説明

無線通信システムにおける協調多機能通信のための方法および装置

記載された装置および方法は、少なくとも1つの遠隔アクセス端末の機能を判定し、この機能に基づいて、少なくとも1つのタスクを、少なくとも1つの遠隔アクセス端末へ委任する、ように構成されたコントローラを含みうる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、一般に、無線通信システムに関する。さらに詳しくは、本開示は、無線通信システムにおける協調多機能通信のための方法および装置に関する。
【背景技術】
【0002】
無線通信システムは、例えば音声、ビデオ、パケット・データ、メッセージング、ブロードキャスト等のようなさまざまな通信サービスを提供するために広く開発された。これらのシステムは、(例えば、帯域幅、時間スロット、符号、および送信電力等のような)利用可能なシステム・リソースを共有することにより、複数のユーザとの通信をサポートすることができる多元接続システムでありうる。このような多元接続システムの例は、符号分割多元接続(CDMA)システム、時分割多元接続(TDMA)システム、周波数分割多元接続(FDMA)システム、3GPPロング・ターム・イボリューション(LTE)システム、直交周波数分割多元接続(OFDMA)システム、シングル・キャリアFDMA(SC−FDMA)システム、および、例えば、米国NAVSTARグローバル・ポジショニング・システム(GPS)、ロシアGLONASSシステム、および欧州共同体ガリレオ・ポジショニング・システムのようなグローバル・ナビゲーション衛星システム(GNSS)を含んでいる。
【0003】
モバイル・デバイスは、例えば、広域ネットワーク・ラジオ(WAN)、ローカル・エリア・ラジオ(LAN)、およびパーソナル・エリア・ラジオ(PAN)のような複数のラジオを有しうる。モバイル・デバイスは、通信システムのうちの複数内で、システム特有の動作のパフォーマンスおよび通信が可能でありうる。例えば、2つのモバイル・デバイスが、Bluetooth(登録商標)によってパーソナル・エリア・ネットワーク(PAN)内で互いにデータ転送動作を開始することができ、また、GNSSによってそれぞれの地理的座標を決定することができる。2つのモバイル・デバイスは、もしも協調できないのであれば、地理的座標を決定するために、おのおのがGNSS信号を受信して処理することになるであろう。このような余分な処理は、不必要に電力を消費することになる。したがって、当該技術分野では、余分な処理を低減してバッテリ寿命を延ばすことができるような、協調多機能通信のための方法および装置に対するニーズがある。
【発明の概要】
【0004】
以下は、1または複数の態様の基本的な理解を与えるために、このような態様の簡略化された概要を示す。この概要は、考えられるすべての態様の広範囲な概観ではなく、すべての態様の重要要素や決定的要素を特定することも、何れかまたは全ての態様のスコープを線引きすることも意図されていない。その唯一の目的は、後に示されるより詳細な記載に対する前置きとして、簡略化された形式で1または複数の態様のいくつかの概念を表すことである。
【0005】
本開示の態様によれば、無線通信装置は、少なくとも1つの遠隔アクセス端末の機能を判定し、この機能に基づいて、少なくとも1つの遠隔アクセス端末に少なくとも1つのタスクを委任する、ように構成されたコントローラを含みうる。
【0006】
本開示の別の態様によれば、少なくとも1つの遠隔アクセス端末の機能を判定することと、この機能に基づいて、少なくとも1つの遠隔アクセス端末に少なくとも1つのタスクを委任することと、を含む、無線通信のための方法。
【0007】
本開示のさらなる態様によれば、装置は、少なくとも1つの遠隔アクセス端末の機能を判定する手段と、この機能に基づいて、少なくとも1つの遠隔アクセス端末に少なくとも1つのタスクを委任する手段と、を含みうる。
【0008】
本開示のさらなる態様によれば、コンピュータ・プログラム製品は、少なくとも1つの遠隔アクセス端末の機能を判定するためのコードと、この機能に基づいて、少なくとも1つの遠隔アクセス端末に少なくとも1つのタスクを委任するためのコードと、を含むコンピュータ読取可能な媒体を含みうる。
【0009】
前述した目的および関連する目的を達成するために、1または複数の実施形態は、後に十分に記載され、特許請求の範囲において特に指摘されている特徴を備える。以下の記載および添付図面は、1または複数の態様のある例示的な特徴を詳細に記載する。しかしながら、これらの特徴は、さまざまな態様の原理が適用されるさまざまな方式のうちの極く一部しか示しておらず、本説明は、このような態様およびこれらの均等物の全てを含むことが意図されている。
【図面の簡単な説明】
【0010】
開示された態様は、以下において、同一符号が同一要素を示す添付図面と連携して説明され、開示された態様を、限定することなく、例示するために提供される。
【図1】図1は、協調多機能通信が可能な無線通信システムの態様を例示する。
【図2】図2は、無線通信システムにおける協調多機能通信が可能なアクセス端末の例を例示する。
【図3】図3は、通信システムにおける協調を制御する処理の例を図示するフロー・チャートである。
【図4】図4は、通信システムにおける協調を制御するシステムの例を例示する。
【発明を実施するための形態】
【0011】
さまざまな態様が、図面を参照して記載される。以下の記載では、説明の目的のために、1または複数の態様の完全な理解を提供するために、多くの具体的な詳細が述べられる。しかしながら、このような態様は、これら具体的な詳細無しで実現されうることが明確である。
【0012】
本願で使用されるように、用語「構成要素」、「モジュール」、「システム」、「装置」等は、ハードウェア、ファームウェア、ハードウェアとソフトウェアとの組み合わせ、ソフトウェア、あるいは実行中のソフトウェアのうちの何れかであるコンピュータ関連エンティティを含むことが意図されている。例えば、構成要素は、限定される訳ではないが、プロセッサ上で実行中のプロセス、プロセッサ、オブジェクト、実行形式、実行スレッド、プログラム、および/またはコンピュータでありうる。例示によれば、コンピューティング・デバイス上で実行中のアプリケーションと、コンピューティング・デバイスとの両方が構成要素となりうる。1または複数の構成要素は、プロセスおよび/または実行スレッド内に存在し、構成要素は、1つのコンピュータに局在化されるか、および/または、2つ以上のコンピュータに分散されうる。さらに、これらの構成要素は、さまざまなデータ構造を格納したさまざまなコンピュータ読取可能な媒体から実行可能である。これら構成要素は、例えば、信号によってローカル・システムや分散システム内の他の構成要素とインタラクトする1つの構成要素からのデータ、および/または、他のシステムを備えた例えばインターネットのようなネットワークを介して他の構成要素とインタラクトする1つの構成要素からのデータのような1または複数のデータのパケットを有する信号にしたがって、ローカル処理および/またはリモート処理によって通信することができる。
【0013】
さらに、本明細書では、さまざまな態様が、有線端末または無線端末でありうる端末と関連して開示される。端末は、システム、デバイス、加入者ユニット、加入者局、移動局、モバイル、モバイル・デバイス、遠隔局、遠隔端末、アクセス端末、ホスト端末、ユーザ端末、通信デバイス、ユーザ・エージェント、ユーザ・デバイス、またはユーザ機器(UE)とも称されうる。アクセス端末、遠隔アクセス端末、ホスト端末、無線通信装置、または装置とも称される無線端末は、セルラ電話、衛星電話、コードレス電話、セッション開始プロトコル(SIP)電話、無線ローカル・ループ(WLL)局、携帯情報端末(PDA)、無線接続機能を有するハンドヘルド・デバイス、コンピューティング・デバイス、あるいは、無線モデムに接続されたその他の処理デバイスでありうる。さらに、本明細書では、さまざまな態様が、基地局に関して記載される。基地局は、無線端末(単数または複数)との通信のために利用され、アクセス・ポイント、ノードB、イボルブド・ノードB(eNB)、あるいはその他いくつかの用語で称されうる。アクセス・サーバは、統合無線トランシーバまたは周辺無線トランシーバによって無線端末(単数または複数)と通信するため、および、インターネットまたはその他のネットワークへのアクセスを提供するため、に利用されうる。
【0014】
さらに、用語「または」は、排他的な「または」ではなく、包括的な「または」を意味することが意図されている。すなわち、別に示されていない場合、あるいは、文脈から明らかではない場合、「XはAまたはBを適用する」という句は、自然な包括的な置き換えのうちの何れかを意味することが意図されている。すなわち、「XはAまたはBを使用する。」という句は、以下の例のうちの何れによっても満足される。XはAを使用する。XはBを使用する、あるいは、XはAとBとの両方を使用する。さらに、本願および特許請求の範囲で使用されているような冠詞“a”および“an”は、特に指定されていない場合、あるいは、単数を対象としていることが文脈から明らかではない場合、一般に、「1または複数」を意味するものと解釈されるべきである。
【0015】
本明細書に記載された技術は、例えばCDMA、TDMA、FDMA、OFDMA、SC−FDMA、およびその他のシステムのようなさまざまな無線通信システムのために使用される。「システム」、「ネットワーク」という用語はしばしば置換可能に使用される。CDMAネットワークは、例えば、ユニバーサル地上ラジオ・アクセス(UTRA)、cdma2000等のようなラジオ技術を実現することができる。UTRAは、広帯域CDMA(W−CDMA)およびCDMAのその他の変形を含んでいる。cdma2000は、IS−2000規格、IS−95規格、およびIS−856規格をカバーする。TDMAシステムは、例えばグローバル移動体通信システム(GSM(登録商標))のような無線技術を実現することができる。OFDMAシステムは、例えばイボルブドUTRA(E−UTRA)、ウルトラ・モバイル・ブロードバンド(UMB)、IEEE 802.11(Wi−Fi)、IEEE 802.16(WiMAX)、IEEE 802.20、フラッシュ−OFDM(登録商標)等のような無線技術を実現することができる。UTRAおよびE−UTRAは、ユニバーサル・モバイル・テレコミュニケーション・システム(UMTS)の一部である。3GPPロング・ターム・イボリューション(LTE)は、ダウンリンクではOFDMAを適用し、アップリンクではSC−FDMAを適用するE−UTRAを用いるUMTSのリリースである。UTRA、E−UTRA、UMTS、LTE、およびGSMは、「第3世代パートナシップ計画プロジェクト」(3GPP)と命名された組織からの文書に記述されている。さらに、cdma2000およびUMBは、「第3世代パートナシップ計画プロジェクト2」(3GPP2)と命名された組織からの文書に記述されている。さらに、このような無線通信システムは、しばしばアンペア(unpaired)な無許可のスペクトルを用いるピア・トゥ・ピア(例えば、モバイル・トゥ・モバイル)アド・ホック・ネットワーク・システム、802xx無線LAN、Bluetooth(登録商標)、超広帯域(UWB)、ZigBee(登録商標)、および、その他任意の短距離または長距離の無線通信技術を含みうる。
【0016】
さまざまな態様または特徴が、多くのデバイス、構成要素、モジュールなどを含むシステムの観点から示されるだろう。さまざまなシステムが、追加のデバイス、構成要素、モジュール等を含むことができるか、および/または、図面に関連して説明されたデバイス、構成要素、モジュール等の必ずしも全てを含んでいる訳ではないことが理解され、認識されるべきである。これらアプローチの組み合わせもまた使用されうる。
【0017】
さらに、主題とする記載では、「典型的」という用語は、例、事例、または例示として役立つことを意味するために使用される。本明細書で「典型的」と記載された任意の態様または設計は、必ずしも、他の態様または設計に対して好適であるとも、有利であるとも解釈される必要はない。むしろ、典型的という用語を用いることは、概念を具体的に表すことが意図されている。
【0018】
図1は、無線通信システム100を示す。システム100は、アクセス端末102、ホスト端末104、基地局106、衛星108、およびアクセス・サーバ110を含みうる。さまざまな実施によれば、ホスト端末104は、例えば、移動電話、セルラ電話、ラップトップ・コンピュータ、携帯情報端末デバイス、および/または、通信機能を備えたその他任意のデバイスのような他のアクセス端末でありうる。いくつかのアプリケーションでは、ホスト端末104の機能および/または動作は、ここで説明するように動作するように構成された複数のプロトコル(例えば、LTE、WiFi、Bluetooth、UWB)による通信のためのトランシーバを含むアクセス・ポイント(例えば、基地局、ノードB、フェムト・セル、ピコ・セル等)に統合されうる。
【0019】
図1は、1つのアクセス端末102、1つのホスト端末104、1つの基地局106、1つの衛星108、および1つのアクセス・サーバ110しか示していないが、通信システム100は、任意の数のアクセス端末、ホスト端末、基地局、衛星、およびアクセス・サーバを含みうる。
【0020】
アクセス端末102およびホスト端末104はおのおの、異なる電力で異なる範囲で信号を受信および送信するため、(図示しない)複数の通信トランシーバを含みうる。例えば、アクセス端末102およびホスト端末104はおのおの、広域ネットワーク(WAN)、無線ローカル・エリア・ネットワーク(LAN)、およびパーソナル・エリア・ネットワーク(PAN)内での通信のため、複数のトランシーバを含みうる。アクセス端末102およびホスト端末104はさらに、GNSS受信機を含みうる。GNSS受信機は、軌道通信規格に準拠した任意の受信機でありうる。そして、例えば軌道衛星からのような極めて遠くからの信号を受信するように構成されうる。WANトランシーバは、地域、国、および/または地球規模の通信規格(例えばCDMA、LTE等)に準拠した任意のトランシーバでありうる。そして、地域、国、および/または、地球規模の領域におよぶ距離で基地局との間で信号を送信および受信するように構成されうる。LANトランシーバは、中間範囲通信(例えば、802.11g、802.11n等)を容易にする任意の規格に準拠した任意のトランシーバでありうる。そして、オフィス・ビル内の、例えばアクセス・サーバのようなデバイスとの間で、中間距離で信号を送信および受信するように構成されうる。PANトランシーバは、短距離の低電力通信(例えば、UWB、Bluetooth、ZigBee等)を容易にする任意の規格に準拠した任意のトランシーバでありうる。そして、例えば、互いに近くに配置されたデバイスと、短距離で信号を送信および受信するように構成されうる。トランシーバ間の1つの相違は、PANトランシーバが、より長距離のトランシーバよりも、少ない電力しか消費しないことである。したがって、GNSSトランシーバ、WANトランシーバ、およびLANトランシーバは、高電力トランシーバとも称され、PNAトランシーバは、低電力トランシーバとも称されうる。「高電力」および「低電力」という用語は、相対的な用語であり、特定レベルの電力消費量を意味しないことが明らかであるべきである。すなわち、低電力トランシーバは単に、高電力トランシーバよりも少ない電力を消費する。
【0021】
通信システム100における要素のすべては、さまざまな要素間の通信を容易にする異なるネットワークを構成しうる。例えば、基地局106、アクセス端末102、ホスト端末104は、WANの一部を構成しうる。ここで、これら端末102、104は、WANトランシーバを用いて、基地局106と通信する。アクセス端末102およびホスト端末104はまた、GNSSネットワークの一部として衛星108から、それぞれのGNSS受信機を介して、位置決め信号を受信するように構成されうる。アクセス端末102、アクセス端末104、およびアクセス・サーバ110は、LAN内で互いに、それぞれのLANトランシーバを介して通信しうる。また、これら端末102、104は、それぞれのPANトランシーバを介して、PAN内で互いに通信しうる。
【0022】
アクセス端末102が、シナリオに基づいてGNSSトランシーバ、WANトランシーバ、および/または、LANトランシーバを停止している間、アクセス端末102の代わりにさまざまな機能を実行するプロキシ・ホスト端末として、例えばホスト端末104のような1または複数のアクセス端末を用いることにより省電力を改善するようにアクセス端末102が構成されうる。
【0023】
アクセス端末102は、さまざまなトランシーバによって探索することによって、ローカル・ホスト端末104を位置決め(例えば、発見)しうる。いくつかの実施では、アクセス端末102のPANトランシーバが、ホスト端末を探索するために使用されうる。なぜなら、高電力トランシーバが「オフ」された場合に、信号を受信するために使用されるのが、PANトランシーバであるからである。このような探索を実行する際、アクセス端末102は、類似のトランシーバを有する、潜在的なホスト端末の識別を試みうる。というのも、ホスト端末は、高電力トランシーバによって信号を受信し、これら信号を、意図されているアクセス端末へ、低電力トランシーバによって転送することができるからである。
【0024】
ホスト端末を発見している間、アクセス端末102は、(例えば、GNSSナビゲーション、ネットワーク探索および獲得、基地局信号モニタリング、パターン識別および/または分類、感知等のような)それぞれの機能に関する情報をアクセス端末102に提供するようにホスト端末をトリガする機能問い合わせを実行しうる。
【0025】
アクセス端末102は、利用可能なホスト端末とこれらそれぞれの機能とを判定すると、プロキシとしてサービス提供するように利用可能なホスト端末のうちの1または複数とネゴシエートしうる。例えば、アクセス端末102は、利用可能などのホスト端末が、アクセス端末102に比べて電力消費に対して感度が低いか、どのホスト端末が、アクセス端末102の代わりに1または複数の特定のタスクを実行することができるか、および/または、どのホスト端末が、アクセス端末の短距離トランシーバにおいて測定または感知されたものとして、最良または最強の短距離リンクを有しているか、に基づいて、「プロキシ」としてサービス提供する1つのホスト端末を選択しうる。
【0026】
プロキシ・ホスト端末が識別され、選択されると、アクセス端末102とホスト端末104との両方の低電力トランシーバによる通信リンクが確立すなわちセットアップされうる。例えば、低電力トランシーバが、Bluetoothに準拠している場合、ホスト端末104は、ホップ・シーケンスまたは周波数ホップ・シーケンスと呼ばれる準ランダム・シーケンスにしたがって動作するように構成されうる。これによって、ホスト端末104とアクセス端末106とは、それぞれの低電力トランシーバによって互いに通信しうる。通信リンクのセットアップ中、またはセットアップ前に、アクセス端末102は、ホスト端末104との安全な関係を確立しうる。アクセス端末102は、安全な関係を確立することによって、アクセス端末102の代わりにさまざまな機能を実行するプロキシとして動作する、選択されたホスト端末104を信頼しうる。
【0027】
アクセス端末102は、その後、アクセス端末102の代わりに実行されるべき多くのタスクを、ホスト端末104のうちの1または複数へ委任しうる。アクセス端末102は、委任されたタスクのパフォーマンスを高めるために、自己のパラメータを、選択されたホスト端末104へ提供しうる。選択されたホスト端末104とアクセス端末102との両方が、同じ基地局106を傍受している場合における実施では、両端末のクロックが、既に、同じ基地局106を傍受することによって、同期化されていることがありうる。別の実施では、アクセス端末102は代わりに、さまざまなチャネル(例えば、ページング・チャネル)のためのクロック情報を提供し、これによって、ホスト端末は、自己のクロックをクロック情報に同期化しうる。
【0028】
アクセス端末102は、タスクが委任されると、高電力トランシーバのすべてまたは一部の電源を落とし(すなわち、電源を「オフ」し)、ホスト端末104からの送信を受信するために低電力トランシーバを起動しうる。高電力トランシーバは、低電力トランシーバよりも多くの電力を消費するので、高電力トランシーバをオフし、ホスト端末104からの送信を受信するために、低電力トランシーバを用いることによって、アクセス端末102における省電力を容易にする。
【0029】
その後、ホスト端末104は、アクセス端末102によって委任されたタスクを実行しうる。一例において、ホスト端末104は、アクセス端末102の代わりにページング・メッセージを傍受または受信するために、高電力トランシーバを使用しうる。ホスト端末104が、アクセス端末102へ向けられたページング・メッセージを検出すると、ホスト端末104は、ページング・メッセージを、低電力トランシーバによってアクセス端末102へ転送しうる。転送されたページング・メッセージは、ページング・メッセージに応答するのに十分な、限定される訳ではないがトラフィック・チャネルおよびセクタを含む、オリジナルのページング・コンテンツのうちの少なくとも一部を含みうる。アクセス端末102は、ページング・メッセージのコンテンツのうちのいくつかまたはすべてを受信すると、高電力トランシーバを「オン」し、高電力トランシーバ(すなわち、WANトランシーバ)によってページング応答メッセージを送信し、基地局106に対してダイレクトに応答しうる。
【0030】
別の例では、ホスト端末104は、インスタント・メッセージング(IM)システムから「存在情報」を傍受または受信するために、高電力トランシーバを利用しうる。IMシステムは、タイプされたテキストに基づいて、複数の人の間でのリアル・タイム通信の形態である。テキストは、ネットワーク上に接続された端末を経由して伝送されうる。このシステムによって、ユーザは、互いに記名し、ユーザによって設定されたような互いの状況(例えば、対応可能、忙しい、不在、オフライン、移動中等)の変化を通知され、ユーザが互いにショート・インスタント・メッセージを送信することを考慮される。ほとんどのサービスは、「存在情報」機能を提供し、ユーザの状況と、ユーザ・コンタクト・リスト上の人が現在オンラインであり、通信することができるか否かを示す。このサービスを調べることによって、ユーザは、メッセージが受取人に到着するであるかを予測するための良好な機会を有する。インスタント・メッセージング存在更新の場合、アクセス端末102は、「存在情報」における何れかの変化を用いてアクセス端末を更新するタスクを、ホスト端末104に委任しうる。
【0031】
ホスト端末104が「存在情報」の変化を検出した場合、ホスト端末104は、更新された「存在情報」を、低電力トランシーバによって、アクセス端末102へ転送しうる。転送された「存在情報」は、別のユーザの変更された通信状況(例えば、対応可能、忙しい、不在、オフライン、移動中等)を、アクセス端末102のユーザへ示しうる。ホスト端末104は、アクセス端末102のためのユーザ状況に関する「存在情報」更新版を送信することに加えて、ホスト端末104のためのユーザ状況に関する「存在情報」更新版をも、アクセス端末102に送信しうる。アクセス端末102はまた、自己の対応可能状況を示す自己の「存在情報」更新版を、低電力送信機によってホスト端末104へ送信しうる。これによって、ホスト端末104は、アクセス端末102の代わりに、対応可能状況をアクセス・サーバ110または基地局106へ通知しうる。
【0032】
別の例において、アクセス端末102は、ネットワーク探索要求またはサービス発見要求を、低電力トランシーバによってホスト端末104へ送信することによって、ホスト端末104に対して、利用可能なネットワークを求める探索と、その他の利用可能なサービスの発見とを促しうる。ホスト端末104は、その後、利用可能な任意の通信ネットワークまたはサービスを求めて、それぞれの高電力トランシーバによって探索または発見を実行し、発見したもののリストを、低電力トランシーバによってアクセス端末102へ送信しうる。アクセス端末102は、利用可能なネットワークおよび/またはサービス・リストを受信すると、ユーザに対して、利用可能なネットワークおよび/またはサービスを示すか、または、利用可能なネットワークまたはサービスのうちの何れかに自動的に接続しうる。ホスト端末104はまた、代わりのネットワークおよびサービスの定期的な探索および発見を行い、検出されたネットワークおよびサービスの更新されたリストを、アクセス端末102に提供しうる。ホスト端末104はまた、既存のサービスに対する最新版を発見し、この最新版を、アクセス端末102に通知しうる。
【0033】
別の例において、ユーザは、ユーザの地理的座標を決定するために、アクセス端末102においてGPSアプリケーションを起動しうる。アクセス端末102は、その後、座標を求めるアプリケーションの要求を、低電力トランシーバによってホスト端末104へ中継しうる。ホスト端末104はその後、衛星からの信号を高電力GNSS受信機によって受信し、衛星から受信したGNSS信号を処理し、GPSアプリケーションによる処理および表示のために、地理的座標を、低電力送信機によってアクセス端末102へ送信しうる。ホスト端末104は、地理的座標を用いてアクセス端末102を定期的に更新するように構成されうるか、あるいは、座標が変わった場合に、または、アクセス端末102によって促された場合に、最新版を送信することのみ行うように構成されうる。
【0034】
別の例において、アクセス端末102は、画像センサ(例えば、デジタル・カメラ)を含めるように構成されうる。ユーザは、画像センサを用いてデジタル画像を撮影し、画像データを処理するためのアプリケーションを起動しうる(例えば、パターン認識、識別等を実行しうる)。ホスト端末104が、アプリケーションによって要求される処理を実行することができる場合、アクセス端末102は、このデジタル画像データを、低電力トランシーバによってホスト端末104へ中継し、これによって、ホスト端末104は、アクセス端末102の代わりにこの処理を実行できるようになる。ホスト端末104は、この処理を完了すると、処理されたデータを、低電力トランシーバによってアクセス端末102へ送信しうる。
【0035】
また別の例では、アクセス端末102は、遠隔センサ(例えば、音響、光学、化学等)としてホスト端末104を利用しうる。ホスト端末104は、連続的に感知を行い、ホスト端末104のセンサをトリガするイベント時に、アクセス端末102に対して警告するように構成されうる。この警告は、低電力トランシーバによって送信されうる。
【0036】
このように、アクセス端末102は、高電力トランシーバの使用を必要とする任意のタスク、または、ホスト端末104へのデータ処理の負荷を取り除くことによって、省電力を改善しうる。
【0037】
また別の特徴では、ホスト端末104は、バッテリ駆動される端末であるが、長寿命のバッテリ寿命または外部電源を有する。例えば、アクセス端末102が、バッテリ駆動であるが、内部電源が所望のしきい値未満である場合、アクセス端末102は、アクセス端末102のプロキシとして動作するホスト端末(アクセス端末102よりも長いバッテリ寿命を持つ)を、無線送信範囲内で探索しうる。ホスト端末104がアクセス端末102のためのプロキシとして動作する場合、アクセス端末102は、高電力トランシーバの電源を落とす。そして、ホスト端末の低電力インタフェースによって任意のページング・メッセージを受信するために、または、アクセス端末102の代わりに、ホスト端末104によって実行されるべきタスク要求を送信するために、低電力トランシーバの電源を投入する。
【0038】
さらに別の特徴によれば、アクセス端末102は、プロキシとして動作するホスト端末104が範囲内にいまだに存在しているかを判定するために、ピング(ping)を低電力トランシーバによってホスト端末104へ定期的に送信しうる。ピングに対するホスト端末104からの応答が無く、指定された時間が経過した場合、アクセス端末102は、高電力トランシーバに電源を投入し、通常の動作モードに切り替わる。ここでは、プロキシは存在しない。なぜなら、ホスト端末104はもはやプロキシとしては動作しないからである。別のホスト端末が、送信範囲内で検出された場合、アクセス端末102は、この新たなホスト端末を関連付け、この新たなホスト端末にタスクを委任し、高電力トランシーバの電源を落としうる。そして、新たなホスト端末からの通知を受信するために、低電力トランシーバを起動しうる。
【0039】
図2は、無線通信システムにおいて、協調多機能通信が可能なアクセス端末の例示である。アクセス端末200は、図1に示されるアクセス端末102に対応しうる。図2に示すように、アクセス端末200は、例えば(図示しない)1または複数の受信アンテナからの複数の信号を受信し、これら受信した信号に対して一般的な動作(例えば、フィルタ、増幅、ダウンコンバート等)を実行し、これら調整された信号をデジタル化して、サンプルを取得する受信機202を含みうる。受信機202は、例えばGNSS、WAN、LANおよびPANのようなさまざまなネットワーク内で通信できるように構成されうる。受信機202は、図示するように、単一の受信機でありうるか、または、個別の各通信プロトコルのための複数の受信機を含みうる。受信機202は、各信号から受信したシンボルの復調と、これらシンボルのプロセッサ206への提供とを行う複数の復調器204をも含みうる。プロセッサ206は、受信機202によって受信された情報を分析すること、および/または、送信機216による送信のための情報を生成することに特化されたプロセッサ、アクセス端末200の1または複数の構成要素を制御するプロセッサ、および/または、受信機202によって受信された情報を分析することと、送信機216による送信のための情報を生成することと、アクセス端末200のうちの1または複数の構成要素を制御することとのすべて行うプロセッサでありうる。
【0040】
アクセス端末200はさらに、プロセッサ206に動作可能に接続されたメモリ208を備えうる。このメモリ208は、送信されるデータ、受信されたデータ、利用可能なチャネルに関連する情報、分析された信号および/または干渉の強度に関連付けられたデータ、割り当てられたチャネル、電力、レート等に関連する情報、および、チャネルの推定およびチャネルを介した通信のためのその他任意の適切な情報を格納しうる。メモリ208はさらに、(例えば、パフォーマンス・ベース、キャパシティ・ベース等での)チャネルの推定および/または利用に関連付けられたアルゴリズムおよび/またはプロトコルを格納しうる。
【0041】
本明細書に記載されたデータ・ストア(例えば、メモリ208)は、揮発性メモリであるか、あるいは不揮発性メモリである。あるいは、揮発性メモリと不揮発性メモリとの両方を含みうることが認識されるだろう。限定ではなく例示によって、不揮発性メモリは、読取専用メモリ(ROM)、プログラマブルROM(PROM)、電子的プログラマブルROM(EPROM)、電子的消去可能PROM(EEPROM)、あるいはフラッシュ・メモリを含みうる。揮発性メモリは、外部キャッシュ・メモリとして動作するランダム・アクセス・メモリ(RAM)を含みうる。限定ではなく例示によって、RAMは、例えばシンクロナスRAM(SRAM)、ダイナミックRAM(DRAM)、シンクロナスDRAM(SDRAM)、ダブル・データ・レートSDRAM(DDR SDRAM)、エンハンストSDRAM(ESDRAM)、シンクリンクDRAM(SLDRAM)、およびダイレクト・ラムバスRAM(DRRAM(登録商標))のような多くの形態で利用可能である。主題となるシステムおよび方法のメモリ708は、限定される訳ではないが、これらおよびその他任意の適切なタイプのメモリを備えることが意図される。
【0042】
受信機202はさらに、コントローラ210に動作可能に接続されうる。
【0043】
コントローラ210は、プロキシ・デバイスの発見を開始し、発見されたプロキシ・デバイスを用いて機能情報を交換し、プロキシ・デバイス機能、および/または、アクセス端末200の電力感度にしたがって、タスクを委任しうる。コントローラ210はさらに、プロキシ・デバイス機能や電力感度の獲得およびメモリ208への格納を制御し、図1を参照して説明するように、プロセッサ206を介して送信機214とインタフェースすることによって、他のネットワークにおけるサーバ、基地局、衛星、およびデバイスとの通信を指示しうる。送信機214は、例えばGNSS、WAN、LANおよびPANのようなさまざまなネットワーク内で通信するように構成されうる。図示するように、送信機214は、単一の送信機であるか、または、個別の各通信プロトコルのための複数の送信機を含みうる。
【0044】
さらに、送信機214および受信機202は、個別の構成要素として示されているが、例えばトランシーバのような単一の構成要素へ統合されうる。トランシーバは、受信機202および送信機214の機能のすべてを保持しうる。これゆえ、例えばGNSS、WAN、LAN、およびPANのようなさまざまなネットワーク内で信号を送信および受信するように構成されうる。トランシーバはまた、マルチ・プロトコル通信が可能な単一の統合トランシーバであるか、または、それぞれの通信プロトコルのための個別の複数のトランシーバを含んでいるか、の何れかでありうる。例えば、トランシーバは、高電力トランシーバ(例えば、GNSSトランシーバ、WANトランシーバ、およびLANトランシーバ)と、低電力トランシーバ(例えば、PANトランシーバ)とを含みうる。
【0045】
アクセス端末200はさらに、信号を変調し、送信機214によって、例えばLANサーバ、衛星、基地局、ウェブ/インターネット・アクセス・ポイント名(APN)、および他のアクセス端末等へ送信する変調器212を備える。プロセッサ206と別に示されているが、コントローラ210、復調器204、および/または、変調器212は、プロセッサ206または複数のプロセッサ(図示せず)のうちの一部でありうることが認識されるべきである。さらに、コントローラ210の機能は、オペレーティング・システム(OS)レベルにおいて、インターネット・ブラウザ・アプリケーションにおいて、または、特定用途向け集積回路(ASIC)において、アプリケーション・レイヤ、データ・スタック、HTTPスタックに統合されうる。
【0046】
図3は、無線通信システムにおける協調多機能通信が可能な処理の例を例示するフロー・チャートである。この処理は、アクセス端末200のプロセッサ206および/またはコントローラ210内で実施されるアルゴリズムでありうる。図3に示されるように、ブロック302では、省電力モードがオンであるかの判定がなされうる。省電力モードがオンである場合、処理はブロック304へ進みうる。オンではない場合、処理はブロック302に戻る。例えば、アクセス端末102は、電源が制限されている場合、省電力モードに入りうる。
【0047】
ブロック304では、プロキシ発見が開始され、処理はブロック306に進みうる。例えば、アクセス端末102は、省電力モードに入ると、バッテリ電源を節約できるように一定のタスクを委任するためのプロキシ・ホスト端末を求める探索を開始しうる。
【0048】
ブロック306では、プロキシが発見されたか否かの判定がなされうる。プロキシが発見された場合、処理はブロック308に進みうる。プロキシが発見されなかった場合、処理はブロック306へ戻りうる。例えば、アクセス端末102は、ホスト端末104を探索し、発見しうる。
【0049】
ブロック308では、低電力トランシーバを介したプロキシとの通信リンクが確立され、処理はブロック310に進みうる。例えば、アクセス端末102は、ホスト端末104を発見すると、自己とホスト端末104との間の通信リンクを、それぞれの低電力トランシーバによって確立しうる。
【0050】
ブロック310では、高電力トランシーバ(単数または複数)がオフされ、処理はブロック312に進みうる。例えば、アクセス端末102は、ホスト端末104との通信リンクを確立すると、例えばGNSSトランシーバ、WANトランシーバ、およびLANトランシーバのような高電力トランシーバのすべての電源を落とすことに進みうる。
【0051】
ブロック312では、発見されたプロキシの機能が判定され、処理はブロック314に進みうる。例えば、アクセス端末102は、アクセス端末102がホスト端末104に委任しうるタスクのタイプを判定できるように、機能のリストを要求し、この機能のリストを、ホスト端末104から受信しうる。
【0052】
ブロック314では、機能に基づいてタスクが委任され、処理はブロック316に進みうる。例えば、アクセス端末102は、ホスト端末104が実行しうるタスクを判定すると、1または複数の特定のタスクをホスト端末104へ委任しうる。このようなタスクは、GNSSナビゲーション、ネットワーク探索および獲得、基地局信号モニタリング、パターン識別および/または分類、感知等でありうる。
【0053】
ブロック316では、アクセス端末102の電源が落とされているかに関する判定がなされうる。アクセス端末102の電源が落とされていない場合、処理はブロック302に戻りうる。電源が落とされている場合、処理は終了しうる。
【0054】
図4は、無線通信システムにおいて協調多機能制御が可能なシステム400の例の例示である。例えば、システム400は、アクセス端末等の中に少なくとも部分的に存在しうる。システム400は、プロセッサ、ソフトウェア、またはそれらの組み合わせ(例えば、ファームウェア)によって実現される機能を表す機能ブロックでありうる機能ブロックを含むものとして示されることが認識されるべきである。システム400は、連携して動作しうる手段からなる論理グループ402を含む。例えば、論理グループ402は、少なくとも1つのアクセス端末の機能を判定する手段404と、この機能に基づいて、少なくとも1つのタスクを、少なくとも1つのアクセス端末へ委任する手段406と、を含みうる。さらに、システム400は、手段404および手段406に関連付けられた機能を実行するための命令群を保持するメモリ408を含みうる。メモリ408の外側にあるとして示されているが、手段404乃至手段406のうちの1または複数は、メモリ408の内部に存在しうることが理解されるべきである。
【0055】
本明細書で開示された実施形態に関連して記述されたさまざまな例示的なロジック、論理ブロック、モジュール、および回路は、汎用プロセッサ、デジタル信号プロセッサ(DSP)、特定用途向け集積回路(ASIC)、フィールド・プログラマブル・ゲート・アレイ(FPGA)あるいはその他のプログラマブル論理デバイス、ディスクリート・ゲートあるいはトランジスタ・ロジック、ディスクリート・ハードウェア構成要素、または上述された機能を実現するために設計された上記何れかの組み合わせを用いて実現または実施されうる。汎用プロセッサとしてマイクロ・プロセッサを用いることが可能であるが、代わりに、従来技術によるプロセッサ、コントローラ、マイクロ・コントローラ、あるいは順序回路を用いることも可能である。プロセッサは、例えばDSPとマイクロ・プロセッサとの組み合わせ、複数のマイクロ・プロセッサ、DSPコアと連携する1または複数のマイクロ・プロセッサ、またはその他任意のこのような構成であるコンピューティング・デバイスの組み合わせとして実現されうる。さらに、少なくとも1つのプロセッサは、上述したステップおよび/または動作のうちの1または複数を実行するように動作可能な1または複数のモジュールを備えうる。
【0056】
さらに、本明細書で開示された態様に関連して記載された方法またはアルゴリズムからなるステップおよび/または動作は、ハードウェア内に直接的に組み込まれるか、プロセッサによって実行されるソフトウェア・モジュールによって組み込まれるか、これら2つの組み合わせに組み込まれうる。ソフトウェア・モジュールは、RAMメモリ、フラッシュ・メモリ、ROMメモリ、EPROMメモリ、EEPROMメモリ、レジスタ、ハード・ディスク、リムーバブル・ディスク、CD−ROM、あるいは、当該技術で周知のその他任意の形態の記憶媒体内に存在しうる。典型的な記憶媒体は、プロセッサに結合されており、これによって、プロセッサは、記憶媒体との間で情報を読み書きできるようになる。あるいは、この記憶媒体は、プロセッサに統合されうる。さらに、いくつかの態様では、プロセッサと記憶媒体が、ASIC内に存在しうる。さらに、ASICは、ユーザ端末に存在することができる。あるいは、プロセッサおよび記憶媒体は、ユーザ端末内のディスクリートな構成要素として存在しうる。さらに、いくつかの態様では、方法またはアルゴリズムのステップおよび/または動作は、機械読取可能な媒体および/またはコンピュータ読取可能な媒体上の1または任意の組み合わせ、または、コードおよび/または命令群のセットとして存在する。これらは、コンピュータ・プログラム製品に組み込まれうる。
【0057】
1または複数の態様では、説明された機能が、ハードウェア、ソフトウェア、ファームウェア、またはこれらの任意の組み合わせで実現されうる。ソフトウェアで実現される場合、これら機能はコンピュータ読取可能な媒体に格納されうるか、あるいは、コンピュータ読取可能な媒体上の1または複数の命令群またはコードとして送信されうる。コンピュータ読取可能な媒体は、コンピュータ記憶媒体と通信媒体との両方を含む。これらは、コンピュータ・プログラムのある場所から別の場所への転送を容易にする任意の媒体を含む。記憶媒体は、コンピュータによってアクセスされうる任意の利用可能な媒体でありうる。例として、限定することなく、このようなコンピュータ読取可能な媒体は、RAM、ROM、EEPROM、CD−ROMまたはその他の光ディスク記憶装置、磁気ディスク記憶装置またはその他の磁気記憶デバイス、あるいは、所望のプログラム・コード手段を命令群またはデータ構造の形式で搬送または格納するために使用され、しかも、コンピュータによってアクセスされうるその他任意の媒体を備えうる。さらに、いかなる接続も、コンピュータ読取可能な媒体として適切に称される。同軸ケーブル、光ファイバ・ケーブル、ツイスト・ペア、デジタル加入者線(DSL)、あるいは、例えば赤外線、無線およびマイクロ波のような無線技術を使用して、ウェブサイト、サーバ、あるいはその他の遠隔ソースからソフトウェアが送信される場合、同軸ケーブル、光ファイバ・ケーブル、ツイスト・ペア、DSL、あるいは、例えば赤外線、無線およびマイクロ波のような無線技術が、媒体の定義に含まれる。本明細書で使用されるdiskおよびdiscは、コンパクト・ディスク(disc)(CD)、レーザ・ディスク(disc)、光ディスク(disc)、デジタル多目的ディスク(disc)(DVD)、フロッピー(登録商標)ディスク(disk)、およびブルーレイ・ディスク(disc)を含む。通常、diskは、データを磁気的に再生し、discは、レーザを用いて光学的にデータを再生する。上記の組み合わせもまた、コンピュータ読取可能な媒体の範囲内に含まれるべきである。
【0058】
前述した開示は、例示的な態様および/または実施形態を開示しているが、さまざまな変更および修正が、特許請求の範囲で定義されたような説明された態様および/または実施形態の範囲から逸脱することなくなされうることが注目されるべきである。さらに、説明された態様および/または実施形態の構成要素は、単数形で記載または特許請求されているが、もしも単数であると明示的に述べられていないのであれば、複数が考慮される。さらに、任意の態様および/または実施形態のすべてまたは一部は、特に述べられていないのであれば、その他任意の態様および/または実施形態のすべてまたは一部とともに利用されうる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
無線通信装置であって、
少なくとも1つの遠隔アクセス端末の機能を判定し、
前記機能に基づいて、前記少なくとも1つの遠隔アクセス端末に少なくとも1つのタスクを委任する、
ように構成されたコントローラを備える、無線通信装置。
【請求項2】
前記コントローラはさらに、前記少なくとも1つの遠隔アクセス端末を発見するように構成された、請求項1に記載の無線通信装置。
【請求項3】
前記コントローラはさらに、前記遠隔アクセス端末の電力感度に基づいて、前記少なくとも1つのタスクを委任するように構成された、請求項1に記載の無線通信装置。
【請求項4】
低電力要件を有する低電力トランシーバをさらに備え、
前記コントローラはさらに、前記低電力トランシーバによって、前記少なくとも1つの遠隔アクセス端末との通信リンクを確立するように構成された、請求項1に記載の無線通信装置。
【請求項5】
前記コントローラはさらに、前記低電力トランシーバ以外のすべてのトランシーバの電力を落とすように構成された、請求項4に記載の無線通信装置。
【請求項6】
前記低電力コントローラは、パーソナル・エリア・ネットワーク(PAN)において信号を送信および受信するように構成された、請求項5に記載の無線通信装置。
【請求項7】
前記コントローラはさらに、複数の遠隔アクセス端末にそれぞれ異なるタスクを委任するように構成された、請求項1に記載の無線通信装置。
【請求項8】
前記コントローラはさらに、前記遠隔アクセス端末に対して、グローバル・ナビゲーション衛星システム(GNSS)ネットワークからのナビゲーション信号を受信するように要求するタスクを、前記遠隔アクセス端末に委任するように構成された、請求項1に記載の無線通信装置。
【請求項9】
前記遠隔アクセス端末に対して、前記GNSSからのナビゲーション信号を受信するように要求するタスクはさらに、前記遠隔アクセス端末に対して、前記コントローラの代わりに、地理的座標を決定することを要求する、請求項8に記載の無線通信装置。
【請求項10】
前記コントローラはさらに、前記遠隔アクセス端末に対して、広域ネットワーク(WAN)内で通信するように要求するタスクを、前記遠隔アクセス端末に委任するように構成された、請求項1に記載の無線通信装置。
【請求項11】
前記遠隔アクセス端末に対して、前記WAN内で通信するように要求するタスクはさらに、前記遠隔アクセス端末に対して、前記コントローラの代わりに、基地局からの信号をモニタすることを要求する、請求項10に記載の無線通信装置。
【請求項12】
前記コントローラはさらに、前記遠隔アクセス端末に対して、ローカル・エリア・ネットワーク(LAN)内で通信するように要求するタスクを、前記遠隔アクセス端末に委任するように構成された、請求項1に記載の無線通信装置。
【請求項13】
前記遠隔アクセス端末に対して、前記LAN内で通信するように要求するタスクはさらに、前記遠隔アクセス端末に対して、前記コントローラの代わりに、利用可能なネットワークを探索することを要求する、請求項12に記載の無線通信装置。
【請求項14】
前記遠隔アクセス端末に委任されたタスクは、データ処理である、請求項1に記載の無線通信装置。
【請求項15】
前記遠隔アクセス端末に委任されたタスクは、光学感知、音響感知、または化学感知である、請求項1に記載の無線通信装置。
【請求項16】
無線通信のための方法であって、
少なくとも1つの遠隔アクセス端末の機能を判定することと、
前記機能に基づいて、前記少なくとも1つの遠隔アクセス端末に少なくとも1つのタスクを委任することと、
を備える方法。
【請求項17】
前記少なくとも1つの遠隔アクセス端末を発見すること、をさらに備える請求項16に記載の方法。
【請求項18】
前記少なくとも1つのタスクを委任することはさらに、前記遠隔アクセス端末の電力感度に基づいて、前記少なくとも1つのタスクを委任することを備える、請求項16に記載の方法。
【請求項19】
低電力要件を有する低電力トランシーバによって、前記少なくとも1つの遠隔アクセス端末との通信リンクを確立すること、をさらに備える請求項16に記載の方法。
【請求項20】
前記低電力トランシーバ以外のすべてのトランシーバの電力を落とすこと、をさらに備える請求項19に記載の方法。
【請求項21】
前記低電力コントローラは、パーソナル・エリア・ネットワーク(PAN)において信号を送信および受信するように構成された、請求項20に記載の方法。
【請求項22】
複数の遠隔アクセス端末にそれぞれ異なるタスクを委任すること、をさらに備える請求項16に記載の方法。
【請求項23】
前記少なくとも1つのタスクを委任することはさらに、前記遠隔アクセス端末に対して、グローバル・ナビゲーション衛星システム(GNSS)ネットワークからのナビゲーション信号を受信するように要求するタスクを、前記遠隔アクセス端末に委任することを備える、請求項16に記載の方法。
【請求項24】
前記遠隔アクセス端末に対して、前記GNSSからのナビゲーション信号を受信するように要求するタスクはさらに、前記遠隔アクセス端末に対して、地理的座標を決定することを要求する、請求項23に記載の方法。
【請求項25】
前記少なくとも1つのタスクを委任することはさらに、前記遠隔アクセス端末に対して、広域ネットワーク(WAN)内で通信するように要求するタスクを、前記遠隔アクセス端末に委任することを備える、請求項16に記載の方法。
【請求項26】
前記遠隔アクセス端末に対して、前記WAN内で通信するように要求するタスクはさらに、前記遠隔アクセス端末に対して、基地局からの信号をモニタすることを要求する、請求項25に記載の方法。
【請求項27】
前記少なくとも1つのタスクを委任することはさらに、前記遠隔アクセス端末に対して、ローカル・エリア・ネットワーク(LAN)内で通信するように要求するタスクを、前記遠隔アクセス端末に委任することを備える、請求項16に記載の方法。
【請求項28】
前記遠隔アクセス端末に対して、前記LAN内で通信するように要求するタスクはさらに、前記遠隔アクセス端末に対して、利用可能なネットワークを探索することを要求する、請求項27に記載の方法。
【請求項29】
前記遠隔アクセス端末に委任されたタスクは、データ処理である、請求項16に記載の方法。
【請求項30】
前記遠隔アクセス端末に委任されたタスクは、光学感知、音響感知、または化学感知である、請求項16に記載の方法。
【請求項31】
装置であって、
少なくとも1つの遠隔アクセス端末の機能を判定する手段と、
前記機能に基づいて、前記少なくとも1つの遠隔アクセス端末に少なくとも1つのタスクを委任する手段と、
を備える装置。
【請求項32】
コンピュータ・プログラム製品であって、
少なくとも1つの遠隔アクセス端末の機能を判定するためのコードと、
前記機能に基づいて、前記少なくとも1つの遠隔アクセス端末に少なくとも1つのタスクを委任するためのコードと、
を備えるコンピュータ読取可能な媒体を備える、コンピュータ・プログラム製品。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公表番号】特表2013−513308(P2013−513308A)
【公表日】平成25年4月18日(2013.4.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−542190(P2012−542190)
【出願日】平成22年12月2日(2010.12.2)
【国際出願番号】PCT/US2010/058753
【国際公開番号】WO2011/068983
【国際公開日】平成23年6月9日(2011.6.9)
【出願人】(595020643)クゥアルコム・インコーポレイテッド (7,166)
【氏名又は名称原語表記】QUALCOMM INCORPORATED
【Fターム(参考)】