説明

無線ユニット及びこの無線ユニットを備えた移動通信端末装置

【課題】利用可能な基地局を識別しつつ消費電力をさらに低減できるようにする。
【解決手段】実施形態の無線ユニットは、基地局から送信される当該基地局の識別情報を受信する第1の無線モジュールと、この第1の無線モジュールより少ない消費電力により動作し上記基地局から送信される標識信号を受信する第2の無線モジュールと、制御モジュールとを具備する。第2の無線モジュールでは、受信電力が閾値以上の標識信号の有無が判定され、この閾値以上の標識信号を表す情報を含む標識検出情報が上記制御モジュールへ出力される。制御モジュールでは、第2の無線モジュールから出力された標識検出情報に新規の標識信号を表す情報が含まれている場合に第1の無線モジュールを一定期間動作させ、この動作期間に第1の無線モジュールにより受信された基地局の識別情報と、第2の無線モジュールで検出された標識信号を表す情報とを対応付ける処理が行われる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明の実施形態は、ネットワークに収容される基地局との間で無線通信を行う無線ユニットと、この無線ユニットを備えた移動通信端末装置に関する。
【背景技術】
【0002】
移動通信端末装置に搭載される無線ユニットにおいては、基地局が形成するサービスエリアを検知するために、周辺の基地局をサーチするいわゆるエリアサーチ処理が行われる。このエリアサーチ処理は、待ち受け状態において常時又は間欠的に行う必要があるため、その消費電力を如何に低減するかが重要な課題となっている。
【0003】
そこで、無線装置に超省電力受信機を設け、待ち受け状態においてこの超省電力受信機のみを動作させ、他の無線装置から送信される無線信号をこの超省電力受信機が受信した場合に、無線装置の主たる送受信機を動作させて通信を開始する技術が提案されている(例えば特許文献1を参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2010−88101号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところが、超省電力受信機は基地局が送信する無線信号を単に受信する機能しか有しておらず、当該無線信号を送信した基地局がどの基地局なのかを識別することはできない。このため、無線信号が受信されるごとに主たる送受信機を動作させ、当該基地局が送信している識別情報を受信して送信元の基地局を識別する必要がある。したがって、依然として無線装置全体の消費電力は大きく、さらなる低消費電力化が要望されている。
【0006】
この発明は上記事情に着目してなされたもので、その目的とするところは、利用可能な基地局を識別しつつ消費電力をさらに低減できるようにした無線ユニットとこの無線ユニットを備えた移動通信端末装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
実施形態によれば、予め決められた範囲にサービスエリアを形成する基地局との間で無線通信を行う無線ユニットにおいて、前記基地局から送信される当該基地局の識別情報を受信する第1の無線モジュールと、前記第1の無線モジュールより少ない消費電力により動作し前記基地局から送信される標識信号を受信する第2の無線モジュールと、前記第1及び第2の無線モジュールと接続される制御モジュールとを具備する。前記第2の無線モジュールは、前記標識信号の受信電力を検出しこの検出された受信電力が予め設定された閾値以上か否かを判定する判定手段と、前記受信電力が閾値以上と判定された標識信号が検出された場合に当該検出された標識信号を表す情報を含む標識検出情報を前記制御モジュールへ出力する出力手段とを備える。また前記制御モジュールは、前記第2の無線モジュールから出力された標識検出情報を受信する手段と、前記受信された標識検出情報に新規の標識信号を表す情報が含まれている場合に前記第1の無線モジュールを一定期間動作させる手段と、前記動作期間中に前記第1の無線モジュールにより受信された制御データに含まれる識別情報を当該第1の無線モジュールから受け取る手段と、前記受け取った識別情報と、前記受信された標識検出情報に含まれる標識信号を表す情報とを対応付け、その対応関係を表す情報を記憶する対応付け処理手段とを備える。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】第1の実施形態に係る移動通信端末装置が利用する移動通信システムの概略構成図。
【図2】第1の実施形態に係る移動通信端末装置の構成を示すブロック図。
【図3】図2に示した装置の低消費電力無線モジュール及び無線モジュールによるエリアサーチ処理の手順と処理内容を示すフローチャート。
【図4】図2に示す低消費電力無線モジュールによるビーコンサーチ処理の処理内容を説明するための図。
【図5】図4に示したビーコンサーチ処理により得られるサーチ結果の情報と、新規ビーコン及び消失ビーコンの検知動作を説明するための図。
【図6】図2に示す無線モジュールによるSSIDのサーチ結果リストを示す図。
【図7】ビーコンサーチ結果とSSIDサーチ結果とを対応付けたリストの第1の例を示す図。
【図8】ビーコンサーチ結果とSSIDサーチ結果とを対応付けたリストの第2の例を示す図。
【図9】ビーコンサーチ結果とSSIDサーチ結果とを対応付けたリストの第3の例を示す図。
【図10】ビーコンサーチ結果とSSIDサーチ結果とを対応付けたリストの第4の例を示す図。
【図11】ビーコンサーチ結果とSSIDサーチ結果とを対応付けたリストの第5の例を示す図。
【図12】第2の実施形態に係る移動通信端末装置の概略構成図。
【図13】図12に示した移動通信端末装置によるビーコンサーチ及びSSID取得期間を表すタイミング図。
【図14】第3の実施形態に係る移動通信端末装置の概略構成図。
【図15】第4の実施形態に係る移動通信端末装置の概略構成図。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、図面を参照して実施形態を説明する。
[第1の実施形態]
図1は、第1の実施形態に係る移動通信端末装置が利用する移動通信システムを示すもので、ここでは無線LAN(Local Area Network)を例示している。
無線LANは、サービスエリアに複数の基地局(以後アクセスポイントと呼称する)AP1〜APnを分散配置し、これらのアクセスポイントAP1〜APnによりそれぞれサービスエリアを形成する。移動通信端末装置MSは、これらのアクセスポイントAP1〜APnのサービスエリアをサーチし、このサーチ結果をもとに通信可能なアクセスポイントを選択して当該アクセスポイントとの間で無線通信を行う。なお、移動通信システムとしては、無線LANに限定されるものではなく、Bluetooth(登録商標)やWiMAX(登録商標)等のように同様の無線通信方式を採用する他のシステムであってもよい。
【0010】
図2は、上記移動通信端末装置MSの構成を示すブロック図である。この移動通信端末装置MSは、無線モジュール群1と、低消費電力無線モジュール2と、携帯端末本体3とから構成される。
【0011】
移動通信端末装本体3は、例えば携帯電話機やスマートホン、PDA(Personal Digital Assistant)、電子書籍端末、携帯可能なノート型のパーソナル・コンピュータからなり、ホストCPU(Central Processing Unit)としての機能を有する主制御ユニット30と、この主制御ユニット30に対し図示しない表示インタフェースを介して接続される表示部31を備えている。表示部31は、例えば液晶表示器(LCD:Liquid Crystal Display)又は有機EL表示器を用いた表示デバイスを有する。
【0012】
無線モジュール群1は、複数の無線モジュール11〜1nと、制御回路10とを備える。無線モジュール11〜1nは、例えば無線LAN用のモジュール、Bluetooth用のモジュール、WiMAX用のモジュールであり、それぞれが無線モジュール回路111〜11nと、高精度基準周波数発生回路121〜12nと、電源回路131〜13nと、電源スイッチ141〜14nと、アンテナ151〜15nを備えている。
【0013】
電源回路131〜13nは無線モジュール回路111から11nが動作するために必要な電力を生成し、この生成された電力を電源スイッチ141〜14nを介して無線モジュール回路111〜11nに供給する。電源スイッチ141〜14nは、制御回路10から出力される電源オン/オフ制御信号によりオン/オフ動作する。
【0014】
上記無線モジュール11〜1nのうち、無線LAN用のモジュール11は以下のように構成される。すなわち、無線LANモジュール11はWiFi(登録商標)モジュールと呼ばれ、その無線モジュール回路111は上記電源回路131から電力が供給されている期間に送受信動作を行う。そして、アクセスポイントAP1〜APnが送信する当該アクセスポイントの識別情報(SSID)をアンテナ151を介して受信し、この受信したSSIDをもとに接続可能な基地局を選択して、この選択した基地局との間で無線LAN通信を行う。高精度基準周波数発生回路121は、上記無線モジュール回路111の送受信動作に必要な同期クロックを生成して無線モジュール回路111に供給する。
【0015】
低消費電力無線モジュール2は、上記無線モジュール11〜1nと比較して消費電力が低くなるように構成されたエコチップ(Eco Chip)と呼ばれ、アクセスポイントAP1〜APnが標識信号として送信しているビーコンを検出するために用いられる。
【0016】
低消費電力無線モジュール2は、低消費電力無線モジュール回路21と、基準周波数発生回路22と、電源回路23と、アンテナ25と、アンテナスイッチ26を備えている。電源回路23は、低消費電力無線モジュール回路21の受信動作に必要な電力を生成し低消費電力無線モジュール回路21に供給する。基準周波数発生回路22は、低消費電力無線モジュール回路21の受信動作に必要な基準クロック(例えば32.768KHz)を生成し低消費電力無線モジュール回路21に供給する。
【0017】
低消費電力無線モジュール回路21は、アナログ処理部とディジタル処理部24とを有する。アナログ処理部は、RF信号受信部211と、ダウンコンバータ212と、ベースバンド増幅回路及びコンパレータ213とを有する。RF信号受信部211は、アンテナ25により受信された無線信号を低雑音増幅したのち所望の帯域のみを通過させる。ダウンコンバータ212は、上記RF信号受信部211から出力された無線信号の周波数をベースバンド周波数に周波数変換することにより包絡線検波されたベースバンド信号を出力する。ベースバンド増幅回路及びコンパレータ213は、上記包絡線検波されたベースバンド信号の信号レベルを自動利得制御増幅器により調整したのち、複数のコンパレータによりそれぞれ異なる参照電圧と比較して信号レベルを判定する。
【0018】
ディジタル処理部24は、信号識別部241と、記憶部242と、制御信号出力部243を有する。信号識別部241は、以下の処理機能を有している。
(1) 上記ベースバンド増幅回路及びコンパレータ213から信号レベルの判定結果を表す信号を取り込み、この信号をアクセスポイントAP1〜APnのビーコン送信周期に応じて設定した時間長(例えば102.4msec)を有するサーチウィンドウごとに区切って記憶部242に記憶させる処理。
このとき記憶部242は、上記サーチウィンドウの時間長(例えば102.4msec)に対応する数のポジション(例えば512個)を有するレジスタを複数個有し、上記信号識別部241によりサーチウィンドウごとに区切られた信号をそれぞれレジスタに記憶する。
【0019】
(2) 上記複数のレジスタに記憶された信号をそれぞれ読み出し、同一のポジション同士で累積加算し、この累積加算データを記憶部242内の累積メモリに記憶させる。そして、この累積加算データの信号値を予め設定された閾値と比較し、この閾値を超える受信信号レベルを有するビーコンを検出してその検出データをサーチ結果リストとして記憶部242内のサーチ結果リストメモリに記憶させる処理。
【0020】
制御信号出力部243は、上記信号識別部241により受信信号レベルの累積加算値が閾値以上のビーコンが検出された場合に、その判定結果を表す情報を、サーチ結果リスト及び受信信号レベル(受信電力値)を表すデータと共に無線モジュール群1の制御回路10へ送る。
【0021】
ところで、制御回路10は例えばマイクロコンピュータにより構成され、次の制御機能を有している。
(1) 上記低消費電力無線モジュール2から判定結果を表す情報が送られるごとに、この判定結果情報と同時に送られるサーチ結果リスト及び受信信号レベル(受信電力値)を表すデータを制御回路内部のメモリに順次記憶する処理。
【0022】
(2) 上記内部メモリに最新のサーチ結果リストが記憶されると、当該最新のサーチ結果リストをメモリに記憶されている過去のサーチ結果リストと比較し、これにより上記最新のサーチ結果リストについて、新規ビーコンの検出情報が含まれているか、ビーコンが消失したか、検出中のビーコンに変化がないかを判定する処理。
【0023】
(3) 上記判定処理によりビーコンが検出された場合に、無線モジュール回路111に対し電源回路131から電源電圧を供給して当該無線モジュール回路111を動作状態に設定する。そして、この動作期間に無線モジュール回路111において受信されたアクセスポイントのSSIDを当該無線モジュール回路111から受け取り、この受け取り終了後に当該無線モジュール回路111への電源供給を遮断して当該無線モジュール回路111を動作停止状態に復旧させる処理。
【0024】
(4) 上記取得したアクセスポイントのSSIDと、先に低消費電力無線モジュール2から受け取ったサーチ結果リストに含まれるビーコンの検出情報とを対応付け、このSSIDとビーコンの検出情報との対応関係を表す情報を制御回路10内部のメモリに記憶する処理。
【0025】
(5) 上記内部メモリに記憶された、SSIDとビーコンの検出情報との対応関係を表す情報に基づいて利用可能なアクセスポイントの有無を判定し、利用可能なアクセスポイントがある場合にはその旨の通知情報を生成して携帯端末本体3の主制御ユニット30へ出力する処理。
【0026】
(6) 上記無線モジュール回路111が、例えばアクセスポイントAP1〜APnに対しSSIDの送信を要求するための信号を送信する場合に、その送信期間において低消費電力無線モジュール2のアンテナスイッチ26をオフに設定し、これにより上記無線モジュール回路111が送信した無線信号が低消費電力無線モジュール2の低消費電力無線モジュール回路21に入力されないようにする処理。
【0027】
次に、以上のように構成された移動通信端末装置MSの動作を説明する。
なお、ここでは低消費電力無線モジュール2と無線LAN用の無線モジュール11を用いて、無線LANのアクセスポイントAP1〜APnと通信を行う場合を例にとって説明する。図3は、このときの低消費電力無線モジュール2及び制御回路10の処理手順と処理内容を示すフローチャートである。
【0028】
(1)低消費電力無線モジュール2によるビーコンサーチ処理
低消費電力無線モジュール2の低消費電力無線モジュール回路21は、例えば制御回路10の制御の下でビーコンの間欠受信動作を行う。すなわち、ステップS11においてビーコンのサーチ開始時刻になったか否かを監視し、サーチ開始時刻になるとステップS12により以下のようにビーコンサーチ処理を実行する。
【0029】
すなわち、ディジタル処理部24の信号識別部241は、アクセスポイントAP1〜APnのビーコン送信周期(102.4msec)をサーチウィンドウとして、ベースバンド増幅回路及びコンパレータ213から出力される受信ベースバンド信号から、ビーコンである可能性の高い信号の受信タイミングを検出する。
【0030】
具体的には、例えば図4に示すようにサーチ幅102.4msec(アクセスポイントのビーコン送信周期)のサーチウィンドウを1つの受信プロファイルとし、複数の受信プロファイル(a)〜(c)を記憶部242内のレジスタに順に格納したのち、これらの受信プロファイルを同じタイミングで受信した信号同士で順次加算して受信プロファイルの累積加算データ(d)を得る。この信号処理は時間フィルタの役割を果たす。このため、CSMD/CA(Carrier Sense Multiple Access/Collision Avoidance)方式を採用している場合でも、アクセスポイントAP1〜APnが送信タイミングを変更しないと仮定すれば、サーチウィンドウと同一周期で送信されるビーコンだけが同一時間位置に出現するため、累積加算データが得られる。
【0031】
これに対し、ランダムに発生する干渉波は、ビーコンに比べて相対的に抑制される。また、周期性が無くバースト的に発生するトラフィックデータは、バースト性を有することにより、サーチウィンドウと同一周期で存在する可能性は低く、ビーコンのように大きな累積加算値となることはない。
【0032】
なお、図4に示したように、複数の受信プロファイルを加算することでビーコンを際だたせる手法以外にも、連続するサーチウィンドウ間で相関を取ることによりビーコンを際だたせる手法もある。これは、時間的に連続する受信プロファイルの同じタイミングの受信ベースバンド信号について論理積を求める、つまり実質的に累積するものである。このようにすることで、Hレベル信号が同じタイミングで連続する信号、すなわちビーコンである可能性の高い信号だけを得ることができる。
【0033】
続いて信号識別部241は、ステップS13において、上記累積加算データを予め設定した閾値と比較することによりサーチウィンドウの中からビーコンを検出する。例えば、いま累積加算データが図5(a)に示すものだったとすると、この累積加算データの中から閾値Th=8を超える信号をビーコンとして検出する。そして、この検出結果を示すデータを図5(b)に示すような現在のサーチ結果リストL2として記憶部242内のメモリに格納する。
【0034】
なお、上記閾値Thは、無線LAN信号のサンプル数(累積加算数)に応じて可変設定するようにしてもよい。また上記閾値Thは、ビーコンの受信タイミングがずれることによる影響を考慮して決めてもよい。つまり、受信タイミングのずれが頻発するような高トラヒックの環境では閾値Thを小さく設定し、そうでない場合は閾値Thを相対的に大きく設定する。
【0035】
次に制御信号出力部243は、上記記憶部242に格納された現在のサーチ結果リストL2をもとに、ビーコンが検出されたか否かをステップS14により判定する。そして、ビーコンが少なくとも一つ検出された場合には、ステップS15により、当該ビーコンが検出されたことを示す情報を、上記現在のサーチ結果リストL2と、当該リストを得る元になった累積加算データと共に、無線モジュール群1の制御回路10へ送る。
【0036】
(2)検出されたビーコンの種類の判定処理
制御回路10は、ステップS16において上記判定結果の到来を監視している。この状態で、上記低消費電力無線モジュール2から判定結果を表す情報が送られると、ステップS17において、当該判定結果を表す情報と共に送られるサーチ結果リストL2及び受信信号レベル(受信電力値)を表す累積加算データを受信し、これらを制御回路10内部のメモリに格納する。
【0037】
次に制御回路10は、ステップS18,S25において、上記新たに受信した現在のサーチ結果リストL2を前回受信し記憶した過去のサーチ結果リストL1と比較し、これにより現在のサーチ結果リストL2について新規ビーコンの有無と消失ビーコンの有無を判定する。例えば、図5(b),(c)に示すように過去のサーチ結果リストL1に存在しなかったビーコンが現在のサーチ結果リストL2に存在する場合には、これを図5(d)に示すように新規ビーコンと判定する。一方、図5(b),(c)に示すように過去のサーチ結果リストL1に存在したビーコンが現在のサーチ結果リストL2から消失している場合には、これを図5(e)に示すように消失ビーコンと判定する。
【0038】
(3)SSIDのサーチ処理
現在のサーチ結果リストL2に新規ビーコンが存在すると判定されると、制御回路10はステップS19により無線モジュール11を起動する。この無線モジュール11の起動処理は、電源オン制御信号を出力して電源スイッチ141をオンとし、これにより電源回路131から無線モジュール回路111へ動作電力を供給することによりなされる。
【0039】
無線モジュール回路111が受信動作状態になると、アクセスポイントAP1〜APnから送信される制御データがアンテナ151を介して受信され、当該制御データからSSIDが検出される。そして、この検出されたSSIDはステップS20において制御回路10に取り込まれ、制御回路10内のSSIDサーチ結果用のメモリに格納される。
【0040】
このSSIDのサーチ処理は、低消費電力無線モジュール2の基準周波数発生回路22から発生される基準クロック(32. 768KHz)に同期して、1ビーコン送信期間(102.4msec)に渡り行われる。したがって、先に低消費電力無線モジュール2により得られたビーコンのサーチ結果リストL2に対し、サーチ開始タイミングとサンプリングタイミングが同期したSSIDのサーチ結果リストが得られる。このSSIDのサーチ結果リストは、制御回路10内に設けられたレジスタに格納される。このレジスタも低消費電力無線モジュール2の記憶部242内に設けられたレジスタと同様に512個のポジションを有する。図6は、このようにして得られたSSIDのサーチ結果リストの一例を示すもので、同図においてa,b,c,d,eはアクセスポイントAP1〜APeのSSID名を表す。
【0041】
上記1ビーコン送信期間(102.4msec)に渡るSSIDサーチ結果が得られると、制御回路10はステップS21により無線モジュール11の動作を停止させる。この動作停止処理は、電源オフ制御信号を出力して電源スイッチ141をオフとし、これにより電源回路131から無線モジュール回路111へ動作電力の供給を遮断することにより行われる。
【0042】
(4)ビーコン検出結果とSSID検出結果との対応付け処理
次に制御回路10は、ステップS22において、上記SSIDサーチ結果と、先に低消費電力無線モジュール2により得られたビーコンのサーチ結果とを対応付けるための処理を行う。この対応付け処理には以下のような幾つかの実施例が考えられる。
【0043】
(実施例1)
実施例1は、SSIDのサーチ結果とビーコンのサーチ結果とを、その受信時刻に基づいて対応付けるものである。
低消費電力無線モジュール2により得られたビーコンのサーチ結果リストL2は、サンプルタイミングをそのままレジスタのポジションに対応付けてリスト化したものであるため、当該ビーコンのサーチ結果リストL2に記載された閾値判定結果はそのまま受信タイミングに対応している。一方、SSIDのサーチ結果リストも、サンプルタイミングをそのままレジスタのポジションに対応付けてリスト化したものであるため、当該SSIDのサーチ結果リストに記載されたSSID名はそのまま受信タイミングに対応している。したがって、制御回路10は上記ビーコンのサーチ結果リストL2と上記SSIDのサーチ結果リストとをポジションが同一のもの同士で対応付ける。
【0044】
例えば、いま現在のサーチ結果リストL2が図5(b)に示すものだったとし、かつSSIDのサーチ結果リストが図6に示すものだったとする。この場合は、これらのリストを図7に示すようにそのまま対応するポジション同士で対応付けする。したがってこの場合には、サーチウィンドウ内で時刻t1 ,t3 ,t8 ,t9 ,t10において受信検出されたビーコンの検出データ「1」には、それぞれSSIDサーチ結果リストのa,b,c,d,eが対応付けられる。
この実施例1によれば、ビーコンの検出結果とSSIDの検出結果とがその受信時刻をもとに対応付けられるので、正確な対応付け処理が可能となる。
【0045】
(実施例2)
実施例2は、SSIDのサーチ結果とビーコンのサーチ結果とを、ビーコンの受信レベル(受信電力)に基づいて対応付けるものである。
すなわち、低消費電力無線モジュール2により得られたビーコンの累積加算データはビーコンの受信レベルを表している。そこで、閾値Th=8を超える累積加算値に対しSSIDサーチ結果リストのSSID名を順に対応付ける。例えば、いまビーコンの累積加算データが図5(a)に示すものだったとし、SSIDのサーチ結果リストが図6に示すものだったとする。この場合は、SSIDサーチ結果リストのSSID名を図8に示すように累積加算値が閾値Th=8を超える累積加算値に対し順に対応付ける。したがってこの場合には、サーチウィンドウ内において累積加算値が閾値Th=8を超えるビーコンの検出データ「10」に対し、SSIDサーチ結果リストのa,b,c,d,eが順に対応付けられる。
この実施例2によれば、低消費電力無線モジュール2の信号識別部241においてビーコンのサーチ結果リストを生成する必要がなくなり、その分信号識別部241の処理負荷を軽減すると共に記憶部242内のレジスタ数を減らすことが可能となる。
【0046】
(実施例3)
実施例3は、SSIDのサーチ結果とビーコンのサーチ結果とを、その受信順序に基づいて対応付けるものである。
この処理は例えば以下のように実現される。すなわち、低消費電力無線モジュール2において、ビーコンのサーチ結果リストL2中の「1」を単に受信順に並べたリストを生成し、この受信順序リストを制御回路10に送る。制御回路10では、サーチ期間に検出されたSSIDをその受信順に並べたSSIDの受信順序リストを生成し、この受信順序リストのSSID名を上記ビーコンの受信順序を表す情報に対応付ける。例えば、図9に示すようにビーコンの受信順序を表すT1,T2,T3,…に対応付けて、SSID名a,b,c,d,eをその受信順に対応付ける。
この実施例3によれば、制御回路10ではビーコンのサーチ結果及びSSIDのサーチ結果をその受信順序のみで管理すればよいことになる。このため、レジスタのポジション数を減らしてその分記憶部の構成を小型化することができる。
【0047】
(実施例4)
実施例4は、SSIDのサーチ結果とビーコンのサーチ結果とを、その受信時刻と受信レベルに基づいて対応付けるものである。
図10はその対応付けの結果の一例を示すものである。同図に示すように、ビーコンのサーチ結果データには受信時刻が対応するもの同士で、累積加算結果と、SSIDのサーチにより得られたSSID名が対応付けられる。このような対応付けリストを用いると、後述するアクセスポイント情報表示処理において移動通信端末本体3に利用可能なアクセスポイントに関する情報を表示する際に、当該利用可能なアクセスポイント名と、当該アクセスポイントからの無線信号の受信品質を表示することが可能となる。
【0048】
(実施例5)
実施例5は、SSIDのサーチ結果とビーコンのサーチ結果とを、その受信順序と受信レベルに基づいて対応付けるものである。
図11はその対応付けの結果の一例を示すものである。同図に示すように、ビーコンの受信順序を表すT1,T2,T3,…に対応付けて、当該ビーコンの累計加算結果とSSID名a,b,c,d,eをその受信順に対応付ける。このようにすると、当該対応付け結果を表すデータをもとにアクセスポイントからの無線受信品質を表示することができ、さらにレジスタのポジション数を減らしてその分記憶部の小型化することができる。
【0049】
(5)ビーコンの消失に対する処理
ステップS19により、現在のサーチ結果リストL2からビーコンが消失したと判定されると、制御回路10はステップS26において、過去のサーチ結果リストとSSID名とを対応付けたリストをもとに、現在のサーチ結果リストから消失したアクセスポイントを判別する。そして、ステップS22において、上記消失ビーコンの判別結果をもとに上記過去のサーチ結果リストとSSID名とを対応付けたリストを修正する。
【0050】
なお、上記ステップS18及びステップS25において新規ビーコン及び消失ビーコンのいずれも検出されなかった場合には、ビーコンのサーチ結果リストには変化がないと判断し、そのままステップS23に移行する。
【0051】
(6)アクセスポイント情報の表示処理
制御回路10は、ステップS23において、利用可能なアクセスポイントに関する情報の表示処理を以下のように実行する。
すなわち、上記ステップS22において新たに作成又は修正された対応付けリストを参照して、現時点で利用可能なアクセスポイントの有無を判定する。そして、利用可能なアクセスポイントがある場合には、ステップS24において当該利用可能なアクセスポイントを表す情報を表示するための通知データを生成し、この生成された通知データを移動通信端末本体3の主制御ユニット30へ送る。
【0052】
移動通信端末本体3では、主制御ユニット30の制御の下で、上記通知データにより表される利用可能なアクセスポイントを表す情報が表示デバイス31に表示される。このとき、前記対応付け処理の実施例4又は実施例5で述べたように、対応付けリストにビーコンの受信レベルを表す情報(累積加算結果)が含まれている場合には、利用可能なアクセスポイントを表す情報に加えて、当該アクセスポイントからの無線受信品質を表す情報も表示される。
【0053】
なお、移動通信端末本体3は、利用可能なアクセスポイントからのビーコンを受信できない場合に、利用可能なアクセスポイントがないことを示す情報を表示デバイス31に表示しても良い。つまり、例えばS25においてビーコンの消失が検出され、当該消失ビーコンが利用可能な基地局からのビーコンであった場合には、移動通信端末本体3は、利用可能な基地局からのビーコンが消失した旨を示す情報を表示する等により通知しても良い。
【0054】
以上詳述したように第1の実施形態によれば、制御回路10において、低消費電力無線モジュール2で検出されたビーコンのサーチ結果と、無線モジュール11より検出されたSSIDのサーチ結果とが、その受信時刻、受信レベル及び受信順序の少なくとも一つに従い相互に対応付けられて記憶される。したがって、この対応付けリストを参照することで、新規ビーコンが検出された場合以外は無線モジュール11を起動することなく、その時点で利用可能なアクセスポイントに関する情報を移動通信端末本体3の表示デバイス31に表示させることができる。
【0055】
すなわち、低消費電力無線モジュール2を間欠的に動作させるだけで、消費電力の大きい無線モジュール11を必要時以外動作させずに、利用可能なアクセスポイントに関する情報を保持することができ、これにより消費電力が少なくかつアクセスポイントを利用する上で必要な情報をユーザに常に提示することが可能な移動通信端末装置を提供することができる。
【0056】
また、一般に低消費電力無線モジュール回路21に設けられるダウンコンバータ212は時定数が長く、一旦飽和すると初期状態に復帰するまでに長い時間がかかる。このため、無線送信直後に低消費電力無線モジュール2においてビーコンサーチを行おうとすると、そのサーチ動作に悪影響が及ぶことがある。しかしながら、第1の実施形態では、無線モジュール11〜1nの送信期間に低消費電力無線モジュール2においてアンテナ25が低消費電力無線モジュール回路21から切り離される。このため、無線モジュール11〜1nから送信された無線信号によりダウンコンバータ212が飽和する不具合を防止することができ、これにより上記無線送信動作の直後であってもビーコンサーチを正確に行うことが可能となる。なお、上記RF信号受信部211の低雑音増幅器は、所望受信感度によっては不要であり、直接212ダウンコンバータで受信することもできる。
【0057】
[第2の実施形態]
図12は、第2の実施形態に係る移動通信端末装置の無線ユニット部分の構成を示す図である。この実施形態に係る無線ユニットは、無線モジュール11と低消費電力無線モジュール2とが共有する1個のアンテナ4を備え、制御回路10の制御によりアンテナ切替スイッチ5を切り替えることにより、上記無線モジュール11及び低消費電力無線モジュール2のいずれか一方をアンテナ4に接続するように構成したものである。
【0058】
図13は、この第2の実施形態に係る移動通信端末装置の低消費電力無線モジュール2と無線モジュール11の動作期間の一例を示すものである。同図において、低消費電力無線モジュール2によりビーコンサーチを行う期間には、アンテナ切替スイッチ5が低消費電力無線モジュール2に切り替わってビーコンサーチ処理が行われる。そして、このビーコンサーチ処理により新規ビーコンが検出されると、アンテナ切替スイッチ5が無線モジュール11に切り替わり、無線モジュール11によりSSIDのサーチ処理が行われる。以上の動作は制御回路10により制御される。
【0059】
なお、上記ビーコンサーチ期間により得られたビーコンのサーチ結果と、上記SSIDのサーチ期間において得られたSSIDのサーチ結果とを対応付けるための一連の処理については、第1の実施形態において図3に沿って説明した処理と同じである。
このように第2の実施形態であれば、1個のアンテナ4を無線モジュール11と低消費電力無線モジュール2とで共有するタイプの無線モジュールにおいても、ビーコンのサーチ結果とSSIDサーチ結果との対応付け処理が可能である。
【0060】
[第3の実施形態]
図14は、第3の実施形態に係る移動通信端末装置の無線ユニット部分の構成を示す図である。この実施形態に係る無線ユニットは、無線モジュール11と低消費電力無線モジュール2とが共有する1個のアンテナ4を備え、制御回路10の制御の下でアンテナ切替スイッチ6を切り替えることにより上記無線モジュール11及び低消費電力無線モジュール2のいずれか一方をアンテナ4に接続するように構成されている。また、分配器7を備え、上記アンテナ切替スイッチ6によりアンテナ4をこの分配器7に接続することにより、アンテナ4で受信された無線信号を分配器7により無線モジュール11と低消費電力無線モジュール2の両方に分配するように構成されている。なお、上記切替スイッチ6の切替制御は制御回路10により行われる。
【0061】
このような構成であるから、切替スイッチ6を分配器7に切り替えると、アンテナ4により受信された無線信号は分配器7により分岐されて無線モジュール11と低消費電力無線モジュール2の両方に入力される。このため、低消費電力無線モジュール2によるビーコンサーチにおいて新規ビーコンが検出された場合に、制御回路10の制御の下で上記切替スイッチ6を分配器7に切り替えることにより、無線モジュール11によるSSIDのサーチ処理と低消費電力無線モジュール2によるビーコンの再サーチ処理とを同一期間に並行して実行することが可能となる。
この第3の実施形態によれば、同一期間に取得されたビーコンのサーチ結果とSSIDのサーチ結果とを対応付けることができる。
【0062】
[第4の実施形態]
前記第1の実施形態では、無線モジュール群1及び低消費電力無線モジュール2を移動通信端末装置内に設けた場合を例示した。これに対し第4の実施形態は、無線モジュール11、低消費電力無線モジュール2及び制御回路10を備えた無線ユニットを統合無線モジュールとして独立して構成したものである。
【0063】
図14は、この統合無線モジュール9の構成を示すブロック図である。同図に示すように統合無線モジュール9は、無線モジュール11と、低消費電力無線モジュール2と、制御回路10と、アンテナ4と、アンテナ切替スイッチ5と、発光素子8とを備えている。制御回路10は、前記図3に示したように、ビーコンのサーチ結果とSSIDのサーチ結果とを対応付けたデータに基づいて、利用可能なアクセスポイントの有無をステップS23により判定する。そして、利用可能なアクセスポイントがある場合には、ステップS24においてその旨をユーザに提示するための表示信号を生成し、この表示信号を発光素子8へ出力する。発光素子8は例えばLEDからなり、上記表示信号を受信すると点灯する。
したがってこの第4の実施形態によれば、移動通信端末装置を動作させなくても、統合無線モジュール9によりアクセスポイントに関する情報を生成して提示することが可能となる。このため、移動通信端末装置による消費電力をさらに低減することができる。
【0064】
なお、発光素子8として発光色を可変することができる素子を使用し、第1の実施形態の実施例4及び実施例5で述べたように、利用可能なアクセスポイントからのビーコンの受信レベルに応じて上記発光素子8の発光色を異ならせるようにしてもよい。このようにすると、ユーザは利用可能なアクセスポイントの有無だけでなく、当該アクセスポイントの無線受信品質を確認することが可能となる。なお、発光素子8は1個に限らず複数個設け、この複数の発光素子によりアクセスポイントの無線受信品質や利用可能なアクセスポイントの数を表示するようにしてもよい。
なお、ビーコン周期は、典型的な例について述べたものであり、検知対象とする無線システムによっては、異なる報知情報周期の場合であっても、同様に適用することができる。
【0065】
[その他の実施形態]
以上、いくつかの実施形態、実施例及び変形例を説明したが、これらの実施形態、実施例及び変形例はいずれも例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態、実施例及び変形例は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態、実施例及び変形例は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0066】
1…無線モジュール群、2…低消費電力無線モジュール、3…移動通信端末本体、4…共有アンテナ、5,6…アンテナ切替スイッチ、7…分配器、8…発光素子、9…統合無線モジュール、10…制御回路、11〜1n…無線モジュール、21…低消費電力無線モジュール回路、24…ディジタル信号処理部、25…低消費電力無線モジュール用のアンテナ、26…アンテナスイッチ、151〜15n…無線モジュール用のアンテナ。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
予め決められた範囲にサービスエリアを形成する基地局との間で無線通信を行う無線ユニットにおいて、
前記基地局から送信される当該基地局の識別情報を受信する第1の無線モジュールと、
前記第1の無線モジュールより少ない消費電力により動作し、前記基地局から送信される標識信号を受信する第2の無線モジュールと、
前記第1及び第2の無線モジュールと接続される制御モジュールと
を具備し、
前記第2の無線モジュールは、
前記標識信号の受信電力を検出し、この検出された受信電力が予め設定された閾値以上か否かを判定する判定手段と、
前記受信電力が閾値以上と判定された標識信号が検出された場合に、当該検出された標識信号を表す情報を含む標識検出情報を前記制御モジュールへ出力する出力手段と
を備え、
前記制御モジュールは、
前記第2の無線モジュールから出力された標識検出情報を受け取る手段と、
前記受け取った標識検出情報に新規の標識信号を表す情報が含まれている場合に、前記第1の無線モジュールを一定期間動作させる手段と、
前記動作期間中に前記第1の無線モジュールにより受信された識別情報を、当該第1の無線モジュールから受け取る手段と、
前記受け取った識別情報と、前記受け取った標識検出情報に含まれる標識信号を表す情報とを対応付け、その対応関係を表す情報を記憶する対応付け処理手段と
を備える無線ユニット。
【請求項2】
前記第2の無線モジュールの出力手段は、前記検出された標識信号を表す情報として、当該標識信号の受信電力値、受信タイミング及び受信順序のうち少なくとも一つを表す情報を標識検出情報に含めて前記制御モジュールへ出力し、
前記制御モジュールの対応付け処理手段は、前記受け取った識別情報と前記検出された標識信号を表す情報とを、当該標識信号の受信電力値、受信タイミング及び受信順序のうち少なくとも一つを表す情報に基づいて対応付けるものである請求項1記載の無線ユニット。
【請求項3】
前記制御モジュールは、
前記記憶された対応関係を表す情報に基づいて前記基地局の利用の可否を判定する手段と、
前記基地局の利用の可否の判定結果を表す情報を表示する表示手段と
を、さらに備える請求項1記載の無線ユニット。
【請求項4】
前記制御モジュールに移動通信端末装置が接続される場合に、
前記制御モジュールは、前記記憶された対応関係を表す情報に基づいて前記基地局の利用の可否を判定し、その判定結果を表す通知情報を前記移動通信端末装置へ出力する手段を、さらに備える請求項1記載の無線ユニット。
【請求項5】
アンテナと、前記第1及び第2の無線モジュールのいずれか一方を前記アンテナに接続する切替回路とをさらに具備し、
前記制御モジュールは、前記第1の無線モジュールの動作期間中に当該第1の無線モジュールを前記アンテナに接続し、その他の期間に前記第2の無線モジュールを前記アンテナに接続するべく前記切替回路を切替制御する手段と
を、さらに備える請求項1記載の無線ユニット。
【請求項6】
アンテナと、このアンテナにより受信された無線信号を前記第1及び第2の無線モジュールに分配する分配回路とをさらに具備し、
前記制御モジュールの対応付け処理手段は、前記第1の無線モジュールの動作期間中に当該第1の無線モジュールにより受信された識別情報と、前記第1の無線モジュールの動作期間と同一期間に前記第2の無線モジュールにより検出された標識信号を表す情報とを対応付ける請求項1記載の無線ユニット。
【請求項7】
前記制御モジュールは、
信号の送信を要求する無線信号を前記第1の無線モジュールから前記基地局に向けて送信させる手段と、
前記信号の送信を要求する無線信号に応答して前記基地局から送信され前記第1の無線モジュールにより受信された識別情報と、前記信号の送信を要求する無線信号に応答して前記基地局から送信され前記第2の無線モジュールにより検出された標識信号を表す情報とを対応付ける手段を、さらに備える請求項1記載の無線ユニット。
【請求項8】
前記第2の無線モジュールとアンテナとの間に設けられたスイッチを、さらに具備し、
前記制御モジュールは、前記第1の無線モジュールが無線信号を送信する期間に、前記第2の無線モジュールを前記アンテナから切り離すように前記スイッチを制御する手段を、さらに備える請求項1記載の無線ユニット。
【請求項9】
前記第2の無線モジュールによる標識信号の受信感度を、前記第1の無線モジュールによる識別情報の受信感度より低く設定した請求項1記載の無線ユニット。
【請求項10】
予め決められた範囲にサービスエリアを形成する基地局との間で無線通信を行う移動通信端末装置において、
前記基地局から送信される当該基地局の識別情報を受信する第1の無線モジュールと、
前記第1の無線モジュールより少ない消費電力により動作し、前記基地局から送信される標識信号を受信する第2の無線モジュールと、
前記第1及び第2の無線モジュールと接続される制御モジュールと、
前記制御モジュールに接続それる表示モジュールと
を具備し、
前記第2の無線モジュールは、
前記標識信号の受信電力を検出し、この検出された受信電力が予め設定された閾値以上か否かを判定する判定手段と、
前記受信電力が閾値以上と判定された標識信号が検出された場合に、当該検出された標識信号を表す情報を含む標識検出情報を前記制御モジュールへ出力する出力手段と
を備え、
前記制御モジュールは、
前記第2の無線モジュールから出力された標識検出情報を受け取る手段と、
前記受け取った標識検出情報に新規の標識信号を表す情報が含まれている場合に、前記第1の無線モジュールを一定期間動作させる手段と、
前記動作期間中に前記第1の無線モジュールにより受信された識別情報を、当該第1の無線モジュールから受け取る手段と、
前記受け取った識別情報と、前記受け取った標識検出情報に含まれる標識信号を表す情報とを対応付け、その対応関係を表す情報を記憶する対応付け処理手段と、
前記記憶された対応関係を表す情報に基づいて前記基地局の利用の可否を判定する手段と、
前記基地局の利用の可否の判定結果を表す情報を前記表示モジュールに表示させる手段と
を備える移動通信端末装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate

【図13】
image rotate

【図14】
image rotate

【図15】
image rotate


【公開番号】特開2012−165250(P2012−165250A)
【公開日】平成24年8月30日(2012.8.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−25031(P2011−25031)
【出願日】平成23年2月8日(2011.2.8)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【Fターム(参考)】