説明

無線通信装置

【課題】消費電力を削減しつつ短時間に接続できる無線通信装置を提供する。
【解決手段】無線通信装置は、無線部と制御部とを含む。無線部は、接続を確立するための接続要求を送信する期間を含む第1期間を有する送信状態と、接続要求を受信する期間を含む第2期間であって第1期間と同一の期間長である第2期間を有する受信状態と、を期間長ごとに送信状態又は受信状態を設定して送受信を行う。制御部は、複数の期間長で送信状態を継続する送信モードと、複数の期間長で前記受信状態を継続する受信モードと、複数の期間長で送信状態を受信状態に切り替える又は受信状態を送信状態に切り替える送受信モードとを設定し、いずれかのモードで無線部を動作させるように制御する。制御部は、外部からトリガ信号が入力される前は、受信モード又は送受信モードで無線部を動作させ、トリガ信号が入力された場合は、送信モードで無線部を動作させるように制御する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、無線通信に関する。
【背景技術】
【0002】
2つの無線通信装置で接続処理をするにあたって、一方から間欠的に接続要求を送信し、もう一方で間欠的に接続要求を受信する方法がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2007−202134号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、接続要求の送信は間欠的な動作であるため、間欠的な送信の周期が長いほど、一方から送信した接続要求がもう一方で受信されるまでにかかる時間、すなわち接続にかかる時間が長くなる傾向がある。反対に、間欠的な送信の周期を短くするほど、送信し続ける割合が大きくなるために無線通信装置の消費電力が大きくなる。すなわち、接続にかかる時間を短くしようとすると、消費電力がそれに比例して大きくなる問題がある。
本発明の一観点は、接続にかかる時間を短くしつつ消費電力を低減することができる無線通信装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上述の課題を解決するため、本発明の一実施形態に係る無線通信装置は、無線部と制御部と含む。無線部は、接続を確立するための接続要求を送信する期間を含む第1期間を有する送信状態と、前記接続要求を受信する期間を含む第2期間であって前記第1期間と同一の期間長であり該第1期間とは異なる第2期間を有する受信状態と、を該期間長ごとに該送信状態または該受信状態を設定して送受信を行う。制御部は、複数の前記期間長に渡り前記送信状態を継続する送信モードと、複数の前記期間長に渡り前記受信状態を継続する受信モードと、複数の前記期間長において前記送信状態を前記受信状態に切り替えるまたは前記受信状態を前記送信状態に切り替える送受信モードとを設定し、いずれかのモードで前記無線部を動作させるように制御する。制御部は、外部からトリガ信号が入力される前は、前記受信モードまたは前記送受信モードで前記無線部を動作させ、前記トリガ信号が入力された場合は、前記送信モードで前記無線部を動作させるように制御する。
【図面の簡単な説明】
【0006】
【図1】無線通信装置を示すブロック図。
【図2】第1の実施形態に係る制御部を示すブロック図。
【図3】第1の実施形態に係る無線部を示すブロック図。
【図4】第1の実施形態に係るモードの状態遷移を示す図。
【図5】送信モードの一例を示す図。
【図6】受信モードの一例を示す図。
【図7】送受信モードの一例を示す図。
【図8】送受信モードの第1の別例を示す図。
【図9】送受信モードの第2の別例を示す図。
【図10】送受信モードと受信モードとで動作させた無線通信装置を対向させて接続する場合の一例を示す図。
【図11】互いに送受信モードで動作させた無線通信装置を対向させて接続する場合の一例を示す図。
【図12】送信モードと受信モードとで動作させた無線通信装置を対向させて接続する場合の一例を示す図。
【図13】送信モードと送受信モードとで動作させた無線通信装置を対向させて接続する場合の一例を示す図。
【図14】送受信モードにおける送信状態と受信状態との切り替えの一例を示す図。
【図15】送受信モードと受信モードとで動作させた無線通信装置を対向させて接続する場合の別例を示す図。
【図16】送信状態の一例を示す図。
【図17】受信状態の一例を示す図。
【図18】送信状態にある無線通信装置と受信状態にある無線通信装置とを対向させた場合の一例を示す図。
【図19】送信状態にある無線通信装置と受信状態にある無線通信装置とを対向させた場合の第1の別例を示す図。
【図20】送信状態にある無線通信装置と受信状態にある無線通信装置とを対向させた場合の第2の別例を示す図。
【図21】送信状態にある無線通信装置と受信状態にある無線通信装置とを対向させた場合の第3の別例を示す図。
【図22】互いに送受信モードにある無線通信装置のタイミングずれを示す図。
【図23】受信状態における受信位置の一例を示す図。
【図24】受信状態における受信位置の第1の別例を示す図。
【図25】受信状態における受信位置の第2の別例を示す図。
【図26】第2の実施形態に係る制御部を示すブロック図。
【図27】第2の実施形態に係る各モードの状態遷移を示す図。
【図28】第3の実施形態に係る制御部を示すブロック図。
【図29】第3の実施形態に係る各モードの状態遷移を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0007】
以下、図面を参照しながら本開示の一実施形態に係る無線通信装置について詳細に説明する。なお、以下の実施形態では、同一の番号を付した部分については同様の動作を行うものとして、重ねての説明を省略する。
【0008】
(第1の実施形態)
本実施形態に係る無線通信装置について図1を参照して説明する。
本実施形態に係る無線通信装置100は、制御部101と無線部102とを含む。
【0009】
制御部101は、後述する無線部102を、受信モード、送信モード、及び送受信モードの3つのモードとして切り替えて動作させる制御を行う。また、制御部101は、外部からトリガ信号を受け取った場合は、無線部102を送信モードとして動作させるように制御する。上述の3つのモードについては、図5から図9を参照して後述する。
なお、トリガ信号は、送信モードに切り替えるための信号である。例えば、ユーザが通信を開始したい場合にボタンなどにより入力される信号でもよく、接続する電子機器から通信を開始したい場合に出力される信号でもよく、これらの信号を変換して得られる信号であってもよい。
【0010】
無線部102は、制御部101からの制御により、接続要求を送信する送信状態と接続要求を受信する受信状態とを切り替えて動作する。接続要求は、無線通信装置100がデータ通信を行う前に接続を確立するために送信する信号である。送信状態は、接続要求を送信する期間を含む第1期間を有する状態であり、受信状態は、接続要求を受信する期間を含む第2期間を有する状態である。第2期間は、第1期間と同一の期間の長さ(以下、期間長ともいう)であり、第1期間とは異なる期間である。なお、送信状態及び受信状態の詳細については、図16から図25までを参照して後述する。
アンテナ103は、無線部102に接続され、接続要求を送受信する。なお、アンテナ103は、一般的な構造のアンテナを用いればよいため、ここでの説明は省略する。
【0011】
次に、制御部101について図2を参照して説明する。
制御部101は、モード設定部201と状態設定部202とを含む。
モード設定部201は、受信モード、送信モード、及び送受信モードに設定するモード設定信号を生成する。また、モード設定部201は、外部からトリガ信号を受け取った場合は、送信モードに設定するモード設定信号を生成する。
状態設定部202は、モード設定信号を受け取り、モード設定信号に基づいて無線部102の状態を切り替えるための制御信号を生成する。
【0012】
次に、無線部102について図3を参照して説明する。
無線部102は、状態切替部301と無線送受信部302とを含む。
状態切替部301は、状態設定部202から制御信号を受け取り、制御信号に基づいて、期間長ごとに、無線送受信部302の動作状態を送信状態または受信状態として切り替える指示信号を生成する。
無線送受信部302は、状態切替部301から指示信号を受け取り、指示信号に基づいて、送信状態である場合は接続要求を送信し、受信状態である場合は接続要求を受信する。
【0013】
ここで、各モードの状態遷移について図4を参照して説明する。
図4に示すように、第1の実施形態に係る無線通信装置100は、トリガ信号が入力される前は受信モードまたは送受信モードで動作する。無線通信装置100にトリガ信号が入力された場合は、受信モードまたは送受信モードから送信モードに移行する。一般に無線通信では、受信に比べ送信の方が消費電力が大きいため、受信状態の期間にくらべて送信状態の期間の消費電力が大きくなる傾向がある。また受信の消費電力の方が大きくなる場合においても、送信状態における送信する期間の割合が受信状態における受信する期間の割合よりも十分に大きい場合には、受信状態の期間にくらべて送信状態の期間の消費電力が大きくなる。これらのように、受信状態の期間にくらべて送信状態の期間の消費電力が大きくなる場合には、第1の実施形態に係る各モードの消費電力の大小関係は、消費電力の小さい順に「受信モード<送受信モード<送信モード」となる。
よって、第1の実施形態に係る無線通信装置100は、トリガ信号が入力されないときは受信モードまたは送受信モードで動作するため、従来のように消費電力の大きい送信モードだけで動作していた場合と比べて消費電力を抑えることができる。また、送受信モードでは、接続要求を送信するため、対向した2つの無線通信装置の少なくとも一方が送受信モードであれば、トリガ信号を入力しなくても接続することができ、より短時間で接続を確立することができる。
【0014】
次に、各モードの動作状態について図5から図9までを参照して説明する。
図5は、送信モードの動作状態を示す。送信モードとは、複数の期間長に渡って、送信状態を継続するモードである。具体的には、図5に示すように期間長501の間送信状態となり、この送信状態の期間長501を継続するモードである。
図6は、受信モードの動作状態を示す。受信モードは、送信モードと同様に、複数の期間長に渡って、受信状態を継続するモードである。すなわち、期間長501の間受信状態となり、受信状態の期間長501(第2期間)を継続するモードである。
【0015】
図7から図9までは、送受信モードの動作状態を示す。送受信モードは、期間長501ごとに、送信状態と受信状態とを切り替えて送信するモードを示す。送信状態と受信状態とを切り替える方法はどのような方法でもよく、図7に示すように送信状態と受信状態とを交互に切り替えてもよいし、図8に示すように、送信状態の期間の後に、受信状態の期間を2回続けるというように、どちらかの状態を複数期間継続してもよい。また、図9に示すように、送信状態の期間と受信状態の期間とをランダムに切り替えてもよい。
【0016】
上述の各モードで動作させた無線通信装置100を対向させて接続する場合について図10から図13までを参照して説明する。
ここでは、2つの無線通信装置100を対向させて接続する場合を想定し、各無線通信装置100のモードについての時系列を、上段と下段とに示す。なお、2つの無線通信装置100のうち、どちらかの無線通信装置100が、接続要求を受信した場合には、互いに接続が確立されたとしてデータ本体を通信を行うための通信モード(図示せず)に移行する。
【0017】
トリガ信号が無線通信装置100に入力される前は、少なくともどちらか一方の無線通信装置100が送受信モードで動作していれば接続することができる。例えば、図10に示すように、一方が送受信モード(上段)で、一方が受信モード(下段)である場合を想定する。この場合、一方の無線通信装置100が送受信モードの送信状態の間に送信された接続要求は、もう一方の無線通信装置100がどのタイミングでも受信することができる。
【0018】
また、図11に示すように、両方の無線通信装置100が送受信モードである場合には、どちらか一方が送信した接続要求をもう一方で受信することができるので、接続することが可能となる。但し、2つの無線通信装置100が送受信モードで動作し、かつ全く同じタイミングで送信状態と受信状態とを切り替えるという状況が起こりえた場合には、送信状態で送信された接続要求がもう一方で受信されずに、接続できない場合も想定されうる。しかし一般的には、タイミングが完全に一致し続けることは考えにくく、2つの無線通信装置100の間でタイミングはずれが生じていくため、このような状況は起こりにくい。
なお、タイミングが完全に一致する状態に対しては、図9に示すような送信状態と受信状態とをランダムに切り替える方法を用いれば、切り替えのタイミングが完全に一致していたとしても、一方が送信状態、もう一方が受信状態となる期間が存在するので、接続できなくなるような状況を避けることができる。
【0019】
トリガ信号が入力された無線通信装置100は、送信モードに移行する。よって、図12及び図13に示すように、トリガ信号が入力されていない無線通信装置100(図12及び図13の下段)は、受信モードまたは送受信モードに関わらず、受信状態にある場合に接続要求を受信することができ、接続を確立することができる。
【0020】
ここで、送受信モードにおける送信状態と受信状態との切り替えについて図14及び図15を参照して説明する。
図14は、送受信モードの一例であり、期間長501ごとに、送信状態と受信状態とが設定される。ここで、期間長の整数倍となる第3期間1401ごとに少なくとも1回、第3期間1401に含まれる期間長501を「送信状態」とする。具体的には、図14に示す送受信モードのように、先頭の期間長501を「送信状態」として、それ以外を「受信状態」とした第3期間1401を繰り返す。すなわち、制御部101が、第3期間1401の中のある1つの期間長501を「送信状態」と設定すれば、少なくとも第3期間1401ごとに接続要求を送信することになる。
図15は、一方の無線通信装置100が送受信モード、もう一方の無線通信装置100が受信モードで動作している一例を示す。このように、接続相手となる無線通信装置100が受信モードで動作していても、第3期間1401内には接続を確立することができる。
【0021】
次に、送信状態及び受信状態の動作例を図16及び図17を参照して説明する。
図16は、期間長501における送信状態の一例を示す。送信状態は、期間長501の間に連続的に接続要求を送るよりも間欠的に接続要求を送信する方が、消費電力の観点から望ましい。例えば、期間長501の間に、期間長より短い第4期間1601の間は接続要求を連続して送信する。そして、期間長501より短くかつ第4期間1601より長い第5期間1602の周期ごとに、間欠的に接続要求を送信すればよい。具体的に図16の例では、第4期間1601の間接続要求を送信し、期間1603では送信しないという第5期間1602の周期ごとに、期間長501の間に11回接続要求を間欠的に送信している。
【0022】
一方、図17は、期間長501における受信状態の一例を示す。受信状態に関しても、期間長501の間に連続して受信し続けると消費電力が増加するため、期間長501の間に1回受信する。例えば、図17に示すように、期間長501の間に1回受信すればよい。但し、受信する第6期間1701が、送信状態において接続要求が送信されていない期間以下であると、接続要求が受信できない可能性がある。そのため、第6期間1701は、第5期間1602から第4期間1601を減じた期間1603よりも長く設定することが望ましい。
【0023】
次に、第6期間1701を、期間1603よりも長く設定した場合の受信状態及び送信状態の一例について図18から図21を参照して説明する。
一方の無線通信装置100が送信状態にあり、もう一方の無線通信装置100が受信状態にある場合を想定する。図18から図21までに示すように、受信する第6期間1701が、第5期間1602から第4期間1601を減じた期間1603よりも長いため、受信と送信とのタイミングが一致する。つまり、図18から図21に示す期間1801、期間1901、期間2001、及び期間2101のそれぞれのように、一方の無線通信装置100から送信された接続要求を受信することができ、どのようなタイミングでも接続を確立することができる。
【0024】
次に、受信状態の動作例について図22から図25を参照して説明する。
受信状態を図17のように設定した場合、接続先となる無線通信装置100が送信モードであれば、送信状態を繰り返すためいずれかの期間で接続信号を受信できる。しかし、接続先となる無線通信装置100が送受信モードである場合には、全ての期間に送信状態ではないため、受信状態における受信期間に留意が必要となる。
具体的には図22に示すように、互いの無線通信装置100が送受信モードで動作しており、かつ送信状態と受信状態とが近いタイミングで切り替わっている場合を想定する。
【0025】
図23から図25までは、図26に示す期間2201を詳細に示した図である。図23に示すように、受信状態にある期間長501の中心付近で受信するように第6期間1701を設定すると、送信状態と受信状態とが近いタイミングで切り替わる場合には、接続要求を受信できなくなる可能性がある。
【0026】
このような場合は、期間長501の中心を含まない期間で受信するように第6期間1701を設定する。特に、期間長501内で中心から離れた位置に第6期間1701を設定することが望ましい。例えば、図24に示すように、期間長501の先頭で受信するように第6期間1701を設定すると、送信状態と受信状態とが近いタイミングで切り替わっても期間2401で接続要求を受信することができる。同様に、図25に示すように、期間長501の最後で受信するように第6期間1701を設定しても、期間2501で送信された接続要求を受信することができる。
よって、互いに送受信モードで動作し、かつほぼ同様のタイミングで送信状態と受信状態とが切り替わる場合でも、少しでもタイミングにずれが生じたときに接続要求を受信することができ、接続要求を受信できない状況が発生する確率を小さくすることができる。
【0027】
以上に示した第1の実施形態によれば、トリガ信号の入力ありなしによらずに接続できるので接続にかかる時間を短くすることができる。さらにトリガ信号が入力される前は、受信モードまたは送受信モードで動作し、トリガ信号を入力されたときに送信モードで動作するため、消費電力を低減することができる。
【0028】
(第2の実施形態)
第2の実施形態では、無線通信装置にトリガ信号が入力され、受信モードまたは送受信モードから送信モードに移行したときに、一定時間経過すると再び受信モードまたは送受信モードに戻る点が第1の実施形態とは異なる。トリガ信号が入力されて送信モードに移行したのち、送信モードのまま一定時間以上が経過した場合、通信の相手となる無線通信装置が、通信できる状態で対向していない可能性がある。このような状態で送信モードを継続すると消費電力が増加する。
よって、一定時間経過後に送信モードから受信モードまたは送受信モードに移行することで、送信モードで動作している時間が減少し、さらなる消費電力の増加を抑えることができる。
【0029】
第2の実施形態に係る無線通信装置について図26を参照して説明する。なお、無線部102は、第1の実施形態と同様の動作を行うため、ここでの説明は省略する。
第2の実施形態に係る制御部2601は、モード設定部2602、状態設定部202、及びタイマー部2603を含む。
モード設定部2602は、第1の実施形態に係るモード設定部201とほぼ同様の動作を行うが、タイマー部2603から一定時間経過したことを示す通知信号を受け取った場合は、受信モードまたは送受信モードに設定するモード設定信号を生成する点が異なる。
タイマー部2603は、モード設定部2602から送信モードに設定することを示すモード設定信号を受け取ったときから時間を計測し、一定時間経過した後、通知信号を生成する。
【0030】
次に、第2の実施形態に係る各モードの状態遷移について図27に示す。
送信モードに移行してから一定時間経過した場合には、より消費電力が小さい受信モードまたは送受信モードに移行する。
【0031】
以上に示した第2の実施形態によれば、送信モードに移行してから一定時間経過した場合に、受信モードまたは送受信モードに移行するによって、消費電力の増加を抑えることができる。
【0032】
(第3の実施形態)
第3の実施形態では、受信モードで動作中に設定信号が入力された場合、受信モードから送受信モードへ移行する点が第1及び第2の実施形態とは異なる。例えば、両方とも受信モードで動作している場合は、トリガ信号を受け取るまではお互いに接続することができず通信を行うことができない。従って、外部から設定信号が入力された場合に受信モードから送受信モードに移行するように設定することで、トリガ信号によらず接続することができる。
【0033】
第3の実施形態に係る無線通信装置について図28を参照して説明する。なお、無線部102は、第1の実施形態と同様の動作を行うためここでの説明は省略する。
第3の実施形態に係る制御部2801は、モード設定部2802と状態設定部202とを含む。
モード設定部2802は、第1の実施形態に係るモード設定部201と同様の動作を行うが、設定信号を受け取った場合に送受信モードに設定する設定信号を生成する点が異なる。設定信号は、外部のハードウェアデバイス等で設定される、モードを送受信モードに移行させる信号である。なお、無線通信装置が受信モードで動作中またはいずれかのモードで動作するよりも前、例えば初期設定時に、少なくとも1回設定信号を受信することで送受信モードに移行できればよい。
【0034】
次に、各モードの状態遷移について図29に示す。
受信モードで動作中は、トリガ信号を受け取ると送信モードに移行し、設定信号を受け取ると送受信モードに移行する。送受信モードで動作中は、トリガ信号を受け取ると送信モードに移行する。
なお、第2の実施形態に係る各モードの状態遷移を組み合わせてもよい。すなわち、最初は受信モードで動作しており、その後設定信号を受け取ることにより、送受信モードに移行する。その後、トリガ信号を受け取ることにより送信モードに移行する。送信モードに移行してから一定時間経過後に受信モードまたは送受信モードに移行することも可能である。その際、第3の実施形態に係る無線通信装置にタイマー部を含み、第2の実施形態に示す動作を行えばよい。
【0035】
以上に示した第3の実施形態によれば、設定信号が入力された場合に受信モードから送受信モードに移行するように設定することで、トリガ信号によらず接続要求を受信し、データ通信を行うための接続を確立することができる。
【0036】
(第4の実施形態)
第4の実施形態では、図1に示す無線通信装置100の構成において、アンテナ103を無線通信装置に含む構成とする。このように、アンテナ103を無線通信装置100に含める構成とすることにより、アンテナまで含めた1つの装置として無線通信装置を構成することが可能となるため、実装面積を少なく抑えることが可能となる。なお、アンテナ103を送信処理と受信処理とで共用することにより、無線通信装置を小型化することが可能となる。
【0037】
(第5の実施形態)
第5の実施形態では、図1の無線通信装置100の構成に加えて、バッファを備える。このように、バッファを無線通信装置に含める構成とすることにより、送受信データをバッファに保持することが可能となり、再送処理や外部出力処理を容易に行うことが可能となる。
【0038】
(第6の実施形態)
第6の実施形態では、第5の実施形態に係る無線通信装置の構成に加えて、バス、プロセッサ部、及び外部インターフェース部を備える。プロセッサ部及び外部インターフェース部は、バスを介してバッファと接続される。プロセッサ部ではファームウエアが動作する。このように、ファームウエアを無線通信装置に含める構成とすることにより、ファームウエアの書き換えによって無線通信装置の機能の変更を容易に行うことが可能となる。
【0039】
(第7の実施形態)
第7の実施形態では、図1の無線通信装置100の構成に加えて、クロック生成部を備える。クロック生成部は、クロックを生成して出力端子より無線通信装置100の外部にクロックを出力する。このように、無線通信装置内部で生成されたクロックを外部に出力し、外部に出力されたクロックによってホスト側を動作させることにより、ホスト側と無線通信装置側とを同期させて動作させることが可能となる。
【0040】
(第8の実施形態)
第8の実施形態では、無線通信装置100の構成に加えて、電源部、電源制御部、及び無線電力給電部を含む。電源制御部は、電源部と無線電力給電部とに接続され、無線通信装置に供給する電源を選択する制御を行う。このように、電源を無線通信装置に備える構成とすることにより、電源を制御した低消費電力化動作が可能となる。
【0041】
(第9の実施形態)
第9の実施形態では、図8の実施形態に係る無線通信装置の構成に加えて、NFC(Near Field Communications)送受信部を含む。NFC送受信部は、電源制御部および制御部101と接続される。このように、NFC送受信部を無線通信装置に備える構成とすることにより、容易に認証処理を行うことが可能となるとともに、NFC送受信部をトリガとして電源制御を行うことによって待受け時の低消費電力化を図ることが可能となる。
【0042】
(第10の実施形態)
第9の実施形態では、第8の実施形態に係る無線通信装置の構成に加えて、SIMカードを含む。SIMカードは、制御部101と接続される。このように、SIMカードを無線通信装置に備える構成とすることにより、容易に認証処理を行うことが可能となる。
【0043】
(第11の実施形態)
第11の実施形態では、第6の実施形態に係る無線通信装置の構成に加えて、動画像圧縮/伸長部を含む。動画像圧縮/伸長部は、バスと接続される。このように、動画像圧縮/伸長部を無線通信装置に備える構成とすることにより、圧縮した動画像の伝送と受信した圧縮動画像の伸長とを容易に行うことが可能となる。
【0044】
(第12の実施形態)
第12の実施形態では、図1の無線通信装置100の構成に加えて、LED部を含む。LED部は、制御部101と接続される。このように、LED部を無線通信装置に備える構成とすることにより、無線通信装置の動作状態をユーザに容易に通知することが可能となる。
【0045】
(第13の実施形態)
第13の実施形態では、図1の無線通信装置100の構成に加えて、バイブレータ部を含む。バイブレータ部は、制御部101と接続される。このように、バイブレータ部を無線通信装置に備える構成とすることにより、無線通信装置の動作状態をユーザに容易に通知することが可能となる。
【0046】
(第14の実施形態)
第14の実施形態では、図1の無線通信装置100の構成に加えて、無線LAN部および無線切替部を含む。無線切替部は、制御部101と無線LAN部とに接続され、無線LANによる通信と無線部101からの通信とを切替える。このように、無線LAN部を無線通信装置に備える構成とすることにより、状況に応じて無線LANによる通信と無線部102からの通信とを切替えることが可能となる。
【0047】
(第15の実施形態)
第15の実施形態では、第14の実施形態に係る無線通信装置の構成に加えて、スイッチ(SW)を含む。スイッチは、アンテナ103、無線部101、無線切替部、及び無線LAN部に接続される。このように、スイッチを無線通信装置に備える構成とすることにより、アンテナを共用しながら状況に応じて無線LANによる通信と無線部102による通信とを切替えることが可能となる。
【0048】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0049】
100・・・無線通信装置、101,2601,2801・・・制御部、102・・・無線部、103・・・アンテナ、201,2602,2802・・・モード設定部、202・・・状態設定部、301・・・状態切替部、302・・・無線送受信部、501・・・期間長、1601,1602,1701,1801,1901,2001,2101,2201,2401,2501・・・期間、2603・・・タイマー部。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
接続を確立するための接続要求を送信する期間を含む第1期間を有する送信状態と、前記接続要求を受信する期間を含む第2期間であって前記第1期間と同一の期間長であり該第1期間とは異なる第2期間を有する受信状態と、を該期間長ごとに該送信状態または該受信状態を設定して送受信を行う無線部と、
複数の前記期間長に渡り前記送信状態を継続する送信モードと、複数の前記期間長に渡り前記受信状態を継続する受信モードと、複数の前記期間長において前記送信状態を前記受信状態に切り替えるまたは前記受信状態を前記送信状態に切り替える送受信モードとを設定し、いずれかのモードで前記無線部を動作させるように制御する制御部と、を具備し、
前記制御部は、外部からトリガ信号が入力される前は、前記受信モードまたは前記送受信モードで前記無線部を動作させ、前記トリガ信号が入力された場合は、前記送信モードで前記無線部を動作させるように制御することを特徴とする無線通信装置。
【請求項2】
前記送信モードで前記無線部が動作している時間を計測し、一定時間経過後に通知信号を生成するタイマー部をさらに具備し、
前記制御部は、前記通知信号を受け取った場合、前記受信モードまたは前記送受信モードで前記無線部を動作させるように制御することを特徴とする請求項1に記載の無線通信装置。
【請求項3】
前記制御部は、前記無線部が前記受信モードで動作中に設定信号が入力された場合は、前記送受信モードで前記無線部を動作させるように制御することを特徴とする請求項1に記載の無線通信装置。
【請求項4】
前記送受信モードは、前記期間長の整数倍を含む第3期間中に、少なくとも1回前記送信状態となることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の無線通信装置。
【請求項5】
前記無線部は、前記送信状態において、前記期間長より短い第4期間に接続要求を連続して送信し、前記期間長より短く該第4期間より長い第5期間ごとに該接続要求を送信することを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の無線通信装置。
【請求項6】
前記無線部は、前記受信状態において、前記第5期間から前記第4期間を減じた期間よりも長い第6期間の間連続して受信することを特徴とする請求項5に記載の無線通信装置。
【請求項7】
前記無線部は、前記受信状態において、前記第2期間の中心を含まない期間に、前記第6期間の間連続して受信することを特徴とする請求項6に記載の無線通信装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【公開番号】特開2012−114514(P2012−114514A)
【公開日】平成24年6月14日(2012.6.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−259445(P2010−259445)
【出願日】平成22年11月19日(2010.11.19)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【Fターム(参考)】