説明

無線通信システム、無線通信方法、送信元装置、および制御装置

【課題】不必要なノードを排除した適切な通信ノードシステムを提供することである。
【解決手段】パソコンは、送信元ノードから第1〜第4の送信先ノードのそれぞれまでの通信経路を把握する(S201)。送信元ノードは、パソコンに向けて、記憶部に記憶している全ての中継ノードの情報を通知する(S202)。そうすると、パソコンは、送信元ノードから第1〜第4の送信先ノードまでの通信経路に含まれる中継ノードのIDと、全ての中継ノードのIDとを比較して、差分を抽出することにより(S203)、通信経路に含まれない中継ノードを余剰ノードとして抽出する(S204)。すなわち、通知された返信データに含まれる中継情報に基づいて、全ての第1〜第10の中継ノードのうち、宛先中継ノードに含まれない中継ノードを、余剰ノードとして抽出する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、通信ノードシステム、余剰ノード抽出方法、送信元ノード、およびコンピュータに関するものであって、特に、無線通信の通信ノードシステム、余剰ノード抽出方法、送信元ノード、およびコンピュータに関するものである。
【背景技術】
【0002】
メッシュネットワークに関する技術が、例えば、特開2009−33730号公報(特許文献1)に開示されている。特許文献1によると、メッシュネットワークの場合、通信機器同士が各個に通信を行うことで網の目状のネットワークを構築し、複数の通信経路を構築する旨が開示されている。そして、無線通信方式にメッシュネットワークを適用した場合、通信する2つの装置が直接無線通信可能な距離にない場合、その間に位置する他の装置が、データを中継する旨が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2009−33730号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ここで、特許文献1に開示されているように、無線通信方式にメッシュネットワークを適用した場合、通信する2つの装置である送信元ノードから送信先ノードまでの通信経路は、中継する装置である中継ノード以外に、別途アンテナ等の外部装置を設け、中継ノード間で送受信されるデータを監視することにより把握されていた。
【0005】
ここで、中継ノードを多く設置していると、設置している中継ノードの中には、通信経路を構成しない中継ノードが存在する場合がある。すなわち、必要以上に多くの中継ノードを設置している場合がある。
【0006】
この発明の目的は、不必要なノードを排除した適切な通信ノードシステム、余剰ノード抽出方法、送信元ノード、およびコンピュータを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
この発明に係る通信ノードシステムは、データの送信元となる送信元ノード、データの送信先となる送信先ノード、送信元ノードと送信先ノードとの間でデータを中継する中継ノード、および送信元ノードに接続されるコンピュータを含み、送信元ノードから送信先ノードまで、中継ノードを介してデータを送信する通信ノードシステムである。中継ノードは、送信元ノードから送信先ノードまでの通信経路を把握するために必要な中継情報を保持する保持手段を備える。送信元ノードは、保持手段により保持された中継情報を収集する収集手段と、全ての中継ノードの情報をコンピュータへ通知する全ノード通知手段と、収集手段により収集した中継情報をコンピュータへ通知する中継情報通知手段とを備える。コンピュータは、中継情報通知手段により通知された中継情報に基づいて、全ノード通知手段により通知された全ての中継ノードの中から、余剰ノードを抽出する抽出手段を備える。
【0008】
このような通信ノードシステムは、送信元ノードにおいて、送信元ノードから送信先ノードまでの通信経路を把握するために必要な中継情報を収集し、収集した中継情報をコンピュータへ通知する。そして、コンピュータは、通知された中継情報に基づいて、全ての中継ノードの中から、余剰ノードを抽出する。そうすると、ユーザにとって余剰ノードを把握することができ、余剰ノードを取り除くことができる。その結果、不必要なノードの無い適切な通信ノードシステムを構築することができる。
【0009】
この発明の他の局面においては、データの送信元となる送信元ノードとデータの送信先となる送信先ノードとの間でデータを中継する中継ノードの中から、所定の抽出部において余剰ノードを抽出する余剰ノード抽出方法に関する。余剰ノード抽出方法は、送信元ノードにおいて、送信元ノードから送信先ノードまでの通信経路を把握するために必要な中継情報を収集する過程と、所定の抽出部において、全ての中継ノードの情報を取得する過程と、所定の抽出部において、送信元ノードにて収集した中継情報に基づいて、取得した全ての中継ノードの中から、余剰ノードを抽出する過程とを備える。
【0010】
このような余剰ノード抽出方法は、送信元ノードにおいて、送信元ノードから送信先ノードまでの通信経路を把握するために必要な中継情報を収集し、所定の抽出部において、収集した中継情報に基づいて、全ての中継ノードの中から、余剰ノードを抽出する。そうすると、所定の抽出部を用いて、ユーザにとって余剰ノードを把握することができ、余剰ノードを取り除くことができる。その結果、不必要なノードを排除することができる。
【0011】
一実施形態として、所定の抽出部において、余剰ノードを抽出する過程は、送信元ノードに接続されるコンピュータにおいて、余剰ノードを抽出する過程を含む。
【0012】
他の実施形態として、所定の抽出部において、余剰ノードを抽出する過程は、送信元ノードにおいて、余剰ノードを抽出する過程を含む。
【0013】
この発明のさらに他の局面においては、データの送信元となる送信元ノードに関する。送信元ノードは、送信元ノードからデータの送信先となる送信先ノードまで、送信元ノードと送信先ノードとの間でデータを中継する中継ノードを介してデータを送信する際に用いられ、中継ノードにおいて保持する情報であって、送信元ノードから送信先ノードまでの通信経路を把握するために必要な中継情報を、中継ノードから収集する収集手段と、全ての中継ノードの情報を記憶する記憶手段と、収集手段により収集した中継情報に基づいて、記憶手段により記憶した全ての中継ノードの中から、余剰ノードを抽出する抽出手段とを備える。
【0014】
このような送信元ノードは、送信元ノードにおいて、送信元ノードから送信先ノードまでの通信経路を把握するために必要な中継情報を収集し、収集した中継情報に基づいて、全ての中継ノードの中から、余剰ノードを抽出する。そうすると、ユーザにとって余剰ノードを把握することができ、余剰ノードを取り除くことができる。その結果、不必要なノードを排除することができる。
【0015】
この発明のさらに他の局面においては、コンピュータに接続され、データの送信元となる送信元ノードに関する。送信元ノードは、送信元ノードからデータの送信先となる送信先ノードまで、送信元ノードと送信先ノードとの間でデータを中継する中継ノードを介してデータを送信する際に用いられる。そして、中継ノードにおいて保持する情報であって、送信元ノードから送信先ノードまでの通信経路を把握するために必要な中継情報を、中継ノードから収集する収集手段と、全ての中継ノードの情報をコンピュータへ通知する全ノード通知手段と、収集手段により収集した中継情報をコンピュータへ通知する中継情報通知手段とを備える。
【0016】
このような送信元ノードは、送信元ノードにおいて、送信元ノードから送信先ノードまでの通信経路を把握するために必要な中継情報を収集し、収集した中継情報をコンピュータへ通知する。したがって、コンピュータにおいて、通知された中継情報に基づいて、全ての中継ノードの中から、余剰ノードを抽出させることができる。そうすると、ユーザにとって余剰ノードを把握することができ、余剰ノードを取り除くことができる。その結果、不必要なノードを排除することができる。
【0017】
この発明のさらに他の局面においては、データの送信元となる送信元ノードとデータの送信先となる送信先ノードとの間でデータを中継する中継ノードの中から、余剰ノードを抽出するコンピュータに関する。コンピュータは、送信元ノードに接続され、送信元ノードから送信先ノードまでの通信経路を把握するために必要な中継情報と、全ての中継ノードの情報とを、送信元ノードから通知され、通知された中継情報に基づいて、通知された全ての中継ノードの中から、余剰ノードを抽出する抽出手段を備える。
【0018】
このようなコンピュータは、送信元ノードから送信先ノードまでの通信経路を把握するために必要な中継情報を送信元ノードから通知され、通知された中継情報に基づいて、全ての中継ノードの中から、余剰ノードを抽出することができる。そうすると、ユーザにとって余剰ノードを把握することができ、余剰ノードを取り除くことができる。その結果、不必要なノードを排除することができる。
【発明の効果】
【0019】
この発明に係る通信ノードシステムは、送信元ノードにおいて、送信元ノードから送信先ノードまでの通信経路を把握するために必要な中継情報を収集し、収集した中継情報をコンピュータへ通知する。そして、コンピュータは、通知された中継情報に基づいて、全ての中継ノードの中から、余剰ノードを抽出する。そうすると、ユーザにとって余剰ノードを把握することができ、余剰ノードを取り除くことができる。その結果、不必要なノードの無い適切な通信ノードシステムを構築することができる。
【0020】
この発明に係る余剰ノード抽出方法は、送信元ノードにおいて、送信元ノードから送信先ノードまでの通信経路を把握するために必要な中継情報を収集し、所定の抽出部において、収集した中継情報に基づいて、全ての中継ノードの中から、余剰ノードを抽出する。そうすると、所定の抽出部を用いて、ユーザにとって余剰ノードを把握することができ、余剰ノードを取り除くことができる。その結果、不必要なノードを排除することができる。
【0021】
この発明に係る送信元ノードは、送信元ノードにおいて、送信元ノードから送信先ノードまでの通信経路を把握するために必要な中継情報を収集し、収集した中継情報に基づいて、全ての中継ノードの中から、余剰ノードを抽出する。そうすると、ユーザにとって余剰ノードを把握することができ、余剰ノードを取り除くことができる。その結果、不必要なノードを排除することができる。
【0022】
また、この発明に係る送信元ノードは、送信元ノードにおいて、送信元ノードから送信先ノードまでの通信経路を把握するために必要な中継情報を収集し、収集した中継情報をコンピュータへ通知する。したがって、コンピュータにおいて、通知された中継情報に基づいて、全ての中継ノードの中から、余剰ノードを抽出させることができる。そうすると、ユーザにとって余剰ノードを把握することができ、余剰ノードを取り除くことができる。その結果、不必要なノードを排除することができる。
【0023】
また、この発明に係るコンピュータは、送信元ノードから送信先ノードまでの通信経路を把握するために必要な中継情報を送信元ノードから通知され、通知された中継情報に基づいて、全ての中継ノードの中から、余剰ノードを抽出することができる。そうすると、ユーザにとって余剰ノードを把握することができ、余剰ノードを取り除くことができる。その結果、不必要なノードを排除することができる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【図1】この発明の一実施形態に係る通信ノードシステムの一例を示すブロック図である。
【図2】記憶部に保持される情報を示すブロック図である。
【図3】送信元ノードから送信先ノードまでの通信経路を把握する場合における送信元ノードの動作について示すフローチャートである。
【図4】送信元ノードから送信先ノードまでの通信経路を把握する場合における第1の中継ノードの動作について示すフローチャートである。
【図5】送信元ノードから送信先ノードまでの通信経路を把握する場合における第2の中継ノードの動作について示すフローチャートである。
【図6】送信元ノードから送信先ノードまでの通信経路を把握する場合における送信先ノードの動作について示すフローチャートである。
【図7】送信元ノードから送信先ノードまでの通信経路を把握する場合における第2の中継ノードの動作について示すフローチャートである。
【図8】送信元ノードから送信先ノードまでの通信経路を把握する場合における第1の中継ノードの動作について示すフローチャートである。
【図9】送信元ノードから送信先ノードまでの通信経路を把握する場合における送信元ノードの動作について示すフローチャートである。
【図10】データの流れについて示す図である。
【図11】所定のデータの構成を示す図である。
【図12】返信データの構成を示す図である。
【図13】通信経路を表示した画面の一例を示す図である。
【図14】複数のノードのそれぞれの位置関係と、交信範囲とを示す図である。
【図15】第4のノードが、ネットワークに参加し、隣接情報を保持する場合について示すフローチャートである。
【図16】第1〜第4のノードにおいて、宛先中継ノードの情報を保持する場合について示すフローチャートである。
【図17】経路構築信号の構成を示す図である。
【図18】経路構築レスポンスの構成を示す図である。
【図19】この発明の他の実施形態に係る通信ノードシステムを示すブロック図である。
【図20】IDの一覧を示す図である。
【図21】余剰ノードを抽出する場合の通信ノードシステムの動作を示すフローチャートである。
【図22】余剰ノードの画面の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下、この発明の一実施形態に係る通信ノードシステムについて説明する。図1は、この発明の一実施形態に係る通信ノードシステム9の一例を示すブロック図である。図1を参照して、通信ノードシステム9は、複数のノードを備える。複数のノードは、データを送信する送信元となる送信元ノード11と、データを送信する送信先となる送信先ノード12,8と、送信元ノード11と送信先ノード12,8との間で、送信元ノード11から送信先ノード12,8へデータを送信する際に、データを中継する第1〜第2の中継ノード13a〜13bとを含む。なお、中継ノードは、実線で図示する第1〜第2の中継ノード13a〜13b以外にも、点線で図示するように、複数設けられている。
【0026】
複数のノードのそれぞれは、無線通信を行い、メッシュネットワークを形成している。そして、複数のノードのそれぞれは、図1においては図示はしないが、データを送信可能な交信範囲を有する構成である。この実施形態においては、送信元ノード11の交信範囲には第1の中継ノード13aが位置し、第1の中継ノード13aの交信範囲には第2の中継ノード13bおよび送信元ノード11が位置し、第2の中継ノード13bの交信範囲には送信先ノード12、送信先ノード8および第1の中継ノード13aが位置し、送信先ノード12の交信範囲には第2の中継ノード13bが位置し、送信先ノード8の交信範囲には第2の中継ノード13bが位置する。そして、複数のノードのそれぞれは、自身以外の他のノードの存在を認識している。
【0027】
送信元ノード11は、情報を保持するための記憶部11aと、データを受信した際の信号強度を計測する計測部11bと、送信元ノード11全体を制御する制御部11cとを備える。なお、この構成は、送信先ノード12,8や、第1〜第2の中継ノード13a〜13bにおいても同様である。
【0028】
また、送信元ノード11は、パソコン(コンピュータ)14と接続されており、例えば、データの送信指示をパソコン14から受け付ける。パソコン14は、画面を表示するディスプレイ14aを備える。
【0029】
送信先ノード12,8は、図示はしないが、センサ等と接続されている。なお、センサに限ることなく、パソコンに接続されていてもよいし、データを記憶可能な装置に接続されていればよい。
【0030】
ここで、複数のノードのそれぞれにおいて、記憶部に保持している情報について説明する。図2は、記憶部に保持している情報を示すブロック図である。図2を参照して、複数のノードのそれぞれは、記憶部において、送信先情報40aを保持している。送信先情報40aとは、データを送信する送信先となるノードの情報である。具体的には、送信先ノード12の情報と送信先ノード8の情報とを、送信先情報40aとして保持している。
【0031】
また、複数のノードのそれぞれは、記憶部において、中継情報を保持している。中継情報とは、送信元ノード11から送信先ノード12,8までの通信経路を把握するために必要な情報である。この実施形態においては、送信先情報40aが示すノードへデータを送信するために、いずれのノードに向けてデータを次に送信すべきかを示す情報、すなわち、送信先ノード12,8までの中継点となり、当該中継ノードにとって、データを次に送信する宛先となる宛先中継ノードの情報40bを保持している。宛先中継ノードの情報40bは、送信先情報40aと対応するものである。ここで、記憶部は、保持手段として作動する。具体的には、送信元ノード11は、送信先ノード12に対応する宛先中継ノードの情報40bとして、第1の中継ノード13aの情報を保持している。第1の中継ノード13aは、送信先ノード12に対応する宛先中継ノードの情報40bとして、第2の中継ノード13bの情報を保持している。第2の中継ノード13bは、送信先ノード12に対応する宛先中継ノードの情報40bとして、送信先ノード12の情報を保持している。送信先ノード12は、送信先ノード12に対応する宛先中継ノードの情報40bとして、自身であると保持している。なお、複数のノードのそれぞれは、送信先ノード8においても同様に、送信先ノード8に対応する宛先中継ノードの情報40bを保持している。
【0032】
ここで、送信元ノード11から送信先ノード12までの通信経路を把握する場合について説明する。図3および図9は、送信元ノード11から送信先ノード12までの通信経路を把握する場合における送信元ノード11の動作について示すフローチャートである。図4および図8は、送信元ノード11から送信先ノード12までの通信経路を把握する場合における第1の中継ノード13aの動作について示すフローチャートである。図5および図7は、送信元ノード11から送信先ノード12までの通信経路を把握する場合における第2の中継ノード13bの動作について示すフローチャートである。図6は、送信元ノード11から送信先ノード12までの通信経路を把握する場合における送信先ノード12の動作について示すフローチャートである。図10は、データの流れについて示す図であって、図中のステップ番号は、フローチャート中のステップ番号に対応するものである。図11は、所定のデータの構成を示す図である。図12は、返信データの構成を示す図である。図1〜図12を参照して説明する。
【0033】
まず、送信元ノード11は、送信先ノード12へ所定のデータを送信するようパソコン14から指示を受け付ける(図3において、ステップS11、以下、ステップを省略する)。そうすると、送信元ノード11は、所定のデータを作成する(S12)。図11を参照して、所定のデータは、送信先情報41aと、送信元情報41bと、次ノードの情報41cと、前ノードの情報41dとを含む構成である。送信先情報41aとは、所定のデータを送信する送信先となるノードの情報であり、送信元情報41bとは、所定のデータを送信する送信元となるノードの情報であり、次ノードの情報41cとは、宛先中継ノードの情報40bであり、前ノードの情報41dとは、自身の情報である。すなわち、送信元ノード11では、送信先情報41aとして送信先ノード12の情報と、送信元情報41bとして自身である送信元ノード11の情報と、次ノードの情報41cとして第1の中継ノード13aの情報と、前ノードの情報41dとして自身である送信元ノード11の情報とによって所定のデータを構成する。そして、送信元ノード11は、交信範囲において、所定のデータを送信する(S13)。
【0034】
そうすると、第1の中継ノード13aは、送信元ノード11の交信範囲に位置するため、所定のデータを受信する(図4において、S21)。このとき、第1の中継ノード13aは、計測部15bにより所定のデータを受信した際の信号強度を計測する。ここで、計測部15bは、計測手段として作動する。そして、第1の中継ノード13aは、所定のデータに含まれる次ノードの情報41cから、次ノードが自身であると判断し(S22において、YES)、送信先情報41aから、送信先が自身でないと判断する(S23において、YES)。そうすると、第1の中継ノード13aは、記憶部15aの送信先情報40aにおいて、受信した所定のデータの送信先情報41aに該当する送信先ノード12の情報を保持しているため、第1の中継ノード13aは、所定のデータを更新する(S24)。具体的には、記憶部15aに基づいて、所定のデータのうち、次ノードの情報41cを宛先中継ノードの情報40bである第2の中継ノード13bの情報と、前ノードの情報41dを自身である第1の中継ノード13aの情報とに更新する。そして、第1の中継ノード13aは、交信範囲において、所定のデータを送信する(S25)。
【0035】
さらに、第1の中継ノード13aは、第1の返信データを作成する(S26)。図12を参照して、第1の返信データは、返信先情報42aと、返信次ノードの情報42bと、信号強度42cと、宛先中継ノードの情報42dとを含む構成である。返信先情報42aとは、返信データを返信する返信先となるノードの情報であり、返信次ノードの情報42bとは、自身に対して所定のデータを送信したノードであって、返信データの次の返信先となるノードの情報、すなわち、受信した所定のデータ中の前ノードの情報41dであり、信号強度42cは、所定のデータを受信した際に計測した信号強度の情報である。すなわち、第1の中継ノード13aは、返信先情報42aとして送信元ノード11の情報と、返信次ノードの情報42bとして送信元ノード11の情報と、信号強度42cと、宛先中継ノードの情報42dとして記憶部15aに基づいて第2の中継ノード13bの情報とによって第1の返信データを構成する。そして、第1の中継ノード13aは、交信範囲において、第1の返信データを送信する(S27)。ここで、制御部15cは、情報返信手段として作動する。
【0036】
そして、第2の中継ノード13bは、第1の中継ノード13aの交信範囲に位置するため、所定のデータを受信する(図5において、S31)。このとき、第2の中継ノード13bは、計測部16bにより所定のデータを受信した際の信号強度を計測する。そして、第2の中継ノード13bは、所定のデータに含まれる次ノードの情報41cから、次ノードが自身であると判断し(S32において、YES)、送信先情報41aから、送信先が自身でないと判断する(S33において、YES)。そうすると、第2の中継ノード13bは、記憶部16aの送信先情報40aにおいて、受信した所定のデータの送信先情報41aに該当する送信先ノード12の情報を保持しているため、第2の中継ノード13bは、所定のデータを更新する(S34)。具体的には、記憶部16aに基づいて、所定のデータのうち、次ノードの情報41cを宛先中継ノードの情報40bである送信先ノード12の情報と、前ノードの情報41dを自身である第2の中継ノード13bの情報とに更新する。そして、第2の中継ノード13bは、交信範囲において、所定のデータを送信する(S35)。
【0037】
さらに、第2の中継ノード13bは、第2の返信データを作成する(S36)。第2の中継ノード13bは、返信先情報42aとして送信元ノード11の情報と、返信次ノードの情報42bとして第1の中継ノード13aの情報と、信号強度42cと、宛先中継ノードの情報42dとして送信先ノード12の情報とによって第2の返信データを構成する。そして、第2の中継ノード13bは、交信範囲において、第2の返信データを送信する(S37)。
【0038】
そして、送信先ノード12は、第2の中継ノード13bの交信範囲に位置するため、所定のデータを受信する(図6において、S41)。このとき、送信先ノード12は、計測部12bにより所定のデータを受信した際の信号強度を計測する。そして、送信先ノード12は、所定のデータに含まれる次ノードの情報41cから、次ノードが自身であると判断し(S42において、YES)、送信先情報41aから、送信先が自身であると判断する(S43において、YES)。そうすると、送信先ノード12は、第3の返信データを作成する(S44)。送信先ノード12は、返信先情報42aとして送信元ノード11の情報と、返信次ノードの情報42bとして第2の中継ノード13bの情報と、信号強度42cと、宛先中継ノードの情報42dとして所定のデータが到達したことを示す終了フラグとによって第3の返信データを構成する。そして、送信先ノード12は、交信範囲において、第3の返信データを送信する(S45)。
【0039】
そして、第2の中継ノード13bは、送信先ノード12の交信範囲に位置するため、S45において、送信先ノード12から送信された第3の返信データを受信する(図7において、S51)。そうすると、第2の中継ノード13bは、第3の返信データに含まれる返信次ノードの情報42bから、返信次ノードが自身であると判断し(S52において、YES)、返信先情報42aから、返信先が自身でないと判断する(S53において、YES)。そうすると、第2の中継ノード13bは、第3の返信データを更新する(S54)。具体的には、第3の返信データのうちの返信次ノードの情報42bを、第2の返信データを作成した場合と同様に、第1の中継ノード13aの情報に更新する。そして、第2の中継ノード13bは、交信範囲において、第3の返信データを送信する(S55)。
【0040】
また、第1の中継ノード13aは、第2の中継ノード13bの交信範囲に位置するため、S37において、第2の中継ノード13bから送信された第2の返信データを受信すると共に、S55において、送信先ノード12を起点とした、第2の中継ノード13bから送信された第3の返信データを受信する(図8において、S61)。そうすると、第1の中継ノード13aは、第2および第3の返信データに含まれる返信次ノードの情報42bから、返信次ノードが自身であると判断し(S62において、YES)、返信先情報42aから、返信先が自身でないと判断する(S63において、YES)。そうすると、第1の中継ノード13aは、第2および第3の返信データを更新する(S63)。具体的には、第2および第3の返信データのうちの返信次ノードの情報42bを、第1の返信データを作成した場合と同様に、送信元ノード11の情報に更新する。そして、第1の中継ノード13aは、交信範囲において、第2および第3の返信データを送信する(S64)。
【0041】
また、送信元ノード11は、第1の中継ノード13aの交信範囲に位置するため、S27において、第1の中継ノード13aから送信された第1の返信データを受信し、また、送信元ノード11は、S65において、送信先ノード12を起点としたものであって、第2の中継ノード13bを通り、第1の中継ノード13aから送信された第3の返信データを受信すると共に、S65において、第2の中継ノード13bを起点とした、第1の中継ノード13aから送信された第2の返信データを受信する(図9において、S71)。このように、送信元ノード11は、第1〜第3の返信データを受信して、中継情報である宛先中継ノードの情報42dと、信号強度42cの情報とを収集する。ここで、制御部11cは、収集手段および信号強度収集手段として作動する。そして、送信元ノード11は、第1〜第3の返信データに含まれる返信次ノードの情報42bから、返信次ノードが自身であると判断し(S72において、YES)、返信先情報42aから、返信先が自身であると判断する(S73において、YES)。そして、送信元ノード11は、第1〜第3の返信データと、自身が保持する宛先中継ノードの情報40bとを、外部、すなわちパソコン14へ通知する(S74)。ここで、制御部11cは、中継情報通知手段として作動する。
【0042】
そうすると、パソコン14は、通知された第1〜第3の返信データに基づいて、送信元ノード11から送信先ノード12までの通信経路を解析する。具体的には、第1〜第3の返信データに含まれる宛先中継ノードの情報42dに基づいて解析する。すなわち、送信元ノード11の宛先中継ノードの情報40bは、第1の中継ノード13aであり、第1の返信データの宛先中継ノードの情報42dは、第2の中継ノード13bであり、第2の返信データの宛先中継ノードの情報42dは、送信先ノード12であり、第3の返信データは、終了フラグを含むため、送信元ノード11から第1の中継ノード13aおよび第2の中継ノード13bを介して送信先ノード12まで到達する経路であると把握する。また、パソコン14は、ディスプレイ14aに通信経路の画面を表示する。
【0043】
図13は、通信経路を表示した画面20の一例を示す図である。図13を参照して、送信元ノード11から第1の中継ノード13aおよび第2の中継ノード13bを介して送信先ノード12まで到達する経路17を表示している。そして、ノード間の信号強度18が、経路の下部に表示されている。また、画面14aの下部には、ユーザに対するメッセージ19が表示されている。
【0044】
このように、通信ノードシステム9は、送信元ノード11において、送信元ノード11から送信先ノード12までの通信経路を把握するために必要な中継情報を収集するため、中継情報に基づいて、いずれの中継ノードを中継して通信を行っているか、通信経路を把握することができる。この場合、外部装置等を用いることなく、中継ノードから収集する情報を用いて通信経路を把握できるため、セキュリティが低下することもない。したがって、通信経路解析の際のセキュリティを向上することができる。
【0045】
また、このような通信方法は、送信元ノード11において、送信元ノード11から送信先ノード12までの通信経路を把握するために必要な中継情報を収集するため、中継情報に基づいて、いずれの中継ノードを中継して通信を行っているか、通信経路を把握することができる。この場合、外部装置等を用いることなく、中継ノードから収集する情報を用いて通信経路を把握できるため、セキュリティが低下することもない。したがって、通信経路解析の際のセキュリティを向上することができる。
【0046】
また、このような中継ノードは、送信元ノード11に向けて、送信元ノード11から送信先ノード12までの通信経路を把握するために必要な中継情報を返信する。したがって、送信元ノード11において、返信された中継情報に基づいて、いずれの中継ノードを中継して通信を行っているか、通信経路を把握することができる。この場合、外部装置等を用いることなく、中継ノードから収集する情報を用いて通信経路を把握できるため、セキュリティが低下することもない。したがって、通信経路解析の際のセキュリティを向上することができる。
【0047】
また、この場合、送信元ノード11へ信号強度を返信するため、送信元ノード11において、通信経路中のノード間の信号強度を把握することができる。そうすると、例えば、信号強度に応じて、通信精度の向上のための対策を施すことができる。
【0048】
なお、上記の実施の形態においては、図3〜図9に示すように、第1の中継ノード13aおよび第2の中継ノード13bは、所定のデータを受信すると、第1および第2の返信データとして、宛先中継ノードの情報を返信する例について説明したが、これに限ることなく、送信先ノード12が一括して宛先中継ノードの情報を返信してもよい。すなわち、第1の中継ノード13aおよび第2の中継ノード13bは、第1および第2の返信データを返信しなくてもよい。
【0049】
具体的には、第1の中継ノード13aは、送信元ノード11から所定のデータを受信すると、送信先情報として送信先ノード12の情報と、送信元情報として送信元ノード11の情報と、次ノードの情報として第2の中継ノード13bの情報と、前ノードの情報として第1の中継ノード13aの情報と、さらに、宛先中継ノードの情報として第2の中継ノード13bの情報とによって所定のデータを構成する。そして、交信範囲において、所定のデータを送信する。
【0050】
そうすると、第2の中継ノード13bは、第1の中継ノード13aから所定のデータを受信すると、送信先情報として送信先ノード12の情報と、送信元情報として送信元ノード11の情報と、次ノードの情報として送信先ノード12の情報と、前ノードの情報として第2の中継ノード13bの情報と、自身に対して所定のデータを送信した第1の中継ノード13aにおける宛先中継ノードの情報である第2の中継ノード13bの情報と、さらに、自身が保持する宛先中継ノードの情報である送信先ノード12の情報とによって所定のデータを構成する。そして、交信範囲において、所定のデータを送信する。
【0051】
そして、送信先ノード12は、第2の中継ノード13bから所定のデータを受信すると、返信先情報として送信元ノード11の情報と、返信次ノードの情報として第2の中継ノード13bの情報と、信号強度と、所定のデータが到達したことを示す終了フラグと、所定のデータに含まれる宛先中継ノードの情報全てとによって返信データを構成する。そして、送信先ノード12は、交信範囲において、返信データを送信する。このように、送信先ノード12から送信元ノード11へ、一括して宛先中継ノードの情報を返信し、中継ノードでは返信しないよう制御してもよい。
【0052】
また、上記の実施の形態においては、第1の中継ノード13aは、送信元ノード11から所定のデータを受信したことを契機として、交信範囲において、所定のデータを送信する例について説明したが、これに限ることなく、送信元ノード11から所定のデータを受信した後、再度、送信元ノード11から指示を受け付けることにより、その指示を契機として、交信範囲において、所定のデータを送信してもよい。
【0053】
また、上記の実施の形態においては、第1の中継ノード13aは、計測部15bを備える構成とし、所定のデータを受信した際の信号強度を計測して、送信元ノード11へ返信する例について説明したが、これに限ることなく、特に信号強度の情報が必要でない場合には、計測部15bを備えることなく、信号強度を返信しなくてもよい。これは、送信元ノード11や、第2の中継ノード13b、送信先ノード12においても同様である。
【0054】
なお、送信元ノード11は、宛先中継ノードの情報42dとして、電池駆動型のノードの情報を返信された場合には、所定のデータの送信を終了するよう指示を出してもよい。
【0055】
また、図2に示す送信先情報40aおよび宛先中継ノードの情報40bは、情報の内容として、複数のノードのそれぞれを識別可能であればよく、例えば、複数のノードのそれぞれにIDが割り当てられている場合には、そのIDであってもよいし、他の情報であってもよい。なお、所定のデータを構成する送信先情報41a、送信元情報41b、次ノードの情報41c、および前ノードの情報41d等においても同様であり、返信データを構成する返信先情報42a、および返信次ノードの情報42b等においても同様である。
【0056】
また、上記の実施の形態においては、返信データとして、図12に示すように、返信先情報42aと、返信次ノードの情報42bと、信号強度42cと、中継情報である宛先中継ノードの情報42dとを含む構成である例について説明したが、これに限ることなく、送信元ノード11へ返信するために必要となる情報と、中継情報とを少なくとも有する構成であればよい。例えば、第2の返信データの場合、送信元ノード11へ返信するための情報としては、返信先情報として返信元ノード11の情報と、返信次ノードの情報として第1の中継ノード13aの情報とを有する構成とし、中継情報としては、第2の中継ノード13b自身の情報を有する構成としてもよい。
【0057】
また、上記の実施の形態においては、S35において、第2の中継ノード13bは、送信先ノード12に向けて、所定のデータを送信する例について説明したが、これに限ることなく、第2の中継ノード13bは、宛先中継ノードの情報40bとして、受信した所定のデータの送信先情報41aに該当する送信先ノード12の情報を保持していることから、第2の返信データを送信するのみであってもよい。すなわち、保持する宛先中継ノードの情報40bが、受信した所定のデータの送信先情報41aに一致する場合には、所定のデータを送信することなく、返信データを送信するのみであってもよい。このように構成した場合、パソコン14は、送信元ノード11の宛先中継ノードの情報40bと、第1の返信データの宛先中継ノードの情報42dと、第2の返信データの宛先中継ノード42dの情報とに基づいて、経路を把握する。
【0058】
また、上記の実施の形態においては、第1〜第3の返信データをパソコン14に通知し、パソコン14において、送信元ノード11から送信先ノード12までの通信経路を解析する例について説明したが、これに限ることなく、送信元ノード11において、第1〜第3の返信データに基づいて、通信経路を解析してもよい。
【0059】
ここで、ノードが、上記した宛先中継ノードの情報40bを保持する方法について説明する。図14は、複数のノードのそれぞれの位置関係と、交信範囲とを示す図である。交信範囲については、第1のノード51は実線で示し、第2のノード52は点線で示し、第3のノード53は一点鎖線で示し、第4のノード54は二点鎖線で示している。なお、第1〜第4のノード51〜54は、例えば、上記した送信元ノード11や送信先ノード12、中継ノードに該当する。
【0060】
図14を参照して、第1〜第3のノード51〜53は、既にネットワークを構築しており、それぞれの交信範囲において、例えば所定の時間間隔で、自身の位置情報を送信している。位置情報とは、例えば、第1のノード51を基点とした座標情報である。この位置情報の送信は、送信先を特定することなく行う。第4のノード54においては、未だネットワークに参加できてきない。
【0061】
第1のノード51は、第2のノード52の交信範囲に位置して、第2のノード52の情報を隣接情報として保持している。ここで、隣接情報とは、複数のノードのうち自身に隣接するノードの情報である。第2のノード52は、第1および第3のノード51,53の交信範囲に位置して、第1および第3のノード51,53の情報を隣接情報として保持している。第3のノード53は、第2のノード52の交信範囲に位置して、第2のノード52の情報を隣接情報として保持している。また、第3のノード53は、第4のノード54の交信範囲に位置しているものの、第4のノード54が未だネットワークに参加できていないため、隣接情報として保持していない。第4のノード54においては、未だネットワークに参加できていないため、隣接情報は全く保持していない。
【0062】
ここで、まず、第4のノード54が、ネットワークに参加し、隣接情報を保持する場合について説明する。図15は、第4のノード54が、ネットワークに参加し、隣接情報を保持する場合について示すフローチャートである。図14〜図15を参照して説明する。
【0063】
まず、第4のノード54は、交信範囲において、ネットワーク参加要求信号を送信する(図15において、S81)。そうすると、第4のノード54の交信範囲に位置する第3のノード53が、ネットワーク参加要求を受け付ける(S82)。第3のノード53は、第4のノード54に対して、参加許可を返信する(S83)。そうすると、第4のノード54は、ネットワークに参加する(S84)。
【0064】
そして、ネットワークに参加すると、第4のノード54は、交信範囲において、所定の時間間隔で、自身の位置情報を送信する(S85)。そうすると、第4のノード54の交信範囲に位置する第3のノード53が、第4のノード54からの位置情報を受信する。これにより、第3のノード53は、第4のノード54の情報を隣接情報として保持する(S86)。
【0065】
また、第3のノード53においても、交信範囲において、所定の時間間隔で、自身の位置情報を送信しているため、第3のノード53の交信範囲に位置する第4のノード54は、第3のノード53からの位置情報を受信する。これにより、第4のノード54は、第3のノード53の情報を隣接情報として保持する(S87)。
【0066】
このようにしてノードは、ネットワークに参加し、隣接情報を保持する。
【0067】
次に、ノードが、中継情報として上記した宛先中継ノードの情報40bを保持する方法について説明する。上記した図14を参照して、ここでは、第1〜第4のノード51〜54は、既にネットワークを構築しており、隣接情報を保持している。例えば、第1のノード51は、第2のノード52の情報を隣接情報として保持しており、第2のノード52は、第1および第3のノード51,53の情報を隣接情報として保持しており、第3のノード53は、第2および第4のノード52,54の情報を隣接情報として保持しており、第4のノード54は、第3のノード53の情報を隣接情報として保持している。
【0068】
ここで、第4のノード54がデータの送信元となり、第1のノード51がデータの送信先となる通信において、第1〜第4のノード51〜54において、宛先中継ノードの情報40bを保持する場合について説明する。図16は、第1〜第4のノード51〜54において、宛先中継ノードの情報40bを保持する場合について示すフローチャートである。図17は、経路構築信号の構成を示す図である。図18は、経路構築レスポンスの構成を示す図である。図14、図16〜図18を参照して説明する。
【0069】
まず、送信元である第4のノード54は、交信範囲において、経路構築信号を送信する(図16において、S91)。図17を参照して、経路構築信号とは、送信先情報43aと、送信元情報43bと、前ノードの情報43cとを含む構成である。送信先情報43aとは、経路構築信号を送信する送信先となるノードの情報であり、送信元情報43bとは、経路構築信号を送信する送信元となるノードの情報であり、前ノードの情報43cとは、自身の情報である。すなわち、第4のノード54では、送信先情報43aとして第1のノード51の情報と、送信元情報43bとして自身である第4のノード54の情報と、前ノードの情報43cとして自身である第4のノード54の情報とによって経路構築信号を構成する。
【0070】
そうすると、第3のノード53は、第4のノード54の交信範囲に位置するため、経路構築信号を受信する(S92)。そして、第3のノード53が保持する送信先情報40aとして、受信した経路構築信号に該当する第1のノード51の情報を保持しているか否かを判断し、保持していないと判断すると(S93において、YES)、第3のノード53は、受信した経路構築信号のうち、前ノードの情報43cを自身である第3のノード53の情報に更新する(S94)。そして、交信範囲において、更新した経路構築信号を送信する(S95)。
【0071】
そうすると、第2のノード52は、第3のノード53の交信範囲に位置するため、経路構築信号を受信する(S96)。そして、第2のノード52が保持する送信先情報40aとして、受信した経路構築信号に該当する第1のノード51の情報を保持しているか否かを判断し、保持していないと判断すると(S97において、YES)、第2のノード52は、受信した経路構築信号のうち、前ノードの情報43cを自身である第2のノード52の情報に更新する(S98)。そして、交信範囲において、更新した経路構築信号を送信する(S99)。
【0072】
そうすると、第1のノード51は、第2のノード52の交信範囲に位置するため、経路構築信号を受信する(S100)。そして、第1のノード51は、経路の終点となるため、宛先中継ノードの情報40bとして、自身であると記憶部に保持する。そして、受信した経路構築信号に対する経路構築レスポンスを送信する(S101)。図18を参照して、経路構築レスポンスは、返信先情報44aと、返信次ノードの情報44bと、返信次ノードにおける宛先中継ノードの情報44cとを含む構成である。返信先情報44aとは、経路構築レスポンスを返信する返信先となるノードの情報であり、返信次ノードの情報44bとは、自身に対して経路構築信号を送信したノードであって、経路構築レスポンスの次の返信先となるノードの情報であり、返信次ノードにおける宛先中継ノードの情報44cとは、返信次ノードが保持すべき宛先中継ノードの情報である。すなわち、返信次ノードにおける宛先中継ノードの情報44cとは、返信次ノードにとって、経路構築レスポンスを返信されたノードである。第1のノード51では、返信先情報44aとして第4のノード54の情報と、返信次ノードの情報44bとして第2のノード52の情報と、返信次ノードにおける宛先中継ノードの情報44cとして自身である第1のノード51の情報とによって、経路構築レスポンスを構成する。そして、第1のノード51は、交信範囲において、経路構築レスポンスを送信する。
【0073】
そうすると、第2のノード52は、第1のノード51の交信範囲に位置するため、経路構築レスポンスを受信する(S102)。そして、第2のノード52は、返信次ノードの情報44bから、次ノードが自身であると判断し、返信先情報44aから、返信先が自身でないと判断する。そして、第2のノード52は、返信次ノードにおける宛先中継ノードの情報44cから、第1のノード51が送信先となる宛先中継ノードの情報40bとして、第1のノード51の情報を記憶部に保持する(S103)。
【0074】
そして、第2のノード52は、受信した経路構築レスポンスのうち、返信次ノードの情報44bを第3のノード53の情報に更新し、返信次ノードにおける宛先中継ノードの情報44cを第2のノード52の情報に更新する。このようにして、経路構築レスポンスを構成し(S104)、交信範囲において、経路構築レスポンスを送信する(S105)。
【0075】
そうすると、第3のノード53は、第2のノード52の交信範囲に位置するため、経路構築レスポンスを受信する(S106)。そして、第3のノード53は、返信次ノードの情報44bから、次ノードが自身であると判断し、返信先情報44aから、返信先が自身でないと判断する。そして、第3のノード53は、返信次ノードにおける宛先中継ノードの情報44cから、第1のノード51が送信先となる宛先中継ノードの情報40bとして、第2のノード52の情報を記憶部に保持する(S107)。
【0076】
そして、第3のノード53は、受信した経路構築レスポンスのうち、返信次ノードの情報44bを第4のノード54の情報に更新し、返信次ノードにおける宛先中継ノードの情報44cを第3のノード53の情報に更新する。このようにして、経路構築レスポンスを構成し(S108)、交信範囲において、経路構築レスポンスを送信する(S109)。
【0077】
そうすると、第4のノード54は、第3のノード53の交信範囲に位置するため、経路構築レスポンスを受信する(S110)。そして、第4のノード54は、返信次ノードの情報44bから、次ノードが自身であると判断し、返信先情報44aから、返信先が自身であると判断する。そして、第4のノード54は、返信次ノードにおける宛先中継ノードの情報44cから、第1のノード51が送信先となる宛先中継ノードの情報40bとして、第3のノード53の情報を記憶部に保持する(S111)。
【0078】
このようにしてノードは、宛先中継ノードの情報40bを保持する。
【0079】
なお、S93において、保持していると判断した場合には(S93において、NO)、S108へ進む。そして、返信先情報44aとして第4のノード54の情報と、返信次ノードの情報44bとして第4のノード54の情報と、返信次ノードにおける宛先中継ノードの情報44cとして自身である第3のノード53の情報とによって、経路構築レスポンスを構成し、S109において、経路構築レスポンスを送信する。
【0080】
また、S97において、保持していると判断した場合には(S97において、NO)、S104へ進む。そして、返信先情報44aとして第4のノード54の情報と、返信次ノードの情報44bとして第3のノード53の情報と、返信次ノードにおける宛先中継ノードの情報44cとして自身である第2のノード52の情報とによって、経路構築レスポンスを構成し、S105において、経路構築レスポンスを送信する。
【0081】
なお、上記の実施の形態においては、経路構築レスポンスを、返信先情報44aと、返信次ノードの情報44bと、返信次ノードにおける宛先中継ノードの情報44cとを含む構成とする例について説明したが、これに限ることなく、信号強度をさらに含む構成としてもよい。この場合、信号強度は、例えば第2のノード52においては、第1のノード51から経路構築レスポンスを受信した際に計測した強度であってもよい。
【0082】
また、上記の実施の形態においては、第3のノード53の交信範囲には、第4のノード54が位置し、第4のノード54の交信範囲には、第3のノード53が位置する例について説明したが、これに限ることなく、第3のノード53の交信範囲となる領域であって、かつ第4のノード54の交信範囲となる領域、すなわち、図14中の斜線で示す領域に、例えば第5のノード(図示せず)が位置する場合には、第4のノード54から送信された経路構築信号は、第5のノードにおいても受信する。そうすると、第3のノード53は、S92において、第4のノード54から送信された経路構築信号と、第5のノードから送信された経路構築信号とを受信する。このような場合、第3のノード53は、先に受信した経路構築信号について、上記したような処理を行い、後に受信した経路構築信号については、特に処理しない。すなわち、同じ経路構築信号を異なるノードから受信した場合には、先に受信した経路構築信号については処理し、後に受信した経路構築信号については処理しないこととしてよい。なお、経路構築信号を既に受信したものであるか否かの判断は、例えば、経路構築信号を識別するためのIDを経路構築信号に含める構成とし、判断可能としてもよい。
【0083】
なお、同じ経路構築信号を異なるノードから受信した場合であっても、S109における経路構築レスポンスの送信は、第4のノード54および第5のノードの両方に行うこととしてもよい。この場合、第4のノード54は、S110における経路構築レスポンスの受信を、第3のノード53および第5のノードの両方から行われる。
【0084】
次に、この発明の他の実施形態に係る通信ノードシステムについて説明する。図19は、この発明の他の実施形態に係る通信ノードシステム26を示すブロック図である。図19を参照して、通信ノードシステム26は、複数のノードと、パソコン(コンピュータ)28とを備える。
【0085】
複数のノードは、送信元ノード21と、第1〜第4の送信先ノード22〜25と、送信元ノード21と第1〜第4の送信先ノード22〜25との間でデータを中継する第1〜第10の中継ノード29a〜29jとを含む。
【0086】
送信元ノード21は、上記の実施形態と同様に、情報を保持するための記憶部21aと、データを受信した際の信号強度を計測する計測部21bと、送信元ノード21全体を制御する制御部21cとを備える。なお、この構成は、図示はしないが、第1〜第4の送信先ノード22〜25や、第1〜第10の中継ノード29a〜29jにおいても同様である。
【0087】
複数のノードには、それぞれを識別するためにIDが割り当てられている。IDは、記憶部に保持されている。図20は、IDの一覧を示す図である。図20を参照して、送信元ノード21には、ID:01が割り当てられている。第1〜第4の送信先ノード22〜25には、ID:02〜05が割り当てられている。第1〜第10の中継ノード29a〜29jには、ID:06〜15が割り当てられている。
【0088】
送信元ノード21は、予め複数のノードそれぞれに割り当てられたIDの全てを保持している。これにより、送信元ノード21は、通信ノードシステム26における全ての第1〜第10の中継ノード29a〜29jの情報を記憶する。ここで、記憶部21aは、記憶手段として作動する。
【0089】
また、パソコン28は、送信元ノード21と接続されており、画面を表示するディスプレイ28aと、パソコン28全体を制御する制御部28bとを備える。
【0090】
ここで、第1〜第10の中継ノード29a〜29jのように、多くの中継ノードを設置していると、中継ノードの中には、送信元ノード21から第1〜第4の送信先ノード22〜25へデータを送信する際に、データを中継することなく、通信経路を構築しない中継ノード、すなわち、余剰ノードが存在する場合がある。図21は、余剰ノードを抽出する場合の通信ノードシステム26の動作を示すフローチャートである。図21を参照して、余剰ノードを抽出する場合について説明する。
【0091】
まず、パソコン28は、送信元ノード21から第1〜第4の送信先ノード22〜25のそれぞれまでの通信経路を把握する(S201)。この通信経路の把握は、上記の実施形態と同様である。すなわち、送信元ノード21に対して、第1〜第4の送信先ノード22〜25のそれぞれに向けて所定のデータを送信するよう指示し、送信元ノード21から返信データを通知されることにより行う。これにより、送信元ノード21から第1の送信先ノード22までの通信経路は、送信元ノード21から第2の中継ノード29bを介して第1の送信先ノード22まで到達する経路であると把握する。送信元ノード21から第2の送信先ノード23までの通信経路は、送信元ノード21から第4の中継ノード29dを介して第2の送信先ノード23まで到達する経路であると把握する。送信元ノード21から第3の送信先ノード24までの通信経路は、送信元ノード21から第4の中継ノード29dを介して第3の送信先ノード24まで到達する経路であると把握する。送信元ノード21から第4の送信先ノード25までの通信経路は、送信元ノード21から第5の中継ノード29eを通り第6の中継ノード29fを介して第4の送信先ノード25まで到達する経路であると把握する。
【0092】
また、パソコン28は、送信元ノード21に対して、全ての中継ノードの情報を通知するよう指示する。そうすると、送信元ノード21は、パソコン28に向けて、記憶部21aに記憶している全ての中継ノードの情報を通知する(S202)。ここで、制御部21cは、全ノード通知手段として作動する。そうすると、パソコン28は、送信元ノード21から第1〜第4の送信先ノード22〜25までの通信経路に含まれる中継ノードのIDと、全ての中継ノードのIDとを比較して、差分を抽出することにより(S203)、通信経路に含まれない中継ノードを余剰ノードとして抽出する(S204)。すなわち、通知された返信データに含まれる中継情報に基づいて、全ての第1〜第10の中継ノード29a〜29jのうち、宛先中継ノードに含まれない中継ノードを、余剰ノードとして抽出する。ここでは、送信元ノード21から第1〜第4の送信先ノード22〜25までの通信経路に含まれる中継ノードのIDは、第2の中継ノード29bのID:07と、第4の中継ノード29dのID:09と、第5の中継ノード29eのID:10と、第6の中継ノード29fのID:11とである。したがって、第1の中継ノード29aのID:06と、第3の中継ノード29cのID:08と、第7の中継ノード29gのID:12と、第8の中継ノード29hのID:13と、第9の中継ノード29iのID:14と、第10の中継ノード29jのID:15とを余剰ノードとして抽出することとなる。ここで、制御部28bは、抽出手段として作動し、パソコン28は、余剰ノードを抽出する所定の抽出部となる。
【0093】
また、パソコン28は、ディスプレイ28aに抽出した余剰ノードの画面を表示する。図22は、余剰ノードの画面30の一例を示す図である。図22を参照して、第1〜第4の送信先ノード22〜25までの経路を表示すると共に、経路を構成するノードのIDを表示している。そして、画面30の下部に余剰ノードのIDを表示している。これにより、例えばユーザは、表示された画面30に従って、余剰ノードである第1の中継ノード29a(ID:06)、第3の中継ノード29c(ID:08)、第7の中継ノード29g(ID:12)、第8の中継ノード29h(ID:13)、第9の中継ノード29i(ID:14)、および第10の中継ノード29j(ID:15)の取り付けをやめ、不必要なノードの無い通信ノードシステム26とする。
【0094】
このように、通信ノードシステム26は、送信元ノード21において、送信元ノード21から送信先ノード22〜25までの通信経路を把握するために必要な中継情報を収集し、収集した中継情報をコンピュータへ通知する。そして、コンピュータは、通知された中継情報に基づいて、全ての中継ノードの中から、余剰ノードを抽出する。そうすると、ユーザにとって余剰ノードを把握することができ、余剰ノードを取り除くことができる。その結果、不必要なノードの無い適切な通信ノードシステム26を構築することができる。
【0095】
また、このような余剰ノード抽出方法は、送信元ノード21において、送信元ノード21から送信先ノード22〜25までの通信経路を把握するために必要な中継情報を収集し、所定の抽出部となるパソコン28において、収集した中継情報に基づいて、全ての中継ノードの中から、余剰ノードを抽出する。そうすると、所定の抽出部を用いて、ユーザにとって余剰ノードを把握することができ、余剰ノードを取り除くことができる。その結果、不必要なノードを排除することができる。
【0096】
また、このような送信元ノード21は、送信元ノード21において、送信元ノード21から送信先ノード22〜25までの通信経路を把握するために必要な中継情報を収集し、収集した中継情報をパソコン28へ通知する。したがって、パソコン28において、通知された中継情報に基づいて、全ての中継ノードの中から、余剰ノードを抽出させることができる。そうすると、ユーザにとって余剰ノードを把握することができ、余剰ノードを取り除くことができる。その結果、不必要なノードを排除することができる。
【0097】
また、このようなパソコン28は、送信元ノード21から送信先ノード22〜25までの通信経路を把握するために必要な中継情報を送信元ノード21から通知され、通知された中継情報に基づいて、全ての中継ノードの中から、余剰ノードを抽出することができる。そうすると、ユーザにとって余剰ノードを把握することができ、余剰ノードを取り除くことができる。その結果、不必要なノードを排除することができる。
【0098】
また、上記の実施の形態においては、全ての中継ノードのうち、中継情報に含まれないものを余剰ノードとして抽出する例について説明したが、これに限ることなく、信号強度に基づいて抽出してもよい。例えば、所定の閾値以下の信号強度を含む通信経路においては使用しないこととし、その通信経路を構成する中継ノードを余剰ノードとして抽出してもよい。また、通信経路を構成する中継ノードの個数が、所定の個数以上である通信経路においても使用しないこととして、その通信経路を構成する中継ノードを余剰ノードとして抽出してもよい。
【0099】
また、上記の実施の形態においては、通信ノードシステム26は、パソコン28を含む構成の例について説明したが、これに限ることなく、パソコン28を含まない構成とし、送信元ノードにおいて、余剰ノードを抽出するよう制御してもよい。すなわち、送信元ノードが、余剰ノードを抽出する所定の抽出部であってもよい。そして、通信ノードシステム26は、送信元ノードと、送信先ノードと、中継ノードとを含む構成であって、中継ノードは、中継情報を保持する保持手段を備え、送信元ノードは、保持された中継情報を収集する収集手段と、全ての中継ノードの情報を記憶する記憶手段と、収集手段により収集した中継情報に基づいて、記憶手段により記憶した全ての中継ノードの中から、余剰ノードを抽出する抽出手段とを備える構成としてもよい。
【0100】
こうすることにより、送信元ノードにおいて、送信元ノードから送信先ノードまでの通信経路を把握するために必要な中継情報を収集し、収集した中継情報に基づいて、全ての中継ノードの中から、余剰ノードを抽出する。そうすると、ユーザにとって余剰ノードを把握することができ、余剰ノードを取り除くことができる。その結果、不必要なノードを排除することができる。
【0101】
また、上記の実施の形態においては、送信元ノード21が、通信ノードシステム26における全ての第1〜第10の中継ノード29a〜29jの情報を記憶し、パソコン28に対して通知する例について説明したが、これに限ることなく、予めパソコン28に記憶させておいてもよい。
【0102】
また、ネットワークルーティングの際に、AODV(Ad hoc On−demand Distance Vector)などの手法を適宜利用してもよい。
【0103】
以上、図面を参照してこの発明の実施形態を説明したが、この発明は、図示した実施形態のものに限定されない。図示された実施形態に対して、この発明と同一の範囲内において、あるいは均等の範囲内において、種々の修正や変形を加えることが可能である。
【産業上の利用可能性】
【0104】
この発明は、無線通信において、通信精度の向上のために有効に利用される。
【符号の説明】
【0105】
9,26 通信ノードシステム、11,21 送信元ノード、8,12,22,23,24,25 送信先ノード、13a,13b,29a,29b,29c,29d,29e,29f,29g,29h,29i,29j 中継ノード、14,28 パソコン、14a,28a ディスプレイ、8a,11a,12a,15a,16a,21a 記憶部、8b,11b,12b,15b,16b,21b 計測部、8c,11c,12c,15c,16c,21c,28b 制御部、17 経路、18 信号強度、19 メッセージ、20,30 画面、40a,41a,43a 送信先情報、40b,42d 宛先中継ノードの情報、41b,43b 送信元情報、41c 次ノードの情報、41d,43c 前ノードの情報、42a,44a 返信先情報、42b,44b 返信次ノードの情報、42c 信号強度、44c 返信次ノードにおける宛先中継ノードの情報、51,52,53,54 ノード。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
データの送信元となる送信元ノード、データの送信先となる送信先ノード、前記送信元ノードと前記送信先ノードとの間でデータを中継する中継ノード、および前記送信元ノードに接続されるコンピュータを含み、前記送信元ノードから前記送信先ノードまで、前記中継ノードを介してデータを送信する通信ノードシステムであって、
前記中継ノードは、
前記送信元ノードから前記送信先ノードまでの通信経路を把握するために必要な中継情報を保持する保持手段を備え、
前記送信元ノードは、
前記保持手段により保持された前記中継情報を収集する収集手段と、
全ての中継ノードの情報を前記コンピュータへ通知する全ノード通知手段と、
前記収集手段により収集した前記中継情報を前記コンピュータへ通知する中継情報通知手段とを備え、
前記コンピュータは、
前記中継情報通知手段により通知された前記中継情報に基づいて、前記全ノード通知手段により通知された前記全ての中継ノードの中から、余剰ノードを抽出する抽出手段を備える、通信ノードシステム。
【請求項2】
データの送信元となる送信元ノードとデータの送信先となる送信先ノードとの間でデータを中継する中継ノードの中から、所定の抽出部において余剰ノードを抽出する余剰ノード抽出方法であって、
前記送信元ノードにおいて、前記送信元ノードから前記送信先ノードまでの通信経路を把握するために必要な中継情報を収集する過程と、
前記所定の抽出部において、全ての中継ノードの情報を取得する過程と、
前記所定の抽出部において、前記送信元ノードにて収集した前記中継情報に基づいて、取得した前記全ての中継ノードの中から、余剰ノードを抽出する過程とを備える、余剰ノード抽出方法。
【請求項3】
前記所定の抽出部において、余剰ノードを抽出する過程は、前記送信元ノードに接続されるコンピュータにおいて、余剰ノードを抽出する過程を含む、請求項2に記載の余剰ノード抽出方法。
【請求項4】
前記所定の抽出部において、余剰ノードを抽出する過程は、前記送信元ノードにおいて、余剰ノードを抽出する過程を含む、請求項2に記載の余剰ノード抽出方法。
【請求項5】
データの送信元となる送信元ノードであって、
前記送信元ノードからデータの送信先となる送信先ノードまで、前記送信元ノードと前記送信先ノードとの間でデータを中継する中継ノードを介してデータを送信する際に用いられ、
前記中継ノードにおいて保持する情報であって、前記送信元ノードから前記送信先ノードまでの通信経路を把握するために必要な中継情報を、前記中継ノードから収集する収集手段と、
全ての中継ノードの情報を記憶する記憶手段と、
前記収集手段により収集した前記中継情報に基づいて、前記記憶手段により記憶した前記全ての中継ノードの中から、余剰ノードを抽出する抽出手段とを備える、送信元ノード。
【請求項6】
コンピュータに接続され、データの送信元となる送信元ノードであって、
前記送信元ノードからデータの送信先となる送信先ノードまで、前記送信元ノードと前記送信先ノードとの間でデータを中継する中継ノードを介してデータを送信する際に用いられ、
前記中継ノードにおいて保持する情報であって、前記送信元ノードから前記送信先ノードまでの通信経路を把握するために必要な中継情報を、前記中継ノードから収集する収集手段と、
全ての中継ノードの情報を前記コンピュータへ通知する全ノード通知手段と、
前記収集手段により収集した前記中継情報を前記コンピュータへ通知する中継情報通知手段とを備える、送信元ノード。
【請求項7】
データの送信元となる送信元ノードとデータの送信先となる送信先ノードとの間でデータを中継する中継ノードの中から、余剰ノードを抽出するコンピュータであって、
前記送信元ノードに接続され、
前記送信元ノードから前記送信先ノードまでの通信経路を把握するために必要な中継情報と、全ての中継ノードの情報とを、前記送信元ノードから通知され、
通知された前記中継情報に基づいて、通知された前記全ての中継ノードの中から、余剰ノードを抽出する抽出手段を備える、コンピュータ。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate

【図13】
image rotate

【図14】
image rotate

【図15】
image rotate

【図16】
image rotate

【図17】
image rotate

【図18】
image rotate

【図19】
image rotate

【図20】
image rotate

【図21】
image rotate

【図22】
image rotate


【公開番号】特開2011−193147(P2011−193147A)
【公開日】平成23年9月29日(2011.9.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−56487(P2010−56487)
【出願日】平成22年3月12日(2010.3.12)
【出願人】(000002945)オムロン株式会社 (3,542)
【Fターム(参考)】