説明

熱交換器用パイプの防錆方法及び熱交換器用パイプ並びに熱交換器の防錆方法及び熱交換器

【課題】外周面にめっき皮膜が形成されたU字状のパイプの開口端部にリターンベンドを何等のおそれなく溶接できる熱交換器用パイプの防錆方法を提供することを目的とする。
【解決手段】熱交換器に用いる金属製のU字状のパイプ10をめっき液16に浸漬して、パイプ10の外周面に防錆用のめっき皮膜を形成する際に、パイプ10の開口端部10aであって、前記熱交換器内で隣接するU字状のパイプと接続する金属製のリターンベンドの端部が溶接される溶接部分の外周面及びパイプ10の内周面をめっき液と接触しないように、めっき液16の液面からパイプ10の開口端部10aを突出させて、パイプ10をめっき液16に浸漬することを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は熱交換器用パイプの防錆方法及び熱交換器用パイプ並びに熱交換器の防錆方法及び熱交換器に関する。
【背景技術】
【0002】
熱交換器用パイプに外周面に防錆用のめっき皮膜を形成することは、例えば下記特許文献1及び特許文献2に提案されている。
特許文献1には、直線状の銅パイプの外面にすずめっきを施した後、ヘアピン曲げを行い、U字状のパイプとして熱交換器用に用いることによって、熱交換器用パイプの耐食性を向上できることが提案されている。
また、特許文献2には、熱交換器の通水管と吸熱フィンとをニッケルめっきを施した銅板を用いて形成した熱交換器、或いは熱交換器を組み立てた後にニッケルめっきを施すことによって、熱交換器の耐食性を向上できることが提案されている。
【特許文献1】特開平11−256358号公報
【特許文献2】特開2000−274831号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
前掲した特許文献1に記載されているすずめっきが施されたU字状の銅パイプ及び特許文献2に記載されているニッケルめっきが施された熱交換器では、その耐食性を向上できる。
ところで、熱交換器では、図5(a)に示す様に、多数本のパイプ100,100・・が多数枚のフィン102,102・・に固定されている。このパイプ100は、図5(b)に示す様に、U字状に形成されている。かかるU字状のパイプ100の開口部は、図5(c)に示す様に、隣接するU字状のパイプ100の開口部とリターンベンド104によって接続されている。このパイプ100,100とリターンベンド104との接続は、溶接によってなされている。
かかるパイプ100,100とリターンベンド104との溶接部分では、めっき皮膜が存在すると溶接強度等に影響を与えるおそれがある。
一方、直線状の銅パイプにめっきを施した後、ヘアピン曲げでU字状のパイプを形成する特許文献1のU字状のパイプでは、通常、リターンベンド104との溶接部分にも、めっき皮膜が形成されている。
【0004】
これに対し、熱交換器を組み立てた後にめっきを施す場合には、リターンベンド104とU字状のパイプ100との溶接部分にめっき皮膜が形成されていることを解消できる。
しかしながら、U字状のパイプ100,100・・がリターンベンド104,104・・によって接続されて形成された一本の曲折チューブ106の両開口端部は、曲折チューブ106への流体の給排管の端部と溶接される溶接部分となる。
このため、曲折チューブ106の両開口端部にめっき皮膜が形成されないようにする保護手段が何等記載されていない特許文献2に記載された熱交換器では、曲折チューブ106の両開口端部にもめっき皮膜が形成されているおそれがある。
また、U字状のパイプ100や一本の曲折チューブ106の内周面にめっき皮膜を形成しても無駄である。
そこで、本発明は、外周面にめっき皮膜が形成されたU字状のパイプの開口端部にリターンベンドを何等のおそれなく溶接でき、或いは複数本のU字状のパイプがリターンベンドによって接続されて形成され且つ外周面にめっき皮膜が形成された一本の曲折チューブの両開口端部に流体の給配管を何等のおそれなく溶接できる熱交換器用パイプの防錆方法及び熱交換器用パイプ並びに熱交換器の防錆方法及び熱交換器を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明者等は前記目的を達成すべく検討を重ねた結果、U字状のパイプ或いは複数本のU字状のパイプがリターンベンドによって接続されて形成された一本の曲折チューブを、その両開口端部にキャップを装着してめっき液に浸漬することによって、U字状のパイプ或いは曲折チューブの両開口端部にめっき皮膜を形成することなく外周面に容易にめっき皮膜を形成できることを見出し、本発明に到達した。
すなわち、本発明は、熱交換器に用いる金属製のU字状のパイプをめっき液に浸漬して、前記パイプの外周面に防錆用のめっき皮膜を形成する際に、前記パイプの開口端部であって、前記熱交換器内で隣接するU字状のパイプと接続する金属製のリターンベンドの端部が溶接される溶接部分の外周面及び前記パイプの内周面をめっき液と接触しないようにして、前記パイプをめっき液に浸漬することを特徴とする熱交換器用パイプの防錆処理方法である。
かかる本発明において、リターンベンドを溶接する溶接部分となるパイプの開口端部に、前記パイプの開口部を塞ぐ栓と前記溶接部分の外周面を覆うマスクとを被着すること、或いはリターンベンドを溶接する溶接部分となるパイプの開口端部に、前記パイプの開口部を塞ぎ且つ前記溶接部分の外周面を覆うキャップを被着することによって、U字状のパイプの両開口端部にめっき皮膜を形成することなく外周面のみに容易にめっき皮膜を形成できる。
更に、本発明は、熱交換器に用いられる金属製のU字状のパイプであって、前記熱交換器内で隣接するU字状のパイプ同士を接続する金属製のリターンベンドの端部が溶接される溶接部分となる前記パイプの開口端部の外周面及び前記パイプの内周面を除く前記パイプの外周面に、防錆用のめっき皮膜が形成されていることを特徴とする熱交換器用パイプでもある。
これらの本発明において、U字状のパイプを銅製とし、めっき皮膜としてニッケルめっき皮膜を形成することが好ましい。
【0006】
また、本発明は、熱交換器を構成する複数枚のフィンに挿通されて固着された複数本の金属製のU字状のパイプと、前記U字状のパイプの各開口端部に接続され、隣接するU字状のパイプ同士を接続する金属製のリターンベンドとをめっき液に浸漬する際に、前記複数本のU字状のパイプがリターンベンドで接続されて形成された一本の曲折チューブの開口端部であって、前記曲折チューブへの流体の給排管の端部と溶接される溶接部分の外周面及び前記曲折チューブの内周面をめっき液に浸漬させないようにして、前記U字状のパイプ及びリターンベンドをめっき液に浸漬し、前記U字状のパイプ及びリターンベンドの各外周面に防錆用のめっき皮膜を形成することを特徴とする熱交換器の防錆方法にある。
かかる本発明において、給排管の端部と溶接する溶接部分となる曲折チューブの開口端部に、前記曲折チューブの開口部を塞ぐ栓と前記溶接部分の外周面を覆うマスクとを被着すること、或いは給排管の端部と溶接する溶接部分となる曲折チューブの開口端部に、前記曲折チューブの開口部を塞ぎ且つ前記溶接部分の外周面を覆うキャップを被着することによって、曲折チューブの両開口端部にめっき皮膜を形成することなく外周面のみに容易にめっき皮膜を形成できる。
更に、本発明は、複数枚のフィンに挿通されて固着された複数本の金属製のU字状のパイプが、金属製のリターンベンドによって接続されて形成された一本の曲折チューブの開口端部であって、前記曲折チューブへの流体の給排管の端部と溶接される溶接部分の外周面及び前記曲折チューブの内周面を除く前記曲折チューブの外周面に、防錆用のめっき皮膜が形成されていることを特徴とする熱交換器でもある。
これらの本発明において、U字状のパイプ及びリターンベンドを銅製とすると共に、フィンをアルミニウム製とし、めっき皮膜としてニッケルめっき皮膜を形成することによって、フィンにニッケルめっき皮膜を形成することなく曲折チューブの外周面のみにニッケルめっき皮膜を形成できる。
【発明の効果】
【0007】
本発明では、U字状のパイプの開口端部であって、リターンベンドの端部が溶接される溶接部分の外周面及びU字状のパイプの内周面をめっき液と接触しないようにして、U字状のパイプをめっき液に浸漬しているため、溶接部分となるU字状のパイプの開口端部の外周面及びU字状のパイプの内周面を除いて、U字状のパイプの外周面のみに防錆用のめっき皮膜を形成できる。
また、本発明では、複数本のU字状のパイプをリターンベンドで接続して形成した一本の曲折チューブの開口端部であって、曲折チューブへの流体の給排管の端部と溶接される溶接部分の外周面及び曲折チューブの内周面をめっき液に浸漬させないようにして、U字状のパイプ及びリターンベンドをめっき液に浸漬しているため、溶接部分となる曲折チューブの開口端部の外周面及び曲折チューブの内周面を除いて、曲折チューブの外周面のみに防錆用のめっき皮膜を形成できる。
その結果、外周面に防錆用のめっき皮膜を形成したU字状のパイプの開口端部とリターンベンドの端部とを、或いは曲折チューブの開口端部と給配管の端部とを溶接によって確実に接続できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
本発明に係る熱交換器用パイプの一例を図1(a)に示す。図1(a)に示す熱交換器用パイプは、銅製のU字状のパイプ10であって、後述する様に、リターンベンドの端部と溶接される溶接部分となる開口端部10a,10aを除くパイプ10の外周面に防錆用のめっき皮膜が形成されている。
かかるU字状のパイプ10の開口端部10a近傍の拡大部分断面図を図1(b)に示す。図1(b)に示す様に、めっき皮膜12は、パイプ10の開口端部10aの外周面及びパイプ10の内壁面を除いたパイプ10の外周面のみに形成されている。パイプ10の開口端部10aの外周面に、めっき皮膜12が形成されると、リターンベンドの端部とパイプ10の開口端部10aとを溶接する際に、パイプ10の開口端部10aの外周面にめっき皮膜12が形成されていると、溶接強度等に影響を与えるおそれがある。
また、パイプ10の内周面にめっき皮膜12を形成しても、パイプ10の耐食性向上には何等寄与せず無駄である。
かかるめっき皮膜12は、ニッケル、亜鉛、すず、金、銀等から成る金属めっき皮膜であって、ニッケルめっき皮膜が好適である。このめっき皮膜12の膜厚は、6〜7μmで且つ膜厚バラツキが3〜10μmの範囲内であることが好ましい。
ここで、めっき皮膜12の膜厚が6μm未満の場合は、防錆性能が不足する傾向にあり、めっき皮膜12の膜厚が7μmを超える場合は、防錆性能が飽和に達する傾向にある。
【0009】
図1に示すU字状のパイプ10の外周面にめっき皮膜12を形成するには、パイプ10のめっき皮膜12を形成する箇所をめっき液に浸漬してめっきを施すことが簡単である。このめっきは、無電解めっきであっても電解めっきであってもよいが、無電解めっきがめっき設備を簡単化でき好ましい。
図1に示すU字状のパイプ10の所定の外周面にめっき皮膜12を形成する際には、図2に示す様に、めっき槽14に貯留されためっき液16中にパイプ10の所定部分を浸漬してめっきを施す。
この際に、めっき液16の液面からパイプ10の開口端部10aを突出し、めっき液16のパイプ10内への侵入を防止すると共に、開口端部10aの外周面とめっき液16との接触も防止できる。
この様に、めっき液16のパイプ10内への侵入を防止すると共に、開口端部10aの外周面とめっき液16との接触も防止して、パイプ10にめっきを施すことによって、めっき皮膜12を、パイプ10の開口端部10aの外周面及びパイプ10の内壁面を除いたパイプ10の外周面のみに形成できる。
【0010】
但し、図2に示す様に、パイプ10の開口端部10aがめっき液16の液面から常に突出するように、パイプ10の先端をめっき液16の液面から高さhに調整することは困難である。つまり、パイプ10の先端のめっき液16の液面からの高さが、高さhよりも多少でも低くなった場合には、パイプ10の開口端部10aに部分的にめっき皮膜12が形成される。他方、パイプ10の先端のめっき液16の液面からの高さが、高さhよりも多少でも高くなった場合には、めっき皮膜12を形成すべき箇所に部分的にめっき皮膜12を形成できない箇所ができる。特に、めっき液16を攪拌する場合には、めっき液16の液面が変動して、パイプ10の先端をめっき液16の液面から高さhだけ常に突出させることは至難のことである。
この点、図3(a)に示す様に、パイプ10の開口端部10aに、パイプ10の開口部を塞ぐ栓18と開口端部10aの外周面を覆うリング状のマスク20とを被着することによって、パイプ10の所定箇所に確実にめっき皮膜12を形成できるように、めっき液16にパイプ10の開口端部10aの一部に相当する箇所まで浸漬しても、パイプ10の開口端部10aの外周面及びパイプ10の内壁面を除いたパイプ10の外周面のみにめっき皮膜12を形成できる。
また、図3(b)(c)に示す様に、パイプ10の開口端部10aに、パイプ10の開口部を塞ぎ且つ開口端部10aの外周面を覆うキャップ22,24を被着してもよい。
図3(b)に示すキャップ22は、開口端部10aの外周面を覆うリング状部22aと、リング状部22aとの境界部にパイプ10の端面に当接して位置決めするリング状突起部22bとを具備している。キャップ22をパイプ10の開口端部10aに装着する際に、キャップ22を、リング状突起部22bがパイプ10の端面に当接するまで押し込むことによって、開口端部10aをリング状部22aによって確実に覆うことができる。
図3(c)に示すキャップ24は、開口端部10aの外周面を覆うリング状部24aと球状部24bとを具備しており、パイプ10の開口端部10aへの着脱を容易に行うことができる。
【0011】
この様にして得られた図1に示すU字状のパイプ10を用いて図4に示す熱交換器30が組み立てられる。組み立てられた熱交換器30には、図4に示す様に、複数本のU字状のパイプ10,10・・が複数枚のフィン28,28・・に挿入されて固着され、パイプ10,10・・の各開口端部10aにリターンベンド26の端部が溶接されて一本の曲折チューブ32が形成される。
この様に組み立てられた熱交換器30では、リターンベンド26及びパイプ10の溶接部(開口端部10a)には、防錆用のめっき皮膜12が形成されていない。このため、リターンベンド26及びパイプ10の溶接部(開口端部10a)に錆が発生するおそれがある。
この点、外周面に何等のめっき皮膜が形成されていないU字状のパイプ10を用いて熱交換器30を組み立てた後、図4に示す様に、熱交換器30の全体をめっき液16に浸漬してパイプ10及びリターンベンド26の外周面にめっき皮膜12を形成することによって、リターンベンド26及びパイプ10の溶接部(開口端部10a)に錆が発生するおそれを解消できる。
また、フィン28,28・・の外周面にもめっき皮膜を形成できる場合には、フィン28,28・・の錆発生を防止できる。
【0012】
但し、図4に示す様に、熱交換器30の全体をめっき液16に浸漬する場合にも、図4に示す様に、曲折チューブ32の開口端部32a,32aをめっき液16の液面よりも突出して、曲折チューブ32への流体の給排管の端部と溶接される溶接部分の外周面及び曲折チューブ32の内周面をめっき液に浸漬させないようにする。曲折チューブ32の開口端部32a,32aの外周面及び曲折チューブ32の内周面へのめっき皮膜12の形成を防止するためである。
図4に示す熱交換器30の全体をめっき液16に浸漬する場合でも、曲折チューブ32の開口端部32a,32aに、図3(a)に示す栓18とリング状のマスク20とを被着してもよく、図3(b)(c)に示す様に、曲折チューブ32の開口端部32aに、曲折チューブ32の開口部を塞ぎ且つ開口端部32aの外周面を覆うキャップ22,24を被着してもよい。
尚、栓18とリング状のマスク20、キャップ22,24については、図3において説明しており、ここでの詳細は省略する。
【0013】
かかる図4に示す熱交換器30では、銅製のチューブ10及びリターンベンド26を用いると共に、アルミニウム製のフィン28を用いることによって、熱交換器30を軽量化できる。
但し、めっき皮膜12は、銅製のチューブ10及びリターンベンド26の外周面には形成できるが、アルミニウム製のフィン28の表面には形成できない。この場合でも、アルミニウム製のフィン28は、銅製のチューブ10及びリターンベンド26よりも防錆製に優れているので、防錆の観点からは問題ない。
この様に、熱交換器30の全体をめっき液16に浸漬してめっき皮膜12を形成する場合でも、めっき皮膜12としては、ニッケル、亜鉛、すず、金、銀等から成る金属めっき皮膜であって、ニッケルめっき皮膜が好適である。このめっき皮膜12の膜厚は、6〜7μmで且つ膜厚バラツキが3〜10μmの範囲内であることが好ましい。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本発明に係る熱交換器用パイプの一例を説明する正面図及びその部分拡大図である。
【図2】図1に示す熱交換器用パイプの防錆方法を説明する説明図である。
【図3】めっき液に浸漬するU字状のパイプの開口先端部に被着する被着部を説明する部分断面図である。
【図4】本発明に係る熱交換器の防錆処理方法の一例を説明する説明図である。
【図5】従来の熱交換器、熱交換器用パイプ及び熱交換器用パイプに装着したリターンベンドを説明する説明図である。
【図6】従来の熱交換器の他の例を説明する正面図である。
【符号の説明】
【0015】
10 U字状のパイプ
10a 開口端部
12 めっき皮膜
14 めっき槽
16 めっき液
18 栓
20 マスク
22,24 キャップ
26 リターンベンド
28 フィン
30 熱交換器
32 曲折チューブ
32a 開口端部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
熱交換器に用いる金属製のU字状のパイプをめっき液に浸漬して、前記パイプの外周面に防錆用のめっき皮膜を形成する際に、
前記パイプの開口端部であって、前記熱交換器内で隣接するU字状のパイプと接続する金属製のリターンベンドの端部が溶接される溶接部分の外周面及び前記パイプの内周面をめっき液と接触しないようにして、前記パイプをめっき液に浸漬することを特徴とする熱交換器用パイプの防錆処理方法。
【請求項2】
リターンベンドを溶接する溶接部分となるパイプの開口端部に、前記パイプの開口部を塞ぐ栓と前記溶接部分の外周面を覆うマスクとを被着する請求項1記載の熱交換器用パイプの防錆処理方法。
【請求項3】
リターンベンドを溶接する溶接部分となるパイプの開口端部に、前記パイプの開口部を塞ぎ且つ前記溶接部分の外周面を覆うキャップを被着する請求項1記載の熱交換器用パイプの防錆処理方法。
【請求項4】
U字状のパイプを銅製とし、めっき皮膜としてニッケルめっき皮膜を形成する請求項1〜3のいずれか一項記載の熱交換器用パイプの防錆処理方法。
【請求項5】
熱交換器に用いられる金属製のU字状のパイプであって、前記熱交換器内で隣接するU字状のパイプ同士を接続する金属製のリターンベンドの端部が溶接される溶接部分となる前記パイプの開口端部の外周面及び前記パイプの内周面を除く前記パイプの外周面に、防錆用のめっき皮膜が形成されていることを特徴とする熱交換器用パイプ。
【請求項6】
U字状のパイプが銅製であって、めっき皮膜がニッケルめっき皮膜である請求項1〜5項記載の熱交換器用パイプ。
【請求項7】
熱交換器を構成する複数枚のフィンに挿通されて固着された複数本の金属製のU字状のパイプと、前記U字状のパイプの各開口端部に接続され、隣接するU字状のパイプ同士を接続する金属製のリターンベンドとをめっき液に浸漬する際に、
前記複数本のU字状のパイプがリターンベンドで接続されて形成された一本の曲折チューブの開口端部であって、前記曲折チューブへの流体の給排管の端部と溶接される溶接部分の外周面及び前記曲折チューブの内周面をめっき液に浸漬させないようにして、前記U字状のパイプ及びリターンベンドをめっき液に浸漬し、前記U字状のパイプ及びリターンベンドの各外周面に防錆用のめっき皮膜を形成することを特徴とする熱交換器の防錆方法。
【請求項8】
給排管の端部と溶接する溶接部分となる曲折チューブの開口端部に、前記曲折チューブの開口部を塞ぐ栓と前記溶接部分の外周面を覆うマスクとを被着する請求項7記載の熱交換器の防錆処理方法。
【請求項9】
給排管の端部と溶接する溶接部分となる曲折チューブの開口端部に、前記曲折チューブの開口部を塞ぎ且つ前記溶接部分の外周面を覆うキャップを被着する請求項7記載の熱交換器の防錆処理方法。
【請求項10】
U字状のパイプ及びリターンベンドを銅製とすると共に、フィンをアルミニウム製とし、めっき皮膜としてニッケルめっき皮膜を形成する請求項7〜9のいずれか一項記載の熱交換器の防錆処理方法。
【請求項11】
複数枚のフィンに挿通されて固着された複数本の金属製のU字状のパイプが、金属製のリターンベンドによって接続されて形成された一本の曲折チューブの開口端部であって、前記曲折チューブへの流体の給排管の端部と溶接される溶接部分の外周面及び前記曲折チューブの内周面を除く前記曲折チューブの外周面に、防錆用のめっき皮膜が形成されていることを特徴とする熱交換器。
【請求項12】
U字状のパイプ及びリターンベンドが銅製であると共に、フィンがアルミニウム製であって、めっき皮膜がニッケルめっき皮膜である請求項11記載の熱交換器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2008−303457(P2008−303457A)
【公開日】平成20年12月18日(2008.12.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−154423(P2007−154423)
【出願日】平成19年6月11日(2007.6.11)
【出願人】(000103921)オリオン機械株式会社 (450)
【Fターム(参考)】