説明

無線中継システム

【課題】複数の監視局と被監視局とで構成される無線中継システムの、故障発生時の自動中継ルート設定機能を実現する。
【解決手段】本発明の無線中継システムは、システム内の各局( 0100,0101〜0104・・・) が、相互に無線回線を介して送受信する無線通信手段と、送信対象の通信文の最終宛て先である着信局をキーとして前記各局の中から選択した中継局及びこの選択した中継局を経由して前記着信局に到る中継回数と、この中継回数に応じた中継局選択のための優先順位とを含む中継制御データを保持する手段と、前記着信局と前記保持中の中継制御データ中の優先順位とに従って中継局を選択する手段とを備えている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、無線中継システムに関するものであり、特に海上のブイ(浮標)、灯台等の灯器の灯火状態に関する監視局宛の警報を、海上のブイ上、灯台等(以下ブイと称する)に設置された無線局間で、自動的に中継ルートを設定しながら無線通信によって送受信する無線中継システムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
航行中の船舶に対して、航路や、浅瀬などの危険海域の存在を知らせるために、ブイが海上に設置されている。ブイは、夜間に点灯される。ブイの灯火が故障して消灯または不動状態になると、付近を航行する船舶の航路の安全が脅かされるので、この消灯または不動状態を速やかに監視局で認識し、修復の手配を行う必要がある。
【0003】
ブイと監視局間の交信を実現するには、監視対象の複数のブイのそれぞれに、灯火の故障を検出するセンサと、この検出結果を通知するための無線機を設置しておき、各無線機と陸上の監視局とが直接、無線で交信するようなシステムを構築すればよい。しかしながら、広い海域については、遠方のブイと監視局との距離は大きなものとなり、このような遠方のブイについては、これに設置された無線機と遠方の監視局とが直接無線で交信する構成では、大きな送信電力が必要になる。この結果、他の通信システムに妨害を与えたり、ブイに搭載された電池によって供給される貴重な電力について大きな消耗が生じるという問題がある。
【0004】
そこで、従来は、各無線機の送信出力を制限すると共に、遠方のブイの送信機の送信信号を、これよりも監視局に近い位置に設置された他のブイの無線機で中継するという中継方式が採用されてきた。このような中継システムでは、各ブイ上の無線機は、その中継機能に着目して、中継器と呼ばれている。そして、この中継ルートは、監視局の監視対象となる各ブイと、監視局との位置関係に基づいて予め設定されていた。このため、中継ルート上の無線機が故障して中継の機能が失われてしまうと、監視局からの指令によって新たな中継ルートが設定し直されていた。
【0005】
上述した従来の中継システムでは、中継ルートが予め設定されていた。また、この種の中継システムでは、送信電力の節減のため、監視局との交信周期がそれほど頻繁でない。このため、途中の中継器の故障によって中継機能が損なわれた場合、監視局の作業者がその事実に気付くのに時間がかかるという問題がある。また、中継機能の障害に気付いたあとも、どの中継器が故障したかを検出し、これを除外した迂回の中継ルートを設定し直すのに時間がかかるという問題もある。
【0006】
通信文の1単位のパケットごとに、中継ルートを動的に設定するというアドホックネットワークなどのパケット交換システムが知られている(特許文献1)。しかし、このパケット交換システムでは、中継局が近隣の多数の中継局にパケットを転送するように構成されているため、ルーティングのための制御データの量が過大になり、メモリの容量の負担も過大になるなどの問題がある。
【0007】
また、システム内に予め優先順位を付与した複数の通信ルートを設定しておき、障害の発生に応じて、順次低い優先順位の迂回ルートに切換えていくシステムも知られている(特許文献2)。しかし、このシステムでは、どの中継局が故障するかに応じて、迂回ルートを多数設定しなければならず、システム内の中継局の数が増大するにつれて制御が複雑になるという問題がある。
【0008】
【特許文献1】特開2003−110478
【特許文献2】特開2000−341199
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
従って、本発明の一つの目的は、システム内の被監視局の故障発生の状況に応じて自動 的に新たな中継ルートが設定可能な、無線中継システムを提供することにある。
【0010】
本発明の他の目的は、監視局相互間での電話回線等の一般通信回線が不通になった場合 でも、海上に設置される被監視局を介して監視局相互間の通信回線を確保可能な無線中継システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記従来技術の課題を解決する本発明の無線中継システムは、地上に設置される複数の監視局と、海上のブイに設置され群毎に前記監視局の監視を受ける複数の被監視局の群とから構成されている。そして、各監視局と前記各被監視局とを含むシステム内の各局が、相互に無線回線を介して送受信する無線通信手段と、送信(発信または中継)対象の通信文の最終宛て先である着信局(監視局または被監視局)をキーとして、各局(監視局または被監視局)の中から選択した中継局(着信局である場合を含む)と、この選択した中継局を経由して着信局に到る中継回数と、この中継回数に応じた中継局選択のための優先順位とを含む中継制御データを保持する手段と、着信局と、保持中の中継制御データ中の優先順位とに従って中継局を選択する手段とを備えている。
【発明の効果】
【0012】
本発明の無線中継システムは、前記各局の故障状況に応じて通信文の新たな中継ルート を自動的に設定する機能を備える構成であるから、人手の介在によって中継ルートを設定しなおすための労力と時間が不要になり、この種の中継システムの稼動性と信頼性が大幅に向上するという効果が奏される。
【0013】
また、本発明の無線中継システムは、システム内の全ての監視局やその監視下にある被 監視局と送受信可能な構成であるから、監視局相互間での電話回線等の一般通信回線が不通になった場合でも、海上のブイ上に設置される被監視局を介して監視局相互間の通信を確保できるという効果が奏される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
本発明の好適な実施の形態によれば、各局から着信局までの中継回数を含む中継数デー タを前記各局間で送受信することにより、前記各局内の中継制御データの自動的な作成と更新、登録を行う手段を備えている。
【0015】
本発明の他の好適な実施の形態によれば、中継数データは、各局が受信した他の局を表す受信確認データを含み、この中継数データを受信した局は、前記受信確認データ中に自局が含まれることをもって、この中継数データの送信元の他の局との間で双方向通信が可能であると判断する構成とされている。
【0016】
本発明のさらに他の好適な実施の形態によれば、中継数データを受信した前記各局が、 この中継数データに含まれる着信局までの中継回数と、前記中継数データを受信した各局内の中継制御データに登録中の前記着信局までの中継回数とを比較することにより、前記優先順位を変更する手段を備えている。
【0017】
本発明のさらに他の好適な実施の形態によれば、各局が、通信文の送信(発信または中 継)の前に、保持中の中継制御データに基づいて着信局への中継ルートを確認、作成する実ルート作成手段と、確認、作成した実ルートに従って送受信する実ルート送受信手段と、この実ルートを着信局として受信した場合、この受信した実ルート中の不要な折り返し部分を編集することにより実際の中継ルート(編集実ルート)を作成して返送する実ルート編集手段と、前記編集された実ルートを受信して、これに登録された実際の中継ルート(編集実ルート)に合致するように保持中の中継制御データを更新する手段とを備えている。
【実施例】
【0018】
[無線中継システム]
図1は、本発明の一実施例の無線中継システムの構成を示す機能ブロック図である。四 角□で示した、0100、0200、0300は監視局の各識別番号である。白丸○で示した0101、0102、0103、0104は監視局0100の監視対象となる被監視局、同じく0201、0202、0203、0204は監視局0200の監視対象となる被監視局、同じく0301、0302、0303は監視局0300の監視対象となる被監視局の各識別番号である。
【0019】
本実施例では、中継動作に関する限り、監視局も被監視局も差異がないので、双方を含めて各局と表現する。この無線中継システムでは、ある監視局の監視対象となる被監視局は、この監視局だけでなく、他の監視局や、この他の監視局の監視対象となる被監視局にも中継動作によりデータを送信できる構成となっている。すなわち、このシステムの全ての局は、他の全ての局に中継データを送信できるように構成されている。
【0020】
各局は、所定の範囲内において無線で相互に通信が可能となっている。どのくらい遠方 の局と通信可能であるかは、電波の伝播損失を決定する海上気象や、他の無線システムとの混信などによって変化する。従って、隣接の局でも通信不能な場合もある。本実施例では、直線「−」で結ばれた各局相互間において通信が可能となっているとして以下説明する。すなわち、局識別番号0100は、局識別番号0101及び局識別番号0104と通信が可能として以下説明する。
【0021】
[中継ルートの自動作成]
各局は、各局間の消灯警報などの通信文の中継については、当該監視局の制御を受ける ことなく、自動的に無線の中継ルートを作成し、各局における障害の発生や伝播路の状況に応じて自動的に中継ルートを変更する機能を備えている。この中継ルート自動作成のために、各局(監視局や被監視局)は、中継数データと中継制御データとから成る2種類のデータを作成し、更新する。
【0022】
[中継制御データ]
中継制御データは、各局の中継動作を制御するために各局が作成して保持すると共に、 状況に応じて内容を変更するデータベースである。この中継制御データには、図2に例示するように、消灯の警報などに関する通信文の最終的な宛て先となる局(以下[着信局]という)をキーとして、各着信局への通信文を中継させるために、各局の中から選択可能な中継局と、この中継局を選択した場合の着信局までの中継回数とが対の形式で登録されている。図2では、図1のシステムが想定されると共に、説明の便宜上、この図1のシステム内の各局(監視局と被監視局)が直線[−]で接続された局とのみ双方向通信が可能である場合が想定されている。
【0023】
中継制御データ中には、自局を含むシステム内の全ての局が着信局として登録される。 自局から各着信局に対して、一般的には、複数の中継ルートが存在し得る。このため、中継制御データ中に登録されている各着信局に対して、一般的には、複数の中継局が存在する。中継制御データには、優先順位毎に中継局と自局からこれらの中継局を経て着信局に到る転送ルート上の中継回数とが対の形式で登録され、各対に対して中継回数の少ない順に、高い優先順位が付与されている。
【0024】
図2の被監視局「0103」の中継制御データは、例えば、着信局として「0102」 に着目すると、図1から分かるように中継局(着信局)として「0102」を経由すると、中継回数は1回となる。また、中継局として「0104」を経由すると、図1から分かるように中継回数は3回となる。そこで、着信局「0102」をキーとして、優先順位1位には、中継局「0102」、中継回数「1」が、優先順位2位には、中継局「0104」、中継回数「3」が対となって登録される。なお、着信局が自局の場合は、中継局「自局」、中継回数は「0」となる。そして、中継局「ff」、中継回数「ff」は、中継制御データが未確定であることを示している。
【0025】
[中継数データ]
中継数データは、システム内の各局(監視局や被監視局)が、上述した図2の中継制御 データを作成し、更新するため、相互に通信可能な各局との間で送受信するデータである。中継数データは、図3、図4、図5に例示するように、着信局と、自局からこの着信局までの中継回数と、受信確認データとを含む。システム内の各局は、図2の中継制御データに登録されている各着信局毎に、最高の優先順位が付与されている最少の中継回数を選択して中継数データを作成する。また、受信確認データは、各局どうしが双方向通信の可能性を確認するためのデータである。さらに、受信確認データは、この受信確認データを含む中継数データの送信局が、これまでに、他局が送信した中継数データを受信したことを、この他局の識別番号によって表すデータである。この受信確認データは、各局共中継数データ送信後その内容を削除(クリア)する。
【0026】
従って、ある局は、当該局が他局から受信した中継数データ中に当該局の識別番号を検 出することにより、この他局との間で双方向通信が可能であることを認識する。このように、過去の中継数データの受信の有無を、各局どうしが確認し合う構成とすることは、前述したように、相手局の中継数データを受信したとしても、電波や伝播路の状況によっては、その相手局が自局の中継数データを受信したか否かが不確実なためである。各局は、中継数データを送信するたびに、これに含まれる受信確認データをクリアすることにより、最新の双方向通信可能性に限定する。すなわち、受信確認データに含まれる局は、中継数データの送信から次の中継数データ送信までの間に受信した中継数データの送信局である。
【0027】
図3は、図1のシステム内の被監視局「0103」が、被監視局「0102」から受信 した中継数データの一例を示すデータ・フォーマット図である。説明の便宜上、上述の通り、各局が直線「−」で接続された局とだけ通信可能であることが想定されている。図3中、中継回数は、着信局がそれぞれ「0100」、「0101」、「0102」・・・の場合について、この中継数データを送信した被監視局「0102」から各着信局までの中継回数が図の中継回数に表されている。受信確認データ中に、被監視局「0103」の識別番号が存在するため、この中継数データを受信した被監視局「0103」は、被監視局「0102」との間で双方向通信が可能であることを識別する。
【0028】
図4は、図1のシステム内の被監視局「0103」が、被監視局「0104」から受信 した中継数データの一例を示すデータ・フォーマット図である。着信局の識別番号がそれぞれ「0100」、「0101」、「0102」・・・の場合について、この中継数データを送信した被監視局「0104」から各着信局までの中継回数が図の中継回数に表されている。受信確認データ中に、被監視局「0103」が含まれているため、この中継数データを受信した被監視局「0103」は、被監視局「0104」との間で双方向通信が可能であることを識別する。
【0029】
図5は、被監視局「0103」が、不特定な各局に送信する中継数データのデータ・フ ォーマット図である。この中継数データ中の受信確認データ中に、被監視局「0102」、「0104」、「0201」が存在するため、これを受信した当該被監視局は、被監視局「0103」との間で、双方向通信が可能であることを識別する。
【0030】
上述した各局による中継数データの送信は、それぞれの送信データの衝突を回避するた めに、時間をずらして周期的に行われる。この中継数データの送信は、電池の消耗を回避するためにはなるべく長い時間間隔で行うことが望ましいが、間隔を大きくしすぎると中継ルートの更新に時間がかかり、消灯状態を通知する通信文の転送に支障をきたす。典型的には、中継数データの送信周期の一例は数時間ほどであり、各局からの送信の時間的ずれの典型的な一例は数分ほどである。各局は、予め設定された時間に基づいて、設定の間隔で送信タイミングを決定する。
【0031】
この中継数データの送信は、システム中の全ての局に対して予め定められた一定の順序 に従って反復して行われる。例えば、図1のシステムの場合、各局に付与された識別番号の昇順に、反復的に行われる。すなわち、まず、監視局「0100」が中継数データを送信し、次に被監視局「0101」が中継数データを送信し、さらに被監視局「0102」が中継数データを送信し、以下同様に、各局「0103」、「0104」、「0200」、「0201」、「0202」、「0203」、「0204」、「0300」、「0301」、「0302」、「0303」の順に中継数データを送信し、再び、同じ順序で各局が送信を反復する。この中継数データを受信して各局は、その内容に基づいて自局内の中継制御データの作成、更新を行う。この中継数データについては、各局間の消灯警報などの通信文の転送は行われない。
【0032】
各局は、受信した中継数データに含まれる受信確認データに基づいて、双方向通信の可 能性が確認できた各局について、着信局までの中継局として選択可能であることを識別する。この選択可能と識別した各局を中継局として選択した場合の着信局までの中継回数と、自局の中継制御データに登録中の他の中継局を選択した場合の同一の着信局までの中継回数を比較し、必要であれば、中継回数の少ない中継局がより高い優先順位を持つように、中継制御データ中の中継局優先順位のデータを変更する。各局は、他局から受信した中継数データの受信確認データ中に自局が含まれていない場合には、この他局は中継局として選択できないことを識別し、中継回数の比較も、従って、中継局制御データ中の中継優先順位のデータの変更も行わない。
【0033】
前述した図2は、図3、図4に例示した中継数データの送受信を通して図1中の被監視局「0103」が作成し、更新された中継制御データの一例である。着信局として被監視局「0102」を設定した場合において、被監視局「0102」を中継局として選択すると中継回数は最少の1回となるため、優先順位として最高の「1」が付与される。中継局として、被監視局「0104」を選択すると、被監視局「0101」を経由する中継ルートが設定され、中継回数は3回となる。この中継回数の値に基づき、被監視局「0104」を中継局として選択する場合の優先順位は2番目の「2」となる。
【0034】
また、被監視局「0103」が被監視局「0101」を着信局として設定した場合において、被監視局「0102」と「0104」のうちどちらを中継局として選択しても中継回数は2回となる。この場合、優先順位は、若い被監視局「0102」に対して被監視局「0104」よりも一つ高い優先順位が付与される。図2中、ffが付された欄は中継先が未確定であることを示している。さらに、自局から自局への中継は中継回数が0として扱われる。
【0035】
図2に例示した中継制御データと、図3〜図5に例示した中継数データは、何十回にもわたる中継数データの送受信を行うことによって、中継ルートがほぼ完成しかかった時点でのデータを示している。しかしながら、中継数データの送受信が開始された初期の段階では、中継制御データも中継数データもその内容はほとんど未定であり、これが多数回にわたる中継数データの送受信によって次第に確定されてゆく。以下、この中継制御データと中継数データの内容が次第に確定されてゆく様子を、図6〜図10を参照しながら説明する。
【0036】
図6は、図1のシステム内の監視局「0100」から送信され、被監視局「0101」と「0104」とに受信される最初の中継数データの内容を示している。このデータ中、内容が確定しているのは、自局「0100」を着信局とする中継回数が0ということだけである。なお、「ff」はデータが未確定であることを示している。また、監視局「0100」から送信される中継数データは最初であるから、受信確認データには他局の識別番号は全く含まれていない。さらに、被監視局「0101」と「0104」が保持する中継制御データは、着信局をキーとする中継局と中継回数の対が、着信局が自局のデータを除いて、全て「ff」、「ff」となっている。この結果、この中継数データを受信した被監視局「0101」と「0104」は、監視局「0100」との間で双方向通信の可能性を判定できず、従って、この監視局「0100」を中継局として選択できるか否かが不明のため、中継制御データ中に着信局「0100」をキーとして登録中の中継局優先順位の中継局と中継回数の対(「ff」、「ff」)を更新しない。そして、それぞれの局は、受信確認データに監視局「0100」の識別番号を登録する。更に、前述のように監視局「0100」は受信確認データをクリアする。
【0037】
次に、各局に付与された識別番号の昇順に従って、被監視局「0101」が中継数データを送信し、これが監視局[0100]と、被監視局「0102」及び「0104」とに受信される。この中継数データは、図7に示すようなものである。このデータ中、内容が確定されたデータは自局「0101」を着信局とする中継回数が「0」ということだけである。この中継数データを受信した監視局「0100」は、受信確認データ中に自局の識別番号を確認できるため、被監視局「0101」との間で双方向通信が可能であり、従ってこの局を中継局として選択可能であると判定する。監視局「0100」は、自局内の中継制御データに登録されている着信局「0101」をキーとする中継局と中継回数の対(「ff」、「ff」)を(「0101」、「1」)に更新し、これを最高優先順位として中継制御データに登録する。
【0038】
被監視局「0102」と「0104」は、被監視局「0101」から受信した中継数デ ータの受信確認データに自局の識別番号がないため、被監視局「0101」との間で双方向通信の可能性を判定できず、従って、この被監視局「0101」を中継局として選択できるか否かを判定できない。このため、被監視局「0102」と「0104」は、自局内の中継制御データに登録されている着信局「0101」をキーとする中継局と中継局回数の対(「ff」、「ff」)を更新しない。そして、それぞれの局は、受信確認データに被監視局「0101」の識別番号を登録する。
【0039】
続いて、各局に付与された識別番号の昇順に従って、被監視局「0102」が中継数データを送信し、これが被監視局「0101」と「0103」に受信される。これを受信した被監視局「0101」と「0103」内の動作については、被監視局「0101」は、受信確認データ中に自局の識別番号を確認できるため、上述の例に従い、中継局優先順位の中継局と中継局回数の対(「ff」、「ff」)を更新する。また、被監視局「0103」は、受信確認データに自局の識別番号がないため、上述の例に従い中継局と中継局回数の対(「ff」、「ff」)を更新しない。そして、それぞれの局は、受信確認データに被監視局「0102」の識別番号を登録する。
【0040】
引き続き、被監視局「0103」が中継数データを送信し、これが被監視局「0102 」、「0104」、「0201」に受信される。この中継数データの内容は図8に示すようなものである。このデータ中、内容が確定されたデータは、この中継数データを送信した被監視局「0103」を着信局とする中継回数が「0」ということだけである。被監視局「0102」は、受信確認データに自局の識別番号を確認できるため、自局内の中継制御データに登録されている着信局「0103」をキーとする中継局と中継回数の対(「ff」、「ff」)を(「0103」、「1」)に更新する。そして、これを最高優先順位として中継制御データに登録する。これに対して、被監視局「0104」と「0201」では、被監視局「0103」との双方向通信の可能性を判定できないため、被監視局「0103」着信局とする中継制御データを更新しない。
【0041】
次に、被監視局「0104」が中継数データを送信し、これが監視局「0100」と、被監視局「0101」及び「0103」とに受信される。この受信される中継数データの内容は、図9に示すようなものである。内容が確定されたデータは、この中継数データを送信した被監視局「0104」を着信局とする中継回数が「0」ということだけである。受信確認データとして、監視局「0100」と、被監視局「0101」および「0103」とが表されている。この中継数データを受信した監視局「0100」と、被監視局「0101」および「0103」とは、被監視局「0104」との間で双方向通信が可能であり、従ってこの局を中継局として選択可能であると判定する。そして、それぞれ自局内の中継制御データの着信局「0104」をキーとする中継局と中継回数の対(「ff」、「ff」)を(「0104」、「1」)に更新する。
【0042】
監視局「0100」は、上述のようにして更新された自局内の中継制御データ中の最高 優先順位(優先順位1位)が付された中継局と中継回数の対を使用して、次回に送信する中継数データを作成する。図10は、このようにして監視局「0100」が作成し送信待ち状態にある中継数データの構成を例示している。双方向通信の可能性が確認された被監視局「0101」と「0104」については、中継回数1が表されている。この送信待ち状態にある中継数データは、最後の被監視局「0303」からの中継数データの送信後に送信される。
【0043】
〔通信文通信前の中継ルート動作確認:実ルート収集〕
各局は、上述した中継数データの送受信を通じて、自局内で作成し,更新した中継制御 データに従って、消灯警報、制御情報などの通信文の中継動作を行う。このような、中継動作の開始に先立って、設定した中継ルートが正常に確保できるかどうかの中継ルート確認動作が実行される。この中継ルート確認動作において、各局(監視局及び被監視局)は、着信局までの間に経由した局の識別番号を連ねた、「実ルート」を送受信する。
【0044】
各局(監視局及び被監視局)は、自局内に更新登録されている中継制御データにしたが って、着信局への最高優先順位の中継局に「実ルート」を送信する前に、まず、この最高優先順位の中継局に自局の識別番号、着信局の識別番号を含む「通信確認」を送信する。これを受信した該当局は、この「通信確認」を送信した当該局に自局の識別番号、着信局の識別番号を含む「通信応答」を返す。この「通信応答」を受信した当該局は、この「通信応答」を返した該当局に末尾に自局と該当局の識別番号を追加した「実ルート」を送信する。まず図11を用いて最も単純な実ルート収集動作について説明する。
【0045】
図11のシステムで、送信局(識別番号3)、中継局(識別番号2)並びに着信局(識別番号1)の中継制御データは、それぞれの局が中継優先順位1位となっている。送信局3は、着信局1へ通信文を送信するため、自局の中継制御データを参照して、中継優先順位1位の中継局2に対して、「通信確認」を送信する。送信局3から「通信確認」を受信した中継局2は、「通信応答」を送信局3に返す。「通信応答」を受信した送信局3は、「実ルート」(識別番号:3,2)を付加して送信する。「実ルート」を受信した中継局2は、「通信確認」を着信局1へ送信する。「通信確認」を受信した着信局1は、「通信応答」を中継局2へ返す。「通信応答」を受信した中継局2は、「実ルート」(識別番号:3,2,1)を付加して着信局1へ送信する。着信局1は、「実ルート」(識別番号:3,2,1)を確認して、「編集実ルート」(識別番号:3,2,1)を中継局2へ返す。「編集実ルート」を受信した中継局2は、同様に送信局3へ「編集実ルート」を返す。この一連の動作により、送信局3から、着信局1への中継ルートが確保されたことを、送信局3が確認する。その後、送信局3は、中継局2を経由した、着信局1への通信文を送信する。
【0046】
図12は、送信局(識別番号6)、着信局(識別番号1)、および中継局4局(それぞ れ識別番号5,4,3,2)で構成されている。その各局の配置は、図13のようになっている。各局の中継制御データは、その構築時、図13の矢印及び直線で結ばれたシステムが中継可能なように更新、登録されている。ここで、送信局6の中継制御データでは、着信局1への中継優先順位1位は中継局3、優先順位2は中継局5となっている。送信局6から、着信局1への通信文を送信する際の「実ルート」の構築について説明する。本実施例では、「通信確認」動作の際、中継局2と着信局1とは、通信が不通(×)となっている。
【0047】
送信局6は、着信局1へ通信文を転送するため、中継局3を指定して、「通信確認」を 送信する。中継局3は「通信確認」を受信すると、送信局6へ「通信応答」を返す。送信局6は、「通信応答」を受信すると、「実ルート」(識別番号:6,3)を付加して中継局3へ送信する。中継局3は、「実ルート」を受信すると、中継局2へ「通信確認」を送信する。「通信確認を」受信した中継局2は、「通信応答」を中継局3へ返す。「通信応答」を受信した中継局3は、「実ルート」(識別番号:6,3,2)を付加して中継局2へ送信する。「実ルート」を受信した中継局2は、着信局1へ「通信確認」を送信する。このとき、中継局2と着信局1とは、通信が不通(×)となっているため、所定の時間経過しても着信局1からの「通信応答」がない。中継局2は、着信局1からの「通信応答」がないので、別中継ルート、すなわち中継制御データの中継優先順位の低い中継ルートを探す。
【0048】
中継局2は、別中継ルート、すなわち中継制御データの中継優先順位の低い中継ルートがないため、「実ルート」(識別番号:6,3,2,1,2)を付加して中継局3に返す。「実ルート」(識別番号:6,3,2,1,2)を受信した中継局3は、中継局2より中継優先順位の低い中継ルートを探す。図13のシステムでは、別ルートがないため、「実ルート」(識別番号:6,3,2,1,2,3)を付加して送信局6に返す。「実ルート」(識別番号:6,3,2,1,2,3)を受信した送信局6は、中継局3より中継優先順位の低い中継局5を選択する。送信局6は、中継局5へ「通信確認」を送信する。「通信確認を」受信した中継局5は、「通信応答」を送信局6へ返す。「通信応答」を受信した送信局6は、「実ルート」(識別番号:6,3,2,1,2,3,6,5)を付加して中継局5へ送信する。中継局5は、「実ルート」を受信すると、中継局4へ「通信確認」を送信する。「通信確認を」受信した中継局4は、「通信応答」を中継局5へ返す。「通信応答」を受信した中継局5は、「実ルート」(識別番号:6,3,2,1,2,3,6,5,4)を付加して中継局4へ送信する。「実ルート」を受信した中継局4は、着信局1へ「通信確認」を送信する。
【0049】
「通信確認」を受信した着信局1は、「通信応答」を中継局4へ返す。「通信応答」を 受信した中継局4は、「実ルート」(識別番号:6,3,2,1,2,3,6,5,4、1)を付加して着信局1へ送信する。着信局1は、「実ルート」(識別番号:6,3,2,1,2,3,6,5,4,1)を確認する。ここで、着信局1は、同じ識別番号で挟まれた識別番号を削除した「編集実ルート」を作成する。そして、「編集実ルート」(識別番号:6,5,4,1)を付加して中継局4へ返す。「編集実ルート」を受信した中継局4は、同様に「編集実ルート」を付加して中継局5へ返す。さらに、「編集実ルート」を受信した中継局5は、送信局6へ「編集実ルート」を付加して返す。この一連の動作により、送信局6から着信局1への中継ルート(実ルート)が確保されたことを、送信局6が確認する。その後、送信局6は、「実ルート」及び「編集実ルート」により更新された中継制御データを基に中継局5、中継局4を経由し、着信局1へ通信文を送信する。
【0050】
前述の「編集実ルート」の作成について説明する。前述の「実ルート」(識別番号:6 ,3,2,1,2,3、6,5,4,1)が表している「実ルート」作成経過は、識別番号6の局から開始された「実ルート」の作成が、識別番号2から先の着信局への「実ルート」が作成できずに識別番号6の局へ戻ったことを表している。このため、「実ルート」(識別番号:6,3,2,1,2,3,6,5,4,1)を受信した着信局1は、実際に着信局1までに中継動作を行った局のみを選択する「編集実ルート」(識別番号:6,5,4,1)の作成を行う。この「編集実ルート」を送信局6へ戻すことにより、送信局6は確実な中継動作を行うことが可能となる。
【0051】
図12,13を構成する各局は、この「実ルート」及び「編集実ルート」の送受信を通 して、各局の中継制御データの更新、登録を行う。例えば、送信局6は、着信局1への中継優先順位1位を、中継局3から中継局5へ変更、登録する。これにより、各局の中継制御データは、最新の状態に保たれる。
【0052】
次に、図14の中継システムでの「実ルート」の送受信について説明する。このシステ ムで、各局の中継制御データは、片矢印「→」、両矢印「←→」及び直線「−」で結ばれている各局間で、その構築時、図14の片矢印、両矢印及び直線で結ばれたシステムが中継可能なように更新、登録されている。
【0053】
ここでは、中継経路と実ルートを示しながら説明する。
中継経路 実ルート
1)3→2 (3)(2)
局3が局0を着信局として通信文を伝送する場合、局3は、中継制御データに従って選 択した、最高優先順位の局2との間で「通信確認」と「通信応答」の送受信を終了すると、自局識別番号と、局2の識別番号とを、局0を着信局識別番号とする「実ルート」として局2に送信する。
【0054】
2)2→1
上記「実ルート」を受信した局2は、中継制御データに従って選択した最高優先順位の 局1に対して「通信確認」を送信するが、局1からの「通信応答」を受信することができない。このため、局2は、局1を通る中継ルートを設定不能と見做し、局1への「実ルート」の送信を行わない。
【0055】
3)2→3 (3)(2)(1)(2)(3)
局2は、他に中継ルートがないため、送信元の局3へ「実ルート」を返送する。このと き、局2は、中継不能であった局1の識別番号と自局の識別番号及び返送先の局3の識別番号を「実ルート」として返送する。
【0056】
4)3→4 (3)(2)(1)(2)(3)(4)
局3は、中継制御データの優先順位2位の局4との間で、「通信確認」と「通信応答」 の送受信を行う。送受信を終了すると、末尾に局4の識別番号を追加して、「実ルート」を局4へ送信する。
【0057】
5)4→5 (3)(2)(1)(2)(3)(4)(5)
局4の局0を着信局とする最高優先順位は、中継制御データを参照すると局3となって いるが、「実ルート」を参照すると、局3を中継する「実ルート」は中継不能を示している。そこで、局4は、優先順位2位の局5を選択して、局5との間で、「通信確認」と「通信応答」の送受信を行う。送受信を終了すると、末尾に局5の識別番号を追加して、「実ルート」を局5へ送信する。
【0058】
6)5→6→7 (3)(2)(1)(2)(3)(4)(5)(6)(7)
局5の局0を着信局とする最高優先順位は、中継制御データを参照すると局3となっているが、「実ルート」を参照すると、局3を中継する「実ルート」は中継不能を示している。そこで、局5は、優先順位2位の局6を選択して、局6との間で、「通信確認」と「通信応答」の送受信を行う。送受信を終了すると、末尾に局6の識別番号を追加して、「実ルート」を局6へ送信する。局6は、上述のように中継制御データに従って選択した、最高優先順位の局7との間で「通信確認」と「通信応答」の送受信を終了すると、自局識別番号と、次の局の識別番号とを、局0を着信局識別番号とする「実ルート」として局7に送信する。
【0059】
7)7→1
上記「実ルート」を受信した局7は、中継制御データに従って選択した最高優先順位の 局1に対して「通信確認」を送信するが、局1からの「通信応答」を受信することができない。このため、局7は、局1を通る中継ルートを設定不能と見做し、局1への「実ルート」の送信を行わない。
【0060】
8)7→6 (3)(2)(1)(2)(3)(4)(5)(6)(7)(1 ) (7)(6)
局7は、他に中継ルートがないため、送信元の局6へ「実ルート」を返送する。このと き、局7は、中継不能であった局1の識別番号と自局の識別番号及び返送先の局6の識別番号を「実ルート」として返送する。
【0061】
9)6→5 (3)(2)(1)(2)(3)(4)(5)(6)(7)(1 ) (7)(6)(5)
局6は、他に中継ルートがないため、送信元の局5へ「実ルート」を返送する。このと き、局6は、自局の識別番号及び返送先の局5の識別番号を「実ルート」として返送する。
【0062】
10)5→8 (3)(2)(1)(2)(3)(4)(5)(6)(7)(1 ) (7)(6)(5)(8)
局5の局0を着信局とする最高優先順位は、中継制御データを参照すると局3となって いるが、「実ルート」を参照すると、局3を中継する「実ルート」は中継不能を示している。そこで、局5は、優先順位2位の局6を選択しようとするが、やはり局6を中継する「実ルート」は中継不能を示している。また、優先順位3位の局4は、局4から自局5にへ中継されているため選択できない。そこで、局5は、優先順位4位の局8を選択して、局8との間で、「通信確認」と「通信応答」の送受信を行う。送受信を終了すると、末尾に局5の識別番号を追加して、「実ルート」を局8へ送信する。
【0063】
11)8→9→10→11→1→0
(3)(2)(1)(2)(3)(4)(5)(6)(7)(1) (7)(6)(5)(8)(9)(10)(11)(0)
局8、局9、局10、局11、局1はそれぞれ自局の中継制御データを参照し、局0を 着信局とする最高優先順位の中継局との間で、「通信確認」と「通信応答」の送受信を行う。送受信を終了すると、末尾に自局の識別番号を追加して、「実ルート」を次の局へ送信する。
【0064】
12)着信局0が、「実ルート」を編集し返送
着信局0は、受信した「実ルート」から通信が不能であった中継ルートである同じ番号 に挟まれた識別番号を削除する。つまり、(3)(2)(1)(2)(3)のルートでは、局2と局1との間で通信が不能であったことを示している。ここで、(3)(2)(1)(2)のルートを削除する。続いて、(5)(6)(7)(1)(7)(6)(5)のルートでは、局7と局1との間で通信が不能であったことを示している。ここで、(5)(6)(7)(1)(7)(6)のルートを削除する。このように中継不能であったルートを削除して、(3)(4)(5)(8)(9)(10)(11)(0)の「編集実ルート」を作成する。
【0065】
この編集した「編集実ルート」は、送信局から着信局への完成した「実ルート」となる 。この「編集実ルート」を着信局から送信局へ向かって、転送する。この「実ルート」及び「編集実ルート」を受信したシステム内の各局は、「実ルート」及び「編集実ルート」が示す中継ルートに合致するように、中継制御データの中継局と中継回数の対を変更、更新する。
【0066】
以上、各局は、直線「−」、片矢印「→」および両矢印「←→」で結ばれた局どうしが 相互に通信可能なシステム構成を例にとって本発明を説明した。しかしながら、本発明では、電波の伝播損失、海上の気象状況などによって、相互に通信可能なシステム内の局には変動を生じる。上述の「実ルート」の転送は、この変動に対応して常に実際に相互通信が可能な局を中継するシステムを提供するものである。
【図面の簡単な説明】
【0067】
【図1】本発明の一実施例の無線中継システムの構成を示す機能ブロック図である。
【図2】図2のシステム内の被監視局「0103」が自局内で作成し、更新しながら保 持する中継制御データの構成の一例を示すデータ・フォーマット図である。
【図3】各局が自局内の中継制御データを作成し更新するために図1のシステム内の各 局が送受信し合う中継数データの一例を示すデータ・フォーマット図である。
【図4】各局が自局内の中継制御データを作成し更新するために図1のシステム内の各 局が送受信し合う中継数データの一例を示すデータ・フォーマット図である。
【図5】各局が自局内の中継制御データを作成し更新するために図1のシステム内の各 局が送受信し合う中継数データの一例を示すデータ・フォーマット図である。
【図6】各局が自局内の中継制御データを作成し更新するために図1のシステム内の各 局が送受信し合う中継数データの一例を示すデータ・フォーマット図である。
【図7】各局が自局内の中継制御データを作成し更新するために図1のシステム内の各 局が送受信し合う中継数データの一例を示すデータ・フォーマット図である。
【図8】各局が自局内の中継制御データを作成し更新するために図1のシステム内の各 局が送受信し合う中継数データの一例を示すデータ・フォーマット図である。
【図9】各局が自局内の中継制御データを作成し更新するために図1のシステム内の各 局が送受信し合う中継数データの一例を示すデータ・フォーマット図である。
【図10】各局が自局内の中継制御データを作成し更新するために図1のシステム内の各 局が送受信し合う中継数データの一例を示すデータ・フォーマット図である。
【図11】最も単純化した無線中継システムにおける実ルート収集動作を説明するための 概念図
【図12】図13に示す無線中継システム内の実ルート収集動作を説明するための概念図。
【図13】実ルート収集動作を説明するために簡略化された無線中継システム。
【図14】実ルート収集動作を説明するために簡略化された他の無線中継システム。
【符号の説明】
【0068】
「0100」, 「0200」, 「0300」 監視局
「0101」, 「0102」, 「0103」, 「0104」 監視局「0100」が監視する被監視局
「0201」, 「0202」, 「0203」, 「0204」 監視局「0200」が監視する被監視局
「0301」, 「0302」, 「0303」 監視局「0300」が監視する被監視局
ff 内容が未定であることを示すデータ


【特許請求の範囲】
【請求項1】
地上に設置される複数の監視局と、海上のブイ、灯台等に設置され群毎に前記監視局の監視を受ける複数の被監視局の群とから構成される無線中継システムにおいて、
前記各監視局と前記各被監視局とを含むシステム内の各局が、相互に無線回線を介して送受信する無線通信手段と、
送信(発信または中継)対象の通信文の最終宛て先である着信局(監視局または被監視局)をキーとして、前記各局(監視局または被監視局)の中から選択した中継局(着信局である場合を含む)と、この選択した中継局を経由して前記着信局に到る中継回数と、
この中継回数に応じた中継局選択のための優先順位とを含む中継制御データを保持する手段と、
前記着信局と、前記保持中の中継制御データ中の優先順位とに従って中継局を選択する手段と
を備えたことを特徴とする無線中継システム。
【請求項2】
請求項1において、
前記各局から着信局までの中継回数を含む中継数データを前記各局間で送受信することにより、前記各局内の中継制御データの自動的な作成と更新、登録を行う手段を備えることを特徴とする無線中継システム。
【請求項3】
請求項2において、
前記中継数データは、前記各局が受信した他の局を表す受信確認データを含み、この中継数データを受信した局は、前記受信確認データ中に自局が含まれることをもって、この中継数データの送信元の局との間で双方向通信が可能であると判断することを特徴とする無線中継システム。
【請求項4】
請求項3において、
前記中継数データを受信した前記各局が、
この中継数データに含まれる着信局までの中継回数と、前記中継数データを受信した各局内の中継制御データに登録中の前記着信局までの中継回数とを比較することにより、前記優先順位を変更する手段を備えたことを特徴とする無線中継システム。
【請求項5】
請求項4において、
前記優先順位の変更は、前記双方向通信が可能な前記各局で行われることを特徴とする無線中継システム。
【請求項6】
請求項1乃至5のいずれかにおいて
前記各局が、
前記通信文の送信(発信または中継)の前に、保持中の中継制御データに基づいて着信局への中継ルートを確認、作成する実ルート作成手段と、
確認、作成した実ルートに従って送受信する実ルート送受信手段と、
この実ルートを着信局として受信した場合、この受信した実ルート中の不要な折り返し部分を編集することにより実際の中継ルート(編集実ルート)を作成して返送する実ルート編集手段と、
前記編集された実ルートを受信して、これに登録された実際の中継ルート(編集実ルート)に合致するように保持中の中継制御データを更新する手段と
を備えたことを特徴とする無線中継システム。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【公開番号】特開2007−5963(P2007−5963A)
【公開日】平成19年1月11日(2007.1.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−181529(P2005−181529)
【出願日】平成17年6月22日(2005.6.22)
【出願人】(000001177)株式会社光電製作所 (32)
【Fターム(参考)】