説明

熱交換器及びその製造方法

【課題】渦巻多段型熱交換器の設計の自由度を向上するとともに新規かつ具体的な製造方法を提供する。
【解決手段】直線部と所定の曲げ半径で略90°曲がる屈曲部とを交互に繰り返す平面視方形状の平面的な渦巻状に伝熱管13を曲げることにより構成された第1及び第2の渦巻管部を備え、該第1及び第2の渦巻管部が垂直方向に積み重ねられており、各渦巻管部の内外に隣り合う直線部同士は伝熱管13の幅よりも小さな隙間で近接配置され、第1及び第2の渦巻管部は平面視において逆方向の渦巻状に形成されるとともに、第1及び第2の渦巻管部の内周側端部が、平面視において方形状の隣り合うコーナー部に位置しており、これら第1及び第2の渦巻管部の内周側端部同士が垂直方向に傾斜する傾斜直線部14により接続されており、第1及び第2の渦巻管部並びに傾斜直線部14が、1本の伝熱管13を連続曲げすることにより一体形成されたものとする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、熱交換器及びその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の熱交換器及びその製造方法として、下記の特許文献1に開示されたものが知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2007−326141号公報
【0004】
特許文献1に記載の渦巻多段型熱交換器は、第1及び第2伝熱管からなる結合管を平面的に渦巻き形状に形成してこれらを多段に積み重ねた渦巻多段型熱交換器の全長を中継接続なしに連続巻きすることができるものであって、結合管を渦巻き形状の外周側から内周側へ向かって曲げていき、中心部到達後に渦巻き形状が完成した1段目は重力により下方に落とし、更に次の段の内周側から外周側へ向かって曲げていき、外周側へ到達後、2段目も重力により下方に落とし、再び次の段の外周側から内周側に向かって同様に曲げていき、これを連続的に繰り返すことにより連続した渦巻形状の多段の熱交換器としたものである。
【0005】
この従来の渦巻多段型熱交換器の成形手順として、特許文献1の段落番号0027には「ステップ8で、結合管3をほぼ直角に曲げる(曲げ4)。この時、結合管3の先端である入口管部3aが供給材料と干渉するので、入口管部3aを供給材料と干渉しないように下方へ排出していく。」と記載されているものの、具体的な下方への排出方法についての開示はなく、段落番号0029の「先に曲げられた部分が、下方に排出されて垂れ下がるイメージである。」との記載をも考慮すると、管の自重で垂れ下がることによって干渉を防止しようというものであると解釈できる。
【0006】
また、かかる従来の渦巻多段型熱交換器で平面視長方形状の渦巻構造の4段構成とし、かつ、各段の外形形状を同一にして各段の各辺における巻数が3となるようにした場合、特許文献1の図6に示されるように、結合管の両端部が、図において手前側の辺の左右両端にそれぞれ位置しかつ左右反対側に開口するように構成される。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
上記従来の渦巻多段型熱交換器の成形手順では、管同士の干渉を防止するために入口管部3aを供給材料の下方に排出していくという着想は開示されている。しかし、熱交換器を構成する伝熱管としては熱伝導効率に優れた高強度銅管が用いられているが、この高強度銅管は比重が小さい一方で強度は比較的高く、自重では殆ど下方に垂れ下がることはない。案内板等によって供給材料の下方に案内するとしても、伝熱管自体のスプリングバックにより平面的な渦巻に常に戻ろうとするため、渦巻の内外周の間に大きな隙間を空けることなく密に伝熱管を渦巻状に折曲げ加工しようとする際、入口管部3aが折曲げ加工治具や金型等に干渉してしまい、円滑な折曲げ加工に支障を来すとともに、金型等との衝突によって伝熱管が損傷してしまう可能性もある。特に、内周側から外周側に向かって渦巻状に曲げ加工していく際には、外周側の曲げ加工をしようとする際にそのすぐ内側に既に曲げ加工された内周側の屈曲部が存在しており、これが伝熱管の内周側に当接させる曲げ加工治具と干渉してしまうため、上記従来技術では実質上密な多段渦巻状に曲げ加工をすることは不可能である。
【0008】
また、熱交換器のハウジングや他の機器・配管構造の制約上、伝熱管の両端部の位置を長方形の一辺側に集約させたい場合などもあるが、上記特許文献1に記載の渦巻構造では両端部の位置は一定であり、これを変えることができなかった。図を参照して説明すると、図22は上記従来の構造で上下2段構成とした場合の渦巻構造であり、上下の各段の外周側端部の巻初め位置が異なるコーナー部にあるため、丁度3周巻いたときに上下の各段の内周側端部も異なるコーナー部に位置され、これら内周側端部同士を傾斜接続管(一点鎖線で示す。)で接続できる。この従来構造と渦巻き外形形状及び巻数が同じになるようにし、伝熱管の両端部を長方形の一つのコーナー部に位置するように巻いていくと、図23に示すように、上段の渦巻の内周側端部と下段の渦巻の内周側端部とが同じコーナー部に位置するとともに、上段の内周側端部を有する直線部A1は下段の最内周の直線部A2と上下に重複した位置にあり、かつ、下段の内周側端部を有する直線部B2は上段の最内周の直線部B1と上下に重複した位置にあるため、これら直線部A1又はB2を上下に傾斜させて相互に接続することもできない。
【0009】
上記従来技術の問題点に鑑み、本発明は、渦巻多段型熱交換器において、伝熱管の両端部の渦巻開始位置を変更した場合でも、渦巻多段型に連続巻きできるようにするとともに、かかる連続巻きの際に金型等に伝熱管が干渉してしまうことを回避して、密度の高い渦巻多段型の加工を円滑かつ伝熱管を損傷することなく行えるようにすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記目的を達成するために、本発明は、次の技術的手段を講じた。
【0011】
すなわち、本発明は、直線部と所定の曲げ半径で略90°曲がる屈曲部とを交互に繰り返す平面視方形状の平面的な渦巻状に伝熱管を曲げることにより構成された第1及び第2の渦巻管部を備え、該第1及び第2の渦巻管部が垂直方向に積み重ねられており、各渦巻管部の内外に隣り合う直線部同士は伝熱管の幅よりも小さな隙間で近接配置され、第1及び第2の渦巻管部は平面視において逆方向の渦巻状に形成されるとともに、第1及び第2の渦巻管部の内周側端部が、平面視において方形状の隣り合うコーナー部に位置しており、これら第1及び第2の渦巻管部の内周側端部同士が垂直方向に傾斜する傾斜直線部により接続されており、第1及び第2の渦巻管部並びに傾斜直線部が、1本の伝熱管を連続曲げすることにより一体形成されている熱交換器において、前記傾斜直線部に内外に隣り合う第1の渦巻管部の直線部と、前記傾斜直線部との間には、平面視において伝熱管の幅よりも大きな隙間が形成されているとともに、前記傾斜直線部に内外に隣り合う第2の渦巻管部の直線部と、前記傾斜直線部とは、平面視において伝熱管の幅よりも小さな隙間で近接配置されていることを特徴とするものである(請求項1)。
【0012】
かかる本発明の熱交換器によれば、図24に示すように、第1(図において上側)及び第2(図において下側)の渦巻管部の外形形状が同一となるように各渦巻管部を密な渦巻状に曲げていくと、図23に示す直線部A1に相当する部分が削除される結果、傾斜直線部14の位置並びに第2の渦巻管部の内周端の巻き開始位置が図22に示す従来構造と比較して90°手前に移動するとともに、第2の渦巻管部の直線部の数は変わらないため第2の渦巻管部の外周側端部の位置も90°手前に移動し、これにより第1及び第2の渦巻管部の外周側端部を同じコーナー部に位置させることができる。したがって、熱交換器の両端の水や冷媒の導入用開口の位置の設計の自由度が増し、限られた設置スペースでも設置できるものでありながらも、渦巻の内外の直線部を近接させて配管密度を大きくしているので、熱交換器の小型化を図りつつも熱交換効率の向上が図られる。
【0013】
上記本発明の熱交換器において、前記傾斜直線部に内外に隣り合う第1の渦巻管部の直線部と、前記傾斜直線部との間の隙間は、伝熱管の幅に略等しくするのが好ましい(請求項2)。これによれば、各渦巻管部の最内周の直線部の長さをできるだけ長く確保しつつも、傾斜直線部に内外に隣り合う第2の渦巻管部の直線部に干渉しないように傾斜直線部を配置でき、一層の熱交換効率の向上が図られる。
【0014】
また、各渦巻管部は平面視長方形状であり、前記傾斜直線部は、平面視において長方形状の短辺側に配置されているものとすることができる(請求項3)。これによれば、他の直線部と平行に近接配置されない傾斜直線部の長さが短くなり、内外に近接配置される直線部の総長さをできるだけ大きく確保できるため、より一層の熱交換効率の向上が図られる。
【0015】
また、本発明は、直線部と所定の曲げ半径で略90°曲がる屈曲部とを交互に繰り返す平面視方形状の平面的な渦巻状に伝熱管を曲げることにより構成された第1及び第2の渦巻管部を備え、該第1及び第2の渦巻管部が垂直方向に積み重ねられており、各渦巻管部の内外に隣り合う直線部同士は伝熱管の幅よりも小さな隙間で近接配置され、第1及び第2の渦巻管部は平面視において逆方向の渦巻状に形成されるとともに、第1及び第2の渦巻管部の内周側端部が、平面視において方形状の隣り合うコーナー部に位置しており、これら第1及び第2の渦巻管部の内周側端部同士が垂直方向に傾斜する傾斜直線部により接続されており、第1及び第2の渦巻管部並びに傾斜直線部が、1本の伝熱管を連続曲げすることにより一体形成されている熱交換器の製造方法であって、第1の渦巻管部の外周側から内周側へ向かって屈曲部を順次形成していく際、並びに、第2の渦巻管部の内周側から外周側へ向かって屈曲部を順次形成していく際に、内外に隣り合う直線部同士が垂直方向に離間するようにし、これにより竜巻状に形成された第1及び第2の渦巻管部を垂直方向に圧縮することによって、各渦巻管部を平面的な渦巻状に構成して、各渦巻管部の内外に隣り合う直線部同士を近接配置させるとともに第1及び第2の直線部同士を上下に近接配置させることを特徴とするものである(請求項4)。
【0016】
かかる本発明の製造方法によれば、多数の直線部が内外並びに上下に近接された複数段の渦巻型の熱交換器を、屈曲部を形成するための金型や治具により伝熱管を損傷させることなく高効率で製造できる。また、一本の伝熱管を連続曲げすることにより一体形成されているので、接続アダプタや溶接箇所が不要で、製造コストを低減できるとともに、接続部位からの液漏れの問題もなくすことができる。さらに、竜巻状に形成された第1及び第2の渦巻管部を垂直方向に圧縮する際には、第1の渦巻管部の直線部と第2の渦巻管部の直線部とが上下に当接して支え合うようになるため、必然的に平面的な渦巻状に変形させることができる。
【0017】
上記本発明の熱交換器の製造方法において、屈曲部の形成は、直線的に供給される伝熱管を所定方向に曲げ加工することにより行われ、屈曲部を2回形成する毎に供給される伝熱管をその軸心回りに微小回転させることによって、内外に隣り合う直線部同士を垂直方向に離間させることができる(請求項5)。これによれば、伝熱管をその軸心回りに微小回転させるという簡単なステップにより伝熱管を竜巻状に曲げ加工することができ、曲げ加工装置の簡素化が図られる。なお、微小回転の角度は、伝熱管の管径や、各直線部の長さにもよるが、略6〜15°程度である。また、屈曲部を2回形成する毎に回転させるのは、伝熱管を回転させずに3回連続で同じ方向に屈曲部の曲げ加工をすると、連続する3つの直線部が同一平面に位置してしまうために、供給される伝熱管に最初に曲げた直線部が衝当してしまうからである。
【0018】
また、供給される伝熱管の微小回転は、傾斜直線部と第1の渦巻管部との接続部が位置するコーナー部並びにその対角のコーナー部に位置する屈曲部の形成の直前に行うことができる(請求項6)。これによれば、竜巻状に伝熱管を曲げ加工するための2回に1回の伝熱管の微小回転の工程の中で、傾斜直線部を予め傾斜状に曲げ加工しておくことができ、垂直方向に圧縮した際に他の直線部は上下に支え合うことで平面状に収まる一方、傾斜直線部はその両端で各渦巻管部に接続されているのみで上下方向に衝当する他の部位がないため、必然的に傾斜状に配置される。なお、「屈曲部の形成の直前」とは、その一つ前の屈曲部の形成よりも後であればよく、手前の直線部のための伝熱管の送り工程の前後いずれであってもよい。
【0019】
また、供給される伝熱管の微小回転は、傾斜直線部と第2の渦巻管部との接続部が位置するコーナー部並びにその対角のコーナー部に位置する屈曲部の形成の直前に行うこともでき、この場合には、傾斜直線部と第1の渦巻管部との接続部における屈曲部の形成の直前にも微小回転を行うのが良い(請求項7)。この場合も、傾斜直線部を予め傾斜状に曲げ加工しておくことにより、垂直方向に圧縮した際に傾斜直線部は必然的に傾斜状に配置されるようになる。
【0020】
また、前記傾斜直線部に内外に隣り合う第1の渦巻管部の直線部と、前記傾斜直線部との間に、平面視において伝熱管の幅よりも大きな隙間が形成されるように、傾斜直線部と第1の渦巻管部との接続部における屈曲部の形成を行うとともに、前記傾斜直線部に内外に隣り合う第2の渦巻管部の直線部と、前記傾斜直線部とが、平面視において伝熱管の幅よりも小さな隙間で近接配置されるように前記第2の渦巻管部の直線部の直前の屈曲部の形成を行うことができる(請求項8)。これによれば、上記した本発明の熱交換器を製造することができる。
【発明の効果】
【0021】
以上説明したように、本発明の請求項1に係る熱交換器によれば、第1及び第2の渦巻管部の外周側端部を同じコーナー部に位置させることができる。したがって、熱交換器の両端の水や冷媒の導入用開口の位置の設計の自由度が増し、限られた設置スペースでも設置できるものでありながらも、渦巻の内外の直線部を近接させて配管密度を大きくして、熱交換器の小型化を図りつつも熱交換効率の向上を図ることができる。
【0022】
また、本発明の請求項2に係る熱交換器によれば、各渦巻管部の最内周の直線部の長さをできるだけ長く確保しつつも、傾斜直線部に内外に隣り合う第2の渦巻管部の直線部に干渉しないように傾斜直線部を配置でき、一層の熱交換効率の向上が図られる。
【0023】
また、本発明の請求項3に係る熱交換器によれば、他の直線部と平行に近接配置されない傾斜直線部の長さが短くなり、内外に近接配置される直線部の総長さをできるだけ大きく確保できるため、より一層の熱交換効率の向上が図られる。
【0024】
また、本発明の請求項4に係る熱交換器の製造方法によれば、多数の直線部が内外並びに上下に近接された複数段の渦巻型の熱交換器を、屈曲部を形成するための金型や治具により伝熱管を損傷させることなく高効率で製造できる。また、一本の伝熱管を連続曲げすることにより一体形成されているので、接続アダプタや溶接箇所が不要で、製造コストを低減できるとともに、接続部位からの液漏れの問題もなくすことができる。さらに、竜巻状に形成された第1及び第2の渦巻管部を垂直方向に圧縮する際には、第1の渦巻管部の直線部と第2の渦巻管部の直線部とが上下に当接して支え合うようになるため、必然的に平面的な渦巻状に変形させることができる。
【0025】
また、本発明の請求項5に係る熱交換器の製造方法によれば、伝熱管をその軸心回りに微小回転させるという簡単なステップにより伝熱管を竜巻状に曲げ加工することができ、曲げ加工装置の簡素化が図られる。
【0026】
また、本発明の請求項6に係る熱交換器の製造方法によれば、竜巻状に伝熱管を曲げ加工するための2回に1回の伝熱管の微小回転の工程の中で、傾斜直線部を予め傾斜状に曲げ加工しておくことができ、垂直方向に圧縮した際に他の直線部は上下に支え合うことで平面状に収まる一方、傾斜直線部はその両端で各渦巻管部に接続されているのみで上下方向に衝当する他の部位がないため、必然的に傾斜状に配置させることができる。
【0027】
また、本発明の請求項7に係る熱交換器の製造方法によれば、傾斜直線部を予め傾斜状に曲げ加工しておくことにより、垂直方向に圧縮した際に傾斜直線部は必然的に傾斜状に配置させることができる。
【0028】
また、本発明の請求項8に係る熱交換器の製造方法によれば、本発明の請求項1に係る熱交換器を製造できる。
【図面の簡単な説明】
【0029】
【図1】本発明の第1の実施形態に係る熱交換器の全体斜視図である。
【図2】図1のA矢視図である。
【図3】図1のB−B線矢視断面図である。
【図4】同熱交換器の製造装置の全体概略正面図である。
【図5】同製造装置の全体概略側面図である。
【図6】同製造装置における伝熱管曲げ機構の要部拡大平面図である。
【図7】同伝熱管曲げ機構の作用説明図である。
【図8】同伝熱管曲げ機構の作用説明図である。
【図9】図8のC矢視図である。
【図10】同製造装置により曲げ加工がなされた直後の竜巻状の管構造の一例の全体斜視図である。
【図11】同竜巻状の管構造の正面図である。
【図12】同竜巻状の管構造の右側面図である。
【図13】同製造装置により曲げ加工がなされた直後の竜巻状の管構造の別の例の全体斜視図である。
【図14】同竜巻状の管構造の正面図である。
【図15】同竜巻状の管構造の右側面図である。
【図16】本発明の第2の実施形態に係る熱交換器の全体斜視図である。
【図17】同熱交換器の平面図である。
【図18】図17のD−D線矢視断面図である。
【図19】本発明の熱交換器を凝縮器として用いるヒートポンプ給湯装置の配管回路図である。
【図20】本発明の熱交換器を構成する伝熱管の一例を示す断面図である。
【図21】本発明の熱交換器を構成する伝熱管の別の例を示す断面図である。
【図22】従来の渦巻多段型熱交換器の渦巻構造を示す模式図である。
【図23】比較例の渦巻構造の模式図である。
【図24】本発明の熱交換器の渦巻構造を示す模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0030】
以下、本発明の好適な実施形態を図面に基づいて説明する。
【0031】
図1〜図3は、本発明の第1の実施形態に係る熱交換器1を示し、図19は、この熱交換器1を凝縮器として用いた自然冷媒ヒートポンプ給湯装置の配管回路構成を示す。まず、ヒートポンプ給湯装置の全体構成について説明すると、ヒートポンプ給湯装置は冷媒循環回路2と給湯回路3とを組み合わせたものであり、単段蒸気圧縮冷凍サイクルを利用して給湯回路3の水を熱交換加熱し得るようになっている。冷媒循環回路2は圧縮機21と、凝縮器(凝縮熱交換器)1と、減圧手段としての膨張弁22と、蒸発器(熱源用熱交換器)23とを冷媒循環配管24で順に接続したものである。冷媒循環回路2を循環させる冷媒としては、プロパンなどのHC系冷媒や、COなどの適宜のものを採用できる。又、給湯回路3は、貯湯タンク31と、貯湯タンク31内に貯留された湯水を凝縮器1との間で循環させる水循環配管32と、貯湯タンク31の底部から水を凝縮器1へ圧送し、加熱後に凝縮器1から貯湯タンク31の頂部へと導く給水ポンプ33とを備えて構成されている。そして、これら冷媒循環回路2と給湯回路3とがコントローラ4により作動制御されて、凝縮器1において水を所定の温度に加熱されて貯湯タンク31に貯湯されるようになっている。
【0032】
圧縮機21は電動モータにより作動され、その回転数を作動制御量としてコントローラ4により作動制御されるようになっている。回転数は、コントローラ4から与える運転周波数を変更することで変更制御される。より高圧に圧縮するには回転数を上げ、より低圧にするには回転数を下げることになる。この圧縮機21で圧縮されることで高温気相状態の冷媒が圧縮機21から冷媒循環配管24に吐出され、その吐出温度が吐出温度センサ25により検出されて検出吐出温度がコントローラ4に出力されることになる。
【0033】
凝縮器1は、水循環配管32に接続されて水(第1の流体)が流通する第1伝熱管(水管)11と、冷媒循環配管24に接続されて冷媒(第2の流体)が流通する第2伝熱管(冷媒管)12との間で熱交換するように構成されている。すなわち、冷媒循環配管24に圧縮機21から吐出された高温気相状態の冷媒と、給水ポンプ33により貯湯タンク31の底部から供給された水とが熱交換され、水が熱交換加熱により湯となり、その熱交換により熱が奪われた冷媒は凝縮して液相に相変化する。この相変化のときの凝縮温度が凝縮温度センサ13により検出され、この検出凝縮温度がコントローラ4に出力されることになる。この凝縮温度センサ13による凝縮温度の検出は、凝縮器1における熱交換過程の中間位置での冷媒の温度を検出するものである。
【0034】
膨張弁22は凝縮器1で液相状態になった冷媒を減圧するものである。この膨張弁22は、その開度を作動制御量としてコントローラ4により作動制御される。
【0035】
蒸発器23は、その回転作動により外気を送風するファン23aを備え、この外気と、膨張弁22により減圧された冷媒とを熱交換させることで、冷媒を蒸発させて気相状態に変換するようになっている。この気相状態になった冷媒が再び前記の圧縮機21において圧縮されて高温気相状態になる。
【0036】
一方、給湯回路3では、給水ポンプ33の作動により貯湯タンク31内の水が凝縮器1に圧送される際に、凝縮器1の入口前で入水温度センサ34により熱交換加熱前の入水温度が検出され、この検出入水温度がコントローラ3に出力されるようになっている。又、凝縮器1を通過することで熱交換加熱されて出湯した際に、凝縮器1の出口側で出湯温度センサ35により出湯温度が検出され、この検出出湯温度がコントローラ4に出力されるようになっている。併せて、外気温が外気温センサ36により検出されて、コントローラ4に出力されるようになっている。凝縮器1で加熱された湯は貯湯タンク31の頂部側に戻されて貯留され、以後の給湯に利用されることになる。給湯により貯湯タンク31内の湯水量が減れば、その分だけ給水されるようになっている。
【0037】
次に、上記ヒートポンプ給湯装置において凝縮器として用いられている熱交換器1の好ましい実施形態について図面を参照しつつ詳細に説明する。
【0038】
図1〜図3に示す第1の実施形態に係る熱交換器1は、断面円形の第1伝熱管11の内部に断面円形の第2伝熱管12を埋設一体化してなる一本の結合伝熱管13(以下、単に「伝熱管」というときは「結合伝熱管13」をいうものとする。)を連続曲げすることにより一体形成されており、中途部分に管の接続部は存在しない。なお、本実施形態の熱交換器1を構成する第1及び第2の伝熱管11,12としては、外周面若しくは内周面に螺旋状の凹溝が連続形成された螺旋溝付き管を用いるのが好ましく、これによれば、曲げ加工した際に螺旋状凹溝によって応力が吸収、分散されるためにスプリングバックが少なく、所望の角度に正確に曲げ加工できるとともに、後述するように竜巻状に形成された伝熱管部を平面的な渦巻状となるように垂直方向に圧縮する際においても比較的スプリングバックが少なく、また、竜巻状から平面的に圧縮することに起因する内部応力も螺旋溝によって吸収、分散される。
【0039】
熱交換器1は、直線部と所定の曲げ半径で略90°曲がる屈曲部とを交互に繰り返す平面視長方形状の平面的な渦巻状に伝熱管13を曲げることにより構成された第1〜第4の渦巻管部を上から順に備えている。各渦巻き管部の外形形状及び外形寸法はほぼ同一とされているとともに、渦巻の巻数も略同一である。これら4段の渦巻管部は垂直方向に多段に積み重ねられ、上下に隣り合う渦巻管部の直線部同士及び屈曲部同士は上下に近接配置されている。
【0040】
各渦巻管部の内外に隣り合う直線部同士、すなわち、長方形の各辺における隣り合う直線部同士は、伝熱管13の幅よりも小さな隙間で近接配置され、好ましくは互いに接触させている。第1及び第2の渦巻管部、第2及び第3の渦巻管部、並びに、第3及び第4の渦巻管部は、それぞれ平面視において逆方向の渦巻状に形成されている。また、第1及び第2の渦巻管部の最内周の直線部の内周側端部、並びに、第3及び第4の渦巻き管部の最内周の直線部の内周側端部は、平面視において長方形状の短辺側の隣り合うコーナー部に位置しており、これら第1及び第2の渦巻管部の最内周の直線部の内周側端部同士、並びに、第3及び第4の渦巻き管部の最内周の直線部の内周側端部同士が、それぞれ垂直方向に傾斜する傾斜直線部14により接続されている。傾斜直線部14と上記の各最内周の直線部との間にも屈曲部が形成されている。
【0041】
また、第2及び第3の渦巻管部の最外周の直線部の外周側端部も、平面視において長方形状の短辺側の隣り合うコーナー部に位置しており、特に本実施形態では上記した各渦巻き管部の内周側端部と同じコーナー部に位置しており、これら第2及び第3の渦巻管部の最外周の直線部の外周側端部同士が、垂直方向に傾斜する傾斜直線部15により接続されている。傾斜直線部15と上記の各最外周の直線部との間にも屈曲部が形成されている。この外周側の傾斜直線部15は、図2及び図3に示すように、第1及び第4の渦巻き管部の直線部の間に配設されている。
【0042】
図3に示すように、内周側の傾斜直線部14に内外に隣り合う第1又は第4の渦巻管部の直線部16と、傾斜直線部14との間には、平面視において伝熱管13の幅よりも大きな隙間が形成されているとともに、傾斜直線部14に内外に隣り合う第2又は第3の渦巻管部の直線部17と、傾斜直線部14とは、平面視において伝熱管の幅よりも小さな隙間で近接配置されている。なお、図示実施形態では、傾斜直線部14に内外に隣り合う第1の渦巻管部の直線部16と、傾斜直線部14との間の隙間を比較的大きくしているが、好ましくは、該隙間を伝熱管13の幅に略等しくするのが良い。
【0043】
かかる第1の実施形態に係る熱交換器1によれば、直線状の伝熱管13を渦巻の外周側から内周側に向かって屈曲部を順次形成していくことで第1の渦巻管部を構成し、傾斜直線部14の後は内周側から外周側に向かって屈曲部を順次形成していくことで第2の渦巻管部を構成し、傾斜直線部15の後は再度外周側から内周側に向かって屈曲部を順次形成していくことで第3の渦巻管部を構成し、下側の傾斜直線部14の後は内周側から外周側に向かって屈曲部を順次形成していくことで第4の渦巻管部を構成することにより、接続部や溶接箇所のない渦巻多段型熱交換器とすることができる。また、伝熱管13の両端部18が同じ短辺側に向けて開口するように巻かれているため、熱交換器1をハウジング等に設置する際に両端部18が手前側にくるように配置することで、熱交換器1への配管接続作業やメンテナンス性を良好なものとすることができる。
【0044】
図4〜図9は、熱交換器の製造装置の一例を示している。この製造装置は、伝熱管送り装置40と、該送り装置40の前方に配設された伝熱管曲げ加工装置50とを備えている。伝熱管送り装置40は、後方側から直線的に供給される伝熱管13を着脱自在に把持するクランプ41がレール42上を前後方向(図4において左右方向)往復動可能に構成されたものであり、クランプ41により伝熱管13を把持した状態で該クランプ41を前方に所定量移動することによって、伝熱管13を設定された所定寸法だけ正確に前方に送ることができる。伝熱管13を前方に送った後、クランプ41による伝熱管13の把持を解除してクランプ41を後方復帰させておく。また、クランプ41は伝熱管13の軸心回りに回転駆動可能に構成されており、伝熱管13を把持した状態でクランプ41を所定量回転させることで、伝熱管13をその軸心回りに回転させることができる。なお、クランプ41の前後方向の往復動や回転駆動は、駆動シリンダやモーターなど適宜の手段によって行うことができる。
【0045】
曲げ加工装置50は、渦巻の外周側(図4における裏面側。図5における右側。図6及び図7における上側。)で伝熱管13の側面を当接支持する2つの外周支持金型51,52と、伝熱管13に屈曲部を形成する際に該屈曲部の内周側で伝熱管13の側面を当接支持する内周支持金型53とを備えている。この内周支持金型53は、平面視半円形で、その外周面には伝熱管13の外径に合致する凹溝が形成されている。また、内周支持金型53は、図6に示すように伝熱管13に屈曲部を形成する際にその軸心回りに回転するように構成することで、伝熱管13を屈曲部の曲げの進行に応じた量だけ伝熱管13を前進させるようになっている。
【0046】
外周支持金型51,52は、伝熱管13の軸方向に沿って延びる長尺状に構成され、伝熱管13の外周形状に合致する凹溝が側面に形成されていて、この凹溝内に伝熱管13が支持される。2つの外周支持金型51,52は伝熱管13の軸方向に並設されていて、屈曲部を伝熱管13に形成する際に、屈曲部よりも後方の直線部を後方の外周支持金型51で支持し、屈曲部よりも前方の直線部を前方の外周支持金型52で支持するようになっている。上記の内周支持金型53は、2つの外周支持金型52の中間に配置されている。
【0047】
また、後方の外周支持金型52は、図7に示すように、内周支持金型53の回転に連動して同一軸心回りに回転駆動されるように構成されており、この外周支持金型52を略90°回転させることによって、内周支持金型53によって規定される所定の曲げ半径で、供給される伝熱管13に対して右側方に略90°曲がる屈曲部が伝熱管13に形成される。
【0048】
この製造装置によって上記した熱交換器1を製造するには、まず、第1の渦巻管部の外周側から内周側へ向かって直線部のための伝熱管13の前送りと屈曲部の形成とを順次繰り返していき、次に第2の渦巻管部の内周側から外周側へ向かって同様に直線部と屈曲部の形成を順次繰り返し、次に第3の渦巻管部の外周側から内周側へ向かって同様に直線部と屈曲部の形成を順次繰り返し、最後に第4の渦巻管部の内周側から外周側へ向かって同様に直線部と屈曲部の形成を順次繰り返していく。なお、直線部の形成は曲げ加工装置50に対し送り装置40によって伝熱管13を前方に送出することによって行われ、屈曲部の形成は、曲げ加工装置50により伝熱管13を略90°曲げることにより行われる。各直線部の長さは異なるので、完成時の熱交換器1における各直線部の長さを予め求め、シーケンサーなどの制御部に全ての直線部の長さを入力しておき、この入力値に基づいて各直線部の形成の際の伝熱管の送り量を制御している。特に、傾斜直線部14,15の長さは、傾斜分の増加長さを考慮しておくことが重要であり、例えば、平面視における傾斜直線部14,15の長さがL、完成時の傾斜直線部の水平に対する傾斜角度がθであれば、実際の傾斜直線部14,15の長さとして(L/cosθ)を設定しておく。
【0049】
また、屈曲部を2回形成する毎に、図8及び図9に示すように、供給される伝熱管13をその軸心回りに微小回転させることにより、内外に隣り合う直線部同士を垂直方向に離間させる。かかる伝熱管13を微小回転させるタイミングは、傾斜直線部14と第1又は第3の渦巻管部との接続部が位置するコーナー部並びにその対角のコーナー部に位置する屈曲部の形成の直前であってもよく、また、傾斜直線部14と第1又は第3の渦巻管部との接続部が位置するコーナー部並びにその対角のコーナー部に位置する屈曲部の形成の直前であってもよい。前者の場合には図10〜図12に示すような竜巻状に第1〜第4の渦巻管部が連続形成され、後者の場合には図13〜図15に示すような竜巻状に第1〜第4の渦巻管部が連続形成される。
【0050】
図10〜図12において、平面視における北東及び南西のコーナー部に位置する屈曲部の形成の直前に供給される伝熱管13の微小回転が行われており、これにより、図11から明らかなように、3つの直線部が平行に連続してそれに続く一つの直線部(図11において左端の直線部)が下方に向けて傾斜するという構成が連続する状態となる。この例では短辺側で直線部を傾斜させることによって、渦巻の内外に隣り合う直線部同士を上下に離間させており、短い距離で十分に垂直方向にずらすことができるように、上記の伝熱管13の微小回転角度は14°程度となされている。この例によれば、各傾斜直線部14,15と同様に同じ辺に位置する直線部を傾斜させることによって垂直方向に順次渦巻をずらして巻いていくので、竜巻状の巻き終わりの構造が比較的規則的なものとすることができ、製造中間段階での取扱いや品質管理が比較的容易である。
【0051】
一方、図13〜図15においては、平面視における北西及び南東のコーナー部に位置する屈曲部の形成の直前に供給される伝熱管13の微小回転が行われてるとともに、傾斜直線部14と第1又は第3の渦巻管部との接続部における屈曲部(矢印Eで示す。)の形成の直前に微小回転が行われ、さらに、傾斜直線部15と第2の渦巻管部との接続部における屈曲部(矢印Gで示す。)の形成の直前にも微小回転が行われている。この例では、長辺側で直線部を傾斜させることによって渦巻の内外に隣り合う直線部同士を上下に離間させているため、上記の伝熱管13の微小回転角度は7°程度となされているが、矢印E及びGでしめす屈曲部形成直前の微小回転角度は14°程度としている。
【0052】
また、上記のいずれの例においても、傾斜直線部14に内外に隣り合う第1の渦巻管部の直線部16と、傾斜直線部14との間に、平面視において伝熱管13の幅よりも大きな隙間が形成されるように、傾斜直線部14と第1の渦巻管部との接続部における屈曲部の形成を行うとともに、傾斜直線部14に内外に隣り合う第2の渦巻管部の直線部と、前記傾斜直線部とが、平面視において伝熱管の幅よりも小さな隙間で近接配置されるように前記第2の渦巻管部の直線部の直前の屈曲部の形成を行う。
【0053】
このようにして構成された竜巻状の第1〜第4の渦巻管部を垂直方向に圧縮すると、上下に隣接する渦巻管部の対応する直線部及び曲線部同士が上下に支え合いながら順次各渦巻管部が平面的に圧縮され、図1に示す渦巻多段型の熱交換器1が得られる。その後、結束バンド等の適宜の手段により再度垂直方向に展開しないように固定しておくことが好ましい。
【0054】
図16〜図18は本発明の第2実施形態に示す熱交換器1を示しており、上記第1実施形態と異なるところは、第1及び第2の渦巻管部により2段構成とされている点であり、その他の構成については同様であるので同符号を付して詳細説明を省略する。
【0055】
本発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、適宜設計変更することができる。例えば、伝熱管13としては、図20に示すように断面円形の第1伝熱管11の内部に断面星形乃至十字形の第2伝熱管12を埋め込み、これにより第1伝熱管の水路を確保しつつも該第2伝熱管12の外周端部が第1伝熱管11の内周面に接触させて一体化させることができる。また、図21に示すように、複数(図示例では4つ)の第2伝熱管12を第1伝熱管11内に埋め込んでもよい。
【0056】
また、本発明の熱交換器は、用途が限定されるものではなく、ヒートポンプの熱交換器やエアコンの熱交換器など、様々な用途に用いることができる。また、上記実施形態では4段構成と2段構成のみ例示したが6段構成や8段構成とすることもでき、また、渦巻の中央部に伝熱管の一端部が位置することが許容されるなら3段や5段構成とすることも可能である。3段以上の多段構成とする場合、上下に隣り合う少なくとも2つの渦巻管部が本発明の特徴を有していれば良い。
【符号の説明】
【0057】
1 熱交換器
13 伝熱管(結合伝熱管)
14 傾斜直線部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
直線部と所定の曲げ半径で略90°曲がる屈曲部とを交互に繰り返す平面視方形状の平面的な渦巻状に伝熱管を曲げることにより構成された第1及び第2の渦巻管部を備え、該第1及び第2の渦巻管部が垂直方向に積み重ねられており、各渦巻管部の内外に隣り合う直線部同士は伝熱管の幅よりも小さな隙間で近接配置され、第1及び第2の渦巻管部は平面視において逆方向の渦巻状に形成されるとともに、第1及び第2の渦巻管部の内周側端部が、平面視において方形状の隣り合うコーナー部に位置しており、これら第1及び第2の渦巻管部の内周側端部同士が垂直方向に傾斜する傾斜直線部により接続されており、第1及び第2の渦巻管部並びに傾斜直線部が、1本の伝熱管を連続曲げすることにより一体形成されている熱交換器において、
前記傾斜直線部に内外に隣り合う第1の渦巻管部の直線部と、前記傾斜直線部との間には、平面視において伝熱管の幅よりも大きな隙間が形成されているとともに、前記傾斜直線部に内外に隣り合う第2の渦巻管部の直線部と、前記傾斜直線部とは、平面視において伝熱管の幅よりも小さな隙間で近接配置されていることを特徴とする熱交換器。
【請求項2】
請求項1に記載の熱交換器において、前記傾斜直線部に内外に隣り合う第1の渦巻管部の直線部と、前記傾斜直線部との間の隙間は、伝熱管の幅に略等しいことを特徴とする熱交換器。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の熱交換器において、各渦巻管部は平面視長方形状であり、前記傾斜直線部は、平面視において長方形状の短辺側に配置されていることを特徴とする熱交換器。
【請求項4】
直線部と所定の曲げ半径で略90°曲がる屈曲部とを交互に繰り返す平面視方形状の平面的な渦巻状に伝熱管を曲げることにより構成された第1及び第2の渦巻管部を備え、該第1及び第2の渦巻管部が垂直方向に積み重ねられており、各渦巻管部の内外に隣り合う直線部同士は伝熱管の幅よりも小さな隙間で近接配置され、第1及び第2の渦巻管部は平面視において逆方向の渦巻状に形成されるとともに、第1及び第2の渦巻管部の内周側端部が、平面視において方形状の隣り合うコーナー部に位置しており、これら第1及び第2の渦巻管部の内周側端部同士が垂直方向に傾斜する傾斜直線部により接続されており、第1及び第2の渦巻管部並びに傾斜直線部が、1本の伝熱管を連続曲げすることにより一体形成されている熱交換器の製造方法であって、
第1の渦巻管部の外周側から内周側へ向かって屈曲部を順次形成していく際、並びに、第2の渦巻管部の内周側から外周側へ向かって屈曲部を順次形成していく際に、内外に隣り合う直線部同士が垂直方向に離間するようにし、これにより竜巻状に形成された第1及び第2の渦巻管部を垂直方向に圧縮することによって、各渦巻管部を平面的な渦巻状に構成して、各渦巻管部の内外に隣り合う直線部同士を近接配置させるとともに第1及び第2の直線部同士を上下に近接配置させることを特徴とする熱交換器の製造方法。
【請求項5】
請求項4に記載の熱交換器の製造方法において、屈曲部の形成は、直線的に供給される伝熱管を所定方向に曲げ加工することにより行われ、屈曲部を2回形成する毎に供給される伝熱管をその軸心回りに微小回転させることによって、内外に隣り合う直線部同士を垂直方向に離間させることを特徴とする熱交換器の製造方法。
【請求項6】
請求項5に記載の熱交換器の製造方法において、供給される伝熱管の微小回転は、傾斜直線部と第1の渦巻管部との接続部が位置するコーナー部並びにその対角のコーナー部に位置する屈曲部の形成の直前に行うことを特徴とする熱交換器の製造方法。
【請求項7】
請求項5に記載の熱交換器の製造方法において、供給される伝熱管の微小回転は、傾斜直線部と第2の渦巻管部との接続部が位置するコーナー部並びにその対角のコーナー部に位置する屈曲部の形成の直前に行うとともに、傾斜直線部と第1の渦巻管部との接続部における屈曲部の形成の直前にも行うことを特徴とする熱交換器の製造方法。
【請求項8】
請求項4〜7のいずれか1項に記載の熱交換器の製造方法において、前記傾斜直線部に内外に隣り合う第1の渦巻管部の直線部と、前記傾斜直線部との間に、平面視において伝熱管の幅よりも大きな隙間が形成されるように、傾斜直線部と第1の渦巻管部との接続部における屈曲部の形成を行うとともに、前記傾斜直線部に内外に隣り合う第2の渦巻管部の直線部と、前記傾斜直線部とが、平面視において伝熱管の幅よりも小さな隙間で近接配置されるように前記第2の渦巻管部の直線部の直前の屈曲部の形成を行うことを特徴とする熱交換器の製造方法。
【請求項9】
請求項4〜8のいずれか1項に記載の熱交換器の製造方法によって製造された熱交換器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【公開番号】特開2013−11404(P2013−11404A)
【公開日】平成25年1月17日(2013.1.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−144484(P2011−144484)
【出願日】平成23年6月29日(2011.6.29)
【出願人】(000004709)株式会社ノーリツ (1,293)
【Fターム(参考)】