この戸籍関係者連絡先項目は、前記利用者100の戸籍関係者の連絡先を示す。
【0046】
以下、前記構成に基づく本実施形態の災害情報通知システムの動作を、前記第1の実施形態への追加処理に関して説明する。まず、前記利用者100は、平時において、前記医療情報テーブル71fへ医療情報を登録しておく。前記利用者100は、前記医療情報テーブル71fのうち診療情報項目に診療情報、例えば血液検査結果、病歴、持病及びアレルギー情報を登録することができる。
【0047】
前記情報公開制御手段7は、図11に示すように、前記第1の実施形態に記載した図6の安否確認(S105)で前記利用者100が前記病院302に搬送されたことが判明した場合、前記医療情報テーブル71fに基づいてこの利用者100に関する情報の有無を確認する(S401)。前記情報公開制御手段7は、この確認によりこの利用者100に関する情報が存在しない場合には、この利用者100に関する医療情報の提供を前記病院302に依頼する(S402)。前記情報公開制御手段7は、この依頼により前記病院302からの医療情報の提供を受付け、前記医療情報テーブル71fに登録を行う(S403)。
【0048】
また、前記情報公開制御手段7は、図12に示すように、災害時に前記利用者100の搬送された前記病院302から前記利用者100に関する医療情報の問い合わせを受付ける(S501)。前記情報公開制御手段7は、この問い合わせに基づいて前記病院テーブル71eの病院ID項目に基づいてこの病院302が登録されている病院IDか否かを判断する(S502)。
【0049】
前記情報公開制御手段7は、この病院IDが登録されている場合には、前記ユーザー状態テーブル41aに前記利用者100の負傷情報を反映する(S503)。また、前記情報公開制御手段7は、前記災害/事故/事件テーブル31aに基づいて災害の事象レベル状態を確認する(S504)。
【0050】
前記情報公開制御手段7は、前記事象レベル状態がレベル1又はレベル2の場合には、前記情報公開テーブルに基づいて情報公開可能か否かを判断する(S505)。前記情報公開制御手段7は、この判断により情報公開可能な場合には、問い合わせを行った前記病院302に前記利用者100の医療情報を提供する(S506)。
【0051】
このように、前記利用者100は、災害時に搬送される病院302が必ずしもかかりつけの病院302であるとは限らない状況で、搬送される病院302が常に同等な医療情報を備えることとなり、搬送される病院302に依らず的確な治療を受けることができる。また、前記情報公開制御手段7は、前記事象レベル状態に応じて情報提供することから、災害発生時や自身に危険が迫っている場合に対して予め個人情報の内容、公開範囲及び公開先を定義できることとなり、本人の不本意な情報公開や不適切な情報公開を防止しつつ、十分な情報を前記病院302に提供することができる。また、この情報公開を受けた前記病院302は、搬送された前記利用者100に関する医療情報、例えば病歴、持病及びアレルギーを参照できることとなり、的確に治療を進めることができる。
【0052】
また、前記情報公開制御手段7は、前記通知者情報テーブル71cに基づいて前記利用者100の通知者登録の有無を確認する(S507)。前記情報公開制御手段7は、通知者登録が存在する場合には、前記利用者100に関する情報及び前記利用者100の搬送された前記病院302に関する情報を、通知者、例えば家族、友人及び関係者に送信する(S508)。この通知者への情報送信により、前記利用者100の安否を一刻でも早く知りたい通知者に前記利用者100が病院に搬送された事実をいち早く知らせることとなり、この通知者へ確実な情報とともに安心感を提供することができる。
【0053】
また、前記S504において災害の事象レベル状態が最も甚大な事象レベル3の場合には、前記S505における情報公開可能か否かの設定に依らず、前記S506で問い合わせを行った病院302に無条件に前記利用者100の医療情報を提供する。このように事象レベルに応じて、情報公開の優先順位を付けることにより、災害の緊急度と個人情報保護のバランスを確保することができる。
【0054】
また、前記情報公開制御手段7は、前記S507にて、前記利用者100の通知者登録が存在しない場合には、関係組織、例えば戸籍情報を有する自治体に情報の公開を依頼する(S509)。前記情報公開制御手段7は、この依頼により自治体から戸籍情報の提供を受付けた場合には、この提供情報を前記戸籍情報テーブル71gに登録する(S510)。この自治体との連携方法は、例えば自治体の住基ネットと連携することも可能である。
【0055】
前記情報公開制御手段7は、この登録により更新された前記戸籍情報テーブル71gに基づいて前記S508と同様の処理を行う。このように、前記利用者100に関して事前に通知者登録の存在しない場合にも、通知すべき対象者を前記関係組織と連携することにより実現することができる。
【0056】
(本発明のその他の実施形態)
以下、本発明のその他の実施形態に係る災害情報通知システムを、図13に基づいて説明する。この図13は本発明のその他の実施形態に係る災害情報通知システムの危険ランク対応図及び個人情報テーブルレイアウト例を示す。
【0057】
本実施形態に係る災害情報通知システムは、前記第1の実施形態及び前記第2の実施形態を記載した図1と同様に、前記位置情報受付手段1と、前記災害情報受付手段2と、前記危険地域特定手段3と、前記災害情報記憶部31と、前記被災者特定手段4と、前記位置情報記憶部41と、前記災害情報伝達手段5と、前記応答情報受付手段6と、前記情報公開制御手段7と、前記利用者情報記憶部71と、前記情報公開レベル変更手段8と、前記応答情報対応手段9とを備え、前記情報公開制御手段7が、災害地の危険度をランク付けし、被災者である前記利用者100の生活環境及び/又は本人特性を考慮して救助支援を行うものである。
【0058】
また、前記危険地域特定手段3は、前記第1の実施形態に記載した図6に示すように、前記災害情報受付手段2が前記災害情報を受信し(S102)、前記災害情報記憶部31に格納された前記災害/事故/事件テーブル31aに登録して危険地域を特定する。本実施形態は、この危険地域の特定に関して、危険地域の中でもさらに危険度合いに応じた危険ランクを設定する。また、前記利用者情報に含まれる前記利用者の生活環境及び/又は本人特性に基づいて、前記災害による影響の受け易さに応じて前記利用者を重み付けし、この重み付け結果としての警告ランクを設定する。
【0059】
この危険ランクは、例えば、図13(a)に示すように、災害発生地を含む最も危険度の高い前記危険地域を危険ランク3と定義し、以下、災害発生地から距離が離れるに従い危険ランク2、危険ランク1、と定義することができる。前記情報公開レベル変更手段8は、例えば、災害が前記事象レベル1の比較的小規模な場合において、最も危険度の高い前記危険ランク3に位置する利用者100には前記情報公開レベルの許容範囲内で最大の情報を公開し、最も危険度の低い前記危険ランク1に位置する利用者100には前記情報公開レベルに設定された最小限の情報を公開することができる。このように、前記情報公開レベル変更手段8がランク付けされた前記危険地域に応じて前記情報公開レベルを変更することから、前記危険地域の場所に対して優先順位を付けることとなり、被災の状況に応じた災害対応を柔軟に支援することができる。
【0060】
前記個人情報テーブル71aは、同図(b)に示すように、前記警告ランクの設定に伴い、同居形態項目、健康状態項目及び警告ランク項目を追加することができる。この同居形態項目は、利用者100の同居形態、例えば一人暮らし、親と同居か否かを示す。また、この健康状態項目は、利用者100の健康状態、例えば健常、障害者、入院中か否かを示す。また、この警告ランク項目は、災害時に災害情報を利用者100に通知する指標となる警告ランク1から警告ランク3までの警告ランクを示す。
【0061】
前記情報公開制御手段7は、例えば、一人暮らしの高齢者や入院患者のように災害の被害を受け易い利用者100の場合には、前記警告ランクを最大の警告ランク3と設定することができる。また、前記情報公開制御手段7は、20歳代の健常者のように比較的災害の被害を受け難い利用者100の場合には、前記警告ランクを最小の警告ランク1と設定することができる。
【0062】
前記情報公開レベル変更手段8は、例えば、前記警告ランク3に該当する利用者100には災害状況によらず前記情報公開レベルの許容範囲内で最大の情報を公開し、前記警告ランク1に該当する利用者100には前記情報公開レベルに設定された最小限の情報を公開することができる。この警告ランクにより、個々人の置かれた状況を鑑みて優先順位を付けて被災者を特定することとなり、個々人の状況に応じて柔軟に災害対応を行うことができる。
【0063】
尚、本災害情報通知システムは、災害情報の通知の他に、警察や救助隊によりシステム監視されることも可能であり、特に通知に時間を要する場合においては被害者としての利用者100をいち早く救助することができる。また、利用者100は、特別な状況に応じて、移動端末101の設定により通常は有効化されている災害情報通知を受信する機能を無効化することも可能であり、個々人のニーズに応じてこの機能を柔軟に設定することができる。また、前記各実施形態において、前記災害情報通知サーバー10から安否確認としてのメール通知を1回行うこととしたが、この通知方法に限定されることはなく、このメール通知を所定間隔毎、例えば30分毎に通知し、複数回数に亘り通知することもできる。この複数回数のメール通知により、被災者による安否確認の受取りをより確実に行うことができ、時々刻々と変化する災害状況に柔軟に対応することができる。
【0064】
[付記] 以上の実施例を含む実施形態に関し、更に以下の付記を開示する。
(付記1)人災及び天災を含む災害の発生時に、移動端末を所有する利用者に当該災害に関する災害情報を通知する災害情報通知システムにおいて、前記移動端末の所在地に関する位置情報を受付ける位置情報受付手段と、前記災害の発生時に前記災害情報を受付ける災害情報受付手段と、前記受付けられた災害情報に基づいて、前記災害における危険地域を特定する危険地域特定手段と、前記特定された危険地域及び前記受付けられた位置情報に基づいて、前記危険地域に所在する前記利用者を被災者として特定する被災者特定手段と、前記特定された被災者の前記移動端末に前記災害情報を伝達する災害情報伝達手段と、前記伝達された災害情報の応答として前記被災者からの応答情報を受付ける応答情報受付手段と、前記利用者に関する個人情報を情報公開する際のレベルとしての情報公開レベルを少なくとも含む利用者情報が入力され、当該入力された情報公開レベルに基づいて、前記災害発生時の前記個人情報に関する問い合わせに対する情報公開範囲を制御する情報公開制御手段と、前記情報公開レベルを前記応答情報及び前記災害情報の内容に応じて変更する情報公開レベル変更手段とを備え、前記情報公開レベルに基づいて前記被災者の個人情報を前記被災者のために情報公開する災害情報通知システム。
【0065】
(付記2)前記利用者の関係者に関する情報を前記利用者情報に含んで記憶する利用者情報記憶手段と、前記応答情報受付手段により受付けられた前記応答情報及び前記利用者情報に基づいて、前記被災者の関係者への報告及び/又は救助隊への指示を行う応答情報対応手段とを備える付記1記載の災害情報通知システム。
【0066】
(付記3)前記危険地域特定手段が、前記災害情報に基づいて災害危険度に応じて前記危険地域をランク付けし、前記情報公開レベル変更手段が、ランク付けされた前記危険地域に応じて前記情報公開レベルを変更する付記1又は付記2記載の災害情報通知システム。
【0067】
(付記4)前記利用者の生活環境及び/又は本人特性を前記利用者情報に含んで記憶する利用者情報記憶手段を備え、前記情報公開制御手段が、前記利用者情報に含まれる前記利用者の生活環境及び/又は本人特性に基づいて、前記災害による影響の受け易さに応じて前記利用者を重み付けし、前記情報公開レベル変更手段が、前記重み付けに応じて前記情報公開レベルを変更する付記1ないし付記3記載の災害情報通知システム。
【0068】
(付記5)前記災害情報伝達手段が、前記応答情報受付手段により受付けられた前記応答情報に基づいて、前記被災者の前記移動端末に、五感にて検知される物理的な遭難信号を発信させる付記1ないし付記4に記載の災害情報通知システム。
【0069】
(付記6)人災及び天災を含む災害の発生時に、移動端末を所有する利用者に当該災害に関する災害情報を通知する災害情報通知方法において、前記移動端末の所在地に関する位置情報を受付ける位置情報受付工程と、前記災害の発生時に前記災害情報を受付ける災害情報受付工程と、前記受付けられた災害情報に基づいて、前記災害における危険地域を特定する危険地域特定工程と、前記特定された危険地域及び前記受付けられた位置情報に基づいて、前記危険地域に所在する前記利用者を被災者として特定する被災者特定工程と、前記特定された被災者の前記移動端末に前記災害情報を伝達する災害情報伝達工程と、前記伝達された災害情報の応答として前記被災者からの応答情報を受付ける応答情報受付工程と、前記利用者に関する個人情報を情報公開する際のレベルとしての情報公開レベルを少なくとも含む利用者情報が入力され、当該入力された情報公開レベルに基づいて、前記災害発生時の前記個人情報に関する問い合わせに対する情報公開範囲を制御する情報公開制御工程と、前記情報公開レベルを前記災害情報の内容に応じて変更する情報公開レベル変更工程とを備え、前記情報公開レベルに基づいて前記被災者の個人情報を前記被災者のために情報公開する災害情報通知方法。
【0070】
(付記7)前記利用者の関係者に関する情報を前記利用者情報に含んで記憶する利用者情報記憶工程と、前記応答情報受付工程により受付けられた前記応答情報及び前記利用者情報に基づいて、前記被災者の関係者への報告及び/又は救助隊への指示を行う応答情報対応工程とを備える付記6記載の災害情報通知方法。
【0071】
(付記8)前記危険地域特定工程が、前記災害情報に基づいて災害危険度に応じて前記危険地域をランク付けし、前記情報公開レベル変更工程が、ランク付けされた前記危険地域に応じて前記情報公開レベルを変更する付記6又は付記7記載の災害情報通知方法。
【0072】
(付記9)前記利用者の生活環境及び/又は本人特性を前記利用者情報に含んで記憶する利用者情報記憶工程を備え、前記情報公開制御工程が、前記利用者情報に含まれる前記利用者の生活環境及び/又は本人特性に基づいて、前記災害による影響の受け易さに応じて前記利用者を重み付けし、前記情報公開レベル変更工程が、前記重み付けに応じて前記情報公開レベルを変更する付記6ないし付記8記載の災害情報通知方法。
【0073】
(付記10)前記災害情報伝達工程が、前記応答情報受付工程により受付けられた前記応答情報に基づいて、前記被災者の前記移動端末に、五感にて検知される物理的な遭難信号を発信させる付記6ないし付記9に記載の災害情報通知方法。
【0074】
(付記11)人災及び天災を含む災害の発生時に、移動端末を所有する利用者に当該災害に関する災害情報を通知するようにコンピュータを機能させる災害情報通知プログラムにおいて、前記移動端末の所在地に関する位置情報を受付ける位置情報受付手段、前記災害の発生時に前記災害情報を受付ける災害情報受付手段、前記受付けられた災害情報に基づいて、前記災害における危険地域を特定する危険地域特定手段、前記特定された危険地域及び前記受付けられた位置情報に基づいて、前記危険地域に所在する前記利用者を被災者として特定する被災者特定手段、前記特定された被災者の前記移動端末に前記災害情報を伝達する災害情報伝達手段、前記伝達された災害情報の応答として前記被災者からの応答情報を受付ける応答情報受付手段、前記利用者に関する個人情報を情報公開する際のレベルとしての情報公開レベルを少なくとも含む利用者情報が入力され、当該入力された情報公開レベルに基づいて、前記災害発生時の前記個人情報に関する問い合わせに対する情報公開範囲を制御する情報公開制御手段、前記情報公開レベルを前記災害情報の内容に応じて変更する情報公開レベル変更手段としてコンピュータを機能させ、前記情報公開レベルに基づいて前記被災者の個人情報を前記被災者のために情報公開する災害情報通知プログラム。
【0075】
(付記12)前記利用者の関係者に関する情報を前記利用者情報に含んで記憶する利用者情報記憶手段、前記応答情報受付手段により受付けられた前記応答情報及び前記利用者情報に基づいて、前記被災者の関係者への報告及び/又は救助隊への指示を行う応答情報対応手段を備える付記11記載の災害情報通知プログラム。
【0076】
(付記13)前記危険地域特定手段が、前記災害情報に基づいて災害危険度に応じて前記危険地域をランク付けし、前記情報公開レベル変更手段が、ランク付けされた前記危険地域に応じて前記情報公開レベルを変更する付記11又は付記12記載の災害情報通知プログラム。
【0077】
(付記14)前記利用者の生活環境及び/又は本人特性を前記利用者情報に含んで記憶する利用者情報記憶手段を備え、前記情報公開制御手段が、前記利用者情報に含まれる前記利用者の生活環境及び/又は本人特性に基づいて、前記災害による影響の受け易さに応じて前記利用者を重み付けし、前記情報公開レベル変更手段が、前記重み付けに応じて前記情報公開レベルを変更する付記11ないし付記13記載の災害情報通知プログラム。
【0078】
(付記15)前記災害情報伝達手段が、前記応答情報受付手段により受付けられた前記応答情報に基づいて、前記被災者の前記移動端末に、五感にて検知される物理的な遭難信号を発信させる付記11ないし付記14に記載の災害情報通知プログラム。
【図面の簡単な説明】
【0079】
【図1】本発明の第1の実施形態に係る災害情報通知システムの構成を示すブロック図。
【図2】本発明の第1の実施形態に係る災害情報通知システムの各記憶部に記憶される情報を示す説明図。
【図3】本発明の第1の実施形態に係る災害情報通知システムの位置情報記憶部及び災害情報記憶部に記憶される情報のデータレイアウト例。
【図4】本発明の第1の実施形態に係る災害情報通知システムの利用者情報記憶部に記憶される情報のデータレイアウト例。
【図5】本発明の第1の実施形態に係る災害情報通知システムを中心とする全体概略図。
【図6】本発明の第1の実施形態に係る災害情報通知システムの災害情報通知のフローチャート。
【図7】本発明の第1の実施形態に係る災害情報通知システムのSOSサイン発動のフローチャート。
【図8】本発明の第1の実施形態に係る災害情報通知システムの情報公開のフローチャート。
【図9】本発明の第2の実施形態に係る災害情報通知システムの利用者情報記憶部に記憶される情報を示す説明図。
【図10】本発明の第2の実施形態に係る災害情報通知システムの利用者情報記憶部に追加された情報のデータレイアウト例。
【図11】本発明の第2の実施形態に係る災害情報通知システムの医療情報取得のフローチャート。
【図12】本発明の第2の実施形態に係る災害情報通知システムの医療情報通知のフローチャート。
【図13】本発明のその他の実施形態に係る災害情報通知システムの危険ランク対応図及び個人情報テーブルレイアウト例。
【符号の説明】
【0080】
1 位置情報受付手段
2 災害情報受付手段
3 危険地域特定手段
31 災害情報記憶部
31a 災害/事故/事件テーブル
4 被災者特定手段
41 位置情報記憶部
41a ユーザー状態テーブル
5 災害情報伝達手段
6 応答情報受付手段
7 情報公開制御手段
71 利用者情報記憶部
71a 個人情報テーブル
71b 情報公開テーブル
71c 通知者情報テーブル
71d 検索条件テーブル
71e 病院テーブル
71f 医療情報テーブル
71g 戸籍情報テーブル
8 情報公開レベル変更手段
9 応答情報対応手段
10 災害情報通知サーバー
100 利用者
100a 家族・友人
100b 関係者
101 利用者の移動端末
101a 家族・友人の移動端末
101b 関係者の移動端末
200 外部機関
300 第三者機関
301 救助隊
302 病院
【技術分野】
【0001】
本発明は、災害発生時に災害地域の被災者へ災害情報を通知する災害情報通知システムに関して、特に必要最低限の個人情報に関する情報連携を周囲に行い、円滑な人命救助を支援する災害情報通知システムの提供を目的とする。
【背景技術】
【0002】
地震などの災害発生時や事件・事故発生時には、自分自身や家族の安否を通知することが必要である。特に自分が危険に巻き込まれた状態では、人命の危機に関わるため、周囲や警察・救助隊へ自分のSOS情報を早急に知らせることが必要である。また、被災者は、避難所や災害発生現場では、飛び交う情報が少ないために知り合いが近辺に存在していることを知らないことから孤独を感じてパニック状態に陥りがちである。
【0003】
従来の災害情報通知システムは、災害発生の非常時にネットワークに接続されたサーバコンピュータにより被災者の本人認証を行い、本人認証が正しく行われた場合に被災者の安否情報をデータベースに登録するものがある(例えば、特許文献1参照)。また、従来の災害情報通知システムは、安否確認対象者の携帯端末から現在位置情報をリアルタイムに受信し、災害/事件情報より安否確認対象者を抽出し、安否確認対象者へ安否情報の連絡を要求するメッセージとHPアドレスアクセス要求を含む電子メールを送信し、安否情報を収集するものがある(例えば、特許文献2参照)。
【0004】
また、従来の災害情報通知システムは、緊急事態を収集し、通信端末の位置を管理し、緊急事態発生時に危険エリア内に位置する通信端末及びこの通信端末が属するグループの通信端末に緊急情報を通知するものがある(例えば、特許文献3参照)。また、従来の災害情報通知システムは、異常に係るコンテキストから異常レベルを特定し、この異常レベルを認証強度レベルに変換し、この認証強度レベルに応じた認証処理を認証サーバに実行させ、異常状態に応じた動的な認証を実現するものがある(例えば、特許文献4参照)。
【特許文献1】特開2004−234415号公報
【特許文献2】特開2004−253951号公報
【特許文献3】特開2005−284825号公報
【特許文献4】特開2007−65824号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、従来の災害情報通知システムは、被災者を特定し、被災者の救済のために危険地域や被災者の居場所を含む被災内容に応じて個人情報の公開範囲を動的に変更し、被災者に関する必要最低限の個人情報を公開して被災者の救済を円滑に行うものは無い。
【0006】
本発明は前記課題を解消するためになされたもので、災害状況に応じて個人情報の公開範囲を動的に変更することにより災害発生時に必要最低限の個人情報の情報展開を実施し、さらに行方不明中の被災者の居場所特定を支援し、円滑な救助及び被災者支援を支援する災害情報通知システムの提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本願に開示する災害情報通知システムは、人災及び天災を含む災害の発生時に、移動端末を所有する利用者に当該災害に関する災害情報を通知する災害情報通知システムにおいて、前記移動端末の所在地に関する位置情報を受付ける位置情報受付手段と、前記災害の発生時に前記災害情報を受付ける災害情報受付手段と、前記受付けられた災害情報に基づいて、前記災害における危険地域を特定する危険地域特定手段と、前記特定された危険地域及び前記受付けられた位置情報に基づいて、前記危険地域に所在する前記利用者を被災者として特定する被災者特定手段と、前記特定された被災者の前記移動端末に前記災害情報を伝達する災害情報伝達手段と、前記伝達された災害情報の応答として前記被災者からの応答情報を受付ける応答情報受付手段と、前記利用者に関する個人情報を情報公開する際のレベルとしての情報公開レベルを少なくとも含む利用者情報が入力され、当該入力された情報公開レベルに基づいて、前記災害発生時の前記個人情報に関する問い合わせに対する情報公開範囲を制御する情報公開制御手段と、前記情報公開レベルを前記応答情報及び前記災害情報の内容に応じて変更する情報公開レベル変更手段とを備え、前記情報公開レベルに基づいて前記被災者の個人情報を前記被災者のために情報公開するものである。
このように、本願に開示する災害情報通知システムは、利用者情報記憶手段が前記利用者に関する前記情報公開レベルを少なくとも含む利用者情報を記憶し、情報公開制御手段が前記情報公開レベルに基づいて災害発生時の個人情報の情報公開範囲を制御し、情報公開レベル変更手段が前記災害情報の内容に応じて前記情報公開レベルを変更し、前記情報公開レベルに基づいて前記被災者の個人情報を前記被災者のために情報公開することから、災害発生時に前記情報公開レベルに応じて個人情報の情報展開を実施することとなり、救助に必要とされるが平時には制限される個人情報の公開範囲を動的に変更して情報公開することにより、救助及び被災者支援を円滑に行うことができる。
【0008】
また、本願に開示する災害情報通知システムは必要に応じて、前記利用者の関係者に関する情報を前記利用者情報に含んで記憶する利用者情報記憶手段と、前記応答情報受付手段により受付けられた前記応答情報及び前記利用者情報に基づいて、前記被災者の関係者への報告及び/又は救助隊への指示を行う応答情報対応手段とを備えるものである。このように、本願に開示する災害情報通知システムは、応答情報対応手段が前記応答情報受付手段により受付けられた前記応答情報及び前記利用者情報に基づいて、前記被災者の関係者への報告及び/又は救助隊への指示を行うことから、前記被災者からの応答に応じて前記被災者の安否を求める関係者へ知らせ、状況に応じて前記被災者の救助を依頼することとなり、前記被災者の安否確認及び救助を円滑化することができる。
【0009】
また、本願に開示する災害情報通知システムは必要に応じて、前記危険地域特定手段が、前記災害情報に基づいて災害危険度に応じて前記危険地域をランク付けし、前記情報公開レベル変更手段が、ランク付けされた前記危険地域に応じて前記情報公開レベルを変更するものである。このように、本願に開示する災害情報通知システムは、前記情報公開レベル変更手段が、ランク付けされた前記危険地域に応じて前記情報公開レベルを変更することから、前記危険地域の場所に対して優先順位を付けることとなり、被災の状況に応じた災害対応を柔軟に支援することができる。
【0010】
また、本願に開示する災害情報通知システムは必要に応じて、前記利用者の生活環境及び/又は本人特性を前記利用者情報に含んで記憶する利用者情報記憶手段を備え、前記情報公開制御手段が、前記利用者情報に含まれる前記利用者の生活環境及び/又は本人特性に基づいて、前記災害による影響の受け易さに応じて前記利用者を重み付けし、前記情報公開レベル変更手段が、前記重み付けに応じて前記情報公開レベルを変更するものである。このように、本願に開示する災害情報通知システムは、前記情報公開制御手段が、前記災害による影響の受け易さに応じて前記利用者を重み付けし、前記情報公開レベル変更手段が、前記重み付けに応じて前記情報公開レベルを変更することから、個々人の置かれた状況を鑑みて優先順位を付けて災害情報を通知することとなり、個々人の状況に応じた災害対応を柔軟に支援することができる。
【0011】
また、本願に開示する災害情報通知システムは必要に応じて、前記災害情報伝達手段が、前記応答情報受付手段により受付けられた前記応答情報に基づいて、前記被災者の前記移動端末に、五感にて検知される物理的な遭難信号を発信させるものである。このように、本願に開示する災害情報通知システムは、前記災害情報伝達手段が、前記被災者からの応答状況に応じて、前記移動端末に、五感にて検知される物理的な遭難信号を発信させることから、救出活動により安否が不明な被災者の所在地をより早く検知できることとなり、安否が不明な被災者の円滑な救出活動を支援することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
(本発明の第1の実施形態)
以下、本発明の第1の実施形態に係る災害情報通知システムを、図1から図8に基づいて説明する。この図1は本発明の第1の実施形態に係る災害情報通知システムの構成を示すブロック図、図2は図1に記載された災害情報通知システムの各記憶部に記憶される情報を示す説明図、図3は図1に記載された災害情報通知システムの位置情報記憶部及び災害情報記憶部に記憶される情報のデータレイアウト例、図4は図1に記載された災害情報通知システムの利用者情報記憶部に記憶される情報のデータレイアウト例、図5は図1に記載された災害情報通知システムを中心とする全体概略図、図6は図1に記載された災害情報通知システムの災害情報通知のフローチャート、図7は図1に記載された災害情報通知システムのSOSサイン発動のフローチャート、図8は図1に記載された災害情報通知システムの情報公開のフローチャートを示す。
【0013】
図1において、本実施形態に係る災害情報通知システムは、利用者100の所有する移動端末101の所在地に関する位置情報を受付ける位置情報受付手段1と、災害の発生時に外部機関200から災害情報を受付ける災害情報受付手段2と、この災害情報を記憶する災害情報記憶部31と、この災害情報に基づいて災害の危険地域を特定する危険地域特定手段3と、前記受付けた利用者100の位置情報を記憶する位置情報記憶部41と、前記危険地域及びこの位置情報に基づいて危険地域に所在する利用者100を被災者として特定する被災者特定手段4と、前記特定された被災者の移動端末101に災害情報を伝達する災害情報伝達手段5と、この被災者からこの災害情報の応答情報を受付ける応答情報受付手段6と、前記利用者100に関する個人情報を情報公開する際のレベルとしての情報公開レベルを少なくとも含む利用者情報が入力され、この利用者情報を記憶する利用者情報記憶部71と、この入力された情報公開レベルに基づいて、災害発生時に個人情報の公開範囲を制御する情報公開制御手段7と、前記情報公開レベルを前記応答情報及び前記災害情報の内容に応じて変更する情報公開レベル変更手段8と、前記被災者の家族・友人100aの移動端末101aや関係者100bの移動端末101bへの報告及び/又は第三者機関300への指示を行う応答情報対応手段9とを備えるものである。
【0014】
また、前記災害情報記憶部31は、図2(a)に示すように、災害/事故/事件テーブル31aを備える。また、前記位置情報記憶部41は、同図(b)に示すように、ユーザー状態テーブル41aを備える。また、前記利用者情報記憶部71は、同図(c)に示すように、個人情報テーブル71aと、情報公開テーブル71bと、通知者情報テーブル71cと、検索条件テーブル71dとを備える。
【0015】
前記災害/事故/事件テーブル31aは、図3(a)に示すように、事象ID項目と種別項目と、事象情報項目と、事象発生地項目と、事象発生時刻項目と、事象レベル項目とを項目として備えることができる。この事象ID項目は、発生した災害事象を識別する固有の番号を示す。また、この種別項目は、発生した災害事象を災害、事故及び事件のいずれの分類に属するかを示す。また、この事象情報項目は、発生した災害事象の詳細な情報を示す。また、この事象発生地項目は、災害事象の発生地を示す。また、この事象発生時刻は、災害事象の発生時刻を示す。また、この事象レベル項目は、発生した災害事象の災害程度が事象レベル1、2及び3のうちいずれに該当するかを示し、災害の程度が大きい程、この事象レベルが高く設定される。この事象レベルは、軽微な災害、例えば台風を事象レベル1と定義され、中程度な災害、例えば震度4程度の地震を事象レベル2と定義され、甚大な災害、例えば大地震を事象レベル3と定義されることができる。
【0016】
また、前記ユーザー状態テーブル41aは、同図(b)に示すように、ユーザーID項目と、ユーザー位置項目と、ユーザー安否状態項目と、ユーザー回答状態項目と、ユーザー情報公開状態項目と、SOS受け取り設定項目とを項目として備えることができる。このユーザーID項目は、前記利用者100を固有に識別するID番号を示す。また、このユーザー位置項目は、前記利用者100の位置を示す。また、このユーザー安否状態項目は、前記利用者100の安否状態を示す。また、このユーザー回答状態は、前記利用者100からの被災情報の応答状態を示す。また、このユーザー情報公開状態は、前記利用者100の個人情報の公開状態を示す。また、この情報自動公開設定は、災害時に個人情報に関する情報公開を自動で行なうか否かの設定を示す。また、このSOS受け取り設定項目は、近隣に所在する被災者の存在を知らせるSOS信号を受け取るか否かの設定を示す。
【0017】
また、前記個人情報テーブル71aは、図4(a)に示すように、ユーザーID項目と、ユーザー名項目と、郵便番号項目と、住所項目と、端末ID項目と、電話番号項目と、職業項目と、出身地項目と、出身校項目と、生年月日項目とを項目として備えることができる。このユーザーID項目は、前記利用者100を固有に識別するID番号を示す。また、このユーザー名項目は、前記利用者100の氏名を示す。また、この郵便番号項目は、前記利用者100の住居場所の郵便番号を示す。また、この住所項目は、前記利用者100の住居場所の住所を示す。また、この端末ID項目は、前記利用者100の所有する移動端末101を固有に識別するID番号を示す。また、この電話番号項目は、前記移動端末101の電話番号を示す。また、この職業項目は、前記利用者100の職業を示す。また、この出身地項目は、前記利用者100の出身地を示す。また、この出身校項目は、前記利用者100の出身校を示す。また、この生年月日項目は、前記利用者100の生年月日を示す。
【0018】
また、前記情報公開テーブル71bは、同図(b)に示すように、ユーザーID項目と、公開情報(事象レベル1)項目と、公開情報(事象レベル2)項目と、公開情報(事象レベル3)項目とを項目として備えることができる。このユーザーID項目は、前記利用者100を固有に識別するID番号を示す。また、この公開情報(事象レベル1)項目、公開情報(事象レベル2)項目及び公開情報(事象レベル3)項目は、前記災害/事故/事件テーブル31aの事象レベル項目毎に前記利用者100の公開可能な個人情報の範囲を示す。この個人情報の範囲は、例えば、前記利用者100の氏名、現在地、住所及び出身地に関して定義することができる。また、前記利用者100は、平時において災害時に備えてこの個人情報の範囲を前記事象レベルに応じて予め設定しておくことができる。
【0019】
また、前記通知者情報テーブル71cは、同図(c)に示すように、ユーザーID項目と、通知メンバーグループ1項目と、通知メンバーグループ2項目と、通知メンバーグループ3項目とを項目として備えることができる。このユーザーID項目は、前記利用者100を固有に識別するID番号を示す。また、この通知メンバーグループ1項目、通知メンバーグループ2項目及び通知メンバーグループ3項目は、災害時に前記利用者100の安否を通知する関係者をメンバーグループとして示す。
【0020】
また、前記検索条件テーブル71dは、同図(d)に示すように、ユーザーID項目と、検索条件レベル1項目と、検索条件レベル2項目と、検索条件レベル3項目とを項目として備えることができる。このユーザーID項目は、前記利用者100を固有に識別するID番号を示す。また、この検索条件レベル1項目、検索条件レベル2項目及び検索条件レベル3項目は、災害時に前記利用者100に関連する他の利用者100を検索するための検索条件を前記災害/事故/事件テーブル31aの事象レベル項目毎に示す。
【0021】
以下、前記構成に基づく本実施形態の災害情報通知システムの動作について説明する。
【0022】
まず、災害情報通知システムとしての災害情報通知サーバー10は、図5に示すように、外部機関200から災害発生の情報を受信する(S1)。この災害情報通知サーバー10は、図1における前記位置情報受付手段1、前記災害情報受付手段2、前記危険地域特定手段3、前記災害情報記憶部31、前記被災者特定手段4、前記位置情報記憶部41、前記災害情報伝達手段5、前記応答情報受付手段6、前記情報公開制御手段7、前記利用者情報記憶部71、前記情報公開レベル変更手段8、前記応答情報対応手段9として具体的に構成される。
【0023】
災害情報通知サーバー10は、図6に示すように、災害・事件の発生を受け(S101)、この災害・事件を災害情報として前記外部機関200から前記災害情報受付手段2により受信する(S102)。また、この災害情報受付手段2は、サーバーコンピュータの災害情報受付サーバーとして外部に備えることも可能である。
【0024】
また、前記災害情報受付手段2は、この受信に基づいて前記災害/事故/事件テーブル31aに登録する。前記危険地域特定手段3は、この登録に基づいて、危険地域を特定し、前記災害情報記憶部31に格納された前記災害/事故/事件テーブル31aを更新登録する。
【0025】
次に、前記位置情報受付手段1は、前記利用者100の所在地を前記移動端末101のGPS情報に基づいて前記ユーザー状態テーブル41aに登録する。また、前記位置情報受付手段1は、前記移動端末101のGPS情報を定期的、例えば30分間隔で常時受信することも可能である。また、前記被災者特定手段4は、前記ユーザー状態テーブル41a及び前記災害/事故/事件テーブル31aに基づいて、前記利用者100の所在地が災害の発生付近の危険地域に含まれるかマッチングを行い、前記利用者100が被災者か否かを特定する(S103)。
【0026】
次に、前記災害情報通知サーバー10は、図5に示すように、被災者である利用者100に災害に関する災害情報を送信する(S2)。前記災害情報通知サーバー10は、この利用者100からこの災害情報の応答を受信する(S3)。この応答に応じて、前記災害情報通知サーバー10は、この利用者100の家族・友人100aの移動端末101aへこの利用者100の安否状態の送信(S4)や、救助隊301へこの利用者100の救助依頼を行い、場合により病院302へ搬送を行う(S5)。また、搬送された病院302から病状や入院状況の連絡を受付ける(S6)。
【0027】
前記災害情報通知サーバー10は、図6に示すように、前記S3の結果により前記利用者100の所在地が前記危険地域に含まれる場合には、前記災害情報伝達手段5によりこの利用者100の移動端末101に前記災害情報を送信する(S104)。前記災害情報伝達手段5は、前記利用者100の無事を示す応答を前記応答情報受付手段6により受信した場合(S105)には、前記通知者情報テーブル71cに基づいて前記利用者100の安否情報を前記利用者100の家族及び友人宛に送信する(S106)。なお、前記利用者100は、前記通知者情報テーブル71cに被災時の通知対象者、例えば家族・友人100aを予め登録することができる。
【0028】
このように、安否情報を前記利用者100の家族・友人100a宛に送信することから、災害の発生地域に前記利用者100が存在していることや前記利用者100の安否情報を前記家族及び友人が速やかに知ることとなり、前記利用者100の家族・友人100aに迅速かつ正確な情報を提供することができ、最善の対応を促すことができる。また、身の危険に晒される前記利用者100が伝えたい情報を伝えたい人へ自動的に通知することとなり、前記利用者100及び前記利用者100の家族・友人100aに心理的な安心感を提供することができる。
【0029】
また、前記災害情報伝達手段5は、前記利用者100から危険状態を示すSOS応答を前記応答情報受付手段6により受信した場合(S105)には、前記利用者100の移動端末101にSOSサインを発信するように指示する(S107)。このSOSサインは、物理的なSOSサイン、例えば音、光又は匂い、を発信するように指示することもできる。前記災害情報伝達手段5は、前記匂いの発信を指示する場合には、前記移動端末101から周囲に匂いが発せられることから、前記救助隊301の救助犬が前記利用者100の居場所を早期に発見できることとなり、前記利用者100の危険状態からの救助確率を高めることができる。
【0030】
また、前記災害情報伝達手段5は、前記音の発信を指示する場合には、低周波の音波を発信させることもできる。前記災害情報伝達手段5は、この低周波の音波により、音波による障害物の透過性を高めることとなり、障害物が多い災害地においても前記救助犬により前記利用者100を早期に救助することができる。また、前記災害情報伝達手段5は、前記SOS応答が前記利用者100の救助を求める内容の場合には、前記ユーザー状態テーブル41aの位置情報に基づいて、被災者である前記利用者100の近くにいる他の利用者100へSOS情報を発信することもできる。このSOS情報の発信により、救助を求める被災者である前記利用者100の存在を周囲の人に早期に知らせることとなり、前記利用者100を早期に救助することができ、救助を円滑に行うことができる。
【0031】
また、前記応答情報対応手段9は、前記利用者100からの応答が一定期間、例えば30分以上ない場合には、前記ユーザー状態テーブル41aのユーザー安否状態項目をSOS(危険)状態と設定する(S108)。この設定後、前記S107と同様に、前記移動端末101に物理的なSOSサインの発信を指示する(S109)。
【0032】
また、前記応答情報対応手段9は、図7に示すように、前記S107のSOSサイン発信時において、前記利用者100が前記利用者100の身近に所在する他の利用者100や、救助隊301への救助を依頼することもできる。まず、前記S107及び前記S109と同様にSOSサインが発信される(S201)。このSOSサインの応答として、前記利用者100から危険状態を示すSOS応答を前記応答情報受付手段6により受信する(S202)。前記応答情報対応手段9は、このSOS応答に基づいて救助隊に前記利用者100を救助する旨の依頼を発信する(S203)。
【0033】
また、前記応答情報対応手段9は、前記被災者である利用者100の付近に前記ユーザー状態テーブル41aのSOS受け取り設定項目が「受取る」かつユーザー安否状態項目が「安全」の条件をみたす他の利用者100を前記ユーザー状態テーブル41aの位置情報のマッチングにより検出する(S204)。この検出された他の利用者100宛に前記被災者である利用者100の位置情報を送信する(S205)。この位置情報の送信により、災害避難場所や災害発生現場において前記被災者である利用者100の付近に救助可能な利用者100を割り出すこととなり、前記被災者である利用者100の迅速な救助を支援することができる。
【0034】
また、前記情報公開制御手段7は、図8に示すように、前記S105における安否確認とともに、前記ユーザー状態テーブル41aの情報自動公開設定項目に基づいて、前記利用者100の個人情報の公開を判断する(S301)。前記情報公開制御手段7は、この判断により情報公開する場合には、前記災害/事故/事件テーブル31aの事象レベル項目に基づいて、前記情報公開テーブル71bの情報公開レベル項目に定義された情報を公開する(S302)。
【0035】
前記情報公開制御手段7は、例えば、大地震発生時には、前記事象レベル項目を事象レベル3と判断して前記情報公開レベルを情報公開レベル3と判断し、前記情報公開テーブル71bの情報公開レベル項目に定義された情報、例えば前記個人情報テーブル71aと前記ユーザー状態テーブル41aの全情報、を必要とする機関に公開することができる。また、前記情報公開レベル変更手段8は、前記S105における安否確認の結果に応じて、動的に前記情報公開レベルを変更することもできる。例えば、前記情報公開レベル変更手段8は、前記S105において前記利用者100から危険状態を示すSOS応答を前記応答情報受付手段6により受信し、前記事象レベル項目を事象レベル2と判断する場合に、前記情報公開レベルを前記情報公開レベル2から前記情報公開レベル3に変更することができる。
【0036】
また、前記情報公開レベル変更手段8は、この場合において、前記利用者100により前記情報公開テーブル71bの公開情報(事象レベル2)項目まで定義され、公開情報(事象レベル3)項目を未定義の場合には、前記情報公開レベル2の情報公開を実施する。このように、前記利用者100は、災害時の情報公開レベルの変更範囲を自ら定義することができ、本人の意思を尊重して個人情報の公開範囲を決定することができる。
【0037】
また、前記情報公開制御手段7は、前記災害/事故/事件テーブル31aの事象レベル項目に基づいて、前記検索条件テーブル71dに定義された検索条件に該当する他の利用者100が前記被災者である利用者100の近くに存在するかを検索する(S303)。前記情報公開制御手段7は、例えば、前記検索条件テーブル71dの検索条件レベル2項目に「同じ出身高校」と指定された場合には、前記事象レベル2の災害時に同じ出身高校の他の利用者100が検索される。
【0038】
前記情報公開制御手段7は、この検索された他の利用者100の位置を、前記ユーザー状態テーブル41aのユーザー位置項目とマッチングを行い特定する。また、前記情報公開制御手段7は、例えば、前記情報自動公開設定項目が前記公開レベル3の場合には、前記事象レベル3の災害時に、前記個人情報テーブル71aと前記ユーザー状態テーブル41aの全情報を前記他の利用者100に公開するという仕様も可能である。
【0039】
前記情報公開制御手段7は、前記検索の結果に基づいて、前記被災者である利用者100の公開情報及び位置情報を検索された利用者100に送信する(S304)。このように、前記情報公開制御手段7は、検索された利用者100への情報公開により、災害避難場所や災害発生現場において前記被災者である利用者100の知り合いが近くにいる場合には、お互いを知り合う機会を提供することとなり、互いに助け合う環境を築くことができ、近くに存在する知り合いを知る手段がない従来の場合では得られない精神的な支援を提供することができる。
【0040】
また、前記情報公開制御手段7は、前記S301にて情報公開しない場合には、前記被災者である利用者100の移動端末101に、情報公開の可否の確認を行う(S305)。前記情報公開制御手段7は、この情報公開の可否の確認により、前記利用者100から前記情報公開レベルの変更の旨を受付けた場合(S306)には、前記S302以降の処理を同様に実施する。また、前記情報公開制御手段7は、この情報公開の可否の確認により、前記利用者100から前記情報公開レベルの変更無しとの旨を受付けた場合(S306)には、図8における情報公開の処理を終了する。
【0041】
また、本実施形態に係る災害情報通知システムを構成する各機器のハードウエア構成は、CPU、メモリ、大容量記憶装置、ディスプレイ、通信装置、キーボード、マウス、入力手段及び上記各部を接続するバスからなる。なお、本災害情報通知システムにおける各機器はいずれも同一のハードウエア構成を有するものとする。
(本発明の第2の実施形態)
以下、本発明の第2の実施形態に係る災害情報通知システムを、図9ないし図12に基づいて説明する。
この図9は本発明の第2の実施形態に係る災害情報通知システムの利用者情報記憶部に記憶される情報を示す説明図、図10は図9に記載された災害情報通知システムの利用者情報記憶部に追加された情報のデータレイアウト例、図11は図9に記載された災害情報通知システムの医療情報取得のフローチャート、図12は図9に記載された災害情報通知システムの医療情報通知のフローチャートを示す。
【0042】
本実施形態に係る災害情報通知システムは、前記第1の実施形態を記載した図1と同様に、前記位置情報受付手段1と、前記災害情報受付手段2と、前記危険地域特定手段3と、前記災害情報記憶部31と、前記被災者特定手段4と、前記位置情報記憶部41と、前記災害情報伝達手段5と、前記応答情報受付手段6と、前記情報公開制御手段7と、前記利用者情報記憶部71と、前記情報公開レベル変更手段8と、前記応答情報対応手段9とを備え、さらに、前記利用者情報記憶部71が、病院テーブル71eと、医療情報テーブル71fと、戸籍情報テーブル71gとを追加で備える。本実施形態に係る災害情報通知システムは、前記図5に示すように、災害時に前記S5において前記病院302に搬送された前記利用者100に関して、前記病院302から問い合わせを受け(S6)、この問い合わせに対して前記利用者100の個人情報の公開を含めて応答し、治療及び周囲への情報連携を円滑化するものである。
【0043】
前記病院テーブル71eは、図10(a)に示すように、病院ID項目と、病院名項目と、病院地図項目と、病院連絡先項目と、病院情報登録責任者項目とを項目として備えることができる。この病院ID項目は、前記病院302を固有に識別するID番号を示す。また、この病院名項目は、前記病院302の名称を示す。また、この病院地図項目は、前記病院302の地図上の所在地を示す。また、この病院連絡先項目は、前記病院302の連絡先を示す。また、この病院情報登録責任者項目は、病院情報の登録責任者を示す。
【0044】
また、前記医療情報テーブル71fは、同図(b)に示すように、ユーザーID項目と、病院ID項目と、担当医項目と、診療情報項目とを項目として備えることができる。
このユーザーID項目は、前記利用者100を固有に識別するID番号を示す。また、この病院ID項目は、前記病院302を固有に識別するID番号を示す。また、この担当医項目は、前記利用者100の担当医の氏名を示す。また、この診療情報項目は、前記利用者100の過去の診療結果を示す。
【0045】
また、前記戸籍情報テーブル71gは、同図(c)に示すように、ユーザーID項目と、戸籍関係者名項目と、戸籍関係者連絡先項目とを項目として備えることができる。このユーザーID項目は、前記利用者100を固有に識別するID番号を示す。また、この戸籍関係者名項目は、前記利用者100の戸籍関係者の氏名を示す。また、この戸籍関係者連絡先項目は、前記利用者100の戸籍関係者の連絡先を示す。
【0046】
以下、前記構成に基づく本実施形態の災害情報通知システムの動作を、前記第1の実施形態への追加処理に関して説明する。まず、前記利用者100は、平時において、前記医療情報テーブル71fへ医療情報を登録しておく。前記利用者100は、前記医療情報テーブル71fのうち診療情報項目に診療情報、例えば血液検査結果、病歴、持病及びアレルギー情報を登録することができる。
【0047】
前記情報公開制御手段7は、図11に示すように、前記第1の実施形態に記載した図6の安否確認(S105)で前記利用者100が前記病院302に搬送されたことが判明した場合、前記医療情報テーブル71fに基づいてこの利用者100に関する情報の有無を確認する(S401)。前記情報公開制御手段7は、この確認によりこの利用者100に関する情報が存在しない場合には、この利用者100に関する医療情報の提供を前記病院302に依頼する(S402)。前記情報公開制御手段7は、この依頼により前記病院302からの医療情報の提供を受付け、前記医療情報テーブル71fに登録を行う(S403)。
【0048】
また、前記情報公開制御手段7は、図12に示すように、災害時に前記利用者100の搬送された前記病院302から前記利用者100に関する医療情報の問い合わせを受付ける(S501)。前記情報公開制御手段7は、この問い合わせに基づいて前記病院テーブル71eの病院ID項目に基づいてこの病院302が登録されている病院IDか否かを判断する(S502)。
【0049】
前記情報公開制御手段7は、この病院IDが登録されている場合には、前記ユーザー状態テーブル41aに前記利用者100の負傷情報を反映する(S503)。また、前記情報公開制御手段7は、前記災害/事故/事件テーブル31aに基づいて災害の事象レベル状態を確認する(S504)。
【0050】
前記情報公開制御手段7は、前記事象レベル状態がレベル1又はレベル2の場合には、前記情報公開テーブルに基づいて情報公開可能か否かを判断する(S505)。前記情報公開制御手段7は、この判断により情報公開可能な場合には、問い合わせを行った前記病院302に前記利用者100の医療情報を提供する(S506)。
【0051】
このように、前記利用者100は、災害時に搬送される病院302が必ずしもかかりつけの病院302であるとは限らない状況で、搬送される病院302が常に同等な医療情報を備えることとなり、搬送される病院302に依らず的確な治療を受けることができる。また、前記情報公開制御手段7は、前記事象レベル状態に応じて情報提供することから、災害発生時や自身に危険が迫っている場合に対して予め個人情報の内容、公開範囲及び公開先を定義できることとなり、本人の不本意な情報公開や不適切な情報公開を防止しつつ、十分な情報を前記病院302に提供することができる。また、この情報公開を受けた前記病院302は、搬送された前記利用者100に関する医療情報、例えば病歴、持病及びアレルギーを参照できることとなり、的確に治療を進めることができる。
【0052】
また、前記情報公開制御手段7は、前記通知者情報テーブル71cに基づいて前記利用者100の通知者登録の有無を確認する(S507)。前記情報公開制御手段7は、通知者登録が存在する場合には、前記利用者100に関する情報及び前記利用者100の搬送された前記病院302に関する情報を、通知者、例えば家族、友人及び関係者に送信する(S508)。この通知者への情報送信により、前記利用者100の安否を一刻でも早く知りたい通知者に前記利用者100が病院に搬送された事実をいち早く知らせることとなり、この通知者へ確実な情報とともに安心感を提供することができる。
【0053】
また、前記S504において災害の事象レベル状態が最も甚大な事象レベル3の場合には、前記S505における情報公開可能か否かの設定に依らず、前記S506で問い合わせを行った病院302に無条件に前記利用者100の医療情報を提供する。このように事象レベルに応じて、情報公開の優先順位を付けることにより、災害の緊急度と個人情報保護のバランスを確保することができる。
【0054】
また、前記情報公開制御手段7は、前記S507にて、前記利用者100の通知者登録が存在しない場合には、関係組織、例えば戸籍情報を有する自治体に情報の公開を依頼する(S509)。前記情報公開制御手段7は、この依頼により自治体から戸籍情報の提供を受付けた場合には、この提供情報を前記戸籍情報テーブル71gに登録する(S510)。この自治体との連携方法は、例えば自治体の住基ネットと連携することも可能である。
【0055】
前記情報公開制御手段7は、この登録により更新された前記戸籍情報テーブル71gに基づいて前記S508と同様の処理を行う。このように、前記利用者100に関して事前に通知者登録の存在しない場合にも、通知すべき対象者を前記関係組織と連携することにより実現することができる。
【0056】
(本発明のその他の実施形態)
以下、本発明のその他の実施形態に係る災害情報通知システムを、図13に基づいて説明する。この図13は本発明のその他の実施形態に係る災害情報通知システムの危険ランク対応図及び個人情報テーブルレイアウト例を示す。
【0057】
本実施形態に係る災害情報通知システムは、前記第1の実施形態及び前記第2の実施形態を記載した図1と同様に、前記位置情報受付手段1と、前記災害情報受付手段2と、前記危険地域特定手段3と、前記災害情報記憶部31と、前記被災者特定手段4と、前記位置情報記憶部41と、前記災害情報伝達手段5と、前記応答情報受付手段6と、前記情報公開制御手段7と、前記利用者情報記憶部71と、前記情報公開レベル変更手段8と、前記応答情報対応手段9とを備え、前記情報公開制御手段7が、災害地の危険度をランク付けし、被災者である前記利用者100の生活環境及び/又は本人特性を考慮して救助支援を行うものである。
【0058】
また、前記危険地域特定手段3は、前記第1の実施形態に記載した図6に示すように、前記災害情報受付手段2が前記災害情報を受信し(S102)、前記災害情報記憶部31に格納された前記災害/事故/事件テーブル31aに登録して危険地域を特定する。本実施形態は、この危険地域の特定に関して、危険地域の中でもさらに危険度合いに応じた危険ランクを設定する。また、前記利用者情報に含まれる前記利用者の生活環境及び/又は本人特性に基づいて、前記災害による影響の受け易さに応じて前記利用者を重み付けし、この重み付け結果としての警告ランクを設定する。
【0059】
この危険ランクは、例えば、図13(a)に示すように、災害発生地を含む最も危険度の高い前記危険地域を危険ランク3と定義し、以下、災害発生地から距離が離れるに従い危険ランク2、危険ランク1、と定義することができる。前記情報公開レベル変更手段8は、例えば、災害が前記事象レベル1の比較的小規模な場合において、最も危険度の高い前記危険ランク3に位置する利用者100には前記情報公開レベルの許容範囲内で最大の情報を公開し、最も危険度の低い前記危険ランク1に位置する利用者100には前記情報公開レベルに設定された最小限の情報を公開することができる。このように、前記情報公開レベル変更手段8がランク付けされた前記危険地域に応じて前記情報公開レベルを変更することから、前記危険地域の場所に対して優先順位を付けることとなり、被災の状況に応じた災害対応を柔軟に支援することができる。
【0060】
前記個人情報テーブル71aは、同図(b)に示すように、前記警告ランクの設定に伴い、同居形態項目、健康状態項目及び警告ランク項目を追加することができる。この同居形態項目は、利用者100の同居形態、例えば一人暮らし、親と同居か否かを示す。また、この健康状態項目は、利用者100の健康状態、例えば健常、障害者、入院中か否かを示す。また、この警告ランク項目は、災害時に災害情報を利用者100に通知する指標となる警告ランク1から警告ランク3までの警告ランクを示す。
【0061】
前記情報公開制御手段7は、例えば、一人暮らしの高齢者や入院患者のように災害の被害を受け易い利用者100の場合には、前記警告ランクを最大の警告ランク3と設定することができる。また、前記情報公開制御手段7は、20歳代の健常者のように比較的災害の被害を受け難い利用者100の場合には、前記警告ランクを最小の警告ランク1と設定することができる。
【0062】
前記情報公開レベル変更手段8は、例えば、前記警告ランク3に該当する利用者100には災害状況によらず前記情報公開レベルの許容範囲内で最大の情報を公開し、前記警告ランク1に該当する利用者100には前記情報公開レベルに設定された最小限の情報を公開することができる。この警告ランクにより、個々人の置かれた状況を鑑みて優先順位を付けて被災者を特定することとなり、個々人の状況に応じて柔軟に災害対応を行うことができる。
【0063】
尚、本災害情報通知システムは、災害情報の通知の他に、警察や救助隊によりシステム監視されることも可能であり、特に通知に時間を要する場合においては被害者としての利用者100をいち早く救助することができる。また、利用者100は、特別な状況に応じて、移動端末101の設定により通常は有効化されている災害情報通知を受信する機能を無効化することも可能であり、個々人のニーズに応じてこの機能を柔軟に設定することができる。また、前記各実施形態において、前記災害情報通知サーバー10から安否確認としてのメール通知を1回行うこととしたが、この通知方法に限定されることはなく、このメール通知を所定間隔毎、例えば30分毎に通知し、複数回数に亘り通知することもできる。この複数回数のメール通知により、被災者による安否確認の受取りをより確実に行うことができ、時々刻々と変化する災害状況に柔軟に対応することができる。
【0064】
[付記] 以上の実施例を含む実施形態に関し、更に以下の付記を開示する。
(付記1)人災及び天災を含む災害の発生時に、移動端末を所有する利用者に当該災害に関する災害情報を通知する災害情報通知システムにおいて、前記移動端末の所在地に関する位置情報を受付ける位置情報受付手段と、前記災害の発生時に前記災害情報を受付ける災害情報受付手段と、前記受付けられた災害情報に基づいて、前記災害における危険地域を特定する危険地域特定手段と、前記特定された危険地域及び前記受付けられた位置情報に基づいて、前記危険地域に所在する前記利用者を被災者として特定する被災者特定手段と、前記特定された被災者の前記移動端末に前記災害情報を伝達する災害情報伝達手段と、前記伝達された災害情報の応答として前記被災者からの応答情報を受付ける応答情報受付手段と、前記利用者に関する個人情報を情報公開する際のレベルとしての情報公開レベルを少なくとも含む利用者情報が入力され、当該入力された情報公開レベルに基づいて、前記災害発生時の前記個人情報に関する問い合わせに対する情報公開範囲を制御する情報公開制御手段と、前記情報公開レベルを前記応答情報及び前記災害情報の内容に応じて変更する情報公開レベル変更手段とを備え、前記情報公開レベルに基づいて前記被災者の個人情報を前記被災者のために情報公開する災害情報通知システム。
【0065】
(付記2)前記利用者の関係者に関する情報を前記利用者情報に含んで記憶する利用者情報記憶手段と、前記応答情報受付手段により受付けられた前記応答情報及び前記利用者情報に基づいて、前記被災者の関係者への報告及び/又は救助隊への指示を行う応答情報対応手段とを備える付記1記載の災害情報通知システム。
【0066】
(付記3)前記危険地域特定手段が、前記災害情報に基づいて災害危険度に応じて前記危険地域をランク付けし、前記情報公開レベル変更手段が、ランク付けされた前記危険地域に応じて前記情報公開レベルを変更する付記1又は付記2記載の災害情報通知システム。
【0067】
(付記4)前記利用者の生活環境及び/又は本人特性を前記利用者情報に含んで記憶する利用者情報記憶手段を備え、前記情報公開制御手段が、前記利用者情報に含まれる前記利用者の生活環境及び/又は本人特性に基づいて、前記災害による影響の受け易さに応じて前記利用者を重み付けし、前記情報公開レベル変更手段が、前記重み付けに応じて前記情報公開レベルを変更する付記1ないし付記3記載の災害情報通知システム。
【0068】
(付記5)前記災害情報伝達手段が、前記応答情報受付手段により受付けられた前記応答情報に基づいて、前記被災者の前記移動端末に、五感にて検知される物理的な遭難信号を発信させる付記1ないし付記4に記載の災害情報通知システム。
【0069】
(付記6)人災及び天災を含む災害の発生時に、移動端末を所有する利用者に当該災害に関する災害情報を通知する災害情報通知方法において、前記移動端末の所在地に関する位置情報を受付ける位置情報受付工程と、前記災害の発生時に前記災害情報を受付ける災害情報受付工程と、前記受付けられた災害情報に基づいて、前記災害における危険地域を特定する危険地域特定工程と、前記特定された危険地域及び前記受付けられた位置情報に基づいて、前記危険地域に所在する前記利用者を被災者として特定する被災者特定工程と、前記特定された被災者の前記移動端末に前記災害情報を伝達する災害情報伝達工程と、前記伝達された災害情報の応答として前記被災者からの応答情報を受付ける応答情報受付工程と、前記利用者に関する個人情報を情報公開する際のレベルとしての情報公開レベルを少なくとも含む利用者情報が入力され、当該入力された情報公開レベルに基づいて、前記災害発生時の前記個人情報に関する問い合わせに対する情報公開範囲を制御する情報公開制御工程と、前記情報公開レベルを前記災害情報の内容に応じて変更する情報公開レベル変更工程とを備え、前記情報公開レベルに基づいて前記被災者の個人情報を前記被災者のために情報公開する災害情報通知方法。
【0070】
(付記7)前記利用者の関係者に関する情報を前記利用者情報に含んで記憶する利用者情報記憶工程と、前記応答情報受付工程により受付けられた前記応答情報及び前記利用者情報に基づいて、前記被災者の関係者への報告及び/又は救助隊への指示を行う応答情報対応工程とを備える付記6記載の災害情報通知方法。
【0071】
(付記8)前記危険地域特定工程が、前記災害情報に基づいて災害危険度に応じて前記危険地域をランク付けし、前記情報公開レベル変更工程が、ランク付けされた前記危険地域に応じて前記情報公開レベルを変更する付記6又は付記7記載の災害情報通知方法。
【0072】
(付記9)前記利用者の生活環境及び/又は本人特性を前記利用者情報に含んで記憶する利用者情報記憶工程を備え、前記情報公開制御工程が、前記利用者情報に含まれる前記利用者の生活環境及び/又は本人特性に基づいて、前記災害による影響の受け易さに応じて前記利用者を重み付けし、前記情報公開レベル変更工程が、前記重み付けに応じて前記情報公開レベルを変更する付記6ないし付記8記載の災害情報通知方法。
【0073】
(付記10)前記災害情報伝達工程が、前記応答情報受付工程により受付けられた前記応答情報に基づいて、前記被災者の前記移動端末に、五感にて検知される物理的な遭難信号を発信させる付記6ないし付記9に記載の災害情報通知方法。
【0074】
(付記11)人災及び天災を含む災害の発生時に、移動端末を所有する利用者に当該災害に関する災害情報を通知するようにコンピュータを機能させる災害情報通知プログラムにおいて、前記移動端末の所在地に関する位置情報を受付ける位置情報受付手段、前記災害の発生時に前記災害情報を受付ける災害情報受付手段、前記受付けられた災害情報に基づいて、前記災害における危険地域を特定する危険地域特定手段、前記特定された危険地域及び前記受付けられた位置情報に基づいて、前記危険地域に所在する前記利用者を被災者として特定する被災者特定手段、前記特定された被災者の前記移動端末に前記災害情報を伝達する災害情報伝達手段、前記伝達された災害情報の応答として前記被災者からの応答情報を受付ける応答情報受付手段、前記利用者に関する個人情報を情報公開する際のレベルとしての情報公開レベルを少なくとも含む利用者情報が入力され、当該入力された情報公開レベルに基づいて、前記災害発生時の前記個人情報に関する問い合わせに対する情報公開範囲を制御する情報公開制御手段、前記情報公開レベルを前記災害情報の内容に応じて変更する情報公開レベル変更手段としてコンピュータを機能させ、前記情報公開レベルに基づいて前記被災者の個人情報を前記被災者のために情報公開する災害情報通知プログラム。
【0075】
(付記12)前記利用者の関係者に関する情報を前記利用者情報に含んで記憶する利用者情報記憶手段、前記応答情報受付手段により受付けられた前記応答情報及び前記利用者情報に基づいて、前記被災者の関係者への報告及び/又は救助隊への指示を行う応答情報対応手段を備える付記11記載の災害情報通知プログラム。
【0076】
(付記13)前記危険地域特定手段が、前記災害情報に基づいて災害危険度に応じて前記危険地域をランク付けし、前記情報公開レベル変更手段が、ランク付けされた前記危険地域に応じて前記情報公開レベルを変更する付記11又は付記12記載の災害情報通知プログラム。
【0077】
(付記14)前記利用者の生活環境及び/又は本人特性を前記利用者情報に含んで記憶する利用者情報記憶手段を備え、前記情報公開制御手段が、前記利用者情報に含まれる前記利用者の生活環境及び/又は本人特性に基づいて、前記災害による影響の受け易さに応じて前記利用者を重み付けし、前記情報公開レベル変更手段が、前記重み付けに応じて前記情報公開レベルを変更する付記11ないし付記13記載の災害情報通知プログラム。
【0078】
(付記15)前記災害情報伝達手段が、前記応答情報受付手段により受付けられた前記応答情報に基づいて、前記被災者の前記移動端末に、五感にて検知される物理的な遭難信号を発信させる付記11ないし付記14に記載の災害情報通知プログラム。
【図面の簡単な説明】
【0079】
【図1】本発明の第1の実施形態に係る災害情報通知システムの構成を示すブロック図。
【図2】本発明の第1の実施形態に係る災害情報通知システムの各記憶部に記憶される情報を示す説明図。
【図3】本発明の第1の実施形態に係る災害情報通知システムの位置情報記憶部及び災害情報記憶部に記憶される情報のデータレイアウト例。
【図4】本発明の第1の実施形態に係る災害情報通知システムの利用者情報記憶部に記憶される情報のデータレイアウト例。
【図5】本発明の第1の実施形態に係る災害情報通知システムを中心とする全体概略図。
【図6】本発明の第1の実施形態に係る災害情報通知システムの災害情報通知のフローチャート。
【図7】本発明の第1の実施形態に係る災害情報通知システムのSOSサイン発動のフローチャート。
【図8】本発明の第1の実施形態に係る災害情報通知システムの情報公開のフローチャート。
【図9】本発明の第2の実施形態に係る災害情報通知システムの利用者情報記憶部に記憶される情報を示す説明図。
【図10】本発明の第2の実施形態に係る災害情報通知システムの利用者情報記憶部に追加された情報のデータレイアウト例。
【図11】本発明の第2の実施形態に係る災害情報通知システムの医療情報取得のフローチャート。
【図12】本発明の第2の実施形態に係る災害情報通知システムの医療情報通知のフローチャート。
【図13】本発明のその他の実施形態に係る災害情報通知システムの危険ランク対応図及び個人情報テーブルレイアウト例。
【符号の説明】
【0080】
1 位置情報受付手段
2 災害情報受付手段
3 危険地域特定手段
31 災害情報記憶部
31a 災害/事故/事件テーブル
4 被災者特定手段
41 位置情報記憶部
41a ユーザー状態テーブル
5 災害情報伝達手段
6 応答情報受付手段
7 情報公開制御手段
71 利用者情報記憶部
71a 個人情報テーブル
71b 情報公開テーブル
71c 通知者情報テーブル
71d 検索条件テーブル
71e 病院テーブル
71f 医療情報テーブル
71g 戸籍情報テーブル
8 情報公開レベル変更手段
9 応答情報対応手段
10 災害情報通知サーバー
100 利用者
100a 家族・友人
100b 関係者
101 利用者の移動端末
101a 家族・友人の移動端末
101b 関係者の移動端末
200 外部機関
300 第三者機関
301 救助隊
302 病院
【特許請求の範囲】
【請求項1】
人災及び天災を含む災害の発生時に、移動端末を所有する利用者に当該災害に関する災害情報を通知する災害情報通知システムにおいて、
前記移動端末の所在地に関する位置情報を受付ける位置情報受付手段と、
前記災害の発生時に前記災害情報を受付ける災害情報受付手段と、
前記受付けられた災害情報に基づいて、前記災害における危険地域を特定する危険地域特定手段と、
前記特定された危険地域及び前記受付けられた位置情報に基づいて、前記危険地域に所在する前記利用者を被災者として特定する被災者特定手段と、
前記特定された被災者の前記移動端末に前記災害情報を伝達する災害情報伝達手段と、
前記伝達された災害情報の応答として前記被災者からの応答情報を受付ける応答情報受付手段と、
前記利用者に関する個人情報を情報公開する際のレベルとしての情報公開レベルを少なくとも含む利用者情報が入力され、当該入力された情報公開レベルに基づいて、前記災害発生時の前記個人情報に関する問い合わせに対する情報公開範囲を制御する情報公開制御手段と、
前記情報公開レベルを前記応答情報及び前記災害情報の内容に応じて変更する情報公開レベル変更手段とを備え、
前記情報公開レベルに基づいて前記被災者の個人情報を前記被災者のために情報公開する
災害情報通知システム。
【請求項2】
請求項1に記載の災害情報通知システムにおいて、
前記利用者の関係者に関する情報を前記利用者情報に含んで記憶する利用者情報記憶手段と、
前記応答情報受付手段により受付けられた前記応答情報及び前記利用者情報に基づいて、前記被災者の関係者への報告及び/又は救助隊への指示を行う応答情報対応手段とを備える
災害情報通知システム。
【請求項3】
請求項1又は請求項2に記載の災害情報通知システムにおいて、
前記危険地域特定手段が、前記災害情報に基づいて災害危険度に応じて前記危険地域をランク付けし、
前記情報公開レベル変更手段が、ランク付けされた前記危険地域に応じて前記情報公開レベルを変更する
災害情報通知システム。
【請求項4】
請求項1ないし請求項3に記載の災害情報通知システムにおいて、
前記利用者の生活環境及び/又は本人特性を前記利用者情報に含んで記憶する利用者情報記憶手段を備え、
前記情報公開制御手段が、前記利用者情報に含まれる前記利用者の生活環境及び/又は本人特性に基づいて、前記災害による影響の受け易さに応じて前記利用者を重み付けし、
前記情報公開レベル変更手段が、前記重み付けに応じて前記情報公開レベルを変更する
災害情報通知システム。
【請求項5】
請求項1ないし請求項4に記載の災害情報通知システムにおいて、
前記災害情報伝達手段が、前記応答情報受付手段により受付けられた前記応答情報に基づいて、前記被災者の前記移動端末に、五感にて検知される物理的な遭難信号を発信させる
災害情報通知システム。
【請求項6】
人災及び天災を含む災害の発生時に、移動端末を所有する利用者に当該災害に関する災害情報を通知する災害情報通知方法において、
前記移動端末の所在地に関する位置情報を受付ける位置情報受付工程と、
前記災害の発生時に前記災害情報を受付ける災害情報受付工程と、
前記受付けられた災害情報に基づいて、前記災害における危険地域を特定する危険地域特定工程と、
前記特定された危険地域及び前記受付けられた位置情報に基づいて、前記危険地域に所在する前記利用者を被災者として特定する被災者特定工程と、
前記特定された被災者の前記移動端末に前記災害情報を伝達する災害情報伝達工程と、
前記伝達された災害情報の応答として前記被災者からの応答情報を受付ける応答情報受付工程と、
前記利用者に関する個人情報を情報公開する際のレベルとしての情報公開レベルを少なくとも含む利用者情報が入力され、当該入力された情報公開レベルに基づいて、前記災害発生時の前記個人情報に関する問い合わせに対する情報公開範囲を制御する情報公開制御工程と、
前記情報公開レベルを前記災害情報の内容に応じて変更する情報公開レベル変更工程とを備え、
前記情報公開レベルに基づいて前記被災者の個人情報を前記被災者のために情報公開する
災害情報通知方法。
【請求項7】
人災及び天災を含む災害の発生時に、移動端末を所有する利用者に当該災害に関する災害情報を通知するようにコンピュータを機能させる災害情報通知プログラムにおいて、
前記移動端末の所在地に関する位置情報を受付ける位置情報受付手段、
前記災害の発生時に前記災害情報を受付ける災害情報受付手段、
前記受付けられた災害情報に基づいて、前記災害における危険地域を特定する危険地域特定手段、
前記特定された危険地域及び前記受付けられた位置情報に基づいて、前記危険地域に所在する前記利用者を被災者として特定する被災者特定手段、
前記特定された被災者の前記移動端末に前記災害情報を伝達する災害情報伝達手段、
前記伝達された災害情報の応答として前記被災者からの応答情報を受付ける応答情報受付手段、
前記利用者に関する個人情報を情報公開する際のレベルとしての情報公開レベルを少なくとも含む利用者情報が入力され、当該入力された情報公開レベルに基づいて、前記災害発生時の前記個人情報に関する問い合わせに対する情報公開範囲を制御する情報公開制御手段、
前記情報公開レベルを前記災害情報の内容に応じて変更する情報公開レベル変更手段としてコンピュータを機能させ、
前記情報公開レベルに基づいて前記被災者の個人情報を前記被災者のために情報公開する
災害情報通知プログラム。
【請求項1】
人災及び天災を含む災害の発生時に、移動端末を所有する利用者に当該災害に関する災害情報を通知する災害情報通知システムにおいて、
前記移動端末の所在地に関する位置情報を受付ける位置情報受付手段と、
前記災害の発生時に前記災害情報を受付ける災害情報受付手段と、
前記受付けられた災害情報に基づいて、前記災害における危険地域を特定する危険地域特定手段と、
前記特定された危険地域及び前記受付けられた位置情報に基づいて、前記危険地域に所在する前記利用者を被災者として特定する被災者特定手段と、
前記特定された被災者の前記移動端末に前記災害情報を伝達する災害情報伝達手段と、
前記伝達された災害情報の応答として前記被災者からの応答情報を受付ける応答情報受付手段と、
前記利用者に関する個人情報を情報公開する際のレベルとしての情報公開レベルを少なくとも含む利用者情報が入力され、当該入力された情報公開レベルに基づいて、前記災害発生時の前記個人情報に関する問い合わせに対する情報公開範囲を制御する情報公開制御手段と、
前記情報公開レベルを前記応答情報及び前記災害情報の内容に応じて変更する情報公開レベル変更手段とを備え、
前記情報公開レベルに基づいて前記被災者の個人情報を前記被災者のために情報公開する
災害情報通知システム。
【請求項2】
請求項1に記載の災害情報通知システムにおいて、
前記利用者の関係者に関する情報を前記利用者情報に含んで記憶する利用者情報記憶手段と、
前記応答情報受付手段により受付けられた前記応答情報及び前記利用者情報に基づいて、前記被災者の関係者への報告及び/又は救助隊への指示を行う応答情報対応手段とを備える
災害情報通知システム。
【請求項3】
請求項1又は請求項2に記載の災害情報通知システムにおいて、
前記危険地域特定手段が、前記災害情報に基づいて災害危険度に応じて前記危険地域をランク付けし、
前記情報公開レベル変更手段が、ランク付けされた前記危険地域に応じて前記情報公開レベルを変更する
災害情報通知システム。
【請求項4】
請求項1ないし請求項3に記載の災害情報通知システムにおいて、
前記利用者の生活環境及び/又は本人特性を前記利用者情報に含んで記憶する利用者情報記憶手段を備え、
前記情報公開制御手段が、前記利用者情報に含まれる前記利用者の生活環境及び/又は本人特性に基づいて、前記災害による影響の受け易さに応じて前記利用者を重み付けし、
前記情報公開レベル変更手段が、前記重み付けに応じて前記情報公開レベルを変更する
災害情報通知システム。
【請求項5】
請求項1ないし請求項4に記載の災害情報通知システムにおいて、
前記災害情報伝達手段が、前記応答情報受付手段により受付けられた前記応答情報に基づいて、前記被災者の前記移動端末に、五感にて検知される物理的な遭難信号を発信させる
災害情報通知システム。
【請求項6】
人災及び天災を含む災害の発生時に、移動端末を所有する利用者に当該災害に関する災害情報を通知する災害情報通知方法において、
前記移動端末の所在地に関する位置情報を受付ける位置情報受付工程と、
前記災害の発生時に前記災害情報を受付ける災害情報受付工程と、
前記受付けられた災害情報に基づいて、前記災害における危険地域を特定する危険地域特定工程と、
前記特定された危険地域及び前記受付けられた位置情報に基づいて、前記危険地域に所在する前記利用者を被災者として特定する被災者特定工程と、
前記特定された被災者の前記移動端末に前記災害情報を伝達する災害情報伝達工程と、
前記伝達された災害情報の応答として前記被災者からの応答情報を受付ける応答情報受付工程と、
前記利用者に関する個人情報を情報公開する際のレベルとしての情報公開レベルを少なくとも含む利用者情報が入力され、当該入力された情報公開レベルに基づいて、前記災害発生時の前記個人情報に関する問い合わせに対する情報公開範囲を制御する情報公開制御工程と、
前記情報公開レベルを前記災害情報の内容に応じて変更する情報公開レベル変更工程とを備え、
前記情報公開レベルに基づいて前記被災者の個人情報を前記被災者のために情報公開する
災害情報通知方法。
【請求項7】
人災及び天災を含む災害の発生時に、移動端末を所有する利用者に当該災害に関する災害情報を通知するようにコンピュータを機能させる災害情報通知プログラムにおいて、
前記移動端末の所在地に関する位置情報を受付ける位置情報受付手段、
前記災害の発生時に前記災害情報を受付ける災害情報受付手段、
前記受付けられた災害情報に基づいて、前記災害における危険地域を特定する危険地域特定手段、
前記特定された危険地域及び前記受付けられた位置情報に基づいて、前記危険地域に所在する前記利用者を被災者として特定する被災者特定手段、
前記特定された被災者の前記移動端末に前記災害情報を伝達する災害情報伝達手段、
前記伝達された災害情報の応答として前記被災者からの応答情報を受付ける応答情報受付手段、
前記利用者に関する個人情報を情報公開する際のレベルとしての情報公開レベルを少なくとも含む利用者情報が入力され、当該入力された情報公開レベルに基づいて、前記災害発生時の前記個人情報に関する問い合わせに対する情報公開範囲を制御する情報公開制御手段、
前記情報公開レベルを前記災害情報の内容に応じて変更する情報公開レベル変更手段としてコンピュータを機能させ、
前記情報公開レベルに基づいて前記被災者の個人情報を前記被災者のために情報公開する
災害情報通知プログラム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図9】
【図10】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図11】
【図12】
【図13】
【図2】
【図3】
【図4】
【図9】
【図10】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図11】
【図12】
【図13】
【公開番号】特開2010−57075(P2010−57075A)
【公開日】平成22年3月11日(2010.3.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−221945(P2008−221945)
【出願日】平成20年8月29日(2008.8.29)
【出願人】(000005223)富士通株式会社 (25,993)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成22年3月11日(2010.3.11)
【国際特許分類】
【出願日】平成20年8月29日(2008.8.29)
【出願人】(000005223)富士通株式会社 (25,993)
【Fターム(参考)】
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