燃料用フィルタ装置
【課題】 フィルタ装置を構成するフィルタ体の目の大きさを、常時、予定していた大きさに保ち易くする。
【解決手段】 袋状をなすフィルタ体1と、フィルタ体1内に納められてこのフィルタ体1を常時膨らんだ袋状に保つ間隔形成部材2とを有し、燃料タンクT内にある燃料吸い込み口Pにフィルタ体1の内部空間10を連通させるように取り付けられるフィルタ装置Fである。フィルタ体1は上面部11と下面部12とを備えていると共に、このフィルタ体1の少なくとも下面部12が、ポリエチレン、ポリプロピレン等のオレフィン系樹脂の繊維によって構成される不織布からなる内層部13と、織物メッシュからなる外層部14とを備えている。
【解決手段】 袋状をなすフィルタ体1と、フィルタ体1内に納められてこのフィルタ体1を常時膨らんだ袋状に保つ間隔形成部材2とを有し、燃料タンクT内にある燃料吸い込み口Pにフィルタ体1の内部空間10を連通させるように取り付けられるフィルタ装置Fである。フィルタ体1は上面部11と下面部12とを備えていると共に、このフィルタ体1の少なくとも下面部12が、ポリエチレン、ポリプロピレン等のオレフィン系樹脂の繊維によって構成される不織布からなる内層部13と、織物メッシュからなる外層部14とを備えている。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、燃料タンク内にある燃料吸い込み口に取り付けられて用いられる燃料用フィルタ装置の改良に関する。
【背景技術】
【0002】
燃料タンク内の燃料はこの燃料タンク内に配される吸い込みパイプなどを通じて内燃機関側に移送される。
【0003】
このように移送される燃料から水を取り除くと共に、異物がフューエルポンプに送り込まれないようにするために、かかる吸い込みパイプの燃料吸い込み口にはフィルタ装置が取り付けられる。
【0004】
こうしたフィルタ装置として、特許文献1、特許文献2に示されるフィルタがある。
【0005】
かかるフィルタ装置は、内部に納められた保形体によって常時膨らんだ袋状に保たれるフィルタ体を有している。
【特許文献1】特開平7−148405号公報
【特許文献2】特開平10−274169号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
従来、この種のフィルタ装置におけるフィルタ体は、ナイロンによって構成されていた。
【0007】
しかしながら、ナイロンは燃料によって膨潤し易い。このため、経時的にかかるフィルタ体の目の大きさが予定していた目の大きさよりも小さくなってしまい易かった。
【0008】
このようにフィルタ体の目が小さくなると、燃料吸い込みの圧力が高くなり(つまり、圧力損失が大きくなり)フューエルポンプの負荷増大を招く。
【0009】
また、経時的に小さくなったかかる目に塵芥などが詰まり、燃料吸い込みの圧力が高くなりフューエルポンプの負荷増大を招く。
【0010】
そこでこの発明は、この種のフィルタ装置を構成するフィルタ体の目の大きさを、常時、予定していた大きさに保ち易くすることを主たる目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
前記目的を達成するために、請求項1記載の発明にあっては、燃料用フィルタ装置を、
袋状をなすフィルタ体と、
このフィルタ体内に納められてこのフィルタ体を常時膨らんだ袋状に保つ間隔形成部材とを有し、
燃料タンク内にある燃料吸い込み口にこのフィルタ体の内部空間を連通させるように取り付けられるフィルタ装置であって、
フィルタ体は上面部と下面部とを備えていると共に、このフィルタ体の少なくとも下面部が、
ポリエチレン、ポリプロピレン等のオレフィン系樹脂の繊維によって構成される不織布からなる内層部と、
織物メッシュからなる外層部とを備えているものとした。
【0012】
かかる構成によれば、前記内層部が、燃料によって膨潤し難いオレフィン系樹脂の繊維よりなる不織布としてあることから、内層部の目、つまり、不織布を構成する互いに絡み合った複数の繊維間の隙間の大きさを、できる限り所期の大きさに保たせることができる。これにより、経時的にかかる目が小さくなり、燃料吸い込みの圧力が高くなり(つまり、圧力損失が大きくなり)フューエルポンプの負荷増大を招くといった事態をできる限り生じさせないようにすることができる。また、経時的にかかる目が小さくなり、かかる目に塵芥などが詰まり、燃料吸い込みの圧力が高くなりフューエルポンプの負荷増大を招くといった事態をできる限り生じさせないようにすることができる。
【0013】
また、かかるフィルタ装置にあっては、織物メッシュよりなる外層部を有していることから、燃料タンクの内圧の変化などによってこの燃料タンクの下部内壁面が内外に移動することなどに伴なって(つまり、燃料タンクの膨縮などに伴って)フィルタ体の下面部とこの燃料タンクの下部内壁面との間に擦れが生じても、不織布からなる内層部がその影響を直接受けることがなく、こうした擦れによって内層部を構成する不織布にほつれを生じさせることがない。
【0014】
また、請求項2記載の発明にあっては、請求項1記載の燃料用フィルタ装置における外層部の織物メッシュが、ポリエチレン、ポリプロピレン等のオレフィン系樹脂によって構成されていることを特徴としている。
【0015】
かかる構成によれば、外層部の織物メッシュも燃料によって膨潤し難いことから、この織物メッシュの目も、できる限り所期の大きさに保つことができる。また、この外層部と内層部とを重ね合わせて構成させたフィルタ基材を内層部を内側にして折り畳み、この後、このように折り畳まれたフィルタ基材に溶着を施してこのフィルタ基材から袋状をなすフィルタ体を形成するにあたり、かかる溶着箇所において、内層部と外層部とを馴染み良く一体化させることができる。
【0016】
また、請求項3記載の発明にあっては、請求項2記載の燃料用フィルタ装置における外層部の織物メッシュを構成する縦糸及び横糸のいずれか一方が、ポリエチレンによって構成されていると共に、
これらの他方が、ポリプロピレンによって構成されていることを特徴としている。
【0017】
かかる構成によれば、内層部の不織布をポリエチレン製の繊維によって構成させている場合でも、内層部の不織布をポリプロピレン製の繊維によって構成させている場合でも、この外層部と内層部とを重ね合わせて構成させたフィルタ基材を内層部を内側にして折り畳み、この後、このように折り畳まれたフィルタ基材に溶着を施してこのフィルタ基材から袋状をなすフィルタ体を形成するにあたり、かかる溶着箇所において、内層部と外層部とを馴染み良く一体化させることができる。
【0018】
また、請求項4記載の発明にあっては、請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の燃料用フィルタ装置における内層部が、スパンボンド法により形成された不織布層と、メルトブローン法により形成された不織布層とを組み合わせることにより構成されていることを特徴としている。
【0019】
メルトブローン法により形成される不織布は、スパンボンド法により形成される不織布よりもその目を細かくできる。一方、スパンボンド法により形成される不織布は、構成繊維の径を比較的太く、繊維強度を強くできることから、このようにしておけば、メルトブローン法により形成された不織布層によって細かな塵芥を捕捉できると共に、スパンボンド法により形成された不織布層によって内層部に「こし」を持たせることができ、形成されるフィルタ体を所定の形に保形させ易くすることができる。
【発明の効果】
【0020】
この発明にかかる燃料用フィルタ装置にあっては、フィルタ体の内層部が燃料により膨潤し難いオレフィン系樹脂の繊維からなる不織布によって構成されていることから、かかるフィルタ体の目の大きさを、常時、予定していた大きさに保ち易くすることができ、こうした目が経時的に小さくなることに起因したフューエルポンプの負荷増大といった事態をできる限り生じさせないようにすることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
以下、図1ないし図12に基づいて、この発明の典型的な実施の形態について説明する。なお、ここで図1は、燃料タンクT内にある燃料吸い込み口Pにフィルタ装置Fを取り付けた状態を示した構成図であり、また、図2は、かかるフィルタ装置Fのみを平面視の状態として、また、図3は、かかるフィルタ装置Fのみを側面視の状態として、それぞれ示している。
【0022】
また、図4ないし図8は、フィルタ装置Fを構成するフィルタ体1を袋状に成形する前の、展開されたフィルタ基材1’に筒状ソケット体3を一体に備え付けた状態をそれぞれ示しており、また、図9ないし図11は、このように筒状ソケット体3が一体に備え付けられたフィルタ基材1’におけるこの筒状ソケット体3に組み合わされた状態で、このフィルタ基材1’を袋状に成形させることにより、形成されるフィルタ体1内に納められて、このフィルタ体1を常時膨らんだ状態に保つ間隔形成部材2をそれぞれ表している。
【0023】
また、図12は、フィルタ体1の断面構成の一例を示している。
【0024】
この実施の形態にかかる燃料用フィルタ装置Fは、自動車や二輪自動車などの燃料タンクT内にある燃料吸い込み口Pに取り付けられて、かかる燃料吸い込み口Pを通じて内燃機関側に移送される燃料に水や異物を入り込ませないようにするためのものである。
【0025】
典型的には、かかるフィルタ装置Fは、燃料タンクT内に燃料吸い込み口Pを位置させた吸い込みパイプのこの燃料吸い込み口Pに取り付けられる。
【0026】
また、かかる燃料吸い込み口Pを通じた内燃機関側への燃料の移送は、燃料タンクT内に配されるフューエルポンプあるいは燃料タンクT外に配されるフューエルポンプによってなされる。
【0027】
かかるフィルタ装置Fは、袋状をなすフィルタ体1を有している。そして、かかるフィルタ装置Fは、この袋状をなすフィルタ体1の内部空間10を、前記燃料吸い込み口Pに連通させるように、この燃料吸い込み口Pに取り付けられるものとなっている。
【0028】
また、かかるフィルタ装置Fは、前記フィルタ体1内に納められてこのフィルタ体1を常時膨らんだ袋状に保つ間隔形成部材2を有している。
【0029】
また、かかるフィルタ体1は上面部11と下面部12とを備えていると共に、このフィルタ体1の少なくとも下面部12が、
ポリエチレン、ポリプロピレン等のオレフィン系樹脂の繊維によって構成される不織布からなる内層部13と、
織物メッシュからなる外層部14とを備えている。
【0030】
かかる外層部14を構成する織物メッシュは、典型的には、ナイロン繊維、ポリエチレン繊維、ポリプロピレン繊維などの合成繊維を油水分離に十分な細かさの網目を持つように織り込むことによって構成される。かかる織物メッシュは、例えば、畳織、平織、あや織、朱子織などによって構成することができる。
【0031】
また、かかる内層部13を構成する不織布は、前記燃料に含まれる異物を効果的に除去するように構成されるものである。また、かかる不織布は、典型的には、スパンボンド法、メルトブローン法などの各種の方法によって、オレフィン系樹脂の繊維を、マット状ないしはシート状をなすように成形することにより構成される。
【0032】
図示の例では、前記織物メッシュおよび不織布の双方を合成繊維によって構成するようにしている。また、図示の例にあっては、前記上面部11および下面部12の双方が、織物メッシュからなる外層部14と不織布からなる内層部13とを備えるように構成されている。
【0033】
そして、前記内層部13及び外層部14を備えた一枚のフィルタ基材1’を、内層部13を内側にするように二つ折りにすると共に、折った側17以外の箇所において、対面されるフィルタ基材1’同士に、溶着を施し接合させ合わせ、この折った側17と溶着箇所15とによって囲繞された空間を前記内部空間10とさせて、袋状をなす前記フィルタ体1を構成させている。
【0034】
前記のように二つ折りにして対面されたフィルタ基材1’の同士の接合は、典型的には、超音波溶着や高周波溶着によってなすことができる。
【0035】
前記内層部13と外層部14とを、前記の溶着箇所15以外の箇所において、このフィルタ基材1’を袋状に成形する前にスポット的に溶着させておいても良く、このようにしておくことにより、両層13、14の間に前記の溶着箇所15以外の箇所において不必要な隙間が生じないようにすることができる。
【0036】
なお、図示の例とは異なり、前記内層部13及び外層部14を備えた二枚のフィルタ基材1’同士を溶着により接合させることによっても、袋状をなす前記フィルタ体1を構成させることができる。
【0037】
この実施の形態にかかるフィルタ装置Fにあっては、前記内層部13が、燃料によって膨潤し難いオレフィン系樹脂の繊維よりなる不織布としてあることから、内層部13の目、つまり、不織布を構成する互いに絡み合った複数の繊維間の隙間の大きさを、できる限り所期の大きさに保たせることができる。これにより、経時的にかかる目が小さくなり、燃料吸い込みの圧力が高くなり(つまり、圧力損失が大きくなり)フューエルポンプの負荷増大を招くといった事態をできる限り生じさせないようにすることができる。また、経時的にかかる目が小さくなり、かかる目に塵芥などが詰まり、燃料吸い込みの圧力が高くなりフューエルポンプの負荷増大を招くといった事態をできる限り生じさせないようにすることができる。
【0038】
また、かかるフィルタ装置Fにあっては、織物メッシュよりなる外層部14を有していることから、燃料タンクTの内圧の変化などによってこの燃料タンクTの下部内壁面Taが内外に移動することなどに伴なって(つまり、燃料タンクTの膨縮などに伴って)フィルタ体1の下面部12とこの燃料タンクTの下部内壁面Taとの間に擦れが生じても、不織布からなる内層部13がその影響を直接受けることがなく、こうした擦れによって内層部13を構成する不織布にほつれを生じさせることがない。
【0039】
また、外層部14の織物メッシュを、ポリエチレン、ポリプロピレン等のオレフィン系樹脂によって構成させておくこともある。
【0040】
このようにしておけば、外層部14の織物メッシュも燃料によって膨潤し難いことから、この織物メッシュの目も、できる限り所期の大きさに保つことができる。また、この外層部14と内層部13とを重ね合わせて構成させたフィルタ基材1’を内層部13を内側にして折り畳み、この後、このように折り畳まれたフィルタ基材1’に溶着を施してこのフィルタ基材1’から袋状をなすフィルタ体1を形成するにあたり、かかる溶着箇所15において、内層部13と外層部14とを馴染み良く一体化させることができる。
【0041】
また、外層部14の織物メッシュを構成する縦糸及び横糸のいずれか一方を、ポリエチレンによって構成させると共に、
これらの他方を、ポリプロピレンによって構成させるようにしておくこともある。
【0042】
このようにしておけば、内層部13の不織布をポリエチレン製の繊維によって構成させている場合でも、内層部13の不織布をポリプロピレン製の繊維によって構成させている場合でも、この外層部14と内層部13とを重ね合わせて構成させたフィルタ基材1’を内層部13を内側にして折り畳み、この後、このように折り畳まれたフィルタ基材1’に溶着を施してこのフィルタ基材1’から袋状をなすフィルタ体1を形成するにあたり、かかる溶着箇所15において、内層部13と外層部14とを馴染み良く一体化させることができる。
【0043】
また、内層部13を、スパンボンド法により形成された不織布層13aと、メルトブローン法により形成された不織布層13bとを組み合わせることにより構成させるようにしておくこともある。
【0044】
メルトブローン法により形成される不織布は、スパンボンド法により形成される不織布よりもその目を細かくできる。一方、スパンボンド法により形成される不織布は、構成繊維の径を比較的太く、繊維強度を強くできることから、このようにしておけば、メルトブローン法により形成された不織布層13bによって細かな塵芥を捕捉できると共に、スパンボンド法により形成された不織布層13aによって内層部13に「こし」を持たせることができ、形成されるフィルタ体1を所定の形に保形させ易くすることができる。
【0045】
図12に示される例にあっては、最内層(前記内部空間10に面する層)を、スパンボンド法により形成される不織布とし、この最内層と外層部14との間に位置される層を、メルトブローン法により形成される不織布としている。間隔形成部材2は、内層部13に対し、繊維強度の強いスパンボンド法により形成される不織布にのみ接し、燃料タンクTの膨縮などに伴って間隔形成部材2が移動してもこの移動による摩擦はメルトブローン法により形成される不織布に影響を与えることが無いことから、図12に示される例にあっては、こうした摩擦による内層部13を構成する不織布のほつれなどが生じ難い特長を有している。
【0046】
また、この実施の形態にあっては、前記フィルタ装置Fが、一端部30を前記燃料吸い込み口Pへの接続端部とすると共に、他端部31を前記フィルタ体1に形成された連通穴16への接続端部としたプラスチック製の筒状ソケット体3を有している。
【0047】
具体的には、この実施の形態にあっては、かかる筒状ソケット体3は、両端部30、31を開放させた筒状体として構成されている。そして、かかる筒状ソケット体3は、フィルタ体1の上面部11に形成された連通穴16に、他端部31を連通させるようにこのフィルタ体1に一体に設けられている。
【0048】
この実施の形態にあっては、かかる筒状ソケット体3は、前記他端部31側にこの筒状ソケット体3の筒軸を巡る向きに形成された第一外鍔状部32と第二外鍔状部33とを備えている。両外鍔状部31、32の間には隙間34が形成されており、筒状ソケット体3は前記連通穴16の穴縁部をこの隙間34に入れ込ませた状態で、つまり、この穴縁部を第一外鍔状部32と第二外鍔状部33とで挟み付けるようにして、フィルタ体1に備え付けられている。第一外鍔状部32はフィルタ体1の上面部11の外面に接し、第二外鍔状部33はフィルタ体1の上面部11の内面に接するようにして設けられている。具体的には、前記連通穴16を形成させたフィルタ基材1’をインサートとした射出成形により、このフィルタ基材1’に筒状ソケット体3を一体に備え付けるようにしている。このように備え付けられた筒状ソケット体3によって、フィルタ体1の内部空間10に流入されてくる濾過後の燃料を前記燃料吸い込み口P側に案内するようになっている。
【0049】
また、この実施の形態にあっては、前記間隔形成部材2は、
(1)構成される前記フィルタ体1の外縁に沿った外郭形状を備えた主骨部20と、
(2)筒状ソケット体3の第二外鍔状部33にフィルタ体1の内方において組み合わされると共に、この筒状ソケット体3の他端部31の直下に配される丸穴状をなす開口部21aを備えた接続部21と、
(3)この接続部21と前記主骨部20とを接合させ合わせる複数の枝骨部22、22…とを備えている。
【0050】
主骨部20および枝骨部22には、上方又は下方に向けて突き出す突き出し部23が形成されており、この突き出し部23によって、フィルタ体1を常時膨らんだ袋状をなすように保たせるようになっている。
【0051】
この実施の形態にあっては、筒状ソケット体3が前記のように備え付けられたフィルタ基材1’の内層部13側に、この筒状ソケット体3の第二外鍔状部33に接続部21を組み合わさせて間隔形成部材2を位置づけさせた後、フィルタ基材1’をこの内層部13側を内方として二つ折りにし、この二つ折り状態において間隔形成部材2の主骨部20の外方においてこの主骨部20の外郭形状に沿った溶着をフィルタ基材1’に施すことにより、袋状をなすフィルタ体1を成形するようにしている。図示の例ではさらに、このように施された溶着箇所15より外方に位置されるフィルタ基材1’をカットしてフィルタ体1の形状を最終的な形状に整えるようにしている。
【図面の簡単な説明】
【0052】
【図1】フィルタ装置Fの使用状態を示す断面構成図
【図2】同平面図
【図3】同側面図
【図4】筒状ソケット体3が備え付けられたフィルタ基材1’の平面図
【図5】同側面図
【図6】同拡大底面図
【図7】図4におけるA−A線位置での拡大断面図
【図8】図4におけるB−B線位置での拡大断面図
【図9】間隔形成部材2の平面図
【図10】同側面図
【図11】同底面図
【図12】フィルタ体1の拡大断面構成図
【符号の説明】
【0053】
F フィルタ装置
P 燃料吸い込み口
T 燃料タンク
1 フィルタ体
11 上面部
12 下面部
13 内層部
14 外層部
2 間隔形成部材
【技術分野】
【0001】
この発明は、燃料タンク内にある燃料吸い込み口に取り付けられて用いられる燃料用フィルタ装置の改良に関する。
【背景技術】
【0002】
燃料タンク内の燃料はこの燃料タンク内に配される吸い込みパイプなどを通じて内燃機関側に移送される。
【0003】
このように移送される燃料から水を取り除くと共に、異物がフューエルポンプに送り込まれないようにするために、かかる吸い込みパイプの燃料吸い込み口にはフィルタ装置が取り付けられる。
【0004】
こうしたフィルタ装置として、特許文献1、特許文献2に示されるフィルタがある。
【0005】
かかるフィルタ装置は、内部に納められた保形体によって常時膨らんだ袋状に保たれるフィルタ体を有している。
【特許文献1】特開平7−148405号公報
【特許文献2】特開平10−274169号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
従来、この種のフィルタ装置におけるフィルタ体は、ナイロンによって構成されていた。
【0007】
しかしながら、ナイロンは燃料によって膨潤し易い。このため、経時的にかかるフィルタ体の目の大きさが予定していた目の大きさよりも小さくなってしまい易かった。
【0008】
このようにフィルタ体の目が小さくなると、燃料吸い込みの圧力が高くなり(つまり、圧力損失が大きくなり)フューエルポンプの負荷増大を招く。
【0009】
また、経時的に小さくなったかかる目に塵芥などが詰まり、燃料吸い込みの圧力が高くなりフューエルポンプの負荷増大を招く。
【0010】
そこでこの発明は、この種のフィルタ装置を構成するフィルタ体の目の大きさを、常時、予定していた大きさに保ち易くすることを主たる目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
前記目的を達成するために、請求項1記載の発明にあっては、燃料用フィルタ装置を、
袋状をなすフィルタ体と、
このフィルタ体内に納められてこのフィルタ体を常時膨らんだ袋状に保つ間隔形成部材とを有し、
燃料タンク内にある燃料吸い込み口にこのフィルタ体の内部空間を連通させるように取り付けられるフィルタ装置であって、
フィルタ体は上面部と下面部とを備えていると共に、このフィルタ体の少なくとも下面部が、
ポリエチレン、ポリプロピレン等のオレフィン系樹脂の繊維によって構成される不織布からなる内層部と、
織物メッシュからなる外層部とを備えているものとした。
【0012】
かかる構成によれば、前記内層部が、燃料によって膨潤し難いオレフィン系樹脂の繊維よりなる不織布としてあることから、内層部の目、つまり、不織布を構成する互いに絡み合った複数の繊維間の隙間の大きさを、できる限り所期の大きさに保たせることができる。これにより、経時的にかかる目が小さくなり、燃料吸い込みの圧力が高くなり(つまり、圧力損失が大きくなり)フューエルポンプの負荷増大を招くといった事態をできる限り生じさせないようにすることができる。また、経時的にかかる目が小さくなり、かかる目に塵芥などが詰まり、燃料吸い込みの圧力が高くなりフューエルポンプの負荷増大を招くといった事態をできる限り生じさせないようにすることができる。
【0013】
また、かかるフィルタ装置にあっては、織物メッシュよりなる外層部を有していることから、燃料タンクの内圧の変化などによってこの燃料タンクの下部内壁面が内外に移動することなどに伴なって(つまり、燃料タンクの膨縮などに伴って)フィルタ体の下面部とこの燃料タンクの下部内壁面との間に擦れが生じても、不織布からなる内層部がその影響を直接受けることがなく、こうした擦れによって内層部を構成する不織布にほつれを生じさせることがない。
【0014】
また、請求項2記載の発明にあっては、請求項1記載の燃料用フィルタ装置における外層部の織物メッシュが、ポリエチレン、ポリプロピレン等のオレフィン系樹脂によって構成されていることを特徴としている。
【0015】
かかる構成によれば、外層部の織物メッシュも燃料によって膨潤し難いことから、この織物メッシュの目も、できる限り所期の大きさに保つことができる。また、この外層部と内層部とを重ね合わせて構成させたフィルタ基材を内層部を内側にして折り畳み、この後、このように折り畳まれたフィルタ基材に溶着を施してこのフィルタ基材から袋状をなすフィルタ体を形成するにあたり、かかる溶着箇所において、内層部と外層部とを馴染み良く一体化させることができる。
【0016】
また、請求項3記載の発明にあっては、請求項2記載の燃料用フィルタ装置における外層部の織物メッシュを構成する縦糸及び横糸のいずれか一方が、ポリエチレンによって構成されていると共に、
これらの他方が、ポリプロピレンによって構成されていることを特徴としている。
【0017】
かかる構成によれば、内層部の不織布をポリエチレン製の繊維によって構成させている場合でも、内層部の不織布をポリプロピレン製の繊維によって構成させている場合でも、この外層部と内層部とを重ね合わせて構成させたフィルタ基材を内層部を内側にして折り畳み、この後、このように折り畳まれたフィルタ基材に溶着を施してこのフィルタ基材から袋状をなすフィルタ体を形成するにあたり、かかる溶着箇所において、内層部と外層部とを馴染み良く一体化させることができる。
【0018】
また、請求項4記載の発明にあっては、請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の燃料用フィルタ装置における内層部が、スパンボンド法により形成された不織布層と、メルトブローン法により形成された不織布層とを組み合わせることにより構成されていることを特徴としている。
【0019】
メルトブローン法により形成される不織布は、スパンボンド法により形成される不織布よりもその目を細かくできる。一方、スパンボンド法により形成される不織布は、構成繊維の径を比較的太く、繊維強度を強くできることから、このようにしておけば、メルトブローン法により形成された不織布層によって細かな塵芥を捕捉できると共に、スパンボンド法により形成された不織布層によって内層部に「こし」を持たせることができ、形成されるフィルタ体を所定の形に保形させ易くすることができる。
【発明の効果】
【0020】
この発明にかかる燃料用フィルタ装置にあっては、フィルタ体の内層部が燃料により膨潤し難いオレフィン系樹脂の繊維からなる不織布によって構成されていることから、かかるフィルタ体の目の大きさを、常時、予定していた大きさに保ち易くすることができ、こうした目が経時的に小さくなることに起因したフューエルポンプの負荷増大といった事態をできる限り生じさせないようにすることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
以下、図1ないし図12に基づいて、この発明の典型的な実施の形態について説明する。なお、ここで図1は、燃料タンクT内にある燃料吸い込み口Pにフィルタ装置Fを取り付けた状態を示した構成図であり、また、図2は、かかるフィルタ装置Fのみを平面視の状態として、また、図3は、かかるフィルタ装置Fのみを側面視の状態として、それぞれ示している。
【0022】
また、図4ないし図8は、フィルタ装置Fを構成するフィルタ体1を袋状に成形する前の、展開されたフィルタ基材1’に筒状ソケット体3を一体に備え付けた状態をそれぞれ示しており、また、図9ないし図11は、このように筒状ソケット体3が一体に備え付けられたフィルタ基材1’におけるこの筒状ソケット体3に組み合わされた状態で、このフィルタ基材1’を袋状に成形させることにより、形成されるフィルタ体1内に納められて、このフィルタ体1を常時膨らんだ状態に保つ間隔形成部材2をそれぞれ表している。
【0023】
また、図12は、フィルタ体1の断面構成の一例を示している。
【0024】
この実施の形態にかかる燃料用フィルタ装置Fは、自動車や二輪自動車などの燃料タンクT内にある燃料吸い込み口Pに取り付けられて、かかる燃料吸い込み口Pを通じて内燃機関側に移送される燃料に水や異物を入り込ませないようにするためのものである。
【0025】
典型的には、かかるフィルタ装置Fは、燃料タンクT内に燃料吸い込み口Pを位置させた吸い込みパイプのこの燃料吸い込み口Pに取り付けられる。
【0026】
また、かかる燃料吸い込み口Pを通じた内燃機関側への燃料の移送は、燃料タンクT内に配されるフューエルポンプあるいは燃料タンクT外に配されるフューエルポンプによってなされる。
【0027】
かかるフィルタ装置Fは、袋状をなすフィルタ体1を有している。そして、かかるフィルタ装置Fは、この袋状をなすフィルタ体1の内部空間10を、前記燃料吸い込み口Pに連通させるように、この燃料吸い込み口Pに取り付けられるものとなっている。
【0028】
また、かかるフィルタ装置Fは、前記フィルタ体1内に納められてこのフィルタ体1を常時膨らんだ袋状に保つ間隔形成部材2を有している。
【0029】
また、かかるフィルタ体1は上面部11と下面部12とを備えていると共に、このフィルタ体1の少なくとも下面部12が、
ポリエチレン、ポリプロピレン等のオレフィン系樹脂の繊維によって構成される不織布からなる内層部13と、
織物メッシュからなる外層部14とを備えている。
【0030】
かかる外層部14を構成する織物メッシュは、典型的には、ナイロン繊維、ポリエチレン繊維、ポリプロピレン繊維などの合成繊維を油水分離に十分な細かさの網目を持つように織り込むことによって構成される。かかる織物メッシュは、例えば、畳織、平織、あや織、朱子織などによって構成することができる。
【0031】
また、かかる内層部13を構成する不織布は、前記燃料に含まれる異物を効果的に除去するように構成されるものである。また、かかる不織布は、典型的には、スパンボンド法、メルトブローン法などの各種の方法によって、オレフィン系樹脂の繊維を、マット状ないしはシート状をなすように成形することにより構成される。
【0032】
図示の例では、前記織物メッシュおよび不織布の双方を合成繊維によって構成するようにしている。また、図示の例にあっては、前記上面部11および下面部12の双方が、織物メッシュからなる外層部14と不織布からなる内層部13とを備えるように構成されている。
【0033】
そして、前記内層部13及び外層部14を備えた一枚のフィルタ基材1’を、内層部13を内側にするように二つ折りにすると共に、折った側17以外の箇所において、対面されるフィルタ基材1’同士に、溶着を施し接合させ合わせ、この折った側17と溶着箇所15とによって囲繞された空間を前記内部空間10とさせて、袋状をなす前記フィルタ体1を構成させている。
【0034】
前記のように二つ折りにして対面されたフィルタ基材1’の同士の接合は、典型的には、超音波溶着や高周波溶着によってなすことができる。
【0035】
前記内層部13と外層部14とを、前記の溶着箇所15以外の箇所において、このフィルタ基材1’を袋状に成形する前にスポット的に溶着させておいても良く、このようにしておくことにより、両層13、14の間に前記の溶着箇所15以外の箇所において不必要な隙間が生じないようにすることができる。
【0036】
なお、図示の例とは異なり、前記内層部13及び外層部14を備えた二枚のフィルタ基材1’同士を溶着により接合させることによっても、袋状をなす前記フィルタ体1を構成させることができる。
【0037】
この実施の形態にかかるフィルタ装置Fにあっては、前記内層部13が、燃料によって膨潤し難いオレフィン系樹脂の繊維よりなる不織布としてあることから、内層部13の目、つまり、不織布を構成する互いに絡み合った複数の繊維間の隙間の大きさを、できる限り所期の大きさに保たせることができる。これにより、経時的にかかる目が小さくなり、燃料吸い込みの圧力が高くなり(つまり、圧力損失が大きくなり)フューエルポンプの負荷増大を招くといった事態をできる限り生じさせないようにすることができる。また、経時的にかかる目が小さくなり、かかる目に塵芥などが詰まり、燃料吸い込みの圧力が高くなりフューエルポンプの負荷増大を招くといった事態をできる限り生じさせないようにすることができる。
【0038】
また、かかるフィルタ装置Fにあっては、織物メッシュよりなる外層部14を有していることから、燃料タンクTの内圧の変化などによってこの燃料タンクTの下部内壁面Taが内外に移動することなどに伴なって(つまり、燃料タンクTの膨縮などに伴って)フィルタ体1の下面部12とこの燃料タンクTの下部内壁面Taとの間に擦れが生じても、不織布からなる内層部13がその影響を直接受けることがなく、こうした擦れによって内層部13を構成する不織布にほつれを生じさせることがない。
【0039】
また、外層部14の織物メッシュを、ポリエチレン、ポリプロピレン等のオレフィン系樹脂によって構成させておくこともある。
【0040】
このようにしておけば、外層部14の織物メッシュも燃料によって膨潤し難いことから、この織物メッシュの目も、できる限り所期の大きさに保つことができる。また、この外層部14と内層部13とを重ね合わせて構成させたフィルタ基材1’を内層部13を内側にして折り畳み、この後、このように折り畳まれたフィルタ基材1’に溶着を施してこのフィルタ基材1’から袋状をなすフィルタ体1を形成するにあたり、かかる溶着箇所15において、内層部13と外層部14とを馴染み良く一体化させることができる。
【0041】
また、外層部14の織物メッシュを構成する縦糸及び横糸のいずれか一方を、ポリエチレンによって構成させると共に、
これらの他方を、ポリプロピレンによって構成させるようにしておくこともある。
【0042】
このようにしておけば、内層部13の不織布をポリエチレン製の繊維によって構成させている場合でも、内層部13の不織布をポリプロピレン製の繊維によって構成させている場合でも、この外層部14と内層部13とを重ね合わせて構成させたフィルタ基材1’を内層部13を内側にして折り畳み、この後、このように折り畳まれたフィルタ基材1’に溶着を施してこのフィルタ基材1’から袋状をなすフィルタ体1を形成するにあたり、かかる溶着箇所15において、内層部13と外層部14とを馴染み良く一体化させることができる。
【0043】
また、内層部13を、スパンボンド法により形成された不織布層13aと、メルトブローン法により形成された不織布層13bとを組み合わせることにより構成させるようにしておくこともある。
【0044】
メルトブローン法により形成される不織布は、スパンボンド法により形成される不織布よりもその目を細かくできる。一方、スパンボンド法により形成される不織布は、構成繊維の径を比較的太く、繊維強度を強くできることから、このようにしておけば、メルトブローン法により形成された不織布層13bによって細かな塵芥を捕捉できると共に、スパンボンド法により形成された不織布層13aによって内層部13に「こし」を持たせることができ、形成されるフィルタ体1を所定の形に保形させ易くすることができる。
【0045】
図12に示される例にあっては、最内層(前記内部空間10に面する層)を、スパンボンド法により形成される不織布とし、この最内層と外層部14との間に位置される層を、メルトブローン法により形成される不織布としている。間隔形成部材2は、内層部13に対し、繊維強度の強いスパンボンド法により形成される不織布にのみ接し、燃料タンクTの膨縮などに伴って間隔形成部材2が移動してもこの移動による摩擦はメルトブローン法により形成される不織布に影響を与えることが無いことから、図12に示される例にあっては、こうした摩擦による内層部13を構成する不織布のほつれなどが生じ難い特長を有している。
【0046】
また、この実施の形態にあっては、前記フィルタ装置Fが、一端部30を前記燃料吸い込み口Pへの接続端部とすると共に、他端部31を前記フィルタ体1に形成された連通穴16への接続端部としたプラスチック製の筒状ソケット体3を有している。
【0047】
具体的には、この実施の形態にあっては、かかる筒状ソケット体3は、両端部30、31を開放させた筒状体として構成されている。そして、かかる筒状ソケット体3は、フィルタ体1の上面部11に形成された連通穴16に、他端部31を連通させるようにこのフィルタ体1に一体に設けられている。
【0048】
この実施の形態にあっては、かかる筒状ソケット体3は、前記他端部31側にこの筒状ソケット体3の筒軸を巡る向きに形成された第一外鍔状部32と第二外鍔状部33とを備えている。両外鍔状部31、32の間には隙間34が形成されており、筒状ソケット体3は前記連通穴16の穴縁部をこの隙間34に入れ込ませた状態で、つまり、この穴縁部を第一外鍔状部32と第二外鍔状部33とで挟み付けるようにして、フィルタ体1に備え付けられている。第一外鍔状部32はフィルタ体1の上面部11の外面に接し、第二外鍔状部33はフィルタ体1の上面部11の内面に接するようにして設けられている。具体的には、前記連通穴16を形成させたフィルタ基材1’をインサートとした射出成形により、このフィルタ基材1’に筒状ソケット体3を一体に備え付けるようにしている。このように備え付けられた筒状ソケット体3によって、フィルタ体1の内部空間10に流入されてくる濾過後の燃料を前記燃料吸い込み口P側に案内するようになっている。
【0049】
また、この実施の形態にあっては、前記間隔形成部材2は、
(1)構成される前記フィルタ体1の外縁に沿った外郭形状を備えた主骨部20と、
(2)筒状ソケット体3の第二外鍔状部33にフィルタ体1の内方において組み合わされると共に、この筒状ソケット体3の他端部31の直下に配される丸穴状をなす開口部21aを備えた接続部21と、
(3)この接続部21と前記主骨部20とを接合させ合わせる複数の枝骨部22、22…とを備えている。
【0050】
主骨部20および枝骨部22には、上方又は下方に向けて突き出す突き出し部23が形成されており、この突き出し部23によって、フィルタ体1を常時膨らんだ袋状をなすように保たせるようになっている。
【0051】
この実施の形態にあっては、筒状ソケット体3が前記のように備え付けられたフィルタ基材1’の内層部13側に、この筒状ソケット体3の第二外鍔状部33に接続部21を組み合わさせて間隔形成部材2を位置づけさせた後、フィルタ基材1’をこの内層部13側を内方として二つ折りにし、この二つ折り状態において間隔形成部材2の主骨部20の外方においてこの主骨部20の外郭形状に沿った溶着をフィルタ基材1’に施すことにより、袋状をなすフィルタ体1を成形するようにしている。図示の例ではさらに、このように施された溶着箇所15より外方に位置されるフィルタ基材1’をカットしてフィルタ体1の形状を最終的な形状に整えるようにしている。
【図面の簡単な説明】
【0052】
【図1】フィルタ装置Fの使用状態を示す断面構成図
【図2】同平面図
【図3】同側面図
【図4】筒状ソケット体3が備え付けられたフィルタ基材1’の平面図
【図5】同側面図
【図6】同拡大底面図
【図7】図4におけるA−A線位置での拡大断面図
【図8】図4におけるB−B線位置での拡大断面図
【図9】間隔形成部材2の平面図
【図10】同側面図
【図11】同底面図
【図12】フィルタ体1の拡大断面構成図
【符号の説明】
【0053】
F フィルタ装置
P 燃料吸い込み口
T 燃料タンク
1 フィルタ体
11 上面部
12 下面部
13 内層部
14 外層部
2 間隔形成部材
【特許請求の範囲】
【請求項1】
袋状をなすフィルタ体と、
このフィルタ体内に納められてこのフィルタ体を常時膨らんだ袋状に保つ間隔形成部材とを有し、
燃料タンク内にある燃料吸い込み口にこのフィルタ体の内部空間を連通させるように取り付けられるフィルタ装置であって、
フィルタ体は上面部と下面部とを備えていると共に、このフィルタ体の少なくとも下面部が、
ポリエチレン、ポリプロピレン等のオレフィン系樹脂の繊維によって構成される不織布からなる内層部と、
織物メッシュからなる外層部とを備えていることを特徴とする燃料用フィルタ装置。
【請求項2】
外層部の織物メッシュが、ポリエチレン、ポリプロピレン等のオレフィン系樹脂によって構成されていることを特徴とする請求項1記載の燃料用フィルタ装置。
【請求項3】
外層部の織物メッシュを構成する縦糸及び横糸のいずれか一方が、ポリエチレンによって構成されていると共に、
これらの他方が、ポリプロピレンによって構成されていることを特徴とする請求項2記載の燃料用フィルタ装置。
【請求項4】
内層部が、スパンボンド法により形成された不織布層と、メルトブローン法により形成された不織布層とを組み合わせることにより構成されていることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の燃料用フィルタ装置。
【請求項1】
袋状をなすフィルタ体と、
このフィルタ体内に納められてこのフィルタ体を常時膨らんだ袋状に保つ間隔形成部材とを有し、
燃料タンク内にある燃料吸い込み口にこのフィルタ体の内部空間を連通させるように取り付けられるフィルタ装置であって、
フィルタ体は上面部と下面部とを備えていると共に、このフィルタ体の少なくとも下面部が、
ポリエチレン、ポリプロピレン等のオレフィン系樹脂の繊維によって構成される不織布からなる内層部と、
織物メッシュからなる外層部とを備えていることを特徴とする燃料用フィルタ装置。
【請求項2】
外層部の織物メッシュが、ポリエチレン、ポリプロピレン等のオレフィン系樹脂によって構成されていることを特徴とする請求項1記載の燃料用フィルタ装置。
【請求項3】
外層部の織物メッシュを構成する縦糸及び横糸のいずれか一方が、ポリエチレンによって構成されていると共に、
これらの他方が、ポリプロピレンによって構成されていることを特徴とする請求項2記載の燃料用フィルタ装置。
【請求項4】
内層部が、スパンボンド法により形成された不織布層と、メルトブローン法により形成された不織布層とを組み合わせることにより構成されていることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の燃料用フィルタ装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【公開番号】特開2009−18306(P2009−18306A)
【公開日】平成21年1月29日(2009.1.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−213532(P2008−213532)
【出願日】平成20年8月22日(2008.8.22)
【分割の表示】特願2003−9878(P2003−9878)の分割
【原出願日】平成15年1月17日(2003.1.17)
【出願人】(000135209)株式会社ニフコ (972)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成21年1月29日(2009.1.29)
【国際特許分類】
【出願日】平成20年8月22日(2008.8.22)
【分割の表示】特願2003−9878(P2003−9878)の分割
【原出願日】平成15年1月17日(2003.1.17)
【出願人】(000135209)株式会社ニフコ (972)
【Fターム(参考)】
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