説明

無線通信システムにおいて無線通信を暗号化する方法及び装置

通信装置(202)は、ビット・ストリームを複数符号に変換し、複数暗号化符号を生成すべく、複数符号のうちの各符号の位相をシフトすることによって、物理レイヤで暗号化を提供する。複数の暗号化符号のうちの各暗号化符号は、直交(214)副搬送波によって変調されることによって、少なくとも一つの変調副搬送波を生成し、少なくとも一つの変調副搬送波は次に、無線リンクを介して送信される(278)。受信側(260)において、受信(260)通信装置(250)は、送信された(230)暗号化符号を受信し、送信側で符号を暗号化すべく用いられた位相(234)に対応して、各暗号化符号の位相をシフトすることによって、物理レイヤで暗号解読を提供する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は概して無線通信システムに係り、より具体的には無線通信システムにおける無線通信の暗号化に関する。
【背景技術】
【0002】
典型的な無線通信方式において、通信セッションがセットアップされると、セッション鍵が送信及び受信通信装置の間に分配される。セッション鍵は、次に、送信通信によって使用され、無線送信されたデータについてレイヤ2又レイヤ3暗号化を実施する。物理レイヤ、すなわちレイヤ1暗号化は行われず、すなわち、変調波形の暗号化は存在しない。更に、通常ユーザ・データだけが暗号化され、パイロット符号及び同期化符号はされないので、これらの符号はタイミング同期とフェージング回復の基準(reference)として使用されなければならない。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
レイヤ2又はレイヤ3暗号化を実施すると、セッション鍵を傍受するか、或いは暴力(brute force)を適用することによってデータを暗号解読する傍受通信装置によって暗号解読され易いデータが放出される。従って、無線通信システムにおける通信の不都合な傍受器による暗号解読に対して、エアインタフェースをより安全にする方法及び装置の必要性が存在する。
【課題を解決するための手段】
【0004】
無線通信システムにおける通信の不都合な傍受機による暗号解読に対してエアインタフェースをより安全にする方法及び必要性に取り組むため、ビット・ストリームを複数符号に変換し、複数の暗号化符号を生成すべく、複数符号のうちの各符号の位相をシフトすることによって、物理レイヤで暗号化を提供する通信装置が提供される。複数暗号化符号のうちの各暗号化符号は、直交副搬送波で変調されることによって、少なくとも一つの変調副搬送波を生成し、少なくとも一つの変調副搬送波は次に、無線リンクを介して送信される。受信側において、受信通信装置は送信された暗号化符号を受信し、送信側で符号を暗号化すべく、使用された位相に対応して各暗号化符号の位相をシフトすることによって、物理レイヤで暗号解読を提供する。
【0005】
全般的に、本発明の実施例は、無線送信を暗号化する方法を包含する。該方法は、複数符号を受信することと、複数位相シフト符号を生成すべく、複数符号のうちの各符号の位相をシフトすることと、少なくとも一つの変調副搬送波を生成すべく直交副搬送波で複数位相シフト符号のうちの各位相シフト符号を変調することと、無線リンクを介して少なくとも一つの変調副搬送波を送信することとを含む。
【0006】
本発明の別の実施例は、暗号化無線送信を受信する方法を包含する。該方法は、無線リンクを介して少なくとも一つの変調副搬送波を受信することと、複数の暗号化符号を生成すべく少なくとも一つの変調副搬送波を復調することと、複数の暗号解読符号を生成すべく複数の暗号化符号のうちの各暗号化符号に位相シフトを適用することとを含む。
【0007】
本発明の更に別の実施例は、送信機部分に連結された信号処理ユニットを具備する通信装置を包含する。信号処理ユニットは、複数の符号を受信する位相シフタを具備し、該位相シフタは、複数符号のうちの各符号に位相シフトを適用することによって複数の位相シフト符号を生成する。信号処理ユニットは更に、複数の位相シフト符号を受信する直交変調器を具備し、該直交変調器は、複数の位相シフト符号のうちの各位相シフト符号を直交副搬送波によって変調することによって、少なくとも一つの変調副搬送波を生成する。送信機部分は無線リンクを介して、少なくとも一つの変調副搬送波を送信する。
【0008】
本発明の更に別の実施例は、直交変調器を含む信号処理ユニットを具備する通信装置を包含し、該直交変調器は、送信機部分に連結される。直交変調器は、複数符号のうちの各符号を、複数周波数サブバンドのうちの周波数サブバンドに割り当てることによって、複数の割り当て符号を生成する直列/並列変換器と、複数位相シフト符号を生成する位相シフタ・モジュールとを具備し、位相シフタ・モジュールは複数の位相シフタを具備し、複数の位相シフタのうちの各位相シフタは、複数の割り当て符号のうちの割り当て符号を受信し、割り当て符号の位相をシフトすることによって、位相シフト符号を生成する。直交変調器は更に、複数の位相シフト符号のうちの各位相シフト符号を、該符号の周波数サブバンドに関連するタイム・ドメイン副搬送波に変換することによって、複数の変調タイム・ドメイン副搬送波を生成する変成器であって、複数の変調副搬送波は、並列型であることと、複数の変調副搬送波を並列型から直列型に変換することによって出力信号を生成する並列/直列変換器とを具備する。送信機部分は無線リンクを介して、複数の位相シフト符号を送信する。
【0009】
本発明の更に別の実施例は、信号処理ユニットに連結された受信機部分を具備する通信装置を包含する。受信機部分は、無線リンクを介して変調搬送波を受信し、変調搬送波をダウンコンバートすることによって、ダウンコンバート信号を生成する。信号処理ユニットは、ダウンコンバート信号を受信する直交復調器を含み、該直交復調器は、ダウンコンバート信号を復調することによって、暗号化符号のストリームを生成することと、暗号化符号のストリームを受信する位相シフタであって、該位相シフタは、暗号化符号のストリームのうちの各符号に位相シフトを適用することによって、複数の暗号解読符号を生成することとを含む。
【0010】
本発明の更に別の実施例は、信号処理ユニットに連結された受信機部分を具備する通信装置を包含する。受信機部分は無線リンクを介して変調搬送波を受信し、変調搬送波をダウンコンバートすることによって、ダウンコンバート信号を生成する。信号処理ユニットは、ダウンコンバート信号を複数のタイム・ドメイン副搬送波に割り当てる直列/並列変換器と、複数タイム・ドメイン副搬送波のうちの各タイム・ドメイン副搬送波を周波数ドメイン副搬送波に変換することによって、複数の暗号化符号を生成する逆変成器とを具備する直交変調器を含み、複数の暗号化符号は並列型である。信号処理ユニットは更に、複数の暗号解読符号を生成する位相シフタ・モジュールであって、位相シフタ・モジュールは複数の位相シフタを具備し、複数の位相シフタのうちの各位相シフタは、複数暗号化符号のうちの暗号化符号を受信し、暗号化符号の位相をシフトすることによって、暗号解読符号を生成することと、複数の暗号解読符号を並列型から直列型に変換することによって、暗号解読符号のストリームを生成する並列/直列変換器とを含む。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
本発明は、図1〜図8を参照して更に十分に説明し得る。図1は、本発明の実施例に従う無線通信システム100のブロック図である。通信システム100は、エアインタフェース104を介して、携帯電話、無線電話、無線データ・モデムのような移動局(MS)110と無線通信できる基地局(BTS)102を含む。エアインタフェース104は、トラフィックと、パイロットと、ページング(paging)と、信号チャネルとを具備するフォワードリンク108を含む。エアインタフェース104は、更に、トラフィックと、アクセスと、信号チャネルとを具備するリバースリンク106を含む。
【0012】
好ましくは、通信システム100は直交周波数分割多重(OFDM)通信システムである。OFDMは、通信セッションに割り当てられた周波数バンド幅を、複数の狭周波数サブバンドに分割する広帯域変調方式である。各サブバンドは無線周波数(RF)副搬送波を含み、各副搬送波は、他の各副搬送波に含まれるRF副搬送波と数学的に直交する。副搬送波の直交性は、他の搬送波を妨害することなく、個々のスペクトルを重なり合わせる。しかし、当業者は、通信システム100が、搬送波への情報の変調、続く変調信号の送信に直交変調方式を用いる符号分割多重アクセス(CDMA)通信システム、CDMA2000通信システム、汎用パケット無線サービス(GPRS)通信システム、又は広帯域CDMA(WCDMA)通信システムのような任意の無線通信システムに従って動作し得ることを理解している。CDMAにおいて、副搬送波は周波数が異なるのではなく、符号ドメインが異なる。それらはIS2000においてウォルシュ(Walsh)符号と呼ばれ、UMTSにおいては直交ベクトル拡散因子(OVSF)と呼ばれる。
【0013】
図2は、通信システム100の基本設計概念200のブロック図である。通信システム100の送信側において、BTS102のような送信通信装置202はビット・ストリームを受信し、そのビット・ストリームを対応する符号ストリームに変換し、暗号化符号ストリームを生成すべく、符号ストリームを暗号化することによって物理レイヤで暗号化を提供し、エアインタフェース104のようなエアインタフェースを介して暗号化符号ストリームを送信する。通信システム100の受信側において、MS110のような受信通信装置250は送信された暗号化符号ストリームを受信し、各受信データ符号に対応する送信ビット・ストリームのビットを回復すべく、受信符号を暗号解読することによって、物理レイヤで暗号解読を提供する。しかし、当業者は、BTS102及びMS110が、本発明の実施例に関する送信通信装置又は受信通信装置のいずれかとして各々動作可能なことを理解している。
【0014】
各々の送信通信装置202及び受信通信装置250は、一つ以上のマイクロプロセッサ、マイクロコントローラ、デジタル信号処理装置(DSP)、それらの組み合わせのような又は当業者にとって公知なその他のデバイスのような各々の信号処理ユニット204,270を含む。各々の送信通信装置202及び受信通信装置250は更に、信号処理ユニットによって実行し得るデータ及びプログラムを保持するランダム・アクセス・メモリ(RAM)、ダイナミック・ランダム・アクセス・メモリ(DRAM)、及び/又は読出し専用メモリ(ROM)又はそれらの等価物のような、各々の信号処理ユニットに関連した各々少なくとも一つの記憶装置240,190を含み、該データ及びプログラムは、信号処理ユニットを通信システム100において動作させる。各々の送信通信装置202及び受信通信装置250は更に、当該分野において公知なように、二つの装置間で通信セッションのセットアップ中に送信及び受信通信装置によってやり取りされるセッション鍵を、それらの各々少なくとも一つの記憶装置240,290内に保持する。各々の送信通信装置202及び受信通信装置250は更に、MS110に独自に関連する携帯電話シリアル番号を、それらの各々少なくとも一つの記憶装置240,290内に保持し得る。当業者は承知しているように、本明細書において記載されるような信号処理ユニット204,270の様々な機能は、また、プログラマブル論理アレイ(PLA)又は特定用途向け集積回路(ASIC)のようなハードウエア回路において実行し得る。
【0015】
図3は、本発明の実施例に従う通信システム100における送信通信装置202の動作を例示する論理フローチャート300を示す。次に図2及び図3を参照すると、データソース(表示なし)が、好ましくはビットのようなバイナリ・フォーマットでデータ・ストリームを信号処理ユニット204に提供すると、論理のフロー300が始まる(302)。データ・ストリームは、限定されないが、音声及び画像データを含むデジタルフォーマットで示せるほぼ全てのものを含み得る。信号処理ユニット204はデータをエンコーダ206に転送する(304)。エンコーダ206は誤り訂正符号、好ましくは前方誤り訂正符号(FEC)をデータに適用する。例えば、エンコーダ206は、ビタビ(Viterbi)符号化アルゴリズムのような畳み込み符号を使用することによって、データを符号化し得るが、ブロック符号を使用してもよい。畳み込み符号及びブロック符号は当該分野において周知であり、より詳細には説明しない。用いられる誤り訂正符号の型は、本発明にとって重要ではなく、当業者は、本発明の趣旨及び範囲から外れることなくデータに適用し得る多くの型の誤り訂正符号を承知している。とにかく、エンコーダ206の出力は、好ましくはバイナリ・データ(ビット)フォーマットで示される情報を含む。エンコーダ206によって出力されたデータ・ストリームは、次に、符号マッパ208に提供される。
【0016】
本発明の別の実施例において、入力データは、ユーザ・データ、パイロット・データ、及び同期化データのような複数のデータ型を含み、ユーザ・データだけが符号化され、一つ以上の他のデータ型、すなわち、パイロット・データ及び同期化データは符号化されない。このような実施例において、符号マッパ208は複数の符号マッパを含むことができ、ユーザ・データは、複数の符号マッパのうちの第一符号マッパに提供される前に符号化され、他のデータ型は、複数の符号マッパの各々他の符号マッパに各々直接伝送される。
【0017】
符号マッパ208或いは符号マッパ208が複数の符号マッパを具備する場合、各々の複数符号マッパは、符号マッパによって受信されたビット・ストリームをPビットのグループ(Pタプル)にグループ化し、符号ストリームを生成すべく、各Pタプルを、対応する符号にマッピングする(306)。この目的のため、M可能符号を含む信号コンステレーションは、多次元空間内好ましくは複合二次元(I,Q)空間内に規定される。各符号は二次元空間内に点を具備し、点は二つの調整(scaled)基底ベクトル「I」及び「Q」のベクトル和として示し得る。特定の点を規定すべく用いられる二つの基底ベクトルの各々の振幅は、点の二次元座標と考え得る。所望のマッピングを得るため、符号マッパ208は、エンコーダ204によって出力されたバイナリ値(ビット)を、Pタプルにアセンブルする。次に、各Pタプルを用いて、M可能符号から符号を選択する。この場合、M=2である。一実施例において、BPSK又はQPSKのようなMPSK変調方式が各Pタプルに適用されるが、当業者は、本発明の趣旨及び範囲から外れることなく使用し得る、他のMPSK方式又は複数直交振幅変調(MQAM)方式のような、多くの種類の多次元符号マッピング方式が存在することを理解している。
【0018】
通信システム200は更に、バースト性チャネルのエラーを生み出す影響力を最小化するため、符号マッパ208によって生成された符号をインターリーバするインターリービング・ブロックを、送信側202に含む。本発明の一実施例において、ブロック・インターリービングを使用でき、符号ストリームは二次元マトリックスの行内に読み込まれ、列方向に読み取られることにより、符号ストリームにおいて任意の隣接する二つの符号が分離する。送信符号が受信され、逆インターリービング・ブロックによってデインターリーブされると、チャネルによって導入された如何なるエラー・バーストも分割されるので、エラーの影響を減らし、このようなエラーを補正する前進型エラー訂正符号の能力を増強する。
【0019】
符号マッパ208は、符号ストリームを位相シフタ210に伝送する。位相シフタ210は次に、暗号化された位相シフト符号を生成すべく符号の位相をシフトすることによって、位相シフトによって受信された各符号を暗号化する(308)。信号処理ユニット204は、位相シフタ210に連結された符号語発生器212によって出力された符号語「θ」に基づいて、位相シフトを決定する。好ましくは、符号語は、通信セッションがセットアップされると送信側202及び受信側250によってやり取りされる一つ以上のセッション鍵及びMS110に独自に関連する携帯電話シリアル番号から得られる。
【0020】
送信通信装置202及び受信通信装置250間の通信セッションがセットアップされると、信号処理ユニット204は、セッション鍵、通常、一連のビット、又はセッション鍵、及び/又はハッシュ型タイム・スロット番号のような、タイム・スロット番号、又は携帯シリアル番号から得られた一連のビットを符号語発生器212内に入力することによって、符号語発生器212を初期化する。振幅位相調整器210内に入力された各符号に対応して、振幅位相調整器210は、符号語発生器212の出力のビットを読み取る。信号処理ユニット204は、次に、読み取りビットに基づいて位相シフトを決定する。
【0021】
当該分野において公知なように、データはフレームとして公知なグループに分類して無線で送信される。通信セッションのセットアップ後、送信通信装置202が新フレームを開始するごとに、信号処理ユニット204は、符号語発生器212を再初期化するので、新フレームに埋め込むために暗号化された時間的に第一の符号は、再初期化符号語発生器に基づいて暗号化される。新フレームのヘッダは新フレーム・インジケータ(NFI)を含み、これが新フレームであることを示し、NFIは、受信通信装置が同様にその符号語発生器を再初期化すべきことを受信通信装置250に示す。従って、同期化は、送信及び受信通信装置202,250の各々の符号語発生器212,280間で保持される。
【0022】
位相シフタ210は、暗号化された位相シフト符号のストリームを直交変調器214に伝送する。符号マッパ208が、複数のデータ型のうちのデータ型を符号のコンステレーションに各々がマッピングする複数の符号マッパを具備するとき、ユーザ・データに基づいて符号ストリームを生成する符号マッパだけが、生成された符号ストリームを位相シフタ210に伝送する。位相シフタ210は次に、ユーザ・データに関連する各符号の位相をシフトすることによって、直交変調器214に伝送される暗号化されたすなわち位相シフトされた符号のストリームを生成する。非ユーザ・データに関連する符号ストリームを生成する他の各符号マッパは、位相シフタ210を迂回し、非暗号化すなわち非シフト符号ストリームを、直交変調器214に直接伝送する。
【0023】
直交変調器214は、OFDM通信システムにおける複数の周波数サブバンドのうちの一つ或いはCDMA通信システムにおける直交符号又はOVSFのような直交副搬送波によって、直交変調器によって受信された各符号を変調する。本発明の一実施例すなわちOFDM実施例において、直交変調器214は、変成器218に連結された直列/並列(S/P)変換器216を具備し、変成器は更に、並列/直列(P/S)変換器220に連結される。各符号の受信に応じて、直交変調器214は受信符号をS/P変換器216に転送する。S/P変換器216は、各符号を、複数(「N」)の直交副搬送波すなわち周波数サブバンドの一つに割り当て(310)、実際には位相シフタ210から受信した符号ストリームを直列から並列型に変換し、N並列符号を生成する。Nは、通信セッションに割り付けられた周波数バンド幅に含まれる副搬送波数である。S/P変換器216は次に、N並列符号を変成器218に適用する。直交変調器214によって受信された符号が、ユーザ・データ、パイロット・データ、及び同期化データのような複数のデータ型に関連する場合、S/P変換器216は、同じデータ型に関連した各符号を、同じ組の一つ以上の直交副搬送波由来の直交副搬送波に割り当てる。すなわち、ユーザ・データに関連した符号は、第一組の直交副搬送波由来の一つ以上の直交副搬送波に割り当てることができ、パイロット・データに関連した符号は、第二組の直交副搬送波由来の一つ以上の直交副搬送波に割り当てることができ、同期化データに関連した符号は、第三組の直交副搬送波由来の一つ以上の直交副搬送波に割り当て得る。
【0024】
変成器218は、符号が周波数サブバンドすなわち周波数ドメイン副搬送波に割り当てられるN並列符号のうちの各符号を、タイム・ドメイン信号すなわちタイム・ドメイン副搬送波に変換し(312)、それによって、複数(N)の変調直交タイム・ドメイン副搬送を生成する。各副搬送波は、周波数バンドに含まれるサブバンドに対応する。複数の直交周波数サブバンドf(t),n=0,1,...,N−1は、t∈ [0,Ttotal]でej2Π(W/N)nt型のシヌソイド又は複素指数と考えられる。Wは利用可能な周波数バンド幅であり、W/Nは副搬送波間の周波数間隔を表示する。
【0025】
OFDMにおいて公知なように、変成器218の機能性は逆高速フーリエ変換(IFFT)又は離散逆フーリエ変換(IDFT)によって実行し得る。N並列符号は入力としてIFFTに提供され、IFFTは、周波数fのN並列タイム・ドメイン副搬送波を出力する。N並列副搬送波の各副搬送波は、N並列入力符号の対応する入力符号によって変調される。IFFT出力を構成する変調タイム・ドメイン副搬送波は次に、P/S変換器220に伝送される。
【0026】
本発明の別の実施例において、位相シフタ210は、S/P変換器に先行する代わりに、S/P変換器216及び変成器218の間に置かれた位相シフタ・モジュールを具備し得る。このような実施例において、位相シフタ210は、複数の位相シフタ、PS〜PSを具備し得る。複数位相シフタのうちの各位相シフタは、S/P変換器によって出力された複数(「N」)の並列符号のうちの符号に関連し、該符号をS/P変換器216から受信する。複数の位相シフタPS〜PSのうちの各位相シフタは更に、複数([N])の周波数サブバンドのうちの対応する一つに関連する。複数の位相シフタPS〜PSによって受信された各組の「N」並列符号に連動して、このような各位相シフタは、複数位相シフタPS〜PSのうちの他の位相シフタに提供された符号語と異なる、符号語発生器212によって生成された符号語θを受信する。受信符号及び符号語に応じて、複数位相シフタPS〜PSのうちの各位相シフタは、暗号化された位相シフト符号を生成すべく、符号の位相をシフトさせることによって符号を暗号化する。位相シフトは符号語に基づく。各位相シフタPS〜PSは次に、位相シフト符号を、対応する周波数サブバンドすなわち周波数ドメイン副搬送波から対応するタイム・ドメイン信号すなわちタイム・ドメイン副搬送波に変換すべく、変成器218に適用する。
【0027】
本発明の実施例において、符号マッパ208は、異なるデータ型を符号のコンステレーションに各々がマッピングする複数の符号マッパを具備し、S/P変換器216によって出力された、ユーザ・データに関連する割り当て符号だけが、複数位相シフタPS〜PSのうちの一つに伝送される。他の割り当て符号は位相シフタ210を迂回し、S/P変換器216によって変成器218に直接伝送される。複数の位相シフタPS〜PSの各位相シフタは、ユーザ・データに関連する割り当て符号を受信し、該符号の位相をシフトすることによって、変成器218に伝送される位相シフト符号を生成する。変成器218は次に、位相シフタPS〜PSから受信された各位相シフト符号を、対応する周波数サブバンドすなわち周波数ドメイン副搬送波から、対応するタイム・ドメイン信号すなわちタイム・ドメイン副搬送波に変換することによって、ユーザ・データに関連した変調タイム・ドメイン副搬送波を生成する。変成器218は更に、S/P変換器216から直接受信された各非位相シフト符号を、対応する周波数サブバンドすなわち周波数ドメイン副搬送波から、対応するタイム・ドメイン信号すなわちタイム・ドメイン副搬送波に変換することによって、非ユーザ・データに関連した変調タイム・ドメイン副搬送波を生成する。複数の位相シフト及び非位相シフト符号の変換から生じる変調タイム・ドメイン副搬送波は次に、P/S変換器220に伝送される。
【0028】
P/S変換器220好ましくはマルチプレクサは、第一出力信号を生成すべく、変成器218から受信されたタイム・ドメイン副搬送波を、並列型から直列型に変換する(314)。P/S変換器220は、保護周波数バンド間隔又はサイクリック・プリフィックスを第一出力信号に付加する(318)サイクリック・プリフィックス(C/P)加算器222に、第一出力信号を伝送することによって、第二出力信号を生成する。通常、サイクリック・プリフィックスを付加することは、それ自体へのプリフィックスとして、各OFDM符号のうちの最後のT秒を付加することを具備する。Tの前割り当て長は、16taps、又は0.8μsが好ましいが、当業者は、設計者が長いプリフィックスの非効率にもかかわらず、長いサイクリック・プリフィックスによって生じる、より大きな保護性を評価するので、サイクリック・プリフィックスの前割り当て長は、システムの設計者次第であることを理解している。C/P加算器222は、信号処理ユニット204に連結される送信側202の送信機部分230に、第二出力信号を伝送する。送信機部分230は、増幅器234に連結された変調器232を含む。送信機部分230は、第二出力信号を変調器232に転送する。変調器232は、アップコンバート信号を生成すべく、第二出力信号をベースバンド周波数から送信周波数にアップコンバートする(320)。アップコンバート信号は、増幅信号を生成すべく、信号を増幅する(322)電力増幅器(PA)234に伝送され、該電力増幅器は、増幅信号をアンテナ236及びエアインタフェース104を介して送信する(324)。論理のフロー300は、その後、終了する(326)。
【0029】
本発明の別の実施例すなわちCDMA実施例において、直交変調器214は、S/P変換器の代わりに、少なくとも一つの拡散器と、変成器と、P/S変換器とを具備し得る。このような実施例において、少なくとも一つの拡散器は、第一出力信号すなわち変調すなわち拡散符号のストリームを生成すべく、直交拡散符号すなわちCDMA副搬送波によって位相シフタ210から受信された位相シフト符号を拡散する(316)。例えば、直交変調器214は複数の直列拡散器を具備でき、複数の拡散器のうちの一つの拡散器は、長符号によって各符号を拡散し、複数の拡散器のうちの別の拡散器は、ウォルシュ符号又はOVSFによって符号を拡散する。直交変調器214に伝送された符号が、複数のデータ型に関連した符号を具備するとき、直交変調器は、変調副搬送波を生成すべく、対応するデータ型に割り当てられた直交拡散符号によって各受信符号を拡散する。拡散符号は次に、送信機部分230に伝送される。すなわちユーザ・データに関連する符号は、第一の一つ以上の直交副搬送波すなわち拡散符号によって拡散でき、パイロット・データに関連する符号は、第二の一つ以上の直交副搬送波によって拡散でき、同期化データに関連する符号は、第三の一つ以上の直交副搬送波によって拡散し得る。CDMA実施例において、信号処理ユニット204は、直交変調器214及び送信機部分230の間に置かれたC/P加算器222を、含んでも含まなくてもよい。C/P加算器は、直交変調器によって出力された拡散符号のストリームに、プリフィックスを加算し得る。
【0030】
次に図4及び図5を参照すると、符号語発生器212の動作が本発明の実施例に従って例示される。図4は、本発明の実施例に従う符号語発生器212のブロック図である。図5は、符号語発生器212が、本発明の実施例に従って位相シフタによって受信された符号の位相をシフトすべく、位相シフタ210によって使用される符号語「θ」を生成する方法を例示する論理フローチャート500である。
【0031】
符号語発生器212の円形バッファ414に、符号語「θ」を生成すべく使用されるビット列がロードされると(504)、論理フローチャート500が開始する(502)。通信セッションがセットアップされると、円形バッファ514に最初にロードされ、送信通信装置202が新フレームを開始するごとに、リロードされる。すなわち当該分野において公知なように、データはフレームで送信される。新フレームが信号処理ユニット204によってアセンブルされるごとに、信号処理ユニットは、円形バッファ414を再初期化するので、新フレームに組み込むべく暗号化された時間的に第一の符号が、再初期化円形バッファに基づいて暗号化される。新フレームのヘッダは、これが新フレームであると示す新フレーム・インジケータ(NFI)を含み、NFIは、受信通信装置が同様に、その円形バッファを再初期化すべきことを受信通信装置250に示す。従って同期化は、送信及び受信通信装置202,250の符号語発生器間で保持される。
【0032】
好ましくは、円形バッファ414に、以下のようにビット列がロードされる。信号処理ユニット204は、第一暗号化鍵402を提供し、結合器410は、第一暗号化鍵402を受信する。第一暗号化鍵402は、セッション鍵から得られる16ビット鍵のような、通話期間に対して又は単一パケット・バーストに対してのみ有効な動的16ビット鍵であることが好ましい。前記セッション鍵は、通信セッションのセットアップ中に、送信通信装置202及び受信通信装置250によってやり取りされ、少なくとも一つの記憶装置240内に保持される。本発明の一実施例において、第一暗号化鍵402は、ミキサ406を介して結合器410に伝送でき、第一暗号化鍵は、第一拡散符号404によって拡散され、該第一暗号化鍵は、各々の送信通信装置202及び受信通信装置250の少なくとも一つの各記憶装置240,290内に保持される。本発明の別の実施例において、第一暗号化鍵402は、結合器410に直接伝送され得る。
【0033】
信号処理ユニット204は更に、第二暗号化鍵408を提供し、結合器410は第二暗号化鍵408を受信する。第二暗号化鍵408は、MSと独自に関連する携帯電話シリアル番号例えば電子シリアル番号(ESN)のような、MS110に特有の静的な48ビット鍵であることが好ましく、送信通信装置202の少なくとも一つの記憶装置240内に保持される。
【0034】
結合器410は、受信第一暗号化鍵402及び受信第二暗号化鍵408を結合することによって、円形バッファ414内に入力すべき第一符号語412を生成する。符号語412は64ビット長が好ましく、16最上位ビットは第一暗号化鍵402から得られ、残る48ビットは第二暗号化鍵408から得られる。しかし、当業者は、第一暗号化鍵402及び第二暗号化鍵408を結合すべく用いられるアルゴリズムが本発明にとって重要ではないことと、本発明の趣旨及び範囲から外れることなく、第一暗号化鍵及び第二暗号化鍵を結合すべく、様々なアルゴリズムの何れかを結合器410によって使用し得ることを理解している。結合器410は更に、所望の長さすなわち円形バッファ414に適した長さの符号語を生成するため、一つ以上の第一暗号化鍵402、第二暗号化鍵408又は第一暗号化鍵及び第二暗号化鍵の組み合わせを連結する連結機能を具備する。本発明の別の実施例において、符号語412は、第一暗号化鍵402又は第二暗号化鍵404のうちの一つだけから得られ、鍵は、円形バッファ414に直接提供され得るか又は連結機能及び拡散器、又は乗算器のうちの一つ以上を介して円形バッファに提供され得る。
【0035】
円形バッファ414は、第一符号語412を円形直列データに変換する。好ましくは、円形バッファ414は、最初に直列化された最上位ビット(MSB)及び最後に直列化された最下位ビット(LSB)を備えたシフト・レフト・レジスタである。MSBがバッファ414から読み取られるごとに、バッファは一つの位置だけ左にシフトされ、MSBは、LSBとしてバッファ内にバックロードされる。結果として、バッファ内に保存された符号語が、最初に保存された符号語のLSBに達すると、配列は、再度、最初に保存された符号語のMSBを続けることになる。
【0036】
直列配列は次に、円形バッファ414から読み取られ(506)、バッファに連結された符号語拡張器416に転送される。符号語拡張器416は、円形バッファ414内に保存された64ビット符号語から128ビットの第二長符号語418を生成すべく、円形バッファ414から読み出された直列配列を拡張する(508)。好ましくは、符号語拡張器416は、当該分野において公知な率1/2(one-half)の畳み込みエンコーダであり、IEEE802.16規格の8.2.1.2.1.3項に規定される。率1/2の畳み込みエンコーダは、バッファ414から読み出された直列配列に冗長量を加えることによって、円形バッファ414内に保存された64ビット符号語から、128ビットの第二符号語418を生成する。
【0037】
符号語拡張器416は、第二符号語418を排他的OR(XOR)ゲート422に伝送する。しかし、本発明の別の実施例において、バッファ414から読み出される直列配列が、拡張を必要としないサイズになり得る場合、符号語発生器は符号語拡張器416を含まなくてもよい。このような実施例において、円形バッファ414から読み出された直列配列は、排他的OR(XOR)ゲート422に直接転送され得る。符号語418の受信に加えて、XORゲート422は更に、ランダム又は擬似雑音(PN)配列420を受信する。XORゲート422は、第三符号語424を生成すべく、配列420によって符号語418をXORする(510)。符号語418を配列420によってXORすることによって、位相シフタ210に符号語発生器212によって提供された符号語「θ」は、更にランダム化され、それによって位相シフタによって導入された位相シフトを更に検出し難くする。配列420は、IEEE802.16規格の8.3.3.4.2項又は8.4.9.4.1項によって規定されるパイロット配列のような、パイロット信号を拡散すべく使用されるパイロット配列であることが好ましい。このようなパイロット配列は通常、優れたランダム配列の特性を具備する。しかし、当業者は、ランダム又はPN配列は何れも本明細書において使用し得ることを理解している。
【0038】
XORゲート422は、符号語を緩衝する(512)直列/並列(S/P)バッファ426に第三符号語424を伝送する。信号処理ユニット204は次に、S/Pバッファ426から符号語を読み取り(514)、読み取り符号語430を乗算器434に転送する。バッファ426から符号語を読み取るごとに連動して、乗算器は更に、複数の副搬送波インデックスのうちの副搬送波インデックス432を受信し、複数の副搬送波インデックスのうちの各副搬送波インデックスは、複数(「N」)の副搬送波のうちの副搬送波に対応する。乗算器434は次に、バッファ426から読み出した各符号語430を、副搬送波インデックス432と乗算することによって、複数(「N」)の副搬送波のうちの副搬送波に関連する符号語436を生成する。乗算器434によって受信された各符号語を、異なる副搬送波インデックス値と乗算することによって、符号語発生器212は、「N」並列符号のうちの各符号に、「N」並列符号のうちの他の符号に導入された位相シフトと異なる位相シフトを導入することができる。前記副搬送波インデックスは、符号語に基づいて位相シフトされ得る符号に割り当てされる副搬送波に関連する。これによって傍受通信装置は、暗号化符号をより暗号解読し難くなる。
【0039】
例えば、位相シフタ210が、S/P変換器216及び変成器218の間に置かれる位相シフタ・モジュールを具備する場合、乗算器434は、S/Pバッファ426によって出力された第一符号語を、第一副搬送波インデックス432と乗算し得る。得られた符号語は次に、複数の位相シフタPS〜PSのうちの第一位相シフタPSに伝送される。乗算器434は次に、再度、S/Pバッファ426によって出力された同じ符号語を、第二副搬送波インデックス432と乗算でき、得られた符号語を複数の位相シフタPS〜PSのうちの第二位相シフタPS(表示なし)などに伝送し得る。従って各位相シフタPS〜PSに伝送された各符号語は、他の位相シフタに伝送された符号語と異なる。しかし、本発明の別の実施例において及び符号語発生器212の複雑さを減らすため、乗算器434は、符号語発生器内に含めなくてもよく、バッファ426から読み出された符号語430は、対応する副搬送波インデックス値と乗算しなくてもよい。
【0040】
乗算器434は次に、各符号語436をトランケーション機能438に伝送する。トランケーション機能438は、トランケート符号語を生成すべく、各符号語436をトランケートする(518)。トランケート符号語は、位相シフタ210に提供された符号語「θ」である。符号語「θ」の長さは、通信システム100の設計者次第であり、位相シフタ210によって導入された位相シフトについて、通信システム100の設計者が望む粒度の水準に適した長さにすべきである。好ましくは、符号語「θ」はエイト(8)ビットであるが、当業者は「θ」が任意の長さであり得ることを理解している。本発明の別の実施例において、S/Pバッファ426から読み出されたか、又は乗算器434によって生成された各符号語430の長さは、符号語「θ」にとって適当な長さであり得る。このような実施例において、符号語発生器212は、符号語「θ」を生成すべく、符号語をトランケートする必要がなくなり得るので、トランケーション機能438を含まなくてもよい。論理フローチャート500は、その後、終了する(520)。
【0041】
位相シフタ210は次に、符号語「θ」を用いることによって、符号マッパ208から位相シフタによって受信された符号に位相シフトを適用する。次に、図6及び図7を参照すると、位相シフタ210のような位相シフタ600或いは位相シフタ210が複数の位相シフタPS〜PSを具備する場合、複数の位相シフタPS〜PSのうちの各位相シフタの動作が、本発明の実施例に従って例示される。図6は、本発明の実施例に従う位相シフタ600のブロック図である。図7は、本発明の実施例に従う位相シフタによって受信された符号において、位相シフトを実行すべく、位相シフタによってやり取りされる方法を例示する論理フローチャート700である。
【0042】
位相シフタ600が、符号語発生器212から符号語「θ」を受信すると(704)、論理フローチャート700が開始する(702)。位相シフタ600は、受信符号語を正弦余弦関数発生器602に転送する。受信符号語に基づいて、正弦余弦関数発生器602は、正弦関数「sinα」に対応する第一値及び余弦関数「cosα」に対応する第二値を生成する。「α」は、符号語発生器212から受信した符号語「θ」に対応する角度である。例えば、「θ」が「n」ビット符号語のとき、α=Cx(360°/2)で、Cは符号語「θ」によって示される値に対応する。例えば、「θ」がエイト(8)ビットとする。更に、符号語発生器212によって、位相シフタ210に供給された符号語「θ」は、「10001001」とする。この符号語は137の値に対応し、αは、その結果「137×(360°/256)」又は約192°に等しい。正弦余弦関数発生器602は次に、192°の正弦に対応する第一値を生成し、192°の余弦に対応する第二値を生成する。好ましくは、正弦余弦関数発生器602は、少なくとも一つの記憶装置240によって保持される検索表を参照することによって、「sinα」及び「cosα」に対応する値を生成する。正弦余弦関数発生器602は次に、第一及び第二値すなわち「sinα」及び「cosα」を直交暗号器604に転送する。
【0043】
直交暗号器604は、第一及び第二値すなわち「sinα」及び「cosα」を正弦余弦関数発生器602から受信する。直交暗号器604は更に、符号マッパ208によって生成された符号(Iin,Qin)を受信する(708)。直交暗号器604は次に、暗号化された位相シフト符号(Iout,Qout)を生成すべく、正弦余弦関数発生器602から受信された「sinα」及び「cosα」に基づいて、符号の位相をシフトする(710)。より具体的には、直交暗号器604は、少なくとも一つの記憶装置240内に保持される以下の方程式を実行することによって、位相シフト符号(Iout,Qout)を生成する:
out=(Iin×cosα)−(Qin×sinα)、
out=(Iin×sinα)+(Qin×cosα)。
位相シフト符号(Iout,Qout)は次に、直交変調器214のような直交変調器或いは変成器218のような変成器のいずれか適当な方に、位相シフタ600によって伝送され、論理フローチャート700は、その後、終了する(712)。
【0044】
通信システム100の受信側250は、送信側202に対して逆の機能を実行する。次に、図8を参照すると、本発明の実施例に従う受信側250の動作を例示する論理フローチャート800が示される。アンテナ252を介して受信された信号が、受信機部分260に転送されると、論理のフロー800は開始する(802)。低雑音増幅器(LNA)262は受信信号を増幅する(804)。LNA262は次に、増幅信号を復調器264に転送し、該復調器は増幅信号を送信周波数からベースバンド周波数にダウンコンバートする(806)。ベースバンド信号は次に、受信側信号処理ユニット270に伝送される。
【0045】
信号処理ユニット270は、ベースバンド信号をサイクリック・プリフィックス(C/P)除去器272に転送し、該除去器は信号に付加されたサイクリック・プリフィックスを除去する(808)。C/P除去器272は、サイクリック・プリフィックスのない信号を直交復調器274に伝送する。対応する送信側202がC/P加算器を含まない場合、信号処理ユニット270は、ベースバンド信号を直交復調器274に直接転送し得る。直交復調器274は、直交変調器214によって行われた機能と逆の機能を実行する。本発明の一実施例すなわちOFDM実施例において、直交復調器274は、逆変成器278に連結されたS/P変換器276を具備する。逆変成器は更に、P/S変換器280に連結される。このような実施例において、直交復調器274はサイクリック・プリフィックスのない信号を、S/P変換器276に転送する。S/P変換器276は、ダウンコンバートされたプリフィックスのない信号を直列から並列型に変換し(810)、N並列変調副搬送波を出力する。N並列変調副搬送波は、離散型フーリエ変換(DFT)又は高速フーリエ変換(FFT)のような逆変成器278に伝送され、該逆変成器は、変成器218において使用されたN直交関数のうちの対応する直交関数に基づいて、タイム・ドメインから周波数ドメインに、N並列変調副搬送波のうちの各副搬送波を変換する(812)。すなわち逆変成器278は、符号のタイム・ドメイン副搬送波に関連する周波数ドメイン・サブバンド又は副搬送波に各暗号化符号を変換することによって、複数の暗号化符号を生成する。逆変成器278の出力は、「N」変調副搬送波に基づく「N」並列暗号化符号を含み、「N」並列暗号化符号のうちの各符号は、送信側202で使用されたコンステレーションの「M」可能符号から選ばれる。
【0046】
変成器278は「N」並列暗号化符号をP/S変換器280に伝送する。P/S変換器280は、暗号化符号のストリームを生成すべく、「N」並列暗号化符号を並列型から直列型に変換し(814)、符号ストリームを位相シフタ282に伝送する。位相シフタ282は、位相シフタ210によって符号に加算された位相シフトの代償として、暗号化符号の位相をシフトすることによって、符号ストリーム内の各暗号化符号を暗号解読する(818)。それによって、複数の暗号解読符号を生成する。位相シフタ282は次に、各暗号解読符号を逆符号マッパ286に伝送する。
【0047】
本発明の別の実施例において、送信データは、ユーザ・データ、パイロット・データ、及び同期化データのような複数のデータ型を含み、ユーザ・データだけが送信側位相シフタによって暗号化され、次に、ユーザ・データに関連する符号だけが、直交復調器によって位相シフタ282に伝送される。位相シフタ282は、逆符号マッパ286に伝送される暗号解読符号のストリームを生成すべく、位相シフタ210によって符号に加算された位相シフトの代償として、暗号化符号の位相をシフトすることによって、各暗号化符号すなわちユーザ・データに関連する符号を暗号解読する。非ユーザ・データ型に関連する符号は、送信側によって暗号化されないので非暗号化フォーマットであり、すなわちP/S変換器280によって出力されるとき、非暗号化符号のストリームを具備する。非暗号化符号は次に、同期化及びパイロット補間のいずれか適当な目的に使用でき、逆符号マッパ286に伝送されることなく、廃棄され得る。
【0048】
位相シフタ282は、位相シフタ210において位相シフトを決定すべく用いられる符号語と同じ符号語に基づいて、各暗号化符号の位相シフトを実行する。前記符号語は、位相シフタ282に連結された符号語発生器284によって生成される。例えば、本発明の一実施例において、位相シフタ282は、位相シフタ210によって符号に加算された位相シフトに等しい位相を、符号の位相から減算し得る。本発明の別の実施例において、位相シフタ282は、複素面を中心に符号を360°完全に回転させ得る位相を符号に加算でき、すなわち「360°−陬にほぼ等しい位相シフトを適用し得る。例えば、位相シフタ210が192°の位相シフトを符号に適用したなら、位相シフタ282は、約「360°−192°」又は168°の位相シフトを符号に適用し得る。
【0049】
符号語発生器284は、符号語発生器212によって出力された符号語に同期化された符号語を出力する。送信通信装置202及び受信通信装置270間に通信セッションがまずセットアップされると、信号処理ユニット274は、セッション鍵、又はセッション鍵から得た一連のビット、及び/又は携帯電話シリアル番号又は携帯電話のシリアル番号から得た一連のビットを符号語発生器に入力することによって、符号語発生器284を初期化する。通信セッションのセットアップ後、受信通信装置270が新フレームを受信するごとに、信号処理ユニット274は、符号語発生器284を再初期化するので、新フレームから暗号解読された時間的に第一の符号は、再初期化符号語発生器に基づいて暗号解読される。
【0050】
本発明の別の実施例において、位相シフタ282は、P/S変換器の後に続く代わりに、逆変成器278及びP/S変換器280の間に置かれる位相シフタ・モジュールを具備し得る。このような実施例において、位相シフタ210に類似した位相シフタ282は、複数の位相シフタPS〜PSを具備でき、複数の位相シフタのうちの各位相シフタは、逆変成器によって出力された複数([N])の並列符号のうちの暗号化符号に関連し、前記暗号化符号を逆変成器278から受信する。複数の位相シフタPS〜PSのうちの各位相シフタは更に、複数(「N」)副搬送波のうちの対応する一つに関連する。複数の位相シフタPS〜PSによって受信された各組の「N」並列符号に連動して、各位相シフタPS〜PSは、他の位相シフタPS〜PSに提供された符号語と異なる、符合語発生器284によって生成された符号語「θ」を受信する。符号及び符号語の受信に応じて、各位相シフタPS〜PSは、暗号解読符号を生成すべく、符号語に基づいて符号の位相をシフトすることによって、符号を暗号解読する。各位相シフタPS〜PSは次に、並列型から直列型に変換すべく、暗号解読符号をP/S変換器280に適用する。
【0051】
送信データがユーザ・データ、パイロット・データ、及び同期化データのような複数のデータ型を含む場合、暗号化符号すなわちユーザ・データに関連する符号で、送信側によって位相シフトされる符号だけが、逆変成器278によって、対応する位相シフタPS〜PSを介してP/S変換器280に伝送される。非暗号化符号すなわち例えばパイロット・データ及び同期化データの一つ以上の他のデータ型に関連する符号で、送信側によって位相シフトされない符号は、逆変成器278によってP/S変換器280に直接伝送される。すなわち、送信データがユーザ・データに関連する複数の暗号化符号及びパイロット・データ又は同期化データのような非ユーザ・データに関連する複数の非暗号化符号を含む場合、S/P変換器276は、ダウンコンバート信号を複数のタイム・ドメイン副搬送波に割り当てる。複数のタイム・ドメイン副搬送波のうちの一つ以上のタイム・ドメイン副搬送波は、ユーザ・データに関連し、複数のタイム・ドメイン副搬送波のうちの一つ以上のタイム・ドメイン副搬送波は、パイロット・データに関連する。逆変成器278は次に、ユーザ・データに関連する各タイム・ドメイン副搬送波を、周波数ドメイン副搬送波に変換することによって、複数の暗号化符号を生成し、更に非ユーザ・データに関連する各タイム・ドメイン副搬送波を、周波数副搬送波に変換することによって、複数の非暗号化符号を生成する。逆変成器278は次に、暗号化符号を位相シフタ・モジュール282、より具体的には位相シフタPS〜PSに伝送し、非暗号化符号をP/S変換器280に伝送する。各位相シフタPS〜PSは、暗号解読符号を生成すべく、符号語に基づいて符号の位相をシフトすることによって、受信暗号化符号を暗号解読し、暗号解読符号をP/S変換器280に伝送する。P/S変換器280は次に、位相シフタ・モジュール282から受信された暗号解読符号及び逆変成器278から受信された非暗号化符号を、並列フォーマットから直列フォーマットに変換する。
【0052】
本発明の更に別の実施例すなわちCDMA実施例において、直交復調器274は、S/P変換器に代わって、少なくとも一つの逆拡散器(despreader)と、逆変成器と、P/S変換器とを具備し得る。このような実施例において、少なくとも一つの逆拡散器は、直交変調器214によって使用された直交拡散符号に対応する直交拡散符号すなわちCDMA副搬送波を適用することによって受信された暗号化符号を逆拡散することによって(816)、受信信号を復調し、復調すなわち逆拡散暗号化符号のストリームを生成する。例えば、直交復調器274は、複数の直列逆拡散器を具備でき、複数の逆拡散器のうちの一つの逆拡散器は、長符号によって各符号を逆拡散し、複数の逆拡散器のうちの別の逆拡散器は、ウォルシュ符号又はOVSFによって符号を拡散する。更に、本発明のCDMA実施例において、信号処理ユニット274は、C/P除去器272を含んでも含まなくてもよい。CDMA実施例において、直交復調器274は次に、逆拡散された各暗号化符号を位相シフタ282に伝送する。上述するように、位相シフタ282は次に、位相シフタ210によって符号に加算された位相シフトの代償として、符号の位相をシフトすることによって、各脱拡散暗号化符号を暗号解読する(818)。それによって複数の暗号解読符号を生成する。
【0053】
逆符号マッパ286は、符号マッパ208によって用いられた符号マッピング方式に基づいて、各暗号解読符号に対応するPタプルを回復することによって、ビット・ストリームを生成する。すなわち、逆符号マッパ286は、符号マッパ208によって用いられたコンステレーション内の対応する点に各符号をマッピングし、それによって該点に対応するPタプルを回復する。逆符号マッパ286は次に、回復されたビット・ストリームをデコーダ288に伝送する。デコーダ288は、エンコーダ206によって適用された誤訂正符号に基づいて、ビット・ストリームを復号化し(822)、復号化ビット・ストリームをデータ・シンク(表示なし)に伝送し、論理のフロー800は、その後、終了する(824)。
【0054】
送信及び受信通信装置に公知な情報に基づいて、送信すべき符号の位相をシフトすることによって、通信システム100は、通信の不都合な傍受機による暗号解読に対して、エアインタフェースをより安全にする物理レイヤで暗号化を提供する。本発明の一実施例において、送信通信装置内に含まれる符号マッパは、受信ビット・ストリーム及び符号マッピング方式に基づいて複数の符号を生成する。送信通信装置内に含まれる位相シフタは次に、符号語に基づいて各符号の位相をシフトすることによって、暗号化符号を生成する。符号語は、送信及び受信通信装置の双方に公知な一つ以上の暗号化鍵に基づいて、符号語発生器によって生成し得る。暗号化符号は次に、エアインタフェースを介して送信される。次に、受信通信装置は、符号を暗号化すべく使用された位相に対応する位相によって各受信暗号化符号をシフトすることによって、受信暗号化符号を暗号解読し、それによって暗号解読符号を生成する。逆符号マッパは次に、送信装置符号マッパによって用いられた符号マッピング方式に基づいて、各暗号解読符号に対応するビットを回復する。
【0055】
本発明はその特定の実施例を参照して具体的に示し、説明してきたが、以下の請求項に示されるような本発明の範囲から外れることなく改変し得ること、及びそれらの要素を等価物と置換し得ることは当業者によって理解され得る。更に、本明細書において詳述された送信通信装置と受信通信装置の要素及び動作は包括的ではなく、とにかく発明を限定するよりはむしろ本発明の発明原理と優位性の理解及び認識を高めるために単に提供されることを当業者は十分に解っている。従って、明細書と図面は、制限的意味よりはむしろ例示的意味でみなされるべきであり、このような改変および置換は全て、本発明の範囲内に含めようとするものである。
【0056】
利益、他の優位性、及び問題に対する解決方法を特定の実施例に関して上述してきた。しかし、これらの利益、優位性、問題に対する解決方法、及び任意の利益、優位性、又は解決方法を生じさせるか又はより明白にし得る如何なる要素も、何れかの又は全ての請求項の重要な、必須な、又は本質的な特徴又は要素であるとして解釈してはならない。本明細書で用いる場合、用語「具備する」、「具備している」、又はその他の如何なる変形も、非排他的な包含を網羅していることが意図されている。すなわち、要素のリストを備えるプロセス、方法、物品、又は装置には、これらの要素のみが含まれるのではなく、明白にリストにされてはいないか又はこのようなプロセス、方法、物品、又は装置に固有の他の要素が含まれていてもよい。更に、本明細書において別に示されなければ、存在する場合、第一と第二、上部と底部などの関係語の使用は、単に、別の実体又は働きから一つの実体又は働きを区別するために使用され、任意の実際上のこのような実体又は働きの間の如何なる関係または順番も必ずしも要求又は暗示することはない。
【図面の簡単な説明】
【0057】
【図1】本発明の実施例に従う無線通信システムのブロック図。
【図2】本発明の種々の実施例に従う図1の通信システムの基本設計概念のブロック図。
【図3】本発明の様々な実施例に従う図2の通信システムの送信側の動作を例示する論理フローチャート。
【図4】本発明の実施例に従う図2の送信側の符号語発生器のブロック図。
【図5】本発明の様々な実施例に従う図2の送信側の符号語発生器の動作を例示する論理フローチャート。
【図6】本発明の実施例に従う図2の送信側の位相シフタのブロック図。
【図7】本発明の実施例に従う図2の送信側の位相シフタの動作を例示する論理フローチャート。
【図8】本発明の様々な実施例に従う図2の通信システムの受信側の動作を例示する論理フローチャート。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
無線送信を暗号化する方法であって、該方法は、
複数の符号を受信することと、
複数の位相シフト符号を生成すべく、前記複数の符号のうちの各符号の位相をシフトすることと、
少なくとも一つの変調副搬送波を生成すべく、直交副搬送波によって前記複数の位相シフト符号のうちの各位相シフト符号を変調することと、
無線リンクを介して前記少なくとも一つの変調副搬送波を送信することと
を具備する無線送信の暗号化方法。
【請求項2】
前記複数の符号は、ユーザ・データに関連する符号及びパイロット・データに関連する符号を具備し、
前記シフトすることは、ユーザ・データに関連する各符号の位相をシフトすることによって複数の位相シフト符号を生成することと、パイロット・データに関連する各符号の位相をシフトしないことによって複数の非シフト符号を生成することとを具備し、
前記変調することは、ユーザ・データに関連する前記複数の位相シフト符号のうちの各位相シフト符号を第一直交副搬送波で変調ことと、前記複数の非シフト符号のうちの各非シフト符号を第二直交副搬送波で変調することとを具備することを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記複数の位相シフト符号は、位相シフト符号のストリームを具備し、前記変調することは、
前記複数の位相シフト符号のうちの各位相シフト符号を、複数の周波数サブバンドのうちの周波数サブバンドに割り当てることと、
前記位相シフト符号の周波数サブバンドに関連するタイム・ドメイン副搬送波に各位相シフト符号を変換することによって、複数の変調タイム・ドメイン副搬送波を生成することと
を具備することを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記複数の変調タイム・ドメイン副搬送波は並列型であり、送信することは、
前記複数の変調副搬送波を並列型から直列型に変換することによって、出力信号を生成することと、
無線リンクを介して前記出力信号を送信することと
を具備することを特徴とする請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記シフトすることは、
前記複数符号のうちの各符号を複数の周波数サブバンドのうちの周波数サブバンドに割り当てることによって、複数の割り当て符号を生成することと、
前記複数の割り当て符号のうちの各割り当て符号の位相をシフトすることによって、複数の位相シフト符号を生成することと
を具備し、
前記変調することは、各位相シフト符号を、前記位相シフト符号の周波数サブバンドに関連するタイム・ドメイン副搬送波に変換することによって、複数の変調タイム・ドメイン副搬送波を生成することを具備することを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記位相をシフトすることは、セッション鍵及び携帯電話シリアル番号のうちの少なくとも一つから得られた符号語に基づいて前記複数の符号のうちの各符号の位相をシフトすることを具備することを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記位相をシフトすることは、
セッション鍵及び携帯電話シリアル番号のうちの少なくとも一つに基づいた符号語を生成することと、
前記複数符号のうちの各符号について、sinα及びcosαを生成することであって、αは前記符号語から得られることと、
前記sinα及び前記cosαに基づいて前記符号の位相をシフトすることによって、位相シフト符号を生成することと
を具備することを特徴とする請求項6に記載の方法。
【請求項8】
前記位相をシフトすることは、複数の符号語のうちの符号語に基づいて前記複数符号のうちの各符号の位相をシフトすることを具備し、前記方法は更に、
前記セッション鍵及び前記携帯電話シリアル番号のうちの少なくとも一つに基づくビット列をバッファにロードすることと、
前記バッファから直列配列を読み取ることと、
異なる配列の直列配列を排他的ORすることによって符号語を生成することと、
前記符号語を複数の搬送波インデックスのうちの各副搬送波インデックスと乗算することによって、前記複数の符号語を生成することと
を具備することを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項9】
暗号化無線送信を受信する方法であって、該方法は、
無線リンクを介して少なくとも一つの変調副搬送波を受信することと、
前記少なくとも一つの変調副搬送波を復調することによって、複数の暗号化符号を生成することと、
位相シフトを前記複数の暗号化符号のうちの各暗号化符号に適用することによって、複数の暗号解読符号を生成することと
を具備する暗号化無線送信の受信方法。
【請求項10】
前記少なくとも一つの変調副搬送波は、ユーザ・データに関連した副搬送波及びパイロット・データに関連した副搬送波を具備し、
前記復調することは、ユーザ・データに関連する前記副搬送波を復調することによって複数の暗号化符号を生成することと、パイロット・データに関連する前記副搬送波を復調することによって、複数の非暗号化符号を生成することとを具備し、
前記位相シフトを適用することは、位相シフトを前記複数の暗号化符号のうちの各暗号化符号に適用することによって、複数の暗号解読符号を生成することを具備することを特徴とする請求項9に記載の方法。
【請求項11】
前記少なくとも一つの変調副搬送波は、複数の変調副搬送波を具備し、前記複数の暗号化符号は暗号化符号のストリームを具備し、前記復調することは、
前記複数の変調副搬送波を直列型から並列型に変換することによって、複数の並列変調副搬送波を生成することと、
直交関数によって複数の並列変調副搬送波のうちの各副搬送波を復調することによって、複数の並列暗号化符号を生成することと、
前記複数の並列暗号化符号を直列型から直列型に変換することによって、暗号化符号のストリームを生成することと
を具備することを特徴とする請求項9に記載の方法。
【請求項12】
信号処理ユニットと、該信号処理ユニットに連結される送信機部分とを具備する通信装置であって、
前記信号ユニットは、
複数の符号を受信する位相シフタであって、該位相シフタは、前記複数符号のうちの各符号に位相シフトを適用することによって、複数の位相シフト符号を生成することと、
前記複数の位相シフト符号を受信する直交変調器であって、該直交変調器は、前記複数の位相シフト符号のうちの各位相シフト符号を直交副搬送波で変調することによって、少なくとも一つの変調副搬送波を生成することと
を具備し、
前記送信機部分は無線リンクを介して前記少なくとも一つの変調副搬送波を送信することを特徴とする通信装置。
【請求項13】
前記複数符号は、ユーザ・データに関連する複数の符号及びパイロット・データに関連する複数の符号を具備し、
前記位相シフタは、ユーザ・データに関連する前記複数の符号を受信し、このような各符号の位相をシフトすることによって、複数の位相シフト符号を生成し、
前記直交変調器は前記複数の位相シフト符号を受信し、パイロット・データに関連する前記複数の非シフト符号を受信し、前記複数位相シフト符号のうちの各位相シフト符号を第一直交副搬送波によって変調し、前記複数の非シフト符号のうちの各非シフト符号を第二直交副搬送波によって変調することを特徴とする請求項12に記載の通信装置。
【請求項14】
前記複数の位相シフト符号は、位相シフト符号のストリームを具備し、前記直交変調器は、
前記複数の位相シフト符号のうちの各位相シフト符号を複数の周波数サブバンドのうちの周波数サブバンドに割り当てる直列/並列変換器と、
各位相シフト符号を、前記符号の周波数サブバンドに関連するタイム・ドメイン副搬送波に変換することによって、複数のタイム・ドメイン副搬送波を生成する変成器であって、前記複数の変調副搬送波は並列型であることと、
前記複数の変調副搬送波を並列型から直列型に変換することによって、出力信号を生成する並列/直列変換器と
を具備し、前記送信機部分は、無線リンクを介して前記出力信号を送信することによって、前記少なくとも一つの変調副搬送波を送信することを特徴とする請求項12に記載の通信装置。
【請求項15】
前記通信装置は更に、前記位相シフタに連結される符号語発生器を具備し、該符号語発生器はセッション鍵及び携帯電話シリアル番号のうちの少なくとも一つに基づく複数の符号語を生成し、前記位相シフタは、前記複数の符号語のうちの符号語に基づいて、前記複数の符号のうちの各符号の位相をシフトすることを特徴とする請求項12に記載の通信装置。
【請求項16】
前記符号語発生器は、
前記セッション鍵及び前記携帯電話シリアル番号のうちの少なくとも一つに基づくビット列を保存するバッファと、
前記バッファ内に保存された前記ビット列に基づく直列配列を受信する排他的OR関数であって、該排他的OR関数は、異なる配列の直列配列を排他的ORすることによって符号語を生成することと、
前記符号語を複数の副搬送波インデックスのうちの各副搬送波インデックスと乗算することによって、複数の符号語を生成する乗算器と
を具備することを特徴とする請求項15に記載の通信装置。
【請求項17】
前記位相シフタは、
前記複数の符号のうちの各符号について、sinα及びcosαを生成する正弦余弦関数発生器であって、αは前記複数の符号語のうちの符号語から得られることと、
前記正弦余弦関数発生器に連結された直交暗号器であって、該直交暗号器は、前記複数符号のうちの各符号について、該符号に関して生成されたsinα及びcosαに基づいて前記複数符号のうちの前記符号の位相をシフトすることによって、位相シフト符号を生成することと
を具備することを特徴とする請求項15に記載の通信装置。
【請求項18】
信号処理ユニットと、該信号処理ユニットに連結される送信機部分とを具備する通信装置であって、
前記信号処理ユニットは、複数の符号を受信する直交変調器を具備し、該直交変調器は、
前記複数符号のうちの各符号を複数の周波数サブバンドのうちの周波数サブバンドに割り当てることによって、複数の割り当て符号を生成する直列/並列変換器と、
複数の位相シフト符号を生成する位相シフタ・モジュールであって、前記位相シフタ・モジュールは複数の位相シフタを具備し、前記複数の位相シフタのうちの各位相シフタは、前記複数の割り当て符号のうちの割り当て符号を受信し、前記割り当て符号の位相をシフトすることによって位相シフト符号を生成することと、
前記複数の位相シフト符号のうちの各位相シフト符号を前記符号の周波数サブバンドに関連するタイム・ドメイン副搬送波に変換することによって、複数の変調タイム・ドメイン副搬送波を生成する変成器であって、前記複数の変調副搬送波は並列型であることと、
前記複数の変調副搬送波を並列型から直列型に変換することによって、出力信号を生成する並列/直列変換器と
を具備し、
前記送信機部分は、無線リンクを介して前記複数の位相シフト符号を送信することを特徴とする通信装置。
【請求項19】
前記複数の符号はユーザ・データに関連する複数の符号及びパイロット・データに関連する複数の符号を具備し、
前記位相シフタは、ユーザ・データに関連した割り当て符号を受信し、このような各符号の位相をシフトすることによって、複数の位相シフト符号を生成し、
前記変成器は、前記ユーザ・データに関連する前記複数の位相シフト符号を受信し、パイロット・データに関連する前記複数の割り当て非シフト符号を受信し、各位相シフト符号を、前記符号の周波数サブバンドに関連するタイム・ドメイン副搬送波に変換することによって、前記ユーザ・データに関連した複数の変調タイム・ドメイン副搬送波を生成し、各非シフト符号を、前記符号の周波数サブバンドに関連したタイム・ドメイン副搬送波に変換することによって、パイロット・データに関連する複数の変調タイム・ドメイン副搬送波を生成することを特徴とする請求項18に記載の通信装置。
【請求項20】
前記通信装置は更に、前記位相シフタ・モジュールに連結される符号語発生器を具備し、該符号語発生器は、セッション鍵及び携帯電話シリアル番号のうちの少なくとも一つに基づく複数の符号語を生成し、
前記複数の位相シフタのうちの各位相シフタは、前記複数の符号語のうちの符号語に基づいて、前記複数の符号のうちの各符号の位相をシフトすることを特徴とする請求項18に記載の通信装置。
【請求項21】
前記符号語発生器は、
前記セッション鍵及び前記携帯電話シリアル番号のうちの少なくとも一つに基づくビット列を保存するバッファと、
前記バッファ内に保存された前記ビット列に基づく直列配列を受信する排他的OR関数であって、該排他的OR関数は、異なる配列の前記直列配列を排他的ORすることによって、符号語を生成し、前記符号語を、複数の副搬送波インデックスのうちの各副搬送波インデックスと乗算することによって、複数の符号語を生成することと
を具備することを特徴とする請求項20に記載の通信装置。
【請求項22】
前記複数の位相シフタのうちの各位相シフタは、
前記複数の符号のうちの各符号について、sinα及びcosαを生成する正弦余弦関数発生器であって、αは前記複数の符号語のうちの符号語から得られることと、
前記正弦余弦関数発生器に連結された直交暗号器であって、該直交暗号器は、前記複数の暗号化符号のうちの各暗号化符号について、該符号に関して生成されたsinα及びcosαに基づいて前記暗号化符号の位相をシフトすることによって、暗号解読符号を生成することと
を具備することを特徴とする請求項20に記載の通信装置。
【請求項23】
通信装置であって、該装置は、
無線リンクを介して変調搬送波を受信する受信機部分であって、該受信機部分は、前記変調搬送波をダウンコンバートすることによってダウンコンバート信号を生成することと、
前記受信機部分に連結された信号処理ユニットと
を具備し、該信号処理ユニットは
前記ダウンコンバート信号を受信する直交復調器であって、該直交復調器は前記ダウンコンバート信号を復調することによって、暗号化符合のストリームを生成することと、
暗号化符号の前記ストリームを受信する位相シフタであって、該位相シフタは、位相シフトを暗号化符号の前記ストリームのうちの各符号に適用することによって、複数の暗号解読符号を生成することと
を具備する通信装置。
【請求項24】
前記変調搬送波は、ユーザ・データに関連する暗号化符号及びパイロット・データに関連する非暗号化符号を具備し、
前記直交復調器は、前記ダウンコンバート信号を復調することによって、複数の暗号化符号及び複数の非暗号化符号を生成し、
前記位相シフタは、前記複数の暗号化符号のうちの各暗号化符号に位相シフトを適用することによって、複数の暗号解読符号を生成することを特徴とする請求項23に記載の通信装置。
【請求項25】
前記直交変調器は、
前記ダウンコンバート信号を複数のタイム・ドメイン副搬送波に割り当てる直列/並列変換器と、
前記複数のタイム・ドメイン副搬送波のうちの各タイム・ドメイン副搬送波を周波数ドメイン副搬送波に変換することによって、複数の暗号化符号を生成する逆変成器であって、前記複数の暗号化符号は並列型であることと、
前記複数の暗号化符号を並列型から直列型に変換することによって、暗号化符号のストリームを生成する並列/直列変換器と
を具備することを特徴とする請求項23に記載の通信装置。
【請求項26】
前記通信装置は更に、前記位相シフタに連結される符号語発生器を具備し、該符号語発生器は、セッション鍵及び携帯電話シリアル番号のうちの少なくとも一つに基づく複数の符号語を生成し、
前記位相シフタは、前記複数の符号語のうちの符号語に基づいて前記複数の暗号化符号の各暗号化符号の位相をシフトすることによって、暗号解読符号の前記ストリームを生成することを特徴とする請求項23に記載の通信装置。
【請求項27】
前記符号語発生器は、
前記セッション鍵及び前記携帯電話シリアル番号のうちの少なくとも一つに基づくビット列を保存するバッファと、
前記バッファ内に保存された前記ビット列に基づく直列配列を受信する排他的OR関数であって、該排他的OR関数は、異なる配列の前記直列配列を排他的ORすることによって符号語を生成することと、
前記符号語を複数の副搬送波インデックスのうちの各副搬送波インデックスと乗算することによって、複数の符号語を生成する乗算器と
を具備することを特徴とする請求項26に記載の通信装置。
【請求項28】
前記位相シフタは、
前記複数の符号のうちの各符号について、sinα及びcosαを生成する正弦余弦関数発生器であって、αは前記複数の符号語のうちの符号語から得られることと、
前記正弦余弦関数発生器に連結された直交暗号器であって、該直交暗号器は、前記複数の暗号化符号のうちの各暗号化符号について、該符号に関して生成されたsinα及びcosαに基づいて前記符号の位相をシフトすることによって、暗号解読符号を生成することと
を具備することを特徴とする請求項26に記載の通信装置。
【請求項29】
通信装置であって、該装置は、
無線リンクを介して変調搬送波を受信する受信機部分であって、該受信機部分は、前記変調搬送波をダウンコンバートすることによってダウンコンバート信号を生成することと、
前記受信機部分に連結された信号処理ユニットであって、前記信号処理ユニットは、前記ダウンコンバート信号を受信する直交変調器を備えることと
を具備し、該直交変調器は、
前記ダウンコンバート信号を複数のタイム・ドメイン副搬送波に割り当てる直列/並列変換器と、
前記複数のタイム・ドメイン副搬送波のうちの各タイム・ドメイン副搬送波を周波数ドメイン副搬送波に変換することによって、複数の暗号化符号を生成する逆変成器であって、前記複数の暗号化符号は並列型であることと、
複数の暗号解読符号を生成する位相シフタ・モジュールであって、前記位相シフタ・モジュールは複数の位相シフタを具備し、前記複数の位相シフタのうちの各位相シフタは、前記複数の暗号化符号のうちの暗号化符号を受信し、前記暗号化符号の位相をシフトすることによって暗号解読符号を生成することと、
前記複数の暗号解読符号を並列型から直列型に変換することによって、暗号解読符号のストリームを生成することと
を具備する通信装置。
【請求項30】
前記変調搬送波は、ユーザ・データに関連する複数の暗号化符号及びパイロット・データに関連する複数の非暗号化符号を具備し、
前記直列/並列変換器は、前記ダウンコンバート信号を複数のタイム・ドメイン副搬送波に割り当て、前記複数のタイム・ドメイン副搬送波のうちの一つ以上のタイム・ドメイン副搬送波はユーザ・データに関連し、前記複数のタイム・ドメイン副搬送波のうちの一つ以上のタイム・ドメイン副搬送波はパイロット・データに関連し、
前記逆変成器は、ユーザ・データに関連した各タイム・ドメイン副搬送波を周波数ドメイン副搬送波に変換することによって、複数の暗号化符号を生成し、パイロット・データに関連した各タイム・ドメイン副搬送波を周波数ドメイン副搬送波に変換することによって、複数の非暗号化符号を生成し、前記複数の暗号化符号及び前記複数の非暗号化符号は並列型であり、
前記位相シフタ・モジュールは、前記複数の暗号化符号から複数の暗号解読符号を生成し、
前記並列/直列変換器は、前記複数の暗号解読符号及び前記複数の非暗号化符号を、並列型から直列型に変換することを特徴とする請求項29に記載の通信装置。
【請求項31】
前記通信装置は更に、前記位相シフタ・モジュールに連結される符号語発生器を具備し、該符号語発生器は、セッション鍵及び携帯電話シリアル番号のうちの少なくとも一つに基づく複数の符号語を生成し、
前記複数の位相シフタのうちの各位相シフタは、前記複数の符号語のうちの符号語に基づいて暗号化符号の位相をシフトすることによって、暗号解読符号を生成することを特徴とする請求項29に記載の通信装置。
【請求項32】
前記符号語発生器は、
前記セッション鍵及び前記携帯電話シリアル番号のうちの少なくとも一つに基づくビット列を保存するバッファと、
前記バッファ内に保存された前記ビット列に基づく直列配列を受信する排他的OR関数であって、該排他的OR関数は、異なる配列の前記直列配列を排他的ORすることによって、符号語を生成することと、
前記符号語を複数の副搬送波インデックスのうちの各副搬送波インデックスと乗算することによって、前記複数の符号語を生成する乗算器と
を具備することを特徴とする請求項31に記載の通信装置。
【請求項33】
前記複数の位相シフタのうちの各位相シフタは、
前記複数の暗号化符号のうちの各暗号化符号について、sinα及びcosαを生成する正弦余弦関数発生器であって、αは前記複数の符号語のうちの符号語から得られることと、
前記正弦余弦関数発生器に連結された直交暗号器であって、該直交暗号器は、前記複数の暗号化符号のうちの各暗号化符号について、該符号に関して生成されたsinα及びcosαに基づいて前記符号の位相をシフトすることによって暗号解読符号を生成することと
を具備することを特徴とする請求項31に記載の通信装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公表番号】特表2008−515281(P2008−515281A)
【公表日】平成20年5月8日(2008.5.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−533530(P2007−533530)
【出願日】平成17年9月12日(2005.9.12)
【国際出願番号】PCT/US2005/032541
【国際公開番号】WO2006/036533
【国際公開日】平成18年4月6日(2006.4.6)
【出願人】(390009597)モトローラ・インコーポレイテッド (649)
【氏名又は名称原語表記】MOTOROLA INCORPORATED
【Fターム(参考)】