説明

炭化処理装置

【課題】草木等の有機物原料を用い、効率的に高品質の炭化物を連続的に得ることができる炭化処理装置を提供する。
【解決手段】炭化処理槽10内で過熱水蒸気により無酸素に保持された状態で原料の炭化処理を行う炭化処理装置であって、前記炭化処理槽10は、回転装置50に連結された回転板20を挟んで、上層の炭化処理を行う炭化部11と、下層の炭化処理された炭化物の冷却を行う冷却部31とからなり、前記炭化部11は、前記回転板20上面に前記供給手段から送り込まれた原料の炭化処理を行う赤外線ヒータ14及び過熱水蒸気供給手段と、炭化処理された炭化物を前記冷却部31に移送する送込手段と、を有し、前記冷却部31は、前記炭化部11から送り込まれた炭化物を無酸素に保持された状態で冷却する水蒸気供給手段と、冷却された炭化物を集積する集積手段と、を有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、天然および合成有機物を含む有機物原料の炭化処理を行う炭化処理装置に係り、特に所定に乾燥された原料を用い水蒸気雰囲気中で赤外線加熱を利用して炭化処理を連続的に行うことができる炭化処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
今日、草木、穀物、魚介類、プラスチック、下水汚泥等の多量の廃棄物が排出されており、そのような有機物からなる廃棄物の有効な処理方法が求められている。そのような廃棄物の有効な処理方法の1つとして有機物を炭化物にして活用を図る方法があり、過熱水蒸気を利用した有機物の炭化処理法が注目されている。しかし、この過熱水蒸気による炭化処理法は大量の過熱水蒸気を使用し、熱効率が低いという問題がある。このため、有機物を効率的に炭化処理する方法又は装置が各種試みられている。
【0003】
例えば、特許文献1に、熱風発生炉と円盤状の加熱盤が複数段に設けられた加熱処理室を用いて有機物等の脱水、乾燥及び炭化処理を連続的に行うことができる連続加熱処理装置が提案されている。本連続加熱処理装置は、加熱盤上面に設けられ、加熱盤と相対的に回転運動する磨り潰し部材と掻き移動部材とにより供給された原料を加熱盤の外周から中心方向へ、また、中心から外周方向へ移動させながらより下方に設けられた加熱盤に原料を順次落下させる間に脱水、乾燥及び炭化処理を連続的に行うことができることに特徴を有する。
【0004】
また、特許文献2に、炭化処理時に生ずる乾留ガスを有効に利用してエネルギー効率の高い炭化処理を行い、短時間で良質の活性炭を得ることができる活性炭製造装置が提案されている。すなわち、炉室内で活性炭原料を収容する炉内容器と、該炉内容器内に水蒸気を供給する水蒸気供給管と、前記炉室内に前記炉内容器から流出する乾留ガスに混合する燃焼用空気を供給する炉室側壁又は炉室内直接挿入したエアダクトとを備え、前記水蒸気供給管から供給される水蒸気及び又は炉室の加熱により活性炭原料を乾留することにより発生する乾留ガスと前記燃焼用空気と接触させて燃焼させることにより生じる燃焼熱で炉内容器内の活性炭原料を加熱することを特徴とする活性炭製造装置が提案されている。
【0005】
【特許文献1】特開2007-144339号公報
【特許文献2】特開2003-300718号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献1又は2に記載された炭化処理装置に示されるように、従来の炭化処理装置は、炭化処理時に生ずる乾留ガスや加熱炉からのガス等を有機物の炭化処理あるいは処理室内を無酸化状態にする媒体として利用するものが多い。
【0007】
一方、有機物の炭化処理を行うに当たって、有機物の乾燥処理と炭化処理を別々の装置で行う場合があり、特許文献1又は2に記載する炭化処理装置のようにそれらの処理を1つの装置で行う場合がある。特許文献1には、簡単な装置で、高品質の炭化物を得るには、乾燥処理と炭化処理を1つの装置で行う方が好ましいと記載されている。
【0008】
しかしながら、草木等の廃棄物はその形態や性状は様々であり、そのような廃棄物を乾燥から炭化処理まで1つの装置で行って高品質の炭化物を効率的に得ることは容易でない。また、そのような乾燥から炭化処理まで行う装置は、却って複雑になりやすいという問題がある。
【0009】
本発明は、このような従来の問題点に鑑み、所定に乾燥された草木等種々雑多の有機物原料を用い、効率的に炭化処理し、高品質の炭化物を連続的に得ることができる炭化処理装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明に係る炭化処理装置は、回転板を挟んで炭化部とその下方に設けられた冷却部とからなる炭化処理槽を有し、過熱水蒸気により無酸素に保持された状態で、炭化部において赤外線及び加熱水蒸気の協働により回転板上に供給された原料の炭化処理を行い、回転板が一回転させられるとその炭化処理された炭化物を冷却部に送り込んで水蒸気により無酸素に保持された状態で冷却し、連続的に原料の炭化処理を行うものである。
【0011】
また、本発明に係る炭化処理装置は、過熱水蒸気により無酸素に保持された状態で、供給手段から送り込まれた原料の炭化処理を行う炭化処理槽と、炭化処理された炭化物を外部に排出する排出手段と、前記炭化処理槽からの排蒸気を処理する排蒸気処理手段と、を有する炭化処理装置であって、前記炭化処理槽は、回転装置に連結された回転板を挟んで、上層の炭化処理を行う炭化部と、下層の炭化処理された炭化物の冷却を行う冷却部とからなり、前記炭化部は、前記回転板上面に前記供給手段から送り込まれた原料の炭化処理を行う赤外線ヒータ及び過熱水蒸気供給手段と、炭化処理された炭化物を前記冷却部に移送する送込手段と、を有し、前記冷却部は、前記炭化部から送り込まれた炭化物を無酸素に保持された状態で冷却する水蒸気供給手段と、冷却された炭化物を集積する集積手段と、を有する。
【0012】
上記発明において、炭化処理槽は、回転板の外周にダスト回収ダクトを有するのがよく、また、回転板上に受け入れられた原料を一定高さ以下にする高さ調整手段及び分散・均しを行う均し手段を有するのがよい。そして、高さ調整手段又は/及び均し手段は、その高さが調整できるようになっているのがよい。
【0013】
回転板は、その中央部に収集筒を有し、炭化処理された炭化物がその収集筒から前記回転板の中心孔を通じて冷却部に送り込まれるようになっているのがよい。そのような送り込みを行う送込手段は、回転板上の炭化物の回転を阻止する収集板と、その収集板により集積された炭化物を収集筒に送り込む移送手段とからなるものとすることができる。
【0014】
冷却部は、炭化部から受け入れた炭化物がその底部に集積しやすいように傾斜面を有しているのがよく、さらに、傾斜面に付着した炭化物を掻き落とす掻取手段を有しているのがよい。
【0015】
過熱水蒸気供給手段は150〜400℃の過熱水蒸気を供給することができ、水蒸気供給手段は100℃以下の飽和水蒸気を供給することができるものとすることができる。
【0016】
上記のような炭化処理槽を設けることにより、炭化処理槽に受け入れた原料を回転板が一回転させられる間に炭化処理をすることができる炭化処理装置を構成することができる。
【発明の効果】
【0017】
本発明に係る炭化処理装置によれば、草木等種々雑多の有機物を所定に乾燥された原料を用い、効率的に炭化処理し、高品質の炭化物を連続的に得ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
以下、本発明を実施するための最良の形態について図面を基に説明する。図1は、本発明に係る炭化処理装置の炭化処理槽部分を示す正面図である。図2は、本炭化処理槽部分の断面図であり、図3は、図1のA-A断面部の断面図である。本炭化処理装置は、図1に示すように、供給手段(図示せず)により供給管61に送り込まれた原料を炭化処理槽10内で炭化処理し、排出管63に連接された排出手段(図示せず)により炭化処理された炭化物を炭化処理槽10から外部に排出し、炭化処理槽10の排気管65から排気される排蒸気を処理する排蒸気処理手段(図示せず)が連接されている。本炭化処理装置においては、動植物性の生産物(草、竹、木等のバイオマス、野菜,穀類、海藻、魚介類等の食品材料とその加工品およびその廃棄物等)、各種発酵汚泥、下水汚泥、繊維類、ゴム・プラスチック類等の天然および合成有機物を含む有機物を原料とすることができる。
【0019】
本炭化処理装置において、供給手段は、例えば、原料庫から供給管61に連接されるスクリューコンベアを使用することができる。排出手段は、排出管63に連接されるスクリューコンベア、あるいは排出管63の直下に設けられる移動台車等を使用することができる。排蒸気処理手段は、例えば、排気管65に連接される多管型の水蒸気凝縮装置を使用することができる。なお、本炭化処理装置においては、以下に説明するように、炭化処理槽10内が水蒸気で満たされて無酸化状態になっていることが重要であり、供給管61、排出管63の部分には、外部から炭化処理槽10内に容易に空気が入り込まないように、気密性の良いロータリーバルブ等を設けるのがよい。
【0020】
炭化処理槽10は、図2に示すように、炭化部11と冷却部31を有しており、炭化部11と冷却部31は回転板20により区画されている。炭化部11には、赤外線を照射する赤外線ヒータ14と、過熱水蒸気供給手段からの過熱水蒸気を炭化部11に放出する過熱水蒸気管15が設けられている。供給手段から供給管61を通じて回転板20の上面に送り込まれた原料は、赤外線ヒータ14から照射される赤外線と、過熱水蒸気管15から噴射される過熱水蒸気との協働により原料の炭化処理を行うことができる。
【0021】
本炭化処理装置においては、回転板20が一回転させられる間に所定の炭化処理が行われるように、赤外線ヒータ14の出力、過熱水蒸気の温度及び流量が決められる。このため、炭化処理においては、所定の炭化処理を行うため、所定に乾燥された原料を用いるのがよく、原料の加熱は主として赤外線ヒータ14により行われるようにするのがよい。なお、所定に乾燥されたとは、水分の高い原料は予め乾燥処理を行って所定の水分量以下にし、既に所定の水分量以下の原料はそのまま使用できることをいう。所定の水分量とは、原料となる有機物の性状、形状等により定められる。
【0022】
赤外線ヒータ14は、公知の赤外線ヒータ、遠赤外線ヒータ、ハロゲンヒータ等種々の加熱器を使用することができる。しかしながら、本炭化処理装置においては遠赤外線ヒータが好ましい。赤外線ヒータ14の加熱面積は、原料が受け入れられる回転板20の表面積の20%以上であるのがよく、30%以上であるのが好ましい。
【0023】
過熱水蒸気供給手段は、以下に説明する水蒸気供給手段を考慮して飽和水蒸気を生成させることができるボイラと加熱ヒータにより構成するのがよい。ボイラは、公知のものを使用することができるが、軟水器が設けられているものがよい。
【0024】
過熱水蒸気供給手段から供給される過熱水蒸気は、回転板20上の原料に均等に行き渡るようにするのがよく、図3に示すように、過熱水蒸気管15が炭化部11周縁を周回するように設けるのがよい。そして、過熱水蒸気管15には、過熱水蒸気が炭化部11周縁から中心部に向けて均等に噴出されるように多数の噴出口を設けるのがよい。なお、噴出口は、過熱水蒸気が水平又は下方に向くようにすることができ、また、過熱水蒸気管15の長さは、必要に応じて周回長さより短くすることができる。
【0025】
過熱水蒸気の温度は、本炭化処理装置においては、原料の加熱を主として赤外線ヒータ14により行うので、低くすることができ、エネルギー効率を向上させることができる。例えば、過熱水蒸気の温度を150〜400℃とすることができる。しかし、過熱水蒸気の温度は、200〜400℃が好ましい。過熱水蒸気の圧力及び流量は、外部から空気が入り込まず、炭化部11が無酸素に保持される程度にする必要がある。なお、無酸素とは、炭化処理される原料の酸化又は燃焼を生じない程度以下の無酸素状態をいう。
【0026】
炭化部11には、回転板20上に供給された原料の高さを一定の高さ以下にするような高さ調整手段を設けるのがよく、例えば、図2、3に示すような、回転板20上の原料が回転中に接触することにより高さが調整されるような高さ調整手段28を設けることができる。高さ調整手段28は、回転板20の一回転中に原料の高さが所定以下になるように、適当数設けることができる。なお、高さ調整手段28は、固定式にすることができるが、原料の性状等に応じて高さが調整できるようにすることができ、本例の場合は、高さ調整手段28に連結されたハンドルの操作により外部から調整できるようになっている。
【0027】
炭化部11には、また、回転板20上に供給された原料の分散・均しを行う均し手段を設けるのがよく、例えば、図2、3に示すような、熊手状の爪を有するとともに、回転板20の回転方向に揺動するような均し手段29を設けることができる。この均し手段29も、高さ調整手段28と同様に、複数個設けることができ、原料の性状等に応じて高さが調整できるようにすることができる。このような、均し手段29及び高さ調整手段28を設けることにより、原料の炭化が均一かつ迅速に行われるようにすることができる。
【0028】
また、炭化部11には、炭化部11で炭化処理された炭化物を効率的に下方の冷却部31に移送することができるような送込手段を設けるのがよい。例えば、図3に示すような、炭化処理された炭化物の回転を止め、一箇所に集積させるような収集板26と、その収集板26により集積された炭化物を移送する移送手段27とにより送込手段25を構成し、集積された炭化物を回転板20の中央部に設けた中心孔22から冷却部31に送り込むようにすることができる。なお、この例では、移送手段27として異径スクリューが使用されている。
【0029】
炭化物の冷却部31への送り込みには、図2、3に示すような、集積された炭化物が確実に冷却部31に送り込まれるように、回転板20からわずかに浮いた状態で中心孔22の上面を被い、収集板26に連接するような収集筒17を設けるのがよい。なお、この例では、収集筒17は、炭化部11の外周壁面に固定された取付部材18により支持されている。また、収集筒17は、高さ調整手段28及び均し手段29の固定基部になっている。
【0030】
本炭化処理槽10における回転板20は、図2に示すように、以下に説明する冷却部31の回転枠33を介して、回転装置50により所定の回転速度で回転できるようになっている。回転装置50は、基台51上に据え付けられており、スプロケット58を介して駆動装置(図示せず)により回転する軸55と、これを支持する軸受53と、冷却部31の回転枠33に結合された頭部56とからなる。
【0031】
回転板20は、炭化部11が冷却部31により冷却されないように断熱性を有するものであるのがよい。また、回転板20上の原料は、回転板20の上面に設けた高さ調整手段28及び均し手段29によりかき回され、炭化部11には粉塵が生成されやすくなっている。このような、粉塵は、図2に示すような、回転板20の外周を囲むダスト回収ダクト24を設けて回収できるようにするのがよい。例えば、回転板20とともにダスト回収ダクト24内を回転し、ダスト回収ダクト24内に堆積した粉塵を掻き取り、ダスト回収ダクト24内に設けた粉塵回収箱(図示せず)に回収できるようにするのがよい。
【0032】
本炭化処理槽10における冷却部31は、図2に示すように、固定枠32と回転枠33を有しており、概略底部中心部が上方に円錐状に盛り上がった容器のような形状をしている。固定枠33は炭化部31の外周壁とダスト回収ダクト24を介して一体になっており、静止状態に設けられている。回転枠33は、回転装置50の頭部56と結合され軸55と一体に回転するようになっている。そして、回転枠33に固定された支持部材36(36A、36B)が回転板20と結合され回転板20が回転させられるようになっている。
【0033】
冷却部31には、図2に示すように、水蒸気供給手段から供給された飽和水蒸気を冷却部31内に噴出させる水蒸気管35が設けられている。本水蒸気管35も、過熱水蒸気管15と同様な形態・形状に設けられており、炭化部11から送り込まれた炭化物を無酸素状態で均等に冷却できるようになっている。そして、炭化部11から送り込まれた炭化物は、水蒸気管35から噴出される100℃以下の飽和水蒸気により、例えば180℃以下の温度に冷却させるようになっている。これにより、炭化処理された炭化物が、炭化処理槽10から外部に排出されてもその酸化又は燃焼が防止される。なお、冷却部31の排蒸気は、冷却部31の側部に設けられた排気管65と同様な形状の排気管が排気管65と連通しており、排蒸気処理手段により処理されるようになっている。
【0034】
冷却部31を構成する固定枠32、回転枠33には、図2に示すように、回転板20の中心孔22から冷却部31に送り込まれた炭化物が固定枠32の底部32bに集積されやすいような傾斜面32a、33aを設けるのがよい。また、固定枠32の傾斜面32aに堆積した炭化物を掻き取り、その底部32bに集積させるような掻取手段を設けるのがよい。本例の掻取手段は、回転体20に結合された支持部材36Aと支持部材38により支持された掻取板37から構成されている。このような冷却部31の構成により、冷却された炭化物を固定枠32の底部32bに集積させることができる。すなわち、本例の場合、冷却された炭化物を集積する集積手段は、冷却部31の底部32bに至る傾斜面構造と掻取手段により構成されている。
【図面の簡単な説明】
【0035】
【図1】本発明に係る炭化処理装置の炭化処理槽部分の外観を示す正面図である。
【図2】図1に示す炭化処理槽部分の断面図である。
【図3】図1に示すA-A断面部の断面図である。
【符号の説明】
【0036】
10 炭化処理槽
11 炭化部
14 赤外線ヒータ
15 過熱水蒸気管
17 収集筒
18 取付部材
20 回転板
22 中心孔
24 ダスト回収ダクト
25 送込手段
26 収集板
27 移送手段
28 高さ調整手段
29 均し手段
31 冷却部
32 固定枠
33 回転枠
35 水蒸気管
36、36A、36B 支持部材
37 掻取板
38 支持部材
50 回転装置
51 基台
53 軸受
55 軸
56 頭部
58 スプロケット
61 供給管
63 排出管
65 排気管

【特許請求の範囲】
【請求項1】
回転板(20)を挟んで炭化部(11)とその下方に設けられた冷却部(31)とからなる炭化処理槽を有し、
過熱水蒸気により無酸素に保持された状態で、炭化部(11)において赤外線及び加熱水蒸気の協働により回転板(20)上に供給された原料の炭化処理を行い、回転板(20)が一回転させられるとその炭化処理された炭化物を冷却部(31)に送り込んで水蒸気により無酸素に保持された状態で冷却し、連続的に原料の炭化処理を行う炭化処理装置。
【請求項2】
過熱水蒸気により無酸素に保持された状態で、供給手段から送り込まれた原料の炭化処理を行う炭化処理槽(10)と、炭化処理された炭化物を外部に排出する排出手段と、前記炭化処理槽からの排蒸気を処理する排蒸気処理手段と、を有する炭化処理装置であって、
前記炭化処理槽(10)は、回転装置(50)に連結された回転板(20)を挟んで、上層の炭化処理を行う炭化部(11)と、下層の炭化処理された炭化物の冷却を行う冷却部(31)とからなり、
前記炭化部(11)は、前記回転板(20)上面に前記供給手段から送り込まれた原料の炭化処理を行う赤外線ヒータ(14)及び過熱水蒸気供給手段と、炭化処理された炭化物を前記冷却部(31)に移送する送込手段(25)と、を有し、
前記冷却部(31)は、前記炭化部(11)から送り込まれた炭化物を無酸素に保持された状態で冷却する水蒸気供給手段と、冷却された炭化物を集積する集積手段と、を有する炭化処理装置。
【請求項3】
炭化処理槽(10)は、回転板(20)の外周にダスト回収ダクト(24)を有することを特徴とする請求項2に記載の炭化処理装置。
【請求項4】
炭化処理槽(10)は、回転板(20)上に受け入れられた原料を一定高さ以下にする高さ調整手段(28)及び分散・均しを行う均し手段(29)を有することを特徴とする請求項2又は3記載された炭化処理装置。
【請求項5】
回転板(20)は、その中央部に収集筒(17)を有し、炭化処理された炭化物がその収集筒(17)から前記回転板の中心孔を通じて冷却部(31)に送り込まれるようになっていることを特徴とする請求項2〜4のいずれかに記載の炭化処理装置。
【請求項6】
送込手段(25)は、回転板(20)上の炭化物の回転を阻止する収集板(26)と、その収集板(26)により集積された炭化物を収集筒(17)に送り込む移送手段(27)とからなることを特徴とする請求項2〜5のいずれかに記載の炭化処理装置。
【請求項7】
冷却部(31)は、炭化部(11)から受け入れた炭化物がその底部に集積しやすいように傾斜面を有していることを特徴とする請求項2〜6のいずれかに記載の炭化処理装置。
【請求項8】
冷却部(11)は、さらに、傾斜面に付着した炭化物を掻き落とす掻取手段を有することを特徴とする請求項7に記載の炭化処理装置。
【請求項9】
過熱水蒸気供給手段は150〜400℃の過熱水蒸気を供給することができ、水蒸気供給手段は100℃以下の飽和水蒸気を供給することができるものであることを特徴とする請求項2〜8のいずれかに記載の炭化処理装置。
【請求項10】
炭化処理槽(10)は、受け入れた原料を回転板(20)が一回転させられる間に炭化処理をすることができるようになっていることを特徴とする請求項2〜9のいずれかに記載の炭化処理装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2009−185104(P2009−185104A)
【公開日】平成21年8月20日(2009.8.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−23367(P2008−23367)
【出願日】平成20年2月1日(2008.2.1)
【出願人】(504136568)国立大学法人広島大学 (924)
【出願人】(505200312)株式会社岩井商会 (2)
【Fターム(参考)】