説明

熱分解装置

【課題】廃プラスチック、廃木材、生ゴミ、古紙、粘着性の汚泥等の廃棄物を効率よく焼却することができる熱分解装置を提供する。
【解決手段】本発明の熱分解装置は、廃棄物を熱分解する有底筒状の処理室と、処理室の底板に配置し、廃棄物に磁気を作用する磁気作用手段と、処理室の底板上で磁気作用手段の周囲に敷設する断熱材層Iと、処理室の側面に配置する空気導入管とを備える。磁気作用手段は、N極とS極とが鉛直方向を向くように配置する磁石と、磁石を被覆する断熱材層IIと、磁石により磁気誘導されるようにその磁石の上方にその磁石に近接して配置する常磁性の板状体とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、熱分解装置に関するものであり、特に酸素による燃焼効率の高い熱分解装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
廃棄物を焼却処理すると、廃棄物の燃焼によるダイオキシンの発生が大きな環境問題となる。ダイオキシンの発生を抑制する方法としては、廃棄物の高温処理が挙げられるが、廃プラスチックを含む産業廃棄物を焼却すると、焼却炉内が著しく高温となる。このため、耐熱性に優れた焼却炉が必要となり、かかる焼却炉の設置には多大な設備投資及び許認可手続が必要であることから、容易に設置できないという問題がある。また、廃棄物の高温処理には、石油及び電力が多量に必要であるため、運転コストが増大して、廃棄物処理を益々困難にしている。
【0003】
そこで、石油及び電力を多量に消費することなく、磁気により廃棄物を熱分解し、灰化する熱分解装置が提案されている。たとえば、特許文献1〜5には、処理室内に導入する空気の流通路を挟むように一対の磁石を配設することにより、導入する空気を磁化する技術が開示されている。処理室内に投入した廃棄物を発火し、熱処理を開始すると、処理室内の温度が上昇し、処理室内の底部から上方への空気の流れが生じる。このため、処理室の下部に配置した流通路から磁化された空気が吸引され、磁化により酸素濃度が高められた空気を廃棄物に供給することにより、熱分解を促進することができると記載されている。また、磁化によりマイナスイオンを発生し、ダイオキシンを構成するベンゼン環の生成を抑制するため、ダイオキシンが発生せず、低ランニングコストで廃棄物の熱分解が可能であると記載されている。
【0004】
空気を構成する主成分のうち、21体積%を占める酸素は常磁性であり、外部磁場の方向に磁化されて磁石に引き寄せられるが、78体積%を占める窒素は反磁性であり、外部磁場と反対方向に磁化され、N極であるか、S極であるかを問わず、磁石に対し反発する。しかし、空気導入管において外部磁場をかけた後、分離した酸素と窒素をそのまま混合して処理室内に導入する処理機構では、磁化された酸素を選択的に廃棄物に供給することができないため、処理効率が低くなるという問題がある。
【0005】
一方、特許文献6には、廃棄物を投入する容器状の処理室の側壁と、底部と、加圧板に磁気作用手段を備える熱分解装置が開示されている。処理室の側壁に設ける磁気作用手段は、処理室内に空気を導入する空気導入管と、空気導入管を挟むように設置した磁石からなり、磁化した空気を処理室に供給する。また、処理室の底部に設ける磁気作用手段は、処理室の底部に形成した空間に、磁化したセラミック灰を充填した構造を有し、加圧板に設ける磁気作用手段は、加圧板の内部に形成した空間に、磁化したセラミック灰を充填した構造を有する。充填するセラミック灰はいずれも、この熱分解装置により処理した後の残渣を利用する。
【0006】
処理室内に投入された廃棄物は、加圧板により圧縮されながら、300℃〜350℃で磁場振動により分解され、この装置によれば分解後の残渣が少なく、ランニングコストが低いと記載されている。しかし、300℃〜350℃の低温で磁場振動により熱分解する方法では、廃棄物の熱分解に長時間を要するため、処理効率が低いという問題がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2007−209843号公報
【特許文献2】特許第4486671号公報
【特許文献3】特許第4337128号公報
【特許文献4】特許第4008181号公報
【特許文献5】特許第4006427号公報
【特許文献6】特開2009−172464号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明の課題は、廃プラスチック、廃木材、生ゴミ、古紙、粘着性の汚泥等の廃棄物を効率よく焼却することができる熱分解装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の熱分解装置は、廃棄物を熱分解する有底筒状の処理室と、処理室の底板に配置し、廃棄物に磁気を作用する磁気作用手段と、処理室の底板上で磁気作用手段の周囲に敷設する断熱材層Iと、処理室の側面に配置する空気導入管とを備える。磁気作用手段は、N極とS極とが鉛直方向を向くように配置する磁石と、磁石を被覆する断熱材層IIと、磁石により磁気誘導されるように、その磁石の上方にその磁石に近接して配置する常磁性の板状体とを備える。
【0010】
磁気作用手段を複数配置し、磁気作用手段における常磁性の板状体が平面視破線状に配置する態様が好ましい。また、磁気作用手段は、処理室の底板に埋め込まれて配置する態様が好適である。磁石としては、ネオジム磁石またはサマリウムコバルト磁石を好ましく使用することができる。また、処理室は、側面と天井面の内壁が反磁性である態様が好適である。
【0011】
空気導入管は、空気導入管の側面のうち対向する2面の一方に配置する磁石と、空気導入管内に、空気の流れる方向と平行になるように配設し、磁石を配置した部位において、磁石側を通過する空気Aと、空気A以外の空気Bとに分離する仕切り板と、空気Aを処理室の下部に導入する導入管と、空気Bを処理室内の上部に導入する導入管とを備える態様が好ましい。
【0012】
他の好ましい態様として、空気導入管の側面のうち対向する2面の一方に磁石のN極を配置し、他方に磁石のS極を配置する。この空気導入管は、空気の流れる方向と平行になるように並列に配置し、磁石を配置した部位において、磁石側を通過する空気Cと空気Dと、空気Cと空気D以外の空気Eとに分離する2枚の仕切り板と、空気Cと空気Dを処理室の下部に導入する導入管と、空気Eを処理室内の上部に導入する導入管とを備える。
【0013】
空気導入管は、内壁が反磁性である態様が好ましい。また、空気導入管は、平板状の仕切り板に平行な内壁面を有する態様が好適である。空気導入管における磁石が、磁石を囲むヨークを有すると効果的である。
【0014】
熱分解装置は、処理室の側面に配置し、廃棄物に磁気を作用する磁気作用手段を備える態様が好ましい。処理室の側面に配置する磁気作用手段は、N極とS極とが水平方向を向くように配置する磁石と、磁石を被覆する断熱材層IIIと、断熱材層IIIと処理室の側面との間に配置する断熱材層IVと、磁石から処理室の内部に向かって断熱材層IVと処理室の側壁を貫通して配置する板状体であって、磁石により磁気誘導されるように磁石に近接して配置する常磁性の板状体とを備える態様が好適である。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、廃棄物が位置する処理室の底部に集中的に酸素が多量に供給されるため、廃棄物を効率よく燃焼させることができる。さらに、廃棄物の焼却に際して、重油等の燃料費を節減し、処理コストを低減することができる。また、ダイオキシンの発生を抑えることができ、設備コストの低廉な熱分解装置を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本発明の熱分解装置の断面図の1例である。
【図2】本発明の熱分解装置に配置する磁気作用手段を鉛直方向の平面で切断したときの断面図である。
【図3】空気導入管の好ましい実施形態の概念図である。
【図4】図3に示す空気導入管6のIV−IVにおける断面図であり、空気導入管6における磁石6gと仕切り板6hを配置した部位における断面図である。
【図5】空気導入管の好ましい他の実施形態の概念図である。
【図6】図5に示す空気導入管6のVI−VIにおける断面図であり、空気導入管6における磁石6gと仕切り板6hを配置した部位における断面図である。
【図7】本発明の熱分解装置の他の態様の断面図である。
【図8】本発明の熱分解装置の側面に配置する磁気作用手段を鉛直方向の平面で切断したときの断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
図1は、本発明の熱分解装置の断面図の1例であり、図1(a)は、鉛直方向の平面で切断したときの断面図である。図1(a)に示すように、本発明の熱分解装置は、廃棄物1を熱分解する有底筒状の処理室2を有し、処理室2の底板3に配置し、廃棄物1に磁気を作用する磁気作用手段4を備える。処理室2の底板3上には、磁気作用手段4の周囲に断熱材層I(図中、5と表示する。)を敷設し、処理室2の側面には空気導入管6を有する。図1(a)には、底板3が水平である例を示すが、傾斜する底板とすることもできる。
【0018】
図1(b)は、水平方向の平面で切断したときの断面図である。図1(b)に示す例では、処理室の底板3に、10個の磁気作用手段4を配置し、磁気作用手段4の周囲に断熱材層Iを敷設している。図1(b)では、廃棄物は表示していない。熱分解装置を運転するときは、上蓋7を開けて廃棄物1を処理室2に投入した後、種火により発火し、熱処理を開始する。処理室2の側面に配置する空気導入管6から空気を供給しながら熱分解を行い、必要に応じて、処理中に発生するガスを排気口8より排出し、所定の処理が終了した後、排出口9から残渣を取り除く。
【0019】
図2は、本発明の熱分解装置に配置する磁気作用手段を鉛直方向の平面で切断したときの断面図であり、磁石として矩形の永久磁石を用いる態様を例示するが、磁石として電磁石を用いることもできる。図2(a)に示すように、処理室の底板3に配置する磁気作用手段4は、磁石4aと、磁石4aを被覆する断熱材層II(図中、4bと表示する。)と、常磁性の板状体4cとにより構成される。また、磁石4aは、N極とS極が鉛直方向を向くように配置し、磁石4aの上方に磁石4aに近接して配置する常磁性の板状体4cは、磁石4aにより磁気誘導される。このため、磁気作用手段4上には磁場が形成される。
【0020】
図2には、常磁性の板状体4cが、断熱材層II(図中、4bと表示する。)と接触していない態様を示しているが、常磁性の板状体4cと断熱材層IIが接触する態様とすることも可能である。これらの場合には、図2に示すように、固定部材4dにより、常磁性の板状体4cを断熱材層IIに固定することができる。常磁性の板状体4cを断熱材層IIに固定することにより、廃棄物の処理室内への投入時及び熱分解後の残渣の除去時に、常磁性の板状体の配置を保持することができる。一方、常磁性の板状体4cを断熱材層IIの中に埋め込んで固定する態様とすることも可能である。かかる態様により、常磁性の板状体4cを磁石4aに接近させ、常磁性の板状体4cに対する磁石4aの磁気誘導効果を高めることができる。
【0021】
図2には、常磁性の板状体4cの上部先端が、磁気作用手段4の周囲に敷設する断熱材層I(図中、5と表示する。)の表面から突出する態様を例示する。一方、常磁性の板状体の上部先端が断熱材層Iの内部に埋もれた態様とすることも可能であり、かかる態様においては、処理室内の熱が断熱材層Iにより遮断されるため、常磁性の板状体の過熱を回避することができる。また、常磁性の板状体の過熱を回避できるため、常磁性の板状体から磁石への伝熱を抑えて、磁石の過熱も抑えることができる。
【0022】
空気の主成分である酸素と窒素のうち、常磁性の酸素の磁化率が+107.8×10-6cm3/gであるのに対して、反磁性の窒素の磁化率は−0.43×10-6cm3/gであるため、酸素は磁石に引き寄せられるが、窒素は磁石に対し反発する。図1(a)に示すように、本発明の熱分解装置においては、処理室2の底板3に配置する磁気作用手段4により磁場が形成されているため、処理室2内の酸素が磁気作用手段4上に引き寄せられ、磁気作用手段4上にある廃棄物1に酸素がより多く供給され、廃棄物1を酸素により集中的に強く燃焼させることができる。また、熱分解により発生した酸素も磁気作用手段4上に引き寄せられる結果、廃棄物の熱分解を加速度的に高めることができるため、重油等の燃料費を節減し、処理コストを低減することができる。さらに、磁化された酸素は、マイナスイオンを発生するため、ダイオキシン分子を構成するベンゼン環の生成を抑制するため、ダイオキシンの発生を抑えることができる。
【0023】
廃プラスチック、有機系廃棄物等の炭化水素分子は、電子スピンを有しない反磁性体である。処理室内で熱分解が開始すると、温度と赤外線が発生し、これに外部磁場を加えることにより、炭化水素分子が励起し、外部磁場に対して磁場整列し、共有結合が緩むため、分解反応を容易に進めることができる。一方、反磁性の窒素は、外部磁場により処理室の上部へ押しやられるため、処理室の上部では不燃性の窒素の濃度が高く、助撚性の酸素の濃度が低くなる結果、処理室の上部では燃焼が抑制され、処理室を過熱から保護し、処理室の劣化を抑え、設備コストを低減することができる。
【0024】
断熱材層Iに使用する材料としては、フライアッシュ等のセラミック灰を好ましく使用することができる。フライアッシュは、石炭火力発電所で微粉炭を燃焼した際に発生する石炭灰のうち集塵器で採取されたものであり、シリカ(SiO2)とアルミナ(Al23)を主成分とする直径10μm〜30μmの球状の微粉沫である。フライアッシュ等のセラミック灰を処理室の底板に、好ましくは100mm〜200mm、より好ましくは130mm〜170mm敷設することにより、処理時の断熱効果(保温効果)を高めることができる。また、熱分解時に高温化したフライアッシュからは大量の遠赤外線が放出されるため、遠赤外線を受けた廃棄物の表面で熱に変わり、熱分解反応を促進することができる。フライアッシュは、融点が1300℃であるため、熱分解時の温度(たとえば、700℃〜800℃)でも変質することはなく、磁気作用手段からの磁場の伝達にも優れている。
【0025】
磁石として永久磁石を使用する場合は、磁気が強力である点で、希土類磁石が好ましい。希土類磁石には、ネオジム磁石(Nd2Fe14B)、サマリウムコバルト磁石(SmCo5及びSm2Co17)、プラセオジム磁石(PrCo5)等があるが、磁力が大きい点で、ネオジム磁石とサマリウムコバルト磁石が好ましい。ネオジム磁石は、磁束密度が高く、非常に強い磁力を持つ点で好ましく使用することができ、磁束密度5750G(;0.575T)程度のものを容易に入手することができる。また、ネオジム磁石は、磁界が広範囲に及ぶ点でも、本発明の熱分解装置に好ましく使用することができる。磁界が広範囲に及ぶと、処理室内の広い範囲で、酸素と窒素を分離することができるため、多量の酸素を吸引することが可能となり、磁場整列による効果を高めることができる。さらに、ネオジム磁石は、保磁力が磁石の中で最も大きく、減磁が少ない点でも好ましい。ネオジム磁石は、錆びやすいため、表面をニッケルメッキして使用する態様が好ましい。
【0026】
一方、ネオジム磁石は、耐熱温度が120℃程度であり、熱減磁が生じやすく、磁力は60℃で95%に低下し、100℃で90%にまで低下する。また、キュリー温度が310℃であり、310℃を越えると脱磁する。したがって、特にネオジム磁石を使用するときは、磁石の過熱に留意する必要があり、図2(a)に示すように、磁石4aを断熱材層II(図中、4bと表示する。)で被覆する態様が好ましい。断熱材層IIとしては、たとえば、耐火レンガまたはキャスタブルが、断熱性が高く、磁石からの磁界の透過性が良い点で好ましい。断熱材層IIとして、耐火レンガまたはキャスタブルを使用する場合、処理室内の温度により異なるが、厚さ20mm〜30mm被覆することにより、磁石の過熱を回避することができる。キャスタブルは、アルミナセメント等の水硬性セメントと耐火骨材とを混合した耐火物であり、流し込む、塗り込む、吹き付ける等の施工が可能であり、一体成形の耐火壁を作ることができる点で好ましい。
【0027】
また、磁石4aにより磁気誘導されるように、磁石の上方に、磁石に近接して常磁性の板状体4cを配置し、板状体4cにより廃棄物1に磁界を作用させる態様が好ましい。かかる態様により、磁石4aが、加熱状態にある廃棄物1に直接、接触することを避け、磁石の過熱を防止することができ、たとえば700℃〜800℃で廃棄物を熱分解することができる。
【0028】
磁石の過熱を避ける方法としては、図1(a)に示すように、処理室2の底板3上で、磁気作用手段4の周囲に断熱材層Iを敷設する態様が有効である。また、図2(b)に示すように、磁気作用手段4を、処理室の底板3に埋め込むように配置することにより、伝熱性の高い底板3を通して磁気作用手段4からの放熱を促すことができる。かかる放熱効果は、図2(b)に示すように、磁石4aの底面を、断熱材料層II(図中、4bと表示する。)で被覆することなく、磁石4aの底面を直接、底板3に接触させる態様とすることによりさらに高めることができる。
【0029】
サマリウムコバルト磁石は、最も磁力が強いネオジム磁石につぐ磁力を持つ点で好ましく、磁束密度3700G(;0.37T)程度のものを容易に入手できる。また、サマリウムコバルト磁石は、耐熱温度が350℃で、キュリー温度が700℃〜800℃であり、ネオジム磁石より耐熱強度が大きい点で、本発明の熱分解装置に使用する磁石として好ましいが、サマリウムコバルト磁石を使用する場合でも、処理室内の温度によっては断熱及び放熱に留意する必要がある。
【0030】
永久磁石は、面からではなく、角(端部)から磁力を発生するため、矩形状の磁石を好ましく使用することができる。また、矩形状の磁石は、サイズが大きくなるほど磁力が強くなり、磁界の及ぶ範囲が拡大するため、本発明の熱分解装置では、大サイズの磁石がより好ましい。ネオジム磁石の場合、厚さ30mm×縦200mm×横100mmのサイズを容易に入手できる。また、サマリウムコバルト磁石の場合、厚さ10mm×縦20mm×横20mmのサイズを容易に入手できる。
【0031】
常磁性の板状体には、通常の鉄板を使用することができるが、熱分解時には、処理室内の温度を700℃〜800℃に設定することもあるため、耐食性を高めることができる点で、SUS430製の板状体またはガルバリウム鋼板を好ましく使用することができる。常磁性の板状体は、たとえば、幅1mm〜6mm、高さ50mm〜80mmのものを使用することができる。
【0032】
たとえば、矩形のネオジム磁石(厚さ25.4mm×縦50.8mm×横50.8mm、磁束密度5850G(;0.585T))をN極とS極とが鉛直方向を向くように配置し、この永久磁石を断熱材層II(耐火レンガ)により厚さ25mm被覆する。つぎに、永久磁石の上方であって、断熱材層II上に、鉄製の板状体(高さ50mm×幅6mm×長さ3800mm)を固定することにより、磁気作用手段を作成する。この磁気作用手段では、鉄製の板状体と永久磁石とは近接し(距離25mm)、鉄製の板状体は永久磁石により磁気誘導され、鉄製の板状体から水平方向に700mmの範囲内に磁界を及ぼすことができる。したがって、かかる構成の磁気作用手段を処理室底部に複数配置する熱分解装置の場合、廃棄物に均一に磁界を及ぼす点で、隣接する磁気作用手段における常磁性の板状体の水平距離は、1400mm(=700mm×2)以内が好ましい。また、永久磁石の仕様と、常磁性の板状体と永久磁石の距離等を調整することにより、隣接する磁気作用手段における常磁性の板状体の水平距離を2000mm以内としても、廃棄物を均一に熱分解することができる。
【0033】
磁石には、永久磁石の代わりに電磁石を使用することができる。電磁石は、同じサイズの永久磁石より強い磁力を発生させることができ、減磁がないため、永久磁石に比較して莫大な磁力を得ることができる。また、通電量により磁力の大きさを調整することができるから、処理室内の燃焼状態に応じて通電量を調整し、消費するエネルギー量を減らし、コストの低減を図ることができる。さらに、電磁石は永久磁石に比べて一般に安価である。
【0034】
電磁石から発生する磁力は、コイルの巻き数と通電する電流の大きさに比例するが、コイルの巻き数を多くすると、電線の長さが長くなり、電線の長さに比例して電気抵抗が大きくなり、通電量が減少する。したがって、コイルの電気抵抗を小さくし、通電する電圧を大きくする態様が強磁力を得る点で好ましい。使用する鉄芯は、透磁率が大きく、断面積が大きいほど、発生する磁力が大きくなる。また、コイルの周囲を鉄等で被覆することにより周囲の磁力線を掻き集めるため、強力な電磁石が得られる。電磁石を使用する場合にも、処理室内の高温から電磁石を保護するために、永久磁石を使用する場合と同様に上述した断熱および放熱対策を施す態様が好ましい。
【0035】
本発明の熱分解装置は、処理室内に均一に磁界を及ぼす点で、処理室の底板上に磁気作用手段を複数配置し、各磁気作用手段における常磁性の板状体を連結する態様が好ましい。また、処理室内により均一に磁界を及ぼすことができる点で、図1(b)に示すように、底板3上に磁気作用手段4を複数配置し、磁気作用手段4における常磁性の板状体4cが平面視破線状に配置する態様が好ましい。図1(b)に示す例では、処理室が平面視矩形状であるため、常磁性の板状体4cは、平面視長方形状の破線となるように配置するが、処理室が平面視円形状であるときは、常磁性の板状体は、平面視円形状の破線となるように配置する態様が好ましい。また、磁化された酸素を底板上の廃棄物に集め、処理室の側面と天井面には反磁性の窒素を集めることができる点で、処理室の側面と天井面の内壁が反磁性である態様が好ましい。銅(Cu)、亜鉛(Zn)、ビスマス(Bi)等は反磁性体であるため、たとえば銅又は亜鉛でメッキをした鉄板を使用して、内壁を形成する態様とすることにより、処理室の側面と天井面に窒素富化空気を滞留させ、処理室を過熱から保護して、処理室の寿命を長くし、装置価格を低減することができる。また、処理室は、保温効果を高める点で、二重構造とする態様が好ましい。
【0036】
本発明の熱分解装置は、図1(a)に示すように、処理室2の側面に配置する空気導入管6のうち空気導入管6aにより、酸素富化空気を処理室2の下部に供給する。このため、廃棄物1が位置する底板3上に酸素富化空気が供給され、高濃度酸素は、処理室の底板に配置する磁気作用手段により吸引されるため、さらに効果的に廃棄物1を熱分解することができる。一方、空気導入管6bにより、処理室内の上部に窒素富化空気を供給し、処理室上部の窒素濃度を高めることにより、処理室の寿命を長くし、装置価格を低減することができる。
【0037】
図7は、本発明の熱分解装置の他の態様の断面図である。この熱分解装置は、図7に示すように、処理室2の側面に配置し、廃棄物1に磁気を作用する磁気作用手段14を備える。処理室2の底板3に配置し、廃棄物1に磁気を作用する磁気作用手段4のほかに、磁気作用手段14を設けることにより、未燃焼ガスを有効に利用し、廃棄物の熱分解効率を高めることができる。特に、図7に示すように、廃棄物1の量が比較的多いときに、廃棄物1の表面および中層域の燃焼を促進する効果が大きい。
【0038】
また、処理室2の側面に磁気作用手段14を設けることにより、磁気作用手段4と協働して、処理室2内の温度を容易に650℃程度の高温領域に上昇することができるため、廃棄物の処理能力を一層高めることができる。また、廃棄物の種類により、納豆屑や粘着性の汚泥のように、廃棄物間に酸素富化空気が通過する隙間が少ないような廃棄物に対して、磁気作用手段14により廃棄物1の上面からの熱分解を促進するできるため、特に効果的である。かかる観点から、図7に示すように、磁気作用手段14は空気導入管6aの下方に設ける態様が好ましい。
【0039】
磁気作用手段14は、図7に示すように、熱分解装置の処理室2の側面に配置する。図8は、本発明の熱分解装置の側面に配置する磁気作用手段を鉛直方向の平面で切断したときの断面図である。図8に示すように、磁気作用手段14は、磁石14aと、磁石14aを被覆する断熱材層III(図中、14bと表示する。)と、断熱材層IIIと処理室の側面13aとの間に配置する断熱材層IV(図中14fと表示する。)と、常磁性の板状体14cとを備える。磁石14aは、N極とS極とが水平方向を向くように配置する。また、図7に示すように、常磁性の板状体14cは、断熱材層III(図中、14bと表示する。)内の磁石(図示していない。)から処理室2の内部に向かって、断熱材層IV(図中、14fと表示する。)と処理室2の側壁を貫通して配置する。常磁性の板状体14cを磁石に近接することにより、常磁性の板状体14cが磁石により磁気誘導され、磁場を形成することができる。
【0040】
かかる態様により、図8に示すように、断熱材層III(図中、14bと表示する。)と断熱材層IV(図中、14fと表示する)と処理室2の側壁13とで磁石14aを過熱から保護しながら、廃棄物に磁力を作用し、熱分解することができる。図7では、常磁性の板状体14cの先端が処理室2の内壁から突出している例を示す。また、図8に示す例では、処理室の側壁13の内側に断熱材層V(図中、15と表示する。)が形成され、常磁性の板状体14cの先端が断熱材層Vから突出しているため、磁石14aを過熱からより一層保護することができる。
【0041】
断熱材層IVと断熱材層Vは、たとえばグラスウール、シリカファイバー、アルミナファイバー等から形成することができる。グラスウールは、遠心法により綿状とした短繊維のものと、溶融された原料をフィラントとして取り出し、集束剤によって糸状にした長繊維のものに大別され、600℃の高温に耐える。また、シリカファイバーとアルミナファイバーは、原料であるシリカまたはアルミナから溶融、ゾルゲル法等で製造し、耐熱温度は1000℃以上である。断熱材層IVと断熱材層Vは、処理室の温度によっても異なるが、厚さを30mm〜70mmとすることにより優れた断熱効果を発揮する。断熱材層Vは、表面をガルバリウム鋼板等で被覆する態様が好ましい。
【0042】
磁石は、永久磁石または電磁石を使用することができ、図8では、永久磁石を使用する態様を例示する。また、図8に示す例では、磁気作用手段14は筐体14eを備え、筐体14eにより磁気作用手段14は処理室の外壁面に固定される。図8には、常磁性の板状体14cが、断熱材層III(図中、14bと表示する。)と接触していない態様を示しているが、常磁性の板状体14cと断熱材層IIIが接触する態様とすることも可能である。これらの場合には、図8に示すように、固定部材14dにより、常磁性の板状体14cを断熱材層IIIに固定することができる。
【0043】
一方、常磁性の板状体14cを断熱材層IIIの中に埋め込んで固定する態様とすることも可能である。これらの態様については、処理室2の底板3上に配置する磁気作用手段4における場合と同様である。断熱材層III(図中、14bと表示する。)に使用する材料としては、耐火レンガやキャスタブルが、断熱効果が大きく、磁界を容易に透過する点で好ましい。耐火レンガとキャスタブルの好ましい態様については前述のとおりである。
【0044】
図8には、常磁性の板状体14cの先端が、断熱材層V(図中、15と表示する。)の表面から突出する態様を例示する。一方、常磁性の板状体14cの先端が断熱材層Vの内部に埋もれた態様とすることも可能であり、かかる態様においては、処理室内の熱が断熱材層Vにより遮断されるため、常磁性の板状体の過熱を回避することができる。また、常磁性の板状体の過熱を回避できるため、常磁性の板状体から磁石への伝熱を抑えて、磁石の過熱を抑えることができる。
【0045】
空気導入管の好ましい実施形態の概念図を図3に示す。図3に示すように、空気導入管6は、磁石6gと、仕切り板6hと、導入管6a、6bとを備え、原料空気が矢印に示すように供給される。磁石6gは、空気導入管6の側面のうち対向する2面の一方に配置する。図3に示す例では、磁石6gは、空気導入管6の内壁面に配置するが、空気導入管の外壁面に配置することもできる。磁石6gとしては、磁束密度が100T(;106G)以上のものが好ましい。
【0046】
空気の主成分である酸素と窒素のうち、常磁性の酸素の磁化率と反磁性の窒素の磁化率とは相違するため、酸素は磁石に引き寄せられるが、窒素は磁石に対し反発する。図3に示すように、磁石6gは、空気導入管6の側面のうち対向する2面の一方に配置するため、磁石6gの磁場により、酸素富化空気と窒素富化空気に分離することができる。
【0047】
仕切り板6hは、図3に示すように、空気導入管6内に、空気の流れる方向と平行になるように配設し、磁石6gを配置した部位において、磁石側を通過する空気A(酸素富化空気)と、空気A以外の空気B(窒素富化空気)とに分離することができる。その後、空気A(酸素富化空気)は、導入管6aにより処理室の下部に供給され、空気B(窒素富化空気)は、導入管6bにより処理室内の上部に供給する。空気導入管の内壁と、仕切り板6hは、空気の供給を効率的にすることができる点で、反磁性である態様が好ましい。
【0048】
処理室2の下部とは、処理室2の下半分を意味し、導入管6aにより、底板3上の廃棄物1の上面に酸素富化空気を供給する態様が、廃棄物の熱分解を促進する点で好ましい。たとえば、図1(a)に示すように、廃棄物1が比較的少量の場合には、導入管6aにより、酸素富化空気を底板3付近に導入することにより、廃棄物1の上面に酸素富化空気を供給できる。一方、図7に示すように、廃棄物1が比較的多量の場合には、上位に取り付けた導入管6aにより、酸素富化空気を廃棄物1の表面に導入する態様が好ましい。
【0049】
図4は、図3に示す空気導入管6のIV−IVにおける断面図であり、空気導入管6における磁石6gと仕切り板6hを配置した部位における断面図である。空気導入管6は、図4に示すように、平板状の仕切り板6hに平行な内壁面6fを有する。かかる内壁面を有する空気導入管を使用することにより、内壁面が円形状の空気導入管等を使用する場合に比べて、効率的に酸素富化空気を分離することができる。また、図4に示すように、空気導入管6における磁石6gは、磁気の漏れを軽減し、酸素と窒素の分離効率を高める点で、磁石6gを囲むヨーク6iを有する態様が好ましい。
【0050】
磁石6gには、ネオジム磁石、サマリウムコバルト磁石等の永久磁石を使用することができる。また、永久磁石の代わりに、電磁石を好ましく使用することができる。電磁石は、通電を停止することにより磁力をほぼ0にすることができるから、電磁石への通電を断続的に行うことにより、電磁石に引き寄せられ、滞留している酸素富化空気を効率的に処理室へ移動させることができるようになる。
【0051】
空気導入管の好ましい他の実施形態の概念図を図5に示す。図5に示すように、空気導入管6は、磁石6gと、2枚の仕切り板6hと、導入管6c、6d、6eとを備え、原料空気が矢印に示すように供給される。磁石6gは、空気導入管6の側面のうち対向する2面の一方に磁石のN極を配置し、他方に磁石のS極を配置するように構成する。図5に示す例では、磁石6gは、空気導入管6の内壁面に配置するが、空気導入管の外壁面に配置することもできる。磁石6gとしては、磁束密度が100T(;106G)以上のものが好ましい。空気の主成分である酸素と窒素のうち、酸素は磁石に引き寄せられるが、窒素は磁石に対し反発する。図5に示すように、磁石6gは、空気導入管6の側面のうち対向する2面に配置するため、磁石6gの磁場により、酸素富化空気と窒素富化空気に分離することができる。
【0052】
2枚の仕切り板6hは、空気導入管6内に、空気の流れる方向と平行になるように並列に配置する。仕切り板6hにより、磁石6gを配置した部位において、磁石側を通過する空気C(酸素富化空気)と空気D(酸素富化空気)と、空気Cと空気D以外の空気E(窒素富化空気)とに分離することができる。その後、空気C(酸素富化空気)は、導入管6cを経て導入管6aにより処理室の下部に供給され、空気D(酸素富化空気)は、導入管6dを経て導入管6aにより処理室の下部に供給され、廃棄物の熱分解を高めることができる。一方、空気E(窒素富化空気)は、導入管6eを経て導入管6bにより処理室内の上部に供給する。空気導入管の内壁と、仕切り板6hは、空気の供給を効率的にすることができる点で、反磁性である態様が好ましい。
【0053】
図6は、図5に示す空気導入管6のVI−VIにおける断面図であり、空気導入管6における磁石6gと仕切り板6hを配置した部位における断面図である。空気導入管6は、図6に示すように、平板状の仕切り板6hに平行な内壁面6fを有する。かかる内壁面を有する空気導入管を使用することにより、効率的に酸素富化空気を分離することができる。また、図6に示すように、空気導入管6における磁石6gは、磁気の漏れを軽減し、酸素と窒素の分離効率を高める点で、磁石6gを囲むヨーク6iを有する態様が好ましい。磁石6gには、永久磁石または電磁石を使用することができ、電磁石を使用する場合の長所は前述のとおりである。
【産業上の利用可能性】
【0054】
廃棄物の燃焼効率が高く、処理コストの安い熱分解装置を提供することができる。また、ダイオキシンの発生が少ない、設備コストの低廉な熱分解装置を提供することができる。
【符号の説明】
【0055】
1 廃棄物
2 処理室
3 底板
4 磁気作用手段
4a 磁石
4b 断熱材層II
4c 板状体
4d 固定部材
5 断熱材層I
6 空気導入管
6a、6b、6c、6d、6e 導入管
6f 内壁面
6g 磁石
6h 仕切り板
6i ヨーク
13 側壁
13a 側面
14 磁気作用手段
14a 磁石
14b 断熱材層III
14c 板状体
14d 固定部材
14e 筐体
14f 断熱材層IV
15 断熱材層V

【特許請求の範囲】
【請求項1】
廃棄物を熱分解する有底筒状の処理室と、
前記処理室の底板に配置し、廃棄物に磁気を作用する磁気作用手段と、
前記処理室の底板上で前記磁気作用手段の周囲に敷設する断熱材層Iと、
前記処理室の側面に配置する空気導入管と、
を備える熱分解装置であって、
前記磁気作用手段は、
N極とS極とが鉛直方向を向くように配置する磁石と、
該磁石を被覆する断熱材層IIと、
前記磁石により磁気誘導されるように、該磁石の上方に該磁石に近接して配置する常磁性の板状体と、
を備える熱分解装置。
【請求項2】
前記磁気作用手段を複数配置し、該磁気作用手段における常磁性の板状体が平面視破線状に配置する請求項1に記載の熱分解装置。
【請求項3】
前記磁気作用手段は、処理室の底板に埋め込まれて配置する請求項1または2に記載の熱分解装置。
【請求項4】
前記磁石は、ネオジム磁石またはサマリウムコバルト磁石である請求項1〜3のいずれかに記載の熱分解装置。
【請求項5】
前記処理室は、側面と天井面の内壁が反磁性である請求項1〜4のいずれかに記載の熱分解装置。
【請求項6】
前記空気導入管は、
空気導入管の側面のうち対向する2面の一方に配置する磁石と、
空気導入管内に、空気の流れる方向と平行になるように配設し、前記磁石を配置した部位において、磁石側を通過する空気Aと、空気A以外の空気Bとに分離する仕切り板と、
空気Aを前記処理室の下部に導入する導入管と、
空気Bを前記処理室内の上部に導入する導入管と、
を備える請求項1〜5のいずれかに記載の熱分解装置。
【請求項7】
前記空気導入管は、
空気導入管の側面のうち対向する2面の一方に磁石のN極を配置し、他方に磁石のS極を配置し、
空気導入管内に、空気の流れる方向と平行になるように並列に配置し、前記磁石を配置した部位において、前記磁石側を通過する空気Cと空気Dと、空気Cと空気D以外の空気Eとに分離する2枚の仕切り板と、
空気Cと空気Dを前記処理室の下部に導入する導入管と、
空気Eを前記処理室内の上部に導入する導入管と、
を備える請求項1〜5のいずれかに記載の熱分解装置。
【請求項8】
前記空気導入管は、内壁が反磁性である請求項6または7に記載の熱分解装置。
【請求項9】
前記空気導入管は、平板状の前記仕切り板に平行な内壁面を有する請求項6〜8のいずれかに記載の熱分解装置。
【請求項10】
前記空気導入管における磁石は、該磁石を囲むヨークを有する請求項6〜9のいずれかに記載の熱分解装置。
【請求項11】
前記処理室の側面に配置し、廃棄物に磁気を作用する磁気作用手段を備える請求項1〜10のいずれかに記載の熱分解装置。
【請求項12】
前記処理室の側面に配置する磁気作用手段は、
N極とS極とが水平方向を向くように配置する磁石と、
該磁石を被覆する断熱材層IIIと、
該断熱材層IIIと、処理室の側面との間に配置する断熱材層IVと、
前記磁石から処理室の内部に向かって断熱材層IVと処理室の側壁を貫通して配置する板状体であって、前記磁石により磁気誘導されるように前記磁石に近接して配置する常磁性の板状体と
を備える請求項11に記載の熱分解装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2012−73016(P2012−73016A)
【公開日】平成24年4月12日(2012.4.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−187365(P2011−187365)
【出願日】平成23年8月30日(2011.8.30)
【出願人】(510236391)
【出願人】(510236405)
【Fターム(参考)】