無断変速機
【課題】牽引ローラ変速機の実用的商業化に際して、変速機の信頼性、変速の容易性、機能、および単純性を改良する。
【解決手段】駆動部材120から被駆動部材170へ動力を伝達するための複数の回転可能動力調整装置122を有する無段変速機100、動力調整装置がそれぞれ駆動部材、被駆動部材、および支持部材154に対して3点摩擦接触するように、各動力調整装置は、駆動部材、被駆動部材、および回転可能な支持部材の間に摩擦を伴ってて挿入されている。変速比は、各動力調整装置が回転する軸を変えるピボツト支持物134によって決定される。
【解決手段】駆動部材120から被駆動部材170へ動力を伝達するための複数の回転可能動力調整装置122を有する無段変速機100、動力調整装置がそれぞれ駆動部材、被駆動部材、および支持部材154に対して3点摩擦接触するように、各動力調整装置は、駆動部材、被駆動部材、および回転可能な支持部材の間に摩擦を伴ってて挿入されている。変速比は、各動力調整装置が回転する軸を変えるピボツト支持物134によって決定される。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の分野は変速機に関する。特に本発明は無段変速機に関するものである。
【背景技術】
【0002】
無限可変の変速機を提供するために、動力がハウジング内に支持された牽引ローラを通じてトルク入力ディスクとトルク出力ディスクとの間で伝達される、さまざまな牽引ローラ変速機が開発されている。このような変速機では、牽引ローラは支持構造物の上に取り付けられており、牽引ローラが回転すると、支持構造物は、所望の変速比に応じて変化する直径の円内で牽引ローラとトルク・ディスクとがかみ合うことになる。
【0003】
しかし、これらの従来の解決手法の成功は制限されている。たとえば、シーベルバック(Schievelbusch)による米国特許第5236403号では、可変調節可能変速比を有する車両用駆動ハブが開示されている。シーベルバックは、牽引・ローラの各側に1つずつあって各ローラの回転軸を傾斜させる2つのアイリス・プレートの使用を教示している。しかしアイリス・プレートの使用は、変速機を入れ換えるときにアイリス・プレートを調節するのに必要な多数の部品のために、非常に複雑になる可能性がある。この設計の別の制限は、ローラの各側に1つずつある2つのハーフ・アクスルを使用して、2つのハーフ・アクスルの中間にギャップを設ける必要があることである。このギャップは、ローラが滑動直線運動の代わりに回転運動によって入れ換えられるので必要である。2つのアクスルの使用は望ましくなく、また変速機が車両に採用される場合にしばしばあるように、変速機が不意に衝突したときにアクスルが曲がらないようにするために複雑な締付けシステムを必要とする。この設計のさらに別の制限は、これが自動変速機を提供しないことである。
【0004】
したがって、もっと簡単な変速方法と単一のアクスルとを有する無段変速機が必要となる。さらに、自動的に変速するために構成される自動牽引ローラ変速機が必要となる。さらにまた牽引ローラ変速機の実用的商業化には、変速機の信頼性、変速の容易性、機能、および単純性の改良が必要である。
【特許文献1】米国特許明細書第5236403号
【発明の開示】
【0005】
本発明は、回転駆動式または直線駆動式の機械および車両において使用するための変速機を包含するものである。たとえば、この変速機は自動車、オートバイ、および自転車などの車両に使用することができる。変速機はたとえば、主軸の一端に取り付けられた一方向クラッチを随意に駆動するスプロケット、ギア、プーリ、またはレバーなどの動力伝達機構によって駆動することができる。
【0006】
本発明の一バージョンは、主軸と、主軸に回転可能に取り付けられた回転可能な駆動部材と、主軸に取り付けられた回転可能な被駆動部材と、回転可能駆動部材と回転可能被駆動部材との間に摩擦を伴って挿入されて、駆動部材から被駆動部材へ動力を伝達するようにした複数の動力調整装置と、主軸を被って同心状にかつ主軸と動力調整装置との間にある回転可能支持部材であって、動力調整装置がそれぞれ駆動部材、被駆動部材、および支持部材に対して3点摩擦接触するように複数の動力調整装置と摩擦嵌合する回転可能支持部材とを具備する変速機を含む。
【0007】
本発明のさらに別のバージョンは、主軸と、主軸に回転可能に取り付けられた回転可能な駆動部材と、主軸に回転可能に取り付けられた回転可能な被駆動部材と、回転可能駆動部材と回転可能被駆動部材との間に摩擦を伴って挿入されて、駆動部材から被駆動部材へ動力を伝達するようにした複数の動力調整装置と、主軸を被って同心状にかつ主軸と動力調整装置との間にある回転可能支持部材であって、動力調整装置がそれぞれ駆動部材、被駆動部材、および支持部材に対して3点摩擦接触するように複数の動力調整装置と摩擦嵌合する回転可能支持部材と、複数の動力調整装置に結合されて、主軸に回転可能に取り付けられ、複数の動力調整装置の回転軸を変化させるようになっている少なくとも1つの外側に延長可能な錘とを含む。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
下記の詳細な説明は、本発明によるいくつかの特定の実施形態に関するものである。しかし本発明は、特許請求の範囲に定義され包含されるように多数の異なる方法で実施することができる。この説明で参照される図面では、全体にわたって同様な部分には同様な番号を付した。
【0009】
本発明は、変速機を必要とするどのタイプの機械にも採用され得る無段変速機を包含する。たとえば変速機は、(i)自動車、オートバイ、または船舶などの原動機付車両、(ii)自転車、三輪車、片足スケート、運動装置などの原動機のない車両、または(iii)せん孔盤などの工業用動力式装置、または風車などの動力発生装置に使用することができる。
【0010】
図1〜図4に本発明の一実施形態を開示する。図1は変速機100の部分斜視図である。図2は図1の変速機100の分解図である。図3は変速機100の部分端断面図である。図4は変速機100の切欠側面図である。
【0011】
図1〜図4を全体的に参照すると、中空の主軸102が機械(図示せず)のフレームに付加されている。主軸102の各端部はねじ切りされて、締め金具(図示せず)を使用して変速機100を主軸102に固定すること、および/または主軸102を機械に取り付けることを可能にする。スプロケットまたはプーリを具備する回転可能な駆動装置401(図4)が、変速機100に入力トルクを供給するように主軸102に回転可能に付加されている。駆動スリーブ104が回転可能な駆動装置401(図4)に同軸に結合され、また主軸102を被って回転可能に配設されている。駆動スリーブ104の回転可能な駆動装置401(図4)とは反対側の表面106(図2)は、複数の浅い溝108を含むことができる。
【0012】
第1ローラ・ケージ・アセンブリ110が、駆動スリーブ106に回転可能な駆動装置401とは反対側で同軸に結合され、また主軸102を被って回転可能に配設されている。第1ローラ・ケージ・アセンブリ110は、この中間点の周りに放射状に配設された複数の円筒状ローラ112を有する。円筒状ローラ112はそれぞれ第1ローラ・ケージ・アセンブリ110の上に回転可能に取り付けられているので、各ローラはその長手方向軸を中心として回転することができる。浅い溝108の各々と各円筒状ローラ112との間に1対1の相関関係が存在することは好ましい。随意に、円筒状ローラ112を球状ローラなどの別の幾何学的形状を持つローラと取り替えることもできる。
【0013】
ばねなどのテンション・インデューサ118(図2)が主軸102を被って回転可能に配設され、また第1ローラ・ケージ・アセンブリ110に駆動スリーブ104とは反対側で摩擦を伴って同軸に結合されている。さらに、回転可能な駆動部材120が主軸102に回転可能に付加され、また第1ローラ・ケージ・アセンブリ110の駆動スリーブ104とは反対の側に同軸に結合されている。回転可能な駆動部材120の駆動スリーブ104とは反対側の表面107(図4)は、複数の浅い溝109(図4)を含む。駆動スリーブ104に対するローラ・ケージ110の相対的回転によって、円筒状ローラ112は浅い溝108、109の上を転がり、浅い溝108、109を主軸102の軸に沿って互いに向い合ったりまたは離れたりするように動かす。
【0014】
複数の球状動力調整装置122A、122B、122Cが、回転可能な駆動部材120のローラ・ケージ・アセンブリ110とは反対の側と摩擦接触している。本発明の一実施形態では、動力調整装置122A、122B、122Cは焼き入れ鋼で作られた球であるが、代替案として動力調整装置122A、122B、122Cは別の形状を含むこともでき、別の材料で製造することもできる。複数のスピンドル130A、130B、130C(図2)がそれぞれ、複数の通路128A、128B、128C(図2)を通って動力調整装置122A、122B、122Cの中で延びている。ラジアル・ベアリング(図示せず)がスピンドル130A、130B、130C(図2)の各々を被って配設され、動力調整装置122A、122B、122Cの回転を容易にしている。
【0015】
複数のピボット支持物134A、134B、134Cがそれぞれスピンドル130A、130B、130C(図2)を保持している。支持物134Aは、後でさらに詳細に検討する比率変換器166に連結するための2本の脚135A、137Aを有する。同様に、支持物134Bは2本の脚135B、137Bを有し、ピボット支持物134Cは2本の脚135C、137Cを有する。
【0016】
ピボット支持物134A、134B、134Cはそれぞれピボット・リング136A、136B、136Cを有する。ピボット・リング136Aは4つの開口138A、140A、142A、144A(図2)を有する。同様に、ピボット支持物134Bは4つの開口138B、140B、142B、144Bを有しており、ピボット支持物134Cは4つの開口138C、140C、142C、144C(図2)を有する。開口138A、138B、138Cはそれぞれ、開口140A、140B、140Cに対向してピボット・リング136A、136B、136Cの上に位置する。また、開口138A、138B、138Cおよび開口140A、140B、140Cはそれぞれ、スピンドル130A、130B、130C(図2)を受け取るように構成されている。
【0017】
開口142A、142B、142C(図2)はそれぞれ、開口144A、144B、144C(図2)に対向してピボット・リング136A、136B、136Cの上に位置する。また、開口142A、142B、142Cおよび開口144A、144B、144Cは、複数の固定装置150A、150B、150C(図2)を受け取るように構成されている。本発明の一実施形態では、固定装置150A、150B、150Cはそれぞれ、各端部でわずかな角度に曲げられた円筒状中実ロッドである。固定装置150A、150B、150Cの各々の中央部分は、固定支持物152(図2)の複数の脚153(図2)の1つに付加されている。固定支持物152は主軸102に取り付けられて固定されている。
【0018】
支持部材154が、固定支持物152(図2)の回転可能な駆動部材120とは反対側の近くで、主軸102を被って滑動可能かつ回転可能に配設されている。支持部材154は動力調整装置122A、122B、122Cの各々と摩擦接触している。本発明の一実施形態では、支持部材154は、端断面図から見ればほぼ均一な外周を有する円筒状リングである。本発明の別の実施形態では、支持部材154は、動力調整装置122A、122B、122Cが支持部材154から外れないように支持部材154の第1および第2端から外側に放射状にそれぞれ延びた第1および第2フランジ(図示せず)を有する円筒状リングである。本発明のさらに別の実施形態では、支持部材154は、わずかに凹状になった外表面を有する円筒状リング(図17)である。
【0019】
支持部材154は主軸102に接触してこの上で回転することもでき、または、動力調整装置122A、122B、122Cによって加えられる心合わせ圧力のせいで主軸102に実質的に接触することなく、主軸102を被って懸架されることもできる。
【0020】
特に図2を参照すると、非可撓性ロッドなどの変速部材160が主軸102の内部通路に滑動可能に嵌合している。2つの延長部162、164が変速部材160から直角方向に主軸102の開口部165を通って延びている。変速機100の駆動側に近い変速部材160の第1端部161は、ケーブルなどの連係部163に連結されている。連係部163は、主軸102とは反対の端部で変速アクチュエータ(図示せず)に連結されている。ばねなどの引張部材202が、留め具204によって変速部材160の第2端に連結されている。
【0021】
特にさらに図2を参照すると、延長部162、164は比率変換器166に繋がっている。比率変換器166は、1つの平面プラットフォーム168と、支持部材154に近いプラットフォーム168の表面から直角方向に延びる複数の脚171A、171B、171Cを含む。脚171Aは2つの連係ピン172A、173Aを含む。同様に脚171Bは2つの連係ピン172B、173Bを含み、脚171Cは2つの連係ピン172C、173Cを含む。連係ピン172A、172B、172Cおよび連係ピン173A、173B、173Cは、ピボット支持物134A、134B、134Cの各々に比率変換器166を結合するために使用される。
【0022】
支持物134Aと比率変換器166との結合に関して、連係ピン172Aはピボット・リング136Aの反対側になる支持物134Aの脚137Aの一端と嵌合し、連係ピン172Bはピボット・リング136Aの反対側になる脚135Aの一端に嵌合する。さらに、ピボット支持物134Bと比率変換器166との結合に関して、連係ピン173Bはピボット・リング136Bの反対側になる脚137Bの一端と嵌合し、連係ピン172Cはピボット・リング136Bの反対側になる脚135Bの一端に嵌合する。最後に、ピボット支持物134Cと比率変換器166との結合に関して、連係ピン173Cはピボット・リング136Cの反対側になる脚137Cの一端と嵌合し、連係ピン173Aはピボット・リング136Cの反対側になる脚137Bの一端に嵌合する。
【0023】
3個の動力調整装置122A、122B、122Cのみを開示したが、本発明の変速機100はより少ない(たとえば2個)またはより多い(たとえば4、5、6個またはそれ以上)の動力調整装置を伴って構成することもできる。さらに、比率変換器166における脚の数、固定支持物152における脚の数、固定装置の数、変速機の中におけるピボット支持物の数はすべて、使用される動力調整装置の数にしたがって相応じて調整することができる。
【0024】
再び図1〜図4を全体的に参照すると、回転可能な被駆動部材170が主軸102に比率変換器166(図2)の近くで回転可能に嵌合している。回転可能な被駆動部材170は、動力調整装置122A、122B、122Cの各々と摩擦接触している。回転可能な被駆動部材170の動力調整装置122A、122B、122Cとは反対側になる表面174は、複数の浅い溝176を含む。回転可能な被駆動部材170は、ばねなどの第2引張インデューサ178(図2)、およびローラ・ケージ・アセンブリ110と設計が類似の第2ローラ・ケージ・アセンブリ180と同軸で摩擦接触している。第2引張インデューサ178(図2)と第2ローラ・ケージ・アセンブリ180とは主軸102を被って回転可能に配設されている。ハブ駆動装置186(図4)が主軸102を被って回転可能に配設されており、第2ローラ・ケージ・アセンブリ180の回転可能な被駆動部材170とは反対の側に同軸に嵌合されている。ハブ駆動装置186(図4)は、従来の歯車機構を使用してハブ・シェル302(図3、図4)に付加することもできる。本発明の一実施形態では、ハブ駆動装置186はハブ・シェル302の近くに延びており、一方向ローラ・クラッチなどの一方向回転可能駆動装置300に連結されている。一方向回転可能駆動装置300(図3、図4)はハブ・シェル302(図3、図4)に回転可能に結合されている。
【0025】
動力調整装置122A、122B、122Cは、駆動部材120、支持部材154、および被駆動部材170と堅い3点摩擦接触して懸架されていることに注目されたい。
【0026】
ハブ・シェル302(図3、図4)は、ハブ・シェル302を車輪、推進器、または他の推進手段に取り付けるための手段を備えた複数の孔304(図3)を有する。ハブ・シェル302は、ハブ駆動装置186におけるスロットの中に適合するハブ・ベアリング410(図4)によって支持され、主軸102の上で自由に回転することができる。主軸102には、ハブ駆動装置186の第2ローラ・ケージ・アセンブリ180とは反対の側の近くにワッシャ412(図4)が付加されて、ハブ・ベアリング410(図4)の回転を容易にする。
【0027】
図5と図6は、2つの異なった変速位置にある図1の変速機を示す、図1の変速機の切欠側面図である。図5と図6について、変速機100の変速方法を下に開示する。
【0028】
力の入力によって、駆動スリーブ104は時計方向に回転し始める。(変速機100もまた反時計方向に駆動されるように設計されていることに注目されたい。)駆動スリーブ104の回転開始時には、公称軸方向圧が引張インデューサ118、178(図2)によって供給され、回転可能駆動部材120、回転可能被駆動部材170、および支持部材154が動力調整装置122A、122B、122Cと牽引接触することを保証する。
【0029】
駆動スリーブ104の時計方向の回転は、第1ローラ・ケージ・アセンブリ110と嵌合してこれを同様の方向に回転させる。低いトルクでは、ローラ112は回転可能駆動部材120の浅い溝108、109と駆動スリーブ104との間の中央に残る。追加トルクが加えられると、ローラ112は溝108の傾斜側を昇り、駆動スリーブ104と回転可能な駆動部材120を強制的にさらに引き離す。同じ作用は変速機100の反対端でも起こり、この場合、回転可能駆動部材170は第2ローラ・ケージ・アセンブリ180を通じてハブ駆動装置186と嵌合する。こうして、第1ローラ・ケージ・アセンブリ110と第2ローラ・ケージ・アセンブリ180は、回転可能駆動部材120と回転可能被駆動部材170とをともに動力調整装置122A、122B、122Cに対して圧縮し、支持部材154、駆動部材120、および被駆動部材170に対する動力調整装置122A、122B、122Cの摩擦接触が増加する。
【0030】
第1回転可能駆動部材120がローラ・ケージ・アセンブリ110によって時計方向に回転されると、第1回転可能駆動部材120は動力調整装置122A、122B、122Cを摩擦によって回転させる。動力調整装置122A、122B、122Cの時計方向の回転は、回転可能被駆動部材170を時計方向に回転させる。回転可能被駆動部材170の時計方向の回転は、第2ローラ・ケージ・アセンブリ180と嵌合してこれを時計方向に回転させる。次いで、第2ローラ・ケージ・アセンブリ180の時計方向の回転は、ハブ駆動装置186(図4)と嵌合してこれを時計方向に駆動させる。ハブ駆動装置186の時計方向の回転は、一方向回転可能駆動装置300を時計方向に回転させる。次に一方向駆動装置300はハブ・シェル302(図3、図4)を駆動させて時計方向に回転させる。
【0031】
変速部材160は、動力調整装置122A、122B、122Cの回転軸を変更するために使用される。変速機において変速するために、変速アクチュエータ(図示せず)は変速部材160を第1方向500(図5)に滑動させる。変速アクチュエータ(図示せず)によって連係部163の張力を開放すると、変速部材160は引張り部材202によって第2の反対方向600(図6)に滑動させる。本変速機100の特定の構造は、従来技術の牽引ローラ設計よりもはるかに容易な変速を提供する。
【0032】
変速部材160がユーザによっていずれかの方向に移動されると、延長部162、164は比率変換器166と嵌合して、軸方向に主軸102を横切って移動させる。図5を参照すると、変速部材160が移動すると、比率変換器166は支持物134A、134B、134Cを旋回させる。支持物134A、134B、134Cの旋回はボール・スピンドル130A、130B、130Cを傾斜させ、動力調整装置122A、122B、122Cの各々の回転軸を変える。変速部材160が方向500に移動すると、動力調整装置122A、122B、122Cの各々の回転軸は、回転可能駆動部材120が動力調整装置122A、122B、122Cの回転軸に近い動力調整装置122A、122B、122Cの表面に接触するように変更される。さらに、回転可能被駆動部材170は、動力調整装置122A、122B、122Cの回転軸からさらに離れた動力調整装置122A、122B、122Cの各々の表面における1点で動力調整装置に接触する。動力調整装置122A、122B、122Cの回転軸を調節すると、回転可能駆動部材120が1回転する毎に回転可能被駆動部材170が1回を超えて回転するので、変速機100の出力角速度を増加させる。
【0033】
図6では、本発明の変速機100は、変速機100の出力角速度を低下させる位置で示されている。変速部材160が第1方向500とは反対の方向600に向けられると、動力調整装置122A、122B、122Cの各々の回転軸は、回転可能被駆動部材170が動力調整装置122A、122B、122Cの各々の回転軸に近い動力調整装置122A、122B、122Cの各々の表面に接触するように変更される。さらに、回転可能駆動部材120は、動力調整装置122A、122B、122Cの各々の回転軸からさらに離れた動力調整装置122A、122B、122Cの各々の表面における1点で動力調整装置122A、122B、122Cの各々に接触する。動力調整装置122A、122B、122Cの回転軸を調節すると、回転可能駆動部材120が1回転する毎に回転可能被駆動部材170が1回未満回転するので、変速機100の出力角速度を低下させる。
【0034】
図7と図8に本発明の自動変速機700を図示する。説明を簡単にするために、図1〜図6の変速機100と自動変速機700との相違のみを説明する。図7は自動変速機700の部分端面図であり、図8は変速機700の部分側面図である。
【0035】
各々ばねにすることもできる複数の引張り部材702A、702B、702Cが、ピボット・リング136A、136B、136Cの各々を相互連結している。引張り部材702Aは、第1端においてピボット・リング136Aに連結され、第1端とは反対側の第2端においてピボット・リング136Bに連結されている。さらに、引張り部材702Bは、第1端において開口138Bの近くでピボット・リング136Bに連結され、第1端とは反対側の第2端において開口138Cの近くでピボット・リング136Cに連結されている。さらに、引張り部材702Cは、第1端において開口138Cの近くでピボット・リング136Cに連結され、第1端とは反対側の第2端において開口138Aの近くでピボット・リング136Aに連結されている。
【0036】
変速機700はまた、第1端においてピボット・リング136A、136B、136Cにそれぞれ連結された可撓性延長部材708A、708B、708Cを含む。変速機700はまた、第1環状ベアリング806と第2環状ベアリング816を含み変速機700の変速を助ける。第1環状ベアリング806は、第1環状ベアリング806をさらに回転可能駆動部材120または回転可能被駆動部材170の方に向けることができるように、滑動可能にハブ・シェル302に取り付けられている。第2環状ベアリング816もまた回転可能駆動部材120または回転可能被駆動部材170のいずれかに向かって滑動するように構成されているが、第2環状ベアリング816は第1環状ベアリング806とは異なって主軸102を中心として回転することはできない。第1環状ベアリング806と第2環状ベアリング816は多数のベアリング・ボール808を支えている。延長部材708A、708B、708Cの各々の第2端は第2環状ベアリング816(図8)に連結されている。
【0037】
複数の延長部材718A、718B、718Cがそれぞれ第1環状ベアリング806を複数の錘720A、720B、720Cに連結している。任意選択として、複数のプーリ822を使用して、延長部材718A、718B、718Cを第1環状ベアリング806から錘720A、720B、720Cに経路設定し、延長部材708A、708B、708Cを第2環状ベアリング816に経路設定することもできる。
【0038】
さらに図7と図8を参照して、変速機700の操作方法を開示する。図1に開示した本発明の実施形態と同様に、時計方向の入力トルクは、駆動スリーブ104、第1ローラ・ケージ・アセンブリ110、および回転可能駆動部材120を時計方向に回転させる。回転可能駆動部材120は動力調整装置122A、122B、122Cに嵌合して回転させ、これによって回転可能被駆動部材170を駆動する。回転可能被駆動部材170の回転は、第2ローラ・ケージ・アセンブリ180を駆動して出力トルクを発生させる。
【0039】
しかし図1に示す変速機100とは区別されるように、回転可能駆動部材120と回転可能被駆動部材170との間の回転比は、錘720A、720B、720Cの遠心外向き移動によって自動的に調整される。錘720A、720B、720Cが外向きの延びると、延長部718A、718B、718Cは第1環状ベアリング806を回転可能駆動部材120の方へ引っ張る。第1環状ベアリング806の回転可能駆動部材120の方に向う移動は同様に、ベアリング808と第2環状ベアリング816との回転可能駆動部材120の方に向う移動を起こさせる。
【0040】
第1環状ベアリング806の回転可能駆動部材120の方に向う移動によって、延長部材708A、708B、708Cはそれぞれピボット・リング306A、306B、306Cを旋回させ、動力調整装置122A、122B、122Cの各々の回転軸が調整される。調整後に、回転可能被駆動部材170は、動力調整装置122A、122B、122Cの各々の回転軸に近い動力調整装置120A、120B、120Cの表面に接触する。逆に回転可能駆動部材120は、動力調整装置122A、122B、122Cの回転軸からさらに離れた動力調整装置122A、122B、122Cの各々の表面における1点で、動力調整装置122A、122B、122Cに接触する。動力調整装置122A、122B、122Cの回転軸を調整すると、回転可能駆動部材120が1回転する毎に回転可能被駆動部材170は1回未満回転するので、変速機100の出力角速度を低下させる。ハブ・シェル302がさらに低速で回転すると、圧縮部材702A、702B、702Cは動力調整装置122A、122B、122Cの回転軸を調整して、入力角速度よりも低い出力角速度を供給する。
【0041】
図9と図10に本発明の代替実施形態を示す。説明を簡単にするために、図1の変速機100と図9および図10の変速機900との相違のみを説明する。図9は変速機900の部分端面図であり、図10は変速機900の部分側面図である。
【0042】
変速機900は、ピボット・リング136A、136B、136Cの第1端にそれぞれ連結された可撓性延長部材908A、908B、908Cを含む。延長部材908A、908B、908Cの第2端は同期部材912に連結されている。さらに延長部材908A、908B、908Cの各々は、ハブ・シェル302に付加された複数のプーリ916(図9)に滑動可能に嵌合されている。プーリ916(図9)の数と各々の位置は変更可能であることが注目される。たとえば、変速機900を使用する機械または車両の選択されたフレームに応じて、異なるプーリ構成を使用して延長部材908A、908B、908Cを経路設定することもできる。さらに、プーリ916と延長部材908A、908B、908Cとをハブ・シェル302の内部に置くこともできる。
【0043】
変速機900のハブ・シェル302は非回転式である。さらにハブ・シェル302は、延長部材908A、908B、908Cを同期部材912に導くために使用される複数の開口(図示せず)を含む。
【0044】
図9と図10に示す本発明の実施形態によれば、主軸102(図2)、引張り部材202(図2)、延長部162、164(図2)、および変速アクチュエータ(図示せず)を含む図2の変速機100の変速アセンブリを省いてもよいことに注目すべきである。
【0045】
さらに図9と図10を参照して、変速機900の操作方法を開示する。図1に開示した本発明の実施形態と同様に、入力トルクは、駆動スリーブ104、第1ローラ・ケージ・アセンブリ110、および回転可能駆動部材120を時計方向に回転させる。回転可能駆動部材120は動力調整装置122A、122B、122Cに嵌合して回転させ、これによって回転可能被駆動部材170を駆動する。回転可能被駆動部材170の回転は、第2ローラ・ケージ・アセンブリ180を駆動して出力トルクを発生させる。
【0046】
変速機900では、回転可能駆動部材120と回転可能被駆動部材170との間の回転比は同期部材912の操作によって調整される。同期部材912をハブ・シェル302から外側に向けると、延長部材908A、908B、908Cはそれぞれ、動力調整装置122A、122B、122Cの各々の回転軸が同様に旋回するように、ピボット・リング136A、136B、136Cを旋回させる。動力調整装置122A、122B、122Cの各々の回転軸は、回転可能駆動部材120が、動力調整装置122A、122B、122Cの各々の回転軸からさらに離れた動力調整装置122A、122B、122Cの表面に接触するように変更される。逆に、回転可能被駆動部材170は、動力調整装置122A、122B、122Cの各々の回転軸に近い動力調整装置122A、122B、122Cの各々の表面における1点で動力調整装置122A、122B、122Cに接触する。動力調整装置122A、122B、122Cの回転軸を調節すると、回転可能駆動部材120が1回転する毎に回転可能被駆動部材170が1回未満回転するので、変速機100の出力角速度を低下させる。
【0047】
同期部材912がハブ・シェル302の方に向けられると、引張り部材702A、702B、702Cは縮む。この圧縮によって、回転可能被駆動部材170の近くのピボット・リング136A、136B、136Cの一端は主軸102に向かって旋回する。ピボット・リング136A、136B、136Cの旋回は、回転可能被駆動部材170が回転可能駆動部材120よりも低い速度で回転するように、動力調整装置122A、122B、122Cの各々の回転軸を変更させる。
【0048】
図11に、第1スラスト・ベアリング1106と第2スラスト・ベアリング1108を有する変速機1100を含む本発明の別の代替実施形態を示す。第1スラスト・ベアリング1106は主軸102を被って回転可能に配設されており、支持部材154と延長部162、164との間に位置する。第2スラスト・ベアリング1108は主軸102を被って、支持部材154の第1スラスト・ベアリング1106とは反対の側に配設されている。変速機1100は随意に、主軸102を被って配設されて軸方向に滑動可能な比率変換器1110などの、第2比率変換器を含んでもよい。
【0049】
比率変換器166、1110が軸方向に滑動して変速機1100の変速を起こさせると、比率変換器166、1110もまたスラスト・ベアリング1106、1108を滑動させる。スラスト・ベアリング1106、1108の滑動は、支持部材154を比率変換器166、1110と一致して強制的に滑動させる。変速機1100が変速過程中であるときを除いてスラスト・ベアリング1106、1108が支持部材154に接触しないように、支持部材154とスラスト・ベアリング1106、1108との間に小さな遊びが設けられている。
【0050】
図12に本発明の代替実施形態を示す。図12は、図10に開示した本発明の実施形態と同様に作動する変速機1200を示すが、図12の変速機1200は2つの回転可能駆動装置1204、1206と1つの回転可能駆動軸1212とを含む。回転可能駆動軸1212は駆動スリーブ104に取付け固定されている。
【0051】
さらに図12を参照すると、第1回転可能駆動装置1204は、回転可能駆動装置の第1方向への回転に応じて回転可能駆動軸1212を回転させるように構成された一方向クラッチ1208を含む。第2回転可能駆動装置1206は一方向クラッチ1210を含む。第2回転可能駆動装置1206は、第1回転可能駆動装置1204の作動方向とは逆である第2方向への第2回転可能駆動装置1206の回転に応じて駆動スリーブ104に嵌合するように構成されている。第2回転可能駆動装置1206は駆動スリーブ104に取付け固定されている。
【0052】
図13に、自動的に変速を行うように構成された変速機1300を有する本発明の別の代替実施形態を概略的に示す。3つのプーリ1306、1308、1310がそれぞれピボット・リング136A、136B、136Cに連結されている。ケーブル1312がプーリ1306の周りに通されて、第1端で主軸102に繋がり、第2端では、図8の環状リング816に類似の環状リング(図示せず)に繋がっている。同様に、ケーブル1314がプーリ1308の周りに通されて、第1端で主軸102に繋がり、第2端で環状リング(図示せず)に繋がっている。最後に、ケーブル1316がプーリ1310の周りに通されて、第1端で主軸102に繋がり、第2端で環状リング(図示せず)に繋がっている。
【0053】
図14は前端から見た図13の変速機1300を概略的に示す。複数の引張り部材1404、1406、1408が、ピボット・リング136A、136B、136Cの各々を相互連結する。引張り部材1404は、第1端においてピボット・リング136Aに連結し、第1端とは反対側の第2端においてピボット・リング136Bに連結する。引張り部材1406は、第1端においてピボット・リング136Bに連結し、第1端とは反対側の第2端においてピボット・リング136Cに連結する。引張り部材1408は、第1端においてピボット・リング136Aに連結し、第1端とは反対側の第2端においてピボット・リング136Cに連結する。
【0054】
図15は、図13と図14に示した変速機1300のハウジング1500を概略的に示す。ハウジング1500は3つの中空案内管1504、1506、1508を含む。中空案内管1504、1506、1508の各々は、第1端では変速機1300を保持するハブ・シェル1512に連結し、第1端とは反対側の第2端では変速機ホイール1514に連結する。3つの引張り部材1516、1518、1520はそれぞれ中空案内管1504、1506、1508の内部に配設され、第1端で変速機ホイール1514に連結されている。変速機ホイール1514とは反対側の引張り部材1516、1518、1520の第2端は、それぞれ球状錘1526、1528、1530に連結されている。本発明の代替実施形態では、錘1526、1528、1530を別の幾何学的形状にすることもできる。
【0055】
複数の連係部材1532、1534、1536がそれぞれ、錘1526、1528、1530から、図8の環状部材806などの環状部材(図示せず)に延びている。
【0056】
図15のハウジング1500の作動方法に目を向けると、ハブ・シェル1512の回転は中空案内管1504、1506、1508の回転を起こさせる。案内管1504、1506、1508が回転すると、錘1526、1528、1530は外側へ変速機ホイール1514に向って延びる。錘1526、1528、1530の外方向移動によって、図13と図14の動力調整装置122A、122B、122Cの回転軸の傾斜角度が変化する。
【0057】
図16に本発明の別の代替実施形態を示す。図16は、図13と図14に示す変速機1300の手動バージョンの概略図である。説明を簡単にするために、図16の変速機1600と図13と図14の変速機1300との間の相違のみを説明する。変速機1600は、第1端で変速アクチュエータ(図示せず)に繋がる可撓性ケーブル1602を含む。ケーブル1602は、変速アクチュエータ(図示せず)から主軸102の中央通路を通って延び、それから主軸102の上の開口(図示せず)を通って延びている。開口(図示せず)から、ケーブル1602はプーリ1308の周りに延びている。プーリ1308から、ケーブルはプーリ1306の周りに導かれる。プーリ1306から、ケーブルはプーリ1308に延びている。最後に、プーリ1308からケーブル1602は主軸102に繋がっている。
【0058】
図16をさらに参照すると、ケーブル1602が変速アクチュエータ(図示せず)の方に向けられた場合、ケーブル1602はプーリ1304、1306、1308を引張り、これによって動力調整装置122A、122B、122Cの各々の回転軸の傾斜角度の変化を起こさせる。逆に、変速アクチュエータ(図示せず)がケーブル1602を弛めると、引張り部材1404、1406、1408は、動力調整装置122A、122B、122Cの回転軸の各々の傾斜角度を第2の反対の方向に変化させる。図17〜図19を参照すると、支持部材154の3つの代替実施形態が開示されている。図17では、支持部材154はわずかに凹状をなす外表面を有する円筒状リングである。
【0059】
図18では、支持部材1800の外周は支持部材の中央点1802の近くで最も狭い。この中央点から、支持部材154の外周は支持部材154の各端部まで増大する。支持部材154の外表面によって作られる傾斜部は、中央点1802における長手方向軸に対する水平状態から支持部材154の各端部における約30度の角度まで、次第に増加することが注目される。支持部材1800の形状は支持部材1800の軸方向移動を可能にし、これによって変速機の容易な変速を助け、また支持部材154が変速中にその端部のいずれかにおいて転位することを防止する。
【0060】
図19に凹状外表面を有する支持部材1900を図示する。支持部材1900の形状は、変速機100の使用中に支持部材1900が主軸102を横切って遊動することを防止する。
【0061】
図20に本発明の代替実施形態を示す。第1スラスト・ベアリング1106は主軸102を被って回転可能に配設され、支持部材154と第1スラスト・ワッシャ2006との間に位置する。第2スラスト・ベアリング1108は主軸102を被って、支持部材154の第1スラスト・ベアリング1106とは反対の側に配設されている。第2スラスト・ベアリング1108は、支持部材154と第2スラスト・ワッシャ2008との間に位置する。第2スラスト・ワッシャ2008は引張りインデューサ2018に機能的に連結されている。引張りインデューサ2018は、変速機2000が変速中ではないときに支持部材154をその中立位置に戻す力を提供する。第2スラスト・ワッシャ2008に対向して、引張りインデューサ2018を主軸102、固定支持物152(図示せず)、または変速機2000の他の構成部分に確保することもできる。
【0062】
引張りインデューサ2016の第1端は第1スラスト・ワッシャ2006に接触している。引張りインデューサ2016の他端は、主軸102、固定支持物152(図2)、または変速機2000の他の構成部分に確保することもできる。摩擦を最小限に抑えるために、第1スラスト・ベアリング1106、第2スラスト・ベアリング1108、および支持部材154の間に小さな遊びを準備することは好ましい。
【0063】
図21は、第1スラスト・ベアリング1106(図11にも示す)と第2スラスト・ベアリング1108(図11にも示す)とを使用する本発明の代替実施形態を示す。第1スラスト・ベアリング1106は主軸102を被って回転可能に配設され、支持部材154と第1スラスト・ワッシャ2106との間に位置する。第2スラスト・ベアリング1108は主軸102を被って配設され、支持部材154と第2スラスト・ワッシャ2108との間に位置する。ピボット支持物134A、134B、134Cの各々は、支持リング154とインタフェースするようになっている4つの延長部2110、2112(図24)、2114、2116(図24)を有する。ピボット支持物134A、134B、134Cの延長部2110、2112、2114、2116は、変速機の作動中に支持部材154が常に動力調整装置122A、122B、122Cの下に位置するように支持部材154を導くようになっている。第1スラスト・ワッシャ2106は、第1スラスト・ベアリング1106とピボット支持物134A、134B、134Cの延長部2110、2112、2114、2116との間に位置する。摩擦を最小限に抑えるために、第1スラスト・ベアリング1106、第2スラスト・ベアリング1108、および支持部材154の間に小さな遊びを準備することは好ましい。
【0064】
図22は、図21に示す変速機2100のスラスト・ワッシャ2108の正面図である。スラスト・ワッシャ2108は外縁に複数の溝を有し、変速中に第2スラスト・ワッシャ2108が動力調整装置122A、122B、122Cに接触しないようにする。
【0065】
図23と図24は、二部構造として作られた図21に示すような例示的ピボット支持物を示す。図23はピボット支持物の側面図であり、図24はピボット支持物の底面図である。
【0066】
図23と図24のピボット支持物を形成するには、第1ピボット支持物部分2120Aと第2ピボット支持物部分2118Aとを共に加圧する。第1ピボット支持物部分2120Aと第2ピボット支持物部分2118Aはそれぞれ、平面図から見て概して半円筒形状を呈する。第1ピボット支持物部分2120Aは延長部2112、2110(図24)を含む。さらに、第2ピボット支持物部分2118Aは延長部2116、2114(図24)を含む。
【0067】
第1ピボット支持物部分2118Aと第2ピボット支持物部分2120Aは、従来型の締め付け技法のいずれか一つによって共に締め付けることができる。たとえば、第2ピボット支持物部分2120Aの上にくぼみ2130Aを形成し、第2ピボット支持物部分2118Aの上にくぼみ2134Aを形成して、ピボット支持物部分2120Aとピボット支持物部分2118Aをともにスナップフィットすることもできる。インタコネクタ2720(図27)によるなど、変速機におけるピボット支持物の各々を相互連結するように、第1ピボット支持物部分2120A上に溝2122Aが設計されている。
【0068】
図25と図26に固定支持物152の代替実施形態を示す。固定支持物152は複数の固定装置2510、2512、2514、2516、2518、2520を有する。固定装置2510、2512、2514、2516、2518、2520は、固定支持物152の脚153の一体構造部分として随意に形成することもできる。固定支持物152はさらに、固定支持物152の中央点の周りに放射状に配設されたピボット・ストップ2530、2532、2534を含む。ピボット・ストップ2530、2532、2534は、ピボット支持物134A、134B、134Cが極端に回り過ぎて、回転可能被駆動部材170および/または回転可能駆動部材120を打つことを防止する。
【0069】
図27、図28、図29に固定支持物152のさらに別の実施形態を示す。固定支持物152の各脚153は、3つの固定装置2702A、2702B、2702Cの1つを受け入れるように構成された溝2760を有する。各固定装置2702A、2702B、2702Cは、溝2760の中にぴったり合致するスイベル2730を含む。溝2760の半径はスイベル2730の半径に等しいか、またはこれよりわずかに大きい。スイベル2730は円筒状または球状に設計されて、これが溝2760の中で回転できるようになっている。スイベル2730の両端はそれぞれ角状支持物2710Aと角状支持物2710Bとに連結されている。角状支持物2710Aと角状支持物2710Bはそれぞれ、溝2760とは反対側でインタコネクタ2720A、2720Bに連結されている。インタコネクタ2720A、2720Bはピボット支持物134A、134B、134Cに繋がり、これによってピボット支持物134A、134B、134Cを固定支持物152に固着し、またピボット支持物134A、134B、134Cがすべて一致して回転することを保証する。インタコネクタ2720A、2720Bは、第1ピボット支持物部分2120の溝2122A(図23)またはピボット支持物134A、134B、134Cの開口142、144(図21)の中にぴったり合う。
【0070】
インタコネクタ2720A、2720Bはそれぞれ、角状支持物2710A、2710Bとは反対の端でピボット部材2740A、2740Bに取り付けられている。ピボット部材2740A、2740Bはそれぞれ、ピボット支持物134A、134B、134Cの各々の開口142、144に挿入され、これによってピボット支持物134A、134B、134Cの各々にピボットを提供する。
【0071】
本発明の一実施形態では、主軸102は、固定支持物152が主軸102の周りを回転しないように、固定支持物152とかみ合うようにすることもできる。たとえば、図27に開示した本発明の実施形態では、固定支持物152の中央にある平縁開口2780が固定支持物152の回転を防止する。図32と図33に、適合した外径を有する例示的な主軸102を示す。さらに、平縁開口2780は固定支持物152の主軸102への急速組立てを可能にする。代替案として、従来の手段によって固定支持物152を主軸102に付加することができる。
【0072】
図30と図31に、図27〜図29の固定支持物152の代替実施形態を示す。固定支持物152は1つの脚153を有する。この実施形態では、固定装置2702B(図27)と、固定装置2702C(図27)は変速機における他のピボット支持物134A、134B、134Cに直接連結されるようになっている。固定装置2702Aは主軸102に固着されているので、動力調整装置122A、122B、122Cの各々もまた、この固定装置2702Aの連結部を通じて主軸102に固着される。ただ1つの脚153を使用することが本発明の複数の脚を有する実施形態よりも製造コストを低くすることは有利である。
【0073】
図32と図33に主軸102の代替実施形態を示す。図32と図33の主軸102は、(図16に示す)変速機1600を含む本発明のさまざまな実施形態について使用することができる。主軸102の内部に位置する少なくとも1つの可撓性ケーブル1602が、プーリ3212を回って孔3210を通過し、一端で主軸102を出る。ボルトまたはピンなどの締め金具3214がプーリ3212を適所に確保する。主軸102は、製造中にプーリ3212を主軸102の中に容易に挿入できるようにするスロット3216を有する。任意選択として、主軸102のシェルの寸法を大きくすることによって、主軸102をプーリ3212の区域において強化することもできる。さらに、主軸102をピボット支持物134A、134B、134Cのピボット・ストップ3218を画定するようにすることもできる。ピボット・ストップ3218は、ピボット支持物134A、134B、134Cが入換え中に極端に回り過ぎて、回転可能駆動部材120および/または回転可能被駆動部材170を打つことを防止するように作用する。また、ピボット・ストップ3218のフランジ3220を使用して、支持部材154(図2)が軸方向に移動し過ぎることを防止することができる。さらにまた、ばねなどの引張りインデューサ2016(図20)をフランジ3220に対抗して位置づけ、支持部材154を動力調整装置122A、122B、122Cの下の中心位置に保持することを助けることもできる。
【0074】
図33に、平坦な区域を有する主軸102の断面を示すが、この平坦区域は主軸102の上に形成されて、図27〜図31に示す固定支持物152の平縁孔2780を主軸102に急速に組み立てることを可能にする。しかし、主軸102と固定支持物154との形状を別の結合構成にすることもできる。
【0075】
図34に本発明の別の代替実施形態を示す。図34は、図13と図14に示す変速機1300の手動バージョンを概略図示したものである。説明を簡単にするために、図34の変速機3400と図13の変速機1300との間の相違のみを説明する。変速機3400は変速機1300とは異なり、3つの可撓性ケーブル1312、1314、1316を含み、ケーブルの第2端は主軸102の3つの開口(図示せず)を通って延び、主軸102の中央通路に入る。それから3つの可撓性ケーブル1312、1314、1316は主軸102の一端を通って延び、従来型の入換えアクチュエータで終わっている。
【0076】
図35に本発明のさらに別の代替実施形態を示す。図35は、自動的に入換えを行う変速機3500の略切欠側面図である。図36は、図35の変速機3500の環状ベアリングを示す略切欠端面図である。図35と図36に示す変速機3500の機能は、図13〜図15に図示する機能と共に使用することができる。
【0077】
変速機3500は、動力調整装置122A、122B、122Cの各々に1つずつ、複数の同じ構成のケーブル組立品を含む。しかし、説明を簡単にするためにケーブル組立品の1つだけを説明する。可撓性ケーブル1316は第1端で主軸102(図示せず)に取り付けられている。主軸102から、可撓性ケーブル1316はプーリ1310の周りを通り、固定支持物152の脚153の1つに取り付けられたプーリ3520Aに続く。プーリ3520Aの周りを回った後に、可撓性ケーブル1316は開口3614(図36)を通過して、第2環状ベアリング816に取り付けることによって終わる。第2環状ベアリング816は固定式であって回転しない。
【0078】
第1環状ベアリング806に取り付けられた第1端から、可撓性ケーブル1532は開口3624を通過して、プーリ3522Aに移る。プーリ3522Aから、ケーブル1532はハブ・シェル302の中の開口(図示せず)を通過して、プーリ3524Aに至る。
【0079】
図35に示す本発明の実施形態では、第1環状ベアリング806はハブ・シェル302と共に回転する。第1環状ベアリング806の回転は、第1環状ベアリング806と第2環状ベアリング816との間にあるボール・ベアリング808によって容易になっている。プーリ3524Aから、可撓性ケーブル1532は1つまたは複数の別のプーリ(図示せず)の周りを通って、(図15に示す)錘1526に直接続いて取り付けられている。
【0080】
図37と図38は、惰行機構3710を含む変速機3700の代替実施形態を示す。惰行機構3710は、自転車、オートバイ、自動車、および変速機を切ることが望まれる機械類と共に使用することができる。惰行機構3710はハブ駆動装置186と第2ローラ・ケージ・アセンブリ180との間に位置する。回転可能被駆動部材170にトルクが加えられると、第2ローラ・ケージ・アセンブリ180は回転可能被駆動部材170と同じ方向に回転することによって応答する。ローラ112は回転可能被駆動部材170の浅い溝を転がって昇る。ローラ112の作用によって、惰行機構3710はハブ駆動装置186の方へ向けられる。惰行機構3710は、惰行機構3710における2つのスロット3716A、3716Bがクラッチ・リング3714に嵌合するので、回転可能被駆動部材170と共に回転しない。クラッチ・リング3714は主軸102に摩擦によって取り付けられ、惰行機構3710の2つのスロット3716A、3716Bの中に延びる2つのプロングを有する。惰行機構3710はハブ駆動装置186に接触して、惰行機構3710とハブ駆動装置186との間に摩擦を作り出す。惰行機構3710の勾配区域には刻み目3711が切られ、摩擦を増加する。摩擦によって、ローラ112は、ハブ駆動装置186に対して十分な力が加えられてハブ駆動装置186を束縛して惰行機構と共に回転させるまで、回転可能被駆動部材170と惰行機構3710の浅い溝の側部を転がって昇り続ける。
【0081】
次にクラッチ・リング3714は惰行機構3710と共に回転する。トルクが開放されると、クラッチ引張りインデューサ3712は惰行機構3710を押してハブ駆動装置186から離し、惰行機構3710をハブ駆動装置186から離脱させ、ハブ駆動装置186とハブ・シェル302とが回転し続けることを可能にする。
【0082】
さらに図37を参照して、変速機3700のための代替入換え方法を説明する。説明を簡単にするために、変速機3700と前述の他の実施形態との間の相違のみに注目する。ピボット支持物134A、134B、134Cが、高い方へ入れ換えられると、これによって、ピボット支持物134A、134B、134Cに取り付けられたピボット支持物の脚3730は第1スラスト・ワッシャ2006に接触して、これを変速機3700の駆動側に向けて押すことになる。第1スラスト・ワッシャ2006の移動によって、第1スラスト・ベアリング1106と支持部材154は両方とも固定支持物152の方へ押されることになる。引張りインデューサ2018は、支持部材154が移動し過ぎることを防止し、変速機3700が低い方へ入れ換えられると、この結果、支持部材154はピボット支持物の脚3730の方へ押されることになる。
【0083】
本発明は、900%範囲の入出力角速度までを提供する無段入出力角速度比をもたらす新しい変速機を提供する。さらに、この変速機は手動でも自動的にも作動させることができる。
【0084】
さらに、本発明の変速機では、実施するには最少の部品しか必要としない簡単な設計となり、したがって製造が簡単で、コンパクトで軽量であり、ごくわずかな摩擦しか発生しない。この変速機は、歯車式変速機に見られる重複ギア、オーバーラップ・ギア、または使用不能のギアを不要にする。この変速機は、従来ギア入換えのために使用されているクラッチの必要性をなくする。最後に、この変速機は、入力から出力までの理想的な角速度比を提供することによってエネルギーまたはガソリンを節約することができる。
【0085】
上記の詳細な説明は、本発明の新規な特徴をさまざまな実施形態に適用して示し、記載し、指摘したが、本発明の意図から逸脱することなく、当業者が図解された装置または方法の形態と詳細におけるさまざまな省略、代用、変更を行ってもよいことは理解されよう。本発明の範囲は、上記の説明ではなく添付の特許請求の範囲によって示されている。特許請求の範囲の趣旨と等価範囲の中にあるすべての変更も、特許請求の範囲に含まれるものとする。
【図面の簡単な説明】
【0086】
【図1】本発明による変速機の部分斜視図である。
【図2】図1の変速機の部分分解図である。
【図3】図1の変速機の切欠端面正面図である。
【図4】図1の変速機の切欠側面図である。
【図5】異なった位置に入れ換えられた図1の変速機を示す、図1の変速機の切欠側面図である。
【図6】異なった位置に入れ換えられた図1の変速機を示す、図1の変速機の切欠側面図である。
【図7】変速機が自動的に入れ換わる本発明による変速機の代替実施形態の切欠端面図である。
【図8】図7の変速機の側面図である。
【図9】固定ハブ・シェルを含む本発明による変速機の代替実施形態の切欠端面図である。
【図10】図9の変速機の切欠側面図である。
【図11】2つのスラスト・ベアリングを有する図1に示す変速機の代替実施形態の切欠側面図である。
【図12】第1および第2一方向回転可能駆動装置が入力トルクを変速機に提供する、本発明の代替実施形態の切欠側面図である。
【図13】本発明による変速機の別の代替実施形態を示す略切欠端面正面図である。
【図14】図13の変速機の略切欠正面図である。
【図15】図13および図14の変速機用のハウジングを示す略端面図である。
【図16】本発明による変速機の別の代替実施形態を示す略切欠正面図である。
【図17】支持部材の代替実施形態の側面図である。
【図18】支持部材の代替実施形態の側面図である。
【図19】支持部材の代替実施形態の側面図である。
【図20】スラスト・ベアリング、ワッシャ、および引張り部材を含む、本発明の代替実施形態の略切欠側面図である。
【図21】支持部材が各端部にスラスト・ベアリングとワッシャとを有し、ピボット支持物が脚を有する、本発明の代替実施形態の略切欠側面図である。
【図22】図21の変速機のワッシャを示す正面図である。
【図23】図21の変速機のピボット支持物を示す側面図である。
【図24】図21の変速機のピボット支持物を示す底面図である。
【図25】固定支持物の代替実施形態の正面図である。
【図26】図25の固定支持物の切欠側面図である。
【図27】固定支持物の代替実施形態の正面図である。
【図28】図27の固定支持物の切欠側面図である。
【図29】図27の固定支持物の部分平面図である。
【図30】固定支持物の代替実施形態の正面図である。
【図31】図30の固定支持物の切欠側面図である。
【図32】図2の主軸の代替実施形態を示す切欠側面図である。
【図33】図32の軸の切欠端面正面図である。
【図34】本発明による変速機の代替実施形態を示す略切欠正面図である。
【図35】自動的に切り換わる変速機の代替実施形態を示す略切欠側面図である。
【図36】図35に示す環状ベアリングの略切欠端面正面図である。
【図37】惰行機構を有する本発明の代替実施形態の略切欠側面図である。
【図38】図37の代替惰行機構の正面図である。
【技術分野】
【0001】
本発明の分野は変速機に関する。特に本発明は無段変速機に関するものである。
【背景技術】
【0002】
無限可変の変速機を提供するために、動力がハウジング内に支持された牽引ローラを通じてトルク入力ディスクとトルク出力ディスクとの間で伝達される、さまざまな牽引ローラ変速機が開発されている。このような変速機では、牽引ローラは支持構造物の上に取り付けられており、牽引ローラが回転すると、支持構造物は、所望の変速比に応じて変化する直径の円内で牽引ローラとトルク・ディスクとがかみ合うことになる。
【0003】
しかし、これらの従来の解決手法の成功は制限されている。たとえば、シーベルバック(Schievelbusch)による米国特許第5236403号では、可変調節可能変速比を有する車両用駆動ハブが開示されている。シーベルバックは、牽引・ローラの各側に1つずつあって各ローラの回転軸を傾斜させる2つのアイリス・プレートの使用を教示している。しかしアイリス・プレートの使用は、変速機を入れ換えるときにアイリス・プレートを調節するのに必要な多数の部品のために、非常に複雑になる可能性がある。この設計の別の制限は、ローラの各側に1つずつある2つのハーフ・アクスルを使用して、2つのハーフ・アクスルの中間にギャップを設ける必要があることである。このギャップは、ローラが滑動直線運動の代わりに回転運動によって入れ換えられるので必要である。2つのアクスルの使用は望ましくなく、また変速機が車両に採用される場合にしばしばあるように、変速機が不意に衝突したときにアクスルが曲がらないようにするために複雑な締付けシステムを必要とする。この設計のさらに別の制限は、これが自動変速機を提供しないことである。
【0004】
したがって、もっと簡単な変速方法と単一のアクスルとを有する無段変速機が必要となる。さらに、自動的に変速するために構成される自動牽引ローラ変速機が必要となる。さらにまた牽引ローラ変速機の実用的商業化には、変速機の信頼性、変速の容易性、機能、および単純性の改良が必要である。
【特許文献1】米国特許明細書第5236403号
【発明の開示】
【0005】
本発明は、回転駆動式または直線駆動式の機械および車両において使用するための変速機を包含するものである。たとえば、この変速機は自動車、オートバイ、および自転車などの車両に使用することができる。変速機はたとえば、主軸の一端に取り付けられた一方向クラッチを随意に駆動するスプロケット、ギア、プーリ、またはレバーなどの動力伝達機構によって駆動することができる。
【0006】
本発明の一バージョンは、主軸と、主軸に回転可能に取り付けられた回転可能な駆動部材と、主軸に取り付けられた回転可能な被駆動部材と、回転可能駆動部材と回転可能被駆動部材との間に摩擦を伴って挿入されて、駆動部材から被駆動部材へ動力を伝達するようにした複数の動力調整装置と、主軸を被って同心状にかつ主軸と動力調整装置との間にある回転可能支持部材であって、動力調整装置がそれぞれ駆動部材、被駆動部材、および支持部材に対して3点摩擦接触するように複数の動力調整装置と摩擦嵌合する回転可能支持部材とを具備する変速機を含む。
【0007】
本発明のさらに別のバージョンは、主軸と、主軸に回転可能に取り付けられた回転可能な駆動部材と、主軸に回転可能に取り付けられた回転可能な被駆動部材と、回転可能駆動部材と回転可能被駆動部材との間に摩擦を伴って挿入されて、駆動部材から被駆動部材へ動力を伝達するようにした複数の動力調整装置と、主軸を被って同心状にかつ主軸と動力調整装置との間にある回転可能支持部材であって、動力調整装置がそれぞれ駆動部材、被駆動部材、および支持部材に対して3点摩擦接触するように複数の動力調整装置と摩擦嵌合する回転可能支持部材と、複数の動力調整装置に結合されて、主軸に回転可能に取り付けられ、複数の動力調整装置の回転軸を変化させるようになっている少なくとも1つの外側に延長可能な錘とを含む。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
下記の詳細な説明は、本発明によるいくつかの特定の実施形態に関するものである。しかし本発明は、特許請求の範囲に定義され包含されるように多数の異なる方法で実施することができる。この説明で参照される図面では、全体にわたって同様な部分には同様な番号を付した。
【0009】
本発明は、変速機を必要とするどのタイプの機械にも採用され得る無段変速機を包含する。たとえば変速機は、(i)自動車、オートバイ、または船舶などの原動機付車両、(ii)自転車、三輪車、片足スケート、運動装置などの原動機のない車両、または(iii)せん孔盤などの工業用動力式装置、または風車などの動力発生装置に使用することができる。
【0010】
図1〜図4に本発明の一実施形態を開示する。図1は変速機100の部分斜視図である。図2は図1の変速機100の分解図である。図3は変速機100の部分端断面図である。図4は変速機100の切欠側面図である。
【0011】
図1〜図4を全体的に参照すると、中空の主軸102が機械(図示せず)のフレームに付加されている。主軸102の各端部はねじ切りされて、締め金具(図示せず)を使用して変速機100を主軸102に固定すること、および/または主軸102を機械に取り付けることを可能にする。スプロケットまたはプーリを具備する回転可能な駆動装置401(図4)が、変速機100に入力トルクを供給するように主軸102に回転可能に付加されている。駆動スリーブ104が回転可能な駆動装置401(図4)に同軸に結合され、また主軸102を被って回転可能に配設されている。駆動スリーブ104の回転可能な駆動装置401(図4)とは反対側の表面106(図2)は、複数の浅い溝108を含むことができる。
【0012】
第1ローラ・ケージ・アセンブリ110が、駆動スリーブ106に回転可能な駆動装置401とは反対側で同軸に結合され、また主軸102を被って回転可能に配設されている。第1ローラ・ケージ・アセンブリ110は、この中間点の周りに放射状に配設された複数の円筒状ローラ112を有する。円筒状ローラ112はそれぞれ第1ローラ・ケージ・アセンブリ110の上に回転可能に取り付けられているので、各ローラはその長手方向軸を中心として回転することができる。浅い溝108の各々と各円筒状ローラ112との間に1対1の相関関係が存在することは好ましい。随意に、円筒状ローラ112を球状ローラなどの別の幾何学的形状を持つローラと取り替えることもできる。
【0013】
ばねなどのテンション・インデューサ118(図2)が主軸102を被って回転可能に配設され、また第1ローラ・ケージ・アセンブリ110に駆動スリーブ104とは反対側で摩擦を伴って同軸に結合されている。さらに、回転可能な駆動部材120が主軸102に回転可能に付加され、また第1ローラ・ケージ・アセンブリ110の駆動スリーブ104とは反対の側に同軸に結合されている。回転可能な駆動部材120の駆動スリーブ104とは反対側の表面107(図4)は、複数の浅い溝109(図4)を含む。駆動スリーブ104に対するローラ・ケージ110の相対的回転によって、円筒状ローラ112は浅い溝108、109の上を転がり、浅い溝108、109を主軸102の軸に沿って互いに向い合ったりまたは離れたりするように動かす。
【0014】
複数の球状動力調整装置122A、122B、122Cが、回転可能な駆動部材120のローラ・ケージ・アセンブリ110とは反対の側と摩擦接触している。本発明の一実施形態では、動力調整装置122A、122B、122Cは焼き入れ鋼で作られた球であるが、代替案として動力調整装置122A、122B、122Cは別の形状を含むこともでき、別の材料で製造することもできる。複数のスピンドル130A、130B、130C(図2)がそれぞれ、複数の通路128A、128B、128C(図2)を通って動力調整装置122A、122B、122Cの中で延びている。ラジアル・ベアリング(図示せず)がスピンドル130A、130B、130C(図2)の各々を被って配設され、動力調整装置122A、122B、122Cの回転を容易にしている。
【0015】
複数のピボット支持物134A、134B、134Cがそれぞれスピンドル130A、130B、130C(図2)を保持している。支持物134Aは、後でさらに詳細に検討する比率変換器166に連結するための2本の脚135A、137Aを有する。同様に、支持物134Bは2本の脚135B、137Bを有し、ピボット支持物134Cは2本の脚135C、137Cを有する。
【0016】
ピボット支持物134A、134B、134Cはそれぞれピボット・リング136A、136B、136Cを有する。ピボット・リング136Aは4つの開口138A、140A、142A、144A(図2)を有する。同様に、ピボット支持物134Bは4つの開口138B、140B、142B、144Bを有しており、ピボット支持物134Cは4つの開口138C、140C、142C、144C(図2)を有する。開口138A、138B、138Cはそれぞれ、開口140A、140B、140Cに対向してピボット・リング136A、136B、136Cの上に位置する。また、開口138A、138B、138Cおよび開口140A、140B、140Cはそれぞれ、スピンドル130A、130B、130C(図2)を受け取るように構成されている。
【0017】
開口142A、142B、142C(図2)はそれぞれ、開口144A、144B、144C(図2)に対向してピボット・リング136A、136B、136Cの上に位置する。また、開口142A、142B、142Cおよび開口144A、144B、144Cは、複数の固定装置150A、150B、150C(図2)を受け取るように構成されている。本発明の一実施形態では、固定装置150A、150B、150Cはそれぞれ、各端部でわずかな角度に曲げられた円筒状中実ロッドである。固定装置150A、150B、150Cの各々の中央部分は、固定支持物152(図2)の複数の脚153(図2)の1つに付加されている。固定支持物152は主軸102に取り付けられて固定されている。
【0018】
支持部材154が、固定支持物152(図2)の回転可能な駆動部材120とは反対側の近くで、主軸102を被って滑動可能かつ回転可能に配設されている。支持部材154は動力調整装置122A、122B、122Cの各々と摩擦接触している。本発明の一実施形態では、支持部材154は、端断面図から見ればほぼ均一な外周を有する円筒状リングである。本発明の別の実施形態では、支持部材154は、動力調整装置122A、122B、122Cが支持部材154から外れないように支持部材154の第1および第2端から外側に放射状にそれぞれ延びた第1および第2フランジ(図示せず)を有する円筒状リングである。本発明のさらに別の実施形態では、支持部材154は、わずかに凹状になった外表面を有する円筒状リング(図17)である。
【0019】
支持部材154は主軸102に接触してこの上で回転することもでき、または、動力調整装置122A、122B、122Cによって加えられる心合わせ圧力のせいで主軸102に実質的に接触することなく、主軸102を被って懸架されることもできる。
【0020】
特に図2を参照すると、非可撓性ロッドなどの変速部材160が主軸102の内部通路に滑動可能に嵌合している。2つの延長部162、164が変速部材160から直角方向に主軸102の開口部165を通って延びている。変速機100の駆動側に近い変速部材160の第1端部161は、ケーブルなどの連係部163に連結されている。連係部163は、主軸102とは反対の端部で変速アクチュエータ(図示せず)に連結されている。ばねなどの引張部材202が、留め具204によって変速部材160の第2端に連結されている。
【0021】
特にさらに図2を参照すると、延長部162、164は比率変換器166に繋がっている。比率変換器166は、1つの平面プラットフォーム168と、支持部材154に近いプラットフォーム168の表面から直角方向に延びる複数の脚171A、171B、171Cを含む。脚171Aは2つの連係ピン172A、173Aを含む。同様に脚171Bは2つの連係ピン172B、173Bを含み、脚171Cは2つの連係ピン172C、173Cを含む。連係ピン172A、172B、172Cおよび連係ピン173A、173B、173Cは、ピボット支持物134A、134B、134Cの各々に比率変換器166を結合するために使用される。
【0022】
支持物134Aと比率変換器166との結合に関して、連係ピン172Aはピボット・リング136Aの反対側になる支持物134Aの脚137Aの一端と嵌合し、連係ピン172Bはピボット・リング136Aの反対側になる脚135Aの一端に嵌合する。さらに、ピボット支持物134Bと比率変換器166との結合に関して、連係ピン173Bはピボット・リング136Bの反対側になる脚137Bの一端と嵌合し、連係ピン172Cはピボット・リング136Bの反対側になる脚135Bの一端に嵌合する。最後に、ピボット支持物134Cと比率変換器166との結合に関して、連係ピン173Cはピボット・リング136Cの反対側になる脚137Cの一端と嵌合し、連係ピン173Aはピボット・リング136Cの反対側になる脚137Bの一端に嵌合する。
【0023】
3個の動力調整装置122A、122B、122Cのみを開示したが、本発明の変速機100はより少ない(たとえば2個)またはより多い(たとえば4、5、6個またはそれ以上)の動力調整装置を伴って構成することもできる。さらに、比率変換器166における脚の数、固定支持物152における脚の数、固定装置の数、変速機の中におけるピボット支持物の数はすべて、使用される動力調整装置の数にしたがって相応じて調整することができる。
【0024】
再び図1〜図4を全体的に参照すると、回転可能な被駆動部材170が主軸102に比率変換器166(図2)の近くで回転可能に嵌合している。回転可能な被駆動部材170は、動力調整装置122A、122B、122Cの各々と摩擦接触している。回転可能な被駆動部材170の動力調整装置122A、122B、122Cとは反対側になる表面174は、複数の浅い溝176を含む。回転可能な被駆動部材170は、ばねなどの第2引張インデューサ178(図2)、およびローラ・ケージ・アセンブリ110と設計が類似の第2ローラ・ケージ・アセンブリ180と同軸で摩擦接触している。第2引張インデューサ178(図2)と第2ローラ・ケージ・アセンブリ180とは主軸102を被って回転可能に配設されている。ハブ駆動装置186(図4)が主軸102を被って回転可能に配設されており、第2ローラ・ケージ・アセンブリ180の回転可能な被駆動部材170とは反対の側に同軸に嵌合されている。ハブ駆動装置186(図4)は、従来の歯車機構を使用してハブ・シェル302(図3、図4)に付加することもできる。本発明の一実施形態では、ハブ駆動装置186はハブ・シェル302の近くに延びており、一方向ローラ・クラッチなどの一方向回転可能駆動装置300に連結されている。一方向回転可能駆動装置300(図3、図4)はハブ・シェル302(図3、図4)に回転可能に結合されている。
【0025】
動力調整装置122A、122B、122Cは、駆動部材120、支持部材154、および被駆動部材170と堅い3点摩擦接触して懸架されていることに注目されたい。
【0026】
ハブ・シェル302(図3、図4)は、ハブ・シェル302を車輪、推進器、または他の推進手段に取り付けるための手段を備えた複数の孔304(図3)を有する。ハブ・シェル302は、ハブ駆動装置186におけるスロットの中に適合するハブ・ベアリング410(図4)によって支持され、主軸102の上で自由に回転することができる。主軸102には、ハブ駆動装置186の第2ローラ・ケージ・アセンブリ180とは反対の側の近くにワッシャ412(図4)が付加されて、ハブ・ベアリング410(図4)の回転を容易にする。
【0027】
図5と図6は、2つの異なった変速位置にある図1の変速機を示す、図1の変速機の切欠側面図である。図5と図6について、変速機100の変速方法を下に開示する。
【0028】
力の入力によって、駆動スリーブ104は時計方向に回転し始める。(変速機100もまた反時計方向に駆動されるように設計されていることに注目されたい。)駆動スリーブ104の回転開始時には、公称軸方向圧が引張インデューサ118、178(図2)によって供給され、回転可能駆動部材120、回転可能被駆動部材170、および支持部材154が動力調整装置122A、122B、122Cと牽引接触することを保証する。
【0029】
駆動スリーブ104の時計方向の回転は、第1ローラ・ケージ・アセンブリ110と嵌合してこれを同様の方向に回転させる。低いトルクでは、ローラ112は回転可能駆動部材120の浅い溝108、109と駆動スリーブ104との間の中央に残る。追加トルクが加えられると、ローラ112は溝108の傾斜側を昇り、駆動スリーブ104と回転可能な駆動部材120を強制的にさらに引き離す。同じ作用は変速機100の反対端でも起こり、この場合、回転可能駆動部材170は第2ローラ・ケージ・アセンブリ180を通じてハブ駆動装置186と嵌合する。こうして、第1ローラ・ケージ・アセンブリ110と第2ローラ・ケージ・アセンブリ180は、回転可能駆動部材120と回転可能被駆動部材170とをともに動力調整装置122A、122B、122Cに対して圧縮し、支持部材154、駆動部材120、および被駆動部材170に対する動力調整装置122A、122B、122Cの摩擦接触が増加する。
【0030】
第1回転可能駆動部材120がローラ・ケージ・アセンブリ110によって時計方向に回転されると、第1回転可能駆動部材120は動力調整装置122A、122B、122Cを摩擦によって回転させる。動力調整装置122A、122B、122Cの時計方向の回転は、回転可能被駆動部材170を時計方向に回転させる。回転可能被駆動部材170の時計方向の回転は、第2ローラ・ケージ・アセンブリ180と嵌合してこれを時計方向に回転させる。次いで、第2ローラ・ケージ・アセンブリ180の時計方向の回転は、ハブ駆動装置186(図4)と嵌合してこれを時計方向に駆動させる。ハブ駆動装置186の時計方向の回転は、一方向回転可能駆動装置300を時計方向に回転させる。次に一方向駆動装置300はハブ・シェル302(図3、図4)を駆動させて時計方向に回転させる。
【0031】
変速部材160は、動力調整装置122A、122B、122Cの回転軸を変更するために使用される。変速機において変速するために、変速アクチュエータ(図示せず)は変速部材160を第1方向500(図5)に滑動させる。変速アクチュエータ(図示せず)によって連係部163の張力を開放すると、変速部材160は引張り部材202によって第2の反対方向600(図6)に滑動させる。本変速機100の特定の構造は、従来技術の牽引ローラ設計よりもはるかに容易な変速を提供する。
【0032】
変速部材160がユーザによっていずれかの方向に移動されると、延長部162、164は比率変換器166と嵌合して、軸方向に主軸102を横切って移動させる。図5を参照すると、変速部材160が移動すると、比率変換器166は支持物134A、134B、134Cを旋回させる。支持物134A、134B、134Cの旋回はボール・スピンドル130A、130B、130Cを傾斜させ、動力調整装置122A、122B、122Cの各々の回転軸を変える。変速部材160が方向500に移動すると、動力調整装置122A、122B、122Cの各々の回転軸は、回転可能駆動部材120が動力調整装置122A、122B、122Cの回転軸に近い動力調整装置122A、122B、122Cの表面に接触するように変更される。さらに、回転可能被駆動部材170は、動力調整装置122A、122B、122Cの回転軸からさらに離れた動力調整装置122A、122B、122Cの各々の表面における1点で動力調整装置に接触する。動力調整装置122A、122B、122Cの回転軸を調節すると、回転可能駆動部材120が1回転する毎に回転可能被駆動部材170が1回を超えて回転するので、変速機100の出力角速度を増加させる。
【0033】
図6では、本発明の変速機100は、変速機100の出力角速度を低下させる位置で示されている。変速部材160が第1方向500とは反対の方向600に向けられると、動力調整装置122A、122B、122Cの各々の回転軸は、回転可能被駆動部材170が動力調整装置122A、122B、122Cの各々の回転軸に近い動力調整装置122A、122B、122Cの各々の表面に接触するように変更される。さらに、回転可能駆動部材120は、動力調整装置122A、122B、122Cの各々の回転軸からさらに離れた動力調整装置122A、122B、122Cの各々の表面における1点で動力調整装置122A、122B、122Cの各々に接触する。動力調整装置122A、122B、122Cの回転軸を調節すると、回転可能駆動部材120が1回転する毎に回転可能被駆動部材170が1回未満回転するので、変速機100の出力角速度を低下させる。
【0034】
図7と図8に本発明の自動変速機700を図示する。説明を簡単にするために、図1〜図6の変速機100と自動変速機700との相違のみを説明する。図7は自動変速機700の部分端面図であり、図8は変速機700の部分側面図である。
【0035】
各々ばねにすることもできる複数の引張り部材702A、702B、702Cが、ピボット・リング136A、136B、136Cの各々を相互連結している。引張り部材702Aは、第1端においてピボット・リング136Aに連結され、第1端とは反対側の第2端においてピボット・リング136Bに連結されている。さらに、引張り部材702Bは、第1端において開口138Bの近くでピボット・リング136Bに連結され、第1端とは反対側の第2端において開口138Cの近くでピボット・リング136Cに連結されている。さらに、引張り部材702Cは、第1端において開口138Cの近くでピボット・リング136Cに連結され、第1端とは反対側の第2端において開口138Aの近くでピボット・リング136Aに連結されている。
【0036】
変速機700はまた、第1端においてピボット・リング136A、136B、136Cにそれぞれ連結された可撓性延長部材708A、708B、708Cを含む。変速機700はまた、第1環状ベアリング806と第2環状ベアリング816を含み変速機700の変速を助ける。第1環状ベアリング806は、第1環状ベアリング806をさらに回転可能駆動部材120または回転可能被駆動部材170の方に向けることができるように、滑動可能にハブ・シェル302に取り付けられている。第2環状ベアリング816もまた回転可能駆動部材120または回転可能被駆動部材170のいずれかに向かって滑動するように構成されているが、第2環状ベアリング816は第1環状ベアリング806とは異なって主軸102を中心として回転することはできない。第1環状ベアリング806と第2環状ベアリング816は多数のベアリング・ボール808を支えている。延長部材708A、708B、708Cの各々の第2端は第2環状ベアリング816(図8)に連結されている。
【0037】
複数の延長部材718A、718B、718Cがそれぞれ第1環状ベアリング806を複数の錘720A、720B、720Cに連結している。任意選択として、複数のプーリ822を使用して、延長部材718A、718B、718Cを第1環状ベアリング806から錘720A、720B、720Cに経路設定し、延長部材708A、708B、708Cを第2環状ベアリング816に経路設定することもできる。
【0038】
さらに図7と図8を参照して、変速機700の操作方法を開示する。図1に開示した本発明の実施形態と同様に、時計方向の入力トルクは、駆動スリーブ104、第1ローラ・ケージ・アセンブリ110、および回転可能駆動部材120を時計方向に回転させる。回転可能駆動部材120は動力調整装置122A、122B、122Cに嵌合して回転させ、これによって回転可能被駆動部材170を駆動する。回転可能被駆動部材170の回転は、第2ローラ・ケージ・アセンブリ180を駆動して出力トルクを発生させる。
【0039】
しかし図1に示す変速機100とは区別されるように、回転可能駆動部材120と回転可能被駆動部材170との間の回転比は、錘720A、720B、720Cの遠心外向き移動によって自動的に調整される。錘720A、720B、720Cが外向きの延びると、延長部718A、718B、718Cは第1環状ベアリング806を回転可能駆動部材120の方へ引っ張る。第1環状ベアリング806の回転可能駆動部材120の方に向う移動は同様に、ベアリング808と第2環状ベアリング816との回転可能駆動部材120の方に向う移動を起こさせる。
【0040】
第1環状ベアリング806の回転可能駆動部材120の方に向う移動によって、延長部材708A、708B、708Cはそれぞれピボット・リング306A、306B、306Cを旋回させ、動力調整装置122A、122B、122Cの各々の回転軸が調整される。調整後に、回転可能被駆動部材170は、動力調整装置122A、122B、122Cの各々の回転軸に近い動力調整装置120A、120B、120Cの表面に接触する。逆に回転可能駆動部材120は、動力調整装置122A、122B、122Cの回転軸からさらに離れた動力調整装置122A、122B、122Cの各々の表面における1点で、動力調整装置122A、122B、122Cに接触する。動力調整装置122A、122B、122Cの回転軸を調整すると、回転可能駆動部材120が1回転する毎に回転可能被駆動部材170は1回未満回転するので、変速機100の出力角速度を低下させる。ハブ・シェル302がさらに低速で回転すると、圧縮部材702A、702B、702Cは動力調整装置122A、122B、122Cの回転軸を調整して、入力角速度よりも低い出力角速度を供給する。
【0041】
図9と図10に本発明の代替実施形態を示す。説明を簡単にするために、図1の変速機100と図9および図10の変速機900との相違のみを説明する。図9は変速機900の部分端面図であり、図10は変速機900の部分側面図である。
【0042】
変速機900は、ピボット・リング136A、136B、136Cの第1端にそれぞれ連結された可撓性延長部材908A、908B、908Cを含む。延長部材908A、908B、908Cの第2端は同期部材912に連結されている。さらに延長部材908A、908B、908Cの各々は、ハブ・シェル302に付加された複数のプーリ916(図9)に滑動可能に嵌合されている。プーリ916(図9)の数と各々の位置は変更可能であることが注目される。たとえば、変速機900を使用する機械または車両の選択されたフレームに応じて、異なるプーリ構成を使用して延長部材908A、908B、908Cを経路設定することもできる。さらに、プーリ916と延長部材908A、908B、908Cとをハブ・シェル302の内部に置くこともできる。
【0043】
変速機900のハブ・シェル302は非回転式である。さらにハブ・シェル302は、延長部材908A、908B、908Cを同期部材912に導くために使用される複数の開口(図示せず)を含む。
【0044】
図9と図10に示す本発明の実施形態によれば、主軸102(図2)、引張り部材202(図2)、延長部162、164(図2)、および変速アクチュエータ(図示せず)を含む図2の変速機100の変速アセンブリを省いてもよいことに注目すべきである。
【0045】
さらに図9と図10を参照して、変速機900の操作方法を開示する。図1に開示した本発明の実施形態と同様に、入力トルクは、駆動スリーブ104、第1ローラ・ケージ・アセンブリ110、および回転可能駆動部材120を時計方向に回転させる。回転可能駆動部材120は動力調整装置122A、122B、122Cに嵌合して回転させ、これによって回転可能被駆動部材170を駆動する。回転可能被駆動部材170の回転は、第2ローラ・ケージ・アセンブリ180を駆動して出力トルクを発生させる。
【0046】
変速機900では、回転可能駆動部材120と回転可能被駆動部材170との間の回転比は同期部材912の操作によって調整される。同期部材912をハブ・シェル302から外側に向けると、延長部材908A、908B、908Cはそれぞれ、動力調整装置122A、122B、122Cの各々の回転軸が同様に旋回するように、ピボット・リング136A、136B、136Cを旋回させる。動力調整装置122A、122B、122Cの各々の回転軸は、回転可能駆動部材120が、動力調整装置122A、122B、122Cの各々の回転軸からさらに離れた動力調整装置122A、122B、122Cの表面に接触するように変更される。逆に、回転可能被駆動部材170は、動力調整装置122A、122B、122Cの各々の回転軸に近い動力調整装置122A、122B、122Cの各々の表面における1点で動力調整装置122A、122B、122Cに接触する。動力調整装置122A、122B、122Cの回転軸を調節すると、回転可能駆動部材120が1回転する毎に回転可能被駆動部材170が1回未満回転するので、変速機100の出力角速度を低下させる。
【0047】
同期部材912がハブ・シェル302の方に向けられると、引張り部材702A、702B、702Cは縮む。この圧縮によって、回転可能被駆動部材170の近くのピボット・リング136A、136B、136Cの一端は主軸102に向かって旋回する。ピボット・リング136A、136B、136Cの旋回は、回転可能被駆動部材170が回転可能駆動部材120よりも低い速度で回転するように、動力調整装置122A、122B、122Cの各々の回転軸を変更させる。
【0048】
図11に、第1スラスト・ベアリング1106と第2スラスト・ベアリング1108を有する変速機1100を含む本発明の別の代替実施形態を示す。第1スラスト・ベアリング1106は主軸102を被って回転可能に配設されており、支持部材154と延長部162、164との間に位置する。第2スラスト・ベアリング1108は主軸102を被って、支持部材154の第1スラスト・ベアリング1106とは反対の側に配設されている。変速機1100は随意に、主軸102を被って配設されて軸方向に滑動可能な比率変換器1110などの、第2比率変換器を含んでもよい。
【0049】
比率変換器166、1110が軸方向に滑動して変速機1100の変速を起こさせると、比率変換器166、1110もまたスラスト・ベアリング1106、1108を滑動させる。スラスト・ベアリング1106、1108の滑動は、支持部材154を比率変換器166、1110と一致して強制的に滑動させる。変速機1100が変速過程中であるときを除いてスラスト・ベアリング1106、1108が支持部材154に接触しないように、支持部材154とスラスト・ベアリング1106、1108との間に小さな遊びが設けられている。
【0050】
図12に本発明の代替実施形態を示す。図12は、図10に開示した本発明の実施形態と同様に作動する変速機1200を示すが、図12の変速機1200は2つの回転可能駆動装置1204、1206と1つの回転可能駆動軸1212とを含む。回転可能駆動軸1212は駆動スリーブ104に取付け固定されている。
【0051】
さらに図12を参照すると、第1回転可能駆動装置1204は、回転可能駆動装置の第1方向への回転に応じて回転可能駆動軸1212を回転させるように構成された一方向クラッチ1208を含む。第2回転可能駆動装置1206は一方向クラッチ1210を含む。第2回転可能駆動装置1206は、第1回転可能駆動装置1204の作動方向とは逆である第2方向への第2回転可能駆動装置1206の回転に応じて駆動スリーブ104に嵌合するように構成されている。第2回転可能駆動装置1206は駆動スリーブ104に取付け固定されている。
【0052】
図13に、自動的に変速を行うように構成された変速機1300を有する本発明の別の代替実施形態を概略的に示す。3つのプーリ1306、1308、1310がそれぞれピボット・リング136A、136B、136Cに連結されている。ケーブル1312がプーリ1306の周りに通されて、第1端で主軸102に繋がり、第2端では、図8の環状リング816に類似の環状リング(図示せず)に繋がっている。同様に、ケーブル1314がプーリ1308の周りに通されて、第1端で主軸102に繋がり、第2端で環状リング(図示せず)に繋がっている。最後に、ケーブル1316がプーリ1310の周りに通されて、第1端で主軸102に繋がり、第2端で環状リング(図示せず)に繋がっている。
【0053】
図14は前端から見た図13の変速機1300を概略的に示す。複数の引張り部材1404、1406、1408が、ピボット・リング136A、136B、136Cの各々を相互連結する。引張り部材1404は、第1端においてピボット・リング136Aに連結し、第1端とは反対側の第2端においてピボット・リング136Bに連結する。引張り部材1406は、第1端においてピボット・リング136Bに連結し、第1端とは反対側の第2端においてピボット・リング136Cに連結する。引張り部材1408は、第1端においてピボット・リング136Aに連結し、第1端とは反対側の第2端においてピボット・リング136Cに連結する。
【0054】
図15は、図13と図14に示した変速機1300のハウジング1500を概略的に示す。ハウジング1500は3つの中空案内管1504、1506、1508を含む。中空案内管1504、1506、1508の各々は、第1端では変速機1300を保持するハブ・シェル1512に連結し、第1端とは反対側の第2端では変速機ホイール1514に連結する。3つの引張り部材1516、1518、1520はそれぞれ中空案内管1504、1506、1508の内部に配設され、第1端で変速機ホイール1514に連結されている。変速機ホイール1514とは反対側の引張り部材1516、1518、1520の第2端は、それぞれ球状錘1526、1528、1530に連結されている。本発明の代替実施形態では、錘1526、1528、1530を別の幾何学的形状にすることもできる。
【0055】
複数の連係部材1532、1534、1536がそれぞれ、錘1526、1528、1530から、図8の環状部材806などの環状部材(図示せず)に延びている。
【0056】
図15のハウジング1500の作動方法に目を向けると、ハブ・シェル1512の回転は中空案内管1504、1506、1508の回転を起こさせる。案内管1504、1506、1508が回転すると、錘1526、1528、1530は外側へ変速機ホイール1514に向って延びる。錘1526、1528、1530の外方向移動によって、図13と図14の動力調整装置122A、122B、122Cの回転軸の傾斜角度が変化する。
【0057】
図16に本発明の別の代替実施形態を示す。図16は、図13と図14に示す変速機1300の手動バージョンの概略図である。説明を簡単にするために、図16の変速機1600と図13と図14の変速機1300との間の相違のみを説明する。変速機1600は、第1端で変速アクチュエータ(図示せず)に繋がる可撓性ケーブル1602を含む。ケーブル1602は、変速アクチュエータ(図示せず)から主軸102の中央通路を通って延び、それから主軸102の上の開口(図示せず)を通って延びている。開口(図示せず)から、ケーブル1602はプーリ1308の周りに延びている。プーリ1308から、ケーブルはプーリ1306の周りに導かれる。プーリ1306から、ケーブルはプーリ1308に延びている。最後に、プーリ1308からケーブル1602は主軸102に繋がっている。
【0058】
図16をさらに参照すると、ケーブル1602が変速アクチュエータ(図示せず)の方に向けられた場合、ケーブル1602はプーリ1304、1306、1308を引張り、これによって動力調整装置122A、122B、122Cの各々の回転軸の傾斜角度の変化を起こさせる。逆に、変速アクチュエータ(図示せず)がケーブル1602を弛めると、引張り部材1404、1406、1408は、動力調整装置122A、122B、122Cの回転軸の各々の傾斜角度を第2の反対の方向に変化させる。図17〜図19を参照すると、支持部材154の3つの代替実施形態が開示されている。図17では、支持部材154はわずかに凹状をなす外表面を有する円筒状リングである。
【0059】
図18では、支持部材1800の外周は支持部材の中央点1802の近くで最も狭い。この中央点から、支持部材154の外周は支持部材154の各端部まで増大する。支持部材154の外表面によって作られる傾斜部は、中央点1802における長手方向軸に対する水平状態から支持部材154の各端部における約30度の角度まで、次第に増加することが注目される。支持部材1800の形状は支持部材1800の軸方向移動を可能にし、これによって変速機の容易な変速を助け、また支持部材154が変速中にその端部のいずれかにおいて転位することを防止する。
【0060】
図19に凹状外表面を有する支持部材1900を図示する。支持部材1900の形状は、変速機100の使用中に支持部材1900が主軸102を横切って遊動することを防止する。
【0061】
図20に本発明の代替実施形態を示す。第1スラスト・ベアリング1106は主軸102を被って回転可能に配設され、支持部材154と第1スラスト・ワッシャ2006との間に位置する。第2スラスト・ベアリング1108は主軸102を被って、支持部材154の第1スラスト・ベアリング1106とは反対の側に配設されている。第2スラスト・ベアリング1108は、支持部材154と第2スラスト・ワッシャ2008との間に位置する。第2スラスト・ワッシャ2008は引張りインデューサ2018に機能的に連結されている。引張りインデューサ2018は、変速機2000が変速中ではないときに支持部材154をその中立位置に戻す力を提供する。第2スラスト・ワッシャ2008に対向して、引張りインデューサ2018を主軸102、固定支持物152(図示せず)、または変速機2000の他の構成部分に確保することもできる。
【0062】
引張りインデューサ2016の第1端は第1スラスト・ワッシャ2006に接触している。引張りインデューサ2016の他端は、主軸102、固定支持物152(図2)、または変速機2000の他の構成部分に確保することもできる。摩擦を最小限に抑えるために、第1スラスト・ベアリング1106、第2スラスト・ベアリング1108、および支持部材154の間に小さな遊びを準備することは好ましい。
【0063】
図21は、第1スラスト・ベアリング1106(図11にも示す)と第2スラスト・ベアリング1108(図11にも示す)とを使用する本発明の代替実施形態を示す。第1スラスト・ベアリング1106は主軸102を被って回転可能に配設され、支持部材154と第1スラスト・ワッシャ2106との間に位置する。第2スラスト・ベアリング1108は主軸102を被って配設され、支持部材154と第2スラスト・ワッシャ2108との間に位置する。ピボット支持物134A、134B、134Cの各々は、支持リング154とインタフェースするようになっている4つの延長部2110、2112(図24)、2114、2116(図24)を有する。ピボット支持物134A、134B、134Cの延長部2110、2112、2114、2116は、変速機の作動中に支持部材154が常に動力調整装置122A、122B、122Cの下に位置するように支持部材154を導くようになっている。第1スラスト・ワッシャ2106は、第1スラスト・ベアリング1106とピボット支持物134A、134B、134Cの延長部2110、2112、2114、2116との間に位置する。摩擦を最小限に抑えるために、第1スラスト・ベアリング1106、第2スラスト・ベアリング1108、および支持部材154の間に小さな遊びを準備することは好ましい。
【0064】
図22は、図21に示す変速機2100のスラスト・ワッシャ2108の正面図である。スラスト・ワッシャ2108は外縁に複数の溝を有し、変速中に第2スラスト・ワッシャ2108が動力調整装置122A、122B、122Cに接触しないようにする。
【0065】
図23と図24は、二部構造として作られた図21に示すような例示的ピボット支持物を示す。図23はピボット支持物の側面図であり、図24はピボット支持物の底面図である。
【0066】
図23と図24のピボット支持物を形成するには、第1ピボット支持物部分2120Aと第2ピボット支持物部分2118Aとを共に加圧する。第1ピボット支持物部分2120Aと第2ピボット支持物部分2118Aはそれぞれ、平面図から見て概して半円筒形状を呈する。第1ピボット支持物部分2120Aは延長部2112、2110(図24)を含む。さらに、第2ピボット支持物部分2118Aは延長部2116、2114(図24)を含む。
【0067】
第1ピボット支持物部分2118Aと第2ピボット支持物部分2120Aは、従来型の締め付け技法のいずれか一つによって共に締め付けることができる。たとえば、第2ピボット支持物部分2120Aの上にくぼみ2130Aを形成し、第2ピボット支持物部分2118Aの上にくぼみ2134Aを形成して、ピボット支持物部分2120Aとピボット支持物部分2118Aをともにスナップフィットすることもできる。インタコネクタ2720(図27)によるなど、変速機におけるピボット支持物の各々を相互連結するように、第1ピボット支持物部分2120A上に溝2122Aが設計されている。
【0068】
図25と図26に固定支持物152の代替実施形態を示す。固定支持物152は複数の固定装置2510、2512、2514、2516、2518、2520を有する。固定装置2510、2512、2514、2516、2518、2520は、固定支持物152の脚153の一体構造部分として随意に形成することもできる。固定支持物152はさらに、固定支持物152の中央点の周りに放射状に配設されたピボット・ストップ2530、2532、2534を含む。ピボット・ストップ2530、2532、2534は、ピボット支持物134A、134B、134Cが極端に回り過ぎて、回転可能被駆動部材170および/または回転可能駆動部材120を打つことを防止する。
【0069】
図27、図28、図29に固定支持物152のさらに別の実施形態を示す。固定支持物152の各脚153は、3つの固定装置2702A、2702B、2702Cの1つを受け入れるように構成された溝2760を有する。各固定装置2702A、2702B、2702Cは、溝2760の中にぴったり合致するスイベル2730を含む。溝2760の半径はスイベル2730の半径に等しいか、またはこれよりわずかに大きい。スイベル2730は円筒状または球状に設計されて、これが溝2760の中で回転できるようになっている。スイベル2730の両端はそれぞれ角状支持物2710Aと角状支持物2710Bとに連結されている。角状支持物2710Aと角状支持物2710Bはそれぞれ、溝2760とは反対側でインタコネクタ2720A、2720Bに連結されている。インタコネクタ2720A、2720Bはピボット支持物134A、134B、134Cに繋がり、これによってピボット支持物134A、134B、134Cを固定支持物152に固着し、またピボット支持物134A、134B、134Cがすべて一致して回転することを保証する。インタコネクタ2720A、2720Bは、第1ピボット支持物部分2120の溝2122A(図23)またはピボット支持物134A、134B、134Cの開口142、144(図21)の中にぴったり合う。
【0070】
インタコネクタ2720A、2720Bはそれぞれ、角状支持物2710A、2710Bとは反対の端でピボット部材2740A、2740Bに取り付けられている。ピボット部材2740A、2740Bはそれぞれ、ピボット支持物134A、134B、134Cの各々の開口142、144に挿入され、これによってピボット支持物134A、134B、134Cの各々にピボットを提供する。
【0071】
本発明の一実施形態では、主軸102は、固定支持物152が主軸102の周りを回転しないように、固定支持物152とかみ合うようにすることもできる。たとえば、図27に開示した本発明の実施形態では、固定支持物152の中央にある平縁開口2780が固定支持物152の回転を防止する。図32と図33に、適合した外径を有する例示的な主軸102を示す。さらに、平縁開口2780は固定支持物152の主軸102への急速組立てを可能にする。代替案として、従来の手段によって固定支持物152を主軸102に付加することができる。
【0072】
図30と図31に、図27〜図29の固定支持物152の代替実施形態を示す。固定支持物152は1つの脚153を有する。この実施形態では、固定装置2702B(図27)と、固定装置2702C(図27)は変速機における他のピボット支持物134A、134B、134Cに直接連結されるようになっている。固定装置2702Aは主軸102に固着されているので、動力調整装置122A、122B、122Cの各々もまた、この固定装置2702Aの連結部を通じて主軸102に固着される。ただ1つの脚153を使用することが本発明の複数の脚を有する実施形態よりも製造コストを低くすることは有利である。
【0073】
図32と図33に主軸102の代替実施形態を示す。図32と図33の主軸102は、(図16に示す)変速機1600を含む本発明のさまざまな実施形態について使用することができる。主軸102の内部に位置する少なくとも1つの可撓性ケーブル1602が、プーリ3212を回って孔3210を通過し、一端で主軸102を出る。ボルトまたはピンなどの締め金具3214がプーリ3212を適所に確保する。主軸102は、製造中にプーリ3212を主軸102の中に容易に挿入できるようにするスロット3216を有する。任意選択として、主軸102のシェルの寸法を大きくすることによって、主軸102をプーリ3212の区域において強化することもできる。さらに、主軸102をピボット支持物134A、134B、134Cのピボット・ストップ3218を画定するようにすることもできる。ピボット・ストップ3218は、ピボット支持物134A、134B、134Cが入換え中に極端に回り過ぎて、回転可能駆動部材120および/または回転可能被駆動部材170を打つことを防止するように作用する。また、ピボット・ストップ3218のフランジ3220を使用して、支持部材154(図2)が軸方向に移動し過ぎることを防止することができる。さらにまた、ばねなどの引張りインデューサ2016(図20)をフランジ3220に対抗して位置づけ、支持部材154を動力調整装置122A、122B、122Cの下の中心位置に保持することを助けることもできる。
【0074】
図33に、平坦な区域を有する主軸102の断面を示すが、この平坦区域は主軸102の上に形成されて、図27〜図31に示す固定支持物152の平縁孔2780を主軸102に急速に組み立てることを可能にする。しかし、主軸102と固定支持物154との形状を別の結合構成にすることもできる。
【0075】
図34に本発明の別の代替実施形態を示す。図34は、図13と図14に示す変速機1300の手動バージョンを概略図示したものである。説明を簡単にするために、図34の変速機3400と図13の変速機1300との間の相違のみを説明する。変速機3400は変速機1300とは異なり、3つの可撓性ケーブル1312、1314、1316を含み、ケーブルの第2端は主軸102の3つの開口(図示せず)を通って延び、主軸102の中央通路に入る。それから3つの可撓性ケーブル1312、1314、1316は主軸102の一端を通って延び、従来型の入換えアクチュエータで終わっている。
【0076】
図35に本発明のさらに別の代替実施形態を示す。図35は、自動的に入換えを行う変速機3500の略切欠側面図である。図36は、図35の変速機3500の環状ベアリングを示す略切欠端面図である。図35と図36に示す変速機3500の機能は、図13〜図15に図示する機能と共に使用することができる。
【0077】
変速機3500は、動力調整装置122A、122B、122Cの各々に1つずつ、複数の同じ構成のケーブル組立品を含む。しかし、説明を簡単にするためにケーブル組立品の1つだけを説明する。可撓性ケーブル1316は第1端で主軸102(図示せず)に取り付けられている。主軸102から、可撓性ケーブル1316はプーリ1310の周りを通り、固定支持物152の脚153の1つに取り付けられたプーリ3520Aに続く。プーリ3520Aの周りを回った後に、可撓性ケーブル1316は開口3614(図36)を通過して、第2環状ベアリング816に取り付けることによって終わる。第2環状ベアリング816は固定式であって回転しない。
【0078】
第1環状ベアリング806に取り付けられた第1端から、可撓性ケーブル1532は開口3624を通過して、プーリ3522Aに移る。プーリ3522Aから、ケーブル1532はハブ・シェル302の中の開口(図示せず)を通過して、プーリ3524Aに至る。
【0079】
図35に示す本発明の実施形態では、第1環状ベアリング806はハブ・シェル302と共に回転する。第1環状ベアリング806の回転は、第1環状ベアリング806と第2環状ベアリング816との間にあるボール・ベアリング808によって容易になっている。プーリ3524Aから、可撓性ケーブル1532は1つまたは複数の別のプーリ(図示せず)の周りを通って、(図15に示す)錘1526に直接続いて取り付けられている。
【0080】
図37と図38は、惰行機構3710を含む変速機3700の代替実施形態を示す。惰行機構3710は、自転車、オートバイ、自動車、および変速機を切ることが望まれる機械類と共に使用することができる。惰行機構3710はハブ駆動装置186と第2ローラ・ケージ・アセンブリ180との間に位置する。回転可能被駆動部材170にトルクが加えられると、第2ローラ・ケージ・アセンブリ180は回転可能被駆動部材170と同じ方向に回転することによって応答する。ローラ112は回転可能被駆動部材170の浅い溝を転がって昇る。ローラ112の作用によって、惰行機構3710はハブ駆動装置186の方へ向けられる。惰行機構3710は、惰行機構3710における2つのスロット3716A、3716Bがクラッチ・リング3714に嵌合するので、回転可能被駆動部材170と共に回転しない。クラッチ・リング3714は主軸102に摩擦によって取り付けられ、惰行機構3710の2つのスロット3716A、3716Bの中に延びる2つのプロングを有する。惰行機構3710はハブ駆動装置186に接触して、惰行機構3710とハブ駆動装置186との間に摩擦を作り出す。惰行機構3710の勾配区域には刻み目3711が切られ、摩擦を増加する。摩擦によって、ローラ112は、ハブ駆動装置186に対して十分な力が加えられてハブ駆動装置186を束縛して惰行機構と共に回転させるまで、回転可能被駆動部材170と惰行機構3710の浅い溝の側部を転がって昇り続ける。
【0081】
次にクラッチ・リング3714は惰行機構3710と共に回転する。トルクが開放されると、クラッチ引張りインデューサ3712は惰行機構3710を押してハブ駆動装置186から離し、惰行機構3710をハブ駆動装置186から離脱させ、ハブ駆動装置186とハブ・シェル302とが回転し続けることを可能にする。
【0082】
さらに図37を参照して、変速機3700のための代替入換え方法を説明する。説明を簡単にするために、変速機3700と前述の他の実施形態との間の相違のみに注目する。ピボット支持物134A、134B、134Cが、高い方へ入れ換えられると、これによって、ピボット支持物134A、134B、134Cに取り付けられたピボット支持物の脚3730は第1スラスト・ワッシャ2006に接触して、これを変速機3700の駆動側に向けて押すことになる。第1スラスト・ワッシャ2006の移動によって、第1スラスト・ベアリング1106と支持部材154は両方とも固定支持物152の方へ押されることになる。引張りインデューサ2018は、支持部材154が移動し過ぎることを防止し、変速機3700が低い方へ入れ換えられると、この結果、支持部材154はピボット支持物の脚3730の方へ押されることになる。
【0083】
本発明は、900%範囲の入出力角速度までを提供する無段入出力角速度比をもたらす新しい変速機を提供する。さらに、この変速機は手動でも自動的にも作動させることができる。
【0084】
さらに、本発明の変速機では、実施するには最少の部品しか必要としない簡単な設計となり、したがって製造が簡単で、コンパクトで軽量であり、ごくわずかな摩擦しか発生しない。この変速機は、歯車式変速機に見られる重複ギア、オーバーラップ・ギア、または使用不能のギアを不要にする。この変速機は、従来ギア入換えのために使用されているクラッチの必要性をなくする。最後に、この変速機は、入力から出力までの理想的な角速度比を提供することによってエネルギーまたはガソリンを節約することができる。
【0085】
上記の詳細な説明は、本発明の新規な特徴をさまざまな実施形態に適用して示し、記載し、指摘したが、本発明の意図から逸脱することなく、当業者が図解された装置または方法の形態と詳細におけるさまざまな省略、代用、変更を行ってもよいことは理解されよう。本発明の範囲は、上記の説明ではなく添付の特許請求の範囲によって示されている。特許請求の範囲の趣旨と等価範囲の中にあるすべての変更も、特許請求の範囲に含まれるものとする。
【図面の簡単な説明】
【0086】
【図1】本発明による変速機の部分斜視図である。
【図2】図1の変速機の部分分解図である。
【図3】図1の変速機の切欠端面正面図である。
【図4】図1の変速機の切欠側面図である。
【図5】異なった位置に入れ換えられた図1の変速機を示す、図1の変速機の切欠側面図である。
【図6】異なった位置に入れ換えられた図1の変速機を示す、図1の変速機の切欠側面図である。
【図7】変速機が自動的に入れ換わる本発明による変速機の代替実施形態の切欠端面図である。
【図8】図7の変速機の側面図である。
【図9】固定ハブ・シェルを含む本発明による変速機の代替実施形態の切欠端面図である。
【図10】図9の変速機の切欠側面図である。
【図11】2つのスラスト・ベアリングを有する図1に示す変速機の代替実施形態の切欠側面図である。
【図12】第1および第2一方向回転可能駆動装置が入力トルクを変速機に提供する、本発明の代替実施形態の切欠側面図である。
【図13】本発明による変速機の別の代替実施形態を示す略切欠端面正面図である。
【図14】図13の変速機の略切欠正面図である。
【図15】図13および図14の変速機用のハウジングを示す略端面図である。
【図16】本発明による変速機の別の代替実施形態を示す略切欠正面図である。
【図17】支持部材の代替実施形態の側面図である。
【図18】支持部材の代替実施形態の側面図である。
【図19】支持部材の代替実施形態の側面図である。
【図20】スラスト・ベアリング、ワッシャ、および引張り部材を含む、本発明の代替実施形態の略切欠側面図である。
【図21】支持部材が各端部にスラスト・ベアリングとワッシャとを有し、ピボット支持物が脚を有する、本発明の代替実施形態の略切欠側面図である。
【図22】図21の変速機のワッシャを示す正面図である。
【図23】図21の変速機のピボット支持物を示す側面図である。
【図24】図21の変速機のピボット支持物を示す底面図である。
【図25】固定支持物の代替実施形態の正面図である。
【図26】図25の固定支持物の切欠側面図である。
【図27】固定支持物の代替実施形態の正面図である。
【図28】図27の固定支持物の切欠側面図である。
【図29】図27の固定支持物の部分平面図である。
【図30】固定支持物の代替実施形態の正面図である。
【図31】図30の固定支持物の切欠側面図である。
【図32】図2の主軸の代替実施形態を示す切欠側面図である。
【図33】図32の軸の切欠端面正面図である。
【図34】本発明による変速機の代替実施形態を示す略切欠正面図である。
【図35】自動的に切り換わる変速機の代替実施形態を示す略切欠側面図である。
【図36】図35に示す環状ベアリングの略切欠端面正面図である。
【図37】惰行機構を有する本発明の代替実施形態の略切欠側面図である。
【図38】図37の代替惰行機構の正面図である。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
中心を貫通する円筒状の孔を有する3以上の球状動力調整装置と、
前記各球状動力調整装置の孔に挿通される3以上のスピンドルと、
中心に孔を有する少なくとも一つの固定支持物と、
第1及び第2の端部を有し、前記3以上の動力調整装置の間に配置され、これらと摩擦接触する回転可能な支持部材であって、実質的に均一の外径を有し、軸方向に移動可能であり、当該軸方向の移動を制御するための少なくとも2つの軸受領域を有する支持部材と、
前記支持部材の第1の端部側に配置され、軸方向に移動可能な第1の環状のベアリングと、
前記支持部材の第2の端部側に配置され、軸方向に移動可能な第2の環状のベアリングと、
前記支持部材との間に前記第1のベアリングを挟むように配置され、軸方向に移動可能な第1の平面プラットフォームと、
前記支持部材との間に前記第2のベアリングを挟むように配置され、軸方向に移動可能な第2の平面プラットフォームと、
前記スピンドルの回転軸を変化させるように調整可能であり、当該スピンドルに接続される比率変換器と
を備えている無段変速機。
【請求項2】
回転可能な駆動部材と、
中心を貫通する円筒状の孔を有する3以上の球状動力調整装置と、
前記各球状動力調整装置の孔に挿通される3以上のスピンドルと、
駆動スリーブと、
前記駆動部材と対向する駆動スリーブ上に設けられた3以上の傾斜面と、
前記駆動スリーブの3以上の傾斜面上及び前記駆動部材上を転動する3以上のローラと、
前記3以上のローラを保持するローラ・ケージと、
前記駆動スリーブの3以上の傾斜面は、前記3以上のローラが回転するときに、トルクの増大に応じて前記3以上の動力調整装置に対して前記駆動部材を押圧するとともに、トルクの減少に応じて前記駆動部材から押圧されるように構成され、
第1及び第2の端部を有し、前記3以上の動力調整装置の間に配置され、これらと摩擦接触する回転可能な支持部材であって、実質的に均一な外径を有し、軸方向に移動可能であり、当該軸方向の移動を制御するための少なくとも2つのベアリング領域を有する支持部材と、
前記支持部材の第1の端部側に配置され、軸方向に移動可能な第1の環状のベアリングと、
前記支持部材の第2の端部側に配置され、軸方向に移動可能な第2の環状のベアリングと、
前記支持部材との間に前記第1のベアリングを挟むように配置され、軸方向に移動可能な第1の平面プラットフォームと、
前記支持部材との間に前記第2のベアリングを挟むように配置され、軸方向に移動可能な第2の平面プラットフォームと、
中心に孔を有する少なくとも一つの固定支持物と、
前記スピンドルの回転軸を変化させるように調整可能であり、当該スピンドルに接続される比率変換器と、を備え、
前記支持部材、第1の環状ベアリング、第2の環状ベアリング、第1の平面プラットフォーム、及び第2の平面プラットフォームは、軸方向に同時に移動可能となっている、変速機。
【請求項3】
前記駆動スリーブの傾斜面は、直線状に延びている、請求項2に記載の無段変速機。
【請求項4】
前記ローラは、円筒状である、請求項2に記載の無段変速機。
【請求項5】
中空の主軸と、
前記主軸内に配置された変速部材と、をさらに備え、
前記変速部材は、前記各動力調整装置の回転軸の調整を行うように構成されている、請求項2に記載の変速機。
【請求項6】
主軸と、
前記主軸に取り付けられる回転可能な駆動部材と、
前記主軸に取り付けられる回転可能な被駆動部材と、
前記駆動部材及び被駆動部材との間に摩擦接触するように配置され、前記駆動部材からの力を前記被駆動部材に伝達するように構成され、中心を通るように延びる円筒状の孔を有する複数の球状の動力調整装置と、
前記各球状動力調整装置の孔に挿通される3以上のスピンドルと、
前記複数の動力調整装置の間に配置され、これらと摩擦接触する回転可能な支持部材であって、前記各動力調整装置が、前記駆動部材、被駆動部材及び支持部材と摩擦接触するように構成される支持部材と、
前記支持部材の第1の端部側に配置される第1の環状のベアリングと、
前記支持部材の第2の端部側に配置される第2の環状のベアリングと、
中心に孔が形成されている少なくとも一つの固定支持物と、
前記少なくとも一つの支持物に取り付けられる複数の脚と
を備えている、無段変速機。
【請求項7】
前記脚は前記支持物に強固に固定されるとともに、
前記動力調整装置の支持を補助することで、前記支持部材の回転軸周りに移動するのを防止する、請求項6に記載の変速機。
【請求項8】
前記複数の脚は、前記固定支持物から略垂直に延びている、請求項7に記載の変速機。
【請求項9】
前記主軸が中空であり、当該主軸内に前記変速部材が設けられ、当該変速部材は前記複数の動力調整装置の回転軸の調整を行うように構成されている、請求項6に記載の変速機。
【請求項10】
回転可能な駆動部材と、
中心を通るように延びる円筒状の孔を有する複数の球状の動力調整装置と、
前記各球状動力調整装置の孔に挿通される3以上のスピンドルと、
中心に孔が形成された少なくとも一つの固定支持物と、
前記主軸に取り付けられる回転可能な被駆動部材と、
前記複数の動力調整装置の間に配置され、これらと摩擦接触する回転可能な支持部材であって、実質的に均一の外径を有し、軸方向に移動可能であり、当該軸方向の移動を制御するための少なくとも2つの軸受領域を有する支持部材と、
前記支持部材の第1の端部側に配置され、軸方向に移動可能な第1の環状のベアリングと、
前記支持部材の第2の端部側に配置され、軸方向に移動可能な第2の環状のベアリングと、
前記支持部材との間に前記第1のベアリングを挟むように配置され、軸方向に移動可能な第1の平面プラットフォームと、
前記支持部材との間に前記第2のベアリングを挟むように配置され、軸方向に移動可能な第2の平面プラットフォームと、
外部に延びる端部を有し、前記支持部材の軸方向に沿って配置され、当該支持部材と係合する変速部材と、を備え、
前記変速部材の位置の調整により、前記支持部材、第1の環状ベアリング、第2の環状ベアリング、第1のプラットフォーム、及び第2のプラットフォームが、同時に且つ略同一の距離だけ移動する、無段変速機。
【請求項11】
前記変速部材に取り付けられる第1の端部と、変速アクチュエータに接続される第2の端部を有する接続部をさらに備えている、請求項10に記載の変速機。
【請求項12】
前記変速部材を第1の位置に付勢する引っ張り部材をさらに備えている、請求項10に記載の変速機。
【請求項13】
前記スピンドルに接続される比率変換器をさらに備えている、請求項10に記載の変速機。
【請求項14】
前記各動力調整装置の表面の少なくとも一点における、前記スピンドルの回転軸方向の移動が、変速が行われたときに、前記支持部材の軸方向の移動よりも長い、請求項10に記載の変速機。
【請求項1】
中心を貫通する円筒状の孔を有する3以上の球状動力調整装置と、
前記各球状動力調整装置の孔に挿通される3以上のスピンドルと、
中心に孔を有する少なくとも一つの固定支持物と、
第1及び第2の端部を有し、前記3以上の動力調整装置の間に配置され、これらと摩擦接触する回転可能な支持部材であって、実質的に均一の外径を有し、軸方向に移動可能であり、当該軸方向の移動を制御するための少なくとも2つの軸受領域を有する支持部材と、
前記支持部材の第1の端部側に配置され、軸方向に移動可能な第1の環状のベアリングと、
前記支持部材の第2の端部側に配置され、軸方向に移動可能な第2の環状のベアリングと、
前記支持部材との間に前記第1のベアリングを挟むように配置され、軸方向に移動可能な第1の平面プラットフォームと、
前記支持部材との間に前記第2のベアリングを挟むように配置され、軸方向に移動可能な第2の平面プラットフォームと、
前記スピンドルの回転軸を変化させるように調整可能であり、当該スピンドルに接続される比率変換器と
を備えている無段変速機。
【請求項2】
回転可能な駆動部材と、
中心を貫通する円筒状の孔を有する3以上の球状動力調整装置と、
前記各球状動力調整装置の孔に挿通される3以上のスピンドルと、
駆動スリーブと、
前記駆動部材と対向する駆動スリーブ上に設けられた3以上の傾斜面と、
前記駆動スリーブの3以上の傾斜面上及び前記駆動部材上を転動する3以上のローラと、
前記3以上のローラを保持するローラ・ケージと、
前記駆動スリーブの3以上の傾斜面は、前記3以上のローラが回転するときに、トルクの増大に応じて前記3以上の動力調整装置に対して前記駆動部材を押圧するとともに、トルクの減少に応じて前記駆動部材から押圧されるように構成され、
第1及び第2の端部を有し、前記3以上の動力調整装置の間に配置され、これらと摩擦接触する回転可能な支持部材であって、実質的に均一な外径を有し、軸方向に移動可能であり、当該軸方向の移動を制御するための少なくとも2つのベアリング領域を有する支持部材と、
前記支持部材の第1の端部側に配置され、軸方向に移動可能な第1の環状のベアリングと、
前記支持部材の第2の端部側に配置され、軸方向に移動可能な第2の環状のベアリングと、
前記支持部材との間に前記第1のベアリングを挟むように配置され、軸方向に移動可能な第1の平面プラットフォームと、
前記支持部材との間に前記第2のベアリングを挟むように配置され、軸方向に移動可能な第2の平面プラットフォームと、
中心に孔を有する少なくとも一つの固定支持物と、
前記スピンドルの回転軸を変化させるように調整可能であり、当該スピンドルに接続される比率変換器と、を備え、
前記支持部材、第1の環状ベアリング、第2の環状ベアリング、第1の平面プラットフォーム、及び第2の平面プラットフォームは、軸方向に同時に移動可能となっている、変速機。
【請求項3】
前記駆動スリーブの傾斜面は、直線状に延びている、請求項2に記載の無段変速機。
【請求項4】
前記ローラは、円筒状である、請求項2に記載の無段変速機。
【請求項5】
中空の主軸と、
前記主軸内に配置された変速部材と、をさらに備え、
前記変速部材は、前記各動力調整装置の回転軸の調整を行うように構成されている、請求項2に記載の変速機。
【請求項6】
主軸と、
前記主軸に取り付けられる回転可能な駆動部材と、
前記主軸に取り付けられる回転可能な被駆動部材と、
前記駆動部材及び被駆動部材との間に摩擦接触するように配置され、前記駆動部材からの力を前記被駆動部材に伝達するように構成され、中心を通るように延びる円筒状の孔を有する複数の球状の動力調整装置と、
前記各球状動力調整装置の孔に挿通される3以上のスピンドルと、
前記複数の動力調整装置の間に配置され、これらと摩擦接触する回転可能な支持部材であって、前記各動力調整装置が、前記駆動部材、被駆動部材及び支持部材と摩擦接触するように構成される支持部材と、
前記支持部材の第1の端部側に配置される第1の環状のベアリングと、
前記支持部材の第2の端部側に配置される第2の環状のベアリングと、
中心に孔が形成されている少なくとも一つの固定支持物と、
前記少なくとも一つの支持物に取り付けられる複数の脚と
を備えている、無段変速機。
【請求項7】
前記脚は前記支持物に強固に固定されるとともに、
前記動力調整装置の支持を補助することで、前記支持部材の回転軸周りに移動するのを防止する、請求項6に記載の変速機。
【請求項8】
前記複数の脚は、前記固定支持物から略垂直に延びている、請求項7に記載の変速機。
【請求項9】
前記主軸が中空であり、当該主軸内に前記変速部材が設けられ、当該変速部材は前記複数の動力調整装置の回転軸の調整を行うように構成されている、請求項6に記載の変速機。
【請求項10】
回転可能な駆動部材と、
中心を通るように延びる円筒状の孔を有する複数の球状の動力調整装置と、
前記各球状動力調整装置の孔に挿通される3以上のスピンドルと、
中心に孔が形成された少なくとも一つの固定支持物と、
前記主軸に取り付けられる回転可能な被駆動部材と、
前記複数の動力調整装置の間に配置され、これらと摩擦接触する回転可能な支持部材であって、実質的に均一の外径を有し、軸方向に移動可能であり、当該軸方向の移動を制御するための少なくとも2つの軸受領域を有する支持部材と、
前記支持部材の第1の端部側に配置され、軸方向に移動可能な第1の環状のベアリングと、
前記支持部材の第2の端部側に配置され、軸方向に移動可能な第2の環状のベアリングと、
前記支持部材との間に前記第1のベアリングを挟むように配置され、軸方向に移動可能な第1の平面プラットフォームと、
前記支持部材との間に前記第2のベアリングを挟むように配置され、軸方向に移動可能な第2の平面プラットフォームと、
外部に延びる端部を有し、前記支持部材の軸方向に沿って配置され、当該支持部材と係合する変速部材と、を備え、
前記変速部材の位置の調整により、前記支持部材、第1の環状ベアリング、第2の環状ベアリング、第1のプラットフォーム、及び第2のプラットフォームが、同時に且つ略同一の距離だけ移動する、無段変速機。
【請求項11】
前記変速部材に取り付けられる第1の端部と、変速アクチュエータに接続される第2の端部を有する接続部をさらに備えている、請求項10に記載の変速機。
【請求項12】
前記変速部材を第1の位置に付勢する引っ張り部材をさらに備えている、請求項10に記載の変速機。
【請求項13】
前記スピンドルに接続される比率変換器をさらに備えている、請求項10に記載の変速機。
【請求項14】
前記各動力調整装置の表面の少なくとも一点における、前記スピンドルの回転軸方向の移動が、変速が行われたときに、前記支持部材の軸方向の移動よりも長い、請求項10に記載の変速機。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図27】
【図28】
【図29】
【図30】
【図31】
【図32】
【図33】
【図34】
【図35】
【図36】
【図37】
【図38】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図27】
【図28】
【図29】
【図30】
【図31】
【図32】
【図33】
【図34】
【図35】
【図36】
【図37】
【図38】
【公開番号】特開2008−69979(P2008−69979A)
【公開日】平成20年3月27日(2008.3.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−278226(P2007−278226)
【出願日】平成19年10月25日(2007.10.25)
【分割の表示】特願2000−517205(P2000−517205)の分割
【原出願日】平成10年10月22日(1998.10.22)
【出願人】(502252415)フォールブルック テクノロジーズ インコーポレイテッド (19)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成20年3月27日(2008.3.27)
【国際特許分類】
【出願日】平成19年10月25日(2007.10.25)
【分割の表示】特願2000−517205(P2000−517205)の分割
【原出願日】平成10年10月22日(1998.10.22)
【出願人】(502252415)フォールブルック テクノロジーズ インコーポレイテッド (19)
【Fターム(参考)】
[ Back to top ]