説明

炎症治療用置換ピラジノン化合物

式(I)
【化1】


[式中、X、Ra、Rb、Rc及びRdは本明細書で定義されている通りである]
で表されるキナーゼ阻害剤。


【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の相互参照)
本出願は、2003年10月14日出願の米国仮特許出願第60/510,870号の利益を請求し、その出願内容の全文は参照することによって本明細書にとり入れられている。
【0002】
本発明は、一般的に、抗炎症医薬品に関し、特に、IκBキナーゼである、IKK−2の阻害剤としてのピラジノン化合物に関する。本発明は、更に、そのような化合物を含む組成物、並びに癌、炎症及び関節炎のような炎症関連疾患を治療する方法に関する。
【背景技術】
【0003】
関節リウマチは、人口のおよそ1%に影響を与えている普通の炎症性疾患である。この疾患は、患者の日常的機能を大幅に制限している多発性の疼痛性関節腫脹により特徴付けられ、病気に冒された関節の破壊に進展する。関節リウマチの一般的な治療は、抗炎症性ステロイドである。ステロイドは、臨床的に非常に効果的であるが、しかし、多様な副作用の故に、それらの使用が制限されている。それ故、ステロイドの有効性を持ち関連する毒性がない抗関節リウマチ治療薬に対する必要性が存在する。ステロイドがそれらの広範囲の抗炎症作用を発揮するメカニズムの一つは、転写因子NF−κBの活性化を阻害することによるものである。NF−κBは、COX−2(即ち、シクロオキシゲナーゼ−2)及びiNOS(即ち、誘導一酸化窒素合成酵素)のような炎症性酵素を包含する種々の細胞における、多くの初期、誘導可能遺伝子の転写を制御することによって、免疫及び炎症反応において重要な役割を演じている。NF−κBは、阻害タンパク質のIκBファミリーのメンバーによって細胞質中に不活性の形で隔離されており、これが核内におけるそれらの応答遺伝子の遺伝子転写を防止している。細胞の刺激は、IκBのリン酸化、ユビキノン化及び分解を導き、それによって、NF−κBを遺伝子転写の活性化のために核へと放出する。慢性的なNF−κBの活性化は、RA患者からの血管内皮及び滑膜表層細胞において証明された。最近、IκBをリン酸化し、それによってその分解を開始するIκBキナーゼ(IKK−1及びIKK−2)がクローン化され、最初に特性を明らかにされた。即ち、アンチセンス又は優性ネガティブIKK構造がNF−κB核転座を阻止し、NF−κBに連鎖していると報告されている遺伝子を阻害するので、これらキナーゼはNF−κBの活性化における臨界的な共通点を表しているように見える。それ故に、IKK−1及び/又はIKK−2は、薬剤開発の新規で強力な標的を示している。
【0004】
選択的IKK−2阻害剤は、炎症性疾患の治療に有用であることができると報告されている。例えば、Karin et al., Nat.Revs.3, 17-26, 2004を参照。
老人性痴呆の治療に有用な置換ピラジン、ピリミジン及びピリダジンは、米国特許第5,260,293号に記載されている。
【0005】
PCT公開特許第WO01/05772号は、カスパーゼ−3阻害剤としての置換ピラジノンを開示している。
ジアリールピペラジン及び関連化合物は、PCT公開特許第WO02/08221号にカプサイシン受容体の選択的モジュレーターとして開示されている。
ピラジノン、トリアジノン及びこれらの誘導体は、精神障害及び神経系疾患の治療用として、PCT公開特許第WO98/11075号に開示されている。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明の一つの目的は、式I:
【化1】

式中、
Xは、O、S及びNR5aから成るグループから選択され;
a及びRcは、ヒドリド、ヒドロキシル、アルコキシ、アルキル、ハロアルキル、アリール及びヘテロアリールから成るグループから独立に選択され;
bは、シクロアルキル、シクロアルケニル、アリール、ヘテロシクロアルキル、ヘテロシクロアルケニル及びヘテロアリールから成るグループから選択される3から12員環部分構造であり、ここで、Rbは、R2、シクロアルキル及びシクロアルキルアルキルから成るグループから選択される、1つ又はそれ以上の置換基で場合により置換され;
dは、−(CH2qNH2、−(CH2qNHR2、並びに炭素及び窒素から成るグループから選択される環構成員を有する5から7員環のヘテロシクロアルキルから成るグループから選択され、ここで、該ヘテロシクロアルキルは、R2から成るグループから選択される1つ又はそれ以上の置換基で場合により置換されてもよく;
【0007】
2は、ハロ、アルキルスルフィニル、アルキルスルホニル、シアノ、アルコキシカルボニル、アルキル、ハロアルキル、ヒドロキシアルキル、ハロアルコキシ、ニトロ、アシルアミノ、R7、−OR3、−(CH2mOR3、−(CH2pCO23、−SR3、−SO2N(R4a)R4b、−NR5a5b、−NR5aCOR5b、−NR5aCO(OR5b)、−NR5aSO26、−NR5aSO2N(R6a)R6b、−NR5aCON(R6a)R6b、−COR5a及び−CON(R4a)R4bから成るグループから選択され;
3、R4a及びR4bは、ヒドリド、アリール、ヘテロアリール、ヘテロアラルキル、アルキル、ハロアルキル、アルケニル、アルキニル、ヒドロキシアルキル、アミノアルキル、アルキルアミノアルキル、N,N−ジアルキルアミノアルキル、アルコキシ、アルコキシアルキル、ヘテロシクロアルキル、ヘテロシクロアルケニル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、アラルキル及びアラルキルアミノから成るグループから独立に選択され、ここで、該アリールは、アルキル、アミノアルキル、アルコキシ及びハロから成るグループから選択される1つ又はそれ以上の基で場合により置換され、R4a及びR4bは一体化して、S、SO、SO2、O、N及びNR5aから選択される1から3個のヘテロ原子を有する、3から7員環の複素環を形成してもよく;
【0008】
5a及びR5bは、ヒドリド、アルキル、アリール、ヘテロアリール、アラルキル、ヘテロシクロアルケニル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、ハロアルキル、アラルキルアミノ、アミノ、アミノアルキル、アミノアシル、ニトロ、アジド及びヘテロアラルキルから成るグループから独立に選択され、ここで、該アルキル、アリール、ヘテロアリール、アミノアルキル及びアラルキル部分構造は、アルキルスルホンアミド、スルファミル、アルキル、アルキルチオ、アルキルスルフィニル、アルキルスルホニル、N−アルキルアミノ、アミノアルキル、アルキルアミノアルキル、アルコキシ、ハロ、アシルオキシ、オキシ、ホルミル、ハロアルキル、シアノ、ハロアルコキシ、アシル、カルボキシル、ヒドロキシ、ヒドロキシアルコキシ、フェノキシ、ニトロ、アジド、ベンジルオキシ、N,N−ジアルキルアミノアシル、チオアルキル、アミノアシルオキシ、チオシアナト、イソチオシアナト、アルキルジオキシ、ヒドロキシアルキル、N−アルキルアミノ、アルコキシカルボニル、アルコキシアルキル、アルケニルアミノ、アルキニルアミノ、アルケニル、アルキニル、N,N−ジアルキルアミノアルコキシ、ヘテロシクロアルキル、ヘテロシクロアルケニル及びヘテロアリールから成るグループから選択される1つ又はそれ以上の置換基で場合により置換され;
【0009】
6a及びR6bは、ヒドリド、アルキル、ヘテロアリール、ヘテロシクロアルケニル、ハロアルキル、アラルキルアミノ、ヘテロアラルキル、アリール及びアラアルキルから成るグループから独立に選択され、ここで、該アリール、ヘテロアリール、ヘテロシクロアルケニル及びアラルキル部分構造は、アルキル、アルコキシ、ハロ、ハロアルキル、シアノ、ハロアルコキシ、アシル、カルボキシル、ヒドロキシ、ヒドロキシアルコキシ、フェノキシ、ベンジルオキシ、N,N−ジアルキルアミノアルコキシ、ヘテロシクロアルキル、ヘテロシクロアルケニル及びヘテロアリールから選択される1つ又はそれ以上の置換基で場合により置換され、R6a及びR6bは一緒になって、S、SO、SO2、O、N及びR5aから選択される1から3個のヘテロ原子を有する3から7員環の複素環を形成してもよく;
【0010】
7は、アリール、ヘテロシクロアルケニル、ヘテロアリール及びアルケニルから成るグループから選択され、ここで、R7は、R5aから成るグループから選択される1つ又はそれ以上の置換基で場合により置換され;
nは、1、2又は3であり;
mは、1、2又は3であり;
pは、0、1又は2であり;
qは、0及び9の間の整数である;
で表されるIKK−2阻害化合物;
又は薬学的に許容されるそれらの塩を提供することである。
【0011】
本発明は、又、上記に定義された、式Iの化合物又はその薬学的に許容される塩、及び薬学的に許容される担体、希釈剤又は佐剤を含む医薬組成物を目的とする。
本発明は、又、炎症又は炎症関連疾患を治療又は予防する方法であって、式Iの化合物又はその薬学的に許容される塩を、そのような治療を必要とする、又はそのような炎症若しくは炎症関連疾患に罹患し易い対象に投与することを含む方法を目的とする。
本発明の別の目的は、以下において一部は明らかにされ、一部は指し示されるであろう。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
本発明によれば、出願人は、ある種類の式I:
【化2】

[式中、
Xは、O、S及びNR5aから成るグループから選択され;
a及びRcは、ヒドリド、ヒドロキシル、アルコキシ、アルキル、ハロアルキル、アリール及びヘテロアリールから成るグループから独立に選択され;
bは、シクロアルキル、シクロアルケニル、アリール、ヘテロシクロアルキル、ヘテロシクロアルケニル及びヘテロアリールから成るグループから選択される3から12員環部分構造であり、ここで、Rbは、R2、シクロアルキル及びシクロアルキルアルキルから成るグループから選択される、1つ又はそれ以上の置換基で場合により置換され;
dは、(CH2qNH2、−(CH2qNHR2、並びに炭素及び窒素から成るグループから選択される環構成員を有する5から7員環のヘテロシクロアルキルから成るグループから選択され、ここで、該ヘテロシクロアルキルは、R2から成るグループから選択さ
れる1つ又はそれ以上の置換基で場合により置換されてもよく;
【0013】
2は、ハロ、アルキルスルフィニル、アルキルスルホニル、シアノ、アルコキシカルボニル、アルキル、ハロアルキル、ヒドロキシアルキル、ハロアルコキシ、ニトロ、アシルアミノ、R7、−OR3、−(CH2mOR3、−(CH2pCO23、−SR3、−SO2N(R4a)R4b、−NR5a5b、−NR5aCOR5b、−NR5aCO(OR5b)、−NR5aSO26、−NR5aSO2N(R6a)R6b、−NR5aCON(R6a)R6b、−COR5a及び−CON(R4a)R4bから成るグループから選択され;
【0014】
3、R4a及びR4bは、ヒドリド、アリール、ヘテロアリール、ヘテロアラルキル、アルキル、ハロアルキル、アルケニル、アルキニル、ヒドロキシアルキル、アミノアルキル、アルキルアミノアルキル、N,N−ジアルキルアミノアルキル、アルコキシ、アルコキシアルキル、ヘテロシクロアルキル、ヘテロシクロアルケニル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、アラルキル及びアラルキルアミノから成るグループから独立に選択され、ここで、該アリールは、アルキル、アミノアルキル、アルコキシ及びハロから成るグループから選択される1つ又はそれ以上の基で場合により置換され、R4a及びR4bは一体化して、S、SO、SO2、O、N及びNR5aから選択される1から3個のヘテロ原子を有する、3から7員環の複素環を形成してもよく;
【0015】
5a及びR5bは、ヒドリド、アルキル、アリール、ヘテロアリール、アラルキル、ヘテロシクロアルケニル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、ハロアルキル、アラルキルアミノ、アミノ、アミノアルキル、アミノアシル、ニトロ、アジド及びヘテロアラルキルから成るグループから独立に選択され、ここで、該アルキル、アリール、ヘテロアリール、アミノアルキル及びアラルキル部分構造は、アルキルスルホンアミド、スルファミル、アルキル、アルキルチオ、アルキルスルフィニル、アルキルスルホニル、N−アルキルアミノ、アミノアルキル、アルキルアミノアルキル、アルコキシ、ハロ、アシルオキシ、オキシ、ホルミル、ハロアルキル、シアノ、ハロアルコキシ、アシル、カルボキシル、ヒドロキシ、ヒドロキシアルコキシ、フェノキシ、ニトロ、アジド、ベンジルオキシ、N,N−ジアルキルアミノアシル、チオアルキル、アミノアシルオキシ、チオシアナト、イソチオシアナト、アルキルジオキシ、ヒドロキシアルキル、N−アルキルアミノ、アルコキシカルボニル、アルコキシアルキル、アルケニルアミノ、アルキニルアミノ、アルケニル、アルキニル、N,N−ジアルキルアミノアルコキシ、ヘテロシクロアルキル、ヘテロシクロアルケニル及びヘテロアリールから成るグループから選択される1つ又はそれ以上の置換基で場合により置換され;
【0016】
6a及びR6bは、ヒドリド、アルキル、ヘテロアリール、ヘテロシクロアルケニル、ハロアルキル、アラルキルアミノ、ヘテロアラルキル、アリール及びアラアルキルから成るグループから独立に選択され、ここで、該アリール、ヘテロアリール、ヘテロシクロアルケニル及びアラルキル部分構造は、アルキル、アルコキシ、ハロ、ハロアルキル、シアノ、ハロアルコキシ、アシル、カルボキシル、ヒドロキシ、ヒドロキシアルコキシ、フェノキシ、ベンジルオキシ、N,N−ジアルキルアミノアルコキシ、ヘテロシクロアルキル、ヘテロシクロアルケニル及びヘテロアリールから選択される1つ又はそれ以上の置換基で場合により置換され、R6a及びR6bは一緒になって、S、SO、SO2、O、N及びR5aから選択される1から3個のヘテロ原子を有する3から7員環の複素環を形成してもよく;
7は、アリール、ヘテロシクロアルケニル、ヘテロアリール及びアルケニルから成るグループから選択され、ここで、R7は、R5aから成るグループから選択される1つ又はそれ以上の置換基で場合により置換され;
nは、1、2又は3であり;
mは、1、2又は3であり;
pは、0、1又は2であり;
qは、0及び9の間の整数である;
で表されるIKK−2阻害化合物、又は薬学的に許容されるそれらの塩を発見した。
【0017】
式Iの化合物は、とりわけ、例えば、疼痛及び頭痛の治療における鎮痛剤として、又は発熱の治療のための解熱剤として、対象における炎症を治療するのに有用であろう。例えば、本発明の化合物は、関節リウマチ、脊椎関節症、痛風性関節炎、変形性関節症、全身性エリテマトーデス、若年性関節炎、急性リウマチ性関節炎、炎症性腸疾患合併関節炎、神経障害性関節炎、乾癬性関節炎及び発熱性関節炎を包含するが、しかしこれらには限定されない、関節炎の治療に有用であろう。
【0018】
本発明の化合物は、虚弱、喘息、慢性閉塞性肺疾患(COPD)、気管支炎、生理痛(例えば、月経困難症)、早期分娩、腱炎、滑液包炎、乾癬のような皮膚病変、湿疹、やけど、日焼け、皮膚炎、膵炎、肝炎、及び白内障手術及び屈折矯正手術のような眼科手術からのものを包含する術後炎症からの治療において、更に有用であろう。本発明の化合物は、又、炎症性大腸疾患、クローン病、胃炎、過敏性腸症候群及び潰瘍性大腸炎のような消化管状態を治療するのに有用であろう。本発明の化合物は、結腸直腸癌のような癌、及び乳癌、肺癌、前立腺癌、膀胱癌、子宮癌、及び皮膚癌の予防又は治療に、そして、癌幹細胞の治療に有用であろう。本発明の化合物は、血管疾患、片頭痛、結節性動脈周囲炎、甲状腺炎、再生不良性貧血、ホジキン病、強皮症、リウマチ熱、I型糖尿病、重症筋無力症を包含する神経筋接合部疾患、多発性硬化症を包含する白質疾患、サルコイドーシス、ネフローゼ症候群、ベーチェット症候群、多発性筋炎、歯肉炎、腎炎、過敏症、傷害後の腫脹、心筋虚血等のような疾患における炎症及び組織損傷を治療するのに有用であろう。
【0019】
上記の化合物は、又、ウイルス感染及び嚢胞性線維症に関連するような肺の炎症の治療において有用であろう。上記の化合物は、又、アルツハイマー病を包含する皮質痴呆、及び卒中、虚血及び外傷に起因する中枢神経系損傷のような、ある種の中枢神経系障害の治療に有用であろう。本発明の化合物は、有害な副作用が有意に少ないという付加的利点を有する、例えば関節炎の治療のための、抗炎症剤として有用である。これらの化合物は、又、アレルギー性鼻炎、呼吸窮迫症候群、及びアテローム性動脈硬化の治療において有用であろう。上記の化合物は、又、限定されないが、術後疼痛、歯痛、筋肉痛及び癌に起因する疼痛のような疼痛の治療に有用であろう。上記の化合物は、アルツハイマー病のような、痴呆の予防に有用であろう。
【0020】
ヒトの治療に対する有用性とは別に、これら化合物は、又、ペット、珍しい動物及び哺乳類、齧歯類等を包含する家畜の獣医学的治療に有用である。より好ましい動物としては、ウマ、イヌ及びネコが挙げられる。
【0021】
本化合物は、又、ステロイド、NSAID類、COX−2選択的阻害剤、5−リポキシゲナーゼ阻害剤、LTB4拮抗薬及びLTA4ヒドロラーゼ阻害剤との併用のような、他の通常の抗炎症療法に代わる、部分的又は完全な併用療法において有用であろう。
【0022】
本発明の化合物が利点を提供することができるであろう別の状態としては、心血管虚血、糖尿病(I型又はII型)、鬱血性心不全、心筋炎、アテローム性動脈硬化症、偏頭痛、緑内障、大動脈瘤、逆流性食道炎、下痢、過敏性腸症候群、嚢胞性線維症、気腫、喘息、気管支拡張症、痛覚過敏(異痛症)、及び脳虚血(局所虚血、血栓性脳卒中並びに全脳虚血(例えば、心不全に続いて起こる))が挙げられる。
【0023】
本発明の化合物は、又、急性及び慢性の両者の体因性(痛みを与える刺激又は神経因性
のいずれかの)疼痛を包含する疼痛の治療において有用であろう。本発明の化合物は、通常のNSAID又はオピオイド鎮痛薬が伝統的に投与されているような、神経因性疼痛を包含するいずれかの状況において使用することができる。
【0024】
本発明の化合物の抗腫瘍薬と連結した治療は、治療効力に必要とされる、副作用を生じる薬剤の治療量を減少することによって、或いは副作用を生じる薬剤に起因する有害な副作用の症状を直接減少することによって、化学療法に関係する有用な効果を生じるか、又は替わりに有害な副作用を減少するであろう。本発明の化合物は、更に、副作用を減少し又は有効性を増強するために放射線治療に付属するものとして有用であろう。本発明において、本発明の化合物と治療的に組み合わせることができる別の薬剤として、COX−2を阻害することができるいずれの治療薬も挙げられる。好ましくはそのようなCOX−2阻害剤は、酵素シクロオキシゲナーゼ1(「COX−1」)と比較して選択的にCOX−2を阻害する。そのようなCOX−2阻害剤は、「COX−2選択的阻害剤」として知られている。より好ましくは、本発明の化合物は、COX−2選択的阻害剤と治療的に組み合わせることができ、それによりCOX−2選択的阻害剤はインビトロ試験において、COX−1の阻害に比較して少なくとも10:1、より好ましくは少なくとも30:1、なおより好ましくは少なくとも50:1の比率でCOX−2を選択的に阻害することができる。本発明の化合物との治療的な組み合わせにおける有用なCOX−2選択的阻害剤としては、セレコキシブ、バルデコキシブ、デラドシキブ、エトリコキシブ、レフェコキシブ、ABT−963(2−(3,4−ジフルオロフェニル)−4−(3−ヒドロキシ−3−メチル−1−ブトキシ)−5−[4−(メチルスルホニル)フェニル]−3(2H)−ピリダジノン、PCT公開特許第WO00/24719号に記載されている)、又はメロキシカムが挙げられる。本発明の化合物は、COX−2選択的阻害剤のプロドラッグ、例えばパレコシキブとの治療的組み合わせにおいて有利に使用することもできる。
【0025】
本発明の化合物と組み合わせて有用と思われる別の化学療法剤は、例えば、以下の非包括的及び非限定的なリストから選択することができる。アルファジフルオロメチルオルニチン(DFMO)、5−Fu−フィブリノーゲン、acanthifolic acid、アミノチアジアゾール、ブレキナールナトリウム、カルモフール、チバガイギーCGP−30694、シクロペンチルシトシン、リン酸シタラビンステアレート、シタラビンコンジュゲート、リリー DATHF、メリルダウ DDFC、デザグアニン、ジデオキシシチジン、ジデオキシグアノシン、ジドックス、吉富DMDC、ドキシフルリジン、ウエルカムEHNA、メルクEX−015、ファザラビン、フロクスウリジン、リン酸フルダラビン、5−フルオロウラシル、N−(2’−フラニジル)−5−フルオロウラシル、第一製薬FO−152、イソプロピルピロリジン、リリーLY−188011、リリーLY−264618、メトベンザプリム、メトトレキセート、ウエルカムMZPES、ノルスペルミジン、NCI・NSC−127716、NCI・NSC−264880、NCI・NSC−39661、NCI・NSC−612567、ワーナー−ランバートPALA、ペントスタチン、ピリトレキシム、プリカマイシン、旭化成PL−AC、武田TAC−788、チオグアニン、チアゾフリン、エルバモントTIF、トリメトレキセート、チロシンキナーゼ阻害剤、チロシンプロテインキナーゼ阻害剤、大鵬UFT、ウリシチン、シオノギ254−S、アルドホスファミド類縁体、アルトレタミン、アナキシロン、ベーリンガー・マンハイムBBR−2207、ベストラブシル、ブドチタン、湧永CA−102、カルボプラチン、カルムスチン、キノイン−139、キノイン−153、クロラムブシル、シスプラチン、シクロホスファミド、アメリカンシアナミドCL−286558、サノフィCY−233、シプラテート、デグサD−19−384、住友DACHP(Myr)2、ジフェニルスピロムスチン、二白金細胞増殖抑制剤、エルバ・ディスタマイシン誘導体、中外DWA−2114R、ITI・E09、エルムスチン、エルバモントFCE−24517、リン酸エストラムスチンナトリウム、ホテムスチン、ユニメドG−6−M、キノインGYKI−17230、ヘプスル−ファム、イホスファミド、イプロプラチン、ロムスチン、マホスファミド、ミトラクトール、
【0026】
日本化薬NK−121、NCI・NSC−264395、NCI・NSC−342215、オキザリプラチン、アップジョンPCNU、プレドニムスチン、プロターPTT−119、ラニムスチン、セムスチン、スミスクラインSK&F−101772、ヤクルト本社SN−22、スピロムスチン、田辺製薬TA−077、タウロムスチン、テモゾロミド、テロキシロン、テトラプラチン、トリメラモール、大鵬4181−A、アクラルビシン、アクチノマイシンD、アクチノプラノン、エルバモントADR−456、アエロプリシニン誘導体、味の素AN−201−11、味の素AN−3、日本曹達アニソマイシン、アンスラサイクリン、アジノ−マイシン−A、ビスウカベリン、ブリストル−マイヤーズBL−6859、ブリストル−マイヤーズBMY−25067、ブリストル−マイヤーズBMY−25551、ブリストル−マイヤーズBMY−26605、ブリストル−マイヤーズBMY−27557、ブリストル−マイヤーズBMY−28438、硫酸ブレオマイシン、ブリオスタチン−1、大鵬C−1027、カルシケマイシン、クロモキシマイシン、ダクチノマイシン、ダウノルビシン、協和醗酵DC−102、協和醗酵DC−79、協和醗酵DC−88A、協和醗酵DC89−A1、協和醗酵DC92−B、ジトリスアルビシンB、シオノギDOB−41、ドキソルビシン、ドキソルビシン・フィブリノーゲン、エルサマイシンA、エピルビシン、エルブスタチン、エソルビシン、エスペラマイシンA1、エスペラマイシンAlb、エルバモントFCE−21954、藤沢FK−973、ホストリエシン、藤沢FR−900482、グリドバクチン、グレガチン−A、グリンカマイシン、ハービマイシン、イダルビシン、イルジン、カズサマイシン、ケサリロジン、協和醗酵KM−5539、麒麟麦酒KRN−8602、協和醗酵KT−5432、協和醗酵KT−5594、協和醗酵KT−6149、アメリカンシアナミドLL−D49194、明治製菓ME2303、メノガリル、マイトマイシン、ミトキサントロン、スミスクラインM−TAG、ネオエナクチン、日本化薬NK−313、日本化薬NKT−01、SRIインターナショナルNSC−357704、オキサリジン、オキザウノマイシン、ペプロマイシン、ピラチン、ピラルビシン、ポロスラマイシン、ピリンダマイシンA、東菱RA−I、ラパマイシン、リゾキシン、ロドルビシン、シバノマイシン、シウェンマイシン、住友SM−5887、雪印SN−706、雪印SN−07、ソランギシンA、スパルソマイシン、SS製薬SS−21020、SS製薬SS−7313B、SS製薬SS−9816B、ステフィマイシンB、大鵬4181−2、タリソマイシン、武田TAN−868A、テルペンテシン、トラジン、トリクロザリンA、アップジョンU−73975、協和醗酵UCN−10028A、藤沢WF−3405、吉富Y−25024、ゾルビシン、
【0027】
α−カロチン、α−ジフルオロメチル−アルギニン、アシトレチン、バイオテックAD−5、杏林AHC−52、アルストニン、アモナフィド、アンフェチニル、アムサクリン、アンジオスタット、アンキノマイシン、アンチネオプラストンA10、アンチネオプラストンA2、アンチネオプラストンA3、アンチネオプラストンA5、アンチネオプラストンAS2−1、ヘンケルAPD、アフィディコリングリシネート、アスパラギナーゼ、アバロール、バッカリン、バトラシリン、ベンフルロン、ベンゾトリプト、イプサン・ボーフール(Ipsen−Beaufour)BIM−23015、ビサントレン、ブリストル−マイヤーズBMY−40481、ベスターボロン10、ブロモホスファミド、ウエルカムBW−502、ウエルカムBW−773、カラセミド、塩酸カルメチゾール、味の素CDAF、クロルスルファキノキサロン、ケメックスCHX−2053、ケメックスCHX−100、ワーナー−ランバートCI−921、ワーナー−ランバートCI−937、ワーナー−ランバートCI−941、ワーナー−ランバートCI−958、クランフェヌール、クラビリデノン、ICN化合物1259、ICN化合物4711、コントラカン、ヤクルト本社CPT−11、クリスナトール、クラデルム、サイトカラシンB、シタラビン、サイトシチン、メルズD−609、マレイン酸DABIS、デカルバジン、ダテリプチニウム、ダイデムニンB、ジヘマトポルフィリンエーテル、ジヒドロレンペロン、ダイナリン、ディスタマイシン、東洋ファルマーDM−341、東洋ファルマーDM−75、第一製薬DN−9693、エリプラビン、酢酸エリプチニウム、ツムラEPMTC、エルゴタミン、エトポシド、エトレチナート、フェンレチニド、藤沢FR−55704、硝酸ガリウム、ゲンクワダフニン、中外GLA−43、グラクソーGR−63178、グリフォランNMF−5N、ヘキサデシルホスホコリン、ミドリ十字HO−221、ホモハリングトニン、ヒドロキシウレア、BTG・ICRF−187、イルモホシン、イソグルタミン、イソトレチノイン、
【0028】
大塚JI−36、ラモットK−477、大塚K−76COONa、呉羽化学K−AM、MECT・Corp.KI−8110、アメリカンシアナミドL−623、ロイコレグリン、イオニダミン、ルンドベックLU−23−112、リリーLY−186641、NCI(US)MAP、マリシン、メレルダウMDL−27048、メドコMEDR−340、メルバロン、メロシアニン誘導体、メチルアニリノアクリジン、モレキュラージェネティックスMGI−136、ミナクチビン、ミトナフィド、ミトキドン、モピダモール、モトレチニド、全薬工業MST−16、N−(レチノイル)アミノ酸、日清製粉N−021、N−アシル化デヒドロアラニン、ナファザトロム、大正NCU−190、ノコダゾール誘導体、ノルモサング、NCI・NSC−145813、NCI・NSC−361456、NCI・NSC−604782、NCI・NSC−95580、オクトレオチド、小野ONO−112、オキザノシン、アクゾーOrg−10172、パンクラチスタチン、パゼリプチン、ワーナー−ランバートPD−111707、ワーナー−ランバートPD−115934、ワーナー−ランバートPD−131141、ピエールファブレPE−1001、ICRTペプチドD、ピロキサントロン、ポリヘマトポルフィリン、ポリプレイック・アシッド(polypreic acid)、エファモールポルフィリン、プロビマン、プロカルバジン、プログルミド、インビトロン・プロテアーゼネキシン1、東菱RA−700、ラゾキサン、サッポロビールRBS、レストリクチン−P、レテリプチン、レチノイン酸、ローンプーランRP−49532、ローンプーランRP−56976、スミスクラインSK&F−104864、住友SM−108、クラレSMANCS、シーファームSP10094、スパトール、スピロシクロプロパン誘導体、スピロゲルマニウム、ユニメド、エスエス製薬SS−554、ストリポルジノン、スチポリジオン、サントリーSUN0237、サントリーSUN2071、スーパーオキシドジスムターゼ、富山T−506、富山T−680、タキソール、帝人TEI−0303、テニポシド、タリブラスチン、イーストマンコダックTJB−29、トコトリエノール、トポスチン、帝人TT−82、協和醗酵UCN−01、協和醗酵UCN−1028、ウクライン、イーストマンコダックUSB−006、硫酸ビンブラスチン、ビンクリスチン、ビンデシン、ビンストラミド、ビノレルビン、ビントリプトール、ビンゾリジン、ウイタノリド、山之内YM−534、ウログアニリン、コンブレタスタチン、ドラスタチン、イダルビシン、エピルビシン、エストラムスチン、シクロホスファミド、9−アミノ−2−(S)−カンプトテシン、トポテカン、イリノテカン(カンプトサール)、エクゼメスタン、デカペプチール(トリプトレリン)、又はω−3脂肪酸。
【0029】
本発明の化合物との併用療法において使用し得る放射線防護剤の例としては、AD−5、アドクノン、アミフォスチン誘導体、デトックス、ジメスナ、I−102、MM−159、N−アシル化デヒドロアラニン、TGFジェネンテック、チプロチモド、アミフォスチン、WR−151327、FUT−187、経皮ケトプロフェン、ナブメトン、スーパーオキシドジスムターゼ(カイロン)及びスーパーオキシドジスムターゼ・エンゾンが挙げられる。
【0030】
本発明の化合物は、又、血管形成関連障害又は状態、例えば、腫瘍増殖、転移、黄斑変性症及びアテローム性動脈硬化症の治療及び予防において有用であり得る。
更なる実施態様において、本発明は、又、緑内障のような眼科疾患又は状態の治療又は
予防のための治療的組合せを提供する。例えば、本発明の化合物は、緑内障に罹患した患者の眼内圧を減少する薬剤との治療的組合せにおいて有利に使用することができる。そのような眼内圧減少薬は、ラタノプロスト、トラバプロスト、ビマトプロスト又はウノプラストルを包含するが、これらに限定されない。本発明の化合物プラス眼内圧減少薬の治療的組み合わせは、それぞれがその効果を異なったメカニズムで影響することによって達成すると信じられるので有用であろう。
【0031】
本発明の別の組み合わせにおいて、本発明の化合物は、ベンゾチエピン又はベンゾチアゼピン抗高脂血症薬のような抗高脂血症薬、又はコレステロール低下薬との治療的組み合わせにおいて使用することができる。本発明の治療的組み合わせにおいて有用なベンゾチエピン抗高脂血症薬の例としては、参照することによって本明細書にとり入れられている米国特許第5,994,391号に見出すことができる。いくつかのベンゾチアゼピン抗高脂血症薬は、PCT公開特許第WO93/16055号に記載されている。又、本発明の化合物との組み合わせにおいて有用な抗高脂血症薬又はコレステロール低下薬は、HMGCo−Aレダクターゼ阻害薬であり得る。本発明の治療的組み合わせにおいて有用なHMGCo−Aレダクターゼ阻害剤の例は、個々に、ベンフルオレックス、フルバスタチン、ロバスタチン、プラバスタチン、シンバスタチン、アトルバスタチン、セリバスタチン、ベルバスタチン、ZD−9720(PCT公開特許第WO97/06802号に記載されている)、ZD−4522(CAS番号:147098−20−2(カルシウム塩)、CAS番号:147098−18−8(ナトリウム塩);ヨーロッパ特許第521471号に記載されている)、BMS180431(CAS番号129829−03−4)、又はNK−104(CAS番号141750−63−2)を包含する。本発明の化合物プラス抗高脂血症薬又はコレステロール低下薬の治療的組み合わせは、例えば、血管においてアテローム硬化性病変の形成のリスクを減少するのに有用であり得る。例えば、アテローム硬化性病変は、しばしば、血管の炎症部位に発症する。抗高脂血症薬又はコレステロール低下薬は、血中の脂質レベルを低下させることによってアテローム硬化性病変の形成のリスクを減少することが立証されている。本発明を単一の作用メカニズムに限定することなく、一つの方法として、組み合わせた化合物が共同して、例えば、血液脂質レベルの低下に合わせて血管の炎症を減少することによって、アテローム硬化性病変の改善された制御を提供するよう働くのであろうと信じられている。
【0032】
本発明の別の実施態様において、本発明の化合物は、偏頭痛のような中枢神経状態又は障害を治療するための、別の化合物又は療法と組み合わせて使用することができる。例えば、本発明の化合物は、カフェイン、5−HT−1B/1D作動薬(例えば、スマトリプタン、ナラトリプタン、ゾルミトリプタン、リザトリプタン、アルモトリプタン、又はフロバトリプタンのようなトリプタン)、ドパミンD4拮抗薬(例えば、ソネピプラゾール)、アスピリン、アセトアミノフェン、イブプロフェン、インドメタシン、ナプロキセンナトリウム、イソメテプテン、ジクロラールフェナゾン、ブタルビタール、エルゴットアルカロイド(例えば、エルゴタミン、ジヒドロエルゴタミン、ブロモクリプチン、エルゴノビン、又はメチルエルゴノビン)、三環系抗うつ薬(例えば、アミトリプチリン又はノルトリプチリン)、セロトニン拮抗薬(例えば、メチセルギド又はシプロヘプタジン)、β-アドレナリン拮抗薬(例えば、プロプラノロール、チモロール、アテノロール、ナドロール、又はメトプロロール)、又はモノアミンオキシダーゼ阻害薬(例えば、フェニルジン又はイソカルボキサジド)との治療的組み合わせにおいて使用することができる。
【0033】
本発明は、他のキナーゼを越えてIKK−2を選択的に阻害する化合物を包含する。そのような他のキナーゼは、限定されないが、Abl(h)、Abl(T315I)、AMPK、オーロラA、BTK、CaMKII、CaMKIV、CDK1/サイクリンB、CDK2、CDK2/サイクリンA、CDK2/サイクリンE、CHK1、CHK2、CK1、CK1(y)、CK1δ、CK2、c−RAF(h)、CSK、cSRC(h)、
DYRK1a、ERK2、Fyn、GSK3β、IGF−1R、IKK1、Ikki、IKK2(h)、JNK/SAPK1c、JNK1、JNK1α1(h)、JNK2、JNK2α2(h)、JNK3、Lck、MAPK1(h)、MAPK2(h)、MAPK2/ERK2、MAPKAP−K1a、MAPKAP−K2、MEK1、MK−2、MK−3、MKK1、MKK4、MKK6 MKK7、MKK7β(h)、MNK、MRSK2/APKAPk1b、MSK、MSK1、NEK2a、NEK6、p38α、p38β、p38δ、p38γ、p70S6K、PAK2、PDGFRβ、PDK1、PHK、PKA、PKBΔph、PKCζ、PKCα、PKCγ、PKCδ、PKCε、PRAK、ROCK−II、Rsk1、Rsk2、RSKB、SAPK2a/p38、SAPK2b、SAPK2b/p38β2、SAPK3、SAPK3/p38g、SAPK4、SAPK4/p38d、SGK、TBK−1、及びZAP−70を包含する。本化合物は、約10μM未満、好ましくは約1μM未満のIKK−2IC50を有し、少なくとも50、又は少なくとも100のIKK−1阻害を越えるIKK−2阻害の選択度比を有する。化合物は、10μMを越える、又は100μMを越えるIKK−1IC50を有する。
【0034】
好ましい一つの実施態様において、式Iの化合物は:
a及びRcは、ヒドリド、ヒドロキシル、C1-6アルコキシ、C1-6アルキル、C1-6ハロアルキル、C3-12アリール及び3から12員環ヘテロアリールから成るグループから独立に選択され;
bは、C3-12シクロアルキル、C3-12シクロアルケニル、C3-12アリール、3から12員環ヘテロシクロアルキル、3から12員環ヘテロシクロアルケニル及び3から12員環ヘテロアリールから成るグループから選択される3から12員環部分構造であり、ここで、Rbは、R2、C3-12シクロアルキル及びC4-18シクロアルキルアルキルから成るグループから選択される1つ又はそれ以上の置換基で場合により置換され;
dは、−(CH2qNH2、−(CH2qNHR2、及び炭素、窒素から成るグループから選択される環構成員を有する5から7員環ヘテロシクロアルキルから選択され、ここで、該ヘテロシクロアルキルは、R2から成るグループから選択される1つ又はそれ以上の置換基で場合により置換されてもよく;
2は、ハロ、C1-6アルキルスルフィニル、C1-6アルキルスルホニル、シアノ、C2-7アルコキシカルボニル、C1-6アルキル、C1-6ハロアルキル、C1-6ヒドロキシアルキル、C1-6ハロアルコキシ、ニトロ、C2-10アシルアミノ、R7、−OR3、−(CH2mOR3、−(CH2pCO23、−SR3、−SO2N(R4a)R4b、−NR5a5b、−NR5aCOR5b、−NR5aCO(OR5b)、−NR5aSO26、−NR5aSO2N(R6a)R6b、−NR5aCON(R6a)R6b、−COR5a及び−CON(R4a)R4bから成るグループから選択され;
【0035】
3、R4a及びR4bは、ヒドリド、C3-12アリール、3から12員環ヘテロアリール、4から18員環ヘテロアラルキル、C1-6アルキル、C1-6ハロアルキル、C2-6アルケニル、C2-6アルキニル、C1-6ヒドロキシアルキル、C1-6アミノアルキル、C2-12アルキルアミノアルキル、N,N−ジ(C1-6アルキル)アミノ(C1-6アルキル)、C1-6アルコキシ、C2-12アルコキシアルキル、3から12員環ヘテロシクロアルキル、3から12員環ヘテロシクロアルケニル、C3-12シクロアルキル、C4-18シクロアルキルアルキル、C4-18アラルキル及びC4-18アラルキルアミノから成るグループから独立に選択され、ここで、該アリールは、C1-6アルキル、C1-6アミノアルキル、C1-6アルコキシ及びハロから成るグループから選択される1つ又はそれ以上の基で場合により置換され、R4a及びR4bは一緒になって、S、SO、SO2、O、N及びNR5aから選択される1〜3個のヘテロ原子を有する3〜7員環の複素環を形成してもよく;
【0036】
5a及びR5bは、ヒドリド、C1-6アルキル、C3-12アリール、3から12員環ヘテロアリール、C4-18アラルキル、3から12員環ヘテロシクロアルケニル、C3-12シクロア
ルキル、3から12員環ヘテロシクロアルキル、C1-6ハロアルキル、C4-18アラルキルアミノ、アミノ、C1-6アミノアルキル、C2-10アミノアシル、ニトロ、アジド及び4から18員環ヘテロアラルキルから成るグループから独立に選択され、ここで、該アルキル、アリール、ヘテロアリール、アミノアルキル及びアラルキル部分構造は、C1-6アルキルスルホンアミド、スルファミル、C1-6アルキル、C1-6アルキルチオ、C1-6アルキルスルフィニル、C1-6アルキルスルホニル、N−(C1-6アルキル)アミノ、C1-6アミノアルキル、C2-12アルキルアミノアルキル、C1-6アルコキシ、ハロ、C2-10アシルオキシ、オキシ、ホルミル、C1-6ハロアルキル、シアノ、C1-6ハロアルコキシ、C2-10アシル、カルボキシル、ヒドロキシ、C1-6ヒドロキシアルコキシ、フェノキシ、ニトロ、アジド、ベンジルオキシ、N,N−ジ(C1-6アルキル)アミノ(C2-10アシル)、C1-6チオアルキル、C2-10アミノアシルオキシ、チオシアナト、イソチオシアナト、C1-6アルキルジオキシ、C1-6ヒドロキシアルキル、N−(C1-6アルキル)アミノ、C2-7アルコキシカルボニル,C2-12アルコキシアルキル、C2-6アルケニルアミノ、C2-6アルキニルアミノ、C2-6アルケニル、C2-6アルキニル、N,N−ジ(C1-6アルキル)アミノ(C1-6アルコキシ)、3から12員環ヘテロシクロアルケニル、3〜12員環ヘテロシクロアルキル及び3から12員環ヘテロアリールから成るグループから選択される1つ又はそれ以上の置換基で場合により置換され;
【0037】
6a及びR6bは、ヒドリド、C1-6アルキル、3から12員環ヘテロアリール、3から12員環ヘテロシクロアルケニル、C1-6ハロアルキル、C4-18アラルキルアミノ、4から18員環ヘテロアラルキル、C3-12アリール及びC4-18アラルキルから成るグループから独立に選択され、ここで、該アリール、ヘテロアリール、ヘテロシクロアルケニル及びアラルキル部分構造は、C1-6アルキル、C1-6アルコキシ、ハロ、C1-6ハロアルキル、シアノ、C1-6ハロアルコキシ、C2-10アシル、カルボキシル、ヒドロキシ、C1-6ヒドロキシアルコキシ、フェノキシ、ベンジルオキシ、N,N−ジ(C1-6アルキル)アミノ(C1-6アルコキシ、3から12員環ヘテロシクロアルケニル、3から12員環ヘテロシクロアルキル及び3から12員環ヘテロアリールから選択される1つ又はそれ以上の置換基で場合により置換され、R6a及びR6bは一緒になって、S、SO、SO2、O、N及びNR5aから選択される1から3個のヘテロ原子を有する3から7員環の複素環を形成してもよく;
7は、C3-12アリール、3から12員環ヘテロシクロアルケニル、3から12員環ヘテロアリール及びC2-6アルケニルから成るグループから選択され、ここで、R7は、R5aから成るグループから選択される1つ又はそれ以上の置換基で場合により置換される;
化合物であり、又は薬学的に許容されるそれらの塩である。
【0038】
特に好ましい一つの実施態様においては、式Iの化合物は:
a及びRcは、ヒドリド、ヒドロキシル、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、ブトキシ、メチル、エチル、プロピル、ブチル、ペンチル、ヘキシル、クロロメチル、ジクロロメチル、トリクロロメチル、フルオロメチル、ジフルオロメチル、トリフルオロメチル、フェニル、ビフェニル、ナフチル、インデニル、ピリジニル、ベンゾチオフェニル、インドリル、イソキノリニル、キノリニル、チエニル、ピロリル、フリル、ピラゾリル、イミダゾリル、イソオキサゾリル、オキサゾリル及びイソインドールジオニルから成るグループから独立に選択され;
bは、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロプロペニル、シクロブテニル、シクロペンテニル、シクロヘキセニル、フェニル、ビフェニル、ナフチル、インデニル、ピペリジニル、ピロリジニル、ピラゾリジニル、イミダゾリジニル、イソオキサゾリジニル、オキサゾリジニル、イソインドリル、ジヒドロインドリル、イソインドリン、ジヒドロチオフェニル、ジヒドロピロリル、ジヒドロフリル、ジヒドロピラゾリル、ジヒドロイミダゾリル、ジヒドロイソオキサゾリル、ジヒドロオキサゾリル、ピリジニル、ベンゾチオフェニル、インドリル、イソキノリニル、キノリニル、チ
エニル、ピロリル、フリル、ピラゾリル、イミダゾリル、イソオキサゾリル、オキサゾリル及びイソインドールジオニルから成るグループから選択される3から12員環部分構造であり、ここで、Rbは、R2、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロプロピルメチル、シクロプロピルエチル、シクロブチルメチル、シクロブチルエチル、シクロペンチルメチル、シクロペンチルエチル、シクロヘキシルメチル及びシクロヘキシルエチルから成るグループから選択される1つ又はそれ以上の置換基で場合により置換され;
【0039】
dは、−(CH2qNH2、−(CH2qNHR2、ピペリジニル、ピロリジニル、ピラゾリジニル及びイミダゾリジニルから成るグループから選択され、ここで、該ピペリジニル、ピロリジニル、ピラゾリジニル又はイミダゾリジニルは、R2から成るグループか
ら選択される1つ又はそれ以上の置換基で場合により置換されてもよく;
2は、クロロ、フルオロ、ブロモ、ヨード、メチルスルフィニル、エチルスルフィニル、プロピルスルフィニル、ブチルスルフィニル、メチルスルホニル、エチルスルホニル、プロピルスルホニル、ブチルスルホニル、シアノ、メトキシカルボニル、エトキシカルボニル、プロポキシカルボニル、ブトキシカルボニル、メチル、エチル、プロピル、ブチル、ペンチル、ヘキシル、クロロメチル、ジクロロメチル、トリクロロメチル、フルオロメチル、ジフルオロメチル、トリフルオロメチル、ヒドロキシメチル、ヒドロキシエチル、ヒドロキシプロピル、ヒドロキシブチル、ヒドロキシペンチル、ヒドロキシヘキシル、クロロメトキシ、ジクロロメトキシ、トリクロロメトキシ、フルオロメトキシ、ジフルオロメトキシ、トリフルオロメトキシ、ニトロ、メチルカルボニルアミノ、エチルカルボニルアミノ、プロピルカルボニルアミノ、ブチルカルボニルアミノ、ペンチルカルボニルアミノ、ヘキシルカルボニルアミノ、フェニルカルボニルアミノ、ベンジルカルボニルアミノ、R7、−OR3、−(CH2mOR3、−(CH2pCO23、−SR3、−SO2N(R4a)R4b、−NR5a5b、−NR5aCOR5b、−NR5aCO(OR5b)、−NR5aSO25b、−NR5aSO2N(R6a)R6b、−NR5aCON(R6a)R6b、−COR5a及び−CON(R4a)R4bから成るグループから選択され;
【0040】
3、R4a及びR4bは、ヒドリド、フェニル、ビフェニル、ナフチル、インデニル、ピリジニル、ベンゾチオフェニル、インドリル、イソキノリニル、キノリニル、チエニル、ピロリル、フリル、ピラゾリル、イミダゾリル、イソオキサゾリル、オキサゾリル、イソインドールジオニル、ピリジニルメチル、ピリジニルエチル、ベンゾチオフェニルメチル、ベンゾチオフェニルエチル、インドリルメチル、インドリルエチル、イソキノリニルメチル、イソキノリニルエチル、キノリニルメチル、キノリニルエチル、チエニルメチル、チエニルエチル、ピロリルメチル、ピロリルエチル、フリルメチル、フリルエチル、ピラゾリルメチル、ピラゾリルエチル、イミダゾリルメチル、イミダゾリルエチル、イソオキサゾリルメチル、イソオキサゾリルエチル、オキサゾリルメチル、オキサゾリルエチル、イソインドールジオニルメチル、イソインドールジオニルエチル、メチル、エチル、プロピル、ブチル、ペンチル、ヘキシル、クロロメチル、ジクロロメチル、トリクロロメチル、フルオロメチル、ジフルオロメチル、トリフルオロメチル、エテニル、プロペニル、ブテニル、ペンテニル、エチニル、プロピニル、ブチニル、ペンチニル、ヒドロキシメチル、ヒドロキシエチル、ヒドロキシプロピル、ヒドロキシブチル、ヒドロキシペンチル、ヒドロキシヘキシル、アミノメチル、アミノエチル、アミノプロピル、アミノブチル、アミノペンチル、アミノヘキシル、メチルアミノメチル、エチルアミノメチル、プロピルアミノメチル、メチルアミノエチル、エチルアミノエチル、プロピルアミノエチル、メチルアミノプロピル、エチルアミノプロピル、プロピルアミノプロピル、メチルアミノブチル、エチルアミノブチル、プロピルアミノブチル、メチルアミノペンチル、エチルアミノペンチル、プロピルアミノペンチル、メチルアミノヘキシル、エチルアミノヘキシル、プロピルアミノヘキシル、N,N−ジメチルアミノメチル、N,N−ジメチルアミノエチル、N−メチル−N−エチルアミノメチル、N−メチル−N−エチルアミノエチル、N−メチル
−N−プロピルアミノメチル、N−メチル−N−プロピルアミノエチル、N,N−ジエチルアミノメチル、N,N−ジエチルアミノエチル、N−エチル−N−プロピルアミノメチル、N−エチル−N−プロピルアミノエチル、N,N−ジプロピルアミノメチル、N,N−ジプロピルアミノエチル、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、ブトキシ、メトキシメチル、メトキシエチル、メトキシプロピル、エトキシメチル、エトキシエチル、エトキシプロピル、プロポキシメチル、プロポキシエチル、プロポキシプロピル、ブトキシメチル、ブトキシエチル、ブトキシプロピル、ピペリジニル、ピロリジニル、ピラゾリジニル、イミダゾリジニル、イソオキサゾリジニル、オキサゾリジニル、イソインドリル、ジヒドロインドリル、イソインドリン、ジヒドロチオフェニル、ジヒドロピロリル、ジヒドロフリル、ジヒドロピラゾリル、ジヒドロイミダゾリル、ジヒドロイソオキサゾリル、ジヒドロオキサゾリル、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロプロピルメチル、シクロプロピルエチル、シクロブチルメチル、シクロブチルエチル、シクロペンチルメチル、シクロペンチルエチル、シクロヘキシルメチル、シクロヘキシルエチル、ベンジル、フェニルエチル、ベンジルアミノ及びフェニルエチルアミノから成るグループから独立に選択され、ここで、該フェニル、ビフェニル、ナフチル又はインデニル部分構造は、メチル、エチル、プロピル、ブチル、ペンチル、ヘキシル、アミノメチル、アミノエチル、アミノプロピル、アミノブチル、アミノペンチル、アミノヘキシル、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、ブトキシ、クロロ、フルオロ、ブロモ及びヨードから成るグループから選択される1つ又はそれ以上の基で場合により置換され、R4a及びR4bは一緒になって、ピペリジニル、ピロリジニル、ピラゾリジニル、イミダゾリジニル、イソオキサゾリジニル、オキサゾリジニル、イソインドリル、ジヒドロインドリル、イソインドリン、ジヒドロチオフェニル、ジヒドロピロリル、ジヒドロフリル、ジヒドロピラゾリル、ジヒドロイミダゾリル、ジヒドロイソオキサゾリル、ジヒドロオキサゾリル、ピリジニル、ベンゾチオフェニル、インドリル、イソキノリニル、キノリニル、チエニル、ピロリル、フリル、ピラゾリル、イミダゾリル、イソオキサゾリル、オキサゾリル及びイソインドールジオニルから成るグループから選択される部分構造を形成してもよく;
【0041】
5a及びR5bは、ヒドリド、メチル、エチル、プロピル、ブチル、ペンチル、ヘキシル、フェニル、ビフェニル、ナフチル、インデニル、ピリジニル、ベンゾチオフェニル、インドリル、イソキノリニル、キノリニル、チエニル、ピロリル、フリル、ピラゾリル、イミダゾリル、イソオキサゾリル、オキサゾリル、イソインドールジオニル、ベンジル、フェニルエチル、イソインドリル、ジヒドロインドリル、イソインドリン、ジヒドロチオフェニル、ジヒドロピロリル、ジヒドロフリル、ジヒドロピラゾリル、ジヒドロイミダゾリル、ジヒドロイソオキサゾリル、ジヒドロオキサゾリル、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、ピペリジニル、ピロリジニル、ピラゾリジニル、イミダゾリジニル、イソオキサゾリジニル、オキサゾリジニル、クロロメチル、ジクロロメチル、トリクロロメチル、フルオロメチ、ジフルオロメチル、トリフルオロメチル、ベンジルアミノ、フェニルエチルアミノ、アミノ、アミノメチル、アミノエチル、アミノプロピル、アミノブチル、アミノペンチル、アミノヘキシル、アミノメチルカルボニル、アミノエチルカルボニル、アミノプロピルカルボニル、アミノブチルカルボニル、アミノペンチルカルボニル、アミノヘキシルカルボニル、アミノフェニルカルボニル、アミノベンジルカルボニル、ニトロ、アジド、ピリジニルメチル、ピリジニルエチル、ベンゾチオフェニルメチル、ベンゾチオフェニルエチル、インドリルメチル、インドリルエチル、イソキノリニルメチル、イソキノリニルエチル、キノリニルメチル、キノリニルエチル、チエニルメチル、チエニルエチル、ピロリルメチル、ピロリルエチル、フリルメチル、フリルエチル、ピラゾリルメチル、ピラゾリルエチル、イミダゾリルメチル、イミダゾリルエチル、イソオキサゾリルメチル、イソオキサゾリルエチル、オキサゾリルメチル、オキサゾリルエチル、イソインドールジオニルメチル及びイソインドールジオニルエチルから成るグループから独立に選択され、
【0042】
ここで、該メチル、エチル、プロピル、ブチル、ペンチル、ヘキシル、フェニル、ビフェニル、ナフチル、インデニル、ピリジニル、ベンゾチオフェニル、インドリル、イソキノリニル、キノリニル、チエニル、ピロリル、フリル、ピラゾリル、イミダゾリル、イソオキサゾリル、オキサゾリル、イソインドールジオニル、アミノメチル、アミノエチル、アミノプロピル、アミノブチル、アミノペンチル、アミノヘキシル、ベンジル及びフェニルエチル部分構造は、メチルスルホンアミド、エチルスルホンアミド、プロピルスルホンアミド、ブチルスルホンアミド、スルファミル、メチル、エチル、プロピル、ブチル、ペンチル、ヘキシル、メチルチオ、エチルチオ、プロピルチオ、ブチルチオ、メチルスルフィニル、エチルスルフィニル、プロピルスルフィニル、ブチルスルフィニル、メチルスルホニル、エチルスルホニル、プロピルスルホニル、ブチルスルホニル、N−メチルアミノ、N−エチルアミノ、N−プロピルアミノ、アミノメチル、アミノエチル、アミノプロピル、アミノブチル、アミノペンチル、アミノヘキシル、メチルアミノメチル、エチルアミノメチル、プロピルアミノメチル、メチルアミノエチル、エチルアミノエチル、プロピルアミノエチル、メチルアミノプロピル、エチルアミノプロピル、プロピルアミノプロピル、メチルアミノブチル、エチルアミノブチル、プロピルアミノブチル、メチルアミノペンチル、エチルアミノペンチル、プロピルアミノペンチル、メチルアミノヘキシル、エチルアミノヘキシル、プロピルアミノヘキシル、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、ブトキシ、クロロ、フルオロ、ブロモ、ヨード、アシルオキシ、オキシ、ホルミル、クロロメチル、ジクロロメチル、トリクロロメチル、フルオロメチル、ジフルオロメチル、トリフルオロメチル、シアノ、クロロメトキシ、ジクロロメトキシ、トリクロロメトキシ、フルオロメトキシ、ジフルオロメトキシ、トリフルオロメトキシ、メチルカルボニル、エチルカルボニル、プロピルカルボニル、ブチルカルボニル、ペンチルカルボニル、ヘキシルカルボニル、フェニルカルボニル、ベンジルカルボニル、カルボキシル、ヒドロキシ、ヒドロキシメトキシ、ヒドロキシエトキシ、ヒドロキシプロポキシ、ヒドロキシブトキシ、フェノキシ、ニトロ、アジド、ベンジルオキシ、N,N−ジメチルアミノメチルカルボニル、N,N−ジメチルアミノエチルカルボニル、N,N−ジメチルアミノフェニルカルボニル、N−メチル−N−エチルアミノメチルカルボニル、N−メチル−N−エチルアミノエチルカルボニル、N−メチル−N−エチルアミノフェニルカルボニル、N−メチル−N−プロピルアミノメチルカルボニル、N−メチル−N−プロピルアミノエチルカルボニル、N−メチル−N−プロピルアミノフェニルカルボニル、N,N−ジエチルアミノメチルカルボニル、N,N−ジエチルアミノエチルカルボニル、N,N−ジエチルアミノフェニルカルボニル、N−エチル−N−プロピルアミノメチルカルボニル、N−エチル−N−プロピルアミノエチルカルボニル、N−エチル−N−プロピルアミノフェニルカルボニル、N,N−ジプロピルアミノメチルカルボニル、N,N−ジプロピルアミノエチルカルボニル、N,N−ジプロピルアミノフェニルカルボニル、チオメチル、チオエチル、チオプロピル、チオブチル、チオペンチル、チオヘキシル、アミノメチルカルボニルオキシ、アミノエチルカルボニルオキシ、アミノプロピルカルボニルオキシ、アミノブチルカルボニルオキシ、アミノペンチルカルボニルオキシ、アミノヘキシルカルボニルオキシ、アミノフェニルカルボニルオキシ、アミノベンジルカルボニルオキシ、チオシアナト、イソチオシアナト、メチルジオキシ、エチルジオキシ、プロピルジオキシ、ブチルジオキシ、ペンチルジオキシ、ヘキシルジオキシ、ヒドロキシメチル、ヒドロキシエチル、ヒドロキシプロピル、ヒドロキシブチル、ヒドロキシペンチル、ヒドロキシヘキシル、N−メチルアミノ、N−エチルアミノ、N−プロピルアミノ、メトキシカルボニル、エトキシカルボニル、プロポキシカルボニル、ブトキシカルボニル、メトキシメチル、メトキシエチル、メトキシプロピル、エトキシメチル、エトキシエチル、エトキシプロピル、プロポキシメチル、プロポキシエチル、プロポキシプロピル、ブトキシメチル、ブトキシエチル、ブトキシプロピル、エテニルアミノ、プロペニルアミノ、ブテニルアミノ、ペンテニルアミノ、エチニルアミノ、プロピニルアミノ、ブチニルアミノ、ペンチニルアミノ、エテニル、プロペニル、ブテニル、ペンテニル、エチニル、プロピニル、ブチニル、ペンチニル、N,N−ジメチルアミノメトキシ、N,N−ジメチルアミノエトキシ、N−メチル−N−エチルアミノメトキシ、N−メチル−N−エチルアミノエトキシ、N−メチル−N−プロピルアミノメトキシ、N−メチル−N−プロピルアミノエトキシ、N,N−ジエチルアミノメトキシ、N,N−ジエチルアミノエトキシ、N−エチル−N−プロピルアミノメトキシ、N−エチル−N−プロピルアミノエトキシ、N,N−ジプロピルアミノメトキシ、N,N−ジプロピルアミノエトキシ、ピペリジニル、ピロリジニル、ピラゾリジニル、イミダゾリジニル、イソオキサゾリジニル、オキサゾリジニル、イソインドリル、ジヒドロインドリル、イソインドリン、ジヒドロチオフェニル、ジヒドロピロリル、ジヒドロフリル、ジヒドロピラゾリル、ジヒドロイミダゾリル、ジヒドロイソオキサゾリル、ジヒドロオキサゾリル、ピリジニル、ベンゾチオフェニル、インドリル、イソキノリニル、キノリニル、チエニル、ピロリル、フリル、ピラゾリル、イミダゾリル、イソオキサゾリル、オキサゾリル及びイソインドールジオニルから成るグループから選択される1つ又はそれ以上の置換基で場合により置換され;
【0043】
6a及びR6bは、ヒドリド、メチル、エチル、プロピル、ブチル、ペンチル、ヘキシル、ピリジニル、ベンゾチオフェニル、インドリル、イソキノリニル、キノリニル、チエニル、ピロリル、フリル、ピラゾリル、イミダゾリル、イソオキサゾリル、オキサゾリル、イソインドールジオニル、イソインドリル、ジヒドロインドリル、イソインドリン、ジヒドロチオフェニル、ジヒドロピロリル、ジヒドロフリル、ジヒドロピラゾリル、ジヒドロイミダゾリル、ジヒドロイソオキサゾリル、ジヒドロオキサゾリル、クロロメチル、ジクロロメチル、トリクロロメチル、フルオロメチル、ジフルオロメチル、トリフルオロメチル、ベンジルアミノ、フェニルエチルアミノ、ピリジニルメチル、ピリジニルエチル、ベンゾチオフェニルメチル、ベンゾチオフェニルエチル、インドリルメチル、インドリルエチル、イソキノリニルメチル、イソキノリニルエチル、キノリニルメチル、キノリニルエチル、チエニルメチル、チエニルエチル、ピロリルメチル、ピロリルエチル、フリルメチル、フリルエチル、ピラゾリルメチル、ピラゾリルエチル、イミダゾリルメチル、イミダゾリルエチル、イソオキサゾリルメチル、イソオキサゾリルエチル、オキサゾリルメチル、オキサゾリルエチル、イソオキサゾリルエチル、イソインドールジオニルメチル、イソインドールジオニルエチル、フェニル、ビフェニル、ナフチル、インデニル、ベンジル及びフェニルエチルから成るグループから独立に選択され、ここで、該フェニル、ビフェニル、ナフチル、インデニル、ピリジニル、ベンゾチオフェニル、インドリル、イソキノリニル、キノリニル、チエニル、ピロリル、フリル、ピラゾリル、イミダゾリル、イソオキサゾリル、オキサゾリル、イソインドールジオニル、イソインドリル、ジヒドロインドリル、イソインドリン、ジヒドロチオフェニル、ジヒドロピロリル、ジヒドロフリル、ジヒドロピラゾリル、ジヒドロイミダゾリル、ジヒドロイソオキサゾリル、ジヒドロオキサゾリル、ベンジル及びフェニルエチル部分構造は、メチル、エチル、プロピル、ブチル、ペンチル、ヘキシル、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、ブトキシ、クロロ、フルオロ、ブロモ、ヨード、クロロメチル、ジクロロメチル、トリクロロメチル、フルオロメチル、ジフルオロメチル、トリフルオロメチル、シアノ、クロロメトキシ、ジクロロメトキシ、トリクロロメトキシ、フルオロメトキシ、ジフルオロメトキシ、トリフルオロメトキシ、メチルカルボニル、エチルカルボニル、プロピルカルボニル、ブチルカルボニル、ペンチルカルボニル、ヘキシルカルボニル、フェニルカルボニル、ベンジルカルボニル、カルボキシル、ヒドロキシ、ヒドロキシメトキシ、ヒドロキシエトキシ、ヒドロキシプロポキシ、ヒドロキシブトキシ、フェノキシ、ベンジルオキシ、N,N−ジメチルアミノメトキシ、N,N−ジメチルアミノエトキシ、N−メチル−N−エチルアミノメトキシ、N−メチル−N−エチルアミノエトキシ、N−メチル−N−プロピルアミノメトキシ、N−メチル−N−プロピルアミノエトキシ、N,N−ジエチルアミノメトキシ、N,N−ジエチルアミノエトキシ、N−エチル−N−プロピルアミノメトキシ、N−エチル−N−プロピルアミノエトキシ、N,N−ジプロピルアミノメトキシ、N,N−ジプロピルアミノエトキシ、ピペリジニル、ピロリジニル、ピラゾリジニル、イミダゾリジニル、イソオキサゾリジニル、オキサゾリジニル、イソインドリル、ジヒドロインドリル、イソインドリン、ジヒドロチオフェニル、ジヒドロピロリル、ジヒドロフリル、ジヒドロピラゾリル、ジヒドロイミダゾリル、ジヒドロイソオキサゾリル、ジヒドロオキサゾリル、ピリジニル、ベンゾチオフェニル、インドリル、イソキノリニル、キノリニル、チエニル、ピロリル、フリル、ピラゾリル、イミダゾリル、イソオキサゾリル、オキサゾリル及びイソインドールジオニルから成るグループから選択される1つ又はそれ以上の基で場合により置換され、R6a及びR6bは一緒になって、ピペリジニル、ピロリジニル、ピラゾリジニル、イミダゾリジニル、イソオキサゾリジニル、オキサゾリジニル、イソインドリル、ジヒドロインドリル、イソインドリン、ジヒドロチオフェニル、ジヒドロピロリル、ジヒドロフリル、ジヒドロピラゾリル、ジヒドロイミダゾリル、ジヒドロイソオキサゾリル、ジヒドロオキサゾリル、ピリジニル、ベンゾチオフェニル、インドリル、イソキノリニル、キノリニル、チエニル、ピロリル、フリル、ピラゾリル、イミダゾリル、イソオキサゾリル、オキサゾリル及びイソインドールジオニルから成るグループから選択される部分構造を形成してもよく;
【0044】
7は、フェニル、ビフェニル、ナフチル、インデニル、イソインドリル、ジヒドロイ
ンドリル、イソインドリン、ジヒドロチオフェニル、ジヒドロピロリル、ジヒドロフリル、ジヒドロピラゾリル、ジヒドロイミダゾリル、ジヒドロイソオキサゾリル、ジヒドロオキサゾリル、ピリジニル、ベンゾチオフェニル、インドリル、イソキノリニル、キノリニル、チエニル、ピロリル、フリル、ピラゾリル、イミダゾリル、イソオキサゾリル、オキサゾリル、イソインドールジオニル、エテニル、プロペニル、ブテニル及びペンテニルから成るグループから選択され、
7は、R5aから成るグループから選択される1つ又はそれ以上の置換基で場合により置換される;
化合物であり、又は薬学的に許容されるそれらの塩である。
【0045】
特に好ましい実施態様においては、式Iの化合物は、式II:
【化3】

[式中、
sは、1、2又は3であり;
1は、ヒドリド、−OR3、C1-6アルキル、C5-7シクロアルキル、ベンジル、−CH2(C3-7シクロアルキル)、アリール、ハロ、ヘテロシクロアルキル、ヘテロシクロアルケニル及びヘテロアリールから成るグループから選択され;
3は、ヒドリド、C1-6アルキル、C5-7シクロアルキル、ベンジル、−CH2(C3-7シクロアルキル)、及びアリールから成るグループから選択される]
で表される化合物、又は薬学的に許容されるそれらの塩である。
【0046】
好ましい一つの実施例態様において、式IIの化合物は:
1が、ヒドリド、−OR3、C1-6アルキル、C5-7シクロアルキル、ベンジル、−CH2(C3-7シクロアルキル)、C3-12アリール、ハロ、3〜12員環ヘテロシクロアルキル、3〜12員環ヘテロシクロアルケニル及び3〜12員環ヘテロアリールから成るグループから選択され、ここで、R3は、ヒドリド、C1-6アルキル、C5-7シクロアルキル、ベンジル、−CH2(C3-7シクロアルキル)及びC3-12アリールから成るグループから選択される;
化合物であり、又は薬学的に許容されるそれらの塩である。
【0047】
特に好ましい一つの実施態様において、式IIの化合物は:
1は、ヒドリド、−OR3、メチル、エチル、プロピル、ブチル、ペンチル、ヘキシル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル、ベンジル、メチルシクロプロピル、メチルシクロブチル、メチルシクロペンチル、メチルシクロヘキシル、フェニル、ビフェニル、ナフチル、インデニル、クロロ、フルオロ、ブロモ、ヨード、ピペリジニル、ピロリジニル、ピラゾリジニル、イミダゾリジニル、イソオキサゾリジニル、オキサゾリジニル、イソインドリル、ジヒドロインドリル、イソインドリン、ジヒドロチオフェニル、ジヒドロピロリル、ジヒドロフリル、ジヒドロピラゾリル、ジヒドロイミダゾリル、ジヒドロイソオキサゾリル、ジヒドロオキサゾリル、ピリジニル、ベンゾチオフェニル、インドリル、イソキノリニル、キノリニル、チエニル、ピロリル、フリル、ピラゾリル、イミダゾリル、イソオキサゾリル、オキサゾリル及びイソインドールジオニルから成るグループから選択され;そして、
3は、ヒドリド、メチル、エチル、プロピル、ブチル、ペンチル、ヘキシル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル、ベンジル、メチルシクロプロピル、メチルシクロブチル、メチルシクロペンチル、メチルシクロヘキシル、フェニル、ビフェニル、ナフチル及びインデニルから成るグループから選択される;
化合物であり、又は薬学的に許容されるそれらの塩である。
【0048】
特に好ましい実施態様において、式Iの化合物は、式III:
【化4】

[式中、
sは、1、2又は3であり;
1は、ヒドリド、−OR3、C1-6アルキル、C5-7シクロアルキル、ベンジル、−CH2(C3-7シクロアルキル)、アリール、ハロ、ヘテロシクロアルキル、ヘテロシクロアルケニル及びヘテロアリールから成るグループから選択され;
2は、ヒドリド又はC1-6アルキルであり;
3は、C1-6アルキル、C5-7シクロアルキル、ベンジル、−CH2(C3-7シクロアルキル)及びアリールから成るグループから選択され;そして、
8は、C1-6アルキル、C5-7シクロアルキル、ベンジル及び−CH2(C3-7シクロアルキル)から成るグループから選択される]
で表される化合物であり、又は薬学的に許容されるそれらの塩である。
【0049】
好ましい一つの実施態様において、式IIIの化合物は:
1は、ヒドリド、−OR3、C1-6アルキル、C5-7シクロアルキル、ベンジル、−CH2(C3-7シクロアルキル)、C3-12アリール、ハロ、3から12員環ヘテロシクロアルキル、3から12員環ヘテロシクロアルケニル及び3から12員環ヘテロアリールから成るグループから選択され;
2は、ヒドリド又はC1-6アルキルであり;
3は、C1-6アルキル、C5-7シクロアルキル、ベンジル、−CH2(C3-7シクロアルキル)及びC3-12アリールから成るグループから選択され;
8は、C1-6アルキル、C5-7シクロアルキル、ベンジル及び−CH2(C3-7シクロアルキル)から選択される;
化合物であり、又は薬学的に許容されるそれらの塩である。
【0050】
特に好ましい一つの実施態様において、式IIIの化合物は:
1は、ヒドリド、−OR3、メチル、エチル、プロピル、ブチル、ペンチル、ヘキシル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル、ベンジル、メチルシクロプロピル、メチルシクロブチル、メチルシクロペンチル、メチルシクロヘキシル、フェニル、ビフェニル、ナフチル、インデニル、クロロ、フルオロ、ブロモ、ヨード、ピペリジニル、ピロリジニル、ピラゾリジニル、イミダゾリジニル、イソオキサゾリジニル、オキサゾリジニル、イソインドリル、ジヒドロインドリル、イソインドリン、ジヒドロチオフェニル、ジヒドロピロリル、ジヒドロフリル、ジヒドロピラゾリル、ジヒドロイミダゾリル、ジヒドロイソオキサゾリル、ジヒドロオキサゾリル、ピリジニル、ベンゾチオフェニル、インドリル、イソキノリニル、キノリニル、チエニル、ピロリル、フリル、ピラゾリル、イミダゾリル、イソオキサゾリル、オキサゾリル及びイソインドールジオニルから成るグループから選択され;
2は、ヒドリド、メチル、エチル、プロピル、ブチル、ペンチル及びヘキシルから成るグループから選択され;
3は、メチル、エチル、プロピル、ブチル、ペンチル、ヘキシル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル、ベンジル、メチルシクロプロピル、メチルシクロブチル、メチルシクロペンチル、メチルシクロヘキシル、フェニル、ビフェニル、ナフチル及びインデニルから成るグループから選択され;そして、
8は、メチル、エチル、プロピル、ブチル、ペンチル、ヘキシル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル、ベンジル、メチルシクロプロピル、メチルシクロブチル、メチルシクロペンチル及びメチルシクロヘキシルから成るグループから選択される;化合物であり、又は薬学的に許容されるそれらの塩である。
【0051】
特に好ましい別の実施態様において、式Iの化合物は、式IV:
【化5】

[式中、
sは、1、2又は3であり;そして
3は、ヒドリド、C1-6アルキル、C5-7シクロアルキル、ベンジル及び−CH2(C3-7シクロアルキル)から成るグループから選択される]
で表される化合物であり、又は薬学的に許容されるそれらの塩である。
【0052】
特に好ましい一つの実施態様において、式IVの化合物は:
3は、ヒドリド、メチル、エチル、プロピル、ブチル、ペンチル、ヘキシル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル、ベンジル、メチルシクロプロピル、メチルシクロブチル、メチルシクロペンチル及びメチルシクロヘキシルから成るグループから選択される;
化合物であり、又は薬学的に許容されるそれらの塩である。
【0053】
特に好ましい別の実施態様において、式Iの化合物は、式V:
【化6】

[式中、
sは、1、2又は3であり;
1は、ヒドリド、−OR3、C1-6アルキル、C5-7シクロアルキル、ベンジル、−CH2(C3-7シクロアルキル)、アリール、ハロ、ヘテロシクロアルキル、ヘテロシクロアルケニル及びヘテロアリールから成るグループから選択され;そして
3は、C1-6アルキル、C5-7シクロアルキル、ベンジル、−CH2(C3-7シクロアルキル)及びアリールから成るグループから選択される]
で表される化合物であり、又は薬学的に許容されるそれらの塩である。
【0054】
好ましい一つの実施態様において、式Vの化合物は:
1は、ヒドリド、−OR3、C1-6アルキル、C5-7シクロアルキル、ベンジル、−CH2(C3-7シクロアルキル)、C3-12アリール、ハロ、3から12員環ヘテロシクロアルキル、3から12員環ヘテロシクロアルケニル及び3から12員環ヘテロアリールから成るグループから選択され;そして、
3は、C1-6アルキル、C5-7シクロアルキル、ベンジル、−CH2(C3-7シクロアルキル)及びC3-12アリールから成るグループから選択される;
化合物であり、又は薬学的に許容されるそれらの塩である。
【0055】
特に好ましい一つの実施態様において、式Vの化合物は:
1は、ヒドリド、−OR3、メチル、エチル、プロピル、ブチル、ペンチル、ヘキシル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル、ベンジル、メチルシクロプロピル、メチルシクロブチル、メチルシクロペンチル、メチルシクロヘキシル、フェニル、ビフェニル、 ナフチル、インデニル、クロロ、フルオロ、ブロモ、ヨード、ピペリジニル、ピロリジニル、ピラゾリジニル、イミダゾリジニル、イソオキサゾリジニル、オキサゾリジニル、イソインドリル、ジヒドロインドリニル、イソインドリン、ジヒドロチオフェニル、ジヒドロピロリル、ジヒドロフリル、ジヒドロピラゾリル、ジヒドロイミダゾリル、ジヒドロイソオキサゾリル、ジヒドロオキサゾリル、ピリジニル、ベンゾチオフェニル、インドリル、イソキノリニル、キノリニル、チエニル、ピロリル、フリル、ピラゾリル、イミダゾリル、イソオキサゾリル、オキサゾリル及びイソインドールジオニルから成るグループから選択され;そして、
3は、メチル、エチル、プロピル、ブチル、ペンチル、ヘキシル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル、ベンジル、メチルシクロプロピル、メチルシクロブチル、メチルシクロペンチル、メチルシクロヘキシル、フェニルビフェニル、ナフチル及びインデニルから成るグループから選択される;
化合物であり、又は薬学的に許容されるそれらの塩である。
【0056】
特に好ましい別の実施態様において、式Iの化合物は、式VI:
【化7】

[式中、
sは、1、2又は3であり;
1は、ヒドリド、−OR3、−C1-6アルキル、C5-7シクロアルキル、ベンジル、−CH2(C3-7シクロアルキル)、アリール、ハロ、ヘテロシクロアルキル、ヘテロシクロアルケニル及びヘテロアリールから成るグループから選択され;
3は、Cl-6アルキル、C5-7シクロアルキル、ベンジル、−CH2(C3-7シクロアルキル)及びアリールから成るグループから選択され;そして
8は、C1-6アルキル、C5-7シクロアルキル、ベンジル及び−CH2(C3-7シクロアルキル)から成るグループから選択される]
で表される化合物であり、又は薬学的に許容されるそれらの塩である。
【0057】
好ましい一つの実施態様において、式VIの化合物は:
1は、ヒドリド、−OR3、C1-6アルキル、C5-7シクロアルキル、ベンジル、−CH2(C3-7シクロアルキル)、C3-12アリール、ハロ、3〜12員環ヘテロシクロアルキル、3〜12員環ヘテロシクロアルケニル及び3〜12員環ヘテロアリールから成るグループから選択され;
3は、C1-6アルキル、C5-7シクロアルキル、ベンジル、−CH2(C3-7シクロアルキル)及びC3-12アリールから成るグループから選択され;そして、
8は、C1-6アルキル、C5-7シクロアルキル、ベンジル及び−CH2(C3-7シクロアルキル)から成るグループから選択される;
化合物であり、又は薬学的に許容されるそれらの塩である。
【0058】
特に好ましい一つの実施態様において、式VIの化合物は:
1は、ヒドリド、−OR3、メチル、エチル、プロピル、ブチル、ペンチル、ヘキシル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル、ベンジル、メチルシクロプロピル、メチルシクロブチル、メチルシクロペンチル、メチルシクロヘキシル、フェニル、ビフェニル、ナフチル、インデニル、クロロ、フルオロ、ブロモ、ヨード、ピペリジニル、ピロリジニル、ピラゾリジニル、イミダゾリジニル、イソオキサゾリジニル、オキサゾリジニル、イソインドリル、ジヒドロインドリル、イソインドリン、ジヒドロチオフェニル、ジヒドロピロリル、ジヒドロフリル、ジヒドロピラゾリル、ジヒドロイミダゾリル、ジヒドロイソオキサゾリル、ジヒドロオキサゾリル、ピリジニル、ベンゾチオフェニル、インドリル、イソキノリニル、キノリニル、チエニル、ピロリル、フリル、ピラゾリル,イミダゾリル、イソオキサゾリル、オキサゾリル及びイソインドールジオニルから成るグループ選択され;
3は、メチル、エチル、プロピル、ブチル、ペンチル、ヘキシル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル、ベンジル、メチルシクロプロピル、メチルシクロブチル、メチルシクロペンチル、メチルシクロヘキシル、フェニル、ビフェニル、ナフチル及びインデニルから成るグループ選択され;そして、
8は、メチル、エチル、プロピル、ブチル、ペンチル、ヘキシル、シクロペンチル、
シクロヘキシル、シクロヘプチル、ベンジル、メチルシクロプロピル、メチルシクロブチル、メチルシクロペンチル及びメチルシクロヘキシルから成るグループから選択される;
化合物であり、又は薬学的に許容されるそれらの塩である。
【0059】
特に好ましい別の実施態様において、式Iの化合物は、式VII:
【化8】

[式中、
sは、1、2又は3であり;
Xは、O又はSであり;
1は、−(CH2mOR3又は−(CH2pCO23であり;
mは、1、2又は3であり;
pは、0、1又は2であり;そして
3は、ヒドリド又はC1-6アルキルである]
で表される化合物であり、又は薬学的に許容されるそれらの塩である。
【0060】
特に好ましい一つの実施態様において、式VIIの化合物は:
3はヒドリド、メチル、エチル、プロピル、ブチル、ペンチル及びヘキシルから成るグループから選択される;
化合物であり、又は薬学的に許容されるそれらの塩である。
【0061】
特に好ましい実施態様において、式Iの化合物は以下の表1に示す化合物のグ
ループから選択される。
【表1】

【0062】
【表2】

【0063】
【表3】

【0064】
【表4】

【0065】
【表5】

【0066】
【表6】

【0067】
【表7】

【0068】
【表8】

【0069】
【表9】

【0070】
【表10】

【0071】
【表11】

【0072】
【表12】

【0073】
【表13】

【0074】
【表14】

【0075】
【表15】

【0076】
【表16】

【0077】
【表17】

【0078】
定義
用語「ヒドリド」は、1個の水素原子(H)を意味する。このヒドリド基は、例えば、酸素原子に結合してヒドロキシル基を形成し、又は、2つのヒドリド基は、炭素原子に結合してメチレン基(−CH2−)基を形成し得る。
用語「ハロ」は、フッ素、塩素、臭素又はヨウ素の様なハロゲン原子を意味する。
単独で使われるか、又は「アルキルカルボニル」の様な他の用語と一緒に使われる用語「カルボニル」は、−(C=O)−を意味する。
【0079】
単独で使われるか、又は「カルボキシアルキル」の様な他の用語と一緒に使われる用語「カルボキシ」又は「カルボキシル」は、−CO2Hを意味する。
単独で使われるか、又は「アルキルスルホニル」の様な他の用語と一緒に使われる用語「スルホニル」は、2価の−SO2−基を意味する。
【0080】
用語「アミド」は、それ自身で使われるか、又は「アミドアルキル」、「N−モノアルキルアミド」、「N−モノアリールアミド」、「N,N−ジアルキルアミド」、「N−アルキル−N−アリールアミド」、「N−アルキル−N−ヒドロキシアミド」及び「N−アルキル−N−ヒドロキシアミドアルキル」の様な他の用語と一緒に使われる場合、アミノ
基で置換されたカルボニル基を包含する。
【0081】
用語「N−アルキルアミド」及び「N,N−ジアルキルアミド」は、1つのアルキル基及び2つのアルキル基でそれぞれ置換されたアミド基を意味する。
用語「N−モノアリールアミド」及び「N−アルキル−N−アリールアミド」は、1つのアリール基で、並びに1つのアルキル基及び1つのアリール基でそれぞれ置換されたアミド基を意味する。
用語「N−アルキル−N−ヒドロキシアミド」は、ヒドロキシル基及びアルキル基で置換されたアミド基を包含する。
【0082】
用語「スルファミル」又は「スルホンアミジル」は、アミノ基で置換され、スルホンアミド(−SO2NH2)を形成するスルホニル基を意味する。アミノ基は、例えば、アルキル及び/又はアリール部分構造で置換されて、例えば「N−アルキルスルファミル」、「N−アリールスルファミル」、「N,N−ジアルキルスルファミル」及び「N−アルキル−N−アリールスルファミル」基を形成してもよい。
【0083】
用語「アミジノ」は、−C(=NH)NH2基を意味する。
用語「シアノアミジノ」は、−C(=N−CN)NH2基を意味する。
【0084】
単独で、又は、「ハロアルキル」及び「アルキルスルホニル」の様な他の用語の中で使われる用語「アルキル」は、1から約20個の炭素原子を有する直鎖状又は分枝鎖状基を包含する。より好ましくは、1から約8個の炭素原子を有する「低級アルキル」基である。アルキル基の例としては、メチル、エチル、プロピル(n−プロピル及びイソプロピルを含む)、ブチル(n−ブチル、イソブチル、sec−ブチル及びt−ブチルを含む)、ペンチル(n−ペンチル及びイソアミルを含む)、ヘキシル、オクチル等が挙げられる。
【0085】
用語「シクロアルキル」は、3から10個の炭素原子を有する基を包含し、そして、一環、二環、三環の基が挙げられる。シクロアルキル基の例としては、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル、 デカヒドロナフチル、オクタヒドロインジル、オクタヒドロペンタレン、ビシクロ[1.1.0]ブチル、ビシクロ[2.1.0]ペンチル、ビシクロ[1.1.1]ペンチル、ビシクロ[2.1.1]ヘキシル、ビシクロ[2.2.1]ヘプチル、ビシクロ[3.1.1]ヘプチル、ビシクロ[3.2.1]オクチル、ビシクロ[2.2.2]オクチル及びビシクロ[4.2.2]デシルが挙げられる。
【0086】
用語「アルキルカルボニル」は、アルキル基で置換されたカルボニル基を有する基を包含する。アルキルカルボニル基の例としては、アセチルがある。
用語「アルキルチオ」は、2価の硫黄原子に結合した、1から10個の炭素原子を有する直鎖状又は分枝鎖状アルキル基を含む基を包含する。アルキルチオ基の例としては、メチルチオ(CH3S−)がある。
【0087】
用語「アルキルスルフィニル」は、2価の−S(=O)−基に結合した1から10個の炭素原子を有する直鎖状又は分枝鎖状アルキル基を含む基を包含する。アルキルスルフィニル基の例としては、メチルスルフィニル(CH3S(=O)−)がある。
【0088】
用語「アルキルスルホニル」は、2価のスルホニル基、−SO2−に結合した上述の通りに定義されたアルキル基を包含する。
用語「アミドアルキル」は、アミド基で置換されたアルキル基を包含する。
用語「N−アルキル−N−ヒドロキシアミドアルキル」は、N−アルキル−N−ヒドロキシアミド基で置換されたアルキル基を包含する。
用語「アミノアルキル」は、アミノ基で置換されたアルキル基を包含する。
【0089】
用語「カルボキシアルキル」は、アルキル基に結合したカルボキシ部分構造を有する基を包含する。
【0090】
用語「ハロアルキル」は、いずれか1つ又はそれ以上のアルキル炭素原子が、上述の通りに定義されたハロで置換された基を包含する。具体的には、モノハロアルキル、ジハロアルキル及びポリハロアルキル基を包含する。モノハロアルキル基は、一例として、ブロモ、クロロ又はフルオロ原子を基内に有することができる。ジハロアルキル基は、2個の同一のハロ原子又は異なるハロの組み合わせを基内に有することができる。ポリハロアルキル基は、2個以上の同一のハロ原子又は異なるハロ原子の組み合わせを有することができる。
【0091】
用語「ヒドロキシアルキル」は、1から約10個の炭素原子を有し、その何れかが1つ又はそれ以上のヒドロキシル基で置換されてもよい、直鎖状又は分枝鎖状アルキル基を包含する。
用語「N−アルキルアミノ」及び「N,N−ジアルキルアミノ」は、1つのアルキル基及び2つのアルキル基でそれぞれ置換されたアミノ基を意味する。
用語「アルコキシ」は、オキシ含有の1から約10個の炭素原子を有する直鎖状又は分枝鎖状アルキル基を包含する。「アルコキシ」の例としては、メトキシ及びブトキシが挙げられる。
【0092】
用語「アルコキシアルキル」は、1個から約10個の炭素原子をそれぞれ有する1つ又はそれ以上のアルコキシ基で置換された、1個から約10個の炭素原子を有する直鎖状又は分枝鎖状アルキル基を包含する。
【0093】
「アルコキシ」又は「アルコキシアルキル」基は、更に、フルオロ、クロロ又はブロモの様な、1個又はそれ以上のハロ原子で置換されて、「ハロアルコキシ」又は「ハロアルコキシアルキル」基を提供することができる。
用語「アルコキシカルボニル」基は、カルボニル基に酸素原子を経由して結合した、上述の通り定義されたアルコキシ基を含有する基を意味する。その様なアルコキシカルボニル基の例としては、メトキシカルボニル及びt−ブトキシカルボニルが挙げられる。
【0094】
用語「アルコキシカルボニルアルキル」は、上述の通り定義されたアルキル基に置換したアルコキシカルボニル部分構造を有する基を包含する。「アルコキシカルボニルアルキル」基の例としては、メトキシカルボニルエチル(−CH22(O=)COCH3)及びt−ブトキシカルボニルエチル(−(CH22(O=)COC(CH33)が挙げられる。
【0095】
用語「アルキルアミノアルキル」は、窒素原子がアルキル基で置換されているアミノアルキル基を包含する。
用語「アルキルカルボニルアルキル」は、「アルキルカルボニル」基で置換されたアルキル基を意味する。
【0096】
単独で使用されるか、「ハロアルケニル」のような他の用語の中で使用される用語「アルケニル」は、2個から約20個の炭素原子を有し、そして、少なくとも1つの炭素−炭素二重結合を含む不飽和の直鎖状又は分枝鎖状の基を包含する。アルケニル基の例としては、エテニル、プロペニル、ブテニル、ペンテニル等が挙げられる。
【0097】
用語「シクロアルケニル」は、3〜10個の炭素原子を有し、少なくとも1つの炭素−
炭素二重結合を含む不飽和基を含有し、そして、一環、二環及び三環基を包含する。シクロアルケニル基の例としては、シクロプロペニル、シクロブテニル、シクロペンテニル、シクロヘキセニル、シクロヘプテニル、デカヒドロナフテニル、ヘキサヒドロインデニル、ヘキサヒドロペンタレニル、ビシクロ[2.1.0]ペンテニル、ビシクロ[1.1.1]ペンテニル、ビシクロ[2.1.1]ヘキセニル、ビシクロ[2.2.1]ヘプテニル、ビシクロ[3.1.1]ヘプテニル、ビシクロ[3.2.1]オクテニル、ビシクロ[2.2.2]オクテニル及びビシクロ[4.2.2]デセニルが挙げられる。
【0098】
単独で使われるか、「ハロアルキニル」の様な他の用語の中で使われる用語「アルキニル」は、2個から約20個の炭素原子を有し、少なくとも1つの炭素−炭素三重結合を含有する、不飽和の直鎖状又は分枝鎖状の基を包含する。アルキニル基の例としては、エチニル、プロピニル、ブチニル、ペンチニル等が挙げられる。
【0099】
単独で、又は組み合わせた用語「アリール」は、1つ、2つ又は3つの環を有し、ここで、少なくとも1つの環は芳香族であり、そしてその様な環はペンダント状に結合するか、縮合してもよい炭素環式芳香族系を意味する。アリール基の例としては、フェニル、ナフチル、テトラヒドロナフチル、インジル及びビフェニルが挙げられる。アリール部分構造は、単独で、又は組み合わせで、アミノ、ハロ、シアノ、ヒドロキシル、アルキル、アルコキシ及びカルボキシルから成るグループから選択される1つ又はそれ以上の置換基で場合により置換されてもよい。
【0100】
用語「アラルキル」は、ベンジル、ジフェニルメチル、トリフェニルメチル、フェネチル及びジフェネチルの様なアリール置換アルキル基を包含する。
用語「アリールスルホニル」は、スルホニル基に結合した、上述の様に定義したアリール基を包含する。
単独で使われるか、又は「アシルアミノ」の様な用語の中で使われる用語「アシル」は、有機酸からヒドロキシルを除去した後の残基として得られる基を意味する。
用語「アシルアミノ」は、アシル基で置換されたアミノ基を包含する。「アシルアミノ」基の例としては、アセチルアミノ(CH3C(=O)NH−)がある。
【0101】
用語「複素環」又は「ヘテロシクル」は、系内の1つ又はそれ以上の炭素原子が、窒素、硫黄、燐及び/又は酸素で置き換えられた飽和又は不飽和の単環又は多環の炭素環系を意味する。用語「複素環」は、1つ、2つ又は3つの環を含み、少なくとも1つの環が芳香族で、そして、環がペンダント状に結合するか、又は縮合してもよく、そして、系内の1つ又はそれ以上の炭素原子が窒素、硫黄、燐及び/又は酸素で置き換えられた、炭素環式芳香族系を意味する「ヘテロアリール」基を包含する。
【0102】
「複素環」は、例えば、次の様な構造を包含する。
【化9】

式中、Z、Z1、Z2及びZ3は、独立に炭素、硫黄、燐、酸素又は窒素である。ただし、Z、Z1、Z2及びZ3の内の1つは炭素以外の原子であり、別のZ原子に二重結合で結合しているか、又は別の酸素又は硫黄原子に結合している場合、酸素又は硫黄ではない。
更に、Z、Z1、Z2又はZ3が、各々炭素である場合のみ、それらに任意の置換基が結合していると理解される。例えば、用語「ヘテロシクリル」は、以下のグループを包含するが、しかしその定義をこれらのグループのみに限定することを意味するものではない。
【0103】
フラニル、チエニル、ピロリル、2−イソピロリル、3−イソピロリル、ピラゾリル、
2−イソイミダゾリル、1,2,3−トリアゾリル、1,2,4−トリアゾリル、1,2−ジチオリル、1,3−ジチオリル、1,2,3−オキサチオリル、イソオキサゾリル、オキサゾリル、チアゾリル、イソチアゾリル、1,2,3−オキサジアゾリル、1,2,4−オキサジアゾリル、1,2,5−オキサジアゾリル、1,3,4−オキサジアゾリル、1,2,3,4−オキサトリアゾリル、1,2,3,5−オキサトリアゾリル、1,2,3−ジオキサゾリル、1,2,4−ジオキサゾリル、1,3,2−ジオキサゾリル、1,3,4−ジオキサゾリル、1,2,5−オキサチアゾリル、1,3−オキサチオリル、1,2−ピラニル、1,4−ピラニル、1,2−ピラノニル、1,4−ピラノニル、1,2−ジオキシニル、1,3−ジオキシニル、ピリジル、ピリダジル、ピリミジル、ピラジニル、ピペラジル、1,3,5−トリアジニル、1,2,4−トリアジニル、1,2,3−トリアジニル、1,2,4−オキサジニル、1,3,2−オキサジニル、1,3,6−オキサジニル、1,2,6−オキサジニル、1,4−オキサジニル、o−イソオキサジニル、p−イソオキサジニル、1,2,5−オキサチアジニル、1,4−オキサジニル、o−イソオキサジニル、p−イソオキサジニル、1,2,5−オキサチアインジル、1,2,6−オキサチアインジル、1,4,2−オキサジアインジル、1,3,5,2−オキサジアインジル、モルホリノ、アゼピニル、オキセピニル、チエピニル、1,2,4−ジアゼピニル、ベンゾフラニル、イソベンゾフラニル、ベンゾチオフラニル、イソベンゾチオフラニル、インドリル、インドレニニル、2−イソベンズアゾリル、1,5−ピリンジニル、ピラノ[3,4−b]ピロリル、イソインダゾリル、インドオキサジニル、ベンズオキサゾリル、アントラニリル;1,2−ベンゾピラニル、キノリル、イソキノリル、シンノリル、キナゾリル、ナフチリジル、ピリド[3,4−b]ピリジル、ピリド[3,2−b]ピリジル、ピリド[4,3−b]ピリジル、1,3,2−ベンゾオキサジル、1,4,2−ベンゾオキサジル、2,1,3−ベンゾオキサジル、3,1,4−ベンゾオキサジル、1,2−ベンゾイソオキサジル、1,4−ベンゾイソオキサジル;カルバゾリル;キサンテニル;アクリジニル;プリニル;チアゾリジル;ピペリジル;ピロリジル;1,2−ジヒドロアジニル;1,4−ジヒドロアジニル;1,2,3,6−テトラヒドロ−1,3−ジアジニル;ペルヒドロ−1,4−ジアジニル;1,2−チアピラニル;及び1,4−チアピラニル。複素環部分構造は、単独でも組み合わせにおいても、アミノ、ハロ、シアノ、ヒドロキシル、アルキル、アルコキシ及びカルボキシルから成るグループから選択される1つ又はそれ以上の置換基で場合により置換されてもよい。
【0104】
用語「ヘテロアリール」は、又、複素環基が本明細書で定義されるアリール基で縮合される基を意味する。その様な縮合二環基としては、ベンゾフラン、ベンゾチオフェン等が挙げられる。
用語「ヘテロシクロアルキル」は、ピリジルメチル及びチエニルメチルの様な複素環置換のアルキル基を包含する。
用語ベンジルとフェニルメチルは置き換え可能である。
【0105】
選択的IKK−2阻害剤と別の鎮痛剤のような他の治療剤との併用での使用を明示している、慣用句「併用療法」、「共投与」、「とともに投与」、又は「共治療」は、薬剤の併用の薬効を与えるであろう投与計画における、逐次様式での各薬剤の投与を包含することを意図しており、そして同様に、これら有効成分を一定の比率で有する単一カプセル又は投与装置で、又は各薬剤を含有する、複数の、別々のカプセル又は投与装置で、実質的に同時投与の様式で、これら薬剤を共投与することを包含することを意図している。ここで、別々のカプセル若しくは投与装置は、同時に使うことができ、又は組み合わせた構成薬剤の両者から有利な効果を受け取るように、充分な時間内に行われることができるものである。
【0106】
治療の目的である用語「対象」は、炎症及び/又は公知の炎症関連障害のいずれか一つの予防の必要があり、又は疼痛を有する、ヒト又は動物の対象のいずれかを包含する。対
象は、一般的にはヒトである対象である。
【0107】
本明細書で使用される慣用句「治療的組み合わせ」は、2つ又はそれ以上の治療化合物と、場合により、治療化合物が実質的に同時に投与されようが、逐次的に投与されようが、所定の時間に対象に各治療化合物の薬効を生じるような剤型を提供するように使用される、1つ又はそれ以上の薬学的に許容される担体との組み合わせを表す。
【0108】
本明細書で使用される慣用句「治療的に有効な」は、治療化合物の量、又は併用療法における組み合わせた治療化合物の量を表す。上記の量又は組み合わせた量は、炎症又は炎症関連疾患若しくは状態を予防する、阻害する、減少する又は除去する1つ又はそれ以上の目標を達成するものである。併用療法における各薬剤の「治療的に有効な」量は、薬剤それ自体を使用する治療における使用量未満であることが見込まれ、それ故に、それと同時に代替療法、即ち各薬剤自体の高投与単一療法、に典型的に関連した悪い副作用が避けられる。
【0109】
用語「治療する」又は「治療すること」は、一次的又は永久的に症状を緩和すること、原因を除去すること、又は対象における症状の出現を予防すること若しくは遅くすることを意味する。用語「治療」は、疼痛及び/又は上に記載した疾患若しくは障害の何れかに関連するが、これには限定されない炎症の原因の緩和、除去若しくは予防を包含する。
【0110】
式Iの化合物の薬学的に許容される塩は、それらの酸付加塩及び塩基塩を包含する。
好適な酸付加塩は、非毒性塩を形成する酸から得られる。例としては、酢酸塩、アスパラギン酸塩、安息香酸塩、ベシル酸塩、重炭酸塩/炭酸塩、硫酸水素塩/硫酸塩、硼酸塩、カンシル酸塩、クエン酸塩、エジシル酸塩、エシル酸塩、ギ酸塩、フマル酸塩、グルセプチン酸塩、グルコン酸塩、グルクロン酸塩、ヘキサフルオロ燐酸塩、ヒベンズ酸塩、塩酸塩/塩化物、臭化水素酸塩/臭化物、ヨウ化水素酸塩/ヨウ化物、イセチオン酸塩、乳酸塩、リンゴ酸塩、マレイン酸塩、マロン酸塩、メシル酸塩、硫酸メチル塩、ナフチル酸塩、2−ナプシル酸塩、ニコチン酸塩、硝酸塩、オロチン酸塩、シュウ酸、パルミチン酸塩、パモ酸塩、燐酸塩/燐酸一水素塩/燐酸二水素塩、サッカリン酸塩、ステアリン酸塩、琥珀酸塩、酒石酸塩、トシル酸塩及びトリフルオロ酢酸塩が挙げられる。
【0111】
好適な塩基塩は、非毒性塩を形成する塩基から得られる。例としては、アルミニウム、アルギニン、ベンザチン、カルシウム、コリン、ジエチルアミン、ジオールアミン、グリシン、リシン、マグネシウム、メグルミン、オーラミン、カリウム、ナトリウム、トロメタミン及び亜鉛塩が挙げられる。
酸及び塩基の半塩、例えば、半硫酸塩及び半カルシウム塩も形成することができる。
【0112】
式Iの化合物の薬学的に許容される塩は、以下の3つの方法の1つ又はそれ以上によって、即ち(i)式Iの化合物を所望の酸又は塩基と反応することによって;(ii)式Iの化合物の好適な前駆体から酸若しくは塩基に不安定な保護基を除去することによって、又は好適な環状前駆体、例えばラクトン若しくはラクタムを所望の酸若しくは塩基を使用して開環することによって;又は(iii)式Iの化合物の1つの塩を好適な酸若しくは塩基と反応することにより、又は好適なイオン交換カラムにより別のものに変換することによって、製造することができる。全ての3つの反応は、一般的には溶液中で実施される。得られた塩は、沈殿させ、濾過によって採取し、又は溶媒の蒸発によって回収することができる。得られた塩のイオン化の程度は、完全なイオン化から殆んど非イオン化まで変化し得る。
【0113】
本発明の化合物は、非溶媒和の及び溶媒和した形態の両者で存在し得る。本明細書で使用される用語「溶媒和」は、本発明の化合物及び1つ又はそれ以上の薬学的に許容される
溶媒分子、例えば、エタノールの化学量論的量を含む分子複合体を記載するものである。用語「水和物」は、該溶媒が水であるときに使用される。
【0114】
本発明の範囲内に包含されるものとして、包接化合物、薬剤−ホスト包接複合体のような複合体が挙げられ、これらの複合体においては、上に挙げた溶媒和とは対照的に、薬剤及びホストが、化学量論的量又は非化学量論的量で存在している。更に包含されるものとしては、化学量論的量又は非化学量論的量であり得る2つ又はそれ以上の有機成分及び/又は無機成分を含有する薬剤の複合体がある。得られる複合体は、イオン化され、部分的にイオン化され、又はイオン化しなくてもよい。そのような複合体の総説としては、Haleblian, J. Pharm. Sci. 64(8), 1269-1288(1975)を参照されたい。
【0115】
以下、式Iの化合物についての全ての言及は、その塩、溶媒和及び複合体、並びにその塩の溶媒和及び複合体への言及を包含する。
【0116】
本発明の化合物は、前に定義された式Iの化合物を包含し、それらの全ての多型体及び晶癖、以下に定義されるそれらのプロドラッグ及び異性体(光学異性体、幾何異性体及び互変異性体を包含する)、及び式Iの同位体標識化合物を包含する。
【0117】
示唆されたように、式Iの化合物のいわゆるプロドラッグも本発明の化合物の範囲内である。用語「プロドラッグ」は、対象への投与とそれに続く吸収の後に、代謝過程のようないくつかの過程を経て、インビボで活性種に変換される薬物前駆体である化合物を表す。変換過程からの別の産物は、身体によって容易に処理される。より好ましいプロドラッグは、安全なものとして一般的に許容されている産物を産生する変換過程を包含するものである。
【0118】
本発明によるプロドラッグは、例えば、式Iの化合物中に存在する適切な官能基を、「前駆部分構造」として当業者に知られたある種の部分構造で置換することによって製造することができる。
【0119】
本発明によるプロドラッグのいくつかの例として、以下が挙げられる。(i)式Iの化合物がカルボン酸の官能基(−CO2H)を有している場合は、例えばそのエステルであって、式Iの化合物のカルボン酸の官能基の水素が、C1−C8アルキルによって置換されている化合物;(ii)式Iの化合物がアルコールの官能基(−OH)を有している場合は、例えばそのエーテルであって、式Iの化合物のアルコールの官能基の水素が、C1−C6アルカノイルオキシメチルによって置換されている化合物;及び(iii)式Iの化合物が第一級又は第二級アミノ基の官能基(−NH2又は−NHR、ここでR≠H)を有している場合は、例えばそのアミドであって、場合によっては、式Iの化合物のアミノ基の官能基の1つ又は両者の水素が、C1−C10アルカノイルによって置換されている化合物である。
【0120】
このような例による置換基の更なる例及び別のプロドラッグの型の例は、前述の文献に見出されるであろう。
更に、式Iのある種の化合物は、式Iの別の化合物のプロドラッグとしてそれ自体作用することができる。
【0121】
本発明の範囲内に包含されるものとしては、式Iの化合物の代謝物、即ち、薬剤の投与によりインビボで生成する化合物がある。本発明による代謝物のいくつかの例として、以下が挙げられる:(i)式Iの化合物がメチル基を含有している場合、そのヒドロキシメチル誘導体(−CH3→−CH2OH);(ii)式Iの化合物がアルコキシ基を含有している場合、そのヒドロキシ誘導体(−OR→−OH);(iii)式Iの化合物が第三級アミ
ノ基を含有している場合、その第二級アミノ誘導体(−NRab→−NHRa又は−NHRb);(iv)式Iの化合物が第二級アミノ基を含有している場合、その第一級アミノ誘導体(−NHR→−NH2);(v)式Iの化合物がフェニル部分構造を含有している場合、そのフェノール誘導体(−Ph→−PhOH);及び(vi)式Iの化合物がアミド基を含有している場合、そのカルボン酸誘導体(−CONH2→−COOH)。
【0122】
1つ又はそれ以上の不斉炭素原子を含有する式Iの化合物は、2つ又はそれ以上の立体異性体として存在することができる。式Iの化合物がアルケニル又はアルケニレン基を有する場合には、幾何的なシス/トランス(又はZ/E)異性体が可能である。構造異性体が低エネルギー障壁を経て相互転換し得る場合には、互変異性体(「互変異性」)が生じ得る。これは、例えば、イミノ、ケト又はオキシム基を有する式Iの化合物において、プロトン互変異性の形態を取ることができ、或いは芳香族部分構造を有する化合物においては、いわゆる原子価互変異性の形態を取ることができる。その結果として、単一の化合物が1を超える型の異性体として存在し得る。
【0123】
本発明の範囲内に包含されるものとして、1を超える型の異性体を示す化合物、及びその1つ又はそれ以上の混合物を包含する、式Iの化合物の全ての立体異性体、幾何異性体及び互変異性の形態が挙げられる。又、対イオンが光学的に活性な酸付加塩又は塩基塩、例えば、d−乳酸塩若しくはl−リジン塩、又はラセミ型の酸付加塩又は塩基塩、例えば、dl−酒石酸塩若しくはdl−アルギニン塩、が包含される。
【0124】
シス/トランス異性体は、当業者に周知の通常の技術、例えば、クロマトグラフィー及び分別晶出によって分離することができる。
個々の鏡像異性体の製造/単離の通常の技術としては、好適な光学的に純粋な前駆体からのキラル合成、又は、例えば、キラル高速液体クロマトグラフィー(キラルHPLC)を使用するラセミ化合物(又は塩若しくは誘導体のラセミ化合物)の分割が挙げられる。
【0125】
代わりに、ラセミ化合物(又はラセミ化合物の前駆体)を、好適な光学的に活性な化合物、例えば、アルコールと反応させ、又は、式Iの化合物が酸性又は塩基性部分構造を有する場合には、1−フェニルエチルアミン又は酒石酸のような塩基又は酸と反応させてもよい。得られるジアステレオ異性体混合物は、クロマトグラフィー及び/又は分別晶出によって分離され、ジアステレオ異性体の1つ又は両者を、当業者に周知の手段によって対応する純粋な鏡像異性体に変換することができる。
【0126】
本発明のキラル化合物(及びそのキラル前駆体)は、0から50容量%、一般的には2から20容量%のイソプロパノール、及び0から5容量%のアルキルアミン、一般的には0.1容量%のジエチルアミンを含有する炭化水素、一般的にはヘプタン又はヘキサンからなる移動層と不斉樹脂を用いるクロマトグラフィー、一般的にはHPLCを使用して、鏡像異性体的に濃縮した形態で得ることができる。溶出液を濃縮すると、鏡像異性体的に濃縮された混合物が得られる。
立体異性体の集合体は、当業者に知られている通常の技術によって分離することができる。
【0127】
本発明は、1つ又はそれ以上の原子が、同じ原子番号を有するが、自然界で支配的な原子質量又は質量数とは異なった原子質量又は質量数である原子によって置換されている、全ての薬学的に許容される同位元素で標識された式Iの化合物を包含する。
【0128】
本発明の化合物に包含されるのに好適な同位元素の例としては、2H及び3Hのような水素、11C、13C及び14Cのような炭素、36Clのような塩素、18Fのようなフッ素、123I及び125Iのようなヨウ素、13N及び15Nのような窒素、15O、17O及び18Oのような
酸素、32Pのようなリン、及び35Sのような硫黄の同位体を包含する。
【0129】
式Iのある種の同位元素標識化合物、例えば、放射性同位元素を取り込んでいるものは、薬物及び/又は基質の組織分布試験において有用である。放射性同位元素トリチウム(3H)及び13Cは、取り込みの容易さと検出手段が用意されていることから、この目的に特に有用である。
【0130】
重水素(2H)のような重同位元素での置換は、より大きな代謝安定性に起因するある種の治療的利点、例えば、インビボ半減期の増加或いは必要な投与量の低減を与え、それ故にある種の環境において好ましい。
11C、18F、15O及び13Nのような、ポジトロン放射同位元素との置換は、基質受容体占有試験のため陽電子放出トポグラフィー(PET)において有用である。
【0131】
式Iの同位元素標識化合物は、当業者に知られている通常の技術によって、又は前もって採用されている非標識試薬の代わりに適切な同位元素標識試薬を使用した、付随する実施例に記載されたのと類似の方法によって製造することができる。
【0132】
本発明による薬学的に許容される溶媒和は、結晶化の溶媒が同位元素で置換されている、例えば、D2O、d6−アセトン、又はd6−DMSOであるものを包含する。
【0133】
医薬としての使用を意図した本発明の化合物は、結晶又はアモルファス製品として投与され得る。それらは、例えば、沈殿、結晶化、凍結乾燥、噴霧乾燥又は蒸発乾燥のような方法による固体の小片、粉末又は膜として得ることができる。マイクロ波乾燥又は高周波乾燥は、この目的に使用することができる。
【0134】
一般的に、本発明の化合物は、1つ又はそれ以上の薬学的に許容される賦形剤と組み合わせた処方として投与することができる。用語「賦形剤」は、本発明の化合物以外のいずれの成分を記載するためにも本明細書で使用される。賦形剤の選択は、大部分、投与の特定の様式、溶解性及び安定性に対する賦形剤の効果、及び剤形の性質のような因子に依存するであろう。
【0135】
本発明の化合物は、単独又は1つもしくはそれ以上の別の本発明の化合物と組み合わせて、又は1つもしくはそれ以上の別の薬剤と組み合わせて(又はそのいずれかの組み合わせとして)投与することができる。例えば、式Iの化合物は、通常の抗炎症療法の代わりに、別のIKK−2阻害剤、ステロイド、NSAID、COX−2選択的阻害剤、マトリックスメタロプロテイナーゼ阻害剤、5−リポキシナーゼ阻害剤、LTB4拮抗薬及びLTA4ヒドロラーゼ阻害剤との組み合わせであるような、部分的又は完全な、同時療法において使用することができる。
【0136】
本発明の化合物の送達に好適な医薬組成物及びそれらの製造方法は、当業者に直ちに明らかになるであろう。
【0137】
本発明の化合物は、経口で投与することができる。経口投与は、嚥下を必要とし、その結果化合物は消化管に入り、又は口腔内投与若しくは舌下投与が採用され、それによって化合物は口から直接血流に入る。
【0138】
経口投与に好適な処方は、錠剤、微粒子、液剤又は粉剤を含有するカプセル、トローチ剤(液剤充填を含む)、咀嚼錠、多粒子及びナノ粒子、ゲル、固溶体、リポソーム、フィルム、卵形のような固形処方、噴霧及び液状処方を包含する。
【0139】
液状処方は、懸濁液、溶液、シロップ及びエリキシル剤を包含する。そのような処方は、軟カプセル又は硬カプセル中の充填剤として採用することができ、一般的には、担体、例えば、水、エタノール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、メチルセルロース、又は好適なオイル、及び1つ又はそれ以上の乳化剤及び/又は懸濁剤を含む。液状処方は、固体、例えば分包からの再構成によっても製造することができる。
【0140】
本発明の化合物は、Liang and Chen, Expert Opinion in Therapeutic Patents, 11(6), 981-986(2001)に記載されているような速溶性剤型、速分解性剤型においても使用することができる。
【0141】
投与量にもよるが、錠剤の剤形については、薬剤は、剤形の1から80重量%、より一般的には剤形の5から60重量%含有させることができる。薬剤に加えて、錠剤は一般的に崩壊剤を含有する。崩壊剤の例としては、デンプングリコール酸ナトリウム、カルボキシメチルセルロースナトリウム、カルボキシメチルセルロースカルシウム、クロスカルメロースナトリウム、クロスポビドン、ポリビニルピロリドン、メチルセルロース、微結晶性セルロース、低級アルキル置換ヒドロキシプロピルセルロース、デンプン、アルファ化デンプン及びアルギン酸ナトリウムが挙げられる。一般的に、崩壊剤は、剤形の1から25重量%、好ましくは5から20重量%を含むであろう。
【0142】
結合剤は、一般的に、錠剤処方に粘着性質を与えるために使用される。好適な結合剤としては、微結晶性セルロース、ゼラチン、砂糖、ポリエチレングリコール、天然及び合成ゴム、ポリビニルピロリドン、アルファ化デンプン、ヒドロキシプロピルセルロース及びヒドロキシプロピルメチルセルロースが挙げられる。錠剤は、乳糖(一水和物、噴霧乾燥一水和物、無水物等)、マンニトール、キシリトール、デキストロース、蔗糖、ソルビトール、微結晶性セルロース、デンプン及び第二リン酸カルシウム二水和物のような希釈剤を含有することもできる。
【0143】
錠剤は、又、所望により、ラウリル硫酸ナトリウム及びポリソルベート80のような界面活性剤、及び二酸化ケイ素及びタルクのような流動促進剤を含んでいてもよい。存在する場合は、界面活性剤は、錠剤の0.2から5重量%を含み、流動促進剤は、錠剤の0.2から1重量%を含むことができる。
【0144】
錠剤は、又、一般的に、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸亜鉛、ステアリルフマル酸ナトリウム、及びステアリン酸マグネシウムとラウリル硫酸ナトリウムの混合物のような滑沢剤を含有する。滑沢剤は、一般的に、錠剤の0.25から10重量%、好ましくは0.5から3重量%を含む。
【0145】
その他の可能性のある成分として、抗酸化剤、着色料、着香料、保存料及び味マスキング剤を包含する。
例示的な錠剤は、約80%までの薬剤、約10から約90重量%の結合剤、約0から約85重量%の希釈剤、約2から約10重量%の崩壊剤、及び約0.25から約10重量%の滑沢剤を含有する。
【0146】
錠剤用のブレンドは、直接又はローラーによって圧縮され錠剤を形成する。錠剤用のブレンド又はブレンドの一部は、又、錠剤化の前に湿式、乾式もしくは溶融造粒され、溶融凝固され、又は射出される。最終的な剤形は、1つ又はそれ以上の層を含んでよく、そしてコーティングを施しても施していなくてもよく、更に、カプセル化されてもよい。
【0147】
ヒト用又は動物用の市販の消費できる経口膜は、一般的には、速溶性又は粘膜吸着性の成形し易い水溶性又は水膨潤性の薄膜剤形であり、一般的には、式Iの化合物、膜形成性
ポリマー、結合剤、溶媒、湿潤剤、可塑剤、安定剤又は懸濁剤、粘度調節剤及び溶媒を含む。処方中のある成分は、1つ以上の機能を果たすことができる。
【0148】
式Iの化合物は、水溶性又は水不溶性であってもよい。水溶性化合物は、一般的には、1から80重量%、より一般的には、20から50重量%の溶質を含む。水に溶けにくい化合物は、組成物のより大きな部分、一般的には88重量%までを含む。又、式Iの化合物は、多数の顆粒ビーズの形態でもあり得る。
【0149】
膜形成ポリマーは、天然の多糖類、タンパク質又は合成親水コロイドから選択することができ、一般的には、0.01から99重量%の範囲において、より一般的には、30から80重量%の範囲内で存在する。
【0150】
その他の可能性のある成分は、抗酸化剤、着色料、着香料及び香料増強剤、保存料、唾液分泌刺激剤、冷却剤、共溶媒(油を包含する)、皮膚軟化剤、膨張性薬剤、消泡剤、界面活性剤及び味マスキング剤を包含する。
【0151】
本発明による膜は、一般的には、剥離し得る裏打ち支持体又は紙の上に塗布された薄い水性膜の蒸発乾燥によって製造される。これは乾燥オーブン又はトンネル内で、一般的には、複合塗布乾燥機、又は凍結乾燥又は減圧によって行うことができる。
【0152】
経口投与用固形製剤は、即時放出及び/又は調節放出であるように製剤化することができる。調節放出製剤は、遅延性、徐放性、間欠性、制御された、標的及びプログラム化された放出を包含する。
【0153】
本発明の目的のための好適な調節放出製剤は、米国特許第6,106,864号に記載されている。高エネルギー分散及び浸透性及び被覆粒子のような、その他の好適な放出技術の詳細は、Verma et al., Pharmaceutical Technology On-Line, 25(2), 1-14(2001)に見出される。制御放出を達成するためのチューインガムの使用は、PCT公開特許第WO00/35298号に記載されている。
【0154】
本発明の化合物は、血流中に、筋肉内に又は内蔵内に直接投与することもできる。非経口投与の好適な手段は、静脈内、動脈内、腹腔内、髄腔内、脳室内、尿道内、胸骨内、頭蓋内、筋肉内及び皮下を包含する。非経口投与用の好適な装置は、針(ミクロ針を包含する)注射器、無針注射器及び注入技術を包含する。
【0155】
非経口投与の製剤は、一般的には、塩、炭水化物及び緩衝剤(好ましくは、pH3から9)のような賦形剤を包含してもよい水溶液であるが、しかし、ある用途に対しては、滅菌した、発熱物質のない水のような好適な媒体と併せて使用される滅菌非水溶液、又は乾燥形態としてより好適に処方されてもよい。
【0156】
滅菌条件下、例えば、凍結乾燥による非経口製剤の製造は、当業者に周知の標準医薬品技術を用いて容易に達成することができる。
【0157】
非経口溶液の製造に使用される式Iの化合物の溶解性は、溶解性増強剤の取り入れのような適切な製剤技術の使用によって増加させることができる。
非経口投与用製剤は、即時放出及び/又は調節放出であるように処方することができる。調節放出製剤は、遅延性、徐放性、間欠性、制御された、標的及びプログラム化された放出を包含する。それ故、本発明の化合物は、活性化合物の調節された放出を提供するインプラントの貯留場所のような投与用の固体、半固体、又はチキソトロープ液として処方することができる。そのような処方の例としては、薬剤被覆ステント及びポリ(dl乳酸−共グリコール酸)(PGLA)ミクロスフェアを包含する。
【0158】
本発明の化合物は、皮膚又は粘膜に局所的に、即ち、皮膚又は経皮的に投与することもできる。この目的のための一般的な製剤は、ゲル、ハイドロゲル、ローション、溶液、クリーム、軟膏、散布剤、包帯剤、泡沫剤、膜、皮膚パッチ、ウエハー、インプラント、スポンジ、ファイバー、バンデイジ及びマイクロエマルジョンを包含する。リポソームも又使用することができる。一般的な担体として、アルコール、水、ミネラルオイル、流動ワセリン、白色ワセリン、グリセリン、ポリエチレングリコール及びプロピレングリコールが挙げられる。浸透増強剤も取り入れることができる。Finnin and Morgan, J Pharm Sci. 88(10), 955-958(1999)を参照されたい。
【0159】
局所投与のその他の手段としては、電気穿孔法、イオントフォレシス、フォノフォレシス、ソノフォレシス及び極微針又は無針(例えば、Powderject(登録商標)、Bioject(登録商標)等)注射による送達を包含する。
【0160】
局所投与用の製剤は、即時放出及び/又は調節放出であるように処方することができる。調節放出製剤は、遅延性、徐放性、間欠性、制御された、標的及びプログラム化された放出を包含する。
【0161】
本発明の化合物は、一般的には、1,1,1,2−テトラフルオロエタン又は1,1,1,2,3,3,3−ペプタフルオロプロパンのような、好適な発射剤の使用と一緒に又は無しで、乾燥粉末吸入器からの乾燥粉体(単独で、混合物、例えば乳糖との乾燥ブレンドで、又は混合成分粒子、例えば、ホスファチジルコリンのようなリン脂質と混合してのいずれか)の形態で、又は加圧容器、ポンプ、スプレー、アトマイザー(好ましくは、微細懸濁液を産生するための電気流体力学を用いたアトマイザー)、又はネブライザーからのエーロゾルスプレーとして、鼻腔内に又は吸入器によって投与することもできる。鼻腔内使用用として、粉末には、生体接着剤、例えば、キトサン又はシクロデキストリンを含むことができる。
【0162】
加圧容器、ポンプ、スプレー、アトマイザー又はネブライザーは、本発明の化合物の溶液又は懸濁液を含有し、その中には、例えば、有効成分を分散させ、可溶化し、又は遅延放出するための、エタノール、エタノール水溶液又は好適なそれに代わる添加剤、溶媒としての発射剤及びトリオレイン酸ソルビタン、オレイン酸、又は場合によりオリゴ乳酸のような界面活性剤も含まれる。
【0163】
乾燥粉末又は懸濁製剤の使用に先立って、薬物製品は、吸入による送達に好適な大きさに微細化される(一般的には、5μm未満)。これは、スパイラルジェットミル法、流動床ジェットミル法、ナノ粒子形成超臨界流動処理法、高圧均質化法、又は噴霧乾燥法のような好適な粉砕法のいずれかによって達成することができる。
【0164】
吸入器又は吹入器に使用されるカプセル(例えば、ゼラチン又はヒドロキシプロピルメチルセルロース製)、ブリスター及びカートリッジは、本発明の化合物の粉末混合物、乳糖又はデンプンのような好適な粉末基材及びl−ロイシン、マンニトール、又はステアリン酸マグネシウムのような性能調節剤を含有して処方することができる。乳糖は無水であってもよいし、一水和物であってもよいが、好ましくは後者である。その他の好適な賦形剤は、デキストラン、グルコース、マルトース、ソルビトール、キシリトール、フルクトース、シュークロース及びトレハロースを包含する。
【0165】
微細な噴霧を発生するための電気流体学を用いるアトマイザーに使用する好適な溶液処方は、作動当たり1μgから20mgの本発明の化合物を含有し、作動容積は1から10
0μlに変動し得る。一般的な処方は、式Iの化合物、プロピレングリコール、滅菌水、エタノール及び塩化ナトリウムを含み得る。プロピレングリコールの代わりに使用し得る別の溶媒として、グリセリン及びポリエチレングリコールが挙げられる。
【0166】
メントール及びレボメントールのような好適な着香料、又はサッカリン若しくはサッカリンナトリウムのような甘味料は、吸入/鼻腔内投与を意図している本発明の処方に加えることができる。
【0167】
吸入/鼻腔内投与用製剤は、例えば、PGLAを使用する即時及び/又は調節放出として処方することができる。調節放出製剤は、遅延性、徐放性、間欠性、制御された、標的及びプログラム化された放出を包含する。
【0168】
乾燥粉末吸入剤及びエーロゾルの場合、投与単位は定量を送達するバルブによって決定される。本発明による単位は、一般的には、20から1000μgの式Iの化合物を含有する、定量又は「一吹き」を投与するように準備される。総一日投与量は、一般的には100μgから10mgの範囲であり、単回投与、又はより通常的には、一日当たり例えば2、3、4又は8回に分割し、例えば各回1、2又は3投与量で、投与することができる。
【0169】
本発明の化合物は、例えば、坐薬、ペッサリー又は浣腸の形態で直腸又は膣に投与することができる。カカオバターは、伝統的な坐薬基材であるが、種々の代替品を適切に使用することができる。
【0170】
直腸/膣内投与用製剤は、即時及び/又は調節放出として処方することができる。調節放出製剤は、遅延性、徐放性、間欠性、制御された、標的及びプログラム化された放出を包含する。
【0171】
本発明の化合物は、一般的には、等張の、pH調節した、滅菌生理食塩水の微細化懸濁液又は溶液の滴剤の形態で、直接目又は耳に投与することもできる。眼内投与又は耳内投与に好適な別の製剤として、軟膏、生分解性(例えば、吸収性ゲルスポンジ、コラーゲン)及び非生分解性(例えば、シリコーン)インプラント、ウエハー、レンズ及びニオソーム又はリポソームのような粒子状又は小胞状の系が挙げられる。架橋ポリアクリル酸、ポリビニルアルコール、ヒアルロン酸、セルロース系ポリマー、例えば、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース若しくはメチルセルロース、又はヘテロ多糖類ポリマー、例えば、ジェランガムのようなポリマーが、塩化ベンザルコニウムのような保存料と共に取り入れられる。そのような製剤は、又、イオントフォレシスによって送達することができる。
【0172】
眼内/耳内投与用製剤は、即時及び/又は調節放出として処方することができる。調節放出製剤は、遅延性、徐放性、間欠性、制御された、標的及びプログラム化された放出を包含する。
【0173】
本発明の化合物は、前述の投与様式のいずれかにおいて使用するための溶解性、溶出速度、味のマスキング、生体利用効率及び/又は安定性を改善するために、シクロデキストリン及びその好適な誘導体、又はポリエチレングリコール含有ポリマーのような可溶性高分子物質を組み合わせることができる。
【0174】
例えば、薬物・シクロデキストリン複合体は、一般的に殆どの剤形及び投与経路に有用であることが見出されている。包接錯体及び非包接錯体の両者を使用することができる。薬剤との直接複合体に代わるものとして、シクロデキストリンを、補助的な添加物、即ち
担体、希釈剤又は可溶化剤として使用することができる。これらの目的に最も普通に使用されているのは、PCT公開特許第WO98/55148号に記載されているような、α、β及びγデキストリンである。
【0175】
例えば、特定の疾患又は状態を治療する目的で、活性化合物の組み合わせを投与することが望ましいので、少なくとも1つが本発明による化合物を含有している2つ又はそれ以上の医薬組成物が、それらの組成物の同時投与に好適なキットの形態で都合よく組み合わすことができるが、これも本発明の範囲内である。
【0176】
そのようなキットは、2つ又はそれ以上の別々の医薬組成物を含み、その少なくとも1つは本発明による式Iの化合物を含有し、そして容器、分けられたビン、又は分けられたフォイルの包みのような、該組成物を別々に保持する手段を含む。そのようなキットの例としては、錠剤、カプセルその他を包装するのに使用されるよく知られているブリスター包装である。
【0177】
そのようなキットは、異なった投与間隔で別々の組成物を投与するため、或いは互いに対して別々の組成物を滴定するために、異なった剤形、例えば経口及び非経口、を投与するのに特に好適である。薬物順守を支援するために、キットは、一般的には投与指示書を含み、いわゆる記憶補助が備え付けられている。
【0178】
投与される治療的活性化合物の量、及び本発明の化合物及び/又は組成物で疾患状態を治療するための薬剤投与計画は、年齢、体重、対象の性及び医療状態、炎症又は炎症関連障害の重症度、投与経路及び頻度、及び採用されている特定の化合物を包含する種々の因子に依存し、そしてそれ故広範に変化する。医薬組成物は、有効成分を約0.1から1000mgの範囲で、好ましくは約7.0から350mgの範囲で含有することができる。約0.01から100mg/kg体重、好ましくは約0.1から約50mg/kg体重、そして最も好ましくは約0.5から30mg/kg体重の1日投与量が適切であろう。1日投与量は、1日当たり1から4投与量で投与される。皮膚の状態の場合には、本発明の化合物の局所製剤を1日当たり2から4回疾患部位に適用するのが好ましい。
【0179】
しかしながら、特定の患者のいずれかに対する特定の投与レベルは、採用されている特定の化合物の活性、年齢、体重、一般健康状態、性、栄養、投与時間、投与経路及び排泄速度、薬物の組み合わせ、及び治療が行われている特定の疾患の重症度に依存するであろう。
【0180】
これらの投与量は、体重約60から70kgを有する平均的ヒト対象を基礎としている。医師は、幼児及び老人のような、この範囲からはずれた体重の対象に対する投与量を容易に決定することができるであろう。
【0181】
疑問を避けるために、「治療」についての本明細書での言及は、根治治療、緩和治療及び予防的治療について言及することを包含している。
【0182】
「DMF」は、N,N−ジメチルホルムアミドである。
「DMSO」は、ジメチルスルホキシドである。
「ESI」は、エレクトロスプレーイオン化質量分析法である。
「HATU」は、O−(7−アザベンゾトリアゾール−1−イル)N,N,N’,N’−テトラメチルウロニウムヘキサフルオロリン酸である。
「HBTU」は、O−(ベンゾトリアゾール−1−イル)N,N,N’,N’−テトラメチルウロニウムである。
【0183】
「HRMS」は、高分解能質量分析である。
「NMR」は核磁気共鳴である。
「Ph」は、フェニルである。
「i.d.」は、内径である。
「EtOAc」は、酢酸エチルである。
「TFA」は、トリフルオロ酢酸である。
【実施例】
【0184】
実施例1:3−アミノ−5−(2−ヒドロキシフェニル)−1−ピペリジン−3−イルピラジン−2(1H)−オン
【化10】

【0185】
第一段階:(2−(ベンジルオキシ)フェニル)(1,3−ジチアン−2−イル)メタンアミンの製造
【化11】

0℃に冷却したTHF(10mL)中の1,3−ジチアン(1.31g)の溶液に、注射器でn−BuLi(1.9M/ヘキサン、6.0mL)を徐々に加えた。得られた混合物を0℃で2時間撹拌した。セパラブル・フラスコ中で、LHMDS(1.0M/THF、10mL)を、0℃に冷却したTHF(20mL)中の2−ベンジルオキシベンズアルデヒド(2.10g)の溶液に徐々に加えた。得られた溶液を0℃で1時間撹拌した。上述したように生成したリチウム化ジチアンを、カニューレを経由して徐々に加えた。反応液を室温まで温め、終夜撹拌した。その後、NH4Cl飽和水溶液を加えてクエンチした。相を分離し、そして、水相を酢酸エチルで抽出した。集めた有機相を乾燥し(MgSO4)、そして、減圧下で濃縮した。粗生成物をフラッシュ・クロマトグラフィー(酢酸エチル/ヘキサン=1.5/1)で精製し、標題の化合物を非常に粘性の高い油状物質として得た。
【0186】
第二段階:((2−(ベンジルオキシ)フェニル)(1,3−ジチアン−2−イル)メチルカルバモイル)ギ酸メチルの製造
【化12】

第一段階からの(2−(ベンジルオキシ)フェニル)(1,3−ジチアン−2−イル)メタンアミン(2.4g)及びシュウ酸ジメチル(2.6g)の混合物を、メタノール(5
0mL)中55℃で、N2雰囲気下、60.5時間加熱した。次いで、反応混合物を水(50mL)で希釈し、減圧濾過で分離した白色固体を、メタノール/水=1/1で繰り返し洗浄した。減圧オーブン内で70℃で乾燥して、標題の化合物を粉末状の固体として得た。
【0187】
第三段階:4−{[{[[2−(ベンジルオキシ)フェニル](1,3−ジチアン−2−イル)メチル]アミノ}(オキソ)アセチル]アミノ}ピペリジン−1−カルボン酸ベンジルの製造
【化13】

酢酸エチル(25mL)中の第二段階からの((2−(ベンジルオキシ)フェニル)(1,3−ジチアン−2−イル)メチルカルバモイル)ギ酸メチル(2.09g)及び1−ベンジルオキシカルボニル−3−アミノピペリジン(1.405g)の混合物を60℃で終夜加熱し、次いで、75℃で5.5時間加熱した。室温に冷却した後、反応混合物をヘキサン(25mL)で希釈し、そして、減圧濾過で分離した白色固体をヘキサン/酢酸エチル=1/1で繰り返し洗浄した。濾液中に目的の生成物が存在するので、濾液を濃縮し、そして、上記の濾別した固体と併せた。標題の化合物を、フラッシュ・クロマトグラフィー(ジクロロメタン/アセトニトリル=20/1〜10/1)で精製し、白色固体を得た。
【0188】
第四段階:4−{[({1−[2−(ベンジルオキシ)フェニル]−2−オキソエチル}アミノ)(オキソ)アセチル]アミノ}ピペリジン−1−カルボン酸ベンジルの製造
【化14】

−30℃に冷却した、ジクロロメタン(75mL)中の第三段階からの4−{[{[[2−(ベンジルオキシ)フェニル](1,3−ジチアン−2−イル)メチル]アミノ}(オキソ)アセチル]アミノ}ピペリジン−1−カルボン酸ベンジル(1.65g)の溶液に、ジクロロメタン(50mL)中のメチルビス(メチルチオ)スルホニウムヘキサクロロアンチモナート(4.56g)の溶液をカニューレにより、冷却浴を−32℃未満の温度に保持しつつ、10分間に亘って加えた(Prato, et al. Synthesis p.679-80(1982)を参照)。反応液を5分間撹拌し、次いで、1MのNaOH(250mL)に注いでクエンチした。二相の混合物をジクロロメタン(100mL)で希釈し、そして、相を分離した。水相をジクロロメタンで3回抽出した。集めた有機相を乾燥(MgSO4)し、そして、減圧下で濃縮した。粗生成物をフラッシュ・クロマトグラフィー(ジクロロメタン/アセトニトリル=10/1〜5/1)で精製し、標題の化合物を灰色を帯びた固体として得た。
【0189】
第五段階:3−[5−[2−(ベンジルオキシ)フェニル]−2,3−ジオキソ−3,4−ジヒドロピラジン−1(2H)−イル]ピペリジン−1−カルボン酸ベンジルの製造
【0190】
【化15】

酢酸(16mL)中の第四段階で製造したアルデヒド(1.05g)の懸濁液に、トリフルオロ酢酸/無水トリフルオロ酢酸/酢酸=(0.6/1.1/4.4、3.3mL)の溶液を加えた。得られた懸濁液を電子レンジ内で、110℃で70分間加熱した。さらに、トリフルオロ酢酸/無水トリフルオロ酢酸/酢酸を1mL添加し、その混合物を電子レンジ内で、110℃でさらに25分間加熱した(Fleitz, et al., Synth.Commun. 30, p.3
171-80(2000)を参照)。次いで、反応混合物を減圧下で濃縮した。未精製の油状物質を少量のジクロロメタンで希釈し、そして、ピリジン(1mL)で処理した。標題の化合物を、フラッシュ・クロマトグラフィー(アセトニトリル/ジクロロメタン=1.5/1)で分離し、薄桃色の泡状固体を得た。
【0191】
第六段階:3−[5−[2−(ベンジルオキシ)フェニル]−3−ブロモ−2−オキソピラジン−1(2H)−イル]ピペリジン−1−カルボン酸ベンジルの製造
【化16】

α,α,α−トリフルオロトルエン(8mL)中の、第五段階からの3−[5−[2−(ベンジルオキシ)フェニル]−2,3−ジオキソ−3,4−ジヒドロピラジン−1(2H)−イル]ピペリジン−1−カルボン酸ベンジル(0.49g)及びN,N−ジイソプロピルエチルアミン(0.83mL)の懸濁液に、窒素雰囲気下で、α,α,α−トリフルオロトルエン中のPOBr3溶液(2M、1.3mL)を加えた。得られた混合物を電子レンジ内で、120℃で1.75時間加熱した。反応液に重炭酸ナトリウムの飽和水溶液(25mL)を加えてクエンチし、そして、ジクロロメタン(50mL)及び重炭酸ナトリウムの飽和水溶液(25mL)で希釈した。相を分離し、水相をジクロロメタンで3回抽出した。集めた有機相を乾燥(MgSO4)し、そして減圧下で濃縮した。標題の化合物を、フラッシュ・クロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル=2.5/1〜2/1)で精製し、黄色の粉末を得た。
【0192】
第七段階:3−[5−[2−(ベンジルオキシ)フェニル]−3−[(2,4−ジメトキシベンジル)アミノ]−2−オキソピラジン−1(2H)−イル]ピペリジン−1−カルボン酸ベンジルの製造
【化17】

アセトニトリル(5mL)中の、第六段階からの3−[5−[2−(ベンジルオキシ)フェニル]−3−ブロモ−2−オキソピラジン−1(2H)−イル]ピペリジン−1−カルボン酸ベンジル(0.1294g)及び2,4−ジメトキシベンジルアミン(0.34mL)の溶液を、電子レンジ中、110℃で1時間加熱した。標題の化合物を、フラッシュ
・クロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル=2/1)で分離し、淡黄色の固体を得た。
【0193】
第八段階:5−[2−(ベンジルオキシ)フェニル]−3−[(2,4−ジメトキシベンジル)アミノ]−1−ピペリジン−3−イルピラジン−2(1H)−オンの製造
【化18】

エタノール/酢酸(3mL/0.3mL)中の、第七段階からの3−[5−[2−(ベンジルオキシ)フェニル]−3−[(2,4−ジメトキシベンジル)アミノ]−2−オキソピラジン−1(2H)−イル]ピペリジン−1−カルボン酸ベンジル(0.1182g)及び1,3−シクロヘキサジエン(0.17mL)の溶液に、Pd/C(0.1115g、10重量%(乾燥基準)、湿潤、Degussa型)を加えた。得られた不均一の混合物を75℃に加熱し、そして、30分間激しく撹拌した。反応混合物をセライトのプラグを通して濾過し、エタノール及びメタノールで洗浄した。減圧下で濃縮して、標題の化合物をベージュ色の固体として得た。
【0194】
第九段階:3−アミノ−5−(2−ヒドロキシフェニル)−1−ピペリジン−3−イルピラジン−2(1H)−オンの製造
【化19】

トリフルオロ酢酸(18mL)中の、第八段階からの5−[2−(ベンジルオキシ)フェニル]−3−[(2,4−ジメトキシベンジル)アミノ]−1−ピペリジン−3−イルピラジン−2(1H)−オン(0.0716g)の溶液を60〜69℃で20分間N2雰囲気下で加熱し、次いで室温に冷却した。次いで、反応液をN2気流下で濃縮した。エーテルを加え、次いで減圧下で除去した。得られた固体をエーテルで粉末化し、そして乾燥した。未精製の物質を逆相HPLC(アセトニトリル/水=1/99〜50/50からの勾配溶出、微量のHClを含有)で精製した。N2気流下で濃縮して、標題の化合物をから
し色の微粉末として得た。元素分析は、1.8モル当量のH2Oと共に、HCl及びトリフルオロ酢酸をそれぞれ1.8モル当量及び0.7モル当量含有する混合塩と合致した。
Calc. C 42.43, H 5.23, N 12.07, Cl 13.75, Found C 42.50, H 5.19, N 11.92, Cl 13.55.
1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ1.75-2.20 (m, 4H), 2.80-2.94(m, 1H), 3.24-3.44(m, 3H), 5.05-5.17(m, 1H),6.83-6.92(m, 2H), 7.16-7.23(m, 1H), 7.48(s, 1H), 7.60(br d, 1H), 7.80-8.50(br s, 2H), 9.02-9.17(m, 1H), 9.61(br d, 1H), m/z=287.1(M+1)
【0195】
実施例2:3−アミノ−5−(5−フルオロ−2−ヒドロキシフェニル)−1−ピペリジン−3−イルピラジン−2(1H)−オン
【化20】

【0196】
第一段階:3−[(シアノメチル)アミノ]ピペリジン−1−カルボン酸ベンジルの製造
【化21】

DMF(10mL)中の、1−ベンジルオキシカルボニル−3−アミノピペリジン(1.1g)、4オングストロームのモレキュラーシーブ(3.2g)及びCsOH・H2O(3.0g)の懸濁液を、室温、N2雰囲気下で1時間撹拌した。次いで、ブロモアセトニトリル(0.36mL)を注射器で加え、そして、反応液を終夜撹拌した。次いで、追加のブロモアセトニトリル(0.35mL)を加え、そして反応液を30分間撹拌した。混合物を酢酸エチル(75mL)で希釈し、そして濾過した。NaOH(1M、25mL)、ブライン(25mL)及びH2Oを加えて、相を分離した。水相を酢酸エチルで3回抽出した。集めた有機相を、1MのNaOH及びブラインで洗浄し、MgSO4で乾燥し、そして減圧下で濃縮した。標題の化合物をフラッシュ・クロマトグラフィーで精製し、褐色の油状物質を得た。
【0197】
第二段階:3−(3,5−ジクロロ−2−オキソピラジン−1(2H)−イル)ピペリジン−1−カルボン酸ベンジルの製造
【化22】

シュウ酸クロリドのジクロロメタン溶液(2.0M、0.60mL)を、第一段階からの3−[(シアノメチル)アミノ]ピペリジン−1−カルボン酸ベンジル(0.0659g)に加えた。N,N−ジイソプロピルエチルアミン(0.1mL)の添加により、若干の発熱と反応混合物の黒化がもたらされた。得られた混合物を、電子レンジ内で100℃で15分間加熱し、そして、N2気流下で濃縮した(Vekemans, et al., J. Heterocyclic Chem. 20, 919-923(1983)を参照)。次いで、標題の化合物をフラッシュ・クロマトグラフィー(ジクロロメタン/酢酸エチル=20/1)で分離し、薄茶〜桃色の固体を得た。
【0198】
第三段階:3−[5−クロロ−3−[(2,4−ジメトキシベンジル)アミノ]−2−オキソピラジン−1(2H)−イル]ピペリジン−1−カルボン酸ベンジルの製造
【化23】

アセトニトリル(1mL)中の、第二段階からの3−(3,5−ジクロロ−2−オキソピラジン−1(2H)−イル)ピペリジン−1−カルボン酸ベンジル(0.0428g)及び2,4−ジメトキシベンジルアミン(0.17mL)の溶液を、電子レンジ中で110℃で30分間加熱した。次いで、所望の生成物をフラッシュ・クロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル=2/1)で分離し、標題の化合物を白色固体として得た。
【0199】
第四段階:3−[3−[(2,4−ジメトキシベンジル)アミノ]−5−(5−フルオロ−2−ヒドロキシフェニル)−2−オキソピラジン−1(2H)−イル]ピペリジン−1−カルボン酸ベンジルの製造
【化24】

前段階からの3−[5−クロロ−3−[(2,4−ジメトキシベンジル)アミノ]−2−オキソピラジン−1(2H)−イル]ピペリジン−1−カルボン酸ベンジル(0.513g、1mmol)、2−(ベンジルオキシ)−5−フルオロフェニルボロン酸(1.4mmol)、ジクロロ[1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]パラジウム(II)(0.073g、0.1mmol)、1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン(0.055g、0.1mmol)及び炭酸セシウム(0.85g、2.6mmol)を、テフロンで裏打ちされたキャップと3個のガラスビーズの付いたシンチレーション・バイアルに加えた。反応容器を排気し、そしてアルゴンでフラッシュし、アルゴンを通気したアセトニトリル(3〜5mL)を加え、そして、反応液を90℃で、オービット・シェーカーで振盪し、そして、HPLCで精製した。終了後、反応液を冷却し、セライトを通して濾過し、そして蒸発させた。得られた油状物質を、EtOAcと5%NaHCO3間で分配した。層を分離し、そして、EtOAc層をMgSO4で乾燥し、濾過して、結合生成物を得た。生成物を分取逆相クロマトグラフィーで、アセトニトリル/水=15%から90%の直線勾配液(0.1%のTFA緩衝液含有)を用いて精製した。
【0200】
第五段階:3−[(2,4−ジメトキシベンジル)アミノ]−5−(5−フルオロ−2−ヒドロキシフェニル)−1−ピペリジン−3−イルピラジン−2(1H)−オンの製造
【化25】

ベンジルオキシカルボニル−保護基を、メタノール中の10%Pd/C、水素源としてギ酸アンモニウム(2当量)を用いた、相転移型の水添分解(50℃で終夜)により取り除いた。反応液を、セライトを通して濾過し、蒸発させ、そしてEtOAcと5%NaHCO3間で分配した。EtOAc層を分離し、そして、蒸発させ、標題の化合物を得た。
【0201】
第六段階:3−アミノ−5−(5−フルオロ−2−ヒドロキシフェニル)−1−ピペリジン−3−イルピラジン−2(1H)−オンの製造
【化26】

2,4−ジメトキシベンジル保護基を、TFA単体中、60℃で2時間上記化合物を撹
拌して除去した。反応液を蒸発させ、そして、標題の化合物を、分取逆相クロマトグラフィーで、アセトニトリル/水=5%から90%の直線勾配液(0.1%のTFA緩衝液含有)を用いて精製し、TFA塩として分離した。
1H NMR (300 MHz, DMSO-d6) δ1.76-2.18 (m, 4H), 2.83(m, 1H), 3.35(m, 3H), 5.09(m,
1H), 6.78(m, 1H), 6.94(m, 1H), 7.55(m, 4H), 8.83(br s, 1H), 9.23(m, 1H); MS(ESI+) for C15H17FN4O2 m/z 305.2(M+H)+
【0202】
実施例3:3−アミノ−5−(4−フルオロ−2−ヒドロキシフェニル)−1−ピペリジン−3−イルピラジン−2(1H)−オン
【化27】

【0203】
実施例2の手順に従って製造した。
1H NMR (300 MHz, DMSO-d6) δ1.76-2.18 (m, 4H), 2.83(m, 1H), 3.35(m, 3H), 5.09(m,
1H), 6.62(m, 2H), 7.46(s, 1H), 7.53(br s, 2H), 7.73(m, 1H), 8.83(br s, 1H), 9.23(m, 1H);MS(ESI+) for C15H17FN4O2 m/z 305.1(M+H)+
【0204】
実施例4:IKK−2のIC50の決定
材料
SAM2(登録商標)96ビオチン捕捉プレートは、Promega社から入手した。抗FLAGアフィニティ樹脂、FLAGペプチド、NP−40(NonidetP−40)、BSA、ATP、ADP、AMP、LPS(E.coli血清型0111:B4)、及びジチオスレイトールはSigma Chemicals社から入手した。NEMO(IKK−γ)(FL−419)、IKK−1(H−744)、IKK−2(H−470)及びIκBα(C−21)の特異的抗体は、Santa Cruz Biotechnology社から購入した。Ni−NTA樹脂はQiagen社から購入した。ペプチドはAmerican Peptide Company社から購入した。プロテアーゼ阻害剤カクテル錠剤は、Boehringer Mannheim社から購入した。SephacrylS−300カラムはPharmacia LKB Biotechnology社から購入した。10kDaの分子量カットオフ値を有するCentriprep−10濃縮器及び30kDaの分子量カットオフ値を有する膜は、Amicon社から得た。[γ−33P]ATP(2500Ci/ミリモル)及び[γ−33P]ATP(6000Ci/ミリモル)は、Amersham社から購入した。使用したその他の試薬は、市販品の最高級グレードであった。
【0205】
クローニング及び発現
ヒトIKK−1及びIKK−2のcDNAをヒト胎盤RNA(Clonetech社)からの逆転写ポリメラーゼ連鎖反応によって増幅した。hIKK−1をpFastBac
HTa(Life Technologies社)にサブクローンし、N末端His6タグ付けした融合タンパク質として発現させた。hIKK−2cDNAを、FLAGエピトープタグに対するペプチド配列をIKK−2コード領域(DYKDDDDKD)のC末端に組み込むリバース・オリゴヌクレオチド・プライマーを用いて増幅した。hIKK−2:FLAGcDNAをバキュロウイルス・ベクターpFastBacにサブクローンした。rhIKK−2(S177S、E177E)変位を、Quick Change(登
録商標)突然変異生成キット(Stratagene社)を使用して、野生型rhIKK−2に対して使用される同じベクターに構築した。各構築のウイルスストックを使用して、40Lの浮遊培養液中に増殖する昆虫細胞に感染させた。細胞を、最大の発現とrhIKK活性が実証されたときに溶解した。細胞溶解液を、組換えタンパク質の精製が以下に記載するように行われるまで、−80℃にて貯蔵した。
【0206】
酵素の単離
全ての精製手順は、特に断りのない限り4℃で実施された。使用したバッファーは以下の通りである。バッファーA:50mMのNaCl、20mMのNaF、20mMのβ-
グリセロリン酸、500μMのオルトバナジン酸ナトリウム、2.5mMのメタ重亜硫酸塩、5mMのベンズアミジン、1mMのEDTA、0.5mMのEGTA、10%グリセロール、1mMのDTT、1XComplete(登録商標)プロテアーゼ阻害剤を含有した、20mMのトリスHCl、pH7.6;バッファーB:150mMのNaCl以外はバッファーAと同じ:及びバッファーC:500mMのNaCl以外はバッファーAと同じ。
【0207】
rhIKK−1ホモダイマーの単離
Hisペプチドでタグ付けしたバキュロウイルス発現IKK−1の8L続酵からの細胞を遠心分離し、細胞ペレット(MOI:0.1、I=72時間)をバッファーC100mlに再懸濁した。細胞を微小流動化し、100,000×gで、45分遠心分離した。上清を採取し、イミダゾールを最終濃度10mMまで加え、NiNTA樹脂25mlで2時間インキュベートした。懸濁液を25mlカラムに投入し、バッファーC250mlで、次いでバッファーC中50mMイミダゾール125mLで洗浄した。rhIKK−1ホモダイマーを300mMイミダゾールのバッファーC溶液を用いて溶出した。BSA及びNP−40を酵素分画に最終濃度0.1%になるように加えた。酵素をバッファーBに対して透析し、等分して、−80℃で貯蔵した。
【0208】
rhIKK−2ホモダイマーの単離
FLAGペプチドでタグ付けしたバキュロウイルス発現IKK−2の10リットル培養を遠心分離し、細胞ペレット(MOI=0.1、I=72時間)をバッファーAに再懸濁した。これら細胞を微小流動化し、100,000×gで45分遠心分離した。上清をバッファーAで平衡化したG−25カラムを通過させた。タンパク質ピークを採取し、回転装置上の抗FLAGアフィニティ樹脂と一夜バッファーB中でインキュベートした。樹脂をバッファーCの10〜15床容積(bed volume)でバッチで洗浄した。洗浄した樹脂をカラムに投入し、rhIKK−2ホモダイマーを、5床容積のFLAGペプチド含有バッファーBを使用して溶出した。5mMのDTT、0.1%NP−40及びBSA(最終量0.1%に濃縮)を溶出した酵素に加えた後、分子量カットオフ値30kDaのAmicon膜を使用して濃縮した。酵素を等分して、−80℃で貯蔵した。
【0209】
rhIKK−1/IKK−2ヘテロダイマーの単離
ヘテロダイマー酵素を、バキュロウイルス系(FLAG・IKK−2/IKK−1・His;MOI=0.1、I=72時間)への同時感染によって製造した。感染細胞を遠心分離し、細胞ペレット(10.0g)を50mlのバッファーAに懸濁した。タンパク質懸濁液を微小流動化し、100,000×gで45分遠心分離した。イミダゾールを上清に、最終濃度10mMになるように加えた。タンパク質を2時間撹拌することによって、25mlのNi−NTAに結合させた。タンパク質−樹脂のスラリーを25mlカラムに投入し、250mlの10mMイミダゾール含有バッファーAで、次いで、125mlの50mMイミダゾール含有バッファーAで洗浄した。300mMイミダゾール含有バッファーAをタンパク質溶出に使用した。75mlのプールを採取し、NP−40を最終濃度0.1%まで加えた。タンパク質溶液をバッファーBに対して透析した。次いで、透析したヘテロダイマー酵素を一定に撹拌しつつ、一夜、25mlの抗FLAG・M2アガロースアフィニティゲルに結合させた。次いで、上記タンパク質−樹脂スラリーを、2,000rpmで5分間遠心分離した。上清を採取し、樹脂を100mlの0.1%NP−40含有バッファーCに再懸濁した。樹脂を、375mlの0.1%NP−40含有バッファーCで洗浄した。上記タンパク質−樹脂を25mlカラムに投入し、酵素をFLAGペプチド含有バッファーBを用いて溶出した。酵素分画(100ml)を採取し、分子量カットオフ値30kDaのAmicon膜を用いて20mlに濃縮した。ウシ血清アルブミンを、最終濃度0.1%まで濃縮酵素に加えた。酵素を等分し、−80℃で貯蔵した。
【0210】
細胞培養
野生型(wt)ヒトプレB細胞株、70Z/3、及びその変異株:1.3E2、はCarol Sibley博士によって提供された。Wt70Z/3及び1.3E2細胞を、7%限定ウシ血清(Hyclone社)及び50μMの2−メルカプトエタノール補充RPMI1640(Gibco社)で増殖した。ATCCから入手したヒト単球性白血病THP−1細胞を、10%限定ウシ血清、10mMのHEPES、1.0mMのピルビン酸ナトリウム及び50μMの2−メルカプトエタノール補充RPMI1640で培養した。実験用に、細胞を6ウエルプレートに、新鮮培地中1×106細胞/mlの濃度で播種した。プレB細胞を、0〜4時間の範囲で時間の長さを変化させつつ、10μg/mlLPSを加えることによって刺激した。THP−1細胞を、1μg/mlLPSを45分間加えることによって刺激した。細胞をペレット化し、0.15MのNaCl含有、冷50mMのリン酸ナトリウム・バッファー、pH7.4で洗浄し、次いで、50mMのNaCl、1mMのEDTA、1mMのEGTA、1mMのオルトバナジン酸ナトリウム、10mMのβ-グリセロリン酸、1mMのNaF、1mMのPMSF、1mMのDTT及び0.5%NP−40(溶解バッファー)を含有した、20mMのHepesバッファー、pH7.6で、4℃にて溶解した。遠心分離10,000×gの後得られた細胞質分画を、使用するまで−80℃で貯蔵した。
【0211】
免疫沈降及びウエスタン・ブロッティング
rhIKKを含有するSF9細胞ペーストを遠心分離し(100,000×g、10分間)、細胞残渣を除去した。rhIKKを、3μgの抗NEMO抗体(FL−419)を使用して細胞上清から免疫沈降(100μg細胞ペースト)し、次いで、タンパク質Aセファロースビーズにカップリングした。rhIKKは、又、抗FLAG抗体、抗His抗体又は抗NEMO抗体(1〜4μg)を用いてアフィニティ・クロマトグラフィー精製タンパク質調製物(1μg)から免疫沈降し、次いで、タンパク質Aセファロースカップリングをした。天然のヒトIKK複合体を、抗NEMO抗体を用いてTHP−1細胞ホモジネート(300μg/条件)から免疫沈降した。免疫複合体をペレット化し、1mlの冷溶解バッファーで3回洗浄した。免疫沈降rhIKKは、SDS−PAGE(8%トリス−グリシン)によりクロマトグラフィー処理し、ニトロセルロース膜(Novex社)に転移させ、特異的抗IKK抗体(IKK−2・H−470、IKK−1・H−744)を用いてケミルミネセンス(Super Signal社)によって検出した。細胞質溶解物(20〜80μg)からの天然のIKK−2、IκBα及びNEMOタンパク質をSDS−PAGEにより分離し、そして、特異的抗体を用いてケミルミネセンスによって可視化した。
【0212】
ホスファターゼ処理
免疫沈降rhIKKを、0.1mMのEDTA、1mMのDTT、1mMのPMSF及び2mMのMnCl2を含有した50mMのトリス−HCl、pH8.2、で2回洗浄し、50μlに再懸濁した。ホスファターゼ(λPPase、1000U)を同じバッファーで前希釈し、IKK試料に加えた。室温で30分間、間欠的に混合しつつインキュベーションの後、冷溶解バッファーをチューブに加え反応を停止した。数回の洗浄の後に、ビーズの10%をウエスタン分析のために取り出し、残りの材料をペレット化し、インビトロでのキナーゼアッセイに使用するため100μlのバッファーに再懸濁した。
【0213】
IKK−1SAM酵素アッセイ
IKK−1キナーゼ活性を、ビオチン化IκBαペプチド(Gly-Leu−Lys−Lys−Glu−Arg−Leu−Leu−Asp−Asp−Arg−His−Asp−Ser32−Gly−Leu−Asp−Ser36−Met−Lys−Asp−Glu−Glu)、SAM2(登録商標)96ビオチン捕捉プレート及びバキュームシステムを用いて測定した。標準反応混合物は、最終容積50μl中に、5μMのビオチン化IκBαペプチド、1μMの[γ−33P]ATP(約1×105cpm)、1mMのDTT、50mMのKCl、2mMのMgCl2、2mMのMnCl2、10mMのNaF、25mMのHepesバッファー、pH7.6、及び酵素溶液(1〜10μl)を含有していた。25℃、30分でインキュベーション後、25μlの反応混合物を取り出し、SAM2(登録商標)96ウエルビオチン捕捉プレートに加えた。次いで、各ウエルを800μlの2MのNaCl、1.2mlの1%H3PO4含有NaCl、400μlの水、及び200μlの95%エタノールで継続的に洗浄した。プレートを、フード中で25℃、1時間乾燥させ、各ウエルに25μlのシンチレーション液(Microscint20)を加えた。[γ−33P]ATPの取り込みをTop−CountNXT(Packard社)を使用して測定した。各々のアッセイ条件下で、IκBαペプチド基質のリン酸化の程度は、全ての精製酵素について、時間と濃度に対して直線的であった。ビオチン化ペプチドアッセイの結果は、GST−IκBα1-54、及び[γ−33P]ATPを利用するキナーゼ反応のSDS−PAGE分析によって確認された。得られた放射標識化基質は、Phosphoimager(Molecular Dynamics社)によって定量化された。イオン交換樹脂アッセイも、基質としての[γ−33P]ATP及びGST−IκBα1-54融合タンパク質を使用して行われた。各アッセイ系で、各精製キナーゼイソフォームに対するKm及び比活性に関して一定の結果が得られた。酵素活性1単位は、1分間当たり、リン酸1ナノモルを、ATPからIκBαペプチドに転移するのを触媒するのに必要な量として定義された。比活性は、タンパク質1mg当たりの単位として表現された。精製酵素のKm決定に関する実験には、ATP又はIκBαペプチドの種々の濃度が、IκBα又はATPの一定濃度が、いずれかのアッセイにおいて使用された。IκBαペプチドのKmについては、アッセイは、0.1μgの酵素、5μMのATP、及び0.5〜20μMのIκBαペプチドで実施された。ATPのKmについては、アッセイは、0.1μg酵素、10μMのIκBαペプチド、及び0.1〜10μMのATPで実施された。rhIKK−1ホモダイマーのKmの決定については、IκBαペプチドに対するその低活性と高いKmの故に、ATPのKm実験に対する125μMのIκBαペプチド及びATP(0.1〜10μM)の5倍高い比活性で、並びにIκBαペプチドのKm実験に対する5μMのATPの5倍高い比活性及びIκBαペプチド(5〜200μM)で、rhIKK−1ホモダイマー(0.3μg)はアッセイされた。
【0214】
IKKヘテロダイマー樹脂酵素アッセイ
IKKへテロダイマーキナーゼ活性は、ビオチン化IκBαペプチド(Gly-Leu−Lys−Lys−Glu−Arg−Leu−Leu−Asp−Asp−Arg−His−Asp−Ser32−Gly−Leu−Asp−Ser36−Met−Lys−Asp−Glu−Glu)(American Peptide社)を用いて測定された。20μlの標準反応混合物は、最終容積50μl中に、5μMのビオチン化IκBαペプチド、0.1μCi/反応の[γ−33P]ATP(Amersham社)(約1×105cpm)、1μMのATP(Sigma社)、1mMのDTT(Sigma社)、2mMのMgCl2(Sigma社)、2mMのMnCl2(Sigma社)、10mMのNaF(Sigma社)、25mMのHepes(Sigma社)バッファー、pH7.6、及び20μlの酵素溶液、及び10μlの阻害剤を含有していた。25℃、30分でインキュベーショ
ン後、900mMのギ酸塩、pH3.0、中150μlの樹脂(Dowex陰イオン交換樹脂AG1X8、200〜400メッシュ)を各ウエルに加え、反応を停止した。樹脂を1時間放置し、上清50μlをMicolite−2平板ボトルプレート(Dynex社)に移した。150μlのシンチレーション液(Microscint40)(Packard社)を各ウエルに加えた。[γ−33P]ATPの取り込みをTop−CountNXT(Packard社)を使用して測定した。
【0215】
IKK―2樹脂酵素アッセイ
IKK−2キナーゼ活性は、ビオチン化IκBαペプチド(Gly-Leu−Lys−
Lys−Glu−Arg−Leu−Leu−Asp−Asp−Arg−His−Asp−Ser32−Gly−Leu−Asp−Ser36−Met−Lys−Asp−Glu−Glu)(American Peptide社)を用いて測定された。20μlの標準反応混合物は、最終容積50μl中に、5μMのビオチン化IκBαペプチド、0.1μCi/反応の[γ−33P]ATP(Amersham社)(約1×105cpm)、1μMのATP(Sigma社)、1mMのDTT(Sigma社)、2mMのMgCl2(Sigma社)、2mMのMnCl2(Sigma社)、10mMのNaF(Sigma社)、25mMのHepes(Sigma社)バッファー、pH7.6、及び20μlの酵素溶液、及び10μlの阻害剤を含有していた。25℃、30分でインキュベーション後、900mMのギ酸塩、pH3.0、中150μlの樹脂(Dowex陰イオン交換樹脂AG1X8、200〜400メッシュ)を各ウエルに加え、反応を停止した。樹脂を1時間放置し、上清50μlをMicolite−2平板ボトルプレート(Dynex社)に移した。150μlのシンチレーション液(Microscint40)(Packard社)を各ウエルに加えた。[γ−33P]ATPの取り込みをTop−CountNXT(Packard社)を使用して測定した。
【0216】
上に記載したアッセイから得られたIKK−2のIC50値を、以下の表に示す。
【表18】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
式I:
【化1】

[式中、
Xは、O、S及びNR5aから成るグループから選択され;
a及びRcは、ヒドリド、ヒドロキシル、アルコキシ、アルキル、ハロアルキル、アリール及びヘテロアリールから成るグループから独立に選択され;
bは、シクロアルキル、シクロアルケニル、アリール、ヘテロシクロアルキル、ヘテロシクロアルケニル及びヘテロアリールから成るグループから選択される3から12員環部分構造であり、ここで、Rbは、R2、シクロアルキル及びシクロアルキルアルキルから成るグループから選択される1つ又はそれ以上の置換基で場合により置換され;
dは、−(CH2)qNH2、−(CH2)qNHR2並びに炭素及び窒素から成るグループから選択される環構成員を有する5から7員環ヘテロシクロアルキルから成るグループから選択され、ここで、該ヘテロシクロアルキルは、R2から成るグループから選択される1つ又はそれ以上の置換基で場合により置換されてもよく;
2は、ハロ、アルキルスルフィニル、アルキルスルホニル、シアノ、アルコキシカルボニル、アルキル、ハロアルキル、ヒドロキシアルキル、ハロアルコキシ、ニトロ、アシルアミノ、R7、−OR3、−(CH2)mOR3、−(CH2)pCO23、−SR3、−SO2N(R4a)R4b、−NR5a5b、−NR5aCOR5b、−NR5aCO(OR5b)、−NR5aSO26、−NR5aSO2N(R6a)R6b、−NR5aCON(R6a)R6b、−COR5a及び−CON(R4a)R4bから成るグループから選択され;
3、R4a及びR4bは、ヒドリド、アリール、ヘテロアリール、ヘテロアラルキル、アルキル、ハロアルキル、アルケニル、アルキニル、ヒドロキシアルキル、アミノアルキル、アルキルアミノアルキル、N,N−ジアルキルアミノアルキル、アルコキシ、アルコキシアルキル、ヘテロシクロアルキル、ヘテロシクロアルケニル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、アラルキル及びアラルキルアミノから成るグループから独立に選択され、ここで、該アリールは、アルキル、アミノアルキル、アルコキシ及びハロから成るグループから選択される1つ又はそれ以上の基で場合により置換され、R4a及びR4bは一緒になって、S、SO、SO2、O、N及びNR5aから選択される1から3個のヘテロ原子を有する3から7員の複素環式環を形成してもよく;
5a及びR5bは、ヒドリド、アルキル、アリール、ヘテロアリール、アラルキル、ヘテロシクロアルケニル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、ハロアルキル、アラルキルアミノ、アミノ、アミノアルキル、アミノアシル、ニトロ、アジド及びヘテロアラルキルから成るグループから独立に選択され、ここで、該アルキル、アリール、ヘテロアリール、アミノアルキル及びアラルキル部分構造は、アルキルスルホンアミド、スルファミル、アルキル、アルキルチオ、アルキルスルフィニル、アルキルスルホニル、N−アルキルアミノ、アミノアルキル、アルキルアミノアルキル、アルコキシ、ハロ、アシルオキシ、オキシ、ホルミル、ハロアルキル、シアノ、ハロアルコキシ、アシル、カルボキシル、ヒドロキシ、ヒドロキシアルコキシ、フェノキシ、ニトロ、アジド、ベンジルオキシ、N,N−ジアルキルアミノアシル、チオアルキル、アミノアシルオキシ、チオシアナト、イソチオシアナト、アルキルジオキシ、ヒドロキシアルキル、N−アルキルアミノ、アルコキシカルボニル、アルコキシアルキル、アルケニルアミノ、アルキニルアミノ、アルケニル、アルキニル、N,N−ジアルキルアミノアルコキシ、ヘテロシクロアルキル、ヘテロシクロアルケニル及びヘテロアリールから成るグループから選択される1つ又はそれ以上の
置換基で場合により置換され;
6a及びR6bは、ヒドリド、アルキル、ヘテロアリール、ヘテロシクロアルケニル、ハロアルキル、アラルキルアミノ、ヘテロアラルキル、アリール及びアラルキルから成るグループから独立に選択され、ここで該アリール、ヘテロアリール、ヘテロシクロアルケニル及びアラルキル部分構造は、アルキル、アルコキシ、ハロ、ハロアルキル、シアノ、ハロアルコキシ、アシル、カルボキシル、ヒドロキシ、ヒドロキシアルコキシ、フェノキシ、ベンジルオキシ、N,N−ジアルキルアミノアルコキシ、ヘテロシクロアルキル、ヘテロシクロアルケニル及びヘテロアリールから選択される1つ又はそれ以上の置換基で場合により置換され、ここで、R6a及びR6bは一緒になって、S、SO、SO2、O、N及びNR5aから選択される1から3個のヘテロ原子を有する3から7員の複素環式環を形成してもよく;
7は、アリール、ヘテロシクロアルケニル、ヘテロアリール及びアルケニルから成るグループから選択され、ここで、R7は、R5aから成るグループから選択される1つ又はそれ以上の置換基で場合により置換され:
nは、1、2又は3であり;
mは、1、2又は3であり;
pは、0、1又は2であり;
qは、0から9の間の整数である]
で表される化合物、又は薬学的に許容されるその塩。
【請求項2】
式中、
a及びRcは、ヒドリド、ヒドロキシル、C1-6アルコキシ、C1-6アルキル、C1-6ハロアルキル、C3-12アリール及び3から12員のヘテロアリールから成るグループから独立に選択され;
bは、C3-12シクロアルキル、C3-12シクロアルケニル、C3-12アリール、3から12員のヘテロシクロアルキル、3から12員のヘテロシクロアルケニル及び3から12員のヘテロアリールから成るグループから選択される3から12員環部分構造であり、ここで、Rbは、R2、C3-12シクロアルキル及びC4-18シクロアルキルアルキルから成るグループから選択される1つ又はそれ以上の置換基で場合により置換され;
dは、−(CH2)qNH2、−(CH2)qNHR2並びに炭素及び窒素から成るグループから選択される環構成員を有する5から7員のへテロシクロアルキルから成るグループから選択され、ここで、該へテロシクロアルキルは、R2から成るグループから選択される1つ又はそれ以上の置換基で場合により置換されてもよく;
2は、ハロ、C1-6アルキルスルフィニル、C1-6アルキルスルホニル、シアノ、C2-7アルコキシカルボニル、C1-6アルキル、C1-6ハロアルキル、C1-6ヒドロキシアルキル、C1-6ハロアルコキシ、ニトロ、C2-10アシルアミノ、R7、−OR3、−(CH2)mOR3、−(CH2)pCO23、−SR3、−SO2N(R4a)R4b、−NR5a5b、−NR5aCOR5b、−NR5aCO(OR5b)、−NR5aSO26、−NR5aSO2N(R6a)R6b、−NR5aCON(R6a)R6b、−COR5a及び−CON(R4a)R4bから成るグループから選択され;
3、R4a及びR4bは、ヒドリド、C3-12アリール、3から12員のヘテロアリール、4から18員のヘテロアラルキル、C1-6アルキル、C1-6ハロアルキル、C2-6アルケニル、C2-6アルキニル、C1-6ヒドロキシアルキル、C1-6アミノアルキル、C2-12アルキルアミノアルキル、N−N−ジ(C1-6アルキル)アミノ(C1-6アルキル)、C1-6アルコキシ、C2-12アルコキシアルキル、3から12員のヘテロシクロアルキル、3から12員のヘテロシクロアルケニル、C3-12シクロアルキル、C4-18シクロアルキルアルキル、C4-18アラルキル及びC4-18アラルキルアミノから成るグループから独立に選択され、ここで、該アリールは、C1-6アルキル、C1-6アミノアルキル、C1-6アルコキシ及びハロから成るグループから選択される1つ又はそれ以上の基で場合により置換され、R4a及びR4bは一緒になって、S、SO、SO2、O、N及びNR5aから選択される1から3個のヘテロ原子を有する3から7員の複素環式環を形成してもよく;
5a及びR5bは、ヒドリド、C1-6アルキル、C3-12アリール、3から12員のヘテロアリール、C4-18アラルキル、3から12員のヘテロシクロアルケニル、C3-12シクロアルキル、3から12員のヘテロシクロアルキル、C1-6ハロアルキル、C4-18アラルキルアミノ、アミノ、C1-6アミノアルキル、C2-10アミノアシル、ニトロ、アジド及び4から18員のヘテロアラルキルから成るグループから独立に選択され、ここで、該アルキル、アリール、ヘテロアリール、アミノアルキル及びアラルキル部分構造は、C1-6アルキルスルホンアミド、スルファミル、C1-6アルキル、C1-6アルキルチオ、C1-6アルキルスルフィニル、C1-6アルキルスルホニル、N−(C1-6アルキル)アミノ、C1-6アミノアルキル、C2-12アルキルアミノアルキル、C1-6アルコキシ、ハロ、C2-10アシルオキシ、オキシ、ホルミル、C1-6ハロアルキル、シアノ、C1-6ハロアルコキシ、C2-10アシル、カルボキシル、ヒドロキシ、C1-6ヒドロキシアルコキシ、フェノキシ、ニトロ、アジド、ベンジルオキシ、N,N−ジ(C1-6アルキル)アミノ(C2-10アシル)、C1-6チオアルキル、C2-10アミノアシルオキシ、チオシアナト、イソチオシアナト、C1-6アルキルジオキシ、C1-6ヒドロキシアルキル、N−(C1-6アルキル)アミノ、C2-7アルコキシカルボニル、C2-12アルコキシアルキル、C2-6アルケニルアミノ、C2-6アルキニルアミノ、C2-6アルケニル、C2-6アルキニル、N,N−ジ(C1-6アルキル)アミノ(C1-6アルコキシ)、3から12員のヘテロシクロアルケニル、3から12員のヘテロシクロアルキル及び3から12員のヘテロアリールから成るグループから選択される1つ又はそれ以上の置換基で場合により置換され;
6a及びR6bは、ヒドリド、C1-6アルキル、3から12員のヘテロアリール、3から12員のヘテロシクロアルケニル、C1-6ハロアルキル、C4-18アラルキルアミノ、4から18員のヘテロアラルキル、C3-12アリール及びC4-18アラルキルから成るグループから独立に選択され、ここで、該アリール、ヘテロアリール、ヘテロシクロアルケニル及びアラルキル部分構造は、C1-6アルキル、C1-6アルコキシ、ハロ、C1-6ハロアルキル、シアノ、C1-6ハロアルコキシ、C2-10アシル、カルボキシル、ヒドロキシ、C1-6ヒドロキシアルコキシ、フェノキシ、ベンジルオキシ、N,N−ジ(C1-6アルキル)アミノ(C1-6アルコキシ)、3から12員のヘテロシクロアルケニル、3から12員のヘテロシクロアルキル、3から12員のヘテロアリールから選択される1つ又はそれ以上の置換基で場合により置換され、R6a、R6bは一緒になって、S、SO、SO2、O、N及びNR5aから選択される1から3個のヘテロ原子を有する3から7員の複素環式環を形成してもよく;そして、
7は、C3-12アリール、3から12員のヘテロシクロアルケニル、3から12員のヘテロアリール及びC2-6アルケニルから成るグループから選択され、ここで、R7は、R5aから成るグループから選択される1つ又はそれ以上の置換基で場合により置換される;
請求項1記載の化合物、又は薬学的に許容されるその塩。
【請求項3】
式中、
a及びRcは、ヒドリド、ヒドロキシル、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、ブトキシ、メチル、エチル、プロピル、ブチル、ペンチル、ヘキシル、クロロメチル、ジクロロメチル、トリクロロメチル、フルオロメチル、ジフルオロメチル、トリフルオロメチル、フェニル、ビフェニル、ナフチル、インデニル、ピリジニル、ベンゾチオフェニル、インドリル、イソキノリニル、キノリニル、チエニル、ピロリル、フリル、ピラゾリル、イミダゾリル、イソオキサゾリル、オキサゾリル及びイソインドールジオニルから成るグループから独立に選択され;
bは、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロプロペニル、シクロブテニル、シクロペンテニル、シクロヘキセニル、フェニル、ビフェニル、ナフチル、インデニル、ピペリジニル、ピロリジニル、ピラゾリジニル、イミダゾリジニル、イソオキサゾリジニル、オキサゾリジニル、イソインドリル、ジヒドロインドリル、イソインドリン、ジヒドロチオフェニル、ジヒドロピロリル、ジヒドロフリル、ジヒドロピラゾリル、ジヒドロイミダゾリル、ジヒドロイソオキサゾリル、ジヒドロオキサゾ
リル、ピリジニル、ベンゾチオフェニル、インドリル、イソキノリニル、キノリニル、チエニル、ピロリル、フリル、ピラゾリル、イミダゾリル、イソオキサゾリル、オキサゾリル及びイソインドールジオニルから成るグループから選択される3から12員環部分構造であり、ここで、Rbは、R2、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロプロピルメチル、シクロプロピルエチル、シクロブチルメチル、シクロブチルエチル、シクロペンチルメチル、シクロペンチルエチル、シクロヘキシルメチル及びシクロヘキシルエチルから成るグループから選択される1つ又はそれ以上の置換基で場合により置換され;
dは、−(CH2)qNH2、−(CH2)qNHR2、ピペリジニル、ピロリジニル、ピラゾリジニル及びイミダゾリジニルから成るグループから選択され、ここで、該ピペリジニル、ピロリジニル、ピラゾリジニル又はイミダゾリジニルは、R2から成るグループから選択される1つ又はそれ以上の置換基で場合により置換されてもよく;
2は、クロロ、フルオロ、ブロモ、ヨード、メチルスルフィニル、エチルスルフィニル、プロピルスルフィニル、ブチルスルフィニル、メチルスルホニル、エチルスルホニル、プロピルスルホニル、ブチルスルホニル、シアノ、メトキシカルボニル、エトキシカルボニル、プロポキシカルボニル、ブトキシカルボニル、メチル、エチル、プロピル、ブチル、ペンチル、ヘキシル、クロロメチル、ジクロロメチル、トリクロロメチル、フルオロメチル、ジフルオロメチル、トリフルオロメチル、ヒドロキシメチル、ヒドロキシエチル、ヒドロキシプロピル、ヒドロキシブチル、ヒドロキシペンチル、ヒドロキシヘキシル、クロロメトキシ、ジクロロメトキシ、トリクロロメトキシ、フルオロメトキシ、ジフルオロメトキシ、 トリフルオロメトキシ、ニトロ、メチルカルボニルアミノ、エチルカルボニルアミノ、プロピルカルボニルアミノ、ブチルカルボニルアミノ、ペンチルカルボニルアミノ、ヘキシルカルボニルアミノ、フェニルカルボニルアミノ、ベンジルカルボニルアミノ、R7、−OR3、−(CH2)mOR3、−(CH2)pCO23、−SR3、−SO2N(R4a)R4b、−NR5a5b、−NR5aCOR5b、−NR5aCO(OR5b)、−NR5aSO26、−NR5aSO2N(R6a)R6b、−NR5aCON(R6a)R6b、−COR5a及び−CON(R4a)R4bから成るグループから選択され;
3、R4a及びR4bは、ヒドリド、フェニル、ビフェニル、ナフチル、インデニル、ピリジニル、ベンゾチオフェニル、インドリル、イソキノリニル、キノリニル、チエニル、ピロリル、フリル、ピラゾリル、イミダゾリル、イソオキサゾリル、オキサゾリル、イソインドールジオニル、ピリジニルメチル、ピリジニルエチル、ベンゾチオフェニルメチル、ベンゾチオフェニルエチル、インドリルメチル、インドリルエチル、イソキノリニルメチル、イソキノリニルエチル、キノリニルメチル、キノリニルエチル、チエニルメチル、チエニルエチル、ピロリルメチル、ピロリルエチル、フリルメチル、フリルエチル、ピラゾリルメチル、ピラゾリルエチル、イミダゾリルメチル、イミダゾリルエチル、イソオキサゾリルメチル、イソオキサゾリルエチル、オキサゾリルメチル、オキサゾリルエチル、イソインドールジオニルメチル、イソインドールジオニルエチル、メチル、エチル、プロピル、ブチル、ペンチル、ヘキシル、クロロメチル、ジクロロメチル、トリクロロメチル、フルオロメチル、ジフルオロメチル、トリフルオロメチル、エテニル、プロペニル、ブテニル、ペンテニル、エチニル、プロピニル、ブチニル、ペンチニル、ヒドロキシメチル、ヒドロキシエチル、ヒドロキシプロピル、ヒドロキシブチル、ヒドロキシペンチル、ヒドロキシヘキシル、アミノメチル、アミノエチル、アミノプロピル、アミノブチル、アミノペンチル、アミノヘキシル、メチルアミノメチル、エチルアミノメチル、プロピルアミノメチル、メチルアミノエチル、エチルアミノエチル、プロピルアミノエチル、メチルアミノプロピル、エチルアミノプロピル、プロピルアミノプロピル、メチルアミノブチル、エチルアミノブチル、プロピルアミノブチル、メチルアミノペンチル、エチルアミノペンチル、プロピルアミノペンチル、メチルアミノヘキシル、エチルアミノヘキシル、プロピルアミノヘキシル、N,N−ジメチルアミノメチル、N,N−ジメチルアミノエチル、N−メチル−N−エチルアミノメチル、N−メチル−N−エチルアミノエチル、N−メチル−N−プロピルアミノメチル、N−メチル−N−プロピルアミノエチル、N,N−ジエチル
アミノメチル、N,N−ジエチルアミノエチル、N−エチル−N−プロピルアミノメチル、N−エチル−N−プロピルアミノエチル、N,N−ジプロピルアミノメチル、N,N−ジプロピルアミノエチル、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、ブトキシ、メトキシメチル、メトキシエチル、メトキシプロピル、エトキシメチル、エトキシエチル、エトキシプロピル、プロポキシメチル、プロポキシエチル、プロポキシプロピル、ブトキシメチル、ブトキシエチル、ブトキシプロピル、ピペリジニル、ピロリジニル、ピラゾリジニル、イミダゾリジニル、イソオキサゾリジニル、オキサゾリジニル、イソインドリル、ジヒドロインドリル、イソインドリン、ジヒドロチオフェニル、ジヒドロピロリル、ジヒドロフリル、ジヒドロピラゾリル、ジヒドロイミダゾリル、ジヒドロイソオキサゾリル、ジヒドロオキサゾリル、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロプロピルメチル、シクロプロピルエチル、シクロブチルメチル、シクロブチルエチル、シクロペンチルメチル、シクロペンチルエチル、シクロヘキシルメチル、シクロヘキシルエチル、ベンジル、フェニルエチル、ベンジルアミノ及びフェニルエチルアミノから成るグループから独立に選択され、ここで、該フェニル、ビフェニル、ナフチル又はインデニル部分構造は、メチル、エチル、プロピル、ブチル、ペンチル、ヘキシル、アミノメチル、アミノエチル、アミノプロピル、アミノブチル、アミノペンチル、アミノヘキシル、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、ブトキシ、クロロ、フルオロ、ブロモ及びヨードから成るグループから選択される1つ又はそれ以上の基で場合により置換され、R4a及びR4bは一緒になって、ピペリジニル、ピロリジニル、ピラゾリジニル、イミダゾリジニル、イソオキサゾリジニル、オキサゾリジニル、イソインドリル、ジヒドロインドリル、イソインドリン、ジヒドロチオフェニル、ジヒドロピロリル、ジヒドロフリル、ジヒドロピラゾリル、ジヒドロイミダゾリル、ジヒドロイソオキサゾリル、ジヒドロオキサゾリル、ピリジニル、ベンゾチオフェニル、インドリル、イソキノリニル、キノリニル、チエニル、ピロリル、フリル、ピラゾリル、イミダゾリル、イソオキサゾリル、オキサゾリル及びイソインドールジオニルから成るグループから選択される部分構造を形成してもよく;
5a及びR5bは、ヒドリド、メチル、エチル、プロピル、ブチル、ペンチル、ヘキシル、フェニル、ビフェニル、ナフチル、インデニル、ピリジニル、ベンゾチオフェニル、インドリル、イソキノリニル、キノリニル、チエニル、ピロリル、フリル、ピラゾリル、イミダゾリル、イソオキサゾリル、オキサゾリル、イソインドールジオニル、ベンジル、フェニルエチル、イソインドリル、ジヒドロインドリル、イソインドリン、ジヒドロチオフェニル、ジヒドロピロリル、ジヒドロフリル、ジヒドロピラゾリル、ジヒドロイミダゾリル、ジヒドロイソオキサゾリル、ジヒドロオキサゾリル、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、ピペリジニル、ピロリジニル、ピラゾリジニル、イミダゾリジニル、イソオキサゾリジニル、オキサゾリジニル、クロロメチル、ジクロロメチル、トリクロロメチル、フルオロメチル、ジフルオロメチル、トリフルオロメチル、ベンジルアミノ、フェニルエチルアミノ、アミノ、アミノメチル、アミノエチル、アミノプロピル、アミノブチル、アミノペンチル、アミノヘキシル、アミノメチルカルボニル、アミノエチルカルボニル、アミノプロピルカルボニル、アミノブチルカルボニル、アミノペンチルカルボニル、アミノヘキシルカルボニル、アミノフェニルカルボニル、アミノベンジルカルボニル、ニトロ、アジド、ピリジニルメチル、ピリジニルエチル、ベンゾチオフェニルメチル、ベンゾチオフェニルエチル、インドリルメチル、インドリルエチル、イソキノリニルメチル、イソキノリニルエチル、キノリニルメチル、キノリニルエチル、チエニルメチル、チエニルエチル、ピロリルメチル、ピロリルエチル、フリルメチル、フリルエチル、ピラゾリルメチル、ピラゾリルエチル、イミダゾリルメチル、イミダゾリルエチル、イソオキサゾリルメチル、イソオキサゾリルエチル、オキサゾリルメチル、オキサゾリルエチル、イソインドールジオニルメチル及びイソインドールジオニルエチルから成るグループから独立に選択され、ここで、該メチル、エチル、プロピル、ブチル、ペンチル、ヘキシル、フェニル、ビフェニル、ナフチル、インデニル、ピリジニル、ベンゾチオフェニル、インドリル、イソキノリニル、キノリニル、チエニル、ピロリル、フリル、ピラゾリル、イミダゾリル、イソオキサゾリル、オキサゾリル、イソインドールジオニル、アミノメチル、アミノエチル、アミノプロピル、アミノブチル、アミノペンチル、アミノヘキシル、ベンジル及びフェニルエチル部分構造は、メチルスルホンアミド、エチルスルホンアミド、プロピルスルホンアミド、ブチルスルホンアミド、スルファミル、メチル、エチル、プロピル、ブチル、ペンチル、ヘキシル、メチルチオ、エチルチオ、プロピルチオ、ブチルチオ、メチルスルフィニル、エチルスルフィニル、プロピルスルフィニル、ブチルスルフィニル、メチルスルホニル、エチルスルホニル、プロピルスルホニル、ブチルスルホニル、N−メチルアミノ、N−エチルアミノ、N−プロピルアミノ、アミノメチル、アミノエチル、アミノプロピル、アミノブチル、アミノペンチル、アミノヘキシル、メチルアミノメチル、エチルアミノメチル、プロピルアミノメチル、メチルアミノエチル、エチルアミノエチル、プロピルアミノエチル、メチルアミノプロピル、エチルアミノプロピル、プロピルアミノプロピル、メチルアミノブチル、エチルアミノブチル、プロピルアミノブチル、メチルアミノペンチル、エチルアミノペンチル、プロピルアミノペンチル、メチルアミノヘキシル、エチルアミノヘキシル、プロピルアミノヘキシル、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、ブトキシ、クロロ、フルオロ、ブロモ、ヨード、アシルオキシ、オキシ、ホルミル、クロロメチル、ジクロロメチル、トリクロロメチル、フルオロメチル、ジフルオロメチル、トリフルオロメチル、シアノ、クロロメトキシ、ジクロロメトキシ、トリクロロメトキシ、フルオロメトキシ、ジフルオロメトキシ、トリフルオロメトキシ、メチルカルボニル、エチルカルボニル、プロピルカルボニル、ブチルカルボニル、ペンチルカルボニル、ヘキシルカルボニル、フェニルカルボニル、ベンジルカルボニル、カルボキシル、ヒドロキシ、ヒドロキシメトキシ、ヒドロキシエトキシ、ヒドロキシプロポキシ、ヒドロキシブトキシ、フェノキシ、ニトロ、アジド、ベンジルオキシ、N,N−ジメチルアミノメチルカルボニル、N,N−ジメチルアミノエチルカルボニル、N,N−ジメチルアミノフェニルカルボニル、N−メチル−N−エチルアミノメチルカルボニル、N−メチル−N−エチルアミノエチルカルボニル、N−メチル−N−エチルアミノフェニルカルボニル、N−メチル−N−プロピルアミノメチルカルボニル、N−メチル−N−プロピルアミノエチルカルボニル、N−メチル−N−プロピルアミノフェニルカルボニル、N,N−ジエチルアミノメチルカルボニル、N,N−ジエチルアミノエチルカルボニル、N,N−ジエチルアミノフェニルカルボニル、N−エチル−N−プロピルアミノメチルカルボニル、N−エチル−N−プロピルアミノエチルカルボニル、N−エチル−N−プロピルアミノフェニルカルボニル、N,N−ジプロピルアミノメチルカルボニル、N,N−ジプロピルアミノエチルカルボニル、N,N−ジプロピルアミノフェニルカルボニル、チオメチル、チオエチル、チオプロピル、チオブチル、チオペンチル、チオヘキシル、アミノメチルカルボニルオキシ、アミノエチルカルボニルオキシ、アミノプロピルカルボニルオキシ、アミノブチルカルボニルオキシ、アミノペンチルカルボニルオキシ、アミノヘキシルカルボニルオキシ、アミノフェニルカルボニルオキシ、アミノベンジルカルボニルオキシ、チオシアナト、イソチオシアナト、メチルジオキシ、エチルジオキシ、プロピルジオキシ、ブチルジオキシ、ペンチルジオキシ、ヘキシルジオキシ、ヒドロキシメチル、ヒドロキシエチル、ヒドロキシプロピル、ヒドロキシブチル、ヒドロキシペンチル、ヒドロキシヘキシル、N−メチルアミノ、N−エチルアミノ、N−プロピルアミノ、メトキシカルボニル、エトキシカルボニル、プロポキシカルボニル、ブトキシカルボニル、メトキシメチル、メトキシエチル、メトキシプロピル、エトキシメチル、エトキシエチル、エトキシプロピル、プロポキシメチル、プロポキシエチル、プロポキシプロピル、ブトキシメチル、ブトキシエチル、ブトキシプロピル、エテニルアミノ、プロペニルアミノ、ブテニルアミノ、ペンテニルアミノ、エチニルアミノ、プロピニルアミノ、ブチニルアミノ、ペンチニルアミノ、エテニル、プロペニル、ブテニル、ペンテニル、エチニル、プロピニル、ブチニル、ペンチニル、N,N−ジメチルアミノメトキシ、N,N−ジメチルアミノエトキシ、N−メチル−N−エチルアミノメトキシ、N−メチル−N−エチルアミノエトキシ、N−メチル−N−プロピルアミノメトキシ、N−メチル−N−プロピルアミノエトキシ、N,N−ジエチルアミノメトキシ、N,N−ジエチルアミノエトキシ、N−エチル−N−プロピルアミノメトキシ、N−エチル−N−プロピルアミノエトキシ、N,N−ジプロピルアミノメトキシ、N,N−ジプロピルアミノエトキシ、ピペリジニル、ピロリジニル、ピラゾリジニル、イミダゾリジニル、イソオキサゾリジニル、オキサゾリジニル、イソインドリル、ジヒドロインドリル、イソインドリン、ジヒドロチオフェニル、ジヒドロピロリル、ジヒドロフリル、ジヒドロピラゾリル、ジヒドロイミダゾリル、ジヒドロイソオキサゾリル、ジヒドロオキサゾリル、ピリジニル、ベンゾチオフェニル、インドリル、イソキノリニル、キノリニル、チエニル、ピロリル、フリル、ピラゾリル、イミダゾリル、イソオキサゾリル、オキサゾリル及びイソインドールジオニルから成るグループから選択される1つ又はそれ以上の置換基で場合により置換され;
6a及びR6bは、ヒドリド、メチル、エチル、プロピル、ブチル、ペンチル、ヘキシル、ピリジニル、ベンゾチオフェニル、インドリル、イソキノリニル、キノリニル、チエニル、ピロリル、フリル、ピラゾリル、イミダゾリル、イソオキサゾリル、オキサゾリル、イソインドールジオニル、イソインドリル、ジヒドロインドリル、イソインドリン、ジヒドロチオフェニル、ジヒドロピロリル、ジヒドロフリル、ジヒドロピラゾリル、ジヒドロイミダゾリル、ジヒドロイソオキサゾリル、ジヒドロオキサゾリル、クロロメチル、ジクロロメチル、トリクロロメチル、フルオロメチル、ジフルオロメチル、トリフルオロメチル、ベンジルアミノ、フェニルエチルアミノ、ピリジニルメチル、ピリジニルエチル、ベンゾチオフェニルメチル、ベンゾチオフェニルエチル、インドリルメチル、インドリルエチル、イソキノリニルメチル、イソキノリニルエチル、キノリニルメチル、キノリニルエチル、チエニルメチル、チエニルエチル、ピロリルメチル、ピロリルエチル、フリルメチル、フリルエチル、ピラゾリルメチル、ピラゾリルエチル、イミダゾリルメチル、イミダゾリルエチル、イソオキサゾリルメチル、イソオキサゾリルエチル、オキサゾリルメチル、オキサゾリルエチル、イソインドールジオニルメチル、イソインドールジオニルエチル、フェニル、ビフェニル、ナフチル、インデニル、ベンジル及びフェニルエチルから成るグループから独立に選択され、ここで、該フェニル、ビフェニル、ナフチル、インデニル、ピリジニル、ベンゾチオフェニル、インドリル、イソキノリニル、キノリニル、チエニル、ピロリル、フリル、ピラゾリル、イミダゾリル、イソオキサゾリル、オキサゾリル、イソインドールジオニル、イソインドリル、ジヒドロインドリル、イソインドリン、ジヒドロチオフェニル、ジヒドロピロリル、ジヒドロフリル、ジヒドロピラゾリル、ジヒドロイミダゾリル、ジヒドロイソオキサゾリル、ジヒドロオキサゾリル、ベンジル及びフェニルエチル部分構造は、メチル、エチル、プロピル、ブチル、ペンチル、ヘキシル、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、ブトキシ、クロロ、フルオロ、ブロモ、ヨード、クロロメチル、ジクロロメチル、トリクロロメチル、フルオロメチル、ジフルオロメチル、トリフルオロメチル、シアノ、クロロメトキシ、ジクロロメトキシ、トリクロロメトキシ、フルオロメトキシ、ジフルオロメトキシ、トリフルオロメトキシ、メチルカルボニル、エチルカルボニル、プロピルカルボニル、ブチルカルボニル、ペンチルカルボニル、ヘキシルカルボニル、フェニルカルボニル、ベンジルカルボニル、カルボキシル、ヒドロキシ、ヒドロキシメトキシ、ヒドロキシエトキシ、ヒドロキシプロポキシ、ヒドロキシブトキシ、フェノキシ、ベンジルオキシ、N,N−ジメチルアミノメトキシ、N,N−ジメチルアミノエトキシ、N−メチル−N−エチルアミノメトキシ、N−メチル−N−エチルアミノエトキシ、N−メチル−N−プロピルアミノメトキシ、N−メチル−N−プロピルアミノエトキシ、N,N−ジエチルアミノメトキシ、N,N−ジエチルアミノエトキシ、N−エチル−N−プロピルアミノメトキシ、N−エチル−N−プロピルアミノエトキシ、N,N−ジプロピルアミノメトキシ、N,N−ジプロピルアミノエトキシ、ピペリジニル、ピロリジニル、ピラゾリジニル、イミダゾリジニル、イソオキサゾリジニル、オキサゾリジニル、イソインドリル、ジヒドロインドリル、イソインドリン、ジヒドロチオフェニル、ジヒドロピロリル、ジヒドロフリル、ジヒドロピラゾリル、ジヒドロイミダゾリル、ジヒドロイソオキサゾリル、ジヒドロオキサゾリル、ピリジニル、ベンゾチオフェニル、インドリル、イソキノリニル、キノリニル、チエニル、ピロリル、フリル、ピラゾリル、イミダゾリル、イソオキサゾリル、オキサゾリル及びイソインドールジオニルから選択される1つ又はそれ以上の置換基で場合により置換され、R6a及びR6bは一緒になって、ピペリジニル、ピロリジニル、ピラゾリジニル、イミダゾリジニル、イソオキサゾリジニル、オキサゾリジニル、イソインドリル、ジヒドロインドリル、イソインドリン、ジヒドロチオフェニル、ジヒドロピロリル、ジヒドロフリル、ジヒドロピラゾリル、ジヒドロイミダゾリル、ジヒドロイソオキサゾリル、ジヒドロオキサゾリル、ピリジニル、ベンゾチオフェニル、インドリル、イソキノリニル、キノリニル、チエニル、ピロリル、フリル、ピラゾリル、イミダゾリル、イソオキサゾリル、オキサゾリル及びイソインドールジオニルから成るグループから選択される部分構造を形成してもよく:
7は、フェニル、ビフェニル、ナフチル、インデニル、イソインドリル、ジヒドロインドリル、イソインドリン、ジヒドロチオフェニル、ジヒドロピロリル、ジヒドロフリル、ジヒドロピラゾリル、ジヒドロイミダゾリル、ジヒドロイソオキサゾリル、ジヒドロオキサゾリル、ピリジニル、ベンゾチオフェニル、インドリル、イソキノリニル、キノリニル、チエニル、ピロリル、フリル、ピラゾリル、イミダゾリル、イソオキサゾリル、オキサゾリル、イソインドールジオニル、エテニル、プロペニル、ブテニル及びペンテニルから成るグループから選択され、ここで、R7は、R5aから成るグループから選択される1つ又はそれ以上の置換基で場合により置換される;
請求項1又は2記載の化合物、又は薬学的に許容されるその塩。
【請求項4】
式Iの化合物が式II:
【化2】

[式中、
sは、1、2又は3であり;
1は、ヒドリド、−OR3、C1-6アルキル、C5-7シクロアルキル、ベンジル、−CH2(C3-7シクロアルキル)、アリール、ハロ、ヘテロシクロアルキル、ヘテロシクロアルケニル及びヘテロアリールから成るグループから選択され;
3は、ヒドリド、C1-6アルキル、C5-7シクロアルキル、ベンジル、−CH2(C3-7シクロアルキル)及びアリールから成るグループから選択される]
で表される請求項1記載の化合物、又は薬学的に許容されるその塩。
【請求項5】
式中、
1は、ヒドリド、−OR3、C1-6アルキル、C5-7シクロアルキル、ベンジル、−CH2(C3-7シクロアルキル)、C3-12アリール、ハロ、3から12員のヘテロシクロアルキル、3から12員のヘテロシクロアルケニ及び3から12員のヘテロアリールから成るグループから選択され;そして、
3は、ヒドリド、C1-6アルキル、C5-7シクロアルキル、ベンジル、−CH2(C3-7シクロアルキル)及びC3-12アリールから成るグループから選択される;
で表される請求項4記載の化合物、又は薬学的に許容されるその塩。
【請求項6】
式中、
1は、ヒドリド、−OR3、メチル、エチル、プロピル、ブチル、ペンチル、ヘキシル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル、ベンジル、メチルシクロプロピル、メチルシクロブチル、メチルシクロペンチル、メチルシクロヘキシル、フェニル、ビフェニル、ナフチル、インデニル、クロロ、フルオロ、ブロモ、ヨード、ピペリジニル、ピロリジニル、ピラゾリジニル、イミダゾリジニル、イソオキサゾリジニル、オキサゾリ
ジニル、イソインドリル、ジヒドロインドリル、イソインドリン、ジヒドロチオフェニル、ジヒドロピロリル、ジヒドロフリル、ジヒドロピラゾリル、ジヒドロイミダゾリル、ジヒドロイソオキサゾリル、ジヒドロオキサゾリル、ピリジニル、ベンゾチオフェニル、インドリル、イソキノリニル、キノリニル、チエニル、ピロリル、フリル、ピラゾリル、イミダゾリル、イソオキサゾリル、オキサゾリル及びイソインドールジオニルから成るグループから選択され;そして、
3は、ヒドリド、メチル、エチル、プロピル、ブチル、ペンチル、ヘキシル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル、ベンジル、メチルシクロプロピル、メチルシクロブチル、メチルシクロペンチル、メチルシクロヘキシル、フェニル、ビフェニル、ナフチル及びインデニルから成るグループから選択される;
請求項5記載の化合物、又は薬学的に許容されるその塩。
【請求項7】
式Iの化合物が式III:
【化3】

[式中、
sは、1、2又は3であり;
1は、ヒドリド、−OR3、C1-6アルキル、C5-7シクロアルキル、ベンジル、−CH2(C3-7シクロアルキル)、アリール、ハロ、ヘテロシクロアルキル、ヘテロシクロアルケニル及びヘテロアリールから成るグループから選択され;
2は、ヒドリド又はC1-6アルキルであり;
3は、C1-6アルキル、C5-7シクロアルキル、ベンジル、−CH2(C3-7シクロアルキル)及びアリールから成るグループから選択される]
で表される請求項1記載の化合物、又は薬学的に許容されるその塩。
【請求項8】
式中、
1は、ヒドリド、−OR3、C1-6アルキル、C5-7シクロアルキル、ベンジル、−CH2(C3-7シクロアルキル)、C3-12アリール、ハロ、3から12員のヘテロシクロアルキル、3から12員のヘテロシクロアルケニル及び3から12員のヘテロアリールから成るグループから選択され;
2は、ヒドリド、又はC1-6アルキルであり;
3は、C1-6アルキル、C5-7シクロアルキル、ベンジル、−CH2(C3-7シクロアルキル)及びC3-12アリールから成るグループから選択され;そして、
8は、C1-6アルキル、C5-7シクロアルキル、ベンジル及び−CH2(C3-7シクロアルキル)から成るグループから選択される;
請求項7記載の化合物、又は薬学的に許容されるその塩。
【請求項9】
式中、
1は、ヒドリド、−OR3、メチル、エチル、プロピル、ブチル、ペンチル、ヘキシル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル、ベンジル、メチルシクロプロピル、メチルシクロブチル、メチルシクロペンチル、メチルシクロヘキシル、フェニル、ビフェニル、ナフチル、インデニル、クロロ、フルオロ、ブロモ、ヨード、ピペリジニル、ピロリジニル、ピラゾリジニル、イミダゾリジニル、イソオキサゾリジニル、オキサゾリジニル、イソインドリル、ジヒドロインドリル、イソインドリン、ジヒドロチオフェニル、ジヒドロピロリル、ジヒドロフリル、ジヒドロピラゾリル、ジヒドロイミダゾリル、ジヒドロイソオキサゾリル、ジヒドロオキサゾリル、ピリジニル、ベンゾチオフェニル、インドリル、イソキノリニル、キノリニル、チエニル、ピロリル、フリル、ピラゾリル、イミダゾリル、イソオキサゾリル、オキサゾリル及びイソインドールジオニルから成るグループから選択され;
2は、ヒドリド、メチル、エチル、プロピル、ブチル、ペンチル及びヘキシルから成るグループから選択され;
3は、メチル、エチル、プロピル、ブチル、ペンチル、ヘキシル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル、ベンジル、メチルシクロプロピル、メチルシクロブチル、メチルシクロペンチル、メチルシクロヘキシル、フェニル、ビフェニル、ナフチル及びインデニルから成るグループから選択され;そして、
8は、メチル、エチル、プロピル、ブチル、ペンチル、ヘキシル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル、ベンジル、メチルシクロプロピル、メチルシクロブチル、メチルシクロペンチル及びメチルシクロヘキシルから成るグループから選択される;請求項8記載の化合物、又は薬学的に許容されるその塩。
【請求項10】
式Iの化合物は、式IV:
【化4】

[式中、
nは、1、2又は3であり;そして、
3は、ヒドリド、C1-6アルキル、C5-7シクロアルキル、ベンジル及び−CH2(C3-7シクロアルキル)から成るグループから選択される]
で表される請求項1記載の化合物、又は薬学的に許容されるその塩。
【請求項11】
式中、
3は、ヒドリド、メチル、エチル、プロピル、ブチル、ペンチル、ヘキシル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル、ベンジル、メチルシクロプロピル、メチルシクロブチル、メチルシクロペンチル及びメチルシクロヘキシルから成るグループから選択される;
請求項10記載の化合物、又は薬学的に許容されるその塩。
【請求項12】
以下の化合物:
3−アミノ−5−(2−ヒドロキシフェニル)−1−ピペリジン−3−イルピラジン−2(1H)−オン;
3−アミノ−5−(5−フルオロ−2−ヒドロキシフェニル)−1−ピペリジン−3−イルピラジン−2(1H)−オン;
3−アミノ−5−(4−フルオロ−2−ヒドロキシフェニル)−1−ピペリジン−3−イルピラジン−2(1H)−オン;
3−アミノ−5−(3−フルオロ−2−ヒドロキシフェニル)−1−ピペリジン−3−イルピラジン−2(1H)−オン;
3−アミノ−5−(2−フルオロ−6−ヒドロキシフェニル)−1−ピペリジン−3−イルピラジン−2(1H)−オン;
3−アミノ−5−(2−ブロモ−6−ヒドロキシフェニル)−1−ピペリジン−3−イ
ルピラジン−2(1H)−オン;
3−アミノ−5−(5−ブロモ−2−ヒドロキシフェニル)−1−ピペリジン−3−イルピラジン−2(1H)−オン;
3−アミノ−5−(4−ブロモ−2−ヒドロキシフェニル)−1−ピペリジン−3−イルピラジン−2(1H)−オン;
3−アミノ−5−(3−ブロモ−2−ヒドロキシフェニル)−1−ピペリジン−3−イルピラジン−2(1H)−オン;
3−アミノ−5−(2−クロロ−6−ヒドロキシフェニル)−1−ピペリジン−3−イルピラジン−2(1H)−オン;
3−アミノ−5−(5−クロロ−2−ヒドロキシフェニル)−1−ピペリジン−3−イルピラジン−2(1H)−オン;
3−アミノ−5−(4−クロロ−2−ヒドロキシフェニル)−1−ピペリジン−3−イルピラジン−2(1H)−オン;
3−アミノ−5−(3−クロロ−2−ヒドロキシフェニル)−1−ピペリジン−3−イルピラジン−2(1H)−オン;
3−アミノ−5−(2−ヒドロキシ−6−メチルフェニル)−1−ピペリジン−3−イルピラジン−2(1H)−オン;
3−アミノ−5−(2−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)−1−ピペリジン−3−イルピラジン−2(1H)−オン;
3−アミノ−5−(2−ヒドロキシ−4−メチルフェニル)−1−ピペリジン−3−イルピラジン−2(1H)−オン;
3−アミノ−5−(2−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)−1−ピペリジン−3−イルピラジン−2(1H)−オン;
3−アミノ−5−(5−シクロペンチル−2−ヒドロキシフェニル)−1−ピペリジン−3−イルピラジン−2(1H)−オン;
3−アミノ−5−(5−シクロヘキシル−2−ヒドロキシフェニル)−1−ピペリジン−3−イルピラジン−2(1H)−オン;
3−アミノ−5−(5−シクロヘプチル−2−ヒドロキシフェニル)−1−ピペリジン−3−イルピラジン−2(1H)−オン;
3−アミノ−5−(5−シクロプロピルメチル−2−ヒドロキシフェニル)−1−ピペリジン−3−イルピラジン−2(1H)−オン;
3−アミノ−5−(5−シクロブチルメチル−2−ヒドロキシフェニル)−1−ピペリジン−3−イルピラジン−2(1H)−オン;
3−アミノ−5−(5−シクロペンチルメチル−2−ヒドロキシフェニル)−1−ピペリジン−3−イルピラジン−2(1H)−オン;
3−アミノ−5−(5−シクロヘキシルメチル−2−ヒドロキシフェニル)−1−ピペリジン−3−イルピラジン−2(1H)−オン;
3−アミノ−5−(5−フェニル−2−ヒドロキシフェニル)−1−ピペリジン−3−イルピラジン−2(1H)−オン;
3−アミノ−5−[2−ヒドロキシ−5−(1−ナフチル)フェニル]−1−ピペリジン−3−イルピラジン−2(1H)−オン;
3−アミノ−5−[2−ヒドロキシ−5−(2−ナフチル)フェニル]−1−ピペリジン−3−イルピラジン−2(1H)−オン;
3−アミノ−5−(2−ヒドロキシ−5−ピロリジン−2−イルフェニル)−1−ピペリジン−3−イルピラジン−2(1H)−オン;
3−アミノ−5−(2−ヒドロキシ−5−ピロリジン−3−イルフェニル)−1−ピペリジン−3−イルピラジン−2(1H)−オン;
3−アミノ−5−(2−ヒドロキシ−5−ピロリジン−1−イルフェニル)−1−ピペリジン−3−イルピラジン−2(1H)−オン;
3−アミノ−5−(2−ヒドロキシ−5−ピラゾリジン−1−イルフェニル)−1−ピ
ペリジン−3−イルピラジン−2(1H)−オン;
3−アミノ−5−(2−ヒドロキシ−5−イミダゾリジン−1−イルフェニル)−1−ピペリジン−3−イルピラジン−2(1H)−オン;
3−アミノ−5−(2−ヒドロキシ−5−ピラゾリジン−3−イルフェニル)−1−ピペリジン−3−イルピラジン−2(1H)−オン;
3−アミノ−5(2−ヒドロキシ−5−ピラゾリジン−4−イルフェニル)−1−ピペリジン−3−イルピラジン−2(1H)−オン;
3−アミノ−5−(2−ヒドロキシ−5−イミダゾリジン−1−イルフェニル)−1−ピペリジン−3−イルピラジン−2(1H)−オン;
3−アミノ−5−(2−ヒドロキシ−5−イミダゾリジン−4−イルフェニル)−1−ピペリジン−3−イルピラジン−2(1H)−オン;
3−アミノ−5−(2−ヒドロキシ−5−テトラヒドロフラン−2−イルフェニル)−1−ピペリジン−3−イルピラジン−2(1H)−オン;
3−アミノ−5−(2−ヒドロキシ−5−テトラヒドロフラン−3−イルフェニル)−1−ピペリジン−3−イルピラジン−2(1H)−オン;
3−アミノ−5−(2−ヒドロキシ−5−テトラヒドロチエン−2−イルフェニル)−1−ピペリジン−3−イルピラジン−2(1H)−オン;
3−アミノ−5−(2−ヒドロキシ−5−テトラヒドロチエン−3−イルフェニル)−1−ピペリジン−3−イルピラジン−2(1H)−オン;
3−アミノ−5−(2−ヒドロキシ−5−イソオキサゾリジン−2−イルフェニル)−1−ピペリジン−3−イルピラジン−2(1H)−オン;
3−アミノ−5−[2−ヒドロキシ−5−(1,3−オキサゾリジン−3−イル)フェニル]−1−ピペリジン−3−イルピラジン−2(1H)−オン;
3−アミノ−5−(2−ヒドロキシ−5−イソオキサゾリジン−3−イルフェニル)−1−ピペリジン−3−イルピラジン−2(1H)−オン;
3−アミノ−5−[2−ヒドロキシ−5−(1,3−オキサゾリジン−4−イル)フェニル]−1−ピペリジン−3−イルピラジン−2(1H)−オン;
3−アミノ−5−[2−ヒドロキシ−5−(1,3−オキサゾリジン−2−イル)フェニル]−1−ピペリジン−3−イルピラジン−2(1H)−オン;
3−アミノ−5−(2−ヒドロキシ−5−イソオキサゾリジン−4−イルフェニル)−1−ピペリジン−3−イルピラジン−2(1H)−オン;
3−アミノ−5−[2−ヒドロキシ−5−(1,3−オキサゾリジン−5−イル)フェニル]−1−ピペリジン−3−イルピラジン−2(1H)−オン;
3−アミノ−5−(2−ヒドロキシ−5−イソオキサゾリジン−5−イルフェニル)−1−ピペリジン−3−イルピラジン−2(1H)−オン;
3−アミノ−5−[2−ヒドロキシ−5−(1H−ピロール−1−イル)フェニル]−1−ピペリジン−3−イルピラジン−2(1H)−オン;
3−アミノ−5−[2−ヒドロキシ−5−(1H−ピロール−2−イル)フェニル]−1−ピペリジン−3−イルピラジン−2(1H)−オン;
3−アミノ−5−[2−ヒドロキシ−5−(1H−ピロール−3−イル)フェニル]−1−ピペリジン−3−イルピラジン−2(1H)−オン;
3−アミノ−5−[2−ヒドロキシ−5−(1H−ピラゾール−1−イル)フェニル]−1−ピペリジン−3−イルピラジン−2(1H)−オン;
3−アミノ−5−[2−ヒドロキシ−5−(1H−イミダゾール−1−イル)フェニル]−1−ピペリジン−3−イルピラジン−2(1H)−オン;
3−アミノ−5−[2−ヒドロキシ−5−(1H−ピラゾール−3−イル)フェニル]−1−ピペリジン−3−イルピラジン−2(1H)−オン;
3−アミノ−5−[2−ヒドロキシ−5−(1H−イミダゾール−4−イル)フェニル]−1−ピペリジン−3−イルピラジン−2(1H)−オン;
3−アミノ−5−[2−ヒドロキシ−5−(1H−イミダゾール−2−イル)フェニル
]−1−ピペリジン−3−イルピラジン−2(1H)−オン;
3−アミノ−5−[5−(2−フリル)−2−ヒドロキシフェニル]−1−ピペリジン−3−イルピラジン−2(1H)−オン;
3−アミノ−5−[5−(3−フリル)−2−ヒドロキシフェニル]−1−ピペリジン−3−イルピラジン−2(1H)−オン;
3−アミノ−5−(2−ヒドロキシ−5−チエン−2−イルフェニル)−1−ピペリジン−3−イルピラジン−2(1H)−オン;
3−アミノ−5−(2−ヒドロキシ−5−チエン−3−イルフェニル)−1−ピペリジン−3−イルピラジン−2(1H)−オン;
3−アミノ−5−(2−ヒドロキシ−5−イソオキサゾリジン−2−イルフェニル)−1−ピペリジン−3−イルピラジン−2(1H)−オン;
3−アミノ−5−(2−ヒドロキシ−5−イソオキサゾール−3−イルフェニル)−1−ピペリジン−3−イルピラジン−2(1H)−オン;
3−アミノ−5−[2−ヒドロキシ−5−(1,3−オキサゾール−4−イル)フェニル]−1−ピペリジン−3−イルピラジン−2(1H)−オン;
3−アミノ−5−[2−ヒドロキシ−5−(1,3−オキサゾール−2−イル)フェニル]−1−ピペリジン−3−イルピラジン−2(1H)−オン;
3−アミノ−5−(2−ヒドロキシ−5−イソオキサゾール−4−イルフェニル)−1−ピペリジン−3−イルピラジン−2(1H)−オン;
3−アミノ−5−[2−ヒドロキシ−5−(1,3−オキサゾール−5−イル)フェニル]−1−ピペリジン−3−イルピラジン−2(1H)−オン;
3−アミノ−5−(2−ヒドロキシ−5−イソオキサゾール−5−イルフェニル)−1−ピペリジン−3−イルピラジン−2(1H)−オン;
3−アミノ−5−(2−ヒドロキシ−5−ピペリジン−1−イルフェニル)−1−ピペリジン−3−イルピラジン−2(1H)−オン;
3−アミノ−5−(2−ヒドロキシ−5−ピペリジン−2−イルフェニル)−1−ピペリジン−3−イルピラジン−2(1H)−オン;
3−アミノ−5−(2−ヒドロキシ−5−ピペリジン−3−イルフェニル)−1−ピペリジン−3−イルピラジン−2(1H)−オン;
3−アミノ−5−(2−ヒドロキシ−5−ピペリジン‐4−イルフェニル)‐1−ピペリジン−3−イルピラジン−2(1H)−オン;
3−アミノ−5−(2−ヒドロキシ−5−ピペラジン−1−イルフェニル)‐1−ピペリジン−3−イルピラジン−2(1H)−オン;
3−アミノ−5−(2−ヒドロキシ−5−ピペラジン−2−イルフェニル)−1−ピペリジン−3−イルピラジン−2(1H)−オン;
3−アミノ−5−(2−ヒドロキシ−5−ピリジン−2−イルフェニル)−1−ピペリジン−3−イルピラジン−2(1H)−オン;
3−アミノ−5−(2−ヒドロキシ−5−ピリジン−3−イルフェニル)−1−ピペリジン−3−イルピラジン−2(1H)−オン;
3−アミノ−5−(2−ヒドロキシ−5−ピリジン−4−イルフェニル)−1−ピペリジン−3−イルピラジン−2(1H)−オン;
3−アミノ−5−(2−ヒドロキシ−5−ピリダジン−3−イルフェニル)−1−ピペリジン−3−イルピラジン−2(1H)−オン;
3−アミノ−5−(2−ヒドロキシ−5−ピリダジン−4−イルフェニル)−1−ピペリジン−3−イルピラジン−2(1H)−オン;
3−アミノ−5−(2−ヒドロキシ−5−ピラジン−2−イルフェニル)−1−ピペリジン−3−イルピラジン−2(1H)−オン;
3−アミノ−5−(5−ベンジル−2−ヒドロキシフェニル)−1−ピペリジン−3−イルピラジン−2(1H)−オン;
3−アミノ−5−(2,5−ジヒドロキシフェニル)−1−ピペリジン−3−イルピラ
ジン−2(1H)−オン;
3−アミノ−5−(2−ヒドロキシ−5−メトキシフェニル)−1−ピペリジン−3−イルピラジン−2(1H)−オン;
3−アミノ−5−(5−エトキシ−2−ヒドロキシフェニル)−1−ピペリジン−3−イルピラジン−2(1H)−オン;
3−アミノ−5−(2−ヒドロキシ−5−プロポキシフェニル)−1−ピペリジン−3−イルピラジン−2(1H)−オン;
3−アミノ−5−(2−ヒドロキシ−5−イソプロポキシフェニル)−1−ピペリジン−3−イルピラジン−2(1H)−オン;
3−アミノ−5−(2−ヒドロキシ−5−t−ブトキシフェニル)−1−ピペリジン−3−イルピラジン−2(1H)−オン;
3−アミノ−5−(2−ヒドロキシ−5−フェノキシフェニル)−1−ピペリジン−3−イルピラジン−2(1H)−オン;
3−アミノ−5−[2−ヒドロキシ−5−(1−ナフチルオキシ)フェニル]−1−ピペリジン−3−イルピラジン−2(1H)−オン;
3−アミノ−5−[2−ヒドロキシ−5−(2−ナフチルオキシ)フェニル]−1−ピペリジン−3−イルピラジン−2(1H)−オン;
3−アミノ−5−[5−(ベンジルオキシ)−2−ヒドロキシフェニル]−1−ピペリジン−3−イルピラジン−2(1H)−オン;
3−アミノ−5−[5−(シクロプロピルメトキシ)−2−ヒドロキシフェニル]−1−ピペリジン−3−イルピラジン−2(1H)−オン;
3−アミノ−5−[5−(シクロペンチルメトキシ)−2−ヒドロキシフェニル]−1−ピペリジン−3−イルピラジン−2(1H)−オン;
3−アミノ−5−[5−(シクロヘキシルメトキシ)−2−ヒドロキシフェニル]−1−ピペリジン−3−イルピラジン−2(1H)−オン;
3−アミノ−5−[5−(シクロヘキシルオキシ)−2−ヒドロキシフェニル]−1−ピペリジン−3−イルピラジン−2(1H)−オン;及び
3−アミノ−5−[5−(シクロペンチルオキシ)−2−ヒドロキシフェニル]−1−ピペリジン−3−イルピラジン−2(1H)−オン;
から成るグループから選択される請求項1記載の化合物。
【請求項13】
請求項1〜12のいずれか1項に記載の化合物、又は薬学的に許容されるその塩、及び薬学的に許容される担体、賦形剤又もしくは佐剤を含む医薬組成物。
【請求項14】
対象における癌、炎症又は炎症関連の疾患を治療するための医薬製造のための、請求項1または2記載の化合物の使用。
【請求項15】
医薬が、関節炎、癌、喘息、慢性閉塞性肺疾患(COPD)、虚弱、糖尿病、アテローム性動脈硬化症、疼痛及び/又は皮膚障害を治療するためのものである、請求項14記載の使用。

【公表番号】特表2007−508366(P2007−508366A)
【公表日】平成19年4月5日(2007.4.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−534847(P2006−534847)
【出願日】平成16年10月4日(2004.10.4)
【国際出願番号】PCT/IB2004/003238
【国際公開番号】WO2005/035527
【国際公開日】平成17年4月21日(2005.4.21)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.テフロン
【出願人】(502427323)ファルマシア・コーポレーション (67)
【Fターム(参考)】