説明

無限可変トランスミッションを用いた動力制限制御付き作業機械

【課題】無限可変トランスミッションと結合した内燃エンジンを含む作業機械において、トルク制御および無限速度制御を可能として燃料効率を高める。
【解決手段】作業機械は、内燃(IC)エンジン12と、ICエンジン12と結合された無限可変トランスミッション14とを含む。IVT14は、可調節モジュール18と機械式モジュール20とを含み、可調節入力/出力(I/O)比を有する。クラッチ22は、機械式モジュール20と結合されており、出力を有する。可調節操作者入力デバイス40は、動力制限制御を表す出力信号を供給する。少なくとも1つの電気処理回路36が操作者入力デバイス40と結合されており、操作者入力デバイス40からの前記出力信号に応じて、前記I/O比および前記クラッチ出力の選択された組み合わせを制御するように構成されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、作業機械に関し、更に特定すれば、無限可変トランスミッション(IVT)と結合した内燃エンジンを含む作業機械に関する。
【背景技術】
【0002】
建設作業機械、農業作業機械、または林業作業機械のような作業機械は、通例、内燃(IC)エンジンの形態とした原動機を含む。ICエンジンは、圧縮点火エンジン(即ち、ディーゼル・エンジン)または火花点火エンジン(即ち、ガソリン・エンジンのいずれかの形態であればよい。殆どの重作業機械では、原動機は、関連する作業動作に対する引っ張り、引き落とし、およびトルク特性が高いディーゼル・エンジンの形態をなす。
【0003】
負荷衝撃後の過渡状態におけるICエンジンのステップ負荷応答は、エンジンの排気量、エンジンのハードウェア(例えば、標準的なターボチャージャを有するか、ウェスト・ゲートまたは可変形状(variable geometry)があるターボチャージャを有するか等)、排出法(例えば、可視スモーク、窒素酸化物(NOx)等)、騒音または振動の要件に関する空気および燃料アクチュエータ(例えば、排気ガス再循環、可変形状を有するターボチャージャ(VGT)、燃料噴射構成等)を駆動するためのソフトウェア方針によって主に影響を受ける特徴である。負荷衝撃は、駆動列負荷(例えば、作業機械の後ろで引っ張る器具)または外部負荷(例えば、フロント・エンド・ローダ、バックホー・アタッチメントなどのような補助液圧負荷)の結果である場合がある。
【0004】
エンジン・システムは、全体としては、過渡負荷が加えられている間線形に反応する。最初に、ICエンジンの駆動軸に負荷を加える。ICエンジンの速度は、負荷が増大すると低下する。エンジンの速度下落は、ガバナが等時性であるかまたは速度ドループを有するかによって影響を受ける。エア・アクチュエータを修正することにより、空気流を増大させて追加の空気をICエンジンに供給する。新しい空気流設定点に達するには、時間遅延が必要となる。燃料噴射量は、ほぼ即座であり、煙制限および最大許容燃料量双方に関して増大する。次いで、エンジンはエンジン速度設定点に回復する。負荷衝撃後の過渡状態におけるエンジンのステップ負荷応答と関連のあるパラメータには、速度下落、およびエンジン設定点に回復するための時間がある。
【0005】
ICエンジンをIVTに結合すると、無段階で0から最大までの連続可変出力速度が得られる。IVTは、通例、静水および機械的伝導部品を含む。静水部品は、回転するシャフトの動力を作動流に、そしてその逆に変換する。IVTを通過する動力流(power flow)は、設計および出力速度に応じて、静水的部品のみ、機械的部品のみ、または双方の組み合わせを通過することができる。
【0006】
作業機械に用いるIVTの一例に、液圧機械式トランスミッションがあり、これは遊星ギア集合と結合されている流体モジュールを含む。作業機械用IVTの別の例に、静水的トランスミッションがあり、これはギア集合と結合されている液圧モジュールを含む。
【0007】
IVTを含む作業機械は、負荷状態に合わせるためにIVT比が変化するときに、牽引制御の喪失および車輪のスリップが生じやすくなる虞れがある。IVTコントローラは、エンジン速度を検知し、エンジン速度が負荷を下回って低下すると、IVT比が低下する。対地速度が低いときは、作業機械に必要な動力量が、エンジンの発生可能な動力のうち低い割合でよいため、エンジンからの出力トルクが増大するときにも、エンジンは過負荷減速しないで済む。そして、操作者は車輪におけるトルクが増大していることには気がつかない。この場合、駆動輪は牽引力を失い、前触れなくスピン・アウトする可能性がある。
【0008】
多くの建設または耕作機械の用途では、機械が作業している表面を乱さないように、機械に負荷がかかっている間車輪のスピン(牽引力)を制限または排除することが望ましい。型番644J、724J、および824Jのような、本発明の譲受人が製造する現在の四輪駆動(4WD)フロント・エンド・ローダは、トルク・コンバータで駆動するパワーシフト・トランスミッションを内蔵している。トルク・コンバータで駆動する機械は、トルク・コンバータ間の速度差によってトランスミッションに対するトルク入力制御を自然に行うことによって、牽引力を制限する。この速度差は、車両の対地速度とエンジン速度との関数である。対地速度がゼロに近づくに連れて、コンバータの出力トルクは、現在のコンバータ入力速度(エンジン速度)に対する失速トルクに近づく。したがって、失速トルクはエンジン速度に比例する。操作者は、フット・スロット・ペダルによってエンジン速度を制御し、つまり、トランスミッションに対するトルクを制御し、したがって機械の牽引力を制御する。牽引力の制御は、機械がバケットを積載しているときに、4WDローダの用途では特に重要である。操作者は、バケットに完全に充填するために、タイヤをスピンさせずに一貫した力で機械がパイル(pile)を「押し込む」ことを望む。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
この構成に伴う1つの問題は、その機構自体によって、牽引力を制御するのに望ましい構成にすることにより解消しなければならない。4WDローダのバケット積載の場合について考えてみる。機械がパイルの中に掘り進むに連れて、負荷は著しく増大する。トルク・コンバータは、所与のエンジンおよび対地速度に対して有限量のトルクを供給できるに過ぎず、したがってパイルからの負荷がコンバータのトルク容量を超過すると、対地速度は低下する。対地速度が低下すると、トルク・コンバータ間の速度差が増大する。すると、操作者は牽引力を増大することを望み、したがってエンジン速度を上昇させてトルクを増大させる。このサイクルは、機械が更に深くパイルに彫り込む十分な牽引力を供給できなくなるまで、またはタイヤがスピン・アウトするまで継続することができる。双方の場合、トルク・コンバータ間に大きな速度差があり、コンバータは非常に低速でトランスミッションに大きなトルクを供給している。つまり、トルク・コンバータにおいて大きな動力損失が生じ、エネルギがコンバータ流体に消散される熱となるという問題が生ずる。動力の損失によって、燃焼される燃料が増加し、これが形を変えて燃料効率の低下となり、コンバータの速度差およびトルクが増大するに連れて、燃料効率の低下は一層悪化する。
【0010】
この燃料効率の問題に取り組むために試行した1つの解決策では、静水駆動トランスミッションを4WDローダに内蔵した。静水トランスミッションでは、前述の場合では、ほぼ無限の速度比を供給することによって、いずれの要素間にも「スリップ」を生ずることなく、いずれのエンジン速度においてもトランスミッション出力速度をゼロ付近に制御できるようにすることにより、効率を高めるという利点が得られる。つまり、燃料効率が向上する。しかしながら、以前と同様、この構成に伴う問題は、それ自体の機構に起因する。トランスミッションの入力対出力速度比が非常に大きくなると(出力速度がほぼゼロ)、トランスミッションの出力トルクは比例して増加する。つまり、操作者は、牽引力に対する限界制御ができない。以上のバケット積載の場合、機械は積載の間なす術もなくタイヤをスピンさせ、それを解消する方法がない。
【0011】
当技術分野では、低対地速度条件において牽引力を失い難く、IVTと共に構成した作業機械が求められている。
【課題を解決するための手段】
【0012】
一形態において、本発明は、内燃(IC)エンジンと、ICエンジンと結合されている無限可変トランスミッション(IVT)とを含む作業機械を対象とする。IVTは、可調節モジュールと機械式モジュールとを含み、可調節入力/出力(I/O)比を有する。クラッチが、機械式モジュールと結合されており、出力を有する。可調節操作者入力デバイスが、動力制限制御を表す出力信号を供給する。少なくとも1つの電気処理回路が操作者入力デバイスと結合されており、操作者入力デバイスからの前記出力信号に応じて、前記I/O比および前記クラッチ出力の選択された組み合わせを制御するように構成されている。
【0013】
別の形態において、本発明は、内燃(IC)エンジンと、無限可変トランスミッション(IVT)と、クラッチとを含む作業機械の動作方法を対象とする。本方法は、操作者入力デバイスから電気処理回路に、最大許容対地速度とクラッチからの最大許容出力トルクとに対応する出力信号を出力するステップと、操作者入力デバイスからの出力信号に応じて、IVTのI/O比とクラッチのクラッチ圧力の選択された組み合わせを制御するステップとを含む。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】図1は、本発明の作業機械の一実施形態の模式図である。
【図2】図2は、フット・ペダル出力対対地速度およびトルク出力間の関係のグラフである。
【図3】図3は、本発明の作業機械の動作方法の一実施形態のフローチャートを示す。
【発明を実施するための形態】
【0015】
これより図1を参照すると、本発明の作業機械10の一実施形態の模式図が示されている。作業機械10は、John Deere フロント・エンド・ローダのような建設作業機械であることを想定しているが、農業、林業、鉱業、または工業用作業機械のような異なる種類の作業機械とすることができる。
【0016】
作業機械10は、通例、ICエンジン12からの出力クランクシャフト16を通じて、IVT14と結合されているICエンジン12を含む。図示の実施形態では、ICエンジン12はディーゼル・エンジンであると仮定するが、ガソリン・エンジン、プロパン・エンジン等とすることもできる。ICエンジン12は、用途に応じて大きさおよび構成を決められる。
【0017】
IVT14は、一般に、可調節モジュール18、機械式モジュール20(例えば、駆動列)、およびクラッチ22を含む。IVT14は、図示の実施形態では、液圧機械式トランスミッションであると仮定するが、静水トランスミッション、電気機械式トランスミッション、またはその他の形式のIVTでも可能である。液圧機械トランスミッションとして構成されている場合(図示の実施形態におけるように)、可調節モジュールは、液圧ポンプおよびモータを有する液圧モジュール18の形態となる。電気機械式トランスミッション(図示せず)として構成する場合、可調節モジュールは、発電機およびモータの形態となる。IVT14は、従来の設計でよく、したがってここでは詳細には説明しない。
【0018】
IVT14の出力は、少なくとも1つの他の下流駆動列部品24と結合されており、一方、下流駆動列部品24は複数の駆動輪26に結合されている。駆動輪26の1つが図1に示されている。勿論、トラック型(track-type)作業車両の場合、駆動列部品24を対地係合トラックと結合すればよいことは認められよう。
【0019】
クラッチ22は、電子制御可能なクラッチであり、IVT14の中に一体的に組み込まれている。クラッチ22は、クラッチ・スリップが生じ始める所望のクラッチ圧力に選択的に調節することができる。クラッチ22は、従来の設計でよく、したがってここでは詳細には説明しない。また、クラッチ22をIVT14とは別個として、IVT14の機械モジュール20からの出力と結合してもよいことも認められよう。
【0020】
また、IVT14は出力動力を1つ以上の外部負荷28に供給し、一方、外部負荷28はこれによってICエンジン12に追加の負荷を供給する。外部負荷28は、通例、フロント・エンド・ローダ、バックホー・ブーム、粒子揚げ卸しオーガ機能、伐木鋸モータ等のように、液圧負荷の形態である。つまり、ICエンジン12にかかる総負荷は、牽引負荷および外部液圧負荷の関数となる。
【0021】
電気処理回路30は、1つ以上のコントローラとして構成されている。図示の実施形態では、コントローラ30はエンジン制御ユニット(ECU)32を含み、これがICエンジン12の動作を電子的に制御し、ICエンジン12の動作と関連のある複数のセンサ(具体的には示さない)と結合されている。例えば、ECU32は、1つ以上の吸気マニフォルド内における空気流速、エンジン速度、燃料供給速度および/またはタイミング、排気ガス環流(EGR)率、ターボチャージャ・ブレード位置等のような、エンジン制御パラメータを示すセンサと結合することができる。加えて、ECU32は、指令対地速度(スロットルおよび/または静水ペダルの位置によって示す)、または作業機械10の指令方向(ハンドルの角方位によって示す)のような、操作者が入力した車両制御パラメータを表す出力信号を、車両制御ユニット(VCU)34から受信することもできる。
【0022】
同様に、トランスミッション制御ユニット(TCU)36は、IVT14の動作を電子的に制御し、IVT14の動作と関連のある複数のセンサと結合されている。ECU32、VCU34、およびTCU36は、コントローラ・エリア・ネットワーク(CAN)バス38のような、双方向データ流を提供するバス構造を通じて互いに結合されている。
【0023】
操作者入力デバイス40は、IVT14からの動力制限制御を、操作者に調節させる。図示の実施形態では、操作者入力デバイス40は、フット・ペダルとして構成されている。フット・ペダル40は、フット・ペダルの位置を表す出力信号をTCU36に供給する。出力信号は、最大許容対地速度および最大許容出力トルクに相関付けられる。これについては、以下で説明する。
【0024】
また、コントローラ30は、センサ42および44から、それぞれ、IVT14への入力および出力を表す信号を受け取る。センサ42および44からの信号は、対地速度、I/O比、クラッチ・スリップ等を判断するために用いることができる。
【0025】
ECU32、VCU34、およびTCU36のような種々の電子部品は、有線接続を用いて互いに結合されているように示されているが、ある種の用途には無線接続を用いてもよいことは言うまでもない。更に、図1のコンポーネントのうち、内部電子回路および流体接続は、簡素化のために示されていない。
【0026】
本発明の動作方法を用いると、最大許容対地速度およびトルク値の双方が0から100%に正規化され、100%が、現在の車両対地速度に許容される最大値となる。図2は、最大許容対地速度および正規化最大トランスミッション出力トルクに対するペダル割合(pedal percentage)のプロットを示す。トランスミッション出力トルクの制限は、トランスミッション出力クラッチ上における最大圧力を制限することによって遂行する。負荷が増大すると、クラッチはスリップし始め、このため出力速度は、利用可能なトルク量が制限されるので低下する。スリップによる動力損失を低く抑えるために、トランスミッションの静水モジュールをストロークして(stroke)、スリップするクラッチ間における速度差を極少量に維持する。負荷が増大し続ける場合、出力速度はゼロに近づくことができるが、液圧モジュール18はディストローク(destroke)してそのスリップ速度を維持し続ける。その間終始、トルク容量は同一のままであり、機械は負荷に対抗して一定の牽引力を維持することができる。操作者は、機械の牽引力を更に望む場合、単にフット・ペダルを一層押下すればよく、これによってクラッチ圧力が上昇して、トランスミッション・トルク容量が増加する。その時点で、機械を停止させ続ける程負荷が十分ではない場合、スリップしているクラッチ間の速度差がゼロになる可能性がある(クラッチが後退して固定する)。制御ロジックはそれを認識し、次いで、同様にペダル位置によって設定される所望の対地速度目標を達成しようとするために、ストロークし始める。クラッチがスリップし始めるといつでも、制御ロジックは液圧モジュール18に「追従」するように指令し、クラッチがスリップしないときはいつでも、ロジックは液圧モジュール18に目標対地速度を達成するように指令する。したがって、本発明は、トランスミッションの出力トルクおよび速度を制限するための直接操作者入力を供給する。
【0027】
これより図3を参照して、本発明の作業機械10の動作方法の一実施形態について更に詳細に説明する。
【0028】
動作の間、操作者はフット・ペダルの使用を維持するが、このとき、エンジン速度を直接制御する代わりに、ペダルがトランスミッションの出力動力を直接制限する。ペダルの移動範囲は、0から100%であり、100%が最大に押下されたときである。このペダル割合を制御アルゴリズムに入力する。次いで、制御ロジックは、参照表を調べる。これは、1)ペダル割合を最大許容対地速度に関係付け、2)ペダル割合を最大許容トランスミッション出力トルクに関係付ける。
【0029】
フット・ペダル40は、フット・ペダル40の位置を表す出力信号を、TCU36に供給する。フット・ペダル40からの出力信号を、0および100%の間の値に正規化する(ブロック50)。ペダル位置に基づいて、最大許容対地速度および最大許容正規化トルクを計算する(ブロック52および54)。現在の実際の対地速度(ブロック56)、および正規化最大許容トルク(ブロック54から)を用いて、現在の対地速度に対する最大許容実トルクを計算する(ブロック58)。これに基づいて、最大クラッチ圧力を指令する(ブロック60)。次に、制御ロジックは、センサ42および44ならびに既知のITV14のI/O比を用いて、クラッチの「スリップ」をチェックする(判断ブロック62)。スリップは、スリップしきい値(RPM値)以上のクラッチ間速度差と定義する。クラッチがスリップしている場合、液圧モジュール18に、スリップ速度を最大許容スリップ(RPM値)以下に維持するように命令する(ブロック64)。クラッチがスリップしていない場合(速度差がスリップしきい値未満)、液圧モジュール18に、ペダル位置が目標とする最大対地速度を達成するように命令する(ブロック66)。
【0030】
本方法の便益は、トルク・コンバータ・システムの最良の特徴(トルク制御)と、静水システムの最良の特徴(無限速度制御および燃料効率)とを合体することである。トルク制御は、最大許容トランスミッション・トルクをフット・ペダル位置の関数として制限することによって遂行する。トランスミッション・トルクの制限は、出力クラッチ圧力の制限によって行う。速度制御は、IVTまたは静水トランスミッションの使用により、最大許容対地速度をフット・ペダル位置の関数とすることによって遂行する。燃料効率利得は、出力クラッチ間の速度差(スリップ速度)を連続的に監視することによって遂行する。トランスミッション静水モジュール(18および20)は、スリップ速度を非常に小さい値に制限するように、しかるべくストロークし、こうしてクラッチを介する動力損失を制限する。
【0031】
以上、好適な実施形態について説明したが、添付した特許請求の範囲に定めた本発明の範囲から逸脱することなく、種々の修正が可能であることは明らかとなろう。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
作業機械であって、
内燃(IC)エンジンと、
前記ICエンジンと結合された無限可変トランスミッション(IVT)であって、可調節モジュールと機械式モジュールとを含み、可調節入力/出力(I/O)比を有する、IVTと、
前記機械式モジュールと結合されたクラッチであって、出力を有する、クラッチと、
動力制限制御を表す出力信号を供給する可調節操作者入力デバイスと、
前記操作者入力デバイスと結合されており、該操作者入力デバイスからの前記出力信号に応じて、前記I/O比および前記クラッチ出力の選択された組み合わせを制御するように構成された、少なくとも1つの電気処理回路と、
を備えた、作業機械。
【請求項2】
請求項1記載の作業機械において、前記操作者入力デバイスはフット・ペダルである、作業機械。
【請求項3】
請求項2記載の作業機械において、前記少なくとも1つの電気処理回路は、前記操作者入力デバイスからの前記出力信号を、最大許容対地速度と、前記クラッチからの最大許容出力トルクとに相関付ける、作業機械。
【請求項4】
請求項3記載の作業機械において、前記少なくとも1つの電気処理回路は、前記フット・ペダルの位置を0と1との間の正規化値に相関付け、前記フット・ペダル位置の前記正規化値を、前記最大許容対地速度および前記最大許容出力トルクの各々について、0と1との間の正規化値と相関付ける、作業機械。
【請求項5】
請求項3記載の作業機械において、前記最大許容出力トルクは、スリップが発生し始める前記クラッチの最大クラッチ圧力に対応する、作業機械。
【請求項6】
請求項5記載の作業機械において、前記最大許容出力トルクが発生し、前記クラッチがスリップし始めた場合、前記少なくとも1つの電気処理回路は、前記作業機械の現対地速度と実質的に一致するように、前記I/O比を調節する、作業機械。
【請求項7】
請求項5記載の作業機械において、前記クラッチがスリップしていない場合、前記少なくとも1つの電気処理回路は、前記フット・ペダルからの前記出力信号と関連した所望の対地速度と実質的に一致するように、前記I/O比を調節する、作業機械。
【請求項8】
請求項1記載の作業機械において、前記IVTは前記クラッチを一体的に含む、作業機械。
【請求項9】
請求項1記載の作業機械において、前記少なくとも1つの電気処理回路は、前記IVTと関連したトランスミッション制御ユニット(TCU)を含む、作業機械。
【請求項10】
請求項1記載の作業機械において、当該作業機械は、建設作業機械、農業作業機械、林業作業機械、鉱業作業機械、および工業作業機械のうち1つを含む、作業機械。
【請求項11】
内燃(IC)エンジンと、無限可変トランスミッション(IVT)と、クラッチとを含む作業機械の動作方法であって、
操作者入力デバイスから電気処理回路に、最大許容対地速度と前記クラッチからの最大許容出力トルクとに対応する出力信号を出力するステップと、
前記操作者入力デバイスからの前記出力信号に応じて、前記IVTのI/O比と前記クラッチのクラッチ圧力の選択された組み合わせを制御するステップと、
を備えた、方法。
【請求項12】
請求項11記載の作業機械の動作方法において、前記操作者入力デバイスはフット・ペダルである、方法。
【請求項13】
請求項12記載の作業機械の動作方法であって、
前記フット・ペダルの位置を、0と1との間の正規化値に相関付けるステップと、
前記フット・ペダル位置の前記正規化値を、前記最大許容対地速度および前記最大許容出力トルクの各々について、0と1との間の正規化値と相関付けるステップと、
を備えた、方法。
【請求項14】
請求項11記載の作業機械の動作方法において、前記最大許容出力トルクは、スリップが発生し始める前記クラッチ上の最大クラッチ圧力に対応する、方法。
【請求項15】
請求項14記載の作業機械の動作方法において、前記最大許容出力トルクが発生し、前記クラッチがスリップし始めた場合、前記少なくとも1つの電気処理回路は、前記作業機械の現対地速度と実質的に一致するように、前記I/O比を調節する、方法。
【請求項16】
請求項14記載の作業機械の動作方法において、前記クラッチがスリップしていない場合、前記少なくとも1つの電気処理回路は、前記操作者入力デバイスからの前記出力信号と関連した所望の対地速度と実質的に一致するように、前記I/O比を調節する、方法。
【請求項17】
請求項11記載の作業機械の動作方法において、前記IVTは前記クラッチを一体的に含む、方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2009−150540(P2009−150540A)
【公開日】平成21年7月9日(2009.7.9)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2008−315381(P2008−315381)
【出願日】平成20年12月11日(2008.12.11)
【出願人】(591005165)ディーア・アンド・カンパニー (109)
【氏名又は名称原語表記】DEERE AND COMPANY
【Fターム(参考)】