説明

無線医療監視方法及び関連のシステム並びに患者監視装置

WLANネットワークで無線患者監視装置を呼び出す/検出する方法は、WLANで1つ以上のアクセスポイント(104、106)及び中央監視ステーションと双方向通信するように適合された患者装備可能装置(PWD)(115a、115b)と患者監視装置(PMD)(110a、110b)とのうち1つを有する1つ以上の無線監視装置の無線モジュール(RM)(117)のステータスを決定することを有する。PWD/PMDの全体の状態は、スタンバイ、非アクティブ、アクティブ、スリープを含む複数のメタ状態でもよい。ステータスが決定された後に、特定の無線監視装置の現状態が所望の状態でない場合に、装置のメタ状態を所望の状態に変更するように適合された信号の無線送信を受信するために特定の無線監視装置を選択する。指示信号を特定の無線患者監視装置に送信し、特定のPWD/PMDにより監視される患者により少なくとも聞こえることができる所定の第1の可聴コードを発行することにより、患者の無線監視装置の可聴コード機能が起動され、これにより、患者はナースステーションに連絡を取るように指示される。代替として又は更に、診療所又は施設の職員が歩き回って音により装置を見つけることができるほど十分な音量で発行される第2の可聴トーンがブロードキャストされてもよい。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、無線医療遠隔測定システム(WMTS:wireless medical telemetry system)で使用されるデータ通信プロトコルに関する。特に、本発明は、インターネット及びDECT型プロトコルの機能管理に関する。
【背景技術】
【0002】
ヨーロッパの主導として発生したDigital Enhanced Cordless Telecommunication(DECT)は、多数の異なる形式の装置及びサービスへの効率的なアクセスを提供するために、世界中で普及してきている。DECT型システムは、特に無線医療遠隔測定システムの分野で、例えば患者の生命徴候を監視し、ホスト又は監視ステーションに無線で報告することができる患者装備可能装置(PWD:Patient-Wearable Device)でますます普及してきている。
【0003】
電池を節約することが望ましい目的であり、PWDの全ての動作機能のうち、無線送信機能が最も電力を使用する。従って、このような装置は、スリープモードを備えて設計され得る。スリープモードでは、装置は完全に出力を上げる必要はなく、完全に起動されるようになるための起動信号を受信する。理想的には、PWDを装備している患者がナーススタッフのメンバに迅速に連絡を取ることができるように、又は置き間違えられた装置が容易に見つけられることができるように、スリープモードの範囲の上の低電力状態の範囲が望ましい。
【0004】
しかし、現代の遠隔測定インフラストラクチャは、低電力モードに関する進んだ機能がない。現在の最先端の“TeleVision”技術は、一方向の“シンプレックス(simplex)”機能(すなわち、装置から中央サイト)のみを提供し、インフラストラクチャは、APプロキシ機能及び/又は無線双方向機能と、内蔵の制御プロトコル又は関連アプリケーションのメタ状態機械モデルとを欠いている。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、専門のインターネット及びDECT型プロトコルを使用した複数の医療装置管理機能を有効にするデータ通信プロトコルを提供する。特に、本発明は、非常に低い電力状態の無線医療装置が、その不変のメタ状態に基づいて、“スタンバイ”モードから呼び出された後に、及び/又は通常の動作を再開しない場合に可聴指示を発行することにより、通常の動作を再開することを可能にする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明が機能し得る1つの方法は、インターネット制御がDECT“呼出”を無線医療装置に発行するように、無線ネットワークのアクセスポイント(AP:Access Point)に指示する。DECT呼出を受信すると、装置はスタンバイモードから通常の動作を再開する、又は装置が“置き間違えられた”及び/又は見失ったような場合に臨床医が装置を見つけることを容易にする可聴指示を作る。多忙な臨床環境では、無線医療装置が置き間違えられ得ることがよくあり、直接の患者ケアを行う臨床医の能力を損なっている。
【0007】
更に、本発明の他の態様は、臨床医が、(直接的に又は患者装備の装置でボタンを押下することにより)迅速にナーススタッフに連絡を取るように、移動性の医療遠隔測定装置を有する患者に促すことを可能にすることである。
【0008】
本発明はまた、双方向無線データ通信技術の使用を通じて、移動性及び携帯型の装置のスタンバイ管理アプリケーションにおいて(同時に管理される装置数に関して)範囲及び尺度を自動化して増加させる。これによって、装置とナースステーションとの間を移動する時間を費やすのではなく、又は装置若しくは患者を見つける(直接の患者の医療ケアを行うことに対して)非生産的に時間及びエネルギーを費やすのではなく、臨床医がこれらのステーションを遠隔で制御することが可能になる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
図面共に提示される以下の説明は、説明目的で提供されており、限定のためではないことがわかる。本発明の要旨内にあると共に特許請求の範囲内にある本発明の多数の変形が存在することを、当業者はわかる。
【0010】
本発明の機能を本当に理解するために、特にWMTS-WLAN型装置の“呼び出し/検出(page/find)”及び“スタンバイ”機能について、複数の定義が示されなければならない。これらの機能は、WMTS-WLAN DECT型技術の“双方向“デュプレックス(duplex)””通信機能により可能になり、これを利用することを目的とする。
【0011】
“呼び出し/検出”は、装置から可聴指示を発行し、装置の位置の決定を容易にするために、遠隔測定医療装置が(APの範囲内にある場合に)到達可能な機能である。代替として、呼び出し/検出機能は、ナースコール機能を実行することを患者に促すために使用され得る。いずれの場合でも、無線モジュール(RM:radio module)が適切なモード(すなわち、何らかのAPの範囲内にあり“非アクティブ”でない)にある場合には、装置が応答する。専門のWMTS-DECTレベルの機能がこの機能に使用され得る。
【0012】
“スタンバイ”モードは、装置が“動的”ケアをサポートするために補助動作モードになり得る機能である。スタンバイモードは、要求の確認を受信した後にのみ生じる。装置が確認を受信しない場合、再試行する。再試行が失敗すると、制御が失敗したと仮定し、応答の欠如が範囲外に装置があるためであるか否かを決定するために、装置は他の“MDSステータス ADE装置”メッセージを送信するべきである。スタンバイモード中は、いくつかの装置の電力節約機能が非常に低い消費電力モード(スリープモード)を許容し、WLANでのメッセージに対する装置インタフェースの受信力が、APにより起動するように“呼び出される”まで効果的に制限される。装置が電力を提供することができる場合、警告ステータスの更新が維持される必要があるというような目的のみで“潜伏の再開”に必要な時間を最小化するために、スタンバイモード中であっても関連を維持しようとする。
【0013】
いくつかのスタンバイモードの使用には次のものがある。
【0014】
(1)新しい患者が所定のベッドを割り当てられるのを待機している間に、患者監視装置(PMD:Patent Monitoring Device)は、典型的にはスタンバイモードになる。動作モードの手動の再開は典型的には中央から開始され、必要ない場合に受け入れられる。
【0015】
(2)患者が付属研究室に/から移動しているときに、アニメーション装置は、典型的にはスタンバイモードになる。このことは範囲外の状態を生じることがあり、このため、特に装置が電力節約(スリープ)モードになっているときに、自動呼び出し/検出及び再開機能を提供することを重要であるが複雑にする。更に、これらの装置は、場合によってはスタンバイモードの間に、普通に“見失われる”(すなわち、置き間違えられる)。このことが更に設計を複雑にする。
【0016】
“自動再開”は、スタンバイモードから動作モードを再開する装置の機能を示す。この自動再開は、動作モードの手動の再開とは異なり、典型的には装置側で生じ、典型的には中央ステーションから起動される。しかし、装置はスタンバイモードになったときにカウントダウンタイマを設定してもよく、これにより、タイマが終了したときに、装置は自動的に通常のモードを再開し、MDSステータスをPICに送信する。
【0017】
“自動再接続”は、範囲内にいるときに“呼び出し/検出”メッセージに応答し得る装置の機能を示す特徴である。装置が範囲外に移動して範囲内に戻ったときに、自動再接続が行われる。この理由は、装置が範囲内に戻ったときにPICから再開制御指示を受信するために、装置が定期的にPICとの接続を探しているからである。自動再接続は、装置が範囲内に戻ったときに手動の再接続起動を必要としない。
【0018】
図1は、中央監視ステーション105を示している。例えば、中央監視ステーション105は、心臓ケア部門のナースステーション、養護施設若しくはホスピス施設内の中央医療部門、又は病院の緊急治療室を構成してもよい。当初では緊急治療室は本発明用の環境でないように思えるが、実際には、緊急治療室の優先度に従ってサービスを受けており、不意に悪くなる可能性がある患者の状態を“電子的に監視する”という登録時に、患者装備可能装置が割り当てられ得る。
【0019】
患者監視装置(PMD#1-4)110は、無線遠隔測定を有する。これにより、1つ以上の特定の生理反応が測定されることに加えて、無線遠隔測定がDECT、TDMA及び/又はWMTSのようなプロトコルを介して中央監視ステーション105に返信されることを可能にする。
【0020】
更に、患者装備可能装置(PWD#1-4)115もまた、生理データを報告するための無線遠隔測定を有する。しかし、PWDは患者により装備されており、例えば血圧、携帯型心臓モニタ、温度センサ等を監視するリストバンド及び/又はアームバンドを有してもよい。PWDは、例えば患者により装備されていないベッド脇の心臓モニタと対照的であるが、患者に接続されており、このような装置はPMDを有する。
【0021】
代替として、中央監視ステーションは、ブロードキャスト範囲内のノードを管理するWLANのアクセスポイント以外のものを有する必要がない。AP自体は、プロキシサーバ、メインサーバ又はコントローラに配線されてもよく、光ファイバ接続されてもよく、無線接続されてもよい。
【0022】
PDM110は、患者のベッドの隣にある少し大きい装置であり、一般的に携帯可能である。例えば患者がMRIを必要とすることを医者が決定した場合、用務員はPDM110と共に患者をその場所に動かすことができる(PMDは移動中に動作し続けるために電池バックアップを有する)。
【0023】
図1の一部の周りの点線120は、中央監視サイト105のRF範囲を構成する。PWD#2及びPMD#4は中央監視ステーション105の範囲外にある。中央監視ステーション105がAPである場合、これらの装置はWLANの他のAPに“ハンドオフ”されることも考えられる。
【0024】
PMD及びPWDのそれぞれは、複数のメタ状態(下位状態)(スタンバイ、アクティブ、ロック、検索中、又は非アクティブ等)のうち1つになるように適合された無線モジュール(RM)をそれぞれ有する。同様に、PWD及び/又はPMD自体は、複数のメタ状態(図2Bに示すと共に以下に説明する)を有する全体のステータスを有する。WMTS-WLAN型プロトコルが適切な動作を決定するのは、これらの異なる種類のメタ状態からである。
【0025】
図2Aは、主な下位状態のリストと、ステータスの選択肢とを示している。スタンバイに関して、装置のステータスは動作中モード又はスタンバイでもよい。(呼出時点)PIC関連に関して、装置はPIC関連済、PIC未関連又はPIC関連中でもよい。PIC接続に関して、装置はPIC接続済、PIC切断又はPIC接続中でもよい。ブートに関して、装置はIP認識(IP割り当てアドレスの持続)、未認識、ブート又はリブートでもよい。範囲に関して、装置は範囲内又は範囲外でもよい。アクセスポイントに関して、装置はAP関連済又はAP未関連でもよい。
【0026】
図2Bは、本発明により使用され得る様々なメタ状態のうちいくつかを示している。例えば、ボックス250は、PWD装置の初期状態を示しており、特定の状態及び各状態のステータスが記載されている。255では、スタンバイ状態は動作中であり、PICは関連済であり、PICは接続済であり、ブート状態はIP認識であり、装置はPICからの送信範囲内にある。更に、無線モジュール(RM)状態はアクティブであり、タイミングは非アクティブである。
【0027】
ボックス260において、PWDはスタンバイモードになり、RM状態はスリープモードにロックされる。所定の期間の後にPWD装置がタイムアウトしてPICに接続し得るように例えばカウントダウンタイマが存在し得るため、タイミングはアクティブである点に留意すべきである。これにより、中央ホストが見つけようと探しているPWDを呼び出し/検出機能が起動する。ボックス260において、PWDはPIC未関連であり、PICは未接続であり、ブート状態はIP未認識であり、RM状態はロックである。PWDは依然として範囲内である。
【0028】
例えばPWDが範囲内であるか範囲外であるかに応じて、様々なタイムアウトの場合が存在する。ボックス260のPWDは範囲内であるため、タイミングの後に起動して呼び出し/検出に応答してもよい。これにより、装置がボックス275に示すように自動再開することを可能にする。自動再開により、RM状態はアクティブになり、PICは関連済且つ接続済になり、APは関連済になる。要求の患者の生理情報をAP、PIC及び/又は中央ホストに返信している間に、PWDは初期状態に戻ってもよい。
【0029】
しかし、ボックス265のように、PWDが範囲外になったときに異なるシナリオが生じ得る。ここでは、装置がタイムアウトすると、呼び出し/検出を受信/応答することができない。ボックス265では、RM状態は非アクティブであると示されている。図示の範囲外の場合は、範囲内にあり依然としてタイミングのときに、装置がロック状態になることを可能にする。タイムアウトすると、装置が自動再開することを可能にする。
【0030】
ボックス270は、範囲外にあったPWDが範囲内に戻ったときに生じることを示している。この場合では、PWDはまだタイムアウトしていない。タイムアウト時に、自動リスタートが生じる。特に、装置はこの状態で電力を管理する必要がある。呼び出し/検出機能を容易にするために、PWD装置は定期的にロック又はアクティブ状態になってもよい。そうでない場合、非アクティブであり、呼び出し/検出要求に応答することができない。このような装置は孤立装置と呼ばれる。
【0031】
図2Bに記載の状態は、DECTレベルの呼び出し/検出機能に加えてPWDがタイムアウト機構を有することを必要とする。更に、PICが孤立装置の検出中又はスタンバイモードからの自動再開中に潜伏を最適化する場合に、自動呼び出し/検出機構が必要になってもよい。
【0032】
図3は、本発明による無線医療装置がどのように構成され得るかについてのいくつかの詳細を提供する。この図面は説明目的にのみ提供されており、図示の装置に本発明を限定しない。本発明の多数の等価なもの又は異なる構成が存在し得る。
【0033】
無線モジュール(RM)116は、送信機能と、アンテナ(必ずしもユニットから手動で伸ばされる必要はない)送信機と、受信機とを有する。物理モニタモジュール118は、測定される特定の生理反応(例えば脈拍)に適合されてもよい。マイクロプロセッサ(図示せず)は、RMと、物理モニタモジュール118と、装置の他の機能とを制御してもよい。装置は、スピーカ113と、バイブレータ119と、照明120とのうちいずれか又は全部を有してもよい。これらの全ては患者にナースコールを通知するために使用され得る。ナースコール承認112は患者により押下され、患者ができるだけ速くナースに連絡を取ろうとしていることを認識していることを中央監視ステーション105に気づかせ得る。
【0034】
DECT型レベルの呼び出し/検出方法は、AP104及び106又は中央監視ステーション105にポーリングすることにより、装置のステータスを決定し得る。典型的には、この方法は、複数APのユニキャスト又はPIC型ブロードキャストを必要とする。特定の装置を探している場合には、どのAPが現在関連しているかを知らなくてもよく、装置が非アクティブである場合、所定のAPは装置がその送信範囲内にあることを認識しなくてもよいことを仮定する。非アクティブの間の装置の携帯性は、非アクティブの装置がAPの送信範囲内に移動したことを所定のAPが知らなくてもよいことの原因になる。装置が範囲内に戻ったときに特にPIC型の定期ポーリングが使用される場合に、ネットワーク負荷の影響も検討される。
【0035】
手順を実装する方法の例は、単一の装置呼出制御が装置に以下のことを行わせるように、メタ状態モデルと、専門のAP“プロキシ”機能と、無線リンクの“装置呼出”機能とを統合することである。
(1)所望の状態に変化させる(すなわち、(装置がスタンバイモードである場合に)スタンバイモードから再開させる)、及び/又は
(2)患者への目立つ可聴コードを指示させ、患者に“ナースコール”ボタンを押下させる若しくはナーススタッフに連絡させる(装置がスタンバイモードになっておらず、中央監視システム105に関連付け可能な場合)、及び/又は
(3)目立つ可聴コードを指示させ、臨床スタッフ又は生体工学スタッフにより検出可能であることを促進させる。
【0036】
例えば、図1に示す例では、冠動脈の問題を有する患者“Smith”がPWD#1を装備しており、高齢者用の療養所に存在する。PWD#1は、完全に動作中であり、懸念である心拍の変化を報告しているが、本格的な緊急事態ではない。ナーススタッフは、患者Smithが8時間毎にニトログリセリン錠を取り、心拍を安定化させることになっていることを認識している。中央監視ステーションは、呼び出し/検出メッセージをPWD#1に送出し得る。このメッセージは可聴トーンを起動し、移動中に患者がこのトーンを聞くと、患者は迅速にナースステーションに連絡を取るように知らされる。代替として又は更に、端末の可聴トーンは、ブーブーという音を有する。トーンと共に又はトーンの代わりに、照明がフラッシュしてもよい。
【0037】
代替として、トーンの代わりに、PWDは“ナースを呼び出してください”という予め記録されたメッセージをブロードキャストしてもよい。患者Smithがナースを呼び出すと、最近の予定時間に薬を飲んだかを確認し、どのように感じるかを質問することができる。PWD自体は、トーン/メッセージの受信を承認するためにユーザにより押下されるスイッチを有してもよい。トーン/メッセージの受信は、中央サイトに返信されてもよく、されなくてもよい。患者が特定の期間又は連続する試行の後に承認しない場合、PWDは緊急可聴トーンを自動的に表示し、これにより、ナースステーションと通信できない可能性がある場合に、臨床医が患者Smithを迅速に見つけることができる。
【0038】
中央監視ステーションと双方向に個々に通信するために、患者が承認ボタンを押下したとき又はナースコールボタンを起動したときに、指定のAPとナースステーション(例えば中央監視ステーション)との間の通信が生じるように、PWDは送信機能を有するべきである。このように、患者と中央監視ステーションの医者又はナースは、迅速且つ容易に相互に通信することができる。各PWDは、WMTS又はDECT周波数スペクトルで患者を区別するために、TDMA、CDMA、GSM、FDMA等を使用してもよい。
【0039】
前記の例の変形では、患者の生理測定が範囲外にあるとき及び/又は特定の期間が経過したときに、PWDのみが中央監視ステーションに連絡を取るため、PWD#1の無線モジュールはスタンバイモードになる。この場合に、PWD#1は、3時間半の間に中央監視ステーションと通信していない。中央監視ステーションは、何も通信せずに4時間が経過すると、ステータスを検査するために呼び出しをPWD#1に送出するようにプログラムされる。患者Smithは病院のどこにでも歩いてよいため、全てのAPは呼び出し/検出メッセージをブロードキャストしてもよい。この場合、呼び出し/検出メッセージは、患者に対して中央監視ステーションに呼び出しさせるPWDへのメッセージが続く“起動”信号でもよい。
【0040】
当然のことながら、PWD#1が患者のブロードキャストメッセージの範囲外にある場合、装置が範囲外/失敗リストに残っている可能性がある。装置が使途不明になり得る時間を低減するために、装置はそのステータスを定期的に報告してもよい。1つの方法は、タイマ出力によるものである。例えば、装置は所定の期間毎に1回報告してもよい。返信の応答が存在しない場合、装置が範囲内に戻るまで、報告は迅速に又は短い間隔で繰り返されてもよい。
【0041】
このように、本発明の一連の方法のステップは、以下のことを有する。
(a)WLANで1つ以上のアクセスポイント及び中央監視ステーションと双方向通信するように適合された患者装備可能装置(PWD)と患者監視装置(PMD)とのうち1つを有する1つ以上の無線監視装置の無線モジュール(RM)のステータスを決定し、RMのステータスは複数のメタ状態のうち1つを有する。
(b)特定の無線監視装置の現状態が所望の状態でない場合に、装置のメタ状態を所望の状態に変更するように適合された信号の無線送信を受信するために特定の無線監視装置を選択する。
(c)指示信号を特定の無線患者監視装置に送信し、特定の無線監視装置により監視される患者により少なくとも聞こえることができる所定の可聴コードを発行することにより、患者の無線監視装置の可聴コード機能を起動し、ステップ(c)の可聴コードは、特定の患者監視装置に対して、患者がナーススタッフのメンバに連絡を取るためにナースコール機能がブロードキャストされたことを患者に指示する特定のトーンを発行させてもよく、又は患者がナーススタッフのメンバに連絡を取ることを要求する患者への予め記録されたメッセージ/予めプログラムされたメッセージを再生させてもよい。
【0042】
本発明の更なる利点は、特定の無線患者監視装置により再生される可聴コードが、無線装置の位置を認識していない職員が病院、診療所、養護施設、ホスピス、医療施設等を歩き回る間に可聴コードを聞くことにより、無線装置を見つけることができるほど十分の音量であるように、可聴コードが呼び出し/検出機能を有する点にある。
【0043】
本発明の要旨又は特許請求の範囲を逸脱しない様々な変更が、本発明に行われてもよい。例えば、無線送信用の1つのプロトコルはWMTS DECT型プロトコルであるが、如何なる種類のCDMA、TDMA、GSM、FDMA等が送信に使用されてもよい。医療監視装置は、患者に移植されて又はユーザの皮膚に外部に配置されて、患者により装備されてもよい。ブロードキャストされる可聴コード、音量及び周波数の形式は、特定のニーズに適してもよい。可聴コードの代わりに又はこれと共に視覚補助が発行されてもよい。例えば、呼び出し/検出機能が実行されたときに、装置は照明をフラッシュしてもよい。AP及び装置は802.11のようなWIFIで通信してもよく、AP及び中央監視ステーションは、可能な接続のうちいくつかを挙げると、有線、光ファイバ、Ethernet(登録商標)、ブロードバンド等で関連付けられてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0044】
【図1】本請求の発明によるシステム
【図2A】本請求のシステムによる患者医療装置のステータスを分類するために使用され得るいくつかのメタ状態
【図2B】スタンバイ−再開の“ライフサイクル”を進むときにメタ状態が装置の典型的な遷移中に変化する様子
【図3】本発明による患者装備可能装置/患者監視装置を有する構成要素のうちいくつかの詳細図

【特許請求の範囲】
【請求項1】
WLANネットワークで無線患者監視装置を呼び出す/検出する方法であって:
(a)WLANで1つ以上のアクセスポイント及び中央監視ステーションと双方向通信するように適合された患者装備可能装置(PWD)と患者監視装置(PMD)とのうち1つを有する1つ以上の無線監視装置の無線モジュール(RM)のステータスを決定し、前記PWD/PMDの全体のステータスは複数のメタ状態のうち1つを有するステップと;
(b)特定のPWD/PMDの現状態が所望の状態でない場合に、前記装置のメタ状態を所望の状態に変更するように適合された信号の無線送信を受信するために特定のPWD/PMDを選択するステップと;
(c)指示信号を前記特定のPWD/PMDに送信し、前記特定のPWD/PMDにより監視される患者により少なくとも聞こえることができる所定の可聴コードを発行することにより、前記特定のPWD/PMDの可聴コード機能を起動するステップと;
を有する方法。
【請求項2】
請求項1に記載の方法であって、
ステップ(c)の前記可聴コードは、前記特定のPWD/PMDに対して、患者がナースに連絡を取る指示を提供する特定のトーンを発行させる方法。
【請求項3】
請求項1に記載の方法であって、
ステップ(c)の前記可聴コードは、前記特定のPWD/PMDに対して、患者がナーススタッフのメンバに連絡を取ることを要求する患者への予め記録されたメッセージ/予めプログラムされたメッセージを再生させる方法。
【請求項4】
請求項1に記載の方法であって、
ステップ(c)の前記可聴コードは、前記特定のPWD/PDMにより再生される第2の可聴コードを有する呼び出し/検出機能を有し、
前記第2の可聴コードは、無線装置の位置を認識しない職員が前記第2の可聴コードを聞くことにより前記無線装置を見つけることを可能にするほど十分の音量である方法。
【請求項5】
請求項1に記載の方法であって、
ステップ(a)における1つ以上の無線装置のRMのステータスの決定は、ユニキャストを介して前記1つ以上のアクセスポイントにポーリングすることにより生じる方法。
【請求項6】
請求項1に記載の方法であって、
ステップ(a)における1つのPWD/PMDのRMのステータスの決定は、PIC(Point In Cell)型ブロードキャストを介して前記1つ以上のアクセスポイントにポーリングすることにより生じる方法。
【請求項7】
請求項1に記載の方法であって、
前記1つ以上のPWD/PMDのRMは、無線医療遠隔測定システムWLAN DECT型プロトコルを使用する方法。
【請求項8】
請求項7に記載の方法であって、
ステップ(a)における前記PWD/PMDの前記複数のメタ状態の全体のステータスは、動作中、スタンバイ、スリープ、アクティブ、ロック、検索中、非アクティブ、PIC関連済、PIC未関連、PIC接続済、PIC未接続、AP関連済、AP未関連、アクティブタイミング、非アクティブタイミング、及びステップ(a)で選択された前記特定のPWD/PMDが応答しない場合の指定の範囲外の状態を有する方法。
【請求項9】
請求項8に記載の方法であって、
ステップ(b)における前記特定のPWD/PMDのRMの前記メタ状態は、アクティブ状態に変更される方法。
【請求項10】
請求項8に記載の方法であって、
前記メタ状態は、IP認識、IP未認識、ブート、及びリブートを更に有する方法。
【請求項11】
請求項7に記載の方法であって、
前記PWD/PMDは、前記装置が所定の期間にポーリングされていない場合、前記1つ以上のアクセスポイントにステータスを定期的にブロードキャストする方法。
【請求項12】
少なくとも1つの中央監視ステーション及び複数のアクセスポイントと;
WLANで前記複数のアクセスポイント及び前記中央監視ステーションと双方向通信するように適合された患者装備可能装置(PWD)と患者監視装置(PMD)とのうち1つを有し、前記PWD/PMD装置は、複数のメタ状態を有する複数の無線患者監視装置と;
を有する無線医療監視装置用の呼び出し/検出システムであって:
少なくとも前記1つの中央監視ステーション及び複数のアクセスポイントは、患者により聞こえることができる所定の音量で可聴コードを発行するように特定の無線医療監視装置に伝える特定のPWD/PMDへの呼び出し/検出メッセージをブロードキャストするように適合されるシステム。
【請求項13】
請求項12に記載のシステムであって、
前記特定のPWD/PMDにより発行される前記第1の可聴トーンは、ナースコール機能を示すトーンを有するシステム。
【請求項14】
請求項12に記載のシステムであって、
前記所定の音量は、施設内の職員が前記特定のPWD/PMDを見つけることを可能にするほど十分に大きいシステム。
【請求項15】
請求項12に記載のシステムであって、
前記中央ステーション及び複数のAPは、WLAN DECT型プロトコルを使用した無線医療遠隔測定システムにより、前記PWD/PMDと通信するシステム。
【請求項16】
請求項12に記載のシステムであって、
前記中央ステーション及び複数のAPは、PIC(Point In Cell)型ブロードキャストを介して前記PWD/PMDのステータスをポーリングするシステム。
【請求項17】
患者の特定の生理反応を監視する手段と;
中央監視ステーション又は複数のアクセスポイントのうち1つと通信するように適合された無線モジュールと;
信号の受信に応じて、装置がナースコール機能を示す可聴コードを発行する可聴コード発行手段と;
を有する患者監視装置。
【請求項18】
患者の特定の生理反応を監視する手段と;
中央監視ステーション又は複数のアクセスポイントのうち1つと通信するように適合された無線モジュールと;
信号の受信に応じて、ナースコール機能が生じたことを患者が認識するほど十分の音量で、装置が第1の可聴コードを発行するトランスデューサを起動する可聴コード発行手段と;
起動されたときに、ナースコール機能が前記患者により承認されたことを示す承認ボタンと;
を有する患者監視装置。
【請求項19】
請求項18に記載の患者監視装置であって、
前記可聴発行ユニットは、前記第1の可聴コードより相対的に大きい第2の可聴コードを発行し、施設の職員が前記第2の可聴コードを聞くことにより前記装置を見つけることを可能にする患者監視装置。
【請求項20】
請求項18に記載の患者監視装置であって、
前記可聴発行ユニットは、バイブレータと照明とを有する患者監視装置。

【図1】
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【図2A】
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【図2B】
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【図3】
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【公表番号】特表2007−527166(P2007−527166A)
【公表日】平成19年9月20日(2007.9.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−553711(P2006−553711)
【出願日】平成17年2月1日(2005.2.1)
【国際出願番号】PCT/IB2005/050427
【国際公開番号】WO2005/083940
【国際公開日】平成17年9月9日(2005.9.9)
【出願人】(590000248)コーニンクレッカ フィリップス エレクトロニクス エヌ ヴィ (12,071)
【Fターム(参考)】