説明

無人契約システム

【課題】顧客の操作により明度やコントラストが不適切に調整された顧客の画像の撮影を防止する。
【解決手段】センタ端末3で行われる取引処理の終了を待機する顧客端末1が、既に撮影した顧客の画像、再撮影する画像の明度ならびにコントラストを調整するための調整入力手段、および再撮影を指示する撮影ボタンからなる顧客画像確認画面を表示し、顧客の操作によりその撮影ボタンで再撮影が指示されたとき、顧客の画像を再撮影し、その画像情報から算出した明度およびコントラストを示す値が予め記憶部に記憶された閾値の範囲を外れていることを検出した場合、再び顧客画像確認画面を表示し、顧客に再撮影を誘導するようにした。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、顧客が操作する無人契約端末とオペレータが操作するセンタ端末とからなる無人契約システムに関し、特に、無人契約端末を操作する顧客の画像を取得する無人契約システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来の無人契約システムは、例えば消費者金融会社等の無人の店舗に配置され、顧客の操作によりローンの申し込み等の各種契約を行なう無人契約端末(以下、「顧客端末」という。)と事務センタ等のセンタに設置され、消費者金融会社等のオペレータが操作するセンタ端末とからなり、顧客端末は通信回線等を介してセンタ端末に接続されている。その顧客端末は、契約を行なう顧客が本人であることを確認するため、また、契約の取引の履歴情報を取得するためにその取引を開始するときカメラで顧客の画像を撮影するようにしている。
【0003】
このような従来の無人契約システムでは、顧客が無人店舗に来店し顧客端末の取引選択ボタンを押下して取引を開始すると顧客端末のカメラで顧客の画像を撮影した後(例えば、特許文献1参照)、対応可能なオペレータが操作するセンタ端末に接続し、当該取引を構成する受付、申込書の確認、信用調査、本人確認、および決済等の一連の業務をオペレータがセンタ端末を操作して行なうようにし、取引の最後の段階で顧客端末のカメラで撮影した顧客の画像をオペレータ端末に表示させてオペレータがその画像の品質を確認するようにしている。
【0004】
その確認の結果、画像が不鮮明、顧客が正面を向いていない等の品質の不備が発見された場合、オペレータ端末からの指示により顧客が顧客端末を操作して再度画像を撮影するように誘導している。
【特許文献1】特開2005−215844号公報(段落「0032」〜段落「0033」、図1)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上述した従来の技術においては、取引開始時に撮影した画像の品質に不備があり、顧客の操作により再度画像の撮影を行う場合、悪意ある顧客は故意に画像が不鮮明になるように操作を行い、特に明度やコントラストの調整機能を悪用して画像の品質が悪くなるように操作を行い、品質が良好な画像を撮影させないようにするという問題がある。
【0006】
本発明は、このような問題を解決することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
そのため、本発明は、顧客の操作を受け付けるとともに該顧客の画像を撮影する顧客端末とオペレータの操作を受け付けるセンタ端末との間で取引電文を送受信して契約取引を行い、運用管理サーバが該顧客端末から受信した顧客の画像情報を顧客画像データベースに格納する無人契約システムにおいて、センタ端末で行われる取引処理の終了を待機する顧客端末が、既に撮影した顧客の画像、再撮影する画像の明度ならびにコントラストを調整するための調整入力手段、および再撮影を指示する入力手段からなる顧客画像確認画面を表示し、顧客の操作により前記入力手段で再撮影が指示されたとき、顧客の画像を再撮影し、その画像情報から算出した明度およびコントラストを示す値が予め記憶部に記憶された閾値の範囲を外れていることを検出した場合、再び顧客画像確認画面を表示し、顧客に再撮影を誘導するようにしたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
このようにした本発明は、顧客が故意に明度やコントラストを不適切に調整した場合や不慣れな操作により明度やコントラストの調整が不適切な場合であっても、撮影された顧客の画像の品質が不十分であることを検出することができ、不十分な品質で顧客の画像が撮影されることを防止することができるという効果が得られる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
以下、図面を参照して本発明による無人契約システムの実施例を説明する。
【実施例1】
【0010】
図1は第1の実施例における無人契約システムの構成を示すブロック図である。
図1において、1は顧客端末であり、消費者金融会社等の無人店舗に設置され、顧客が操作する無人契約端末装置である。この顧客端末1はCPU(Central Processing Unit)、MPU(Micro Processing Unit)等の演算および制御を行う制御部、磁気ディスク、半導体メモリ等の記憶部、CRT(Cathode Ray Tube)、液晶ディスプレイ等の表示部、その表示部の画面上に設けたタッチパネル等の入力部を備えたタッチパネル入力付表示部、および公衆電話回線や専用電話回線等の通信回線2を介して画像データ、音声データ(音声情報)等の各種データの通信制御を行う通信制御部等を備えるものである。
【0011】
また、顧客の音声を入力し、また、音声を出力して顧客に情報を伝達するハンドセット等を備えた通話部、書類等を画像データとして読取る証明書スキャナ部、顧客の画像を撮影する撮影部、およびカードを発行するカード発行部等も備えている。なお、顧客端末1の構成の詳細は後述する。
3はセンタ端末であり、消費者金融会社等の事務センタ等のセンタに設置され、その消費者金融会社等の係員であるオペレータ等が操作するものである。このセンタ端末3はCPU、MPU等の演算および制御を行う制御部、磁気ディスク、半導体メモリ等の記憶部、CRT、液晶ディスプレイ等の表示部、その表示部の画面上に設けたタッチパネル、キーボード、マウス等の入力部および通信回線2を介して画像データ、音声データ等の各種データの通信制御を行う通信制御部等を備えるものである。
【0012】
また、オペレータの音声を入力するマイク等の音声入力部および音声を出力してオペレータに情報を伝達するスピーカ等の音声出力部等も備えている。
顧客が顧客端末1の通話部で入力した音声情報や撮影部、証明書スキャナ部で取得した画像情報(イメージデータ)はセンタ端末3の音声出力部または表示部で出力することができ、また、オペレータがセンタ端末3の入力部、音声入力部で入力した画像情報および音声情報は顧客端末1の表示部または通話部で出力することができ、顧客が操作する顧客端末1とオペレータが操作するセンタ端末3との間で画像情報や音声情報を含む取引電文を送受信して顧客が記入した申込書の確認、信用調査、本人確認、決済等を行い、契約取引を進めることができる。
【0013】
4は運用管理サーバであり、消費者金融会社等の事務センタ等のセンタに設置され、顧客端末1から取引処理の要求を受信すると当該取引処理を処理することができるセンタ端末3にその顧客端末1を振り分ける処理を行うとともに、顧客端末1およびセンタ端末3から取引処理の内容を示す情報を受信して取引番号、取引実行日付、顧客端末識別番号、センタ端末識別番号、および取引内容等からなる取引の履歴情報を生成する処理等を行うものである。
【0014】
この運用管理サーバ4はCPU、MPU等の演算および制御を行う制御部、磁気ディスク、半導体メモリ等の記憶部、CRT、液晶ディスプレイ等の表示部、キーボード、マウス等の入力部および通信回線2を介して各種データの通信制御を行う通信制御部等を備えるものである。
5は顧客画像データベースであり、運用管理サーバ4に備えられ、顧客端末1の撮影部で撮影された顧客の画像を取引の履歴情報として格納するものである。運用管理サーバ4は、顧客端末1から受信した顧客の画像を取引番号、取引実行日付、顧客端末識別番号、センタ端末識別番号、および取引内容等と関連付けて顧客が行った取引の履歴情報として顧客画像データベース5に格納するものとする。
【0015】
このように無人契約システムは、顧客端末1、センタ端末3、運用管理サーバ4、および顧客画像データベース5等で構成され、顧客端末1、センタ端末3、および運用管理サーバ4は通信回線2を介して相互に通信可能に接続されている。
図2は第1の実施例における顧客端末の構成を示すブロック図である。
図2において、21はタッチパネル入力付表示部であり、顧客の操作による入力を受け付け、所定の処理を実行させるタッチパネルを有し、顧客に対するガイダンス等を表示するディスプレイを備えたものである。
【0016】
22は証明書スキャナ部であり、顧客の自動車運転免許証や健康保険証等の証明書のイメージデータを読み取るものである。
23は申込書読取印字部であり、イメージセンサにより申込書を読み取る申込書読取部および印字機構により申込書に印字を行う申込書印字部からなるものである。
24はカード発行部であり、磁気ストライプまたはICカードのICチップ等に必要事項を記録して顧客にカードを発行するものである。
【0017】
25は撮影部であり、レンズ付CCD(Charge Coupled Devices)カメラ等を備え、顧客を撮影し、イメージデータ(画像情報)を生成するものである。この撮影部25で生成された画像情報には画素毎にその画素の輝度を示す輝度情報が付加される。
26は通話部であり、図示しない電話回線等の通信回線を介してセンタ端末3等との間で音声情報(音声データ)や制御情報等の情報の授受を行い、センタ端末3から受信した音声データを音声としてハンドセット(通話機)から出力し、また、顧客の音声をハンドセット(通話機)で入力する音声入出力手段等で構成されたものである。
【0018】
この通話部26により顧客端末1とセンタ端末3の間でハンドセット等の通話機を使用して通話することができる。
27は記憶部であり、メモリや磁気ディスク等で構成されたものである。この記憶部27は顧客端末1全体を制御する制御プログラム(ソフトウェア)やタッチパネル入力付表示部21に表示する画面データ、撮影部25で生成された画像情報等を記憶する。
【0019】
28は制御部であり、図示しないCPU等の演算および制御手段、通信回線2を介して顧客端末1や運用管理サーバ4との間で通信を行う通信手段、時間を計測する時計機能等を備え、記憶部27に記憶された制御プログラム(ソフトウェア)にしたがって、タッチパネル入力付表示部21、証明書スキャナ部22、申込書読取印字部23、カード発行部24、撮影部25、通話部26、および記憶部27を含め顧客端末1全体を制御するものである。
【0020】
また、この制御部28は画像解析手段281を備え、その画像解析手段281により撮影部25で撮影した顧客の画像情報からその画像の明度およびコントラストを示す値を算出することができる。
さらに、制御部28はセンタ端末3から顧客画像の撮影を指示する通知を受信すると撮影部26により顧客の画像を撮影し、その画像情報を運用管理サーバ4へ送信して顧客画像データベース5に取引の履歴情報として格納させることができる。
【0021】
上述した構成の作用について説明する。
なお、以下に説明する各部の動作は、図示しないメモリや磁気ディスク等の記憶手段に格納されたプログラム(ソフトウェア)に基づいて図示しない中央処理装置等の制御手段により制御される。
図3は第1の実施例における顧客画像取得処理を示すフローチャートであり、図中Sで表すステップにしたがって説明する。
【0022】
S1a:店舗の顧客端末1が顧客の接近をセンサで検知するとタッチパネル入力付表示部21は「カードローン契約」、「カード発行」、「カード再発行」等の取引を選択することができる画面を表示する。
顧客端末1のタッチパネル入力付表示部21が取引を選択する画面を表示すると顧客は希望する取引を選択して入力する。入力を受け付けたタッチパネル入力付表示部21は受付画面を表示して受付を行う。この受付画面には取引を行う上での条件等が表示され、また、「確認」等の操作ボタンも表示される。
【0023】
また、顧客端末1の制御部28は選択された取引を示す情報とともに来客があった旨を知らせる来客通知電文を取引管理サーバ4へ送信する。
来客通知電文を受信した取引管理サーバ4はそれぞれのセンタ端末3の処理状況を確認し、来客通知電文に含まれる取引を処理することができるセンタ端末3を選出し、その取引の処理を振り分けて取引を開始する。
【0024】
S2a:取引を開始すると顧客端末1の制御部28の指示により撮影部25は顧客の画像を撮影し、制御部28は、その画像情報をセンタ端末3へ送信するとともに運用管理サーバ4へ送信する。また、その画像情報を記憶部27に記憶させておくものとする。
なお、取引を開始すると取引を終了するまで顧客端末1の制御部28は所定の周期で顧客の画像を撮影する指示を撮影部25に出力して顧客の画像を撮影する。所定の周期で撮影した画像情報は、逐次、制御部28によりセンタ端末3へ送信され、その画像情報を受信したセンタ端末3はその顧客の画像を表示部に表示させる。
【0025】
S3a:顧客の画像情報を受信した運用管理サーバ4は、その画像情報を取引番号、取引実行日付、顧客端末識別番号、センタ端末識別番号、および取引内容等と関連付けて顧客が行う取引の履歴情報として顧客画像データベース5に格納させる。すなわち、顧客画像データベース5に取引開始直後の顧客の画像情報が保存される。
S4a:オペレータはセンタ端末3の表示部に逐次表示される顧客の画像等を確認しながら申込書の確認、信用調査、本人確認、決済等の取引処理を行う。なお、この申込書の確認、信用調査、本人確認、決済等の取引処理はオペレータが図示しないデータベース等を使用して信用調査等を行うため、顧客の操作により取引に必要な情報の入力が完了してからオペレータの決済が完了するまで、例えば5分から30分程度の時間を必要とし、その間、顧客は待機するものとする。
【0026】
S5a:このように顧客が顧客端末1で取引に必要な情報の入力が完了すると、すなわち顧客が待機している間、顧客端末1の制御部28はS3aにおいて顧客画像データベース5に保存した顧客の画像情報を要求する電文を運用管理サーバ4へ送信する。
S6a:顧客の画像情報を要求する電文を受信した運用管理サーバ4はS3aにおいて顧客画像データベース5に保存した顧客の画像情報を抽出して顧客端末1へ送信する。
【0027】
S7a:顧客の画像情報を受信した顧客端末1の制御部28の指示によりタッチパネル入力付表示部21は、その画像情報を顧客が確認するための撮影画像確認画面を表示する。
この撮影画像確認画面は図4に示すように「センタ手続き中です。お待ちいただいている時間でお客様の画像を確認してください。撮影し直したい場合は、『やり直し』ボタンを押下してください。」等の文言、運用管理サーバ4から受信した顧客の画像41、再度顧客の画像を撮影するための「やり直し」ボタン42、再度撮影することなく既に撮影された画像を採用する「確認」ボタン43等で構成されたものである。
【0028】
顧客は顧客端末1のタッチパネル入力付表示部21に表示された自己の画像を確認し、その品質が不充分であるとき「やり直し」ボタン42を押下して再撮影する。
なお、顧客の画像41は、運用管理サーバ4から受信した顧客の画像情報でなく顧客端末1の記憶部27に記憶された顧客の画像情報を表示するようにしてもよい。
S8a:タッチパネル入力付表示部21が顧客の操作により撮影画像確認画面の「やり直し」ボタン42が押下されたことを検知すると処理をS9aへ移行する。一方、「確認」ボタン43の押下を検知すると顧客の画像を再撮影することなく取引処理の終了を待機する。
【0029】
S9a:タッチパネル入力付表示部21が顧客の操作により撮影画像確認画面の「やり直し」ボタン42が押下されたことを検知すると制御部28は記憶部27に記憶された「やり直し回数」を読み出し、「やり直し回数」が3回であるか否か、すなわち制限値を超えているかを判定する。
その結果、「やり直し回数」が3回であると判定されると処理をS14aへ移行し、「やり直し回数」が3回でないと判定されると処理をS10aへ移行する。
【0030】
この「やり直し回数」は取引開始時に「0」に初期化され、S10aにおいて再撮影される度に「1」加算されるものとする。また、制限値は予め記憶部27に記憶されているものとする。
S10a:「やり直し回数」が3回でないと判定されると制御部28の指示によりタッチパネル入力付表示部21は顧客画像再撮影画面を表示する。
【0031】
この顧客画像再撮影画面は図5に示すように「センタ手続き中です。お待ちいただいている時間でお客様の画像を確認してください。準備ができましたら「撮影」ボタンを押下してください。コントラスト・明るさは(左向き矢印)ボタンまたは(右向き矢印)ボタンで調整してください。」等の文言、運用管理サーバ4から受信した顧客の画像51、コントラストを調整するための左向き矢印ボタン53または右向き矢印ボタン54(調整入力手段)、明るさを調整するための左向き矢印ボタン55または右向き矢印ボタン56(調整入力手段)、および撮影を開始させる「撮影」ボタン52(再撮影を指示する入力手段)等で構成されたものである。
【0032】
ここで、顧客の操作により、調整入力手段で明るさ(明度)やコントラストが調整され、「撮影」ボタン52が押下されるものとする。
タッチパネル入力付表示部21で「撮影」ボタン52の押下を検知すると顧客端末1の制御部28の指示により撮影部25が顧客の画像を再撮影する。撮影された顧客の画像情報は記憶部27に記憶される。
【0033】
S11a:顧客の画像が再撮影されると制御部28の画像解析手段281は取得した画像情報から画像の明度およびコントラストを示す値を算出する。
ここで、画像解析手段281は画像情報に含まれる輝度情報から明度およびコントラストを示す値を算出するものとし、例えば明度は赤、緑、青を示す各チャネルの輝度情報の最大値等とし、コントラストは各画素の輝度情報の最大値を最小値で除算した値等で示すものとする。なお、明度およびコントラストを示す値を算出する方法は一般的な画像処理で採用されているものでよい。
【0034】
S12a:撮影した画像の明度およびコントラストを示す値を算出すると制御部28の画像解析手段281はその明度およびコントラストを示す値が予め記憶部27に記憶された閾値(最小値、最大値)の範囲内であるか否かを判定する。
その結果、範囲内にあると判定されると撮影された顧客の画像の品質は十分であるとして処理をS13aへ移行し、一方範囲内にない(範囲を外れている)と判定されると撮影された顧客の画像の品質が不十分である(例えば顧客が故意に明度およびコントラストを不適切に調整した場合、またカメラのレンズを手で覆ったりした場合や顧客の操作が誤った場合)とし、処理をS9aへ移行させて顧客の画像を再撮影させる。
【0035】
S13a:撮影された顧客の画像の明度およびコントラストを示す値が閾値の範囲内であると判定されると制御部28はその顧客の画像情報を運用管理サーバ4へ送信する。
S14a:一方、S9aにおいて「やり直し回数」が3回であると判定されると顧客が故意に不鮮明な画像を取得させようとしている、または顧客の操作による画像の取得が困難であるとして顧客端末1はその旨をセンタ端末3へ送信し、センタ端末3は顧客画像データベース5に保存した顧客の画像情報を要求する電文を運用管理サーバ4へ送信する。
【0036】
顧客の画像情報を要求する電文を受信した運用管理サーバ4は顧客画像データベース5に保存した顧客の画像情報を抽出してセンタ端末3へ送信する。
顧客の画像情報を受信したセンタ端末3はオペレータがその画像情報を確認するための顧客画像再撮影画面を表示部に表示する。
この顧客画像再撮影画面は図6(a)に示すように運用管理サーバ4から受信した顧客の画像71、コントラストを調整するための数値入力領域72、明るさを調整するための数値入力領域73、「記録画像は上の映像でよろしいですか?」等の文言、および再度顧客の画像を撮影するための「やり直し」ボタン74、再度撮影することなく既に撮影された画像を採用する「完了」ボタン75等で構成されたものである。
【0037】
オペレータはセンタ端末3の表示部に表示された顧客の画像を確認し、その品質が不充分であるとき「やり直し」ボタン74を押下して再撮影する。
S15a:センタ端末3の入力部がオペレータの操作により顧客画像再撮影画面の「やり直し」ボタン74が押下されたことを検知すると処理をS16aへ移行する。一方、「完了」ボタン75の押下を検知すると顧客の画像を再撮影することなく取引処理を継続する。
【0038】
S16a:センタ端末3の入力部が顧客の操作により撮影画像確認画面の「やり直し」ボタン74が押下されたことを検知すると制御部の指示により表示部は顧客画像再撮影画面を表示する。
この顧客画像再撮影画面は図6(b)に示すように「画像を取得します。」等の文言、および撮影を開始させる「画像取得」ボタン76等で構成されたものである。
【0039】
ここで、オペレータの操作により「画像取得」ボタン76が押下されるものとする。
入力部で「撮影」ボタン76の押下を検知するとセンタ端末3の制御部は顧客の画像を撮影することを依頼する電文を顧客端末1へ送信する。
その電文を受信した顧客端末1の制御部28の指示により撮影部25が顧客の画像を再撮影し、撮影した顧客の画像情報をセンタ端末3へ送信する。
【0040】
S17a:センタ端末3の制御部は受信した顧客の画像情報を表示部に表示させるとともに、その画像情報を運用管理サーバ4へ送信する。
S18a:運用管理サーバ4は、受信した顧客の画像情報を取引番号、取引実行日付、顧客端末識別番号、センタ端末識別番号、および取引内容等と関連付けて顧客が行う取引の履歴情報として顧客画像データベース5に格納させる。すなわち、再撮影した顧客の画像情報が顧客画像データベース5に格納された取引開始直後の顧客の画像情報に置き換えて保存される。
【0041】
このようにして顧客の操作により顧客端末1で明度・コントラストが十分な画像を取得することができない場合、例えば顧客が故意に不鮮明な画像を取得させようとしている、または顧客の操作による画像の取得が困難である場合、オペレータがセンタ端末3を操作して顧客の画像を撮影するようにする。
以上説明したように、第1の実施例では、顧客が故意に明度やコントラストを不適切に調整した場合や不慣れな操作により明度やコントラストの調整が不適切な場合であっても、撮影した画像情報から算出した明度およびコントラストを示す値が所定の閾値の範囲内にあることを確認することにより、撮影された顧客の画像の品質が不十分であることを検出することができ、その際再度顧客の画像を撮影することで十分な品質の顧客の画像を撮影することができるようになるという効果が得られる。
【0042】
また、撮影回数を制限することにより、顧客およびオペレータが行う取引時間が延びることを防止させることができるという効果が得られる。
【実施例2】
【0043】
第2の実施例の構成は上述した第1の実施例と同様なので同一の符号を付してその説明を省略する。
第2の実施例の作用について説明する。
図7は第2の実施例における顧客画像取得処理を示すフローチャートであり、図中Sで表すステップにしたがって説明する。
【0044】
S1b〜S9b:図3におけるS1a〜S9aと同様なのでその説明を省略する。
S10b:「やり直し回数」が3回でないと判定されると制御部28の指示によりタッチパネル入力付表示部21は顧客画像再撮影画面を表示する。
この顧客画像再撮影画面は図5に示すように「センタ手続き中です。お待ちいただいている時間でお客様の画像を確認してください。準備ができましたら「撮影」ボタンを押下してください。コントラスト・明るさは(左向き矢印)ボタンまたは(右向き矢印)ボタンで調整してください。」等の文言、運用管理サーバ4から受信した顧客の画像51、コントラストを調整するための左向き矢印ボタン53または右向き矢印ボタン54(調整入力手段)、明るさを調整するための左向き矢印ボタン55または右向き矢印ボタン56(調整入力手段)、および撮影を開始させる「撮影」ボタン52(再撮影を指示する入力手段)等で構成されたものである。
【0045】
コントラストを調整するための左向き矢印ボタン53または右向き矢印ボタン54、明るさを調整するための左向き矢印ボタン55または右向き矢印ボタン56が押下されると制御部28は記憶部27に予め記憶した閾値(最小値、最大値)を読み出し、調整された明るさ(明度)およびコントラストがその閾値の範囲内にあるか否かを判定する。
閾値の範囲内にあると判定されると処理をS12bへ移行し、一方閾値の範囲内にない(範囲から外れている)と判定されると処理をS11bへ移行する。
【0046】
S11b:閾値の範囲内にないと判定されると制御部28の指示によりタッチパネル入力付表示部21は顧客画像再撮影画面の「撮影」ボタン52を消去するとともに明るさ(明度)およびコントラストの調整が不適切である旨を表示して処理をS9bへ移行する。
S12b:調整された明るさ(明度)およびコントラストがその閾値の範囲内にあると判定されると顧客の操作により、「撮影」ボタン52が押下されるものとする。
【0047】
タッチパネル入力付表示部21で「撮影」ボタン52の押下を検知すると顧客端末1の制御部28の指示により撮影部25が顧客の画像を再撮影する。撮影された顧客の画像情報は記憶部27に記憶される。
S13a:制御部28はその顧客の画像情報を運用管理サーバ4へ送信する。
S14b〜S18b:図3におけるS14a〜S18aと同様なのでその説明を省略する。
【0048】
このようにして顧客の操作による顧客端末1での明度・コントラストの調整が不適切であることを検知した場合、オペレータがセンタ端末3を操作して顧客の画像を撮影するようにする。
以上説明したように、第2の実施例では、第1の実施例の効果に加え、明度およびコントラストの不正な調整を検出するようにしたことにより、顧客の画像の取り直しを減少させることができるという効果が得られる。
【0049】
なお、第1の実施例および第2の実施例では無人契約システムの例で説明したが、顧客とオペレータがリアルタイムで対応するシステムであれば各種申込受付システム等に適用することも可能である。
【図面の簡単な説明】
【0050】
【図1】第1の実施例における無人契約システムの構成を示すブロック図
【図2】第1の実施例における顧客端末の構成を示すブロック図
【図3】第1の実施例における顧客画像取得処理を示すフローチャート
【図4】第1の実施例における顧客端末の顧客画像確認画面の説明図
【図5】第1の実施例における顧客端末の顧客画像再撮影画面の説明図
【図6】第1の実施例におけるセンタ端末の顧客画像再撮影画面の説明図
【図7】第2の実施例における顧客画像取得処理を示すフローチャート
【符号の説明】
【0051】
1 顧客端末
2 通信回線
3 センタ端末
4 運用管理サーバ
5 顧客画像データベース
21 タッチパネル入力付表示部
22 証明書スキャナ部
23 申込書読取印字部
24 カード発行部
25 撮影部
26 通話部
27 記憶部
28 制御部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
顧客の操作を受け付けるとともに該顧客の画像を撮影する顧客端末とオペレータの操作を受け付けるセンタ端末との間で取引電文を送受信して契約取引を行い、運用管理サーバが該顧客端末から受信した顧客の画像情報を顧客画像データベースに格納する無人契約システムにおいて、
センタ端末で行われる取引処理の終了を待機する顧客端末が、既に撮影した顧客の画像または再撮影する画像の明度ならびにコントラストを調整するための調整入力手段、および再撮影を指示する入力手段からなる顧客画像確認画面を表示し、顧客の操作により前記入力手段で再撮影が指示されたとき、顧客の画像を再撮影し、その画像情報から算出した明度およびコントラストを示す値が予め記憶部に記憶された閾値の範囲を外れていることを検出した場合、再び顧客画像確認画面を表示し、顧客に再撮影を誘導するようにしたことを特徴とする無人契約システム。
【請求項2】
請求項1の無人契約システムにおいて、
前記顧客端末が、顧客の画像を再撮影した画像情報から算出した明度およびコントラストを示す値が予め記憶部に記憶された閾値の範囲を外れていることを検出した回数が予め記憶部に記憶された制限値を超えたことを検出したとき、その旨を前記センタ端末へ通知し、前記センタ端末が、前記運用管理サーバから前記顧客画像データベースに既に格納された顧客の画像を受信し、その顧客の画像および再撮影を指示する入力手段からなる顧客画像確認画面を表示し、オペレータの操作により前記入力手段で再撮影が指示されたとき、顧客の画像を再撮影する旨の電文を前記顧客端末へ送信し、前記運用管理サーバが、該電文を受信した前記顧客端末から再撮影した顧客の画像を受信し、既に格納された顧客の画像情報に替えて受信した画像情報を前記顧客画像データベースに格納するようにしたことを特徴とする無人契約システム。
【請求項3】
顧客の操作を受け付けるとともに該顧客の画像を撮影する顧客端末とオペレータの操作を受け付けるセンタ端末との間で取引電文を送受信して契約取引を行い、運用管理サーバが該顧客端末から受信した顧客の画像情報を顧客画像データベースに格納する無人契約システムにおいて、
センタ端末で行われる取引処理の終了を待機する顧客端末が、既に撮影した顧客の画像または再撮影する画像の明度ならびにコントラストを調整するための調整入力手段、および再撮影を指示する入力手段からなる顧客画像確認画面を表示し、顧客の操作により前記調整入力手段で調整された明度およびコントラストを示す値が予め記憶部に記憶された閾値の範囲を外れていることを検出した場合、再び顧客画像確認画面を表示し、顧客に再撮影を誘導するようにしたことを特徴とする無人契約システム。
【請求項4】
請求項3の無人契約システムにおいて、
前記顧客端末が、前記調整入力手段で調整された明度およびコントラストを示す値が予め記憶部に記憶された閾値の範囲を外れていることを検出した回数が予め記憶部に記憶された制限値を超えたことを検出したとき、その旨を前記センタ端末へ通知し、前記センタ端末が、前記運用管理サーバから前記顧客画像データベースに既に格納された顧客の画像を受信し、その顧客の画像および再撮影を指示する入力手段からなる顧客画像確認画面を表示し、オペレータの操作により前記入力手段で再撮影を指示されたとき、顧客の画像を再撮影する旨の電文を前記顧客端末へ送信し、前記運用管理サーバが、該電文を受信した前記顧客端末から再撮影した顧客の画像を受信し、既に格納された顧客の画像情報に替えて受信した画像情報を前記顧客画像データベースに格納するようにしたことを特徴とする無人契約システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2008−242779(P2008−242779A)
【公開日】平成20年10月9日(2008.10.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−82023(P2007−82023)
【出願日】平成19年3月27日(2007.3.27)
【出願人】(000000295)沖電気工業株式会社 (6,645)
【Fターム(参考)】