説明

無接触温度モニタ及び制御方法及び装置

サンプル(21)の温度を測定する方法であって、プロービング光ビーム(12,22,32)をサンプルに当て、プロービング光ビームの少なくとも2つの部分ビームが、サンプル中の少なくとも2つの互いに異なる深さレベルから後方散乱し又は反射することによりサンプル内部の互いに異なる長さの経路を通り、後方散乱又は反射した部分ビームを分析ユニットに戻し、基準光ビームとして一方のビームを用いる干渉デバイスにより干渉モデルを作成し、作成した干渉モデルを評価ユニットで評価し、反射又は後方散乱した部分ビームの信号強度を光路長に対して求めてサンプルの温度シフト及び温度を信号強度の温度シフトから求めることを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、サンプルの温度依存屈折率を測定することによりサンプルの温度をモニタし制御する方法及び装置に関する。本発明の自明な用途は、医療インターベンションの分野であり、この場合、例えば電磁放射線、特にレーザ光により、生物学的組織、例えば目の網膜の温度上昇を生じさせることができ、それと同時に、これをモニタすると共に制御することができる。
【背景技術】
【0002】
ドイツ国特許出願公開第19,935,455号明細書は、生物学的物質中の計画されたヒートデポジション(heat deposition )のための方法及び装置を開示している。この目的のため、超音波を組織中に送り、適当な場所で時間及び空間分解方式で検出する。出現する波のコンピュータ支援分析、特にこれら波の相対的移動時間の変化度から、物質内の熱的及び構造的変化に関する情報が得られ、かかる熱的及び構造的変化は、例えばレーザ光により熱量投入を制御するために用いられる。
この方法は、低周波超音波による空間分解が行なわれず、しかも高分解能高周波数超音波及び低出力による強い吸音力に起因して眼科にとっては非常に適しているわけではない。しかしながら、機械的波による強い励振の場合、敏感な網膜組織の損傷が生じる恐れがある。
【0003】
目の温度を測定する際、主として光学的方法を利用することは明らかであり、例えばかかる測定は、公知の赤外線耳温度計で行なわれる。しかしながら、目の硝子体は、赤外光を吸収し、したがって従来、かかる温度計を単純に眼科目的で採用することは不可能であった。
【0004】
ドイツ国特許出願公開第10,135,944号明細書は、低出力プロービングレーザが規則的な光パルスを用いて治療されるべき組織の短時間膨張を保証する装置を開示している。膨張により、圧力波の伝搬が生じ、この圧力波は、硝子体を通り、そしてこれをコンタクトレンズで外部で検出できる。センサは、超音波受信器として働き、そのデータをコンピュータに送り、コンピュータは、出力レーザのエネルギ供給源を制御する。
【0005】
ドイツ国特許出願公開第10,240,109号明細書は、蛍光を発するよう励起により眼底の温度を測定する別の方法を記載している。分光(スペクトル)組成、蛍光の強度又は消滅時間の変化を通常のレベル(約37℃)と比較した温度上昇と関連付ける。蛍光の働きは、色素に起因しており、色素は、目の加齢と共に自然に濃くなり、例えばリポフスチンとなり又は治療目的で目の中に導入される。
【0006】
サンプルの温度に対する間接的なアクセスは、文献において多くの物質について記録が取られているサンプル温度に対する屈折率の依存性によって得られる。生物学的組織に関して特に関心のあるものは、水の屈折率であり、これは、Thorm,,hlen, Straub and Grigull 著の論文である "Refractive Index of Water and its Dependence on Wavelength, Temperature and Density", J. Phys. Chem. Ref. Data. 14, 933-944(1985) に概略的な形式で記載されている。しかしながら、実際問題として、屈折率に基づく温度測定は、殆ど利用されていない。というのは、事実上常時、より簡単でより正確な別の手段を利用できるからである。
【0007】
米国特許第4,468,136号明細書は、サンプルに垂直方向に当たる局所的に形成されるレーザビームの作用下でサンプルの表面に近い領域の温度分布を測定する方法を記載している。物質中の熱レンズの形成を利用し、即ち、局所温度勾配の結果として、屈折率の空間依存性区別が生じ、次に光をすれすれ入射又は表面平行入射で偏向させる。偏向の程度及び方向は、出力レーザによる加熱中心に対する「プロービング」光ビームの位置及び伝搬方向に依存している。
この方法を実施する上での必要条件は、サンプル表面に沿うプロービング光についての材料の少なくとも広範な透明性、特に低吸収度及び低散乱度である。生物学的サンプルの場合、これは、高エネルギ光でのみ達成でき、したがって装置の問題とは別に、医学的検知からこの方法には問題がある。
【0008】
ドイツ国特許出願公開第3,929,290号明細書は、とりわけ、測定セルの内部の温度依存性屈折率を持つ媒体中のレーザ光に関する光路長の変化により測定セルの周囲温度を測定する測定セルを記載している。この変化は、層に関する公知の干渉原理に従って干渉法により決定され、この場合、2つの互いに平行な任意的に部分的反射性のインタフェース(例えば、屈折媒体)の反射部分ビーム相互間の移動時間の差を測定して解釈する。
しかしながら、特にドイツ国特許出願公開第3,929,290号明細書は、屈折媒体の設計側の事前設定及び上記媒体と環境の「良好な熱的接触」による関数n(T,p)として屈折率の正確な知識に基づいている。
特に生物学的組織中の赤外光の光移動時間の分布を測定する非侵襲的方法は、「光コヒーレンス断層撮影法(OCT)」として知られている。かくして、ドイツ国特許出願公開第19,929,406号明細書は、インターフェログラム(干渉写真)の形態の検出ユニットでの公知の二重スリット実験に基づく構造によって移動時間分布をシミュレートする装置を記載している。この目的のため、ダイクロイックミラーを用いて当初短いコヒーレント長の光を基準ビームとサンプルに分割する。基準光は、適当に間隔を置いたミラーで反射されるが、サンプル光は、検査されるべきサンプルの互いに異なる層深さで後方散乱を生じる。
【0009】
反射光と後方散乱光の両方を光ガイドにより検出ユニットに送り、間隔を置いた出現(2つの点源と比較されたい)の結果として、少なくとも部分的にオーバーラップした仕方で検出器平面上に投射される。これにより、干渉パターンが生じ、光源を互いに結ぶ軸線に沿うその強度推移により、サンプル内の光移動時間に関連した結論を引き出すことができる。
【発明の開示】
【0010】
本発明の課題は、温度センサと熱接触を行なわないで放出された熱放射線が温度測定には不向きなサンプルの無接触温度測定を可能にする方法及び装置を提供することにある。
本発明によれば、この課題は、サンプル中で互いに異なる経路長を有するプロービング光ビームの少なくとも2つの部分ビームをサンプルに当て、反射又は後方散乱した部分ビームを分析ユニットに戻し、評価ユニット内に生じた干渉パターンを評価する方法並びにこの方法を実施する装置によって解決される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
本発明の内容を添付の図面を参照して以下に説明する。
図1に概略的に示されている装置は、測定ビーム12を生じさせるビーム源と、分析器13(例えば、OCT、スペクトル分析器又は白色干渉計)と、サンプル11の温度を求めるために用いられる評価ユニット14とを有する。
【0012】
図2に示す装置は、測定ビーム22を生じさせ、分析器24(例えば、OCT、スペクトル分析器、白色干渉計)(23)を備えたビーム源と、評価ユニット24と、ダイクロイックミラー25と、サンプル26を加熱するためのエネルギ源光27を生じさせるエネルギ源とを有する。
【0013】
図3では、ダイクロイックミラー35は、測定ビーム32とエネルギ源36との光ビーム37を組み合わせ、これは、画像化光学系39を用いて網膜38の標的領域上に合焦される。検査データは、分析器33によって記録され、評価ユニット34によって評価される。必要ならば、エネルギ源36を評価ユニット34でモニタして制御するのがよい。
【0014】
図4では、反射強度Rは、T1(B)及びT2(C)についてサンプル層(A)の前縁及び後縁からの反射信号に関して光波長Λとの関係で示されている。温度変化を屈折率の温度に起因する変化により光路長のずれから求めることができる。
【0015】
図5は、T1(F)及びT2(E)についてのサンプル層の前縁及び後縁からの反射信号を示している。温度に起因する屈折率の変化の結果として、一方において、光学的ずれが生じ、他方、群(グループ)屈折率の変化による反射信号の拡大が生じる。
サンプル11,21,38の屈折率の温度依存性の結果として、温度変化が生じると、サンプル中の光路長が変化する。光測定ビーム12,22,32を用いると、分析器13,23,33、例えばOCT又は他の幾つかの干渉装置によりこれを無接触方式で測定することができる。サンプル温度を深さ分解信号(図4)の得られた「光学的ずれ」から求めることができる。
【0016】
絶対温度での評価のため、較正測定で屈折率の温度依存性を求める必要がある。サンプル厚さが較正表の助けにより光学分析器13,23,33のOCT信号から知られていれば、評価ユニット14,24,34は、サンプル温度を直接求めることができる。この目的のため、サンプル11,21,38(図4)の前縁及び後縁上での光反射が評価目的のために用いられる。サンプル厚さが未知の場合、既知の温度での基準測定により正規化信号を前もって得ることができ、そして評価ユニット14,24,34に入力することができる。
【0017】
散乱サンプルの場合、散乱により生じたスペックルパターンを温度により引き起こされる光学的ずれの評価のために使用することができる。
反射信号の光学的ずれとは別に、信号のライン拡大を温度測定目的にも用いることができる(図5)。このように、とりわけ光学分析器13,23,33(例えば、OCT)により放出されたプロービング光のスペクトル幅の関数として、群屈折率の温度により引き起こされる変化を求めることができる。
【0018】
特に、水性、即ち特に生物学的サンプルの場合、加熱時のサンプルの熱膨張を考慮しなければならない。水の場合、屈折率は、温度と共に減少し、これは、光学的光路の短縮と同時に熱膨張に起因するサンプル寸法の増大が生じ、かくして、干渉パターンの温度上昇の観察可能な効果の部分的な補償が生じる。生物学的組織は、明らかにその光学的特性が水と類似しているが、機械的には異なって挙動する。これは、その内部凝集力の結果としてランダムに膨張せず、その代わり、部分的に組織流体圧力の上昇とも相互作用する。しかしながら、水の光学的屈折率も又、圧力に依存している。
【0019】
したがって、水性サンプルの場合、評価ユニット14,24,34は、熱膨張挙動に関する前もって知られている情報を例えば記憶された表の形態として有さなければならず、同じことを考慮に入れなければならない。かかる表の作成は、特定のタイプのサンプルについて経験的に行なわれる。単純な物理学的な場合(例えば、皿の中の規定された液体)、理論モデルも又使用できる。
【0020】
本発明の優位な開発例では、実際のサンプル温度測定は、測定値を直接返還することだけによっては行なわれず、それとは異なり、サンプルの多くのモデル化からのパラメータ抽出によって行なわれ、これは、既知の特徴的な量(温度及び圧力依存性屈折率、熱膨張率、弾性組織パラメータ等)を考慮し、測定プロセス全体のシミュレーションにおいてこれらを互いに関連付ける。かかるシミュレーションの結果として、理論的な干渉パターンが得られ、この理論的干渉パターンをモデルを系統的に変化させることにより(試行錯誤)最適一致に至る。
【0021】
地質学においては、地震測定を評価する際に同等な方法が知られている。最新式のマイクロプロセッサを用いると、限定された標的、即ち温度測定のみに関する変換も又、リアルタイムで可能である。
【0022】
本発明の方法を特に、網膜38のレーザ照射37の場合、レーザにより引き起こされる温度変化を測定するために利用できる。評価は、網膜の前縁からの反射のOCT信号及び強く散乱する網膜色素上皮(RPE)の反射信号から行なわれる。
網膜の厚さが照射に先立って個人内及び個人相互間で変動すると、既知の温度(体温)での基準信号が記録される。レーザ照射により生じる網膜の熱は、網膜屈折率の変化をもたらす。
【0023】
この屈折率の変化を測定ビーム32で検出でき、これはOCT信号では、網膜後縁の反射信号の光学的ずれ及び任意的に群屈折率の変化に起因する信号の線拡大(図5)をもたらす。これら変化を分析器33で測定することができ、そして評価ユニット34で更に処理することができる。次に、評価ユニット34は、しきい温度に達するとエネルギ源36を制御し又はオフにする。
【0024】
本発明の方法は、ランダムなサンプルの温度を測定するために使用でき、例えば、通常、非破壊材料検査で利用される。本発明の有用性に関する必要条件は、プロービング光のための2つのレフレクタ(例えば、インタフェース)が設けられ、理想的には一方の部分ビームがサンプルを通り、別の部分ビームはそうではなく、他方、サンプルは主としてプロービング光に対し透明でなければならない。
【0025】
興味をそそる用途は、赤外光放出に関する無接触温度測定が可能ではなく又は困難を伴って可能であるに過ぎないどのような場合でも生じ、更に、例えば不活性ガス雰囲気下での水溶液、特に攻撃性のある液体(例えば、弗化水素酸)又は防腐状態に維持される医療製剤と接触状態で温度センサを用いることが禁止され又は望ましくない場合に生じる。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【図1】サンプルの温度を測定する装置の概略構造を示す図である。
【図2】サンプルの温度を測定して制御する装置の概略構造を示す図である。
【図3】レーザ光による照射を伴う生物学的組織、この場合、目の網膜(38)の温度を測定して制御する装置の概略構造を示す図である。
【図4】互いに異なる温度T1,T2についての反射サンプル層の代表的なOCT検査信号を示す図である。
【図5】図4に対応した略図であり、サンプル層からの反射信号を示す図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
サンプル(11,21,38)の温度を測定する方法であって、
プロービング光ビーム(12,22,32)をサンプルに当てる段階を有し、プロービング光ビームの少なくとも2つの部分ビームは、サンプル中の長さの互いに異なる経路長さを通り、部分ビームをサンプル中の少なくとも2つの互いに異なる深さから反射させ又は後方散乱させ、
反射し又は後方散乱した部分ビームを分析ユニット内へ戻す段階を有し、
干渉パターンを干渉装置により分析ユニット中に生じさせる段階を有し、干渉装置は、一方のビームを基準光ビームとして用い、
評価ユニット中に生じた干渉パターンを評価する段階を有し、反射又は後方散乱した部分ビームの信号強度を評価ユニットにより光路長に対して求めて温度のずれ及びサンプル温度を信号強度の温度ずれから求めることを特徴とする方法。
【請求項2】
干渉パターンの評価の際、プロービング光ビーム(12,22,32)の部分ビームの異なるスペクトル分布を求めてこれからサンプルの群屈折率を定めることを特徴とする請求項1記載の方法。
【請求項3】
サンプル(11,21,38)は、主として水性であり、特に、水溶液又は生物学的組織、特に目の網膜であることを特徴とする請求項1記載の方法。
【請求項4】
評価ユニット(14,24,34)で評価する際、サンプル(11,21,38)の熱膨張を考慮に入れることを特徴とする請求項1記載の方法。
【請求項5】
評価ユニット(11,21,38)での評価は、特にシミュレートされた干渉パターンと測定された干渉パターンを比較することにより測定値のコンピュータ支援シミュレーションからのパラメータ抽出により行なわれることを特徴とする請求項1記載の方法。
【請求項6】
評価ユニット(14,24,34)を既知の温度での基準測定値により時間t1で較正することを特徴とする請求項1記載の方法。
【請求項7】
請求項1記載の方法を実施する装置であって、プロービング光(12,22,32)の光源及び照射された生物学的組織の戻り部分ビームにより生じる干渉パターンを電子的に検出する検出装置を備えた分析ユニット(13,23,33)と評価ユニット(14,24,34)とを有し、分析ユニット(13,23,33)は、検出された干渉パターンをコンピュータ支援方式で評価することを特徴とする装置。
【請求項8】
ダイクロイックミラー(25,35)及び生物学的組織サンプルを加熱するための光を放出し、評価ユニット(14,24,34)により制御されるエネルギ源(26,36)を更に有し、ダイクロイックミラー(25,35)は、プロービング光ビーム(12,22,32)に対して透明であり、エネルギ源(26,36)の光に対して反射性であり、エネルギ源(26,36)の光をプロービング光ビーム(12,22,32)の光路中へ偏向することを特徴とする請求項7記載の装置。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
サンプルの温度を測定する方法であって、
プロービング光ビームをサンプルに当てる段階を有し、プロービング光ビームの少なくとも2つの部分ビームは、サンプル中の互いに異なる経路長さを通り、部分ビームをサンプル中の少なくとも2つの互いに異なる深さから反射させ又は後方散乱させ、
反射し又は後方散乱した部分ビームを分析ユニット内へ戻す段階を有し、
干渉パターンを分析ユニット中に生じさせる段階を有し、
屈折率により後方散乱強度及び温度指示光路長を検出する短いコヒーレント光を用いて評価ユニット中に生じた干渉パターンを評価する段階を有し、反射又は後方散乱した部分ビームの信号強度を光路長に対して求めて温度のずれ及びサンプル温度を信号強度の温度ずれから求めることを特徴とする方法。
【請求項2】
干渉パターンを評価する際、サンプルの群屈折率を較正するためにプロービング光ビームの部分ビームの異なるスペクトル拡大を達成して決定することを特徴とする請求項1記載の方法。
【請求項3】
サンプルは、主として水性であり、特に、水溶液又は生物学的組織、特に目の網膜であることを特徴とする請求項1記載の方法。
【請求項4】
評価ユニットで評価する際、サンプルの熱膨張を考慮に入れることを特徴とする請求項1記載の方法。
【請求項5】
評価ユニットでの評価は、特にシミュレートされた干渉パターンと測定された干渉パターンを比較することにより測定値のコンピュータ支援シミュレーションからのパラメータ抽出により行なわれることを特徴とする請求項1記載の方法。
【請求項6】
評価ユニットを既知の温度での基準測定値により時間t1で較正することを特徴とする請求項1記載の方法。
【請求項7】
請求項1記載の方法を実施する装置であって、プロービング光の光源及び照射された生物学的組織の戻り部分ビームにより生じる干渉パターンを電子的に検出する検出装置を備えた分析ユニットと評価ユニットとを有し、分析ユニットは、検出された干渉パターンをコンピュータ支援方式で評価することを特徴とする装置。
【請求項8】
ダイクロイックミラー及び生物学的組織サンプルを加熱するための光を放出し、評価ユニットにより制御されるエネルギ源を更に有し、ダイクロイックミラーは、プロービング光ビームに対して透明であり、エネルギ源の光に対して反射性であり、エネルギ源の光をプロービング光ビームの光路中へ偏向することを特徴とする請求項7記載の装置。
【請求項9】
生物学的サンプルに対する治療に用いられるレーザ源を用意する段階を有し、
プロービング光ビームを生物学的サンプルに当てることにより生物学的サンプルの温度依存屈折率を測定することによって治療中に生物学的サンプルの温度を非接触方式でモニタする段階を有し、プロービング光ビームの少なくとも2つの部分ビームを生物学的サンプル中の少なくとも2つの互いに異なる深さから反射させ又は後方散乱させ、
屈折率の変化を測定する段階を有することを特徴とする方法。
【請求項10】
非接触温度測定値に基づいて医療及びレーザエネルギからの生物学的サンプルの温度上昇を制御する段階を更に有することを特徴とする方法。
【請求項11】
レーザ源からの光が、目の硝子体を通過することを特徴とする請求項1記載の方法。
【請求項12】
部分ビームの反射信号の光学的ずれを温度測定のために用いることを特徴とする請求項9記載の方法。
【請求項13】
部分ビームのライン拡大反射信号を温度測定のために用いることを特徴とする請求項9記載の方法。
【請求項14】
評価ユニットは、しきい温度に達するとエネルギを減少させるようエネルギ源を制御することを特徴とする請求項9記載の方法。
【請求項15】
評価ユニットは、OCT、スペクトル分析器又は白色干渉計のうちの少なくとも1つから選択されることを特徴とする請求項14記載の方法。
【請求項16】
一方の部分ビームは、サンプルを横切り、他方の部分ビームは、そうではないことを特徴とする請求項9記載の方法。
【請求項17】
評価ユニットを用いて部分ビームの反射により生じた干渉パターンを評価する段階を更に有し、サンプルの群屈折率を較正するためにプロービング光ビームの部分ビームの異なるスペクトル拡大を達成して決定することを特徴とする請求項9記載の方法。
【請求項18】
サンプルは、主として水性であり、特に、水溶液又は生物学的組織、特に目の網膜であることを特徴とする請求項9記載の方法。
【請求項19】
評価ユニットで評価する際、サンプルの熱膨張を考慮に入れることを特徴とする請求項14記載の方法。
【請求項20】
評価ユニットでの評価は、特にシミュレートされた干渉パターンと測定された干渉パターンを比較することにより測定のコンピュータ支援シミュレーションからのパラメータ抽出により行なわれることを特徴とする請求項14記載の方法。
【請求項21】
評価ユニットを既知の温度での基準測定値により時間t1で較正することを特徴とする請求項14記載の方法。
【請求項22】
目の網膜のレーザ照射の場合においてレーザにより引き起こされた温度変化を測定する方法であって、治療に先立って既知の温度における基準信号を記録する段階と、目の屈折率変化を光ビームで検出する段階と、網膜の前縁からの光反射の信号及び強く散乱した網膜色素上皮(RPE)の反射信号を評価する段階と、網膜後縁の光反射信号の光学的ずれ及び(又は)群屈折率の変化に起因する信号のライン拡大を測定して温度を測定する段階とを有することを特徴とする方法。
【請求項23】
変化を分析器で測定することを特徴とする請求項21記載の方法。
【請求項24】
温度を分析器で測定し、更に評価ユニットで処理することを特徴とする請求項21記載の方法。
【請求項25】
評価ユニットは、しきい温度に達すると、エネルギ源を制御し又はオフにすることを特徴とする請求項24記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公表番号】特表2006−517028(P2006−517028A)
【公表日】平成18年7月13日(2006.7.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−500468(P2006−500468)
【出願日】平成16年1月11日(2004.1.11)
【国際出願番号】PCT/DE2004/000018
【国際公開番号】WO2004/065923
【国際公開日】平成16年8月5日(2004.8.5)
【出願人】(505272076)メディツィニシェス ラザーツェントラム リューベック ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング (1)
【Fターム(参考)】