説明

熱板を用いる熱溶着方法およびその装置

【技術課題】
熱板を利用する熱可塑性樹脂の熱溶着において、特に熱溶着温度差の大きい部材同士を強固に溶着し、且つ熱板での加熱時に糸引きが発生するのを防止する。
【解決手段】
部材AとB間に熱板9、10を配し、この熱板9、10の温度を部材AとBが同時に溶着温度に到達するように加熱する。
また、熱板9、10は、部材AとBの溶着面A−2とB−2には接触させず、輻射熱でそれぞれの溶着面A−2、B−2の円周溝A−1と円周リブB−2を加熱する。
このように、溶着面A−2、B−2の円周溝A−1と円周リブB−1をともに輻射熱で加熱し、同時に溶着温度に到達させることにより、溶着強度を高め、更に非接触加熱により糸引きの発生を防止する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、熱板加熱により行う熱可塑性樹脂同士の熱溶着において、特に溶着温度(溶融温度)の異なる異種材料からなる2つの部材を、各部材に適合した溶着温度に同時に到達するようにそれぞれを制御して熱溶着する方法とその装置に関し、特にガラスフィラー等が配合強化されていて、溶着温度が高い樹脂と溶着温度の低い非強化樹脂同士を熱溶着したりする際に有効な熱溶着方法とその装置に関する。
【背景技術】
【0002】
対をなす被溶着部材の溶着面を溶着温度に加熱し、この加熱により溶融した溶着面を相互に圧着して目的の製品に加工する熱板を用いて行う熱可塑性樹脂の溶着装置が知られている。
【0003】
例えば、特許文献1には、被溶着部材の溶着面間に断熱材で熱遮断された熱板を双方の溶着面に接触させて溶着温度になるまで加熱する内容のものが紹介されており、また特許文献2には、熱板の片方は溶着面に接触させ、片方の熱板は溶着面から少し離し、熱板からの輻射熱で溶着温度になるまで加熱し、その後溶着面同士を圧接して溶着を行う内容のものが紹介されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2001−162686号公報
【特許文献2】特開2002−28977号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、上記特許文献1、2の場合、熱板が直接被溶着部材の溶着面に接触するため、この溶着面から熱板を逃すときに、溶融した樹脂が熱板に付着して所謂糸引き現象が発生し、これが被溶着物や溶着装置に付着してしまうという問題がある。
【0006】
また、特許文献2の場合、片面の熱板は溶着面に接触していないことから、この片面においては上記糸引きの問題は発生しない。しかし、もう一方の片面においては糸引きの問題が発生するばかりか、溶着を行うためには双方の溶着面は同時に溶着温度に到達することが必要であるが、片面は熱板に直接に接し、片面は輻射熱で加熱するという加熱メカニズムの違いから、双方が同時に溶着温度に到達するように制御するのは難しく、特に双方の溶着温度に大きな差があるような樹脂の場合には、実質的に溶着面が同時に溶着温度に到達するようにする温度制御を行うことは困難である。
【0007】
また、特許文献2の場合、輻射熱を放出する熱板は平板状のため、溶着面に凹凸の嵌合構造が形成されている場合、溶着表面は熱板に近い部分と遠い部分が存在するようになることから、溶着面全体を均一に加熱できない。
【0008】
本発明は、熱溶着面双方を輻射加熱方式とすることにより、糸引きの問題及び溶着温度制御の問題を解決するのが目的である。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決するため、請求項1に記載の発明は、a.熱板により溶着面を加熱して熱可塑性樹脂から成る被溶着部材同士を溶着する方法において、
b.前記被溶着部材の溶着面を加熱する2枚の熱板は、それぞれ断熱材を介して一体化されていると共にそれぞれ熱板の発熱温度は任意に設定自在となし、
c.先ず、熱溶着を行う場合には、前記熱板をあらかじめ加熱し、それぞれの被溶着部材の溶着面が同時に溶着温度に到達する温度に前記熱板の温度を制御しておく、
d.次に、被溶着部材の溶着面を対向させ、この対向した被溶着部材の溶着面間に前記熱板を移動させると共に熱板と被溶着部材の溶着面間を狭めて接近させる、
e.次に、それぞれの被溶着部材の溶着面を熱板で輻射加熱することにより、溶着面を同時に溶着温度に到達させ、このタイミングで前記熱板を被溶着部材間から逃し、
f.次に、被溶着部材の間隔を狭めて被溶着部材の溶融した溶着面同士を圧着し、溶着する、ことを特徴とするものである。
【0010】
また、請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の熱溶着方法において、前記熱板と溶着面間の距離をそれぞれ0.1mm〜0.8mmに設定して輻射加熱を行うことを特徴とするものである。
【0011】
また、請求項3に記載の発明は、請求項1に記載の熱溶着方法において、前記それぞれの溶着面同士を溶着した直後、溶着面が円形の場合には、押圧を保持したまま一方の被溶着部材を10〜90°の範囲で旋回させることを特徴とするものである。
【0012】
また、請求項4に記載の発明は、熱溶着装置において、a.下部受け台と上部受け台を同軸線上に配置すると共に下部受け台の上面に被溶着部材の一方を固定することができ、上部受け台の下面に被溶着部材のもう一方を固定することができ、更に下部受け台と上部受け台の間隔を任意に制御自在に構成して成る被溶着部材保持手段と、
b.前記被溶着部材保持手段の上下の受け台間に出入り自在のフレームの下面に断熱材を介して熱板を取り付けると共にこのフレームの上面に断熱材を介して熱板を取り付けて成るヒータユニットと、
c.前記溶着部材保持手段の間隔を制御し、かつ前記ヒータユニットが上下の受け台間に出入りするのを制御し、更に前記熱板の加熱温度を制御するコントローラと、から成ることを特徴とするものである。
【0013】
また、請求項5に記載の発明は、請求項4に記載の熱溶着装置において、前記上部の受け台又は下部受け台を10°〜90°の範囲で回転自在に構成し、被溶着部材の溶着面を圧着した時に溶着面に擦り合わせを付加できるように構成して成ることを特徴とするものである。
【0014】
また、請求項6に記載の発明は、請求項4又は5に記載の熱溶着装置において、上部受け台および下部受け台には、被溶着部材をOリングで保持するように構成して成ることを特徴とするものである。
【0015】
また、請求項7に記載の発明は、請求項4〜6のいずれか1項に記載の熱溶着装置において、前記熱板は、平板状又は溶着面の形状に沿うように形成された四角形又は円形のリング状を呈していることを特徴とするものである。
【0016】
また、請求項8に記載の発明は、請求項7に記載の熱溶着装置において、前記熱板の表面には、溶着面に凹凸の断面形状が存在する場合には、この凹凸形状に相似する断面形状が形成されていることを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0017】
本発明の熱板溶着方法とその装置により熱溶着を行った結果、以下の効果が得られる。
上下に配置された2枚の熱板を用い、それぞれの被溶着部材が同時に溶着温度に到達するように輻射熱加熱することにより、溶融温度の異なる異種材料をそれぞれ最適な温度で溶着することができる。
また、溶着部材を非接触で加熱するため、熱板の温度は樹脂の溶融温度以上に設定が可能であり、昇温スピードが異なる材料でも、各々の熱板の温度を最適に設定することで2つの溶着部材の溶融加熱時間を同期させることができる。
また、非接触で溶着部材の接合表面を溶融するため、接触式加熱で多発する溶融部分の糸引きや汚れなどが無く、外観もきれいに溶着でき、清掃などのメンテナンスも削減できる。
【0018】
溶着押圧中に一方の被溶着部材を回転させることによって、被溶着部材の溶着部の樹脂が絡み合い(混ざり合う)、溶着強度の向上を図ることができる。特にガラスフィラーのような強化材入りの場合はこの効果が顕著である。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】本発明に係る熱板による熱溶着装置の説明図。
【図2】本発明に係る熱溶着装置の斜視図。
【図3】(A)(B) 被溶着部材の一例を示す説明図であって、(A)は上下の受け台にセットした状態、(B)は溶着後の形態を示す説明図。
【図4】(A)(B) 熱板と被溶着部材の溶着面の形状を示すもので、(A)は下部受台側、(B)は上部受台側の説明図。
【図5】(A)〜(H) 本発明に係る溶着工程の説明図。
【図6】被溶着部材同士の圧着と溶着した状態を示すもので、(A)は溶着面同士を圧着している状態、(B)は溶着した状態を示す説明図。
【発明を実施するための形態】
【0020】
本発明は、熱可塑性樹脂から成る被溶着部材同士の溶着面をそれぞれ適切な溶着温度に加熱することが可能な2枚の熱板を上下に備えた装置であり、前記被溶着部材の溶着面の加熱は熱板による輻射熱加熱で行われ、溶着後の強度及び外観をきれいにできる溶着方法及びその装置であって、特に溶着温度に違いのある異種材料同士を溶着するのに適した溶着方法及びその装置である。
【実施例1】
【0021】
図1に本発明に係る溶着装置の一例を示す。この溶着装置は、図3(A)に示す2つの溶着温度の違う被溶着部材A、Bを図3(B)に示すように熱溶着するためのもので、被溶着部材Aの接合面A−2には円周溝A−1が形成され、被溶着部材Bの接合面B−2には前記円周溝A−1に上方から嵌合するリブB−1が形成されている。
【0022】
溶着装置には、上下に被溶着部材A、Bをそれぞれ固定する下部受け台1と上部受け台2があり、そこに被溶着部材A、Bをそれぞれセットすることができる。そして、下部受け台1と上部受け台2は間隔を狭める方向に移動し、上部受け台2側は回転軸4を中心に旋回可能である。下部受け台1および上部受け台2に被溶着部材A及び被溶着部材Bを固定する場合、下部受冶具26、上部受冶具27には被溶着部材A、被溶着部材Bの内径より少し大きめの外径からなるOリング3が設置されており、そのOリング3の弾性を利用して被溶着部材Aおよび被溶着部材Bを下部受冶具26、上部受冶具27に嵌め込むかたちで装着し、この時被溶着部材A及びBに形成した突起22、23を受け台側突起24、25間に合わせて固定する構成となっている。
【0023】
5はヒータユニットであって、このヒータユニット5は、水平方向に出入りするフレーム6の上下面にそれぞれ断熱材7、8を介してヒータ11、12により発熱する熱板9、10が取り付けられている。
【0024】
そして、熱板9の下面には、図4(A)に示すように前記円周溝A−1内に隙間を空けて入り込む円形のヒータリブ9−1が形成され、熱板10の上面には図4(B)に示すように前記リブB−1を隙間を空けて包囲するヒータ溝10−1が形成されている。
【0025】
次に、上記熱溶着装置を用いて図3(A)、(B)に示す被溶着部材A、B(以下「部材A」、「部材B」という。)を加熱し、溶着する工程を図5(A)〜(H)に基づいて詳細に説明する。
【0026】
1.部材A、Bは、上下の受け台1、2にそれぞれ溶着面A−2、B−2が上下において対向するように取り付けられる。この時、下部受け台1および上部受け台2に対して、部材A、BはOリング3により弾性保持され、突起22、23及び受け台側突起24、25の係合により固定される。
【0027】
また、部材A、Bのうち、溶着温度が低い部材Aを下部受け台1に、高い部材Bを上部受け台2にセットすることにより、熱バランスがとり易いようにする。
【0028】
本実施例では溶着装置の動作が上下方向の縦型としたが、動作が水平方向の横型も実施可能である。この場合、前記熱板9、10の配置は左右対向となる。
【0029】
2.熱板9,10はそれぞれを樹脂の溶着温度より50〜400℃高い温度にあらかじめ加熱しておき、この温度は熱電対20、21及びコントローラ28により制御される。この温度は溶着部材の材質、色、熱板との距離、所望する加熱時間によって適宜設定される。
【0030】
3.次に、ヒータユニット5の駆動装置(図示せず)を駆動してフレーム6を移動させることにより、熱板9、10を上下の部材A、B間に位置させる(B)。
【0031】
4.次に、駆動装置(図示せず)を駆動して下部受け台1と上部受け台2を上昇及び下降させて熱板9を部材Aの溶着面A−2に0.5mmの間隔になるまで接近させると共に熱板10を部材Bの溶着面B−2に同じく0.5mmになるまで接近させる(C)。
【0032】
なお、この接近は好ましくは0.1mm〜0.8mmの範囲で、0.1mm以下になると間隔制御が難しく、0.8mm以上になると加熱に時間がかかり、生産性が悪くなるので、実用的には0.1mm〜0.8mmの範囲が実用的である。
【0033】
5.熱板9と熱板10は、部材A、Bの円周溝A−1及び円周リブB−1が同時に溶着温度に到達するようにあらかじめ温度が設定されていることにより、溶着面A−2、B−2の前記円周溝A−1と円周リブB−1は同時に溶着温度に到達する。
【0034】
6.部材AとBの円周溝A−1と円周リブB−1が溶着温度に到達すると、上下の受け台1と2が熱板9、10から遠ざかり(D)、ヒータユニット5が水平方向に逃げる(E)。
【0035】
7.次に、ヒータユニット5が逃げると、駆動手段が駆動して上下の受け台1、2が接近し、図6(A)に示すように部材Aの円周溝A−1と部材Bの円周リブB−1を嵌合させながら溶着面A−2、B−2を圧着する(F)。
【0036】
この圧着により、図6(B)に示すように部材AとBの溶着面A−2とB−2を含む円周溝A−1とリブB−1が溶着29し、この溶着29が終ると冷却エアーが図5(G)に示すノズル13から噴出して溶着部が急冷され、部材AとBは固定される(H)。
【0037】
以上が一連の溶着工程であって、上下の受け台1、2及びヒータユニット5の動作制御及び熱板9、10(ヒータ11、12)の加熱制御は熱電対20、21とコントローラ28により行われる。
【実験例】
【0038】
1.被溶着物の材質
A:ABS
B:PMMA
2.被溶着物の大きさ
A:外径40mm、内径30mm 高さ50mm
B:外径40mm、内径30mm 高さ50mm
3.円周溝(A) φ 35.0mm
幅 2.7mm
深さ 2.0mm
4.円周リブ(B)φ 35.0mm
幅 1.8mm
高さ 3.0mm
6.加熱時間 10秒
7.熱板の温度 熱板9 430℃
熱板10 570℃
8.強度試験方法
引張試験
測定器 引張試験機 ストログラフV10-C (東洋精機製作所製)
9.強度試験結果
引っ張り強度 N=5の平均 22.4Mpa
【比較例】
【0039】
上記実験例と比較のため部材A、部材Bを熱板に接触加熱して溶着したもので強度試験を行った。熱板の温度を熱板9=250℃、熱板10=290℃とした以外は全て同一条件である。
【0040】
この時の強度は14.5MPaであった。実施例1との差の原因は、
a、部材A、部材B共に熱板に接触した溶着面に溶融樹脂が付着して糸引きが発生。
b、溶着を繰り返すに従って、熱板へ樹脂の付着量が増大すると共に、付着した樹脂に焼きつきが発生。
c、前記付着樹脂により溶着を繰り返したときに加熱ムラが発生。
d、溶着面に設けた溝A−1、及びリブB−1の形状が熱板の離脱時に崩れ、このため溶着面が不揃いになり、溶着部の溶融樹脂が不足し、強度が落ちたと考えられる。
【実施例2】
【0041】
(請求項5に対応。)
上記実施例1において、図5(F)の工程で部材A、Bを圧着したとき、同時に受け台2側を回転軸4で45°の範囲で回転し、部材A、B間の接着面に擦り合わせ(混合)を付加して溶着強度を高めるようにした。
【0042】
回転軸4の回転動作にはロータリーアクチュエータを用い(図示せず)、部材Bを回転させるための突起23、受け台側突起25を設け、部材Aは回転方向で固定するため突起22、受け台側突起24を設け、それぞれを嵌合した(図3 A)。
【0043】
この結果、擦り合わせにより、強度を実施例1の22.4Mpaから24.1Mpaに高めることができた。
【0044】
なお、回転角は、小さいと擦り合わせの効果が小さく、大きいと固化が同時に進行しているため、逆に溶着強度が阻害される。したがって、1.5/Secで10〜90°の範囲での回転が最良であるが、この回転時間と回転角の範囲は、材質及び溶着部の寸法に応じて最良の範囲が選択される。
【符号の説明】
【0045】
1 下部受け台
2 上部受け台
3 Oリング
4 回転軸
5 ヒータユニット
6 フレーム
7・8 断熱材(板)
9・10 熱板
11・12 ヒータ
13 ノズル
20・21 熱電対
22・23 突起
24・25 受け台側突起
26 下部受冶具
27 上部受冶具
28 コントローラ
29 溶着

【特許請求の範囲】
【請求項1】
a.熱板により溶着面を加熱して熱可塑性樹脂から成る被溶着部材同士を溶着する方法において、
b.前記被溶着部材の溶着面を加熱する2枚の熱板は、それぞれ断熱材を介して一体化されていると共にそれぞれ熱板の発熱温度は任意に設定自在となし、
c.先ず、熱溶着を行う場合には、前記熱板をあらかじめ加熱し、それぞれの被溶着部材の溶着面が同時に溶着温度に到達する温度に前記熱板の温度を制御しておく、
d.次に、被溶着部材の溶着面を対向させ、この対向した被溶着部材の溶着面間に前記熱板を移動させると共に熱板と被溶着部材の溶着面間を狭めて接近させる、
e.次に、それぞれの被溶着部材の溶着面を熱板で輻射加熱することにより、溶着面を同時に溶着温度に到達させ、このタイミングで前記熱板を被溶着部材間から逃し、
f.次に、被溶着部材の間隔を狭めて被溶着部材の溶融した溶着面同士を圧着し、溶着する、
g.ことを特徴とする熱板を用いる熱溶着方法。
【請求項2】
前記熱板と溶着面間の距離をそれぞれ0.1mm〜0.8mmに設定して輻射加熱を行うことを特徴とする請求項1に記載の熱溶着方法。
【請求項3】
前記それぞれの溶着面同士を溶着した直後、溶着面が円形の場合には、押圧したまま一方の被溶着部材を10〜90°の範囲で旋回させることを特徴とする請求項1に記載の熱溶着方法。
【請求項4】
a.下部受け台と上部受け台を同軸線上に配置すると共に下部受け台の上面に被溶着部材の一方を固定することができ、上部受け台の下面に被溶着部材のもう一方を固定することができ、更に下部受け台と上部受け台の間隔を任意に制御自在に構成して成る被溶着部材保持手段と、
b.前記被溶着部材保持手段の上下の受け台間に出入り自在のフレームの下面に断熱材を介して熱板を取り付けると共にこのフレームの上面に断熱材を介して熱板を取り付けて成るヒータユニットと、
c.前記溶着部材保持手段の上下の受け台の間隔を制御し、かつ前記ヒータユニットが上下の受け台間に出入りするのを制御し、更に前記熱板の加熱温度を制御するコントローラと、
d.から成る熱板を用いる熱溶着装置。
【請求項5】
前記上部受け台又は下部受け台を10°〜90°の範囲で回転自在に構成し、被溶着部材の溶着面を溶融して上下の被溶着部材の溶着面を圧着した時に回転を溶着面に加えて擦り合わせを行うように構成して成る請求項4に記載の熱板利用による熱溶着装置。
【請求項6】
前記上部受け台および下部受け台において、これに保持される被溶着部材はOリングで保持されるように構成して成る請求項4又は5に記載の熱板を用いる熱溶着装置。
【請求項7】
前記熱板は、平板状又は溶着面の形状に沿うように形成された四角形又は円形のリング状を呈していることを特徴とする請求項4〜6のいずれか1項に記載の熱板を用いる熱溶着装置。
【請求項8】
前記熱板の表面には、溶着面に凹凸の断面形状が存在する場合には、この凹凸形状に相似する断面形状が形成されていることを特徴とする請求項7に記載の熱板を用いる熱溶着装置。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2012−116062(P2012−116062A)
【公開日】平成24年6月21日(2012.6.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−267047(P2010−267047)
【出願日】平成22年11月30日(2010.11.30)
【出願人】(591061769)ムネカタ株式会社 (40)
【Fターム(参考)】