説明

無線送信/受信装置へインテリジェントリモートアクセスを与える方法およびシステム

無線送信/受信装置(WTRU)へインテリジェントリモートアクセスを与える方法およびシステムを開示している。基地局にトランスレータを備えることで、システムコントローラは、基地局に対してアプリケーションレベルネットワーク管理プロトコルメッセージを出すことができる。そのメッセージは、そのトランスレータによって、メディアアクセス制御(MAC)メッセージングプロトコルに変換されて、WTRUに転送される。WTRUによって基地局に提供される情報は、MACプロトコルからアプリケーションレベルのネットワーク管理プロトコルに変換されることで、システムコントローラは、アプリケーションレベルネットワーク管理プロトコルを使用してこの情報にアクセスできる。


【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、無線通信システムに関する。さらに詳細には、本発明は、無線送信/受信装置(WTRU)へリモートアクセスを与えることで、ネットワーク管理機能がWTRUとの間で効率的に交信できるようにする方法およびシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
まず図1を参照すると、従来の無線通信システム100が示されている。システム100に、少なくとも1つの無線送信/受信装置(WTRU)102、少なくとも1つの基地局104、およびシステム100内の通信を制御もしくは管理する少なくとも1つのシステムコントローラ106が含まれる。
【0003】
通常、システムの機能は、データ伝送に関連するタスクを簡素化し、分離するために、層と呼ばれるモジュールに分解されている。それ故、分かりやすくするために、図1には、サンプルのプロトコルスタック108も示している。プロトコルスタック108内において、最上位レベルは、アプリケーション層112である。アプリケーション層112は、2つのエンティティ(構成要素)のプロセスが互いに通信する層である。アプリケーション層112の下に、トランスポート層114があり、この層は、2つの通信するエンティティの間の論理通信に供されるので、アプリケーションの観点から、その2つのエンティティが互いに直接に接続されているかのようになっている。2つの主要なトランスポート層のプロトコル、すなわち伝送制御プロトコル(TCP)とユーザデータグラムプロトコル(UDP)とがある。トランスポート層114の下に、ネットワーク層116がある。ネットワーク層116は、トランスポート層114からのデータグラムをカプセル化、パケット内にカプセル化し、インターネットプロトコル(IP)を使用して、ネットワークを介してこれらパケットをめいめいの宛先に対してルーティング(転送)する。このようなパケットを、しばしば、IPパケットと称している。ネットワーク層116の下に、データリンク層118と物理層120とがあり、それら層で、個々のリンクの間でIPパケットを移動する作業が実行される。リンク層118および物理層120で履行されるプロトコルは、交差するリンクのタイプ(例えば、有線または無線)に応じて変化する可能性がある。本明細書では、単に便宜上、リンク層118および物理層120で履行されるプロトコルを、まとめて、メディアアクセス制御(MAC)メッセージングプロトコルと呼ぶ。この用語のMACメッセージングプロトコルの使用は、制限的なものではなく、ブロードキャスト(放送)チャネルおよびポイントツーポイントチャネルを含んでいるが、これに制限されないすべてのタイプのリンク層チャネルを含むことができることに留意されたい。
【0004】
システムコントローラ106は、通常、アプリケーション層112に実装されたある種のアプリケーションレベルネットワーク管理プロトコルを使用して、ネットワーク管理機能に関して基地局104と通信する。この通信は、アプリケーション層112で実行されるので、コントローラ106と基地局104の間で交換される、もっぱら管理専用の、かつかなりの量のデータが存在する。システムコントローラ106と基地局104の間の通信は、通常、十分な帯域幅を有する有線インターフェース上で実行されるので、アプリケーション層112での通信管理機能は、通常は問題とならない。さらに、両方のエンティティが、通常、関連するアプリケーションレベルプロトコルの利用およびサポートの両方を行なっている。
【0005】
しかし、アプリケーション層112でのネットワーク管理機能の通信が、しばしば、基地局とWTRU102の間での実行を困難または不可能にする。まず問題となるのは、アプリケーションレベルプロトコルは、比較的複雑であって、プロトコルスタック108の各層での機能と大量のデータとが電波で交換されることを要求する傾向があることである。例えば、アプリケーションレベルネットワーク管理プロトコルが使用される場合に、各メッセージ122(図1にも図示)は、TCPまたはUDPのデータグラム124を用いてカプセル化され、これらTCPまたはUDPのデータグラム124が、MACフレーム128内のIPパケット126内にカプセル化される。したがって、アプリケーションレベルネットワーク管理プロトコルを使用してのWTRUとの間の管理機能の通信は、帯域幅の非常に非効率的な使用となる。さらに、帯域幅のそのような非効率的な使用が我慢できる可能性がある場合であっても、WTRUは、しばしば、ネットワーク管理機能を実行するアプリケーションレベルソフトウェアを実装しておらず、そのためそのような通信は不可能になることがある。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
したがって、ネットワーク管理機能をWTRUとの間で効率的に交信できる方法およびシステムを提供することが望ましいであろう。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、無線送信/受信装置(WTRU)へインテリジェントリモートアクセスを与える方法およびシステムの発明である。基地局内にトランスレータ(変換装置)を備えることで、システムコントローラが、基地局に対してアプリケーションレベルネットワーク管理プロトコルメッセージを出すことができるようにする。このメッセージは、トランスレータによって、メディアアクセス制御(MAC)メッセージングプロトコルに変換され、WTRUに転送される。WTRUから基地局に提供される情報は、MACプロトコルからアプリケーションレベルネットワーク管理プロトコルに変換されることで、その情報は、アプリケーションレベルネットワーク管理プロトコルを用いて、システムコントローラによりアクセスできるようになる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
本明細書において、基地局には、これらに限定されるものではないが、NodeB、アクセスポイント、サイトコントローラ、あるいは基地局と結びつくネットワークへの無線アクセスをWTRUに与える無線環境内の他のインターフェースデバイスが含まれている。本明細書において、WTRUには、これらに限定されるものではないが、ユーザ機器、移動局(モバイルステーション)、固定または移動の加入者ユニット、ポケットベル、あるいは無線環境内で動作できるあらゆる他のタイプのデバイスが含まれている。WTRUには、携帯電話機やテレビ電話機、およびネットワークと接続するインターネット対応電話機などの個人向けデジタル無線通信機器と、似たようないくつかのネットワーク機能を有する無線モデムを備えたPDA(携帯情報端末)、およびノートブックサイズの携帯コンピュータなどの携帯型パソコン機器とが含まれる。本明細書では、システムコントローラには、無線ネットワーク制御装置(RNC:radio network controller)、ネットワーク管理ステーション(NMS:network management station)、または無線通信システム内でシステム制御機能を実行するすべての他のタイプのコントローラ(制御装置)が含まれている。
【0009】
基地局とWTRUの間のエアインターフェース(無線ネットワーク規格)でのMAC(メディアアクセス制御)メッセージングプロトコルの使用は、背景技術の欄で説明したように、アプリケーションレベルネットワーク管理プロトコルの使用よりもはるかに効率的である。さらに、MACメッセージングプロトコルの使用は、システムコントローラにとって興味を引く情報が置かれているデータリンク層および物理層を利用するために好ましい。さらに説明すると、サイトコントローラにとって興味を引くWTRUの管理に関する情報の種類には、WTRUのパフォーマンス(性能)、コンフィギュレーション(設定)、および障害レポーティング(報告)が含まれる。例えば、パフォーマンスパラメータには、受信/送信されたパケットのエラーレートを含めることができ、設定パラメータには、WTRUの常用サービスプロバイダを含めることができ、障害レポーティングパラメータには、いくつかの失敗したデータ確認の試み(authentication attempt)を含めることができる。これらのアイテム(項目)は、データリンク層および物理層で入手可能なので、本発明は、基地局とWTRUとの間ではMACメッセージングプロトコルを、またコントローラと基地局との間ではアプリケーションレベルネットワーク管理プロトコルを使用する。さらに、基地局内にトランスレータを備えることで、システムコントローラがWTRUへ直接アクセスできるようにする。
【0010】
例えば、図2を参照すると、本発明によるシステム200が示されている。システム200には、少なくとも1つのWTRU202、少なくとも1つの基地局204、および少なくとも1つのシステムコントローラ206が含まれる。この実施形態では、トランスレータ208が、基地局204に設けられている。トランスレータ208は、アプリケーションレベルネットワーク管理プロトコルとMACメッセージングプロトコルの間で両方向に変換するように設定されている。
【0011】
一実施形態において、基地局204によって規定されたサービスエリア内でWTRU202が動作を開始する時に、基地局204はMACメッセージプロトコルを使用して、WTRU202のセッティングおよび/またはパラメータ(以下では、総称して「パラメータ」と称する)を入手(すなわち、要求し、受信)するが、このパラメータには、ネットワーク管理に関連するWTRU202内のすべての情報を含めることができる。このパラメータは、トランスレータ208によって、MACメッセージングプロトコルからアプリケーションレベルネットワーク管理プロトコルに変換され、基地局204内のデータベース210に格納される。その後、システムコントローラ206は、アプリケーションレベルネットワーク管理プロトコルを使用して、基地局204から要望通りにWTRU202のパラメータにアクセスすることができる。基地局204は、そのデータベース210に期限切れの無効データ(outdated data)を所持することを避けるために、そのパラメータについてWTRU202に周期的に問い合わせるように設定されていることが好ましい。
【0012】
別の実施形態では、システムコントローラ206は、WTRU202のパラメータを読み取るだけではなく、同様にこれらパラメータを書き込むこともできる。この実施形態では、システムコントローラ206が、アプリケーションレベルネットワーク管理プロトコルを使用して基地局204にメッセージを送信することによって、更新されたパラメータをWTRU202に送信することができる。次に、更新されたパラメータが基地局204によって受信されたならば、トランスレータ208が、これらパラメータをMACメッセージングプロトコルフォーマットに変換し、その変換されたパラメータをWTRU202に転送する。次に、WTRU202がそのパラメータを適宜に更新する。システムコントローラ206は、この実施態様を利用してWTRU202にメッセージを(基地局204を介して)送信して、そのメッセージを基地局204に報告するようにWTRU202に指示することもでき、そのWTRU202は、ある種のイベントが発生した時に、レポートをシステムコントローラ206に送ることができる。
【0013】
本発明を802.11タイプのネットワークにどのように実装できるかについてのより具体的な例示を示すために、図3および図4を参照する。図3に示したネットワークは、「802.11タイプのネットワーク」と称されるが、このシステムは、無線ローカルエリアネットワーク(WLAN)、無線パーソナルエリアネットワーク(WPAN)、無線メトロポリタンエリアネットワーク(WMAN)などを含む、これらに限定されない、ネットワークの802ファミリのすべてのタイプのネットワークとすることができることに留意されたい。図3には、無線ネットワーク300の概略ブロック図が示されている。無線ネットワーク300には、ネットワーク管理ステーション(NMS:network management station)306、複数の基地局314、316、ならびに複数のWTRU312、318が含まれる。それらWTRU312、318は、そのめいめいの基地局314、316と共にグループ化されている。これらの集団は、一般に、基本サービスセット(BSS:basic service set)320、322と称されている。複数のBSS320、322は、分配系(DS:distribution system)324を介して接続されるが、これら複数のBSSは、一般に、拡張サービスセット(ESS:extended service set)と称されている。基地局314、316は、好ましくは、ネットワーク319を介してNMS(ネットワーク管理ステーション)306に接続される。
【0014】
図4を参照すると、図3のネットワーク300内のWTRU312、基地局314、およびNMS306のブロック図が示されている。NMS306は、アプリケーションレベルネットワーク管理プロトコルを使用して、基地局314との間でネットワーク管理情報を交信する。単に例示として、この実施形態に示したアプリケーションレベルネットワーク管理プロトコルは、シンプルネットワーク管理プロトコル(SNMP:simple network management protocol)ではあるが、任意のアプリケーションレベルプロトコル、可否(propriety)あるいは他のものを使用することもできる。使用できる別のタイプのアプリケーションレベルネットワーク管理プロトコルの例が、拡張マークアップ言語(XML)プロトコルである。
【0015】
NMS306は、SNMPポート400を介してSNMPメッセージを送信することができる。このトランスポートレベルに関して、要望どおりにTCPまたはUDPのいずれでも使用できることに留意されたい。802.11タイプネットワークのNMS306にとって興味を引くパラメータは、管理情報ベース(MIB:management information base)内で維持される。典型的には、802.11タイプネットワークでは、基地局およびWTRUのそれぞれが、MIBを維持し、このMIBに、それらのめいめいのパラメータが保存される。例えば、本発明では、基地局314には、データベース402が含まれ、このデータベース402内で、MIBが、基地局自体に関して維持される(すなわち、MIBbase station)。さらに、基地局314には、データベース404が含まれ、このデータベース404内で、基地局314に関連するすべてのWTRUのMIBが維持される(すなわち、MIBWTRUs)。上で説明したように、基地局314には、SNMPとMACメッセージングプロトコルの間で両方向に変換するトランスレータ(変換装置)406も含まれている。この実施形態では、好ましくは、MACメッセージングプロトコルが、802.11kメッセージングプロトコルである。802.11kメッセージングプロトコルは、WTRU312のパラメータを基地局314に通信するデータリンク層/物理層プロトコルである。
【0016】
NMS306が基地局314に係るMIB情報を入手するためには、NMS306は、SNMPを使用して単純に要求(すなわち、SNMPGetメッセージ)を送信し、基地局314が、その要求を受信し、要求通りに応答する。したがって、本発明では、基地局314が、802.11kメッセージングを使用してWTRU312のMIBを周期的に入手し、それをデータベース404に格納することで、WTRUのMIBを基地局314において使用できるようにすることが好ましい。MIBは、基地局314により受信された際にSNMPに変換されて、その変換されたフォーマットで保管されることができ、あるいは、NMS306がそれ(SNMP)を要求した時にMIBを変換することができる、ということに留意されたい。いずれの場合でも、MIBは、SNMPフォーマットでNMS306に送信される。さらに、さらに他の実施形態では、基地局314は、WTRUのMIBを周期的に入手せず、その代わりにNMS306がそれ(MIB)を要求した時にWTRU312のMIBを入手する。
【0017】
WTRU312のパラメータを入手するため、NMS306は、自身のSNMPポート400を介しSNMPメッセージを用いてパラメータを要求する。SNMPでは、そのような要求を、前述のとおりGetメッセージ(入手メッセージ)と称する場合がある。基地局314は、自身のSNMPポート408でこの要求を受信し、WTRU312のパラメータをSNMPフォーマットでNMS306に供給する。MIBがSNMPフォーマットでデータベース404に保管されている場合には、WTRU312に係るMIBは、単純にNMS306に転送される。MIBが、802.11kメッセージングフォーマットで保管されている場合には、WTRU312に係るMIBは、トランスレータ406によって変換され、その後、NMS306に送信される。MIBは、SNMPポート408、400を利用して基地局314からNMS306へ供給されることが好ましい。上で注記したように、WTRU312のMIBが古い(すなわち、所定の時間よりも長くデータベース404内にある)場合には、基地局314は、WTRU312から新しいMIBを入手することができる。
【0018】
本発明の他の実施形態では、NMS306は、あるWTRU312のトラップがセットされ、それによって、ある種のイベントが発生した時に、WTRU312がそれを報告するようになることを要求するSNMPメッセージを基地局314に送信することができる。NMS306は、特定のWTRU312について、SNMPメッセージ(すなわち、SNMP Trapメッセージ)を基地局314に送信する。基地局314は、SNMPポート408を介してこのSNMPメッセージを受信する。基地局314内のトランスレータ406が、このSNMPメッセージを802.11kメッセージに変換する。その後、基地局314は、この802.11kメッセージを送信して、トリガするイベントが発生した時に、特定のWTRU312に対してトラップ状態を基地局314へ報告することを要求する。イベントが実際に発生したならば、WTRU312は、802.11kメッセージを基地局314に送信する。その後、基地局314のトランスレータ406が、このメッセージをSNMPに変換して、NMS306に送信する。
【0019】
本明細書で説明したように、NMS306は、基地局314へSNMPメッセージを送信することによってWTRU312のMIBパラメータをセットすることができ、この場合に、基地局は、更新されたパラメータを802.11kに変換し、その更新されたパラメータをWTRU312に転送する。しかしながら、NMS306は、ある特定の状況で、WTRU312と直接インターフェース(対話)することを望む場合がある。したがって、別の実施形態では、NMS306が、WTRUのSNMPエージェントとの間でSNMPメッセージを送受信するように設定されることで、WTRU312のMIBパラメータを、無線で送信される標準SNMP(Set)メッセージを介してセットできるようにしている。このシグナリングは、SNMPメッセージングを用いて無線で送信されるが、典型的に少量のシグナリングであり、したがって、悪影響は実質的にない。
【0020】
さらに、無線で行なうSNMPを用いたWTRU312のMIB設定パラメータのセッティングを、本発明の技法を使用して最適化することができる。例えば、本発明のトランスレータを使用してパラメータおよび/または特定のトリガ(複数)をセットすることで、特定のイベント(複数)に基づいて特定のデフォルト設定(複数)に戻るようにWTRUを設定することができる。具体的に言うと、例えば、WTRU312がそのホームネットワークに戻った時に、デフォルト設定に復帰するように、WTRU312を設定することができる。これは、WTRUパラメータをセットするための少量のSNMPシグナリングの必要をすっかりなくすのに使用することができる。あるいは、本明細書で説明したように、トランスレータと、アプリケーションレベルメッセージングおよびMACレベルメッセージングの組合せとを使用して、パラメータをセットすることができる。
【0021】
本明細書で説明した基地局314のコンポーネント(構成要素)は、特定用途向け集積回路(ASIC)などのような単一の集積回路で実装されることが好ましい。しかし、これらのコンポーネントは、複数の別々の集積回路で手軽に実装することもできる。
【0022】
図5を参照すると、システムコントローラがWTRUからパラメータ(複数)を入手できるメッソード600の流れ図が示されている。メッソード600は、WTRUが無線通信システムのサービスエリアに入る時に、ステップ602で開始される。次に、ステップ604で、WTRUに関連する基地局が、MACメッセージングプロトコルを使用してWTRUのパラメータを要求する。次に、ステップ606で、WTRUが、MACメッセージングプロトコルを使用して基地局にパラメータを送信する。基地局は、パラメータをMACメッセージングプロトコルからアプリケーションレベル管理プロトコルに変換し(ステップ608)、変換されたパラメータを保管する(ステップ610)。変換されたパラメータは、基地局内に存在するか、または別の方法で基地局に所属するデータベースに保管されることが好ましい。上で注記したように、ステップ604からステップ610は、データの新セットを維持するために必要に応じて繰り返されることができる。変換されたパラメータが基地局で格納されたならば、コントローラは、任意のタイプのアプリケーションレベルネットワーク管理プロトコルを使用して、必要に応じて、これら(変換されたパラメータ)を基地局から入手することができる(ステップ612)。追加の実施形態として、パラメータに関する実際の要求を受信してから、変換ステップをトリガできるということに留意されたい。この場合に、そのパラメータは、MACメッセージングフォーマットで格納されている。
【0023】
図6を参照すると、システムコントローラがWTRUのパラメータを更新するか、あるいは別の方法で変更することができるメッソード700の流れ図が示されている。この実施形態では、システムコントローラが、WTRUのパラメータへの書き込みアクセスを有する。メッソード700は、ステップ702で開始され、ここで、システムコントローラが、アプリケーションレベルネットワーク管理プロトコルを使用して、WTRU(単数または複数)のパラメータ(複数)を更新する要求を出す。更新されるパラメータが、その要求と共に送信されることが好ましい。ステップ704で、要求が基地局で受信され、MACメッセージングプロトコルフォーマットに変換される。次に、ステップ706で、基地局が、要求をWTRUに転送する。その後、ステップ708で、WTRUが、その要求に従って自身のパラメータを更新する。メッソード700では、WTRUでトラップをセットするのにも使用することができ、その場合に、WTRUは、上で説明したように、特定のイベントが発生した時に特定のアクションを実行する。
【0024】
本発明を、あらゆる任意のタイプの無線通信システムで実装できることに留意することが重要である。例えば、本発明を、UMTS−TDD(ユニバーサル・モバイル・テレコミニュケーション・システム−時分割二重化)、UMTS−FDD(ユニバーサル・モバイル・テレコミニュケーション・システム−周波数分割双方向)、CDMA(符号分割多重アクセス方式)2000、TDSCDMA(時分割同期CDMA)、GSM(グローバル・システム・フォー・モバイル・コミュニケーション)、WLAN(無線LAN)、WPAN(ワイアレス・パーソナル・エリア・ネットワーク)、WMAN(ワイアレス・メトロポリタン・エリア・ネットワーク)、またはすべての他の色々なタイプの無線通信システムで実装することができる。さらに、本発明の特徴および構成要素を、好ましい実施形態での特定の組合せで説明したが、これら各特徴または構成要素を、本発明の他の特徴および構成要素と共に、またはこれらなしで、単独でまたはさまざまな組合せで使用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【図1】従来の無線通信システム、プロトコルスタック、およびカプセル化されたアプリケーション層メッセージを示すブロック図である。
【図2】本発明による無線通信システムを示すブロック図である。
【図3】802.11タイプの無線ネットワークを示すブロック図である。
【図4】図3に示した802.11タイプの無線ネットワークの基地局、WTRU、およびネットワーク管理ステーションを示し、ここでネットワーク管理機能が本発明に従ってWTRUとの間で交信されるブロック図である。
【図5】システムコントローラが本発明に従ってWTRUからパラメータを入手できるメッソードを示す流れ図である。
【図6】システムコントローラが本発明に従ってWTRUのパラメータを更新する、あるいは別の方法で変更することができるメッソードを示す流れ図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも1つの基地局、少なくとも1つのシステムコントローラ、および少なくとも1つの無線送信/受信装置(WTRU)を含む無線通信システム内のネットワークエンティティの間で情報を通信する方法であって、
1つのシステムコントローラと1つの基地局との間でアプリケーションレベルネットワーク管理プロトコルを使用して該システムコントローラとWTRUとに関するネットワーク管理情報を通信することと、
前記基地局と前記WTRUとの間でMACメッセージングプロトコルを使用して前記ネットワーク管理情報を通信することと
を含むことを特徴とする方法。
【請求項2】
前記基地局は、前記アプリケーションレベルネットワーク管理プロトコルと前記MACメッセージングプロトコルとの間で変換することを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記アプリケーションレベルネットワーク管理プロトコルは、シンプルネットワーク管理プロトコル(SNMP)であることを特徴とする請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記システムコントローラは、WTRUからネットワーク管理情報を入手するためにSNMP(Get)メッセージを出すことを特徴とする請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記基地局は、前記システムコントローラにより要求されたネットワーク管理情報を前記基地局内のデータベースから取ってきた後に前記システムコントローラに応答し、前記WTRUに関するネットワーク管理情報が、MACメッセージングプロトコルを使用して前記WTRUから前記基地局によって入手された後に保管されることを特徴とする請求項4に記載の方法。
【請求項6】
前記MACメッセージングプロトコルは、802.11kであることを特徴とする請求項5に記載の方法。
【請求項7】
前記システムコントローラは、前記WTRUの少なくとも1つのパラメータをセットするためにSNMP(Trap)メッセージを出すことを特徴とする請求項3に記載の方法。
【請求項8】
前記基地局は、前記SNMP(Trap)メッセージを802.11kメッセージに変換し、該変換されたメッセージを前記WTRUに送信することを特徴とする請求項7に記載の方法。
【請求項9】
前記WTRUの少なくとも1つのパラメータをセットするために、前記システムコントローラから該WTRUに直接にメッセージを送信するステップをさらに含むことを特徴とする請求項3に記載の方法。
【請求項10】
前記メッセージに基づいて、前記WTRUが、所定のイベントが発生した時に前記少なくとも1つのパラメータに所定の値を自動的にセットするように設定されていることを特徴とする請求項9に記載の方法。
【請求項11】
前記アプリケーションレベルネットワーク管理プロトコルが、拡張マークアップ言語(XML)であることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項12】
アプリケーションレベルネットワーク管理プロトコルメッセージングを使用してネットワーク管理情報を送信し、受信するように設定されたシステムコントローラと、
MACメッセージングプロトコルを使用してネットワーク管理情報を送信し、受信するように設定された複数の無線送信/受信装置(WTRU)と、
前記システムコントローラとWTRU(複数)との間の通信を容易にするように設定された基地局であって、該システムコントローラが、前記アプリケーションレベルネットワーク管理プロトコルメッセージングを使用し、前記WTRU(複数)が、前記MACメッセージングプロトコルを使用する、基地局と
を含むことを特徴とする無線ネットワーク。
【請求項13】
前記基地局は、前記アプリケーションレベルネットワーク管理プロトコルと前記MACメッセージングプロトコルとの間で両方向に変換するトランスレータをさらに含むことを特徴とする請求項12に記載のネットワーク。
【請求項14】
前記アプリケーションレベルネットワーク管理プロトコルが、シンプルネットワーク管理プロトコル(SNMP)であることを特徴とする請求項12に記載のネットワーク。
【請求項15】
前記システムコントローラは、ある1つのWTRUから管理情報ベース(MIB)を入手するためにSNMP(Get)メッセージを出すことを特徴とする請求項14に記載のネットワーク。
【請求項16】
前記SNMP(Get)メッセージは、ある1つの基地局に送信され、該基地局は、前記SNMP(Get)メッセージをMACメッセージングプロトコルフォーマットに変換し、該変換されたSNMP(Get)メッセージを前記WTRUに転送することを特徴とする請求項15に記載のネットワーク。
【請求項17】
前記WTRUは、自身のMIBを前記MACメッセージングプロトコルフォーマットで前記基地局に送信し、該基地局は、該MIBをSNMP(シンプルネットワーク管理プロトコル)に変換して、該変換されたMIBを前記システムコントローラに送信することを特徴とする請求項16に記載のネットワーク。
【請求項18】
前記基地局は、該基地局に係わるWTRUの前記MIBを周期的に入手し、これらMIBをメモリに保管するように設定されていることを特徴とする請求項15に記載のネットワーク。
【請求項19】
前記MIBは、変換されたフォーマットで保管され、前記基地局が、メモリに保管された適合するMIBを選択し、選択したMIBを前記システムコントローラに送信することによって、SNMP(Get)メッセージに応答するように設定されていることを特徴とする請求項18に記載のネットワーク。
【請求項20】
前記基地局は、WTRUのMIBが所定の時間の長さを超えて前記基地局のメモリに保管されている場合にはそのWTRUにMIBを要求するように設定されていることを特徴とする請求項19に記載のネットワーク。
【請求項21】
前記システムコントローラは、少なくとも1つのWTRUの少なくとも1つのパラメータをセットするためにSNMPメッセージを出すことを特徴とする請求項14に記載のネットワーク。
【請求項22】
前記SNMPメッセージは、前記基地局によって変換されてから、前記少なくとも1つのWTRUに送信され、該WTRUは、該SNMPメッセージに従って少なくとも1つのパラメータをセットすることを特徴とする請求項14に記載のネットワーク。
【請求項23】
前記SNMPメッセージが、前記WTRUに直接に送信されることを特徴とする請求項21に記載のネットワーク。
【請求項24】
前記SNMPメッセージが、所定のイベントが前記WTRU内で発生した場合に該WTRUの特定のパラメータにデフォルト値をセットするように該WTRUに指示することを特徴とする請求項21に記載のネットワーク。
【請求項25】
前記アプリケーションレベルネットワーク管理プロトコルが、拡張マークアップ言語(XML)であることを特徴とする請求項12に記載のネットワーク。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公表番号】特表2007−527148(P2007−527148A)
【公表日】平成19年9月20日(2007.9.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−538092(P2006−538092)
【出願日】平成16年10月21日(2004.10.21)
【国際出願番号】PCT/US2004/034706
【国際公開番号】WO2005/048567
【国際公開日】平成17年5月26日(2005.5.26)
【出願人】(596008622)インターデイジタル テクノロジー コーポレーション (871)
【Fターム(参考)】