照明光学装置、およびこの照明光学装置を備えるプロジェクタ
【課題】製造作業の繁雑化を招くことなく、光源から射出された光束をより一層効率よく利用できる照明光学装置およびこの照明光学装置を備えるプロジェクタを提供すること。
【解決手段】光源光を部分光束に分割するレンズアレイと、分割された各部分光束が重畳される画像形成領域448を含む液晶パネル441とを備える。画像形成領域448の外形は、縦寸法A,横寸法B(A≦B)の矩形状であり、レンズアレイを構成する小レンズの輪郭外形は、縦寸法α,横寸法β(α≦β)の矩形状であり、画像形成領域448に重畳された照明領域LAは、縦寸法X,横寸法Y(X≦Y)の矩形状である。これらの寸法α、β、A、B、X、Yの間には、定数C(C<A≦B)を用いて、次式(1)〜(3)の関係が成立する。
・X/Y=α/β…(1)
・X=A+2C…(2)
・Y=B+2C…(3)
【解決手段】光源光を部分光束に分割するレンズアレイと、分割された各部分光束が重畳される画像形成領域448を含む液晶パネル441とを備える。画像形成領域448の外形は、縦寸法A,横寸法B(A≦B)の矩形状であり、レンズアレイを構成する小レンズの輪郭外形は、縦寸法α,横寸法β(α≦β)の矩形状であり、画像形成領域448に重畳された照明領域LAは、縦寸法X,横寸法Y(X≦Y)の矩形状である。これらの寸法α、β、A、B、X、Yの間には、定数C(C<A≦B)を用いて、次式(1)〜(3)の関係が成立する。
・X/Y=α/β…(1)
・X=A+2C…(2)
・Y=B+2C…(3)
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、照明光学装置、およびプロジェクタに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、プロジェクタとしては、光源から射出された光束を、ダイクロイックミラーによりRGBの三色の色光に分離し、三枚の液晶パネル(光変調装置)によって色光毎に画像情報に応じて変調し、変調後の光束をクロスダイクロイックプリズムで合成し、投写レンズを介してカラー画像を拡大投写する、いわゆる三板式のプロジェクタが知られている。
【0003】
このようなプロジェクタには、光源から射出された光束を無駄なく液晶パネルの画像形成領域に供給して明るい投写画像を形成し、また、明るさにムラのない投写画像を形成するために、光源から液晶パネルに至る光路中に、光束分割光学素子を含む照明光学装置が配置されている。この光束分割光学素子は、光源から射出された光束を複数の部分光束に分割し、これらの分割された部分光束を、集光レンズを介して液晶パネルの画像形成領域上に重畳させて、画像形成領域全体を均一に照明するための光学素子である。
この光束分割光学素子としては、液晶パネルの画像形成領域の輪郭形状に合わせて、この輪郭形状と相似関係の輪郭形状を有する小レンズを、照明光軸に直交する面内でマトリクス状に配列されたマルチレンズアレイが知られている。
また、前述した集光レンズには、液晶パネルの画像形成領域全体を確実に照明するために、画像形成領域上に形成される照明領域に一定のマージンが形成されるように集光する設定とされていた。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、前述したように、小レンズの輪郭形状と、画像形成領域の輪郭形状とを相似の関係として構成した場合には、通常、画像形成領域の輪郭形状が長方形状であることから、長辺側に適正なマージンを持たせようとすると、短辺側には必要以上のマージンが形成されてしまい、光源からの光束を十分有効に利用できていないという問題があった。一方、長辺側のマージンを最小限まで小さくしていくと、各光学素子の位置調整作業をより一層高精度に行う必要があり、特に、画像形成領域の大きさが0.7インチ等と小さくなればなるほど、製造作業が繁雑になるという問題があった。
【0005】
なお、このような問題は、前述したマルチレンズアレイに限らず、光源から射出され集光された光束を入射端面より入射し、内面反射によって複数の光束に分割して射出端面から射出するロッド等のその他の光束分割光学素子においても同様に発生していた。
【0006】
本発明の目的は、製造作業の繁雑化を招くことなく、光源から射出された光束をより一層効率よく利用できる照明光学装置およびこの照明光学装置を備えるプロジェクタを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明に係る照明光学装置は、光源から射出された光束を複数の部分光束に分割する光束分割光学素子と、この光束分割光学素子により分割された各部分光束を集光する集光素子と、この集光された光束が重畳される画像形成領域を有し、この画像形成領域に重畳された光束を、入力画像情報に基づいて変調する光変調装置とを備える照明光学装置であって、前記光変調装置の画像形成領域は、照明光軸に直交し互いに直交する2方向の長さ寸法がAおよびB(A≦B)の矩形状として構成され、前記光束分割光学素子において、光束が射出される射出端面の形状が、照明光軸に直交し、互いに直交する2方向の長さ寸法αおよびβ(α≦β)の矩形状として構成され、これらの長さ寸法α、β、A、およびBの間には、式(5)の関係式が成立することを特徴とする。
【0008】
(数1)
α/A > β/B ・・・(5)
【0009】
本発明によれば、例えば、光束分割光学素子の射出端面の縦横の長さ寸法α,β、および画像形成領域の輪郭形状の縦横の長さ寸法A,Bについて、式(5)の関係を満たすことにより、従来のように、射出端面の形状と画像形成領域の輪郭形状とを相似形にする場合に比べて、射出光による照明領域の外形が長辺側に長い(縦長)の形状となるため、照明領域における短辺側のマージン量を小さくして、画像形成領域を適切なマージン量で照明できて、射出光をより一層効率よく利用でき、投写画像の画質を向上できる。また、光束分割光学素子の外形寸法を、式(5)を満たすように設計変更するだけでよいから、照明光学装置の製造作業の繁雑化を招くこともない。以上より、本発明の目的を達成できる。
【0010】
以上の照明光学装置において、前記光束分割光学素子の射出端面から射出され、前記画像形成領域上に重畳された照明領域は、照明光軸に直交し、互いに直交する2方向の長さ寸法XおよびY(X≦Y)の矩形状として構成され、これらの長さ寸法XおよびYは、定数C(C<A≦B)を用いて、式(6)〜式(8)の関係式が成立することが好ましい。
【0011】
(数2)
X/Y=α/β ・・・(6)
【0012】
(数3)
X=A+2C ・・・(7)
【0013】
(数4)
Y=B+2C ・・・(8)
【0014】
この場合には、縦横の長さ寸法の比率(アスペクト比)に関係なく、画像形成領域の外周に定数Cの寸法分のマージンが一様に形成されるため、より適切なマージン量を確保できる。特に、画像形成領域の輪郭外形を、通常の4:3よりも横長形状である16:9とした場合でも、アスペクト比に影響されないことから、光束を効率的に利用でき画像形成領域を適切に照明できる。
【0015】
また、前記定数Cは、0.5mm〜1.0mmの範囲であることが好ましい。
ここで、定数Cを0.5mmよりも小さくした場合には、照明光学装置を構成する各光学素子の位置調整が繁雑になるという欠点があり、また、定数Cを1.0mmよりも大きくした場合には光束を効率的に利用できないという欠点があるからである。このため、定数Cを、前述した範囲とすれば、光束をより一層効率良く利用できるという利点がある。
【0016】
以上の照明光学装置において、前記光束分割光学素子としては、照明光軸に直交する面内で小レンズがマトリクス状に配列されたマルチレンズアレイを採用できる。また、前記光束分割光学素子として、前記光源から射出され、前記集光素子とは異なる他の集光素子により集光された光束を入射端面より入射し、内面反射によって複数の光束に分割して射出端面から射出するロッドを採用することもできる。
これらの場合には、小レンズの輪郭外形またはロッド(ロッドインテグレータ)の射出端面の輪郭外形や、画像形成領域の輪郭外形、光束による照明領域の輪郭外形の間に、前述した式(5)または式(6)〜(8)の関係式を成立させるだけの簡単な設計変更で、光束利用効率をより手軽に向上できる。
【0017】
本発明のプロジェクタは、前記照明光学装置を備えることを特徴とする。
本発明によれば、前述した照明光学装置と略同様の作用効果を奏することができ、プロジェクタから投写される投写画像の画質を向上できる。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、製造作業の繁雑化を招くことなく、光源から射出された光束をより一層効率よく利用できるという効果がある。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
[第1実施形態]
以下、本発明の第1実施形態を図面に基づいて説明する。
図1は、本発明に係るプロジェクタ1を上方前面側から見た斜視図である。図2は、プロジェクタ1を下方背面側から見た斜視図である。
図1または図2に示すように、プロジェクタ1は、射出成形によって成形された略直方体状の外装ケース2を備える。この外装ケース2は、プロジェクタ1の本体部分を収納する合成樹脂製の筐体であり、アッパーケース21と、ロアーケース22とを備え、これらのケース21,22は、互いに着脱自在に構成されている。
【0020】
アッパーケース21は、図1,2に示すように、プロジェクタ1の上面、側面、前面、および背面をそれぞれ構成する上面部21A、側面部21B、前面部21Cおよび背面部21Dを含んで構成される。
同様に、ロアーケース22も、図1,2に示すように、プロジェクタ1の下面、側面、前面、および背面をそれぞれ構成する下面部22A、側面部22B、前面部22C、および背面部22Dを含んで構成される。
【0021】
従って、図1,2に示すように、直方体状の外装ケース2において、アッパーケース21およびロアーケース22の側面部21B,22B同士が連続的に接続されて直方体の側面部分210が構成され、同様に、前面部21C,22C同士の接続で前面部分220が、背面部21D,22D同士の接続で背面部分230が、上面部21Aにより上面部分240が、下面部22Aにより下面部分250がそれぞれ構成される。
【0022】
図1に示すように、上面部分240において、その前方側には操作パネル23が設けられ、この操作パネル23の近傍には音声出力用のスピーカ孔240Aが形成されている。
【0023】
前方から見て右側の側面部分210には、2つの側面部21B,22Bを跨る開口211が形成されている。ここで、外装ケース2内には、上面部分240に沿って、後述するメイン基板51と、インターフェース基板52とが設けられており、この開口211に取り付けられたインターフェースパネル53を介して、メイン基板51に実装された接続部51Bと、インターフェース基板52に実装された接続部52Aとが外部に露出している。これらの接続部51B,52Aにおいて、プロジェクタ1には外部の電子機器等が接続される。
【0024】
前面部分220において、前方から見て右側で、前記操作パネル23の近傍には、2つの前面部21C,22Cを跨ぐ円形状の開口221が形成されている。この開口221に対応するように、外装ケース2内部には、投写レンズ46が配置されている。この際、開口221から投写レンズ46の先端部分が外部に露出しており、この露出部分の一部であるレバー46Aを介して、投写レンズ46のフォーカス操作が手動で行えるようになっている。
【0025】
前面部分220において、前記開口221の反対側の位置には、排気口222が形成されている。この排気口222には、安全カバー222Aが形成されている。
【0026】
図2に示すように、背面部分230において、背面から見た右側には矩形状の開口231が形成され、この開口231からインレットコネクタ24が露出するようになっている。
【0027】
下面部分250において、下方から見て右端側の中央位置には矩形状の開口251が形成されている。開口251には、この開口251を覆うランプカバー25が着脱自在に設けられている。このランプカバー25を取り外すことにより、図示しない光源ランプの交換が容易に行えるようになっている。
【0028】
また、下面部分250において、下方から見て左側で背面側の隅部には、一段内側に凹んだ矩形面252が形成されている。この矩形面252には、外部から冷却空気を吸入するための吸気口252Aが形成されている。矩形面252には、この矩形面252を覆う吸気口カバー26が着脱自在に設けられている。吸気口カバー26には、吸気口252Aに対応する開口26Aが形成されている。開口26Aには、図示しないエアフィルタが設けられており、内部への塵埃の侵入が防止されている。
【0029】
さらに、下面部分250において、後方側の略中央位置にはプロジェクタ1の脚部を構成する後脚2Rが形成されている。また、下面部22Aにおける前方側の左右の隅部には、同じくプロジェクタ1の脚部を構成する前脚2Fがそれぞれ設けられている。つまり、プロジェクタ1は、後脚2Rおよび2つ前脚2Fにより3点で支持されている。
2つの前脚2Fは、それぞれ上下方向に進退可能に構成されており、プロジェクタ1の前後方向および左右方向の傾き(姿勢)を調整して、投写画像の位置調整ができるようになっている。
【0030】
また、図1,2に示すように、下面部分250と前面部分220とを跨るように、外装ケース2における前方側の略中央位置には、直方体状の凹部253が形成されている。この凹部253には、収納部としてのカバー部材27が設けられている。カバー部材27の内部には、図1,2では図示しない遠隔操作機器としてのリモートコントローラ(リモコン)が収納されている。
【0031】
ここで、図3,4は、プロジェクタ1の内部を示す斜視図である。具体的には、図3は、図1の状態からプロジェクタ1のアッパーケース21を外した図である。図4は、図3の状態から制御基板5を外した図である。
【0032】
外装ケース2には、図3,4に示すように、背面部分に沿って配置され、左右方向に延びる電源ユニット3と、この電源ユニット3の前側に配置された平面視略L字状で光学系としての光学ユニット4と、これらのユニット3,4の上方および右側に配置される制御部としての制御基板5とを備える。これらの各装置3〜5によりプロジェクタ1の本体が構成されている。
【0033】
電源ユニット3は、電源31と、この電源31の下方に配置された図示しないランプ駆動回路(バラスト)とを含んで構成される。
電源31は、前記インレットコネクタに接続された図示しない電源ケーブルを通して外部から供給された電力を、前記ランプ駆動回路や制御基板5等に供給するものである。
前記ランプ駆動回路は、光学ユニット4を構成する図3,4では図示しない光源ランプに、電源31から供給された電力を供給するものであり、前記光源ランプと電気的に接続されている。このようなランプ駆動回路は、例えば、基板に配線することにより構成できる。
【0034】
電源31および前記ランプ駆動回路は、略平行に上下に並んで配置されており、これらの占有空間は、プロジェクタ1の背面側で左右方向に延びている。
また、電源31はおよび前記ランプ駆動回路は、左右側が開口されたアルミニウム等の金属製のシールド部材31Aによって周囲を覆われている。
シールド部材31Aは、冷却空気を誘導するダクトとしての機能に加えて、電源31や前記ランプ駆動回路で発生する電磁ノイズが、外部へ漏れないようにする機能も有している。
【0035】
制御基板5は、図3に示すように、ユニット3,4の上側を覆うように配置されCPUや接続部51B等を含むメイン基板51と、このメイン基板51の下側に配置され接続部52Aを含むインターフェース基板52とを備える。
この制御基板5では、接続部51B,52Aを介して入力された画像情報に応じて、メイン基板51のCPU等が、後述する光学装置を構成する液晶パネルの制御を行う。
【0036】
メイン基板51は、金属製のシールド部材51Aによって周囲を覆われている。メイン基板51は、図3ではわかり難いが、光学ユニット4を構成する上ライトガイド472の上端部分472A(図4)に当接している。
【0037】
〔光学ユニットの詳細な構成〕
ここで、図5は、光学ユニット4を示す分解斜視図である。図6は、光学ユニット4を模式的に示す図である。
光学ユニット4は、図6に示すように、光源装置411を構成する光源ランプ416から射出された光束を光学的に処理して画像情報に対応した光学像を形成し、この光学像を拡大して投射するユニットであり、インテグレータ照明光学系41と、色分離光学系42と、リレー光学系43と、光学装置44と、投写レンズ46と、これらの光学部品41〜44,46を収納する合成樹脂製のライトガイド47(図5)とを備える。
【0038】
インテグレータ照明光学系41は、光学装置44を構成する3枚の液晶パネル441(赤、緑、青の色光毎にそれぞれ液晶パネル441R,441G,441Bとする)の画像形成領域をほぼ均一に照明するための光学系であり、光源装置411と、光束分割光学素子としての第1レンズアレイ412、および第2レンズアレイ413と、偏光変換素子414と、重畳レンズ415とを備える。
【0039】
光源装置411は、放射光源としての光源ランプ416と、リフレクタ417とを備え、光源ランプ416から射出された放射状の光線をリフレクタ417で反射して平行光線とし、この平行光線を外部へと射出する。光源ランプ416には、高圧水銀ランプを採用している。なお、高圧水銀ランプ以外に、メタルハライドランプやハロゲンランプ等も採用できる。また、リフレクタ417には、放物面鏡を採用している。なお、放物面鏡の代わりに、平行化凹レンズおよび楕円面鏡を組み合わせたものを採用してもよい。
【0040】
第1レンズアレイ412は、光軸方向から見てほぼ矩形状の輪郭を有する小レンズがマトリクス状に配列されたマルチレンズアレイである。各小レンズは、光源ランプ416から射出される光束を、複数の部分光束に分割している。詳しくは、後述する。
【0041】
第2レンズアレイ413は、第1レンズアレイ412と略同様な構成を有しており、小レンズがマトリクス状に配列されたマルチレンズアレイである。この第2レンズアレイ413は、重畳レンズ415とともに、第1レンズアレイ412の各小レンズの像を液晶パネル441上に結像させる集光素子としての機能を有する。詳しくは、後述する。
【0042】
偏光変換素子414は、第2レンズアレイ413と重畳レンズ415との間に配置される。このような偏光変換素子414は、第2レンズアレイ413からの光を1種類の偏光光に変換するものであり、これにより、光学装置44での光の利用効率が高められている。
【0043】
具体的に、偏光変換素子414によって1種類の偏光光に変換された各部分光は、重畳レンズ415によって最終的に光学装置44の液晶パネル441上にほぼ重畳される。偏光光を変調するタイプの液晶パネル441を用いたプロジェクタ1では、1種類の偏光光しか利用できないため、他種類のランダムな偏光光を発する光源ランプ416からの光束の略半分が利用されない。このため、偏光変換素子414を用いることにより、光源ランプ416から射出された光束を全て1種類の偏光光に変換し、光学装置44での光の利用効率を高めている。なお、このような偏光変換素子414は、たとえば特開平8−304739号公報に紹介されている。
【0044】
色分離光学系42は、2枚のダイクロイックミラー421,422と、反射ミラー423とを備え、ダイクロイックミラー421、422によりインテグレータ照明光学系41から射出された複数の部分光束を赤(R)、緑(G)、青(B)の3色の色光に分離する機能を有している。
【0045】
リレー光学系43は、入射側レンズ431と、リレーレンズ433と、反射ミラー432、434とを備え、色分離光学系42で分離された色光である赤色光を液晶パネル441Rまで導く機能を有している。
【0046】
この際、色分離光学系42のダイクロイックミラー421では、インテグレータ照明光学系41から射出された光束のうち、赤色光成分と緑色光成分とは透過し、青色光成分は反射する。ダイクロイックミラー421によって反射した青色光は、反射ミラー423で反射し、フィールドレンズ418を通って、青色用の液晶パネル441Bに到達する。このフィールドレンズ418は、第2レンズアレイ413から射出された各部分光束をその中心軸(主光線)に対して平行な光束に変換する。他の液晶パネル441G、441Rの光入射側に設けられたフィールドレンズ418も同様である。
【0047】
また、ダイクロイックミラー421を透過した赤色光と緑色光のうちで、緑色光は、ダイクロイックミラー422によって反射し、フィールドレンズ418を通って、緑色用の液晶パネル441Gに到達する。一方、赤色光は、ダイクロイックミラー422を透過してリレー光学系43を通り、さらにフィールドレンズ418を通って、赤色光用の液晶パネル441Rに到達する。
ここで、赤色光にリレー光学系43が用いられているのは、赤色光の光路の長さが他の色光の光路長さよりも長いため、光の発散等による光の利用効率の低下を防止するためである。すなわち、入射側レンズ431に入射した部分光束をそのまま、フィールドレンズ418に伝えるためである。なお、リレー光学系43には、3つの色光のうちの赤色光を通す構成としたが、これに限らず、例えば、青色光を通す構成としてもよい。
【0048】
光学装置44は、入射された光束を画像情報に応じて変調してカラー画像を形成するものであり、色分離光学系42で分離された各色光が入射される3つの入射側偏光板442と、各入射側偏光板442の後段に配置される光変調装置としての液晶パネル441R,441G,441Bと、各液晶パネル441R,441G,441Bの後段に配置される射出側偏光板443と、色合成光学系としてのクロスダイクロイックプリズム444とを備える。
【0049】
液晶パネル441R,441G,441Bは、例えば、ポリシリコンTFTをスイッチング素子として用いたものである。
光学装置44において、色分離光学系42で分離された各色光は、これら3枚の液晶パネル441R,441G,441B、入射側偏光板442、および射出側偏光板443によって画像情報に応じて変調されて光学像を形成する。
【0050】
入射側偏光板442は、色分離光学系42で分離された各色光のうち、一定方向の偏光光のみ透過させ、その他の光束を吸収するものであり、サファイアガラス等の基板に偏光膜が貼付されたものである。また、基板を用いずに、偏光膜をフィールドレンズ418に貼り付けてもよい。
射出側偏光板443も、入射側偏光板442と略同様に構成され、液晶パネル441(441R,441G,441B)から射出された光束のうち、所定方向の偏光光のみ透過させ、その他の光束を吸収するものである。また、基板を用いずに、偏光膜をクロスダイクロイックプリズム444に貼り付けてもよい。
これらの入射側偏光板442および射出側偏光板443は、互いの偏光軸の方向が直交するように設定されている。
【0051】
クロスダイクロイックプリズム444は、射出側偏光板443から射出され、各色光毎に変調された光学像を合成してカラー画像を形成するものである。
クロスダイクロイックプリズム444には、赤色光を反射する誘電体多層膜と青色光を反射する誘電体多層膜とが、4つの直角プリズムの界面に沿って略X字状に設けられ、これらの誘電体多層膜により3つの色光が合成される。
【0052】
以上説明した液晶パネル441、射出側偏光板443およびクロスダイクロイックプリズム444は、一体的にユニット化された光学装置本体45として構成されている。図7は、光学装置本体45を示す斜視図である。
光学装置本体45は、図7に示すように、クロスダイクロイックプリズム444と、このクロスダイクロイックプリズム444の上面に固定された合成樹脂製の固定板447と、クロスダイクロイックプリズム444の光束入射端面に取り付けられ、射出側偏光板443を保持する金属製の保持板446と、この保持板446の光束入射側に取り付けられた透明樹脂製の4つのピン部材445によって保持される液晶パネル441(441R,441G,441B)とを備える。
保持板446と液晶パネル441との間には、所定間隔の空隙が設けられており、この空隙部分に冷却空気が流れるようになっている。
光学装置本体45は、固定板447に形成された4つの腕部447Aの丸穴447Bを介して、下ライトガイド471にねじ止め固定される。
【0053】
投写レンズ46は、光学装置44のクロスダイクロイックプリズム444で合成されたカラー画像を拡大して投写するものである。
ライトガイド47は、図5に示すように、各光学部品412〜415,418,421〜423,431〜434,442を上方からスライド式に嵌め込む溝部が形成された下ライトガイド471と、下ライトガイド471の上側開口を閉塞する蓋状の上ライトガイド472とを備えて構成される。
【0054】
図5に示すように、平面視略L字状の下ライトガイド471の一端側には、光源装置411が収容されている。他端側には、下ライトガイド471に形成されたヘッド部473を介して、投写レンズ46がねじ止め固定されている。
【0055】
また、図5に示すように、下ライトガイド471に収納された光学装置本体45は、2つのばね部材50を挟んだ状態で下ライトガイド471にねじ止め固定される。この2つのばね部材50は、フィールドレンズ418および入射側偏光板442を下方へと付勢して位置を特定する。
【0056】
〔照明光学装置の構造〕
次に、本発明に係る照明光学装置であるインテグレータ照明光学系41について説明する。
図8は、インテグレータ照明光学系41を示す模式図である。図8に示すように、光源装置411から射出された光束は、第1レンズアレイ412によって複数の部分光束に分割される。この分割された各部分光束は、第2レンズアレイ413により集光され、偏光変換素子414により一定方向の直線偏光光に変換された後に、重畳レンズ415を含む各レンズにより液晶パネル441の画像形成領域448に重畳される。
【0057】
図9は、第1レンズアレイ412および第2レンズアレイ413を模式的に示す正面図である。
図9に示すように、第1レンズアレイ412は、断面形状が等しい2種類の小レンズ500A、500Bを照明光軸に直交する面内でマトリックス状にM行N列に配列されて構成されている。具体的には、第1レンズアレイ412において、その中央部分には小レンズ500Aが配置され、この中央部分の小レンズ500Aの周囲には、この小レンズ500Aを囲むように小レンズ500Bが配置されている。また、第2レンズアレイ413も、第1レンズアレイ412と同様に、断面形状の等しい2種類の小レンズ500A、500BがM行N列のマトリクス状に配列されて構成されている。
【0058】
図10は、小レンズ500A,500Bの射出端面の形状を示す図である。
図10に示すように、小レンズ500A,500Bの射出端面は、照明光軸に直交し、互いに直交する2方向としての縦方向と横方向の寸法が、縦寸法α(mm)、横寸法β(mm)で、α≦βの横長矩形状として構成されている。
【0059】
図11は、液晶パネル441の画像形成領域448に投写された光束による照明領域LAを示す図である。
図11に示すように、液晶パネル441の画像形成領域448は、照明光軸に直交し、互いに直交する2方向としての縦方向と横方向の寸法が、縦横比(アスペクト比)3:4となるような縦寸法A(mm),横寸法B(mm)で、かつA≦Bである横長矩形状として構成されている。ここでは、縦寸法Aを10.8mmとし、横寸法Bを14.4mmとする。要するに、従来から使用されていた液晶パネル441をそのまま有効に採用できている。
【0060】
また、図11に示すように、第2レンズアレイ413から射出された光束は、平行光束として液晶パネル441の画像形成領域448に略垂直に照射されるため、縦寸法αおよび横寸法βの矩形状と相似関係となる矩形状の照明領域LAとして画像形成領域448に形成される。すなわち、図11に示すように、照明領域LAは、その縦寸法がX(mm)および横寸法がY(mm)で、X≦Yの横長の矩形状として形成され、以下の式(9)が成立することになる。
【0061】
(数5)
X/Y = α/β ・・・(9)
【0062】
また、照明領域LAの縦寸法Xおよび横寸法Yは、重畳レンズ415を含む集光用レンズの設定により、C<A≦Bとなる定数C(mm)を用いて、以下の式(10),(11)が成立するように設定されている。
【0063】
(数6)
X=A+2C ・・・(10)
(数7)
Y=B+2C ・・・(11)
【0064】
以上より、図11に示すように、液晶パネル441の画像形成領域448に対して、照明領域LAは、画像形成領域448の周囲を定数Cの寸法分のマージン領域MAを有して照明していることになる。ここで、定数Cとしては、0.5mm〜1.0mmの範囲の数値が好ましく、ここでは、0.8mmとして設定する。なお、前述した式(9)〜(11)を満たすことから、以下の式(12)も満たすこととなる。
【0065】
(数8)
α/A > β/B ・・・(12)
【0066】
すなわち、式(9)に式(10),(11)を代入して、X,Yを消去すると、以下の式(13)が得られ、C<B≦Aより、式(12)が成立することとなる。
【0067】
(数9)
(A+2C)/(B+2C)=α/β ・・・(13)
【0068】
〔第1実施形態の効果〕
前述した第1実施形態によれば、以下のような効果がある。
<1>レンズアレイ412,413の射出端面の縦横の長さ寸法α,βと、液晶パネル441の画像形成領域448の輪郭形状の縦横の長さ寸法A,Bとの間で、式(9)〜(11)の関係を満たすことにより、画像形成領域448の縦横の長さ寸法A,Bの比(アスペクト比)に関係なく、画像形成領域448の外周に一定寸法となる定数C(mm)分のマージン領域を一様に形成できるため、射出光をより一層効率よく利用でき、光学ユニット4、ひいてはプロジェクタ1からの投写画像の画質を向上できる。特に、画像形成領域448のアスペクト比を通常の4:3よりも横長形状である16:9とした場合でも、マージン領域MAの寸法がアスペクト比に影響されないことから、光束をより効率的に利用でき、画像形成領域448を適切に照明できる。
【0069】
<2>この際、<1>の作用効果を奏するために、レンズアレイ412,413の外形寸法を、式(9)〜(11)を満たすように設計するだけでよいから、光学ユニット4の製造作業の繁雑化を招くことなく容易に製造でき、これにより、製造コストの増加も抑えることができる。
【0070】
<3>定数Cを0.8mmとしたので、位置調整に十分なマージン領域MAを確保できるとともに、光束の利用効率をより一層向上できる。
【0071】
<4>以上のように、画像形成領域448に対して射出光を適切な照明領域LAとして集光させるので、重畳レンズ415等の集光素子による集光率を従来よりも大きくできる。このため、光学ユニット4の光路全体を短くできて、光学ユニット4ひいてはプロジェクタ1の小型化,軽量化を図ることができる。
【0072】
<5>光束分割光学素子として、レンズアレイ412,413を採用したので、小レンズ500A,500Bの形状を、前述した式(9)〜(11)の関係を成立するように構成し、これらの小レンズ500A,500Bを組み合わせるだけでよいから、比較的簡単に製造できて、光束利用効率を手軽に向上できる。
【0073】
[第2実施形態]
次に、本発明の第2実施形態を図面に基づいて説明する。
以下の説明では、前記第1実施形態と同様の構造および同一部材には同一符号を付して、その詳細な説明は省略または簡略化する。
前記第1実施形態では、インテグレータ照明光学系41を構成する光束分割光学素子としてレンズアレイ412,413を採用していたが、第2実施形態では、光束分割光学素子としてロッドを採用している。つまり、第1実施形態と第2実施形態とは、主に、光束分割光学素子が異なる点で相違している。
【0074】
図12は、本発明の第2実施形態に係る照明光学装置としてのインテグレータ照明光学系41を示す模式図である。
インテグレータ照明光学系41は、図12に示すように、前記光源装置411と、ロッド(ロッドインテグレータ)600と、他の集光素子としての第1集光レンズ601と、第2集光レンズ602と、第3集光レンズ603と、前記偏光変換素子414と、前記フィールドレンズ418とを備え、前記液晶パネル441の画像形成領域448を照射するものである。なお、これ以外の構成部材については、前記第1実施形態と同様である。
【0075】
第1集光レンズ601は、前記光源装置411から射出された光束を、ロッド600の入射端面近傍に集光するレンズである。
ロッド600は、断面矩形状で柱状のガラスまたは樹脂製のロッドである。このロッド600の入射端面Pに集光され入射された光束は、ロッド600内で内面反射によって複数の光束に分割し、分割された各光束が重畳され射出端面Qから射出される。
【0076】
第2集光レンズ602は、ロッド600の射出端面Qに貼付されており、ロッド600の射出端面Qから射出される光束が発散しないように機能している。また、第3集光レンズ603は、第2レンズ602から射出された光束を液晶パネル441の画像形成領域448に結像する機能を有している。
【0077】
ここで、ロッド600の射出端面Qの縦横寸法や輪郭形状、および液晶パネル441の画像形成領域448の縦横寸法や輪郭形状は、前記第1実施形態と同様に、図10,11に示す関係となっている。すなわち、本実施形態においても、前記第1実施形態と同様に、前述した式(9)〜(11)の関係が成立する。
【0078】
〔第2実施形態の効果〕
本実施形態によれば、前記<1>〜<4>と略同様な作用効果に加えて、次のような効果を奏することができる。
<6>光束分割光学素子として、ロッド600を採用したので、射出端面Qの輪郭形状を、前述した式(9)〜(11)の関係を成立するように構成するだけでよいから、比較的簡単に製造できて、光束利用効率を手軽に向上できる。
【0079】
〔実施形態の変形〕
なお、本発明は、前記実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる他の構成等を含み、以下に示すような変形等も本発明に含まれる。
例えば、前記各実施形態において、定数Cを0.8mmとしたが、これに限らず、例えば、0.1mm等のその他の数値としてもよく、適宜、選択すればよい。また、α,β,A,Bの数値については、所定の関係式を満たす範囲で、適宜、設定すればよい。この際、これに合わせて、集光素子による集光率も適宜変更すればよい。
【0080】
また、前記各実施形態では、光変調装置として液晶パネルを用いていたが、マイクロミラーを用いたデバイスなど、液晶以外の光変調装置を用いてもよい。さらに、前記各実施形態では、光入射面と光射出面とが異なる透過型の光変調装置を用いていたが、光入射面と光射出面とが同一となる反射型の光変調装置を用いてもよい。
【0081】
また、前記各実施形態では、3つの光変調装置を用いたプロジェクタの例のみを挙げたが、本発明は、1つの光変調装置のみを用いたプロジェクタ、2つの光変調装置を用いたプロジェクタ、あるいは、4つ以上の光変調装置を用いたプロジェクタにも適用可能である。
【0082】
前記各実施形態では、スクリーンを観察する方向から投写を行なうフロントタイプのプロジェクタの例のみを挙げたが、本発明は、スクリーンを観察する方向とは反対側から投写を行なうリアタイプのプロジェクタにも適用可能である。また、本発明に係る照明光学装置は、プロジェクタ以外のその他の光学機器においても採用できる。
【図面の簡単な説明】
【0083】
【図1】本発明の第1実施形態に係るプロジェクタを上方前面側から見た斜視図である。
【図2】前記プロジェクタを下方背面側から見た斜視図である。
【図3】前記プロジェクタの内部を示す斜視図であり、具体的には、図1の状態からアッパーケースを外した図である。
【図4】前記プロジェクタの内部を示す斜視図であり、具体的には、図3の状態から制御基板を外した図である。
【図5】前記プロジェクタを構成する光学ユニットを示す分解斜視図である。
【図6】前記光学ユニットを模式的に示す図である。
【図7】前記光学ユニットを構成する光学装置本体を示す斜視図である。
【図8】前記光学ユニットを構成する照明光学装置としてのインテグレータ照明光学系を示す模式図である。
【図9】前記インテグレータ照明光学系を構成する第1レンズアレイおよび第2レンズアレイを模式的に示す図である。
【図10】前記第1レンズアレイおよび第2レンズアレイを構成する小レンズの射出端面の形状を示す図である。
【図11】前記光学装置本体を構成する液晶パネルの画像形成領域に投写された光束による照明領域を示す図である。
【図12】本発明の第2実施形態に係る照明光学装置としてのインテグレータ照明光学系を示す模式図である。
【符号の説明】
【0084】
1 プロジェクタ
4 光学ユニット
41 インテグレータ照明光学系
412 光束分割光学素子としての第1レンズアレイ
413 光束分割光学素子としての第2レンズアレイ
415 集光素子を構成する重畳レンズ
416 光源ランプ
418 集光素子を構成するフィールドレンズ
441 (441R,441G,441B)光変調装置としての液晶パネル
448 画像形成領域
500A,500B 小レンズ
600 光束分割光学素子としてのロッド(ロッドインテグレータ)
601 他の集光素子としての第1集光レンズ
602 集光素子を構成する第2集光レンズ
603 集光素子を構成する第3集光レンズ
A 縦寸法
B 横寸法
C 定数
LA 照明領域
P 入射端面
Q 射出端面
X 縦寸法
Y 横寸法
α 縦寸法
β 横寸法
【技術分野】
【0001】
本発明は、照明光学装置、およびプロジェクタに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、プロジェクタとしては、光源から射出された光束を、ダイクロイックミラーによりRGBの三色の色光に分離し、三枚の液晶パネル(光変調装置)によって色光毎に画像情報に応じて変調し、変調後の光束をクロスダイクロイックプリズムで合成し、投写レンズを介してカラー画像を拡大投写する、いわゆる三板式のプロジェクタが知られている。
【0003】
このようなプロジェクタには、光源から射出された光束を無駄なく液晶パネルの画像形成領域に供給して明るい投写画像を形成し、また、明るさにムラのない投写画像を形成するために、光源から液晶パネルに至る光路中に、光束分割光学素子を含む照明光学装置が配置されている。この光束分割光学素子は、光源から射出された光束を複数の部分光束に分割し、これらの分割された部分光束を、集光レンズを介して液晶パネルの画像形成領域上に重畳させて、画像形成領域全体を均一に照明するための光学素子である。
この光束分割光学素子としては、液晶パネルの画像形成領域の輪郭形状に合わせて、この輪郭形状と相似関係の輪郭形状を有する小レンズを、照明光軸に直交する面内でマトリクス状に配列されたマルチレンズアレイが知られている。
また、前述した集光レンズには、液晶パネルの画像形成領域全体を確実に照明するために、画像形成領域上に形成される照明領域に一定のマージンが形成されるように集光する設定とされていた。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、前述したように、小レンズの輪郭形状と、画像形成領域の輪郭形状とを相似の関係として構成した場合には、通常、画像形成領域の輪郭形状が長方形状であることから、長辺側に適正なマージンを持たせようとすると、短辺側には必要以上のマージンが形成されてしまい、光源からの光束を十分有効に利用できていないという問題があった。一方、長辺側のマージンを最小限まで小さくしていくと、各光学素子の位置調整作業をより一層高精度に行う必要があり、特に、画像形成領域の大きさが0.7インチ等と小さくなればなるほど、製造作業が繁雑になるという問題があった。
【0005】
なお、このような問題は、前述したマルチレンズアレイに限らず、光源から射出され集光された光束を入射端面より入射し、内面反射によって複数の光束に分割して射出端面から射出するロッド等のその他の光束分割光学素子においても同様に発生していた。
【0006】
本発明の目的は、製造作業の繁雑化を招くことなく、光源から射出された光束をより一層効率よく利用できる照明光学装置およびこの照明光学装置を備えるプロジェクタを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明に係る照明光学装置は、光源から射出された光束を複数の部分光束に分割する光束分割光学素子と、この光束分割光学素子により分割された各部分光束を集光する集光素子と、この集光された光束が重畳される画像形成領域を有し、この画像形成領域に重畳された光束を、入力画像情報に基づいて変調する光変調装置とを備える照明光学装置であって、前記光変調装置の画像形成領域は、照明光軸に直交し互いに直交する2方向の長さ寸法がAおよびB(A≦B)の矩形状として構成され、前記光束分割光学素子において、光束が射出される射出端面の形状が、照明光軸に直交し、互いに直交する2方向の長さ寸法αおよびβ(α≦β)の矩形状として構成され、これらの長さ寸法α、β、A、およびBの間には、式(5)の関係式が成立することを特徴とする。
【0008】
(数1)
α/A > β/B ・・・(5)
【0009】
本発明によれば、例えば、光束分割光学素子の射出端面の縦横の長さ寸法α,β、および画像形成領域の輪郭形状の縦横の長さ寸法A,Bについて、式(5)の関係を満たすことにより、従来のように、射出端面の形状と画像形成領域の輪郭形状とを相似形にする場合に比べて、射出光による照明領域の外形が長辺側に長い(縦長)の形状となるため、照明領域における短辺側のマージン量を小さくして、画像形成領域を適切なマージン量で照明できて、射出光をより一層効率よく利用でき、投写画像の画質を向上できる。また、光束分割光学素子の外形寸法を、式(5)を満たすように設計変更するだけでよいから、照明光学装置の製造作業の繁雑化を招くこともない。以上より、本発明の目的を達成できる。
【0010】
以上の照明光学装置において、前記光束分割光学素子の射出端面から射出され、前記画像形成領域上に重畳された照明領域は、照明光軸に直交し、互いに直交する2方向の長さ寸法XおよびY(X≦Y)の矩形状として構成され、これらの長さ寸法XおよびYは、定数C(C<A≦B)を用いて、式(6)〜式(8)の関係式が成立することが好ましい。
【0011】
(数2)
X/Y=α/β ・・・(6)
【0012】
(数3)
X=A+2C ・・・(7)
【0013】
(数4)
Y=B+2C ・・・(8)
【0014】
この場合には、縦横の長さ寸法の比率(アスペクト比)に関係なく、画像形成領域の外周に定数Cの寸法分のマージンが一様に形成されるため、より適切なマージン量を確保できる。特に、画像形成領域の輪郭外形を、通常の4:3よりも横長形状である16:9とした場合でも、アスペクト比に影響されないことから、光束を効率的に利用でき画像形成領域を適切に照明できる。
【0015】
また、前記定数Cは、0.5mm〜1.0mmの範囲であることが好ましい。
ここで、定数Cを0.5mmよりも小さくした場合には、照明光学装置を構成する各光学素子の位置調整が繁雑になるという欠点があり、また、定数Cを1.0mmよりも大きくした場合には光束を効率的に利用できないという欠点があるからである。このため、定数Cを、前述した範囲とすれば、光束をより一層効率良く利用できるという利点がある。
【0016】
以上の照明光学装置において、前記光束分割光学素子としては、照明光軸に直交する面内で小レンズがマトリクス状に配列されたマルチレンズアレイを採用できる。また、前記光束分割光学素子として、前記光源から射出され、前記集光素子とは異なる他の集光素子により集光された光束を入射端面より入射し、内面反射によって複数の光束に分割して射出端面から射出するロッドを採用することもできる。
これらの場合には、小レンズの輪郭外形またはロッド(ロッドインテグレータ)の射出端面の輪郭外形や、画像形成領域の輪郭外形、光束による照明領域の輪郭外形の間に、前述した式(5)または式(6)〜(8)の関係式を成立させるだけの簡単な設計変更で、光束利用効率をより手軽に向上できる。
【0017】
本発明のプロジェクタは、前記照明光学装置を備えることを特徴とする。
本発明によれば、前述した照明光学装置と略同様の作用効果を奏することができ、プロジェクタから投写される投写画像の画質を向上できる。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、製造作業の繁雑化を招くことなく、光源から射出された光束をより一層効率よく利用できるという効果がある。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
[第1実施形態]
以下、本発明の第1実施形態を図面に基づいて説明する。
図1は、本発明に係るプロジェクタ1を上方前面側から見た斜視図である。図2は、プロジェクタ1を下方背面側から見た斜視図である。
図1または図2に示すように、プロジェクタ1は、射出成形によって成形された略直方体状の外装ケース2を備える。この外装ケース2は、プロジェクタ1の本体部分を収納する合成樹脂製の筐体であり、アッパーケース21と、ロアーケース22とを備え、これらのケース21,22は、互いに着脱自在に構成されている。
【0020】
アッパーケース21は、図1,2に示すように、プロジェクタ1の上面、側面、前面、および背面をそれぞれ構成する上面部21A、側面部21B、前面部21Cおよび背面部21Dを含んで構成される。
同様に、ロアーケース22も、図1,2に示すように、プロジェクタ1の下面、側面、前面、および背面をそれぞれ構成する下面部22A、側面部22B、前面部22C、および背面部22Dを含んで構成される。
【0021】
従って、図1,2に示すように、直方体状の外装ケース2において、アッパーケース21およびロアーケース22の側面部21B,22B同士が連続的に接続されて直方体の側面部分210が構成され、同様に、前面部21C,22C同士の接続で前面部分220が、背面部21D,22D同士の接続で背面部分230が、上面部21Aにより上面部分240が、下面部22Aにより下面部分250がそれぞれ構成される。
【0022】
図1に示すように、上面部分240において、その前方側には操作パネル23が設けられ、この操作パネル23の近傍には音声出力用のスピーカ孔240Aが形成されている。
【0023】
前方から見て右側の側面部分210には、2つの側面部21B,22Bを跨る開口211が形成されている。ここで、外装ケース2内には、上面部分240に沿って、後述するメイン基板51と、インターフェース基板52とが設けられており、この開口211に取り付けられたインターフェースパネル53を介して、メイン基板51に実装された接続部51Bと、インターフェース基板52に実装された接続部52Aとが外部に露出している。これらの接続部51B,52Aにおいて、プロジェクタ1には外部の電子機器等が接続される。
【0024】
前面部分220において、前方から見て右側で、前記操作パネル23の近傍には、2つの前面部21C,22Cを跨ぐ円形状の開口221が形成されている。この開口221に対応するように、外装ケース2内部には、投写レンズ46が配置されている。この際、開口221から投写レンズ46の先端部分が外部に露出しており、この露出部分の一部であるレバー46Aを介して、投写レンズ46のフォーカス操作が手動で行えるようになっている。
【0025】
前面部分220において、前記開口221の反対側の位置には、排気口222が形成されている。この排気口222には、安全カバー222Aが形成されている。
【0026】
図2に示すように、背面部分230において、背面から見た右側には矩形状の開口231が形成され、この開口231からインレットコネクタ24が露出するようになっている。
【0027】
下面部分250において、下方から見て右端側の中央位置には矩形状の開口251が形成されている。開口251には、この開口251を覆うランプカバー25が着脱自在に設けられている。このランプカバー25を取り外すことにより、図示しない光源ランプの交換が容易に行えるようになっている。
【0028】
また、下面部分250において、下方から見て左側で背面側の隅部には、一段内側に凹んだ矩形面252が形成されている。この矩形面252には、外部から冷却空気を吸入するための吸気口252Aが形成されている。矩形面252には、この矩形面252を覆う吸気口カバー26が着脱自在に設けられている。吸気口カバー26には、吸気口252Aに対応する開口26Aが形成されている。開口26Aには、図示しないエアフィルタが設けられており、内部への塵埃の侵入が防止されている。
【0029】
さらに、下面部分250において、後方側の略中央位置にはプロジェクタ1の脚部を構成する後脚2Rが形成されている。また、下面部22Aにおける前方側の左右の隅部には、同じくプロジェクタ1の脚部を構成する前脚2Fがそれぞれ設けられている。つまり、プロジェクタ1は、後脚2Rおよび2つ前脚2Fにより3点で支持されている。
2つの前脚2Fは、それぞれ上下方向に進退可能に構成されており、プロジェクタ1の前後方向および左右方向の傾き(姿勢)を調整して、投写画像の位置調整ができるようになっている。
【0030】
また、図1,2に示すように、下面部分250と前面部分220とを跨るように、外装ケース2における前方側の略中央位置には、直方体状の凹部253が形成されている。この凹部253には、収納部としてのカバー部材27が設けられている。カバー部材27の内部には、図1,2では図示しない遠隔操作機器としてのリモートコントローラ(リモコン)が収納されている。
【0031】
ここで、図3,4は、プロジェクタ1の内部を示す斜視図である。具体的には、図3は、図1の状態からプロジェクタ1のアッパーケース21を外した図である。図4は、図3の状態から制御基板5を外した図である。
【0032】
外装ケース2には、図3,4に示すように、背面部分に沿って配置され、左右方向に延びる電源ユニット3と、この電源ユニット3の前側に配置された平面視略L字状で光学系としての光学ユニット4と、これらのユニット3,4の上方および右側に配置される制御部としての制御基板5とを備える。これらの各装置3〜5によりプロジェクタ1の本体が構成されている。
【0033】
電源ユニット3は、電源31と、この電源31の下方に配置された図示しないランプ駆動回路(バラスト)とを含んで構成される。
電源31は、前記インレットコネクタに接続された図示しない電源ケーブルを通して外部から供給された電力を、前記ランプ駆動回路や制御基板5等に供給するものである。
前記ランプ駆動回路は、光学ユニット4を構成する図3,4では図示しない光源ランプに、電源31から供給された電力を供給するものであり、前記光源ランプと電気的に接続されている。このようなランプ駆動回路は、例えば、基板に配線することにより構成できる。
【0034】
電源31および前記ランプ駆動回路は、略平行に上下に並んで配置されており、これらの占有空間は、プロジェクタ1の背面側で左右方向に延びている。
また、電源31はおよび前記ランプ駆動回路は、左右側が開口されたアルミニウム等の金属製のシールド部材31Aによって周囲を覆われている。
シールド部材31Aは、冷却空気を誘導するダクトとしての機能に加えて、電源31や前記ランプ駆動回路で発生する電磁ノイズが、外部へ漏れないようにする機能も有している。
【0035】
制御基板5は、図3に示すように、ユニット3,4の上側を覆うように配置されCPUや接続部51B等を含むメイン基板51と、このメイン基板51の下側に配置され接続部52Aを含むインターフェース基板52とを備える。
この制御基板5では、接続部51B,52Aを介して入力された画像情報に応じて、メイン基板51のCPU等が、後述する光学装置を構成する液晶パネルの制御を行う。
【0036】
メイン基板51は、金属製のシールド部材51Aによって周囲を覆われている。メイン基板51は、図3ではわかり難いが、光学ユニット4を構成する上ライトガイド472の上端部分472A(図4)に当接している。
【0037】
〔光学ユニットの詳細な構成〕
ここで、図5は、光学ユニット4を示す分解斜視図である。図6は、光学ユニット4を模式的に示す図である。
光学ユニット4は、図6に示すように、光源装置411を構成する光源ランプ416から射出された光束を光学的に処理して画像情報に対応した光学像を形成し、この光学像を拡大して投射するユニットであり、インテグレータ照明光学系41と、色分離光学系42と、リレー光学系43と、光学装置44と、投写レンズ46と、これらの光学部品41〜44,46を収納する合成樹脂製のライトガイド47(図5)とを備える。
【0038】
インテグレータ照明光学系41は、光学装置44を構成する3枚の液晶パネル441(赤、緑、青の色光毎にそれぞれ液晶パネル441R,441G,441Bとする)の画像形成領域をほぼ均一に照明するための光学系であり、光源装置411と、光束分割光学素子としての第1レンズアレイ412、および第2レンズアレイ413と、偏光変換素子414と、重畳レンズ415とを備える。
【0039】
光源装置411は、放射光源としての光源ランプ416と、リフレクタ417とを備え、光源ランプ416から射出された放射状の光線をリフレクタ417で反射して平行光線とし、この平行光線を外部へと射出する。光源ランプ416には、高圧水銀ランプを採用している。なお、高圧水銀ランプ以外に、メタルハライドランプやハロゲンランプ等も採用できる。また、リフレクタ417には、放物面鏡を採用している。なお、放物面鏡の代わりに、平行化凹レンズおよび楕円面鏡を組み合わせたものを採用してもよい。
【0040】
第1レンズアレイ412は、光軸方向から見てほぼ矩形状の輪郭を有する小レンズがマトリクス状に配列されたマルチレンズアレイである。各小レンズは、光源ランプ416から射出される光束を、複数の部分光束に分割している。詳しくは、後述する。
【0041】
第2レンズアレイ413は、第1レンズアレイ412と略同様な構成を有しており、小レンズがマトリクス状に配列されたマルチレンズアレイである。この第2レンズアレイ413は、重畳レンズ415とともに、第1レンズアレイ412の各小レンズの像を液晶パネル441上に結像させる集光素子としての機能を有する。詳しくは、後述する。
【0042】
偏光変換素子414は、第2レンズアレイ413と重畳レンズ415との間に配置される。このような偏光変換素子414は、第2レンズアレイ413からの光を1種類の偏光光に変換するものであり、これにより、光学装置44での光の利用効率が高められている。
【0043】
具体的に、偏光変換素子414によって1種類の偏光光に変換された各部分光は、重畳レンズ415によって最終的に光学装置44の液晶パネル441上にほぼ重畳される。偏光光を変調するタイプの液晶パネル441を用いたプロジェクタ1では、1種類の偏光光しか利用できないため、他種類のランダムな偏光光を発する光源ランプ416からの光束の略半分が利用されない。このため、偏光変換素子414を用いることにより、光源ランプ416から射出された光束を全て1種類の偏光光に変換し、光学装置44での光の利用効率を高めている。なお、このような偏光変換素子414は、たとえば特開平8−304739号公報に紹介されている。
【0044】
色分離光学系42は、2枚のダイクロイックミラー421,422と、反射ミラー423とを備え、ダイクロイックミラー421、422によりインテグレータ照明光学系41から射出された複数の部分光束を赤(R)、緑(G)、青(B)の3色の色光に分離する機能を有している。
【0045】
リレー光学系43は、入射側レンズ431と、リレーレンズ433と、反射ミラー432、434とを備え、色分離光学系42で分離された色光である赤色光を液晶パネル441Rまで導く機能を有している。
【0046】
この際、色分離光学系42のダイクロイックミラー421では、インテグレータ照明光学系41から射出された光束のうち、赤色光成分と緑色光成分とは透過し、青色光成分は反射する。ダイクロイックミラー421によって反射した青色光は、反射ミラー423で反射し、フィールドレンズ418を通って、青色用の液晶パネル441Bに到達する。このフィールドレンズ418は、第2レンズアレイ413から射出された各部分光束をその中心軸(主光線)に対して平行な光束に変換する。他の液晶パネル441G、441Rの光入射側に設けられたフィールドレンズ418も同様である。
【0047】
また、ダイクロイックミラー421を透過した赤色光と緑色光のうちで、緑色光は、ダイクロイックミラー422によって反射し、フィールドレンズ418を通って、緑色用の液晶パネル441Gに到達する。一方、赤色光は、ダイクロイックミラー422を透過してリレー光学系43を通り、さらにフィールドレンズ418を通って、赤色光用の液晶パネル441Rに到達する。
ここで、赤色光にリレー光学系43が用いられているのは、赤色光の光路の長さが他の色光の光路長さよりも長いため、光の発散等による光の利用効率の低下を防止するためである。すなわち、入射側レンズ431に入射した部分光束をそのまま、フィールドレンズ418に伝えるためである。なお、リレー光学系43には、3つの色光のうちの赤色光を通す構成としたが、これに限らず、例えば、青色光を通す構成としてもよい。
【0048】
光学装置44は、入射された光束を画像情報に応じて変調してカラー画像を形成するものであり、色分離光学系42で分離された各色光が入射される3つの入射側偏光板442と、各入射側偏光板442の後段に配置される光変調装置としての液晶パネル441R,441G,441Bと、各液晶パネル441R,441G,441Bの後段に配置される射出側偏光板443と、色合成光学系としてのクロスダイクロイックプリズム444とを備える。
【0049】
液晶パネル441R,441G,441Bは、例えば、ポリシリコンTFTをスイッチング素子として用いたものである。
光学装置44において、色分離光学系42で分離された各色光は、これら3枚の液晶パネル441R,441G,441B、入射側偏光板442、および射出側偏光板443によって画像情報に応じて変調されて光学像を形成する。
【0050】
入射側偏光板442は、色分離光学系42で分離された各色光のうち、一定方向の偏光光のみ透過させ、その他の光束を吸収するものであり、サファイアガラス等の基板に偏光膜が貼付されたものである。また、基板を用いずに、偏光膜をフィールドレンズ418に貼り付けてもよい。
射出側偏光板443も、入射側偏光板442と略同様に構成され、液晶パネル441(441R,441G,441B)から射出された光束のうち、所定方向の偏光光のみ透過させ、その他の光束を吸収するものである。また、基板を用いずに、偏光膜をクロスダイクロイックプリズム444に貼り付けてもよい。
これらの入射側偏光板442および射出側偏光板443は、互いの偏光軸の方向が直交するように設定されている。
【0051】
クロスダイクロイックプリズム444は、射出側偏光板443から射出され、各色光毎に変調された光学像を合成してカラー画像を形成するものである。
クロスダイクロイックプリズム444には、赤色光を反射する誘電体多層膜と青色光を反射する誘電体多層膜とが、4つの直角プリズムの界面に沿って略X字状に設けられ、これらの誘電体多層膜により3つの色光が合成される。
【0052】
以上説明した液晶パネル441、射出側偏光板443およびクロスダイクロイックプリズム444は、一体的にユニット化された光学装置本体45として構成されている。図7は、光学装置本体45を示す斜視図である。
光学装置本体45は、図7に示すように、クロスダイクロイックプリズム444と、このクロスダイクロイックプリズム444の上面に固定された合成樹脂製の固定板447と、クロスダイクロイックプリズム444の光束入射端面に取り付けられ、射出側偏光板443を保持する金属製の保持板446と、この保持板446の光束入射側に取り付けられた透明樹脂製の4つのピン部材445によって保持される液晶パネル441(441R,441G,441B)とを備える。
保持板446と液晶パネル441との間には、所定間隔の空隙が設けられており、この空隙部分に冷却空気が流れるようになっている。
光学装置本体45は、固定板447に形成された4つの腕部447Aの丸穴447Bを介して、下ライトガイド471にねじ止め固定される。
【0053】
投写レンズ46は、光学装置44のクロスダイクロイックプリズム444で合成されたカラー画像を拡大して投写するものである。
ライトガイド47は、図5に示すように、各光学部品412〜415,418,421〜423,431〜434,442を上方からスライド式に嵌め込む溝部が形成された下ライトガイド471と、下ライトガイド471の上側開口を閉塞する蓋状の上ライトガイド472とを備えて構成される。
【0054】
図5に示すように、平面視略L字状の下ライトガイド471の一端側には、光源装置411が収容されている。他端側には、下ライトガイド471に形成されたヘッド部473を介して、投写レンズ46がねじ止め固定されている。
【0055】
また、図5に示すように、下ライトガイド471に収納された光学装置本体45は、2つのばね部材50を挟んだ状態で下ライトガイド471にねじ止め固定される。この2つのばね部材50は、フィールドレンズ418および入射側偏光板442を下方へと付勢して位置を特定する。
【0056】
〔照明光学装置の構造〕
次に、本発明に係る照明光学装置であるインテグレータ照明光学系41について説明する。
図8は、インテグレータ照明光学系41を示す模式図である。図8に示すように、光源装置411から射出された光束は、第1レンズアレイ412によって複数の部分光束に分割される。この分割された各部分光束は、第2レンズアレイ413により集光され、偏光変換素子414により一定方向の直線偏光光に変換された後に、重畳レンズ415を含む各レンズにより液晶パネル441の画像形成領域448に重畳される。
【0057】
図9は、第1レンズアレイ412および第2レンズアレイ413を模式的に示す正面図である。
図9に示すように、第1レンズアレイ412は、断面形状が等しい2種類の小レンズ500A、500Bを照明光軸に直交する面内でマトリックス状にM行N列に配列されて構成されている。具体的には、第1レンズアレイ412において、その中央部分には小レンズ500Aが配置され、この中央部分の小レンズ500Aの周囲には、この小レンズ500Aを囲むように小レンズ500Bが配置されている。また、第2レンズアレイ413も、第1レンズアレイ412と同様に、断面形状の等しい2種類の小レンズ500A、500BがM行N列のマトリクス状に配列されて構成されている。
【0058】
図10は、小レンズ500A,500Bの射出端面の形状を示す図である。
図10に示すように、小レンズ500A,500Bの射出端面は、照明光軸に直交し、互いに直交する2方向としての縦方向と横方向の寸法が、縦寸法α(mm)、横寸法β(mm)で、α≦βの横長矩形状として構成されている。
【0059】
図11は、液晶パネル441の画像形成領域448に投写された光束による照明領域LAを示す図である。
図11に示すように、液晶パネル441の画像形成領域448は、照明光軸に直交し、互いに直交する2方向としての縦方向と横方向の寸法が、縦横比(アスペクト比)3:4となるような縦寸法A(mm),横寸法B(mm)で、かつA≦Bである横長矩形状として構成されている。ここでは、縦寸法Aを10.8mmとし、横寸法Bを14.4mmとする。要するに、従来から使用されていた液晶パネル441をそのまま有効に採用できている。
【0060】
また、図11に示すように、第2レンズアレイ413から射出された光束は、平行光束として液晶パネル441の画像形成領域448に略垂直に照射されるため、縦寸法αおよび横寸法βの矩形状と相似関係となる矩形状の照明領域LAとして画像形成領域448に形成される。すなわち、図11に示すように、照明領域LAは、その縦寸法がX(mm)および横寸法がY(mm)で、X≦Yの横長の矩形状として形成され、以下の式(9)が成立することになる。
【0061】
(数5)
X/Y = α/β ・・・(9)
【0062】
また、照明領域LAの縦寸法Xおよび横寸法Yは、重畳レンズ415を含む集光用レンズの設定により、C<A≦Bとなる定数C(mm)を用いて、以下の式(10),(11)が成立するように設定されている。
【0063】
(数6)
X=A+2C ・・・(10)
(数7)
Y=B+2C ・・・(11)
【0064】
以上より、図11に示すように、液晶パネル441の画像形成領域448に対して、照明領域LAは、画像形成領域448の周囲を定数Cの寸法分のマージン領域MAを有して照明していることになる。ここで、定数Cとしては、0.5mm〜1.0mmの範囲の数値が好ましく、ここでは、0.8mmとして設定する。なお、前述した式(9)〜(11)を満たすことから、以下の式(12)も満たすこととなる。
【0065】
(数8)
α/A > β/B ・・・(12)
【0066】
すなわち、式(9)に式(10),(11)を代入して、X,Yを消去すると、以下の式(13)が得られ、C<B≦Aより、式(12)が成立することとなる。
【0067】
(数9)
(A+2C)/(B+2C)=α/β ・・・(13)
【0068】
〔第1実施形態の効果〕
前述した第1実施形態によれば、以下のような効果がある。
<1>レンズアレイ412,413の射出端面の縦横の長さ寸法α,βと、液晶パネル441の画像形成領域448の輪郭形状の縦横の長さ寸法A,Bとの間で、式(9)〜(11)の関係を満たすことにより、画像形成領域448の縦横の長さ寸法A,Bの比(アスペクト比)に関係なく、画像形成領域448の外周に一定寸法となる定数C(mm)分のマージン領域を一様に形成できるため、射出光をより一層効率よく利用でき、光学ユニット4、ひいてはプロジェクタ1からの投写画像の画質を向上できる。特に、画像形成領域448のアスペクト比を通常の4:3よりも横長形状である16:9とした場合でも、マージン領域MAの寸法がアスペクト比に影響されないことから、光束をより効率的に利用でき、画像形成領域448を適切に照明できる。
【0069】
<2>この際、<1>の作用効果を奏するために、レンズアレイ412,413の外形寸法を、式(9)〜(11)を満たすように設計するだけでよいから、光学ユニット4の製造作業の繁雑化を招くことなく容易に製造でき、これにより、製造コストの増加も抑えることができる。
【0070】
<3>定数Cを0.8mmとしたので、位置調整に十分なマージン領域MAを確保できるとともに、光束の利用効率をより一層向上できる。
【0071】
<4>以上のように、画像形成領域448に対して射出光を適切な照明領域LAとして集光させるので、重畳レンズ415等の集光素子による集光率を従来よりも大きくできる。このため、光学ユニット4の光路全体を短くできて、光学ユニット4ひいてはプロジェクタ1の小型化,軽量化を図ることができる。
【0072】
<5>光束分割光学素子として、レンズアレイ412,413を採用したので、小レンズ500A,500Bの形状を、前述した式(9)〜(11)の関係を成立するように構成し、これらの小レンズ500A,500Bを組み合わせるだけでよいから、比較的簡単に製造できて、光束利用効率を手軽に向上できる。
【0073】
[第2実施形態]
次に、本発明の第2実施形態を図面に基づいて説明する。
以下の説明では、前記第1実施形態と同様の構造および同一部材には同一符号を付して、その詳細な説明は省略または簡略化する。
前記第1実施形態では、インテグレータ照明光学系41を構成する光束分割光学素子としてレンズアレイ412,413を採用していたが、第2実施形態では、光束分割光学素子としてロッドを採用している。つまり、第1実施形態と第2実施形態とは、主に、光束分割光学素子が異なる点で相違している。
【0074】
図12は、本発明の第2実施形態に係る照明光学装置としてのインテグレータ照明光学系41を示す模式図である。
インテグレータ照明光学系41は、図12に示すように、前記光源装置411と、ロッド(ロッドインテグレータ)600と、他の集光素子としての第1集光レンズ601と、第2集光レンズ602と、第3集光レンズ603と、前記偏光変換素子414と、前記フィールドレンズ418とを備え、前記液晶パネル441の画像形成領域448を照射するものである。なお、これ以外の構成部材については、前記第1実施形態と同様である。
【0075】
第1集光レンズ601は、前記光源装置411から射出された光束を、ロッド600の入射端面近傍に集光するレンズである。
ロッド600は、断面矩形状で柱状のガラスまたは樹脂製のロッドである。このロッド600の入射端面Pに集光され入射された光束は、ロッド600内で内面反射によって複数の光束に分割し、分割された各光束が重畳され射出端面Qから射出される。
【0076】
第2集光レンズ602は、ロッド600の射出端面Qに貼付されており、ロッド600の射出端面Qから射出される光束が発散しないように機能している。また、第3集光レンズ603は、第2レンズ602から射出された光束を液晶パネル441の画像形成領域448に結像する機能を有している。
【0077】
ここで、ロッド600の射出端面Qの縦横寸法や輪郭形状、および液晶パネル441の画像形成領域448の縦横寸法や輪郭形状は、前記第1実施形態と同様に、図10,11に示す関係となっている。すなわち、本実施形態においても、前記第1実施形態と同様に、前述した式(9)〜(11)の関係が成立する。
【0078】
〔第2実施形態の効果〕
本実施形態によれば、前記<1>〜<4>と略同様な作用効果に加えて、次のような効果を奏することができる。
<6>光束分割光学素子として、ロッド600を採用したので、射出端面Qの輪郭形状を、前述した式(9)〜(11)の関係を成立するように構成するだけでよいから、比較的簡単に製造できて、光束利用効率を手軽に向上できる。
【0079】
〔実施形態の変形〕
なお、本発明は、前記実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる他の構成等を含み、以下に示すような変形等も本発明に含まれる。
例えば、前記各実施形態において、定数Cを0.8mmとしたが、これに限らず、例えば、0.1mm等のその他の数値としてもよく、適宜、選択すればよい。また、α,β,A,Bの数値については、所定の関係式を満たす範囲で、適宜、設定すればよい。この際、これに合わせて、集光素子による集光率も適宜変更すればよい。
【0080】
また、前記各実施形態では、光変調装置として液晶パネルを用いていたが、マイクロミラーを用いたデバイスなど、液晶以外の光変調装置を用いてもよい。さらに、前記各実施形態では、光入射面と光射出面とが異なる透過型の光変調装置を用いていたが、光入射面と光射出面とが同一となる反射型の光変調装置を用いてもよい。
【0081】
また、前記各実施形態では、3つの光変調装置を用いたプロジェクタの例のみを挙げたが、本発明は、1つの光変調装置のみを用いたプロジェクタ、2つの光変調装置を用いたプロジェクタ、あるいは、4つ以上の光変調装置を用いたプロジェクタにも適用可能である。
【0082】
前記各実施形態では、スクリーンを観察する方向から投写を行なうフロントタイプのプロジェクタの例のみを挙げたが、本発明は、スクリーンを観察する方向とは反対側から投写を行なうリアタイプのプロジェクタにも適用可能である。また、本発明に係る照明光学装置は、プロジェクタ以外のその他の光学機器においても採用できる。
【図面の簡単な説明】
【0083】
【図1】本発明の第1実施形態に係るプロジェクタを上方前面側から見た斜視図である。
【図2】前記プロジェクタを下方背面側から見た斜視図である。
【図3】前記プロジェクタの内部を示す斜視図であり、具体的には、図1の状態からアッパーケースを外した図である。
【図4】前記プロジェクタの内部を示す斜視図であり、具体的には、図3の状態から制御基板を外した図である。
【図5】前記プロジェクタを構成する光学ユニットを示す分解斜視図である。
【図6】前記光学ユニットを模式的に示す図である。
【図7】前記光学ユニットを構成する光学装置本体を示す斜視図である。
【図8】前記光学ユニットを構成する照明光学装置としてのインテグレータ照明光学系を示す模式図である。
【図9】前記インテグレータ照明光学系を構成する第1レンズアレイおよび第2レンズアレイを模式的に示す図である。
【図10】前記第1レンズアレイおよび第2レンズアレイを構成する小レンズの射出端面の形状を示す図である。
【図11】前記光学装置本体を構成する液晶パネルの画像形成領域に投写された光束による照明領域を示す図である。
【図12】本発明の第2実施形態に係る照明光学装置としてのインテグレータ照明光学系を示す模式図である。
【符号の説明】
【0084】
1 プロジェクタ
4 光学ユニット
41 インテグレータ照明光学系
412 光束分割光学素子としての第1レンズアレイ
413 光束分割光学素子としての第2レンズアレイ
415 集光素子を構成する重畳レンズ
416 光源ランプ
418 集光素子を構成するフィールドレンズ
441 (441R,441G,441B)光変調装置としての液晶パネル
448 画像形成領域
500A,500B 小レンズ
600 光束分割光学素子としてのロッド(ロッドインテグレータ)
601 他の集光素子としての第1集光レンズ
602 集光素子を構成する第2集光レンズ
603 集光素子を構成する第3集光レンズ
A 縦寸法
B 横寸法
C 定数
LA 照明領域
P 入射端面
Q 射出端面
X 縦寸法
Y 横寸法
α 縦寸法
β 横寸法
【特許請求の範囲】
【請求項1】
光源から射出された光束を複数の部分光束に分割する光束分割光学素子と、この光束分割光学素子により分割された各部分光束を集光する集光素子と、この集光された光束が重畳される画像形成領域を有し、この画像形成領域に重畳された光束を、入力画像情報に基づいて変調する光変調装置とを備える照明光学装置であって、
前記光変調装置の画像形成領域は、照明光軸に直交し、かつ互いに直交する2方向の長さ寸法がAおよびB(A≦B)の矩形状として構成され、
前記光束分割光学素子において、光束が射出される射出端面の形状が、照明光軸に直交し、かつ互いに直交する2方向の長さ寸法αおよびβ(α≦β)の矩形状として構成され、
これらの長さ寸法α、β、A、およびBの間には、式(1)の関係式が成立することを特徴とする照明光学装置。
(数1)
α/A > β/B ・・・(1)
【請求項2】
請求項1に記載の照明光学装置において、
前記光束分割光学素子の射出端面から射出され、前記画像形成領域上に重畳された照明領域は、照明光軸に直交し、互いに直交する2方向の長さ寸法XおよびY(X≦Y)の矩形状として構成され、これらの長さ寸法XおよびYは、定数C(C<A≦B)を用いて、式(2)〜式(4)の関係式が成立することを特徴とする照明光学装置。
(数2)
X/Y=α/β ・・・(2)
(数3)
X=A+2C ・・・(3)
(数4)
Y=B+2C ・・・(4)
【請求項3】
請求項2に記載の照明光学装置において、
前記定数Cは、0.5mm〜1.0mmの範囲の数値であることを特徴とする照明光学装置。
【請求項4】
請求項1〜請求項3のいずれかに記載の照明光学装置において、
前記光束分割光学素子は、照明光軸に直交する面内でレンズがマトリクス状に配列されたマルチレンズアレイであることを特徴とする照明光学装置。
【請求項5】
請求項1〜請求項4のいずれかに記載の照明光学装置において、
前記光束分割光学素子は、前記光源から射出され、前記集光素子とは異なる他の集光素子により集光された光束を入射端面より入射し、内面反射によって複数の光束に分割して射出端面から射出するロッドであることを特徴とする照明光学装置。
【請求項6】
請求項1〜請求項5のいずれかに記載の照明光学装置を備えることを特徴とするプロジェクタ。
【請求項1】
光源から射出された光束を複数の部分光束に分割する光束分割光学素子と、この光束分割光学素子により分割された各部分光束を集光する集光素子と、この集光された光束が重畳される画像形成領域を有し、この画像形成領域に重畳された光束を、入力画像情報に基づいて変調する光変調装置とを備える照明光学装置であって、
前記光変調装置の画像形成領域は、照明光軸に直交し、かつ互いに直交する2方向の長さ寸法がAおよびB(A≦B)の矩形状として構成され、
前記光束分割光学素子において、光束が射出される射出端面の形状が、照明光軸に直交し、かつ互いに直交する2方向の長さ寸法αおよびβ(α≦β)の矩形状として構成され、
これらの長さ寸法α、β、A、およびBの間には、式(1)の関係式が成立することを特徴とする照明光学装置。
(数1)
α/A > β/B ・・・(1)
【請求項2】
請求項1に記載の照明光学装置において、
前記光束分割光学素子の射出端面から射出され、前記画像形成領域上に重畳された照明領域は、照明光軸に直交し、互いに直交する2方向の長さ寸法XおよびY(X≦Y)の矩形状として構成され、これらの長さ寸法XおよびYは、定数C(C<A≦B)を用いて、式(2)〜式(4)の関係式が成立することを特徴とする照明光学装置。
(数2)
X/Y=α/β ・・・(2)
(数3)
X=A+2C ・・・(3)
(数4)
Y=B+2C ・・・(4)
【請求項3】
請求項2に記載の照明光学装置において、
前記定数Cは、0.5mm〜1.0mmの範囲の数値であることを特徴とする照明光学装置。
【請求項4】
請求項1〜請求項3のいずれかに記載の照明光学装置において、
前記光束分割光学素子は、照明光軸に直交する面内でレンズがマトリクス状に配列されたマルチレンズアレイであることを特徴とする照明光学装置。
【請求項5】
請求項1〜請求項4のいずれかに記載の照明光学装置において、
前記光束分割光学素子は、前記光源から射出され、前記集光素子とは異なる他の集光素子により集光された光束を入射端面より入射し、内面反射によって複数の光束に分割して射出端面から射出するロッドであることを特徴とする照明光学装置。
【請求項6】
請求項1〜請求項5のいずれかに記載の照明光学装置を備えることを特徴とするプロジェクタ。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【公開番号】特開2008−90326(P2008−90326A)
【公開日】平成20年4月17日(2008.4.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−318671(P2007−318671)
【出願日】平成19年12月10日(2007.12.10)
【分割の表示】特願2002−92795(P2002−92795)の分割
【原出願日】平成14年3月28日(2002.3.28)
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成20年4月17日(2008.4.17)
【国際特許分類】
【出願日】平成19年12月10日(2007.12.10)
【分割の表示】特願2002−92795(P2002−92795)の分割
【原出願日】平成14年3月28日(2002.3.28)
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【Fターム(参考)】
[ Back to top ]