説明

無線通信システム

【課題】1つの通信マスタで通信方式の異なる複数の通信端末と通信することができ、かつ複数種類の通信端末との通信を可能としても、通信マスタの消費電力も抑制することができる無線通信システムを提供する。
【解決手段】通常時、リーダライタ制御ECU11は、基準通信方式(第1通信方式)で駆動電波Svをアンテナ13から断続送信する。このとき、接近距離検出回路24は、Hiインピーダンス抵抗23の誘起電圧Vsを基にアンテナ電流Iaを検出し、電子キー2の接近有無を監視する。接近距離検出回路24は、タグ接近を検出すると、タグ接近通知Saを通信成立可否確認部25に出力する。通信成立可否確認部25は、通信が確立していないことを確認すると、通信方式変更要求Sbを通信方式切換部26に出力する。通信方式切換部26は、通信方式変更要求Sbを入力すると、通信方式を切り換えて駆動電波Svを再送信し、通信を再実行させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、通信マスタと通信端末とが近距離無線によって通信を行う無線通信システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、通信システムの一種には、通信距離が例えば十cm以下と非常に短い近距離無線通信システム(特許文献1等参照)がある。近距離無線通信システムには、例えばNFC(Near Field Communication)と呼ばれるものが普及し、NFCには、例えばFelica、Mifare、TypeB(全て登録商標)等の複数種類の通信方式がある。これら通信方式では、主に電波の変調方式が異なる。NFCでは、例えばリーダライタにタグをかざし、リーダライタから送信された駆動電波をタグが受信すると、タグが起動する。そして、タグは、応答電波をリーダライタに返信し、通信が確立する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2007−137135号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、今日においては、これら様々な変調方式のタグが出回っているため、これらどのタグとも通信できるように、1つのリーダライタを複数種類対応としたい要望がある。これを可能とするには、図14に示すように、例えばリーダライタから各々の変調方式ごとに駆動電波Svをポーリング方式により順に送信し、これら駆動電波Svのうち、どれかをタグに受け取らせて、通信を確立させる方式が想定される。しかし、この方式では、複数種類の駆動電波Svを常時送信させなければならないので、消費電力が増加する問題があった。
【0005】
本発明の目的は、1つの通信マスタで通信方式の異なる複数の通信端末と通信することができ、かつ複数種類の通信端末との通信を可能としても、通信マスタの消費電力も抑制することができる無線通信システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記問題点を解決するために、本発明では、通信マスタが近距離無線通信を介して問い合せ電波を送信し、当該問い合せ電波を通信端末が受信すると、当該通信端末が応答電波を前記通信マスタに送信する無線通信システムにおいて、前記通信端末が前記通信マスタに接近したか否かを検出する接近検出手段と、前記通信マスタの通常時の通信方式を基準通信方式とすると、前記接近検出手段が前記通信端末の接近を検出したとき、前記基準通信方式で送信された前記問い合せ電波に前記通信端末が応答して、これらの通信が確立したか否かを確認する確認手段と、前記基準通信方式で前記通信が確立しない場合、通信方式を変えて前記問い合せ電波を再送信することにより、通信を再実行する再送信手段とを備えたことを要旨とする。
【0007】
この構成によれば、通常時においては、通信マスタから問い合せ電波を基準通信方式で送信するようにし、通信マスタに通信端末が接近したことが検出されたとき、基準通信方式で通信マスタと通信端末との通信が確立したか否かを確認する。このとき、基準通信方式に準じた通信を行う通信端末が接近していれば、通信端末は問い合せ電波により起動して応答電波を通信マスタに返信するので、通信が成立する。よって、このときは、基準通信方式で通信が成立したとして処理する。
【0008】
一方、基準通信方式とは異なる方式に準じて通信する通信端末が通信マスタに接近したときは、基準通信方式では通信が成立しない。よって、このときは、通信マスタの通信方式を切り換えて問い合せ電波を再送信し、通信を再実行する。従って、他の通信方式の通信端末が通信マスタに接近したときには、通信マスタの通信方式が、この通信端末に応じた方式に変更されるので、通信が確立する。このため、他の通信方式を通信マスタに近づけたときにも、同様に通信を成立させることが可能となる。
【0009】
従って、本構成の場合は、通信端末を通信マスタに接近させたとき、通信が確立しなければ、通信方式が他の方式に切り換えられて通信が実行されるので、1つの通信端末で複数の通信端末と通信することが可能となる。また、通常は通信マスタから基準通信方式で問い合せ電波を送信しておき、基準通信方式で通信が確立しないときに、他の通信方式に切り換えるようにしたので、問い合せ電波を複数の通信方式で常時送信させておく必要がない。よって、通信マスタの電波送信の電力も低く抑えることが可能となる。
【0010】
本発明では、前記再送信手段は、前記基準通信方式以外の通信方式で前記問い合せ電波を送信したとき、当該通信方式で通信が確立しなければ、前記通信マスタに登録された他の通信方式に変えて前記問い合せ電波を再送信する動作を、通信不確立となる度に繰り返すことを要旨とする。
【0011】
この構成によれば、通信マスタに3以上の通信方式を登録しておき、基準通信方式で通信が成立しないときには、通信マスタに登録された他の通信方式を使用して問い合せ電波を再送信する動作を、通信が成立するまで繰り返し実行する。このため、1つの通信マスタで対応できる通信端末の種類が3以上となるので、ユーザにとって利便性が高くなる。
【0012】
本発明では、前記基準通信方式は、前記通信端末に登録された複数の通信方式のうち、使用頻度が最も多い通信方式であることを要旨とする。
この構成によれば、使用頻度が最も多い通信方式を基準通信方式としたので、正規ユーザによる使用の可能性が非常に高い通信方式を、基準通信方式として設定することが可能となる。
【0013】
本発明では、前記再送信手段は、前記他の通信方式に変えて前記問い合せ電波を再送信する際、使用頻度の多い順に当該問い合せ電波を送信していくことを要旨とする。
この構成によれば、早い時期に通信が確立する可能性が高くなるので、通信成立のスループットを向上することが可能となる。
【0014】
本発明では、前記通信マスタが車両に搭載され、車外通信マスタと前記通信端末との車外通信において前記通信端末の認証が成立すると、車外用の車載機器の動作が許可又は実行され、車内通信マスタと前記通信端末との車内通信において前記通信端末の認証が成立すると、車内用の車載機器の動作が許可又は実行される無線通信システムであって、前記車外通信において通信が確立できた通信方式で、前記車内通信を最初から実行させる車内通信方式設定手段を備えたことを要旨とする。
【0015】
この構成によれば、ユーザが車両に乗車したとき、車内通信マスタからは、このときユーザが所持する通信端末の通信方式で最初から問い合せ電波が送信されるので、1番目に送信される問い合せ電波によって、車内通信を確立することが可能となる。このため、車内通信の通信スループットを向上することが可能となる。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、1つの通信マスタで通信方式の異なる複数の通信端末と通信することができ、かつ複数種類の通信端末との通信を可能としても、通信マスタの消費電力も抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】第1実施形態の電子キーシステムのブロック図。
【図2】リーダライタの設置位置及び通信エリアを示す模式図。
【図3】アンテナの直列共振回路のQ値をダンプする説明図。
【図4】接近距離とアンテナ電流との相関関係を示すグラフ。
【図5】第1通信方式で通信が確立するときのタイムチャート。
【図6】第2通信方式で通信が確立するときのタイムチャート。
【図7】第3通信方式で通信が確立するときのタイムチャート。
【図8】どの通信方式でも通信が確立しないときのタイムチャート。
【図9】第2実施形態の電子キーシステムのブロック図。
【図10】接近距離に応じたインピーダンスの移り変わりを示すスミスチャート。
【図11】(a),(b)は、スミスチャートの構成原理を示す説明図。
【図12】第3実施形態の電子キーシステムのブロック図。
【図13】接近距離と通信回路消費電流との相関関係を示すグラブ。
【図14】従来の通信シーケンスを示すタイムチャート。
【発明を実施するための形態】
【0018】
(第1実施形態)
以下、本発明を車両に具体化した無線通信システムの第1実施形態を図1〜図8に従って説明する。
図1に示すように、車両1には、電子キー2との近距離無線通信によりID照合を実行する電子キーシステム3が設けられている。近距離無線通信は、いわゆるNFC(Near Field Communication)であって、例えばFelica、Mifare、TypeB(全て登録商標)等の通信方式が使用されている。この電子キーシステム3において、車外でID照合(車外照合)が成立すれば、ドアロック施解錠が許可又は実行され、車内でID照合(車内照合)が成立すれば、エンジン始動が許可される。なお、電子キー2が通信端末に相当する。
【0019】
この場合、車両1には、電子キー2のIDコードを照合するキー照合装置4と、車両ドアの施解錠動作を管理するドアロック装置5と、エンジンの動作を管理するエンジン始動装置6とが設けられ、これらが車内バス7を介して接続されている。このうち、キー照合装置4には、IDコードの照合動作を実行する照合ECU8が設けられている。エンジン始動装置6には、車両1の電源状態を切り換える際に操作するエンジンスイッチ9が接続されている。なお、ドアロック装置5が車外用の車載機器に相当し、エンジン始動装置6が車内用の車載機器に相当する。
【0020】
照合ECU8には、電子キーシステム3の車両1側の通信装置としてリーダライタ10が接続されている。リーダライタ10は、通信相手である電子キー2への各種データの書き込み及び読み出しを行うものである。図2に示すように、リーダライタ10は、車外用及び車内用にそれぞれ設置され、車外リーダライタ10aが例えば運転席ドア及び助手席ドアの各ドアトリムに配置され、車内リーダライタ10bが例えばセンターコンソールに配置されている。
【0021】
リーダライタ10には、電子キー2との近距離無線通信を管理するリーダライタ制御ECU11が設けられている。リーダライタ制御ECU11には、通信回路12を介して近距離無線通信用のアンテナ13が接続されている。アンテナ13は、電波として磁界を送信する磁界アンテナであって、例えばループアンテナが使用されている。アンテナ13は、送受信アンテナであって、例えばHF(High Frequency)帯の電波を送受信する。アンテナ13は、インダクタンスLとしてのアンテナコイル14と、複数のキャパシタンスCを持つマッチング回路15とを備える。通信回路12は、アンテナ13から送信する電波を変調したり、或いはアンテナ13で受信した電波を復調したりする。アンテナ13は、HF帯の磁界アンテナであるため、図2に示すように、平面視において略円形状の通信エリアEaを形成する。なお、リーダライタ制御ECU11が通信マスタに相当する。
【0022】
電子キー2は、リーダライタ10と近距離無線通信を行う、いわゆるICタグである。電子キー2には、電子キー2の動作を管理する通信制御回路17が設けられている。通信制御回路17には、電子キー2のIDコードが登録されている。なお、電子キー2が通信端末に相当する。
【0023】
通信制御回路17には、近距離無線通信用にアンテナ18が接続されている。アンテナ18は、磁界アンテナの一種として例えばループアンテナが使用されている。アンテナ18は、アンテナコイル19と共振用のコンデンサ20との並列共振回路からなる。電子キー2は、電磁誘導で発生した電圧を最大化するよう動作するため、並列共振をとる。アンテナ18は、送受信アンテナであって、例えばHF帯の電波を送受信する。
【0024】
リーダライタ制御ECU11は、電子キー2の電源として駆動電波Svを断続的に送信して、電子キー2から応答としてID信号Sidを受信できるかどうかを監視する。つまり、リーダライタ制御ECU11は、ポーリングによって電子キー2からの応答有無を開始する。なお、車外リーダライタ10aは、車両1が駐車中に駆動電波Svの断続送信を実行して、車外通信の成立可否を確認する。また、車内リーダライタ10bは、例えばカーテシスイッチ等で運転者の乗車を確認すると、駆動電波Svの断続送信を開始して、車内通信の成立可否を確認する。なお、駆動電波Svが問い合せ電波に相当する。
【0025】
電子キー2は、駆動電波Svの通信エリアEa内に進入して駆動電波Svを受信すると、駆動電波Svを電源として起動して、ID信号Sidをアンテナ18から送信する。ID信号Sidには、電子キー2のIDコードが含まれる。リーダライタ制御ECU11は、ID信号Sidをアンテナ13で受信すると、ID信号Sid内のIDコードを照合ECU8に転送する。照合ECU8は、リーダライタ制御ECU11からIDコードを入力すると、ID照合を行い、ID照合が成立すれば、ドアロック施解錠やエンジン始動を許可又は実行する。なお、ID信号Sidが応答電波に相当する。
【0026】
電子キーシステム3には、リーダライタ10の通信方式を切り換える通信方式設定装置21が設けられている。通信方式設定装置21は、まずリーダライタ10に基準通信方式で駆動電波Svを送信させ、この駆動電波Svで電子キー2からID信号Sidを取得することができない場合、通信方式を順次変化させて駆動電波Svを送信し、通信成立可否を試みるものである。本例の場合、Felica、Mifare、TypeB等で変調方式が各々異なるので、通信方式として変調方式を変更する。
【0027】
この場合、通信回路12とアンテナ13との間には、共振回路の共振鋭さ(Q値)を低く抑えるダンプ抵抗(ダンピング抵抗)22が接続されている。アンテナ13は、アンテナコイル14のLと、マッチング回路15のCと、ダンプ抵抗22のRとのRLC直列共振回路からなる。リーダライタ10は、磁界電波を強く発生する必要があるため、アンテナ13に大電流が流れる直列共振をとる。図3に示すように、Q値を低い値に抑えれば、送信帯域が広がり、結果、送信電波の変調波形が矩形波に近づくことになる。よって、正確なビット判定確保のために、アンテナ13にダンプ抵抗22を接続して、Q値を低くするようにしている。
【0028】
ダンプ抵抗22には、アンテナ13に流れる電流(以降、アンテナ電流Iaと記す)を検出するHiインピーダンス抵抗23が並列接続されている。ところで、図4に示すように、電子キー2とリーダライタ10との間の距離(以降、接近距離rと記す)とアンテナ電流Iaとの間には、接近距離rが短くなるに連れて、アンテナ電流Iaが低下する相関関係がある。これは、電子キー2の接近によってアンテナ13の電力が電子キー2に伝送されるので、アンテナ13の磁界エネルギーの源となるアンテナ電流Iaが減少するためである。言い換えるならば、アンテナ13の磁界エネルギーが電子キー2に移動し、アンテナ13の直列共振回路に逆方向の誘起電流が流れるため、磁界を損失する方向にエネルギーが作用するからである。Hiインピーダンス抵抗23は、ダンプ抵抗22の端子間における誘起電圧Vs(図1参照)を検出することにより、アンテナ電流Iaを検出する。なお、Hiインピーダンス抵抗23が接近検出手段を構成する。
【0029】
図1に示すように、車両1には、アンテナ電流Iaを基に電子キー2との接近距離rを検出する接近距離検出回路24が設けられている。接近距離検出回路24は、リーダライタ制御ECU11とは別の独立した回路から構成される。接近距離検出回路24は、誘起電圧Vsを基に接近距離rを算出し、接近距離rが閾値未満のとき、タグ接近通知Saをリーダライタ制御ECU11に出力する。なお、接近距離検出回路24が接近検出手段を構成する。
【0030】
リーダライタ制御ECU11には、近距離無線通信の成立可否を確認する通信成立可否確認部25が設けられている。通信成立可否確認部25は、接近距離検出回路24からタグ接近通知Saを入力したとき、送信した駆動電波Svに対するID信号Sidを電子キー2から受信できたか否かを見ることにより、近距離無線通信の成立可否を確認する。このとき、通信成立可否確認部25は、タグ接近通知Saの取得時にID信号Sidの受信を検出できないことを確認すると、通信方式の変更を要求する通信方式変更要求Sbを出力する。なお、通信成立可否確認部25が確認手段に相当する。
【0031】
リーダライタ制御ECU11には、通信成立可否確認部25の確認結果を基に、リーダライタ10の通信方式を変更する通信方式切換部26が設けられている。通信方式切換部26は、通信成立可否確認部25から通信方式変更要求Sbを入力すると、通信方式を切り換えて駆動電波Svの再送信を実行し、通信方式を切り換えて駆動電波Svを再送信する動作を、近距離無線通信が成立するまで繰り返し実行する。なお、通信方式切換部26が再送信手段に相当する。
【0032】
リーダライタ制御ECU11には、基準通信方式を設定する基準通信方式設定部27が設けられている。基準通信方式設定部27は、通信方式の使用頻度を計測し、最も使用頻度の多い通信方式を、基準通信方式として設定する。
【0033】
リーダライタ制御ECU11には、車内リーダライタ10bの通信方式を、車外リーダライタ10aの通信成立結果を基に設定する車内通信方式設定部28が設けられている。車内通信方式設定部28は、車外通信において通信が確立できた通信方式で、車内通信を最初から実行させる。なお、車内通信方式設定部28が車内通信方式設定手段に相当する。
【0034】
次に、本例の通信方式設定装置21の動作を、図5〜図7に従って説明する。
図5に示すように、車両駐車時、車外リーダライタ10aは、駆動電波Svを断続的に送信するポーリングにより、車両1への電子キー2の接近を監視する。このとき、車外リーダライタ10aは、まず駆動電波Svを基準通信方式で断続送信する通常モードで電波送信を行う。例えば、ここまで使用頻度の最も多い通信方式が第1通信方式であれば、基準通信方式設定部27は第1通信方式で駆動電波Svを断続送信させる。
【0035】
リーダライタ制御ECU11は、ポーリング動作時、通信回路12を送信動作状態にして、アンテナ13を送信アンテナとして動作させ、アンテナ13から駆動電波Svを送信する。そして、リーダライタ制御ECU11は、駆動電波Svの送信後、直ちに通信回路12を受信動作状態にして、アンテナ13を受信アンテナとして動作させる。よって、駆動電波Svを送信したアンテナ13で、電子キー2からのID信号Sidを受信可能となる。
【0036】
駐車中の車両1のドアロックを解錠するには、電子キー2を車外リーダライタ10aにかざす操作をとる。このとき、電子キー2が車外リーダライタ10aに接近すると、車外リーダライタ10aの磁界エネルギーが電子キー2に奪われることにより、アンテナ電流Iaが低下する。アンテナ電流Iaの低下は、近距離無線通信の成立有無に関係なく生じる。アンテナ電流Iaが低下すると、誘起電圧Vsも低下する。接近距離検出回路24は、誘起電圧Vsが閾値未満となることを確認すると、タグ接近通知Saを通信成立可否確認部25に出力する。
【0037】
通信成立可否確認部25は、接近距離検出回路24からタグ接近通知Saを入力したとき、駆動電波Svに対する応答として、制限時間内に電子キー2からID信号Sidを取得できたか否かを確認する。このとき、第1通信方式対応の電子キー2が車外リーダライタ10aに接近していれば、通信が確立する。通信成立可否確認部25は、制限時間内に電子キーからのID信号Sidをアンテナ13で受信できたことを確認すると、基準通信方式で通信が成立したと認識して通信を終了する。
【0038】
一方、通信成立可否確認部25は、接近距離検出回路24からタグ接近通知Saを入力したとき、電子キー2からID信号Sidを受信できないことを確認すると、通信方式変更要求Sbを通信方式切換部26に出力する。通信方式切換部26は、接近距離検出回路24から通信方式変更要求Sbを入力すると、車外リーダライタ10aの動作モードを、通常モードから通信方式切換モードに変更して、駆動電波Svの送信を実行する。通信方式切換モードは、電子キー2からのID信号Sidをアンテナ13で受信するまで、通信方式を切り換えて駆動電波Svを再送信する動作を繰り返し行う動作モードである。
【0039】
このとき、図6に示すように、通信方式切換部26は、まず2番目に使用頻度が多い第2通信方式で駆動電波Svを再送信する。この状態において、第2通信方式対応の電子キー2が車外リーダライタ10aに接近していれば、通信が確立する。通信成立可否確認部25は、第2通信方式の駆動電波Svを送信後、電子キー2からのID信号Sidをアンテナ13で受信したことを確認すると、第2通信方式で通信が成立したと確認して通信を終了する。
【0040】
また、第2通信方式でもID信号Sidが受信できないと、図7に示すように、通信方式切換部26は、3番目に使用頻度が多い第3通信方式で駆動電波Svを再送信する。このとき、第3通信方式対応の電子キー2が車外リーダライタ10aに接近していれば、通信が確立する。通信成立可否確認部25は、第3通信方式の駆動電波Svを送信後、制限時間内に電子キー2からのID信号Sidをアンテナ13で受信したことを確認すると、第3通信方式で通信が成立したと確認して通信を終了する。
【0041】
一方、図8に示すように、第3通信方式でもID信号Sidが受信できないと、車外リーダライタ10aに登録された通信方式で駆動電波Svの送信が一通り終了して、ポーリングの一単位動作が終了する。そして、次のポーリングの立ち上がりで、駆動電波Svが第1通信方式→第2通信方式→第3通信方式の順に再送信され、この動作がポーリングの実行タイミングで繰り返される。通信方式切換部26は、この動作を所定回数繰り返しても通信が確立しないことを確認すると、車外リーダライタ10aの動作モードを、単なる通常モードのみの動作とする。つまり、通信方式切換モードに移行しない。
【0042】
車外リーダライタ10aで車外通信が確立した際、車内通信方式設定部28は、車外通信で確立した通信方式を、車内通信の基準通信方式として設定する。このため、例えば車外通信において第2通信方式で通信が確立すれば、車内リーダライタ10bの通常モードは、駆動電波Svを第2通信方式で断続送信するものに設定される。よって、第2通信方式の電子キー2を車内リーダライタ10bにかざし操作した際には、最初から送信されている第2通信方式の駆動電波Svによって、電子キー2との通信が直ぐに確立する。
【0043】
以上により、本例においては、リーダライタ10で使用頻度の最も多い通信方式を、リーダライタ10の基準通信方式として設定しておき、電子キー2の接近を検出したにも拘らず通信が確立しないとき、リーダライタ10の通信方式を順次切り換えて、通信が確立するか否かを試みる。よって、通信方式の異なる電子キー2をリーダライタ10に近づけても、切り換え後の通信方式で通信が確立する。従って、1つのリーダライタ10で複数の異なる電子キー2と通信することが可能となる。
【0044】
また、通常動作時は、最も使用頻度の多い第1通信方式を基準通信方式として設定しておき、この通信方式で通信が成立しないとき、初めて通信方式を切り換える。このため、通常から駆動電波Svを複数の通信方式で送信させ続ける必要がないので、リーダライタ10の電波送信に要する消費電流を少なく抑えることが可能となる。よって、1つのリーダライタ10で複数の種類の異なる電子キー2を通信可能となるようにしても、アンテナ13にかかる消費電力を低く抑えることが可能となる。
【0045】
本実施形態の構成によれば、以下に記載の効果を得ることができる。
(1)通常動作時、リーダライタ10から基準通信方式で駆動電波Svを送信させ、電子キー2がリーダライタ10に接近したとき、基準通信方式で通信が成立しなければ、通信方式を順に変更して駆動電波Svを順次送信し、通信が確立するか否かを試みる。よって、1つのリーダライタ10で、複数の種類の異なる電子キー2と通信することができる。また、1つのリーダライタ10で複数の電子キー2と通信可能としても、必要なときにだけ駆動電波Svを他の通信方式で送信するだけで済むので、リーダライタ10の電波送信に必要な消費電力を低く抑えることもできる。
【0046】
(2)リーダライタ10に3つの通信方式を登録しておき、基準通信方式で通信が確立しないときには、通信方式を他の方式に変更して駆動電波Svを再送信する動作を、通信が確立するまで、登録された通信方式の数だけ繰り返し実行する。このため、1つのリーダライタ10で対応できる電子キー2の種類が3以上となるので、ユーザにとっての利便性を確保することができる。
【0047】
(3)使用頻度が最も多い通信方式を基準通信方式としたので、正規ユーザによる使用の可能性が非常に高い通信方式を、基準通信方式として設定することができる。
(4)車外通信で通信が確立した通信方式を、車内通信の基準通信方式として設定するので、ユーザが車内に乗車した際には、ユーザが所持する電子キー2の通信方式で、最初から車内通信を確立することができる。このため、車内通信の通信スループットを向上することができる。
【0048】
(5)リーダライタ10の動作モードを通信切換えモードとして通信の確立有無を何度か確認しても、通信が確立しないときは、通信切換モードに変更する動作を実行しない。よって、通信確立があり得ないときに通信切換モードを無駄に実行せずに済むので、リーダライタ10をより省電力化することができる。
【0049】
(6)リーダライタ10にHiインピーダンス抵抗23を設け、電子キー2の接近を、Hiインピーダンス抵抗23から求まるアンテナ電流Iaによって検出する。よって、リーダライタ10のアンテナ13にHiインピーダンス抵抗23を搭載するという簡素な構成によって、電子キー2の接近を検出することができる。
【0050】
(第2実施形態)
次に、第2実施形態を図9〜図11に従って説明する。なお、第2実施形態は、電子キー2の接近検知方法を第1実施形態とは異なるものとし、他の基本的な部分は同じである。よって、同一部分には同一符号を付して詳しい説明を省略し、異なる箇所についてのみ説明する。
【0051】
通信回路12から見たRF回路(アンテナ回路)のインピーダンスは、一般的に通信回路12の出力インピーダンスに対して高めに設定されている。これは、リーダライタ10のアンテナ13(アンテナコイル14)が純粋なコイル(インダクタンス)であるため、アンテナ13の抵抗を上げて、直列共振回路のQ値をダンプしなければならないからである。これにより、通信帯域が広がり、無線通信が可能となる。ここで、RF回路とは、通信回路12より先のアンテナ方向の回路群のことを言う。また、通信回路から見たRF回路のインピーダンスとは、アンテナコイル14、マッチング回路15、ダンプ抵抗22等から決まるインピーダンスのことである。
【0052】
ここで、Q値をダンプするために、例えば仮に直列共振回路に単純に抵抗を入れたとすると、抵抗によってエネルギーが消費されてしまうので、エネルギー効率がよくない。よって、マッチング回路15のキャパシタンスCを調整して、RF回路のインピーダンスを見た目に大きくすることにより、Q値がダンプされている。このような前提があるため、通信回路12の出力インピーダンスと、通信回路12から見たRF回路のインピーダンス(図10に示すプロット点のZ)とには、所定の差がある。
【0053】
図10に示すように、通信回路12から見たRF回路のインピーダンスは、電子キー2との接近距離rが短くなるに連れて、値が小さくなる関係をとる現状がある。これは、電子キー2とアンテナ13とが大きく離れているときには、アンテナ13より先がオープンな回路(接近距離rが∞)をとるのに対し、アンテナ13に電子キー2が接近すると、通信回路12が電子キー2と結合することにより、1つのインピーダンスとなった回路をとるためである。
【0054】
よって、本例では、通信回路12から見たRF回路のインピーダンス変化から電子キー2の接近距離rを検出する。この場合、図9に示すように、接近距離検出回路24には、通信回路12から見たRF回路のインピーダンスZを検出するインピーダンス検出部31が設けられている。また、接近距離検出回路24には、インピーダンス検出部31が求めたZを基に接近距離rを算出する接近距離算出部32が設けられている。なお、インピーダンス検出部31及び接近距離算出部32が接近検出手段を構成する。
【0055】
さて、図10に示すスミスチャートは、周波数を掃引して測定したインピーダンスがプロットされたチャートとなっている。ところで、図11(a)に示すように、インピーダンスは複素数R+jXで表される。等抵抗線Laは、周波数によってリアクタンスが変わるが、抵抗が一定の軌跡である。一方、等リアクタンス線Lbは、抵抗が変わるが、リアクタンスが一定の軌跡である。なお、抵抗は正の値であるため、X軸の正方向のみ軌跡が現われる。
【0056】
そして、図11(b)に示すように、Y軸を円にするとともに、X軸の+∞とY軸の±∞とを繋げたものが、スミスチャートである。スミスチャートを円形とすると、インピーダンスと反射係数とが一対一で対応するため、値の比較が分かり易くなる。なお、スミスチャートでは、等抵抗線Laが等抵抗円L1となり、等リアクタンス線Lbが等リアクタンス円L2となる。
【0057】
図10のスミスチャートには、周波数が12〜15MHzのインピーダンス軌跡33がプロットされている。このうち、インピーダンス軌跡33上のZが、周波数が13.56MHzの搬送波の点、つまり通信回路12から見たRF回路のインピーダンスZである。よって、同図からも分かるように、電子キー2がr3→r2→r1とリーダライタ10に接近するに連れて、Zの値が小さくなる。つまり、リーダライタ制御ECU11側に移動するので、このZの動きによって電子キー2の接近距離rを算出する。
【0058】
本実施形態の構成によれば、第1実施形態に記載の(1)〜(5)に加え、以下の効果を得ることができる。
(7)リーダライタ制御ECU11から見た通信回路12のインピーダンスZを基に接近距離rを検出するので、第1実施形態の場合に必要であったHiインピーダンス抵抗23が不要となる。よって、抵抗を別途設ける必要なく、接近距離rを検出することができる。
【0059】
(第3実施形態)
次に、第3実施形態を図12及び図13に従って説明する。なお、第3実施形態も、電子キー2の接近検知方法を変更したのみであるので、変更した箇所のみ詳述する。
【0060】
図12に示すように、リーダライタ制御ECU11と通信回路12との間には、リーダライタ制御ECU11から出力される電流(以降、通信回路消費電流Ibと記す)を検出する電流検出部41が接続されている。電流検出部41は、いわゆる電流計であって、検出値を接近距離検出回路24に出力する。通信回路消費電流Ibは、非通信時において固定電流を消費するため、リーダライタ制御ECU11から供給される電流変化分でもよい。接近距離検出回路24は、電流検出部41から入力した通信回路消費電流Ibを基に、電子キー2との接近距離rを算出する。
【0061】
ところで、図13に示すように、電子キー2との接近距離rと通信回路消費電流Ibとの間には、接近距離rが短くなるに連れてアンテナ電流Iaが増加する相関関係がある。これは、第2実施形態で述べたように、電子キー2がアンテナ13に接近すると、通信回路12から見たRF回路のインピーダンスZが低下するため、リーダライタ制御ECU11の低インピーダンスと整合するからである。このように、2者のインピーダンスが近くなると、反射が減少する減少が生じ、結果として通信回路消費電流Ibが増加する。
【0062】
よって、接近距離検出回路24は、通信回路消費電流Ibが閾値よりも高い値をとれば、電子キー2が接近していないと判断する。一方、接近距離検出回路24は、通信回路消費電流Ibが閾値以下の値をとれば、電子キー2が接近していると判断して、タグ接近通知Saをリーダライタ制御ECU11に出力する。よって、リーダライタ制御ECU11は、リーダライタ10に電子キー2が接近したことが認識可能となる。
【0063】
本実施形態の構成によれば、第1実施形態に記載の(1)〜(5)に加え、以下の効果を得ることができる。
(8)リーダライタ制御ECU11から流れ出る通信回路消費電流Ibを基に接近距離rを検出するので、リーダライタ制御ECU11から出力される電流を単に見るという簡素な構成によって接近距離rを検出することができる。
【0064】
なお、実施形態はこれまでに述べた構成に限らず、以下の態様に変更してもよい。
・第1〜第3実施形態において、基準通信方式での通信不成立時に他の通信方式で通信成立を確認するとき、再送信の順番は登録順に限定されない。例えば、使用頻度の多い順に通信方式を順に切り換えていくものでもよい。この場合、通信が早い時期に成立する可能性が高くなるので、通信成立のスループットを向上することができる。
【0065】
・第1〜第3実施形態において、基準通信方式は、使用頻度が最も多い通信方式であることに限定されない。例えば、直近に使用された通信方式を基準通信方式としてもよい。
・第1〜第3実施形態において、接近検出手段は、リーダライタ10に別途設けた近接センサでもよい。
【0066】
・第1実施形態において、アンテナ電流Iaの検出は、ダンプ抵抗22の端子間電圧を見る方式に限定されない。例えば、直列共振回路に電流計を設け、電流計の値から直にアンテナ電流Iaを検出してもよい。
【0067】
・第1〜第3実施形態において、電子キー2は、例えばICカードのようなものも広義として含む。
・第1〜第3実施形態において、電子キーシステム3は、ポーリング式及びトリガ式のどちらを採用してもよい。なお、ポーリング式とは、駆動電波Svを常時発信して電子キー2の有無を探査するものである。また、トリガ式とは、例えば車外ドアハンドルがタッチ操作されるなどの所定操作をトリガとして駆動電波Svの送信を開始するものである。
【0068】
・第1〜第3実施形態において、近距離無線通信は、電波として磁界を用いるものであれば、どのような通信形式を採用してもよい。
・第1〜第3実施形態において、近距離無線通信の周波数は、HFに限らず、例えばLF(Low Frequency)やUHF(Ultra High Frequency)等の他の帯域を採用してもよい。
【0069】
・第1〜第3実施形態において、リーダライタ10のアンテナは、送受信共用の1本のアンテナ13に限定されず、送信及び受信で各々別に設けてもよい。
・第1〜第3実施形態において、近距離無線通信は、NFCに限らず、他の方式を採用してもよい。
【0070】
・第1〜第3実施形態において、問い合せ電波は、駆動電波Svに限定されず、例えば起動中の電子キー2を単に応答させる信号としてもよい。また、応答電波は、ID信号Sidに限定されず、IDを含まない信号としてもよい。
【0071】
・第1〜第3実施形態において、変更する通信方式は、変調方式に限定されず、例えば周波数等の他の要素としてもよい。
・第1〜第3実施形態において、車外用の車載機器は、ドアロック装置5に限定されず、例えばラッゲージドア装置としてもよい。また、車内用の車載機器は、エンジン始動装置6に限定されず、例えばカーナビゲーション装置やオーディオ装置等としてもよい。
【0072】
・第1〜第3実施形態において、通信方式設定装置21は、車両1に使用されることに限らず、他の機器や装置に応用してもよい。
次に、上記実施形態及び別例から把握できる技術的思想について、それらの効果とともに以下に追記する。
【0073】
(イ)請求項1〜5のいずれかにおいて、前記問い合せ電波をポーリングの動作間隔に従って繰り返し送信する電波送信手段を備えた。この構成によれば、問い合せ電波をポーリングによって断続的に送信することが可能となる。
【0074】
(ロ)請求項1〜5、前記技術的思想(イ)のいずれかにおいて、前記接近検出手段は、前記通信マスタのアンテナに流れる電流を基に、前記接近距離を検出するアンテナ電流検出手段である。この構成によれば、アンテナ電流によって接近距離を検出するので、電流値を検出する素子を通信マスタに搭載するだけで接近距離を検出することが可能となる。
【0075】
(ハ)請求項1〜5、前記技術的思想(イ)のいずれかにおいて、前記接近検出手段は、前記距離検出手段は、前記通信マスタにおける通信回路のインピーダンス変化を基に、前記接近距離を検出するインピーダンス検出手段である。この構成によれば、通信マスタにおける通信回路のインピーダンス変化を基に接近距離を検出するので、アンテナ電流で接近距離を検出する場合に必要であった素子等を用いることなく、接近距離を検出することが可能となる。
【0076】
(二)請求項1〜5、前記技術的思想(イ)のいずれかにおいて、前記距離検出手段は、前記通信マスタの制御回路から流れ出る電流を基に、前記接近距離を検出する消費電流検出手段である。この構成によれば、通信マスタの制御回路から流れ出る電流を基に接近距離を検出するので、制御回路から流れ出る電流を直に見るという簡素な構成によって接近距離を検出することが可能となる。
【符号の説明】
【0077】
1…車両、2…通信端末としての電子キー、5…車外用の車載機器としてのドアロック装置、6…車内用の車載機器としてのエンジン始動装置、11…通信マスタとしてのリーダライタ制御ECU、23…接近検出手段を構成するHiインピーダンス抵抗、24…接近検出手段を構成する接近距離検出回路、25…確認手段としての通信成立可否確認部、26…再送信手段としての通信方式切換部、28…車内通信方式設定手段としての車内通信方式設定部、31…接近検出手段を構成するインピーダンス検出部、32…接近検出手段を構成する接近距離算出部、41……接近検出手段を構成する電流検出部、Sv…問い合せ電波としての駆動電波、Sid…応答電波としてのID信号。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
通信マスタが近距離無線通信を介して問い合せ電波を送信し、当該問い合せ電波を通信端末が受信すると、当該通信端末が応答電波を前記通信マスタに送信する無線通信システムにおいて、
前記通信端末が前記通信マスタに接近したか否かを検出する接近検出手段と、
前記通信マスタの通常時の通信方式を基準通信方式とすると、前記接近検出手段が前記通信端末の接近を検出したとき、前記基準通信方式で送信された前記問い合せ電波に前記通信端末が応答して、これらの通信が確立したか否かを確認する確認手段と、
前記基準通信方式で前記通信が確立しない場合、通信方式を変えて前記問い合せ電波を再送信することにより、通信を再実行する再送信手段と
を備えたことを特徴とする無線通信システム。
【請求項2】
前記再送信手段は、前記基準通信方式以外の通信方式で前記問い合せ電波を送信したとき、当該通信方式で通信が確立しなければ、前記通信マスタに登録された他の通信方式に変えて前記問い合せ電波を再送信する動作を、通信不確立となる度に繰り返す
ことを特徴とする請求項1に記載の無線通信システム。
【請求項3】
前記基準通信方式は、前記通信端末に登録された複数の通信方式のうち、使用頻度が最も多い通信方式である
ことを特徴とする請求項1又は2に記載の無線通信システム。
【請求項4】
前記再送信手段は、前記他の通信方式に変えて前記問い合せ電波を再送信する際、使用頻度の多い順に当該問い合せ電波を送信していく
ことを特徴とする請求項2又は3に記載の無線通信システム。
【請求項5】
前記通信マスタが車両に搭載され、車外通信マスタと前記通信端末との車外通信において前記通信端末の認証が成立すると、車外用の車載機器の動作が許可又は実行され、車内通信マスタと前記通信端末との車内通信において前記通信端末の認証が成立すると、車内用の車載機器の動作が許可又は実行される無線通信システムであって、
前記車外通信において通信が確立できた通信方式で、前記車内通信を最初から実行させる車内通信方式設定手段を備えた
ことを特徴とする請求項1〜4のうちいずれか一項に記載の無線通信システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【公開番号】特開2011−259386(P2011−259386A)
【公開日】平成23年12月22日(2011.12.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−134376(P2010−134376)
【出願日】平成22年6月11日(2010.6.11)
【出願人】(000003551)株式会社東海理化電機製作所 (3,198)
【Fターム(参考)】