説明

無線センサ

【課題】電池の残量が少なくなってきたときに、電池寿命をさらに延ばす。
【解決手段】メモリM1に電池電圧Vと計測周期T1との対応(V低→T1長)を記した計測実行条件テーブルTB1を設ける。メモリM2に電池電圧Vと通信周期T2,リトライ回数R,送信電力Wとの対応(V低→T2長,R少,W小)を記した無線通信実行条件テーブルTB2を設ける。計測実行条件決定部8において、現在の電池電圧Vに応じた計測周期T1を計測実行条件テーブルTB1より読み出し、計測用CPU3で使用する実際の計測実行条件とする。無線通信実行条件決定部9において、現在の電池電圧Vに応じた通信周期T2,リトライ回数R,送信電力Wを無線通信実行条件テーブルTB2より読み出し、送信用CPU4で使用する実際の無線通信実行条件とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、温度,湿度,圧力,CO2濃度などの物理情報を計測データとして無線送信する無線センサに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来より、空調制御用の室内型温度センサなど、計測データを無線送信する無線センサは、電池で動作することが要求される。その際、例えば空調制御領域では、電池交換の手間を少なくするために、単3電池数本程度の電池容量で3年〜5年程度の電池寿命が要求される。そのため、無線センサに設けられている計測回路、送信回路、CPUを常時スリープモードにしておき、これらを定周期で起動して計測・送信を行うことで、その要求を満たしている。例えば、特定小電力無線システムの温度センサでは、1分間隔の定周期で計測および送信を行うことで、単3電池2本の電池容量で3年の電池寿命を実現している。
【0003】
これに対して、特許文献1では、さらに電池寿命を延ばすために、センサと、このセンサの出力から計測データを作成する計測部と、この計測部が作成した計測データを無線送信する無線通信部と、計測部および無線通信部の動作を制御する制御部とを無線センサに設け、制御部からの指令によって計測部において定期的に計測データを作成させ、この計測部において作成された計測データに所定値を超える変化が認められた場合に、制御部からの指令によって無線通信部を起動して、その計測データを無線送信するようにしている。また、計測部において計測データが作成される毎にその計測データの変化の度合いを求め、この求めた計測データの変化の度合いが小さいときは計測周期を長周期とし、変化の度合いが大きいときは計測周期を短周期とするようにしている。
【0004】
また、特許文献2では、通信装置において、受信状態を検出し、受信状態に応じた通信所要電力と電池残量とから通信可能量を算出し、その算出した通信可能量(例えば、通信可能時間)を表示するようにしている。ユーザは、この通信可能量の表示を見て、電池交換の必要があるか否かを判断する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2008−052415号公報
【特許文献2】特開2002−142014号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上述した定周期で起動して計測および送信を行う方法では、常に定周期で計測および送信が行われるので、電池の残量が少なくなってきたときに電池寿命を更に延ばすということはできない。
【0007】
また、特許文献1に示された方法では、計測データに所定値を超える変化が認められた場合には常に計測データが無線送信され、また、計測データの変化の度合いが大きい場合には、常に計測周期が短周期となる。このため、特許文献1に示された方法でも、電池の残量が少なくなってきたときに電池寿命を更に延ばすということはできない。
【0008】
また、特許文献2に示された方法では、受信状態に応じた通信所要電力と電池残量とから通信可能量を算出し、その算出した通信可能量を表示するようにしているのみである。このため、特許文献2に示された方法でも、電池の残量が少なくなってきたときに電池寿命をさらに延ばすということはできない。
【0009】
本発明は、このような課題を解決するためになされたもので、その目的とするところは、電池の残量が少なくなってきたときに電池寿命をさらに延ばすことができる無線センサを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
このような目的を達成するために本発明は、センサと、このセンサの出力から計測データを作成する計測部と、この計測部が作成した計測データを無線送信する無線通信部とを備え、電池によって駆動される無線センサにおいて、電池の現在の能力を検出する電池能力検出手段と、電池の能力の変動範囲を段階的に区分して定められた各能力範囲と計測部が計測データを作成する際に使用する計測実行条件との対応を示す計測実行条件テーブルを記憶する計測実行条件記憶手段と、計測実行条件テーブルより電池能力検出手段によって検出された電池の現在の能力が属する能力範囲に対応する計測実行条件を読み出し、この読み出した計測実行条件を計測部において使用する実際の計測実行条件として決定する計測実行条件決定手段とを設けたものである。
【0011】
この発明によれば、電池の現在の能力が検出され、この検出された電池の現在の能力が属している能力範囲に対応する計測実行条件が計測実行条件テーブルより読み出され、この読み出された計測実行条件が計測部において使用する実際の計測実行条件として決定される。例えば、計測実行条件を計測周期とし、電池の能力が低くなるほど計測周期が長くなるように、計測実行条件テーブルにおける能力範囲と計測実行条件との対応を定めておく。このようにすると、電池の能力が低下するにつれ、計測周期が長くなり、電池の寿命が延びることになる。
【0012】
また、本発明は、センサと、このセンサの出力から計測データを作成する計測部と、この計測部が作成した計測データを無線送信する無線通信部とを備え、電池によって駆動される無線センサにおいて、電池の現在の能力を検出する電池能力検出手段と、電池の能力の変動範囲を段階的に区分して定められた各能力範囲と無線通信部が計測データを無線送信する際に使用する無線通信実行条件との対応を示す無線通信実行条件テーブルを記憶する無線通信実行条件記憶手段と、無線通信実行条件テーブルより電池能力検出手段によって検出された電池の現在の能力が属する能力範囲に対応する無線通信実行条件を読み出し、この読み出した無線通信実行条件を無線通信部において使用する実際の無線通信実行条件として決定する無線通信実行条件決定手段とを設けたものである。
【0013】
この発明によれば、電池の現在の能力が検出され、この検出された電池の現在の能力が属している能力範囲に対応する無線通信実行条件が無線通信実行条件テーブルより読み出され、この読み出された無線通信実行条件が無線通信部において使用する実際の無線通信実行条件として決定される。例えば、無線通信実行条件を通信周期とし、電池の能力が低くなるほど通信周期が長くなるように、無線通信実行条件テーブルにおける能力範囲と無線通信実行条件との対応を定めておく。このようにすると、電池の能力が低下するにつれ、通信周期が長くなり、電池の寿命が延びることになる。
【0014】
なお、無線通信実行条件としては、通信周期の他、通信失敗時のリトライ回数、送信電力なども考えられる。また、通信周期、リトライ回数、送信電力を組み合わせて無線通信実行条件としてもよい。この場合、電池の能力が低くなるほど、通信周期を長くしたり、リトライ回数を少なくしたり、送信電力を小さくしたりする。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、電池の現在の能力が検出され、この検出された電池の現在の能力が属している能力範囲に対応する計測実行条件が計測実行条件テーブルより読み出され、この読み出された計測実行条件が計測部において使用する実際の計測実行条件として決定されるものとなり、電池の能力が低くなるほど計測周期を長くするなどして、電池の残量が少なくなってきたときに電池寿命をさらに延ばすことが可能となる。
【0016】
また、電池の現在の能力が検出され、この検出された電池の現在の能力が属している能力範囲に対応する無線通信実行条件が無線通信実行条件テーブルより読み出され、この読み出された無線通信実行条件が無線通信部において使用する実際の無線通信実行条件として決定されるものとなり、電池の能力が低くなるほど通信周期を長くするなどして、電池の残量が少なくなってきたときに電池寿命をさらに延ばすことが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】本発明に係る無線センサの一実施の形態を示すブロック図である。
【図2】この無線センサにおいて使用する計測実行条件テーブルを例示する図である。
【図3】この無線センサにおいて使用する無線通信実行条件テーブルを例示する図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明を図面に基づいて詳細に説明する。
図1において、1は温度などの物理量を電気信号に変換する計測素子(センサ)、2は計測素子1からの出力(アナログ信号)をデジタル信号に変換するA/D変換器、3はA/D変換器2を介する計測素子1の出力から計測データを作成する計測用CPU、4は計測用CPU3が作成した計測データを送信元のアドレスなどを加えた送信データに変換する送信用CPU、5は送信用CPU4からの送信データを無線送信するRF回路、6は電池、7は電池6の電池電圧Vを電池能力として検出する電池能力検出部である。
【0019】
この無線センサ100において、計測用CPU3に対してはメモリM1と計測実行条件決定部8が設けられており、メモリM1には計測実行条件テーブルTB1が格納されている。計測実行条件テーブルTB1には、図2に示すように、電池7の電池電圧Vの変動範囲を段階的に区分して定められた能力範囲S1〜S5と計測用CPU3が計測データを作成する際に使用する計測周期T1との対応が記されている。
【0020】
本実施の形態において、能力範囲S1はV>V1、能力範囲S2はV1≧V>V2、能力範囲S3はV2≧V>V3、能力範囲S4はV3≧V>V4、能力範囲S5はV4≧Vとされている。但し、この能力範囲S1〜S5において、電池電圧Vの変動範囲を段階的に区分する電圧値V1,V2,V3,V4は、V1>V2>V3>V4として定められている。すなわち、電池7の能力範囲S1〜S5は、S1,S2,S3,S4,S5の順でその能力レベルが小さくなるものとして定められている。
【0021】
また、能力範囲S1に対して計測周期T1が1分、能力範囲S2に対して計測周期T1が2分、能力範囲S3に対して計測周期T1が3分、能力範囲S4に対して計測周期T1が4分として定められ、能力範囲S5に対しては計測を禁止することを示す情報が記されている。
【0022】
また、この無線センサ100において、送信用CPU4に対してはメモリM2と無線通信実行条件決定部9が設けられており、メモリM2には無線通信実行条件テーブルTB2が格納されている。無線通信実行条件テーブルTB2には、図3に示すように、電池7の電池電圧Vの変動範囲を段階的に区分して定められた能力範囲S1〜S5と送信用CPU4が計測データを無線送信する際に使用する通信周期T2、通信失敗時のリトライ回数R、送信電力Wとの対応が記されている。
【0023】
なお、この無線通信実行条件テーブルTB2での能力範囲S1〜S5は、計測実行条件テーブルTB1での能力範囲S1〜S5と同じとされており、S1,S2,S3,S4,S5の順でその能力レベルが小さくなるものとして定められている。
【0024】
また、能力範囲S1に対して通信周期T2が1分,リトライ回数Rが6回,送信電力Wがレベル1、能力範囲S2に対して通信周期T2が2分,リトライ回数Rが4回,送信電力Wがレベル2、能力範囲S3に対して通信周期T2が3分,リトライ回数Rが2回,送信電力Wがレベル3、能力範囲S4に対して通信周期T2が4分,リトライ回数Rが0回,送信電力Wがレベル4として定められ、能力範囲S5に対しては無線通信を禁止することを示す情報が記されている。なお、送信電力Wのレベル1,2,3,4は、レベル1,2,3,4の順でその送信電力Wが小さくなって行くことを示す。
【0025】
なお、この構成において、計測用CPU3が本発明でいう計測部に対応し、送信用CPU4とRF回路5との組合せが無線通信部に対応する。また、電池能力検出部7が電池能力検出手段、メモリM1が計測実行条件記憶手段、メモリM2が無線通信実行条件記憶手段、計測実行条件決定部6が計測実行条件決定手段、無線通信実行条件決定部9が無線通信実行条件決定手段に対応する。
【0026】
〔計測実行条件の決定〕
計測実行条件決定部8は、電池能力検出部7によって検出される電池6の現在の電池電圧Vを監視し、この電池電圧Vに応じた計測周期T1をメモリM1中の計測実行条件テーブルTB1より読み出し、その読み出した計測周期T1を計測用CPU3が計測データを作成する際に使用する実際の計測周期T1として決定し、この決定した計測周期T1をメモリM1中の条件設定部J1に計測実行条件として設定する。
【0027】
例えば、電池6の現在の電池電圧VがV>V1であった場合、計測実行条件決定部8は、メモリM1中の計測実行条件テーブルTB1より能力範囲S1に対応する計測周期T1=1分を読み出し、この読み出した計測周期T1=1分を計測用CPU3が計測データを作成する際に使用する実際の計測周期T1として決定し、メモリM1中の条件設定部J1に設定する。これにより、計測用CPU3は、条件設定部J1に設定されている計測周期T1(T1=1分)で、計測素子1の出力から計測データを作成し、送信用CPU4へ送る。
【0028】
電池6の電池電圧Vが低下し、V1≧V>V2となると、計測実行条件決定部8は、メモリM1中の計測実行条件テーブルTB1より能力範囲S2に対応する計測周期T1=2分を読み出し、この読み出した計測周期T1=2分を計測用CPU3が計測データを作成する際に使用する実際の計測周期T1として決定し、メモリM1中の条件設定部J1に設定する。これにより、計測用CPU3は、条件設定部J1に設定されている計測周期T1(T1=2分)で、計測素子1の出力から計測データを作成し、送信用CPU4へ送る。
【0029】
以下、同様にして、計測実行条件決定部8は、電池6の電池電圧Vを監視し、V2≧V>V3となると能力範囲S4に対応する計測周期T1=3分を計測実行条件テーブルTB1より読み出して条件設定部J1に設定し、V3≧V>V4となると能力範囲S3に対応する計測周期T1=4分を計測実行条件テーブルTB1より読み出して条件設定部J1に設定する。これにより、電池6の電池電圧Vが低下するにつれ、計測用CPU3で計測データを作成する際の計測周期T1が長くなり、電池6の寿命が延びるものとなる。
【0030】
そして、電池6の電池電圧Vが低下し、V4≧Vとなると、計測実行条件決定部8は、メモリM1中の計測実行条件テーブルTB1より計測を禁止することを示す情報を読み出し、その情報をメモリM1中の条件設定部J1に設定する。これにより、CPU3は、以降の計測データの作成を停止する。
【0031】
〔無線通信実行条件の決定〕
無線通信実行条件決定部9は、電池能力検出部7によって検出される電池6の現在の電池電圧Vを監視し、この電池電圧Vに応じた通信周期T2,リトライ回数R,送信電力WをメモリM1中の無線通信実行条件テーブルTB2より読み出し、その読み出した通信周期T2,リトライ回数R,送信電力Wを送信用CPU4が計測データを無線送信する際に使用する実際の通信周期T2,リトライ回数R,送信電力Wとして決定し、この決定した通信周期T2,リトライ回数R,送信電力WをメモリM2中の条件設定部J2に無線通信実行条件として設定する。
【0032】
例えば、電池6の現在の電池電圧VがV>V1であった場合、無線通信実行条件決定部9は、メモリM2中の無線通信実行条件テーブルTB2より能力範囲S1に対応する通信周期T2=1分,リトライ回数R=6回,送信電力=レベル1を読み出し、この読み出した通信周期T2=1分,リトライ回数R=6回,送信電力W=レベル1を送信用CPU4が計測データを無線送信する際に使用する実際の通信周期T2,リトライ回数R,送信電力Wとして決定し、メモリM2中の条件設定部J2に設定する。これにより、送信用CPU4は、条件設定部J2に設定されている通信周期T2,リトライ回数R,送信電力W(T2=1分、R=6回、W=レベル1)で、計測用CPU3からの計測データを無線送信する。
【0033】
電池6の電池電圧Vが低下し、V1≧V>V2となると、無線通信実行条件決定部9は、メモリM2中の無線通信実行条件テーブルTB2より能力範囲S2に対応する通信周期T2=2分,リトライ回数R=4回,送信電力=レベル2を読み出し、この読み出した通信周期T2=2分,リトライ回数R=4回,送信電力=レベル2を送信用CPU4が計測データを無線送信する際に使用する実際の通信周期T2,リトライ回数R,送信電力Wとして決定し、メモリM2中の条件設定部J2に設定する。これにより、送信用CPU4は、条件設定部J2に設定されている通信周期T2,リトライ回数R,送信電力W(T2=1分、R=4回、W=レベル2)で、計測用CPU3からの計測データを無線送信する。
【0034】
以下、同様にして、無線通信実行条件決定部9は、電池6の電池電圧Vを監視し、V2≧V>V3となると能力範囲S3に対応する通信周期T2=3分,リトライ回数R=2回,送信電力=レベル3を無線通信実行条件テーブルTB2より読み出して条件設定部J2に設定し、V3≧V>V4となると能力範囲S4に対応する通信周期T2=4分,リトライ回数R=0回,送信電力=レベル4を無線通信実行条件テーブルTB2より読み出して条件設定部J2に設定する。これにより、電池6の電池電圧Vが低下するにつれ、送信用CPU4から計測データを無線送信する際の通信周期T2が長くなり、リトライ回数Rが少なくなり、送信電力Wが小さくなり、電池6の寿命が延びるものとなる。
【0035】
そして、電池6の電池電圧Vが低下し、V4≧Vとなると、無線通信実行条件決定部9は、メモリM2中の無線通信実行条件テーブルTB2よりを無線通信を禁止することを示す情報を読み出し、その情報をメモリM2中の条件設定部J2に設定する。これにより、CPU3は、以降の計測データの無線送信を停止する。
【0036】
なお、上述した実施の形態では、現在の電池電圧Vに応じて計測実行条件と無線通信実行条件との両方を変化させるようにしたが、計測実行条件は変化させずに、無線通信実行条件のみを変化させるようにしてもよい。この場合、計測周期T1で作成される計測データを蓄積しておき、その蓄積された計測データを次回の通信周期T2でまとめて送信するようにすれば、送信される計測データの欠落がなくなる。
【0037】
また、現在の電池電圧Vに応じて無線通信実行条件を先に変化させ、無線通信実行条件だけでは対処できないと判断した時点から計測実行条件を変化させるようにしてもよい。また、無線通信実行条件は変化させずに、計測実行条件のみを変化させるようにしてもよい。また、無線通信実行条件として、必ずしも通信周期T2とリトライ回数Rと送信電力Wとを組合せなくてもよく、通信周期T2、リトライ回数R、送信電力Wを単独で変化させるようにしてもよい。また、計測実行条件テーブルTB1と無線通信実行条件テーブルTB2において、その能力範囲S1〜S5は必ずしも同じとしなくてもよい。
【0038】
また、本実施の形態では、CPUを計測用CPU3と送信用CPU4とに分けたが、計測用CPU3と送信用CPU4とを1つのCPUとしてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0039】
本発明は、空調制御用の室内型温度センサや室内型湿度センサ、配管挿入型温度センサや配管挿入型湿度センサ、ダクト挿入型温度センサやダクト挿入型湿度センサなど、計測データを無線で送信する電池を内蔵したあらゆる無線センサに適用することが可能である。
【符号の説明】
【0040】
1…計測素子(センサ)、2…A/D変換器、3…計測用CPU、4…送信用CPU、5…RF回路、6…電池、7…電池能力検出部、8…計測実行条件決定部、9…無線通信条件決定部、TB1…計測実行条件テーブル、TB2…無線通信条件テーブル、J1,J2…条件設定部、M1,M2…メモリ、100…無線センサ。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
センサと、このセンサの出力から計測データを作成する計測部と、この計測部が作成した計測データを無線送信する無線通信部とを備え、電池によって駆動される無線センサにおいて、
前記電池の現在の能力を検出する電池能力検出手段と、
前記電池の能力の変動範囲を段階的に区分して定められた各能力範囲と前記計測部が計測データを作成する際に使用する計測実行条件との対応を示す計測実行条件テーブルを記憶する計測実行条件記憶手段と、
前記計測実行条件テーブルより前記電池能力検出手段によって検出された前記電池の現在の能力が属する能力範囲に対応する計測実行条件を読み出し、この読み出した計測実行条件を前記計測部において使用する実際の計測実行条件として決定する計測実行条件決定手段と
を備えることを特徴とする無線センサ。
【請求項2】
センサと、このセンサの出力から計測データを作成する計測部と、この計測部が作成した計測データを無線送信する無線通信部とを備え、電池によって駆動される無線センサにおいて、
前記電池の現在の能力を検出する電池能力検出手段と、
前記電池の能力の変動範囲を段階的に区分して定められた各能力範囲と前記無線通信部が計測データを無線送信する際に使用する無線通信実行条件との対応を示す無線通信実行条件テーブルを記憶する無線通信実行条件記憶手段と、
前記無線通信実行条件テーブルより前記電池能力検出手段によって検出された前記電池の現在の能力が属する能力範囲に対応する無線通信実行条件を読み出し、この読み出した無線通信実行条件を前記無線通信部において使用する実際の無線通信実行条件として決定する無線通信実行条件決定手段と
を備えることを特徴とする無線センサ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2010−239517(P2010−239517A)
【公開日】平成22年10月21日(2010.10.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−86982(P2009−86982)
【出願日】平成21年3月31日(2009.3.31)
【出願人】(000006666)株式会社山武 (1,808)
【Fターム(参考)】