説明

無電解メッキ槽の温度制御手順

本発明では、マイクロエレクトロニクス処理用無電解メッキにおける温度制御手順が開示されている。この手順は、堆積の均一性を改善し、メッキ浴液の寿命を延ばし、また費用効率が高い。浴液は、メッキ室の外の装置内で最低堆積温度未満の温度まで加熱される。浴液は、堆積の発生していないメッキ室へ導入される。メッキ室が満たされた後、浴液は所望の堆積温度まで加熱される。堆積が開始する。堆積後、浴液は元のタンクに戻される。

【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
無電解メッキとは、電流を印加せずに水中金属イオンを基板上の金属原子へ、自己触媒的にもしくは化学的に還元することを意味する。無電解メッキ工程および合成物は、多種多様の商用分野において見られ、相当数の金属および合金を各種の基板上にメッキするために使用されている。
【0002】
一般にこの工程によりメッキされている材料の例としては、銅、ニッケル、金、コバルト、錫・鉛合金等を挙げることができる。基板表面は、それ自身触媒的に活性な表面、もしくは触媒によって活性化できる表面のどちらでもよい。従来から一般的な、考え得る基板としては、例えば、金属、ダイアモンド、および各種の高分子化合物が挙げられる。メッキ工程は、選択的、即ち、基板表面の一部のみが触媒的に活性化され、金属堆積(deposition)が発生する箇所を精密に制御する工程であってもよいし、あるいは、基板表面全体に塗膜するために使用されるものであってもよい。
【0003】
無電解メッキは、マイクロエレクトロニクス産業において、半導体ウェハ上の層の堆積用に広く使用されている。例えば、無電解メッキは、過去、接着層、障壁層、およびキャッピング層の形成のために使用された。本開示の目的のために、障壁層とは、障壁層の両側に位置する各材料間の接触を阻止することが可能な、基板表面上の少なくとも一部に形成される層であると定義する。例えば、障壁層により酸化を阻止したり、障壁層で覆われた材料を不活性化させる、あるいは障壁層の一方の側面上に位置する層に含まれる材料が障壁層の他方の側面上に位置する層へ拡散するのを阻止することが可能である。例えば、マイクロエレクトロニクス産業で、銅イオンの基板への拡散防止ならびに銅の不活性化のために過去に使用された2つの障壁層の例としてCo(W)ΡおよびNiPがある。
【0004】
過去に知られていた無電解メッキ工程は、一般的に、浴液を特定の堆積温度まで加熱する工程を含む。その特定の堆積温度は、一般的に、少なくとも最低堆積温度(即ち、浴槽から基板への堆積が発生する最低温度)に対応する。加熱後、浴液はポンプでメッキ室に送られる。メッキ室では、活性化された表面を有する基板があり、基板に熱浴液が接触するタイミングもしくはそれに近いタイミングで無電解メッキが開始する。
【0005】
メッキ工程自体は、誘導期間およびそれに続く定常状態堆積期間を含む。誘導期間は、定常状態の金属堆積が発生する混成ポテンシャル(mixed potential)に達するのに必要な時間である。堆積は、通常、特定のpH内および温度範囲内で発生するように設計される。特定の範囲内では、堆積速度は、浴槽温度に比例する。このため、多くの無電解メッキ工程では、より速い堆積速度を活用して工程の処理量を増大させるために、浴槽を可能な限り最高堆積温度まで加熱する。浴槽温度は、層の堆積速度に影響する、もっとも重要な要因の中の1つである。しかし、浴槽温度は堆積速度の他に、堆積の均一性および組成にも影響することから、堆積の特性にも影響するのである。このため、無電解メッキの浴槽の温度制御は、これらの工程において依然として非常に重要である。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
高い処理能力の他に、基板上に形成された堆積の均一性も大いに所望されている。従来、浴液は、スリット開孔もしくは穴を有する回転シャワーヘッドを介してメッキ室へ導入された。浴槽の温度は高いので誘導期間は短く、堆積は、浴液が基板表面と接触するとすぐ実質的に開始可能となる。しかし、この噴射法は、種々の要因の中でもとりわけ、メッキ室に供給される際の浴液のフローパターンが原因となり、基板上に形成される堆積の均一性に大きく影響する。また、堆積の均一性は、堆積が形成されるときのウェハ表面自体の温度分布にも影響される。
【0007】
無電解メッキの従来の技法は、多くの態様で問題があることがわかっている。例えば、高品質の製品を得るための適切なシャワーヘッドの設計は、困難を極めることがわかっている。ヘッド開孔の形状および寸法、ヘッド回転速度、並びに流速の変更により、基板表面に亘って様々な流れパターンが生じ、堆積の均一性に影響する。例えば、基板のある領域が高温の浴液により大きく曝され、その結果それらの領域により多くの材料が堆積される。したがって、シャワーヘッドの設計は、均一な浴液の分布を得るために非常に重要である。
【0008】
また、浴槽の高い温度自体がこれらの工程においてしばしば不都合であった。例えば、蒸発に起因する、浴槽からの水分の損失により、混合物の濃度に変化が起こり、その結果堆積速度の変化が起こる。これを回避するために、浴液の組成を細かく監視しなければならず、また水も頻繁に補充しなければならない。さらに、浴槽内で使用される還元剤は、多くの場合高温で分解が速くなるので、高い浴槽温度のために浴液の寿命を短くしてしまう。また、従来の工程においては、通常大量の浴液を高温に保持し、そして後続の各メッキ工程用システムの中を再循環させた。このようなシステムは、高エネルギー入力を必要とし、また高い稼動経費をもたらす恐れがある。
【0009】
先行技術による工程はまた、多くの場合堆積前に長い準備時間が必要である。通常、浴液用のタンクのサイズは、工業用では10ガロン(約38リットル)以上である。このようなタンクサイズでは、浴液を室温から堆積温度まで加熱するのに長時間を要する。また、工程が終了しヒーターが停止された後、過度の分解を回避するために、多くの場合、浴液を十分冷却するため長時間循環させる。
【0010】
このため、高品質、すなわち大量処理における基板上の均一な堆積を可能とし、および浴液の寿命を延ばし、かつシステムの必要とするエネルギーを減少させる、改善された無電解メッキ工程が必要とされている。
【課題を解決するための手段】
【0011】
一般に、本発明はメッキ工程で使用される浴液の温度制御手順を含む無電解メッキ法に関するものである。より詳細には、一実施形態において、本発明は無電解メッキ浴液を貯蔵タンクからメッキ室まで移送する工程を含み、無電解メッキ浴液は、浴液の最低堆積温度未満であるが比較的近い温度である。一旦メッキ室に移送されると、浴液は堆積温度まで加熱可能となり、無電界堆積を行うことが可能である。
【0012】
本発明の製法では、あらゆる適切な無電解メッキ浴液を使用することができる。一般的に、無電解メッキ浴液は、1つもしくは複数の金属イオン源、還元剤、および錯化剤を含むことができる。例えば、一実施形態において、金属イオン源は硫酸コバルトおよびタングステン酸ナトリウムである。別の実施形態においては、金属イオン源として塩化ニッケルおよび硫酸ニッケルを使用可能である。可能性のある還元剤の一例として、リン酸ナトリウムがある。無電解メッキ浴液中の可能性のある錯化剤の一例として、クエン酸ナトリウムがある。貯蔵タンクを満たした後、貯蔵タンクから浴液の少なくとも一部が取り出され、選択的に予熱され、浴液の最低堆積温度より低い温度である間にメッキ室に移送される。
【0013】
一旦メッキ室に入ると、浴液は基板の少なくとも一部に接触し、浴液は堆積温度までさらに加熱される。その時点で、無電解堆積が発生し、基板上に所望の堆積が形成可能となる。一実施形態において、堆積温度は、約60℃〜約90℃である。より厳密には、堆積温度は、約70℃〜約75℃である。より低い堆積温度では、浴液を予熱しなくてもよい。必要に応じて、浴液は無電解堆積の後で貯蔵タンクに戻され、冷却され、そしてリサイクルされる。
【0014】
浴液の予熱が所望されるときは、メッキ室を満たす浴液の温度が浴液の最低堆積温度未満となるような温度まで予熱可能である。例えば、浴液は、浴液の最低堆積温度より約10℃低い温度まで予熱可能である。より厳密には、浴液は浴液の最低堆積温度より約5℃〜約10℃低い温度まで予熱できる。一実施形態においては、メッキ室を溶液で充満させる前に浴液を約50℃〜55℃の温度まで予熱可能である。
【0015】
一実施形態においては、メッキ室へ移送する前に貯蔵タンク全体の浴液を貯蔵タンク内で予熱可能である。あるいは、より大きな貯蔵タンクから浴液の一部のみを取り出してメッキ室を浴液の一部で充満させる前に予熱することも可能である。例えば、貯蔵タンクから浴液全量の約25%未満を取り出して予熱することも可能であるし、厳密には、貯蔵タンクから浴液全量の約15%未満を取り出して予熱することも可能である。一実施形態において、貯蔵タンクから浴液全量の約10%未満を取り出して予熱することが可能である。
【0016】
浴液は、メッキ室に入る前に適切ないかなる方法で予熱してもよい。例えば、浴液は独立の予熱タンクで予熱してもよいし、あるいは、浴液が貯蔵タンクからメッキ室へ流れる際に加熱された管中で予熱してもよい。
【0017】
本発明の製法により基板上に形成される堆積層は、いかなるタイプの堆積層であってもよい。例えば、堆積層は、基板の全表面を覆ってもよいし、あるいは、基板の一部のみをパターンで覆ってもよい。堆積層はまた、所望のいかなる厚さであってもよい。厳密には、堆積層は、厚さ約200オングストローム未満であってもよい。より厳密には、堆積層は、厚さ約50〜約100オングストロームでもよい。
【0018】
一実施形態において、堆積させる無電解メッキ層をそれ自体の上に有する基板は、半導体ウェハであってもよい。例えば、ウェハ上の堆積は、すでにウェハの上に施されている銅層のための不活性化層として作用可能な障壁層であってもよい。本発明の他の特徴および態様を以下により詳細に説明する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
本発明の最良の態様を含み、当業者を対象にした本発明の完全で有効な開示は、本明細書の以下の記載において、添付図面を参照して、より詳細に説明される。
【0020】
本明細書および図面中の参照符号は、本発明の同一もしくは類似の形態、あるいは同一もしくは類似の構成要素を示すことを意図して、同一符号を繰り返し使用する。
【0021】
本明細書の説明は、単に代表的な実施形態についての記述であり、本発明のより広い態様を制限することを意図しておらず、またそのより広い態様が代表的な構成において具現化されていることを当業者は理解すべきである。
【0022】
無電解メッキは、電流を印加せずに基板表面上の少なくとも一部に層を形成する方法を提供する。本発明は、システムに必要なエネルギーを削減し、かつ無電解メッキ浴液の寿命が延ばすことができるとともに、堆積の均一に改善した無電解メッキ法を提供する。
【0023】
一般には、本発明の方法は、室温を越す温度で行われるあらゆる無電解堆積工程における無電解メッキ浴液に対し、温度制御手順を導入する工程を含む。より詳細には、本発明は、無電解メッキ浴液を最低堆積温度より低い温度でメッキ室へ導入する工程と、メッキ室に充満して初めて、メッキ室中の浴液を無電解堆積が発生可能であり、かつ基板上に堆積が形成され得る堆積温度まで加熱する工程を含む。必要に応じて、本発明の製法は、メッキ室を充満する前に浴液を予熱する工程を含んでもよい。例えば、メッキ室を浴液で充満する前に浴液を最低堆積温度よりやや低い温度に予熱してもよい。
【0024】
本発明の一実施形態においては、貯蔵タンクからの全ての浴液をメッキ室に充満させずに、より大きな貯蔵タンクから浴液の一部のみを取り出して小さなメッキ室を充満させることが可能である。この実施形態においては、メッキ室を充満させる前に、より少ない分量の浴液を、浴液の最低堆積温度よりも多少低い温度まで加熱することが可能である。
【0025】
浴液を導入するときには、メッキ室には既に処理されるべき基板が収納されている。メッキ室に浴液が導入された後、浴液は、少なくとも浴液の最低堆積温度に等しいかそれより若干高い温度である堆積温度まで加熱される。浴液は、適切な時間堆積温度若しくは近い温度に保持されて、無電解堆積が生じ、基板表面の所望の位置に層が形成される。所望の堆積時間の後、浴液はメッキ室より除去され、貯蔵タンクに戻される。
【0026】
本発明の製法は、従来知られていた加熱無電解メッキ工程を、多くの点で改善することを可能にする。例えば、初めから堆積温度もしくはそれより高い温度の浴液でメッキ室を充満することに起因する、従来の工程に見られた堆積の均一性の問題を排することができる。また、本発明のいくつかの実施形態においては、全浴液の内の少分量のみが毎回加熱されるので、システムの必要とするエネルギー量は低くて済む。なお、浴液を堆積工程期間中のみ加熱し、そしてより大きく、より冷たい貯蔵タンクに循環させることで、再び浴液を直ちに冷却することにより、浴槽の混合物の熱分解が最小化されるので、浴液の有効寿命を延ばすことが可能である。本発明の他の利点は、多数あり、本開示の他の箇所を参照すると明白である。
【0027】
本発明の方法は、高温で基板上に層を堆積させるために使用可能な、あらゆる所望の無電解メッキ工程への応用に適する。例えば、本発明は、酸性無電解メッキ浴液にも、アルカリ性無電解メッキ浴液にも適する。一般に、無電解メッキ浴液は、1つもしくは複数の金属イオン源、還元剤、錯化剤、および/もしくは、浴槽の所望メッキ特性を得るために使用可能な、例えば、安定剤、pH調整剤、食塩などの他のあらゆる所望の構成物質からなる。このような浴液は、従来、例えばマイクロエレクトロニクス産業を含む多種多様の産業において知られており、かつ利用されてきた。
【0028】
一実施形態において、高温で半導体ウェハ上に接着層、障壁層、およびキャッピング層などの層を堆積させる本発明の製法において、無電解メッキ浴液を使用可能である。例えば、高温で半導体ウェハなどの基板上に金属リン化物障壁層を堆積させるために使用できる無電解メッキ浴液を生成可能である。例えば、金属リン化物障壁層は、基板上に先に形成された銅層の上にメッキされ、銅の酸化を防止することができる。あるいは、金属リン化物障壁層を基板の上にメッキして、続いて形成される層などの1つの層からイオンが障壁層の下の層、もしくは基板材料自体に拡散して行くのを防止することができる。
【0029】
本発明の製法に適した無電解メッキ浴液の一実施形態は、半導体ウェハ上にコバルト・タングステン・亜リン酸合金(cobalt−tungsten−phosphorous alloy)障壁層を堆積させるために使用可能な浴液である。この実施形態のための考え得る一無電解メッキ浴液の1つは、例えば、約0.03〜約0.1Mの硫酸コバルト(cobalt sulfate)と、約0.01〜約0.1Mのタングステン酸ナトリウム(sodium tungstate)と、約0.1〜約0.5Mの次亜リン酸ナトリウム(sodium hypophosphate)などの還元剤と、約0.1〜約1Mのクエン酸ナトリウム(sodium citrate)などの錯化剤と、例えば、ホウ酸(boric acid)(HBO)、水酸化カリウム(potassium hydroxide)(KOH)、そしてRhodia Corporationより入手可能なRE610などの界面活性剤の混合物などの他のあらゆる所望の添加物を含んでもよい。例えば、無電解メッキ浴液は、約0.1〜約1.0Mのホウ酸および約0.01〜約0.05g/lの界面活性剤を含んでもよい。一実施形態において、浴液は、約9〜約9.5のpHを持つように生成される。
【0030】
別の実施形態においては、リン化ニッケル(nickel phosphide)層を基板上に堆積させるために本発明の製法において使用される無電解メッキ浴液が生成される。この実施形態においては、メッキ浴液は、上記の浴液と類似のものでもよいが、金属イオン源として塩化ニッケル(ΝiCl)および硫酸ニッケル(NiSO)から生成される。
【0031】
本発明に従って、一旦生成されると、無電解メッキ浴液は浴液の最低堆積温度より低い温度でメッキ室に充填される。一般に、無電解メッキ浴液は、所望の堆積温度より約10℃低い温度でメッキ室に入る。メッキ室を充満した後、浴液は、堆積温度まで加熱されて無電解堆積が生じ、基板上に堆積が形成される。次に、浴液はメッキ室より除去され、この工程が繰り返される。
【0032】
浴液は、室温でメッキ室へ充填される。しかし、別の実施形態では、浴液は予熱される。一般に、浴液が予熱されるか否かは、主に所望の堆積温度に依存する。例えば、堆積温度が室温から10℃以内であれば、予熱は必要ない。その他の場合、殆どの用途では、無電解メッキ浴液は、メッキ室に送入される前に予熱される。
【0033】
図1に、本発明において使用される無電解メッキ浴液に関する考え得るフロー手順の一実施形態を示す。この実施形態において、本発明の製法は、貯蔵タンク100を浴液で充填する工程を含む。貯蔵タンク100に充填される浴液の量は、所望のいかなる量であってもよいし、個々の工程条件に依存してもよい。例えば、一実施形態においては、約10ガロン(37.85リットル)の浴液が生成された貯蔵タンク100に充填されるが、本発明の他の実施形態では、より少量の、もしくはより多量の浴液を収容可能な貯蔵タンクを含むことが可能である。必要に応じて浴液の汚染を防止するために、(示されていない)窒素パージ(nitrogen purge)により貯蔵タンク100を密閉してもよい。必要に応じて、貯蔵タンク100は、浴液をタンク中でよく混ざった状態に維持するために攪拌器108を含んでもよい。この特定の実施形態においては、貯蔵タンク100中の浴液は、通常、室温でもよいし、もしくは浴液の寿命を延ばすために若干冷却してもよい。
【0034】
図1に示す実施形態において、メッキ室中で浴槽の中身全てを使用せずに、貯蔵タンク100から浴液の一部が取り出されてメッキ室120に送られる。貯蔵タンク100より取り出される浴液の一部は、通常、全浴槽の25%未満とすることができる。厳密には、貯蔵タンクより取り出される浴液の一部は、全浴槽の15%未満とすることができる。より厳密には、全浴槽の約10%未満は、貯蔵タンク100より取り出すことが可能である。
【0035】
貯蔵タンク100より取り出された後、浴液はある温度まで予熱され、浴液の最低堆積温度よりやや低い温度でメッキ室に送られる。例えば、一実施形態において、浴液は浴液の最低堆積温度より約10℃低い温度でメッキ室に送られる。より厳密には、浴液は、浴液の最低堆積温度より約5℃〜約10℃低い温度でメッキ室に充填される。
【0036】
一実施形態において、図1に示すように、タンク100から線路105経由浴液の一部が取り出され、より小さい予熱タンク110へ送られる。予熱タンク110は、必要に応じて、攪拌器104を含んでもよいし、また汚染を回避するために窒素パージにより密閉されてもよい。浴液は、予熱タンク110内で、適切な、いかなる方法で予熱してもよい。例えば、一実施形態において、予熱タンク110は、浴液に浸され、浴液を加熱するために使用される加熱板を含む。あるいは、加熱されたタンク底部により浴液をタンクの底から加熱してもよい。適切ないかなる加熱方法を使って浴液を予熱してもよい。予熱後、浴液は、予熱タンク110より取り出され、管102を通してメッキ室120へ移される。
【0037】
本発明の別の実施形態において、図3に示すように、予熱タンク110内で浴液を予熱するよりもむしろ、浴液は加熱管107の中で予熱される。この実施形態において、加熱管107は、当技術分野で既知の適切ないかなる方法で加熱されてもよく、また浴液を貯蔵タンク100からメッキ室120へ移すことが可能である。加熱管107を介して移す際、浴液は、メッキ室120に達する時までに所望の予熱温度まで加熱される。
【0038】
図1および図3は、メッキ室が貯蔵タンクよりも小さく、一度に浴液の全内容の一部のみが貯蔵タンクからメッキ室へ移される、本発明の実施形態を示しているが、これらの実施形態の中で説明した方法は、一度に貯蔵タンクの全内容がメッキ室に移され、貯蔵タンクとほぼ同じサイズのメッキ室内で1つもしくは複数のウェハを処理する実施形態にも同様に適用可能であることを理解されたい。
【0039】
本発明のさらに別の実施形態においては、2つの加熱ステップに分けるよりもむしろ、単独のステップで浴液を堆積温度まで加熱する方が費用効率が高いと分かっている場合など、浴液は、中間予熱を全く行わないでメッキ室に充填することが可能である。例えば、本発明の一実施形態では、浴液の最低堆積温度は、例えば、室温よりも約5℃〜約10℃高い程度といった、非常に低い温度とすることができる。このような実施形態においては、浴液は既に最低堆積温度近くになっているので、予熱しないほうが好ましい。この場合、浴液を、中間予熱を一切介さずに直接貯蔵タンク100よりメッキ室120へ流すことができる。
【0040】
一旦浴液が、要望どおり予熱されると、メッキ室120へ移される。メッキ室120の、考え得る一実施形態を図2Aに示す。一般的に、メッキ室120は、予熱タンク110とほぼ同じサイズである。メッキ室120は、半導体ウェハなどの基板210を保持するためのアーム204上に保持された基板保持器206を含む。メッキ室120は、ガス送入口220を含んでもよく、起こり得る汚染からウェハを保護しやすいように密閉されると、窒素またはアルゴンなどの不活性ガスがメッキ室に入ることが可能となる。単一の基板210と共に示されているが、基板保持器206が多数の基板を保持するように設計してもよい。
【0041】
基板210は、通常、メッキ室120を浴液で充満させる前にメッキ室内に置かれる。図2Bは、基板210をメッキ室120に取り付ける1つの方法を示す。この実施形態において、アーム204は、ピストン作用で引き込まれ、基板保持器206のレベルをメッキ室120の底部レベルよりも低くして、基板210を基板保持器206上に搭載できるようにする。一旦取り付けられると、アーム204は、閉鎖位置まで上昇して基板保持器206をメッキ室120の側面に押し付けて(against)密閉し、メッキ室を閉鎖する。線路102を介して浴液で充満させる前に、メッキ室から起こり得るあらゆる汚染を取り除くことができる。
【0042】
メッキ室の別の実施形態においては、図4Aおよび4Bに示すように、基板210は、メッキ室120よりも若干大きな直径を有することができる。この実施形態において、図4Bに示すようにメッキ室が開けられたとき、図2Bに示す実施形態と同様に基板を基板保持器206上に取り付けることができる。この実施形態において、アーム204が閉鎖したメッキ室の位置まで上昇するとき、基板210自体はメッキ室120の側面に接触可能で、メッキ室の壁とで密閉するので、図4Aに示すようにメッキ室を閉鎖する。このような実施形態は、ウェハの背面とメッキ浴液との間の接触を最少化するために使用可能である。
【0043】
基板210は、所望のいかなる基板であってもよく、また適切ないかなる材料からなる表面を有していてもよい。例えば、基板210は、金属、ダイアモンド、もしくは高分子材料を、本発明の製法により塗膜される基板表面上に含んでもよい。一実施形態において、基板210は、半導体素子の形成の際に使用される基板のようなシリコンベースの基板でよい。また、基板は、本発明の工程に供される前に、1つもしくは複数の材料で先行して塗膜されてもよい。
【0044】
基板表面は、性質上、触媒活性であってもよいし、浴液中の金属イオンが所望の堆積温度で基板表面上に堆積できるように触媒により活性化されてもよい。一実施形態において、適切な他の触媒が当技術分野で周知であり使用することも可能であるが、パラジウムを表面触媒として使用することができる。なお、無電解メッキ工程は、選択的、即ち、基板表面の一部のみが触媒的に活性化され、金属堆積が発生する箇所を精密に制御する工程であってもよいし、あるいは、基板表面全体に塗膜するために使用されるものであってもよい。
【0045】
メッキ室へ充填できる浴液の量は、メッキ室のサイズに依存し、メッキ室のサイズは、一回に処理すべき基板のサイズおよび数に依存する。一実施形態においては、メッキ室を大きくして貯蔵タンク100の全内容をメッキ室120に充填してもよい。あるいは、メッキ室は、かなり小さくして貯蔵タンクから浴液の一部のみを取り出してメッキ室に充填してもよい。例えば、一実施形態においては、約1.5リットルの浴液量を使用して図2Aに示すメッキ室と類似のメッキ室内で200mmのウェハを処理することができる。別の実施形態では、約3.5リットルの浴液量を使用してメッキ室内で30mmのウェハを処理することができる。予熱された浴液は、管102を通ってメッキ室120に入るとき、ウェハ210の上表面が水没し浴液の表面よりも若干低くなるレベルまでメッキ室120を満たすことが可能である。
【0046】
浴液は、適切ないかなる手段でメッキ室へ充填してもよい。例えば、管102は、特別の圧力若しくは流量調整を必要とせずにメッキ室120に出すことが可能である。本発明では、浴液はメッキ室に充填され、最初に基板に接触するとき、最低堆積温度に達していないので、メッキ室が満たされつつある際、堆積は起こらない。したがって、メッキ室が満たされる際の基板上の浴液の流れパターンは、後続の無電解メッキに対して殆ど、または全く影響せず、本発明の製法によってより均一な堆積を達成することができる。
【0047】
浴液は、メッキ室120に満たされた後、堆積温度まで加熱可能である。例えば、一実施形態において、浴液を加熱するために加熱板208を下げて浴液中に入れることが可能である。浴液が加熱されている間、加熱板208は、浴液がよく混ざり浴液全体の熱分布が改善されるように、浴液中で回転させてもよい。一般的に、基板上の浴液の深さは充分あり、加熱板208が基板210と接触することなく、浴液に接触しかつ加熱することができなければならない。
【0048】
浴液は、加熱板208などにより、少なくとも浴液の最低堆積温度に等しい堆積温度までメッキ室内で加熱される。しかし、必要に応じて、工程の堆積速度を上げるために浴液を最低堆積温度よりやや高い温度に加熱してもよい。いずれにしても、浴液の堆積温度は、浴液が不安定になり分解を始める起因となる温度を超えてはならない。
【0049】
一旦所望の堆積温度に達すると、加熱板208は浴液から引き揚げることが可能である。必要に応じて、加熱板208を浴液の上で回転させ、加熱板208に粘着している浴液が浴槽に落ち戻ることが可能である。浴液が堆積温度に達する時点もしくはその近辺で、無電解堆積が開始可能になる。無電解堆積の開始前に、浴液は基板表面に亘って均一に分布するので、本発明の方法は、基板上に形成される堆積の均一性を大いに高めることができる。
【0050】
温度制御工程は、メッキ室内の浴液の温度を監視するのに使用でき、もし浴槽温度が予めセットされたある最低温度を下回ると、加熱板208を再び下げて浴液中に入れ、浴液を堆積温度まで再加熱できる。
【0051】
本発明の一実施形態においては、上記のような浴液を使用して金属リン化物障壁層を基板上にメッキすることができる。斯かる実施形態においては、浴液の最低堆積温度は約60℃で、浴液の堆積温度は約60℃と約90℃との間のどこかであり、浴液は不安定になりかねない。堆積は最低堆積温度で起こるが、工程は遅く、定常状態の金属堆積に達する前の誘導時間は、最長約5分間にもなりうる。このため、浴液をより高い堆積温度、例えば、約70℃と約75℃との間の温度まで加熱することが好ましい。この温度範囲では、誘導期間は非常に短くなり、浴液が堆積温度に達すると殆ど直ちに堆積が開始可能である。
【0052】
基板を加熱された浴液中に保持できる時間は、例えば、所望の膜厚を含む多くの要因に依存する。一般的に、所望のいかなる膜厚をも本発明の方法により形成することができる。例えば、約200オングストローム未満の膜厚を本発明の方法により形成することができる。より厳密には、約50〜約100オングストロームの膜厚の層を本発明の方法により形成することができる。一般的には、本発明の製法の定常状態の堆積期間は、約10分間未満である。厳密には、定常状態の堆積期間は、約5分間未満である。より厳密には、定常状態の堆積期間は、約3分間未満である。
【0053】
本発明の一実施形態においては、金属リン化物層は基板表面上に形成され、浴液は約70℃〜約75℃の堆積温度まで加熱可能である。斯かる実施形態においては、約50〜約100オングストロームの堆積層を2分間未満の定常状態堆積期間で、基板表面上の少なくとも一部に形成可能である。より厳密には、斯かる実施形態においては、約50〜約100オングストロームの金属リン化物堆積層を約1分間の定常状態期間で形成可能である。
【0054】
再び図1を参照して、堆積発生後、浴液は線路115を介してメッキ室120より除去され、貯蔵タンク100に戻される。貯蔵タンクは、通常、メッキ室120より送られて来る浴液の温度よりも低い温度である。したがって、浴液が貯蔵タンク100に戻される際、浴液の温度は低下する。例えば、メッキ室120内で全浴液の一部のみが使用されると、戻る浴液は、貯蔵タンク内のより大量のより冷たい浴液と混ざり合って急速に温度を下げることができる。同様に、もしこの工程において全浴液がメッキ室に移されても、浴液は、空の貯蔵タンクへ戻される際に温度を下げることができる。できるだけ多くの工程の間、浴液を低温度に維持することにより、浴液構成物質の高温分解を回避することができる。これにより、浴液の有効寿命を延ばすことができる。また、メッキ室内で使用された浴液の温度を急速に冷却することにより、システムからの水の蒸発を最少化でき、浴液に水を補充する必要は非常に少なくなり、実施形態によっては、完全に排除することが可能になる場合もある。
【0055】
必要に応じて、本発明の製法は連続する工程として、いくつかの基板を急速に処理してもよい。例えば、一実施形態においては、貯蔵タンク中の浴液全量の一部のみをメッキ室に充填することができる。この実施形態において、メッキ室が浴液で満たされた後、貯蔵タンクより浴液の第二の部分を取り出すことができる。必要に応じて、この第二の部分は、浴液の第一の部分が堆積温度まで加熱され、メッキ室内で無電解堆積が発生している間に予熱されてもよい。したがって、第一の堆積工程が完了しメッキ室から浴液が取り除かれると直ちに、処理された基板はメッキ室から取り出され、未処理の第二の基板が入れられる。第二の基板が定位置に置かれると、浴液の第二の部分がメッキ室を満たし、第二の基板をメッキすることが可能となる。こうして、高速で、連続的なメッキ工程を確立することができる。
【0056】
これらおよび本発明に対する変更および変形は、添付の図面により詳細に記述されている本発明の精神および範囲から逸脱することなく当業者により実施することができる。また、いろいろな実施形態の全てまたは一部を相互に置換えることも可能である。さらに、上記説明は一例に過ぎず、特許請求の範囲において記述されている本発明自体を限定するためのものではないことを理解するであろう。
【図面の簡単な説明】
【0057】
【図1】本発明の無電解メッキ浴液のフロー手順についての一実施形態を示す図である。
【図2A】本発明のメッキ室の一実施形態を示し、メッキ室が閉じられている状態を示す図である。
【図2B】図2Aのメッキ室が開いている状態を示す図である。
【図3】本発明の無電解メッキ浴液のフロー手順の別の実施形態を示す図である。
【図4A】本発明のメッキ室の別の実施形態を示し、メッキ室が閉じられている状態を示す図である。
【図4B】図4Aのメッキ室が開いていて、基板がメッキ室内に取り付けられているときの状態を示す図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
貯蔵タンクに無電解メッキ浴液を供給する工程と、
前記貯蔵タンクから前記無電解メッキ浴液の少なくとも一部を取り出す工程と、
前記貯蔵タンクから取り出された前記浴液をメッキ室内に導入する工程であって、前記浴液は前記メッキ室内に挿入される基板の少なくとも一部に接触し、前記浴液は前記浴液の最低堆積温度よりも低い第一の温度で前記メッキ室内に導入される工程と、
前記浴液を少なくとも前記浴液の前記最低堆積温度に等しい堆積温度まで前記メッキ室内で加熱する工程と、
無電解堆積により前記基板上の少なくとも一部に堆積を形成する工程と
を備えたことを特徴とする無電解メッキの方法。
【請求項2】
前記堆積が形成された後に、前記浴液を前記メッキ室から前記貯蔵タンクへ戻す工程をさらに備えたことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記貯蔵タンク内の浴液を前記第一の温度まで予熱する工程をさらに備えたことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記貯蔵タンクから取り出された前記浴液を、前記浴液が前記メッキ室内に導入される前に前記第一の温度まで予熱する工程をさらに備えたことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記貯蔵タンクから取り出された浴液は、予熱タンク内で前記第一の温度まで加熱されることを特徴とする請求項4に記載の方法。
【請求項6】
前記貯蔵タンクから取り出された浴液は、加熱された管内で前記第一の温度まで加熱されることを特徴とする請求項4に記載の方法。
【請求項7】
前記第一の温度は、前記浴液の最低堆積温度より約10℃未満だけ低いことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項8】
前記第一の温度は、前記浴液の最低堆積温度より約5℃〜約10℃低いことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項9】
前記貯蔵タンクから取り出された浴液は、前記浴液の全量の約25%未満であることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項10】
前記貯蔵タンクから取り出された浴液は、前記浴液の全量の約15%未満であることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項11】
前記貯蔵タンクから取り出された浴液は、前記浴液の全量の約10%未満であることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項12】
前記基板は、半導体ウェハであることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項13】
前記堆積は、前記基板上にパターンを形成することを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項14】
前記基板の全表面は、前記堆積により覆われることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項15】
前記堆積は、厚さ約200オングストローム未満であることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項16】
前記堆積温度は、約60℃〜約90℃であることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項17】
基板上に障壁層を形成する方法であって、
貯蔵タンクに無電解メッキ浴液を供給する工程と、
前記貯蔵タンクから前記無電解メッキ浴液の一部を取り出す工程と、
前記浴液の一部を第一の温度まで加熱する工程であって、前記第一の温度は、前記無電解メッキ浴液の最低堆積温度よりも低く加熱する工程と、
前記浴液の一部をメッキ室内に導入し、前記導入の際に前記浴液が基板の少なくとも一部に接触するようにする工程と、
前記浴液の一部を、少なくとも前記浴液の前記最低堆積温度に等しい堆積温度まで前記メッキ室内で加熱する工程と、
無電解堆積により前記基板上の少なくとも一部に障壁層を堆積させる工程と、
前記障壁層が形成された後に、前記浴液の一部を前記貯蔵タンクへ戻す工程とを備えたことを特徴とする方法。
【請求項18】
前記浴液の一部は、予熱タンク内で前記第一の温度まで加熱されることを特徴とする請求項17に記載の方法。
【請求項19】
前記浴液の一部は、加熱された管内で前記第一の温度まで加熱されることを特徴とする請求項17に記載の方法。
【請求項20】
前記第一の温度は、前記浴液の最低堆積温度より約10℃低いことを特徴とする請求項17に記載の方法。
【請求項21】
前記第一の温度は、前記浴液の最低堆積温度より約5℃〜約10℃低いことを特徴とする請求項17に記載の方法。
【請求項22】
前記浴液の一部は、前記浴液の全量の約15%未満であることを特徴とする請求項17に記載の方法。
【請求項23】
前記浴液の一部は、前記浴液の全量の約10%未満であることを特徴とする請求項17に記載の方法。
【請求項24】
前記基板は、半導体ウェハであることを特徴とする請求項17に記載の方法。
【請求項25】
前記半導体ウェハは、銅層を含むことを特徴とする請求項24に記載の方法。
【請求項26】
前記障壁層は、厚さ約200オングストローム未満であることを特徴とする請求項17に記載の方法。
【請求項27】
前記障壁層は、厚さ約50〜約100オングストロームであることを特徴とする請求項17に記載の方法。
【請求項28】
前記堆積温度は、約60℃〜約90℃であることを特徴とする請求項17に記載の方法。
【請求項29】
前記堆積温度は、約70℃〜約75℃であることを特徴とする請求項17に記載の方法。
【請求項30】
半導体ウェハ上に金属リン化物障壁層を形成する方法であって、
無電解メッキ浴液を貯蔵タンクに供給する工程であって、前記無電解メッキ浴液は、金属イオン源、還元剤、および錯化剤を含んでいる供給する工程と、
前記貯蔵タンクから前記無電解メッキ浴液の約15%未満を取り出す工程と、
前記貯蔵タンクより取り出された浴液を、前記浴液の最低堆積温度よりも低い第一の温度まで加熱する工程と、
前記加熱された浴液をメッキ室内に導入し、前記導入後に前記浴液が半導体ウェハの少なくとも一部に接触する工程と、
前記浴液を前記メッキ室内で約60℃〜約90℃の堆積温度まで加熱する工程と、
無電解堆積により前記基板上の少なくとも一部に障壁層を堆積させる工程と、
前記浴液を前記メッキ室から前記貯蔵タンクへ戻す工程であって、前記メッキ室から取り去られる浴液の温度は、前記貯蔵タンクに戻った後に低下する工程と
を備えたことを特徴とする方法。
【請求項31】
前記無電解メッキ浴液は、
a)硫酸コバルト、タングステン酸ナトリウム、およびそれらの混合物よりなる群より選択された金属イオン源と、
b)リン酸ナトリウム(sodium hypophosphate)からなる還元剤と、
c)クエン酸ナトリウム(sodium citrate)からなる錯化剤とを含むことを特徴とする請求項30に記載の方法。
【請求項32】
前記無電解メッキ浴液は、
a)塩化ニッケル、硫酸ニッケル、およびそれらの混合物よりなる群より選択された金属イオン源と、
b)リン酸ナトリウム(sodium hypophosphate)からなる還元剤と、
c)クエン酸ナトリウム(sodium citrate)からなる錯化剤とを含むことを特徴とする請求項30に記載の方法。
【請求項33】
前記堆積温度は、約70℃〜約75℃であることを特徴とする請求項30に記載の方法。
【請求項34】
前記第一の温度は、約50℃〜約55℃であることを特徴とする請求項30に記載の方法。

【図1】
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【図2A】
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【図2B】
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【図3】
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【図4A】
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【図4B】
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【公表番号】特表2006−507404(P2006−507404A)
【公表日】平成18年3月2日(2006.3.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−515731(P2004−515731)
【出願日】平成15年6月3日(2003.6.3)
【国際出願番号】PCT/US2003/017453
【国際公開番号】WO2004/001355
【国際公開日】平成15年12月31日(2003.12.31)
【出願人】(301057680)マットソン テクノロジイ インコーポレイテッド (11)
【Fターム(参考)】