説明

照度センサ、照度センサ付きリモコン受光ユニット及び電子機器

【課題】周囲の照度を反映する光とは異なる光の影響を受ける場合に、出力信号が周囲の照度に応じた信号と大きく異なってしまうことを防止できる照度センサを提供すること。
【解決手段】照度センサ10は、受光素子11によって受光した光の照度に応じた信号を出力端子13から出力する照度センサであって、出力端子13から出力する信号を一定に保持するラッチ回路14を有し、外部入力端子15から入力される制御信号によって、ラッチ回路14の信号保持動作がオンオフ制御されることを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、受光した光の照度に応じた信号を出力する照度センサに関する。また、本発明は、そのような照度センサを有する照度センサ付きリモコン受光ユニット及び液晶表示装置などの電子機器に関する。
【背景技術】
【0002】
透過型液晶表示装置は、液晶テレビやノートパソコンに代表される多くの電子機器に備えられている。透過型液晶表示装置は、液晶を用いて画面を表示する液晶表示パネルをその背面からバックライトで照らすことによって画面表示を行うものであり、ブラウン管に比べて発光量が少ない。
【0003】
そのため、周囲の明るさに敏感であり、明るいところでは画面が見づらくなることから、透過型液晶表示装置は、バックライトの輝度の手動調整手段を有するものが多い。また、近年においては、バックライトの輝度の自動調整手段を有する透過型液晶表示装置も普及しつつあり、その例を特許文献1〜2に見ることができる。
【0004】
特許文献1に記載の発明は、照度センサによって検出された画面周囲の照度に対応するバックライトの最適輝度をメモリから読み出し、読み出された最適輝度になるようにバックライトの輝度を自動調整する透過型液晶表示装置に関するものである。
【0005】
特許文献2に記載の発明は、複数の照度センサによって検出された外光照度の平均値と、手動で設定された調光設定量とに基づいてバックライトの輝度を自動調整する透過型液晶表示装置に関するものである。
【0006】
ここで、バックライトの輝度の自動調整手段を有する液晶テレビの概略の構成について以下で説明する。図7は、バックライトの輝度の自動調整手段を有する液晶テレビ90の外観を示す斜視図である。液晶テレビ90は、映像表示部91と、リモコン受光ユニット92と、照度センサ93とを有する。
【0007】
映像表示部91は、映像を表示する表示部である。リモコン受光ユニット92は、不図示のリモコンから送信される赤外光を受光するユニットである。照度センサ93は、受光した光の照度に応じた信号を出力するセンサである。そして、照度センサ93から出力された信号に応じて、バックライトの輝度の自動調整がなされることとなる。
【0008】
次に、照度センサ93の概略の構成について説明する。図8は、照度センサ93の概略の構成を示すブロック図である。照度センサ93は、受光素子931と、増幅部932と、出力端子933とを有する。
【0009】
ここで、受光素子931のアノードは増幅部932の入力端子に接続されており、カソードにはVCCが印加されている。また、増幅部932の出力端子は出力端子933に接続されている。そして、増幅部932は、VCCとGNDとによってバイアスされている。
【0010】
照度センサ93が出力端子933から信号を出力する際の処理の流れは以下の通りである。まず、受光素子931が受光した光の照度を信号に変換し、これを増幅部932へ伝達する。次に、増幅部932が受光素子931から伝達された信号を増幅し、出力端子933へ伝達する。そして、出力端子933から、増幅部932より伝達された信号が出力される。
【特許文献1】特開平5−241512号公報
【特許文献2】特開平9−146073号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
ここで、図7に示すように、液晶テレビ90においては、照度センサ93は、リモコン受光ユニット92の近辺に配置される。そのため、照度センサ93が出力端子933から出力する信号は、不図示のリモコンからリモコン受光ユニット92へ送信される赤外光の影響によって、周囲の照度に応じた信号とは大きく異なるものとなってしまうという問題点がある。この問題点について、以下で詳細に説明する。
【0012】
図9は、照度センサ93の問題点を示す説明図である。図9(a)は、周囲の照度の時間変化を示すグラフであって、横軸(t軸)は時間軸、縦軸(E軸)は照度軸である。図9(b)は、不図示のリモコンからリモコン受光ユニット92へ送信される赤外光の照度の時間変化を示すグラフであって、横軸(t軸)は時間軸、縦軸(E軸)は照度軸である。図9(c)は、照度センサ93が出力端子933から出力する信号(ここでは電流信号とするが、電圧信号であってもよい)の時間変化を示すグラフであって、横軸(t軸)は時間軸、縦軸(I軸)は電流軸である。
【0013】
図9においては、時間t1〜t2の間及び時間t3〜t4の間に、不図示のリモコンからリモコン受光ユニット92へ赤外光が送信されている。そして、照度センサ93がリモコン受光ユニット92の近辺に配置されていることから、照度センサ93の受光素子931は、時間t1〜t2の間及び時間t3〜t4の間には、周囲の照度を反映する光に、不図示のリモコンからリモコン受光ユニット92へ送信される赤外光が合成された光の照度を信号に変換し、これを増幅部932へ伝達することとなる。
【0014】
そのため、照度センサ93が出力端子933から出力する信号は、時間t1〜t2の間及び時間t3〜t4の間においては、周囲の照度に応じた信号とは大きく異なってしまい、これを用いたバックライトの輝度の自動調整が適切に行われないこととなる。
【0015】
上記の問題点を鑑みて、本発明においては、周囲の照度を反映する光とは異なる光の影響を受ける場合に、出力信号が周囲の照度に応じた信号と大きく異なってしまうことを防止できる照度センサを提供することを目的とする。また、本発明の他の目的は、そのような照度センサを有する照度センサ付きリモコン受光ユニット及び電子機器を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0016】
本発明においては、照度センサは、周囲光受光部によって受光した光の照度に応じた信号を出力する照度センサであって、出力する前記信号を一定に保持する保持部を有し、内部又は外部から入力される制御信号によって、前記保持部の信号保持動作がオンオフ制御されることを特徴とする。
【0017】
本発明においては、上記構成の照度センサにおいて、前記制御信号は、赤外光受光部を有するリモコン受光ユニットから入力される、赤外光受光の有無を示す受光信号であることが望ましい。
【0018】
本発明においては、上記構成の照度センサにおいて、前記周囲光受光部によって受光した光の、所定の周波数領域内の成分の照度が閾値以上であるか否かを検出し、該検出結果を示す検出信号を前記制御信号として出力する検出部を有することが望ましい。
【0019】
本発明においては、上記構成の照度センサにおいて、前記所定の周波数領域とは、リモコンから送信される赤外光の周波数を含む周波数領域であることが望ましい。
【0020】
本発明においては、上記構成の照度センサにおいて、前記検出部は、前記検出信号を外部へ出力することとしてもよい。
【0021】
本発明においては、照度センサ付きリモコン受光ユニットは、上記構成の照度センサと、赤外光受光部を有するリモコン受光ユニットと、を有することを特徴とする。
【0022】
本発明においては、上記構成の照度センサ付きリモコン受光ユニットにおいて、前記周囲光受光部が透明樹脂で形成され、前記赤外光受光部が可視光カット樹脂で形成されることが望ましい。
【0023】
本発明においては、上記構成の照度センサ付きリモコン受光ユニットにおいて、前記周囲光受光部が透明樹脂による一次モールドによって形成され、前記赤外光受光部が可視光カット樹脂による二次モールドによって形成されることとしてもよい。
【0024】
本発明においては、電子機器は、上記構成の照度センサを有することを特徴とする。
【0025】
本発明においては、電子機器は、上記構成の照度センサ付きリモコン受光ユニットを有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0026】
本発明の照度センサによると、制御信号によって保持部の信号保持動作がオンとされると、出力信号が一定に保持されることとなる。したがって、周囲光受光部が周囲の照度を反映する光とは異なる光の影響を受ける場合に、保持部の信号保持動作をオンとすることによって、出力信号を一定に保持することができるので、出力信号が周囲の照度に応じた信号と大きく異なってしまうことを防止できる。
【0027】
また、本発明の照度センサによると、赤外光受光部を有するリモコン受光ユニットから入力される、赤外光受光の有無を示す受光信号によって保持部の信号保持動作がオンとされると、出力信号が一定に保持されることとなる。したがって、周囲光受光部が、周囲の照度を反映する光とは異なる、リモコンからリモコン受光ユニットへ送信される赤外光の影響を受ける場合に、出力信号を一定に保持することができるので、出力信号が周囲の照度に応じた信号と大きく異なってしまうことを防止できる。
【0028】
また、本発明の照度センサによると、周囲光受光部によって受光した光の、所定の周波数領域内の成分の照度が閾値以上であるか否かを示す検出信号によって保持部の信号保持動作がオンとされると、出力信号が一定に保持されることとなる。したがって、周囲光受光部が、周囲の照度を反映する光とは異なる、所定の周波数領域内の周波数を有する光の影響を受ける場合に、出力信号を一定に保持することができるので、出力信号が周囲の照度に応じた信号と大きく異なってしまうことを防止できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0029】
本発明の実施形態について、図面を用いて説明すれば以下の通りである。
【0030】
(第1の実施形態)
図1は、本発明の第1の実施形態に係る照度センサ10の概略の構成を示すブロック図である。照度センサ10は、受光素子11と、増幅部12と、出力端子13と、ラッチ回路14(保持部)と、外部入力端子15とを有する。
【0031】
ここで、受光素子11のアノードは増幅部12の入力端子に接続されており、カソードにはVCCが印加されている。また、増幅部12の出力端子はラッチ回路14に接続されている。そして、ラッチ回路14は、出力端子13及び外部入力端子15に接続されている。なお、増幅部12及びラッチ回路14は、VCCとGNDとによってバイアスされている。
【0032】
ここで、ラッチ回路14の信号保持動作は、外部入力端子15から入力される制御信号によってオンオフ制御される。具体的には、外部入力端子15からHレベルの制御信号が入力されている間は、ラッチ回路14は、増幅部12から伝達された信号をそのまま出力端子13へ伝達する。一方、外部入力端子15からLレベルの制御信号が入力されている間は、ラッチ回路14は、外部入力端子15からのLレベルの制御信号の入力が開始された時点での出力信号を出力端子13へ伝達し続ける。
【0033】
したがって、外部入力端子15からラッチ回路14にHレベルの制御信号が入力されている間に、照度センサ10が出力端子13から信号を出力する際の処理の流れは以下の通りである。まず、受光素子11が受光した光の照度を信号に変換し、これを増幅部12へ伝達する。次に、増幅部12が受光素子11から伝達された信号を増幅し、これをラッチ回路14へ伝達する。次に、ラッチ回路14が増幅部12から伝達された信号をそのまま出力端子13へ伝達する。そして、出力端子13から、ラッチ回路14より伝達された信号が出力される。
【0034】
一方、外部入力端子15からラッチ回路14にLレベルの制御信号が入力されている間に、照度センサ10が出力端子13から信号を出力する際の処理の流れは以下の通りである。まず、受光素子11が受光した光の照度を信号に変換し、これを増幅部12へ伝達する。次に、増幅部12が受光素子11から伝達された信号を増幅し、これをラッチ回路14へ伝達する。ここで、ラッチ回路14には、外部入力端子15からLレベルの制御信号が入力されているので、ラッチ回路14は、外部入力端子15からのLレベルの制御信号の入力が開始された時点での出力信号を出力端子13へ伝達し続ける。そして、出力端子13から、ラッチ回路14より伝達された信号が出力される。
【0035】
上記構成の照度センサ10においては、外部入力端子15から入力される制御信号によってラッチ回路14の信号保持動作がオンとされると、出力信号が一定に保持されることとなる。したがって、受光素子11が周囲の照度を反映する光とは異なる光の影響を受ける場合に、ラッチ回路14の信号保持動作をオンとすることによって、出力信号が周囲の照度に応じた信号と大きく異なってしまうことを防止できる。
【0036】
なお、外部入力端子15からラッチ回路14にLレベルの制御信号が入力されている間には、ラッチ回路14の信号保持動作がオンとされているので、増幅部12からラッチ回路14へ伝達される信号が変化しても、ラッチ回路14から出力端子13へ伝達される信号は変化しない。そのため、受光素子11及び増幅部12を動作させる必要が無いので、受光素子11及び増幅部12の電源をオフすることによって消費電力低減を図ることとしてもよい。
【0037】
次に、照度センサ10と、リモコン受光ユニットとを接続した場合について説明する。図2は、照度センサ10と、リモコン受光ユニット20とを接続した場合の概略の構成を示すブロック図である。
【0038】
リモコン受光ユニット20は、赤外光受光素子21と、リモコン出力端子22とを有しており、リモコン出力端子22は、照度センサ10の外部入力端子15に接続されている。そして、リモコン受光ユニット20は、赤外光受光素子21による赤外光受光を行っていない間は、リモコン出力端子22からHレベルの受光信号を出力する一方、赤外光受光素子21による赤外光受光を行っている間は、リモコン出力端子22からLレベルの受光信号を出力する。
【0039】
そのため、ラッチ回路14は、リモコン受光ユニット20が赤外光受光素子21による赤外光受光を行っていない間は、増幅部12から伝達された信号をそのまま出力端子13へ伝達する一方、リモコン受光ユニット20が赤外光受光素子21による赤外光受光を行っている間は、リモコン出力端子22からのLレベルの受光信号の入力が開始された時点での出力信号を出力端子13へ伝達し続ける。
【0040】
このように、照度センサ10と、リモコン受光ユニット20とを接続した場合の利点について、以下で詳細に説明する。図3は、照度センサ10と、リモコン受光ユニット20とを接続した場合の利点を示す説明図である。
【0041】
図3(a)は、周囲の照度の時間変化を示すグラフであって、横軸(t軸)は時間軸、縦軸(E軸)は照度軸である。図3(b)は、不図示のリモコンからリモコン受光ユニット20へ送信される赤外光の照度の時間変化を示すグラフであって、横軸(t軸)は時間軸、縦軸(E軸)は照度軸である。図3(c)は、照度センサ10が出力端子13から出力する信号(ここでは電流信号とするが、電圧信号であってもよい)の時間変化を示すグラフであって、横軸(t軸)は時間軸、縦軸(I軸)は電流軸である。
【0042】
図3においては、時間t1〜t2の間及び時間t3〜t4の間に、不図示のリモコンからリモコン受光ユニット20へ赤外光が送信されている。そのため、照度センサ10がリモコン受光ユニット20の近辺に配置された場合、受光素子11は、時間t1〜t2の間及び時間t3〜t4の間には、周囲の照度を反映する光に、不図示のリモコンからリモコン受光ユニット20へ送信される赤外光が合成された光の照度を信号に変換し、これを増幅部12へ伝達することとなる。
【0043】
しかしながら、ラッチ回路14は、リモコン受光ユニット20が赤外光受光素子21による赤外光受光を行っている間は、リモコン出力端子22からのLレベルの受光信号の入力が開始された時点での出力信号を出力端子13へ伝達し続けることから、受光素子11から増幅部12を介してラッチ回路14に信号が伝わる際のタイムラグを、リモコン出力端子22から外部入力端子15を介してラッチ回路14に受光信号が伝わる際のタイムラグより大きく取れば、照度センサ10が出力端子13から出力する信号は、時間t1〜t2の間及び時間t3〜t4の間には、不図示のリモコンからリモコン受光ユニット20へ赤外光が送信される直前の周囲の照度に応じた信号に保たれることとなる。
【0044】
以上より、照度センサ10と、リモコン受光ユニット20とを接続した場合においては、受光素子11が、周囲の照度を反映する光とは異なる、不図示のリモコンからリモコン受光ユニット20へ送信される赤外光の影響を受ける場合に、照度センサ10が出力端子13から出力する信号を一定に保持するので、照度センサ10が出力端子13から出力する信号が周囲の照度に応じた信号と大きく異なってしまうことを防止できる。したがって、液晶テレビのように、照度センサ10が、リモコン受光ユニット20の近辺に配置される場合でも、照度センサ10が出力端子13から出力する信号を用いたバックライトの輝度の自動調整が適切に行われることとなる。
【0045】
次に、照度センサ10と、リモコン受光ユニット20とを同一パッケージに一体化した照度センサ付きリモコン受光ユニットの概略の構成について説明する。図4は、照度センサ10と、リモコン受光ユニット20とを同一パッケージに一体化した照度センサ付きリモコン受光ユニット30に関する説明図である。照度センサ付きリモコン受光ユニット30は、受光素子11を含む周囲光受光部31と、赤外光受光素子21を含む赤外光受光部32とを有する。
【0046】
図4(a)は、照度センサ付きリモコン受光ユニット30の外観を示す斜視図である。図4(b)及び図4(c)は、図4(a)に示す照度センサ付きリモコン受光ユニット30の製造方法を示す説明図である。照度センサ付きリモコン受光ユニット30は、まず、図4(b)に示すように、周囲光受光部31を含む部分が透明樹脂による一次モールドによって形成され、次に、図4(c)に示すように、赤外光受光部32を含む部分が可視光カット樹脂による二次モールドによって形成されることによって製造される。
【0047】
上記構成の照度センサ付きリモコン受光ユニット30は、照度センサ10と、リモコン受光ユニット20とを同一パッケージに一体化しているので、部品点数の削減及び実装面積の縮小ができる。また、赤外光受光部32を含む部分が可視光カット樹脂で形成されているので、赤外光受光素子21がリモコンからの赤外光以外の光の影響を受けにくくなる。
【0048】
(第2の実施形態)
次に、本発明の第2の実施形態について説明する。図5は、本発明の第2の実施形態に係る照度センサ40の概略の構成を示すブロック図である。なお、図5においては、図1と同一の部分には共通の符号を付し、その詳細な説明は省略する。照度センサ40は、受光素子11と、増幅部12と、出力端子13と、ラッチ回路14(保持部)と、検出部41とを有する。
【0049】
ここで、受光素子11のアノードは増幅部12の入力端子に接続されており、カソードにはVCCが印加されている。また、増幅部12の出力端子はラッチ回路14及び検出部41に接続されている。そして、ラッチ回路14は、出力端子13及び検出部41に接続されている。なお、増幅部12及びラッチ回路14は、VCCとGNDとによってバイアスされている。
【0050】
ここで、ラッチ回路14の信号保持動作は、検出部41から入力される検出信号によってオンオフ制御される。具体的には、検出部41からHレベルの検出信号が入力されている間は、ラッチ回路14は、増幅部12から伝達された信号をそのまま出力端子13へ伝達する。一方、検出部41からLレベルの検出信号が入力されている間は、ラッチ回路14は、検出部41からのLレベルの検出信号の入力が開始された時点での出力信号を出力端子13へ伝達し続ける。
【0051】
したがって、検出部41からラッチ回路14にHレベルの検出信号が入力されている間に、照度センサ40が出力端子13から信号を出力する際の処理の流れは以下の通りである。まず、受光素子11が受光した光の照度を信号に変換し、これを増幅部12へ伝達する。次に、増幅部12が受光素子11から伝達された信号を増幅し、これをラッチ回路14へ伝達する。次に、ラッチ回路14が増幅部12から伝達された信号をそのまま出力端子13へ伝達する。そして、出力端子13から、ラッチ回路14より伝達された信号が出力される。
【0052】
一方、検出部41からラッチ回路14にLレベルの検出信号が入力されている間に、照度センサ40が出力端子13から信号を出力する際の処理の流れは以下の通りである。まず、受光素子11が受光した光の照度を信号に変換し、これを増幅部12へ伝達する。次に、増幅部12が受光素子11から伝達された信号を増幅し、これをラッチ回路14へ伝達する。ここで、ラッチ回路14には、検出部41からLレベルの検出信号が入力されているので、ラッチ回路14は、検出部41からのLレベルの検出信号の入力が開始された時点での出力信号を出力端子13へ伝達し続ける。そして、出力端子13から、ラッチ回路14より伝達された信号が出力される。
【0053】
次に、検出部41について説明する。検出部41は、BPF(帯域通過フィルタ)411と、復調器412と、積分器413と、比較器414とを有する。
【0054】
BPF411は、増幅部12から伝達される信号から、リモコンから送信される赤外光の周波数を含む所定の周波数領域(例えば30kHz〜60kHz)の成分を抽出し、復調器412に伝達する。復調器412は、BPF411から伝達された信号に対する復調処理を行い、得られた信号を積分器413へ伝達する。
【0055】
積分器413は、復調器412から伝達された信号を積分することによって、受光素子11によって受光した光の、リモコンから送信される赤外光の周波数を含む所定の周波数領域の成分の照度を算出し、該照度を示す信号を比較器414へ伝達する。比較器414は、積分器413から伝達された信号が示す照度が閾値以上であるか否かを検出し、閾値未満である場合にはラッチ回路14にHレベルの検出信号を出力する一方、閾値以上である場合にはラッチ回路14にLレベルの検出信号を出力する。
【0056】
上記構成の照度センサ40のラッチ回路14は、受光素子11によって受光した光の、リモコンから送信される赤外光の周波数を含む所定の周波数領域の成分の照度が閾値以上である間は、検出部41からのLレベルの検出信号の入力が開始された時点での出力信号を出力端子13へ伝達し続けることから、受光素子11から増幅部12を介してラッチ回路14に信号が伝わる際のタイムラグを、受光素子11から検出部41を介してラッチ回路14に検出信号が伝わる際のタイムラグより大きく取れば、照度センサ40と、リモコン受光ユニットとを接続することなしに、照度センサ40が出力端子13から出力する信号が、不図示のリモコンから送信される赤外光の影響を受け、周囲の照度に応じた信号と大きく異なってしまうことを防止できる。したがって、液晶テレビのように、照度センサ40が、リモコン受光ユニットの近辺に配置される場合でも、照度センサ40が出力端子13から出力する信号を用いたバックライトの輝度の自動調整が適切に行われることとなる。
【0057】
なお、検出部41が、ラッチ回路14のみならず、外部機器にも検出信号を出力する構成とすることも可能である。図6は、検出部41が外部機器に検出信号を出力する構成とした照度センサ50の概略の構成を示すブロック図である。なお、図6においては、図5と同一の部分には共通の符号を付し、その詳細な説明は省略する。
【0058】
照度センサ50は、検出部41から出力される検出信号を外部機器に与えるための出力端子51を有している。そのため、外部機器は、受光素子11によって受光した光の、リモコンから送信される赤外光の周波数を含む所定の周波数領域の成分の照度が閾値以上であるか否かの情報を用いた各種制御を行うことができる。具体的には、例えば、出力端子13及び出力端子51の両方に接続された外部機器は、出力端子51から入力される検出信号がHレベルである場合には、出力端子13から入力される信号を用いた制御を行い、出力端子51から入力される検出信号がLレベルである場合には、出力端子13から入力される信号を無視した制御を行うことなどが考えられる。
【0059】
また、照度センサ50は、出力端子13から、受光素子11によって受光した光の照度に応じた信号を出力する一方、出力端子51から、受光素子11によって受光した光の、リモコンから送信される赤外光の周波数を含む所定の周波数領域の成分の照度が閾値以上である否かを示す検出信号を出力することができるので、リモコン受光ユニットを別に設けることなく、照度センサ付きリモコン受光ユニットと同等の機能を提供することができる。
【0060】
なお、本発明は上記の実施形態に限定されず、本発明の主旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。例えば、上記実施形態に係る照度センサにおいては、ラッチ回路は、外部入力端子又は検出部からHレベルの信号が入力されている間は、増幅部から伝達された信号をそのまま出力端子へ伝達する一方、外部入力端子又は検出部からLレベルの信号が入力されている間は、外部入力端子又は検出部からのLレベルの信号の入力が開始された時点での出力信号を出力端子へ伝達し続けるものとした。しかしながら、外部入力端子又は検出部からHレベルの信号が入力されている間は、外部入力端子又は検出部からのHレベルの信号の入力が開始された時点での出力信号を出力端子へ伝達し続ける一方、外部入力端子又は検出部からLレベルの信号が入力されている間は、増幅部から伝達された信号をそのまま出力端子へ伝達するラッチ回路を有する照度センサを構成することももちろん可能である。
【産業上の利用可能性】
【0061】
本発明は、受光した光の照度に応じた信号を出力する照度センサとして有効である。また、本発明は、そのような照度センサを有する照度センサ付きリモコン受光ユニット及び液晶表示装置などの電子機器として有効である。
【図面の簡単な説明】
【0062】
【図1】照度センサ10の概略の構成を示すブロック図。
【図2】照度センサ10と、リモコン受光ユニット20とを接続した場合の概略の構成を示すブロック図。
【図3】照度センサ10と、リモコン受光ユニット20とを接続した場合の利点を示す説明図。
【図4】照度センサ付きリモコン受光ユニット30に関する説明図。
【図5】照度センサ40の概略の構成を示すブロック図。
【図6】照度センサ50の概略の構成を示すブロック図。
【図7】液晶テレビ90の外観を示す斜視図。
【図8】照度センサ93の概略の構成を示すブロック図。
【図9】照度センサ93の問題点を示す説明図。
【符号の説明】
【0063】
10、40、50 照度センサ
14 ラッチ回路(保持部)
20 リモコン受光ユニット
30 照度センサ付きリモコン受光ユニット
31 周囲光受光部
32 赤外光受光部
41 検出部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
周囲光受光部によって受光した光の照度に応じた信号を出力する照度センサであって、
出力する前記信号を一定に保持する保持部を有し、
内部又は外部から入力される制御信号によって、前記保持部の信号保持動作がオンオフ制御されることを特徴とする照度センサ。
【請求項2】
前記制御信号は、赤外光受光部を有するリモコン受光ユニットから入力される、赤外光受光の有無を示す受光信号であることを特徴とする請求項1に記載の照度センサ。
【請求項3】
前記周囲光受光部によって受光した光の、所定の周波数領域内の成分の照度が閾値以上であるか否かを検出し、該検出結果を示す検出信号を前記制御信号として出力する検出部を有することを特徴とする請求項1に記載の照度センサ。
【請求項4】
前記所定の周波数領域とは、リモコンから送信される赤外光の周波数を含む周波数領域であることを特徴とする請求項3に記載の照度センサ。
【請求項5】
前記検出部は、前記検出信号を外部へ出力することを特徴とする請求項3又は4に記載の照度センサ。
【請求項6】
請求項2に記載の照度センサと、
赤外光受光部を有するリモコン受光ユニットと、
を有することを特徴とする照度センサ付きリモコン受光ユニット。
【請求項7】
前記周囲光受光部が透明樹脂で形成され、
前記赤外光受光部が可視光カット樹脂で形成されることを特徴とする請求項6に記載の照度センサ付きリモコン受光ユニット。
【請求項8】
前記周囲光受光部が透明樹脂による一次モールドによって形成され、
前記赤外光受光部が可視光カット樹脂による二次モールドによって形成されることを特徴とする請求項7に記載の照度センサ付きリモコン受光ユニット。
【請求項9】
請求項1から5のいずれか1項に記載の照度センサを有することを特徴とする電子機器。
【請求項10】
請求項6から8のいずれか1項に記載の照度センサ付きリモコン受光ユニットを有することを特徴とする電子機器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2008−112782(P2008−112782A)
【公開日】平成20年5月15日(2008.5.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−293652(P2006−293652)
【出願日】平成18年10月30日(2006.10.30)
【出願人】(000005049)シャープ株式会社 (33,933)
【Fターム(参考)】