説明

熱交換器

【課題】熱交換器を小型化する。
【解決手段】基体13は、排気ガス導入口37に接続されると共に触媒ケース12が取付けられる第1の部材24と、この第1の部材24の下流側で第1の部材24に接合される第2の部材25とからなると共に、排気ガスの通路を兼ねる中空体である。
【効果】基体13は、第1の部材24と、この第1の部材24に接合される第2の部材25とからなり、排気ガスの通路を兼ねる中空体である。触媒担体11や筒体27,31を支持するための基体13を、排気ガスの通路としても用いる。基体13の周縁に別途排気ガスの通路を設ける必要がなくなり、熱交換器10を小型化することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、排気ガスの熱で水を温める熱交換器に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、コージェネレーション装置が各種提案されている(例えば、特許文献1(図1、図3)参照。)。
【0003】
特許文献の図1にコージェネレーション装置(10)(括弧付き数字は特許文献1記載の符号を示す。以下同じ。)が示されている。エンジン(12)で発電機(27)を作動し、電気エネルギーを得る。エンジン(12)で発生する排気ガスは熱交換器(14)へ送られる。熱交換器(14)送られる排気ガスの熱で水を加熱する。熱効率を高める上で、熱交換器(14)は重要な機器である。この熱交換器(14)の詳細を次図で説明する。
【0004】
特許文献1を次図に基づいて説明する。
図11に示すように、熱交換器100は、排気ガス導入管101が繋がれる基体102と、この基体102に支持され排気ガスを浄化する触媒担体103と、この触媒担体103を囲うと共に外周に向かって螺旋状に突出する突出部104が形成された筒体105と、この筒体105を囲い筒体105との間に排気ガスが流される第1のケース106と、この第1のケース106を囲い複数の排気ガス管107,107を支持すると共に排気ガス管107,107の周りに水が流される第2のケース108と、この第2のケース108にそれぞれ繋がれている排気ガス排出管111、水導入管112、水排出管113とからなる。
【0005】
排気ガス導入管101から導入された排気ガスは、触媒担体103で浄化される。浄化された排気ガスは、図面上側に向かって、筒体105と第1のケース106との間を流される。筒体105と第1のケース106との間を流れる排気ガスは、螺旋状に形成される突出部104にガイドされて螺旋状に流れる。筒体105と第1のケース106との間を流れ、基体102の下面に達した排気ガスは、排気ガス管107,107を通って図面下側に向かって流れる。排気ガス管107,107を通過した排気ガスは、排気ガス排出管111から排出される。
【0006】
一方、水導入管112から導入された水は、図面上に向かって第2のケース108内を流れる。水も排気ガスと同様、第2のケース108内を螺旋状に流れる。
第2のケース108内を流れる水は、第1のケース106及び排気ガス管107,107を介して、排気ガスによって温められる。温められた水は、水排出管113から排出される。
【0007】
ところで、この熱交換器100によれば、基体102の下面と、筒体105の上端と、触媒担体103を支持する触媒支持部材115とで囲われた断面視略三角形のスペース116が存在する。このスペース116は、排気ガスや水が流されず、熱交換に寄与しないデッドスペースである。デッドスペースが存在することで、熱交換器100が大型化する。
【0008】
コージェネレーション装置の小型化が望まれる中、その構成要素である熱交換器も一層の小型化が求められる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】特開2011−21562公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本発明は、コージェネレーション装置に好適な小型の熱交換器の提供を課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
請求項1に係る発明は、排気ガスを導入する排気ガス導入口が繋げられる基体と、この基体に支持されると共に触媒担体を保持する触媒ケースと、この触媒ケースを囲うと共に触媒ケースとの間で触媒担体を通過した排気ガスを流す第1筒体と、この第1筒体を囲い第1筒体との間で水が流される第2筒体とからなる熱交換器において、基体は、導入口に接続されると共に触媒ケースが取付けられる第1の部材と、この第1の部材の下流側で第1の部材に接合される第2の部材とからなると共に、排気ガスの通路を兼ねる中空体であり、第2の部材は、触媒担体で浄化された排気ガスを排出する排気ガス排出口を有していることを特徴とする。
【0012】
請求項2に係る発明では、第2の部材は、第1筒体の端部から一体的に形成されると共に、第2の部材の下面に第2筒体が取り付けられていることを特徴とする。
【0013】
請求項3に係る発明では、第2の部材は、第2筒体の端部から一体的に形成され、第1筒体は、第2筒体に向かって延びる鍔部が形成され、この鍔部を第2筒体の内周面に接合させて支持されていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0014】
請求項1に係る発明では、基体は、第1の部材と、この第1の部材に接合される第2の部材とからなり、排気ガスの通路を兼ねる中空体である。触媒担体や筒体を支持するための基体を、排気ガスの通路としても用いる。基体の周縁に別途排気ガスの通路を設ける必要がなくなり、熱交換器を小型化することができる。
【0015】
請求項2に係る発明では、第2の部材は、第1筒体の端部から一体的に形成される。第2の部材と第1筒体とを一体的に形成することで、部品点数を削減することができると共に、組み立て工数を削減することができる。
【0016】
請求項3に係る発明では、第2の部材は、第2筒体の端部から一体的に形成される。第2の部材と第2筒体とを一体的に形成することで、部品点数を削減することができると共に、組み立て工数を削減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】実施例1に係る熱交換器の断面図である。
【図2】本発明に係る熱交換器の斜視図である。
【図3】基体及び第1ケースの分解斜視図である。
【図4】第1筒体の展開図である。
【図5】図1の5−5線断面図である。
【図6】排気ガスが導入されてから触媒担体を通過するまでを説明する図である。
【図7】浄化された排気ガスの流れ及び水の流れを説明する図である。
【図8】実施例2に係る熱交換器の断面図である。
【図9】実施例3に係る熱交換器の断面図である。
【図10】実施例4に係る排気ガス通路及び水通路の断面図である。
【図11】従来の技術の基本構成を説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
本発明の実施の形態を添付図に基づいて以下に説明する。なお、図面は符号の向きに見るものとする。
【実施例1】
【0019】
先ず、本発明の実施例1を図面に基づいて説明する。
図1に示されるように、熱交換器10は、排気ガスを浄化する円筒状の触媒担体11と、この触媒担体11を囲うと共に保持する触媒ケース12と、この触媒ケース12が支持される基体13と、この基体13に支持され触媒ケース12を囲う第1のケース15と、この第1のケース15を囲うと共に基体13に支持される第2のケース16と、この第2のケース16の下端部近傍の側面に接合され水を第2のケース16内に導入する水導入管17と、この水導入管17の上方で第2のケース16に接合され水を排出する水排出管18と、基体13の下面に接合され基体13内を通過した排気ガスを排出する排気ガス排出管21とからなる。基体13の上端には、他の部材に締結するためのフランジ22が接合されている。
【0020】
基体13は、触媒ケース12が下面に接合されている第1の部材24と、この第1の部材24に接合される第2の部材25とからなる。基体13は、これらの第1の部材24と第2の部材25とを重ね合わせることで中空状に形成されている。
【0021】
第2の部材25に接合されている第1のケース15は、触媒ケース12を囲う円筒形状の第1筒体27と、この第1筒体27の下端部に接合され触媒担体11の下端部を被う第1底部28とからなる。プレス成形により成形された鋼製の第1筒体27及び第1底部28を溶接することで、第1のケース15を製造することができる。
【0022】
第2のケース16は、第1筒体27を囲う略円筒状の第2筒体31と、この第2筒体31の下端に接合され第1底部28を被う第2底部32とからなる。
【0023】
第1の部材24は、底34と、この底34の周縁から第2の部材25に向かって延びる壁部35とからなる。底34に形成されている開口から、排気ガスの導入側(図面上側)に向かって縮径し、断面視テーパ状に形成されるテーパ部36が形成される。テーパ部36の先端には、排気ガスを導入すると共にフランジ22が取り付けられる排気ガス導入口37が形成される。これらのテーパ部36及び排気ガス導入口37が、第1の部材24に一体的に形成されている。
【0024】
即ち、排気ガスを導入する排気ガス導入口37と、この排気ガス導入口37の下流側から連続的に拡径し、排気ガスを触媒担体11に向かって円滑に流すテーパ部36とが、基体13に一体的に形成されている。一体的に形成することで、熱交換器10の部品点数を削減することができる。
【0025】
第2の部材25は、底41と、この底41の周縁から第1の部材24に向かって立ち上げられる壁部42と、基体13内を通過した排気ガスを排出する排気ガス排出口43とからなる。排気ガス排出口43に排気ガス排出管21が接合される。
【0026】
なお、第1の部材及び第2の部材は、共に底部及び壁部からなる構造の他、底部のみからなる部材に底部及び壁部からなる部材を重ね合わせる構造等も採用することができる。即ち、中空状になるものであれば、任意の形状を採用することができる。また、互いの壁部を外周方向に向かって延ばした上で溶接する等、容易に溶接するために適宜形状を変更することや、互いの壁部同士を突き合せて突き合せ溶接を行うこともできる。
【0027】
第1筒体27から触媒ケース12に向かって突出すると共に、先端が触媒ケース12に接触することで排気ガスの流路を規制する排気ガス規制部27aが形成されている。即ち、排気ガスは、この排気ガス規制部27aの形成されている部分を避けるようにして、蛇行して流れる。詳細は後述する。
第1底部28の略中央に、触媒担体11に向かって膨出する膨出部28aが形成されている。
【0028】
第2筒体31は、水導入管17が接続されると共に下端が第2底部32で塞がれる一般部31aと、この一般部31aから拡径し水排出管18が接合される拡径部31bとからなる。一般部31aに水導入管17が接合される水導入口31cが形成され、拡径部31bに水排出管18が接合される水排出口31dが形成されている。
【0029】
触媒担体11の中心軸45に対して、第2筒体31の一般部31aの中心軸46が、水排出口31dから離れる方向にずらされている。
一方、触媒担体11の中心軸45に対して、排気ガス導入口37、テーパ部36、第1筒体27の中心軸は一致している。理由は後述する。
第1の部材24及び第2の部材25の詳細について次図で説明する。
【0030】
図2に示すように、第1の部材24の底34は、第2筒体31の上部に沿って略円形状に形成される一般部34aと、この一般部34aから延び排気ガス排出口(図1、符号43)に被せられる延出部34bとからなる。
【0031】
第2の部材25の底41も同様である。即ち、第2筒体31に一般部41aが被せられ、この一般部41aから延出される延出部41bに排気ガス排出口が設けられると共に排気ガス排出管21が接合されている。排気ガス排出口を形成するのに必要な分だけ延出部41bを設ければよく、第2の部材25を楕円形とした場合等に比べ、コンパクトにすることができる。
第1筒体(図1、符号27)の詳細を次図で説明する。
【0032】
図3に示すように、第1筒体27に複数の排気ガス規制部27aが形成されている。円筒状の第1筒体27の一部に形成されることで、排気ガス規制部27aは、平面視で略C字状を呈する。これらの排気ガス規制部27aは、それぞれが同じ形状に形成されると共に、高さ方向で同じ高さに2箇所ずつ形成されている。同じ高さに形成された2つの排気ガス規制部27aを1段としたときに、このような排気ガス規制部27aが7段形成されている。
【0033】
なお、排気ガス規制部27aの段数は任意であるが、次図で説明するような配置のされ方であることが望ましい。第1筒体27について、さらに詳細に次図で説明する。
【0034】
図4は、第1筒体27を展開し内側から見た図であり、排気ガス規制部27aは、図面手前側に向かって突出している。同じ段(図面水平方向)の排気ガス規制部27a,27a間に形成され、排気ガスが通る規制部間通路27bの長さは、全てαである。
【0035】
同じ段に形成されている規制部間通路27b,27bの中点を、それぞれC1とする。2つの中点C1間の長さPは、第1筒体27の半周の長さに等しい。即ち、規制部間通路27bの中点C1と規制部間通路27bの中点C1とは、180°離して形成される。180°離して形成された排気ガス規制部27aは、第1筒体27の中心軸(図1、符号45)を挟んで対称に形成されている。
【0036】
規制部間通路27bの中点C1は、隣り合う段(図面上下方向)の排気ガス規制部27aの中点C2に高さ方向で一致する。即ち、隣り合う段の排気ガス規制部27aに対して、90°位相をずらして配置されている。
【0037】
排気ガス規制部27aの長さβ、排気ガス規制部27aの一端から規制部間通路27bの中点C1までの長さ(1/2)α、排気ガス規制部27aの他端から規制部間通路27bの中点C1までの長さ(1/2)αとした場合に、これらを足した長さ、β+(1/2)α・2=Pを1ピッチとする。この場合、1ピッチは180°であると共に、排気ガス規制部27aは、隣り合う段の排気ガス規制部27aに対して、90°位相をずらして配置されているといえる。
【0038】
1ピッチを120°とし、隣り合う排気ガス規制部に対して60°位相をずらす、1ピッチを90°とし、隣り合う排気ガス規制部に対して45°位相をずらすことも可能である。
排気ガスが通過する排気ガス通路と水が通過する水通路について、詳細を次図で説明する。
【0039】
図5に示すように、触媒担体11の中心軸45に、触媒ケース12、第1筒体27の中心軸が一致している。即ち、触媒担体11の中心軸45は、第1筒体27の中心軸45であるともいえる。
第2筒体31の一般部31aの中心軸46に対して、第1筒体27の中心軸45が、σ1だけ水排出管18(水排出口)側にずらされている。
即ち、相対的に見て、第1筒体27の中心軸45は、第2筒体31の中心軸46に対して、水排出口側に近付けて配置されている。
【0040】
排気ガスは、触媒担体11内を図面表から裏に向かって流れ、浄化された排気ガスが、触媒ケース12と第1筒体27との間の排気ガス通路を図面裏から表に向かって通過する。
【0041】
水は、第1筒体27と第2筒体31との間の水通路を、図面裏から表に向かって流れる。第1筒体27の中心軸45を水排出管18(水排出口)側に近付けて配置することで、第1筒体27と第2筒体31との間に形成される水通路は、水排出管18側で狭く(σ2)、水排出管18から離れた部位で広く形成される(σ3)。即ち、水排出口近傍で流路面積が狭く、水排出口から離れた部位で流路面積が広い。このように形成されている理由については、後述する。
熱交換器10の作用を次図以降で説明する。
【0042】
図6の矢印(1)で示すように、排気ガス導入口37から導入された排気ガスは、触媒担体11に向かって流れる。排気ガスは、矢印(2)で示すように、触媒担体11内を通過し、浄化される。浄化された排気ガスは、矢印(3)で示すように、触媒担体11の下端から触媒ケース12と第1筒体27との間に向かって流れる。
【0043】
第1底部28に膨出部28aが形成されていることで、排気ガスを触媒ケース12と第1筒体27との間に向かって円滑に流すことができる。即ち、膨出部28aは、排気ガスの流れを導くガイドの役割を果たす。
触媒担体11から出た後の作用について次図で説明する。
【0044】
図7に示すように、排気ガスは、排気ガス規制部27aを避けるようにして、蛇行しながら上に向かって流れる。蛇行し第1筒体27の上端から出た排気ガスは、基体13の内部を通過し、排気ガス排出口43及び排気ガス排出管21から外部へ排出される。
【0045】
白抜き矢印(5)で示すように、水導入管17及び水導入口31cから導入された水は、一部が白抜き矢印(6)で示されるように、水排出口31dに向かって水排出口31dまでの最短経路を通過する。導入された水の残部は、第1筒体27の外周を周り、白抜き矢印(7)で示すように、水排出口31dから離れた部位を上に向かって流れる。上に向かって流れた水は、白抜き矢印(8)で示すように、水排出口31d及び水排出管18から外に向かって流れる。第1筒体27を介して、排気ガスの熱が水に伝わる。即ち、水が温められる。
【0046】
基体13は、第1の部材24と、この第1の部材24に接合される第2の部材25とからなる、排気ガスの通路を兼ねる中空体である。触媒担体11や筒体27,31を支持するための基体13を、排気ガスの通路としても用いる。基体13の周縁に別途排気ガスの通路を設ける必要がなくなり、熱交換器10を小型化することができる。
【0047】
加えて、第1底部28に膨出部28aが形成されている。膨出部28aが形成されることで、噴流で流すことができ、また、水の流路面積を大きく取ることができる。水の流路面積を大きくすることで、水の流量を増やすことができる。水の流量が多いことで水温の急激な上昇を防ぎ、水が沸騰することを防ぐことができる。水の沸騰を防ぐことで、水を円滑に流し、効率よく熱交換を行うことができる。
【0048】
さらに、水排出口31d側の流路面積を狭く、水排出口31dから離れた部位の流路面積を広くした(併せて図5も参照)。水導入口31cから水排出口31dまでの最短距離を通過する流路の面積を狭めることで、最短距離を通過する水の流量を減少させる。一方、水排出口31dから遠く、水の流れにくい部位の流路面積を広げ、水の流量を増加させる。これにより、第1筒体27と第2筒体31との間の全周にわたってより均一に水を流すことができる。より均一に水を流すことで、水を円滑に流すことができ、熱交換の効率を高めることができる。
本発明の別実施例について次図以降で説明する。
【実施例2】
【0049】
次に、本発明の実施例2を図面に基づいて説明する。
図8は実施例2の熱交換器の断面構成を示し、上記図1に対応させて表している。
図8に示すように、熱交換器50は、基体51を構成する第2の部材52が、第1筒体53の上端から一体的に形成される。プレス成形により第2の部材52と第1筒体53とを一体的に形成し、プレス成形で排気ガス規制部27aを形成する。第2の部材52の下面には、第2筒体31が取り付けられている。
【0050】
第1筒体53の端部に第2の部材52を一体的に形成した場合も、本発明の効果を得ることができる。即ち、基体51を排気ガスの通路として用いるため、別途排気ガスの通路を設ける必要がなくなり、熱交換器50を小型化することができる。
【0051】
加えて、熱交換器50によれば、第2の部材52と第1筒体53とを一体的に形成することで、部品点数を削減することができると共に、組み立て工数を削減することができる。
他の別実施例について次図で説明する。
【実施例3】
【0052】
次に、本発明の実施例3を図面に基づいて説明する。
図9は実施例3の熱交換器の断面構成を示し、上記図1に対応させて表している。
図9に示すように、熱交換器60は、基体61を構成する第2の部材62が、第2筒体63の端部から一体的に形成されている。また、第1筒体27は、第2筒体63の水排出口63aに向かって延びる鍔部64が形成され、この鍔部64を第2筒体63の内周面に接合させて支持されている。
【0053】
第2筒体63の端部に第2の部材62を一体的に形成した場合も、本発明の効果を得ることができる。即ち、基体61を排気ガスの通路して用いるため、別途排気ガスの通路を設ける必要がなくなり、熱交換器60を小型化することができる。
【0054】
加えて、第2の部材62と第2筒体63とを一体的に形成することで、部品点数を削減することができると共に、組み立て工数を削減することができる。
さらに、鍔部64を水排出口63aに向かって延ばすことで、水が沸騰した場合であっても、鍔部64の下面に気泡が溜まることを防ぐことができる。気泡が溜まることを防ぎ、水を円滑に流すことができる。
他の別実施例について次図で説明する。
【実施例4】
【0055】
次に、本発明の実施例4を図面に基づいて説明する。
図10は実施例4の熱交換器の断面構成を示し、上記図5に対応させて表している。
熱交換器70は、触媒担体71の中心軸72に、第2筒体73の中心軸が一致している。加えて、第1筒体75の中心軸76は、触媒担体71の中心軸72からσ5水排出口31d側にずらされている。即ち、第2筒体73の中心軸72に対して、第1筒体75の中心軸76が、水排出口31d側にずらされている。
【0056】
水排出口31dと排気ガス排出口43とは、触媒担体71の中心軸72を基準に180°離して設けられている。
なお、排気ガス規制部(図1、符号27a)の形成は任意である。排気ガス規制部を形成する場合には、触媒ケース77と第1筒体75との距離が変化するのに合わせて、周方向で深さが変化する。
【0057】
触媒担体71及び第2筒体73に対して、第1筒体75を水排出口31d側にずらす。水排出口31d側にずらすことで、水排出口31d側の水の流路面積を狭く(σ6)、水排出口31dから離れた部位の流路面積を広くする(σ7)。水導入口から水排出口31dまでの最短距離を通過する流路の面積を狭めることで、最短距離を通過する水の流量を減少させる。一方、水排出口31dから遠く、水の流れにくい部位の流路面積を広げ、水の流量を増加させる。これにより、第1筒体75と第2筒体73との間の全周にわたってより均一に水を流すことができる。より均一に水を流すことで、水を円滑に流すことができ、熱交換の効率を高めることができる。
【0058】
さらに、水の排出口31dに対して、触媒担体71の中心軸72を挟んで排気ガス排出口43を設けることで、以下の効果を奏する。
【0059】
第1筒体75は、触媒担体71の中心軸72を基準にして、水排出口31d側にずらされる。即ち、第1筒体75を排気ガス排出口43から離れる方向にずらす。ずらすことで、触媒ケース77と第1筒体75との間に形成される排気ガスの流路面積を、排気ガス排出口43側で狭く(σ8)、排気ガス排出口43から離れた部位(図面左側)で広くすることができる(σ9)。排気ガス排出口43までの最短距離を通過する流路の面積を狭めることで、最短距離を通過する排気ガスの流量を減少させる。一方、排気ガス排出口43から遠く、排気ガスの流れにくい部位の流路面積を広げ、排気ガスの流量を増加させる。これにより、触媒ケース77と第1筒体75との間の全周にわたってより均一に排気ガスを流すことができる。より均一に排気ガスを流すことで、排気ガスを円滑に流すことができ、熱交換の効率を高めることができる。
【0060】
尚、本発明に係る熱交換器は、コージェネレーション装置や、その他の用途に適用することは差し支えない。また、本発明に係る熱交換器には、水に冷却水を用いることが望ましく、用途に応じて、最適な種類の媒体を用いることができる。
【産業上の利用可能性】
【0061】
本発明の熱交換器は、コージェネレーション装置に好適である。
【符号の説明】
【0062】
10,50,60,70…熱交換器、11,71…触媒担体、12,77…触媒ケース、13,51,61…基体、24…第1の部材、25,52,62…第2の部材、27,53,75…第1筒体、31,63,73…第2筒体、37…排気ガス導入口、43…排気ガス排出口、64…鍔部。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
排気ガスを導入する排気ガス導入口が繋げられる基体と、この基体に支持されると共に触媒担体を保持する触媒ケースと、この触媒ケースを囲うと共に前記触媒ケースとの間で前記触媒担体を通過した排気ガスを流す第1筒体と、この第1筒体を囲い前記第1筒体との間で水が流される第2筒体とからなる熱交換器において、
前記基体は、前記排気ガス導入口に接続されると共に前記触媒ケースが取付けられる第1の部材と、この第1の部材の下流側で前記第1の部材に接合される第2の部材とからなると共に、前記排気ガスの通路を兼ねる中空体であり、
前記第2の部材は、前記触媒担体で浄化された排気ガスを排出する排気ガス排出口を有していることを特徴とする熱交換器。
【請求項2】
前記第2の部材は、前記第1筒体の端部から一体的に形成されると共に、前記第2の部材の下面に前記第2筒体が取り付けられていることを特徴とする請求項1記載の熱交換器。
【請求項3】
前記第2の部材は、前記第2筒体の端部から一体的に形成され、
前記第1筒体は、前記第2筒体に向かって延びる鍔部が形成され、この鍔部を前記第2筒体の内周面に接合させて支持されていることを特徴とする請求項1記載の熱交換器。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate


【公開番号】特開2013−68374(P2013−68374A)
【公開日】平成25年4月18日(2013.4.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−208310(P2011−208310)
【出願日】平成23年9月25日(2011.9.25)
【出願人】(000138521)株式会社ユタカ技研 (134)
【Fターム(参考)】