説明

熱硬化性フェニレンエーテル化合物、その樹脂組成物、及びその硬化物

【課題】電気特性や耐熱性、耐薬品性を有する熱硬化性フェニレンエーテル化合物、その樹脂組成物、及びその硬化物の提供。
【解決手段】下記一般式(1)で表されるエチニル基を有するフェニレンエーテル化合物、その樹脂組成物、及びその硬化物。
一般式(1)


(一般式(1)中、Xは連結基を、Yはアリーレン基を、RからRは、それぞれ水素原子、ハロゲン原子、アルコキシ基、炭素数6以下のアルキル基またはフェニル基を表す。lは0〜10の整数を表す。Aは水素原子または炭素数1〜10の炭化水素基または置換ケイ素基を表す。Bは芳香環またはヘテロ環構造、或いは2価の連結基で結合された芳香環またはヘテロ環構造、又はその繰り返し単位を有する連結基を表す。m、nは整数を表す。)

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、優れた耐熱性、耐薬品性を有し、低誘電率な熱硬化性フェニレンエーテル化合物、その樹脂組成物、及びその硬化物に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、PHS、携帯電話等の情報通信機器の信号帯域、コンピューターのCPUクロックタイムはGHz帯に達し、高周波数化が進行している。電気信号の誘電損失は、回路を形成する絶縁体の比誘電率の平方根、誘電正接及び使用される信号の周波数の積に比例する。そのため、使用される信号の周波数が高くなるほど誘電損失が大きくなる。誘電損失は電気信号を減衰させて信号の信頼性を損なうので、これを抑制するために絶縁体には誘電率及び誘電正接の小さな材料を選定する必要がある。これらの材料としては、フッ素系樹脂、ポリオレフィン系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリフェニレンエーテル系樹脂等が提案されている。
【0003】
しかしながら、これらの樹脂は、低誘電特性には優れるが、耐熱性、耐薬品性、そして成形性に問題があるものが多く、電気絶縁材料用としてフィルム化した場合、例えば、ポリフェニレンエーテルでは、屈曲性の問題があり(例えば特許文献1参照)、ジビニルベンゼン等の低分子量スチレン化合物では、フィルム化した際にべたつきが残り易く、得られる硬化物は脆すぎるなどの問題があった(例えば特許文献2参照)。このような理由により、耐熱性を有した低誘電率フイルムの開発が望まれている。
【0004】
【特許文献1】特開平7−188362号公報
【特許文献2】特開2002−249531号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の目的は、耐熱性、耐薬品性を有した低誘電率な熱硬化性フェニレンエーテル化合物、その樹脂組成物、及びその硬化物を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明者らは上記の事情に鑑み鋭意研究した結果、本発明の上記課題は、下記の<1>〜<7>の手段によって解決する事を見出した。
【0007】
<1> 下記一般式(1)で表されるエチニル基を有するフェニレンエーテル化合物。
一般式(1)
【化1】

【0008】
(一般式(1)中、Xは連結基を、Yはアリーレン基を、RからRは、それぞれ水素原子、ハロゲン原子、アルコキシ基、炭素数6以下のアルキル基またはフェニル基を表す。lは0〜10の整数を表す。Aは水素原子または炭素数1〜10の炭化水素基または置換ケイ素基を表す。Bは芳香環またはヘテロ環構造、或いは2価の連結基で結合された芳香環またはヘテロ環構造、又はその繰り返し単位を有する連結基を表す。m、nは整数を表す。)
【0009】
<2> 前記一般式(1)のXが単結合、または炭素数1〜20の炭化水素から誘導される連結基、またはカルボニル基、−O−、−S−、−SO−,−SO−,ジアルコキシメチレン、ジオキソラン−2,2−ジイルの連結基であることを特徴とする前記<1>に記載のフェニレンエーテル化合物。
【0010】
<3> 前記一般式(1)の−(Y−O)−が下記一般式(2)でされる構造であることを特徴とする前記<1>又は前記<2>に記載のフェニレンエーテル化合物。
一般式(2)
【化2】

【0011】
(一般式(2)中、RまたはRは、それぞれ水素原子、ハロゲン原子または炭素数6以下のアルキル基またはフェニル基を表す。RまたはRは、それぞれハロゲン原子または炭素数6以下のアルキル基またはフェニル基を表す。)
【0012】
<4> 前記一般式(2)が、下記一般式(3)、あるいは一般式(4)、あるいは一般式(3)と一般式(4)がランダムに配列した構造を有することを特徴とする前記<3>に記載のフェニレンエーテル化合物。
【0013】
一般式(3)
【化3】

【0014】
一般式(4)
【化4】

【0015】
<5> 前記<1>〜<4>のいずれか1項に記載のフェニレンエーテル化合物を少なくとも1種含有することを特徴とする樹脂組成物。
【0016】
<6> 前記<1>〜<4>のいずれか1項に記載の化合物、または前記<5>に記載の樹脂組成物を硬化してなることを特徴とする硬化物。
<7> 前記<1>〜<4>のいずれか1項に記載の化合物、または前記<5>に記載の樹脂組成物を硬化させて形成したことを特徴とするフィルム又は塗膜。

【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、耐熱性、耐薬品性を有した低誘電率な熱硬化性フェニレンエーテル化合物、その樹脂組成物、及びその硬化物を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
以下、本発明についてさらに詳しく説明する。
本発明の樹脂組成物に用いられるエチニル基(−C≡C−)を有するフェニレンエーテル化合物について詳細に説明する。
本発明のエチニル基(−C≡C−)を有するフェニレンエーテル化合物は、下記一般式(1)で表される化合物である。
【0019】
一般式(1)
【化5】

【0020】
一般式(1)中、Xは、連結基を表すが、中でもXは、単結合、または炭素数1〜20の炭化水素から誘導される連結基、またはカルボニル基、−O−、−S−、−SO−、−SO−、ジアルコキシメチレン(アルコキシ基の炭素数は1〜12、好ましくは1〜8、特に好ましくは1〜4である。)、ジオキソラン−2,2−ジイルなどの連結基を表す。これらの中でも耐熱性、耐薬品性等の観点からXは、単結合、カルボニル、エーテル、−SO−が好ましく、更に、単結合、カルボニル、エーテルが好ましく、特に単結合が好ましい。但し、n=1の時、Xは非存在とする。
【0021】
からRは同一または異なっても良く、それぞれ水素原子、ハロゲン原子、アルコキシ基(アルコキシ基の炭素数は1〜12、好ましくは1〜8、特に好ましくは1〜4である。)、炭素数6以下のアルキル基(例えば、メチル、エチル、プロピル、i−プロピル、ブチル、sec−ブチル、t−ブチル、ヘキシル等の基)またはフェニル基を表すが、RまたはRは同一または異なっても良く、それぞれ水素原子、アルコキシ基、炭素数6以下のアルキル基またはフェニル基であることが好ましい。
【0022】
Yはアリーレン基を表わし、このアリーレン基は置換基を有していてもよい。その置換基としては、後述の芳香環用の置換基などが挙げられる。アリーレン基としては、ナフチレン基、フェニレン基等が挙げられる。中でも原料入手の容易性、耐熱性、耐薬品性等から−Y−O−は一般式(2)で表される基であることが好ましい。
【0023】
一般式(2)
【化6】


一般式(2)中、RまたはRは同一または異なっても良く、それぞれ水素原子、ハロゲン原子または炭素数6以下のアルキル基(例えば、メチル、エチル、プロピル、i−プロピル、ブチル、sec−ブチル、t−ブチル、ヘキシル等の基)またはフェニル基を表す。RまたはRは同一または異なっても良く、ハロゲン原子または炭素数6以下のアルキル基(例えば、メチル、エチル、プロピル、i−プロピル、ブチル、sec−ブチル、t−ブチル、ヘキシル等の基)またはフェニル基を表す。
【0024】
ここで一般式(2)は更に、一般式(4)、あるいは一般式(5)、あるいは一般式(4)と一般式(5)がランダムに配列し連結した構造を有することが好ましい。
【0025】
一般式(3)
【化7】

【0026】
一般式(4)
【化8】

【0027】
また、lは0〜10の整数を示し、好ましくはl=1〜10、より好ましくは1〜5であることが望ましい。
【0028】
は水素原子または炭素数1〜10の炭化水素基または置換ケイ素基を表す。
該炭化水素基は、置換されていてもよい。無置換の炭化水素基としては炭素数1〜10のアルキル基(例えばメチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、t−ブチル、t−アミル、オクチル、デシル、シクロヘキシル等)、炭素数6〜10のアリ−ル基(例えばフェニル、ナフチル、インデニル等)、任意に置換された炭化水素基としてはハロゲン原子(例えばフッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子)、シアノ基、ニトロ基、炭素数1〜10のアルコキシ基(例えばメトキシ、ブトキシ、デシルオキシ)、フェニル、ナフチル、インデニル等のアリール基、ヒドロキシル基等で置換された炭化水素基が挙げられる。
【0029】
無置換の炭化水素基としては炭素数1〜8のアルキル基(例えばメチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、t−ブチル、t−アミル、オクチル、シクロヘキシル等)、炭素数6〜9のアリ−ル基(例えばフェニル、インドール等)が好ましく、特に炭素数1〜5のアルキル基(例えばメチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、t−ブチル、t−アミル等)、フェニルが好ましい。
【0030】
置換された炭化水素基としてはハロゲン原子(例えばフッ素原子、塩素原子、臭素原子)、シアノ基、炭素数1〜8のアルコキシ基(例えばメトキシ、イソプロポキシ、ブトキシ、オクチルオキシ)、フェニル基、ヒドロキシル基等で置換された炭化水素基が好ましく、特にハロゲン原子(例えばフッ素原子、塩素原子など)、炭素数1〜6のアルコキシ基(例えばメトキシ、イソプロポキシ、ブトキシ)、フェニル基、ヒドロキシル基等で置換された炭化水素基が好ましい。
【0031】
置換ケイ素基としては、炭素数1〜10のアルキルシリル基(例えばトリメチルシリル、トリエチルシリル、ジメチルエチルシリル、ジエチルメチルシリル、ジメチルシクロヘキシルシリルなど)、アルコシキシシリル基(例えばトリメトキシシリル、トリエトキシシリル、ジメメトキシエトキシシリルなど)、アルキルアルコシキシシリル基(例えばジメチルメトキシシリル、ジメチルエトキシシリル、ジメメトキシエチルシリルなど)などが挙げられる。置換ケイ素基としては、炭素数1〜6のアルキルシリル基(例えばトリメチルシリル、トリエチルシリルなど)、アルコシキシシリル基(例えばトリメトキシシリル、トリエトキシシリルなど)などが好ましく、特にトリアルキルシリル基(トリメチルシリル、トリエチルシリル等)が好ましくい。
【0032】
は芳香環またはヘテロ環構造、或いは2価の連結基で結合された芳香環またはヘテロ環構造、更にはその繰り返し単位を有する連結基を表す。
【0033】
芳香環としては、ベンゼン、インデン、インダン、ナフタリン、テトラリンなどが、ヘテロ環としてはフラン、チオフェン、ピロール、ピラン、チオピラン、ピリジン、オキサゾール、チアゾール、イミダゾール、ピリミジン、トリアジン、インドール、キノリン、プリン、ベンゾイミダゾール、ベンゾチアゾール、キノキサリン、カルバゾールなどが挙げられる。
【0034】
これらの中でも、芳香環としては、ベンゼン、インデン、インダン、ナフタリンが、ヘテロ環としては、ピリジン、ピリミジン、トリアジン、インドール、キノリン、プリン、ベンゾイミダゾール、ベンゾチアゾール、キノキサリン、カルバゾールなどが好ましく、芳香環としては、ベンゼン、ナフタリンが、ヘテロ環としては、ピリジン、トリアジン、インドール、キノリンがより好ましい。特に、ベンゼンがこのましい。
【0035】
芳香環またはヘテロ環構造は他の置換基によって置換されていてもよい。その置換基としては、ハロゲン原子(−F、−Br、−Cl、−I)、アルキル基、アルケニル基、アリール基、アラルキル基、アルコキシ基、アリーロキシ基、メルカプト基、アルキルチオ基、アリールチオ基、アルキルジチオ基、アリールジチオ基、N−アルキルアミノ基、N,N−ジアリールアミノ基、N−アルキル−N−アリールアミノ基、アシルオキシ基、カルバモイルオキシ基、Ν−アルキルカルバモイルオキシ基、N−アリールカルバモイルオキシ基、N,N−ジアルキルカルバモイルオキシ基、N,N−ジアリールカルバモイルオキシ基、N−アルキル−N−リールカルバモイルオキシ基、アルキルスルホキシ基、アリールスルホキシ基、アシルチオ基、アシルアミノ基、N−アルキルアシルアミノ基、N−アリールアシルアミノ基、ウレイド基、N’−アルキルウレイド基、N’,N’−ジアルキルウレイド基、N’−アリールウレイド基、N’,N’−ジアリールウレイド基、N’−アルキル−N’−アリールウレイド基、N−アルキルウレイド基、N−アリールウレイド基、N’−アルキル−N−アルキルウレイド基、N’−アルキル−N−アリールウレイド基、N’,N’−ジアルキル−N−アルキルウレイト基、N’,N’−ジアルキル−N−アリールウレイド基、N’−アリール−Ν−アルキルウレイド基、N’−アリール−N−アリールウレイド基、N’,N’−ジアリール−N−アルキルウレイド基、N’,N’−ジアリール−N−アリールウレイド基、N’−アルキル−N’−アリール−N−アルキルウレイド基、N’−アルキル−N’−アリール−N−アリールウレイド基、アルコキシカルボニルアミノ基、アリーロキシカルボニルアミノ基、N−アルキル−N−アルコキシカルボニルアミノ基、N−アルキル−N−アリーロキシカルボニルアミノ基、N−アリール−N−アルコキシカルボニルアミノ基、N−アリール−N−アリーロキシカルボニルアミノ基、ホルミル基、アシル基、アシロキシ基、アルコキシカルボニル基、アリールカルボニル基、アリールカルボニルオキシ基、アリーロキシカルボニル基、カルバモイル基、N−アルキルカルバモイル基、N,N−ジアルキルカルバモイル基、N−アリールカルバモイル基、N,N−ジアリールカルバモイル基、N−アルキル−N−アリールカルバモイル基、アルキルスルフィニル基、アリールスルフィニル基、アルキルスルホニル基、アリールスルホニル基、アルコキシスルホニル基、アリーロキシスルホニル基、スルフィナモイル基、N−アルキルスルフィナモイル基、N,N−ジアルキルスルフィナモイル基、N−アリールスルフィナモイル基、N,N−ジアリールスルフィナモイル基、N−アルキル−N−アリールスルフィナモイル基、スルファモイル基、N−アルキルスルファモイル基、N,N−ジアルキルスルファモイル基、N−アリールスルファモイル基、N,N−ジアリールスルファモイル基、N−アルキル−N−アリールスルファモイル基、ジアルキルホスフォノ基、ジアリールホスフォノ基、アルキルアリールホスフォノ基、モノアルキルホスフォノ基、モノアリールホスフォノ基、ジアルキルホスフォノオキシ基、ジアリールホスフォノオキシ基、アルキルアリールホスフォノオキシ基、モノアルキルホスフォノオキシ基、モノアリールホスフォノオキシ基、モルホリノ基、シアノ基、ニトロ基が挙げられる。
【0036】
これらの置換基における、アルキル基の具体例としては、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、イソプロピル基、イソブチル基、s−ブチル基、t−ブチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基、1−メチルブチル基、イソヘキシル基、2−エチルヘキシル基、2−メチルヘキシル基、シクロペンチル基等が挙げられる。アリール基の具体例としては、フェニル基、ビフェニル基、ナフチル基、トリル基、キシリル基、メシチル基、クメニル基、クロロフェニル基、ブロモフェニル基、クロロメチルフェニル基、ヒドロキシフェニル基、メトキシフェニル基、エトキシフェニル基、フェノキシフェニル基、アセトキシフェニル基、ベンゾイロキシフェニル基、メチルチオフェニル基、フェニルチオフェニル基、メチルアミノフェニル基、ジメチルアミノフェニル基、アセチルアミノフェニル基、カルボキシフェニル基、メトキシカルボニルフェニル基、エトキシフェニルカルボニル基、フェノキシカルボニルフェニル基、N−フェニルカルバモイルフェニル基、シアノフェニル基、スルホフェニル基、スルホナトフェニル基、ホスフォノフェニル基、ホスフォナトフェニル基等を挙げることができる。また、アルケニル基の例としては、ビニル基、1−プロペニル基、1−ブテニル基、シンナミル基、2−クロロ−1−エテニル基等が挙げられる。アシル基(G1CO−)におけるG1としては、水素、ならびに上記のアルキル基、アリール基を挙げることができる。アラルキル基としては、上記のアルキル基に上記のアリール基が置換したものを挙げることができる。
【0037】
これら置換基のうち、好ましいものとしてはハロゲン原子(−F、−Br、−Cl)、アルキル基、アリール基、アラルキル基、アルケニル基、アルコキシ基、アリーロキシ基、アルキルチオ基、アリールチオ基、N,N−ジアルキルアミノ基、アシルオキシ基、N−アルキルカルバモイルオキシ基、N−アリールカバモイルオキシ基、アシルアミノ基、アシル基、アルコキシカルボニル基、アリールカルボニル基、アリールカルボニルオキシ基、アリーロキシカルボニル基、カルバモイル基、N−アルキルカルバモイル基、N,N−ジアルキルカルバモイル基、N−アリールカルバモイル基、N−アルキル−N−アリールカルバモイル基、スルホナト基、スルファモイル基、N−アルキルスルファモイル基、N,N−ジアルキルスルファモイル基、N−アリールスルファモイル基、N−アルキル−N−アリールスルファモイル基、シアノ基が挙げられる。
【0038】
これら置換基のうち、より好ましいものとしてはハロゲン原子(−F、−Cl)、アルキル基(メチル基、トリフロロメチル基、エチル基、トリフロロエチル基、プロピル基、ブチル基、イソプロピル基、t−ブチル基)、アリール基(フェニル基、トリル基、メシチル基、クメニル基、クロロフェニル基、メトキシフェニル基、エトキシフェニル基、アセトキシフェニル基、ベンゾイロキシフェニル基、)、アラルキル基(ベンジル基、フェネチル基)、アルコキシ基(メトキシ基、エトキシ基、イソプロポキシ基)、アリーロキシ基(フェノキシ基)、アシルオキシ基(アセトキシ基、プロピオニルオキシ基)、アセチル基、アセトキシ基、ベンゾイル基、ベンゾイルオキシ基、アシルアミノ基(アセチルアミノ基)が挙げられる。
【0039】
2価の連結基としては、−CO−、−NHCO−、−COO−、単結合などが挙げられる。中でも−CO−、単結合が好ましく、特に単結合が好ましい。
【0040】
mは整数を表す。mがそれぞれ2以上の場合、複数存在するA、Bは同一であっても異なっても良い。ここでmは、1〜5であることが好ましい。より好ましくは、1から3であることが望ましい。特に好ましくは1又は2である。
【0041】
nは整数を表す。nがそれぞれ2以上の場合、複数存在するA、Bは同一であっても異なっても良い。ここで nは、1〜9であることが好ましい。より好ましくは、1〜5、更に好ましくは2〜4であることが望ましい。
【0042】
本発明のフェニレンエーテル化合物の原料に使用される主要な化合物としては、具体的には、例えば2,6−ジメチルフェノール、2,4、6−トリメチルフェノール、2,3、5−トリメチルフェノール、2,6−ジメチル−4−t−ブチルフェノール、2,6−ジメチル−4−シクロヘキシルフェノール、2,6−ジメチル−4−オクチルフェノール、2,6−ジメチル−4−エトキシフェノール、2−メチル−4−シクロヘキシルフェノール、2−シクロヘキシル−4−エトキシフェノール、
【0043】
2,6−ジメチル−1,4−ジヒドロキシベンゼン、2,6−ジメチル−1,3−ジヒドロキシベンゼン、2,3、5−トリメチル−1,4−ジヒドロキシベンゼン、2,5−ジメチル−1,4−ジヒドロキシベンゼン、2,6−ジメチル−4−シクロヘキシル−1,3−ジヒドロキシベンゼン、2−メチル−4−シクロヘキシル−1,3−ジヒドロキシベンゼン、2−シクロヘキシル−5−エトキシ−1,4−ジヒドロキシベンゼン、
【0044】
1,3,5−トリヒドロキシベンゼン、1,3,5−トリヒドロキシ−2,4,6−トリメチルベンゼン
【0045】
3,3’,5,5’−テトラメチル−[1,1’−ビフェニル]−4,4’−ジオール、2,2’,5,5’−テトラメチル−[1,1’−ビフェニル]−4,4’−ジオール、3,3’−ジシクロヘキシル−5,5’−ジメチル−[1,1’−ビフェニル]−4,4’−ジオール、2,2’,3,3’,5,5’−ヘキサメチル−[1,1’−ビフェニル]−4,4’−ジオール、2,2’−ジブチル−3,3’,5,5’−テトラメチル−[1,1’−ビフェニル]−4,4’−ジオール、2,2’,4,4’,5,5’−ヘキサメチル−[1,1’−ビフェニル]−3,3’−ジオール、
【0046】
3,3’,5,5’−テトラメチル−[1,1’−ジフェニルエーテル]−4,4’−ジオール、2,2’,5,5’−テトラメチル−[1,1’−ジフェニルエーテル]−4,4’−ジオール、3,3’−ジシクロヘキシル−5,5’−ジメチル−[1,1’−ジフェニルエーテル]−4,4’−ジオール、2,2’,3,3’,5,5’−ヘキサメチル−[1,1’−ジフェニルエーテル]−4,4’−ジオール、2,2’−ジブチル−3,3’,5,5’−テトラメチル−[1,1’−ジフェニルエーテル]−4,4’−ジオール、2,2’,4,4’,5,5’−ヘキサメチル−[1,1’−ジフェニルエーテル]−3,3’−ジオール、3,3’,5,5’−テトラメチル−[1,1’−ジフェニルエーテル]−2,4,4’−トリオール、3,3’,5,5’−テトラメチル−[1,1’−ジフェニルエーテル]−2,2’,4,4’−テトラオール、4,4’−ジメチル−[1,1’−ジフェニルエーテル]−3,3’,5,5’−テトラオール、
【0047】
3,3’,5,5’−テトラメチルベンゾフェノン−4,4’−ジオール、2,2’,5,5’−テトラメチルベンゾフェノン−4,4’−ジオール、3,3’−ジシクロヘキシル−5,5’−ジメチルベンゾフェノン−4,4’−ジオール、2,2’,3,3’,5,5’−ヘキサメチルベンゾフェノン−4,4’−ジオール、2,2’−ジブチル−3,3’,5,5’−テトラメチルベンゾフェノン−4,4’−ジオール、2,2’,4,4’,5,5’−ヘキサメチルベンゾフェノン−3,3’−ジオール、3,3’,5,5’−テトラメチルベンゾフェノン−2,4,4’−トリオール、3,3’,5,5’−テトラメチルベンゾフェノン−2,2’,4,4’−テトラオール、4,4’−ジメチルベンゾフェノン−3,3’,5,5’−テトラオール、
【0048】
3,3’,5,5’−テトラメチル−[1,1’−ジフェニルメタン]−4,4’−ジオール、2,2’,5,5’−テトラメチル−[1,1’−ジフェニルメタン]−4,4’−ジオール、3,3’−ジシクロヘキシル−5,5’−ジメチル−[1,1’−ジフェニルメタン]−4,4’−ジオール、2,2’,3,3’,5,5’−ヘキサメチル−[1,1’−ジフェニルメタン]−4,4’−ジオール、2,2’−ジブチル−3,3’,5,5’−テトラメチル−[1,1’−ジフェニルメタン]−4,4’−ジオール、2,2’,4,4’,5,5’−ヘキサメチル−[1,1’−ジフェニルメタン]−3,3’−ジオール、3,3’,5,5’−テトラメチル−[1,1’−ジフェニルメタン]−2,4,4’−トリオール、3,3’,5,5’−テトラメチル−[1,1’−ジフェニルメタン]−2,2’,4,4’−テトラオール、4,4’−ジメチル−[1,1’−ジフェニルメタン]−3,3’,5,5’−テトラオール、
【0049】
3,3’,5,5’−テトラメチル−[1,1−ジフェニルエタン]−4,4’−ジオール、2,2’,5,5’−テトラメチル−[1,1−ジフェニルエタン]−4,4’−ジオール、3,3’−ジシクロヘキシル−5,5’−ジメチル−[1,1−ジフェニルエタン]−4,4’−ジオール、2,2’,3,3’,5,5’−ヘキサメチル−[1,1−ジフェニルエタン]−4,4’−ジオール、2,2’−ジブチル−3,3’,5,5’−テトラメチル−[1,1−ジフェニルエタン]−4,4’−ジオール、2,2’,4,4’,5,5’−ヘキサメチル−[1,1−ジフェニルエタン]−3,3’−ジオール、3,3’,5,5’−テトラメチル−[1,1−ジフェニルエタン]−2,4,4’−トリオール、3,3’,5,5’−テトラメチル−[1,1−ジフェニルエタン]−2,2’,4,4’−テトラオール、4,4’−ジメチル−[1,1−ジフェニルエタン]−3,3’,5,5’’−テトラオール、
【0050】
3,3’,5,5’−テトラメチル−[2,2−ジフェニルプロパン]−4,4’−ジオール、2,2’,5,5’−テトラメチル−[2,2−ジフェニルプロパン]−4,4’−ジオール、3,3’−ジシクロヘキシル−5,5’−ジメチル−[2,2−ジフェニルプロパン]−4,4’−ジオール、2,2’,3,3’,5,5’−ヘキサメチル−[2,2−ジフェニルプロパン]−4,4’−ジオール、2,2’−ジブチル−3,3’,5,5’−テトラメチル−[2,2−ジフェニルプロパン]−4,4’−ジオール、2,2’,4,4’,5,5’−ヘキサメチル−[2,2−ジフェニルプロパン]−3,3’−ジオール、3,3’,5,5’−テトラメチル−[2,2−ジフェニルプロパン]−2,4,4’−トリオール、3,3’,5,5’−テトラメチル−[2,2−ジフェニルプロパン]−2,2’,4,4’−テトラオール、4,4’−ジメチル−[2,2−ジフェニルプロパン]−3,3’,5,5’−テトラオール、
【0051】
3,3’,5,5’−テトラメチル−[2,2−ジフェニルヘキサフルオロプロパン]−4,4’−ジオール、2,2’,5,5’−テトラメチル−[2,2−ジフェニルヘキサフルオロプロパン]−4,4’−ジオール、3,3’−ジシクロヘキシル−5,5’−ジメチル−[2,2−ジフェニルヘキサフルオロプロパン]−4,4’−ジオール、2,2’,3,3’,5,5’−ヘキサメチル−[2,2−ジフェニルヘキサフルオロプロパン]−4,4’−ジオール、2,2’−ジブチル−3,3’,5,5’−テトラメチル−[2,2−ジフェニルヘキサフルオロプロパン]−4,4’−ジオール、2,2’,4,4’,5,5’−ヘキサメチル−[2,2−ジフェニルヘキサフルオロプロパン]−3,3’−ジオール、3,3’,5,5’−テトラメチル−[2,2−ジフェニルヘキサフルオロプロパン]−2,4,4’−トリオール、3,3’,5,5’−テトラメチル−[2,2−ジフェニルヘキサフルオロプロパン]−2,2’,4,4’−テトラオール、4,4’−ジメチル−[2,2−ジフェニルヘキサフルオロプロパン]−3,3’,5,5’−テトラオール、
【0052】
3,3’,5,5’−テトラメチル−ジフェニルスルフィド−4,4’−ジオール、2,2’,5,5’−テトラメチル−ジフェニルスルフィド−4,4’−ジオール、3,3’−ジシクロヘキシル−5,5’−ジメチル−ジフェニルスルフィド−4,4’−ジオール、2,2’,3,3’,5,5’−ヘキサメチル−ジフェニルスルフィド−4,4’−ジオール、2,2’−ジブチル−3,3’,5,5’−テトラメチル−ジフェニルスルフィド−4,4’−ジオール、2,2’,4,4’,5,5’−ヘキサメチル−ジフェニルスルフィド−3,3’−ジオール、3,3’,5,5’−テトラメチル−ジフェニルスルフィド−2,4,4’−トリオール、3,3’,5,5’−テトラメチル−ジフェニルスルフィド−2,2’,4,4’−テトラオール、4,4’−テトラメチル−ジフェニルスルフィド−3,3’,5,5’−テトラオール、
【0053】
3,3’,5,5’−テトラメチル−ジフェニルスルフォキシド−4,4’−ジオール、2,2’,5,5’−テトラメチル−ジフェニルスルフォキシド−4,4’−ジオール、3,3’−ジシクロヘキシル−5,5’−ジメチル−ジフェニルスルフォキシド−4,4’−ジオール、2,2’,3,3’,5,5’−ヘキサメチル−ジフェニルスルフォキシド−4,4’−ジオール、2,2’−ジブチル−3,3’,5,5’−テトラメチル−ジフェニルスルフォキシド−4,4’−ジオール、2,2’,4,4’,5,5’−ヘキサメチル−ジフェニルスルフォキシド−3,3’−ジオール、3,3’,5,5’−テトラメチル−ジフェニルスルフォキシド−2,4,4’−トリオール、3,3’,5,5’−テトラメチル−ジフェニルスルフォキシド−2,2’,4,4’−テトラオール、4,4’−ジメチル−ジフェニルスルフォキシド−3,3’,5,5’−テトラオール、
【0054】
3,3’,5,5’−テトラメチル−ジフェニルスルホン−4,4’−ジオール、2,2’,5,5’−テトラメチル−ジフェニルスルホン−4,4’−ジオール、3,3’−ジシクロヘキシル−5,5’−ジメチル−ジフェニルスルホン−4,4’−ジオール、2,2’,3,3’,5,5’−ヘキサメチル−ジフェニルスルホン−4,4’−ジオール、2,2’−ジブチル−3,3’,5,5’−テトラメチル−ジフェニルスルホン−4,4’−ジオール、2,2’,4,4’,5,5’−ヘキサメチル−ジフェニルスルホン−3,3’−ジオール、3,3’,5,5’−テトラメチル−ジフェニルスルホン−2,4,4’−トリオール、3,3’,5,5’−テトラメチル−ジフェニルスルホン−2,2’,4,4’−テトラオール、4,4’−ジメチル−ジフェニルスルホン−3,3’,5,5’−テトラオール、
【0055】
3,3’,5,5’−テトラメチル−[1’’,4’’−ジフェノキシベンゼン]−4,4’−ジオール、2,2’,5,5’−テトラメチル−[1’’,4’’−ジフェノキシベンゼン]−4,4’−ジオール、3,3’−ジシクロヘキシル−5,5’−ジメチル−[1’’,4’’−ジフェノキシベンゼン]−4,4’−ジオール、2,2’,3,3’,5,5’−ヘキサメチル−[1’’,4’’−ジフェノキシベンゼン]−4,4’−ジオール、2,2’−ジブチル−3,3’,5,5’−テトラメチル−[1’’,4’’−ジフェノキシベンゼン]−4,4’−ジオール、2,2’,4,4’,5,5’−ヘキサメチル−[1’’,4’’−ジフェノキシベンゼン]−3,3’−ジオール、3,3’,5,5’−テトラメチル−[1’’,4’’−ジフェノキシベンゼン]−2,4,4’−トリオール、3,3’,5,5’−テトラメチル−[1’’,4’’−ジフェノキシベンゼン]−2,2’,4,4’−テトラオール、4,4’−ジメチル−[1’’,4’’−ジフェノキシベンゼン]−3,3’,5,5’−テトラオール、
【0056】
3,3’,5,5’−テトラメチル−[1’’,4’’−ジベンゾイルベンゼン]−4,4’−ジオール、2,2’,5,5’−テトラメチル−[1’’,4’’−ジベンゾイルベンゼン]−4,4’−ジオール、3,3’−ジシクロヘキシル−5,5’−ジメチル−[1’’,4’’−ジベンゾイルベンゼン]−4,4’−ジオール、2,2’,3,3’,5,5’−ヘキサメチル−[1’’,4’’−ジベンゾイルベンゼン]−4,4’−ジオール、2,2’−ジブチル−3,3’,5,5’−テトラメチル−[1’’,4’’−ジベンゾイルベンゼン]−4,4’−ジオール、2,2’,4,4’,5,5’−ヘキサメチル−[1’’,4’’−ジベンゾイルベンゼン]−3,3’−ジオール、3,3’,5,5’−テトラメチル−[1’’,4’’−ジベンゾイルベンゼン]−2,4,4’−トリオール、3,3’,5,5’−テトラメチル−[1’’,4’’−ジベンゾイルベンゼン]−2,2’,4,4’−テトラオール、4,4’−ジメチル−[1’’,4’’−ジベンゾイルベンゼン]−3,3’,5,5’−テトラオール、
【0057】
3,3’,5,5’−テトラメチル−[1’’,4’’−ジフェニルメチルベンゼン]−4,4’−ジオール、2,2’,5,5’−テトラメチル−[1’’,4’’−ジフェニルメチルベンゼン]−4,4’−ジオール、3,3’−ジシクロヘキシル−5,5’−ジメチル−[1’’,4’’−ジフェニルメチルベンゼン]−4,4’−ジオール、2,2’,3,3’,5,5’−ヘキサメチル−[1’’,4’’−ジフェニルメチルベンゼン]−4,4’−ジオール、2,2’−ジブチル−3,3’,5,5’−テトラメチル−[1’’,4’’−ジフェニルメチルベンゼン]−4,4’−ジオール、2,2’,4,4’,5,5’−ヘキサメチル−[1’’,4’’−ジフェニルメチルベンゼン]−3,3’−ジオール、3,3’,5,5’−テトラメチル−[1’’,4’’−ジフェニルメチルベンゼン]−2,4,4’−トリオール、3,3’,5,5’−テトラメチル−[1’’,4’’−ジフェニルメチルベンゼン]−2,2’,4,4’−テトラオール、4,4’−ジメチル−[1’’,4’’−ジフェニルメチルベンゼン]−3,3’,5,5’−テトラオール、
【0058】
3,3’,5,5’−テトラメチル−[1,4−ビス(1−メチル−1−フェニルエチル)ベンゼン]−4,4’−ジオール、2,2’,5,5’−テトラメチル−[1,4−ビス(1−メチル−1−フェニルエチル)ベンゼン]−4,4’−ジオール、3,3’−ジシクロヘキシル−5,5’−ジメチル−[1,4−ビス(1−メチル−1−フェニルエチル)ベンゼン]−4,4’−ジオール、2,2’,3,3’,5,5’−ヘキサメチル−[1,4−ビス(1−メチル−1−フェニルエチル)ベンゼン]−4,4’−ジオール、2,2’−ジブチル−3,3’,5,5’−テトラメチル−[1,4−ビス(1−メチル−1−フェニルエチル)ベンゼン]−4,4’−ジオール、2,2’,4,4’,5,5’−ヘキサメチル−[1,4−ビス(1−メチル−1−フェニルエチル)ベンゼン]−3,3’−ジオール、3,3’,5,5’−テトラメチル−[1,4−ビス(1−メチル−1−フェニルエチル)ベンゼン]−2,4,4’−トリオール、3,3’,5,5’−テトラメチル−[1,4−ビス(1−メチル−1−フェニルエチル)ベンゼン]−2,2’,4,4’−テトラオール、4,4’−ジメチル−[1,4−ビス(1−メチル−1−フェニルエチル)ベンゼン]−3,3’,5,5’−テトラオール、
【0059】
3,3’,5,5’−テトラメチル−[1,4−ビス(1−トリフルオロメチル−1−フェニルトリフルオロエチル)ベンゼン]−4,4’−ジオール、2,2’,5,5’−テトラメチル−[1,4−ビス(1−トリフルオロメチル−1−フェニルトリフルオロエチル)ベンゼン]−4,4’−ジオール、3,3’−ジシクロヘキシル−5,5’−ジメチル−[1,4−ビス(1−トリフルオロメチル−1−フェニルトリフルオロエチル)ベンゼン]−4,4’−ジオール、2,2’,3,3’,5,5’−ヘキサメチル−[1,4−ビス(1−トリフルオロメチル−1−フェニルトリフルオロエチル)ベンゼン]−4,4’−ジオール、2,2’−ジブチル−3,3’,5,5’−テトラメチル−[1,4−ビス(1−トリフルオロメチル−1−フェニルトリフルオロエチル)ベンゼン]−4,4’−ジオール、2,2’,4,4’,5,5’−ヘキサメチル−[1,4−ビス(1−トリフルオロメチル−1−フェニルトリフルオロエチル)ベンゼン]−3,3’−ジオール、3,3’,5,5’−テトラメチル−[1,4−ビス(1−トリフルオロメチル−1−フェニルトリフルオロエチル)ベンゼン]−2,4,4’−トリオール、3,3’,5,5’−テトラメチル−[1,4−ビス(1−トリフルオロメチル−1−フェニルトリフルオロエチル)ベンゼン]−2,2’,4,4’−テトラオール、4,4’−ジメチル−[1,4−ビス(1−トリフルオロメチル−1−フェニルトリフルオロエチル)ベンゼン]−3,3’,5,5’−テトラオール、
【0060】
3,3’,5,5’−テトラメチル−[1’’,4’’−ジフェニルスルホキシベンゼン]−4,4’−ジオール、2,2’,5,5’−テトラメチル−[1’’,4’’−ジフェニルスルホキシベンゼン]−4,4’−ジオール、3,3’−ジシクロヘキシル−5,5’−ジメチル−[1’’,4’’−ジフェニルスルホキシベンゼン]−4,4’−ジオール、2,2’,3,3’,5,5’−ヘキサメチル−[1’’,4’’−ジフェニルスルホキシベンゼン]−4,4’−ジオール、2,2’−ジブチル−3,3’,5,5’−テトラメチル−[1’’,4’’−ジフェニルスルホキシベンゼン]−4,4’−ジオール、2,2’,4,4’,5,5’−ヘキサメチル−[1’’,4’’−ジフェニルスルホキシベンゼン]−3,3’−ジオール、3,3’,5,5’−テトラメチル−[1’’,4’’−ジフェニルスルホキシベンゼン]−2,4,4’−トリオール、3,3’,5,5’−テトラメチル−[1’’,4’’−ジフェニルスルホキシベンゼン]−2,2’,4,4’−テトラオール、4,4’−ジメチル−[1’’,4’’−ジフェニルスルホキシベンゼン]−3,3’,5,5’−テトラオール、
【0061】
3,3’,5,5’−テトラメチル−[1’’,4’’’−ジフェノキシジフェニルエーテル]−4,4’−ジオール、2,2’,5,5’−テトラメチル−[1’’,4’’’−ジフェノキシジフェニルエーテル]−4,4’−ジオール、3,3’−ジシクロヘキシル−5,5’−ジメチル−[1’’,4’’’−ジフェノキシジフェニルエーテル]−4,4’−ジオール、2,2’,3,3’,5,5’−ヘキサメチル−[1’’,4’’’−ジフェノキシジフェニルエーテル]−4,4’−ジオール、2,2’−ジブチル−3,3’,5,5’−テトラメチル−[1’’,4’’’−ジフェノキシジフェニルエーテル]−4,4’−ジオール、2,2’,4,4’,5,5’−ヘキサメチル−[1’’,4’’’−ジフェノキシジフェニルエーテル]−3,3’−ジオール、3,3’,5,5’−テトラメチル−[1’’,4’’’−ジフェノキシジフェニルエーテル]−2,4,4’−トリオール、3,3’,5,5’−テトラメチル−[1’’,4’’’−ジフェノキシジフェニルエーテル]−2,2’,4,4’−テトラオール、4,4’−ジメチル−[1’’,4’’’−ジフェノキシジフェニルエーテル]−3,3’,5,5’−テトラオール、
【0062】
3,3’,5,5’−テトラメチル−[1’’,4’’’−ジベンゾイルベンゾフェノン]−4,4’−ジオール、2,2’,5,5’−テトラメチル−[1’’,4’’’−ジベンゾイルベンゾフェノン]−4,4’−ジオール、3,3’−ジシクロヘキシル−5,5’−ジメチル−[1’’,4’’’−ジベンゾイルベンゾフェノン]−4,4’−ジオール、2,2’,3,3’,5,5’−ヘキサメチル−[1’’,4’’’−ジベンゾイルベンゾフェノン]−4,4’−ジオール、2,2’−ジブチル−3,3’,5,5’−テトラメチル−[1’’,4’’’−ジベンゾイルベンゾフェノン]−4,4’−ジオール、2,2’,4,4’,5,5’−ヘキサメチル−[1’’,4’’’−ジベンゾイルベンゾフェノン]−3,3’−ジオール、3,3’,5,5’−テトラメチル−[1’’,4’’’−ジベンゾイルベンゾフェノン]−2,4,4’−トリオール、3,3’,5,5’−テトラメチル−[1’’,4’’’−ジベンゾイルベンゾフェノン]−2,2’,4,4’−テトラオール、4,4’−ジメチル−[1’’,4’’’−ジベンゾイルベンゾフェノン]−3,3’,5,5’−テトラオール、
【0063】
3,3’,5,5’−テトラメチル−[1’’,4’’’−ジフェニルメチルジフェニルメタン]−4,4’−ジオール、2,2’,5,5’−テトラメチル−[1’’,4’’’−ジフェニルメチルジフェニルメタン]−4,4’−ジオール、3,3’−ジシクロヘキシル−5,5’−ジメチル−[1’’,4’’’−ジフェニルメチルジフェニルメタン]−4,4’−ジオール、2,2’,3,3’,5,5’−ヘキサメチル−[1’’,4’’’−ジフェニルメチルジフェニルメタン]−4,4’−ジオール、2,2’−ジブチル−3,3’,5,5’−テトラメチル−[1’’,4’’’−ジフェニルメチルジフェニルメタン]−4,4’−ジオール、2,2’,4,4’,5,5’−ヘキサメチル−[1’’,4’’’−ジフェニルメチルジフェニルメタン]−3,3’−ジオール、3,3’,5,5’−テトラメチル−[1’’,4’’’−ジフェニルメチルジフェニルメタン]−2,4,4’−トリオール、3,3’,5,5’−テトラメチル−[1’’,4’’’−ジフェニルメチルジフェニルメタン]−2,2’,4,4’−テトラオール、4,4’−ジメチル−[1’’,4’’’−ジフェニルメチルジフェニルメタン]−3,3’,5,5’−テトラオール、
【0064】
3,3’,5,5’−テトラメチル−[1’’,4’’’−ビス(1−メチル−1−フェニルエチル)−2,2−ジフェニルプロパン]−4,4’−ジオール、2,2’,5,5’−テトラメチル−[1’’,4’’’−ビス(1−メチル−1−フェニルエチル)−2,2−ジフェニルプロパン]−4,4’−ジオール、3,3’−ジシクロヘキシル−5,5’−ジメチル−[1’’,4’’’−ビス(1−メチル−1−フェニルエチル)−2,2−ジフェニルプロパン]−4,4’−ジオール、2,2’,3,3’,5,5’−ヘキサメチル−[1’’,4’’’−ビス(1−メチル−1−フェニルエチル)−2,2−ジフェニルプロパン]−4,4’−ジオール、2,2’−ジブチル−3,3’,5,5’−テトラメチル−[1’’,4’’’−ビス(1−メチル−1−フェニルエチル)−2,2−ジフェニルプロパン]−4,4’−ジオール、2,2’,4,4’,5,5’−ヘキサメチル−[1’’,4’’’−ビス(1−メチル−1−フェニルエチル)−2,2−ジフェニルプロパン]−3,3’−ジオール、3,3’,5,5’−テトラメチル−[1’’,4’’’−ビス(1−メチル−1−フェニルエチル)−2,2−ジフェニルプロパン]−2,4,4’−トリオール、3,3’,5,5’−テトラメチル−[1’’,4’’’−ビス(1−メチル−1−フェニルエチル)−2,2−ジフェニルプロパン]−2,2’,4,4’−テトラオール、4,4’−ジメチル−[1’’,4’’’−ビス(1−メチル−1−フェニルエチル)−2,2−ジフェニルプロパン]−3,3’,5,5’−テトラオール、
【0065】
3,3’,5,5’−テトラメチル−[1’’,4’’’−ビス(1−トリフルオロメチル−1−フェニルトリフルオロエチル)−2,2−ジフェニルヘキサフルオロプロパン]−4,4’−ジオール、2,2’,5,5’−テトラメチル−[1’’,4’’’−ビス(1−トリフルオロメチル−1−フェニルトリフルオロエチル)−2,2−ジフェニルヘキサフルオロプロパン]−4,4’−ジオール、3,3’−ジシクロヘキシル−5,5’−ジメチル−[1’’,4’’’−ビス(1−トリフルオロメチル−1−フェニルトリフルオロエチル)−2,2−ジフェニルヘキサフルオロプロパン]−4,4’−ジオール、2,2’,3,3’,5,5’−ヘキサメチル−[1’’,4’’’−ビス(1−トリフルオロメチル−1−フェニルトリフルオロエチル)−2,2−ジフェニルヘキサフルオロプロパン]−4,4’−ジオール、2,2’−ジブチル−3,3’,5,5’−テトラメチル−[1’’,4’’’−ビス(1−トリフルオロメチル−1−フェニルトリフルオロエチル)−2,2−ジフェニルヘキサフルオロプロパン]−4,4’−ジオール、2,2’,4,4’,5,5’−ヘキサメチル−[1’’,4’’’−ビス(1−トリフルオロメチル−1−フェニルトリフルオロエチル)−2,2−ジフェニルヘキサフルオロプロパン]−3,3’−ジオール、3,3’,5,5’−テトラメチル−[1’’,4’’’−ビス(1−トリフルオロメチル−1−フェニルトリフルオロエチル)−2,2−ジフェニルヘキサフルオロプロパン]−2,4,4’−トリオール、3,3’,5,5’−テトラメチル−[1’’,4’’’−ビス(1−トリフルオロメチル−1−フェニルトリフルオロエチル)−2,2−ジフェニルヘキサフルオロプロパン]−2,2’,4,4’−テトラオール、4,4’−ジメチル−[1’’,4’’’−ビス(1−トリフルオロメチル−1−フェニルトリフルオロエチル)−2,2−ジフェニルヘキサフルオロプロパン]−3,3’,5,5’−テトラオール、
【0066】
3,3’,5,5’−テトラメチル−[1’’,4’’’−ビス(フェニルスルホキシ)ジフェノニルスルホン]−4,4’−ジオール、2,2’,5,5’−テトラメチル−[1’’,4’’’−ビス(フェニルスルホキシ)ジフェノニルスルホン]−4,4’−ジオール、3,3’−ジシクロヘキシル−5,5’−ジメチル−[1’’,4’’’−ビス(フェニルスルホキシ)ジフェノニルスルホン]−4,4’−ジオール、2,2’,3,3’,5,5’−ヘキサメチル−[1’’,4’’’−ビス(フェニルスルホキシ)ジフェノニルスルホン]−4,4’−ジオール、2,2’−ジブチル−3,3’,5,5’−テトラメチル−[1’’,4’’’−ビス(フェニルスルホキシ)ジフェノニルスルホン]−4,4’−ジオール、2,2’,4,4’,5,5’−ヘキサメチル−[1’’,4’’’−ビス(フェニルスルホキシ)ジフェノニルスルホン]−3,3’−ジオール、3,3’,5,5’−テトラメチル−[1’’,4’’’−ビス(フェニルスルホキシ)ジフェノニルスルホン]−2,4,4’−トリオール、3,3’,5,5’−テトラメチル−[1’’,4’’’−ビス(フェニルスルホキシ)ジフェノニルスルホン]−2,2’,4,4’−テトラオール、4,4’−ジメチル−[1’’,4’’’−ビス(フェニルスルホキシ)ジフェノニルスルホン]−3,3’,5,5’−テトラオール、
【0067】
4,4’−[(3−ヒドロキシフェニル)メチレン]ビス(2,6−ジメチルフェノール)、4,4’−[(3−ヒドロキシフェニル)メチレン]ビス(2,3,6−トリメチルフェノール)、4,4’−[(4−ヒドロキシフェニル)メチレン]ビス(2,6−ジメチルフェノール)、4,4’−[(4−ヒドロキシフェニル)メチレン]ビス(2,3,6−トリメチルフェノール)、4,4’−[(2−ヒドロキシ−3−メトキシフェニル)メチレン]ビス(2,6−ジメチルフェノール)、4,4’−[(4−ヒドロキシ−3−エトキシフェニル)メチレン]ビス(2,3,6−トリメチルエチルフェノール)、4,4’−[(3,4−ジヒドロキシフェニル)メチレン]ビス(2,6−ジメチルフェノール)、4,4’−[(3,4−ジヒドロキシフェニル)メチレン]ビス(2,3,6−トリメチルフェノール)、2,2’−[(4−ヒドロキシフェニル)メチレン]ビス(3,5,6−トリメチルフェノール)、
【0068】
4,4’−[(3−ヒドロキシフェニル)エチリデン]ビス(2,6−ジメチルフェノール)、4,4’−[(3−ヒドロキシフェニル)エチリデンン]ビス(2,3,6−トリメチルフェノール)、4,4’−[(4−ヒドロキシフェニル)エチリデン]ビス(2,6−ジメチルフェノール)、4,4’−[(4−ヒドロキシフェニル)エチリデン]ビス(2,3,6−トリメチルフェノール)、4,4’−[(2−ヒドロキシ−3−メトキシフェニル)エチリデン]ビス(2,6−ジメチルフェノール)、4,4’−[(4−ヒドロキシ−3−エトキシフェニル)エチリデン]ビス(2,3,6−トリメチルエチルフェノール)、4,4’−[(3,4−ジヒドロキシフェニル)エチリデン]ビス(2,6−ジメチルフェノール)、4,4’−[(3,4−ジヒドロキシフェニル)エチリデン]ビス(2,3,6−トリメチルフェノール)、2,2’−[(4−ヒドロキシフェニル)エチリデン]ビス(3,5,6−トリメチルフェノール)、4,4’−[(3−ヒドロキシフェニル)トリフルオロエチリデン]ビス(2,6−ジメチルフェノール)、4,4’−[(3−ヒドロキシフェニル)トリフルオロエチリデンン]ビス(2,3,6−トリメチルフェノール)、4,4’−[(4−ヒドロキシフェニル)トリフルオロエチリデン]ビス(2,6−ジメチルフェノール)、4,4’−[(4−ヒドロキシフェニル)トリフルオロエチリデン]ビス(2,3,6−トリメチルフェノール)、4,4’−[(2−ヒドロキシ−3−メトキシフェニル)トリフルオロエチリデン]ビス(2,6−ジメチルフェノール)、4,4’−[(4−ヒドロキシ−3−エトキシフェニル)トリフルオロエチリデン]ビス(2,3,6−トリメチルエチルフェノール)、4,4’−[(3,4−ジヒドロキシフェニル)トリフルオロエチリデン]ビス(2,6−ジメチルフェノール)、
4,4’−[4−(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキシリデン]ビス(2,6−ジメチルフェノール)、4,4’−[(2−ヒドロキシフェニル)メチレン]−ビス(2,3,6−トリメチルフェノール)、4,4’−[1−[4−[1−(4−ヒドロキシ−3,5−ジメチルフェニル)−1−メチルエチル]フェニル]エチリデン]ビス(2,6−ジメチルフェノール)、4,4’−[1−[4−[1−(4−ヒドロキシ−3−フルオロフェニル)−1−メチルエチル]フェニル]エチリデン]ビス(2,6−ジメチルフェノール)、
【0069】
2,6−ビス[(4−ヒドロキシ−3,5−ジメチルフェニル)エチル]−4−メチルフェノール、2,6−ビス[(4−ヒドロキシ−2,3,6−トリメチルフェニル)メチル]−4−メチルフェノール、2,6−ビス[(4−ヒドロキシ−3,5,6−トリメチルフェニル)メチル]−4−エチルフェノール、2,4−ビス[(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)メチル]−6−メチルフェノール、2,6−ビス[(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)メチル]−4−メチルフェノール、2,4−ビス[(4−ヒドロキシ−3−シクロヘキシルフェニル)メチル]−6−メチルフェノール、2,4−ビス[(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)メチル]−6−シクロヘキシルフェノール、2,4−ビス[(2−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)メチル]−6−シクロヘキシルフェノール、2,4−ビス[(4−ヒドロキシ−2,3,6−トリメチルフェニル)メチル]−6−シクロヘキシルフェノール、3,6−ビス[(4−ヒドロキシ−3,5−ジメチルフェニル)メチル]−1,2−ベンゼンジオール、4,6−ビス[(4−ヒドロキシ−3,5−ジメチルフェニル)メチル]−1,3−ベンゼンジオール、2,4,6−トリス[(4−ヒドロキシ−3,5−ジメチルフェニル)メチル]−1,3−ベンゼンジオール、2,4,6−トリス[(2−ヒドロキシ−3,5−ジメチルフェニル)メチル]−1,3−ベンゼンジオール、
【0070】
2,2’−メチレンビス[6−[(4/2−ヒドロキシ−2,5/3,6−ジメチルフェニル)メチル]−4−メチルフェノール]、2,2’−メチレンビス[6−[(4−ヒドロキシ−3,5−ジメチルフェニル)メチル]−4−メチルフェノール]、2,2’−メチレンビス[6−[(4/2−ヒドロキシ−2,3,5/3,4,6−トリメチルフェニル)メチル]−4−メチルフェノール]、2,2’−メチレンビス[6−[(4−ヒドロキシ−2,3,5−トリメチルフェニル)メチル]−4−メチルフェノール]、4,4’−メチレンビス[2−[(2,4−ジヒドロキシフェニル)メチル]−6−メチルフェノール]、4,4’−メチレンビス[2−[(2,4−ジヒドロキシフェニル)メチル]−3,6−ジメチルフェノール]、4,4’−メチレンビス[2−[(2,4−ジヒドロキシ−3−メチルフェニル)メチル]−3,6−ジメチルフェノール]、4,4’−メチレンビス[2−[(2,3,4−トリヒドロキシフェニル)メチル]−3,6−ジメチルフェノール]、6,6’−メチレンビス[4−[(4−ヒドロキシ−3,5−ジメチルフェニル)メチル]−1,2,3−ベンゼントリオール]、
【0071】
4,4’−シクロヘキシリデンビス[2−シクロヘキシル−6−[(2−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)メチル]フェノール]、4,4’−シクロヘキシリデンビス[2−シクロヘキシル−6−[(4−ヒドロキシ−3,5−ジメチルフェニル)メチル]フェノール]、4,4’−シクロヘキシリデンビス[2−シクロヘキシル−6−[(4−ヒドロキシ−2−メチル−5−シクロヘキシルフェニル)メチル]フェノール]、4,4’−シクロヘキシリデンビス[2−シクロヘキシル−6−[(2,3,4−トリヒドロキシフェニル)メチル]フェノール]、4,4’,4”,4”’−(1,2−エタンジイリデン)テトラキス(2,6−ジメチルフェノール)、4,4’,4”,4”’−(1,4−フェニレンジメチリデン)テトラキス(2,6−ジメチルフェノール)、
【0072】
2,4,6−トリス[ 1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)エチル]−ベンゼン、2,4,6−トリス[ 1,1−ビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)エチル]−ベンゼン、2,4,6−トリス[ 1,1−ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジメチルフェニル)エチル]−ベンゼン、
【0073】
5,5'-ジヒドロキシ−3,3,3',3',6,6'−ヘキサメチル−1、1'−スピロビインダン、5,5',6、6'-テトラヒドロキシ−3,3,3',3'−テトラメチル−1、1'−スピロビインダン、2,2’―スピロビ(7―メチル―4,4―ジメチル―6―ヒドロキシクロマン)などが挙げられる。
【0074】
また、特開2003−268227、特開2007−2308685、特開2007−70598、等に記載のフェノール性化合物も好適に用いることできるが、これらに限定されるものではない。
【0075】
これらの中でも原料に使用される化合物としては、耐熱性、耐薬品性等の観点から、 2,2’,3,3’,5,5’−ヘキサメチル−[1,1’−ビフェニル]−4,4’−ジオール、4,4’−[(3−ヒドロキシフェニル)メチレン]ビス(2,6−ジメチルフェノール)が好ましい。
【0076】
本発明の末端にエチニル基を有するフェニレンエーテル化合物の具体例を下記に挙げるが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0077】
【化9】

【0078】
【化10】

【0079】
【化11】

【0080】
【化12】

【0081】
【化13】

【0082】
【化14】

【0083】
【化15】

【0084】
【化16】

【0085】
本発明の末端にエチニル基を有するフェニレンエーテル化合物は、それ自体を加熱することにより硬化させることも可能であるが、目的、用途に応じて種々の樹脂と組み合わせて使用することができる。
【0086】
具体的に例示すると、各種エポキシ樹脂類;変性されたエポキシ樹脂類;オキセタン樹脂類;(メタ)アクリル酸エステル類;ジアリルベンゼン、ジアリルテレフタレートなどのポリアリル化合物類;N−ビニル−2−ピロリドン、ジビニルベンゼンなどのビニル化合物類;不飽和ポリエステルなどの重合性二重結合含有モノマー類;多官能性マレイミド類;ポリイミド類;ポリブタジエン等のゴム類;ポリエチレン、ポリスチレン等の熱過疎性樹脂類;ABS樹脂、ポリカーボネート等のエンプラ類、シアネートエステル樹脂等が挙げられるがこれらに限定されない。
【0087】
また、本発明の樹脂組成物には、本発明の目的を損なわない範囲で、一般に使用されている公知の無機或いは有機の充填剤、染料、顔料、着色剤、香料、酸化防止剤、熱安定剤、耐候性安定剤、帯電防止剤、防曇剤、可塑剤、離形剤、発泡剤、増粘剤、滑剤、消泡剤、カップリング剤、光増感剤、紫外線吸収剤、難燃剤、ブロッキング防止剤、加工助剤、耐衝撃助剤等の各種添加剤や、他の熱可塑性樹脂や熱硬化性樹脂やその前駆体などの各種添加剤を所望により添加することができる。
【0088】
難燃剤としては、公知のものが使用できる。例えば、臭素化エポキシ樹脂、臭素化ポリカーボネート、臭素化ポリスチレン、臭素化スチレン、臭素化フタルイミド、テトラブロモビスフェノールA、ペンタブロモベンジル(メタ)アクリレート、ペンタブロモトルエン、トリブロモフェノール、ヘキサブロモベンゼン、デカブロモジフェニルエーテル、塩素化ポリスチレン、塩素化パラフィン等のハロゲン系難燃剤、赤リン、トリクレジルホスフェート、トリフェニルホスフェート、クレジルジフェニルホスフェート、トリキシルホスフェート、トリアルキルホスフェート、ジアルキルホスフェート、トリス(クロロエチル)ホスフェート、ホスファゼン等のリン系難燃剤、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、ほう酸亜鉛、三酸化アンチモン等の無機系難燃剤が挙げられる。これらの難燃剤は単独で用いても、2種類以上を併用してもよい。
【0089】
充填剤としては、例えば、ガラス繊維、カーボン繊維、アラミド繊維、炭化ケイ素繊維、アルミナ繊維、ボロン繊維等の繊維状充填剤、炭化ケイ素、窒化珪素、酸化マグネシウム、チタン酸カリウム、アルミノボレート等の無機系ウィスカー、ウオラストナイト、ゾノライト、フォスフェートファイバー、セピオライト等の無機系針状充填剤、粉砕シリカ、溶融シリカ、タルク、アルミナ、チタン酸バリウム、雲母、ガラスビーズ等の球状無機系充填剤、(メタ)アクリル酸エステル、スチレン等を架橋させて得られる微粒子ポリマー等の有機系充填剤が挙げられる。これらは単独または2種類以上混合して用いることができる。
【0090】
カップリング剤としては、例えば、ビニルトリクロルシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、γメタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、β(3、4エポキシシンクロへキシル)エチルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、N−β(アミノエチル)γ−アミノプロピルメチルメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−フェニル−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、γ−クロロプロピルトリメトキシシラン等のシラン系カップリング剤、チタネート系カップリング剤、アルミニウム系カップリング剤、ジルコアルミネート系カップリング剤、シリコーン系カップリング剤、フッ素系カップリング剤等が挙げられる。これらは単独または2種類以上混合して用いることができる。
【0091】
次に、本発明の熱硬化性ワニスについて説明する。本発明の熱硬化性ワニスは、本発明のフェニレンエーテル化合物、またはその樹脂組成物を溶剤に溶解することで得られる。
溶解の方法は特に制限はなく、公知の方法で溶解することができる。例えば、ガラスあるいは金属製の容器に、フェニレンエーテル化合物、またはその樹脂組成物、溶剤を入れ、加熱攪拌することにより硬化性ワニスが得られる。
【0092】
本発明の重合体は、三重結合を有するため、熱等のトリガーによって架橋反応をさせることができる。この様にして得られた硬化物は、本発明の重合体を架橋反応させたものであり、架橋・硬化させることによって、有機溶剤に不溶となって耐薬品性を向上させ、また、耐熱性や機械的特性に優れたものとすることができる。
【0093】
架橋・硬化させるための手段としては、特に限定されないが、紫外線や電子線、放射線を照射させる方法や、ラジカル発生剤や酸発生剤を添加する方法、熱処理をする方法等が利用できるが、容易かつ安全に硬化ができ、得られた硬化物の安定性に優れることから、熱処理が好ましい。
【0094】
熱処理によって本発明の硬化物を得る場合の望ましい温度範囲は、短時間で硬化ができること、熱による重合体の分解を抑制できることから、好ましくは150〜400℃、より好ましくは200〜300℃、さらに好ましくは230〜260℃である。400℃以上では、一部分解や炭化等、重合体の劣化が生じ、150℃以下では硬化が遅くなるため好ましくない。
【0095】
溶剤としては、フェニレンエーテル化合物、またはその樹脂組成物を溶解するものであれば特に制限はなく、例えば、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールジメチルエーテル、トルエン、キシレン、テトラヒドロフラン等が挙げられるが、これらに限定されることはない。また、これらの溶剤は単独もしくは2種以上を混合して使用することができる。溶解性の面からはメチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、トルエン、キシレンが好ましい。
【0096】
続いて、本発明のフェニレンエーテル化合物、及びその樹脂組成物により得られる熱硬化性フイルムについて説明する。本発明の熱硬化性フイルムは、本発明のフェニレンエーテル化合物、またはその樹脂組成物をフイルム状に加工することで得られる。フイルム状に加工する方法としては、例えば、フェニレンエーテル化合物、またはその樹脂組成物を溶剤に溶解した硬化性ワニスを、フィルム状または板状の基材の上に塗布し、溶剤を乾燥する方法などが挙げられる。基材は特に限定されることはなく、例えば、フイルム状の基材としては、ポリエチレンフィルム、ポリプロピレンフィルム、ポリカーボネートフィルム、ポリエステルフィルム、ポリイミドフィルム、エチレンテトラフルオロエチレン共重合体フィルム;これらのフィルムの表面を離型処理したフィルム;銅箔等の導体箔等が、板状の基材としては、ガラス板、ステンレス板、アルミ板等が挙げられる。基材として導体箔を用いた場合には、導体層付き硬化性フイルムが得られる。このようにして得られた導体層付き硬化性フィルムは、例えば、プリント配線板材料のビルドアップ用硬化性フイルム、樹脂付銅箔などとして用いることができる。
【0097】
こうして得られる本発明の硬化物は、耐熱性、低比誘電率、低誘電正接を有する。従って、本発明の樹脂組成物は、耐熱性、低比誘電率、低誘電正接の要求される広範な分野で用いることが出来る。具体的には、絶縁材料、積層板、封止材料等あらゆる電気・電子部品用材料として有用である。

【実施例】
【0098】
以下に、実施例および比較例を用いて本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0099】
(合成例1)末端にエチニル基を有するフェニレンエーテル化合物(a)の合成
攪拌装置、温度計、空気導入管、じゃま板のついた1Lの縦長反応器に3−ヒドロキシフェニルアセチレン(0.1 mol)、4,4‘−ジフルオロベンゾフェノン(0.1 mol)、炭酸カリウム(0.15 mol)、N−メチル−2−ピロリドン(NMP)600mLを仕込み、反応温度160℃にて攪拌を2時間行った。反応終了後、精製することにより、片末端にアセチレンが導入された化合物(1)を得た。
【0100】
【化17】

【0101】
得られた化合物(1)(0.05 mol)、末端に水酸基を有するフェニレンエーテルオリゴマー(0.05 mol)(販売:三菱瓦斯株式会社)、炭酸カリウム(0.07 mol)をNMP400mLに溶解させ、反応温度160℃にて攪拌を2時間行った。反応後、ヘキサン中で再結晶せることにより末端にエチニル基を有するフェニレンエーテルを得た。得られたものの数平均分子量は1460、重量平均分子量1630であった。
【0102】
(合成例2)末端にエチニル基を有するフェニレンエーテル化合物(b)の合成
攪拌装置、温度計、空気導入管、じゃま板のついた1Lの縦長反応器に3−ヒドロキシフェニルアセチレン(0.1 mol)、ビス(4−フルオロフェニル)スルホン(0.1 mol)、炭酸カリウム(0.15 mol)、N−メチル−2−ピロリドン(NMP)600mLを仕込み、反応温度160℃にて攪拌を2時間行った。反応終了後、精製することにより、片末端にアセチレンが導入された化合物(2)を得た。
【0103】
【化18】

【0104】
得られた化合物(2)(0.05 mol)、末端に水酸基を有するフェニレンエーテルオリゴマー(0.05 mol)(販売:三菱瓦斯株式会社)、炭酸カリウム(0.07 mol)をNMP400mLに溶解させ、反応温度160℃にて攪拌を2時間行った。反応後、ヘキサン中で再結晶せることにより末端にエチニル基を有するフェニレンエーテルを得た。得られたものの数平均分子量は1520、重量平均分子量1740であった。
【0105】
(合成例3)末端にエチニル基を有するフェニレンエーテル化合物(c)の合成
攪拌装置、温度計、空気導入管、じゃま板のついた反応器にエチニル基がアセトン保護された化合物(3)(0.1 mol)を溶解させ、氷冷下で塩化オキサジル(0.1 mol)を滴下することにより酸塩化物である化合物(4)を合成した。
【0106】
反応終了後、得られた化合物(4)を末端に水酸基を有するフェニレンエーテルオリゴマー(0.05 mol)が溶解した溶液に滴下することにより末端にエチニル基を有したフェニレンエーテル化合物を合成した。
【0107】
反応後、ヘキサン中で再結晶せることにより末端にアセチレン保護されたエチニル基を有するフェニレンエーテルを得た。
【0108】
【化19】

【0109】
得られたポリフェニレンエーテルは、25wt%のNaOH水溶液中で5時間攪拌することにより、アセトン保護基を脱離することで末端にエチニル基を有するポリフェニレンエーテル化合物を得た。得られたものの数平均分子量は1240、重量平均分子量1610であった。
【0110】
(合成例4)末端にエチニル基を有する多官能フェニレンエーテルオリゴマー体の合成
撹拌装置、温度計、空気導入管、じゃま板のついた12Lの縦長反応器にCuBr(6.88mmol)、ジ−tert−ブチルエチレンジアミン(2.94mmol)、ブチルジメチルアミン(152mmol)、トリオクチルメチルアンモニウムクロリド(1.73mmol)とトルエン2600gを仕込み、反応温度41℃にて撹拌を行い、あらかじめ1730gのメタノールに溶解させた4,4’−[(4−ヒドロキシフェニル)メチレン]ビス(2,6−ジメチルフェノール)(0.344mol)、2,6−ジメチルフェノール(1.72 mol)、CuBr (5.65mmol)、ジ−tert−ブチルエチレンジアミン(2.40mmol)、ブチルジメチルアミン(125mmol)の混合溶液(3価のフェノールと1価のフェノールのモル比率1:5)を50℃に加熱して、2.1 L/minの空気と3.2 L/minの窒素の混合気体(酸素濃度8.0%)のバブリングを行いながら230分かけて1020rpmで攪拌しながら滴下した。滴下終了後、気体のバブリングを停止して、これに1350gの純水にエチレンジアミン四酢酸四ナトリウム(37.5mmol)を溶かした水溶液を加え、600rpmで30分間攪拌して反応を停止した。その後、純水で1回洗浄を行った。得られた溶液をエバポレーターで濃縮して、固形分52wt%のトルエン溶液 640gを得た。得られたものの数平均分子量(Mn)は1025、重量平均分子量(Mw)は1832であった。
得られた多官能フェニレンエーテルオリゴマー体に化合物(4)を滴下することにより反応させ、ヘキサン中で再結晶せることにより末端にアセチレン保護されたエチニル基を有する多官能フェニレンエーテルオリゴマーを得た。
得られた多官能フェニレンエーテルオリゴマーは、25wt%のNaOH水溶液中で5時間攪拌することにより、アセトン保護基を脱離することで末端にエチニル基を有するポリフェニレンエーテル化合物を得た。
得られたものの数平均分子量は1680、重量平均分子量2135であった。
【0111】
(合成例5)末端に水酸基を有するフェニレンエーテル化合物の合成
末端に水酸基を有するフェニレンエーテル化合物は三菱瓦斯化学(株)から提供されたものを用いた。
このものの数平均分子量は650、重量平均分子量810、水酸基当量が310であり、メチルエチルケトンに可溶であった。
【0112】
1)樹脂組成物の調製
[実施例1]
合成例1で調製した末端にエチニル基を有するフェニレンエーテル化合物、溶媒N−メチルピロリドン(NMP)を、固形分20質量%となる割合で混合して樹脂組成物を調製した。
【0113】
[実施例2〜4]
合成例1で調製した末端にエチニル基を有するフェニレンエーテル化合物、各種高分子量体[(TR2250:スチレンブタジエンスチレン共重合体(SBS)(JSR製:重量平均分子量約10万、タフテックH1051:水添スチレンブタジエンスチレン共重合体(水添SBS)(旭化成製:重量平均分子量約7万)、タフテックH1053:水添スチレンブタジエンスチレン共重合体(水添SBS)(旭化成製:重量平均分子量約7万))、溶媒N−メチルピロリドン(NMP)を、エチニル基を有するフェニレンエーテル化合物/各高分子量体(質量比=30/70)、固形分20質量%となる割合で混合して樹脂組成物を調製した。
【0114】
[実施例5]
合成例2で調製した末端にエチニル基を有するフェニレンエーテル化合物、溶媒N−メチルピロリドン(NMP)を、固形分20質量%となる割合で混合して樹脂組成物を調製した。
【0115】
[実施例6〜8]
合成例2で調製した末端にエチニル基を有するフェニレンエーテル化合物、各種高分子量体[(TR2250:スチレンブタジエンスチレン共重合体(SBS)(JSR製:重量平均分子量約10万、タフテックH1051:水添スチレンブタジエンスチレン共重合体(水添SBS)(旭化成製:重量平均分子量約7万)、タフテックH1053:水添スチレンブタジエンスチレン共重合体(水添SBS)(旭化成製:重量平均分子量約7万))、溶媒N−メチルピロリドン(NMP)を、エチニル基を有するフェニレンエーテル化合物/各高分子量体(質量比=30/70)、固形分20質量%となる割合で混合して樹脂組成物を調製した。
【0116】
[実施例9]
合成例3で調製した末端にエチニル基を有するフェニレンエーテル化合物、溶媒N−メチルピロリドン(NMP)を、固形分20質量%となる割合で混合して樹脂組成物を調製した。
【0117】
[合成例10〜12]
合成例3で調製した末端にエチニル基を有するフェニレンエーテル化合物、各種高分子量体[(TR2250:スチレンブタジエンスチレン共重合体(SBS)(JSR製:重量平均分子量約10万、タフテックH1051:水添スチレンブタジエンスチレン共重合体(水添SBS)(旭化成製:重量平均分子量約7万)、タフテックH1053:水添スチレンブタジエンスチレン共重合体(水添SBS)(旭化成製:重量平均分子量約7万))、溶媒N−メチルピロリドン(NMP)を、エチニル基を有するフェニレンエーテル化合物/各高分子量体(質量比=30/70)、固形分20質量%となる割合で混合して樹脂組成物を調製した。
【0118】
[実施例13]
合成例4で調製した末端にエチニル基を有するフェニレンエーテル化合物、溶媒N−メチルピロリドン(NMP)を、固形分20質量%となる割合で混合して樹脂組成物を調製した。
【0119】
(合成例14〜16)
合成例4で調製した末端にエチニル基を有するフェニレンエーテル化合物、各種高分子量体[(TR2250:スチレンブタジエンスチレン共重合体(SBS)(JSR製:重量平均分子量約10万、タフテックH1051:水添スチレンブタジエンスチレン共重合体(水添SBS)(旭化成製:重量平均分子量約7万)、タフテックH1053:水添スチレンブタジエンスチレン共重合体(水添SBS)(旭化成製:重量平均分子量約7万))、溶媒N−メチルピロリドン(NMP)を、エチニル基を有するフェニレンエーテル化合物/各高分子量体(質量比=30/70)、固形分20質量%となる割合で混合して樹脂組成物を調製した。
【0120】
[比較例1]
合成例5で入手した末端に水酸基有するフェニレンエーテル化合物をNMPに溶解させ固形分20質量%の樹脂組成物(比較例1〜3)を調製した。
【0121】
[比較例2〜4]
樹脂組成物の調製において、末端にエチニル基を有するフェニレンエーテル化合物の替わりに、合成例2で調製した末端に水酸基を有するフェニレンエーテル化合物を用いて、各種高分子量体[(TR2250:スチレンブタジエンスチレン共重合体(SBS)(JSR製:重量平均分子量約10万、タフテックH1051:水添スチレンブタジエンスチレン共重合体(水添SBS)(旭化成製:重量平均分子量約7万)、タフテックH1053:水添スチレンブタジエンスチレン共重合体(水添SBS)(旭化成製:重量平均分子量約7万))と溶媒N−メチルピロリドン(NMP)をフェニレンエーテル化合物/各高分子量体(質量比=30/70)、固形分20質量%となる割合で混合して樹脂組成物を調製した。
【0122】
[比較例5]
ポリフェニレンエーテルパウダー(PPEパウダー)(旭化成ケミカルズ株式会社製)をトルエンに溶解させて固形分20質量%となる割合で混合して樹脂組成物を調製した。
【0123】
2)フイルム性能の評価
(1)フイルム作製
得られたペースト状の樹脂組成物を洗浄したガラス基板上に塗布して80℃で30分溶媒を乾燥させた後、さらに窒素雰囲気下で200℃×4時間熱処理し、熱硬化したフイルムを作製した。
【0124】
(2)評価項目
<耐熱性>
耐熱性は熱量計定量装置(TGA)を用いて350℃での重量減少を測定することにより評価した。(○:2%未満、×:2%以上)
【0125】
<耐薬品性>
耐薬品性は、硬化後のフイルムをトルエン溶液に1時間浸漬することにより評価した。(○:変化無し、△:僅かに膨潤、×:溶解)
【0126】
<誘電率>
誘電率測定は、硬化フィルム(サイズ:100mmX40mm)を円筒状に巻いたものを測定用試料とし、空胴共振摂動法により10GHzでの値を測定した。
【0127】
得られた結果を表1に示した。
【表1】

【0128】
表1の結果より、
実施例1〜4で得られた熱硬化フイルムは、比較例の熱硬化フイルムと比較して、耐熱性、耐薬品性が向上した。また、誘電率も3.0以下と低誘電率を維持していることが確認された。これらは、エチニル基を有するフェニレンエーテル化合物と各高分子量体が均一に相溶し、熱架橋によりエチニル基が架橋したことで引き起こされたものと推測される。
【産業上の利用可能性】
【0129】
本発明の方法により、耐熱性、耐薬品性に優れた低誘電率のフェニレンエーテル化合物や熱硬化性樹脂組成物、またはそのフィルムや塗膜が得られることから、高周波用電気部品の絶縁材料、半導体用絶縁材料、ビルドアップ配線板材料、コーティング材料、塗料、接着剤、コンデンサー用フィルム等への応用が期待され、その工業上の意義は極めて大きいものである。本発明のエチニル基を有するフェニレンエーテル化合物、及びその樹脂組成物は、フィルム形成又は塗布された後、加熱して熱架橋させることにより耐熱性に優れ、且つ、低誘電率のフイルムや塗膜を形成することができる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
下記一般式(1)で表されるエチニル基を有するフェニレンエーテル化合物。
一般式(1)
【化1】


(一般式(1)中、Xは連結基を、Yはアリーレン基を、RからRは、それぞれ水素原子、ハロゲン原子、アルコキシ基、炭素数6以下のアルキル基またはフェニル基を表す。lは0〜10の整数を表す。Aは水素原子または炭素数1〜10の炭化水素基または置換ケイ素基を表す。Bは芳香環またはヘテロ環構造、或いは2価の連結基で結合された芳香環またはヘテロ環構造、又はその繰り返し単位を有する連結基を表す。m、nは整数を表す。)
【請求項2】
前記一般式(1)のXが単結合、または炭素数1〜20の炭化水素から誘導される連結基、またはカルボニル基、−O−、−S−、−SO−,−SO−,ジアルコキシメチレン、ジオキソラン−2,2−ジイルの連結基であることを特徴とする請求項1に記載のフェニレンエーテル化合物。
【請求項3】
前記一般式(1)の−(Y−O)−が下記一般式(2)でされる構造であることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のフェニレンエーテル化合物。
一般式(2)
【化2】


(一般式(2)中、RまたはRは、それぞれ水素原子、ハロゲン原子または炭素数6以下のアルキル基またはフェニル基を表す。RまたはRは、それぞれハロゲン原子または炭素数6以下のアルキル基またはフェニル基を表す。)
【請求項4】
前記一般式(2)が、下記一般式(3)、あるいは下記一般式(4)、あるいは一般式(3)と一般式(4)がランダムに配列した構造を有することを特徴とする請求項3に記載のフェニレンエーテル化合物。
一般式(3)
【化3】


一般式(4)
【化4】

【請求項5】
請求項1〜4のいずれか1項に記載のフェニレンエーテル化合物を少なくとも1種含有することを特徴とする樹脂組成物。
【請求項6】
請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載の化合物、または請求項5に記載の樹脂組成物を硬化してなることを特徴とする硬化物。
【請求項7】
請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載の化合物、または請求項5に記載の樹脂組成物を硬化させて形成したことを特徴とするフィルム又は塗膜。

【公開番号】特開2010−77078(P2010−77078A)
【公開日】平成22年4月8日(2010.4.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−247748(P2008−247748)
【出願日】平成20年9月26日(2008.9.26)
【出願人】(306037311)富士フイルム株式会社 (25,513)
【Fターム(参考)】