説明

熱および寸法安定性ポリイミドフィルムおよび電極を備えるアセンブリ、ならびに、これに関する方法

【課題】熱および寸法安定性ポリイミドフィルムおよび電極を備えるアセンブリとその方法を提供する。
【解決手段】アセンブリは電極およびポリイミドフィルムを備える。ポリイミドフィルムは、少なくとも1種の芳香族二無水物および少なくとも1種の芳香族ジアミンから誘導される40〜95重量パーセントのポリイミドを含有し、芳香族二無水物および芳香族ジアミンは、剛性ロッド構造Aおよび/または非剛性ロッド構造Bの組み合わせから選択され、二無水物対ジアミンのモル比は48〜52:52〜48であって、A:Bのモル比は20〜80:80〜20である。ポリイミドフィルムは、すべての寸法において約100ナノメートル未満であると共に、ポリイミドフィルムの総重量の5〜60重量パーセントの量で存在する充填材をさらに含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この開示は、一般に、電極、および、ポリイミドフィルムを備えるアセンブリに関し、ここで、ポリイミドフィルムは:i.有利な誘電特性を有し;ii.張力または他の寸法に対する応力の存在下においても広い温度範囲にわたって有利な熱および寸法安定性を有し;ならびに、iii.金属に対する有利な接着特性を有する。より具体的には、本開示のアセンブリは、一体集積型太陽電池、特に、銅/インジウム/ガリウム/ジ−セレニド(CIGS)または同様のタイプの光吸収層を備える一体集積型太陽電池の製造に好適である。
【背景技術】
【0002】
ますます高まっている代替エネルギー源に対する要求に対応するために、現在、軽量の効率的な光起電システム(例えば、光起電力電池およびモジュール)の開発に強い関心がある。銅/インジウム/ガリウム/ジ−セレニド(CIGS)光吸収層を有する光起電システムに特に関心が持たれている。このようなシステムでは、一般に、高温堆積/アニーリングステップが適用されて光吸収層性能が向上されている。アニーリングステップは、典型的には製造の最中に実施されると共に、典型的には、基板、下部電極およびCIGS光吸収層を備えるアセンブリに適用される。この基板はアニーリング温度での熱および寸法安定性が要求され、従って、従来の基板は、典型的には、金属またはセラミックを有していた(従来の高分子材料は特にアニーリングピーク温度での十分な熱および寸法安定性に欠ける傾向にある)。しかしながら、ガラスなどのセラミックは柔軟性に欠くと共に、重く、嵩高く、かつ、破損しやすい可能性がある。金属はこのような欠点を呈しにくい可能性があるが、金属は導電性である傾向にあり、これは、欠点でもあり易く、例えば、CIGS光起電力電池の一体集積を妨げる。基板は、その上に下部電極(モリブデン電極など)が形成される支持体となる。従って、下部電極と基板との間の良好な接着が必要とされる。
【0003】
従って、十分な熱および寸法安定性を(および十分な誘電特性をも)有する高分子基板を備えるアセンブリであって:(a)リールツーリールまたは同様のタイプの処理などの比較的経済的なプロセスにより製造可能であり、(b)例えば、リールツーリールまたは同様のタイプの製造プロセスによる、薄膜光起電力電池の比較的単純で簡単な一体集積を可能とし、(c)アセンブリの構成中の所望の堆積/アニーリング温度に適切に耐えることが可能であり、ならびに/あるいは、(d)下部電極および基板の間に良好な接着性を有するアセンブリに対する要求が存在する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】米国特許第4,522,958号明細書
【特許文献2】米国特許第5,648,407号明細書
【特許文献3】特開2001/233611号公報
【特許文献4】特開2002/79616号公報
【特許文献5】米国特許第5,166,308号明細書
【特許文献6】米国特許第5,436,204号明細書
【特許文献7】米国特許第5,441,897号明細書
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0005】
本開示のアセンブリは、約8〜約150ミクロンの厚さを有するポリイミドフィルムを備える。ポリイミドフィルムは:i.少なくとも1種の芳香族二無水物成分であって、剛性ロッド二無水物、非剛性ロッド二無水物およびこれらの組み合わせからなる群の構成要素である前記芳香族二無水物成分、およびii.少なくとも1種の芳香族ジアミン成分であって、剛性ロッドジアミン、非剛性ロッドジアミンおよびこれらの組み合わせからなる群の構成要素である前記芳香族ジアミン成分から誘導される約40〜約95重量パーセントのポリイミドを含有する。二無水物対ジアミンのモル比は48〜52:52〜48であり、A:Bの比は20〜80:80〜20であって、ここでAは剛性ロッド二無水物および剛性ロッドジアミンのモルパーセントであると共に、Bは非剛性ロッド二無水物および非剛性ロッドジアミンのモルパーセントである。本開示のポリイミドフィルムは充填材をさらに含み:i.充填材は、すべての寸法において約100、90、80、70、60、50、40、30、25または20ナノメートル未満の平均直径を有し;ii.充填材は、ポリイミドフィルムの総重量の約5〜約60重量パーセントの量で存在する。
【図面の簡単な説明】
【0006】
【図1】本開示により組み立てられたポリイミドフィルム上に構成された薄膜太陽電池の断面図である。
【図2】実施例1の金属化ポリイミドの金属−ポリイミド界面の電子顕微鏡写真を示す。
【発明を実施するための形態】
【0007】
定義
「フィルム」は、基板上の自立フィルムまたはコーティングを意味することが意図される。「フィルム」という用語は用語「層」と同義的に用いられ、所望する領域を覆っていることを指す。
【0008】
「一体集積」は、光起電力モジュールを形成するための複数の光起電力電池の(直列または並列のいずれかでの)集積を意味することが意図され、ここで、セル/モジュールは、単一のフィルムまたは基板上に、例えば、リールツーリール操作によって連続的に形成されることが可能である。
【0009】
「CIGS/CIS」は、それ自体で、または、電極との組み合わせ、もしくは、電極とポリイミドフィルムとの組み合わせなどの層の組み合わせの一部として、あるいは、光起電力電池もしくはモジュールの一部として(文脈に応じて)、光吸収層を意味することが意図され、ここで、光吸収層(または少なくとも1つの光吸収層)は:i.銅インジウムガリウムジ−セレニド組成物;ii.銅インジウムガリウムジスルフィド組成物;iii.銅インジウムジ−セレニド組成物;iv.銅インジウムジスルフィド組成物;またはv.現在公知であるか、将来において開発される銅、インジウム、ガリウム、ジ−セレニドおよび/またはジスルフィドを置き換えることが可能であるいずれかの元素または元素の組み合わせを含む。
【0010】
「二無水物」は、本明細書において用いられるところ、技術的には二無水物ではないかもしれないが、それにもかかわらず、ジアミンと反応してポリアミド酸を形成し、次いで、ポリイミドに転化されることが可能であるその前駆体または誘導体を含むことが意図される。
【0011】
同様に、「ジアミン」は、本明細書において用いられるところ、技術的にはジアミンではないかもしれないが、それにもかかわらず、二無水物と反応してポリアミド酸を形成し、次いで、ポリイミドに転化されることが可能であるその前駆体または誘導体を含むことが意図される。
【0012】
本明細書において用いられるところ、「を含む(comprises)」、「を含んでいる(comprising)」、「を含む(includes)」、「を含んでいる(including)」、「を有する(has)」、「を有している(having)」、または、そのいずれかの他の変形といった用語は、非排他的な包含を包括することを意図する。要素の列挙を含む例えば、方法、プロセス、物品、または装置は必ずしもこれらの要素のみに限定せず、明示的に列挙されていないまたはこのような方法、プロセス、物品、あるいは、装置に固有である他の要素を包含し得る。さらに、そうでないと明記されていない限りにおいて、「または」は、包括的な「または」指し、排他的な「または」を指さない。例えば、条件AまたはBは以下のいずれか一つにより満たされる:Aが真であり(または存在し)およびBが偽である(または不在である)、Aが偽であり(または不在であり)およびBが真である(または存在する)、ならびに、AおよびBの両方が真である(または存在する)。
【0013】
また、不定冠詞「a」または「an」は、本開示の要素および構成要素を説明するために採用される。これは、単に簡便性のため、および、本開示の一般的な意味をもたらすためになされている。この記載は、1つまたは少なくとも1つを包含すると読み取られるべきであり、ならびに、単数形はまた、そうでないことを意味することが明らかでなければ複数形を包含する。
【0014】
本開示のアセンブリにおいて用いられるポリイミドフィルムは、約室温から、400℃、425℃または450℃を超える温度までなどの広い温度範囲内で、収縮性またはクリープ(リールツーリール処理などの張力下においても)に耐える。一実施形態においては、支持フィルムは、7.4〜8.0MPa(メガパスカル)の範囲内の応力下にありながら、460℃の温度に30分間供された場合の、寸法変化は1、0.75、0.5、または0.25パーセント未満である。いくつかの実施形態において、ポリイミドフィルムは、金属またはセラミック支持材料を代替可能なほどに十分な寸法安定性および熱安定性を有する。本開示のアセンブリの追加の利点は、ポリイミドフィルムの電極に対する向上した接着性である。
【0015】
いくつかの実施形態において、本開示のアセンブリは光吸収層をさらに含み、ここで、電極は光吸収層とポリイミドフィルムとの間にあると共に、この電極は光吸収層と電気的に連通している。
【0016】
いくつかの実施形態において、本開示のアセンブリは、例えば、薄膜太陽電池において用いられることが可能である。CIGS/CIS用途において用いられる場合、本開示のポリイミドフィルムは、ポリイミドフィルム表面上に下部電極(モリブデン電極など)を十分に接着させることが可能である、熱および寸法安定性の可撓性ポリイミドフィルム(支持体)を提供することが可能である。いくつかの実施形態において、下部電極上には、CIGS/CIS光起電力電池が形成される製造ステップにおいて光吸収層が適用されることが可能である。いくつかの実施形態において、この光吸収層は、CIGS/CIS光吸収層である。いくつかの実施形態において、ポリイミドフィルムはまた、片側の金属のみがその上に光吸収層が堆積されて電極として用いられる場合であっても、その両面が電極金属でコートされることが可能である。
【0017】
いくつかの実施形態において、下部電極は可撓性である。ポリイミドフィルムは、熱安定性の無機物:織物、紙(例えば、マイカ紙)、シート、スクリムまたはこれらの組み合わせで強化されることが可能である。いくつかの実施形態において、本開示のポリイミドフィルムは、複数のCIGS/CIS光起電力電池の光起電力モジュールへの一体集積を可能とする適切な電気絶縁性特性を有する。いくつかの実施形態において、アセンブリは、複数の一体集積型CIGS/CIS光起電力電池をさらに備える。いくつかの実施形態において、本開示のポリイミドフィルムは:
i.低表面粗度、すなわち、400、350、300、275または100ナノメートル未満の平均表面粗度(Ra);
ii.低レベルの表面欠陥;および/または
iii.他の有用な表面形態、
をもたらして、電気的短絡などの不要な欠陥を低減させるか抑制する。
【0018】
一実施形態においては、本開示のアセンブリにおいて用いられるポリイミドフィルムは、以下の:1、5、10、15、20、25、30、35および40ppm/℃のいずれか2つの範囲内(任意により両端を含む)の面内CTEを有し、ここで、面内熱膨張係数(CTE)は50℃〜350℃で計測される。いくつかの実施形態において、この範囲内のCTEはさらに最適化されて、本開示により選択されたいずれかの特定の支持材料熱膨張の不一致に起因する、望まれないクラッキングがさらに低減されるかまたはなくされる(例えば、CIGS/CIS用途におけるCIGS/CIS光吸収層)。一般に、ポリイミドを形成する場合、化学転化プロセス(単なる熱転化プロセスとは対照的に)が低CTEポリイミドフィルムを提供するであろう。ポリアミド酸をポリイミドに転化するための化学的転化プロセスは周知であると共に、ここでのさらなる説明は必要ない。ポリイミドフィルムの厚さもまたCTEに影響する可能性があり、ここで、より薄いフィルムはより低いCTE(より厚いフィルムはより高いCTE)をもたらす傾向にあり、従って、フィルム厚を用いて、選択されたいずれかの特定の用途に応じて、フィルムCTEを微調整することが可能である。本開示のアセンブリにおいて用いられるポリイミドフィルムは、以下の厚さ(ミクロン):8、10、12、15、20、25、50、75、100、125および150ミクロンのいずれかの間(任意により両端を含む)の範囲内の厚さを有する。本開示の範囲内のモノマーおよび充填材を選択するかまたは最適化しても、CTEを上記範囲内に微調整することが可能である。アセンブリについて選択された特定の用途に応じて、本開示のポリイミドフィルムの特定のCTEを微調整するのに、通常の技能および実験が必要となり得る。
【0019】
例えば、本開示のCIGS/CIS用途における光吸収層堆積および/またはアニーリングプロセスの最中に、フィルムが、実質的に劣化せず、重量を損失せず、低い機械特性を有せず、または、顕著な揮発物を揮発させることがないよう、本開示のアセンブリにおいて用いられるポリイミドフィルムは高い熱安定性を有しているべきである。CIGS/CIS用途において、一実施形態においては、ポリイミドフィルムは、過剰な重量を光起電力モジュールに加えることのないよう十分に薄いが、場合によっては400、500、750または1000ボルト以上に達し得る作動電圧で高い電気絶縁性をもたらすよう十分に厚くすべきである。
【0020】
本開示のアセンブリにおいて用いられているポリイミドフィルムは、下部電極に対する良好な接着を有しているべきである。本開示によれば、充填材は、金属へのポリイミドフィルムの接着を向上させるためにポリイミドフィルムに追加される。いくつかの実施形態において、充填材は、ポリイミドフィルムのガラス転移温度(Tg)を超える温度での貯蔵弾性率を高める。充填材の添加は、典型的には、高温での機械特性の維持を可能とすると共に、取り扱い特徴を向上させることが可能である。本開示の充填材は:
1.すべての寸法において、(数値平均として)100ナノメートル未満(および、いくつかの実施形態においては、80、75、65、60、55、50、45、40、35、30、25、または20ナノメートル未満)の平均直径を有し;および
2.以下の割合:ポリイミドフィルムの総重量を基準として、5、10、15、20、25、30、35、40、45、50、55、および60重量パーセントの、任意によりその両端を含むいずれか2つの間の量で存在する。
【0021】
本開示の充填材はナノ充填材である。好適な充填材は、一般に、450℃を超える温度で安定であり、いくつかの実施形態においては、ポリイミドフィルムの電気絶縁性特性を顕著に低下させない。本開示の充填材は、球形および楕円形を含むいかなる形状であることも可能である。一実施形態において、充填材は、サイズが比較的均一であると共に、実質的に非凝集である。充填材粒子は、中空性、多孔性または固体であることが可能である。
【0022】
一実施形態においては、本開示の充填材は、特にこれらに限定されないが、酸化ケイ素(シリカ)、酸化チタン、酸化アルミニウム、酸化ジルコニウム、ならびに、ケイ素、チタン、アルミニウムおよびジルコニウムから選択される1種以上のカチオンの二元、三元、四元およびより高次の複合酸化物などの無機酸化物である。2種以上のタイプの充填材をいずれかの組み合わせで用いてもよい。一実施形態においては、充填材複合体(例えば、単一またはマルチコア/シェル構造)を用いることが可能であり、ここでは、一種の酸化物が他の酸化物を1つの粒子中に封入している。
【0023】
いくつかの実施形態において、充填材は無機酸化物であると共に、ポリイミドフィルムは(i)300℃を超えるTgおよび(ii)500ボルト/25.4ミクロンを超える誘電強度を有する。いくつかの実施形態において、少なくとも70、80、90、95、97、98、99または100重量パーセントの充填材が無機酸化物を含む。一実施形態においては、本開示の充填材は、酸化ケイ素のゾル(例えば、液体媒体中の固体ナノシリカのコロイド状分散体)、特にアモルファス、半結晶性、および/または結晶性ナノシリカのゾルから生成される。このようなゾルは、多様な技術により調製可能であると共に、ヒドロゾル(水が液体媒体である)、オルガノゾル(有機液体が液体媒体として働く)、および混合ゾル(液体媒体が水および有機液体の両方を含む)を含む多様な形態であることが可能であり、例えば、(特許文献1);および(特許文献2)を参照のこと。一実施形態においては、充填材は、DMACなどの極性非プロトン性溶剤またはポリアミド酸と相溶性の他の溶剤中に懸濁される。他の実施形態において、固体ナノシリカ充填材は、極性非プロトン性溶剤中に分散されたコロイド状分散体またはゾルとして商業的に入手可能であり、例えば、<0.5パーセント水を含有し、約16nmのシリカ粒径中央値d50、20〜21重量%シリカ、Nissan Chemicals America Corporation,Houston,TX,USAから入手可能であるジメチルアセタミド中の固体シリカコロイドであるNissan DMAC−STなどであることが可能である。
【0024】
多孔性ナノシリカ充填材は、単独で、または、他のナノ充填材との混合物として用いられてポリイミド複合体を形成することが可能である。多孔性ナノ充填材は、空気などの低密度材料の少なくとも1つの部分を含み、一実施形態においては、シリカのシェルであることが可能である(例えば、中空ナノシリカ粒子)。中空ナノシリカ粒子を形成するための方法は公知であり、例えば、(特許文献3)および(特許文献4)に記載されている。
【0025】
いくつかの実施形態において、充填材はカップリング剤でコートされている。いくつかの実施形態において、充填材はアミノシランカップリング剤でコートされている。いくつかの実施形態において、充填材は分散剤でコートされている。いくつかの実施形態において、充填材はカップリング剤および分散剤の組み合わせでコートされている。あるいは、カップリング剤、分散剤またはこれらの組み合わせは、必ずしも充填材にコートされるのではなく、直接的にポリイミドフィルムに組み込まれることが可能である。
【0026】
いくつかの実施形態において、最終ポリイミドフィルムが、所望の最大充填材サイズを超える非連続的なドメインが含有されることが確実にないようにろ過システムが用いられる。いくつかの実施形態において、充填材は、ポリイミドフィルムに組み込まれる場合(またはフィルム前駆体に組み込まれる場合)に、攪拌および/または高せん断混合または媒体ミルなどの強度の分散エネルギー、または、分散剤の使用を含む他の分散技術に供されて、所望の最大充填材サイズを超える、望まれない凝塊を抑制する。
【0027】
一般論では、表面粗度は:i.上部に堆積された層の機能に干渉する可能性があり、ii.電気的または機械的欠陥の可能性を高める可能性があり、およびiii.フィルムに沿う特性の均一性を低下させる可能性があるために、フィルム平滑性が所望される。一実施形態においては、充填材(および、いずれかの他の非連続的なドメイン)は、充填材(および、いずれかの他の非連続的なドメイン)がフィルム形成において十分にフィルムの表面間にあって、400、350、300、275または100ナノメートル未満の平均表面粗度(Ra)を有する最終ポリイミドフィルムがもたらされるよう、フィルム形成の最中に十分に分散される。本明細書においてもたらされるところ、表面粗度は、Wyco Vision 32ブランドの分析ソフトウェアを用いる25.4×または51.2×でのVSIモードのVeeco Wyco NT 1000 Seriesブランドの表面粗度機器による計測などの、光学的表面プロフィロメトリにより測定されてRa値をもたらすことが可能である。
【0028】
いくつかの実施形態において、充填材は、所望の処理温度でそれ自体が劣化しないか、または、オフガスを生成しないよう選択される。同様に、いくつかの実施形態において、充填材は、ポリマーの劣化に寄与しないよう選択される。
【0029】
本開示のポリイミドベースのポリマーは、剛性ロッド部分および非剛性ロッド部分の両方を含む高分子主鎖構造がもたらされる、一定の芳香族二無水物の一定の芳香族ジアミンとの重合反応で誘導される。剛性ロッド部分は、芳香族剛性ロッドモノマーのポリイミドへの重合に起因し、および、非剛性ロッド部分は非剛性ロッド芳香族モノマーのポリイミドへの重合に起因する。芳香族剛性ロッドモノマーは、ポリマー主鎖に対して共直鎖(約180°)構成をもたらし、従って、ポリイミドに重合されたときに可動性をほとんど有さない。
【0030】
芳香族剛性ロッドジアミンモノマーの例は以下のとおりである:
1,4−ジアミノベンゼン(PPD)、
4,4’−ジアミノビフェニル、
2,2’−ビス(トリフルオロメチル)4,4’−ジアミノビフェニル(TFMB)、
1,4−ナフタレンジアミン、
1,5−ナフタレンジアミン、
4,4”−ジアミノターフェニル、
4,4’−ジアミノベンザニリド
4,4’−ジアミノフェニル安息香酸塩、
3,3’−ジメチル−4,4’−ジアミノビフェニル等。
【0031】
芳香族剛性ロッド二無水物モノマーの例は以下のとおりである:
ピロメリト酸二無水物(PMDA)、
2,3,6,7−ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、および
3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物(BPDA)。
【0032】
上記の例(剛性ロッドジアミンおよび剛性ロッド二無水物の例)と実質的に同等またはこれよりも低い回転動作または屈曲(一旦、ポリイミドに重合されて)の自由度を有するモノマーが、本開示の目的のための剛性ロッドモノマーであるとみなされることが意図されている。
【0033】
本開示の目的のための非剛性ロッドモノマーは、上記に説明されると共に例示されている剛性ロッドモノマーと比して実質的に大きな動作の自由度を有するポリイミド主鎖構造に重合されることが可能である芳香族モノマーを意味することが意図される。非剛性ロッドモノマーは、ポリイミドに重合されたときに、屈曲部を有する主鎖構造をもたらすか、または、そうでなければ、形成されるポリイミド主鎖に沿った共直鎖ではない(例えば、約180°ではない)。本開示による非剛性ロッドモノマーの例としては、ポリイミド主鎖に沿って回転または屈曲性架橋基をもたらすことが可能であるいずれかのジアミンおよびいずれかの二無水物が挙げられる。回転または屈曲性架橋基の例としては、−O−、−S−、−SO2−、−C(O)−、−C(CH32−、−C(CF32−、および−C(R,R’)−が挙げられ、式中、RおよびR’は同一であるかまたは異なり、炭素に結合することが可能であるいずれかの有機基である。
【0034】
非剛性ロッドジアミンの例としては:4,4’−ジアミノジフェニルエーテル(「ODA」)、2,2−ビス−(4−アミノフェニル)プロパン、1,3−ジアミノベンゼン(MPD)、4,4’−ジアミノベンゾフェノン、4,4’−ジアミノジフェニルメタン、4,4’−ジアミノジフェニルスルフィド、4,4’−ジアミノジフェニルスルホン、3,3’−ジアミノジフェニルスルホン、ビス−(4−(4−アミノフェノキシ)フェニルスルホン(BAPS)、4,4’−ビス−(アミノフェノキシ)ビフェニル(BAPB)、3,4’−ジアミノジフェニルエーテル、4,4’−ジアミノベンゾフェノン、4,4’−イソプロピリデンジアニリン、2,2’−ビス−(3−アミノフェニル)プロパン、N,N−ビス−(4−アミノフェニル)−n−ブチルアミン、N,N−ビス−(4−アミノフェニル)メチルアミン、m−アミノベンゾイル−p−アミノアニリド、4−アミノフェニル−3−アミノベンゾエート、N,N−ビス−(4−アミノフェニル)アニリン、2,4−ジアミノトルエン、2,5−ジアミノトルエン、2,6−ジアミノトルエン、2,4−ジアミン−5−クロロトルエン、2,4−ジアミノ−6−クロロトルエン、2,4−ビス−(β−アミノ−t−ブチル)トルエン、ビス−(p−β−アミノ−t−ブチルフェニル)エーテル、p−ビス−2−(2−メチル−4−アミノペンチル)ベンゼン、m−キシリレンジアミン、p−キシリレンジアミン、1,2−ビス−(4−アミノフェノキシ)ベンゼン、1,3−ビス−(4−アミノフェノキシ)ベンゼン、1,2−ビス−(3−アミノフェノキシ)ベンゼン、1,3−ビス−(3−アミノフェノキシ)ベンゼン、1−(4−アミノフェノキシ)−3−(3−アミノフェノキシ)ベンゼン、1,4−ビス−(4−アミノフェノキシ)ベンゼン、1,4−ビス−(3−アミノフェノキシ)ベンゼン、1−(4−アミノフェノキシ)−4−(3−アミノフェノキシ)ベンゼン、2,2−ビス−(4−[4−アミノフェノキシ]フェニル)プロパン(BAPP)、2,2’−ビス−(4−アミノフェニル)−ヘキサフルオロプロパン(6Fジアミン)、2,2’−ビス−(4−フェノキシアニリン)イソプロピリデン、4,4’−ジアミノ−2,2’−トリフルオロメチルジフェニルオキシド、3,3’−ジアミノ−5,5’−トリフルオロメチルジフェニルオキシド、4,4’−トリフルオロメチル−2,2’−ジアミノビフェニル、2,4,6−トリメチル−1,3−ジアミノベンゼン、4,4’−オキシ−ビス−[2−トリフルオロメチル)ベンゼンアミン](1,2,4−OBABTF)、4,4’−オキシ−ビス−[3−トリフルオロメチル)ベンゼンアミン]、4,4’−チオ−ビス−[(2−トリフルオロメチル)ベンゼン−アミン]、4,4’−チオビス[(3−トリフルオロメチル)ベンゼンアミン]、4,4’−スルホキシル−ビス−[(2−トリフルオロメチル)ベンゼンアミン、4,4’−スルホキシル−ビス−[(3−トリフルオロメチル)ベンゼンアミン]、および、4,4’−ケト−ビス−[(2−トリフルオロメチル)ベンゼンアミン]が挙げられる。
【0035】
非剛性ロッド芳香族二無水物の例としては、2,2’,3,3’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、2,3,3’,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、3,3’,4,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物(BTDA)、2,2’,3,3’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、2,3,3’,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、4,4’−チオ−ジフタル酸無水物、ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)スルホン二無水物(DSDA)、ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)スルホキシド二無水物、4,4’−オキシジフタル酸無水物(ODPA)、ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)チオエーテル二無水物、ビスフェノールA二無水物(BPADA)、ビスフェノールS二無水物、2,2−ビス−(3,4−ジカルボキシフェニル)1,1,1,3,3,3,−ヘキサフルオロプロパン二無水物(6FDA)、5,5−[2,2,2]−トリフルオロ−1−(トリフルオロメチル)エチリデン、ビス−1,3−イソベンゾフランジオン、ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)メタン二無水物、シクロペンタジエニルテトラカルボン酸二無水物、エチレンテトラカルボン酸二無水物、2,2−ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)プロパン二無水物が挙げられる。
【0036】
一実施形態においては、剛性ロッドモノマー対非剛性ロッドモノマーのモル比は20〜80:80〜20であることが可能であり、代替的な実施形態においては、この広い比の範囲内のいずれかの部分範囲であることが可能である(例えば、20〜80は、20、25、30、35、40、45、50、55、60、65、70、75および80の任意により両端を含むいずれかの範囲を含み、ならびに、80〜20は、80、75、70、65、60、55、45、40、35、30、および25の任意により両端を含むいずれかの範囲を含む)。
【0037】
一実施形態においては、本開示のポリイミドは、実質的に等モル量の4,4’−ジアミノジフェニルエーテル(ODA)非剛性ロッドモノマー、およびピロメリト酸二無水物(PMDA)、剛性ロッドモノマーから誘導される。他の実施形態において、ポリイミドはブロックコポリマーである。ブロックコポリマーは、モノマー配列の完全に無作為な分布とは対照的に、実質的に1種の二無水物/ジアミン組み合わせの配列がポリマー主鎖に沿って存在するポリマーである。典型的には、これは、ポリアミド酸調製の最中の異なるモノマーの配列付加によって達成される。他の実施形態において、ポリイミドは、ODAおよび1,4−ジアミノベンゼン(PPD)とPMDAとのブロックコポリマーであり、ここで、40モルパーセント以下のブロックがPPDをジアミン成分として有すると共に、少なくとも60モルパーセントのブロックがODAをジアミン成分として有することが可能である(両方のブロックがPMDAを二無水物成分として有するであろう)。さらに他の実施形態において、ポリイミドは、ODAおよびPPDと、PMDAおよび3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物(BPDA)とのランダムまたはブロックコポリマーである。さらに他の実施形態において、ポリイミドは、実質的に剛性ブロック(PPDと反応したPMDA)および実質的により可撓性のブロック(ODAと反応したPMDA)から構成されるブロックコポリマーである。他の実施形態において、ブロックコポリマーは、10〜40モル%ブロックのPMDAおよびPPDおよび60〜90モル%ブロックのPMDAおよびODAを含む。
【0038】
本開示のポリイミドフィルムは、当該技術分野において周知である方法によって形成されることが可能である。いくつかの実施形態において、ポリイミドフィルムは、上記モノマーを溶剤と組み合わせてポリアミド酸(ポリアミド酸溶液とも呼ばれる)を形成することにより生成されることが可能である。二無水物およびジアミン成分は、典型的には、0.90〜1.10の芳香族二無水物成分対芳香族ジアミン成分のモル比で組み合わされる。分子量は、二無水物およびジアミン成分のモル比を調節することにより調節することが可能である。
【0039】
化学転化または熱転化が、本開示の実施において用いられることが可能である。化学転化が用いられる事例において、ポリアミド酸キャスティング溶液はポリアミド酸溶液から誘導される。一実施形態において、ポリアミド酸キャスティング溶液は:(i)脂肪族酸無水物(無水酢酸等)および芳香族酸無水物などの1種以上の脱水剤;ならびに、(ii)、脂肪族第三級アミン(トリエチルアミン等)、芳香族第三級アミン(ジメチルアニリン等)および複素環式第三級アミン(ピリジン、ピコリン、イソキノリン等)などの1種以上の触媒などの転化剤と組み合わされたポリアミド酸溶液を含む。無水物脱水剤は、度々、コポリアミド酸中のモル過剰量のアミド酸基で用いられる。用いられる無水酢酸の量は、典型的には、アミド酸の当量当たり約2.0〜3.0モルである。一般に、匹敵する量の第三級アミン触媒が用いられる。
【0040】
一実施形態においては、ポリアミド酸は、約5重量パーセントから90重量パーセント以下の濃度で有機溶剤中に溶解される。一実施形態において、ポリアミド酸は、有機溶剤中に、約5、10、15、20、25、30、35、40、45、50、55、60、65、70、75、80、85、または90重量パーセントの濃度で溶解される。好適な溶剤の例としては:ホルムアミド溶剤(N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジエチルホルムアミド等)、アセトアミド溶剤(N,N−ジメチルアセタミド、N,N−ジエチルアセタミド等)、ピロリドン溶剤(N−メチル−2−ピロリドン、N−ビニル−2−ピロリドン等)、フェノール溶剤(フェノール、o−、m−またはp−クレゾール、キシレノール、ハロゲン化フェノール、カテコール等)、ヘキサメチルホスホルアミドおよびγ−ブチロラクトンが挙げられる。これらの溶剤またはこれらの混合物の1種を用いることが所望される。これらの溶剤と、キシレンおよびトルエンなどの芳香族炭化水素と、または、ジグリム、プロピレングリコールメチルエーテル、プロピレングリコール、メチルエーテルアセテート、テトラヒドロフラン等のようなエーテル含有溶剤との組み合わせを用いることも可能である。
【0041】
一実施形態においては、プレポリマーは、数多くの変形を用いて調製されると共に、充填材(その分散体またはナノコロイド)と組み合わされて、本発明のポリイミドフィルムを形成することが可能である。「プレポリマー」は、低分子量ポリマーであって、典型的には、わずかに化学量論的過剰量(約2%)のジアミンモノマー(または過剰量の二無水物モノマー)で形成されるものを意味することが意図される。プレポリマーの分子量(および溶液粘度)の増加は、増分量の追加の二無水物(または、二無水物モノマーが最初にプレポリマー中に過剰であった場合は追加のジアミン)を、二無水物対ジアミンの1:1化学量論的比に接近するよう添加することにより達成することが可能である。
【0042】
本開示によるポリイミドフィルムプレポリマーを生成する有用な方法は、Kreuzらへの(特許文献5)に見出すことが可能であり:(a)ジアミン成分および二無水物成分を予備的に一緒に混合し、次いで、攪拌しながら混合物を数回に分けて溶剤に添加する方法、(b)攪拌しているジアミンおよび二無水物成分の混合物へ溶剤を添加する方法(上記(a)とは反対に)、(c)ジアミンのみを溶剤中に溶解し、次いで、反応速度の制御が可能であるような比で二無水物をこれに添加する方法、(d)二無水物成分のみを溶剤中に溶解し、次いで、反応速度の制御が可能であるような比でアミン成分をこれに添加する方法、(e)ジアミン成分および二無水物成分を溶剤中に個別に溶解させ、次いで、これらの溶液を反応器中で混合する方法、(f)過剰量のアミン成分を含むポリアミド酸と過剰量の二無水物成分を含む他のポリアミド酸とを予備的に形成しておき、次いで、特に非ランダムまたはブロックコポリマーが形成されるような方法で、反応器中で相互に反応させる方法、(g)アミン成分および二無水物成分の特定の部分を先ず反応させ、次いで、残存するジアミン成分を反応させるか、またはその逆の方法、(h)転化剤をポリアミド酸と混合させてポリアミド酸キャスティング溶液を形成し、次いで、キャストしてゲルフィルムを形成する方法、(i)成分を、任意の順番で、溶剤の一部または全部に部分的に、または、一括で添加し、ここではまた、いずれかの成分の一部またはすべてを溶剤の一部またはすべての中の溶液として添加することが可能である方法、(j)先ず、二無水物成分の1種をジアミン成分の1種と反応させて第1のポリアミド酸をもたらし、次いで、他の二無水物成分を他のアミン成分と反応させて第2のポリアミド酸をもたらし、次いで、フィルム形成の前にアミド酸を多数の方法のいずれか1種で組み合わせる方法などの数多くの変形もまた可能である。
【0043】
充填材(その分散体またはナノコロイド)は、ポリイミドフィルム調製における数々の時点で添加されることが可能である。一実施形態においては、ナノコロイドがプレポリマーに組み込まれて、25℃で約50〜100ポアズの範囲内のブルックフィールド溶液粘度が得られる。代替的な実施形態において、ナノコロイドは、モノマーと直接的に組み合わされることが可能であり、この場合、重合は、反応の最中に存在するナノコロイドと生じる。モノマーは、この「インサイチュ」重合の最中に、いずれかのモノマー(ジアミンまたは二無水物)を過剰量で有し得る。モノマーはまた、1:1比で添加され得る。モノマーが、アミン(ケースi)または二無水物(ケースii)の一方が過剰量で添加される場合、分子量(および溶液粘度)の増加は、必要であれば、追加の二無水物(ケースi)またはジアミン(ケースii)を増分量で添加して、二無水物対アミンの1:1化学量論的比に接近させることにより達成することが可能である。
【0044】
次いで、ポリアミド酸キャスティング溶液は、無端状のベルトまたは回転ドラムなどの支持体上にキャストまたは塗布されてフィルムをもたらすことが可能である。次いで、溶剤含有フィルムは、転化化学反応体(化学硬化)を伴いながら適切な温度(熱硬化)で焼成されることにより、自立式のフィルムに転化されることが可能である。次いで、フィルムは支持体から剥がされ、熱硬化および化学硬化を継続しながら幅出機などにより配向されてポリイミドフィルムが得られる。
【0045】
アルコキシシランカップリング剤が、配合前にナノコロイドを前処理することによりプロセスの最中に添加されることが可能である。アルコキシシランカップリング剤もまた、ナノコロイドおよびモノマーをアルコキシシランと組み合わせることにより、「インサイチュ」重合の最中に添加されることが可能である。
【0046】
場合によっては、二無水物をナノコロイドと接触させることが可能である。いかなる特定の理論または仮説にも束縛されることは意図しないが、二無水物とナノコロイドとのこのような接触は、モノマーまたはプレポリマーとのさらなる反応の前にナノコロイドを二無水物で官能化することが可能であると考えられている。最終的には、充填ポリアミド酸組成物は一般にフィルムにキャストされ、これが、乾燥および硬化(化学硬化および/または熱硬化)に供されて充填ポリイミド自立フィルムまたは非自立フィルムが形成される。充填ポリイミドフィルムを製造するいずれかの従来のまたは非従来の方法を本開示により用いることが可能である。充填ポリイミドフィルムの製造は普通周知であると共に、ここでのさらなる説明は必要ない。一実施形態においては、本開示のアセンブリにおいて用いられるポリイミドは、300、310、320、330、340、350、360、370380、390または400℃を超える高いガラス転移温度(Tg)を有する。高いTgは、一般に、高温での貯蔵弾性率などの機械特性の維持を補助する。
【0047】
いくつかの実施形態において、ポリイミドフィルムの結晶性および架橋性の量は、貯蔵弾性率の維持において役立つことが可能である。一実施形態においては、480℃でのポリイミドフィルム貯蔵弾性率(動的機械分析による計測、DMA)は、少なくとも:400、450、500、550、600、650、700、750、800、850、900、950、1000、1100、1200、1300、1400、1500、1600、1800、2000、2200、2400、2600、2800、3000、3500、4000、4500、または5000MPaである。
【0048】
いくつかの実施形態において、本開示のアセンブリにおいて用いられるポリイミドフィルムは、減圧下または窒素あるいは他の不活性ガス下などの不活性環境において500℃で約30分間の間に2、1.5、1、0.75、0.5または0.3パーセント未満の等温性重量損失を有する。本開示のアセンブリにおいて用いられるポリイミドは、一般に通常の無機絶縁体の多くよりも高い誘電強度を有する。いくつかの実施形態において、本開示のアセンブリにおいて用いられるポリイミドは、10V/マイクロメートル以上の破壊電圧を有する。
【0049】
ポリイミドフィルムは、加工助剤(例えば、オリゴマー)、酸化防止剤、光安定剤、難燃剤添加剤、静電防止剤、熱安定剤、紫外線吸収剤、充填材または種々の強化剤などの多数の添加剤のいずれか1種をさらに含むことが可能である。
【0050】
いくつかの実施形態において、電気的絶縁性充填材が、ポリイミドフィルムの電気的特性を改変するために添加され得る。いくつかの実施形態において、ポリイミドフィルムは、ポリイミドフィルムの電気的完全性および誘電強度に悪影響を及ぼすことが可能であるピンホールまたは他の欠陥(外部粒子、ゲル、充填材凝集物または他の汚染物)を含んでいないことが重要であり、これは、一般に、ろ過によって対処されることが可能である。このようなろ過は、1種以上のモノマーに添加される前または後の可溶化された充填材のろ過、および/または、特にポリアミド酸が低粘度である場合のポリアミド酸のろ過、またはそうでなければ、ろ過が可能である製造プロセスにおけるいずれかのステップでのろ過など、フィルム製造のいずれかの段階で行われることが可能である。一実施形態において、このようなろ過は、最小の好適なフィルタ孔径または選択された充填材材料の最大寸法の直ぐ上のレベルで実施される。
【0051】
単一層のポリイミドフィルムは、フィルム中の望まれない(または所望されない程に大きい)非連続相材料に起因する欠陥の影響を低減させる試みにおいてより厚くすることが可能である。あるいは、多層のポリイミドを用いて、いずれかの特定の層におけるいずれかの特定の欠陥(所望の特性に害をなすことが可能であるサイズの望まれない非連続相材料)の害を低減し得、一般論では、このような多層は、同一の厚さの単一のポリイミド層と比してより少ない性能欠陥を有することとなる。多層のポリイミドフィルムを使用する場合、個別の層の各々に重複する欠陥を有する可能性はきわめて小さい傾向にあるため、フィルムの全厚にまたがり得る欠陥の発生を低減またはなくすことが可能である。従って、いずれか一層における欠陥がフィルムの総厚を貫通する電気的破壊または他のタイプの破壊を生じさせる可能性はかなり低い。いくつかの実施形態において、ポリイミドフィルムは2つ以上の層を備える。いくつかの実施形態において、ポリイミド層は同一である。いくつかの実施形態において、ポリイミド層は異なる。いくつかの実施形態において、ポリイミド層は、独立して、熱的に安定な充填材、強化用の織物、無機紙、シート、スクリムまたはこれらの組み合わせを含んでいてもよい。任意により、0〜55重量パーセントのポリイミドフィルムは、他の処方成分をも含むことで、いずれかの特定の用途について所望されるか、または、要求される特性が変更される。
【0052】
ここで図1を参照すると、本開示の実施形態が、全体が10で示されている薄膜太陽電池として図示されている。薄膜太陽電池10は、上記に記載されていると共に検討されているナノスケール無機酸化物充填材を含有する可撓性ポリイミドフィルム基板12を備えている。下部電極16(例えばモリブデンを含む)が、スパッタリング、蒸着等などによりこの可撓性ポリイミドフィルム基板12上に適用される。半導体光吸収層14(例えばCu(In、Ga)Se2を含む)がこの下部電極16の上に堆積される。下部電極16および可撓性ポリイミドフィルム基板12の上への半導体光吸収層14の堆積は、特にこれらに限定されないが、キャスティング、積層、同時蒸着、スパッタリング、物理蒸着、化学蒸着等を含む多様な従来のまたは非従来の技術のいずれかによってなされることが可能である。半導体光吸収層14のための堆積プロセスは周知であって、ここでのさらなる説明は必要ない(このような堆積プロセスの例は、(特許文献6)および(特許文献7)において検討および記載されている)。
【0053】
任意の接着層または接着促進剤(図示せず)を用いて、上述の層のいずれかの間の接着を高めることが可能である。一実施形態においては、可撓性ポリイミドフィルム基板12は、薄膜太陽電池10が軽量であるために、薄く、かつ、可撓性であり、すなわち、およそ8ミクロン〜およそ150ミクロンであるか、または、可撓性ポリイミドフィルム基板12は、薄膜太陽電池10の取り扱い性を向上させるために、厚く、かつ、剛性であることが可能である。
【0054】
この特定の実施形態における薄膜太陽電池10の組み立てを完了するために、追加の任意の層を適用することが可能である。例えば、CIGS光吸収層14をII/VIフィルム22と対にして(例えば、覆って)、光活性ヘテロ接合を形成することが可能である。いくつかの実施形態において、II/VIフィルム22は、硫化カドミウム(CdS)から組み立てられる。あるいは、II/VIフィルム22は、特にこれらに限定されないが、カドミウム硫化亜鉛(CdZnS)および/またはセレン化亜鉛(ZnSe)を含む他の材料から組み立てられることが可能であり、これもまた本開示の範囲内である。
【0055】
電流を集めるための透明導電性酸化物(TCO)層23がII/VIフィルムに適用される。好ましくは、透明導電性酸化物層23は酸化亜鉛(ZnO)から組み立てられるが、他の材料からの透明導電性酸化物(「TCO」)層23の組み立てもまた本開示の範囲内である。
【0056】
好適なグリッド端子24または他の好適なコレクタは、独立型薄膜太陽電池10を形成する際に、TCO層23の上面に堆積される。グリッド端子24は種々の材料から形成されることが可能であるが、高い導電性を有すると共に下位のTCO層23と良好なオーミック接触を形成すべきである。いくつかの実施形態において、このグリッド端子24は金属材料から組み立てられるが、特にこれらに限定されないが、アルミニウム、インジウム、クロム、またはモリブデンを含む他の材料から、銅、銀またはニッケルなどの追加の導電性金属被覆物を伴うグリッド端子24の組み立ても本開示の範囲内である。
【0057】
いくつかの実施形態において、1種以上の反射防止コーティング(図示せず)が、グリッド端子24の露出面、および、グリッド端子と接触していない透明導電性酸化物層23の露出面に適用されることが可能である。他の実施形態において、反射防止コーティングが、グリッド端子と接触していない透明導電性酸化物層23の露出面のみに適用可能である。反射防止コーティングは、薄膜太陽電池10による入射光の集光を向上させる。当業者によって理解されるとおり、いずれかの好適な反射防止コーティングが本開示の範囲内である。
【0058】
以下の実施例において本発明をさらに説明するが、これは、特許請求の範囲に記載の本発明の範囲を限定することを意図するものではない。
【実施例】
【0059】
実施例1(予測)
モリブデン層(およそ500nm)+ナノシリカ充填ブロックコポリマーポリイミド(PMDA:ODA)0.3(PMDA:PPD)0.7、ここで、ポリイミド中のナノシリカ充填量は15.3重量%である(ポリイミド中に0.10体積率ナノシリカ)。
【0060】
プレポリマーは、穏やかな窒素ガスパージ下の100ml、三首丸底フラスコ中で調製される。3.84グラムのPPD(パラフェニレンジアミン)が113.0グラムの無水DMAC(ジメチルアセトアミド)と組み合わされると共に、およそ20分間40℃で穏やかに加熱されながら攪拌される。次いで、7.41グラムのPMDA(ピロメリト酸二無水物、Aldrich 412287、Allentown,PA)がこの混合物に添加されて第1のブロックが形成され、これが穏やかな加熱(35〜40℃)と共におよそ2時間攪拌される。混合物は室温に冷却される。次いで、16.6グラムグラムのODA(4,4’−オキシジアニリン)が追加の83.5グラムの無水DMACと一緒に添加される。この混合物を、約5分間かけて配合物中に溶解させる。次いで、氷水浴が用いられて、その後のPMDA添加の最中の温度が制御される。温度を監視すると共に温度を30〜35℃に維持しながら、16.6gのPMDAが徐々にこの混合物に添加される。追加の20.5グラムの無水DMACが配合物に添加されると共に、反応は、90分間、穏やかな加熱(30〜35度)と共に攪拌される。混合物は、室温でおよそ18時間攪拌される。最終プレポリマーは、18重量%ポリアミド酸を含有すると共に、0.95の無水物:アミンモル比を有する。
【0061】
250mL丸底フラスコ中に、109.0グラムの上述のプレポリマーが、DMAC中の29.03重量%SiO2コロイド11.0グラムと組み合わされる。DMAC中のナノシリカコロイドは、DMAC−STである(DMAC中の20重量%ナノシリカ、Nissan Chemicals、Houston TX)。材料はロトバップに置かれ、DMAC溶剤がおよそ29重量%の濃度に達するまで除去される(コロイド中のナノシリカの重量%)。コロイド中のナノシリカの割合は重量測定によって測定されることが可能である。
【0062】
プレポリマーおよびナノシリカの混合物は、2時間、室温で攪拌される。
【0063】
配合物は45ミクロンフィルタ媒体を通してろ過される。およそ85グラムの材料がその後のステップのための小さな容器に分けられる。
【0064】
個別の容器中に、ピロメリト酸無水物(PMDA)の6重量%溶液が、0.9gのPMDA(Aldrich 412287、Allentown,PA)および15mLのDMACを組み合わせることにより調製される。
【0065】
プレポリマー/ナノシリカ混合物の分子量の増加は、ジアミンに対する二無水物の化学量論的当量に近づけるために追加の二無水物を小さな増分量で添加することにより達成されることが可能である。そして、PMDA溶液がプレポリマースラリーに徐々に添加されて、5番のスピンドルを備えるブルックフィールドDV−E粘度計による計測でおよそ955ポアズの最終粘度が達成される。配合物は0℃で一晩保管されて脱気される。
【0066】
配合物は、25ミルのドクターブレードを用いてガラスプレートの表面上にキャストされて、3インチ×4インチフィルムが形成される。次いで、キャストフィルムおよびガラスプレートは、110mLの3−ピコリン(βピコリン、Aldrich、242845)および110mLの無水酢酸(Aldrich、98%、P42053)を含有する溶液中に浸漬される。
【0067】
その後、フィルムがガラス表面から剥がされて、3インチ×4インチピンフレームに配設される。
【0068】
配設されたフィルムは、炉(Thermolyne、F6000箱型炉)中に入れられる。炉を窒素でパージすると共に、以下の温度プロトコルに従って加熱する:
40℃〜125℃(4℃/分での昇温)
125℃〜125℃(30分間浸漬)
125℃〜250℃(4℃/分での昇温)
250℃(30分間浸漬)
250℃〜400℃(5℃/分での昇温)
400℃(20分間浸漬)
【0069】
モリブデン層(約500nm厚)をポリイミド層の両面にスパッタリングする。Denton Discovery 20LLスパッタリングチャンバを用いて、上記のポリイミドフィルムの両面にモリブデンを堆積させる。このデバイスは、3つの3インチAngstrom Sciencesスパッタリングガンおよび3インチ×1/4インチモリブデン(K.J.Lesker、2×S.C.I.、99.95%&99.99%)ターゲットを備えている。超高純度グレードArガス(GT&S Inc.)をスパッタリング実験に用いる。
【0070】
フィルムサンプルをKapton(登録商標)テープを用いてプラッタに取り付け、次いで、ロードロック(LL)チャンバに挿入する。LLチャンバを好適な圧力に減圧し、その後、遮断弁を開いてサンプルをメインチャンバに移す。これを、操作の間、水平方向に保持しながら回転させる。
【0071】
すべてのスパッターガンは、サンプルから6インチの距離、および外周からおよそ3インチに位置させる。加えて、スパッターガンのフェースは鉛直線から20度の角度であり、サンプルプラッタの軸に向けさせる。
【0072】
20sccm(標準立方センチメートル/分)のアルゴンを導入し、5ミリトルの圧力を確立させる。電源の供給を150ワットの設定点で開始すると共に、プラズマを確立させ、および、およそ1分半安定させ、その後、ターゲットのフェースを覆うシャッターを開けると共にタイマーを開始する。
【0073】
必要な時間が終了したら、電源、アルゴン流、および、圧力コントローラを停止し、回転を停止させ、および、プラッタをLLチャンバに取り出す。遮断弁を閉じる。LLチャンバを窒素ガスでベントした後、サンプルをDenton 20LLから取り出す。
【0074】
このシステムの基底圧は、堆積の前後でおよそ5×10-7トル(または未満)である。
【0075】
4mm(断面の長さ)×およそ6mmサンプルが液体窒素中に少なくとも20秒間浸漬される。同時に、プライヤーで保持した未使用の片刃の剃刀の刃が液体窒素に浸漬される。液体窒素から取り出した直後に、自己修復カッティングマット上の新しいグラシンシートにフィルムが置かれてから、ギロチン動作を用いてフィルムの一面に刃が落とされる。このギロチン動作は、低温切断と低温破断との間のかけ合わせであると共に材料依存である切断を起こさせる。
【0076】
切断されたサンプルが室温に温まったら、断面が、およそ1mmの高さに室温の片刃の剃刀の刃を用いてトリムされる。次いで、この断面が、Duco製のセメントを用いて、サンプルマウント(5mm(w)×7mm(1))上にマウントされ、および、1ナノメートル(「nm」)のオスミウム(OsO4のプラズマ反応を用いて)がコートされて、SEM技術によるより高い解像度が可能とされる。材料は、1keV加速電圧でHitachi S5000SP高解像度FE−SEMに置かれる。
【0077】
この予測的実施例のポリイミド/モリブデン界面は、良好な接着(無破壊)を有することが予期される。
【0078】
比較例1:
モリブデン層(およそ500nm)+ブロックコポリマーポリイミド(PMDA:ODA)0.3(PMDA:PPD)0.7
実施例1に記載のものと同一の手法に従ったが、ただし、ナノシリカを配合物に添加しなかった。
【0079】
配合物を、45ミクロンフィルタ媒体を通してろ過した。およそ25グラムの材料を、プレポリマーの分子量を増やすための6重量%PMDA溶液とのその後の反応のための小さな容器に分けた。最終粘度はおよそ1000〜1200ポアズであった。
【0080】
走査電子顕微鏡検査による試験について実施例1に記載のものと同一の手法に準拠した。最低で4つの好結果の断面を断面の全長(4mm)にわたって試験して、ポリイミド/Mo界面での形態学の差を探した。
【0081】
代表的なSEM画像が図2に図示されており、ここでは、およそ500nmのモリブデン層が示されている。この画像は、ポリイミド−モリブデン界面での破壊を示した。
【0082】
概要または実施例において上述したすべての作業が必要とされるわけではなく、特定の作業の一部が必要ではない場合があり、および、既述のものに追加して、さらなる作業が行われてもよいことに注目されたい。さらに、作業の各々が列挙されている順番は必ずしもこれらが実施される順番ではない。この明細書を読んだ後、当業者は、特定の必要性または要望のためにどのような作業を用いることが可能であるかを判定することが可能であろう。
【0083】
前述の明細書においては、本発明を、特定の実施形態を参照して説明した。しかしながら、当業者は、以下の特許請求の範囲に規定されている本発明の範囲から逸脱することなく、種々の変更および改変を行うことが可能であることを理解している。この明細書において開示されているすべての特徴は、同一な、均等なまたは同様の目的を果たす代替的な特徴によって置き換えられ得る。
【0084】
従って、明細書および図は、限定的な意味ではなく例示的であるとみなされるべきであり、すべてのこのような変更は、本発明の範囲内に包含されることが意図される。
【0085】
有益性、他の利点、および課題に対する解決法を、特定の実施形態に関して上述した。しかしながら、有益性、利点、課題に対する解決法、および、いずれかの利益、利点、または解決法を生じさせるかもしくはより明白とし得るいずれの要素も、特許請求の範囲のいずれかまたはすべての重要である、要求される、または、必須の特徴もしくは要素として解釈されるべきではない。
【符号の説明】
【0086】
10 薄膜太陽電池
12 可撓性ポリイミドフィルム基板
14 半導体光吸収層
16 下部電極
22 II/VIフィルム
23 透明導電性酸化物層
24 グリッド端子

【特許請求の範囲】
【請求項1】
A)
a)ポリイミドフィルムの40〜95重量パーセントの量のポリイミドであって:
i)少なくとも1種の芳香族二無水物成分であって、剛性ロッド二無水物、非剛性ロッド二無水物およびこれらの組み合わせからなる群の構成要素である芳香族二無水物成分、
ii)少なくとも1種の芳香族ジアミン成分であって、剛性ロッドジアミン、非剛性ロッドジアミンおよびこれらの組み合わせからなる群の構成要素である芳香族ジアミン成分、
から誘導されるポリイミドであり、
二無水物対ジアミンのモル比は48〜52:52〜48であり、A:Bの比は20〜80:80〜20である(ここで、Aは剛性ロッド二無水物および剛性ロッドジアミンのモルパーセントであり、且つBは非剛性ロッド二無水物および非剛性ロッドジアミンのモルパーセントである)
ポリイミド;ならびに
b)充填材であって:
i)すべての寸法において100ナノメートル未満の平均直径を有し;且つ
ii)ポリイミドフィルムの総重量の5〜60重量パーセントの量で存在する
充填材を含み、
8〜150ミクロンの厚さを有するポリイミドフィルム、
B)前記ポリイミドフィルムによって支持されている電極
を備えるアセンブリ。
【請求項2】
光吸収層をさらに含み;電極が光吸収層とポリイミドフィルムとの間にあり;および、電極が光吸収層と電気的に連通している、請求項1に記載のアセンブリ。
【請求項3】
光吸収層がCIGS/CIS光吸収層である、請求項2に記載のアセンブリ。
【請求項4】
アセンブリが、複数の一体集積型CIGS/CIS光起電力電池をさらに備える、請求項3に記載のアセンブリ。
【請求項5】
充填材が、すべての寸法において60nm未満の平均直径を有する、請求項1に記載のアセンブリ。
【請求項6】
充填材が無機酸化物である、請求項1に記載のアセンブリ。
【請求項7】
充填材が酸化ケイ素である、請求項6に記載のアセンブリ。
【請求項8】
a)剛性ロッドタイプ二無水物が、3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物(BPDA)、ピロメリト酸二無水物(PMDA)、およびこれらの混合物からなる群から選択され;ならびに
b)剛性ロッドタイプジアミンが、1,4−ジアミノベンゼン(PPD)、4,4’−ジアミノビフェニル、2,2’−ビス(トリフルオロメチル)ベンジデン(TFMB)、1,5−ナフタレンジアミン、1,4−ナフタレンジアミン、およびこれらの混合物からなる群から選択される、請求項1に記載のアセンブリ。
【請求項9】
ポリイミドがブロックコポリマーである、請求項1に記載のアセンブリ。
【請求項10】
ポリイミドが、ODAおよびPPDと、PMDAおよび3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物(BPDA)とのブロックコポリマーである、請求項9に記載のアセンブリ。
【請求項11】
ブロックコポリマーが:
i.10〜40モル%ブロックのPMDAおよびPPD;ならびに
ii.60〜90モル%ブロックのPMDAおよびODA
を含む、請求項9に記載のアセンブリ。
【請求項12】
ポリイミドフィルムが、カップリング剤、分散剤またはこれらの組み合わせを含む、請求項1に記載のアセンブリ。
【請求項13】
充填材が無機酸化物であり、ならびに、ポリイミドフィルムが:(i)300℃を超えるTg、および、(ii)500ボルト/25.4ミクロンを超える誘電強度を有する、請求項1に記載のアセンブリ。
【請求項14】
ポリイミドフィルムが2つ以上の層を含む、請求項1に記載のアセンブリ。
【請求項15】
ポリイミドフィルムが、熱安定性の無機物:織物、紙、シート、スクリムまたはこれらの組み合わせで強化されている、請求項1に記載のアセンブリ。

【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2011−122132(P2011−122132A)
【公開日】平成23年6月23日(2011.6.23)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2010−209828(P2010−209828)
【出願日】平成22年9月17日(2010.9.17)
【出願人】(390023674)イー・アイ・デュポン・ドウ・ヌムール・アンド・カンパニー (2,692)
【氏名又は名称原語表記】E.I.DU PONT DE NEMOURS AND COMPANY
【Fターム(参考)】