説明

熱分解により製造された高純度の二酸化ケイ素

0.2μg/g未満の金属含量を有している熱分解により製造された高純度の二酸化ケイ素は、30ppb未満の金属含量を有している四塩化ケイ素を火炎加水分解を用いて反応させることにより製造される。前記二酸化ケイ素は、高均質性を示すゾル−ゲル法を用いる高純度ガラスの製造に利用されることができる。これは光ファイバー紡糸用の母材として使用されることができる成形された物品の製造に使用されることができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、熱分解により製造された高純度の二酸化ケイ素、その製造方法及びその使用に関する。
【0002】
シリカガラスは、多くの目的、例えば半導体の製造用のるつぼ、ボード及び石英管に有利に利用されることができる、それというのも、このシリカガラスを高い純度で製造することができたからである。さらに二酸化ケイ素ガラスは化学用のガラス装置又は光電セルに使用される。これは光を伝導する繊維の製造に使用されることができる。
【0003】
例えば、ケイ素アルコキシドを加水分解し、熱分解シリカを加水分解された溶液に添加し、該混合物をゲルにし、ゲルを乾燥させ、得られるドライゲルを焼結することにより、モノリスの形の二酸化ケイ素ガラスを製造することは公知である(US 4,681,615、US 4,801,318)。
【0004】
公知の熱分解により製造された二酸化ケイ素は、公知方法において利用されることができる。
【0005】
公知の熱分解シリカは、ガラスの特に過酷な純度要求にとって多すぎる外来元素を依然として含有しているという欠点を有する。
【0006】
本発明は、9ppm未満の金属含量により特徴付けられる熱分解により製造された高純度の二酸化ケイ素を提供する。
【0007】
本発明の好ましい実施態様において、熱分解により製造された高純度の二酸化ケイ素は、次の金属含量により特徴付けられることができる:
【0008】
【化1】

【0009】
全金属含量は、3252ppb(3.2ppmに漸近的に同じ(〜3.2ppm))又は未満でありうる。
【0010】
さらに好ましい本発明の実施態様において、熱分解により製造された高純度の二酸化ケイ素は、次の金属含量により特徴付けられることができる:
【0011】
【化2】

【0012】
全金属含量は、1033ppb(1.03ppmに漸近的に同じ(〜1.03ppm))又は未満でありうる。
【0013】
本発明はまた、四塩化ケイ素を、公知方法で火炎中で高温加水分解を用いて反応させて二酸化ケイ素を得、かつ30ppb未満の金属含量を有する四塩化ケイ素をここで使用することにより特徴付けられる、熱分解により製造された高純度の二酸化ケイ素の製造方法を提供する。
【0014】
本発明の好ましい実施態様において、四塩化ケイ素は、四塩化ケイ素に加えて次の金属含量を有するものが使用されることができる:
Al 1ppb未満
B 3ppb未満
Ca 5ppb未満
Co 0.1ppb未満
Cr 0.2ppb未満
Cu 0.1ppb未満
Fe 0.5ppb未満
K 1ppb未満
Mg 1ppb未満
Mn 0.1ppb未満
Mo 0.2ppb未満
Na 1ppb未満
Ni 0.2ppb未満
Ti 0.5ppb未満
Zn 1ppb未満
Zr 0.5ppb未満。
【0015】
この低い金属含量を有している四塩化ケイ素は、DE 100 30 251によってか又はDE 100 30 252によって製造されることができる。
【0016】
水素及び酸素を有する混合物中で反応される四塩化ケイ素から出発している、熱分解二酸化ケイ素の主要な製造方法は、Ullmanns Enzyklopaedie der technischen Chemie, 第4版, 21巻, 464頁以降(1982)から公知である。
【0017】
本発明による二酸化ケイ素の金属含量は、ppm範囲以内及び未満(ppb範囲)である。
【0018】
本発明による熱分解により製造された二酸化ケイ素は、極めて多種多様なガラス製造法、例えば、ゾル−ゲル法において利用されることができる。そのようなゾル−ゲル法はUS 4,681,615及びUS 4,801,318から公知である。
【0019】
本発明による熱分解により製造された二酸化ケイ素は有利には、卓越した光学的性質を有する特殊ガラスの製造に適している。本発明による二酸化ケイ素を用いて製造されたガラスは、低い(low)UVスペクトルにおいて特に低い吸着を有する。
【0020】
さらに本発明においては、ゾル−ゲル手順を通じて製造された高度に均質なSiOガラスに関する。
【0021】
ゾル−ゲルという用語は、作業詳細又は試薬に関する限り異なる場合でさえ、次の共通の操作により特徴付けられる多種多様な方法を定義する:
・最終的なガラス質品を構成すべきである酸化物の元素(M)の化合物により形成された前駆物質の、溶液又は懸濁液の製造;
・溶液又は懸濁液の内部での、酸又は塩基触媒される、前駆物質の加水分解、反応
MX + nHO → M(OH) + nHX
[ここで、Xは一般的にアルコール残基であり、かつnは元素Mの原子価を意味し;アルコキシドM(OR)は元素Mの可溶性塩、例えば塩化物又は硝酸塩により置換されることができる]によってM−OH基及び9ppm未満の金属含量により特徴付けられる熱分解により製造された高純度の二酸化ケイ素が形成される。得られる混合物、すなわち溶液又はコロイド懸濁液はゾルと呼ばれる;
・溶液組成及び温度に応じて、数秒ないし数日の時間を必要とする、反応
M−OH + M−OH → M−O−M + H
によるM−OH基の重縮合;この工程の間に、その場その場でアルコゲル(alcohogel)、ヒドロゲル又はより一般的に、ゲルと呼ばれるマトリックスが形成される;
・多孔質モノリシック体の形成までのゲル乾燥;この工程の間に溶剤は、いわゆるキセロゲルを決定する単純な制御された蒸発を通じて、又はいわゆるエーロゲルを決定するオートクレーブ中での抽出を通じて除去され;得られた該モノリシック体は同じ組成を有する酸化物の理論密度の10%〜約50%の見掛け密度を有していてよい多孔質ガラスであり;乾燥されたゲルはそれ自体として工業的に使用されることができる;
・ゲル化学組成及び前の工程のプロセスパラメーターに応じて、一般的に800℃〜1500℃の範囲内の、温度での処理による乾燥されたゲルの緻密化(densification);この工程の間に該多孔質ゲルは、約50%に等しい線形収縮を有し、理論密度を有するガラス質又はセラミックのコンパクトな酸化物を得るまで、制御された雰囲気下で緻密になっていく。
【0022】
最終的な緻密化は、良好な一般的特性を有するが、しかしながら任意の被ったひずみなしでの透過光波面により材料が交差されることができるような任意の光学的な均質性を有しない、ガラス質生成物が得られることができる。
【0023】
本出願人は、制御された雰囲気下で適している処理が緻密化段階の間に実施される場合には、条痕(streak)及び縞(strip)を有しない最終的なガラス質の生成物が得られ、その際に該生成物がそれゆえにほぼ全体の均質性により特徴付けられることを見出した。
【0024】
故に、本発明の対象は、とりわけ次の特異的な性質により特徴付けられるシリカガラスである:
・85%よりも高い、185nm〜193nmの波長における光内部透過率
・99.5%よりも高い、193nm〜2600nmの波長における光内部透過率
・99%よりも高い、2600nm〜2730nmの波長における光内部透過率
・85%よりも高い、2730nm〜3200nmの波長における光内部透過率
・条痕なし、規則DIN ISO 10110-4によるクラス4又はより良好な材料
・縞なし
・シャドーグラフィーにおける信号なし(シャドー又は強度変化なし)
その際にそのようなシリカガラスは、9ppm未満の金属含量により特徴付けられる、熱分解により製造された高純度の二酸化ケイ素を用いるゾル−ゲル法により製造され、その際に、処理が水痕跡を含有している雰囲気を用いて実施され、その間に緻密化は達成される。
【0025】
本発明のさらなる主題として、特別な形状により特徴付けられ、それ自体として又は適当に添加された酸化ケイ素により構成され、かつゾル−ゲル手順を通じて室温で成形することにより得られる、物品に関する。特に本発明は、ゾル−ゲル手順の経路内で使用される適している型を用いて得られ、かつ目的とされる最終的な使用に基づいて選択される形状を有している物品に関するものであり、その際にそのような形状は、該物品を、多くの分野において利用されることを可能にし:特に興味深いのは、光ファイバー紡糸にふさわしい母材の製造である。
【0026】
前記のゾル−ゲル−経路により、ゾルを適している型上に流し込むことによる興味深い材料のモノリス、又はゾルを適している基体上に流し込むことによるフィルム、又は光ファイバーの母材の製造を可能にする。
【0027】
これらの中の後者に特に関連して、電気通信分野において主に使用されるようなファイバーが、中央部分、いわゆる“コア”により、及び一般的に“クラッド(mantle)”と呼ばれる、コアの周囲のコーティングにより構成されることは公知である。コアとクラッドとの屈折率の間の約0.1%〜1%の範囲内の差により、光がコア中に閉じこめられることができる。そのような屈折率の差は、コア及びクラッドの異なる化学組成を通じて得られる。
【0028】
多くの組合せが評価される場合でさえ、最も共通していることは、ガラス質のSiOクラッドにより包囲される、酸化ゲルマニウムによりドープされた酸化ケイ素(GeO−SiO)により形成されたガラス質のコアにより構成される。最も幅広く使用される光ファイバーは単一モードのタイプであり、その際に1つのみの許容される光路により特徴付けられる。そのようなファイバーは一般的に、4〜8μmの直径を有するコア及び125μmのクラッド外径を有する。
【0029】
ファイバーの品質を評価するための最も重要なパラメーターは、主に光吸収及び拡散機構のためであり、かつキロメートル当たりのデシベル(dB/Km)で測定される、関連した光学的フェードアウトである。
【0030】
当業者に公知であるように、UVフェードアウトは主に、ファイバーコア中に存在するカチオン(遷移金属カチオンとして)による吸収のためであり、それに対しIRフェードアウトは主に、ガラス中に存在しうる−OH基による吸収のためである。UVとIRとの間の中間波長を有する光のフェードアウトは主に、ガラス不均質性、ファイバー構造欠陥、例えばコア−クラッド接触表面中の欠陥、ファイバーのあわ又は亀裂(breaks)、又は製造プロセスの間にファイバーの内部に包み込まれる(inglobed)不純物による、屈折率のゆらぎにより引き起こされる拡散現象のためである。
【0031】
光ファイバーは、母材を約2200℃の温度にすることにより製造される。該母材は、最終的なファイバーのコア及びクラッドに相応する内部ロッド及び外部コートにより形成される、ファイバー製造における中間体である。コーティングとロッド直径との間の比は、最終的なファイバー中のクラッド及びコア直径の間の比に等しい。以下に、ロッド及びコアという言葉は、母材及び最終的なファイバーの内部部材に関してそれぞれ使用され、それに対しクラッドという言葉は、母材又はファイバーのいずれかの外部部材を示すために使用される。
【0032】
商業的に入手可能な光ファイバーのための母材のクラッドが、蒸気相からのベース化学的析出方法の改良法(“化学蒸着”又は頭文字略語“CVD”として十分公知である)により製造されることは公知である。CVDから誘導される全ての方法は、酸水素炎中での酸素(O)及び塩化ケイ素(SiCl)又は塩化ゲルマニウム(GeCl)を含んでなるガス状混合物を一般的に使用して、反応:
SiCl(g) + O(g) → SiO(s) + 2Cl(g) (I)
GeCl(g) + O(g) → GeO(s) + 2Cl(g) (II)
によりSiO及びGeOが製造される。
【0033】
それにより製造された酸化物は、粒子としてシリンダーキャリヤー上に析出されることができ、該キャリヤーはついで除去されるか又は、代替案として、シリカシリンダーキャリヤーの内部表面上に析出されることができ、該キャリヤーはついで加工されて最終的なファイバーのクラッドが形成される。
【0034】
CVDをベースとする方法は、0.2dB/Km最小フェードアウト(波長1.55μmを有する透過光について)を有する光ファイバーを製造するのに適しており、かつ該分野における技術水準である。
【0035】
これらの製造方法が、生じるファイバーの性能についてかなり満足のいく場合でさえ、収率は制限され、故に製造コストが増大する。
【0036】
また、ドライゲルの完全な緻密化を達成するための熱処理の間に、その化学的精製を実施することが可能であることは十分に公知である。そのような処理を通じて、ドライゲルの多孔性から、有機金属前駆物質(前に挙げたTMOS及びTEOSのような)、並びに水、ゲルネットワーク中でカチオンに結合されたヒドロキシル基、又は望ましくない金属原子のためにゲル中に存在することで引き起こされる有機不純物を除去するために、気相中で洗浄操作を実施するという利点を引き出すことができる。
【0037】
一般的に、有機不純物の除去は、酸化性雰囲気(酸素又は空気)をドライゲル中へ900℃より低い、特に350℃〜800℃の温度で流すことにより実施されるか焼を通じて得られる。
【0038】
水、ヒドロキシル基及び望ましくない金属の除去は、ゲル孔にCl、HCl又はCCl、場合により窒素又はヘリウムのような不活性ガスを有する混合物を約400℃〜800℃の温度で流すことにより実施される。
【0039】
最後の操作は、通常、ゲル孔から塩素又は塩素を含有しているガスを全体として除去するために、窒素、ヘリウム又はアルゴンのような不活性ガスを用いて実施される洗浄処理である。これらの処理の終わりに、ゲルは、900℃より高い、かつ通常1200℃より高い温度でヘリウム環境下で加熱することにより、相応するガラスに緻密化され、全体として緻密である(以下にそのような状態は、“理論密度”とも呼ばれる)。
【0040】
前記の処理は、ゲルを精製するのにかなり適しているので、生じるガラスは、(一般的に光学的又は機械的な部材をつくるために)主に使用されるのに適している。しかしながら、これらの処理が最終的なガラス中にガス状化合物の存在を引き起こすことが見出された。ファイバーを延伸するために1900〜2200℃の温度範囲内で該ガラスを加工する場合に、それらのガス状化合物の痕跡は、破壊開始点となる微視的なあわを生じさせ、故にファイバーを破壊し、かつ公知方法を光ファイバーを製造するのに適していないものにする。
【0041】
本発明は、前記の欠点を有しない光ファイバーを紡糸するのに適している母材の製造を可能にし、その際にそのようなファイバーは、CVD技術を用いて達成可能であるものに等しく、かつ時にはそれよりも高い特性を有する。さらに、本発明は、大まかな意味に従い、最終的な使用と関係して望ましい形状を有し、それ自体として又は適当に添加剤の添加された(additivated)、酸化ケイ素により構成され、かつ前記の光ファイバー母材を含んでなる物品、及びさらに、液体用安全コンテナ、化学実験室中で使用されるための透明な(及び透明でない)装置、容器及びより一般的に、室内装備品(furnishing)に取り付けられるガラス状製品の製造に関する。
【0042】
故に、本発明は、次の操作:
・ケイ素アルコキシドからか、又はケイ素アルコキシド及び少なくとも1つの付加的な元素の少なくとも1つの前駆物質から出発してゾルを製造し;
・それにより得られたゾルを加水分解し;
・本発明による、9ppm未満の金属含量により特徴付けられる熱分解により製造されたコロイド状の高純度の二酸化ケイ素を添加し;
・生じる混合物を所望の型上に流し込み;
・ゾルをゲル化し、かつ固体生成物を迅速に除去し;
・ゲルを乾燥させ;
・900℃〜1500℃の範囲内の温度での熱処理を用いてゲルを緻密化する
ことを含んでなる方法により室温で成形することにより製造される、それ自体として又は適当に添加剤の添加された(additivated)、酸化ケイ素により構成される特に成形された物品に関する。
【0043】
好ましいケイ素アルコキシドは、テトラメチルオルトシリケート及びテトラエチルオルトシリケートである。1つ又はそれ以上の添加剤が添加されるべきである場合には、該添加剤は最終的な目的に依存して当業者により選択され、その際に好ましいものは、周期表の第IIIa、IVa、Va、IIIb、IVb、Vb族の元素の中から選択される。型ですら、再び最終的な物品の目的とされる使用に依存して、当業者により選択される。本発明の例証となる例は、決して該例に限定するものではなく、図1に光ファイバー母材について、及び図2に一部の他の可能な使用について報告された断面図である。
【0044】
前記のゾル−ゲル手順において、まさに成形までの全ての操作が室温で実施され;ゲル乾燥は、超臨界又は亜臨界の条件下で実施されることができる。
【0045】
実施例
例1(比較例)
第1表による組成を有するSiCl 500kg/hを約90℃で蒸発させ、かつ公知の設計のバーナーの中央管中へ移送する。水素190Nm/h並びに酸素含量35体積%を有している空気326Nm/hをこの管中へ付加的に導入する。このガス混合物を点火し、かつ水冷バーナーの炎管中で燃焼させる。焼き付きを防止するために、水素15Nm/hを、中央ノズルを包囲するジャケットノズル中へ付加的に導入する。通常の組成の空気250Nm/hをさらに炎管中へ付加的に導入する。反応ガスを冷却した後に、熱分解二酸化ケイ素粉末を、フィルター及び/又はサイクロンを用いて塩酸含有ガスから分離する。付着した塩酸を除去するために、熱分解二酸化ケイ素粉末を脱酸ユニット中で水蒸気及び空気で処理する。金属含量は、第3表に再現されている。
【0046】
例2(実施態様例)
第2表による組成を有するSiCl 500kg/hを約90℃で蒸発させ、かつ公知の設計のバーナーの中央管中へ移送する。水素190Nm/h並びに酸素含量35体積%を有する空気326Nm/hをこの管中へ付加的に導入する。このガス混合物を点火し、かつ水冷バーナーの炎管中で燃焼させる。焼き付きを防止するために、水素15Nm/hを、中央ノズルを包囲するジャケットノズル中へ付加的に導入する。通常の組成の空気250Nm/hをさらに炎管中へ付加的に導入する。反応ガスを冷却した後に、熱分解二酸化ケイ素粉末を、フィルター及び/又はサイクロンを用いて塩酸含有ガスから分離する。付着する塩酸を除去するために、熱分解二酸化ケイ素粉末を脱酸ユニット中で水蒸気及び空気で処理される。
【0047】
金属含量は、第3表に再現されている。
【0048】
【表1】

【0049】
【表2】

【0050】
測定法
得られる熱分解により製造された二酸化ケイ素をそれらの金属含量について分析する。試料を、主にHFを含んでなる酸溶液中に溶解させる。
【0051】
SiOはHFと反応し、その際にSiF+HOを形成する。SiFは蒸発し、その際に測定されるべき金属が酸中に完全に残る。個々の試料を蒸留水で希釈し、かつPerkin Elmer Optima 3000 DV中で誘導結合高周波プラズマ−発光分光分析法(ICP-AES)により内標準に対して分析する。値の不正確さは、試料のばらつき、スペクトル干渉及び測定法の制限の結果である。より大きな元素は、±5%の相対的な不正確さを有し、それに対しより小さな元素は±15%の相対的な不正確さを有する。
【図面の簡単な説明】
【0052】
【図1】光ファイバー母材についての本願実施態様の一例として報告される断面図。
【図2】一部の他の可能な使用についての本願実施態様の一例として報告される断面図。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
9ppm未満の金属含量を特徴とする、熱分解により製造された高純度の二酸化ケイ素。
【請求項2】
次の金属含量:
【化1】

を特徴とする、請求項1記載の熱分解により製造された高純度の二酸化ケイ素。
【請求項3】
四塩化ケイ素を、公知方法で火炎中で高温加水分解を用いて反応させて二酸化ケイ素を得、かつ30ppb未満の金属含量を有する四塩化ケイ素をここで使用することを特徴とする、請求項1又は2記載の熱分解により製造された高純度の二酸化ケイ素の製造方法。
【請求項4】
四塩化ケイ素を、公知方法で火炎中で高温加水分解を用いて反応させて二酸化ケイ素を得、かつ次の金属含量:
Al 1ppb未満
B 3ppb未満
Ca 5ppb未満
Co 0.1ppb未満
Cr 0.2ppb未満
Cu 0.1ppb未満
Fe 0.5ppb未満
K 1ppb未満
Mg 1ppb未満
Mn 0.1ppb未満
Mo 0.2ppb未満
Na 1ppb未満
Ni 0.2ppb未満
Ti 0.5ppb未満
Zn 1ppb未満
Zr 0.5ppb未満
を有する四塩化ケイ素をここで使用する、請求項3記載の熱分解により製造された高純度の二酸化ケイ素の製造方法。
【請求項5】
ガラスの製造のための、請求項1記載の熱分解により製造された高純度の二酸化ケイ素の使用。
【請求項6】
ゾル−ゲル法を用いるガラスの製造のための、請求項5記載の熱分解により製造された高純度の二酸化ケイ素の使用。
【請求項7】
次の特異的な性質:
・85%よりも高い、185nm〜193nmの波長における光内部透過率
・99.5%よりも高い、193nm〜2600nmの波長における光内部透過率
・99%よりも高い、2600nm〜2730nmの波長における光内部透過率
・85%よりも高い、2730nm〜3200nmの波長における光内部透過率
・条痕なし、規則DIN ISO 10110-4によるクラス4又はより良好な材料
・縞なし
・シャドーグラフィーにおける信号なし(シャドー又は強度変化なし)
により特徴付けられるシリカガラスであって、その際にそのようなシリカガラスは、9ppm未満の金属含量により特徴付けられる、熱分解により製造された高純度の二酸化ケイ素を用いるゾル−ゲル法により製造されているシリカガラスであって、処理が、水痕跡を含有している雰囲気を用いて実施され、その間に緻密化が達成されることを特徴とする、シリカガラス。
【請求項8】
次の操作:
・ケイ素アルコキシドからか、又はケイ素アルコキシド及び少なくとも1つの付加的な元素の少なくとも1つの前駆物質から出発してゾルを製造し;
・それにより得られたゾルを加水分解し;
・本発明による、9ppm未満の金属含量により特徴付けられる熱分解により製造されたコロイド状の高純度の二酸化ケイ素を添加し;
・生じる混合物を所望の型中へ流し込み;
・ゾルをゲル化し、かつ固体生成物を迅速に除去し;
・ゲルを乾燥させ;
・900℃〜1500℃の範囲内の温度での熱処理を用いてゲルを緻密化する
ことを含んでなる方法により室温成形により製造される、それ自体として又は適当に添加剤の添加された、酸化ケイ素により構成される特に成形された物品。
【請求項9】
光ファイバー紡糸のための母材として使用されうる請求項8記載の物品。
【請求項10】
図1に報告されたものから選択される断面図を有している形状を特徴とする、請求項9記載の物品。
【請求項11】
図2に報告されたものから選択される形状を特徴とする、請求項10記載の物品。

【図1】
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【図2】
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【公表番号】特表2007−505808(P2007−505808A)
【公表日】平成19年3月15日(2007.3.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−526581(P2006−526581)
【出願日】平成16年9月16日(2004.9.16)
【国際出願番号】PCT/EP2004/010335
【国際公開番号】WO2005/026068
【国際公開日】平成17年3月24日(2005.3.24)
【出願人】(501073862)デグサ アクチエンゲゼルシャフト (837)
【氏名又は名称原語表記】Degussa AG
【住所又は居所原語表記】Bennigsenplatz 1, D−40474 Duesseldorf, Germany
【Fターム(参考)】