説明

無線送信機、無線送信方法、無線受信機および無線受信方法

【課題】ネット系とベースバンド系の双方に対応したTV受信システムのコストの抑制を図る。
【解決手段】無線LANアクセスポイント110は、ネット系の無線データ伝送を行う。この無線LANアクセスポイント110は、データ領域に圧縮映像信号を挿入したIPパケットを、無線LAN信号(IEEE802.11n)に含ませて、受信機140に送信する。ベースバンド送信機120は、ベースバンド系の無線データ伝送を行う。ベースバンド送信機120は、データ領域に圧縮映像信号を挿入した専用パケットを、無線LAN信号(IEEE802.11n)に含ませて、受信機140に送信する。受信機140は、単一の無線LANモジュールにより、ネット系とベースバンド系の双方の無線データ伝送に対処でき、その構成が簡単となり、コスト低減を図ることができる。専用パケットは、IPパケットとは異なるパケットであることを示す識別情報を持つ。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、無線送信機、無線送信方法、無線受信機および無線受信方法に関し、特に、データ領域に送信映像信号を挿入したパケットを含む無線信号を生成して送信する無線送信機等に関する。
【背景技術】
【0002】
TV(TeleVision)受信システムにおいて、TV本体が軽量化したことや、薄くなってきたことから、壁掛けTVの需要が増している。この壁掛けTVを実現するために無線データ伝送化が必要となってくる。同様に、IPTV(InternetProtocol TeleVision)等のインターネット経由での動画視聴の需要も増してきている。そのため、TV受信システムの無線LAN(Local Area Network)対応の必要性がある。
【0003】
従来の無線データ伝送を使用したTV受信システムでは、映像信号(ベースバンド信号)に関してはWHDI(Wireless High Definition Interface)技術等を使用して非圧縮データを伝送している。一方、IPTV等のインターネット経由での無線データ伝送は、IEEE 802.11aなどの無線LAN規格を使用している(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2007−49242号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上述のベースバンド信号と無線LAN信号の無線データ伝送方式は異なる。両無線データ伝送方式を1つのTV受信システムに取り入れるためには、ベースバンド信号と無線LAN信号に対応したそれぞれの受信モジュール、もしくは両無線データ伝送方式に対応した受信モジュールを搭載する必要性があり、コストアップへと繋がってしまう。
【0006】
この発明の目的は、ネット系とベースバンド系の双方に対応したTV受信システムのコストの抑制を図ることにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
この発明の概念は、
データ領域に送信映像信号が挿入され、ヘッダ領域にIPパケットとは異なるパケットであることを識別するための識別情報を持つ専用パケットを生成するパケット化部と、
上記パケット化部で生成された専用パケットを含む無線信号を生成して送信する無線送信部を
備える無線送信機にある。
【0008】
この発明において、無線送信機のパケット化部により、送信映像信号を送信するための専用パケットが生成される。この専用パケットは、例えば、IPパケットとはヘッダ領域の構成が異なる。この専用パケットのヘッダ領域は、IPパケットのヘッダ領域にある余分な情報が取り除かれてスリム化されている。この専用パケットのデータ領域には送信映像信号が挿入されている。また、この専用パケットのヘッダ領域に、IP(Internet Protocol)パケットとは異なるパケットであることを識別するための識別情報を持つようにされている。無線送信機の無線送信部により、パケット化部で生成された専用パケットを含む無線信号が生成されて送信される。
【0009】
例えば、専用パケットのデータ領域に挿入される送信映像信号は、データ圧縮された映像信号とされる。無線送信部で生成される無線信号の伝送帯域が、ベースバンドの映像信号を伝送するのに充分でなくても、送信映像信号がデータ圧縮された映像信号とされることで、映像信号の伝送が良好に行われる。例えば、専用パケットのヘッダ領域に、送信映像信号の圧縮方式情報を持つようにされる。無線受信機では、この圧縮方式情報が用いられて、受信映像信号に対し、データ伸長処理が適切に行われる。
【0010】
例えば、外部機器から非圧縮(ベースバンド)の映像信号を受信する映像信号受信部と、この映像信号受信部で受信された映像信号にデータ圧縮処理を施してデータ圧縮された送信映像信号を得るデータ圧縮部を備えていてもよい。また、例えば、放送信号を処理して、データ圧縮された送信映像信号を得る放送信号処理部を備えていてもよい。
【0011】
例えば、無線送信部により生成されて送信される無線信号は、大容量データ通信用の変調方式として普及しているIEEE 802/11n規格に準拠した無線LAN信号とされる。このIEEE 802.11n規格は、IEEE 802.11a/gの拡張規格である。このIEEE 802.11n規格では、1次変調にOFDMを用いたOFDM_MIMO方式が採用されており、100〜600Mbpsの伝送速度で通信が可能となっている。また、例えば、送信映像信号の圧縮方式は、MPEG4−AVCあるいはMPEG2とされる。
【0012】
このように、データ領域に送信映像信号が挿入された専用パケットが生成され、この専用パケットが含まれた無線信号が生成されて送信される。そのため、無線信号の変調方式がネット系の無線信号、例えば無線LAN信号と共通化されることで、無線受信機においては、単一の受信モジュールにより、ネット系とベースバンド系の双方の無線データ伝送に対処可能となる。
【0013】
また、ベースバンド系の無線データ伝送には、IPパケットとは異なる例えばヘッダ領域がスリム化された専用のパケットが使用され、そのヘッダ領域にはIPパケットとは異なるパケットであることを示す識別情報が付加されている。そのため、無線受信機においては、この識別情報に基づき、専用パケットに関してはIPパケットとは異なるヘッダ処理を行うことができ、デパケタイズ処理に要する時間を短くでき、ベースバンド系の伝送遅延の低減が可能となる。
【0014】
また、この発明の概念は、
データ領域に映像信号が挿入されたパケットを含む無線信号を受信し、該無線信号から該パケットを得る無線受信部と、
上記無線受信部で得られたパケットを処理して受信映像信号を得るデパケット化部と、 上記無線受信部で得られたパケットが、該パケットのヘッダ領域にIPパケットとは異なるパケットであることを識別するための識別情報があるか否かにより、専用パケットであるかIPパケットであるかを識別するパケット識別部と、
上記パケット識別部の識別結果に応じて上記デパケット化部の処理を制御するデパケット化制御部を
備える無線受信機にある。
【0015】
この発明において、無線受信部により、データ領域に映像信号が挿入されたパケットを含む無線信号が受信され、この無線信号からパケットが得られる。そして、デパケット化部により、無線受信部で得られたパケットが処理されて受信映像信号が得られる。無線受信部で得られるパケットは、IPパケット、あるいはこのIPパケットとは異なる専用パケットである。この専用パケットは、例えば、IPパケットとはヘッダ領域の構成が異なる。この専用パケットのヘッダ領域は、IPパケットのヘッダ領域にある余分な情報が取り除かれてスリム化されている。
【0016】
専用パケットであるかIPパケットであるかは、パケット識別部により、パケットのヘッダ領域にIPパケットとは異なるパケットであることを識別するための識別情報があるか否かにより識別される。この識別結果に応じて、デパケット化制御部により、デパケット化部の処理が制御される。
【0017】
例えば、パケットのデータ領域に挿入された映像信号がデータ圧縮された映像信号である場合、デパケット化部で得られた受信映像信号にデータ伸長処理が施されて非圧縮(ベースバンド)の映像信号が得られる。
【0018】
例えば、専用パケットのヘッダ領域に、映像信号の圧縮方式情報を持つようにされている。無線受信部で得られたパケットが専用パケットであるとき、データ伸長部のデータ伸長処理は、この専用パケットのヘッダ領域に持つ圧縮方式情報に基づいて制御される。これにより、データ伸長部では、圧縮方式情報に対応したデータ伸長処理が行われ、受信映像信号のデータ伸長が適切に行われる。
【0019】
例えば、無線受信部が受信する無線信号は、大容量データ通信用の変調方式として普及しているIEEE 802/11n規格に準拠した無線LAN信号とされる。また、例えば、専用パケットのデータ領域に挿入された映像信号の圧縮方式は、MPEG4−AVCあるいはMPEG2とされる。
【0020】
このように、無線受信部で得られたパケットが専用パケットであるかIPパケットであるかが識別され、その識別結果に基づいてデパケット化部の処理が制御される。そのため無線受信部で得られたパケットが専用パケットである場合、IPパケットとは異なるヘッダ処理が行われ、デパケタイズ処理に要する時間を短くでき、ベースバンド系の伝送遅延の低減が可能となる。
【発明の効果】
【0021】
この発明の無線送信機によれば、データ領域に送信映像信号が挿入された専用パケットが生成され、この専用パケットが含まれた無線信号が生成されて送信される。そのため、無線信号の変調方式がネット系の無線信号、例えば無線LAN信号と共通化されることで、無線受信機においては、単一の無線受信モジュールにより、ネット系とベースバンド系の双方の無線データ伝送に対処可能となり、コストの低減を図ることができる。
【0022】
また、この発明の無線送信機によれば、ベースバンド系の無線データ伝送には、IPパケットとは異なる例えばヘッダ領域がスリム化された専用のパケットが使用され、そのヘッダ領域にはIPパケットとは異なるパケットであることを示す識別情報が付加されている。そのため、無線受信機においては、この識別情報に基づいて、専用パケットに対してはそのヘッダ処理を行うことができ、デパケタイズ処理の高速化が可能となり、伝送遅延を軽減できる。
【0023】
また、この発明の無線受信機によれば、無線受信部で得られたパケットが専用パケットであるかIPパケットであるかが識別され、その識別結果に基づいてデパケット化部の処理が制御される。そのため、無線受信部で得られたパケットが専用パケットである場合、自動的に、専用パケットのヘッダ処理が行われ、処理の高速化が図られるので、伝送遅延を軽減できる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【図1】この発明の実施の形態としてのTV受信システムの構成例を示すブロック図である。
【図2】IPパケットの構造を示す図である。
【図3】専用パケットの構造例を示す図である。
【図4】TV受信システムを構成するベースバンド送信機の構成例を示すブロック図である。
【図5】TV受信システムを構成する受信機の構成例を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下、発明を実施するための形態(以下、「実施の形態」とする)について説明する。なお、説明を以下の順序で行う。
1.実施の形態
2.変形例
【0026】
<1.実施の形態>
[TV受信システムの構成]
図1は、この発明の実施の形態としてのTV受信システム100の構成例を示している。このTV受信システム100は、無線LAN(Local Area Network)アクセスポイント110と、ベースバンド受信機120と、受信機140を有している。
【0027】
無線LANアクセスポイント110は、ネット系の無線データ伝送を行う。この無線LANアクセスポイント110は、モデム151を介して、インターネット等のネットワーク152に接続されている。
【0028】
無線LANアクセスポイント110には、図示しないIPTV(InternetProtocol TeleVision)事業者の配信サーバからのIPパケットが、ネットワーク152およびモデム151を介して供給される。
【0029】
図2は、IPパケットの構造を示している。IPパケットは、ヘッダ領域と、データ領域により構成されている。図2は、32ビットずつに区切って表現している。「バージョン(Version)」フィールドは、4ビット幅である。このバージョンフィールドは、IPプロトコルのバージョンを表現するために使われるフィールドである。現在は、バージョン4(IPv4)が多く使われているが、バージョン6(IPv6)への移行が進んでいる。「ヘッダ長(IHL:Internet HeaderLength)」フィールドは、4ビット幅である。このヘッダ長フィールドは、IPヘッダ部分(固定長部分+オプション部分)のサイズを表すフィールドである。
【0030】
「サービスタイプ(TOS:TypeOf Service)フィールドは、8ビット幅である。このサービスタイプフィールドは、IPのサービスの品質を表し、優先度、低遅延要求、高スループット要求、高信頼性要求などを指定するために使われるフィールドである。「パケット長(Total Length)」フィールドは、16ビット幅である。このパケット長フィールドは、IPパケットの全体のサイズ(オクテット長)を表すフィールドである。
【0031】
「ID:Identification」フィールドは、16ビット幅である。このIDフィールドは、IPフラグメンテーションにおいて利用される、IPパケットを識別するための数値を付加するフィールドである。「フラグ(Flags)」フィールドは、3ビット幅である。このフラグフィールドは、最後か後に続くパケットがあるかどうか、パケットの分割ができるかどうかと言ったパケットの制御に関する情報を付加するフィールドである。
【0032】
「フラグメントオフセット(FO:Fragment Offset)」フィールドは、13ビット幅である。このフラグメントオフセットフィールドは、分割されたIPパケットが何番目かを示すシーケンス番号を付加するフィールドである。「生存時間(TTL:Time To Live)」フィールドは、8ビット幅である。この生存時間フィールドは、IPパケットがネットワークで存在できる時間を表すための数値フィールドである。
【0033】
「プロトコル(Protocol)」フィールドは、8ビット幅である。このプロトコルフィールドは、上位層のトランスポート層のプロトコルが何であるかを表すフィールドである。「ヘッダチェックサム(Header Checksum)」フィールドは、16ビット幅である。このヘッダチェックサムフィールドは、ヘッダ部分のチェックサム(整合性を検査するためのデータ)を表すフィールドである。
【0034】
「送信元IPアドレス(SourceAddress)」フィールドは、32ビット幅である。この送信元IPアドレスフィールドは、送信元のIPアドレスを表すフィールドである。「送信先IPドレス(Destination Address)」フィールドは、32ビット幅である。この信先IPドレスフィールドは、送信先のIPアドレスを表すフィールドである。ルーティング処理では、この送信先のIPアドレスを元にしてルーティング処理が行われ、送信先にIPパケットが届けられる。
【0035】
「オプション(Option)」フィールドは、可変長である。このオプションフィールドは、IPパケットの送信に伴い、さまざまな付加的な機能を実現するために利用されるフィールドである。「パディング(Padding)」フィールドは、ヘッダ長が32ビットの整数倍にならない場合、0で穴埋め(パディング)して調整するフィールドである。
【0036】
「データ(Data)」フィールドは、IPパケットとして運ばれるデータ(ペイロード)が挿入されるフィールドである。IPTVの場合、IPパケットのデータ領域(データフィールド)に挿入される映像信号は、データ圧縮された映像信号である。この圧縮方式としては、例えば、MPEG4−AVCが使用されている。
【0037】
図1に戻って、無線LANアクセスポイント110は、モデム151から供給される上述のIPパケットを含む無線信号を生成して受信機140に送信する。この実施の形態において、無線LANアクセスポイント110は、IEEE 802.11n規格に準拠した無線LAN信号を生成する。詳細説明は省略するが、このIEEE 802.11n規格は、IEEE 802.11a/gの拡張規格である。このIEEE 802.11n規格では、1次変調にOFDMを用いたOFDM_MIMO方式が採用されており、100〜600Mbpsの伝送速度で通信が可能となっている。
【0038】
ベースバンド送信機120は、ベースバンド系の無線データ伝送を行う。このベースバンド送信機120には、外部機器が例えばHDMI(High-Definition Multimedia Interface)で接続されており、ベースバンド(非圧縮)の映像信号が供給される。外部機器は、例えば、ゲーム機160-1、BD(Blu-ray Disc))レコーダ160-2、PC(Personal Computer)160-3、STB(Set Top Box)160-4などである。また、ベースバンド送信機120には、図示しないアンテナで捕らえられたデジタル放送信号としてのRF信号が供給される。
【0039】
ベースバンド送信機120は、専用パケットを生成する。この専用パケットは、IPパケットとはヘッダ領域の構成が異なるものとされる。すなわち、この専用パケットのヘッダ領域は、IPパケットのヘッダ領域にある余分な情報が取り除かれてスリム化されている。また、この専用パケットのヘッダ領域は、IP(Internet Protocol)パケットとは異なるパケットであることを識別するための識別情報を持つようにされる。また、専用パケットのデータ領域には後述するようにデータ圧縮された映像信号が挿入されるが、この専用パケットのヘッダ領域に、映像信号の圧縮方式情報を持つようにされる。
【0040】
また、この専用パケットのデータ領域には、データ圧縮された映像信号が挿入される。すなわち、外部機器からの映像信号が受信機140に送信される場合、上述したように外部機器から供給されるベースバンド(非圧縮)の映像信号に対して、データ圧縮処理が施される。圧縮方式としては、例えば、MPEG4−AVCが使用される。この場合、専用パケットのデータ領域には、このようにデータ圧縮された映像信号が挿入される。
【0041】
一方、放送信号に係る映像信号が受信機140に送信される場合、チューナ(放送信号処理部)からは、例えば、MPEG4−AVC、あるいはMPEG2等でデータ圧縮された映像信号が得られる。この場合、専用パケットのデータ領域には、チューナから得られるデータ圧縮された映像信号が挿入される。
【0042】
図3は、専用パケットの構造の一例を示している。専用パケットは、IPパケット(図2参照)と同様に、ヘッダ領域と、データ領域により構成されている。図3は、32ビットずつに区切って表現している。
【0043】
「バージョン(Version)」フィールドは、4ビット幅である。このバージョンフィールドは、このパケットがIPパケットとは異なるバケットであることを識別するための識別情報が配置されるフィールドである。上述のIPパケットにおいて、バージョンフィールドには、バージョン4を示す4(2進数で0010)、あるいはバージョン6を示す6(2進数で0110)の値が配置されている。この専用パケットのバージョンフィールドには、将来においてもIPパケットでは使われることのない値、例えば0〜3の値が配置される。
【0044】
「コーデック(Codec)」フィールドは、3ビット幅である。このコーデックフィールドには、データ領域に挿入される圧縮映像信号の圧縮方式を示す圧縮方式情報が配置される。「パケット長(Total Length)」フィールドは、16ビット幅である。このパケット長フィールドは、専用パケットの全体のサイズ(オクテット長)を表すフィールドである。
【0045】
「生存時間(TTL:TimeTo Live)」フィールドは、8ビット幅である。この生存時間フィールドは、専用パケットがネットワークで存在できる時間を表すための数値フィールドである。「送信元IPアドレス(Source Address)」フィールドは、32ビット幅である。この送信元IPアドレスフィールドは、送信元のIPアドレスを表すフィールドである。「送信先IPドレス(Destination Address)」フィールドは、32ビット幅である。この信先IPドレスフィールドは、送信先のIPアドレスを表すフィールドである。
【0046】
「データ(Data)」フィールドは、専用パケットとして運ばれるデータ(ペイロード)が挿入されるフィールドである。このデータフィールドには、上述したように、外部機器から供給された映像信号、あるいは放送信号(RF信号)が処理されて得られた映像信号が挿入される。
【0047】
また、ベースバンド送信機120は、上述した専用パケットを含む無線信号を生成して受信機140に送信する。この無線信号の変調方式は、上述した無線LANアクセスポイント110で生成される無線信号と同じ変調方式とされる。すなわち、この実施の形態において、ベースバンド送信機120は、上述した無線LANアクセスポイント110と同様に、IEEE 802.11n規格に準拠した無線LAN信号を生成する。
【0048】
このように、ベースバンド送信機120で生成される無線信号の変調方式が、上述した無線LANアクセスポイント110で生成される無線信号と同じ変調方式とされる。そのため、受信機140においては、単一の受信モジュールにより、ネット系とベースバンド系の双方の無線データ伝送に対処可能となる。
【0049】
受信機140は、無線LANアクセスポイント110、あるいはベースバンド送信機120から送信されてくる無線信号、すなわちIEEE 802.11n規格に準拠した無線LAN信号を受信する。受信機140は、無線LAN信号から得られたパケット(IPパケットあるいは専用パケット)に対して、デパケタイズ処理を施して、受信映像信号を得る。また、この受信機140は、受信映像信号に対して、データ伸長処理を施して、ベースバンド(非圧縮)の映像信号を得る。
【0050】
上述したように、ベースバンド送信機120から送られてくる無線LAN信号に含まれる専用パケットのヘッダ領域のバージョンフィールドには、IPパケットとは異なるパケットであることを識別するための識別情報が存在する。そのため、受信機140では、この識別情報に基づいて、受信された無線LAN信号から得られたパケットがIPパケットであるか専用パケットであるかの識別が可能となる。
【0051】
受信機140では、この識別情報に基づいて、例えば、デパケタイズ処理において、IPパケットと専用パケットとでは、ヘッダ処理が変えられる。上述したように、専用パケットのヘッダ領域は、IPパケットに比べてスリム化されているので、受信された無線LAN信号から得られたパケットが専用パケットである場合には、IPパケットを処理する場合に比べて処理の高速化が図られる。
【0052】
また、受信機140では、受信された無線LAN信号から得られたパケットが専用パケットである場合、そのパケットのヘッダ領域には、映像信号の圧縮方式情報が存在する。したがって、上述の受信映像信号のデータ伸長処理はこの圧縮方式情報に基づいて行われ、受信映像信号のデータ伸長処理が適切に行われる。
【0053】
[ベースバンド送信機、受信機の構成例]
図4は、ベースバンド送信機120の構成例を示している。ベースバンド送信機120は、制御部121と、ユーザ操作部122と、表示部123を有している。また、このベースバンド送信機120は、HDMI端子124と、HDMI受信部125と、エンコーダ126を有している。また、このベースバンド送信機120は、アンテナ端子127と、チューナ128と、スイッチ部129と、パケット化部130と、無線LANモジュール131と、送信アンテナ132を有している。
【0054】
制御部121は、CPU(CentralProcessing Unit)を備えており、ベースバンド送信機120の各部の動作を制御する。ユーザ操作部122および表示部123は、ユーザインタフェースを構成し、制御部121に接続されている。ユーザ操作部122は、ベースバンド送信機120の図示しない筐体に配置されたキー、釦、ダイアル、あるいは表示部123の表示面に配置されたタッチパネル等で構成される。表示部123は、LCD(Liquid Crystal Display)等の表示パネルで構成される。
【0055】
HDMI受信部125は、HDMI端子124に接続されている。このHDMI受信部125は、HDMIに準拠した通信により、図示しないHDMIケーブルを介して接続されているゲーム機160-1等の外部機器から一方向に送信されてくるベースバンド(非圧縮)の映像信号を受信する。HDMI端子124およびHDMI受信部125は、映像信号受信部を構成している。
【0056】
エンコーダ126は、HDMI受信部125で受信された映像信号にデータ圧縮処理を施して、データ圧縮処理された送信映像信号を得る。ここで、送信映像信号の圧縮方式として所定の圧縮方式、例えば、従来周知の符号化効率のよいMPEG4−AVCが採用される。なお、このMPEG4−AVCでは、ブロック単位で符号化が行われる。また、このMPEG4−AVCでは、ブロック単位で動き補償した予測残差が抽出されることで、フレーム間の冗長が取り除かれる。また、このMPEG4−AVCでは、空間軸では、ブロックベースの直交変換および可変長符号化が行われ、フレーム内の冗長が取り除かれる。エンコーダ126は、データ圧縮部を構成している。
【0057】
チューナ128は、アンテナ端子127に接続された図示しないアンテナで捕らえられたデジタル放送信号を処理して、所定番組の映像信号を得る。この映像信号は、MPEG2、あるいはMPEG4−AVC等の圧縮方式によってデータ圧縮された映像信号である。チューナ126は、放送信号処理部を構成している。
【0058】
スイッチ部129は、エンコーダ126で得られた映像信号、またはチューナ128で得られた映像信号を、送信映像信号として選択的に取り出す。このスイッチ部129の制御は、ユーザのユーザ操作部122からの選択操作に基づいて、制御部121により行われる。
【0059】
パケット化部130は、上述した専用パケット(図3参照)を生成する。この専用パケットは、上述したように、バージョンフィールドに格納される値が0〜3とされ、このパケットがIPパケットとは異なるバケットであることが識別可能とされている。パケット化部130は、この専用パケットのデータ領域に、スイッチ部129で取り出された映像信号を挿入する。
【0060】
また、パケット化部130は、専用パケットのヘッダ領域に設けられたコーデックフィールドに、スイッチ部129で取り出された映像信号が如何なる圧縮方式で圧縮されたものであるかを示す圧縮方式情報を格納する。例えば、映像信号がMPEG4−AVCでデータ圧縮されている場合、圧縮方式情報はMPEG4−AVCを示す情報となる。また、例えば、映像信号がMPEG2でデータ圧縮されている場合、圧縮方式情報はMPEG2を示す情報となる。
【0061】
無線LANモジュール131は、送信部および受信部を含んでおり、所定の通信プロトコルに準拠して送信処理および受信処理を行う。この無線モジュール131は、例えば、無線LANの方式としてIEEE 802.11n規格に対応している。この無線LANモジュール131は、パケット化部130で生成された専用パケットを含む無線LAN信号を生成して、アンテナ132を通じて受信機140に送信する。無線LANモジュール131は、無線送信部を構成している。
【0062】
図4に示すベースバンド送信機120の送信動作を説明する。
【0063】
ゲーム機160-1等の外部機器からHDMIケーブルを介して供給されるベースバンド(非圧縮)の映像信号はHDMI受信部125で受信され、エンコーダ126に供給される。このエンコーダ126では、ベースバンドの映像信号に対して、例えばMPEG4−AVC等の圧縮方式でデータ圧縮処理が施される。このエンコーダ126で得られたデータ圧縮されている映像信号は、スイッチ部129に供給される。
【0064】
また、図示しないアンテナで捕らえられたデジタル放送信号(RF信号)は、アンテナ端子127からチューナ128に供給される。このチューナ128では、デジタル放送信号が処理されて、ユーザの選局操作に応じた所定番組の映像信号が得られる。この映像信号は、例えば、MPEG2、あるいはMPEG4−AVC等の圧縮方式でデータ圧縮されている映像信号である。このチューナ128で得られたデータ圧縮されている映像信号は、スイッチ部129に供給される。
【0065】
スイッチ部129では、ユーザの選択操作に応じて、エンコーダ126で得られた外部機器の出力映像信号、またはチューナ126で得られた放送映像信号が、送信映像信号として選択的に取り出される。このスイッチ部129で取り出された映像信号は、パケット化部130に供給される。
【0066】
パケット化部130では、スイッチ部129から供給されるデータ圧縮された映像信号がデータ領域に挿入され、ヘッダ領域にパケット識別情報および圧縮方式情報を持つ専用パケット(図3参照)が生成される。このようにパケット化部130で生成された専用パケットは、無線LANモジュール131に供給される。
【0067】
無線LANモジュール131では、所定の通信プロトコルに準拠して、専用パケットの送信処理が行われる。すなわち、この無線LANモジュール131では、例えば、IEEE 802.11n規格に対応して、専用パケットを含む無線LAN信号が生成され、アンテナ132から送信される。
【0068】
図5は、受信機140の構成例を示している。この受信機140は、制御部141と、ユーザ操作部142を有している。また、受信機140は、アンテナ143と、無線LANモジュール144と、デパケット化部145と、デコーダ146と、表示処理部147と、表示パネル148を有している。
【0069】
制御部141は、CPU(CentralProcessing Unit)を備えており、受信機140の各部の動作を制御する。ユーザ操作部142は、ユーザインタフェースを構成し、制御部141に接続されている。ユーザ操作部142は、受信機140の図示しない筐体に配置されたキー、釦、ダイアル、あるいはリモコン等で構成される。
【0070】
無線LANモジュール144は、送信部および受信部を含んでおり、所定の通信プロトコルに準拠して送信処理および受信処理を行う。この無線モジュール144は、例えば、無線LANの方式としてIEEE 802.11n規格に対応している。この無線LANモジュール144は、無線LANアクセスポイント110、あるいはベースバンド送信機120から送信された無線LAN信号を、アンテナ143を通じて受信する。
【0071】
そして、この無線LANモジュール144は、受信された無線LAN信号に含まれる、データ領域に映像信号が挿入されたパケットを取得する。このパケットは、受信無線LAN信号が無線LANアクセスポイント110からのものであるときはIPパケット(図2参照)である。また、このパケットは、受信無線LAN信号がベースバンド送信機120からのものであるときは専用パケット(図3参照)である。無線LANモジュール144は、無線受信部を構成している。
【0072】
デパケット化部145は、無線LANモジュール144で得られたパケットに対して、デパケタイズ処理を行って受信映像信号を得る。制御部141は、無線LANモジュール144で得られたパケットのヘッダ領域の先頭にあるバージョンフィールドの値(識別情報)に基づいて、IPパケットであるか専用パケットであるかを識別する。そして、制御部141は、この識別結果に基づいて、デパケット化部145の動作を、IPパケットと専用パケットとでは変化させる。ここで、制御部141は、パケット識別部およびデパケット化制御部を構成している。
【0073】
この場合、デパケット化部145のデパケタイズ処理において、IPパケットと専用パケットでは、ヘッダ処理が変えられる。上述したように、専用パケットのヘッダ領域は、IPパケットに比べてスリム化されているので、受信された無線LAN信号から得られたパケットが専用パケットである場合には、IPパケットを処理する場合に比べて処理の高速化が図られる。
【0074】
デコーダ146は、デパケット化部145で得られた受信映像信号に対してデータ伸長処理を施して、ベースバンド(非圧縮)の映像信号を得る。制御部141は、無線LANモジュール144で得られたパケットが専用パケットであるとき、そのコーデックフィールドに格納されている圧縮方式情報を取得する。制御部141は、IPパケットであるか専用パケットであるか、また、専用パケットであるときは取得した圧縮方式情報に基づいて、デコーダ146の動作を制御する。デコーダ146は、データ伸長部を構成している。
【0075】
すなわち、無線LANモジュール144で得られたパケットがIPパケットであるとき、デコーダ146では、所定の圧縮方式、例えばMPEG4−AVCに対応したデータ伸長処理が行われる。これに対して、無線LANモジュール144で得られたパケットが専用パケットであるときは、デコーダ146では、圧縮方式情報が示す圧縮方式に対応したデータ伸長処理が行われ、データ伸長処理が適切に行われる。
【0076】
表示処理部147は、デコーダ146で得られたベースバンドの映像信号に対して、色調整、輪郭強調、グラフィックスデータの重畳等の処理を行う。表示パネル148は、表示処理部147で処理された映像信号に画像を表示する。表示パネル148は、例えば、LCD(Liquid Crystal Display)、有機EL(ElectroLuminescence)、PDP(Plasma Display Panel)等で構成される。
【0077】
図5に示す受信機140の受信動作を説明する。無線LANアクセスポイント110、あるいはベースバンド送信機120から送信された無線LAN信号は、アンテナ143を通じて無線LANモジュール144で受信される。そして、この無線LANモジュール144では、受信された無線LAN信号に含まれるパケット(IPパケット、専用パケット)が取得される。このパケットはデパケット化部145に供給される。
【0078】
デパケット化部145では、無線LANモジュール144で得られたパケットに対して、デパケタイズ処理が行われて受信映像信号が得られる。上述したように、IPパケットあるいは専用パケットのデータ領域に挿入された映像信号はデータ圧縮された映像信号であることから、この受信映像信号はデータ圧縮された映像信号である。
【0079】
無線LANモジュール144で得られたパケットのヘッダ領域の先頭にあるバージョンフィールドの値は、IPパケットの場合は4または6であり、専用パケットの場合は例えば0〜3のいずれかとされている。そのため、制御部141では、このバージョンフィールドの値を識別情報として、無線アクセスポイント110からのIPパケットであるか、ベースバンド送信機120からの専用パケットであるかが識別される。
【0080】
この識別結果に基づき、制御部141により、デパケット化部145の動作が制御される。すなわち、上述したようにIPパケットと専用パケットとではヘッダ領域の構造を異にしているため、ヘッダ処理が変えられる。上述したように、専用パケットのヘッダ領域は、IPパケットに比べてスリム化されているので、専用パケットのヘッダ処理に要する時間は、IPパケットのヘッダ処理に比べて短くて済む。そのため、デパケット化部145のデパケタイズ処理による遅延は、専用パケットの場合、IPパケットの場合に比べて短くなる。
【0081】
デパケット化部145で得られた受信映像信号はデコーダ146に供給される。このデコーダ146では、データ伸長処理が施されて、ベースバンド(非圧縮)の映像信号が得られる。無線LANモジュール144で得られたパケットが専用パケットの場合、ヘッダ領域のバージョンフィールドに続くコーデックフィールドに、この専用パケットのデータ領域に挿入された映像信号の圧縮方式を示す圧縮方式情報が格納されている。そのため、制御部141では、このコーデックフィールドの圧縮方式情報により、デパケット化部145で得られた受信映像信号の圧縮方式が認識される。
【0082】
上述のパケットの識別結果およびこの圧縮方式が認識結果に基づいて、制御部141により、デコーダ146におけるデータ伸長処理が制御される。すなわち、無線LANモジュール144で得られたパケットがIPパケットであるとき、デコーダ146では、受信映像信号に対して所定の圧縮方式、例えばMPEG4−AVCに対応したデータ伸長処理が行われる。これに対して、無線LANモジュール144で得られたパケットが専用パケットであるときは、デコーダ146では、受信映像信号に対して、圧縮方式情報が示す圧縮方式に対応したデータ伸長処理が行われ、データ伸長処理が適切に行われる。
【0083】
デコーダ146で得られたベースバンド(非圧縮)の映像信号は、表示処理部147に供給される。この表示処理部147では、この映像信号に対して、ユーザ操作、あるいは自動的に、色調整、輪郭強調、グラフィックスデータの重畳等の処理が行われる。そして、このように表示処理部147で処理された映像信号は表示パネル148に供給され、この表示パネル148に受信映像信号による画像が表示される。
【0084】
上述したように、図1に示すTV受信システム100において、データベース送信機120から受信機140に送信される無線信号は、無線LANアクセスポイント110から受信機140に送信される無線信号と変調方式が同じものとされる。すなわち、データベース送信機120から受信機140に送信される無線信号は、例えば、IEEE 802.11n規格に準拠した無線LAN信号とされる。そのため、受信機140では、単一の無線受信モジュール(無線LANモジュール144)により、ネット系とベースバンド系の双方の無線データ伝送に対処できる。したがって、受信機140の構成が簡単となり、そのコスト低減を図ることができる。
【0085】
また、図1に示すTV受信システム100において、ベースバンド送信機120では、データ領域に送信映像信号が挿入された専用パケットが生成され、この専用パケットが含まれた無線信号が受信機140に送信される。この専用パケットは、IPパケットに比べて、そのヘッダ領域がスリム化されていると共に、そのバージョンフィールドに格納された値によりIPパケットとは異なるパケットであることが識別される構造となっている。そのため、受信機140においては、専用パケットとIPパケットとを自動的に識別できる。従って、専用パケットに関してはIPパケットとは異なるヘッダ処理を行うことができ、デパケタイズ処理に要する時間を短くでき、データベース系の無線データ伝送の伝送遅延を抑制できる。
【0086】
また、図1に示すTV受信システム100において、ベースバンド送信機120では、データ領域に送信映像信号が挿入された専用パケットが生成され、この専用パケットが含まれた無線信号が受信機140に送信される。この専用パケットのデータ領域にコーデックフィールドが設けられ、データ領域に挿入されている映像信号の圧縮方式を示す圧縮方式情報が格納されている。そのため、受信機140において、無線LANモジュール144で得られたパケットが専用パケットであるとき、デコーダ146では、この圧縮方式情報に基づいて、データ伸長処理の処理方式を変更でき、受信映像信号のデータ伸長を適切に行うことができる。
【0087】
<2.変形例>
なお、上述実施の形態において、データベース送信機120で生成される専用パケットは、図3に示す構造例に限定されるものではなく、その他の構造であってもよい。要は、データ領域が余分な情報が含まれないようにスリム化され、しかも、このデータ領域にIPパケットとは異なるパケットであることを示す識別情報が含まれていればよい。なお、データ領域に挿入される映像信号の圧縮方式が固定であれば、専用パケットのヘッダ領域に圧縮方式情報を持つ必要はない。
【0088】
上述実施の形態において、受信機140は、無線LANアクセスポイント110からのIPパケットとベースバンド送信機120からの専用のパケットを識別して、デパケット化部145のデパケタイズ処理におけるヘッダ処理を自動的に変更するものを示した。上述していないが、受信機140では、IPパケットと専用パケットの識別結果を用いていずれかを受信可能とする受信制限機能などを設けることも可能となる。
【0089】
また、上述実施の形態においては、ゲーム機160-1等の外部機器からのベースバンド(非圧縮)の映像信号がベースバンド送信機120に供給される構成であるが、ゲーム機160-1等に、ベースバンド送信機120が内蔵された一体的な構成も考えられる。
【0090】
また、上述実施していないが、ベースバンド送信機120において、複数の外部機器からの映像信号がデータ領域に挿入された専用パケットを時分割的に生成して受信機140に送ることも考えられる。その場合、専用パケットのヘッダ領域には各外部機器を識別する情報を格納するフィールドが設けられ、受信機140では、その識別情報を用いて、各外部機器の映像信号を選択的に受信可能としてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0091】
この発明は、受信機の構成を簡単にでき、そのコスト低減を図ることができるものであり、ネット系とベースバンド系の双方に対応したTV受信システム等に適用できる。
【符号の説明】
【0092】
100・・・TV受信システム、110・・・無線LANアクセスポイント、120・・・ベースバンド送信機、121・・・制御部、122・・・ユーザ操作部、123・・・表示部、124・・・HDMI端子、125・・・HDMI受信部、126・・・エンコーダ、127・・・アンテナ端子、128・・・チューナ、129・・・スイッチ部、130・・・パケット化部、131・・・無線LANモジュール、132・・・アンテナ、140・・・受信機、141・・・制御部、142・・・ユーザ操作部、143・・・アンテナ、144・・・無線LANモジュール、145・・・デパケット化部、146・・・デコーダ、147・・・表示処理部、148・・・表示パネル、151・・・モデム、152・・・ネットワーク、160-1・・・ゲーム機、160-2・・・BDレコーダ、160-3・・・PC、160-4・・・STB

【特許請求の範囲】
【請求項1】
データ領域に送信映像信号が挿入され、ヘッダ領域にIPパケットとは異なるパケットであることを識別するための識別情報を持つ専用パケットを生成するパケット化部と、
上記パケット化部で生成された専用パケットを含む無線信号を生成して送信する無線送信部を
備える無線送信機。
【請求項2】
上記送信映像信号は、データ圧縮された映像信号であり、
上記パケット化部で生成される専用パケットのヘッダ領域に、上記送信映像信号の圧縮方式情報を持つ
請求項1に記載の無線送信機。
【請求項3】
上記無線送信部が生成して送信する無線信号は、IEEE 802/11n規格に準拠した無線LAN信号である
請求項2に記載の無線送信機。
【請求項4】
上記送信映像信号の圧縮方式は、MPEG4−AVCあるいはMPEG2である
請求項3に記載の無線送信機。
【請求項5】
外部機器から非圧縮の映像信号を受信する映像信号受信部と、
上記映像信号受信部で受信された映像信号にデータ圧縮処理を施して上記データ圧縮された送信映像信号を得るデータ圧縮部をさらに備える
請求項2に記載の無線送信機。
【請求項6】
放送信号を処理して、上記データ圧縮された送信映像信号を得る放送信号処理部をさらに備える
請求項2に記載の無線送信機。
【請求項7】
データ領域に送信映像信号が挿入され、ヘッダ領域にIPパケットとは異なるパケットであることを識別するための識別情報を持つ専用パケットを生成するパケット化ステップと、
上記パケット化ステップで生成された専用パケットを含む無線信号を生成して送信する無線送信ステップを
備える無線送信方法。
【請求項8】
データ領域に映像信号が挿入されたパケットを含む無線信号を受信し、該無線信号から該パケットを得る無線受信部と、
上記無線受信部で得られたパケットを処理して受信映像信号を得るデパケット化部と、
上記無線受信部で得られたパケットが、該パケットのヘッダ領域にIPパケットとは異なるパケットであることを識別するための識別情報があるか否かにより、専用パケットであるかIPパケットであるかを識別するパケット識別部と、
上記パケット識別部の識別結果に応じて上記デパケット化部の処理を制御するデパケット化制御部を
備える無線受信機。
【請求項9】
上記パケットのデータ領域に挿入された映像信号はデータ圧縮された映像信号であり、
上記専用パケットのヘッダ領域に、上記映像信号の圧縮方式情報を持ち、
上記デパケット化部で得られた受信映像信号にデータ伸長処理を施して非圧縮の映像信号を得るデータ伸長部と、
上記パケット識別部の識別結果により上記無線受信部で得られたパケットが上記専用パケットであるとき、上記データ伸長部のデータ伸長処理を、該専用パケットのヘッダ領域に持つ上記圧縮方式情報に基づいて制御するデータ伸長制御部をさらに備える
請求項8に記載の無線受信機。
【請求項10】
上記無線受信部が受信する無線信号は、IEEE 802/11n規格に準拠した無線LAN信号である
請求項9に記載の無線受信機。
【請求項11】
上記専用パケットのデータ領域に挿入された映像信号の圧縮方式は、MPEG4−AVCあるいはMPEG2である
請求項10に記載の無線受信機。
【請求項12】
データ領域に映像信号が挿入されたパケットを含む無線信号を受信し、該無線信号から該パケットを得る無線受信ステップと、
上記無線受信ステップで得られたパケットを処理して受信映像信号を得るデパケット化ステップと、
上記無線受信ステップで得られたパケットが、該パケットのヘッダ領域にIPパケットとは異なる専用パケットであることを識別するための識別情報があるか否かにより、専用パケットであるかIPパケットであるかを識別するパケット識別ステップと、
上記パケット識別ステップの識別結果に応じて上記デパケット化ステップの処理を制御するデパケット化制御ステップを
備える無線受信方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2010−252205(P2010−252205A)
【公開日】平成22年11月4日(2010.11.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−101546(P2009−101546)
【出願日】平成21年4月20日(2009.4.20)
【出願人】(000002185)ソニー株式会社 (34,172)
【Fターム(参考)】