説明

無線基地局、無線基地局の制御方法、及び無線基地局の制御プログラム

【課題】無線基地局への処理負荷の集中を他の無線基地局に分散させることにより異常輻輳を防止できる無線基地局、無線基地局の制御方法、及び無線基地局の制御プログラムを提供する。
【解決手段】移動局と無線通信を行う無線部12と、第1の交換機2aに属する他の無線基地局1aと処理負荷情報を共有するインタフェース14と、処理負荷情報に基づき推定した第1の交換機2aに係るシステムの処理負荷が第1の閾値以上であり、かつ自己の処理負荷が第2の閾値以上である場合、第2の交換機2bに属する無線基地局1bを選択し、前記移動局の通信パケットを第2の交換機2bに属する無線基地局1bに対し前記インタフェース14により転送するか、又は、前記移動局をハンドオーバさせる制御部13と、を有することを特徴とすることを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、無線基地局、無線基地局の制御方法、及び無線基地局の制御プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来の移動通信システムでは、ある特定の地域等でその場所に存在する複数の移動局が一斉に通信を開始した場合、交換機の処理能力を超えてしまい通常の送受信が困難な状態、いわゆる異常輻輳が発生する。この異常輻輳が発生すると、回線交換ネットワーク又はパケット交換ネットワークにおいて全ての処理が規制又は禁止されるため、移動局は発着信処理や位置登録処理を行うことができない。
【0003】
現在の3GPP標準仕様では、この異常輻輳の対策として、Domain Specific Access Control(以下、DSACという。)が規定されている。DSACは、ネットワークにおいて異常輻輳が発生し、通常の送受信が困難な状態になると、回線交換機における処理とパケット交換機における処理とを分けて規制するように構成されている(例えば非特許文献1)。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0004】
【非特許文献1】3GPP TR23.898、“Technical Specification Group Services and System Aspects Access Class Barring and Overload Protection(Release 7)”、2005年3月、[online]、[2011年8月10日検索] <URL http://www.quintillion.co.jp/3GPP/Specs/23898-700.pdf>
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
各無線基地局は自己のエリア内の複数の移動局と通信を行い、移動局のパケットデータを、S1インタフェースを介して交換機に送信する。このため各無線基地局のエリア内の移動局のパケットデータ容量が増加した場合、S1インタフェースのトラフィックが増加し、移動局のスループットが低下する。3GPPのDSACでは音声用トラフィックとパケット用のトラフィックの配分を独立して変化させることによって輻輳制御を行なっている。しかし、ネットワークトラフィックの最大容量が増加するわけではないため、処理負荷が所定の無線基地局に集中した場合では対応できない。
【0006】
従って、上記のような問題点に鑑みてなされた本発明の目的は、複数の移動局との通信による無線基地局の処理負荷の集中を他の無線基地局に分散させることにより異常輻輳を防止できる無線基地局、無線基地局の制御方法、及び無線基地局の制御プログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために本発明に係る無線基地局は、
移動局と無線通信を行う無線部と、
第1の交換機に属する他の無線基地局と処理負荷情報を共有するインタフェースと、
前記処理負荷情報に基づき推定した前記第1の交換機に係るシステムの処理負荷が第1の閾値以上であり、かつ自己の処理負荷が第2の閾値以上である場合、第2の交換機に属する無線基地局を選択し、前記移動局の通信パケットを前記第2の交換機に属する無線基地局に対し前記インタフェースにより転送するか、又は、前記移動局を前記第2の交換機に属する無線基地局にハンドオーバさせる制御部と、
を有することを特徴とする。
【0008】
また本発明に係る無線基地局は、
前記制御部が、前記第2の交換機に属する無線基地局を複数選択し、前記移動局の通信パケットを、前記第2の交換機に属する複数の無線基地局に対し前記インタフェースにより転送することを特徴とする。
【0009】
また本発明に係る無線基地局の制御方法は、
移動局と無線通信を行うステップと、
自己の処理負荷情報を算出するステップと、
第1の交換機に属する他の無線基地局と処理負荷情報を所定のインタフェースで共有するステップと、
前記処理負荷情報に基づき、前記第1の交換機に係るシステムの処理負荷を推定するステップと、
推定した前記第1の交換機に係るシステムの処理負荷が第1の閾値以上であり、かつ自己の処理負荷が第2の閾値以上である場合、第2の交換機に属する無線基地局を選択するステップと、
前記移動局の通信パケットを前記第2の交換機に属する無線基地局に対し前記インタフェースにより転送するか、又は、前記移動局を前記第2の交換機に属する無線基地局にハンドオーバさせるステップと、
を含むことを特徴とする。
【0010】
また本発明に係る無線基地局の制御方法は、
前記選択するステップが、前記第2の交換機に属する無線基地局を複数選択し、
前記移動局の通信パケットを、前記第2の交換機に属する複数の無線基地局に対し前記インタフェースにより転送することを特徴とする。
【0011】
また本発明に係る無線基地局の制御プログラムは、
無線基地局として機能するコンピュータに、
移動局と無線通信を行う手順と、
自己の処理負荷情報を算出する手順と、
第1の交換機に属する他の無線基地局と処理負荷情報を所定のインタフェースで共有する手順と、
前記処理負荷情報に基づき、前記第1の交換機に係るシステムの処理負荷を推定する手順と、
推定した前記第1の交換機に係るシステムの処理負荷が第1の閾値以上であり、かつ自己の処理負荷が第2の閾値以上である場合、第2の交換機に属する無線基地局を選択する手順と、
前記移動局の通信パケットを前記第2の交換機に属する無線基地局に対し前記インタフェースにより転送するか、又は、前記移動局を前記第2の交換機に属する無線基地局にハンドオーバさせる手順と、
を実行させることを特徴とする。
【0012】
また本発明に係る無線基地局の制御プログラムは、
前記選択する手順が、前記第2の交換機に属する無線基地局を複数選択し、
前記移動局の通信パケットを、前記第2の交換機に属する複数の無線基地局に対し前記インタフェースにより転送することを特徴とする。
【発明の効果】
【0013】
本発明における無線基地局、無線基地局の制御方法、及び無線基地局の制御プログラムによれば、複数の移動局との通信による無線基地局に係る処理負荷を、他の無線基地局に分散させることにより異常輻輳を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本発明の一実施形態に係る無線基地局及び交換機を備えるシステムの概要図である。
【図2】本発明の一実施形態に係る無線基地局のブロック図である。
【図3】本発明の一実施形態に係る無線基地局の動作を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明の実施の形態について説明する。
【0016】
(実施の形態)
【0017】
図1は本発明の一実施形態に係る無線基地局及び交換機を備えるシステムを示す概要図である。本発明は、好ましくはLTEにおける無線基地局及び交換機に適用される。そのため、本実施形態では、以下において無線基地局をeNodeB(発展型ノードB。以下、eNBという。)として説明し、交換機は、MME/S−GW(Mobility Management Entity/Serving Gateway)として説明し、また移動局をUE(User Equipment)として説明する。
【0018】
図1に示すように、本発明の一実施形態に係る無線基地局及び交換機を備えるシステムは、第1のeNB1aと、第2のeNB1bと、第3のeNB1cと、第1のMME/S−GW2aと、第2のMME/S−GW2bとを備える。第1のeNB1aと、第2のeNB1bと、第3のeNB1cとは互いにX2インタフェースを介して通信する。また第1のeNB1a及び第2のeNB1bは、それぞれ第1のMME/S−GW2aと、S1インタフェースを介して通信する。一方第2のeNB1b及び第3のeNB1cは、それぞれ第2のMME/S−GW2bと、S1インタフェースを介して通信する。第1のeNB1aと、第2のeNB1bと、第3のeNB1cにはそれぞれ自己のエリア内の1又は複数のUEが接続される。当該構成は、3GPPにおいて仕様が標準化されており、E−UTRANと呼ばれる。
【0019】
なお図1においては、無線基地局として、第1のeNB1a、第2のeNB1b、及び第3のeNB1cの3つの無線基地局を図示し、また、交換機として第1のMME/S−GW2a、及び第2のMME/S−GW2bの2つの交換機を図示しているが、これに限られない。例えば無線基地局の数及び交換機の数はこれより多くてもよい。
【0020】
図2は本発明の一実施形態に係る第1のeNB1aのブロック図である。本発明の一実施形態1に係る第1のeNB1aは、アンテナ11と、無線部12と、制御部13と、インタフェース14とを備える。第2のeNB1b及び第3のeNB1cも同一の構成であるため説明は省略する。
【0021】
アンテナ11は、第1のeNB1aと無線により接続されるUEとパケットの通信をする。
【0022】
無線部12は、アンテナ11を介してUEと通信を行う。具体的には無線部12は、アンテナ11により通信するパケットの変調及び復調を行い、第1のeNB1aが処理可能なデータ形式に変換等する。
【0023】
制御部13は、無線部12が変換等したデータを、インタフェース14を介して第1のMME/S−GW2aと通信する等、第1のeNB1aに係る各種処理を行う。また制御部13は、第1のeNB1aの処理負荷を算出し、当該処理負荷が第2の閾値以上であるか否かを判定する。また制御部13は、インタフェース14を介して当該処理負荷に係る情報(以下、処理負荷情報という。)を共有する。そして制御部13は、共有した他のeNBの処理負荷情報に基づき、第1のMME/S−GW2aに係るシステム全体の処理負荷が第1の閾値以上であるか否かを判定する。なお処理負荷は、接続されるUEの数及びUEの通信パケット量に依存する。
【0024】
また制御部13は、システム全体の処理負荷が第1の閾値以上であり、かつ自己の処理負荷が第2の閾値以上である場合、システム全体の処理負荷を分散させるため、新たな接続先であるeNBを選択する。また制御部13は、選択した新たな接続先のeNBが処理可能な処理負荷量を算出し、転送するパケット量の上限を定める。また制御部13は、第1のeNB1aに接続するUEを、新たな接続先のeNBにハンドオーバさせるか、または当該UEに係るパケットを、後述するX2インタフェースを介して新たな接続先のeNBに転送する。
【0025】
インタフェース14は、第1のeNB1aが、第1のMME/S−GW2a、第2のeNB1b及び第3のeNB1cと通信するために用いられる。インタフェース14のうち、S1インタフェースは第1のeNB1aが第1のMME/S−GW2aと通信するために用いられ、X2インタフェースは、第1のeNB1aが第2のeNB1b及び第3のeNB1cと通信するために用いられる。
【0026】
記憶部15は、第1のeNB1aに係る各種情報を格納する。例えば記憶部15は、制御部13が繰り返し処理を行う際に用いるカウンタ用の変数iを格納する。
【0027】
次に、本発明に係る第1のeNB1aについて、図3に示すフローチャートによりその動作を説明する。
【0028】
はじめに第1のeNB1aの制御部13は、第1のeNB1aの処理負荷情報を算出し、インタフェース14のX2インタフェースにより、同一のMME/S−GW、すなわち第1のMME/S−GW2aに属する他のeNBと処理負荷情報を共有する(ステップS1)。すなわち第1のeNB1aの制御部13は、算出した第1のeNB1aの処理負荷情報を、インタフェース14のX2インタフェースを介して、第1のMME/S−GW2aに属する他のeNBに送信する。また、第1のMME/S−GW2aに属する他のeNBが算出した各処理負荷情報を、インタフェース14のX2インタフェースを介して受信する。
【0029】
次に、第1のeNB1aの制御部13は、第1のMME/S−GW2aに係るシステム全体の処理負荷が第1の閾値以上であるか否かを判定する(ステップS2)。すなわち第1のeNB1aの制御部13は、ステップS1により共有した各eNBの処理負荷情報に基づき、システム全体、つまり第1のMME/S−GW2aに属する全eNBの処理負荷及び第1のMME/S−GW2aの処理負荷の合計値を推定する。また制御部13は、推定したシステム全体の処理負荷が第1の閾値以上であるか否かを判定する。システム全体の処理負荷が第1の閾値以上である場合、ステップS3に進む。一方、システム全体の処理負荷が第1の閾値未満である場合、処理が終了する。
【0030】
システム全体の処理負荷が第1の閾値以上である場合、続いて第1のeNB1aの制御部13は、自己、すなわち第1のeNB1aの処理負荷が第2の閾値以上であるか否かを判定する(ステップS3)。第1のeNB1aの処理負荷が第2の閾値以上である場合、ステップS4に進む。一方第1のeNB1aの処理負荷が第2の閾値未満である場合、処理が終了する。
【0031】
第1のeNB1aの処理負荷が第2の閾値以上である場合、第1のeNB1aの制御部13は、システム全体の処理負荷を分散させるため、第1のeNB1aに接続するUEの新たな接続先であるeNBを選択する(ステップS4)。新たな接続先であるeNBは、第1のeNB1aが属する第1のMME/S−GW2aとは異なるMME/S−GWに属する無線基地局であればよく、例えば第2のMME/S−GW2bに属する無線基地局である。従って図1における第2のeNB1b又は第3のeNB1cが該当する。すなわち、第1のeNB1aは、第1のMME/S−GW2aに係る処理負荷を低減するために、第2のMME/S−GW2bに属するeNBに無線通信に係る処理を行わせる。以下では、新たな接続先であるeNBとして第2のeNB1bを選択したとして説明するが、第3のeNB1cを選択してもよい。
【0032】
次のステップにおいて第1のeNB1aの制御部13は、ステップS4にて選択した第2のeNB1bが処理可能な処理負荷量を算出する(ステップS5)。当該処理負荷量は、第1のeNB1aがインタフェース14のX2インタフェースを介して受信した第2のeNB1bの処理負荷に基づき算出される。当該処理負荷量に基づき、第1のeNB1aの制御部13は、第2のeNB1bに転送するパケット量の上限を定める。
【0033】
続くステップS6〜ステップS10においては、第1のeNB1aに接続するUEに対し、1番目のUEから順番に各UEに対して所定の処理を繰り返し行う。なおUEの番号は適宜割り当てられる。第1のeNB1aの制御部13は、記憶部15に格納されたカウンタ用の変数iをインクリメントすることにより繰り返し処理を実現する。以下、当該処理を詳説する。
【0034】
まず、第1のeNB1aの制御部13は、記憶部15に格納されたカウンタ用の変数iを1にする(ステップS6)。続いて第1のeNB1aの制御部13は、第1のeNB1aに接続するi番目のUE(ここでは1番目のUE)が、第2のeNB1bにハンドオーバ可能か否かを判定する(ステップS7)。ここで第1のeNB1aに接続するi番目のUEがハンドオーバできるか否かは、第2のeNB1bと、i番目のUEとの距離に依存する。ハンドオーバできる場合にはステップS8に進む。一方ハンドオーバできない場合にはステップS9に進む。
【0035】
ステップS7において、制御部13がハンドオーバできると判定した場合、制御部13は、i番目のUEを第2のeNB1bにハンドオーバさせる(ステップS8)。そしてステップS10に進む。なおハンドオーバさせた場合には、該UEに係る全ての処理を第2のeNB1bに行わせるため、第1のeNB1aへの処理負荷の集中を効率よく分散することができる。
【0036】
ステップS7において、制御部13がハンドオーバできないと判定した場合、制御部13は、インタフェース14のX2インタフェースを介して、i番目のUEに係るパケットを第2のeNB1bに転送する(ステップS9)。そして第2のeNB1bは、S1インタフェースを介して、当該パケットを第2のMME/S−GW2bに送信する。このようにすることで、第1のeNB1aのインタフェース14のS1インタフェースを使わないで済むため、第1のeNB1a及び第1のMME/S−GW2aの負荷を分散することができる。
【0037】
続いて、第1のeNB1aの制御部13は、iの値が第3の閾値以上であるかを判定する(ステップS10)。iの値が第3の閾値以上の場合、処理が終了する。一方でiの値が第3の閾値未満の場合、記憶部15に格納されたiの値をインクリメントし(ステップS11)、ステップS7〜ステップS10の処理を繰り返す。なお第3の閾値は、第2のeNB1bに転送するパケット量の上限、第1のeNB1aの処理負荷量及びシステム全体の処理量に基づき適宜定められる。
【0038】
このように本発明によれば、第1のeNB1aの制御部13が、インタフェース14のX2インタフェースを介して第1のMME/S−GW2aに属する全eNBの処理負荷を共有し、システム全体の処理負荷及び第1のeNB1aの処理負荷が所定の閾値以上の場合に、第1のeNB1aに係る処理負荷を、第2のMME/S−GW2bに属するeNBに分散する。このため、異常輻輳を防止することができる。
【0039】
なお上記の例では、ステップS4において第1のeNB1aの制御部13が新たな接続先として、ひとつの無線基地局、すなわち第2のeNB1bのみを選択しているが、制御部13は、複数の無線基地局を選択してもよい。この場合は、ステップS6〜ステップS10において、ハンドオーバさせる先の無線基地局、またはUEに係るパケットをX2インタフェースで転送する先の無線基地局が複数になり、より第1のeNB1a及びシステム全体に係る処理負荷を分散させることができる。
【0040】
なおステップS8において、ハンドオーバさせる先のeNBは、ステップS4において選択したeNB、すなわち第2のeNB1bに限らず、異なるMME/S−GW(例えば第2のMME/S−GW2b)に属する無線基地局であればよい。したがってハンドオーバさせる先のeNBは、第3のeNB1cであってもよい。このようにハンドオーバさせる先のeNBを、ステップS4において選択したeNB以外の無線基地局とすることにより、より第1のeNB1a及びシステム全体に係る処理負荷を分散させることができる。
【0041】
なおハンドオーバさせる先のeNBがステップS4において選択したeNB以外のeNBを含む場合、ステップS9において、第2のeNB1bが処理可能な処理負荷量を再度算出し、更新してもよい。すなわち、第2のeNB1bにハンドオーバ又はX2インタフェースで転送した場合のみ第2のeNB1bの処理負荷は増加し、新たな接続先以外のeNBにUEをハンドオーバさせた場合には、第2のeNB1bの処理負荷は増加しない。したがって、ステップS9において、第2のeNB1bが処理可能な処理負荷量を更新することにより、より正確に第2のeNB1bの許容可能な処理負荷を算出することができ、システム全体の負荷をより分散することができる。
【0042】
なお上記の例では、ステップS6〜ステップS10において、各UEの番号は適宜割り当てられるとしたが、eNB1aは、自局に接続する各UEの処理負荷を予め認識し、処理負荷の低いUEから順番に番号を割り当ててもよい。このように割り当てた場合、eNB1aは、ステップS6〜ステップS10の繰り返し処理を処理負荷の低いUEから順番に行うことになる。
【0043】
ここで、第1のeNB1aとして機能させるために、コンピュータを好適に用いることができ、そのようなコンピュータは、第1のeNB1aの各機能を実現する処理内容を記述したプログラムを、当該コンピュータのメモリに格納しておき、当該コンピュータの中央演算処理装置(CPU)によってこのプログラムを読み出して実行させることで実現することができる。
【0044】
本発明を諸図面や実施例に基づき説明してきたが、当業者であれば本開示に基づき種々の変形や修正を行うことが容易であることに注意されたい。従って、これらの変形や修正は本発明の範囲に含まれることに留意されたい。例えば、各手段、各ステップ等に含まれる機能等は論理的に矛盾しないように再配置可能であり、複数の手段やステップ等を1つに組み合わせたり、或いは分割したりすることが可能である。
【符号の説明】
【0045】
1a 第1のeNB
1b 第2のeNB
1c 第3のeNB
2a 第1のMME/S−GW
2b 第2のMME/S−GW
11 アンテナ
12 無線部
13 制御部
14 インタフェース
15 記憶部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
移動局と無線通信を行う無線部と、
第1の交換機に属する他の無線基地局と処理負荷情報を共有するインタフェースと、
前記処理負荷情報に基づき推定した前記第1の交換機に係るシステムの処理負荷が第1の閾値以上であり、かつ自己の処理負荷が第2の閾値以上である場合、第2の交換機に属する無線基地局を選択し、前記移動局の通信パケットを前記第2の交換機に属する無線基地局に対し前記インタフェースにより転送するか、又は、前記移動局を前記第2の交換機に属する無線基地局にハンドオーバさせる制御部と、
を有することを特徴とする無線基地局。
【請求項2】
前記制御部は、前記第2の交換機に属する無線基地局を複数選択し、前記移動局の通信パケットを、前記第2の交換機に属する複数の無線基地局に対し前記インタフェースにより転送することを特徴とする請求項1に記載の無線基地局。
【請求項3】
移動局と無線通信を行うステップと、
自己の処理負荷情報を算出するステップと、
第1の交換機に属する他の無線基地局と処理負荷情報を所定のインタフェースで共有するステップと、
前記処理負荷情報に基づき、前記第1の交換機に係るシステムの処理負荷を推定するステップと、
推定した前記第1の交換機に係るシステムの処理負荷が第1の閾値以上であり、かつ自己の処理負荷が第2の閾値以上である場合、第2の交換機に属する無線基地局を選択するステップと、
前記移動局の通信パケットを前記第2の交換機に属する無線基地局に対し前記インタフェースにより転送するか、又は、前記移動局を前記第2の交換機に属する無線基地局にハンドオーバさせるステップと、
を含む無線基地局の制御方法。
【請求項4】
前記選択するステップは、前記第2の交換機に属する無線基地局を複数選択し、
前記移動局の通信パケットを、前記第2の交換機に属する複数の無線基地局に対し前記インタフェースにより転送することを特徴とする請求項3に記載の無線基地局の制御方法。
【請求項5】
無線基地局として機能するコンピュータに、
移動局と無線通信を行う手順と、
自己の処理負荷情報を算出する手順と、
第1の交換機に属する他の無線基地局と処理負荷情報を所定のインタフェースで共有する手順と、
前記処理負荷情報に基づき、前記第1の交換機に係るシステムの処理負荷を推定する手順と、
推定した前記第1の交換機に係るシステムの処理負荷が第1の閾値以上であり、かつ自己の処理負荷が第2の閾値以上である場合、第2の交換機に属する無線基地局を選択する手順と、
前記移動局の通信パケットを前記第2の交換機に属する無線基地局に対し前記インタフェースにより転送するか、又は、前記移動局を前記第2の交換機に属する無線基地局にハンドオーバさせる手順と、
を実行させる無線基地局の制御プログラム。
【請求項6】
前記選択する手順は、前記第2の交換機に属する無線基地局を複数選択し、
前記移動局の通信パケットを、前記第2の交換機に属する複数の無線基地局に対し前記インタフェースにより転送することを特徴とする請求項5に記載の無線基地局の制御プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2013−98585(P2013−98585A)
【公開日】平成25年5月20日(2013.5.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−236430(P2011−236430)
【出願日】平成23年10月27日(2011.10.27)
【出願人】(000006633)京セラ株式会社 (13,660)
【Fターム(参考)】