説明

無線装置及び無線装置の無線干渉軽減方法

【課題】2つ以上の無線処理装置を有する場合の両者の間の無線干渉を軽減することができる無線装置の無線干渉軽減方法を提供する。
【解決手段】無線中継装置100は、周波数Aの無線信号Aを処理する第1無線(A)処理装置12、及び周波数Aとは異なる周波数Bの無線信号Bを処理する第2無線(B)処理装置13と、第1無線(A)処理装置12及び第2無線(B)処理装置13により共有される複数のアンテナを有するアンテナ部10と、複数のアンテナと第1無線(A)処理装置12及び第2無線(B)処理装置13との接続を行うスイッチングアレイ14と、スイッチングアレイ14のスイッチングを制御する中継処理装置11とを有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数のアンテナと複数の無線処理装置を搭載した無線装置及びその無線干渉軽減方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、ユビキタス化に伴いクラウドサービスなどが増加しているため、出先であっても携帯した情報端末で情報をやりとりしたいというニーズが増えている。それに伴い、モバイルPC(Personal Computer)、ネットブック、スマートフォンなど、小型で携帯しやすい情報端末が普及している。
【0003】
これらの情報端末には、無線LANと呼ばれる無線通信技術が搭載されており、ISM(Industry-Science-Medical)バンドに属する周波数帯(2.4GHz)を使用している。無線LANはCSMA/CA(Carrier Sense Multiple Access/Collision Avoidance(搬送波感知多重アクセス/衝突回避方式))と呼ばれるアクセス制御方式を採用しており、これは、同周波数帯域を使用した他の通信電波と衝突が発生した場合に、小時間おいてから通信を再開するという手法によって、衝突が発生してもすぐにデータを再送することで通信を維持するというものである。
【0004】
無線LANは小電力データ通信システムの無線局として扱われるため無線局運用のための免許が不要であり、通信範囲は数百メートル程度にとどまるものの、手軽なインターネットへの接続手段として利用できるため多くの機器に普及している。
【0005】
一方、ISMバンド(2.4GHz)に近い2.5GHz帯において、WiMAX(Worldwide Interoperability for Microwave Access)(登録商標)という広域無線通信を目的としたネットワークが運用されている。WiMAXは無線LANの通信技術を元に、基地局を中心に広い範囲で通信することが可能である。
【0006】
WiMAXは無線LANと違い、基地局側で各移動機とのアクセス制御を集中管理する方式であり、送信・受信のタイミングとしてTDD(Time Division Duplex)方式とFDD(Frequency Division Duplex:周波数分割複信)方式が規定されている。
【0007】
TDD方式は、無線通信などで同時送受信(デュプレックス通信)を実現する方式の一つで、通信経路を時間軸で細かく区分し、送信と受信を高速に切り替える手法であり、時分割複信とも言われる。携帯電話の基地局と端末の通信などは同時に双方向に行えなければならないが、同一の周波数で同時に両方向に通信することはできない。TDDでは短時間に何度も送信と受信を切り替えることにより、擬似的に同時送受信を実現している。TDDでは、上りと下りに同じ周波数を使って、時間ごとに方向を切り替えるため、利用する周波数が1つでよく、加入者が多いシステムに対応することができる。
【0008】
これに対し、周波数帯域を送信と受信に分割して同時送受信を行う方式をFDDという。FDDは、上りと下りに、それぞれ別々の周波数を確保する方式であり、電話機の構造を簡単にすることができるが、電波の利用効率という点ではあまり優れていない。
【0009】
第三世代(3G)携帯電話の規格IMT−2000(International Mobile Telecommunication 2000)では、W−CDMA(Wideband Code Division Multiple Access)やCDMA2000はFDD方式を採用し、TD−CDMA(Time Division - Code Division Multiple Access: 時分割複信−符号分割多元接続)やTD−SCDMA(Time Division Synchronous Code Division Multiple Access)はTDDを採用している。また、PHS(Personal Handy-phone System)やISDN(Integrated Services Digital Network)等もTDD方式を採用している。
【0010】
送信・受信のタイミングとして、上記のTDD方式とFDD方式を採用することにより、各移動機の送信した電波が空中で衝突が発生することはない。また、移動機側の消費電力に配慮し、基地局との距離によって移動機側の送信電力を抑えるような制御が基地局主導で行われている。
【0011】
また、最近では無線通信技術として複数のアンテナを用いることで空間内に複数の伝送路を多重化し、通信容量を飛躍的に増加させるMIMO(Multi Input Multi Output:マルチ入力マルチ出力)という空間分割多重技術が知られている。無線LANとWiMAXはMIMOを採用している技術のひとつであるため、これらの通信方式を搭載した通信機器には複数のアンテナが搭載されている。
【0012】
広域無線通信の方法としてWiMAXの他にもLTE(Long Term Evolution)などの通信技術が普及を始めているが、これらの広域無線機器は高度な通信処理が必要であり機器設計が容易でないため、ユーザーが使用する端末の大半は広域無線通信に対応していないものが多く、無線LAN通信にのみ対応しているものが大半である。そのため、図7に示すように、無線LAN端末301とは無線LANで接続し、端末の代わりに広域無線ネットワークを構成するWiMAX基地局303と通信を行うことのできる無線中継装置302の需要が高まっている。
【0013】
このような無線中継装置は、例えば、2つの無線通信技術を使って、それぞれの無線ネットワーク同士の通信データを中継する。この場合、2つの無線電波を送受信して処理するために、無線中継装置は、各無線技術それぞれに対応することができる個々のアンテナを搭載する必要がある。
【0014】
ところで、このような無線中継装置では、各アンテナ間の距離が近くなってしまい、一方のアンテナが送信した電波をもう一方のアンテナが受信してしまう。この場合、無線方式が異なる電波は雑音として見なされてしまうので、受信性能の大きな劣化を招いてしまう。また、その影響は、それぞれの無線ネットワークが使用する周波数帯域が近接するほど甚大となる。
【0015】
このような問題が生じる無線中継装置としては、具体的には、図8に示すように、無線LAN通信を行う無線LAN処理装置332とWiMAX(Worldwide Interoperability for Microwave Access)通信を行うWiMAX処理装置331とを搭載し、無線LANとWiMAX間での無線中継を行う無線中継装置300が挙げられる。無線中継装置300には、無線LANとWiMAX間での無線中継を制御する中継処理装置311も搭載されている。無線LANはISMバンド(2.4GHz帯)を使用した通信であり、WiMAXは2.5GHz帯を使用した通信方式である。
【0016】
今、この無線中継装置300が無線LANに接続する端末からの要求に応じて、WiMAX側から取得したデータを無線LAN側に対して中継し、転送したとする。このとき、WiMAX用のアンテナ322、323にて受信された電波は、WiMAX処理装置331によってデジタル信号に復調され、中継処理装置311を通って、無線LAN処理装置332によってアナログ信号に変調されて、これが無線LAN電波として無線LAN用のアンテナ321から子機に対して送信される。
【0017】
しかしながらそのとき送信された無線LAN電波は、同無線中継装置300が有するWiMAX用のアンテナ322、323にも受信されることになる。このときに、WiMAX用のアンテナ322、323が受信する電波の様子を図9に示す。図9は、縦軸に電力をとり横軸に周波数をとって周波数−電力の関係を示すグラフ図である。
【0018】
図9に示すように、無線中継装置300がWiMAX電波を受信している最中に2.4GHz帯で無線LAN電波が送信された場合、WiMAXアンテナ322、323は、基地局からのWiMAX電波と共に無線LAN電波を受信することになる。図9に示す電波342は無線中継装置300が送信した無線LAN電波であり、空中電力341はWiMAX用アンテナ322、323が受信した空中電力である。無線LAN電波342は、無線中継装置300の無線LAN用アンテナ321とWiMAX用アンテナ322、323との間の伝送路損失344だけ受信強度が低くなる。
【0019】
一方、電波343がWiMAX基地局が送信したWiMAX電波であり、WiMAX基地局から無線中継装置300のWiMAX用アンテナ322、323までの伝送路損失345により、2.5G帯の空中電力341が低くなっている。このとき、一般に自然界に存在する雑音電力、すなわち無線LAN電波342による干渉がないときの雑音電力をE0としたとき、無線LAN電波342から干渉を受けたときの雑音電力はE1まで上昇してしまう。これに伴い、本来の無干渉時のCINR(Carrier to Interference and Noise Ratio:搬送波レベル対干渉・雑音比)をC0とすると、無線LAN電波342から干渉を受けたときのCINRはC1に低下してしまう。
【0020】
すなわち、2.4GHz帯の無線LAN電波は、変調歪みによって2.5GHz帯の雑音電力E0をE1まで上昇させてしまうため、結果、WiMAX電波343のCINRC0をC1まで低下、すなわち悪化させてしまう。CINRの悪化は、基地局から送信されるWiMAX電波の受信ができる範囲を狭めてしまうため問題となる。
【0021】
従来、このように複数の無線伝送路間で発生する受信電波干渉の対策として、複数の対策が検討されている。例えば、特許文献1には、複数の無線ネットワークに対して同時送信、同時受信で鑑賞が発生しないことに着目し、複数の無線ネットワーク間の干渉を回避することを目的とした無線中継装置及び無線中継方法が開示されている。この無線中継装置は、広域無線通信網(WiMAX)と小範囲型無線通信技術(WLAN)との無線中継装置であって、広域無線技術がTDD方式である場合において、無線LAN回路が電波を送信するタイミングを、WiMAX側が電波を送信するタイミングに合わせる。この手法は、無線中継装置に搭載される各無線回路は同時に受信し、同時に送信することで送信・受信のタイミングが重ならないようにすることで、自己の送出した電波を自己が受信することがないため、電波の干渉を押さえることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0022】
【特許文献1】特開2010−56653号公報
【特許文献2】特開2010−199922号公報
【特許文献3】特開2010−074807号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0023】
しかしながら、特許文献1に記載の技術を適用するためには広域無線通信網と小範囲型無線通信との間で高度な時間同期が必要になるが、実際には各無線通信処理は、設計の事情で別々の処理装置が送受信処理を行っていることが多く、無線動作を時間同期させることが難しいという問題点がある。また、特許文献1の技術は、WiMAX側がTDD方式であることを前提にしているため、FDD方式を使っている場合に適用することができないという問題点もある。
【0024】
同様に無線干渉を回避することを目的とした技術として、特許文献2に記載の無線中継装置及び無線中継方法、及び特許文献3に記載の信号干渉のない無線インターネット接続中継機などがある。これらは各無線処理動作を時分割に間欠動作させて気中の電波干渉を回避するものである。これら手法は、無線動作を時分割している関係で通信回線としての最大の通信容量が低下するという問題点がある。
【0025】
本発明は、このような問題点を解決するためになされたものであり、各無線処理動作を妨げるような動作を行わず、各無線通信回線が有する本来の通信容量を最大限に使用することが可能な無線装置及び無線装置の無線干渉軽減方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0026】
本発明に係る無線装置は、第1の周波数の無線信号を処理する第1の無線処理装置及び1の周波数とは異なる第2の周波数の無線信号を処理する第2の無線処理装置と、前記第1及び第2の無線処理装置により共有される複数のアンテナと、前記複数のアンテナと前記第1及び第2の無線処理装置との接続を行うスイッチングアレイと、前記スイッチングアレイのスイッチングを制御する制御部とを有するものである。
【0027】
本発明に係る無線干渉軽減方法は、第1の周波数の無線信号を処理する第1の無線処理装置及び1の周波数とは異なる第2の周波数の無線信号を処理する第2の無線処理装置とを搭載した無線装置の無線干渉軽減方法であって、前記第1及び第2の無線処理装置により共有される複数のアンテナから、前記第1の無線処理装置に対して最適なアンテナである第1のアンテナを選択し、当該第1のアンテナで受信した無線信号を前記第1の無線処理装置で処理し、前記第1のアンテナを除く前記複数のアンテナから、前記第2の無線処理装置に対して最適なアンテナである第2のアンテナを選択し、当該第2のアンテナで受信した無線信号を前記第2の無線処理装置で処理する無線装置のものである。
【発明の効果】
【0028】
本発明によれば、2つ以上の無線処理装置を有する場合の両者の間の無線干渉を軽減することができる無線装置の無線干渉軽減方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0029】
【図1】本発明の実施の形態1にかかる無線中継装置を示す図である。
【図2】本発明の実施の形態1にかかる無線中継装置のアンテナ部10及びスイッチングアレイ14を拡大して示す図である。
【図3】本発明の実施の形態2にかかる無線LAN通信とWiMAX通信間のデータの中継を行う無線中継装置を示すブロック図である。
【図4】本発明の実施の形態2にかかる無線中継装置の動作を示すフローチャートである。
【図5】各アンテナ間の伝送路損失(表1)を示す図である。
【図6】本発明の実施の形態に2かかる無線中継装置200のWiMAXアンテナが受信する電力を示すグラフ図である。
【図7】無線LAN端末、無線中継装置、及びWiMAX基地局の関係を示す図である。
【図8】従来の無線中継装置を示す図である。
【図9】縦軸に電力をとり横軸に周波数をとって従来の無線中継装置における周波数−電力の関係を示すグラフ図である。
【発明を実施するための形態】
【0030】
以下、本発明を適用した具体的な実施の形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。この実施の形態は、本発明を、複数の無線処理装置を搭載しても相互の無線電波の干渉を低減することができる無線中継装置に適用したものである。また、本発明は、例えば、1つの製品内で複数のアンテナを有しており、異なる通信方式を利用する必要のある、携帯電話、ワイヤレスルータなどの通信機器に適用することができる。
【0031】
本発明の実施の形態1.
本実施の形態にかかる無線中継装置は、2以上の無線処理装置を搭載した無線中継装置において、空中線伝送路間において発生する、各アンテナから送信される空中戦電力の受信電波干渉を軽減させるものである。特に、近接した周波数帯域にて運用される、通信方式が異なる2つの無線ネットワークにおいて、相互にデータのやり取りを行う場合に有効である。
【0032】
図1は、本発明の実施の形態1にかかる無線中継装置を示す図である。図1に示すように、無線中継装置100は、アンテナ部10、スイッチングアレイ14、第1無線(A)処理装置12、第2無線(B)処理装置13、及び中継処理装置11を有する。
【0033】
第1無線(A)処理装置12は、Aという通信方式(無線方式Aで使用される無線信号を無線信号A、その周波数を無線周波数Aとする。)の無線信号を処理する。第2無線(B)処理装置13は、Bという通信方式(無線方式Bで使用される無線信号を無線信号B、その周波数を無線周波数Bとする。)の無線信号を処理する。
【0034】
中継処理装置11は、第1無線(A)処理装置12と第2無線(B)処理装置13とからそれぞれ通信内容を受け取り、受け取った通信内容によっては一方の無線処理装置を通じて、その通信内容を他方の無線ネットワークに送信させる処理を行う。すなわち、中継処理装置11は、2つの無線処理装置のデータ転送を実施する。スイッチングアレイ14は、無線Aと無線Bの空中戦電力を、複数のアンテナ1乃至5のいずれかから送信できるように、第1無線(A)処理装置12、第2無線(B)処理装置13と、アンテナ部10との間の経路をスイッチングする。アンテナ部10は、無線Aと無線Bの両方の使用する周波数帯域での使用が可能な複数のアンテナ群から構成される。
【0035】
なお、図1には、アンテナ1乃至5のみを図示しているが、アンテナは5以上であっても5未満であってもよい。ただし、これらのアンテナの少なくとも一部は、第1無線(A)処理装置12及び第2無線(B)処理装置13により共有されていることが特徴である。
【0036】
以下、無線中継装置100について更に詳細に説明する。第1無線(A)処理装置12と第2無線(B)処理装置13とは、それぞれ異なる周波数の無線信号を処理する無線処理装置である。アンテナ部10のアンテナ1乃至5は、第1無線(A)処理装置12及び第2無線(B)処理装置13が処理するいずれの周波数の無線信号も受信できるよう構成されており、本実施の形態においては、アンテナ部10の全てのアンテナは、第1無線(A)処理装置12及び第2無線(B)処理装置13に共有されているものとする。
【0037】
中継処理装置11は、複数のアンテナから、例えば第1無線(A)処理装置12に対して最適なアンテナ(第1のアンテナ)を選択し、複数のアンテナからこの第1のアンテナを除いたアンテナから、第2無線(B)処理装置13に対して最適なアンテナ(第2のアンテナ)を選択するようスイッチングアレイ14を制御する制御部として機能する。
【0038】
中継処理装置11は、また、複数のアンテナから、第2無線(B)処理装置13に対して最適なアンテナ(第1のアンテナ)を選択し、複数のアンテナからこの第1のアンテナを除いたアンテナから、第1無線(A)処理装置12に対して最適なアンテナ(第2のアンテナ)を選択するようスイッチングアレイ14を制御することも可能である。ここでは、最初に第1無線(A)処理装置12のアンテナを選択する場合について説明する。
【0039】
ここで、第1のアンテナは、アンテナ部10から、第1無線(A)処理装置12が受信すべき無線信号Aの受信強度が最も大きい蓋然性が高いものから必要数選択する。この場合、アンテナ部10により無線信号Aの受信強度を測定し、受信強度が最も高いものから必要数選択することができる。または、第1のアンテナは、各アンテナ1乃至5の位置と、無線信号Aを送信する基地局(基地局Aとする。)との位置関係に基づき選択することも可能である。例えば、基地局Aが紙面左上方向にあるとした場合、基地局Aに最も近いアンテナ1を選択することができる。
【0040】
一方で、第2のアンテナは、アンテナ1との間の伝送路損失が最も大きなアンテナから必要数選択することができる。この場合、第2のアンテナは、予め測定された、アンテナ1との間の伝送路損失測定結果に基づき選択することができる。または、アンテナ1との間の伝送路損失を無線中継装置100が測定し、その測定結果に基づき選択することも可能である。ここでは、単純に、アンテナ1と最も距離が遠いアンテナ5が、アンテナ1との間で最も伝送路損失が大きいと考えられるため、アンテナ5を第2のアンテナ、すなわち、第2無線(B)処理装置13のアンテナとして選択することができる。
【0041】
また、中継処理装置11は、アンテナ部10のアンテナが出力する無線信号の強度を調整することも可能である。中継処理装置11は、各無線ネットワークの基地局から、無線信号の強度についての指示を受ける場合がある。この場合は、当該指示に基づき、中継処理装置11は、アンテナ部10のアンテナ出力する無線信号の強度を高くするよう第1無線(A)処理装置12、第2無線(B)処理装置13に指示を出す。
【0042】
また、アンテナ部10のアンテナが受信する無線信号の強度を監視し、この監視結果に基づき無線ネットワークへの接続及び切断を制御する。すなわち、アンテナの受信強度が所定の値より低い場合、受信が不可能と考え、省電力等のため、当該無線ネットワークへの接続を切断する。
【0043】
ここで、例えば、第1無線(A)処理装置12は、WiMAX規格の無線信号を処理する無線処理装置であり、第2無線(B)処理装置13は、無線LANで使用される周波数の無線信号を処理する無線処理装置とすることができる。この場合、第1無線(A)処理装置12は、2.5GHz帯の周波数の無線信号を処理し、第2無線(B)処理装置13は、2.4GHz帯の周波数の無線信号を処理する。すなわち、このように近接した周波数の無線信号を使用する場合には、アンテナ間の相互の無線電波の干渉が大きくなる。そこで、本実施の形態においては、上述したように、第1無線(A)処理装置12用のアンテナとしてアンテナ1を選択し、第2無線(B)処理装置13用のアンテナとしてアンテナ5を選択している。これらのアンテナは、アンテナ部10において、もっとも両者間の伝送路損失が高いものを選択しているため、アンテナ間の相互の無線電波の干渉を極力低減することができる。
【0044】
図2は、アンテナ部10及びスイッチングアレイ14を拡大して示す図である。アンテナ部10の各アンテナ1乃至6は、第1無線(A)処理装置12及び第2無線(B)処理装置13のいずれにも接続可能に構成されており、これをスイッチングアレイ14により制御し、必要に応じて特定のアンテナを特定の無線処理装置に接続させる。スイッチングアレイ14を制御するスイッチング制御信号は、中継処理装置11からスイッチングアレイ14に入力される。
【0045】
本実施の形態においては、それぞれ通信方式が異なる複数の無線処理装置12、13と、それぞれの無線処理装置12、13が使用可能な複数のアンテナからなるアンテナ部10と、複数のアンテナとそれぞれの無線処理装置12、13との接続を自由に選択可能な回路接続切替装置(スイッチングアレイ)14と、それぞれの無線処理装置12、13の無線処理設定値を監視・設定することが可能な無線管理装置(中継処理装置)11を有する。このように、複数の無線処理装置12、13において、複数のアンテナを共有するため、最適なアンテナの選択自由度が大きく、よって、各無線処理装置12、13に最適なアンテナを選択することができる。
【0046】
また、中継処理装置11がそれぞれの無線処理装置12、13が受信したデータパケットを受け取ることができ、他の無線処理装置に対して相互に転送処理することができるため、例えばアンテナ5で受信された無線信号Bを復調して、中継処理装置11を介して第1無線(A)処理装置12により当該データのアナログ信号が生成され、アンテナ1を介して無線信号Aとして送信することができる。
【0047】
さらに複数の無線処理装置12、13は無線LANとWiMAXの通信方式に対応した2つの無線処理装置とした場合、WiMAXネットワークの通信状況を優先してWiMAX側のアンテナの選択を行い、その後無線LANのアンテナを選択することで、WIMAX通信に対する無線LAN通信からの無線干渉を最小限に抑えてWiMAX通信の性能を最大に発揮させることができる。
【0048】
本発明の実施の形態2.
次に、本発明の実施の形態2について説明する。本実施の形態においては、無線LANナットワークとWiMAXネットワークとの間で無線中継する無線LAN−WiMAX無線中継装置について説明する。
【0049】
図3は、本発明の実施の形態にかかる無線LAN通信とWiMAX通信間のデータの中継を行う無線中継装置を示すブロック図である。この装置は、WiMAX通信ネットワークから受信したデータパケットを無線LANに接続された端末へ転送し、逆に無線LANに接続された端末から受信したデータパケットを、WiMAX通信ネットワークへ送信する機能を有する無線中継装置である。
【0050】
図3に示す本実施の形態にかかる無線中継装置(無線LAN−WiMAX中継装置)200は、アンテナ31乃至35を有するアンテナ部30と、スイッチングアレイ14と、WiMAX処理装置21と、無線LAN処理装置22と、中継処理装置11とを有する。
【0051】
アンテナ部30は、アンテナ31、32、33、34、35を有し、それぞれのアンテナ31乃至35が装置の中心から実装されている方向に対し指向性を有して空気中に対して空中戦電力を送受信する構成となっている。この場合、各アンテナは、互いに離隔するよう配置することが好ましい。
【0052】
スイッチングアレイ14は、複数のアンテナ31乃至35と、複数の無線処理装置31、32とのスイッチング制御を行う処理装置であって、スイッチング制御に従って、アンテナ31乃至35から受信したアナログ信号を指定したWiMAX処理装置21、無線LAN処理装置22に対して接続する。
【0053】
無線LAN処理装置22は、入力されたアナログ信号に対して、無線LANが規定する動作原理に対して復調を行い、アナログ信号から得られたデジタルデータを別の処理装置、本実施の形態においては、WiMAX処理装置21に出力する。また、別の処理装置、本実施の形態においては、WiMAX処理装置21から入力されたデジタルデータに対し、無線LANが規定する動作原理に対して変調を行い、作成されたアナログ信号をスイッチングアレイ14を介してアンテナ31乃至35に出力する機能を有する。
【0054】
WiMAX処理装置21は、入力されたアナログ信号に対して、WiMAXが規定する動作原理に基づいて復調を行い、アナログ信号から得られたデジタルデータを別の処理装置、本実施の形態においては無線LAN処理装置22に出力する。また、別の処理装置、本実施の形態においては、無線LAN処理装置22から入力されたデジタルデータに対し、WiMAXが規定する動作原理に基づいて変調を行い、作成されたアナログ信号をスイッチングアレイ14を介してアンテナ31乃至35に出力する機能を有する。
【0055】
中継処理装置11は、WiMAX処理装置21及び無線LAN処理装置22と接続され、一方の処理装置から入力されたデジタルデータをもう一方の処理装置に対して転送する第1の機能と、接続された無線処理装置31、32がアンテナ31乃至35に対して出力するアナログ信号強度の設定を行う第2の機能とアンテナ31乃至35が受信しているアナログ信号の受信強度値を監視する第3の機能と、WiMAXネットワークへの接続/切断を制御する第4の機能と、スイッチングアレイ14の接続経路を制御する第5の機能とを有する。
【0056】
WiMAX処理装置21はアナログ信号のインターフェースとして2つのアンテナから同時受信する機能を有しており、本例においては、初期状態としてアンテナ31、アンテナ32と接続されるようになっているものとする。
【0057】
また、無線LAN処理装置22は、本例においては初期状態としてアンテナ34と接続されるようになっているものとする。
【0058】
ここで、各アンテナ間の伝送路損失の関係は、表1に示したような関係になっているものとする。また、WiMAXの基地局は図3で示すように、図に向かって右上の方向に存在するとする。
【0059】
このような構成を有する無線中継装置200において、WiMAXネットワークへ接続し、無線LANへ電波が中継される動作について説明する。図4は、本実施の形態にかかる無線中継装置200の動作を示すフローチャートである。
【0060】
図4に示すように、無線中継装置200は、WiMAXネットワークの基地局電波を受信することができる領域へ進入し、接続可能状態へ移行したとする。WiMAX処理装置21はアンテナ31、アンテナ32が基地局からの信号を受信(ステップS1)したことにより、WiMAX圏内に入ったことを知ると、中継処理装置11に対して、WiMAXネットワークへの接続が可能になったことを通知する(ステップS2)。このときの接続可否の判断は、例えばアンテナの受信したRSSI(Received signal strength indication)及びWiMAX信号のCINRの良好度に基づき、判定することができる。
【0061】
次に、中継処理装置11は、スイッチングアレイ14を制御することで、WiMAX処理装置21に接続されたアンテナを他のアンテナに接続し直す(例えばアンテナ1、3)。中継処理装置11は、接続変更後に、WiMAX処理装置21から受信強度の情報を取得する(ステップS3)。これらの動作をすべてのアンテナ又は受信電波が良好であることが既知であるアンテナ(アンテナ1、4、・・・、アンテナ4、5)に対して行い、複数通りのアンテナに対してのWiMAXの電波受信強度を取得する(ステップS4等)。
【0062】
こうして中継処理装置11はすべてのアンテナの組み合わせにおいてWiMAXの受信強度を記録する。なお、本例においては、図3に示すように、WiMAX基地局は紙面右上に存在し、各アンテナに指向性があるため、アンテナ31及びアンテナ35を選んだ場合に受信強度が最も良好になったものとする。
【0063】
WiMAXアンテナが決定したら、次に、無線LAN用として使用するアンテナを決定する。この無線LAN用のアンテナは、図5の表1に示す各アンテナ間の伝送路損失に基づき決定することができる。具体的には、本例の場合、WiMAXとの通信をアンテナ31とアンテナ35で行うため、使用できるのはアンテナ32、33、34である。表1によると、アンテナ31に対して伝送路損失が高いのは、順にアンテナ34(18dB)、アンテナ33(15dB)、アンテナ32(7dB)となる。アンテナ35に対して伝送路損失が高いのは、順にアンテナ33(18dB)、アンテナ32(15dB)、アンテナ34(13dB)となる。
【0064】
この場合、アンテナ31に対してアンテナ34の伝送路損失が最も高いが、アンテナ35に対するアンテナ34の伝送路損失は、あまり大きくない。このような場合、両者の伝送路損失の平均が最も高いアンテナを選択することができる。この場合は、両者に対する伝送路損失の平均は、アンテナ32は11dB、アンテナ33は16.5dB、アンテナ34は15.5dBとなり、アンテナ31、35のいずれに対しても伝送路損失を大きくすることができるアンテナは、伝送路損失の平均値が最も高いアンテナ33であることがわかる。つまり、アンテナ33を、無線LAN用アンテナとして選択することができる(ステップS5)。
【0065】
以上のように、WiMAX処理装置21に対しては、最も良好な受信強度を得られるのがアンテナ31及びアンテナ35であると判断でき、また、無線LAN処理装置22に対しては、アンテナ33を選択することができたため、スイッチングアレイ14を制御して(ステップS6)、WiMAXアンテナとしてアンテナ31、アンテナ35を使用するように接続を切り替える(ステップS7)。
【0066】
その後、無線中継装置200は、WiMAX処理装置21に対し、ネットワークへの接続を要求し、WiMAXとの通信が確立した上で(ステップS8)、WiMAXと無線LANとのデータパケット中継処理を開始する。すなわち、アンテナ31、アンテナ35により受信されたWiMAX信号はWiMAX処理装置21に入力され(ステップS10)、WiMAX処理装置21から中継処理装置11に送られ(ステップS11)、そして、中継処理装置11から無線LAN処理装置22に送られ(ステップS12)、これをアナログ信号に変換してアンテナ33から無線LAN端末へ送信する(ステップS13)。
【0067】
本実施の形態にかかる無線中継装置200においては、無線間の干渉に対して最適なアンテナを選択することができ、WiMAXアンテナが受信してしまう無線LAN信号を最小にすることができる。
【0068】
次に、本実施の形態における効果、すなわち、本実施の形態にかかる無線中継装置200が軽減することができる無線干渉について説明する。図6は、縦軸に電力をとり横軸に周波数をとって周波数−電力の関係を示すグラフ図であって、本実施の形態にかかる無線中継装置200のWiMAXアンテナが受信する電力を示すグラフ図である。図9で示した受信信号に比べて、WiMAX信号のCINRが改善されていることがわかる。
【0069】
上述したように、無線中継装置200がWiMAX電波を受信している最中に2.4GHz帯で無線LAN電波が送信された場合、WiMAXアンテナ31、35は、基地局からのWiMAX電波と共に無線LAN電波を受信することになる。図6に示す電波42が、無線中継装置200が送信した無線LAN電波であり、空中電力41が、無線LAN−WiMAX間の伝送路損失が大きくないアンテナ32が受信した空中電力、空中電力71が、無線LAN−WiMAX間の伝送路損失が大きいアンテナ31が受信した空中電力である。
【0070】
つまり、無線LAN電波42は、無線中継装置200の無線LAN用アンテナ33とWiMAX用アンテナ32との間の伝送路損失44だけ受信強度が低くなり空中電力41となる。また、無線LAN電波42は、無線中継装置200の無線LAN用アンテナ33とWiMAX用アンテナ31との間の伝送路損失72だけ受信強度が低くなり空中電力71となる。このように、本実施の形態においては、アンテナ33との間の伝送路損失が大きいアンテナ31、35を選択しているため伝送路損失72が、伝送路損失44に比べて大きくなっている。
【0071】
一方、電波43が、WiMAX基地局が送信したWiMAX電波であり、WiMAX基地局から無線中継装置200のWiMAX用アンテナ31までの伝送路損失73により、2.5G帯の空中電力71が低くなっているが、WiMAX基地局から無線中継装置200のWiMAX用アンテナ32までの伝送路損失45の方が大きいため、2.5G帯の空中電力41より大きくなっている。
【0072】
このとき、一般に自然界に存在する雑音電力、すなわち無線LAN電波42による干渉がないときの雑音電力をE0としたとき、アンテナ32においては、無線LAN電波42から干渉を受けたときの雑音電力はE1まで上昇してしまう。これに対し、アンテナ31においては、無線LAN電波42から干渉を受けたときの雑音電力はE2となり、E1よりずっと低い値となっている。この結果、本実施の形態を適用されて選択されたものではないアンテナ32においては、そのCINRはC1で示すように小さくなっているのに対し、本実施の形態を適用して選択されたアンテナ31におけるCINRは、C2で示すように大きくなっており、無線LAN電波による干渉が低減されているのがわかる。
【0073】
以上説明したように、本実施の形態にかかる無線中継装置200は、下記の効果を有する。
【0074】
第1に、WiMAXが通信に使用する周波数帯域内の、無線LAN信号によって持ち上げられる雑音電力E2を最小限に抑えることで、電波干渉によるCINRの劣化分を減少させることができる。
【0075】
第2に、WiMAXに接続するときに最も受信強度のよいアンテナ31、35を選択することで、選択ダイバーシチによる受信環境の向上を期待することができ、本実施の形態にかかる無線中継装置200のように、複数のアンテナを共有し、最も受信状態が良好なアンテナを選択するような仕組みを有しない装置に比べて、WiMAX信号の受信CINRを向上させることができる。
【0076】
第3に、複数のアンテナを2つの無線通信装置で共有するため、MIMOを採用していてたくさんのアンテナを搭載しなければいけない装置によっては、選択可能なアンテナが増加するため、ダイバーシチ効果を向上させることができる。
【0077】
なお、本発明は上述した実施の形態のみに限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々の変更が可能であることは勿論である。
【0078】
例えば、上述の実施の形態1、2においては、2つの無線処理装置を搭載する無線中継装置として説明したが、特に中継する無線処理装置の数に限りはなく、2以上であってもよいことは言うまでもない。また、例えばn(2は2以上の自然数)個の無線処理装置が搭載され、N(n以上の自然数)個以上のアンテナが実装されている中継装置であれば適用可能である。
【0079】
また、n個の無線処理装置が搭載されていても、各無線装置すべてが同時に動作するわけではないとすれば、すなわち、時分割で共有し、動作するようにすれば、N(≦n)個のアンテナとすることが可能である。また、これによってアンテナの搭載数を削減することができ、装置を小型化することができる。
【0080】
さらに、上述の実施の形態2では、WiMAXは、基地局による集中アクセス管理を行っているため、WiMAXアンテナの選択を優先し、WiMAX側の受信劣化を対策を行うものとして説明したが、逆に、無線LANのアンテナがWiMAX電波から受ける電波干渉を軽減するため、無線LANのアンテナを優先して選択し、WIMAX側のアンテナを後から決定するようにしてもよい。
【0081】
さらにまた、お互いの通信タイミングを制御することができれば、双方のアンテナに対して、無線干渉をさらに軽減することができる。
【0082】
また、上述の実施の形態においては、中継される無線ネットワークは、近接した周波数で運用される無線ネットワークであるものとして説明したが、使用する複数のアンテナすべてがマルチバンドで対応していれば、周波数が離れた無線通信を中継する装置であっても上述のような実施の形態2と同様の効果を奏する。
【0083】
さらにまた、上述の実施の形態1、2では、無線中継装置について説明したが、中継処理を行う必要のない装置であっても、各無線処理装置の無線パラメータを監視・設定でき、各アンテナの受信強度、アンテナ間の伝送路損失に基づき、最適なアンテナを決定することができる制御装置が内蔵されている装置に対しても、同様に本発明を適用することが可能である。
【0084】
また、例えば、上述の実施の形態では、ハードウェアの構成として説明したが、これに限定されるものではなく、任意の処理を、CPU(Central Processing Unit)にコンピュータプログラムを実行させることにより実現することも可能である。この場合、コンピュータプログラムは、様々なタイプの非一時的なコンピュータ可読媒体(non-transitory computer readable medium)を用いて格納され、コンピュータに供給することができる。非一時的なコンピュータ可読媒体は、様々なタイプの実体のある記録媒体(tangible storage medium)を含む。非一時的なコンピュータ可読媒体の例は、磁気記録媒体(例えばフレキシブルディスク、磁気テープ、ハードディスクドライブ)、光磁気記録媒体(例えば光磁気ディスク)、CD−ROM(Read Only Memory)、CD−R、CD−R/W、半導体メモリ(例えば、マスクROM、PROM(Programmable ROM)、EPROM(Erasable PROM)、フラッシュROM、RAM(random access memory))を含む。また、プログラムは、様々なタイプの一時的なコンピュータ可読媒体(transitory computer readable medium)によってコンピュータに供給されてもよい。一時的なコンピュータ可読媒体の例は、電気信号、光信号、及び電磁波を含む。一時的なコンピュータ可読媒体は、電線及び光ファイバ等の有線通信路、又は無線通信路を介して、プログラムをコンピュータに供給できる。
【0085】
さらに、上記実施の形態の一部又は全部は、以下の付記のようにも記載されうるが、以下には限られない。
(付記1)
第1の周波数の無線信号を処理する第1の無線処理装置及び1の周波数とは異なる第2の周波数の無線信号を処理する第2の無線処理装置と、
前記第1及び第2の無線処理装置により共有される複数のアンテナと、
前記複数のアンテナと前記第1及び第2の無線処理装置との接続を行うスイッチングアレイと、
前記スイッチングアレイのスイッチングを制御する制御部とを有する無線装置。
(付記2)
前記制御部は、前記複数のアンテナから前記第1の無線処理装置に対して最適なアンテナである第1のアンテナを選択し、当該第1のアンテナを除く前記複数のアンテナから第2の無線処理装置に対して最適なアンテナである第2のアンテナを選択するよう、前記スイッチングアレイを制御する、付記1に記載の無線装置。
(付記3)
前記第1のアンテナは、前記複数のアンテナから、前記第1の無線処理装置が受信すべき第1の無線信号の受信強度が最も大きい蓋然性が高いものから必要数選択されたものである付記2記載の無線装置。
(付記4)
前記第1のアンテナは、前記複数のアンテナにより前記第1の無線信号の受信強度を測定し、受信強度が最も高いものから必要数選択されたものである付記3記載の無線装置。
(付記5)
前記第1のアンテナは、前記複数のアンテナの位置と、前記第1の無線信号を送信する基地局との位置関係に基づき必要数選択されたものである付記3記載の無線装置。
(付記6)
前記第2のアンテナは、前記第1のアンテナとの間の伝送路損失が最も大きなアンテナから必要数選択されたものである付記2乃至5のいずれか1項記載の無線装置。
(付記7)
前記第2のアンテナは、予め測定された、前記第1のアンテナとの間の伝送路損失測定結果に基づき、必要数選択されたものである付記6記載の無線装置。
(付記8)
前記第2のアンテナは、前記第1のアンテナとの間の伝送路損失を測定し、当該測定結果に基づき、必要数選択されたものである付記6記載の無線装置。
(付記9)
前記複数のアンテナは、指向性を有するアンテナを含む付記1乃至8のいずれか1項記載の無線装置。
(付記10)
前記複数のアンテナは、互いに離隔するよう配置されたものである付記1乃至9のいずれか1項記載の無線装置。
(付記11)
前記制御部は、前記複数のアンテナが出力する無線信号の強度を調整する付記1乃至10記載の無線装置。
(付記12)
前記制御部は、前記複数のアンテナが受信する無線信号の強度を監視し、当該監視結果に基づき無線ネットワークへの接続及び切断を制御する付記1乃至11記載の無線装置。
(付記13)
前記制御部は、前記第1の無線処理装置と前記第2の無線処理装置と間のデータ転送を行う付記1乃至10のいずれか1項記載の無線装置。
(付記14)
前記第1の無線処理装置は、WiMAX(Worldwide Interoperability for Microwave Access)規格の無線信号を処理する無線処理装置であり、
前記第2の無線処理装置は、無線LANで使用される周波数の無線信号を処理する無線処理装置である付記1乃至13のいずれか1項記載の無線装置。
(付記15)
前記第1の無線処理装置は、2.5GHz帯の周波数の無線信号を処理する無線処理装置であり、
前記第2の無線処理装置は、2.4GHz帯の周波数の無線信号を処理する無線処理装置で有る付記14記載の無線装置。
(付記16)
前記第1及び/又は前記第2の無線処理装置は、空間分割多重技術により複数のアンテナからの無線信号を処理する無線処理装置である付記1乃至15のいずれか1項記載の無線装置。
(付記17)
3以上の無線処理装置を有し、当該無線処理装置は、前記複数のアンテナを時分割して共有する付記1乃至16のいずれか1項記載の無線装置。
(付記18)
前記第1及び第2の周波数は、近接した周波数である付記1乃至17のいずれか1項記載の無線装置。
(付記19)
前記複数のアンテナはマルチバンドアンテナを含む付記1乃至18のいずれか1項記載の無線装置。
(付記20)
第1の周波数の無線信号を処理する第1の無線処理装置及び1の周波数とは異なる第2の周波数の無線信号を処理する第2の無線処理装置とを搭載した無線装置の無線干渉軽減方法であって、
前記第1及び第2の無線処理装置により共有される複数のアンテナから、前記第1の無線処理装置に対して最適なアンテナである第1のアンテナを選択し、当該第1のアンテナで受信した無線信号を前記第1の無線処理装置で処理し、
前記第1のアンテナを除く前記複数のアンテナから、前記第2の無線処理装置に対して最適なアンテナである第2のアンテナを選択し、当該第2のアンテナで受信した無線信号を前記第2の無線処理装置で処理する無線装置の無線干渉軽減方法。
(付記21)
前記第1のアンテナは、前記複数のアンテナから、前記第1の無線処理装置が受信すべき第1の無線信号の受信強度が最も大きい蓋然性が高いものから必要数選択する付記20記載の無線装置の無線干渉軽減方法。
(付記22)
前記第1のアンテナは、前記複数のアンテナにより前記第1の無線信号の受信強度を測定し、受信強度が最も高いものから必要数選択する付記21記載の無線装置の無線干渉軽減方法。
(付記23)
前記第1のアンテナは、前記複数のアンテナの位置と、前記第1の電波を発信する基地局との位置関係に基づき必要数選択する付記21記載の無線装置の無線干渉軽減方法。
(付記24)
前記第2のアンテナは、前記第1のアンテナとの間の伝送路損失が最も大きなアンテナから必要数選択されたものである付記20乃至23のいずれか1項記載の無線装置の無線干渉軽減方法。
(付記25)
前記複数のアンテナは、指向性を有するアンテナを含む付記20乃至24のいずれか1項記載の無線装置の無線干渉軽減方法。
(付記26)
前記複数のアンテナは、互いに離隔するよう配置されたものである付記20乃至25のいずれか1項記載の無線装置の無線干渉軽減方法。
(付記27)
前記第1の無線処理装置は、WiMAX(Worldwide Interoperability for Microwave Access)規格の無線信号を処理する無線処理装置であり、
前記第2の無線処理装置は、無線LANで使用される周波数の無線信号を処理する無線処理装置である付記20乃至26のいずれか1項記載の無線装置の無線干渉軽減方法。
【符号の説明】
【0086】
1 アンテナ
2 アンテナ
3 アンテナ
4 アンテナ
5 アンテナ
10 アンテナ部
11 中継処理装置
12 第1無線(A)処理装置
13 第2無線(B)処理装置
14 スイッチングアレイ
21 WiMAX処理装置
22 無線LAN処理装置
30 アンテナ部
31 アンテナ
32 アンテナ
33 アンテナ
34 アンテナ
35 アンテナ
100 無線中継装置
200 無線中継装置
303 無線中継装置
311 無線中継処理装置
331 WiMAX処理装置
332 無線LAN処理装置
322 WiMAX用アンテナ
323 WiMAX用アンテナ
321 無線LAN用アンテナ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の周波数の無線信号を処理する第1の無線処理装置及び1の周波数とは異なる第2の周波数の無線信号を処理する第2の無線処理装置と、
前記第1及び第2の無線処理装置により共有される複数のアンテナと、
前記複数のアンテナと前記第1及び第2の無線処理装置との接続を行うスイッチングアレイと、
前記スイッチングアレイのスイッチングを制御する制御部とを有する無線装置。
【請求項2】
前記制御部は、前記複数のアンテナから前記第1の無線処理装置に対して最適なアンテナである第1のアンテナを選択し、当該第1のアンテナを除く前記複数のアンテナから第2の無線処理装置に対して最適なアンテナである第2のアンテナを選択するよう、前記スイッチングアレイを制御する、請求項1に記載の無線装置。
【請求項3】
前記第1のアンテナは、前記複数のアンテナから、前記第1の無線処理装置が受信すべき第1の無線信号の受信強度が最も大きい蓋然性が高いものから必要数選択されたものである請求項2記載の無線装置。
【請求項4】
前記第1のアンテナは、前記複数のアンテナにより前記第1の無線信号の受信強度を測定し、受信強度が最も高いものから必要数選択されたものである請求項3記載の無線装置。
【請求項5】
前記第1のアンテナは、前記複数のアンテナの位置と、前記第1の無線信号を送信する基地局との位置関係に基づき必要数選択されたものである請求項3記載の無線装置。
【請求項6】
前記第2のアンテナは、前記第1のアンテナとの間の伝送路損失が最も大きなアンテナから必要数選択されたものである請求項2乃至5のいずれか1項記載の無線装置。
【請求項7】
前記複数のアンテナは、指向性を有するアンテナを含む請求項1乃至6のいずれか1項記載の無線装置。
【請求項8】
前記第1の無線処理装置は、WiMAX(Worldwide Interoperability for Microwave Access)規格の無線信号を処理する無線処理装置であり、
前記第2の無線処理装置は、無線LANで使用される周波数の無線信号を処理する無線処理装置である請求項1乃至7のいずれか1項記載の無線装置。
【請求項9】
前記第1及び第2の周波数は、近接した周波数である請求項1乃至8のいずれか1項記載の無線装置。
【請求項10】
第1の周波数の無線信号を処理する第1の無線処理装置及び1の周波数とは異なる第2の周波数の無線信号を処理する第2の無線処理装置とを搭載した無線装置の無線干渉軽減方法であって、
前記第1及び第2の無線処理装置により共有される複数のアンテナから、前記第1の無線処理装置に対して最適なアンテナである第1のアンテナを選択し、当該第1のアンテナで受信した無線信号を前記第1の無線処理装置で処理し、
前記第1のアンテナを除く前記複数のアンテナから、前記第2の無線処理装置に対して最適なアンテナである第2のアンテナを選択し、当該第2のアンテナで受信した無線信号を前記第2の無線処理装置で処理する無線装置の無線干渉軽減方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2012−204893(P2012−204893A)
【公開日】平成24年10月22日(2012.10.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−65254(P2011−65254)
【出願日】平成23年3月24日(2011.3.24)
【出願人】(000197366)NECアクセステクニカ株式会社 (1,236)
【Fターム(参考)】