説明

無人搬送車の走行制御装置

【課題】旋回制御に用いるソフトウェアのプログラムの作成を容易に行うことができるとともに、無人搬送車の旋回走行動作を円滑に行うことができる無人搬送車の走行制御装置を提供する。
【解決手段】メイン誘導テープ12に沿って無人搬送車を直線走行動作する際には、誘導センサ23の中心位置O2が誘導テープ12の中心位置O1に一致するように無人搬送車の一対の駆動輪の回転速度を制御する。無人搬送車が分岐誘導テープ13に沿って右方向へ旋回動作される場合には、誘導センサ23の中心位置O2を前記分岐誘導テープ13の旋回方向の内側の端縁13aに一致するように無人搬送車の旋回動作を制御する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、主として生産システムにおける無人搬送車の走行制御装置に係り、詳しくは走行ルートのメイン誘導テープの分岐点において無人搬送車を分岐誘導テープに沿って旋回誘導する際に、進行方向の制御の精度を向上するようした無人搬送車の走行制御装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、無人搬送車の制御装置として、特許文献1に開示されたものが提案されている。この制御装置においては、図7に示すように荷物を搬送する自走式の無人搬送車11が走行ルートに沿って敷設された磁気テープよりなる誘導テープ12によって誘導されるようになっている。無人搬送車11には、前記誘導テープ12を検出する誘導センサ23が設けられている。この誘導センサ23は、取付基板24と、該取付基板24に車体の幅方向に所定のピッチで配設されたホール素子等の複数(16個)の検出素子25〜25とによって構成されている。そして、誘導テープ12が複数の検出素子25〜25のうちの所定の少数(5個)の検出素子25〜25によって常時検出されるように無人搬送車11の進行方向が制御される。走行路面側の誘導テープ12を誘導センサ23の16個の検出素子25〜25に1〜16の重み付け指数を設定する。ONしている複数の検出素子25〜25の重み付け指数の合計値を用いて、その中心位置O2(誘導テープ12の中心位置O1でもある)を演算する。そして、前記無人搬送車11の中心位置O3と前記誘導テープ12の中心位置O1との距離、つまり偏差Δdを求め、その偏差Δdに応じて、左右の駆動輪(図示略)の一方の減速率を設定して減速し、進行方向を補正することにより、前記偏差Δdが零となるように無人搬送車11が誘導テープ12に沿って自動走行するように構成されていた。
【0003】
又、無人搬送車11が走行路面に設けた分岐誘導テープ13に進路を変更する場合には、単に誘導テープ12に臨む複数の検出素子25〜25の中心位置O2を求めるだけでは旋回動作を適正に行うことが難しい。即ち、図7の上側に示すように、無人搬送車11の誘導センサ23がメイン誘導テープ12及び分岐誘導テープ13と対応する位置に移動されると、メイン誘導テープ12の幅W1よりも広い幅W2の誘導テープに誘導センサ23が対応する。このため、メイン誘導テープ12及び分岐誘導テープ13によってONされる検出素子25の個数が増加し、この有効な複数の検出素子25〜25の中心位置O4が変化し、誘導テープ12及び分岐誘導テープ13の中心位置O6も変化する。この変化する誘導テープの中心位置O6に誘導センサ23の中心位置O3を合わせるように無人搬送車11が誘導走行されるようになっていた。従って、図7において、二点鎖線で示すように無人搬送車11が前記分岐誘導テープ13の中心位置O5から左側方に変位した移動軌跡Tに沿って大きな旋回半径の軌道で誘導されるので、適正な旋回動作を行うことが難しい。
【0004】
上記の問題を解消するため、特許文献1においては、次のような対策が施されている。即ち、無人搬送車11の右方向への旋回走行時には、最も旋回方向右側、つまり分岐誘導テープ13の右側の端縁13aに位置する検出素子25の位置を求め、その検出素子25の位置に所定数を加減算して、前記誘導センサ23の中心位置O3を演算する。そして、前記中心位置O3を前記分岐誘導テープ13の中心位置O5と一致するように旋回動作を制御することにより、無人搬送車11が右方向に適正に旋回動作されるようになっていた。このように前記分岐誘導テープ13の右側の端縁13aが誘導センサ23の位置制御の基準となるので、無人搬送車11の右方向への旋回動作が適正に行われる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平8−44427号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところが、上記従来の無人搬送車11の分岐点における旋回制御方法は、最も旋回方向側に位置する検出素子25の位置を演算するとともに、その検出素子25の位置に所定数を加減算して、前記誘導センサ23の中心位置O3を演算するようになっていたので、複雑な演算を行なう必要があり、無人搬送車11の旋回を行わせるための旋回動作プログラムの作成が面倒であるという問題があった。又、無人搬送車11の旋回動作を円滑に行うことができないという問題もあった。即ち、上記の旋回動作において前記誘導センサ23の中心位置O3の小刻みな演算を行って、無人搬送車11の位置調整を過敏に行う必要があるので、無人搬送車11の旋回動作が円滑に行われないという問題があった。無人搬送車11が過敏に反応しないように分岐誘導テープ13の中心位置と誘導センサ23の中心位置との偏差が許容範囲を超えた場合にのみ進行方向を制御するプログラムを採用することも考えられるが、この制御プログラムを上記の複雑な演算を行なう旋回制御プログラムに適用することは非常に難しい。
【0007】
本発明は、上記従来の技術に存する問題点を解消して、旋回制御に用いる動作プログラムの作成を容易に行うことができるとともに、無人搬送車の旋回走行動作を円滑に行うことができる無人搬送車の走行制御装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記問題点を解決するために、請求項1に記載の発明は、走行路面に敷設されたメインガイド手段及び分岐ガイド手段の検出用の誘導センサを備え、前記誘導センサを無人搬送車の進行方向と交差する方向に所定の間隔をもって配列された複数の検出素子により構成し、制御ユニットにより前記誘導センサの中心位置と、前記メインガイド手段によってONされた所定数の検出素子の中心位置との偏差を演算し、該偏差に基づいて、メインガイド手段の中心位置に誘導センサの中心位置が一致するように誘導走行する無人搬送車において、無人搬送車の分岐走行時には、前記制御ユニットによって旋回方向の内側の前記分岐ガイド手段の側端縁に前記誘導センサの中心位置が一致するように制御することを要旨とする。
【0009】
請求項2に記載の発明は、請求項1において、前記制御ユニットは、無人搬送車の分岐走行時において、無人搬送車の旋回方向内側へのオフセット量を相殺するためのオフセット量相殺手段を備えていることを要旨とする。
【0010】
請求項3に記載の発明は、請求項2において、前記オフセット量相殺手段は、誘導センサの複数の検出素子のうち有効な複数の検出素子を前記オフセット量を相殺する方向にオフセットすることにより、誘導センサの中心位置が分岐ガイド手段の中心位置と一致するように制御されるようにしたことを要旨とする。
【0011】
請求項4に記載の発明は、請求項1〜3のいずれか一項において、前記両ガイド手段は磁気テープにより構成され、検出素子はホール素子により構成されていることを要旨とする。
【0012】
請求項5に記載の発明は、請求項1〜4のいずれか一項において、前記制御ユニットは、走行路面に配設された旋回を指示するマーカを、車体に設けたマーカセンサが検出した後、前記誘導センサの中心位置を、前記分岐ガイド手段の側端縁に一致させる機能を有することを要旨とする。
【0013】
(作用)
この発明は、無人搬送車の分岐走行時には、制御ユニットによって旋回方向の内側の分岐ガイド手段の側端縁に誘導センサの中心位置が一致するように制御されるので、複雑な演算動作が不要となり、旋回制御のための動作プログラムの作成を容易に行うことができる。又、無人搬送車の旋回動作時における進行方向の調整が過敏に行われるのを防止するための制御プログラム、即ち、分岐ガイド手段の側端縁と誘導センサの中心位置との偏差が許容範囲内では、無人搬送車の進行方向の調整を行わないようにするための制御プログラムを、基準となる旋回制御プログラムに容易に組み込むことができるため、無人搬送車の旋回動作を円滑に行うことができる。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、旋回制御に用いる動作プログラムの作成を容易に行うことができるとともに、無人搬送車の旋回走行動作を円滑に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】この発明の無人搬送車の直進時の走行制御動作と、右旋回時の走行制御動作を説明するための略体平面図。
【図2】この発明の無人搬送車の一実施形態を示す略体平面図。
【図3】無人搬送車の略体右側面図。
【図4】無人搬送車の走行動作を制御するための制御システムを示すブロック回路図。
【図5】無人搬送車の右方向への旋回動作を説明するための略体平面図。
【図6】この発明の無人搬送車の走行制御装置の別の実施形態における走行制御動作を説明するための略体平面図。
【図7】従来の無人搬送車の直進時及び旋回時の走行制御動作を説明するための略体平面図。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明を具体化した無人搬送車の走行制御装置の一実施形態を図1〜図5にしたがって説明する。
図2に示すように、無人搬送車11は工場内に予め設定された走行ルートに沿って走行され、機械部品の自動搬送等を行うようになっている。走行ルートには磁気テープよりなるメインガイド手段としてのメイン誘導テープ12が所定の幅(例えば5cm)で敷設されると共に、該メイン誘導テープ12に斜交するように同じく磁気テープよりなる分岐ガイド手段としての分岐誘導テープ13が所定の幅(例えば5cm)で敷設されている。走行ルートにはメイン誘導テープ12及び分岐誘導テープ13の側方に位置するように無人搬送車11に例えば停止、進路変更、速度変更あるいはその他の各種の制御情報の指示を与えるための同じく磁気テープよりなる磁気マーカ14が複数箇所に敷設されている。
【0017】
図2及び図3に示すように、無人搬送車11の車体の下部には、左右一対の前輪15,16が設けられ、両前輪15,16は電動モータ17,18によって個別に回転駆動されるようになっている。車体の下部には、前輪15,16の後方に位置するように左右一対の従動輪19,20が設けられている。前記車体の内部には駆動エネルギとしてのバッテリー21及び無人搬送車11の各種の動作を制御する制御ユニット22が搭載されている。
【0018】
前記無人搬送車11の前側には、前記誘導テープ12(13)の設置位置を検出するための誘導センサ23が配設されている。この誘導センサ23は、図1に示すように、無人搬送車11の車幅方向に指向する例えば合成樹脂等の非磁性体よりなる帯状の取付基板24と、該取付基板24に無人搬送車11の車幅方向、すなわち無人搬送車の走行方向と交差する方向に所定間隔で配列された複数個(例えば14個)のホール素子等からなる検出素子25〜25とを備えている。そして、前記複数の検出素子25〜25のうちの所定個数(例えば4個)の検出素子25が前記誘導テープ12(13)と対応するように配列されている。前記所定個数の検出素子25〜25がON状態となって、その検出信号が前記制御ユニット22に出力されるようになっている。
【0019】
図2に示すように、前記無人搬送車11の車体の前側には、前記磁気マーカ14を検出するためのマーカセンサ31が設けられている。前記マーカセンサ31は、ホール素子等からなる検出素子によって構成されている。前記マーカセンサ31によって検出された検出信号(ON信号、OFF信号及び制御情報)は、前記制御ユニット22に送信されるようになっている。
【0020】
次に、図4に基づいて、前記制御ユニット22の構成及び機能について説明する。
図4に示すように、前記制御ユニット22には各種のデータに基づいて、各種の演算、判定動作を行うための中央演算処理装置(CPU)41が備えられている。前記CPU41には無人搬送車11の運転制御動作を行うためのプログラム等のデータを予め記憶した読み出し専用のリードオンリーメモリ(ROM)42及び各種データの書き込み読み出し可能なランダムアクセスメモリ(RAM)43が接続されている。前記CPU41には前記バッテリー21によって作動される駆動回路44を介して前記電動モータ17が接続され、駆動回路45を介して前記電動モータ18が接続されている。前記CPU41には前記検出素子25〜25及びマーカセンサ31によって検出された検出信号がそれぞれ入力されるようになっている。前記CPU41には各種のデータを入力するためのキーボードを備えた操作盤46が接続されている。
【0021】
前記CPU41には、前記検出素子25〜25から送信された検出信号に基づいて前記電動モータ17,18を制御することにより無人搬送車11を前記誘導テープ12に沿って走行させるように誘導する誘導制御手段51が備えられている。前記誘導制御手段51には、図1に示すように、合計14個の検出素子25〜25のうち中間部に位置する所定個数(この実施形態では8個)の検出素子25に前記誘導テープ12の位置を検出する機能が付与されている。図1において、左右両側の四角で表されたそれぞれ3個の検出素子25は、無人搬送車11が誘導テープ12に沿って進行する間は、該誘導テープ12の検出には用いられないようになっている。
【0022】
前記CPU41には、無人搬送車11の旋回走行時に各種の制御信号を出力する旋回時誘導走行手段52が備えられている。この旋回時誘導走行手段52によって、図1に示すように、例えば無人搬送車11が右方向へ旋回しようとする際に、誘導テープ12の検出動作に用いられる有効な特定の検出素子25〜25の中心位置O2( 無人搬送車11の中心位置)を、誘導テープ12及び分岐誘導テープ13の右側端縁12a,13aに一致させた状態で、無人搬送車11を右方向に旋回動作させる機能を有している。従って、無人搬送車11の中心位置、つまり誘導センサ23の中心位置O2は、図1に示すように、分岐誘導テープ13の幅寸法の二分の一だけオフセットされた状態で旋回動作されることになる。
【0023】
次に、前記のように構成された無人搬送車の動作について説明する。
図1に示すように、走行ルートに設けられた前記誘導テープ12に沿って無人搬送車11が走行している間は、合計14個の検出素子25のうち有効な複数(8個)の検出素子25によって検出された検出信号が制御ユニット22のCPU41の誘導制御手段51に送信され、該誘導制御手段51によって次のように制御される。8個の検出素子25〜25に1〜8の重み付け指数が設定され、ONしている検出素子25の重み付け指数の合計値を用いて、その中心位置、つまり誘導テープ12の中心位置O1が演算され、該中心位置O1と、無人搬送車11の中心位置O2との偏差Δdが演算される。そして、演算された偏差Δdに基づいて、前輪15,16の一方の減速率が設定されて減速され、前記偏差Δdが零となるように無人搬送車11の進行方向が補正されることにより、自動走行が制御される。
【0024】
無人搬送車11が図2に示すように誘導テープ12から分離した分岐誘導テープ13の前方にある磁気マーカ14に接近し、前記マーカセンサ31によって前記磁気マーカ14が検出されると、この磁気マーカ14の制御情報(右旋回)が前記制御ユニット22のCPU41に送信される。そして、図1に示すように、制御ユニット22からの制御信号に基づいて無人搬送車11が右旋回される。
【0025】
無人搬送車11の右旋回動作が開始されると、図4に示すCPU41の旋回時誘導走行手段52が次のように無人搬送車11を制御する。即ち、図1に示すように、無人搬送車11の中心位置O2(誘導センサ23の中心位置O2)が誘導テープ12の右側の端縁12aに一致するように無人搬送車11の進行方向が制御される。そして、無人搬送車11が図1及び図5に示すように、誘導テープ12の中心位置O1から誘導テープ12の幅寸法の二分の一の距離Δeだけ右方向にオフセットされた状態で、前記誘導テープ12及び分岐誘導テープ13の右側の端縁12a,13aに沿って無人搬送車11が右方向に旋回動作される。
【0026】
上記実施形態の無人搬送車の走行制御装置によれば、以下のような効果を得ることができる。
(1)上記実施形態では、無人搬送車11の左右方向への旋回動作時において、前記誘導センサ23(無人搬送車11)の中心位置O2を、前記誘導テープ12の中心位置O1ではなく、誘導テープ12の左右のいずれか一方の端縁12aに一致させた状態で、無人搬送車11を分岐誘導テープ13の旋回方向内側の右側又は左側の端縁13aに沿って旋回動作するようにした。このため、無人搬送車11の旋回動作の旋回半径が小さくなって、無人搬送車11の旋回動作を円滑に行うことができる。
【0027】
(2)上記実施形態では、前記誘導センサ23の中心位置O2を誘導テープ12及び分岐誘導テープ13の旋回方向の内側の端縁12a,13aに一致させるだけの単純な旋回制御のため、無人搬送車11を旋回制御する動作プログラムの作成を容易に行うことができる。又、旋回動作のプログラムにおいて、誘導センサ23の中心位置O2を、分岐誘導テープ13の右側又は左側の端縁13aに一致させるだけのため、旋回動作プログラムに無人搬送車11の進行方向の調整が過敏に行われないようにするための制御プログラム、即ち、分岐誘導テープ13の端縁13aと誘導センサ23の中心位置O2との偏差が許容範囲内では、無人搬送車11の進行方向の調整を行わないようにするための制御プログラムを、基準となる旋回制御プログラムに容易に組み込むことができるため、無人搬送車11の旋回動作を円滑に行うことができる。
【0028】
次に、この発明の別の実施形態を、図6を中心に説明する。この実施形態においては、前述した実施形態と異なる構成は、図4に示す制御ユニット22のCPU41の機能のみであるため、構成の説明を省略する。
【0029】
この実施形態においては、図4に示す前記制御ユニット22のCPU41に対し、無人搬送車11(誘導センサ23)の中心位置O2を、分岐誘導テープ13の中心位置O5と一致させるためのオフセット量相殺手段(図示略)が設けられている。このオフセット量相殺手段は、次の動作を行う。図6に示すように、誘導センサ23の中心位置O2が誘導テープ12の右側の端縁12aに設定され、無人搬送車11全体が図5に示すように右方向に距離Δeだけオフセットされている(M1参照)。このため、前記誘導センサ23の検出素子25〜25のうち誘導テープ12を検出するための有効な所定数(実施形態では8個)の検出素子25〜25を、図6のM2で示すように、前記距離Δe(オフセット量)を相殺する方向に変更するようにしている。従って、図6の最上側に示すように誘導センサ23の中心位置O2を分岐誘導テープ13の中心位置O5と一致させる制御が可能とになり、前述した無人搬送車11のオフセット量(距離Δe)が相殺される。このため、無人搬送車11はオフセットされない状態で分岐誘導テープ13に沿って旋回動作される。
【0030】
なお、上記実施形態は以下のように変更してもよい。
・前記誘導センサ23の検出素子25の個数を14個以外に、例えば15個以上の任意の個数にしてもよい。
【0031】
・前記誘導テープ12,13に代えて、例えば、反射テープあるいは複数本の銅電線等のガイド手段を用いてもよい。これらの場合には、誘導センサ23のホール素子よりなる検出素子25に代えて、対応する他の検出素子が用いられる。
【符号の説明】
【0032】
Δd…偏差(オフセット量)、O1,O2,O5…中心位置、11…無人搬送車、12…メインガイド手段としてのメイン誘導テープ、13…分岐ガイド手段としての分岐誘導テープ、22…制御ユニット、23…誘導センサ、25…検出素子、31…マーカセンサ。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
走行路面に敷設されたメインガイド手段及び分岐ガイド手段の検出用の誘導センサを備え、前記誘導センサを無人搬送車の進行方向と交差する方向に所定の間隔をもって配列された複数の検出素子により構成し、制御ユニットにより前記誘導センサの中心位置と、前記メインガイド手段によってONされた所定数の検出素子の中心位置との偏差を演算し、該偏差に基づいて、メインガイド手段の中心位置に誘導センサの中心位置が一致するように誘導走行する無人搬送車において、
無人搬送車の分岐走行時には、前記制御ユニットによって旋回方向の内側の前記分岐ガイド手段の側端縁に前記誘導センサの中心位置が一致するように制御することを特徴とする無人搬送車の走行制御装置。
【請求項2】
請求項1において、前記制御ユニットは、無人搬送車の分岐走行時において、無人搬送車の旋回方向内側へのオフセット量を相殺するためのオフセット量相殺手段を備えていることを特徴とする無人搬送車の走行制御装置。
【請求項3】
請求項2において、前記オフセット量相殺手段は、誘導センサの複数の検出素子のうち有効な複数の検出素子を前記オフセット量を相殺する方向にオフセットすることにより、誘導センサの中心位置が分岐ガイド手段の中心位置と一致するように制御されるようにしたことを特徴とする無人搬送車の走行制御装置。
【請求項4】
請求項1〜3のいずれか一項において、前記両ガイド手段は磁気テープにより構成され、検出素子はホール素子により構成されていることを特徴とする無人搬送車の走行制御装置。
【請求項5】
請求項1〜4のいずれか一項において、前記制御ユニットは、走行路面に配設された旋回を指示するマーカを、車体に設けたマーカセンサが検出した後、前記誘導センサの中心位置を、前記分岐ガイド手段の側端縁に一致させる機能を有することを特徴とする無人搬送車の走行制御装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2011−8598(P2011−8598A)
【公開日】平成23年1月13日(2011.1.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−152530(P2009−152530)
【出願日】平成21年6月26日(2009.6.26)
【出願人】(000110321)トヨタ車体株式会社 (1,272)
【Fターム(参考)】