説明

無線ICデバイス

【課題】金属物品に搭載してもRFIDシステムとして機能する無線ICモジュールを提供する。
【解決手段】無線ICモジュール6の搭載面に対して、ループ状電極7のループ面がほぼ垂直に向くように、ループ状電極7を形成する。ループ状電極7は磁界アンテナとして作用し、金属物品60と電磁界結合して金属物品60の表面がアンテナの放射体として作用する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、無線ICデバイス、特に、非接触でデータ通信を行うRFID(Radio Frequency Identification)システムに用いられる無線ICデバイス、無線ICモジュール、および、無線ICモジュールの製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、物品を管理するための情報を電子的に記憶し、所定の無線信号を処理する無線ICチップと、この無線ICチップとリーダライタとの間で無線信号の送受信を行うアンテナとを備えた無線ICデバイスが開発されている。このような無線ICデバイスを用いたシステムはRFIDシステムと呼ばれ、無線ICデバイス(カード、タグ、インレットなどの形態をとる)と、これに対して読み書きを行うリーダライタとの組み合わせにより、個体認証やデータの送受信に利用可能である。
【0003】
ところで、このような非接触型のRFIDシステムにおいては、無線ICデバイスを添付する対象物である物品が、金属、水分、塩分などを含むものである場合、物品に渦電流が生じ、その渦電流による影響でアンテナが正常に動作しない場合がある。すなわち、物品にアンテナを平面的に貼付すると、前記渦電流で電磁波が吸収されてしまうため、情報の送受信が不良または不可能になることがある。そして、この不具合は、高周波帯で動作する無線ICデバイスにおいて特に顕著であった。
【0004】
そこで、例えばHF帯で動作する無線ICデバイスでは、特許文献1〜3に開示されているように、アンテナと物品との間に磁性部材を配置する手法がある。また、UHF帯で動作する無線ICデバイスでは、特許文献4,5に開示されているように、アンテナを物品から離間して配置する手法がある。
【0005】
しかしながら、アンテナと物品との間に磁性部材を配置したり、アンテナを物品から離間したりする手法では、多様な用途に適用するために要求されている、小型・薄型化に対応できないという問題があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2004−304370号公報
【特許文献2】特開2005−340759号公報
【特許文献3】特開2006−13976号公報
【特許文献4】特開2007−172369号公報
【特許文献5】特開2007−172527号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
そこで、本発明の目的は、小型・薄型化を損なうことなく、金属・水分・塩分などを含む物品に貼付しても非接触型のRIFDシステムとして機能する無線ICデバイス、無線ICモジュール、および、無線ICモジュールの製造方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
前記課題を解決するために、本発明の第1の形態である無線ICデバイスは、所定の無線信号を処理する無線ICと、放射体として作用する放射電極と、前記放射電極の面に対して垂直にある垂直電極部を複数有し、該垂直電極部を含む電極をループ状に形成した、前記無線ICおよび前記放射電極と結合するループ状電極と、を備えたことを特徴とする。
【0009】
また、本発明の第2の形態である無線ICモジュールは、所定の無線信号を処理する無線ICと、前記無線ICと結合されたループ状電極と、を備えた無線ICモジュールであって、前記ループ状電極は、前記無線ICモジュールの搭載面に対して垂直にある垂直電極部を複数有していることを特徴とする。
【0010】
また、本発明の第3の形態である無線ICモジュールの製造方法は、所定の無線信号を処理する無線ICと、前記無線ICと結合されたループ状電極と、を備えた無線ICモジュールの製造方法であって、線状電極をパターニングした金属板を用意する工程と、前記金属板を基板に巻きつけながら折り曲げて、前記無線ICモジュールの搭載面に対して垂直である複数の垂直電極部を有する、ループ状電極を形成する工程と、を備えたことを特徴とする。
【0011】
また、本発明の第4の形態である無線ICモジュールの製造方法は、所定の無線信号を処理する無線ICと、前記無線ICと結合されたループ状電極と、を備えた無線ICモジュールの製造方法であって、線状電極をパターニングした金属板を用意する工程と、前記金属板を基板に巻きつけながら折り曲げて、前記無線ICモジュールの搭載面に対して垂直である複数の垂直電極部を有する、ループ状電極を形成する工程と、前記折り曲げた金属板を樹脂でモールドする工程と、を備えたことを特徴とする。
【0012】
前記無線ICデバイスにおいて、無線ICおよび放射電極と結合するループ状電極は、ループ状電極を構成する垂直電極部が放射電極に対して垂直にあるので、放射電極に対して平行に磁界が形成される。これにより、放射電極に対して垂直に電界が誘起され、この電界ループによって磁界ループが誘起され、その連鎖により電磁界分布が広がる。
【0013】
また、垂直電極部が複数形成されているので、発生する磁界が多くなり、高い利得によって通信することができる。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、無線ICデバイスおよび/または無線ICモジュールの小型・薄型化を維持するとともに、金属、水分、塩分などを含む物品に搭載しても非接触型のRFIDシステムとして機能させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】第1実施例である無線ICモジュールを示し、(A)は平面図、(B)は底面図、(C)は(A)のI−I線断面図、(D)は(A)のII−II線断面図である。
【図2】第1実施例である無線ICモジュールおよびそれを備えた物品の構成を示す図である。
【図3】図2に示した無線ICモジュールの主要部の拡大図である。
【図4】図2に示した金属物品表面の無線ICモジュール付近の電磁界分布を示す概略図である。
【図5】第1実施例である無線ICモジュールの無線ICを示す図である。
【図6】第1実施例である無線ICモジュールの給電回路基板の積層構造を示す分解図である。
【図7】第2実施例である無線ICモジュールを示し、(A)は平面図、(B)は底面図、(C)は(A)のIII−III線断面図である。
【図8】第2実施例である無線ICデバイスを示す図である。
【図9】図8に示した無線ICデバイスの主要部の拡大図である。
【図10】第3実施例である無線ICモジュールを示し、(A)は平面図、(B)は底面図、(C)は側面図である。
【図11】第3実施例である無線ICモジュールの製造方法を示す図である。
【図12】第3実施例の変形例である無線ICモジュールを示し、(A)は平面図、(B)は底面図である。
【図13】第4実施例である無線ICモジュールを示す図である。
【図14】第4実施例である無線ICモジュールの製造方法を示す図である。
【図15】第5実施例である無線ICモジュールを示し、(A)は平面図、(B)は底面図である。
【図16】第5実施例である無線ICモジュールの製造方法を示す図である。
【図17】第5実施例の変形例である無線ICモジュールを示す図である。
【図18】第6実施例である無線ICモジュールを示し、(A)は平面図、(B)は底面図、(C)は(A)のIV−IV線断面図、(D)は(A)のV−V線断面図である。
【図19】第7実施例である無線ICデバイスを示す図である。
【図20】第7実施例の変形例である無線ICデバイスを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明に係る無線ICモジュール、無線ICデバイス、および無線ICモジュールの製造方法について、図面を参照して詳細に説明する。なお、各図において、共通する部品、部分には同じ符号を付し、重複する説明は省略する。
【0017】
(第1実施例、図1〜図6参照)
図1は、第1実施例である無線ICモジュール6を示し、(A)は平面図、(B)は底面図、(C)は(A)のI−I線断面図、(D)は(A)のII−II線断面図である。
【0018】
無線ICモジュール6は、所定の無線信号を処理する無線IC2と、ループ状電極7とを備える。無線IC2は、ループ状電極7の両端結合部4,5上に配置され、無線IC2とループ状電極7とは電磁界結合している。なお、無線IC2とループ状電極7は電気的に直接接続(DC接続)されていてもよい。
【0019】
ループ状電極7は、電極、すなわち、基板3上に形成された両端結合部4,5と線状電極8、基板3に形成されたビアホール導体9、および、基板3の底面に形成された共通電極17を有する。線状電極8およびビアホール導体9は、基板上に、両端結合部4,5を挟んで左右対称に形成されている。そして、例えば、結合部5→線状電極8b→ビアホール導体9b→共通電極17→ビアホール導体9a→線状電極8a→結合部4というように、電極がループを描いてループ状電極7を構成する。本実施例において、無線ICモジュール6は、共通電極17が形成された底面が、物品に搭載される搭載面となり、ビアホール導体9が、無線ICモジュール6の搭載面に対して垂直となるので、ビアホール導体9が、垂直電極部である。
【0020】
前述のように、ループ状電極7は、両端結合部4,5、線状電極8、ビアホール導体9、共通電極17によって構成されるが、線状電極8およびビアホール導体9が複数形成されているので、ループ状電極7も複数形成されていることになる。すなわち、線状電極8およびビアホール導体9は、基板3上に、結合部4,5を挟んで左右にそれぞれ複数形成され、左右の複数の線状電極8は、それぞれ平行に配列されている。複数の線状電極8は、左右でそれぞれ並列に接続され、両端結合部4,5に接続されて無線IC2と結合している。また、複数の線状電極8は、複数のビアホール導体9を介して、基板3の底面に形成された共通電極17に接続している。これによって、ループ状電極7は、複数のループを形成する。
【0021】
図2は、無線ICモジュール6を金属物品60の所定の面に対して取り付けた図である。そして、図3は、無線ICモジュール6を拡大した図である。なお、図2および図3では、無線ICモジュール6を模式的に図示している。例えば、図2および図3では、ループ状電極7が模式的に単数しか図示されていないが、実際にはループ状電極7が複数ある。図3に示されているように、ループ状電極7の垂直電極部9Aは、無線ICモジュール6の搭載面に対して垂直であるので、ループ状電極7の垂直電極部9Aは、金属物品60に対して垂直に向くように配置される。
【0022】
ここで、本無線ICモジュール6の動作原理について、図4を参照して説明する。図4は、ループ状電極7によって生じる電磁界分布(磁界H、電界E)を概略的に示している。図中破線は、磁界Hのループ、実線は電界Eのループをそれぞれ示している。
【0023】
ループ状電極7は磁界アンテナとして作用し、ループ状電極7の垂直電極部9Aによって磁界Hは金属物品60の表面に対して平行に発生し、金属物品60の面に対して垂直な電界Eを誘起し、この電界ループによって磁界ループを誘起し、その連鎖により電磁界分布が広がる。
【0024】
なお、前述の例ではループ状電極7を送信アンテナとして説明したが、アンテナの可逆性により、これが受信アンテナとして作用する場合にも同様に作用する。すなわち、電磁界が磁界ループを誘起し、この磁界ループが金属物品60の面に対して垂直な電界Eを誘起し、この電界Eが、金属物品60の表面に対して平行な磁界Hを発生させ、ループ状電極7と結合する。
【0025】
このように、無線ICモジュール6は、無線ICモジュール6を搭載する物品が、金属であってもRFIDシステムとして機能することができる。すなわち、無線ICモジュール6は、金属物品60の表面を、放射板として作用させることができる。また、無線ICモジュール6を搭載する物品が、金属以外の物品、例えば、血液・味噌・食塩水・石鹸などの電解液であっても同様に機能する。なお、物品が金属や電解液などであると、電流が物品の表面を通ることができるので、無線ICモジュールを搭載した面と反対側から送受信を行うことができる。
【0026】
また、ループ状電極7が複数形成されていて、垂直電極部9Aを複数有するので、発生する磁界Hの量が多くなる。これにより、誘起される電磁界の量も多くなり、高い利得で送受信を行うことができる。
【0027】
なお、ループ状電極7は、その本数が多いほど利得を向上することができる。これは、ループ状電極7が多いほど、発生する磁界の量および受け取る磁界の量が多くなるからである。また、同様に、ループ状電極7の幅が広いほど、利得を向上することができる。なお、複数のループ状電極7の間は、磁界の通り道を確保するため、一定以上の間隔がある方がよい。
【0028】
また、基板の底面に共通電極17を形成しているので、無線ICモジュール6を金属物品60に搭載しても、無線ICモジュール6と金属物品60間で浮遊容量が生じにくく、無線ICモジュール6の特性が変化することを抑制することができる。
【0029】
次に、本実施例の無線ICモジュール6の製造方法の一例について説明する。
【0030】
本実施例では、まず、例えばガラス/エポキシ製などの基板3に導電ペーストをパターニングして印刷し、基板3の表面に両端結合部4,5および複数の線状電極8、裏面に共通電極17を形成する。そして、その後に、線状電極8を形成した箇所に、基板3を貫通するビアホールを形成し、ビアホールに導電ペーストを充填することによりビアホール導体9を形成する。ビアホール導体9により、基板3の表面に形成したループ状電極7と、基板3の裏面に形成した共通電極17とが接続される。
【0031】
そして、ループ状電極7の結合部4,5に、無線IC2を配置することで、無線ICモジュール6が得られる。
【0032】
以下、無線IC2について説明する。
【0033】
無線IC2は、図5に示されているように、無線ICチップ10と給電回路基板20を有する。無線ICチップ10は、クロック回路、ロジック回路、メモリ回路などを含み、必要な情報がメモリされている。無線ICチップ10は、裏面に一対の入出力端子電極および一対の実装用端子電極が設けられ、入出力端子電極は給電回路基板20上に形成した給電端子電極42a,42b(図6参照)に、実装用端子電極は実装電極43a,43b(図6参照)に金属バンプなどを介して電気的に接続されている。給電回路基板20には、インダクタンス素子L1,L2が形成され、ループ状電極7の両端結合部4,5にそれぞれ対向するように樹脂接着剤56にて貼着されている。
【0034】
インダクタンス素子L1,L2は逆相で磁気結合して広帯域化され、無線ICチップ10が処理する周波数に共振し、かつ、ループ状電極7と電磁界結合している。また、給電回路21は無線ICチップ10のインピーダンスと無線ICモジュール6を搭載する金属物品60のインピーダンスとのマッチングを図っている。
【0035】
従って、給電回路基板20は、無線ICチップ10から発信された所定の周波数を有する送信信号(例えば、UHF周波数帯の信号)を金属物品60に伝達し、かつ、金属物品60で受信した信号から所定の周波数を有する受信信号を選択し、無線ICチップ10に供給する。それゆえ、この無線ICモジュール6は、金属物品60で受信した信号によって無線ICチップ10が動作され、該無線ICチップ10からの応答信号が金属物品60から外部に放射される。
【0036】
給電回路基板20は、図6に示すように、誘電体あるいは磁性体からなるセラミックシート41a〜41hを積層、圧着、焼成したものである。最上層のシート41aには、給電端子電極42a,42b、実装電極43a,43b、ビアホール導体44a,44b,45a,45bが形成されている。2層目〜8層目のシート41b〜41hには、それぞれ、インダクタンス素子L1,L2を構成する配線電極46a,46bが形成され、必要に応じてビアホール導体47a,47b,48a,48bが形成されている。
【0037】
以上のシート41a〜41hを積層することにより、配線電極46aがビアホール導体47aにて螺旋状に接続されたインダクタンス素子L1が形成され、配線電極46bがビアホール導体にて螺旋状に接続されたインダクタンス素子L2が形成される。また、配線電極46a,46bの線間にキャパシタンスが形成される。
【0038】
シート41b上の配線電極46aの端部46a−1はビアホール導体45aを介して給電端子電極42aに接続され、シート41h上の配線電極46aの端部46a−2はビアホール導体48a,45bを介して給電端子電極42bに接続される。シート41b上の配線電極46bの端部46b−1はビアホール導体44bを介して給電端子電極42bに接続され、シート41h上の配線電極46bの端部46b−2はビアホール導体48b,44aを介して給電端子電極42aに接続される。
【0039】
以上の給電回路21において、インダクタンス素子L1,L2はそれぞれ逆方向に巻かれているため、インダクタンス素子L1,L2で発生する磁界が相殺される。磁界が相殺されるため、所望のインダクタンス値を得るためには配線電極46a,46bをある程度長くする必要がある。これにてQ値が低くなるので共振特性の急峻性がなくなり、共振周波数付近で広帯域化することになる。
【0040】
インダクタンス素子L1,L2は、給電回路基板20を平面透視したときに、左右の異なる位置に形成されている。また、インダクタンス素子L1,L2で発生する磁界はそれぞれ逆向きになる。これにて、給電回路21をループ状電極7の結合部4,5に結合させたとき、結合部4,5には逆向きの電流が励起され、ループ状電極7を介して信号を送受信することができる。なお、インダクタンス素子L1,L2を結合部4,5に電気的に接続させてもよい。
【0041】
なお、給電回路基板20は、セラミックまたは樹脂からなる多層基板であってもよく、あるいは、ポリイミドや液晶ポリマなどの誘電体からなるフレキシブルなシートを積層した基板であってもよい。特に、インダクタンス素子L1,L2が給電回路基板20に内蔵されることで、給電回路21が基板外部の影響を受けにくくなり、放射特性の変動を抑制できる。
【0042】
なお、無線IC2に、給電回路基板20は必ずしも必要ではなく、無線ICチップそのものであってもよい。この場合には、無線ICチップが直接にループ状電極7の結合部4,5に結合される。また、無線IC2は、給電回路が形成された無線ICチップであってもよい。
【0043】
(第2実施例、図7〜図9参照)
図7は、第2実施例である無線ICモジュール66を示し、(A)は平面図、(B)は底面図、(C)は(A)のIII−III線断面図である。
【0044】
第2実施例である無線ICモジュール66は、第1実施例と同様に、無線IC22、両端結合部24,25、複数の線状電極28、ビアホール導体29を有する。そして、両端結合部24,25、複数の線状電極28、ビアホール導体29は、基板23に形成されている。しかし、第1実施例と異なり、無線ICモジュール66は、その搭載面である基板23の裏面に共通電極を有していない。よって、両端結合部24,25、複数の線状電極28、ビアホール導体29は、ループ状電極の一部であるループ状電極部71を構成する。
【0045】
図8に示されるように、無線ICモジュール66は、金属物品61の所定の面に対して取り付けられ、無線ICデバイス660を構成する。無線ICモジュール66を金属物品61に取り付けることによって、ビアホール導体29と金属物品61の金属面とが電気的に直接導通する。金属物品61の金属面は、放射体として作用する放射電極である。これにより、金属物品61の金属面を、ループ状電極の一部に兼用する。すなわち、ループ状電極部71と金属物品61の表面とによって、図中Lで示すようにループ状電極を構成し、これを無線ICと結合させている。なお、ループ状電極を構成するビアホール導体29は、金属物品61の金属面に対して垂直になるように形成された、垂直電極部29Aである。
【0046】
このような構成であっても、ループ状電極部71と金属物品61の表面とによるループ状電極は磁界アンテナとして作用し、金属物品61と結合して、図4に示したものと同様の作用により、金属物品61の表面がアンテナの放射体として作用する。
【0047】
なお、ループ状電極が複数形成されていて、垂直電極部29Aを複数有するので、高い利得で送受信を行うことができることも、第1実施例と同様である。
【0048】
(第3実施例、図10〜図12参照)
図10は、第3実施例である無線ICモジュール600を示し、(A)は平面図、(B)は底面図、(C)は側面図である。
【0049】
第3実施例である無線ICモジュール600は、第1実施例と同様に、無線IC200、両端結合部400,500、複数の線状電極800、共通電極170を有するが、第1実施例と異なり、ポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム303で覆われているため、破線で示している。また、無線ICモジュール600は、ビアホール導体を有していない。よって、線状電極800が、基板300の側面をとおって、共通電極170と接続されている。すなわち、電極である、両端結合部400,500、線状電極800および共通電極170によって、ループ状電極700を構成している。
【0050】
無線ICモジュール600において、搭載面である基板300の底面に対して垂直に形成された線状電極800が、垂直電極部900Aであり、これによって、搭載する物品が金属であってもRFIDシステムとして機能することができる。また、ループ状電極700が複数形成されていて、垂直電極部900Aが複数あるので、高い利得で通信を行うことができる。
【0051】
第3実施例である無線ICモジュール600の製造方法を、図11を用いて説明する。
【0052】
まず、図11(A)に示すように、無線IC200を配置するための凹部301を形成した、例えばポリエチレンイミン(PEI)基板などの基板300と、金属薄膜をパターニングして蒸着したPETフィルム303とを用意する。
【0053】
PETフィルム303上の金属薄膜である金属板701には、両端結合部400,500、複数の線状電極800、共通電極170が形成され、これらは後にループ状電極を構成する。複数の線状電極800には、折り曲げを容易にするため、基板300の角部に接触する位置に折り曲げ部801が形成されている。
【0054】
次に、図11(B)に示すように、PETフィルム303上に、基板300を配置する。具体的には、共通電極170上に、基板300を配置する。そして、基板300の凹部301に、無線IC200を配置する。このとき、無線IC200と金属板701とを実装(接着)するために、無線IC200の端子を上向けておくとよい。
【0055】
そして、基板300を包み込むように、PETフィルム303を折り曲げる。これにより、金属板701が折り曲げられ、ループを形成し、ループ状電極700となる。そして、両端結合部400、500と、無線IC200の端子とを実装(接着)することにより、無線ICモジュール600となる。
【0056】
この方法によると、簡易な方法で、無線ICモジュールを形成することができる。
【0057】
なお、前記製造方法では、金属板701が基板300と接触するようにPETフィルム303を折り曲げたが、金属板701が外側に向くようにPETフィルム303を折り曲げてもよい。この場合には、共通電極170が、基板300の底面に形成されることになるので、金属物品との浮遊容量が形成されることを抑制することができる。
【0058】
図12は、第3実施例の無線ICモジュール600の変形例である無線ICモジュール610を示し、(A)は平面図、(B)は底面図である。
【0059】
無線ICモジュール610は、基本的には、第3実施例と同様であるが、図12(B)に示されているように、裏面に補助電極171が形成されている。補助電極171は、PETフィルム303に形成されたビアホール導体910を介して、共通電極170と接続されている。
【0060】
このように、無線ICモジュール610の裏面に補助電極171を形成することにより、無線ICモジュール610と金属物品との間の浮遊容量を抑制してもよい。
【0061】
(第4実施例、図13および図14参照)
図13は、第4実施例である無線ICモジュール620を示す。
【0062】
第4実施例である無線ICモジュール620は、第3実施例と同様に、無線IC220、複数の線状電極820、共通電極370を有する。しかし、無線ICモジュール620では、第3実施例と異なり、これらが樹脂320でモールドされている。そのため、無線IC220、複数の線状電極820、共通電極370を破線で示している。
【0063】
無線ICモジュール620においても、図13に図示されていない両端結合部、複数の線状電極820、共通電極370により、ループ状電極720を構成する。そして、無線ICモジュール620の搭載面である底面に対して垂直に形成された線状電極820が、垂直電極部であり、これにより、搭載する物品が、金属であってもRFIDシステムとして機能することができる。また、ループ状電極720が複数形成されていて、垂直電極部が複数あるので、高い利得で通信を行うことができる。
【0064】
第4実施例である無線ICモジュール620の製造方法を、図14を用いて説明する。
【0065】
まず、図14(A)に示すように、厚さ15〜150μm程度の金属板721(フープ材と称されるリン青銅を好適に用いることができ、アルミニウムなどであってもよい)を、打ち抜き加工、エッチング加工などでパターニングする。金属板721は、後の加工によりループ状電極720となるので、両端結合部420,520、複数の線状電極820、共通電極370を有する。なお、複数の線状電極820には、折り曲げ加工を容易にするための折り曲げ部821が形成されている。
【0066】
次に、図14(B)に示すように、金属板721をループを描くように折り曲げて、ループ状電極720を形成する。
【0067】
次に、図14(C)に示すように、ループ状電極720の結合部420,520上に無線IC220を実装(接着)する。そして、ループ状電極720および無線IC220を樹脂でモールドすることにより、無線ICモジュール620となる。
【0068】
この方法によっても、簡易な方法で、無線ICモジュール620を形成することができる。
【0069】
なお、共通電極370が露出するように、樹脂をモールドすると、無線ICモジュール620を金属物品に搭載しても、無線ICモジュール620と金属物品との間で浮遊容量が生じにくく、無線ICモジュール620の特性が変化することを抑制することができる。
【0070】
(第5実施例、図15〜図17参照)
図15は、第5実施例である無線ICモジュール630を示し、(A)は平面図、(B)は底面図である。
【0071】
第5実施例である無線ICモジュール630は、第3実施例と同様に、無線IC230、複数の線状電極830、共通電極470を有する。しかし、無線ICモジュール630では、第3実施例と異なり、図15に図示されていない両端結合部、複数の線状電極830、共通電極470が導通接続していない。すなわち、無線ICモジュール630は、2つの共通電極470を有し、これら共通電極470が容量結合することによってループ状電極730を構成している。図15(B)に示されているように、2つの共通電極470は、基板330の裏面で絶縁層を介して互いに重なり合い、容量結合している。
【0072】
このように、両端結合部、複数の線状電極830、共通電極470を導通接続しなくても、ループ状電極730を構成することができる。
【0073】
第5実施例である無線ICモジュール630の製造方法を、図16を用いて説明する。
【0074】
まず、図16に示すように、基板330と、金属薄膜をパターニングして蒸着したPETフィルム333とを用意する。
【0075】
PETフィルム333上の金属薄膜である金属板731には、両端結合部430,530、複数の線状電極830、2つの共通電極470が形成され、これらは後にループ状電極を構成する。なお、PETフィルムの金属薄膜が形成された面と反対の面(裏面)には、接着剤が塗布されていることが好ましい。また、複数の線状電極830には、折り曲げを容易にするため、基板330の角部に接触する位置に折り曲げ部831が形成されている。
【0076】
次に、PETフィルム333の裏面が下になるように、PETフィルム333を基板330上に被せる。そして、基板330を包み込むように、PETフィルム333を折り曲げる。これにより、金属板731が折り曲げられ、ループを形成し、ループ状電極730となる。このとき、2つの共通電極470は、基板330の裏面でPETフィルム333を介して重なり合い、容量結合する。なお、PETフィルム333の裏面には接着剤が塗布されているので、PETフィルム333を基板330に密着させるとともに、2つの共通電極470同士も密着させることができる。最後に、両端結合部430,530上に無線IC230を搭載し、両端結合部430,530と無線IC230の端子とを実装(接着)することにより、無線ICモジュール630となる。
【0077】
このように、ループ状電極730を容量結合によって構成することにより、極めて容易に無線ICモジュール630を製造することができる。すなわち、本実施例の無線ICモジュール630の製造方法では、容量結合によってループ状電極730を形成しており、共通電極470はその一部分が重なり合ってさえいればよいので、ループ状電極730を形成する際の位置合わせの精度が要求されない。また、本実施例の無線ICモジュール630の製造方法では、共通電極470はその一部分が重なり合ってさえいればよく、重なり合う面積を適宜調整することができるので、基板330の大きさや厚みが異なっても、同一のPETフィルム333を用いて無線ICモジュールを製造することができる。
【0078】
なお、図17の底面図に示すように、ループ状電極730を、図示しない両端結合部および複数の線状電極830で構成し、線状電極830同士を容量結合してループ状電極730を構成してもよい。また、共通電極と線状電極とを容量結合してループ状電極730を構成してもよい。
【0079】
(第6実施例、図18参照)
図18は、第6実施例である無線ICモジュール640を示す。この無線ICモジュール640は、所定の無線信号を処理する無線IC240と、ループ状電極740とを備える。ループ状電極740は、基板340の表面に形成された一対の平面電極840と、基板340の底面に形成された共通電極570と、電極840,570を電気的に接続する複数のビアホール導体39とを有する。無線IC240は一対の平面電極840のそれぞれに形成された結合部440,540と電磁界結合(直接接続でもよい)している。
【0080】
この無線ICモジュール640は、共通電極570が形成された底面が物品に搭載される搭載面となり、物品への搭載状態は前記第1実施例と同様である。無線ICモジュール640の動作原理も第1実施例で説明したとおりである。なお、本実施例において、ビアホール導体39に代えて、基板340の側面に複数の電極(垂直電極部)を形成することによって電極840,570を電気的に接続するようにしてもよい。
【0081】
(第7実施例、図19および図20参照)
図19は、第7実施例である無線ICデバイス166を示す。
【0082】
第7実施例である無線ICデバイス166は、無線ICモジュール106が、円筒状の金属物品160の内側の所定の面に搭載され、無線ICモジュール106のループ状電極107が金属物品160の表面と電磁界結合することにより、構成される。
【0083】
本実施例の無線ICデバイス166では、第1実施例〜第6実施例とは異なり、ループ状電極107の対向する位置に、金属物品160が跨って配置されており、ループ状電極107と金属物品160の表面とが結合している。すなわち、第1実施例〜第6実施例では複数のループ状電極を形成して、放射電極に対する垂直電極部の数を増やすことにより、放射電極と結合する磁界の量を増加させていたが、本実施例では、ループ状電極107の複数箇所を搭載面とすることによって、放射電極に対する垂直電極部の数を増やし、放射電極と結合する磁界の量を増加させている。第1実施例〜第6実施例と共通して言えることは、放射電極に対する垂直電極部が複数あること、好ましくは放射電極に対する垂直電極部が4つ以上あることで、放射電極と結合する磁界の量が多くなるので、高い利得で送受信を行うことができる。
【0084】
本実施例では、ループ状電極107は矩形状のループを有し、無線IC102と結合している結合部140,150を有する結合面に垂直に位置する、対向する2つの平板状の電極面110が、円筒状の金属物品160の内側と接している。対向する2つの電極面110は、金属物品160に非導電性接着剤などによって接着されている。これにより、無線IC102と結合している結合面、および、これに平行な面が、金属物品160の表面に対して垂直となり、これらが垂直電極部109となる。
【0085】
本実施例では、円筒状の金属物品160の内側にループ状電極107が配置され、金属物品160とループ状電極107とが複数箇所で接着しているので、金属物品160に対する垂直電極部109は4つとなる。すなわち、金属物品160とループ状電極107との接着部(電極面110が構成する)は2つあり、第1の接着部に対する垂直電極部109が2つ、第2の接着部に対する垂直電極部109が2つあるので、金属物品160に対する垂直電極部109は4つとなる。金属物品160に対する垂直電極部109が多数あるので、金属物品160と結合する磁界の量が多くなり、高い利得で送受信を行うことができる。また、本実施例では、垂直電極部109が、円筒状の金属物品160の内側の空間を跨ぐように形成されているので、円筒状の金属物品160の内側に発生する磁界と効率よく結合でき、高い利得で送受信を行うことができる。
【0086】
なお、図20に示すように、ループ状電極107と金属物品160とは、導通接続によって結合していてもよい。
【0087】
なお、本実施例において、無線ICモジュール106は、円筒状の金属物品160の内側に取り付けられているが、円筒状の金属物品の内側に発生した電磁界が、外側に伝搬されるので、外部の電磁界と結合することができる。
【0088】
(他の実施例)
本発明に係る無線ICデバイス、無線ICモジュール、および無線ICモジュールの製造方法は、前記実施例に限定するものではなく、その要旨の範囲内で種々に変更できることは勿論である。
【0089】
例えば、前記実施例では、直方体の物品に無線ICモジュールを搭載する例を示したが、他の形状の物品に無線ICモジュールを搭載することもできる。円柱状の物品に無線ICモジュールを搭載すると、どの方向から信号も受信し、どの方向へも信号を送信することができる。
【0090】
また、実施例では、物品の外側に無線ICモジュールを搭載する例を示したが、第7実施例で示したように、物品の内側に無線ICモジュールを搭載しても、物品に、穴や隙間などの電磁界の通信部が形成されていれば、RFIDシステムとして機能することができる。
【0091】
また、複数のループ状電極は、複数のループ状電極が接続する共通電極を有さず、両端結合部および複数の線状電極で構成されていてもよい。
【0092】
また、無線ICと放射電極とのインピーダンスを、ループ状電極によって整合してもよい。
【0093】
また、ループ状電極が形成される基板やループ状電極をモールドする樹脂にはフェライトが含有されていてもよい。フェライトが含有されていると、ループ状電極から発生する磁界の量が多くなり、高い利得で送受信を行うことができる。
【産業上の利用可能性】
【0094】
以上のように、本発明は、無線ICデバイス、無線ICモジュールに有用であり、特に、小型・薄型化を損なうことなく、金属・水分・塩分などを含む物品に貼付しても非接触型のRFIDシステムとして機能する点で優れている。
【符号の説明】
【0095】
6,66,106,600,610,620,630,640…無線ICモジュール
166,660…無線ICデバイス
2,22,102,200,220,230,240…無線IC
4,5,24,25,140,150,400,500,420,520,430,530,440,540…両端結合部
7,107,700,720,730,740…ループ状電極
71…ループ状電極部
8,28,800,820,830…線状電極
9,29,39…ビアホール導体
17,170,370,470,570…共通電極
60,61,160…金属物品
701,721,731…金属板
840…平面電極

【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定の無線信号を処理する無線ICと、
放射体として作用する放射電極と、
前記放射電極の面に対して垂直にある垂直電極部を複数有し、該垂直電極部を含む電極をループ状に形成した、前記無線ICおよび前記放射電極と結合するループ状電極と、
を備えたことを特徴とする無線ICデバイス。
【請求項2】
前記放射電極に対して前記垂直電極部が4つ以上あること、を特徴とする請求項1に記載の無線ICデバイス。
【請求項3】
複数の前記ループ状電極を備え、
前記複数のループ状電極は並列に接続されていること、
を特徴とする請求項1または請求項2に記載の無線ICデバイス。
【請求項4】
前記放射電極は前記ループ状電極の対向する位置に跨って配置されていること、を特徴とする請求項1〜請求項3のいずれかに記載の無線ICデバイス。
【請求項5】
前記ループ状電極は前記放射電極に導通し、前記放射電極の一部を前記ループ状電極に兼用したこと、を特徴とする請求項1〜請求項4のいずれかに記載の無線ICデバイス。
【請求項6】
所定の無線信号を処理する無線ICと、前記無線ICと結合されたループ状電極と、を備えた無線ICモジュールであって、
前記ループ状電極は、前記無線ICモジュールの搭載面に対して垂直にある垂直電極部を複数有していること、
を特徴とする無線ICモジュール。
【請求項7】
前記無線ICモジュールの搭載面に対して前記垂直電極部が4つ以上あること、を特徴とする請求項6に記載の無線ICモジュール。
【請求項8】
複数の前記ループ状電極を備え、
前記複数のループ状電極は並列に接続されていること、
を特徴とする請求項6または請求項7に記載の無線ICモジュール。
【請求項9】
前記複数のループ状電極は共通に接続する共通電極を有すること、を特徴とする請求項8に記載の無線ICモジュール。
【請求項10】
前記共通電極は前記無線ICモジュールの搭載面に形成されていること、を特徴とする請求項9に記載の無線ICモジュール。
【請求項11】
基板をさらに有し、
前記ループ状電極は前記基板に形成されていること、
を特徴とする請求項6〜請求項10のいずれかに記載の無線ICモジュール。
【請求項12】
前記ループ状電極は前記基板に形成されたビアホール導体を有していること、を特徴とする請求項11に記載の無線ICモジュール。
【請求項13】
前記ループ状電極は容量結合によって形成されていること、を特徴とする請求項6〜12のいずれかに記載の無線ICモジュール。
【請求項14】
所定の無線信号を処理する無線ICと、前記無線ICと結合されたループ状電極と、を備えた無線ICモジュールの製造方法であって、
線状電極をパターニングした金属板を用意する工程と、
前記金属板を基板に巻きつけながら折り曲げて、前記無線ICモジュールの搭載面に対して垂直である複数の垂直電極部を有する、ループ状電極を形成する工程と、
を備えたことを特徴とする無線ICモジュールの製造方法。
【請求項15】
所定の無線信号を処理する無線ICと、前記無線ICと結合されたループ状電極と、を備えた無線ICモジュールの製造方法であって、
線状電極をパターニングした金属板を用意する工程と、
前記金属板を基板に巻きつけながら折り曲げて、前記無線ICモジュールの搭載面に対して垂直である複数の垂直電極部を有する、ループ状電極を形成する工程と、
前記折り曲げた金属板を樹脂でモールドする工程と、
を備えたことを特徴とする無線ICモジュールの製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【公開番号】特開2012−209970(P2012−209970A)
【公開日】平成24年10月25日(2012.10.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−156131(P2012−156131)
【出願日】平成24年7月12日(2012.7.12)
【分割の表示】特願2010−545794(P2010−545794)の分割
【原出願日】平成22年1月8日(2010.1.8)
【出願人】(000006231)株式会社村田製作所 (3,635)
【Fターム(参考)】