説明

燃料電池に設置された圧力検出手段の故障判定方法

【課題】 燃料電池の燃料ガス供給通路に設置した圧力検出手段の異常発生を確実に判定し得る燃料電池に設置された圧力検出手段の故障判定方法を提供する。
【解決手段】 燃料電池の側に燃料ガスを供給する燃料ガス供給通路の上流側位置に元ガス電磁弁を、下流側位置に昇圧ブロアをそれぞれ介装し、両者間の燃料ガス供給通路内の内圧が所定の負圧傾向になればONする負圧検出スイッチを設置する。燃料電池の起動時に負圧検出スイッチの故障判定を行う(S1でYES)。元ガス電磁弁を閉状態に維持したまま、昇圧ブロアを作動させる(S2〜S4)。負圧検出スイッチがONしなければ(S5でNO)、負圧検出スイッチは故障と判定し、報知したり(S9)、運転禁止したり(S10)する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、燃料電池に設置された圧力検出手段の故障判定方法に関し、特に燃料ガス供給通路の元電磁弁と昇圧ブロアとの間に設置された圧力検出手段について故障発生か否かの診断を可能とする技術に係る。
【背景技術】
【0002】
従来、燃料電池の燃料ガス供給通路における開閉切換の特に閉切換の確実化を意図して、燃料ガス供給通路に対し上下流の両位置にそれぞれ電磁弁を介装する一方、これら上下流両側の電磁弁の故障診断を行う方法が提案されている(例えば特許文献1参照)。このものでは、両電磁弁を共に閉止してその両電磁弁間の燃料ガス供給通路内の検出水素ガス圧に基づいて上流側の電磁弁の故障診断を行い、次に、上流側の電磁弁を一旦開いた後に再び閉じて両電磁弁間の燃料ガス供給通路内の検出水素ガス圧に基づいて下流側の電磁弁の故障診断を行うことが提案されている。
【0003】
又、燃料電池へ空気を供給するエア供給システムの故障判定方法として例えば検出エア流量に基づいて判定する方法も提案されている(例えば特許文献2参照)。このものでは、エア流量センサが正常であると判定されなかった場合には、エア供給システムの故障判定も行わない旨が記載されてはいるものの、エア流量センサが正常か否かの判定を如何にして行うかの具体的方法は記載されてはいない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平9−22711号公報
【特許文献2】特許第4307823号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、燃料電池の燃料として都市ガス等を利用するものにおいては、その都市ガスの供給元側にいわゆるマイコンメーター(ガス遮断装置付きガスメーター)が介装されている場合がある。又、家庭用の燃料電池であると、発電の際に発生する排ガスから排熱回収して貯湯し、給湯に利用することも行われている。このような給湯システムでは、補充的に加熱し得るように熱源機が付設され、この熱源機に対し前記と同じ供給元から都市ガスが燃料として分岐供給されることになる。このような燃料電池システムにおいて、地震やガス工事等の原因により異常を検知すると、前記のマイコンメーターが都市ガスの供給元との間を自動遮断することになる。そして、自動遮断後も、燃料電池側で昇圧ブロワにより燃料(都市ガス)を吸引し続けると、前記熱源機側から空気が燃料電池側に逆流するおそれがあり、このような不都合を回避するために、燃料電池の燃料ガス供給通路に設置した圧力検出手段が負圧を検知することで、燃料ガス供給に異常が発生していることを検知して燃料電池側の作動を安全停止させるようにすることが考えられている。
【0006】
しかしながら、設置した圧力検出手段が正常に作動しなければ、燃料ガス供給に異常が発生していても検知不能となるため、燃料ガス供給通路に設置した圧力検出手段の故障判定方法の開発が要請されている。
【0007】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、燃料電池の燃料ガス供給通路に設置した圧力検出手段の異常発生を確実に判定し得る燃料電池に設置された圧力検出手段の故障判定方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するために、本発明では、燃料ガスと酸素含有ガスとの反応により発電を行う燃料電池に対し燃料ガスを供給する燃料ガス供給通路の上流側位置に元ガス電磁弁を、下流側位置に昇圧ブロワをそれぞれ介装すると共に、前記元ガス電磁弁と昇圧ブロワとの間の燃料ガス供給通路内の圧力を検出する圧力検出手段を設置した場合の前記圧力検出手段の故障判定方法を対象にして次の特定事項を備えることとした。すなわち、前記燃料電池の発電運転の起動時に、前記元ガス電磁弁を閉弁させた状態で、前記昇圧ブロワを作動させたとき、前記圧力検出手段による検出圧力が低下しなければ、前記圧力検出手段は故障していると判定することとした(請求項1)。
【0009】
本発明の場合、昇圧ブロアが作動されると上流側から吸引することになるものの、元ガス電磁弁が閉弁状態のままであるため、昇圧ブロアから元ガス電磁弁までの上流側の燃料ガス供給通路内は内圧が低下して負圧傾向となる。それにも拘わらず、昇圧ブロアから元ガス電磁弁までの燃料ガス供給通路に設置された圧力検出手段による検出圧力が低下しないのであれば、その圧力検出手段は故障していると判定し得ることとなる。これにより、圧力検出手段の故障発生を確実に判定し得ることとなり、この故障判定に基づき、故障発生をユーザー等に報知したり、燃料電池の以後の運転を強制停止又は運転禁止にしたり、することが可能となる。
【0010】
以上の圧力検出手段の故障判定方法における圧力検出手段として、その検出圧力に基づいて燃料電池の発電運転中における燃料ガス供給の有無を判定するために用いられるものを対象とすることができる(請求項2)。例えば燃料ガスの供給元の側にマイコンメーターが介装されている場合に、そのマイコンメーターによる自動遮断機能の作動に伴う燃料ガス供給の停止を確実に判定して検知するという重要な用途に用いられる圧力検出手段を対象にして、その故障判定を確実に行うことができるようになる。
【発明の効果】
【0011】
以上、説明したように、本発明の燃料電池に設置された圧力検出手段の故障判定方法によれば、燃料電池の燃料ガス供給通路に設置した圧力検出手段の異常発生を確実に判定することができ、その故障判定に基づき、故障発生をユーザー等に報知したり、燃料電池の以後の運転を強制停止又は運転禁止にしたり、することができるようになる。
【0012】
特に請求項2によれば、燃料ガスの供給元の側にマイコンメーターが介装されている場合に、そのマイコンメーターによる自動遮断機能の作動に伴う燃料ガス供給の停止を確実に判定して検知するという重要な用途に用いられる圧力検出手段を対象にして、その故障判定を確実に行うことができるようになる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本発明の故障判定方法に係る実施形態を適用する燃料電池システムの例を示す模式図である。
【図2】図1の部分説明図である。
【図3】故障判定方法に係る故障診断を起動前チェック処理として行うフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
【0015】
図1は、本発明の実施形態に係る故障判定方法を実施する燃料電池システムを示す。この燃料電池システムは、燃料電池ユニット2と、この燃料電池ユニット2から排熱を回収して貯湯しこれを給湯に利用する貯湯式給湯ユニット3とを組み合わせ、コントローラ1により作動制御されるようにしたものである。以下、燃料電池ユニット2が固体酸化物型燃料電池(SOFC;Solid Oxide Fuel Cells)により構成された場合を例にして説明する。
【0016】
燃料電池ユニット2は、発電部4と、予熱・蒸発器5と、燃料ガス回路6と、改質用空気供給回路7と、カソード空気供給回路8と、水供給処理回路9とを備えている。発電部4はセルスタック41と、改質器42と、空気用熱交換器43とを備えている。この発電部4に対する燃料ガス・空気・水蒸気等の供給及び排ガスの排出は、いずれも予熱・蒸発器5を通して行われるようになっている。この予熱・蒸発器5に対し燃料ガス供給通路を含む燃料ガス回路6、改質用空気供給回路7及びカソード空気供給回路8が通される一方、予熱用の熱源として発電部4の側から排ガスが導入され、その後に水供給処理回路9に導出され、排ガス中の水分回収により得た純水が予熱・蒸発器5内の燃料ガス回路6に戻されて水蒸気改質用の水蒸気に変換されるようになっている。
【0017】
上記セルスタック41は、例えば複数のセルが所定間隔ずつ隔てた状態で立設されて構成されており、各セルは例えば小径円筒形状のアノード(燃料極)と、この外周側を覆う大径円筒形状のカソード(空気極)とが間に電解質を挟んだ状態で同心円状に一体化されたものである。アノードや、カソードはいずれもNi等の金属酸化物を含有するセラミックスにより形成されたものであり、電解質は例えばYSZ(イットリウム安定化ジルコニア)等の固体酸化物により形成されたものである。
【0018】
セルのアノードの内孔に対し改質器42から水蒸気改質により原燃料の燃料ガスよりも水素リッチとされた燃料ガスが下端から上端に向けて流され、又、カソードの外周面に空気用熱交換器43から酸素含有ガスとしてのカソード空気が供給されるようになっている。カソードではカソード空気の酸素が酸素イオンとなって電解質を通り、アノードでは燃料ガスの水素と反応して水(水蒸気)を生成する一方、その際に生じた電子が回路を通してカソード側に移動して酸素を再びイオン化するということを繰り返して発電される。アノードの内孔に供給された燃料ガスは上記反応に利用された後、オフガスとして改質器バーナに導かれて燃焼用の燃料として利用されるようになっている。又、カソード空気は上方に排気され、改質器バーナからの燃焼排ガスと共に、排ガスとして予熱・蒸発器5に送られるようになっている。その際、上記排ガスは空気を加熱するための熱源として空気用熱交換器43を通過するようになっている。
【0019】
燃料ガス回路6には、元ガス電磁弁60、ガス電磁弁61、昇圧ブロワ62、バッファータンク63、ガス流量センサ64、脱硫器65及び逆止弁66等が燃料ガス供給通路67の上流側から順に介装され、予熱・蒸発器5に入る前に改質用空気供給回路7が合流するようになっている。又、元ガス電磁弁60と昇圧ブロワ62との間、正確には元ガス電磁弁60とガス電磁弁61との間には、通路内の燃料ガス(原料ガスとしての例えば都市ガス)の内圧を検出する圧力検出手段として圧力スイッチ68が配設されている。改質用空気供給回路7には、フィルタ70を通した大気を吸い込んで送給する改質用空気ブロワ71と、バッファータンク72と、改質空気用流量センサ73と、空気弁74と、逆止弁75と等が介装されている。そして、改質用空気供給回路7が合流された燃料ガス回路6には、予熱・蒸発器5内において、水供給処理回路9から純水が供給され、この純水が予熱・蒸発器5において水蒸気に蒸発した状態で改質器42に送られるようになっている。カソード空気供給回路8には、改質用空気供給回路7と同様に、フィルタ80を通した大気を吸い込んで酸素含有ガスとして送給するためのカソード空気ブロワ81と、バッファータンク82と、カソード空気用流量センサ83と等が介装されている。
【0020】
排熱回収用熱交換器91においては、貯湯式給湯ユニット3から循環供給される循環水を冷却水として、予熱・蒸発器5を通過した後の排ガスと熱交換させることで、排熱回収して貯湯すると共に、排ガスに含まれる水分を凝縮させて水回収するようになっている。水供給処理回路9は、排熱回収用熱交換器91で発生した凝縮水(ドレン水)をドレン回収部92で集水し、集水された凝縮水の精製及び精製後の純水の貯留、並びに、貯留した純水を水蒸気として再利用すべく上記予熱・蒸発器5への供給をそれぞれ行う回路である。図例の水供給処理回路9には、集水された凝縮水に対し純水に精製するための精製処理を行うイオン交換樹脂セット93と、精製後の純水を貯留する純水タンク94と、純水タンク94の純水を取水して予熱・蒸発器5側に一定の小流量で供給するための純水ポンプ95と、その際の純水流量を検出する純水流量センサ96と、逆止弁97とが上流側から順に介装されている。この水供給処理回路9から予熱・蒸発器5に供給された純水は予熱・蒸発器5で蒸発されて水蒸気になって改質器42及び発電部4のアノード側に供給されることになる。
【0021】
貯湯式給湯ユニット3は、貯湯タンク11、貯湯タンク11と上記排熱回収用熱交換器91との間で湯水を循環供給させる循環回路12、貯湯タンク11に外部からの給水を入水させる入水路13、貯湯タンク8の頂部から給湯のために出湯させる出湯路14、貯湯タンク11内の湯水が給湯に必要な温度よりも低温であるときに補助加熱する補助熱源機15、及び、補助熱源機15内の燃焼バーナ151に燃料用のガス(例えば都市ガス)を供給する燃料ガス供給通路16を備えて構成されている。この貯湯式給湯ユニット3では、循環回路12に介装された循環ポンプ121を作動させて、貯湯タンク11の底部から排熱回収用熱交換器91に循環供給された湯水を排ガスとの熱交換により加熱・昇温させた上で貯湯タンク8の頂部に戻すことで、排ガスからの回収熱が貯湯タンク11に湯の状態で蓄熱されることになる。一方、この貯湯タンク11内の湯を出湯路14から取りだして、補助熱源機15で補助加熱した上で、あるいは、補助加熱することなく、給湯栓17に給湯したり、浴槽18に注湯したり、し得ることになる。
【0022】
ここで、燃料電池システム2側の燃料ガス回路6と、貯湯式給湯システム3側の燃料ガス供給通路16との関係を図2に基づいて説明すると、供給元の側に介装されたマイコンメーター(ガス自動遮断装置付きガスメーター)19の下流側で燃料ガス供給通路が分岐され、一方が貯湯式給湯システム3の燃料ガス供給通路16となって補助熱源機15の燃焼バーナ151まで延ばされ、他方が燃料ガス回路6の燃料ガス供給通路67となって燃料電池システム2の発電部4の側に延ばされている。従って、地震発生等の異常発生によりマイコンメーター19の自動遮断機能が作動すると、双方の燃料ガス供給通路16,67への燃料ガス(都市ガス)の供給は停止されることになる。
【0023】
ここで、燃料電池システム2の側が起動されて通常運転状態(発電運転状態)にあれば、コントローラ1により燃料ガス回路6の元ガス電磁弁60及びガス電磁弁61が共に開状態に作動制御され、この状態で昇圧ブロワ62が作動制御されて、正常状態(開状態)のマイコンメーター19及び燃料ガス供給通路67を通して燃料ガスが発電部4の側に供給されることになる。この通常運転状態で前記の異常発生によりマイコンメーター19が自動遮断状態に切換えられて燃料ガスの供給が停止してしまうと、燃料ガス供給通路67内はそれまでの正圧状態から負圧傾向に変化して圧力スイッチ68からコントローラ1への信号出力状態が変化することになる。圧力スイッチ68として、例えば、約2kPaの燃料ガス供給圧に対し、内圧0.23〜0.46kPaで接点ONに作動する一方、内圧0.49〜0.75kPaで接点OFFに復帰するような負圧検出スイッチにより構成されていれば、前記のマイコンメーター19の自動遮断作動により燃料ガス供給が停止すれば圧力スイッチ68がON信号を出力するように構成すればよい。その場合、コントローラ1は、圧力スイッチ68からのON信号出力を受けて、マイコンメーター19の自動遮断を検知し、燃料電池システム2の側を強制的に安全停止させることができる。
【0024】
このような重要な役割を果たす圧力スイッチ68について、コントローラ1は燃料電池システム2の起動時に故障判定を実行するようになっている。つまり、燃料電池システム2の起動要求があれば、起動のための作動制御に入る前に圧力スイッチ68を対象にした故障判定を実行し、圧力スイッチ68が正常であると判定された場合に限り、燃料電池システム2の起動制御を開始するのである。
【0025】
以下、図3を参照しつつ圧力スイッチ68の起動前チェック(故障判定)のための処理を説明する。まず、起動要求が有るか否かを確認し(ステップS1)、起動要求があれば(ステップS1でYES)、以後の起動前チェックを実行する。起動要求が有るか否かは、例えば運転スイッチがONされることで出力される燃料ガスの供給要求信号の有無により確認すればよい。起動要求が有ればガス元電磁弁60をそれまでの停止状態のまま、つまり閉弁状態に維持する一方、ガス電磁弁61を閉から開状態に切換える(ステップS2)。状態が安定するまで所定時間α秒(例えば連続0.1秒)の経過を待った上で(ステップS3でYES)、昇圧ブロワ62の作動を開始させる(ステップS4)。
【0026】
圧力スイッチ68がON状態に変化して(ステップS5でYES)、それが所定時間β秒(例えば連続0.5秒)経過するようであれば(ステップS6でYES)、元ガス電磁弁60が閉弁状態であるにも拘わらず昇圧ブロア62が作動されて吸引されたため、元ガス電磁弁60から昇圧ブロア62までの燃料ガス供給通路67の内圧が低下して負圧傾向となって圧力スイッチ68がON状態に変化してしまった、つまり、圧力スイッチ68は正常に機能しているものと判定して次のステップS7の通常運転制御への移行を行う。この通常運転制御への移行は、単に元ガス電磁弁60を開弁切換するだけでもよいが、例えば、次のような処理を実行させることで、圧力変動負荷を抑制してスムーズな移行を実現させることができる。すなわち、昇圧ブロワ62を一旦停止した上で元ガス電磁弁60を開弁し、その後に昇圧ブロワ62を作動させて燃料ガスを供給するようにする。
【0027】
一方、ステップS5で圧力スイッチ68がOFF状態のままで(ステップS5でNO)、それが所定時間γ秒(例えば連続10秒)経過するようであれば(ステップS8でYES)、元ガス電磁弁60が閉弁状態のままで昇圧ブロア62が作動されて吸引されている、つまり内圧が低下している筈であるにも拘わらず、接点ONとはならずにOFF状態のままに維持されているのであるから、圧力スイッチ68は故障していると判定し、圧力スイッチ68は異常である旨の報知を行い(ステップS9)、燃料電池システム2の起動を禁止する異常停止処理(強制停止処理)を行う(ステップS10)。前記の異常である旨の報知は、コントローラ1に接続されたリモコンの表示部に対する表示、警告ランプの点灯・点滅、警報ブザーの吹鳴、あるいは、音声回路を用いた音声警告等を実行すればよい。
【0028】
以上の実施形態による故障判定方法の場合、燃料ガス供給通路67に設置された圧力スイッチ68の故障(異常発生)を確実に検知することができ、これに基づき燃料電池システム2を強制停止させることで、マイコンメーター19の自動遮断機能が作動した場合の燃料電池システム2の側の損傷等の不都合発生のおそれを確実に回避することができるようになる。しかも、その圧力スイッチ68の故障(異常発生)を燃料電子システム2の起動前に検知することができ、これにより、前記の不都合発生のおそれをより一層確実に回避することができるようになる。
【0029】
<他の実施形態>
なお、本発明は前記実施形態に限定されるものではなく、その他種々の実施形態を包含するものである。すなわち、前記実施形態では、供給元に介装されたマイコンメーター19の下流側が燃料供給通路67の他に補助熱源機15の側に延びる燃料供給通路16が分岐している場合について説明したが、これに限らず、例えば補助熱源機15に代えて又は併せてガスコンロやガスファンヒーター等に分岐されているシステムに対し、本発明の故障判定方法を適用してもよい。
【0030】
又、前記実施形態では、圧力検出手段として圧力スイッチ68を示したが、これに限らず、圧力検出手段として圧力センサや、あるいは、燃料ガス供給圧に対応して正圧検出スイッチなどを用いてもよい。
【符号の説明】
【0031】
1 コントローラ
2 燃料電池システム
4 発電部
6 燃料ガス回路
60 元ガス電磁弁
62 昇圧ブロワ
67 燃料ガス供給通路
68 圧力スイッチ(圧力検出手段)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
燃料ガスと酸素含有ガスとの反応により発電を行う燃料電池に対し燃料ガスを供給する燃料ガス供給通路の上流側位置に元ガス電磁弁を、下流側位置に昇圧ブロワをそれぞれ介装すると共に、前記元ガス電磁弁と昇圧ブロワとの間の燃料ガス供給通路内の圧力を検出する圧力検出手段を設置した場合の前記圧力検出手段の故障判定方法であって、
前記燃料電池の発電運転の起動時に、前記元ガス電磁弁を閉弁させた状態で、前記昇圧ブロワを作動させたとき、前記圧力検出手段による検出圧力が低下しなければ、前記圧力検出手段は故障していると判定する、
ことを特徴とする燃料電池に設置された圧力検出手段の故障判定方法。
【請求項2】
請求項1に記載の燃料電池に設置された圧力検出手段の故障判定方法であって、
前記圧力検出手段は、その検出圧力に基づいて燃料電池の発電運転中における燃料ガス供給の有無を判定するために用いられるものである、燃料電池に設置された圧力検出手段の故障判定方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2013−30285(P2013−30285A)
【公開日】平成25年2月7日(2013.2.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−163752(P2011−163752)
【出願日】平成23年7月26日(2011.7.26)
【出願人】(000004709)株式会社ノーリツ (1,293)
【Fターム(参考)】