説明

熱硬化性および化学線硬化性の被覆材料および微孔性表面の被覆方法

下記成分:
(a1)下記成分:
(a11)化学線照射により活性化されることができ、そして、化学線照射による架橋に寄与する結合少なくとも1つを含有する官能基平均で分子当たり少なくとも2つ、および所望により、
(a12)イソシアネート反応性基少なくとも1つ、
を含有する構成成分少なくとも1つ、
(a2)イソシアネート反応性基少なくとも2個を有する熱硬化可能な成分少なくとも1つ、
および、
(a3)官能基(a11)を含有しない芳香族ポリイソシアネート少なくとも1つ、または、官能基(a11)を含有しない芳香族ポリイソシアネート少なくとも1つおよび官能基(a11)を含有しない(環状)脂肪族ポリイソシアネート少なくとも1つの混合物、
を含む熱および化学線で硬化可能な被覆材料、および、特にSMCおよびBMCの微孔性表面を被覆するためのその使用。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は熱および化学線で硬化可能な新しい被覆材料に関する。本発明はまた、全ての種類の微孔性表面、特に木材、ガラス、皮革、プラスチック、金属、無機物、特に焼成または未焼成の粘土、セラミック、天然および人工の石またはセメント;繊維状物質、特にガラス繊維、セラミック繊維、炭素繊維、テキスタイル繊維、重合体繊維または金属繊維、およびこれらの繊維の複合物;または繊維強化物質、特に上記繊維で強化されたプラスチックで成型された部材の微孔性表面、および、特に、SMC(シートモールデッドコンパウンド)またはBMC(バルクモールデッドコンパウンド)の多孔性表面を被覆、特に、シーリングするための新しい方法に関する。
【0002】
背景技術
多孔性表面、特に孔径10〜1500nmの微孔性表面の熱硬化性被覆材料を用いた被覆においては、適用した被覆材料のベーキングのために用いられる温度における成形部材からの揮発性の構成成分の脱気が頻発する。これにより望ましくない表面血管、例えば微小気泡(ブリスタ)が形成する。
【0003】
これらの問題はSMCおよびBMCの場合には特に欠点となって顕在化する。
【0004】
SMCおよびBMCは衛生用品、日用品および特に自動車構築用の複雑な形状の構造部材、例えば保護パネル、フェンダー、ドアまたはランプ反射鏡を製造するために長年にわたり使用されている。その構造およびガラス繊維系の物理的組成のため、SMCおよびBMCは高温耐性を有し、殆ど変形することなく190〜200℃の温度に耐えうる。更にまた、この手法を用いれば強化熱可塑性物質を使用するよりもより容易に、そして、より高い精度で、複雑な物品が製造される。
【0005】
SMCおよびBMCの不都合な点はそれらが微孔性表面を有しているため、例えばガス形態で散逸するスチレンのようなモノマーが原因となって、70〜80℃で被覆する際に微小気泡が形成されるため、直接被覆することはできない。
【0006】
ドイツ国特許出願DE19920799A1に記載の被覆材料は、これらの問題を解決するために優れた貢献を行っている。
【0007】
ドイツ国特許出願の被覆材料は熱および化学線照射により硬化可能であり、下記成分:
(a1)下記成分:
(a11)化学線照射による架橋に寄与する官能基、例えばアクリレート基、少なくとも2つ、および、所望により、
(a12)構成成分(a2)における対応する官能基(a22)と熱架橋反応を起こすことの可能な官能基、特にヒドロキシル基、少なくとも1つ、
を含有する構成成分、例えばウレタン(メタ)アクリレート、少なくとも1つ、
および、
(a2)下記成分:
(a21)化学線照射による架橋に寄与する官能基、例えばアクリレート基、少なくとも2つ、および、
(a22)構成成分(a1)における対応する官能基(a12)と熱架橋反応を起こすことの可能な官能基、特にイソシアネート基、少なくとも1つ、
を含有する構成成分、例えばイソシアナトアクリレート、少なくとも1つ、および所望により、更に、
(a3)光重合開始剤少なくとも1つ、
(a4)熱交差結開始剤少なくとも1つ、
(a5)熱および/または化学線により硬化可能な反応性希釈剤少なくとも1つ、
(a6)被覆添加剤少なくとも1つ、および/または、
(a7)熱硬化性構成成分少なくとも1つ、
を含むが、ただし、被覆材料は、構成成分(a1)が官能基(a12)を有さない場合は熱硬化性の構成成分(a7)少なくとも1つを含む。
【0008】
従って既知の被覆材料については、構成成分(a2)、特にイソシアナトアクリレートを含むことが必須である。
【0009】
構成成分(a7)として、既知の被覆材料は熱硬化可能なバインダーおよび/または架橋剤、例えばブロックポリイソシアネートを含んでよい。非ブロックポリイソシアネートは構成成分(a7)としては使用しない。
【0010】
更に、既知の被覆材料は、被覆添加剤(a6)として導電性顔料を含んでよい。
【0011】
既知被覆材料は、多大な努力なくして効率的に微小気泡の形成を抑制し、後処理の不要なオレンジピールのような構造のない平滑な表面を有し、そして、被覆間の接着のような後続する問題点を生じることなく容易で安全に上塗りすることができる被覆およびシールを提供する。上塗り能は、導電性表面上のシーリングコーティングまたはプライマーコーティングが電着被覆材料により上塗りされる際にも維持される。これにより、相当するSMCまたはBMCを、直接、例えば未被覆の自動車車体に構築し、それらを金属部品と同様の方法で電気泳動的に被覆することが可能となる。
【0012】
しかしなが、既知被覆材料およびそれから製造した被覆は、既に達成されている高い技術的水準にも関わらず、市場の高度な要求に合致するためには、サンド処理性および研磨性、機械的可撓性、接着、例えば被覆間の接着、および、静電高速回転法(ESTA)または電気泳動的付着被覆による上塗り能の点に関して更に改善を要する。
【0013】
既知被覆方法の有する全ての不都合な点にも関わらず、複雑に成形部材の被覆に関しては、市場の高度な要求に完全に合致できていない。例えば、成形部材の影領域における被覆の硬化は、被覆、特にシールの良好なサンド処理性および研磨性を確保するためには不十分である場合が多い。しかしながらこれは、特に高価値のSMCおよびBMCの製造の範囲内では特に有利である。
【0014】
ドイツ国特許出願DE19930665A1、DE19930067A1およびDE19930664A1またはDE19924674A1は熱および化学線で硬化可能であり、そしてイソシアネート反応性基少なくとも2つを有する熱硬化性の構成成分少なくとも1つを含む被覆材料を開示しており、それは、強制的に、オレフィン系不飽和単量体と1,1−ジフェニルエチレンまたはその誘導体の共重合体を含んでいる。微孔性表面の被覆に関連する問題点およびそれに関する可能な解決策は論じられていない。
【0015】
更にまた、国際特許出願WO98/40170号はベースコート材料の層をクリアコートのトップコート物質で上塗りし、その後、得られたクリアコート層を化学線に曝露した後に、層2つを共にベーキングするwet−on−wetの方法を開示している。国際特許出願は既知のクリアコート物質が微孔性表面の被覆に関連する問題を解決できるかどうか、または、それがSMCおよびBMCのシールとして適しているかどうかは明らかにしていない。
【0016】
本発明の明細書尾の優先日において未公開であったドイツ国特許出願DE10113884.9号は、対象となる表面を熱および化学線照射により硬化可能な被覆材料少なくとも1つで被覆し、その後、得られた層を熱および化学線照射により硬化させる、孔径が10〜1500nmの微孔性表面を被覆するための方法を記載しており、被覆材料または被覆材料の少なくとも1つは、下記成分:
(a1)下記成分:
(a11)化学線照射により活性化されることができ、そして、化学線照射による架橋に寄与する結合少なくとも1つを含有する官能基平均で分子当たり少なくとも2つ、および所望により、
(a12)イソシアネート反応性基少なくとも1つ、
を含有する構成成分少なくとも1つ、
(a2)イソシアネート反応性基少なくとも2個を有する熱硬化可能な成分少なくとも1つ、
および、
(a3)(環状)脂肪族ポリイソシアネート少なくとも1つ、
を含む。
【0017】
被覆材料は雲母(Minatec(R)40CM、Merck製)系の顔料のような導電性顔料を含んでよい。飽和芳香族ポリイソシアネートの使用は記載しておらず;むしろ発明は表記上は(環状)脂肪族ポリイソシアネートのみに言及している。
【0018】
本発明の問題点
本発明の目的は、従来技術の不都合な点をもはや有していないが、今日まで達成された技術的進歩は完全に保持しつつ、特に複雑な形状の三次元部材の影領域における進歩した加工ウインドウと進歩した硬化特性をもたらし、そして極めて広範囲の種類の微孔性表面に対して、優れたサンド処理特性および研磨性を有する被覆、特にシールを与える、熱および化学線により硬化可能な新しい被覆材料を提供することである。更にまた、新しい被覆材料は120℃未満の温度で熱硬化を行えなければならない。更に、新しい被覆およびシールは高い機械的可撓性を有し、そして極めて広範な種類の基板に対して極めて良好な接着性を示さなければならない。更にまた、それらの上塗り能は極めて良好でなければならない。それらはまた、静電高速回転法(ESTA)または電気泳動的付着被覆法を用いて上塗りが可能であるように、導電性が得られるように容易に調製されなければならない。新しい被覆およびシールはまた特に良好な被覆間接着を示さなければならない。
【0019】
発明の開示
従って本発明は、下記成分:
(a1)下記成分:
(a11)化学線照射により活性化されることができ、そして、化学線照射による架橋に寄与する結合少なくとも1つを含有する官能基平均で分子当たり少なくとも2つ、および所望により、
(a12)イソシアネート反応性基少なくとも1つ、
を含有する構成成分少なくとも1つ、
(a2)イソシアネート反応性基少なくとも2個を有する熱硬化可能な成分少なくとも1つ、
および、
(a3)官能基(a11)を含有しない芳香族ポリイソシアネート少なくとも1つ、官能基(a11)を含有しない芳香族ポリイソシアネート少なくとも1つおよび官能基(a11)を含有しない(環状)脂肪族ポリイソシアネート少なくとも1つの混合物、
を含む熱および化学線で硬化可能な新しい被覆材料を提供する。
【0020】
熱および化学線で硬化可能な新しい被覆材料は以降、「本発明の被覆材料」と称する。
【0021】
本発明は更に、使用する被覆材料が本発明の被覆材料少なくとも1つを含む、対象となる表面を熱および化学線照射で硬化可能な被覆材料少なくとも1つで被覆し、その後、得られた層を熱および化学線照射で硬化する微孔性表面を被覆するための新しい方法を提供する。
【0022】
以下の記述において、微孔性表面を被覆するための新しい方法は、「本発明の方法」と称する。
【0023】
以下の記述において、新しく被覆され、特にシールされ、成形部材は「本発明の成形部材」と称し、そして相当するSMCおよびBMCは「本発明のコンパウンド」と称する。
【0024】
本発明のその他の要件は詳細な説明から明らかにされる。
【0025】
本発明の利点
従来の技術を鑑みれば、本発明の根底にある目的は本発明の被覆材料、方法、成形部材およびコンパウンドにより達成されるということは、当業者にとって意外であり、予測できないことであった。
【0026】
特に驚くべき点は、本発明の被覆材料および方法は、特に多大な労力を必要とすることなく、微小気泡(ブリスタ)の形成がなく、後処理の不要なオレンジピールのような構造のない平滑な表面を有し、そして、被覆間または基板の接着のような後続する問題点を生じることなく容易で安全に上塗りすることができる微孔性表面上のシールを与えた点である。
【0027】
本発明の方法および被覆材料およびそれより製造されたシールは、意外にも、導電性となるように極めて効率的に調製することができる。その結果、導電性ではない表面上に存在する場合であっても、静電高速回転法(ESTA)または電気泳動的付着被覆法によりシールを被覆することが可能となった。
【0028】
とりわけ、例えば自動車車体のような未被覆の導電性金属部品に直接本発明の成形部材およびコンパウンドを構築することができ、そして、それらを金属部品と同様の方法で電気泳動的に被覆することが可能となった。
【0029】
しかしながら特に驚くべき点は本発明の被覆材料は特に広い加工ウインドウを有し、従って、技術的および気象上の困難な条件下においても、技術的に古い装置および工場および/または比較的高いまたは低い温度において、および/または比較的低いまたは高い大気湿度においても問題なく使用でき、特に複雑な形状の三次元部材の影領域において進歩した硬化特性を与え、そして極めて広範な種類の微孔性表面に対し、優れた研磨性およびサンド処理特性を有する被覆、特にシールを与えている。更にまた、本発明の被覆およびシールは高い機械的可撓性を有し、極めて広範な種類の基板への優れた接着性および優れた被覆間の接着をもたらしている。
【0030】
発明の詳細な説明
本発明の被覆材料は熱および化学線照射により硬化可能である。
【0031】
本発明の範囲内においては、「熱硬化」とは通常は個別の架橋剤を使用する被覆材料の層の熱開始硬化を指す。これは一般的には当該分野において外部架橋と称される。
【0032】
本発明の範囲内においては、化学線照射とは近赤外線(NIR)、可視光、UV照射またはX線、特にUV照射または微粒子照射、例えば電子線のような電磁気的な照射を意味する。
【0033】
熱硬化および活性光硬化を単一の被覆材料に対して共に使用する場合は、「二重硬化」とも称する。
【0034】
本発明の被覆材料は、化学線照射により活性化でき、化学線照射による架橋に寄与する結合を、平均で分子当たり、少なくとも1つ、特に1つを含む官能基(a11)少なくとも2つ、特に少なくとも3つ、および、所望によりイソシアネート反応性基(a12)少なくとも1つ、特に少なくとも2つを含む構成成分(a1)少なくとも1つを含む。ここで放射線硬化性のバインダーはUV硬化性であることが好ましい。成分(a1)が基(a12)を本質的に含有しないことが更に好ましく、そして全く含有しないことが特に好ましい。
【0035】
好ましくは、構成成分(a1)は平均で分子当たり6つ以下、特に5つ以下の官能基(a11)を含む。
【0036】
化学線照射により活性化できる適当な結合の例は、炭素−水素単結合または炭素−炭素、炭素−酸素、炭素−窒素、炭素−リンまたは炭素−珪素の単結合または二重結合である。これらのうち、二重結合、特に炭素−炭素二重結合が好ましく用いられる。
【0037】
高度に適する炭素−炭素二重結合は、例えば、(メタ)アクリレート、エタクリレート、クロトネート、シンナメート、ビニルエーテル、ビニルエステル、エテニルアリーレン、ジシクロペンタジエニル、ノルボルネニル、イソプレニル、イソプロペニル、アリルまたはブテニル基;エテニルアリーレンエーテル、ジシクロペンタジエニルエーテル、ノルボルネニルエーテル、イソプレニルエーテル、イソプロペニルエーテル、アリルエーテルまたはブテニルエーテル基;またはエテニルアリーレンエステル、ジシクロペンタジエニルエステル、ノルボルネニルエステル、イソプレニルエステル、イソプロペニルエステル、アリルエステルまたはブテニルエステル基中に存在する。これらのうち、(メタ)アクリレート基、特にアクリレート基が特に好都合であり、従って、本発明において特に好ましく用いられる。
【0038】
適当なイソシアネート反応性基(a12)の例は、チオール基、第1または第2アミノ基、イミノ基またはヒドロキシル基、特にヒドロキシル基である。
【0039】
構成成分(a1)はオリゴマーまたは重合体である。
【0040】
本発明の範囲内においては、オリゴマーは一般的に平均で2〜15基本構造または単量体単位を含む化合物である。一方重合体は、一般的に平均で少なくとも10基本構造または単量体単位を含む化合物である。この種の化合物は当該分野においては、バインダーまたは樹脂とも称される。
【0041】
これとは対照的に、本発明の範囲内における低分子量の化合物は1基本構造または1単量体単位からのみ実質的に誘導される化合物である。この種の化合物は当該分野においては反応性希釈剤とも称される。
【0042】
バインダー(a1)として使用される重合体またはオリゴマーは通常は数平均分子量500〜50,000、好ましくは1000〜5000を有する。これらは好ましくは、二重結合等価重量400〜2000、特に好ましくは500〜900を有する。更にまた、それらは23℃における粘度が好ましくは250〜11000mPasである。
【0043】
適当なバインダーまたは樹脂(a1)の例は、(メタ)アクリロイル官能性(メタノール)アクリル共重合体、ポリエーテルアクリレート、ポリエステルアクリレート、ポリエステル、エポキシアクリレート、ウレタンアクリレート、アミノアクリレート、メラミンアクリレート、シリコーンアクリレートおよびホスファゼンアクリレートおよび相当するメタクリレートのオリゴマーおよび/または重合体のクラスから選択される。芳香族構造単位を有さないバインダー(a1)を使用することが好ましい。従って、ウレタン(メタ)アクリレート、ホスファゼン(メタ)アクリレート、および/または、ポリエステル(メタ)アクリレートを使用することが好ましく、そして、ウレタン(メタ)アクリレートが特に好ましく、脂肪族とウレタン(メタ)アクリレートが最も好ましい。
【0044】
ウレタン(メタ)アクリレート(a1)はジイソシアネートまたはポリイソシアネートを、ジオール/ポリオールおよび/またはジアミン/ポリアミンおよび/またはジチオール/ポリチオールおよび/またはアルカノールアミンよりなる群から選択される鎖伸長剤と反応させ、次に、残存する遊離のイソシアネート基を少なくとも1つのヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートまたは他のエチレン性不飽和カルボン酸のヒドロキシアルキルエステルと反応させることにより得られる。
【0045】
鎖伸長剤、ジイソシアネートおよび/またはポリイソシアネートおよびヒドロキシアルキルエステルの量は、この場合、好ましくは以下の通り選択する。
1.)NCO基の鎖伸長剤の反応性基(ヒドロキシル、アミノおよび/またはメルカプト基)に対する等量比は3:1〜1:2、好ましくは2:1であり、そして、
2.)エチレン製不飽和カルボン酸のヒドロキシアルキルエステルのOH基はイソシアネートおよび鎖伸長剤から形成されたプレポリマーの残余の遊離イソシアネート基に関して化学量論的な量である。
【0046】
ウレタン(メタ)アクリレートは、まず、ジイソシアネートまたはポリイソシアネートのイソシアネート基の一部をヒドロキシアルキルエステルの少なくとも1つと反応させ、次に残余のイソシアネート基を鎖伸長剤に反応させることにより調製できる。この場合も鎖伸長剤、イソシアネートおよびヒドロキシアルキルエステルの量は、NCO基の鎖伸長剤の反応性基に対する等量比が3:1〜1;2、好ましくは2:1になるように、そして、残余のNCO基のヒドロキシアルキルエステルのOH基に対する等量比が1:1となるように選択する。当然ながら、これらの2つの過程の間に存在する全ての形態が可能である。例えば、ジイソシアネートのイソシアネート基の一部をまずジオールと反応させ、その後、イソシアネート基の他の部分をヒドロキシアルキルエステルと反応させ、そしてその後、残余のイソシアネート基をジアミンと反応させてよい。
【0047】
ウレタン(メタ)アクリレート(a1)への可撓性付与は例えば相当するイソシアネート−官能性プレポリマーまたはオリゴマーを比較的長鎖の脂肪族ジオールおよび/またはジアミン、特に炭素原子少なくとも6個を有する脂肪族ジオールおよび/またはジアミンと反応させることにより行う。この可撓性付与反応はオリゴマーおよび/またはプレポリマーへのアクリル酸および/またはメタクリル酸の付加の前または後に行ってよい。
【0048】
適当なウレタン(メタ)アクリレート(a1)の例は以下のもの、即ち以下の市販の多官能性の脂肪族ウレタンアクリレート、即ち:
− Croda Resin Ltd.,Kent Great Britainより入手できるCrodamer(R)UVU300;
− Rahn Chemie,Switzerlandより入手できるGenomer(R)4302、4235、4297または4316;
− UCB,Drogenbos,Belgiumより入手できるEbecryl(R)284、294,8210、5129または1290またはRadcure(R)IRR351;
− Bayer AG、Germanyから入手できるRoskydal(R)LS2889またはLS2545またはV94−504;
− Vianova,Austriaより入手できるViaktin(R)VTE6160;
− BASF AGから入手できるLaromer(R)8861およびそれより開発した生成物;
から製造できる。
【0049】
ヒドロキシル含有ウレタン(メタノール)アクリレート(a1)は、例えば米国特許US4,634,602A号およびUS4,424,252A号に記載されている。
【0050】
適当なポリホスファゼン(メタ)アクリレート(a1)の一例はIdemitsu,Japanより入手できるホスファゼンジメタクリレートである。
【0051】
特に好ましいものはEbecryl(R)8210、Laromer(R)LR8987およびLaromer(R)UA19Tである。
【0052】
構成成分(a1)は好ましくは本発明の被覆材料の固体に基づいて、5〜50重量%、より好ましくは6〜45重量%、特に好ましくは7〜40重量%、極めて好ましくは8〜35重量%、特に9〜30重量%の量で用いられる。
【0053】
被覆材料は更に、イソシアネート反応性基を少なくとも2つ、特に少なくとも3つ含有する熱硬化性の構成成分(a2)少なくとも1つを含む。適当なイソシアネート反応性基の例は上記したもの、特にヒドロキシル基である。
【0054】
構成成分(a2)はオリゴマーまたは重合体である。
【0055】
適当な構成成分(a2)の例は直鎖および/または分枝鎖および/またはブロックのコーム型および/またはランダムのオリゴマーまたは重合体、例えば(メタ)アクリレート(共)重合体、ポリエステル、アルキド、アミノプラスト樹脂、ポリウレタン、ポリラクトン、ポリカーボネート、ポリエーテル、エポキシ樹脂−アミン付加物、(メタ)アクリレートジオール、部分ケン化ポリビニルエステルまたはポリ尿素であり、このうち、(メタ)アクリレート共重合体、ポリエステル、ポリウレタン、ポリエーテルおよびエポキシ樹脂−アミン付加物が好ましく、そして特にポリエステルが好都合である。
【0056】
適当なバインダー(a2)は例えばBayerのDesmophen(R)650、2089、1100,670,1200または2017、UniqemaのPriplasまたはPripol(R)、CCPのChempol(R)ポリエステルまたはポリアクリレート−ポリオール、CrodaのCrodapol(R)0−25、0−85または0−86、AkzoのSetal(R)l615または1715、Schenectady−Beck ElektroisoliersystemeのDobeckan(R)IU080014、または、WitcoのFormrez(R)の商品名の下に販売されている。
【0057】
バインダー(a2)は好ましくは質量平均分子量500〜10000ダルトン、より好ましくは1000〜5000ダルトンおよびヒドロキシル数80〜160mgKOH/gを有する。好ましいものはバインダー(a2)としてのSetal(R)1615、Setal(R)1715、Desmophen(R)650およびDesmophen(R)670である。
【0058】
被覆材料中の構成成分(a2)の比率は広範に変化してよく、個々の場合の必要性により決定される。それらは好ましくは、被覆材料の固体に基づいて5〜90重量%、より好ましくは6〜80重量%、特に好ましくは7〜70重量%、極めて好ましくは8〜60重量%、特に9〜50重量%の量で使用する。
【0059】
被覆材料は更に官能基(a11)を含有しない芳香族ポリイソシアネート(a3)少なくとも1つを含む。
【0060】
芳香族ポリイソシアネート(a3)は平均で分子当たりイソシアネート基を少なくとも2.0個、好ましくは2.0個より多く、特に3.0個より多く含有する。基本的にはイソシアネート基の数には上限はない;しかし、本発明によれば、数が15、好ましくは12、特に好ましくは10、極めて好ましくは8.0、特に6.0を超えないことが好都合である。
【0061】
適当な芳香族ポリイソシアネート(a3)の例はポリオールを過剰な芳香族ジイソシアネートと反応させることにより調製することができ、そして、好ましくは低粘度であるイソシアナト含有ポリウレタンプレポリマーである。
【0062】
適当な芳香族ジイソシアネートの例は1,2−、1,3−および1,4−ベンゼンジイソシアネート、2,4−および2,6−トリレンジイソシアネート、4,4’−ビフェニレンジイソシアネート、ビス(4−イソシアナトフェニル)メタン、2,2−ビス(4−イソシアナトフェニル)プロパンおよび位置異性体のナフタレンジイソシアネート、特に2,4−および2,6−トリレンジイソシアネートの工業用等級の混合物である。
【0063】
更にまた好都合には上記した芳香族ジイソシアネートから調製されるイソシアヌレート、ビウレット、アロファネート、イミノオキサジアジンジオン、ウレタン、尿素、カルボジイミドおよび/またはウレトジオン基を含む芳香族ポリイソシアネート(a3)を使用することもできる。適当な調製方法の例は、特許文献CA2,163,591A、US−A−4,419,513A、US4,454,317A、EP0646608A、US4,801,675A、EP0183976A1、DE4015155A1、EP0303150A1、EP0496208A1、EP0524500A1、EP0566037A1、US5,258,482A1、US5,290,902A1、EP0649806A1、DE4229183A1、EP0531820A1およびDE10005228A1に記載されている。
【0064】
同様に適当であるものは、ドイツ国特許出願DE19828935A1号に記載の高粘度の芳香族ポリイソシアネート(a3)または尿素の形成および/またはEP0922720A1、EP1013690A1およびEP1029879A1に記載されているブロッキングにより表面不活性化されている芳香族ポリイソシアネート粒子である。
【0065】
更に芳香族ポリイソシアネート(a3)として適するものは、ドイツ国特許出願DE19609617A1号に記載の、遊離のイソシアネート基をなお含有するイソシアネート反応性官能基を含むジオキサン、ジオキソランおよびオキサゾリジンとのポリイソシアネートの付加物である。
【0066】
芳香族ポリイソシアネート(a3)は官能基(a11)を含有しない環状脂肪族および/または脂肪族のポリイソシアネートとともに使用することにより、混合物(a3)としてよい。
【0067】
(a11)非含有の環状脂肪族および脂肪族のポリイソシアネートもまた平均で分子当たりイソシアネート基を少なくとも2.0個、好ましくは2.0個より多く、特に3.0個より多く含有する。イソシアネート基の数には基本的には下限はない;しかし、本発明によれば、数が15、好ましくは12、特に好ましくは10、極めて好ましくは8.0、特に6.0を超えないことが好都合である。
【0068】
適当な脂肪族および環状脂肪族のポリイソシアネートの例は、ポリオールを過剰量の脂肪族および環状脂肪族のジイソシアネートと反応させることにより調製でき、好ましくは低粘度であるイソシアナト含有ポリウレタンプレポリマーである。
【0069】
適当な脂肪族および環状脂肪族のジイソシアネートの例は、イソホロンジイソシアネート(即ち5−イソシアナト−1−イソシアナトメチル−1,3,3−トリメチルシクロヘキサン)、5−イソシアナト−1−(2−イソシアナトエタ−1−イル)−1,3,3−トリメチルシクロヘキサン、5−イソシアナト−1−(3−イソシアナトプロパ−1−イル)−1,3,3−トリメチルシクロヘキサン、5−イソシアナト−(4−イソシアナトブタ−1−イル)−1,3,3−トリメチルシクロヘキサン、1−イソシアナト−2−(3−イソシアナトプロパ−1−イル)シクロヘキサン、1−イソシアナト−2−(3−イソシアナトエタ−1−イル)シクロヘキサン、1−イソシアナト−2−(4−イソシアナトブタ−1−イル)シクロヘキサン、1,2−ジイソシアナトシクロブタン、1,3−ジイソシアナトシクロブタン、1,2−ジイソシアナトシクロペンタン、1,3−ジイソシアナトシクロペンタン、1,2−ジイソシアナトシクロヘキサン、1,3−ジイソシアナトシクロヘキサン、1,4−ジイソシアナトシクロヘキサン、ジシクロヘキシルメタン−2,4’−ジイソシアネート、トリメチレンジイソシアネート、テトラメチレンジイソシアネート、ペンタメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)、エチルエチレンジイソシアネート、トリメチルヘキサンジイソシアネート、ヘプタメチレンジイソシアネート、メチルペンチルジイソシアネート(MPDI)、ノナントリイソシアネート(NTI)または二量体脂肪酸から誘導したジイソシアネート、例えば商品名DDI1410の下にHenkelから販売されているもの、および、国際特許出願WO97/49745およびWO97/49747号に記載されているもの、特に、2−ヘプチル−3,4−ビス(9−イソシアナトノニル)−1−ペンチルシクロヘキサンまたは1,2−、1,4−または1,3−ビス(イソシアナトメチル)シクロヘキサノン、1,2−、1,4−または1,3−ビス(2−イソシアナトエタ−1−イル)シクロヘキサン、1,3−ビス(3−イソシアナトプロパ−1−イル)シクロヘキサン、1,2−、1,4−または1,3−ビス(4−イソシアナトブタ−1−イル)シクロヘキサン、または、液体のビス(4−イソシアナトシクロヘキシル)メタンのトランス/トランス顔料が30重量%、好ましくは25重量%、特に20重量%までのもの、例えば特許文献DE4414032A1、GB1220717A1、DE1618795A1およびDE1793785A1に記載のもの、好ましくはイソホロンジイソシアネート、5−イソシアナト−1−(2−イソシアナトエタ−1−イル)−1,3,3−トリメチルシクロヘキサン、5−イソシアナト−1−(3−イソシアナトプロパ−1−イル)−1,3,3−トリメチルシクロヘキサン、5−イソシアナト−(4−イソシアナトブタ−1−イル)−1,3,3−トリメチルシクロヘキサン、1−イソシアナト−2−(3−イソシアナトプロパ−1−イル)シクロヘキサン、1−イソシアナト−2−(3−イソシアナトエタ−1−イル)シクロヘキサン、1−イソシアナト−2−(4−イソシアナトブタ−1−イル)シクロヘキサンまたはHDI、特にHDIである。
【0070】
更にまた好都合には、通常、上記した脂肪族または環状脂肪族のジイソシアネートから調製されるイソシアヌレート、ビウレット、アロファネート、イミノオキサジアジンジオン、ウレタン、尿素、カルボジイミドおよび/またはウレトジオン基を含む脂肪族または環状脂肪族のポリイソシアネート(a3)を使用することもできる。適当な調製方法の例は、同様に特許文献CA2,163,591A、US4,419,513、US4,454,317A、EP0646608A、US4,801,675A、EP0183976A1、DE4015155A1、EP0303150A1、EP0496208A1、EP0524500A1、EP0566037A1、US5,258,482A1、US5,290,902A1、EP0649806A1、DE4229183A1、EP0531820A1およびDE10005228A1に記載されている。
【0071】
同様に適当であるものは、ドイツ国特許出願DE19828935A1号に記載の高粘度の脂肪族または環状脂肪族のポリイソシアネートまたは尿素の形成および/またはEP0922720A1、EP1013690A1およびEP1029879A1に記載されているブロッキングにより表面不活性化されているポリイソシアネート粒子である。
【0072】
更に脂肪族または環状脂肪族のポリイソシアネートとして適するものは、ドイツ国特許出願DE19609617A1号に記載の、遊離のイソシアネート基をなお含有するイソシアネート反応性官能基を含むジオキサン、ジオキソランおよびオキサゾリジンとの脂肪族または環状脂肪族のポリイソシアネートの付加物である。
【0073】
芳香族ポリイソシアネート(a3)は好ましくは2,4−および2,6−トリレンジイソシアネートの工業用等級の混合物系であるポリイソシアネートよりなる群から選択される。
【0074】
(環状)脂肪族ポリイソシアネートは好ましくはヘキサメチレンジイソシアネート系およびイソホロンジイソシアネート系のポリイソシアネートよりなる群から選択される。
【0075】
芳香族ポリイソシアネート(a3)および/または(環状)脂肪族ポリイソシアネートの少量区分を慣用的で既知のブロッキング剤を用いてブロッキングしてよい。少量区分とは、好都合に変動してよい量をさすが、ポリイソシアネート(a3)の特性の技術的側面を特徴付けるものではない。好ましくは芳香族ポリイソシアネート(a3)および/または(環状)脂肪族ポリイソシアネートの5〜80モル%、特に20〜45モル%をブロッキングする。(環状)脂肪族ポリイソシアネートの硬度は好ましくは15〜25%のNCO含量を有する。芳香族ポリイソシアネートの硬度は好ましくは10〜15%のNCO含量を有する。
【0076】
芳香族ポリイソシアネート(a3)または芳香族ポリイソシアネート(a3)少なくとも1つおよび/または脂肪族および/または環状脂肪族のポリイソシアネート少なくとも1つを含む混合物(a3)の本発明の被覆材料中の量は広範に変動してよく、そして、個々の場合の必要性により、特に構成要素(a2)および適宜(a1)中のイソシアネート反応性基の量により決定される。該量は本発明の被覆材料の固体に基づいて、好ましくは5〜60重量%、より好ましくは5〜55重量%、特に好ましくは5〜50重量%、極めて好ましくは5〜45重量%、そして特に5〜40重量%である。
【0077】
混合物(a3)中の(環状)脂肪族ポリイソシアネートに対する芳香族ポリイソシアネート(a3)の比率は、95:5〜5:95、好ましくは85:15〜15:85、および、特に80:20〜20:80である。
【0078】
本発明の被覆材料は更に顔料および/または充填剤少なくとも1つを含んでよい。対象となる充填剤および顔料は着色料および/またはエフェクト顔料、蛍光顔料、導電性顔料および/または磁気遮蔽顔料、金属粉、耐引掻顔料、有機染料、有機および無機の透明または不透明の充填剤および/またはナノ粒子を含んでよい。
【0079】
本発明の被覆材料を用いて導電性シールを製造するためには、それは導電性顔料少なくとも1つおよび/または導電性充填剤少なくとも1つを含有することが好ましい。
【0080】
適当なエフェクト顔料は金属フレーク顔料、例えば市販の慣用的なアルミニウム銅合金、DE3636183A1に従ってクロム化したアルミニウム銅合金、および市販の慣用的なステンレス鋼の銅合金、および、非金属のエフェクト顔料、例えばパール光沢顔料および干渉色顔料、例えばピンク〜茶色未を帯びた赤色の色を有する酸化鉄系の小板形状を有するエフェクト顔料、または、液晶エフェクト顔料である。更に詳細には、Roempp Lexikon Lacke und Druckfarben,Georg Thieme Verlag,1998,p.176,”Effect pigments(エフェクト顔料)”およびp.380−381,”Metal oxide−mica pigments(金属酸化物−雲母顔料)”〜”Metal pigments(金属顔料)”および特許出願および特許文献、DE3636156A1、DE3718446A1、DE3719804A1、DE3930601A1、EP0068311A1、EP0264843A1、EP0265820A1、EP0283852A1、EP0293746A1、EP0417567A1、US4,828,826AおよびUS5,244,649Aを参照することができる。
【0081】
適当な無機の着色顔料の例は、白色顔料、例えば二酸化チタン、酸化亜鉛、硫化亜鉛またはリトポン;黒色顔料、例えばカーボンブラック、鉄マンガンブラックまたは尖晶石ブラック;有色顔料、例えば酸化クロム、酸化クロム水和物グリーン、コバルトグリーンまたは群青グリーン、コバルトブルー、群青またはマンガンブルー、群青バイオレットまたはコバルトバイオレットおよびマンガンバイオレット、赤酸化鉄、スルホセレン化カドミウム、モリブデン酸レッドまたは群青レッド;茶酸化鉄、ミックスブラウン、尖晶石フェイズおよび鋼玉フェイズまたはクロムオレンジ;または黄酸化鉄、ニッケルチタンイエロー、クロムチタンイエロー、硫化カドミウム、硫化亜鉛カドミウム、クロムイエローまたはバナジウム酸ビスマスである。
【0082】
適当な有機の着色顔料の例は、モノアゾ顔料、ビスアゾ顔料、アントラキノン顔料、ベンズイミダゾール顔料、キナクリドン顔料、キノフタロン顔料、ジケトピロロピロール顔料、ジオキサジン顔料、インダスロン顔料、イソインドリン顔料、イソインドリノン顔料、アゾメチン顔料、チオインジゴ顔料、金属鎖体顔料、ペリノン顔料、ペリレン顔料、フタロシアニン顔料またはアニリンブラックである。
【0083】
更に詳細には、Roempp Lexikon Lacke und Druckfarben,Georg Thieme Verlag,1998,p.180−181、”Iron blue pigments(鉄ブルー顔料)”〜”Black iron oxide(黒酸化鉄)”、p.451−453、”Pigments(顔料)”〜”Pigment volume concentration(顔料の容量濃度)”、p.563、”Thioindigo pigments(チオインジゴ顔料)”、p.567、”Titanium dioxide pigments(二酸化チタン顔料)”,p.400,467、”Naturally occurring pigments(天然顔料)”、p.459、”Polycyclic pigments(多環式顔料)” 、p.52、”Asomethine pigments(アゾメチン顔料)”、”Azo pigments(アゾ顔料)”、および、p.379、”Metal complex pigments(金属鎖体顔料)”を参照することができる。
【0084】
蛍光顔料(昼光用蛍光顔料)の例はビス(アゾメチン)顔料である。
【0085】
適当な導電性顔料の例は、組成物の総固体に基づいて20〜25重量%の顔料濃度において60μmの乾燥層厚みから黒色/白色のコントラストに勝る隠蔽能力を示す顔料である。これらの顔料は好ましくは化学線照射、特にUV照射に対しては透明である。
【0086】
この種の高度に適する導電性顔料の例は酸化金属層、特にアンチモンスズ混合酸化物層で被覆された雲母系の顔料である。特に適する導電性雲母顔料は銘柄名Minatec(R)40CM、31CMまたは30CM(Conductive Mica)の下にMerck社より販売されている。
【0087】
磁気的に遮蔽する顔料の例は、酸化鉄またはに酸化クロム系の顔料である。
【0088】
適当な金属粉末の例は、金属および合金、例えばアルミニウム、亜鉛、銅、青銅または真鍮の粉末である。
【0089】
適当な可溶性有機染料は被覆材料から、またはそれから製造された被覆から移行する傾向が殆どないか全くないライトファーストの有機染料である。移行の傾向は当該分野の一般的知識に基づいて当業者が推定でき、および/または、例えば染色実験の一部として単純な予備的範囲選択試験を用いることにより決定できる。
【0090】
適当な有機および無機の充填剤の例は、白墨、硫酸カルシウム、硫酸バリウム、ケイ酸塩、例えばタルク、雲母またはカオリン、シリカ、酸化物、例えば水酸化アルミニウムまたは水酸化マグネシウム、または有機の充填剤、例えば重合体粉末、特にポリアミドまたはポリアクリロニトリルの粉末である。更に詳細には、Roempp Lexikon Lacke und Druckfarben,Georg Thieme Verlag,1998,p.250ff,”Fillers(充填剤)”を参照できる。
【0091】
適当な透明充填剤の例はシリカ、アルミナおよび酸化ジルコニウム系のものであるが、これらの系統のナノ粒子が好ましい。
【0092】
特に好ましいものは化学線照射、特にUV照射に対して透明である充填剤、例えばMircavor(R)20、Mistron(R)MonomixおよびBlancfix(R)NまたはFである。
【0093】
極めて好ましくは、本発明の導電性被覆材料は上記した導電性の雲母顔料少なくとも1つおよび上記したUV透明性の充填剤少なくとも1つを含む。
【0094】
本発明の被覆材料中の上記した顔料および/または充填剤の量は広範に変動し、個々の場合の必要性により決定される。被覆材料の固体に基づいて、好ましくは5〜50、より好ましくは5〜45、特に好ましくは5〜40、極めて好ましくは5〜35、特に5〜30重量%である。
【0095】
本発明の被覆材料は更に粘着性付与剤少なくとも1種を含んでよい。粘着性付与剤とは、穏やかに圧迫してから短時間の後に表面にしっかり接着できるようにする接着剤の粘着性、即ち固有の付着性または自己接着性を増大させる重合体接着性添加剤である(Ullmann’s Encyclopedia of Industrial Chemistry,CD−ROM,Wiley VCH,Weinheim,1997,”Tackifier(粘着性付与剤)”参照)。
【0096】
適当な粘着性付与剤の例は、下記:
− アルキル(メタ)アクリレート、特にアルキルアクリレートの単独重合体、例えばポリ(イソブチルアクリレート)またはポリ(2−エチルヘキシルアクリレート)、即ち商標名でBASF AktiengesellschaftのAcronal(R)、DupontのElvacite(R)、AveciaのNeocryl(R)、RoehmのPlexigum(R)
− 直鎖ポリエステル、例えば一般的にコイルコーティングに使用されているもの、例えば商標名でDynamit NobelのDynapol(R)、SK Chemicals,JapanのSkybond(R)、またはDegussaから物質名LTWで販売されているもの;
− ポリカーボネートジオール系またはポリエステルジオール系の数平均分子量2000超、特に3000〜4000を有する化学線硬化可能な直鎖2官能性オリゴマー、即ちCraynorの品名CN970またはUCBの商標名Ebecryl(R)
− エチル、プロピル、イソブチル、ブチルおよび/または2−エチルヘキシルビニルエーテル系の直鎖ビニルエーテル単独重合体および共重合体、即ち、BASF Aktiengesellschaftの商標名Lutonal(R);および、
− ビス(4,4−イソシアナトフェニル)メタン、N,N−ジメチルエタノールアミンおよびジオール類、例えばプロパンジオール、ヘキサンジオールまたはジメチルペンタンジオールから調製される非反応性ウレタン尿素オリゴマー、即ち、例えば、Swift Reicholdから商標名Swift Range(R)、または、Mictchem Chemicalsから商標名Surkopack(R)またはSurkofilm(R)で販売されているもの;
よりなる群から選択される高可撓性樹脂である。
【0097】
粘着性付与剤は本発明の被覆材料の固体に基づいて、好ましくは0.1〜10重量%、より好ましくは0.2〜9重量%、特に好ましくは0.3〜8重量%、極めて好ましくは0.4〜7重量%、特に0.56重量%の量で使用する。
【0098】
本発明の被覆材料は更に光重合開始剤少なくとも1つを含んでよい。被覆材料がUV照射により架橋させなければならない場合、一般的には光重合開始剤を必要とする。これらを使用する場合は、それらは被覆材料中、被覆材料の固体に基づいて、好ましくは0.1〜10重量%、より好ましくは0.2〜8重量%、特に好ましくは0.3〜7重量%、極めて好ましくは0.4〜6重量%、そして特に0.5〜5重量%の分量で存在する。
【0099】
適当な光重合開始剤の例は、その作用機序が光化学反応の場合に多様に起こるものとしての水素吸引反応の分子内変形型(例えばRoempp Chemie Lexikon,第9版増刷改定版、Georg Thieme Verlag,Stuttgart,Vol.4,1991参照)に基づくものであるNorrishII型のもの、または、カチオン性光重合開始剤(例えばRoempp Lexikon Lacke und Druckfarben,Georg Thieme Verlag,Stuttgart,1998,p.444−446参照)、特にベンゾフェノン、ベンゾインまたはベンゾインエーテルまたはホスフィンオキシドである。またCiba GeigyのIrgacure(R)184、Irgacure(R)1800およびIrgacure(R)500、RahnのGrenocure(R)MBFおよびBASF AGのLucirin(R)TPOの商品名で販売されている製品を使用することもできる。
【0100】
光重合開始剤のほかに、慣用的な増感剤、例えばアントラセンを有効量使用してよい。
【0101】
更にまた、本発明の被覆材料は熱架橋開始剤少なくとも1つを含んでよい。80〜120℃において、これらの開始剤はラジカルを形成し、これが架橋反応を開始させる。熱不安定性のフリーラジカル開始剤の例は有機過酸化物、有機アゾ化合物またはC−C開裂開始剤、例えばジアルキルパーオキシド、パーオキシカルボン酸、パーオキシジカーボネート、過酸化物エステル、ハイドロパーオキシド、ケトンパーオキシド、アゾジニトリルまたはベンズピナコールシリルエーテルである。C−C開裂開始剤はそれらの熱開裂がシールの欠陥につながる如何なるガス分解産物の形成ももたらさないことから特に好ましい。使用する場合は、それらの量は一般的には、被覆材料の固体に基づいて0.1〜10重量%、好ましくは0.5〜8重量%、特に1〜5重量%である。
【0102】
更にまた、本発明の被覆材料は化学線および/または熱により硬化可能な反応性希釈剤少なくとも1つを含んでよい。
【0103】
適当な熱硬化性反応性希釈剤の例は位置異性体のジエタノールオクタンジオールまたはヒドロキシル含有過剰分枝鎖化合物またはデンドリマー、即ち、特許出願DE19809643A1、DE19840605A1およびDE19805421A1に記載のもの等である。
【0104】
適当な反応性希釈剤の別の例は、ポリカーボネートジオール、ポリエステルポリオール、ポリ(メタ)アクリレートジオールまたはヒドロキシル含有ポリ付加物である。
【0105】
反応性希釈剤として使用してよい適当な反応性溶媒の例はブチルグリコール、2−メトキシプロパノール、n−ブタノール、メトキシブタノール、n−プロパノール、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングルコールモノブチルエーテル、トリメチロールプロパン、エチル2−ヒドロキシプロピオネートまたは3−メチル−3−メトキシブタノールおよびプロピレングリコール系誘導体、例えばエトキシエチルプロピオネート、イソプロポキシプロパノールまたはメトキシプロピルアセテートである。
【0106】
化学線照射により架橋してよい反応性希釈液としては、例えば、(メタ)アクリル酸およびそのエステル、マレイン酸およびそのエステル、例えばモノエステル、酢酸ビニル、ビニルエーテル、ビニル尿素等を使用する。例示できるものは、アルキレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,3−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、ビニル(メタ)アクリレート、アリル(メタ)アクリレート、グリセロールトリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンジ(メタ)アクリレート、スチレン、ビニルトルエン、ジビニルベンゼン、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、エトキシエトキシエチルアクリレート、N−ビニルピロリドン、フェノキシエチルアクリレート、ジメチルアミノエチルアクリレート、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ブトキシエチルアクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、ジメチルアクリルアミドおよびジシクロペンチルアクリレート、分子量400〜4000、好ましくは600〜2500のEP0250631A1に記載されている長鎖直鎖ジアクリレートを包含する。例えば、2個のアクリレート基はポリオキシブチレン構造により分断されていてよい。1,12−ドデシルジアクリレートおよびアクリル酸2モルと一般的に炭素原子36個を有する二量体脂肪アルコール1モルとの反応性生物も使用できる。上記したモノマーの混合物も適している。
【0107】
化学線照射により硬化可能な適当な反応性希釈剤の別の例はRoempp Lexikon Lacke und Druckfarben,Georg Thieme Verlag,Stuttgart,New York,1998,p.491の”Reactive diluents(反応性希釈剤)”の見出しの下に記載されているものである。
【0108】
反応性希釈剤を使用する場合は、これは被覆材料の固体に基づいて好ましくは2〜70重量%、特に好ましくは10〜65重量%、特に15〜50重量%の量で用いる。
【0109】
本発明の被覆材料は更に慣用的な知られたイソシアナトアクリレート少なくとも1つを含んでよい。適当なイソシアナトアクリレートの例は欧州特許出願EP0928800A1に記載されている。しかしながら該イソシアナトアクリレートはまた米国特許4,444,954Aおよび5,972,189Aに記載のブロッキング剤を用いてブロックされていてよい。
【0110】
本発明の被覆材料は更に、1成分系における熱架橋のために一般的に使用されるとおり、架橋剤少なくとも1つを含んでよい。
【0111】
適当な架橋剤の例は、アミノプラスト樹脂、即ち、例えばRoempp Lexikon Lacke und Druckfarben,Georg Thieme Verlag,1998、p.29の”Amino resins(アミノプラスト樹脂)”、テキストブック”Lackadditive(被覆用添加剤)”、Johan Bieleman、Wiley−VCH、Weinheim,New York,1998,p.242ff、参考書”Paints,Coatings and Solvents(塗料、コーティングおよび溶媒)”、第2版完全改訂版、D.Stoye、W.Freitag編、Wiley−VCH、Weinheim,New York,1998,p.80ff、特許文献US4710542A1およびEP−B−0245700A1、および、B.Singh等の文献”Carbamylmethylated Melamins,Novel Crosslinkers for the Coating Industry(カルバミルメチル化メラミン、コーティング産業のための新しい架橋剤)”、Advanced Organic Coatings Science and Technology Series,1991、Vol.13,p.193−207に記載のもの;カルボキシ含有化合物または樹脂、即ち例えば特許文献DE19652813A1に記載のもの;および、エポキシ度基を含む化合物または樹脂、即ち、例えば特許文献EP0299420A1、DE2214650B1、DE2749576B1、US4091048A1およびUS3781379A1に記載のものである。
【0112】
本発明の被覆材料は更に水および/または不活性の有機または無機の溶媒少なくとも1つを含んでよい。
【0113】
無機の溶媒の例は液体窒素および超臨界二酸化炭素である。
【0114】
適当な有機溶媒の例は塗料分野で一般的に使用されている高沸点(”long”)溶媒または低沸点溶媒、例えばケトン、例えばメチルエチルケトン、メチルイソアミルケトンまたはメチルイソブチルケトン、エステル、例えば酢酸エチル、酢酸ブチル、エトキシプロピオン酸エチル、酢酸メトキシプロピルまたはブチルグリコールアセテート、エーテル、例えばジブチルエーテルまたはエチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、ブチレングリコールまたはジブチレングリコールのジメチル、ジエチルまたはジブチルエーテル、N−メチルピロリドンまたはキシレンまたは芳香族および/または脂肪族炭化水素の混合物、例えばSolventnaphtha(R)、石油蒸留物135/180、ジペンテン類またはSolvesso(R)(”Paints,Coatings and Solvents”、Dieter Stoye and Werner Freitag(編)、Wiley−VCH、第2版、1998,p.327−349参照)である。
【0115】
本発明の被覆材料は更に慣用的で知られた被覆添加剤少なくとも1つを、有効量、即ち、被覆材料の固体に基づいて、好ましくは40重量%以下、特に好ましくは30重量%以下、特に20重量%以下で含んでよい。
【0116】
適当な被覆添加剤の例はUV吸収剤、光安定化剤、フリーラジカルスカベンジャー、架橋触媒、例えばジブチルスズジラウレートまたはリチウムデカノエート、スリップ剤、重合禁止剤、消泡剤、乳化剤、水和剤、接着促進剤、レベリング剤、膜形成補助剤、例えばセルロース誘導体、難燃剤、ダレ防止剤、レオロジー制御添加剤またはフラット剤である。
【0117】
本発明の被覆材料は種々の形態で存在してよい。
【0118】
例えば、上記した構成成分(a1)、(a2)および(a3)のおよび存在しえる他の構成成分を適切に選択すれば、有機溶媒および/または水を実質的に含まない(100%系)液体被覆材料の形態で存在してよい。或は、被覆材料は水および/または有機溶媒中の上記構成成分の溶液または分散液を含んでよい。被覆材料に基づいて80重量%以下の固体含量となるように調製してよいことが水性および従来の被覆材料と比して更に好都合となっている。
【0119】
更にまた、上記した構成成分を適切に選択すれば、本発明の被覆材料は粉末のクリアコート物質とされる。この粉末クリアコート物質は所望により水中に分散して粉末スラリークリアコート物質としてよい。
【0120】
本発明の被覆材料は一方でその構成成分(a1)および(a2)、他方で(a3)の反応性が許容する限り、1成分系であってよい。しかしながら、上記構成成分の早期の熱架橋の危険性がある場合は、本発明の被覆材料を、少なくとも構成成分(a3)が他の構成成分とは分断されて貯蔵され、本発明の方法において使用される直前までは添加されないような2成分系または他成分系とすることが推奨される。
【0121】
本発明の被覆材料の製造方法は特に特徴はなく、従来どおり、上記構成成分を適切な混合装置中、例えば攪拌槽、溶解装置、Ultraturrax、インライン溶解装置、歯付ホイール分散装置、圧力開放ホモゲナイザー、マイクロ流動化装置、攪拌ミルまたは押出機中で混合することにより行われる。可視光または他の化学線による早期の架橋が起こっていないことを確認しなければならない。
【0122】
本発明の方法は、一般的に孔径10〜1500、好ましくは20〜1200、特に50〜1000nmの微孔性表面を被覆、特にシーリングするために使用される。ここで表面は導電性または電気絶縁性であってよい。
【0123】
導電性表面は金属または非金属である。非金属の導電性表面は例えば導電性セラミック物質、特に酸化物およびカルコゲン化物または導電性重合体よりなる。
【0124】
微孔性表面は好ましくは木材、ガラス、皮革、プラスチック、鉱物質、発泡物質および繊維強化物質、金属および金属化物質よりなる群から選択される物質から作成された成形部材の表面を含む。
【0125】
DIN7726:1982−05の発泡物質はその塊全体にわたって分泌した開放および/または閉鎖型のセルを有し、フレームワーク物質の密度より低密度である物質である。DIN53580の弾性および可撓性を有する発泡物質が好ましい(Roemmp Lexikon Chemie,CD−ROM:Version2.0,Georg Thieme Verlag,Stuttgart,New York,1999,”Foams(発泡物質)を参照できる)。
【0126】
金属化物質は好ましくは木材、ガラス、皮革、プラスチック、鉱物質、発泡物質、繊維物質および繊維強化物質を含む。
【0127】
鉱物質は好ましくは焼成または未焼成の粘土、セラミック、天然石、人工石またはセメントを含み、繊維物質は好ましくはガラス繊維、セラミック繊維、炭素繊維、テキスタイル繊維、重合体繊維または金属繊維およびこれらの繊維の複合体を含み、そして、繊維強化物質は好ましくは上記した繊維で補強されたプラスチックを含む。
【0128】
金属は好ましくは反応性の有用金属、特に、鉄、鉄鋼、亜鉛、アルミニウム、マグネシウム、チタンおよびこれらの金属の少なくとも2種の合金を含む。
【0129】
成形部材は好ましくは、
− 自動車製造用の部材、特に動力車ボディの部品、例えば保護板、フェンダー、スポイラー、フード、ドアまたはランプ反射板、
− 衛星用品および家庭用品、
− ビル内装および外装用の部材、
− ドア、ウインドーおよび内装品の部材、
− 工業用部材、例えばコイル、コンテナーおよびラジエーター、および、
− 電気部材、例えば巻取型物品、例えば電気モーターのコイル、
である。
【0130】
しかしながら、特に成形部材はSMC(シートモールデッドコンパウンド:シート成型コンパウンド)またはBMC(バルクモールデッドコンパウンド:バルク成型コンパウンド)である。SMCおよびBMCは製造元により広範な技術的特性を有し、そして多種多様な性質を有する。「セミフィニッシュ」(即ち金型内で加工されていない混合物)のSMCおよびBMCは不飽和ポリエステル、全種類の充填剤、ガラス繊維および添加剤、例えばシェルフライフを向上させるための重合禁止剤および重合のための重合開始剤および鋳型離型剤を含有する。含量の選択により、SMC/BMCが導電性となるように調製することもできる。充填剤に基づき、SMC/BMCは水分を吸収する。条件に応じて、セミフィニッシュ生成物を加工して鋳造品とする間の厳密な組成により粘度、密度、強度等を設定する。これにより自動的に広範な多孔性、鋳造物表面上の添加剤の濃度および構造が与えられ、これらの特徴は一般的に被覆の接着に対して悪い影響を有する。
【0131】
本発明の被覆材料および方法の特定の有利な点は、本発明のシールおよび被覆が広範な種類のSMCおよびBMCに特にしっかり接着する点である。
【0132】
本発明の方法によれば、本発明の成形部材およびコンパウンドを製造する目的のためには、本発明に従って使用する被覆材料は成形部材、特にBMCおよびSMCの表面に適用される。
【0133】
本発明の方法の範囲内においては、本発明の被覆材料のコート1つ以上を適用することが可能である。2つ以上のコートを適用する場合は、その物質の組成が異なる本発明の被覆材料を使用してよい。しかしながら、大部分の場合においては、本発明の成形部材およびコンパウンドの目標となる特性の性質は被覆材料の1被覆により達成される。
【0134】
被覆材料のコートは硬化後、本発明のフィニッシュ後の成形部材またはコンパウンドの乾燥膜厚が10〜100、好ましくは10〜75、特に好ましくは10〜55、とりわけ10〜50μmとなるような湿潤膜厚で適用される。
【0135】
本発明の被覆材料の適用は何れかの慣用的な適用方法、例えば噴霧被覆、ブラッシング、ナイフコーティング、フローコーティング、浸積法またはローリング法により行ってよい。噴霧適用、例えば圧縮空気噴霧、エアレス噴霧、高速回転、静電噴霧適用(ESTA)を例えば単独または加熱噴霧適用、例えば加熱空気噴霧法と組み合わせて用いることが好ましい。適用は、短時間の熱ストレスの間に被覆材料またはそのオーバー噴霧層(再加工を意図したもの)に対して如何なる変化または損傷も与えることなく適切な適用粘度が得られるように、最大70〜80℃の温度で行ってよい。加熱噴霧は、例えば被覆材料が噴霧ノズル中極めて短時間のみ、または、噴霧ノズル直前において加熱されるように設定してよい。
【0136】
適用に使用する噴霧ブースは例えば、温度管理が可能であり、オーバー噴霧のための適切な吸収媒体を用いて操作される循環システムにより操作され、このような媒体の例は本発明の被覆材料そのものである。
【0137】
好ましくは、適用は550μmより長波長の可視光の照明下、または、光の非存在下において行う。このことは物質の変化または本発明の被覆材料またはそのオーバー噴霧層の損傷が回避されることを意味する。
【0138】
上記した適用方法は当然ながら本発明の被覆またはシールを上塗りするためにも使用してよい。
【0139】
本発明によれば、その適用の後、本発明の被覆材料のコートを熱または化学線照射により硬化させ、本発明のシールを形成する。
【0140】
硬化は特定の休止期間の後に行ってよい。この期間は30秒〜2時間、好ましくは1分〜1時間、特に1分〜30分の期間を有してよい。残余の期間は、例えば被覆材料のコートのレベリングおよび脱揮発のため、または、揮発性の構成成分、例えば溶媒、水、または被覆材料を超臨界二酸化炭素を溶媒として用いながら適用した場合は二酸化炭素の蒸発のために使用してよい。休止期間の間に起こる乾燥は80℃までの高温に付すことにより短縮化および/または促進してよいが、ただし、これにより被覆材料のコートに如何なる損傷または変化、例えば早期の完全架橋が起こらないようにしなければならない。
【0141】
硬化は好ましくはUV照射または電子線により行う。所望により、他の放射線源からの化学線を用いて補助または誘導してよい。電子線の場合は、不活性ガスまたは酸素欠乏雰囲気下において操作することが好ましい。このことは、例えば二酸化炭素および/または窒素を直接本発明の被覆材料のコートの表面に供給することにより行われる。UV照射により硬化する場合も、オゾンの形成を防止するために不活性ガスまたは酸素欠乏雰囲気下で行うことができる。
【0142】
化学線照射による効果は慣用的な知られた照射源および光学的補助手段を用いて行う。適当な照射源の例は高圧または低圧の水銀蒸気ランプまたは電子線源である。これらの線源の配置は原則として知られており、製造中加工品の状況および工程のパラメーターに適合させてよい。自動車車体のような複雑な形状を有する製造中加工品の場合は、キャビティー、折り畳み部および他の構造凹部のような直接の照射が達しない領域(影領域)は、キャビティーまたはエッジの照射のための自動運動手段と共にポイント照射型の小領域または全方向のエミッターを用いて(部分的に)硬化してよい。
【0143】
これらの硬化方法のための装置および条件は例えばR.Holmes,U.V.and E.B.Curing Formulations for Printing Inks,Coating and Paints、SITA Technology, Academic Press, London, United Kingdom 1984、ドイツ国特許出願DE19818735A1、コラム10、31行〜コラム11、22行、R.Stephan Davidson, "Exploring the Science, Technology and Applications of U.V. and E.B. Curing", Sita Technology Ltd., London, 1999, Capter 1, "An Overview",p.16、図10、または、Dipl.−Ing. Peter Klamann, "eltosch System−Kompetenz, UV−Technik, Leitfaden fuer Anwender",p.2, 1998年10月に記載されている。
【0144】
ここで硬化は段階的に、即ち、光または化学線照射に複数回曝露することにより行ってよい。これはまた交互に、即ち、硬化とUV照射および電子線を交互にお行ってよい。
【0145】
熱硬化もまたその方法論的な点においては特に特徴はなく、慣用的な知られた方法、例えば強制的エアオーブン中、または、IRランプへの曝露により行う。化学線照射による硬化の場合と同様、熱硬化もまた段階的に行ってよい。好都合には、熱硬化は120℃以下、特に好ましくは110℃以下、極めて好ましくは100℃以下、特に90℃以下の温度で、好ましくは1分〜2時間、好ましくは2分〜1時間、特に3〜30分の時間行う。
【0146】
熱硬化および化学線硬化は同時または交互に使用してよい。2種の硬化方法を交互に用いる場合は、例えば熱硬化から開始して化学線照射による硬化で終了しすることができる。別の例においては、化学線照射による硬化から開始し、これで終了することが好都合な場合もある。当業者はおそらくは単純な予備試験を行ないながら当該分野の一般的知識に基づいて対象となる特定の場合のために最も好都合な効果方法を決定できる。
【0147】
本発明の被覆材料の層は成形部材の影区域であっても顕著に硬化される。
【0148】
本発明の方法の極めてとりわけ好都合な点は、本発明の被覆材料により被覆された成形部材およびSMCおよびBMCは、乾燥および好ましくは不完全に硬化された状態で化学線照射に曝露された後に、即座に上塗りされる点であり、これは、本発明の成形部材の製造のため、および、本発明のSMCおよびBMCのためには、多大な時間、エネルギーおよびコストの節約を意味している。
【0149】
本発明の方法の1つの特に好都合な実施形態においては、本発明の非導電性の被覆材料をSMCおよびBMCに適用する。適用された層は化学線照射、特にUV照射により部分的に硬化される。次に、部分的に硬化された層を慣用的な導電性の2成分系の被覆材料(2K導電性プライマー)で、または、本発明の導電性被覆材料、特に2K導電性プライマーで被覆し、その後、2層を合わせて熱硬化させる。
【0150】
更にまた、本発明の被覆材料で被覆された成形部材およびSMCおよびBMCは、乾燥および化学線照射に曝露された後、例えば90℃20分間の熱による後硬化に付してよく、その後、本発明の成形部材および本発明のSMCおよびBMCを積載して貯蔵し、その後、付着や変形の問題を生じることなく、更に加工、特に上塗りすることができる。
【0151】
本発明の導電性の被覆およびシールは静電高速回転法(ESTA)により、または、電気泳動的適用法、例えば陰極または陽極の電着被覆により更に被覆材料を適用するために非常に適している。
【0152】
本発明の操作法により得られた本発明の成形部材およびコンパウンドは微小気泡(ブリスタ)の徴候を全く示さない。その表面は平滑で欠陥を含まない。その熱安定性は優れており、数時間高温の熱負荷の下においても表面の損傷はない従って本発明の成形部材およびコンパウンドは例えば未被覆の自動車車体に直接構築してよく、そして、それらと共にライン上で−電気泳動的な手段によっても−被覆してよい。
【0153】
本発明の操作法により得られた被覆およびシールは優れた可撓性および広範な種類の基板に対する優れた接着性を示し、本発明の成形部材およびコンパウンドは問題なく、そしてその上に存在する被覆に機械的損傷を与えることなく、変形してよい。更にまた、これらは優れたサンド処理特性および研磨性を有し、損傷部位の修復を極めて容易にする。
【0154】
被覆およびシールは明らかに、全ての慣用的な知られた、水性または従来の液体または固体の、水非含有、溶媒非含有の、物理的または熱的に硬化可能および/または化学線硬化可能なプライマー、電子コート、サーフェイサーまたは抗ストーンチッププライマー、固体着色剤および/またはエフェクトトップコートまたはベースコート、およびクリアコートで上塗りしてよい。得られた多層コート系は優れたコート間接着を示す。
【0155】
実施例
調製実施例1および2
導電性被覆材料の調製
調製実施例1および2の被覆材料の調製のために、まず、以下の構成成分を記載した順序で混合しホモゲナイズすることにより、混合ワニスを調製した。
− 固体基準でOH含量4.4%、固体含量71〜73%、酸価6.5〜9.8、23℃100s−1における粘度4.0〜5.8Pasを有する飽和ポリエステル(Akzoより入手したSetal(R)1715)32重量部、
− OH価76〜90、固体含量100%、理論的官能性3.9および25℃におけるHoeppler粘度約4500mPasを有するアクリル化脂肪族ウレタンオリゴマー(UCBより入手したEbecryl(R)8210)15重量部、
− レオロジー調節剤(Rheoxより入手したBentone(R)SD2)0.47重量部、
− 分散剤(Bykより入手したAntiterra(R))0.24重量部、
− キシレン4.03重量部、
− 酢酸ブチル2重量部、
− 市販の充填剤(微結晶タルク、Luzenacより入手したMistron(R)Monomix)6.8重量部、
− エトキシプロピオン酸エチル(EEP)10.2重量部、
− 導電性雲母含量(Merckより入手したMinatec(R)40CM)15.8重量部、
− 粘着性付与剤(Degussaより入手したポリエステル粘着性付与樹脂LTW、キシレン中60%濃度)2重量部、
− リチウム塩触媒(OMGより入手したNuodex(R)LI)0.2重量部、
− 光重合開始剤(Ciba Specialty Chemicalsより入手したIrgacure(R)819)0.1重量部、
− 光重合開始剤(BASF Aktiengesellschaftより入手したLucirin(R)TPO)0.96重量部、
− EEM10.2重量部。
【0156】
調製実施例1の被覆材料は、適用直前に、混合ワニス100重量部および酢酸エチル中の2,4−および2,6−トルエンジイソシアネートの工業用等級の混合物の75重量%溶液(Bayer AGより入手したDesmodur(R)L75;イソシアネート含量:11.5〜13%)10重量部を混合しホモゲナイズすることにより調製した。
【0157】
調製実施例2の被覆材料は、適用直前に、混合ワニス100重量部、酢酸エチル中の2,4−および2,6−トルエンジイソシアネートの工業用等級の混合物の75重量%溶液(Bayer AGより入手したDesmodur(R)L75;イソシアネート含量:11.5〜13%)5重量部、およびSolventnaphtha(R)中のヘキサメチレンジイソシアネートの3量体の90重量%溶液(Bayerより入手したDesmodur(R)N3300、希釈して90%溶液とした)を混合しホモゲナイズすることにより調製した。
【0158】
調製実施例3および4
非導電性被覆材料の調製
調製実施例3および4の被覆材料の調製のために、まず、以下の構成成分を記載した順序で混合しホモゲナイズすることにより、混合ワニスを調製した。
− 飽和ポリエステル(Akzoより入手したSetal(R)1715、Solventnaphtha(R)/キシレン中75%、調製実施例1および2参照)35.2重量部、
− アクリル化脂肪族ウレタンオリゴマー(UCBより入手したEbecryl(R)8210、調製実施例1および2参照)16.3
− レオロジー調節剤(Rheoxより入手したBentone(R)SD2)0.51重量部、
− 分散剤(Bykより入手したAntiterra(R))0.26重量部、
− キシレン4.4重量部、
− EEP5.6重量部、
− レベリング剤(Kusutomo Chemicalsより入手したDisparlon(R)LC900)0.5重量部、
− 雲母顔料(dam minerauxより入手したMircavor(R)20)24.7重量部
− 粘着性付与剤(Degussaより入手したポリエステル粘着性付与樹脂LTW、キシレン中60%濃度)2.2重量部、
− リチウム塩触媒(OMGより入手したNuodex(R)LI)0.22重量部、
− 光重合開始剤(Ciba Specialty Chemicalsより入手したIrgacure(R)819)0.093重量部、
− 光重合開始剤(BASF Akriengesellschaftより入手したLucirin(R)TPO)0.88重量部、
− EEM5.72重量部、および、
− 酢酸ブチル3.427重量部。
【0159】
調製実施例3の被覆材料は、適用直前に、混合ワニス100重量部および酢酸エチル中の2,4−および2,6−トルエンジイソシアネートの工業用等級の混合物の75重量%溶液(Bayer AGより入手したDesmodur(R)L75;イソシアネート含量:11.5〜13%)10重量部を混合しホモゲナイズすることにより調製した。
【0160】
調製実施例4の被覆材料は、適用直前に、混合ワニス100重量部、酢酸エチル中の2,4−および2,6−トルエンジイソシアネートの工業用等級の混合物の75重量%溶液(Bayer AGより入手したDesmodur(R)L75;イソシアネート含量:11.5〜13%)5重量部、およびSolventnaphtha(R)中のヘキサメチレンジイソシアネートの3量体の90重量%溶液(Bayerより入手したDesmodur(R)N3300、希釈して90%溶液とした)を混合しホモゲナイズすることにより調製した。
【0161】
実施例1〜4
SMCおよびBMC上のシールの製造
実施例1〜4について、調製実施例1〜4の被覆材料を慣用的な圧縮空気または静電的な方法により極めて広範な種類の多孔性表面、特にSMCおよびBMCの表面に適用した。
【0162】
適用後、得られた被覆材料層を洗浄し、乾燥し、次にUV照射に曝露した。これにより膜厚10〜50μmの部分的に硬化した導電性シールが形成した。これらは微小気泡が全くない事が特徴的であった。これらは優れた可撓性および硬度を有しており、市販の慣用的なプライマーまたは電気被覆材料で即座に上塗り可能であった。完全な硬化の後、得られたプライマーおよび電気コートはシールへの優れた接着を示しており、シールは基板に十分接着していた。
【0163】
他の変形型に従って、適用後、調製実施例1および2の被覆材料から得られた層を洗浄し、乾燥し、次にUV照射に曝露した。その後20分間90℃で熱硬化させた。これにより、膜厚10〜50μmの硬化した導電性(実施例1および2)および非導電性(実施例3および4)のシールが得られた。これらは微小気泡が全くない事が特徴的であった。成形部材、特にSMCおよびBMCの影区域においても完全に硬化していた。これらは優れた可撓性および硬度を有していた。被覆された成形部材、特にSMCおよびBMCはシールに如何なる機械的損傷も与えることなく、そして付着することもなく、その後の加工に先立って問題なく積載貯蔵できた。シールの上塗り能およびそれと積層コートとの間の接着は優れていた。同様に、シールの基板への接着も優れており、接着はVolvoおよびDaimler Chryslerの試験仕様DBL5416の当該分野で知られた試験を用いて測定した。粘着テープ剥離によるクロスハッチ試験(DBL5416,6.4=DIN53151)における接着は優れており、全ての場合においてGT0の得点であった。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
熱および化学線で硬化可能な被覆材料であって、
(a1)下記成分:
(a11)化学線照射により活性化されることができ、そして、化学線照射による架橋に寄与する結合少なくとも1つを含有する官能基平均で分子当たり少なくとも2つ、および所望により、
(a12)イソシアネート反応性基少なくとも1つ、
を含有する構成成分少なくとも1つ、
(a2)イソシアネート反応性基少なくとも2個を有する熱硬化可能な成分少なくとも1つ、
および、
(a3)官能基(a11)を含有しない芳香族ポリイソシアネート少なくとも1つ、または、官能基(a11)を含有しない芳香族ポリイソシアネート少なくとも1つおよび官能基(a11)を含有しない(環状)脂肪族ポリイソシアネート少なくとも1つの混合物、
を含む被覆材料。
【請求項2】
イソシアネート反応性基(a12)がヒドロキシル基、チオール基、第1および第2アミノ基およびイミノ基よりなる群から選択される請求項1記載の被覆材料。
【請求項3】
官能基(a11)が炭素−炭素二重結合(二重結合)である請求項1または2記載の被覆材料。
【請求項4】
二重結合がアクリレート基中に存在する請求項3記載の被覆材料。
【請求項5】
官能基(a12)がヒドロキシル基である請求項1から4までのいずれか1項記載の被覆材料。
【請求項6】
オリゴマーおよび重合体(a2)が(メタ)アクリレート共重合体、ポリエステル、アルキド、アミノプラスト樹脂、ポリウレタン、ポリラクトン、ポリカーボネート、ポリエーテル、エポキシ樹脂−アミン付加物、(メタ)アクリレートジオール、部分ケン化ポリビニルエステルおよびポリ尿素よりなる群から選択される請求項1から5までのいずれか1項記載の被覆材料。
【請求項7】
混合物(a3)中の芳香族ポリイソシアネートの(環状)脂肪族ポリイソシアネートに対する重量比が95:5〜5:95である請求項1から6までのいずれか1項記載の被覆材料。
【請求項8】
芳香族ポリイソシアネート(a3)が2,4−および2,6−トルエンジイソシアネートの工業用等級の混合物を基礎とするポリイソシアネートよりなる群から選択される請求項1から7までのいずれか1項記載の被覆材料。
【請求項9】
(環状)脂肪族ポリイソシアネートがヘキサメチレンジイソシアネートおよびイソホロンジイソシアネートを基礎とするポリイソシアネートよりなる群から選択される請求項1から8までのいずれか1項記載の被覆材料。
【請求項10】
被覆材料が導電性顔料少なくとも1つを含む請求項1から9までのいずれか1項記載の被覆材料。
【請求項11】
導電性顔料が屈折率<・・・を有する請求項10記載の被覆材料。
【請求項12】
導電性顔料が雲母顔料である請求項11記載の被覆材料。
【請求項13】
透明な充填剤を含む請求項1から13までのいずれか1項記載の被覆材料。
【請求項14】
充填剤がUV照射に対して透明である請求項13に記載の被覆材料。
【請求項15】
微孔性の表面を被覆するための方法であって、請求項1から14までのいずれか1項記載の被覆材料少なくとも1種を使用することを含む、対象となる表面を熱および化学線照射で硬化可能な被覆材料少なくとも1つで被覆し、その後、得られた層を熱および化学線照射で硬化することを特徴とする方法。
【請求項16】
被覆材料よりなる層を乾燥し、そして、好ましくは不完全に硬化した状態において、化学線を照射し、そしてその直後に上塗りする請求項15記載の方法。
【請求項17】
適用した被覆材料よりなる層を乾燥し、化学線を照射し、そして熱硬化させてから上塗りする請求項15記載の方法。
【請求項18】
被覆され成形部材およびコンパウンドを、好ましくは積載して、上塗り前に貯蔵する請求項17記載の方法。
【請求項19】
対象となる表面を
(1)請求項1から9までのいずれか1項記載の非導電性被覆材料少なくとも1つ、
で被覆し、
(2)(1)で得られた層を化学線で部分的に硬化させ、そして、
(3)部分硬化した層(2)を導電性の2成分被覆材料または請求項10から14までのいずれか1項記載の導電性の被覆材料で上塗りし、その後、
(4)得られた導電性層(3)および部分硬化層(2)を共に熱硬化させる、
請求項10記載の方法。
【請求項20】
孔径が10〜1500nmである請求項15から19までのいずれか1項記載の方法。
【請求項21】
微孔性表面が導電性である請求項15から20までのいずれか1項記載の方法。
【請求項22】
自動車の構築のための部材を被覆するために使用される請求項15から21までのいずれか1項記載の方法。
【請求項23】
部材がSMC(シートモールデッドコンパウンド)またはBMC(バルクモールデッドコンパウンド)である請求項22記載の方法。
【請求項24】
熱硬化を120℃以下の温度で行う請求項15から23までのいずれか1項記載の方法。

【公表番号】特表2006−503131(P2006−503131A)
【公表日】平成18年1月26日(2006.1.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−544049(P2004−544049)
【出願日】平成15年9月29日(2003.9.29)
【国際出願番号】PCT/EP2003/010791
【国際公開番号】WO2004/035651
【国際公開日】平成16年4月29日(2004.4.29)
【出願人】(390008981)ビーエーエスエフ コーティングス アクチェンゲゼルシャフト (155)
【氏名又は名称原語表記】BASF Coatings AG
【Fターム(参考)】