説明

炭化水素改質用触媒の製造方法および炭化水素の改質方法

【課題】炭化水素または酸素を含む炭化水素を改質して水素含有ガス、特に燃料電池用水素を製造するための触媒および炭化水素の改質方法を提供する。
【解決手段】担体を金属塩含有溶液に浸漬し、担体とともに溶液を加熱することにより、担体表面に金属含有ハイドロタルサイトを析出させた後、焼成することを特徴とする炭化水素改質用触媒の製造方法および同触媒を使用することを特徴とする炭化水素の改質方法である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、炭化水素改質用触媒の製造方法および同触媒を用いる炭化水素の改質方法に関する。さらに詳しくは、本発明は、特定の構造と組成を有する炭化水素改質用触媒の製造方法、および特に燃料電池用の水素含有ガスを製造するのに有用な炭化水素の改質方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、環境問題から新エネルギー技術が脚光を浴びており、この新エネルギー技術の一つとして燃料電池が注目を集めている。この燃料電池は、水素と酸素を電気化学的に反応させることにより、化学エネルギーを電気エネルギーに変換させるものであって、エネルギーの利用効率が高いという特徴を有しており、民生用、産業用または自動車用等として、実用化研究が積極的になされている。
この燃料電池には、使用する電解質の種類に応じて、リン酸型、溶融炭酸塩型、固体酸化物型および固体高分子型等のタイプが知られている。一方、水素源としては、メタノールおよびメタンを主体とする液化天然ガス、この天然ガスを主成分とする都市ガス、天然ガスを原料とする合成液体燃料、さらには、石油系のLPG、ナフサおよび灯油等の石油系炭化水素の使用の研究がなされている。
これらの石油系炭化水素を用いて水素を製造する場合、一般に、同炭化水素に対して、触媒の存在下に水蒸気改質処理、自己熱改質処理、部分酸化改質処理などがなされている。
【0003】
このような炭化水素の改質用触媒として、従来ルテニウム系触媒やニッケル系触媒が知られており、そして、ハイドロタルサイト(多孔性複水酸化物の水和物)を経由して調製された触媒は、活性が高いことも知られている。
さらに、担体にニッケルやルテニウム成分を活性成分として担持した上記のような触媒を、特に燃料電池へ適用するため、長寿命化の検討がなされている。これらの触媒を長期間使用する場合、活性の長寿命化が未だ不十分であるとともに、触媒の強度が不十分である。
さらに、ハイドロタルサイトを焼成して得られる触媒が高活性であることが知られているが、この触媒は成形性に乏しく、球状や円柱状に成形加工しても、成形品の機械強度は不十分であった。そのために、担体の表面に、活性金属含有ハイドロタルサイト化合物を含む水スラリーを塗布することによって機械的強度を有する触媒が検討されているが、高価な設備を必要とする上、複雑な製造手法が必要である。
ハイドロタルサイト経由で調製された炭化水素改質用触媒としては、例えば(1)ハイドロタルサイトを前駆体として、その構成元素(Mg、Al)の一部を活性金属である貴金属(RhまたはRu)または遷移金属元素で置換、焼成し、活性金属種を内部から表面に染み出させて高分散化した金属微粒子担持炭化水素改質用触媒(例えば、特許文献1参照)、(2)ハイドロタルサイトの一部を活性金属である貴金属及び遷移金属元素で置換、焼成し、活性金属種を内部から表面に染み出させて高分散化した金属微粒子担持炭化水素改質用触媒(例えば、特許文献2参照)、(3)ハイドロタルサイトの層間に対陰イオンとして触媒活性金属の有機錯体陰イオンを含むハイドロタルサイトを焼成、還元して得られる炭化水素改質用触媒である(例えば、特許文献3参照)、(4)耐熱性無機酸化物の成形体に活性金属含有ハイドロタルサイトを含む水スラリーを塗布し、焼成、還元して得られる炭化水素改質用触媒であり、機械的強度を有する触媒が得られるとされている(例えば、特許文献4参照)が開示されている。
【0004】
しかしながら、前記(1)、(2)および(3)の改質触媒とも触媒の強度は十分ではなく、実際には炭化水素改質用触媒として使用するのは困難である。(4)においては、高価な設備を必要とする上、複雑な製造手法が必要であるため品質のコントロールが難しい。
【0005】
【特許文献1】特開平11−276893号公報
【特許文献2】特開2003−225566号公報
【特許文献3】特開2003−290657号公報
【特許文献4】特開2006−181399号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、このような状況下で、活性、機械的強度共に優れ、高温での改質用触媒として長期間使用できる炭化水素改質用触媒の製造方法を提供し、この触媒を用いた炭化水素の改質方法、特に燃料電池用の水素含有ガスを効率よく製造するための炭化水素の改質方法を提供することを課題とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明者らは、前記目的を達成するために鋭意研究を重ねた結果、炭化水素を改質して水素含有ガス、特に、燃料電池用の水素含有ガスを製造するに当たり、担体を特定の金属元素を含む金属塩含有溶液に浸漬し、担体および溶液を加熱することにより、その目的を達成し得ることを見出した。本発明は、かかる知見に基づいて完成したものである。
【0008】
すなわち、本発明は下記(1)〜(13)
(1)担体を金属塩含有溶液に浸漬し、担体とともに溶液を加熱することにより、担体表面に金属含有ハイドロタルサイトを析出させた後、焼成することを特徴とする炭化水素改質用触媒の製造方法、
(2)前記担体に対する金属塩含有溶液の比率が0.5〜10ミリリットル/gである上記(1)に記載の炭化水素改質用触媒の製造方法、
(3)金属塩含有溶液のpHが5〜10である上記(1)又は(2)に記載の炭化水素改質用触媒の製造方法、
(4)前記担体表面に水溶性高分子化合物が担持されている上記(1)〜(3)のいずれかに記載の炭化水素改質用触媒の製造方法、
(5)水溶性高分子化合物がポリアクリル酸塩、ポリスチレンスルホン酸塩およびメチルセルロース誘導体から選ばれる少なくとも一つである上記(4)に記載の炭化水素改質用触媒の製造方法、
(6)金属塩含有溶液がMg、Fe、Co、Ni、CuおよびZnから選ばれる少なくとも1種とAlを含む化合物の溶液である上記(1)〜(5)のいずれかに記載の炭化水素改質用触媒の製造方法、
(7)金属塩含有溶液がAl、MgおよびNiを含む化合物の溶液である上記(6)に記載の炭化水素改質用触媒の製造方法、
(8)金属塩含有溶液が尿素または炭酸ナトリウムを含む上記(1)〜(7)のいずれかに記載の炭化水素改質用触媒の製造方法、
(9)担体がアルミナ、シリカ、ジルコニア、セリアおよびチタニアから選ばれる少なくとも1種である上記(1)〜(8)のいずれかに記載の炭化水素改質用触媒の製造方法、
(10)さらに貴金属を担持させる上記(1)〜(9)のいずれかに記載の炭化水素改質用触媒の製造方法、
(11)前記貴金属がRuである上記(10)に記載の炭化水素改質用触媒の製造方法、
(12)前記上記(1)〜(11)のいずれかに記載の製造方法で得られた触媒を使用することを特徴とする炭化水素の改質方法および
(13)燃料電池用の水素の製造のために用いられる上記(12)に記載の炭化水素の改質方法を提供するものである。
【発明の効果】
【0009】
本願発明の製造方法で得られる触媒は、担体を金属塩含有水溶液に浸漬して担体と溶液を同時に加熱し、担体表面に金属含有ハイドロタルサイトを析出させた後焼成して得られる炭化水素改質用触媒であり、活性、機械的強度共に優れ、改質用触媒として、特に燃料電池用改質器に搭載すると、起動停止を繰り返して使用しても触媒が壊れることなく、活性の低下も小さく長期間使用できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
本発明により製造される触媒は、炭化水素を改質して水素含有ガスを製造するための触媒(以下、炭化水素改質用触媒と称することがある)であり、改質される炭化水素は常温常圧でガス状または液状の炭化水素または酸素を含む炭化水素である。
この炭化水素改質用触媒は、担体表面に金属含有ハイドロタルサイトを析出させた後、焼成することを特徴とする方法で得られる。金属含有ハイドロタルサイトを形成する金属源は、炭化水素から水素含有ガスを製造するための触媒活性があって、ハイドロタルサイトを構成し易い、2価と3価の金属を含む金属源の組み合わせであれば特に制限は無い。
この炭化水素改質用触媒は、好ましくはMg、Fe、Co、Ni、CuおよびZnから選ばれる少なくとも1種とAlを金属種として含む触媒であり、特にハイドロタルサイトを経由して得られたものであることが、触媒活性及び耐久性の面から好ましい。
【0011】
ハイドロタルサイトは、元来下記式(1)表される粘土鉱物である。
Mg6Al2(OH)16CO3・4H2O・・・・・(1)
近年になり、2価の金属陽イオン[M(II)2+]、3価の金属陽イオン[M(III)3+]およびn価の層間陰イオン(An-)を含む下記式(2)で表される物質が、ハイドロタルサイト状物質、ハイドロタルサイト様化合物、ハイドロタルサイト構造体、あるいは単にハイドロタルサイトと呼称されるようになった。
[(M(II)2+1-X(M(III)3+x(OH-2X+(An-x/n)・mH2
・・・・・式(2)
式(1)で表されるハイドロタルサイトは、「OH-(0.75Mg2+、0.25AI3+)OH-」がブルサイト層として面状の骨格をなし、その層間に負の電荷をもつ0.125CO32-と0.5H2Oとが挟まれた構造を有している。ブルサイト層内のMg2+とAl3+との比率は広い範囲で変えることができ、それにより、ブルサイト層内の正電荷の密度を制御することが可能である。
【0012】
金属の中でも、Ni、Mg、Alの3つの元素を含むものが好ましい。
Niの含有量〔触媒全量を100質量%とする〕は金属元素として、好ましくは0.5〜15質量%、より好ましくは1.0〜10質量%、さらに好ましくは1.5〜8質量%である。Niの含有量を0.5質量%以上とすることにより、活性が不足するのを防止し、15質量%以下とすることにより、触媒活性および経済性のバランスをとることができる。
Mgの含有量〔触媒全量を100質量%とする〕は金属元素として、好ましくは0.1〜10質量%、より好ましくは0.2〜8質量%、さらに好ましくは0.3〜6質量%である。Mgの含有量を0.1質量%以上とすることにより、活性が不足して反応中に生成するコーク量が増えるのを防止し、10質量%以下とすることにより、触媒活性および経済性のバランスをとることができる。
Alの含有量〔触媒全量を100質量%とする〕は金属元素として、好ましくは0.05〜5質量%(Alはアルミナのような担体中のAlではなく析出物である水酸化物等から焼成により形成された触媒成分中のAlである)、より好ましくは0.1〜0.4質量%、さらに好ましくは0.2〜3質量%である。Alの含有量を5質量%以下とすることにより活性の低下を防止する。
Ni/Mg(モル比)は0.5/2.5〜2.5/0.5であることが好ましい。
0.5/2.5以上とすることにより、活性の低下を防止し、2.5/0.5以下とすることにより、反応中に生成するコーク量が増えて耐久性が低下するのを防止する。
(Ni+Mg)/Al(モル比)は1/1〜6/1であることが好ましく、さらに好ましくは2/1〜5/1である(Alはアルミナのような担体中のAlでないのは前記と同様である)。この範囲内とすることにより、活性が低下するのを防止する。
【0013】
本発明における炭化水素改質用触媒は、Ni、MgおよびAlのような金属を含むハイドロタルサイトを担体上に析出(担持)させた触媒前駆体を焼成した後、さらに貴金属を含ませることができる。使用できる貴金属としては、Ru、Rh、Pd、PtおよびIrが挙げられる。
貴金属の含有量〔触媒全量を100質量%とする〕は、酸化に対する耐性、触媒活性および経済性のバランスなどの観点から、金属元素として好ましくは0.01〜3質量%、より好ましくは0.05〜2.0質量%、さらに好ましくは0.1〜1.0質量%である。貴金属の含有量を0.01質量%以上とすることにより、耐久性が低下するのを防止し、3質量%以下とすることにより、コストアップになるのを防止する。
なお、貴金属元素としては、触媒活性の観点から、特にRuおよび/またはRhであることが好ましい。
【0014】
Ni元素源であるニッケル化合物としては、例えばNi(NO32・6H2O、NiSO4・6H2O、NiCO3、NiCO3・2Ni(OH)2・nH2O、NiCl2・6H2O、(HCOO)2Ni・2H2Oおよび(CH3COO)2Ni・4H2Oなどを挙げることができる。これらのニッケル化合物を1種単独でも、2種以上を併用してもよい。中でも、触媒活性および入手のし易さという観点からNi(NO32・6H2Oが好ましく用いられる。
Mg元素源であるマグネシウム化合物としては、例えばMg(NO32・6H2O、MgC24・2H2O、MgSO4・7H2O、MgSO4・6H2O、MgCl2・6H2O、Mg3(C6572・nH2O、3MgCO3・Mg(OH)2およびMg(C65COO)2・4H2Oなど挙げることができる。これらのマグネシウム化合物を1種単独でも、2種以上を併用してもよい。中でも、触媒活性および入手のし易さという観点からMg(NO32・6H2Oが好ましく用いられる。
Al元素源であるアルミニウム化合物としては、例えばAl(NO33・9H2O、AlCl3・6H2O、AlO(COOCH3)・nH2OおよびAl2(C243・nH2Oなどを挙げることができる。これらのアルミニウム化合物を1種単独でも、2種以上を併用してもよい。中でも、触媒活性および入手のし易さという観点からAl(NO33・9H2Oが好ましく用いられる。
【0015】
貴金属元素(Ru)源であるルテニウム化合物としては、例えばRuCl3・nH2O、Ru(NO33、Ru2(OH)2Cl4・7NH3・3H2O、K2(RuCl5(H2O))、(NH42(RuCl5(H2O))、K(RuCl5(NO))、RuBr3・nH2O、Na2RuO4、Ru(NO)(NO33、(Ru3O(OAc)6(H2O)3)OAc・nH2O、K4(Ru(CN)6)・nH2O、K2(Ru(NO24(OH)(NO))、(Ru(NH36)Cl3、(Ru(NH36)Br3、(Ru(NH36)Cl2、(Ru(NH36)Br2、(Ru32(NH314)Cl6・H2O、(Ru(NO)(NH35)Cl3、(Ru(OH)(NO)(NH34)(NO32、RuCl2(PPh33、RuCl2(PPh34、RuClH(PPh33・C78、RuH2(PPh34、RuClH(CO)(PPh33、RuH2(CO)(PPh33、(RuCl2(cod))n、Ru(CO)12、Ru(acac)3、(Ru(HCOO)(CO)2n、Ru24(p−cymene)2および[Ru(NO)(edta)]-等のルテニウム塩を挙げることができる。これらのルテニウム化合物を1種単独でも、2種以上を併用してもよい。
好ましくは、取扱い上の観点からRuCl3・nH2O、Ru(NO33およびRu2(OH)2Cl4・7NH3・3H2Oが用いられる。
【0016】
貴金属元素(Rh)源であるロジウム化合物としては、例えば、Na3RhCl6、(NH42RhCl6、Rh(NH35Cl3、Rh(NO33およびRhCl3等を挙げることができる。
貴金属元素(Pt)源である白金化合物としては、例えば、PtCl4、H2PtCl6、Pt(NH34Cl2、(MH42PtCl2、H2PtBr6、NH4[Pt(C24)Cl3]、Pt(NH34(OH)2およびPt(NH32(NO22等を挙げることができる。
貴金属元素(Pd)源であるパラジウム化合物としては、例えば、(NH42PdCl6、(NH42PdCl4、Pd(NH34Cl2、PdCl2およびPd(NO32等を挙げることができる。
貴金属元素(Ir)源であるイリジウム化合物としては、例えば、(NH42IrCl6、IrCl3およびH2IrCl6等を挙げることができる。
本発明の炭化水素改質用触媒はNi、MgおよびAlを含む化合物のハイドロタルサイト(層状複水酸化物の水和物)を担体表面およびその近傍に析出させた後焼成し、焼成物にさらに貴金属成分を担持させることにより得られたものであることが好ましい。
【0017】
本発明の炭化水素改質用触媒のために使用される担体としては、アルミナ、シリカ、ジルコニア、セリア、チタニア、マグネシア、メソポーラスシリカ、ゼオライト等があるが、中でも、比表面積、強度、耐熱性の観点からアルミナが好ましい。担体は球状であることが好ましいが、錠剤形、円筒形等、特に制限はない。
【0018】
担体表面およびその近傍へハイドロタルサイトを析出させるための方法は以下の通りである。
金属塩含有溶液中の金属塩濃度は0.01〜1モル/リットルとすることが好ましい。濃度が高すぎるとハイドロタルサイトが生成しない。濃度が0.01/リットル未満だと必要量を析出させるのに大量の溶液を必要とするので、生産性が低くなる。
金属塩含有溶液のpHは5〜10、pHを5以上、好ましくは6以上とすることにより、ハイドロタルサイトが析出し易くなり、10以下、好ましくは8以下とすることにより、金属酸化物が生成するのを防止し、ハイドロタルサイトの沈殿が生成し易くなり、担体上に担持され易くなる。
pHは炭酸ナトリウムまたは尿素等の添加量で制御することができる。尿素を用いる場合、金属塩含有溶液に尿素を添加した段階では酸性であるが、加熱によって次第に尿素が分解してアンモニアが発生し、pHがアルカリ側に変化する。
担体に対する金属塩含有溶液の比率(金属塩含有溶液/担体)は0.5〜10ミリリットル/gとするのが好ましく、より好ましくは1〜5ミリリットル/gである。
担体の量に対して金属塩含有溶液の量が多すぎると液中でハイドロタルサイトが析出し、担体上に析出する量が減少する。溶液から水を蒸発させながら担体上にハイドロタルサイトを析出させ、蒸発量に合わせて溶液を補充することにより金属塩含有溶液/担体を上記範囲に制御する。
このようにして触媒前駆体1が得られる。
【0019】
次に、触媒前駆体1を乾燥させる。乾燥は50〜120℃、好ましくは50〜100℃で0.1〜30時間、乾燥は大気圧下でも減圧下で行なってもよい。
次に、乾燥させた触媒前駆体1を水洗して未反応の金属塩およびpHを調整した場合は未反応の炭酸ナトリウムまたは尿素等を除去する。
次に、乾燥を行なう。乾燥は50〜150℃で3〜30時間、好ましくは5〜20時間行なう。乾燥は大気圧下でも減圧下で行なってもよい。このようにして触媒前駆体2が得られる。
次に、触媒前駆体2を以下の条件で焼成する。
焼成温度は400〜1500℃、好ましくは400〜900℃である。400℃以上とすることにより、Ni,Mg,Alを含有する複水酸化物が得られ、活性が発現する。また、1500℃以上では、担体が焼結して活性が発現しない。
また、上記触媒前駆体1を調製する際、前記ルテニウム化合物のような貴金属源を用いて貴金属をAlのような金属と共に担持させても良いし、上記触媒前駆体2を焼成後に貴金属を担持させても良い。この場合は、担持された貴金属の凝集等を防げ、触媒の寿命、活性向上に繋がる。
また、金属塩含有溶液に浸漬する前に担体の表面に水溶性高分子化合物を担持させておくと、加熱により析出したハイドロタルサイトがより優先的に担体表面にくっつきやすくなるうえ、担体から剥がれ難くなるメリットもある。特に水溶性のポリアクリル酸塩、ポリスチレンスルホン酸塩、メチルセロース誘導体が好ましい。
水溶性高分子化合物を担持させるには、担体をその水溶液に浸漬することにより行なう。水溶液中の水溶性高分子化合物の濃度は0.001〜1質量%、好ましくは0.01〜0.5質量%である。濃度を上記範囲とすることにより、水溶性高分子化合物が適度に担持される
本発明の触媒を炭化水素改質に使用する場合は還元処理が必要である。還元は、通常、水素含有ガス中で600〜1100℃、好ましくは700〜1100℃で行い、還元されたNi微粒子を生成させる。還元温度が600℃より低いとNi微粒子が生成しない恐れがある。また、1100℃より高いとNiがシンタリングして活性を発現しない恐れがある。還元時間は0.5時間から10時間、好ましくは1〜5時間である。
このようにして本発明における炭化水素改質用触媒が得られる。
【0020】
本発明は、また、炭化水素の改質方法も提供する。
本発明の炭化水素の改質方法は、前記のようにして調製した触媒と炭化水素または酸素を含む炭化水素を組み合わせて用いることにある。
炭化水素としては、メタン、エタン、プロパン、ブタン、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、ノナン、デカン等の直鎖状または分岐状の飽和脂肪族炭化水素、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、シクロオクタン等の脂環式飽和炭化水素、単環または多環芳香族炭化水素等が挙げられる。製品名としては、ライトナフサ、ヘビーナフサ、ナフサ、ガソリン、灯油、軽油、A重油等が該当する。酸素を含む炭化水素としては、バイオ資源から製造されるバイオディーゼル燃料や植物油等が挙げられる。
【0021】
また、一般に、炭化水素または酸素を含む炭化水素中に硫黄分が存在する場合には、脱硫工程を通して、通常、硫黄分が0.1質量ppm以下になるまで脱硫を行うことが好ましい。原料炭化水素中の硫黄分が0.1質量ppm程度より多くなると、炭化水素改質用触媒が失活する原因になることがある。脱硫方法は特に限定されないが、水添脱硫、吸着脱硫等を適宜採用することができる。
【0022】
次に、炭化水素または酸素を含む炭化水素の各改質反応について説明する。
[水蒸気改質反応]
反応条件としては、通常、スチーム/カーボン比(モル比)が1.5〜10、好ましくは1.5〜5、より好ましくは2〜4となるように炭化水素量と水蒸気量を決定すればよい。このようにスチーム/カーボン比(モル比)を調整することにより、水素含有量の多い生成ガスを効率よく得ることができる。
反応温度は、通常、200〜900℃、好ましくは250〜900℃、さらに好ましくは300〜800℃である。反応圧力は、通常0〜3MPa・G、好ましくは0〜1MPa・Gである。
改質触媒層の入口温度は630℃以下、好ましくは600℃以下に保って水蒸気改質を行うのがよい。入口温度が630℃を超えると、炭化水素の熱分解が促進され、生成したラジカルを経由して触媒または反応管壁に炭素が析出して、運転が困難になる場合がある。
触媒層出口温度は特に制限はないが、650〜800℃の範囲が好ましい。出口温度が650℃以上であれば、水素の生成量が充分であり、また800℃以下であれば、反応装置は耐熱材料を用いなくてもよく、経済的に好ましい。
なお、水蒸気改質反応に使用する水蒸気としては特に制限はない。
【0023】
[自己熱改質反応]
自己熱改質反応は炭化水素の酸化反応と炭化水素と水蒸気の反応が同一リアクター内または連続したリアクター内で起こり、通常、反応温度は200〜1,300℃、好ましくは400〜1,200℃、より好ましくは500〜900℃である。
スチーム/カーボン比(モル比)は、通常、0.1〜10、好ましくは0.4〜4である。酸素/カーボン比(モル比)は、通常、0.1〜1、好ましくは0.2〜0.8である。
反応圧力は、通常、0〜10MPa・G、好ましくは0〜5MPa・G、より好ましくは0〜3MPa・Gである。
[部分酸化改質反応]
部分酸化改質反応は炭化水素の部分酸化反応が起こり、通常、反応温度は350〜1,200℃、好ましくは450〜900℃である。酸素/カーボン比(モル比)は、通常、0.4〜0.8、好ましくは0.45〜0.65である。
反応圧力は、通常、0〜30MPa・G、好ましくは0〜5MPa・G、より好ましくは0〜3MPa・Gである。
【0024】
上記の各反応を開始する前に触媒の活性化前処理として還元−酸化の繰り返し処理を施してもよい。還元−酸化の繰り返し処理を施すことにより、触媒を高活性化させるとともに高耐久化させることができる。
還元−酸化の繰り返し処理において、還元処理は、通常、水素含有ガス雰囲気下、600〜1100℃程度、好ましくは700〜1000℃の範囲の温度で行われる。この温度が600℃以上であれば、Ni成分の還元が十分に行われ、活性の高い触媒を得ることができ、また1100℃以下であれば、Ni成分や、Ru成分などの貴金属成分のシンタリングによる活性低下を抑制することができる。
還元処理時間は、処理温度にもよるが、Ni成分の十分な還元および経済性のバランスなどの観点から、30分ないし10時間程度が好ましく、1〜5時間がより好ましい。
一方、還元−酸化の繰り返し処理において、酸化処理は、通常、酸素含有ガス雰囲気下、400〜1200℃程度、好ましくは500〜1000℃の範囲の温度で行われる。前記酸素含有ガスとしては、通常空気が用いられるが、空気を、窒素やアルゴンなどの不活性ガスで希釈したガス、あるいは水蒸気などを用いることもできる。
酸化処理温度が400℃以上であれば、Ni元素や、Ruなどの貴金属元素の酸化が十分に進行し、本発明の効果が良好に発揮され、また1200℃以下であればRuなどの貴金属成分の揮発や表面積の低下が生じにくい。
酸化処理時間は、処理温度にもよるが、Ni元素や、Ruなどの貴金属元素の十分な酸化および経済性のバランスなどの観点から、30分ないし10時間程度が好ましく、1〜5時間がより好ましい。
本発明においては、触媒活性の向上の観点から、焼成した触媒を還元処理後、「酸化−還元」の繰り返し処理を1〜20回施すことが好ましく、1〜10回施すことがより好ましく、1〜3回施すことがさらに好ましい。
このように、炭化水素改質触媒に、活性化前処理として、還元−酸化の繰り返し処理を施すことにより、同炭化水素改質触媒の活性や耐久性が向上する理由としては、次のことが考えられる。
活性金属元素であるNiとRuやRhなどの貴金属元素との相互作用により、活性金属元素が高分散化する還元/酸化の繰り返し処理により、相互作用がより強くなって、高活性化および高耐久化をもたらすことが考えられる。しかし、ある一定以上の回数を繰り返すと、活性金属元素の凝集が生じるようになり、活性が低下するものと思われる。
【0025】
以上の改質反応の反応方式としては、連続流通式、回分式のいずれの方式であってもよいが、連続流通式が好ましい。
連続流通式を採用する場合、炭化水素の液時空間速度(LHSV)は、通常、0.1〜10h-1、好ましくは、0.25〜5h-1である。
反応形式としては、特に制限はなく、固定床式、移動床式、流動床式いずれも採用できるが、固定床式が好ましい。
反応器の形式としても特に制限はなく、例えば、管型反応器等を用いることができる。
上記のような条件で、炭化水素改質用触媒を用いて、炭化水素の水蒸気改質反応、自己熱改質反応、部分酸化改質反応を行わせることにより水素を含む混合物を得ることができ、特に、燃料電池の水素製造プロセス用の水素含有ガスとして好適に使用される。
【実施例】
【0026】
次に、本発明を実施例および比較例により、さらに詳細に説明するが、本発明は、これらの例によってなんら限定されるものではない。
【0027】
〔実施例1〕
水100ミリリットルに金属塩として98%Ni(NO32・6H2O(和光純薬工業製)の3.71g、98%Mg(NO32・6H2O(和光純薬工業製)の6.48gおよび97%Al(NO33・9H2O(和光純薬工業製)の4.78gを溶解させて金属塩含有溶液を調製した。
別途、水100ミリリットルに尿素27.3gを溶解させて尿素溶液を調製し、両溶液を混合した(この混合溶液を混合溶液Aと称する)。
混合溶液Aの50ミリリットルと担体である球状アルミナのKHO24(住化アルケム社製)25gを50ミリリットルのナス型フラスコ中に供給した。これをエバポレーターに取り付けて60分で90℃まで昇温させ、同温度で100時間加熱した。90℃に昇温した時点で混合溶液AのpHは6〜8であった。
前記100時間中、水の蒸発により混合溶液Aの量が少なくなってフラスコの印〔下記註)〕に近づいたら、混合溶液Aを補充しながら担体表面へのハイドロタルサイトの析出を続けた。混合溶液Aを全て使い切り、かつ、フラスコ内に液体が認められなくなるまで加熱を続けることにより、表面にハイドロタルサイトが析出した触媒前駆体1を調製した。これを90℃で3時間乾燥させることにより、緑色に着色したハイドロタルサイトがアルミナ表面に析出したものが得られ、次いで、水2リットルで通水洗浄し、次いで、濾別して120℃で20時間乾燥し、Al、MgおよびNiを含む析出物が担体に担持された触媒前駆体2が得られた。
得られた触媒前駆体2の一部を粉砕してXRD分析を行なった結果、触媒前駆体2の析出物はハイドロタルサイトあることが確認された。焼成前の触媒前駆体2(約3mmφ)の表面上の析出物は手では剥がれなかった。
XRD分析に用いなかった残りの触媒前駆体2を、室温から500℃まで3時間かけて昇温し、さらに500℃で3時間保持(空気中での焼成)することにより炭化水素改質用触媒を得た。これを「触媒1」とする。
セイコーインスツルメンツ社製のSPS−5100を用いてICP(高周波誘導結合プラズマ)発光分光分析を行い、上記「触媒1」中のNiおよびMg含有量はそれぞれ2.9、2.4質量%であることが確認された。
註)フラスコの印
予めフラスコに担体の25gを入れ、さらに水15ミリリットルを入れたときの水位に印をつけた(金属塩含有溶液/担体が0.6ミリリットル/g)。
【0028】
〔実施例2〕
水600ミリリットルに水溶性高分子化合物であるポリアクリル酸 (和光純薬工業製)1.2gを溶解させ、これに25gのKHO24を浸漬した。液を攪拌しながら40℃で7時間保持した。次いで水2リットルで洗浄した後120℃で20時間乾燥し、表面にポリアクリル酸を担持した担体を得た。この担体を用いた以外は実施例1と同様に行ない、Al、MgおよびNiを含む析出物が担体に担持された触媒前駆体2が得られた。
得られた触媒前駆体2の一部を粉砕してXRD分析を行なった結果、触媒前駆体2の析出物はハイドロタルサイトあることが確認された。焼成前の触媒前駆体2の表面上の析出物は手では剥がれなかった。
残りの触媒前駆体2を、実施例1と同様に焼成することにより炭化水素改質用触媒を得た。これを「触媒2」とする。
ICP分析により、触媒前駆体2中のNiおよびMg含有量はそれぞれ2.7、2.3質量%であった。
【0029】
〔実施例3〕
水溶性高分子化合物としてポリアクリル酸1.2gの替わりにポリスチレンスルホン酸塩〔ポリ(4-スチレンスルホン酸ナトリウム、和光純薬工業製〕1.2gを使用したこと以外は実施例2と同様に行い、表面にポリ(4-スチレンスルホン酸ナトリウム)を担持した触媒前駆体1を得た。この触媒前駆体1を用いた以外は実施例1と同様にして担体にNi、MgおよびAlを含む析出物が担持された触媒前駆体2が得られた。触媒前駆体2中のNiおよびMg含有量は、それぞれ、2.8質量%および2.3質量%であった。
得られた触媒前駆体2の一部を粉砕してXRD分析を行なった結果、触媒前駆体2の析出物はハイドロタルサイトあることが確認された。焼成前の触媒前駆体2の表面上の析出物は手では剥がれなかった。
残りの触媒前駆体2を、実施例1と同様に焼成することにより炭化水素改質用触媒を得た。これを「触媒3」とする。
【0030】
〔比較例1〕
水30ミリリットルに98%Ni(NO32・6H2O(和光純薬工業製)の3.71g、98%Mg(NO32・6H2O(和光純薬工業製)の6.48gおよび97%Al(NO33・9H2O(和光純薬工業製)の4.78gを溶解させて金属塩含有溶液を調製した。別途、水50ミリリットルに尿素27.3gを溶解させた後、両溶液を混合した。
この混合溶液を、撹拌機およびコンデンサーを取り付けた200ミリリットルのフラスコ中に供給し、60分で90℃まで昇温し、同温度で10時間撹拌しながら加熱することにより析出物が懸濁した懸濁液が得られた(蒸発する水分はコンデンサーで凝縮させてフラスコ中に還流させた)。
得られた懸濁液とKHO24の25gを250ミリリットルのナス型フラスコ中に供給した。フラスコをエバポレーターに取り付けて60分で90℃まで昇温し、同温度で約8時間加熱して乾燥させることにより、比較用の触媒前駆体が得られた。フラスコの底には、析出物で覆われた比較用の触媒前駆体とともに、多量の析出物が沈殿していた。析出物のXRD分析からハイドロタルサイトが得られていることが確認された。また、比較用の触媒前駆体では析出物がアルミナ表面に固着しておらず、手で触ると脱落してしまった。
得られた比較用の触媒前駆体を、室温から500℃まで3時間で昇温して500℃で3時間保持(空気中での焼成)することにより比較用の触媒を得た。これを「比較用触媒1」とする。
【0031】
実施例1〜3においては、担体に対し小量の混合溶液を用い、担体を浸漬した時点では何も付着せず、加熱して水分を蒸発させて担体上にハイドロタルサイトを析出させたため、しっかりと担体に付着した。
比較例1においては、担体に対し大量の混合溶液中に懸濁しているハイドロタルサイト化合物が担体上にまぶされただけのような状態であるため、手で触ると脱落してしまい、担体に有効に担持させることができなかった。
【0032】
[応用例1〜3]および[比較応用例1、2]
前記実施例および比較例で得られた「触媒1」他を用いて灯油の水蒸気改質反応を行なった。なお、比較応用例2においては、市販のNi系触媒であるFCR4−02(ズードケミー触媒社製)を用いた。
各触媒5ccを反応管に充填して触媒層とし、水素気流下で1時間、850℃で初期還元処理をした。次いで、反応温度を600℃に保持しながら、触媒層へ脱硫灯油(S:0.02質量ppm未満)と水を同脱硫灯油の液時空間速度(LHSV)が2h-1、スチーム/カーボン(モル比)が3.0になるように供給して水蒸気改質反応を開始し、反応開始2時間後に得られたガスをサンプリングして同脱硫灯油のC1転化率を求めた。反応中は、触媒層の平均温度が600℃に保持されるように温度コントロールした。結果を表1に示す。
C1転化率は(A/B)×100により算出した。
A:COモル流量+CO2モル流量+CH4モル流量(いずれも反応管出口 )B:反応管入口側の脱硫灯油の炭素モル流量
【0033】
【表1】

【産業上の利用可能性】
【0034】
本発明の触媒を用いることにより、効率よく炭化水素を改質し、特に燃料電池用の水素含有ガスを製造することができる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
担体を金属塩含有溶液に浸漬し、担体とともに溶液を加熱することにより、担体表面に金属含有ハイドロタルサイトを析出させた後、焼成することを特徴とする炭化水素改質用触媒の製造方法。
【請求項2】
前記担体に対する金属塩含有溶液の比率が0.5〜10ミリリットル/gである請求項1に記載の炭化水素改質用触媒の製造方法。
【請求項3】
金属塩含有溶液のpHが5〜10である請求項1又は2に記載の炭化水素改質用触媒の製造方法。
【請求項4】
前記担体表面に水溶性高分子化合物が担持されている請求項1〜3のいずれかに記載の炭化水素改質用触媒の製造方法。
【請求項5】
水溶性高分子化合物がポリアクリル酸塩、ポリスチレンスルホン酸塩およびメチルセルロース誘導体から選ばれる少なくとも一つである請求項4に記載の炭化水素改質用触媒の製造方法。
【請求項6】
金属塩含有溶液がMg、Fe、Co、Ni、CuおよびZnから選ばれる少なくとも1種とAlを含む化合物の溶液である請求項1〜5のいずれかに記載の炭化水素改質用触媒の製造方法。
【請求項7】
金属塩含有溶液がAl、MgおよびNiを含む化合物の溶液である請求項6に記載の炭化水素改質用触媒の製造方法。
【請求項8】
金属塩含有溶液が尿素または炭酸ナトリウムを含む請求項1〜7のいずれかに記載の炭化水素改質用触媒の製造方法。
【請求項9】
担体がアルミナ、シリカ、ジルコニア、セリアおよびチタニアから選ばれる少なくとも1種である請求項1〜8のいずれかに記載の炭化水素改質用触媒の製造方法。
【請求項10】
さらに貴金属を担持させる1〜9のいずれかに記載の炭化水素改質用触媒の製造方法。
【請求項11】
前記貴金属がRuである請求項10に記載の炭化水素改質用触媒の製造方法。
【請求項12】
前記請求項1〜11のいずれかに記載の製造方法で得られた触媒を使用することを特徴とする炭化水素の改質方法。
【請求項13】
燃料電池用の水素の製造のために用いられる請求項12に記載の炭化水素の改質方法。

【公開番号】特開2009−233592(P2009−233592A)
【公開日】平成21年10月15日(2009.10.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−83748(P2008−83748)
【出願日】平成20年3月27日(2008.3.27)
【出願人】(000183646)出光興産株式会社 (2,069)
【Fターム(参考)】